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  • 特許-可変容量型過給機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】可変容量型過給機
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/00 20060101AFI20231205BHJP
   F02B 37/24 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
F02B39/00 T
F02B37/24
F02B39/00 N
F02B39/00 S
F02B39/00 U
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020069735
(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公開番号】P2021165545
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樹杉 剛
(72)【発明者】
【氏名】築山 宜司
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0316490(US,A1)
【文献】特開2011-247189(JP,A)
【文献】国際公開第2017/163657(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 39/00
F02B 37/24
F01D 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気ガスで回転駆動されるタービンホイールと、
自身の先端部に前記タービンホイールを回転軸線の回りに回転可能に支持するハウジングと、
前記タービンホイールの外周側に周方向に沿って配置される複数の可変ノズルと、
前記ハウジングの前記先端部の外径よりも大きな内径を有して前記先端部の外周を覆うように円環状に形成されて複数の前記可変ノズルを保持するノズルプレートと、
を有する可変容量型過給機であって、
前記ハウジングの前記先端部の外周面であるハウジング先端外周面は、前記ノズルプレートの内周に形成されたプレート内周面と、前記回転軸線に沿う方向において少なくとも一部が対向しており、
前記ハウジングの前記先端部と前記タービンホイールとの間には、円板状に形成された遮熱位置決めシール部材が設けられており、
前記遮熱位置決めシール部材は、
前記回転軸線の方向に沿って前記ハウジングの側に向かって連続した凸状となるように湾曲されて前記ハウジング先端外周面に接触するように前記ハウジングの前記先端部の外周側に嵌め込まれた円環状の内環状凸状湾曲部と、
前記内環状凸状湾曲部の外周側に設けられて前記回転軸線の方向に沿って連続した凸状となるように湾曲されて前記プレート内周面に接触するように前記ノズルプレートの内周側に嵌め込まれた円環状の外環状凸状湾曲部と、
前記内環状凸状湾曲部よりも内周側に延設されて前記ハウジングの前記先端部の端面の少なくとも一部を覆う遮熱部と、
を有している、
可変容量型過給機。
【請求項2】
請求項1に記載の可変容量型過給機であって、
前記外環状凸状湾曲部は、前記回転軸線の方向に沿って前記タービンホイールの側に凸状となるように湾曲されている、
可変容量型過給機。
【請求項3】
請求項2に記載の可変容量型過給機であって、
前記ノズルプレートの前記プレート内周面は、
前記回転軸線の方向において前記ハウジングの側の端部となる前記ノズルプレートの内周面に形成されて、前記ハウジング先端外周面に対向している大径のプレート大径内周面と、
前記回転軸線の方向において前記プレート大径内周面に隣接するように前記タービンホイールの側に形成されて、前記プレート大径内周面よりも小径のプレート小径内周面と、
前記プレート大径内周面と前記プレート小径内周面との間に形成されて径方向に沿うプレート段差面と、
を有しており、
前記遮熱位置決めシール部材の前記外環状凸状湾曲部は、
前記プレート大径内周面と前記プレート段差面との双方に接触している、
可変容量型過給機。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の可変容量型過給機であって、
前記遮熱部は、径方向におけるいずれかの位置が前記ハウジングの端面に接触するように前記回転軸線の方向において前記ハウジングの側に向かうように湾曲されている、
可変容量型過給機。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の可変容量型過給機であって、
前記遮熱位置決めシール部材は、
弾性力と耐熱性を有する金属にて形成されている、
可変容量型過給機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変容量型過給機に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用の内燃機関の過給機には、低回転領域から高回転領域まで高い過給効果を得られるようにした可変容量型過給機がある。一般的な可変容量型過給機は、ハウジング(ベアリングハウジング)と、ハウジングに回転可能に配設されるタービンホイールと、タービンホイール側に供給される排気ガスの流路面積を可変する可変ノズルと、を備えている。
【0003】
例えば、図4に示す特許文献1の可変容量型過給機101は、タービンインペラ105側からの熱を遮蔽する環状の遮熱板130が、ベアリングハウジング120(ハウジングに相当)のタービンインペラ105(タービンホイールに相当)の側の面に嵌合されて設けられている。さらに、遮熱板130における嵌合部121よりも径方向外側の被テーパ嵌合部135に対向する位置には、テーパ嵌合が可能なテーパ嵌合部131が形成されている。
【0004】
可変容量型過給機101では、高温時(運転時)における遮熱板130とベアリングハウジング120の熱膨張差により、被テーパ嵌合部135とテーパ嵌合部131が接触し、被テーパ嵌合部135とテーパ嵌合部131との間に力が発生するようになっている。この発生する力のタービンインペラ105の回転軸線JK2の方向に沿う分力によって、遮熱板130が可変ノズル111の側へ押されて、遮熱板130の接触部133とノズルリング115の一部との間をシールすることができる。これにより、可変ノズル111の側からベアリングハウジング120への排気ガスのリークを防止し、タービン効率の低下を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-247189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の可変容量型過給機101では、常温時(非運転時及び暖機運転中)において、熱膨張差により被テーパ嵌合部135とテーパ嵌合部131との間に隙間が生じ、接触部133とノズルリング115の一部との間をシールすることができない場合がある。さらに、可変容量型過給機101では、常温時(非運転時及び暖機運転中)において、タービンインペラ105の径方向に遮熱板130が収縮してノズルリング115と遮熱板130との間に隙間が生じて、ベアリングハウジング120に対してノズルリング115の位置決めできない場合がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、ハウジングに対する可変ノズルユニットの位置決めと、タービンホイールの吸気側からハウジング側への排気ガスのリークの抑制と、ハウジングへの熱の伝導の抑制と、の3機能を集約した遮熱位置決めシール部材にて、組付性をより向上させることができる可変容量型過給機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、第1の発明は、内燃機関の排気ガスで回転駆動されるタービンホイールと、自身の先端部に前記タービンホイールを回転軸線の回りに回転可能に支持するハウジングと、前記タービンホイールの外周側に周方向に沿って配置される複数の可変ノズルと、前記ハウジングの前記先端部の外径よりも大きな内径を有して前記先端部の外周を覆うように円環状に形成されて複数の前記可変ノズルを保持するノズルプレートと、を有する可変容量型過給機であって、前記ハウジングの前記先端部の外周面であるハウジング先端外周面は、前記ノズルプレートの内周に形成されたプレート内周面と、前記回転軸線に沿う方向において少なくとも一部が対向しており、前記ハウジングの前記先端部と前記タービンホイールとの間には、円板状に形成された遮熱位置決めシール部材が設けられており、前記遮熱位置決めシール部材は、前記回転軸線の方向に沿って前記ハウジングの側に向かって連続した凸状となるように湾曲されて前記ハウジング先端外周面に接触するように前記ハウジングの前記先端部の外周側に嵌め込まれた円環状の内環状凸状湾曲部と、前記内環状凸状湾曲部の外周側に設けられて前記回転軸線の方向に沿って連続した凸状となるように湾曲されて前記プレート内周面に接触するように前記ノズルプレートの内周側に嵌め込まれた円環状の外環状凸状湾曲部と、前記内環状凸状湾曲部よりも内周側に延設されて前記ハウジングの前記先端部の端面の少なくとも一部を覆う遮熱部と、を有している、可変容量型過給機である。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明に係る可変容量型過給機であって、前記外環状凸状湾曲部は、前記回転軸線の方向に沿って前記タービンホイールの側に凸状となるように湾曲されている、可変容量型過給機である。
【0010】
第3の発明は、上記第2の発明に係る可変容量型過給機であって、前記ノズルプレートの前記プレート内周面は、前記回転軸線の方向において前記ハウジングの側の端部となる前記ノズルプレートの内周面に形成されて、前記ハウジング先端外周面に対向している大径のプレート大径内周面と、前記回転軸線の方向において前記プレート大径内周面に隣接するように前記タービンホイールの側に形成されて、前記プレート大径内周面よりも小径のプレート小径内周面と、前記プレート大径内周面と前記プレート小径内周面との間に形成されて径方向に沿うプレート段差面と、を有しており、前記遮熱位置決めシール部材の前記外環状凸状湾曲部は、前記プレート大径内周面と前記プレート段差面との双方に接触している、可変容量型過給機である。
【0011】
第4の発明は、上記第1の発明~第3の発明のいずれか1つに係る可変容量型過給機であって、前記遮熱部は、径方向におけるいずれかの位置が前記ハウジングの端面に接触するように前記回転軸線の方向において前記ハウジングの側に向かうように湾曲されている、可変容量型過給機である。
【0012】
第5の発明は、上記第1の発明~第4の発明のいずれか1つに係る可変容量型過給機であって、前記遮熱位置決めシール部材は、弾性力と耐熱性を有する金属にて形成されている、可変容量型過給機である。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によれば、ハウジングに対する可変ノズルユニットの位置決めと、タービンホイールの吸気側からハウジング側への排気ガスのリークの抑制と、ハウジングへの熱の伝導の抑制と、の3機能を集約した遮熱位置決めシール部材にて、組付性をより向上させることができる。
【0014】
第2の発明によれば、プレート内周面に沿って外環状凸状湾曲部をタービンホイールの側へ移動させることで、遮熱位置決めシール部材をノズルプレートの内側に容易に嵌め込むことができる。
【0015】
第3の発明によれば、タービンホイールの回転軸線の方向において、ノズルプレートに対して遮熱位置決めシール部材の位置決めをすることができる。
【0016】
第4の発明によれば、遮熱部をハウジングの端面に接触することで、タービンホイールの回転に伴い振動が発生することを防止することができる。
【0017】
第5の発明によれば、高温の排気ガスに晒されても、遮熱位置決めシール部材が破壊されることがなく、ハウジング側に対する可変ノズルユニットの位置決めと、タービンホイールの吸気側からハウジング側への排気ガスのリークを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態の可変容量型過給機の全体構成を説明する断面図である。
図2】第1の実施形態の可変容量型過給機の詳細を説明する断面図である。
図3】第2の実施形態の可変容量型過給機の詳細を説明する断面図である。
図4】特許文献1に記載の可変容量型過給機を説明する拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図1図4を用いて、本発明の実施形態の例について説明する。
●[第1の実施形態の可変容量型過給機1の構成(図1図2)]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る車両用の可変容量型過給機1のタービンホイール5の回転軸線JKを含む断面の断面図である。本発明の実施形態に係る車両用の可変容量型過給機1は、内燃機関(図示省略)からの排気ガスのエネルギーを利用して、内燃機関の側に供給される空気を圧縮(過給)するものである。
【0020】
図1に示すように、可変容量型過給機1は、タービンハウジング3と、タービンホイール5と、可変ノズルユニット10と、ハウジング20と、遮熱位置決めシール部材30と、を有する。
【0021】
タービンホイール5は、内燃機関の排気ガスで回転駆動され、ハウジング20の先端部25において、回転軸線JKの回りに回転可能にロータ軸7により支持されている。可変ノズル11は、タービンホイール5の外周側に周方向に沿って複数配置され、ハウジング20自身の先端部25の外径よりも大きな内径を有して先端部25の外周を覆うように円環状に形成された第1ノズルプレート15に保持されている。
【0022】
可変ノズルユニット10は、可変ノズル11と、ノズル軸13Aと、ノズル可変機構13Bと、第1ノズルプレート15(ノズルプレートに相当)と、第2ノズルプレート19と、を有する。可変ノズル11は、ノズル軸13Aを介して、ノズル可変機構13Bへ接続されて、タービンホイール5への排気ガスの供給量を調整する。
【0023】
図1図2に示すように、ハウジング20の先端部25の外周面であるハウジング先端外周面21は、第1ノズルプレート15の内周に形成されたプレート内周面17と、回転軸線JKに沿う方向において少なくとも一部が対向している。
【0024】
プレート内周面17は、プレート大径内周面17Aと、プレート小径内周面17Bと、プレート段差面17Cと、を有している。
【0025】
プレート大径内周面17Aは、回転軸線JKの方向においてハウジング20の側の端部となる第1ノズルプレート15の内周面に形成されるハウジング先端外周面21に対向する大径の内周面である。
【0026】
プレート小径内周面17Bは、回転軸線JKの方向においてプレート大径内周面17Aに隣接するようにタービンホイール5の側に形成されるプレート大径内周面17Aよりも小径の内周面である。
【0027】
プレート段差面17Cは、プレート大径内周面17Aとプレート小径内周面17Bとの間に形成されて径方向に沿う段差面である。
【0028】
ハウジング20の先端部25とタービンホイール5との間に遮熱位置決めシール部材30が、設けられている。遮熱位置決めシール部材30は、弾性力と耐熱性を有する金属の材質(例えば、ニッケル基の超合金等)にて、板厚0.1mm~0.3mmの円板状に形成されている。また遮熱位置決めシール部材30は、内環状凸状湾曲部31と、外環状凸状湾曲部33と、遮熱部35と、を有している。
【0029】
内環状凸状湾曲部31は、回転軸線JKの方向に沿ってハウジング20の側に向かって連続した凸状となるように湾曲された円環状であり、ハウジング先端外周面21に接触するようにハウジング20の先端部25の外周側に嵌め込まれる。
【0030】
外環状凸状湾曲部33は、内環状凸状湾曲部31の外周側に設けられて回転軸線JKの方向に沿って連続したタービンホイール5の側に凸状となるように湾曲された円環状であり、プレート内周面17の一部を形成するプレート大径内周面17Aに接触するように第1ノズルプレート15の内周側に嵌め込まれる。外環状凸状湾曲部33は、プレート大径内周面17Aとプレート段差面17Cとの双方に接触している。
【0031】
遮熱部35は、ハウジング20の先端部25のハウジング20の端面であるハウジング端面23(端面に相当)の少なくとも一部を覆うように、内環状凸状湾曲部31よりも内周側に延設されている。遮熱部35は、径方向におけるいずれかの位置が、ハウジング端面23に接触するように回転軸線JKの方向においてハウジング20の側に向かうように湾曲されている。
【0032】
[遮熱位置決めシール部材の効果(図2)]
図2は、第1の実施形態の可変容量型過給機1の詳細を説明する拡大図である。なお、矢印は、排気ガスの流れを示している。
【0033】
図2に示すように、内環状凸状湾曲部31と外環状凸状湾曲部33により、プレート大径内周面17Aとハウジング先端外周面21との間に形成される隙間をシールし、タービンホイール5の吸気側からハウジング20側への排気ガスのリークを抑制することができる。これにより、本発明の可変容量型過給機1は、タービン効率の性能の向上を図ることができる。
【0034】
遮熱位置決めシール部材30は、外環状凸状湾曲部33がプレート大径内周面17Aに接触し、内環状凸状湾曲部31がハウジング先端外周面21に接触して、ハウジング20に対する第1ノズルプレート15の径方向における位置決めをすることで、可変ノズルユニット10の径方向における位置決めをすることができる。
【0035】
遮熱位置決めシール部材30の内環状凸状湾曲部31と外環状凸状湾曲部33が、断面において略S字状の形状を形成する。この略S字状の断面形状と遮熱位置決めシール部材30が弾性力を有する材質であることにより、可変ノズルユニット10は、内環状凸状湾曲部31と外環状凸状湾曲部33により、ハウジング20に対して弾性支持される。
【0036】
常温時(組立時)において、内環状凸状湾曲部31と外環状凸状湾曲部33は、弾性変形(縮む方向に変形)された状態で、プレート大径内周面17Aとハウジング先端外周面21との間に嵌め込まれる。縮む方向に弾性変形された内環状凸状湾曲部31と外環状凸状湾曲部33は、径方向に弾性変形して伸縮することで、高温時での熱膨張と低温時での熱収縮を吸収することができる。これにより、遮熱位置決めシール部材30は、プレート大径内周面17A(プレート内周面17)とハウジング先端外周面21との間の隙間のシールを維持できるとともに、ハウジング20に対する可変ノズルユニット10の径方向における位置決めを維持することができる。
【0037】
遮熱位置決めシール部材30は、外環状凸状湾曲部33がプレート段差面17Cに接触し、遮熱位置決めシール材30の回転軸線JKの方向における位置決めをすることができる。
【0038】
遮熱部35は、ハウジング端面23を覆うことで、タービンホイール5の吸気側からの排気ガスがハウジング端面23に直接当たることを防止し、ハウジング20へ熱が伝導することを防止することができる。
【0039】
●[第2の実施形態の可変容量型過給機1Xの構成(図3)]
本発明の第2の実施形態は、第1ノズルプレートとハウジングのそれぞれの形状が第1の実施形態の第1ノズルプレート15とハウジング20(図1図2参照)のそれぞれの形状と異なる可変容量型過給機に対して適用される実施形態の例である。
【0040】
図3は、第2の実施形態に係る車両用の可変容量型過給機1Xのタービンホイール5の回転軸線JKを含む断面の断面図である。なお、矢印は、排気ガスの流れを示している。
【0041】
可変容量型過給機1Xは、第1の実施形態の可変容量型過給機1に対して、第1ノズルプレート15(図2参照)の代わりに第1ノズルプレート15Xであり、ハウジング20(図2参照)の代わりにハウジング20Xである点で相違する。以下、第1ノズルプレート15Xとハウジング20Xについて主に説明する。
【0042】
第1ノズルプレート15Xは、プレート内周面17(図2参照)の代わりにプレート内周面17Xである点で相違する。プレート内周面17Xは、単一の内周面であり、プレート大径内周面17A、プレート小径内周面17B、及びプレート段差面17Cを有していない(図2参照)。
【0043】
ハウジング20Xは、ハウジング先端外周面21(図2参照)の代わりにハウジング先端外周面21Xである点で相違する。ハウジング先端外周面21Xは、単一の外周面であり、段差を有していない。
●[本発明の効果]
【0044】
以上に説明したように、本発明の可変容量型過給機は、ハウジングに対する可変ノズルユニットの位置決めと、タービンホイールの吸気側からハウジング側への排気ガスのリークの抑制と、ハウジングへの熱の伝導の抑制と、の3機能を集約した遮熱位置決めシール部材にて、組付性をより向上させることができる。
【0045】
本発明の、可変容量型過給機は、本実施の形態で説明した構成、構造等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。特に、第1ノズルプレートの内周面の形状とハウジングの外周面の形状は、上記の実施形態にて説明した形状に限定されず、内環状凸状湾曲部と外環状凸状湾曲部を収容する隙間を形成する形状であれば良い。
【0046】
本願の実施形態の例にて、遮熱部35は、ロータ軸7近傍のハウジング端面23にて接触しているが、これに限定されず、内環状凸状湾曲部31よりも内周側に延設されていれば、ハウジング端面23に接触されていても、接触されていなくても良い。
【符号の説明】
【0047】
1、1X 可変容量型過給機
3 タービンハウジング
5 タービンホイール
7 ロータ軸
10 可変ノズルユニット
11 可変ノズル
13A ノズル軸
13B ノズル可変機構
15、15X 第1ノズルプレート(ノズルプレート)
17、17X プレート内周面
17A プレート大径内周面
17B プレート小径内周面
17C プレート段差面
19 第2ノズルプレート
20、20X ハウジング
21、21X ハウジング先端外周面
23 ハウジン端面(端面)
25 先端部
30 遮熱位置決めシール材
31 内環状凸状湾曲部
33 外環状凸状湾曲部
35 遮熱部
JK 回転軸線
図1
図2
図3
図4