(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】発音装置組込型インストルメントパネル
(51)【国際特許分類】
B60K 37/00 20060101AFI20231205BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20231205BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
B60K37/00 Z
H04R1/02 102B
H04R1/00 310F
(21)【出願番号】P 2020132772
(22)【出願日】2020-08-05
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000229955
【氏名又は名称】日本プラスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】実開昭64-008897(JP,U)
【文献】実開昭56-108677(JP,U)
【文献】特開平04-097697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00-37/06
H04R 1/00-1/14,1/42-1/46
B60R 9/00-11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発音装置組込型インストルメントパネルであって、
前記インストルメントパネルの上面パネル裏側に一体成形された、前記発音装置の取付部と、
前記取付部に取り付けられた前記発音装置と、を備えており、
前記発音装置が、音源モジュールと、前記音源モジュールを球中心部分に収納するほぼ半球状の構造体と、を有しており、
前記取付部が、前記構造体の半球面と当接する凹状半球面の当接面を有している、ことを特徴とするインストルメントパネル。
【請求項2】
前記当接面が、複数のリブの端縁によって形成されており、
複数の前記リブが、前記当接面の半球面の中心から放射状に伸びる放射リブ、前記中心に対して同心円状に配置された環状リブ、又は、前記放射リブ及び前記環状リブとからなる格子状のリブである、ことを特徴とする請求項1に記載のインストルメントパネル。
【請求項3】
前記当接面が、円柱状のボスの端面によって形成されている、請求項1に記載のインストルメントパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発音装置が組み込まれたインストルメントパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両の車室内には、音楽などを聞くための発音装置が設けられる。発音装置は、乗員の聴環境を考慮して、インストルメントパネルの上面や前ドア前下方部に取り付けられることが多い。このような発音装置としてはコーンを有するスピーカが一般的であり、その前面には保護のためのグリルが設けられる。また、メインスピーカに加えて、Aピラーやドアミラーの根元に発音装置(ツイータ)が設けられたり、低音を出力するウーファが設けられたりすることもある。
【0003】
下記特許文献1では、車両内装材を振動させることで音を出力する発音装置が開示されている。この発音装置は、車両内装材(インストルメントパネル)を振動させることで音を出力するので、車両内装材の表面にスピーカグリルなどが設けられることはなく、美麗な外観を呈するものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように発音装置をインストルメントパネルに設ける場合、音の伝達効率が低いので、音源モジュールをインストルメントパネルの内面に単純に接触させるだけでは十分な音量を得ることは困難である。また、発音装置をインストルメントパネルの内部に閉鎖的に配置するレイアウトされる。従って、十分な音量を得るには、体積的に大きな音源モジュールが必要となる。しかし、音源モジュールを含む発音装置をインストルメントパネルの内部の閉鎖的な空間に配置するに設置スペースが限られており、インストルメントパネルの内部に体積的に大きな発音装置を設置するスペースを確保するのは困難である。
【0006】
本開示の目的は、発音装置の発生する音の伝達効率がよく、大きな設置スペースを必要としない、発音装置組込型インストルメントパネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の発音装置組込型インストルメントパネルは、インストルメントパネルの上面パネル裏側に一体成形された、発音装置の取付部と、この取付部に取り付けられた発音装置とを備えている。発音装置は、音源モジュールと、この音源モジュールを球中心部分に収納するほぼ半球状の構造体とを有している。取付部は、構造体の半球面と全体的に当接する凹状半球面状の当接面を有している。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、発音装置の発生する音の伝達効率がよく、大きな設置スペースを必要としない、発音装置組込型インストルメントパネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る発音装置組込型インストルメントパネル正面外観図である。
【
図2】上記インストルメントパネルの一部断面分解斜視図である。
【
図3】
図1におけるIII-III線断面図である。
【
図4】上記発音装置が組み込まれるインストルメントパネル裏側を示す一部断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係るインストルメントパネル1について
図1~
図4を参照しつつ説明する。
【0011】
図1に示されるように、発音装置2が組み込まれたインストルメントパネル1は、車両の車室内の最も前方に配置されている。インストルメントパネル1の上面の左側及び右側に、それぞれ発音装置2が内蔵されており、左右の発音装置2によってステレオの音場を構成することが可能である。インストルメントパネル1は、いわゆるセンタメータタイプのインストルメントパネルであり、その中央には速度などの各種情報を表示するセンターディスプレイ3も組み込まれている。
【0012】
発音装置2は、インストルメントパネル1の内側に取り付けられており、インストルメントパネル1の上面には、スピーカグリルのようなものが露出されることはなく、その外観は美麗である。また、スピーカグリルを設けると内部にホコリが溜まるが、本実施形態ではそのような問題もない。なお、本実施形態に係るインストルメントパネル1は、表面が塗装されているが、表面に発泡樹脂層及び表皮材を有する構造を備えていてもよい。発音装置2は、音楽の再生のみならず、乗員への音声による情報の提供や、警告音による乗員への注意喚起を行うことも可能である。
【0013】
図2に示されるように、インストルメントパネル1の裏側には、発音装置2が取り付けられる取付部10が形成されている。なお、本実施形態のインストルメントパネル1は、上述したように表面が塗装されているので、表面に塗膜13を有している。取付部10は、インストルメントパネル1の本体(基材)の射出成形時に一体成形される。
図3及び
図4に示されるように、本実施形態の取付部10は、インストルメントパネル1の内面から立設された、複数の放射リブ11と複数の環状リブ12とで構成されている。取付部10は、放射リブ11及び環状リブ12からなる格子状のリブによって形成されている。
【0014】
放射リブ11は、中心Oから放射状に16個形成されている。各放射リブ11の中心O側(内側)の内端縁11iは円の一部を形成しており、中心Oに対して反対側に位置する放射リブ11の内端縁11iと共に半円を形成している(
図3参照)。すなわち、この半円状の内端縁11iが、中心Oの周りに8組形成され、この8組の内端縁11iによって凹状半球面の当接面10aが形成されている。また、各放射リブ11の外側の外端縁11oは、当接面10aの外周縁からインストルメントパネル1の内面へと直線的に形成されている。各放射リブ11は、ほぼ三角形の形状に形成され、その最も長い辺でインストルメントパネル1の本体と結合されるので、放射状の複数の放射リブ11は、取付部10のインストルメントパネル1の本体との結合強度を向上させている。
【0015】
一方、環状リブ12は、中心Oに対して同心円状に4つ形成されている。なお、中心Oの部分にも、環状ではなく円柱状の小さなボス12bが形成されている。各環状リブ12は、各放射リブ11と直角に交差しており、取付部10の強度及び剛性を向上させている。各環状リブ12の端縁12e(及びボス12b)の高さは、放射リブ11の内端縁11i又は外端縁11oの高さに一致されている。ここで、上述した当接面10aの内部に位置する2つの環状リブ12については、それらの環状の端縁12eも半球状の当接面10aを形成している。ボス12bの端面も半球状の当接面10aを形成している。
【0016】
上述した半球状の当接面10aを介して、発音装置2が取付部10に取り付けられる。発音装置2は、音源となる振動を発生させる音源モジュール20と、この音源モジュール20を収納した状態で上述した取付部10に取り付けられる構造体21と、音源モジュール20の振動を制御する制御ユニット22とを備えている。なお、発音装置2は、音源モジュール20を構造体21に固定するための一対のブラケット23も備えている。なお、音源モジュール20の構造体21との固定は、ブラケット23以外の固定機構によって固定されてもよい。
【0017】
本実施形態の音源モジュール20は、音の原因となる振動を電力によって発生させる振動体である。音源モジュール20は、小型スピーカでもよい。音源モジュール20には、制御ユニット22を介して電力が供給される。制御ユニット22は、車両の他のコントローラと接続されており、制御に関わる信号と電力とを供給される。構造体21は、音源モジュール20が発生した振動を効率よく、かつ、放射状にインストルメントパネル1に伝達するための部材であり、アルミ・マグネシウム・銅・硬質樹脂などによって形成されている。
【0018】
構造体21は、半球状の形状を有しており、その球中心部分に音源モジュール20を収納する収納穴21aが形成されている。収納穴21aは、音源モジュール20の外表面と面接する内面を有している。このため、音源モジュール20の振動は、効率よく構造体21に伝達される。また、構造体21の球面状の外面は、上述した取付部10の当接面10a(内端縁11i及び端縁12e)と全体的に面接する。伝達された音源モジュール20の振動は、半球状の構造体21を介して放射状に伝達され、その後、当接面10aを介して取付部10の放射リブ11及び環状リブ12に伝達される。
【0019】
この振動は、さらに、放射リブ11及び環状リブ12を介してインストルメントパネル1の上面パネルに伝達される。上述したように、放射リブ11及び環状リブ12は格子状に構成されており、その剛性は高く、振動(音)の伝達効率が高い。また、放射リブ11及び環状リブ12の形状も当接面10aからインストルメントパネル1の上面パネルに向けて大きくなる形状であるので、振動(音)は構造体21から上面パネルへと効率よく放射状に伝達される。
【0020】
この過程で、振動が音に変換され、インストルメントパネル1の上面を音場として、この上面から車室内に音が出力される。構造体21の大きさは、取付部10の形状によって調整され得る。また、取付部10の放射リブ11及び環状リブ12の厚さや大きさは、音(音質や音量)の調整パラメータとして調整され得る。インストルメントパネル1の上面の広い面積から車室に向けて出力された音は、広く拡散すると共にフロントガラスによる反射もあり、車室内に広く良質な音を提供することができる。
【0021】
良質な音を発生させるには、大型のスピーカを設置したり、複数のスピーカを設置したりするのが一般的である。しかし、コストが増加するだけでなく、設置スペースを確保するのが難しいという問題がある。本実施形態によれば、前席乗員の耳に近い位置で広い面積の音場を確保することができる。また、構造体21及び取付部10によって放射状に拡散されるため、複数のスピーカを設置するが必要なく、広範囲に音を出力することができる。従って、本実施形態によれば、低コストで伝達効率の高い音場を提供することができる。
【0022】
本実施形態では、上述したように半球状の構造体21を有する発音装置2とこの構造体21の半球面と当接する凹状半球面の当接面10aを有する取付部10とが設けられている。これにより、上述したように良質の音を広範囲に提供できる。ここで、円柱状の構造体の円形端面をインストルメントパネル1の上面パネルの裏面に直接当接させた場合(取付部10無し)の、本願実施形態との比較を行った(構造体の形状が異なる場合の検討)。本実施形態の半球状の構造体21の半径=円柱状構造体の半径=rとした(材質は同じ)。両者でQ値を比較した場合、本実施形態の半球状の構造体21の方がQ値を小さくすることができることが分かった。
【0023】
ここで、Q値は、品質係数(Quality factor)とも呼ばれ、主に振動の状態(共振の度合い)を表す無次元量である。Qの値が低いということは共振を素早く制御できることを示している。逆に、Q値が高いということは共振が長く続いている(安定している)ということである。ここでは、振動でも「音」の質の評価であるため、Q値は低い方がよい。Q値が低い方が、音の立下りがよく、メリハリのある音を出力できる。なお、円柱状の構造体をインストルメントパネル1に直接当接させる場合は、この当接している範囲のみが局所的に振動されるため、広がりのある音を提供することはできないという側面もある。
【0024】
また、半球状の構造体21(当接面10a)の面積は(4πr2)/2=2πr2である。一方、円柱状の構造体の音を伝達する円形端面の面積はπr2である。従って、伝達面積も半球状の構造体21の方が倍の面積であり、伝達効率に優れている。また、半球状の構造体21によれば音(振動)を放射状に広げることができるが、上述したように、円柱状の構造体では伝達面が平面であるので音(振動)を放射状に広げることは難しい。
【0025】
本実施形態によれば、凹状半球面の当接面10aを有する取付部10がインストルメントパネル1の裏側に設けられると共に、発音装置2が当接面10aに当接される半球状の構造体21を備えている。構造体21の中心には音源モジュール20が収納され、振動(音)は、音源モジュール20からインストルメントパネル1まで、構造体21及び取付部10を介して放射状に伝達される。この結果、インストルメントパネル1の表面には広範囲の音場が形成されて、この音場から音が広く出力される。
【0026】
また、構造体21及び取付部10によって振動(音)が効率よく伝達されるため、音源モジュール20を大型化する必要はなく、スペース効率よく発音装置2を組み込むことができる。さらに、音源モジュール20は、構造体21及び取付部10によってしっかりと保持されるので、周囲の部品を振動させることもない。これらの結果、本実施形態のインストルメントパネル1は、発音装置2の発生する音の伝達効率がよく、大きな設置スペースを必要としない。
【0027】
また、本実施形態のインストルメントパネル1の上面にスピーカやそのグリルなどが露出されるようなことはなく、美麗な外観を実現することができる。さらに、多くのスピーカを配置することなく良質の音を提供できると共に、取付部10はインストルメントパネル1の成形時に形成することができるので、コスト増加を抑制できる(コストを低減できる)。
【0028】
本実施形態では、当接面10aが、複数のリブ(放射リブ11及び環状リブ12)の端縁(内端縁11i及び端縁12e)によって形成されている。当接面10aの半球面の中心Oから放射状に伸びる放射リブ11、及び、中心Oに対して同心円状に配置された環状リブ12によって格子状のリブが構成されている。この結果、取付部10の剛性向上による音の伝達効率向上と共に、当接面10aでの半球状の構造体21と取付部10との接触面積拡大による音の伝達効率向上を実現することができる。
【0029】
図5に別の実施形態を示す。本実施形態のインストルメントパネル1Aは、上記実施形態に対して、取付部10の当接面10aの形成形態のみが異なる。以下、上記実施形態とは異なる構成のみを説明する。上記実施形態と同一又は同等の構成に関しては、同一の参照符号を付して、重複する説明は省略する。
【0030】
本実施形態では、取付部10の当接面10aを形成する部分が一つの大きな円柱状のボス12bとして形成されており、このボス12bの端面が凹状半球面の当接面10aとなっている。ボス12bは、インストルメントパネル1Aの射出成形時にインストルメントパネル1Aの本体(基材)と一体成形される。ボス12bの外側には、上記実施形態と同様に放射リブ11及び環状リブ12も形成されており、取付部10のインストルメントパネル1Aの本体との結合強度を向上させている。
【0031】
上述したように、ボス12bは射出成形によってインストルメントパネル1Aと一体成形される。このため、ボス12bの体積が大きいと、成形後の冷却時にボス12bの樹脂収縮によるヒケが、当接面10aやインストルメントパネル1Aの上面に生じてしまう。ヒケが生じるとインストルメントパネルの外観が損なわれると共に、当接面10aと構造体21との当接面積が減ってしまう。当接面10aと構造体21との当接面積が減れば、振動(音)の伝達効率が低下する。そこで、本実施形態では、ヒケを防止するためにボス12bに複数の有底穴12aが形成されている。有底穴12aの底板はインストルメントパネル1Aの上面パネルである。
【0032】
有底穴12aは、ヒケを効果的に防止できるように配置されている。本実施形態では、有底穴12aは、中心Oに対して同心円状に、かつ、周方向に断続的に配置されている。なお、有底穴12aは、インストルメントパネル1Aの成形金型の抜き方向に延設される。このようにボス12bによって当接面10aを形成することで、構造体21と取付部10との当接面10aでの接触面積を増やすと共に、当接面10aとインストルメントパネル1Aの上面との間の中実部分を増やすことができる。この結果、振動(音)の伝達効率をさらに向上させることができる。
【0033】
本実施形態によれば、上記実施形態と同様に、振動(音)を、音源モジュール20からインストルメントパネル1Aまで、構造体21及び取付部10を介して放射状に伝達させることができる。この結果、インストルメントパネル1の表面には広範囲の音場が形成され、この音場から音が広く出力される。また、上記実施形態と同様に、スペース効率よく発音装置2を設けることができ、周囲の部品を振動させることもない。これらの結果、本実施形態のインストルメントパネル1Aでも、発音装置2の発生する音の伝達効率がよく、大きな設置スペースを必要としない。さらに、上記実施形態と同様に、インストルメントパネル1Aの美麗な外観を実現することができ、かつ、コスト増加を抑制できる(コストを低減できる)。
【0034】
特に本実施形態では、当接面10aが、円柱状のボス12bの端面によって形成されている。従って、上述したように、当接面10aにおける構造体21と取付部10と伝達面積を増加させる事ができる。また、当接面10aとインストルメントパネル1Aの上面との間の中実部分を増やすことができる。この結果、振動(音)の伝達効率をさらに向上させることができる。
【0035】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、インストルメントパネル1の上面の左側及び右側にそれぞれ発音装置2が設けられた。しかし、発音装置2が、インストルメントパネル1の上面の中央に一つだけ設けられてもよい。あるいは、発音装置2は、インストルメントパネル1の上面パネル以外の部分に組み込まれてもよい。
【0036】
また、当接面10aは、正確に半球状でなくともよく、ほぼ半球状であればよい。すなわち、潰れた半球状であってもよいし、楕円球状の半球状であってもよい。さらに、
図4に示される実施形態では、放射リブ11及び環状リブ12による格子状のリブによって当接面10aが形成された。しかし、放射リブ11のみによって当接面が形成されてもよいし、環状リブ12のみによって当接面が形成されてもよい。また、リブが格子状に形成される場合に、直交する縦リブ及び横リブによって格子状に形成されてもよい。これらの場合も、半球状の当接面10aを形成する取付部10の剛性を確保して振動(音)の伝達効率を向上させることができる。
【0037】
図4に示される実施形態では、ヒケ防止のために有底穴12aが形成されたが、ヒケが形成されないのであれば有底穴12aは設けられなくてもよい。また、インストルメントパネル1Aの表面に発泡樹脂層が形成されるような場合は、インストルメントパネル1Aの表面に関しては多少のヒケは許容され得る。このような場合は、当接面10aのヒケを抑止し得る成形金型内での樹脂流を(射出圧力やゲート位置の調整などで)実現することで、有底穴12aを形成しないことも考えられる。
【符号の説明】
【0038】
1,1A インストルメントパネル
10 取付部
10a 当接面
11 放射リブ
12 環状リブ
12b ボス
2 発音装置
21 構造体
O 中心