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特許7396970情報処理装置、情報処理装置の制御方法および制御プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0488 20220101AFI20231205BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20231205BHJP
【FI】
G06F3/0488
G06F3/0481
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020147779
(22)【出願日】2020-09-02
(65)【公開番号】P2022042367
(43)【公開日】2022-03-14
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】岩附 弘靖
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健一
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-213115(JP,A)
【文献】特開2005-182460(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0225826(US,A1)
【文献】特開2013-039701(JP,A)
【文献】特開2008-204469(JP,A)
【文献】特開2016-184304(JP,A)
【文献】特開2011-242868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0488
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示対象データが表示された表示部における、ユーザが指定した位置に、該ユーザの入力操作を受け付け可能なUI(User Interface)部品を表示させる表示制御部と、
前記UI部品ごとに、前記UI部品と前記表示対象データとの位置関係に基づいて前記表示対象データのうちの注目データを特定する特定部と、
前記UI部品と前記注目データとの対応関係を記憶部に記憶させる対応付け部とを備えている、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記UI部品と、該UI部品に対応付けられた前記注目データとの組を配列したリストを前記表示部に表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記表示対象データのうち、前記UI部品が表示された位置を基点として定まる所定形状および所定サイズの領域に含まれる部分を、前記注目データとして特定する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記特定部によって特定された前記領域のサイズおよび傾きの少なくともいずれか一方の変更をユーザから受け付けるための編集支援ツールを、前記領域とともに前記表示部に表示させ、
前記特定部は、前記編集支援ツールを介して変更された領域に含まれる部分を、前記注目データとして特定する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、前記領域に含まれる文字を注目データとして特定する、請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定部は、前記UI部品が表示された位置に対応する前記表示対象データ上の場所を示す情報を前記注目データとして特定する、請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示対象データは、複数の区画に分かれて構成されており、
前記特定部は、前記UI部品が表示された位置に対応する前記表示対象データ上の位置と同じ区画に含まれている情報を前記注目データとして特定する、請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記UI部品としてのチェックボックスと、該チェックボックスに対応付けられた前記注目データとの組を配列した前記リストを表示させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、年月日の入力を受け付け可能な前記UI部品としての日付オブジェクトに対応付けられた前記注目データを該日付オブジェクトにて受け付けられた年月日に対応付けて配列した前記リストを表示させる、請求項2または8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記表示部に表示させた前記リスト上の、前記ユーザが指定した位置に、リンク先を示すリンク情報を保持するリンク部品を表示させ、
前記対応付け部は、前記リストの元となる前記表示対象データとは別の、前記ユーザによって指定された表示対象データを前記リンク先とするリンク情報を、前記リンク部品に対応付けて前記記憶部に記憶させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記表示部に表示された第1の表示対象データ上の、前記ユーザが指定した位置に、リンク先を示すリンク情報を保持するリンク部品を表示させ、
前記対応付け部は、前記ユーザによって指定された第2の表示対象データを前記リンク先とする前記リンク情報を、前記リンク部品に対応付けて前記記憶部に記憶させる、請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
表示部と記憶部とを備えた情報処理装置の制御方法であって、
表示対象データが表示された前記表示部における、ユーザが指定した位置に、該ユーザの入力操作を受け付け可能なUI部品を表示させる表示ステップと、
前記UI部品ごとに、前記UI部品と前記表示対象データとの位置関係に基づいて前記表示対象データのうちの注目データを特定する特定ステップと、
前記UI部品と前記注目データとの対応関係を前記記憶部に記憶させる対応付けステップとを含む、情報処理装置の制御方法。
【請求項13】
請求項1に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記表示制御部、前記特定部および前記対応付け部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子筆記装置が記載されている。該電子筆記装置では、ユーザは、あらかじめ定められたエリア上に文字などの情報を筆記し、例えば「TODO」という分類を指定する。これにより、筆記された内容を示すストロークデータが「TODO」フォルダに振り分けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-025659号公報(2013年2月4日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術は、情報処理装置における情報の入出力の方式または形式などに制約がある。そこで、情報の入力または出力(例えば、表示)の自由度を向上させて、利便性に優れた情報処理装置を実現することが求められる。
【0005】
本発明の一態様は、情報の入出力の自由度を向上させることにより利便性に優れた情報処理装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、表示対象データが表示された表示部における、ユーザが指定した位置に、該ユーザの入力操作を受け付け可能なUI(User Interface)部品を表示させる表示制御部と、前記UI部品ごとに、前記UI部品と前記表示対象データとの位置関係に基づいて前記表示対象データのうちの注目データを特定する特定部と、前記UI部品と前記注目データとの対応関係を記憶部に記憶させる対応付け部とを備えている。
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御方法は、表示部と記憶部とを備えた情報処理装置の制御方法であって、表示対象データが表示された前記表示部における、ユーザが指定した位置に、該ユーザの入力操作を受け付け可能なUI部品を表示させる表示ステップと、前記UI部品ごとに、前記UI部品と前記表示対象データとの位置関係に基づいて前記表示対象データのうちの注目データを特定する特定ステップと、前記UI部品と前記注目データとの対応関係を前記記憶部に記憶させる対応付けステップとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、利便性に優れた情報処理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理装置の要部構成を示すブロック図である。
図2】情報処理装置の表示部に表示された表示対象データの具体例を示す図である。
図3】表示対象データに配置されたUI部品の具体例を示す図である。
図4】配置されたUI部品に基づいて注目データを特定する動作を説明する図である。
図5】記憶部に記憶されている管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図6】表示部に表示されたリストの具体例を示す図である。
図7】表示対象データが表示されたときに情報処理装置によって実行され得る処理の流れを示すフローチャートである。
図8】リストの表示が指示されたときに情報処理装置によって実行され得る処理の流れを示すフローチャートである。
図9】斜めに筆記された文字列の特定方法を説明する図である。
図10】表示対象データとして表示部に表示される訳語データの具体例を示す図である。
図11】リストとして表示部に表示される単語リストの具体例を示す図である。
図12】表示対象データに配置されたUI部品の具体例を示す図である。
図13】日付指定支援ツールの具体例を示す図である。
図14】他の実施形態に係る管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図15】配置されたUI部品の種類ごとに生成されるリストのいくつかの具体例を示す図である。
図16】表示対象データとして表示部に表示される地図データの具体例を示す図である。
図17】表示部に表示されるTODOリストの具体例を示す図である。
図18】表示対象データとして表示部に表示される広告データの具体例を示す図である。
図19】表示部に表示される選択画面の一例を示す図である。
図20】リストから抽出された注目データが転記された後の表示対象データの具体例を示す図である。
図21】他の実施形態に係るリンク管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図22】表示対象データとして表示部に表示されるページデータの具体例を示す図である。
図23】表示部に表示される検索画面の一例を示す図である。
図24】表示部に表示される検索結果画面の一例を示す図である。
図25】他の実施形態に係るリンク管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図26】リンク部品が配置された後に表示部に表示される画面の遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0011】
<情報処理装置の構成>
図1は、本開示に係る情報処理装置の要部構成を示すブロック図である。本開示に係る情報処理装置は、ユーザによって入力された情報に基づいて、表示対象データを処理し、表示する機能を備えた各種の情報処理装置に適用可能である。本開示に係る情報処理装置は、一例として、電子ノート、電子辞書、PC(Personal Computer)、ノートPC、スマートフォン、タブレット、ゲーム機などに広く好適に用いられる。本実施形態では、一例として、情報処理装置1は、ユーザがタッチペンなどの指示体を用いてタッチパネル上に筆記した文字を入力したり表示したりすることが可能な電子ノートである。
【0012】
情報処理装置1は、制御部10、記憶部11、表示部12、および、操作部13を備えている。情報処理装置1は、図示されていないその他の部材、例えば、一般的な情報処理装置が備えている通信部、カメラ、マイク、スピーカ、GPS(Global Positioning System)などを備えていてもよい。
【0013】
制御部10は、記憶部11に記憶されているプログラムおよびデータ、外部の装置から受信したプログラムおよびデータなどに基づき、情報処理装置1における各ブロックを統括して制御する。
【0014】
制御部10は、例えば、CPU(central processing unit)または専用プロセッサなどの制御装置により構成されてもよい。後述する制御部10の各部は、CPUなどの制御装置が、ROM(read only memory)などで実現された記憶装置(記憶部11)に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)などに読み出して実行することで実現できる。
【0015】
記憶部11は、制御部10にて用いられる各種データを記憶するものであり、ROMおよびRAMなどを含む。本実施形態では、記憶部11は、一例として、管理テーブル51を不揮発的に記憶している。その他、記憶部11は、制御部10が実行する不図示の各種プログラムを記憶していてもよい。また、記憶部11は、表示制御部20によって参照されるレイヤ情報50を不揮発的に記憶している。
【0016】
表示部12は、制御部10が処理した情報をユーザに視認可能に提示する出力装置である。例えば、表示部12は、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどによって構成される。例えば、表示部12には、レイヤ情報50に含まれている各レイヤが表示される。
【0017】
操作部13は、ユーザの操作を受け付けるための入力装置である。操作部13は、受け付けたユーザの操作に対応する指示信号を制御部10に入力する。一例として、操作部13は、表示部12とともにタッチパネルを構成してもよい。操作部13は、表示部12の表示面でもある操作部13の入力面に、ユーザの指またはタッチペンなどの指示体が接触または接近することを検知することが可能なデバイスを含んで構成される。接近を含めてまとめて「接触」と呼ぶ。
【0018】
<機能概要>
情報処理装置1の制御部10は、一例として、表示制御部20、操作受付部21、データ処理部30、部品配置部31、特定部32、対応付け部33、および、リスト処理部34の各部を含む。
【0019】
表示制御部20は、制御部10の各部によって処理されたレイヤ情報50を表示部12に表示させる。レイヤ情報50には、制御部10の各部によって処理されるレイヤが含まれている。各レイヤには、対応する制御部10の各部によって情報処理された結果が反映される。表示制御部20は、レイヤ情報50に含まれている各レイヤのうち、各部の実行状況に応じて表示の対象となるレイヤを選択する。表示制御部20は、複数の表示対象のレイヤに対して、必要に応じて、重畳処理または画面分割処理などを施し、これにより得られた映像信号を表示部12に出力する。これにより、制御部10の各部によって情報処理された結果が表示部12に表示され、ユーザが視認することができる。
【0020】
レイヤ情報50には、一例として、データ処理部30によって処理されるデータレイヤ151と、部品配置部31によって処理される部品配置レイヤ152と、リスト処理部34によって処理されるリストレイヤ153とが含まれている。
【0021】
操作受付部21は、操作部13から入力された信号に基づいて、ユーザの入力操作を受け付ける。一例として、操作受付部21は、ユーザが操作する指示体がタッチパネルに接触した位置、すなわち、タッチ位置を検知して、タッチパネルの座標系における該タッチ位置の座標情報を制御部10の各部に伝達する。
【0022】
データ処理部30は、表示対象データを処理する。表示対象データは、表示部12に表示される対象となる情報を含むデータである。本実施形態では、データ処理部30は、電子ノートアプリケーションなどとして実装されてもよい。電子ノートアプリケーションにおいて、表示対象データは、ユーザによってタッチパネル上に筆記された手書き文字を含むノートデータである。データ処理部30は、処理した表示対象データ、具体的には、ノートデータをデータレイヤ151に展開する。これにより、該ノートデータに含まれる手書き文字が表示制御部20を介して表示部12に表示される。
【0023】
部品配置部31は、UI(User Interface)部品を処理する。UI部品データは、情報処理装置1における情報の入出力に係るユーザの動作を支援するデータである。UI部品は、ユーザの入力操作を受け付けることが可能であって、特定のデータ型で構成された値を保持する。部品配置部31は、操作部13を介して指定された表示部12における位置、つまり、タッチ位置にUI部品を配置する。具体的には、部品配置部31は、UI部品を、部品配置レイヤ152上のタッチ位置に対応する位置に配置する。また、部品配置部31は、UI部品を介して受け付けられた入力操作にしたがって、UI部品が保持する値を新規に登録したり、更新したりする。部品配置部31は、UI部品が保持している値に応じて、UI部品の表示部12における表示態様を変化させてもよい。本実施形態では、一例として、UI部品はチェックボックスである。部品配置部31は、ユーザのタッチ操作にしたがって部品配置レイヤ152を処理することにより、ユーザがタッチペンで指定した位置に、チェックボックスを配置することができる。
【0024】
表示制御部20は、データレイヤ151に部品配置レイヤ152を重畳させて、各レイヤを表示部12に表示させる。これにより、ユーザは、表示部12に表示されている表示対象データの任意の位置に、UI部品を重ねて置くことができる。
【0025】
特定部32は、表示されている表示対象データと、その上に重畳表示されたUI部品との位置関係に基づいて、注目データを特定する。注目データとは、表示対象データのうち、重畳表示されたUI部品に関連する部分を指す。一例として、特定部32は、データレイヤ151上に配置されている表示対象データの情報のうち、部品配置レイヤ152上に配置されているUI部品と近い位置に配置されている情報を注目データとして特定してもよい。
【0026】
対応付け部33は、UI部品と注目データとの対応関係を記憶部11に記憶させる。具体的には、対応付け部33は、配置されたUI部品と、該UI部品に関連するとして特定された注目データとを対応付けて管理テーブル51に登録する。
【0027】
リスト処理部34は、管理テーブル51に登録されているUI部品と注目データとの組を配列したリストを生成する。リスト処理部34によって生成されたリストは、リストレイヤ153に配置され、表示制御部20を介して、表示部12に表示される。
【0028】
操作受付部21が、表示部12に表示されたリストに対するユーザの入力操作が受け付けた場合には、リスト処理部34は、該入力操作に応じて、管理テーブル51を更新し、リストを再編成してもよい。
【0029】
<機能詳細>
(データ処理部30)
図2は、情報処理装置1の表示部12に表示された表示対象データの具体例を示す図である。表示対象データは、一例として、データ処理部30としての電子ノートアプリケーションで処理されるノートデータである。図示のとおり、ノートデータは、操作部13としてのタッチパネルに対して、ユーザがタッチペンなどで筆記したことに伴って生成される手書き文字を含む。データ処理部30は、操作部13を介して検知されたタッチ位置にしたがって、手書き文字を生成し、ノートデータに追加する。データ処理部30が、上述の手書き文字が追加されたノートデータをデータレイヤ151に配置すると、図2に示すとおり、手書き文字を含んだノートデータ201が、表示制御部20によって表示部12に表示される。
【0030】
(部品配置部31)
図3は、表示対象データに配置されたUI部品の具体例を示す図である。本実施形態では、表示制御部20は、ノートデータ201とともに、ノートデータ201に関するユーザの入力操作を支援するための入力支援ツールを表示させてもよい。一例として、表示制御部20は、入力支援ツールとして、部品パレット202を表示させてもよい。
【0031】
部品パレット202は、ノートデータ201上にUI部品を置くための支援ツールである。図示の例では、部品パレット202には、1種類のUI部品が用意されている。このUI部品は、例えば、チェックボックス204である。
【0032】
一例として、操作受付部21が、タッチペンによるチェックボックス204の選択操作を受け付けると、部品配置部31は、チェックボックス204を複製する。次に、操作受付部21が、ドラッグ操作を受け付けると、部品配置部31は、タッチペンの現在接触位置に追随するようにチェックボックス204を移動させる。操作受付部21が、ドロップ操作を受け付けると、部品配置部31は、ドロップ操作が受け付けられた位置に複製したチェックボックス204を配置する。
【0033】
このように、ユーザは、部品パレット202を介して、ノートデータ201上の任意の位置にチェックボックス204を置くことができる。
【0034】
表示制御部20は、入力支援ツールとして、さらに、リスト化ボタン203を表示させてもよい。リスト化ボタン203は、1種類以上のUI部品が配置されたノートデータ201に基づいてリストを表示するようにユーザが情報処理装置1に対して指示を入力するための支援ツールである。操作受付部21が、リスト化ボタン203に対するタッチ操作を受け付けると、リスト処理部34は、後述するように、ノートデータ201と配置された1種類以上のUI部品とに基づいてリストを生成し、表示制御部20を介して表示部12に表示させる。
【0035】
(特定部32)
図4は、配置されたUI部品に基づいて注目データを特定する動作を説明する図である。図示のとおり、チェックボックス204がドラッグアンドドロップ操作されることにより、部品配置部31によってチェックボックス211が配置されたとする。
【0036】
特定部32は、注目データを矩形により特定してもよい。矩形を使えば、文字列を過不足なく適切に特定することが容易である。そのため、注目データを矩形により特定することは、表示対象データから抜き出したい情報が文字列である場合に有効である。
【0037】
特定部32は、一例として、チェックボックス211の位置に基づいて、注目データとしての矩形の上辺と下辺とを以下のように決定してもよい。例えば、特定部32は、チェックボックス211の大部分を挟む上の罫線の位置を矩形の上辺の位置とし、下の罫線の位置を矩形の下辺の位置としてもよい。あるいは、特定部32は、チェックボックス211の上端の位置を矩形の上辺の位置とし、チェックボックス211の下端の位置を矩形の下辺の位置としてもよい。あるいは、特定部32は、チェックボックス211の中心から画面上方向へ所定距離にある位置を矩形の上辺の位置とし、該中心から画面下方向へ所定距離にある位置を矩形の下辺の位置としてもよい。
【0038】
特定部32は、一例として、チェックボックス211の位置に基づいて、注目データとしての矩形の右辺と左辺とを以下のように決定してもよい。例えば、特定部32は、チェックボックス211の右端の位置を矩形の左辺の位置として特定してもよい。そして、特定部32は、チェックボックス211の右側に配置されている連続する文字列の最後尾の文字の右端の位置を矩形の右辺の位置として特定してもよい。
【0039】
以上の特定方法にしたがい、特定部32は、チェックボックス211の位置に基づいて、ノートデータ201のうち矩形221の部分を注目データとして特定する。以下、矩形221は、必要に応じて注目データ221と称される。その他のチェックボックス212~215に関しても、注目データ222~225がそれぞれ特定される。
【0040】
以上の特定方法は、横書き用の罫線に沿って文字が左から右に筆記されているような表示対象データに対して特に有効である。リストの箇条の先頭に付す行頭文字は、箇条の左端に付し、箇条を左から右へ読み進めることが一般的であり、ユーザは、リストの箇条にしたい文字列の左端にチェックボックス211を置くと考えられるからである。
【0041】
他の特定方法として、特定部32は、チェックボックス211の右端から表示部12の画面右端までの横幅と、所定の固定値の縦幅とで特定される矩形を、チェックボックス211に関連する注目データとして特定してもよい。縦幅の所定の固定値は、例えば、罫線幅またはチェックボックスの高さに基づいて定められてもよい。
【0042】
あるいは、特定部32は、チェックボックス211の左端から表示部12の画面左端までの横幅と、上述の所定の固定値の縦幅とで特定される矩形を、チェックボックス211に関連する注目データとして特定してもよい。
【0043】
さらに、特定部32は、チェックボックス211の右側と左側、いずれにある矩形を注目データとして採用するかについて以下の規則に基づいて決定してもよい。例えば、特定部32は、横幅が長い方の矩形を採用してもよいし、含まれる文字数が多い方の矩形を採用してもよい。
【0044】
上述の特定方法によれば、箇条にしたい文字列の左端にチェックボックスを置くスペースがなく、ユーザが該文字列の右側にチェックボックスを置いた場合であっても、適切に関連する注目データを特定することができる。
【0045】
さらに他の特定方法として、特定部32は、チェックボックス211の最も近くにある文字を含む連続した文字列を含む矩形を抽出データとして特定してもよい。
【0046】
上述の特定方法によれば、箇条にしたい文字列の左右に余白がなく、ユーザが該文字列の直上または直下にチェックボックスを置いた場合であっても、適切に関連する注目データを特定することができる。
【0047】
特定部32は、チェックボックス211の位置を基点として最初に特定した矩形をユーザが視認可能なように表示部12に表示させ、併せて、該矩形の大きさをユーザが変更するための図形編集ツールを表示させてもよい。
【0048】
上述の特定方法によれば、ユーザが置いたチェックボックスに関連して、ユーザが意図する文字列が特定されていない場合に、ユーザがそれを訂正することができる。
【0049】
特定部32は、矩形に限らず、円、楕円、その他の図形、または、ユーザがフリーハンドで特定した閉曲線により囲われた図形などにより、注目データを特定してもよい。
【0050】
あるいは、特定部32は、上述のいずれかの特定方法のうち、ユーザが予め選択した特定方法にしたがって注目データを特定するように構成されていてもよい。
【0051】
(対応付け部33)
図5は、記憶部11に記憶されている管理テーブル51のデータ構造の一例を示す図である。管理テーブル51は、一例として、UI部品番号、作成日時、データ型、値、値更新日、元データID、座標情報、注目データ、および、箇条更新日の各カラムで構成されている。各カラムには以下の情報が格納される。
【0052】
UI部品番号は、表示対象データに配置された個々のUI部品を一意に識別するための識別情報である。作成日時は、UI部品が最初に配置された日時を示す。データ型は、UI部品が保持する値のデータ型を示す。図示の例では、UI部品のデータ型は「2値」であり、該UI部品が0か1かの値を保持することを意味する。値更新日は、UI部品が保持する値が更新された日を示す。
【0053】
元データIDは、UI部品が配置されたベースの表示対象データを一意に識別する識別情報である。図示の例において、「note-line.L4x85BQ」は、チェックボックス211~215が配置されているノートデータ201の識別情報である。
【0054】
座標情報は、表示対象データの座標系における、UI部品が配置された位置を示す。例えば、座標情報は、表示対象データ上の任意の位置にある原点からUI部品が配置された位置までの、X成分の距離およびY成分の距離を含む。
【0055】
注目データは、該当するUI部品に関連して、表示対象データから特定されたデータである。本実施形態では、一例として、注目データは、ノートデータ201から特定された矩形領域がトリミングされることにより得られる画像データである。他の例として、注目データは、矩形領域に含まれる手書き文字を示すテキストデータであってもよい。テキストデータは、手書き文字が文字認識されることにより得られる。さらに他の例として、注目データは、特定された矩形領域を定義する定義情報であってもよい。例えば、矩形領域の定義情報は、矩形の各頂点の座標情報であってもよい。
【0056】
箇条更新日は、注目データの元になっている表示対象データが更新されたことに伴って、注目データの中身が更新された日を示す。箇条更新日については、本実施形態末尾の変形例にて詳述する。
【0057】
表示対象データ上に配置されたUI部品につき、注目データが特定されると、対応付け部33は、該UI部品と該注目データとを対応付けて、管理テーブル51に記憶する。具体的には、対応付け部33は、UI部品についてUI部品番号を採番する。対応付け部33は、上述のUI部品について、作成日時、データ型、値、値更新日、元データIDおよび座標情報の各カラムに格納する情報を部品配置部31から取得して格納する。対応付け部33は、上述のUI部品に関連して、注目データおよび箇条更新日の各カラムに格納する情報を特定部32から取得して格納する。
【0058】
(リスト処理部34)
図6は、情報処理装置1の表示部12に表示されたリストの具体例を示す図である。リストは、一例として、リスト内の各箇条が示す「やるべき事」について実行済みか否かを管理するためのTODOリストである。
【0059】
リスト処理部34は、管理テーブル51に基づいてリストを生成する。リストが生成されるタイミングは、特に限定されない。リスト処理部34は、対応付け部33が管理テーブル51を生成したり、更新したりしたときに、最新の管理テーブル51に基づいて、リストを予め生成しておいてもよい。あるいは、リスト処理部34は、図3に示すリスト化ボタン203が操作されたことに応答して、管理テーブル51を記憶部11から読み出し、リストを生成してもよい。表示制御部20は、生成されたリストを含むリストレイヤ153をレイヤ情報50から読み出して、表示部12に表示させることができる。
【0060】
リスト処理部34は、管理テーブル51に記憶されているUI部品と、該UI部品に対応付けられた注目データとの組を配列してリストを生成する。具体的には、リスト処理部34は、図5に示す管理テーブル51に基づいて、図4に示す、チェックボックスと注目データとの5つの組を配列してTODOリストを生成する。5つの組は、例えば、UI部品が配置された日時、すなわち、作成日時順にソートされてもよい。リスト処理部34は、例えば、リスト化ボタン203がユーザによって操作されたことに応答して、5つの組が配列されたTODOリストをリストレイヤ153に配置する。これにより、図6に示すとおり、TODOリスト230が、表示制御部20によって表示部12に表示される。
【0061】
TODOリスト230は、UI部品配置列231と、箇条配置列232とを少なくとも含んでいる。UI部品配置列231は、UI部品、例えば、チェックボックスを配置するための領域である。箇条配置列232は、リストにおいて箇条となる注目データを配置するための領域である。本実施形態では、箇条配置列232には、表示対象データから矩形にトリミングされた画像データが配置される。
【0062】
リスト処理部34は、1つの組を1つの行に配置する。例えば、リスト処理部34は、チェックボックス211と注目データ221との組に関して、チェックボックス211を1行目のUI部品配置列231に、注目データ221を同じ1行目の箇条配置列232に配置する。残りの4組についても同様に配置される。
【0063】
TODOリスト230が表示部12に表示されると、リスト処理部34は、操作受付部21を介して、UI部品配置列231に配置された各チェックボックスに対するユーザ操作を受け付ける。リスト処理部34は、チェックボックスが操作された場合には、操作にしたがって、操作されたチェックボックスの値を更新する。例えば、「未チェック状態」のチェックボックス214が、タッチペンなどでタッチされたとき、リスト処理部34は、管理テーブル51において、チェックボックス214の値を0から1に更新する。そして、リスト処理部34は、チェックボックス214の表示態様を、図6に示すように、「チェック入り状態」の表示態様に変更する。
【0064】
TODOリスト230の箇条配置列232に配置されている注目データに対して選択操作がなされたことに応答して、リスト処理部34は、該注目データの抽出元である表示対象データを表示するようにデータ処理部30に指示してもよい。これにより、ユーザは、TODOリスト230に挙げられている箇条が、元々どのような文脈で記載されたものであるのかを、元のノートデータ201に戻って容易に確認することができる。
【0065】
(処理フロー)
図7は、表示対象データが表示されたときに情報処理装置1によって実行され得る処理の流れを示すフローチャートである。
【0066】
S101では、データ処理部30は、表示対象データを表示する。データ処理部30は、情報処理の結果得られた表示対象データをデータレイヤ151に配置する。表示制御部20は、データレイヤ151に対応する映像信号を表示部12に出力し、表示対象データを表示部12に表示させる。表示制御部20は、UI部品を配置するための入力支援ツールとして部品パレット202を、上述の表示対象データとともに表示させる。
【0067】
S102では、操作受付部21は、UI部品を配置する位置を指定するためのユーザの操作を受け付ける。UI部品を配置する位置を指定する操作が受け付けられた場合、情報処理装置1は、S102のYESからS103の処理へ進む。
【0068】
S103(表示ステップ)では、部品配置部31は、ユーザによって指定された位置にUI部品を配置する。部品配置部31は、ユーザがドロップ操作をした位置に対応する部品配置レイヤ152上の位置に、UI部品を配置する。表示制御部20は、表示対象データに重ねてUI部品を表示させる。
【0069】
S104(特定ステップ)では、特定部32は、UI部品が配置された位置に基づいて、表示対象データから注目データを特定する。
【0070】
S105(対応付けステップ)では、対応付け部33は、UI部品と注目データとの対応関係を記憶部11に記憶させる。対応付け部33は、UI部品と注目データとを対応付けて管理テーブル51に登録する。
【0071】
S106では、操作受付部21は、さらにUI部品を配置する操作を受け付ける。別のUI部品を配置する位置が指定された場合、情報処理装置1は、S106のYESからS103に戻り、以降の処理を繰り返す。UI部品を配置する操作が受け付けられずに、終了のイベントが発生した場合には、データ処理部30は、S106のNOに進んで、表示対象データの表示を終了する。
【0072】
図8は、リストの表示が指示されたときに情報処理装置1によって実行され得る処理の流れを示すフローチャートである。
【0073】
S201では、操作受付部21は、リストの表示を指示する操作を受け付ける。例えば、リスト化ボタン203に対するユーザのタッチ操作を受け付ける。リスト化ボタン203がタッチされた場合、情報処理装置1は、S201のYESからS202の処理に進む。
【0074】
S202では、リスト処理部34は、管理テーブル51からリストの箇条とする注目データを読み出す。例えば、リスト処理部34は、TODOリストを生成するとき、やるべき事を表した手書き文字列の画像データを読み出す。
【0075】
S203では、リスト処理部34は、UI部品と注目データとの組を配列してリストを生成する。例えば、リスト処理部34は、チェックボックスと画像データとの組を一列に並べてTODOリストを生成する。
【0076】
S204では、表示制御部20は、生成されたリストを表示部12に表示させる。表示制御部20は、リスト上でUI部品をユーザの入力操作を受け付け可能に表示させる。
【0077】
S205では、操作受付部21は、UI部品に対するユーザの入力操作を受け付ける。UI部品がユーザによって操作された場合、情報処理装置1は、S205のYESからS206の処理に進む。
【0078】
S206では、リスト処理部34は、管理テーブル51に格納されている、操作されたUI部品が保持する値を、その操作にしたがって更新する。
【0079】
S207では、操作受付部21は、リスト上に表示されている注目データに対する操作を受け付けてもよい。例えば、やるべき事を表した文字列の画像データがタッチされると、情報処理装置1は、S207のYESからS208の処理に進む。
【0080】
S208では、リスト処理部34は、操作された注目データを含む表示対象データを表示するようにデータ処理部30に指示する。
【0081】
UI部品および注目データに対する操作が受け付けられずに、終了のイベントが発生した場合には、リスト処理部34は、リストの表示を終了する。
【0082】
図8に示すフローチャートは、ユーザからリストの表示が指示された場合に、リストを生成する処理の流れを表している(S203)。しかし、UI部品と注目データとの組を配列してリストを生成する処理は、このタイミングに限らず、S105の後からS201の前までの期間における任意のタイミングで実行されてよい。すなわち、リスト処理部34は、S105~S201の期間の任意のタイミングにおいて、リストを予め生成し記憶部11に格納しておいてもよい。S201までにリストが生成される場合、S203の処理は省略され、S202では、リスト処理部34は、S201で指定されたリストを記憶部11から読み出す。
【0083】
<作用効果>
以上のとおり、実施形態1に係る情報処理装置1の構成によれば、ユーザは、自由に情報を筆記したノートデータ201において、TODOリスト230に箇条としてリストアップしたい文字列を、後からいつでも、指定することができる。具体的には、ユーザは、ノートデータ201上の箇条にしたい文字列の近傍にチェックボックスをドラッグアンドドロップ操作などで配置するだけでよい。
【0084】
つまり、ユーザは、ノートデータ201のうち、簡易かつ直感的な操作で箇条にしたい情報を指定するだけで、簡単にノートデータ201からTODOリスト230を作ることが可能となる。その上、TODOリスト230の各箇条は、ユーザ操作を受け付け可能なチェックボックスとともに表示される。そのため、ユーザは、表示されたTODOリスト230を見るだけでなく、実際に操作して、やるべき事の管理に活用することができる。
【0085】
例えば、ユーザは、会議に出席している最中は、ノートデータ201において自由にメモをとり、会議後に、重要な事項だけをピックアップしたTODOリスト230を簡単に作成するといった使い方ができる。
【0086】
結果として、情報の入出力の自由度が向上し、利便性に優れた情報処理装置(例えば、電子ノート)を実現することができる。
【0087】
<変形例>
(斜めに筆記された文字)
特定部32は、斜めに筆記された文字列を注目データとして適切に特定するために、例えば、以下のように構成されてもよい。
【0088】
図9は、斜めに筆記された文字列の特定方法を説明する図である。本例では、表示対象データは、罫線が入っていない無地のフォーマットを有するノートデータ205である。無地のフォーマットを有するノートデータ205では、罫線付きのフォーマットを有するノートデータ201よりも、ユーザの手書き文字が斜めに連なることがしばしば起こり得る。
【0089】
ノートデータ205において、斜めの手書き文字列の近くにチェックボックス216が配置されたとする。この場合、特定部32は、実施形態1にて説明した特定方法にしたがって、チェックボックス216の右側に水平な矩形を特定した後、ユーザの指示にしたがって、該矩形を変形させてもよい。例えば、特定部32は、先に特定した水平な矩形の周囲に、矩形を編集するための編集支援ツールを生成して、ユーザが矩形を任意の形状および傾きに編集することを支援してもよい。編集支援ツールは、例えば、回転ハンドル241およびサイズ変更ハンドル242などであり、特定部32によって生成された編集支援ツールは、表示制御部20によって表示部12に表示される。
【0090】
特定部32は、回転ハンドル241に対するユーザの操作にしたがって、矩形を回転させてもよい。また、特定部32は、サイズ変更ハンドル242に対するユーザの操作にしたがって、矩形のサイズを変更してもよい。これにより、ユーザは、例えば、斜めに筆記した文字列の傾きと平行になるように矩形を傾けることができ、また、箇条にしたい手書き文字が過不足なく含まれるように矩形のサイズを調整することができる。
【0091】
特定部32は、最初に特定した水平な矩形とともに回転ハンドル241およびサイズ変更ハンドル242を表示させた後、編集支援ツールがユーザによって操作されることなく一定時間が経過した場合に、該編集支援ツールを非表示にしてもよい。そして、特定部32は、非表示にした時点における矩形の領域をチェックボックス216に関連する注目データとして特定してもよい。これにより、ユーザは、注目データとしてトリミングされる矩形の領域に対して編集が必要か否かをわざわざ情報処理装置1に対して入力する必要がなくなり、ユーザの操作性が向上する。
【0092】
図9に示す注目データ226は、チェックボックス216の位置に基づいて定義された矩形に基づいてトリミングされた画像データである。該画像データは、特定部32が、ユーザの操作にしたがって、矩形を、手書き文字列の傾きに平行になるように回転し、必要な文字列を過不足なく含むようにサイズを調整したことにより得られる。上述の構成によれば、特定部32は、斜めに筆記された文字列であっても、リスト内の箇条として適切に配置されるように、注目データ226を特定することができる。
【0093】
(注目データの更新)
データ処理部30は、ノートデータを後から編集するための編集機能を有していてもよい。編集機能とは、例えば、一度書いた手書き文字を削除する機能(いわゆる、消しゴムツール)、書き換える機能、新しい文字を書き足す機能、文字にマーキングを追加する機能などが想定される。
【0094】
このように、リスト化される前の元の表示対象データが更新された場合、場合によっては、リスト内の箇条、すなわち、一度特定された注目データにも、その更新内容が反映されている必要がある。
【0095】
特定部32は、データ処理部30が表示対象データの一部を更新したとき、その更新された部分が、注目データに含まれているか否かを判定する。この判定のために、管理テーブル51においては、注目データがトリミングされた矩形について、表示対象データ上の座標情報が格納されていることが好ましい。更新された部分が、注目データに含まれていると判定した場合には、特定部32は、該注目データにも、その更新の内容が反映されるように注目データを更新してもよい。あるいは、特定部32は、更新後の表示対象データから最新の注目データを特定しなおし、古いものと差し替えてもよい。
【0096】
例えば、チェックボックス215に対応する注目データ225の「サンプル手配各色2台」という手書き文字列のうち、「各色2台」の部分が「各色3台」に書き換えられたとする。この場合、特定部32は、書き換えられた後のノートデータ201から、チェックボックス215の位置に基づいて矩形を改めてトリミングする。そして、特定部32は、「サンプル手配各色3台」の手書き文字を含む画像データを取得する。
【0097】
対応付け部33は、図5に示す管理テーブル51において、チェックボックス215に対応する注目データのカラムにおいて、注目データを、新しくトリミングされた「サンプル手配各色3台」の手書き文字を含む画像データに差し替える。そして、対応付け部33は、新しくトリミングされた日を、箇条更新日のカラムに格納する。
【0098】
上述の構成によれば、元の表示対象データを変更した場合に、その変更の内容が、リストにも自動的に反映される。ユーザは、表示対象データの内容とリストの内容との整合性を意識することなく、2つのデータを用途に応じて使い分けることができる。
【0099】
なお、元の表示対象データを変更したとしても、最初に作成したリスト内の箇条を変更したくないという需要も想定される。そこで、表示対象データが変更された場合に、リストの箇条にもその変更を反映させるのか、あるいは、最初に作成された内容を維持するのかについて、ユーザが自由に選択できてもよい。
【0100】
(縦書き文字)
本実施形態に係る情報処理装置1は、文字が縦書きされた表示対象データからリストを生成することができる。特定部32は、文字が上から下へ読まれることを考慮した特定方法にて、縦長の矩形にて注目データを特定することができる。
【0101】
(タイピング文字)
本実施形態に係る情報処理装置1は、タイピングされた文字を含む表示対象データからリストを生成することができる。部品配置部31は、文章またはテキストを編集するアプリケーションなどを用いて作成されたデジタル文書上の任意の位置に対応付けてUI部品を配置することができる。あるいは、部品配置部31は、文字が印刷された紙などの印刷媒体をスキャンして得られたスキャン画像上の任意の位置に対応付けてUI部品を配置することができる。特定部32は、UI部品の配置位置に基づいて、デジタル文書およびスキャン画像から注目データを特定することができる。
【0102】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0103】
本実施形態では、一例として、情報処理装置1は、電子辞書である。電子辞書は、例えば、英単語から日本語の意味を検索するための辞書機能を有していてもよい。
【0104】
本実施形態では、電子辞書としての情報処理装置1におけるデータ処理部30は、上述の辞書機能に対応する。本実施形態では、記憶部11には、不図示の英和辞書データベースが記憶されている。辞書データベースには、英単語ごとに、該英単語の発音、日本語の意味、用例などを含んだ訳語データが収録されている。本実施形態では、表示対象データは、訳語データである。データ処理部30は、ユーザによって指定された英単語に対応する訳語データを辞書データベースから検索し、データレイヤ151に配置する。表示制御部20は、図10に示すとおり、データレイヤ151に含まれている訳語データ250を表示部12に表示させる。
【0105】
図10は、表示対象データとして表示部12に表示される訳語データの具体例を示す図である。
【0106】
表示制御部20は、訳語データ250と併せて、部品パレット202およびリスト化ボタン203を表示部12に表示させてもよい。本実施形態では、リスト処理部34は、一例として、リスト化ボタン203が操作されたことに応答して、英単語を一覧表示するための単語リストを表示させる。
【0107】
ユーザは、タッチペンで部品パレット202を操作し、訳語データ250に含まれている単語のうち、単語リストに登録したい単語の近傍に、チェックボックスを置くことができる。部品配置部31は、部品パレット202に対するユーザの操作にしたがって、チェックボックスを、データレイヤ151に重畳する部品配置レイヤ152上に配置する。
【0108】
特定部32は、例えば、実施形態1にて説明されたいずれかの特定方法にしたがって、各UI部品のそれぞれに関連する注目データをそれぞれ特定する。注目データを示す矩形の破線枠は、ユーザに可視であっても不可視であってもよい。
【0109】
対応付け部33は、実施形態1と同様に、配置されたチェックボックスと、特定された注目データとの対応関係を管理テーブル51に記憶させる。対応付け部33は、注目データとして、矩形の領域内の文字列に対応するテキストデータを特定部32から取得してもよい。あるいは、対応付け部33は、矩形の領域内の文字列について訳語データ上の場所を示す情報を、注目データとして特定部32から取得してもよい。場所を示す情報は、例えば、矩形の領域内の文字列のうちの先頭の文字の行番号および列番号、ならびに、最後尾の文字の行番号および列番号を含んでいてもよい。
【0110】
図11は、リストとして表示部12に表示される単語リストの具体例を示す図である。本実施形態では、リスト処理部34は、単語リストを生成する。この単語リストは、一例として、管理テーブル51に記憶されているチェックボックスと、該チェックボックスに対応付けられたテキストデータとしての注目データと、該チェックボックスの値が更新された日である値更新日との組を配列したものである。リスト処理部34は、生成した単語リストを、例えば、図10に示すリスト化ボタン203が操作されたことに応答してリストレイヤ153に配置する。これにより、図11に示すとおり、単語リスト260が、表示制御部20によって表示部12に表示される。
【0111】
単語リスト260は、一例として、UI部品配置列261と、箇条配置列262と、値更新日配置列263とを含んでいる。値更新日配置列263には、チェックボックスにチェックを入れた日またはチェックをはずした日の最新の日付が表示されてもよい。
【0112】
例えば、ユーザは、箇条配置列262に配置されている英単語について、日本語の意味を学習し、覚えた場合に、該英単語のチェックボックスにチェックを入れる操作を行ってもよい。これにより、ユーザは、単語リスト260を活用して、学習の進捗を容易に把握することができる。
【0113】
さらに、単語リスト260の箇条配置列262に配置されている注目データに対して選択操作がなされたことに応答して、リスト処理部34は、該注目データの抽出元である表示対象データを表示するようにデータ処理部30に指示してもよい。具体的には、リスト処理部34は、タッチ操作されたテキストデータが含まれている訳語データを表示するようにデータ処理部30に指示する。この指示にしたがって、例えば、データ処理部30は、ユーザに選択されたテキストデータ264が含まれている訳語データ250をデータレイヤ151に配置する。これにより、表示制御部20によって訳語データ250が表示部12に表示される。
【0114】
これにより、ユーザは、単語リスト260に挙げられている英単語の意味を忘れた時、あるいは詳細を確認したいと思った時などに、該英単語についての詳しい情報を、元の訳語データ250に戻って容易に確認することができる。
【0115】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0116】
本実施形態では、一例として、情報処理装置1は、電子ノートである。データ処理部30は、表示対象データとしてノートデータを処理するものである。
【0117】
本実施形態では、部品配置部31は、2値を保持するチェックボックスに限らず、別のデータ型の値を保持する別の種類のUI部品を表示対象データ上に配置してもよい。例えば、部品配置部31は、年月日の値を保持する日付スタンプ(日付オブジェクト)を別の種類のUI部品として表示対象データ上に配置してもよい。さらに、部品配置部31は、チェックボックスと日付スタンプとの両方を同じ表示対象データ上に配置してもよい。
【0118】
本実施形態では、リスト処理部34は、配置されるUI部品の種類ごとに別のリストを生成する。一例として、リスト処理部34は、実施形態1および2と同様に、チェックボックスが配置された注目データを配列してTODOリストを生成する。そして、リスト処理部34は、日付スタンプが配置された注目データを日付ごとに配列して別のリストを生成する。この別のリストは、以下では、スケジュール帳と称される。
【0119】
図12は、表示対象データに配置されたUI部品の具体例を示す図である。表示制御部20は、入力支援ツールとして、部品パレット202を表示させる。本実施形態では、部品パレット202には、チェックボックス204と日付スタンプ206との2種類のUI部品が用意されている。
【0120】
本実施形態では、部品パレット202の複数種類のUI部品に基づいて、複数種類のリストが生成される。そこで、本実施形態では、リスト化ボタン203は、リストの種類ごとに設けられてもよい。例えば、リスト化ボタン203として、TODOリストの表示を指示するための第1ボタン2031と、スケジュール帳の表示を指示するための第2ボタン2032との2つのボタンが配置されてもよい。
【0121】
ユーザは、TODOリストの箇条に挙げたい文字列の近傍に、チェックボックス204をドラッグアンドドロップすればよい。また、ユーザは、スケジュール帳に登録したい文字列の近傍に、日付スタンプ206をドラッグアンドドロップすればよい。
【0122】
部品配置部31は、ユーザのドラッグアンドドロップ操作にしたがって、指定されたUI部品を指定された位置に配置する。本実施形態では、部品配置部31は、日付スタンプ206を複製してノートデータ270に配置するとき、その日付スタンプに保持させる年月日の値をユーザに指定させる。具体的には、部品配置部31は、日付スタンプ206をノートデータ270上に配置したとき、日付を指定させるための日付指定支援ツールを表示部12に表示させる。
【0123】
図13は、日付指定支援ツールの具体例を示す図である。例えば、部品配置部31は、カレンダー233を表示させて、ユーザに所望の日付を選択させてもよい。あるいは、部品配置部31は、カレンダー233に代えて筆記エリア234を表示させて、ユーザに所望の日付を記入させてもよい。
【0124】
図14は、本実施形態に係る管理テーブル51のデータ構造の一例を示す図である。本実施形態では、管理テーブル51は、一例として、UI部品番号、作成日時、データ型、値、値更新日、元データID、座標情報、注目データ、および、箇条更新日の各カラムで構成されている。
【0125】
対応付け部33は、実施形態1および2と同様に、チェックボックス217と注目データ227との対応関係を管理テーブル51に登録し、チェックボックス218と注目データ228との対応関係を管理テーブル51に登録する。
【0126】
対応付け部33は、日付スタンプ311と注目データ321との対応関係を管理テーブル51に登録し、日付スタンプ312と注目データ322との対応関係を管理テーブル51に登録する。対応付け部33は、各日付スタンプのデータ型「年月日」を部品配置部31から取得して格納する。これにより、各日付スタンプは、データ型が「2値」であるチェックボックスと区別して管理される。対応付け部33は、日付スタンプ311および日付スタンプ312の年月日の値を部品配置部31から取得して、値のカラムに格納する。
【0127】
図15は、配置されたUI部品の種類ごとに生成されるリストのいくつかの具体例を示す図である。リスト処理部34は、図14に示す管理テーブル51において、UI部品番号「UI1001」および「UI1004」が付与されているチェックボックスとそのそれぞれに対応付けられた注目データとの組を記憶部11から読み出す。本実施形態では、一例として、リスト処理部34は、チェックボックスの組をTODOリスト230に配列する。
【0128】
また、リスト処理部34は、管理テーブル51においてUI部品番号「UI1002」の日付スタンプ311と注目データ321との組、および、「UI1003」の日付スタンプ312と注目データ322との組を記憶部11から読み出す。本実施形態では、一例として、リスト処理部34は、日付スタンプの組をスケジュール帳280に配列する。スケジュール帳280は、年月日ごとに箇条を配置する領域が予め定められている。例えば、UI部品番号「UI1002」の日付スタンプ311は、「2020/2/10」の値を保持している。そこで、リスト処理部34は、日付スタンプ311の注目データ321を、2020年2月10日の領域281上に配置する。同様に、注目データ322は、日付スタンプ312が保持する年月日に基づいて、2020年2月14日の領域に配置される。
【0129】
リスト処理部34は、ユーザによって入力されたリストを表示する指示に応答して、上述のようにして生成したTODOリスト230およびスケジュール帳280をリストレイヤ153に配置する。これにより、表示制御部20は、リストレイヤ153の映像信号を表示部12に出力して、表示部12にリストを表示させることができる。
【0130】
表示制御部20は、TODOリスト230およびスケジュール帳280の表示の切り替えを容易に行うための支援ツールとして、切替ボタン207をそれぞれのリストと併せて表示させてもよい。さらに、表示制御部20は、入力支援ツールとしてリンク部品パレット208を表示させてもよい。この入力支援ツールについては、実施形態6にて詳述する。
【0131】
本実施形態の情報処理装置1によれば、1つの表示対象データに含まれている情報を、その情報の性質に応じて、異なる複数のリストに容易に転記することが可能となる。例えば、ユーザは、ノートデータの中にTODOリストにリストップしたい文字列が含まれていれば、その近傍にチェックボックスを置くだけでよい。一方、ユーザは、同じノートデータの中にスケジュール帳に登録したい文字列が含まれていれば、その近傍に日付スタンプを置くだけでよい。このように、ユーザは、配置するUI部品の種類を使い分けるだけで、1つのノートデータから、複数のリストへ情報を振り分けることを簡単に行うことができる。
【0132】
<変形例>
リスト処理部34は、複数の異なる表示対象データから抜き出された情報を配列して1つのリストを生成するように構成されていてもよい。
【0133】
例えば、情報処理装置1が、実施形態1に記載された電子ノートの機能と、実施形態2に記載された電子辞書の機能とを備えているとする。ユーザは、授業中にノートデータに筆記した手書きの英単語に、1つ目のチェックボックスを置き、さらに、辞書機能を使って表示させた訳語データに含まれている英単語にも同じ種類の2つ目のチェックボックスを置いたとする。
【0134】
対応付け部33は、1つ目のチェックボックスとノートデータの中の英単語との対応関係を管理テーブル51に登録するとともに、2つ目のチェックボックスと訳語データの中の英単語との対応関係を同じ管理テーブル51に登録する。
【0135】
リスト処理部34は、管理テーブル51に基づいて、チェックボックスと英単語との2つの組を配列して1つの単語リストを生成してもよい。
【0136】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0137】
本開示に係る情報処理装置1において、注目データとして特定される情報は、文字に限らず画像であってもよい。また、注目データは、特定された画像に基づいて取得された関連情報であってもよい。
【0138】
本実施形態では、一例として、情報処理装置1は、表示対象データとして地図データを表示する地図表示機能を備えている。本実施形態に係る情報処理装置1は、例えば、スマートフォン、タブレット、PC、ノートPC、カーナビゲーションシステムなどである。
【0139】
本実施形態に係る情報処理装置1のデータ処理部30は、上述の地図表示機能に対応する。本実施形態では、記憶部11には不図示の地図データが記憶されている。データ処理部30は、例えば、ユーザによって指定された場所または不図示のGPSが取得した情報処理装置1の現在位置などを含む地図データの一部をデータレイヤ151に展開する。表示制御部20は、図16に示すとおり、データレイヤ151に含まれている地図データ290を表示部12に表示させる。
【0140】
図16は、表示対象データとして表示部12に表示される地図データの具体例を示す図である。
【0141】
表示制御部20は、地図データ290と併せて、部品パレット202およびリスト化ボタン203を表示部12に表示させてもよい。本実施形態では、リスト処理部34は、一例として、リスト化ボタン203が操作されたことに応答して、訪問先を一覧表示するためのTODOリストを生成する。
【0142】
ユーザは、タッチペンで部品パレット202を操作し、地図データ290上の訪問したい場所に、ピンアイコン291を置くことができる。ピンアイコン291は、チェックボックスの外観を有していないが、2値を保持するチェックボックスである。また、ピンアイコン291が保持する値に応じて、表示態様を異ならせてもよい。例えば、部品配置部31は、「未訪問」を意味する「0」の値を保持するピンアイコン291を白で表示させてもよい。そして、部品配置部31は、「訪問済」を意味する「1」の値を保持するピンアイコン291を赤で表示させてもよい。
【0143】
このように、表示対象データ上に配置するときのUI部品の外観は任意に設計することができる。また、UI部品の外観は、表示対象データ上に表示されるときと、リストに表示されるときとで異なっていてもよいし、同じでもよい。
【0144】
特定部32は、ピンアイコンが配置された位置に基づいて、各ピンアイコンに対応する注目データを特定する。先の各実施形態で述べた特定方法を採用することができるが、本実施形態では、以下の特定方法にしたがって注目データが特定されてもよい。
【0145】
特定部32は、ピンアイコン291が配置された位置に対応する地図データ290上の位置(以下、ピンナップ位置)の緯度経度情報を地図データから取得し、これを、ピンアイコン291の注目データとして特定してもよい。特定部32は、ピンナップ位置の緯度経度に対応する住所情報を地図データから取得し、これを注目データとして特定してもよい。地図データにおいて緯度経度情報に施設名などが関連付けられている場合には、特定部32は、ピンナップ位置の緯度経度情報に関連付けられている施設名を注目データとして特定してもよい。また、特定部32は、ピンナップ位置を中心とし、所定距離を半径とする円の領域と重なる地図の画像を注目データとして特定してもよい。
【0146】
対応付け部33は、ピンアイコンと注目データとの対応関係を管理テーブル51に記憶させる。本実施形態に係る管理テーブル51のデータ構造は、図5に示すように実施形態1に係る管理テーブル51と同じであってもよい。注目データのカラムには、地図データをトリミングして得た画像データに代えて、施設名および住所情報を示すテキストデータが格納されてもよい。
【0147】
リスト処理部34は、管理テーブル51に基づいて、図16に示す、ピンアイコン(チェックボックス)と注目データとの4つの組を配列してTODOリストを生成する。生成されたTODOリストは、例えば、ユーザの指示に応答して、図17に示すように、表示制御部20によって表示部12に表示される。
【0148】
図17は、表示部12に表示されるTODOリストの具体例を示す図である。リストは、リスト内の各箇条が示す「訪問先」について訪問済みか否かを管理するためのTODOリストである。
【0149】
TODOリスト230は、UI部品配置列231と、箇条配置列232とを少なくとも含んでいる。UI部品配置列231に配置されるチェックボックスの外観は、地図データ上に配置されるピンアイコンと異なっていてもよい。本実施形態では、箇条配置列232には、地図データにおけるピンナップ位置に対応する施設名および住所が配置される。
【0150】
ユーザは、UI部品配置列231に配置されたチェックボックスを操作して、各訪問先について訪問済みか否かを管理することができる。
【0151】
リスト処理部34は、TODOリスト230において、ユーザがTODOリスト230に対して付けたリスト名を表示するための領域235を設けてもよい。ユーザは、訪問先リストに限らず、地図データを使って、住所録、旅程表などさまざま種類のTODOリストを作成することができる。そして、多種多様なTODOリストに、用途に合わせたリスト名を自由に付けて複数のTODOリストを管理することができる。
【0152】
〔実施形態5〕
本実施形態では、一例として、情報処理装置1は、表示対象データとして広告データを表示する広告表示機能を備えている。本実施形態に係る情報処理装置1は、例えば、スマートフォン、タブレット、PC、ノートPCなどである。
【0153】
本実施形態に係る情報処理装置1のデータ処理部30は、上述の広告表示機能に対応する。本実施形態では、データ処理部30は、不図示の通信部を介して受信された広告データを、ユーザの指示に応じて、または、所定のイベントの発生をトリガにして、データレイヤ151に配置する。表示制御部20は、図18に示すとおり、データレイヤ151に含まれている広告データ340を表示部12に表示させる。
【0154】
図18は、表示対象データとして表示部12に表示される広告データの具体例を示す図である。
【0155】
表示制御部20は、広告データ340と併せて、部品パレット202およびリスト化ボタン203を表示部12に表示させてもよい。本実施形態では、リスト処理部34は、リスト化ボタン203が操作されると、買うべきものを一覧表示するためのTODOリスト、いわゆる買物リストを生成する。
【0156】
ユーザは、タッチペンで部品パレット202を操作し、買いたい商品の掲載欄にチェックボックス204を置くことができる。
【0157】
特定部32は、チェックボックスが配置された位置に基づいて、各チェックボックスに対応する注目データを特定する。先の各実施形態で述べた特定方法を採用することができるが、本実施形態では、以下の特定方法にしたがって注目データが特定されてもよい。
【0158】
本実施形態では、表示対象データは、広告データ340のようにいくつかの区画に分かれて構成されており、1つの事物(商品)に関する情報が1つの区画に含まれている。特定部32は、UI部品が表示された位置に対応する表示対象データ上の位置と同じ区画に含まれている各種の情報を注目データとして特定してもよい。
【0159】
より具体的には、例えば、特定部32は、商品「トマト」の掲載欄(区画)にチェックボックスが置かれた場合には、同一商品の掲載欄に含まれる、商品「トマト」の写真、商品名「トマト」、および、商品価格「78円」などを注目データとして特定してもよい。特定部32は、例えば、エッジ検出などを行って商品の写真をトリミングしてもよい。特定部32は、例えば、文字認識処理を実行して、商品名および商品価格をテキストデータとして抽出してもよい。チラシなどにおいて、商品名と商品価格とのそれぞれにおいてフォントが統一されていることが多い。そこで、特定部32は、商品名のフォントで記載された文字列「トマト」を商品名として抽出し、商品価格のフォントで記載された文字列「78円」を商品価格として抽出し、これらのテキストデータを注目データとして採用してもよい。
【0160】
対応付け部33は、特定部32によって特定された注目データを、UI部品と関連付けて記憶部11に記憶される。具体的には、対応付け部33は、チェックボックス341に、「みかん」および「498円」を対応付けて管理テーブル51に登録する。また、対応付け部33は、チェックボックス342に、「トマト」および「78円」を対応付けて管理テーブル51に登録する。
【0161】
リスト処理部34は、上述の管理テーブル51に基づいて買物リストを生成する。買物リストでは、ユーザの入力操作を受け付け可能なチェックボックスと、商品名と、商品価格とが一覧表示される。
【0162】
これにより、ユーザは、買い物に行く前に広告データを確認して、簡易な操作で容易に買物リストを作成することができる。このような買物リストを活用することにより、ユーザは、買い忘れを防止しつつ、買い物を手早く済ませることができる。また、無駄な購入を控えることもできる。
【0163】
〔実施形態6〕
本実施形態では、情報処理装置1は、表示対象データを元にして生成したリストにおいて、リスト内の各箇条を、ユーザが指定したさらに別の表示対象データに転記することができる。さらに、情報処理装置1は、リストと上述の別の表示対象データとの間の表示の切り替えを円滑に行うための入力支援ツールをユーザに提供することができる。
【0164】
このために、表示制御部20は、リストを表示する画面(例えば、図15)において、リンク部品パレット208をリストと併せて表示させてもよい。リンク部品パレット208は、リスト上にリンク部品を置くための入力支援ツールである。リンク部品は、リンク先を示すリンク情報を保持しており、該リンク情報が示す表示対象データまたはリストを表示するように情報処理装置1に対して指示を入力することができる入力支援ツールである。
【0165】
図15に示す例では、リンク部品パレット208には、1種類のリンク部品が用意されている。このリンク部品は、例えば、ノートスタンプ209(リンク部品)である。ノートスタンプ209は、スケジュール帳からノートデータへ表示を切り替える(ジャンプする)ことを情報処理装置1に対して指示するためのリンク部品である。
【0166】
例えば、ユーザは、スケジュール帳の2月12日に記載の2つの予定メモを、ノートデータにも転記したいと考えたとする。ユーザは、上段の第1の予定メモは、「C電機」関連の予定であるため、「C電機」関連のノートデータに転記したいと考えており、下段の第2の予定メモは、「A商事」関連の予定であるため、「A商事」関連のノートデータに転記したいと考えている。
【0167】
ユーザが、第1の予定メモの近傍に、ノートスタンプ351をドラッグアンドドロップしたことに応答して、まず、特定部32は、ノートスタンプ351に対応する注目データを特定する。具体的には、特定部32は、第1の予定メモの文字列を含む画像データを注目データ361として特定する。
【0168】
次に、データ処理部30は、注目データ361の転記先のノートデータをユーザに選択させるための選択画面を表示部12に表示させる。
【0169】
図19は、表示部12に表示される選択画面の一例を示す図である。ユーザは、選択画面350を介して、第1の予定メモの転記先として所望するノートデータのアイコンをタッチ操作などで選択することができる。
【0170】
まず、データ処理部30は、転記先のノートデータの選択を受け付けると、選択されたノートデータ(ここでは、C電機のノートデータ)に、注目データ361を追加する。
【0171】
図20は、リストから抽出された注目データが転記された後の表示対象データの具体例を示す図である。
【0172】
この注目データ361の転記元はスケジュール帳であり、注目データ361には、2020年2月12日の年月日が紐付いている。そこで、データ処理部30は、このことに基づいて、2020年2月12日の値を保持する日付スタンプ371と対応付けて注目データ361をC電機のノートデータ370に配置してもよい。
【0173】
次に、対応付け部33は、転記先のノートデータの選択を受け付けると、ノートスタンプ351と、注目データ361と、該ノートスタンプ351に保持させるリンク情報とを対応付けてリンク管理テーブルに登録する。ここでは、リンク情報は、リンク先としてC電機のノートデータ370を指定している。リンク管理テーブルは、管理テーブル51と同様に記憶部11に記憶されていてもよい。
【0174】
図21は、本実施形態に係るリンク管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。リンク管理テーブルは、リンク部品番号、作成日時、リストID、座標情報、注目データ、および、リンク情報の各カラムで構成されている。リンク部品番号は、ノートスタンプ351を一意に識別する識別情報を示す。作成日時は、ノートスタンプ351が配置された日時を示す。リストIDは、リンク元のリスト、すなわち、スケジュール帳280を一意に識別する識別情報を示す。座標情報は、リンク元のリストにおいてノートスタンプ351が配置された位置を示す。注目データは、ノートスタンプ351に対応する注目データ361を示す。リンク情報は、ユーザが選択した転記先のノートデータ、具体的には、C電機のノートデータ370を一意に識別する識別情報を示す。
【0175】
上述の構成によれば、ユーザは、作成したリストの箇条を、さらに、自身が選択した別の表示対象データに容易に転記することが可能となる。さらに、リンク部品を操作することにより、転記元のリストから、転記先の表示対象データへと表示を容易に切り替えることが可能となる。
【0176】
さらに、転記先にも転記元に戻るためのリンク部品を配置できてもよい。これにより、ユーザは、リンク元とリンク先との間の切り替え表示を容易に行うことが可能となる。
【0177】
他の例では、リンク部品パレット208から選択されたリンク部品が、リスト上に配置された場合、対応付け部33は、該リンク部品に係る情報を、図14に示す管理テーブル51に登録してもよい。この例では、管理テーブル51において、さらに、リンク情報を格納するためのリンク情報のカラムが設けられる。
【0178】
例えば、図15に示すスケジュール帳280上に、リンク部品パレット208から選択されたノートスタンプ351が配置されたとする。この場合、対応付け部33は、ノートスタンプ351に、転記先のノートデータ370(図20)を識別する識別情報をリンク情報として紐付けて管理テーブル51に記憶する。ノートスタンプ351は、リンク部品であるため、「データ型」、「値」、「注目データ」などのUI部品特有のカラムは、空値であってもよい。これに加えて、対応付け部33は、転記先のノートデータ370においてリンク部品として配置された日付スタンプ371について、リンク情報と対応付けて管理テーブル51に記憶する。具体的には、対応付け部33は、日付スタンプ371と、リンク元に戻るためのリンク情報、すなわち、図15に示すスケジュール帳280のページを特定する識別情報とを対応付けて管理テーブル51に記憶する。
【0179】
以上のとおり、注目データと対応付けられるUI部品と、リンク情報と対応付けられるリンク部品とは、1つの管理テーブル51において管理されてもよい。
【0180】
〔実施形態7〕
リンク部品は、表示対象データ上の任意の位置に配置することができてもよい。そして、配置されたリンク部品に、ユーザが指定したさらに別の表示対象データのリンク情報を保持させる。これにより、情報処理装置1は、表示対象データと、別の表示対象データとの間の表示の切り替えを円滑に行うための入力支援ツールをユーザに提供することができる。
【0181】
本実施形態では、一例として、情報処理装置1は、電子辞書である。電子辞書は、実施形態2に係る辞書機能だけでなく、複数の機能を有していてもよい。例えば、電子辞書としての情報処理装置1は、さらに、収録されている英文法の解説をユーザに提示するための参考書機能を有していてもよい。
【0182】
本実施形態では、情報処理装置1におけるデータ処理部30は、上述の辞書機能および参考書機能に対応する。本実施形態では、記憶部11には、さらに不図示の参考書データベースが記憶されている。参考書データベースには、参考書のページごとに英文法の解説を含んだページデータが収録されている。本実施形態では、表示対象データは、電子辞書の訳語データまたは参考書のページデータである。データ処理部30は、参考書機能を実行中に、ユーザによって指定されたキーワードを含むページデータを参考書データベースから検索し、データレイヤ151に配置する。表示制御部20は、図22に示すとおり、データレイヤ151に含まれているページデータ400を表示部12に表示させる。
【0183】
図22は、表示対象データとして表示部12に表示されるページデータの具体例を示す図である。表示制御部20は、ページデータ400と併せて、リンク部品パレット208を表示部12に表示させてもよい。図22に示す例では、リンク部品パレット208には、1種類のリンク部品が用意されている。このリンク部品は、例えば、辞書スタンプ401(リンク部品)である。辞書スタンプ401は、参考書のページデータから電子辞書の訳語データへ表示を切り替える、または、訳語データからページデータへ表示を切り替えることを情報処理装置1に対して指示するためのリンク部品である。
【0184】
ユーザは、参考書機能に基づくページデータ400と連携して表示させたい、辞書機能に基づく訳語データがある場合に、ページデータ400の任意の位置に、リンク部品パレット208から選んだ辞書スタンプ401を置くことができる。辞書スタンプ401は、ユーザが指定したリンク先を示すリンク情報を保持することができる。
【0185】
部品配置部31によって、ユーザが指定した位置に、辞書スタンプ401が配置されると、次に、データ処理部30は、リンク先の訳語データをユーザに指定させるための検索画面を表示部12に表示させる。
【0186】
図23は、表示部12に表示される検索画面の一例を示す図である。ユーザは、検索画面410を操作することにより、連携させたい訳語データを検索し、該訳語データをリンク先として指定することができる。なお、データ処理部30は、図示のように、リンク元のページデータ400と、リンク先を検索するための検索画面410とを並べて表示させてもよい。
【0187】
例えば、ユーザは、キーワードを入力するためのテキストボックス411に、連携させたい訳語データを検索するための英単語を入力し、検索ボタンをタッチする。データ処理部30は、テキストボックス411に入力されている英単語に対応する訳語データを辞書データベースから検索する。データ処理部30は、検索した訳語データを示す検索結果画面を表示部12に表示させる。
【0188】
図24は、表示部12に表示される検索結果画面の一例を示す図である。表示制御部20は、さらに、検索結果画面と併せて、登録ボタン421を表示させてもよい。登録ボタン421は、検索結果画面に表示されている訳語データ420を、ページデータ400の辞書スタンプ401のリンク先として指定するためのボタンである。
【0189】
ユーザが登録ボタン421を操作すると、対応付け部33は、辞書スタンプ401に、訳語データ420を示すリンク情報を対応付けてリンク管理テーブルに登録する。
【0190】
図25は、本実施形態に係るリンク管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。リンク管理テーブルは、リンク部品番号、作成日時、リンク元ID、座標情報、および、リンク情報の各カラムで構成されている。リンク部品番号は、辞書スタンプ401を一意に識別する識別情報を示す。作成日時は、辞書スタンプ401が配置された日時を示す。リンク元IDは、辞書スタンプ401が配置されたリンク元の表示対象データ、ここでは、ページデータ400を一意に識別する識別情報を示す。座標情報は、ページデータ400において辞書スタンプ401が配置された位置を示す。リンク情報は、ユーザが、辞書スタンプ401のリンク先として指定した訳語データ420を一意に識別する識別情報を示す。
【0191】
図25に示すリンク管理テーブルが作成された後では、データ処理部30は、ページデータ400を表示部12に表示させるとき、作成されたリンク管理テーブルに基づいて、ページデータ400上に辞書スタンプ401を表示させる。
【0192】
図26は、リンク部品が配置された後に表示部12に表示される画面の遷移図である。対応付け部33は、図25に示すとおり、リンク管理テーブルにおいて、リンク元のリンク部品とリンク先との対応関係を登録する。対応関係が登録された後では、データ処理部30は、表示対象データ上のリンク部品に対するユーザの操作にしたがって、リンク元の表示対象データと、リンク先の表示対象データとの間で表示の切り替えを行う。
【0193】
例えば、リンク元のページデータ400は、リンク管理テーブルに基づいて、辞書スタンプ401とともに表示部12に表示される。操作受付部21が辞書スタンプ401に対するユーザの操作を受け付けると、データ処理部30は、辞書スタンプ401に対応付けられているリンク情報が示す訳語データ420を表示部12に表示させる。
【0194】
リンク先の表示対象データに、リンク元に戻るためのリンク部品として参考書スタンプ402がリンク管理テーブルに登録されていてもよい。この場合、参考書スタンプ402がユーザによって操作されると、データ処理部30は、リンク元のページデータ400に戻すことができる。
【0195】
上述の構成によれば、ユーザは、ある単語について、その単語の意味が載っている電子辞書の訳語データと、その単語に関する用例や文法などが解説されている参考書のページデータとの間を簡易な操作で行き来して学習を効率よく進めることができる。
【0196】
<変形例>
特定部32は、図22に示すページデータ400上に、辞書スタンプ401が配置された位置に基づいて、ページデータ400から注目データを特定してもよい。そして、データ処理部30は、図23に示す検索画面410を表示させるとき、特定された注目データに基づいて推測した英単語をテキストボックス411に併せて表示させてもよい。
【0197】
例えば、特定部32は、図22に示すページデータ400において辞書スタンプ401が配置された位置に基づいて、辞書スタンプ401の最も近い位置にある英単語が「mention」であるとして、これを注目データとして特定する。
【0198】
データ処理部30は、テキストボックス411に「mention」が入力された状態で、検索画面410を表示させた上で、さらなるユーザ操作を受け付ける。ユーザは、リンクさせたい訳語ページを呼び出すための検索キーワードが意図どおりであれば、そのまま検索ボタンを押すだけで済む。
【0199】
〔表示対象データとリストとの対応関係について〕
上述の各実施形態、例えば、実施形態1などでは、1つの表示対象データにつき、1つのリストを生成する情報処理装置について説明した。しかし、本開示に係る情報処理装置は、このような構成に限定されない。
【0200】
情報処理装置は、該情報処理装置において生成された複数の表示対象データのそれぞれに含まれる各注目データを、1つのリストにまとめることができる。例えば、情報処理装置1のデータ処理部30がノートデータAを表示させているときに、部品配置部31が、ユーザによる入力操作にしたがって、チェックボックスAを配置したとする。この場合、対応付け部33は、チェックボックスAに、ノートデータA内の注目データAを対応付けて管理テーブル51に記憶する。また、データ処理部30がノートデータAとは別のノートデータBを表示させているとき、部品配置部31がチェックボックスBを配置したとする。この場合、対応付け部33は、チェックボックスBに、ノートデータB内の注目データBを対応付けて管理テーブル51に記憶する。リスト処理部34は、管理テーブル51に記憶されている注目データAおよび注目データBを、1つのリストに配列することができる。
【0201】
上述の構成によれば、ユーザが、複数種類のノートデータを使い分けている場合でも、TODOリストとしては1つに集約され、すべきことをもれなく一元管理することができる。
【0202】
情報処理装置は、該情報処理装置において複数の表示対象データを生成した場合、表示対象データごとにリストを生成してもよい。例えば、情報処理装置1のデータ処理部30がノートデータAを表示させているときに、部品配置部31が、チェックボックスAを配置したとする。この場合、対応付け部33は、チェックボックスAに、ノートデータA内の注目データAを対応付けるとともに、リストAも対応付けて、管理テーブル51に記憶する。ノートデータBに表示中にチェックボックスBが配置された場合には、対応付け部33は、チェックボックスBに、ノートデータB内の注目データBを対応付けるとともに、リストBも対応付けて、管理テーブル51に記憶する。リスト処理部34は、注目データを、元のノートデータに対応するリストに配列することができる。
【0203】
上述の構成によれば、分野別に使い分けられているノートデータごとにTODOリストも作成される。そのため、ユーザは、意図的に使い分けている分野ごとに、やるべきことを管理することができる。例えば、ユーザは、ノートデータを、「家事用」、「習い事用」、「仕事用」と使い分けているとする。この場合、ユーザは、家事に関してやるべきことがまとめられたTODOリストと、習い事に関してやるべきことがまとめられたTODOリストと、仕事に関してやるべきことがまとめられたTODOリストと分けて作成することができる。
【0204】
情報処理装置は、複数の表示対象データを作成するとともに、複数のリストを作成してもよい。そして、ユーザは、これらの表示対象データとリストとの対応関係を、あらかじめ任意に指定することができてもよい。
【0205】
例えば、ユーザが、ノートデータAおよびノートデータBを、TODOリストPに対応付けることを指定したとする。また、ユーザが、ノートデータCを、TODOリストWに対応付けることを指定したとする。
【0206】
この場合、対応付け部33は、ノートデータA上に配置されたチェックボックスAに、ノートデータA内の注目データAを対応付けるとともに、TODOリストPを対応付けて、管理テーブル51に記憶する。また、対応付け部33は、ノートデータB上に配置されたチェックボックスBに、ノートデータB内の注目データBを対応付けるとともに、同じく、TODOリストPを対応付けて、管理テーブル51に記憶する。一方、ノートデータCにチェックボックスCが配置された場合には、対応付け部33は、チェックボックスCに、ノートデータC内の注目データCを対応付けるとともに、今度は、TODOリストWを対応付けて、管理テーブル51に記憶する。
【0207】
上述の構成によれば、用途に応じて使い分けられている複数のノートデータを、分野ごとに作成されたTODOリストのいずれかに対応付けることができる。例えば、ユーザは、ノートデータを、「家事用」、「習い事用」、「仕事用」と使い分けているとする。この場合、ユーザは、「家事用」のノートデータおよび「習い事用」のノートデータを、プライベートのやるべきことをまとめるためのTODOリストPに対応付けることができる。一方、ユーザは、「仕事用」のノートデータを、仕事のやるべきことをまとめるためのTODOリストWに対応付けることができる。
【0208】
さらに、ユーザは、表示対象データとリストとの対応関係を、チェックボックスを配置する度に自由に指定することができてもよい。
【0209】
例えば、データ処理部30がノートデータAを表示させているときに、部品配置部31が、チェックボックスA1を配置したとする。このとき、対応付け部33は、配置されたチェックボックスA1に対応する注目データA1をどのリストに転記するのかをユーザに指定させるためのUI部品を表示させて、リストの選択を受け付ける。ユーザが、注目データA1の転記先として、TODOリストLを選択したとする。この場合、対応付け部33は、ノートデータAのチェックボックスA1に、注目データA1とTODOリストLとを対応付けて管理テーブル51に記憶する。同じノートデータAにおいて、別のチェックボックスA2が配置されたとき、対応付け部33は、都度、上述のUI部品を表示させてリストの選択を受け付ける。ユーザが、転記先としてTODOリストMを選択すると、対応付け部33は、ノートデータAのチェックボックスA2に、注目データA2とTODOリストMとを対応付けて管理テーブル51に記憶する。別のノートデータBにおいて、チェックボックスが配置されたときも、その都度、対応付け部33は、転記先として、TODOリストLおよびTODOリストMを選択できるようにUI部品を表示する。こうして、複数のノートデータと複数のTODOリストとにおける多対多の対応関係は、対応付け部33によって管理テーブル51に記憶される。
【0210】
上述の構成によれば、どのノートデータに記載されたどの情報も、任意のTODOリストに転記することが可能となり自由度が向上する。
【0211】
情報処理装置1は、上述の例のノートデータからTODOリストへの転記に限らず、スケジュール帳からTODOリストへの転記、および、ノートデータからスケジュール帳への転記を行うことができる。スケジュール帳がTODOリストの情報源になる場合、スケジュール帳は、表示対象データとして取り扱われ得る。
【0212】
よって、対応付け部33は、1つのノートデータ内の複数の注目データを、それぞれ、種類の異なるリスト(TODOリストおよびスケジュール帳)に対応付けることができる。また、対応付け部33は、種類の異なる複数の表示対象データ(ノートデータおよびスケジュール帳)のそれぞれの注目データを、1つのTODOリストに対応付けることもできる。
【0213】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置1の制御ブロック(特に、表示制御部20、操作受付部21、データ処理部30、部品配置部31、特定部32、対応付け部33およびリスト処理部34)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0214】
後者の場合、情報処理装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0215】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る情報処理装置は、表示対象データが表示された表示部における、ユーザが指定した位置に、該ユーザの入力操作を受け付け可能なUI部品を表示させる表示制御部20と、前記UI部品ごとに、前記UI部品と前記表示対象データとの位置関係に基づいて前記表示対象データのうちの注目データを特定する特定部32と、前記UI部品と前記注目データとの対応関係を記憶部11に記憶させる対応付け部33とを備えている。
【0216】
前記の構成によれば、ユーザが指定した位置に配置されたUI部品と、UI部品が配置された位置に応じて特定された表示対象データの内容、すなわち、注目データとの対応関係が記憶部に記憶される。これにより、ユーザが配置したUI部品と、それに関連する表示の内容とを組にして、各種の情報処理に用いることができるようになる。
【0217】
ユーザは、入出力の方式または形式にとらわれることなく、表示されている内容を見て任意の位置にUI部品を配置するだけでよく、それによって、各種の情報処理に用いることが可能な上述の対応関係を得ることができる。結果として、情報の入出力の自由度を向上させ、利便性に優れた情報処理装置を実現することが可能となる。
【0218】
本発明の態様2に係る情報処理装置では、前記態様1において、前記表示制御部は、前記UI部品と、該UI部品に対応付けられた前記注目データとの組を配列したリストを前記表示部に表示させてもよい。
【0219】
前記の構成によれば、UI部品に関連する表示の内容を箇条としたリストが、UI部品とともに、表示部に表示される。ユーザは、元の表示対象データの任意の位置にUI部品を置く場所を指定するだけでよく、それによって、UI部品を操作して各箇条を管理することが可能なリストを利用することができる。
【0220】
本発明の態様3に係る情報処理装置は、前記態様1または2において、前記特定部は、前記表示対象データのうち、前記UI部品が表示された位置を基点として定まる所定形状および所定サイズの領域に含まれる部分を、前記注目データとして特定してもよい。
【0221】
前記の構成によれば、UI部品と、表示対象データのうちの該UI部品に関連する情報として抽出された情報そのものとの組を、各種の情報処理に用いることができるようになる。
【0222】
本発明の態様4に係る情報処理装置は、前記態様3において、前記表示制御部は、前記特定部によって特定された前記領域のサイズおよび傾きの少なくともいずれか一方の変更をユーザから受け付けるための編集支援ツール(回転ハンドル241、サイズ変更ハンドル242)を、前記領域とともに前記表示部に表示させ、前記特定部は、前記編集支援ツールを介して変更された領域に含まれる部分を、前記注目データとして特定してもよい。
【0223】
前記の構成によれば、ユーザがUI部品を配置したときに、該UI部品に関連付けたいと所望する範囲と、特定部によって特定された領域とが一致しない場合に、ユーザは、編集支援ツールを操作して、該領域が所望する範囲をカバーするように修正することができる。
【0224】
本発明の態様5に係る情報処理装置は、前記態様3または4において、前記特定部は、前記領域に含まれる文字を注目データとして特定してもよい。
【0225】
前記の構成によれば、UI部品と、表示対象データのうちの該UI部品に関連する情報として特定された文字の情報との組を、各種の情報処理に用いることができるようになる。例えば、文字の情報を、リストの箇条に用いることができる。
【0226】
本発明の態様6に係る情報処理装置は、前記態様1から5において、前記特定部は、前記UI部品が表示された位置に対応する前記表示対象データ(地図データ)上の場所を示す情報を前記注目データとして特定してもよい。
【0227】
前記の構成によれば、UI部品と、表示対象データのうちの該UI部品が表示された位置に対応する表示対象データ上の場所を示す情報との組を、各種の情報処理に用いることができるようになる。例えば、地図データ上の場所を示す情報(緯度経度情報、住所、施設名など)を、リストの箇条に用いることができる。
【0228】
本発明の態様7に係る情報処理装置は、前記態様1から5において、前記表示対象データ(広告データ)は、複数の区画に分かれて構成されており、前記特定部は、前記UI部品が表示された位置に対応する前記表示対象データ上の位置と同じ区画に含まれている情報を前記注目データとして特定してもよい。
【0229】
前記の構成によれば、UI部品と、表示対象データのうちの該UI部品が表示された位置に対応する表示対象データ上の位置と同じ区画に含まれている情報との組を、各種の情報処理に用いることができるようになる。例えば、広告データにおいてUI部品が表示された位置と同じ区画に含まれる情報(商品の画像、商品名、商品価格など)を、リストの箇条に用いることができる。
【0230】
本発明の態様8に係る情報処理装置は、前記態様2において、前記表示制御部は、前記UI部品としてのチェックボックスと、該チェックボックスに対応付けられた前記注目データとの組を配列した前記リスト(TODOリスト)を表示させてもよい。
【0231】
前記の構成によれば、チェックボックスと関連する注目データを箇条としたTODOリストが、表示部に表示される。ユーザは、元の表示対象データの任意の位置にチェックボックスを置く場所を指定するだけでよく、それによって得られたTODOリストを利用して、各箇条に示されたやるべき事の進捗を管理することができる。
【0232】
本発明の態様9に係る情報処理装置は、前記態様2または8において、前記表示制御部は、年月日の入力を受け付け可能な前記UI部品としての日付オブジェクト(日付スタンプ)に対応付けられた前記注目データを該日付オブジェクトにて受け付けられた年月日に対応付けて配列した前記リスト(スケジュール帳)を表示させてもよい。
【0233】
前記の構成によれば、日付オブジェクトに関連する注目データを箇条としたスケジュール帳が、表示部に表示される。このとき、注目データは、スケジュール帳の内の、日付オブジェクトが保持する年月日に対応する領域に配列される。例えば、ユーザは、表示対象データの中で、スケジュール帳に登録したい情報が含まれている場所の近くに、年月日を指定した日付オブジェクトを配置するだけでよい。日付オブジェクトに関連して抽出された上述の情報は、スケジュール帳内の、日付オブジェクトが保持する年月日の欄に配列される。ユーザは、表示対象データに含まれている情報の任意の部分を抜き出して、スケジュール帳に容易に転記することができる。
【0234】
本発明の態様10に係る情報処理装置は、前記態様2において、前記表示制御部は、前記表示部に表示させた前記リスト上の、前記ユーザが指定した位置に、リンク先を示すリンク情報を保持するリンク部品(ノートスタンプ209)を表示させ、前記対応付け部は、前記リストの元となる前記表示対象データとは別の、前記ユーザによって指定された表示対象データを前記リンク先とするリンク情報を、前記リンク部品に対応付けて前記記憶部に記憶させてもよい。
【0235】
前記の構成によれば、ユーザは、作成したリストの箇条を、さらに、自身が選択した別の表示対象データに容易に転記することが可能となる。さらに、リンク部品を操作することにより、転記元のリストから、転記先の表示対象データへと表示を容易に切り替えることが可能となる。
【0236】
本発明の態様11に係る情報処理装置は、前記態様1から10において、前記表示制御部は、前記表示部に表示された第1の表示対象データ(ページデータ400)上の、前記ユーザが指定した位置に、リンク先を示すリンク情報を保持するリンク部品(辞書スタンプ401)を表示させ、前記対応付け部は、前記ユーザによって指定された第2の表示対象データ(訳語データ420)を前記リンク先とする前記リンク情報を、前記リンク部品に対応付けて前記記憶部に記憶させてもよい。
【0237】
前記の構成によれば、ユーザは、第1の表示対象データに含まれているある情報に関連して、別の第2の表示対象データとの紐付けを容易に行うことが可能となる。具体的には、リンク部品を操作することにより、リンク元の第1の表示対象データから、リンク先の第2の表示対象データへと表示を容易に切り替えることが可能となる。
【0238】
本発明の態様12に係る制御方法は、表示部と記憶部とを備えた情報処理装置の制御方法であって、表示対象データが表示された前記表示部における、ユーザが指定した位置に、該ユーザの入力操作を受け付け可能なUI部品を表示させる表示ステップ(S103)と、前記UI部品ごとに、前記UI部品と前記表示対象データとの位置関係に基づいて前記表示対象データのうちの注目データを特定する特定ステップ(S104)と、前記UI部品と前記注目データとの対応関係を前記記憶部に記憶させる対応付けステップ(S105)とを含む。
【0239】
本発明の各態様に係る情報処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記情報処理装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記情報処理装置をコンピュータにて実現させる情報処理装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0240】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0241】
1 情報処理装置、10 制御部、11 記憶部、12 表示部、13 操作部、20 表示制御部、21 操作受付部、30 データ処理部、31 部品配置部、32 特定部、33 対応付け部、34 リスト処理部、50 レイヤ情報、51 管理テーブル、241 回転ハンドル(編集支援ツール)、242 サイズ変更ハンドル(編集支援ツール)
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