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特許7396973建設機械用表示装置、および、建設機械用表示装置を備えた建設機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】建設機械用表示装置、および、建設機械用表示装置を備えた建設機械
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/23 20130101AFI20231205BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20231205BHJP
   F02D 29/02 20060101ALI20231205BHJP
   F02D 29/00 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
B60R25/23
E02F9/26 A
F02D29/02 321B
F02D29/00 B
F02D29/02 321C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020152090
(22)【出願日】2020-09-10
(65)【公開番号】P2022046172
(43)【公開日】2022-03-23
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】川口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】田村 一樹
(72)【発明者】
【氏名】出口 貴司
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/075566(WO,A1)
【文献】特開2006-076479(JP,A)
【文献】特開2016-022915(JP,A)
【文献】特開2013-192017(JP,A)
【文献】特開2019-026026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/00-25/40
E02F 9/26
F02D 29/02
F02D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械のエンジン始動の制限を解除する解除画面を表示可能に構成された表示部を備え、
前記表示部は、前記エンジンの停止時からの経過時間と、所定の待機時間と、に基づき前記解除画面を表示前記エンジンの停止時に、前記解除画面の待機設定を有効化するか否かを選択する選択画面を表示する、建設機械用表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記経過時間が前記待機時間を超えた場合、前記解除画面を表示する、請求項1に記載の建設機械用表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記待機時間を設定する設定画面を表示可能に構成された、
請求項1または請求項2に記載の建設機械用表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記待機設定が有効化されているとき、前記経過時間が前記待機時間を超えた場合、前記解除画面を表示する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の建設機械用表示装置。
【請求項5】
前記選択画面は、
前記待機設定の対象を示す画像を表示する第1表示領域、および、前記待機設定の要否の選択を促す画像を表示する第2表示領域の少なくとも一方と、
前記待機設定の要否を選択するための画像を表示する第3表示領域と
を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の建設機械用表示装置。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の建設機械用表示装置を備える、建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械用表示装置、および、建設機械用表示装置を備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械に表示装置が設けられることがある(例えば、特許文献1、特許文献2)。特許文献1に記載の表示装置は、エンジンを再始動する際に、パスワードを要求する画面を表示する。特許文献2に建設機械の表示装置は、建設機械の累積稼働時間(アワメータデータ)を画面に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6537782号公報
【文献】特許第5025237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の建設機械では、建設機械を効率的に利用することができない可能性がある。例えば、特許文献1に記載の建設機械の表示装置では、作業を中断した時間の長さにかかわらずパスコードを要求する画面が表示されるため、ユーザーは作業を中断した時間の長さにかかわらずパスコードを入力する必要があった。また、特許文献2に記載の建設機械では、表示装置が交換された場合は、アワメータデータをバックアップデータで更新するが、表示装置が交換された場合については、アワメータデータが適正な値とならない可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は建設機械を効率的に利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る建設機械用表示装置は、表示部を備える。前記表示部は、建設機械のエンジン始動の制限を解除する解除画面を表示可能に構成されている。前記表示部は、前記エンジンの停止時からの経過時間と、所定の待機時間と、に基づき前記解除画面を表示する。
【0007】
本発明に係る建設機械は、上記に記載の建設機械用表示装置を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、建設機械を効率的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は、実施形態1に係る表示装置を示すブロック図である。(b)および(c)は、解除画面の表示について説明するための図である。
図2】(a)は、パスコードを入力するためのパスコード入力画面を示す図である。(b)は、待機設定の有効化の選択画面を示す図である。
図3】(a)は、設定変更画面を示す図である。(b)は、設定変更画面を示す他の図である。
図4】本発明の実施形態1に係る表示制御処理を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態2に係る建設装置を示すブロック図である。
図6】表示装置の記憶部に記憶された判定テーブルの内容を示す図である。
図7】状態表示画面を示す図である。
図8】(a)は、確認画面を示す図である。(b)は、更新画面を示す図である。
図9】本発明の実施形態2に係る稼働値の更新処理を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施形態2に係る稼働値の更新処理を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施形態2に係る稼働値の更新処理を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態2に係る稼働値の更新処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態1]
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本実施形態に係る表示装置は、エンジン始動ロック機能を有する建設機械に搭載される表示装置であり、始動ロックを解除可能なロック解除画面(以下、「パスコード入力画面」ともいう)を表示可能に構成された表示装置である。この表示装置では、所定の条件に基づき、ロック解除画面の表示を一定期間、待機させる。
【0011】
(表示装置10の概略構成)
図1(a)を参照して、本発明の実施形態1に係る表示装置10の構成等について説明する。図1(a)は、実施形態1に係る表示装置10を示すブロック図である。図1に示すように、表示装置10は、表示部12、計時部13、検知部15、操作部14および表示制御ユニット18を備える。表示装置10は、建設機械用の表示装置である。
【0012】
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ、または、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにより構成される。表示部12は、画像を表示する。具体的には、表示部12は、表示制御ユニット18の制御に基づき所定の表示画面を表示する。
【0013】
計時部13は、例えば、RTC(Real Time Clock)である。計時部13は、経過時間T1を計測する。経過時間T1は、建設機械のエンジンが停止した時からの経過した時間を示す。
【0014】
検知部15は、建設機械のエンジン停止、若しくは、エンジン始動指示を検知するものである。ここで、エンジン始動指示とは、例えば、建設機械へのキー操作であり、具体的には、キーオンを指す。
【0015】
操作部14は、例えば、表示部12の周囲に配置され、操作者の操作を受け付けるとともに、当該操作に応じた操作信号を表示制御ユニット18に出力する。この操作部14は、例えば、押しボタンからなる操作子16を少なくとも1つ備え、本実施形態では、6つの操作子16を備える。かかる構成を有する操作部14では、操作者の操作により操作子16が操作されたか否かを示す操作信号が出力される。なお、以下、表示装置10の複数の操作子16を区別して説明する場合は、複数の操作子16を、それぞれ操作子16A、16B、16C、16D、16E、16Fと記載する場合がある。
【0016】
表示制御ユニット18は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)により構成され、例えば、制御部181と記憶部183とを備える。制御部181は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより構成される。制御部181は、表示部12、計時部13および操作部14を制御する。記憶部183は、各種データおよびコンピュータプログラムを記憶する記憶装置により構成される。この記憶部183には、各種データとして、例えば、操作者により予め入力された設定情報、又は、建設機械の状態を示す状態情報が記憶されている。設定情報としては、例えば、待機設定の要否を示す情報、又は、待機時間T2に関する情報が記憶されている。待機時間T2に関する情報は、予め選択可能な複数の情報が記憶されている(図3(b)参照)。また、状態情報としては、例えば、検知部15により検知された建設機械のエンジン停止時間、又は、始動時間が記憶されている。
【0017】
かかる構成を有する表示制御ユニット18では、制御部181が記憶部183に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み、表示制御ユニット18としての機能を発揮する。すなわち、制御部181は、表示部12、計時部13および操作部14に所定の処理を実行させる。
【0018】
かかる構成を有する表示装置10では、表示制御ユニット18により予め定められた制御に基づき、表示部12の表示画面に、例えば、建設機械の各種情報が表示される。
【0019】
例えば、表示装置10は、図1(b),(c)に示すように、建設機械のエンジン停止時t1には、パスコード入力画面の表示待機設定を有効化するか否かを選択する設定選択画面を表示させ、また、エンジン再始動操作時t2には、エンジン始動ロックを解除するためのパスコード入力画面を表示させる。さらに、建設機械の機能設定時(不図示)には設定画面を表示させる。なお、図1(b),(c)におけるエンジン再始動操作時t2は、エンジンの始動操作があった時刻を示し、具体的には、建設機械のキー操作が行われた時刻を示す。また、本実施形態に係る「パスコード入力画面」は本発明の「解除画面」に相当し、本実施形態に係る「設定選択画面」は本発明の「選択画面」に相当する。
【0020】
また、表示装置10は、建設機械のエンジンの始動操作があった場合、経過時間T1と待機時間T2とに基づいて、パスコード入力画面を表示させる。なお、後述するエンジン始動操作時の処理が実行される前提として、予めパスコード入力の待機設定がなされ、かつ、エンジン停止時に待機設定を有効にする旨の選択がなされたことを要する。
【0021】
例えば、経過時間T1が待機時間T2を超えた場合には(図1(b)参照)、パスコード入力画面が表示される。このとき、操作者によるパスコードの入力後、建設機械はエンジン始動が可能な状態となる。換言すると、表示装置10は、経過時間T1が待機時間T2を超えると判定した場合、パスコード入力画面を表示部12に表示させる。すなわち、操作者は、パスコード入力画面を用いてパスコード認証をしなければ、建設機械のエンジンを始動することができない。
【0022】
他方、経過時間T1が待機時間T2を超えない場合には(図1(c)参照)、パスコード入力画面が表示されない。このとき、操作者によるパスコードの入力を要することなく、建設機械はエンジンが始動する。換言すると、表示制御ユニット18は、経過時間T1が待機時間T2を超えないと判定した場合、パスコード入力画面を表示部12に表示させない。そして、表示装置10は、表示部12に初期画面を表示させる。すなわち、操作者は、パスコード入力画面を用いてパスコード認証をすることなく、建設機械のエンジンを始動することができる。
【0023】
次に、表示部12の表示画面の一例として、上述した「パスコード入力画面」、「待機設定の有効化の選択画面」、「設定変更画面」について、図面を参照して説明する。
【0024】
(画面表示例:パスコード入力画面)
表示部12に表示されるパスコード入力画面SCAについて、図2(a)を参照して説明する。このパスコード入力画面SCAは、エンジン始動ロックを解除するために、操作者がパスコードを入力するための画面である。パスコード入力画面SCAは、パスコード入力領域40と、操作内容表示領域46とを含む。パスコード入力領域40は、複数の数字入力領域41を含む。本実施形態では、4つの数字入力領域41A~41Dを含む。4つの数字入力領域41A~41Dは、一定方向に並べて配置される。4つの数字入力領域41A~41Dの各々には、パスコードとしての数字が入力される。詳しくは、数字入力領域41Aには、パスコードの4桁目の数字が入力される。数字入力領域41Bには、パスコードの3桁目の数字が入力される。数字入力領域41Cには、パスコードの2桁目の数字が入力される。数字入力領域41Dには、パスコードの1桁目の数字が入力される。
【0025】
また、パスコード入力画面SCAでは、4つの数字入力領域41A~41Dのうちの1つの数字入力領域41にハッチングで示されたカーソルCSが表示されて、操作者が数字を入力すべき数字入力領域41が示されている。
【0026】
操作内容表示領域46は、操作者が操作可能な操作内容を表示する表示領域であり、例えば、一直線上に配置された複数の被選択部46A~46Fにより構成される。この被選択部46A~46Fは、上述した操作部14の操作子16A~16Fと対応して表示されており、被選択部46A~46Fに対応する操作子16A~16Fを操作することにより、表示内容が切り替えられる。例えば、操作者が被選択部46Cに対応する操作子16Cを操作(ボタンを押下)すると、選択されている数字入力領域41の数字が1つ減少する。例えば、選択されている数字入力領域41の数字が、「5」から「4」に減少する。一方、操作者が被選択部46Dに対応する操作子16Dを操作すると、選択されている数字入力領域41の数字が1つ増加する。例えば、選択されている数字入力領域41の数字が、「5」から「6」に増加する。また、操作者が被選択部46Fに対応する操作子16Fを操作すると、選択されている数字入力領域41の数字が確定し、カーソルCSが次の桁の数字入力領域41へと移動する。なお、複数の被選択部46A~46Fの各々は、例えば、オブジェクトである。
【0027】
(画面表示例:待機設定の有効化の選択画面)
次に、エンジンの停止時に表示される「待機設定の有効化の選択画面SCB」について説明する。図2(b)は、待機設定の有効化の選択画面SCBを示す図である。
【0028】
図2(b)に示すように、選択画面SCBは、対象表示領域48と、選択要求表示領域49と、操作内容表示領域46とを含む。なお、対象表示領域48は、本発明の「第1表示領域」の一例である。選択要求表示領域49は、本発明の「第2表示領域」の一例である。操作内容表示領域46は、本発明の「第3表示領域」の一例である。
【0029】
対象表示領域48には、待機設定の対象を示す画像が表示される。例えば、対象表示領域48には、エンジンがロックされた状態を示す画像が表示される。
【0030】
選択要求表示領域49は、待機設定の要否の選択を促す画像が表示される。例えば、選択要求表示領域49には、「今すぐパスコードロックしますか?」のようなメッセージ画像が表示される。
【0031】
操作内容表示領域46には、待機設定の要否を選択するための画像が表示される。例えば、被選択部46Aには、「いいえ」が表示されている。被選択部46Fには、「はい」が表示されている。
【0032】
選択画面SCBにおいて、「いいえ」が表示された被選択部46Aに対応する操作子16Aが操作(ボタンを押下)されると、直ちにパスコードロックが設定されない。すなわち、図1(b)および図1(c)を参照して説明した待機設定が有効化される。なお、操作者による操作子16A(「いいえ」)又は16F(「はい」)の操作が所定期間行われなかった場合、すなわち、無操作状態が所定期間継続した場合には、待機設定が有効化される。
【0033】
一方、選択画面SCBにおいて、「はい」が表示された被選択部46Fに対応する操作子16Fが操作(ボタンを押下)されると、直ちにパスコードロックが設定される。すなわち、図1(b)および図1(c)を参照して説明した待機設定が無効化される。
【0034】
エンジンの始動操作があった場合、制御部181は、待機設定が有効化されているか否かを判定する。制御部181は、待機設定が有効化されていると判定した場合、経過時間T1が待機時間T2を超えるか否かを判定する。制御部181は、経過時間T1が待機時間T2を超えると判定した場合、パスコード入力画面SCA(図2(a))を表示部12に表示させる。一方、制御部181は、経過時間T1が待機時間T2を超えないと判定した場合、パスコード入力画面SCAを表示部12に表示させない。
【0035】
一方、制御部181は、待機設定が有効化されていないと判定した場合、エンジンの始動操作があった時に、パスコード入力画面SCAを表示部12に表示させる。
【0036】
(画面表示例:設定変更画面)
図3(a)および図3(b)を参照して、設定変更画面SCCおよび設定変更画面SCDについて説明する。図3(a)は、設定変更画面SCCを示す図である。図3(b)は、設定変更画面SCDを示す他の図である。
【0037】
まず、図3(a)を参照して設定変更画面SCCの説明を行う。図3(a)に示すように、設定変更画面SCCは、設定項目表示領域51と、設定状態表示領域52とを含む。
【0038】
設定項目表示領域51には、設定項目を示す画像が表示される。設定項目表示領域51は、第1設定項目表示領域51Aと、第2設定項目表示領域51Bと、第3設定項目表示領域51Cとを含む。
【0039】
第1設定項目表示領域51Aには、「始動ロック」が表示されている。操作者によって「始動ロック」が選択されることによって、操作者は、パスコードロック機能のONとOFFとを切り替えることができる。
【0040】
第2設定項目表示領域51Bには、「再ロック時間」が表示されている。操作者によって「再ロック時間」が選択されることによって、操作者は、待機時間T2を変更することができる。
【0041】
第3設定項目表示領域51Cには、「パスコード変更」が表示されている。操作者によって「パスコード変更」が選択されることによって、操作者は現在設定されているパスコードを、任意のパスコードに変更することができる。
【0042】
設定状態表示領域52には、設定状態を示す画像が表示される。設定状態表示領域52は、第1設定状態表示領域52Aと、第2設定状態表示領域52Bと、第3設定状態表示領域52Cとを含む。
【0043】
第1設定状態表示領域52Aと、第2設定状態表示領域52Bと、第3設定状態表示領域52Cとは、それぞれ、第1設定項目表示領域51Aと、第2設定項目表示領域51Bと、第3設定項目表示領域51Cとに対応する。例えば、第2設定項目表示領域51Bに表示されている「再ロック時間」に対応して、第2設定状態表示領域52Bには、「5分」が表示されている。
【0044】
操作者によって「再ロック時間」が選択された場合、図3(b)に示すように、「再ロック時間」の設定変更画面SCDが表示部12に表示される。
【0045】
設定変更画面SCCでは、3つの設定項目表示領域51のうちの1つの設定項目表示領域51Aにハッチングで示されたカーソルCSが表示される。操作者は、操作部14の操作子16Cおよび操作子16Dを操作することによって、カーソルCSを移動させることができる。そして、操作者は、操作子16Fを操作することによって、所望の設定項目を選択・決定することができる。
【0046】
次に、図3(b)を参照して設定変更画面SCDの説明を行う。この設定変更画面SCDは、図3(a)における設定項目表示領域51に表示された設定項目毎に、設定内容を選択・決定する設定画面である。図3(b)に示すように、設定変更画面SCDは、設定候補表示領域53を含む。設定候補表示領域53は、第1設定候補表示領域53Aと、第2設定候補表示領域53Bと、第3設定候補表示領域53Cと、第4設定候補表示領域53Dと、第5設定候補表示領域53Eとを含む。
【0047】
設定変更画面SCDでは、5つの設定候補表示領域53のうちの1つの設定候補表示領域53Aにハッチングで示されたカーソルCSが表示される。操作者は、操作部14の操作子16B~16Eを操作することによって、カーソルCSを移動させることができる。そして、操作者は、操作子16Fを操作することによって、設定を決定することができる。例えば、待機時間T2(再ロック時間)を「5分」に設定することができる。
【0048】
(表示制御処理)
図4を参照して、本発明の実施形態1に係る制御部181による表示制御処理について説明する。図4は、本発明の実施形態1に係る表示制御処理を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS102:エンジン停止を検知する。この処理が終了すると、ステップS104に進む。
【0050】
ステップS104:制御部181は、建設機械のキー操作の有無を判定する。制御部181が、キー操作なしと判定した場合(ステップS104:No)、一定期間待機し再度ステップS104に戻る。制御部181が、キー操作ありと判定した場合(ステップS104:Yes)、処理は、ステップS106に進む。
【0051】
ステップS106:制御部181は、エンジン始動ロックが有効か否かを判定する。制御部181はエンジン始動ロックが有効でないと判定した場合(ステップS106:No)、処理は、ステップS116に進みエンジンを始動する。すなわち、パスコード入力画面SCAを表示することなくエンジンが始動する。一方、制御部181はエンジン始動ロックが有効であると判定した場合(ステップS106:Yes)、処理は、ステップS108に進む。
【0052】
ステップS108:制御部181は、経過時間T1が待機時間T2を超えたか否かを判定する。制御部181が、経過時間T1が待機時間T2を超えていないと判定した場合(ステップS108:No)、処理は、ステップS116に進みエンジンを始動する。すなわち、パスコード入力画面SCAを表示することなくエンジンが始動する。一方、制御部181が、経過時間T1が待機時間T2を超えると判定した場合(ステップS108:Yes)、処理は、ステップS110に進む。
【0053】
ステップS110:制御部181は、パスコード入力画面SCAを表示部12に表示させる。この処理が終了すると、ステップS114に進む。
【0054】
ステップS114:制御部181は、パスコード認証がOKか否かを判定する。制御部181が、パスコード認証がOKでないと判定した場合(ステップS114:No)、処理は、ステップS110に戻る。一方、制御部181が、パスコード認証がOKであると判定した場合(ステップS114:Yes)、処理は、ステップS116に進む。
【0055】
ステップS116:エンジンが始動可能状態となる。ステップS116の処理では、例えば、制御部181は、エンジン始動許可表示画面(不図示)を表示部12に表示させ、再度、操作者に始動操作を要求する。この処理が終了すると、一連の表示制御処理は終了する。
【0056】
なお、ステップS116における他の処理例として、制御部181は、エンジン始動許可表示画面(不図示)を表示部12に表示させることなく、エンジンを始動可能状態とすることができる。この場合には、操作者は、再度、始動操作を行うことなく、初めの始動操作でエンジンが始動する。
【0057】
以上、図1図4を参照して説明したように、本実施形態に係る表示装置10及びこの表示装置10を備えた建設機械においては、エンジンの始動操作があった場合、表示装置10において、制御部181は、経過時間T1が待機時間T2を超えるか否かを判定する。制御部181は、経過時間T1が待機時間T2を超えると判定した場合、エンジンの始動を制限する機能を解除するパスコード入力画面SCAを表示部12に表示させる。したがって、長い時間作業を中断する場合は、パスコード入力画面SCAを表示する。その結果、建設機械の盗難を抑制することができる。一方、制御部181は、経過時間T1が待機時間T2を超えないと判定した場合、パスコード入力画面SCAを表示部12に表示させない。したがって、少しだけ作業を中断した場合は、パスコードを解除することなく、エンジンを再始動させることができる。
【0058】
したがって、例えば、作業中に建設機械のエンジンを一旦停止させる場合には、エンジン再始動の際に、パスコード入力画面SCAを表示させることなく、エンジン始動を行うことができる。これにより、操作者は煩雑なロック解除作業を強いられることなく、作業を再開することができる。また、エンジン停止期間が所定以上となったときには、エンジン再始動に際してパスコード入力画面SCAを表示させることから、仮にエンジンキーが挿入状態となっていた場合にも盗難等の発生を防止できる。さらに、エンジン停止時に、パスコード入力の待機設定の有効/無効を選択する選択画面を表示させることで、作業終了時等には操作者の選択によりエンジン始動ロックを即時に実行させることができ、操作者にロック開始までの待機を強いることが防止される。このように、建設機械を効率的に利用することができる。
【0059】
上述した本実施形態に係る表示装置の特徴を換言すると、以下の通りとなる。
すなわち、建設機械用表示装置は、
画像を表示する表示部と、
上記表示部を制御する制御部と、
建設機械のエンジンが停止した時からの経過した時間を示す経過時間を計測する計時部と、
待機時間を記憶する記憶部と
を備え、
上記エンジンの始動操作があった場合、
上記制御部は、
上記経過時間が上記待機時間を超えるか否かを判定し、
上記経過時間が上記待機時間を超えると判定した場合、上記エンジンの始動を制限する機能を解除する解除画面を上記表示部に表示させ、
上記経過時間が上記待機時間を超えないと判定した場合、上記解除画面を上記表示部に表示させない、ものである。
【0060】
また、上記建設機械用表示装置において、上記待機時間は変更可能、に構成されている。
【0061】
また、上記建設機械用表示装置において、上記エンジンの停止時に、上記制御部は、待機設定を有効化するか否かを選択する選択画面を上記表示部に表示させる、ように構成されている。
【0062】
また、上記建設機械用表示装置において、
上記エンジンの始動操作があった場合、
上記制御部は、
上記待機設定が有効化されているか否かを判定し、
上記待機設定が有効化されていると判定した場合、
上記経過時間が前記待機時間を超えるか否かを判定し、
上記経過時間が上記待機時間を超えると判定した場合、上記解除画面を前記表示部に表示させ、
前記経過時間が前記待機時間を超えないと判定した場合、前記解除画面を上記表示部に表示させず、
上記待機設定が有効化されていないと判定した場合、
上記エンジンの始動操作があった時に、前記解除画面を前記表示部に表示させる、ように構成されている。
【0063】
また、建設機械用表示装置における、上記選択画面は、
上記待機設定の対象を示す画像を表示する第1表示領域、および、前記待機設定の要否の選択を促す画像を表示する第2表示領域の少なくとも一方と、
上記待機設定の要否を選択するための画像を表示する第3表示領域と
を有する、ものである。
【0064】
[実施形態2]
(建設機械100の概略構成)
次に、図5を参照して、実施形態2に係る表示装置10を備える建設機械100について説明する。本実施の形態に係る建設機械は、当該建設機械の稼働実績を示す稼働値と、そのバックアップ値をそれぞれ異なる機器に記憶するとともに、所定期間毎に、両方の値の正誤判定を実行するものである。図5は、本発明の実施形態2に係る建設機械100を示すブロック図である。実施形態1に係る表示装置10と重複する部分は説明を省略する。
【0065】
図5に示すように、建設機械100は、表示装置10に加えて、エンジン部500と、油圧システム600と、機体700と、主制御装置900とを備える。建設機械100は、例えば、油圧ショベルである。
【0066】
エンジン部500は、動力を生成する。油圧システム600は、機体700を動作させる作動油の流出入を制御する。機体700は、例えば、下部走行体、上部旋回体および作業機からなる。
【0067】
主制御装置900は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)により構成され、建設機械100全体を制御する。主制御装置900は、制御部910と、記憶部920と、計測部930とを備える。
【0068】
制御部910は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより構成される。記憶部920は、各種データおよびコンピュータプログラムを記憶する記憶装置により構成される。この記憶部920には、各種データとして、例えば、操作者により予め入力された設定情報が記憶されている。
【0069】
計測部930は、エンジン部500の稼働実績を示すアワメータを稼働値として計測する。計測部930により計測された稼働値は、表示装置10の記憶部183に送信されるとともに、記憶部920に送信される。
【0070】
記憶部920は、計測部930により計測された稼働値を制御装置側稼働値B(バックアップ値)として記憶する。
【0071】
表示装置10は、表示部12、計時部13、検知部15、操作部14および表示制御ユニット18を備える。表示制御ユニット18は、制御部181と、記憶部183とを備える。
【0072】
記憶部183は、主制御装置900の計測部930により送信された稼働値を表示装置側稼働値Aとして記憶する。詳しくは、所定時間経過毎に、主制御装置900から、稼働値が送信されてくる。所定時間は、例えば、0.1秒である。そして、記憶部183は、送信されてきた稼働値を表示装置側稼働値Aとして記憶する。
【0073】
また、記憶部183は、表示装置側稼働値Aと制御装置側稼働値Bの正誤判定処理に用いられる判定テーブル、判定用の閾値ThA、ThB、ThCを記憶している。閾値ThAは、表示装置側稼働値Aの閾値である。閾値ThAは、例えば、10時間である。閾値ThBは、制御装置側稼働値Bの閾値である。閾値ThBは、例えば、10時間である。なお、ここでは、閾値ThAと、閾値ThBとが同じ値であるが、閾値ThAと、閾値ThBとは異なる値であってもよい。
【0074】
表示部12は、例えば、後述する図7に示す状態表示画面等に、記憶部183に記憶された表示装置側稼働値Aを示す画像を表示する。
【0075】
以上説明したとおり、本実施形態に係る建設機械100では、表示装置側稼働値Aは、制御装置側稼働値Bに逐次更新される。したがって、通常は、主制御装置900の記憶部920および表示装置10の記憶部183のいずれにも、略同じ値の稼働値が記憶されている。詳しくは、表示装置側稼働値Aと制御装置側稼働値Bとは、略同じ値となる。
【0076】
しかしながら、例えば、主制御装置900および表示装置10の少なくとも一方が交換された場合、表示装置側稼働値Aと制御装置側稼働値Bとが大きく異なることがある。その結果、表示部12に適正な稼働値を表示できない可能性がある。したがって、本実施形態の建設機械100では、表示装置10の制御部181は、表示装置側稼働値Aおよび制御装置側稼働値Bとの関係に基づいて、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで更新する、または、制御装置側稼働値Bを表示装置側稼働値Aで更新する。
【0077】
(稼働値の更新処理)
以下、本実施形態の建設機械100の稼働値の更新処理について説明する。なお、以下の説明では、表示装置10の制御部181が、判定手段として、正誤判定処理を実行しているが、これには限定されず、例えば、主制御装置900の制御部910が正誤判定処理を実行してもよい。
【0078】
図6を参照して、制御部181の稼働値の更新処理について説明する。図6は、表示装置10の記憶部183に記憶された判定テーブルの内容を示す図である。図6において、横軸は、表示装置側稼働値Aを示し、縦軸は、制御装置側稼働値Bを示す。図6において、第1領域R1は、ドットハッチングで示している。第2領域R2は、斜めハッチングで示している。第3領域R3は、横ハッチングで示している。第4領域R4は、縦ハッチングで示している。
【0079】
表示装置10の制御部181は、表示装置側稼働値Aが閾値ThA未満であり、かつ、制御装置側稼働値Bが閾値ThB以上であるとき、第1領域R1であると判定する。このようになるケースは、例えば、表示装置10を新品に交換した場合であり、制御装置側稼働値Bは、閾値ThBよりも十分に大きいが、表示装置側稼働値Aはリセットされるため、閾値ThAよりも低くなる。この場合、制御部181は、稼働値として、制御装置側稼働値Bが正しいと判定する。そして、制御部181は、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで更新する。その結果、表示装置側稼働値Aが適正な稼働値となる。
【0080】
また、制御部181は、表示装置側稼働値Aが閾値ThA以上であり、かつ、制御装置側稼働値Bが閾値ThB未満であるとき、第2領域R2であると判定する。このようになるケースは、例えば、主制御装置900を新品に交換した場合であり、表示装置側稼働値Aは、閾値ThAよりも十分に大きいが、制御装置側稼働値Bはリセットされるため、閾値ThBよりも低くなる。この場合、制御部181は、稼働値として、表示装置側稼働値Aが正しいと判定する。そして、制御部181は、制御装置側稼働値Bを表示装置側稼働値Aで更新する。その結果、制御装置側稼働値Bが適正な稼働値となる。
【0081】
また、制御部181は、表示装置側稼働値Aが閾値ThA以上であり、かつ、制御装置側稼働値Bが閾値ThB以上であり、加えて、表示装置側稼働値Aと制御装置側稼働値Bとの差分Δが閾値ThC未満であるとき、第1領域R1であると判定する。このようになるケースは、例えば、通常の場合であり、表示装置側稼働値Aと制御装置側稼働値Bとは大きくずれない。この場合、制御部181は、稼働値として、制御装置側稼働値Bが正しいと判定する。そして、制御部181は、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで更新する。その結果、表示装置側稼働値Aが適正な稼働値となる。
【0082】
また、制御部181は、表示装置側稼働値Aが閾値ThA以上であり、かつ、制御装置側稼働値Bが閾値ThB以上であり、加えて、表示装置側稼働値Aと制御装置側稼働値Bとの差分Δが閾値ThC以上であるとき、第3領域R3であると判定する。このようになるケースは、例えば、表示装置10と、主制御装置900とのいずれかを中古品に交換した場合であり、差分Δが大きくなる。この場合、表示部12は、確認画面を表示する。確認画面における操作者の選択によって、制御部181は、稼働値として、表示装置側稼働値Aが正しいか制御装置側稼働値Bが正しいかを判定する。確認画面(後述する符号SCF)は、操作者に表示装置10および主制御装置900の使用状態について確認するための画面である。確認画面については、図8を参照して後述する。
【0083】
また、制御部181は、表示装置側稼働値Aが閾値ThA未満であり、かつ、制御装置側稼働値Bが閾値ThB未満であり、加えて、表示装置10または主制御装置900の交換履歴があるときに、第4領域R4であると判定する。このようになるケースは、例えば、建設機械100の工場出荷時または、表示装置10と主制御装置900との両方を新品に交換した場合であり、表示装置側稼働値Aと制御装置側稼働値Bとが共に0である。この場合、制御部181は、稼働値として、制御装置側稼働値Bが正しいと判定する。そして、制御部181は、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで更新する。その結果、表示装置側稼働値Aが適正な稼働値となる。
【0084】
また、制御部181は、表示装置側稼働値Aが閾値ThA未満であり、かつ、制御装置側稼働値Bが閾値ThB未満であり、加えて、表示装置10または主制御装置900の交換履歴が無いときに、第1領域R1であると判定する。このようになるケースは、建設機械100の工場出荷後から時間がそれ程経っていない場合であり、表示装置側稼働値Aと制御装置側稼働値Bとが共にそれ程大きくない。この場合、制御部181は、稼働値として、制御装置側稼働値Bが正しいと判定する。そして、制御部181は表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで更新する。その結果、表示装置側稼働値Aが適正な稼働値となる。
【0085】
(画面表示例:状態表示画面)
次に、建設機械100における表示装置10の表示部12に表示される表示画像について図面を参照して説明する。まず図7を参照して、表示部12に表示される状態表示画面SCEについて説明する。図7は、状態表示画面SCEを示す図である。
【0086】
図7に示すように、状態表示画面SCEは、建設機械100の各種情報を表示する表示領域と操作内容表示領域46と含む。
【0087】
各種情報を表示する表示領域は、画面上段左側に配置された時刻表示領域60と、画面上段中央に配置されたエラー表示領域62と、画面上段右側に配置された稼働値表示領域64と、画面中段左側に配置された燃料情報表示領域66と、画面中央に配置されたカメラ映像表示領域68と、画面中段右側に配置されたアイコン表示領域70および回転数表示領域72と、画面下段に配置されたオプション情報表示領域74とを含む。
【0088】
稼働値表示領域64には、建設機械100の稼働実績を示す稼働値が表示される。詳しくは、稼働値表示領域64には、表示装置10の記憶部183に記憶された、表示装置側稼働値Aが表示される。本実施形態では、稼働値は、時間として示される。
【0089】
燃料情報表示領域66には、燃料油の残油状況を示す表示領域であり、例えば、燃料情報表示領域66である旨を示す図形と、燃料の残量を柱状グラフで示すゲージ662とが表示される。
【0090】
(画面表示例:工場出荷時確認画面)
次に、図8(a)および図8(b)を参照して、表示部12に表示される確認画面SCFおよび更新画面SCGについて説明する。図8(a)は、確認画面SCFを示す図である。図8(b)は、更新画面SCGを示す図である。
【0091】
図8(a)に示すように、確認画面SCFは、操作者に表示装置10および主制御装置900の使用状態について確認するための画面である。図8(a)に示す例では、確認画面SCFは、工場出荷時確認画面の一例を示す。工場出荷時確認画面は、モニタ(表示装置10)および主制御装置900が、工場出荷時であるか否かを確認するための画面である。
【0092】
確認画面SCFは、メッセージ表示領域81と、選択領域82とを含む。
【0093】
メッセージ表示領域81には、確認項目を示す画像が表示される。例えば、メッセージ表示領域81には、「生産してから初めての起動ですか?」のようなメッセージ画像が表示される。
【0094】
選択領域82は、確認項目に対して択一的に選択可能に選択するための画像が表示される。選択領域82は、第1選択領域82Aと、第2選択領域82Bとを含む。例えば、第1選択領域82Aには、「YES」が表示されている。第2選択領域82Bには、「NO」が表示されている。
【0095】
確認画面SCFでは、2つの選択領域82のうちの1つの選択領域82にハッチングで示されたカーソルCSが表示される。操作者は、操作部14の操作子16Cおよび操作子16Dを操作することによって、カーソルCSを移動させることができる。そして、操作者は、操作子16Fを操作することによって、所望の選択項目を選択することができる。
【0096】
確認画面SCFにおいて、「YES」が選択されると、図8(b)に示すように、更新画面SCGが表示される。
【0097】
更新画面SCGは、メッセージ表示領域81と、選択領域82とを含む。
【0098】
メッセージ表示領域81には、「アワメータを工場出荷時の状態にします」のようなメッセージ画像が表示される。そして、操作者による決定操作(操作子16Fの押下)がなされると、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで更新する。
【0099】
(画面表示例:モニタ、油圧ECU交換確認画面)
次に、確認画面SCFが、モニタ、油圧ECU交換確認画面である場合について説明する。モニタ、油圧ECU交換確認画面は、モニタ(表示装置10)と、油圧ECU(主制御装置900)の両方とも交換されたか否かを確認するための画面である。
【0100】
この場合、確認画面SCFにおいて、メッセージ表示領域81には、「液晶モニタと油圧ECUを両方交換しましたか?」のようなメッセージ画像が表示される。
【0101】
また、更新画面SCGにおいて、メッセージ表示領域81には、「油圧ECUのアワメータを液晶モニタに上書きします。」のようなメッセージ画像が表示される。
【0102】
(画面表示例:モニタ交換確認画面)
次に、確認画面SCFが、モニタ交換確認画面である場合について説明する。モニタ交換確認画面は、モニタ(表示装置10)のみが交換されたか否かを確認するための画面である。
【0103】
この場合、確認画面SCFにおいて、メッセージ表示領域81には、「液晶モニタのみ交換しましたか?」のようなメッセージ画像が表示される。
【0104】
また、更新画面SCGにおいて、メッセージ表示領域81には、「油圧ECUのアワメータを液晶モニタに上書きします。」のようなメッセージ画像が表示される。
【0105】
(画面表示例:油圧ECU交換確認画面)
次に、確認画面SCFが、油圧ECU交換確認画面である場合について説明する。油圧ECU交換確認画面は、油圧ECU(主制御装置900)のみが交換されたか否かを確認するための画面である。
【0106】
この場合、確認画面SCFにおいて、メッセージ表示領域81には、「油圧ECUのみ交換しましたか?」のようなメッセージ画像が表示される。
【0107】
また、更新画面SCGにおいて、メッセージ表示領域81には、「液晶モニタのアワメータを油圧ECUに上書きします。」のようなメッセージ画像が表示される。
【0108】
(画面表示例:モニタ、油圧ECU未交換確認画面)
次に、確認画面SCFが、モニタ、油圧ECU未交換確認画面である場合について説明する。モニタ、油圧ECU交換確認画面は、モニタ(表示装置10)と、油圧ECU(主制御装置900)の両方とも未交換であるか否かを確認するための画面である。
【0109】
この場合、確認画面SCFにおいて、メッセージ表示領域81には、「液晶モニタと油圧ECUを両方未交換ですか?」のようなメッセージ画像が表示される。
【0110】
また、更新画面SCGにおいて、メッセージ表示領域81には、「油圧ECUのアワメータを液晶モニタに上書きします。」のようなメッセージ画像が表示される。
【0111】
(稼働値の更新処理)
図9図12を本発明の実施形態2に係る制御部181による稼働値の更新処理について説明する。図9図12は、本発明の実施形態2に係る稼働値の更新処理を示すフローチャートである。
【0112】
ステップS202:表示装置10は表示装置側稼働値Aを受信する。この処理が終了すると、ステップS204に進む。
【0113】
ステップS204:制御部181は、表示装置側稼働値Aが閾値ThA以上であるか否かを判定する。制御部181は表示装置側稼働値Aが閾値ThA以上でないと判定した場合(ステップS204:No)、処理はステップS214に進む。一方、制御部181は表示装置側稼働値Aが閾値ThA以上であると判定した場合(ステップS204:Yes)、処理はステップS206に進む。
【0114】
ステップS206:制御部181は、制御装置側稼働値Bが閾値ThB以上であるか否かを判定する。制御部181は制御装置側稼働値Bが閾値ThB以上でないと判定した場合(ステップS206:No)、処理はステップS212に進む。一方、制御部181は制御装置側稼働値Bが閾値ThB以上であると判定した場合(ステップS206:Yes)、処理はステップS208に進む。
【0115】
ステップS208:制御部181は、|表示装置側稼働値A-制御装置側稼働値B|の値が閾値ThC未満であるか否かを判定する。すなわち、表示装置側稼働値Aと制御装置側稼働値Bとの差分Δが閾値ThC未満であるか否かを判定する。制御部181が表示装置側稼働値Aと制御装置側稼働値Bとの差分Δが閾値ThC未満でないと判定した場合(ステップS208:No)、処理は、図10に示すステップS222に進む。一方、表示装置側稼働値Aと制御装置側稼働値Bとの差分Δが閾値ThC未満であると判定した場合(ステップS208:Yes)、処理はステップS210に進む。
【0116】
ステップS210:制御部181は、制御装置側稼働値Bが正しいと判定し、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで上書き(更新)する。これにより更新処理は終了する。
【0117】
ステップS212:制御部181は、表示装置側稼働値Aが正しいと判定し、制御装置側稼働値Bを表示装置側稼働値Aで上書き(更新)する。これにより更新処理は終了する。
【0118】
ステップS214:制御部181は、制御装置側稼働値Bが閾値ThB以上であるか否かを判定する。制御部181は制御装置側稼働値Bが閾値ThB以上でないと判定した場合(ステップS214:No)、処理はステップS218に進む。一方、制御部181は制御装置側稼働値Bが閾値ThB以上であると判定した場合(ステップS214:Yes)、処理はステップS216に進む。
【0119】
ステップS216:制御部181は、制御装置側稼働値Bが正しいと判定し、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで上書き(更新)する。これにより更新処理は終了する。
【0120】
ステップS218:制御部181は、過去に交換履歴があった否かを判定する。制御部181が、過去に交換履歴がないと判定した場合(ステップS218:No)、処理は、図11に示すステップS242に進む。一方、制御部181が、過去に交換履歴があると判定した場合(ステップS218:Yes)、処理は、ステップS220に進む。
【0121】
ステップS220:制御部181は、制御装置側稼働値Bが正しいと判定し、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで上書き(更新)する。これにより更新処理は終了する。
【0122】
ステップS222:制御部181は、モニタ交換確認画面を表示部12に表示させる。この処理が終了すると、ステップS224に進む。
【0123】
ステップS224:制御部181は、モニタ交換確認画面において、モニタ交換が選択されたか否かを判定する。制御部181はモニタ交換が選択されていないと判定した場合(ステップS224:No)、処理は、ステップS228に進む。一方、制御部181はモニタ交換が選択されていると判定した場合(ステップS224:Yes)、処理は、ステップS226に進む。
【0124】
ステップS226:制御部181は、制御装置側稼働値Bが正しいと判定し、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで上書き(更新)する。これにより更新処理は終了する。
【0125】
ステップS228:制御部181は、油圧ECU交換確認画面を表示部12に表示させる。この処理が終了すると、ステップS230に進む。
【0126】
ステップS230:制御部181は、油圧ECU交換確認画面において、油圧ECU交換が選択されたか否かを判定する。制御部181は油圧ECU交換が選択されていないと判定した場合(ステップS230:No)、処理は、ステップS234に進む。一方、制御部181は油圧ECU交換が選択されていると判定した場合(ステップS230:Yes)、処理は、ステップS232に進む。
【0127】
ステップS232:制御部181は、表示装置側稼働値Aが正しいと判定し、制御装置側稼働値Bを表示装置側稼働値Aで上書き(更新)する。これにより更新処理は終了する。
【0128】
ステップS234:制御部181は、モニタ、油圧ECU未交換確認画面を表示部12に表示させる。この処理が終了すると、ステップS236に進む。
【0129】
ステップS236:制御部181は、モニタ、油圧ECU未交換確認画面において、モニタ、油圧ECU未交換が選択されたか否かを判定する。制御部181はモニタ、油圧ECU未交換が選択されていないと判定した場合(ステップS236:No)、処理は、ステップS222に進む。一方、制御部181はモニタ、油圧ECU未交換が選択されていると判定した場合(ステップS236:Yes)、処理は、ステップS238に進む。
【0130】
ステップS238:制御部181は、制御装置側稼働値Bが正しいと判定し、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで上書き(更新)する。これにより更新処理は終了する。
【0131】
ステップS222~ステップS238に示すように、制御部181は、「モニタ交換確認画面」、「油圧ECU交換確認画面」および「モニタ、油圧ECU未交換確認画面」を、表示部12に巡回表示させる。また、制御部181は、操作者により選択される可能性が高い順に、確認画面を表示部12に表示させる。なお、ステップS222~ステップS238の処理は、図6に示す第3領域R3における処理に相当する。
【0132】
ステップS242:制御部181は、工場出荷時確認画面を表示部12に表示させる。この処理が終了すると、ステップS244に進む。
【0133】
ステップS244:制御部181は、工場出荷時確認画面において、工場出荷時が選択されたか否かを判定する。制御部181は工場出荷時が選択されていないと判定した場合(ステップS244:No)、処理は、ステップS248に進む。一方、制御部181は工場出荷時が選択されていると判定した場合(ステップS244:Yes)、処理は、ステップS246に進む。
【0134】
ステップS246:制御部181は、制御装置側稼働値Bが正しいと判定し、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで上書き(更新)する。これにより更新処理は終了する。
【0135】
ステップS248:制御部181は、モニタ、油圧ECU交換確認画面を表示部12に表示させる。この処理が終了すると、ステップS250に進む。
【0136】
ステップS250:制御部181は、モニタ、油圧ECU交換確認画面において、モニタ、油圧ECU交換が選択されたか否かを判定する。制御部181がモニタ、油圧ECU交換が選択されていないと判定した場合(ステップS250:No)、処理は、図12に示すステップS254に進む。一方、制御部181がモニタ、油圧ECU交換が選択されていると判定した場合(ステップS250:Yes)、処理は、ステップS252に進む。
【0137】
ステップS252:制御部181は、制御装置側稼働値Bが正しいと判定し、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで上書き(更新)する。これにより更新処理は終了する。
【0138】
ステップS254:制御部181は、モニタ交換確認画面を表示部12に表示させる。この処理が終了すると、ステップS256に進む。
【0139】
ステップS256:制御部181は、モニタ交換確認画面において、モニタ交換が選択されたか否かを判定する。制御部181はモニタ交換が選択されていないと判定した場合(ステップS256:No)、処理は、ステップS260に進む。一方、制御部181はモニタ交換が選択されていると判定した場合(ステップS256:Yes)、処理は、ステップS258に進む。
【0140】
ステップS258:制御部181は、制御装置側稼働値Bが正しいと判定し、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで上書き(更新)する。これにより更新処理は終了する。
【0141】
ステップS260:制御部181は、油圧ECU交換確認画面を表示部12に表示させる。この処理が終了すると、ステップS262に進む。
【0142】
ステップS262:制御部181は、油圧ECU交換確認画面において、油圧ECU交換が選択されたか否かを判定する。制御部181は油圧ECU交換が選択されていないと判定した場合(ステップS262:No)、処理は、ステップS266に進む。一方、制御部181は油圧ECU交換が選択されていると判定した場合(ステップS262:Yes)、処理は、ステップS264に進む。
【0143】
ステップS264:制御部181は、表示装置側稼働値Aが正しいと判定し、制御装置側稼働値Bを表示装置側稼働値Aで上書き(更新)する。これにより更新処理は終了する。
【0144】
ステップS266:制御部181は、モニタ、油圧ECU未交換確認画面を表示部12に表示させる。この処理が終了すると、ステップS268に進む。
【0145】
ステップS268:制御部181は、モニタ、油圧ECU未交換確認画面において、モニタ、油圧ECU未交換が選択されたか否かを判定する。制御部181はモニタ、油圧ECU未交換が選択されていないと判定した場合(ステップS268:No)、処理は、ステップS242に進む。一方、制御部181はモニタ、油圧ECU未交換が選択されていると判定した場合(ステップS268:Yes)、処理は、ステップS270に進む。
【0146】
ステップS270:制御部181は、制御装置側稼働値Bが正しいと判定し、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで上書き(更新)する。これにより更新処理は終了する。
【0147】
ステップS242~ステップS270に示すように、制御部181は、「工場出荷時確認画面」、「モニタ、油圧ECU交換確認画面」、「モニタ交換確認画面」、「油圧ECU交換確認画面」および「モニタ、油圧ECU未交換確認画面」を、表示部12に巡回表示させる。また、制御部181は、操作者により選択される可能性が高い順に、確認画面を表示部12に表示させる。なお、ステップS242~ステップS270の処理は、図6に示す第4領域R4における処理に相当する。
【0148】
以上、図5図12を参照して説明したように、建設機械100において、表示装置10の制御部181は、制御装置側稼働値Bと表示装置側稼働値Aとの関係に基づいて、表示装置側稼働値Aを制御装置側稼働値Bで更新する、または、制御装置側稼働値Bを表示装置側稼働値Aで更新する。したがって、主制御装置900および表示装置10の交換状況に応じて、表示装置側稼働値Aまたは制御装置側稼働値Bを適正な値に更新することができる。したがって建設機械100を効率的に利用することができる。
【0149】
上述した本実施の形態に係る建設機械100の特徴を換言すると、以下の通りとなる。
すなわち、建設機械の稼働実績を示す稼働値(表示装置側稼働値A)とそのバックアップ値(制御装置側稼働値B)のいずれが適正であるかを判定する判定部(表示装置10の制御部181)を備え、判定部は所定の判定テーブルに基づいて判定処理を実行する。
【0150】
また、上記判定処理は、稼働値及びバックアップ値を、それぞれ設定された所定の閾値と比較する第1判定処理を含むものである。
【0151】
また、上記判定処理は、稼働値とバックアップ値の差分に基づく第2判定処理を含むものである。
【0152】
また、上記判定処理は、当該判定処理の実行回数に基づく第3判定処理を含むものである。
【0153】
また、上記判定処理は、稼働値及びバックアップ値をそれぞれ計測する機器の使用状態に基づく第4判定処理を含むものである。
【0154】
また、他の観点によれば、本実施形態の建設機械100は、建設機械の稼働実績を示す稼働値とそのバックアップ値をそれぞれ計測する計測機器(計測部930)と、計測機器の使用状態について操作者への確認を要求する確認画面を確認項目毎に表示可能に構成され、操作者の操作により複数の確認画面を所定の順序で巡回表示させる表示部12と、を備えたものである。
【0155】
また、確認画面は、択一的に選択可能な選択領域を有するものである。
【0156】
また、所定の選択処理が実行された場合には、当該選択に対応する処理の実行後、他の表示画面に遷移するものである。
【0157】
また、所定の選択処理が実行された場合には、表示中の確認画面から他の確認画面に遷移し、他の選択処理が実行された場合には、表示中の確認画面の内容について再度の確認を要求する再確認画面を表示するものである。
【0158】
また、再確認画面は、択一的に選択可能な選択領域を有するものである。
【0159】
また、所定の選択処理が実行された場合には、当該選択に対応する処理の実行画面を表示し、他の選択処理が実行された場合には、確認画面を再表示するものである。
【0160】
また、実行画面表示後、建設機械の起動画面を表示するものである。
【0161】
以上、図面(図1図12)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0162】
10 表示装置
12 表示部
13 計時部
15 検知部
100 建設機械
181 制御部
183 記憶部
SCA パスコード入力画面(解除画面)
SCB 設定選択画面(選択画面)
T1 経過時間
T2 待機時間
図1
図2
図3
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図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12