(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】単層プラスチックの複合板
(51)【国際特許分類】
A47B 96/20 20060101AFI20231205BHJP
B65D 6/24 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
A47B96/20 C
B65D6/24 D
(21)【出願番号】P 2020533335
(86)(22)【出願日】2018-08-27
(86)【国際出願番号】 CN2018102462
(87)【国際公開番号】W WO2019042241
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】201710763202.5
(32)【優先日】2017-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820466880.5
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820467034.5
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820465365.5
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820466837.9
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820480545.0
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201820472588.4
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520071054
【氏名又は名称】レン,ルハオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】レン,ルハオ
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/045579(WO,A1)
【文献】実開平07-036767(JP,U)
【文献】特表2011-514269(JP,A)
【文献】特開2013-014378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/08
A47B 96/18-96/20
B32B 1/00-43/00
B65D 6/00-13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単層プラスチックの複合板(20、30、40)であって、
正面と前記正面に相対する裏面とを具備する平面形状の主体部(111、211)と、前記主体部の周りに位置する周辺部とを備える単層プラスチック板(11、21)であって、前記周辺部が前記主体部に垂直な方向に沿って前記主体部の裏面に折り曲がって折曲部(112、212)を形成する、単層プラスチック板(11、21)と、
前記折曲部の少なくとも一部を接合しそれに固定される補強具(22、32)と、を含み、
前記補強具は、押出成型による、断面が閉鎖形状である管状具であり、断面から観察するとき、前記補強具が前記主体部に平行な第一部分(221、321)と前記第一部分に垂直な第二部分(222、322)とを含み、前記第二部分は、前記第一部分から離れた末端部に、前記第二部分に垂直な方向に沿って前記補強具の外側に延出するフランジ(2221、3221)が形成され、前記第二部分が、前記フランジが前記折曲部の末端部と接合されるように前記折曲部に密着し、
前記補強具は、さらに第三部分(323)を含み、前記第三部分は、前記第一部分(321)と前記第二部分(322)との間に位置するとともに、第一部分(321)と第二部分(322)と第三部分(323)が一緒に階段形状に形成するように前記補強具(32)の内側に凹んでいる、
単層プラスチックの複合板。
【請求項2】
前記単層プラスチック板(21)の折曲部(212)は階段状を呈し、前記折曲部(212)の前記階段状は、前記補強具の第二部分(322)と第三部分(323)からなる形状とマッチする、請求項1に記載の単層プラスチックの複合板。
【請求項3】
前記第一部分(221、321)と前記主体部(111、211)が密着している、請求項1に記載の単層プラスチックの複合板。
【請求項4】
前記補強具(22、32)はプラスチック補強具又は金属補強具である、請求項1に記載の単層プラスチックの複合板。
【請求項5】
前記補強具(22、32)は、その全体が単層プラスチック板(11、21)の周辺形状に適応する枠構造であり、或いは単層プラスチック板(11、21)の周辺形状に適応するように組立可能な複数のストリップ形状の構造である、請求項1に記載の単層プラスチックの複合板。
【請求項6】
前記補強具(22、32)と前記単層プラスチック板(11、21)との間は、のり等の粘着剤によって固定され、或いは超音波溶接によって固定される、請求項1に記載の単層プラスチックの複合板。
【請求項7】
単層プラスチックの複合板(10)であって、
正面と前記正面に相対する裏面とを具備する平面形状の主体部(111)と、前記主体部の周りに位置する周辺部とを備える単層プラスチック板(11)であって、前記周辺部が前記主体部に垂直な方向に沿って前記主体部の裏面に折り曲がって折曲部(112)を形成する、単層プラスチック板(11)と、
前記折曲部の少なくとも一部を収納しそれに固定される金属補強具(12)と、を含み、
前記金属補強具は薄板状の金属板で曲げ圧延によって作られ、断面から観察するとき、前記金属補強具が第一部分(121)と第二部分(122)を含み、前記第一部分(121)と前記第二部分(122)が互いに垂直であり、前記第一部分が二層構造であり、前記第一部分の外層の長さが前記第一部分の内層の長さよりも大きく、前記第一部分の外層の末端部は、前記第二部分に平行になるように折り曲がり且つ前記第二部分の外側に沿って前記第二部分の長さの一部まで延出することによって、前記第二部分との間に隙間(1221)が形成され、前記隙間が前記折曲部の少なくとも一部を緊密に収納することに適する、単層プラスチックの複合板。
【請求項8】
前記金属補強具は、さらに第三部分(123)を含み、前記第三部分は、前記第二部分の末端部から前記第二部分に垂直な方向に沿って前記第二部分の内側に向けて延出し、前記主体部に密着する、請求項
7に記載の単層プラスチックの複合板。
【請求項9】
前記金属補強具は、その全体が単層プラスチック板の周辺形状に適応する枠構造であり、或いは単層プラスチック板の周辺形状に適応するように組み立て可能な複数のストリップ形状の構造である、請求項
7に記載の単層プラスチックの複合板。
【請求項10】
前記金属補強具と前記単層プラスチック板との間は、のり等の粘着剤によって固定される、請求項
7に記載の単層プラスチックの複合板。
【請求項11】
前記単層プラスチック板(11、21)の主体部(111、211)の正面に、印刷で作られた模様を具備する、請求項1又は請求項
7に記載の単層プラスチックの複合板。
【請求項12】
前記単層プラスチック板(11、21)の主体部(111、211)が、凹凸形態に造形されている、請求項1又は請求項
7に記載の単層プラスチックの複合板。
【請求項13】
前記凹凸形態は、単層プラスチック板の強度を増加できる格子状の凹凸形態(113)である、請求項1
2に記載の単層プラスチックの複合板。
【請求項14】
前記単層プラスチック板(11、21)には、人間工学的に設計された掴み構造(114)が形成されている、請求項1又は請求項
7に記載の単層プラスチックの複合板。
【請求項15】
前記補強具のフランジ(2221、3221、2322)の下側に、下方に向けて延出する翼部(2222、3222、2321)が設置されている、請求項1に記載の単層プラスチックの複合板。
【請求項16】
前側板、後側板、左側板、右側板、及び底板からなる箱本体を含む、箱であって、
前記前側板、前記後側板、前記左側板及び前記右側板のうち少なくとも一つは、請求項1から請求項1
5のいずれか1項に記載の単層プラスチックの複合板で形成される、箱。
【請求項17】
前記箱は、
前側板、後側板、左側板及び右側板の底部補強具によって形成される、支持台(331)と、
箱本体の底板の周辺部分が水平に外側に延出することによって形成されるとともに、それぞれ対応する側板の支持台に架設される、位置決め辺(321)と、
位置決め辺における固定穴と支持台における対応する取付穴を通して、前記位置決め辺を前記支持台に固定可能な底板固定メンバ(340)とを含む、請求項1
6に記載の箱。
【請求項18】
隣接する側板には、それぞれ、位置制限柱(350)と位置制限穴(360)が設置され、前記位置制限柱が、隣接する側板が取り外し可能に一体に接続されるように、前記位置制限穴に係合可能である、請求項1
7に記載の箱。
【請求項19】
左側板と右側板は、前側板と後側板との間に位置し、左側板と右側板の側面に、位置制限柱が設置され、前側板と後側板の内側の対応する位置に、位置制限穴が設置され、前記位置制限穴は、上部が狭く下部が広い、請求項1
8に記載の箱。
【請求項20】
前記箱本体の底板の中間部分が、位置決め辺に対して下方に凹んでいる、請求項1
7に記載の箱。
【請求項21】
前記箱本体の底板の中間部分に、規則的に配列された複数の凹部が形成されている、請求項2
0に記載の箱。
【請求項22】
前記底板固定メンバは、プラスチックによって作られる、請求項1
7に記載の箱。
【請求項23】
さらに、箱本体の頂部から開閉可能な箱盖を含み、前記箱盖の後部と箱本体の後側板が枢動可能に接続される、請求項1
6に記載の箱。
【請求項24】
前記箱盖は、取り外し可能なヒンジアセンブリによって後側板に枢動可能に接続され、前記ヒンジアセンブリは、
箱盖の後部補強具の底部に固定される第一ヒンジメンバ(411)と、
箱本体の後側板の頂部補強具の後側の凹部(426)に固定される第二ヒンジメンバ(421)と、
第一ヒンジメンバと第二ヒンジメンバを枢動可能に接続する枢軸メンバ(430)と、を含む、請求項2
3に記載の箱。
【請求項25】
前記第一ヒンジメンバと第二ヒンジメンバは、形状が同一であり、いずれも固定部(413、423)と、固定部からそれに垂直に延出する一つ又は複数の枢動部(412、422)とを備え、固定部が、箱盖又は箱本体に接合し固定されることに用いられ、枢動部において、固定部と平行に延出する枢動可能に枢軸を受容するための貫通穴(414、424)が設置されている、請求項2
4に記載の箱。
【請求項26】
枢動部が複数である場合、枢動部が固定部に沿って間隔をあけて分布し、枢動部を収納できるように間隔が設置され、各枢動部における貫通穴が、互いに同軸である、請求項2
5に記載の箱。
【請求項27】
前記枢軸の近端にフランジ(432)が設置され、フランジの寸法が枢動部の貫通穴よりも大きく、前記枢軸の遠端は、近い側から遠い側に向けて延出する径方向内側に撓曲可能な複数の弾性アーム(434)が枢軸の遠端に形成されるように、遠い側から近い側に向けて延出する一つ又は複数の切欠溝(438)を備え、各弾性アームの径方向外側面に凸起部(436)が設置され、前記弾性アームが湾曲状態にあるときに、前記凸起部が枢動部の貫通穴を通すことができ、前記弾性アームが伸長状態にあるときに、前記凸起部が枢動部の貫通穴を通すことができない、請求項2
5に記載の箱。
【請求項28】
各切欠溝は、枢軸の遠い側から近い側に向けてだんだん縮めて最終的に滑らかに遷移してなる、請求項2
7に記載の箱。
【請求項29】
前記凸起部は、遠側ガイド斜面(4362)と近側ガイド斜面(4364)とを備える、請求項2
7に記載の箱。
【請求項30】
前記ヒンジアセンブリは、プラスチックによって作られる、請求項2
4に記載の箱。
【請求項31】
前記箱盖と前記箱本体には鎖錠アセンブリを設置され、前記鎖錠アセンブリは、
箱盖の前部に固定される第一鎖錠メンバ(530)と、
箱本体の前側板に固定される第二鎖錠メンバ(550)と、
第一鎖錠メンバに枢動可能に取り付けられる第三鎖錠メンバ(540)と、を含む、請求項2
3に記載の箱。
【請求項32】
前記第一鎖錠メンバ(530)は、その頂部のスナップ係合装置(531)によって箱盖の前部補強具の底部に挿接されて断面逆U形状をなし、箱盖を閉じたときに、箱本体の前側板の頂部補強具の少なくとも一部が、前記逆U形状の凹部の中に受容される、請求項3
1に記載の箱。
【請求項33】
前記第一鎖錠メンバの前部に水平な接続棒(532)が設置され、第三鎖錠メンバの頂部に鉤状部(541)が設置され、前記鉤状部が、前記水平な接続棒に掛けてそれを回って所定の範囲で回転することができる、請求項3
2に記載の箱。
【請求項34】
前記第二鎖錠メンバは、その後側のスナップ係合装置(551)によって箱本体の前側板の頂部補強具の前側に挿接され、第二鎖錠メンバの頂部が後方に曲げて水平な折曲部(552)を形成し、前記水平な折曲部が箱本体の前側板の頂部における階段部(5127)に位置し、前記箱盖を閉じたときに、第二鎖錠メンバと第三鎖錠メンバが、一体にラッチロック又はロックされる、請求項3
3に記載の箱。
【請求項35】
前記鎖錠アセンブリは、プラスチックによって作られる、請求項3
1に記載の箱。
【請求項36】
前記箱には、箱本体に対する箱盖の開き角度を制限するための折り畳み位置制限メンバ(640)が設置され、前記折り畳み位置制限メンバは、細長い棒状メンバであり、第一端部(643)と、対向する第二端部(643)と、第一端部と第二端部との間に延在する折り曲げ可能な弾性本体部(642)とを具備し、前記第一端部は、箱盖の側部補強具の内側で箱本体に対する箱盖の枢動部から所定の距離で離れた位置に枢動可能に固定され、前記第二端部は、箱本体の対応する側板の頂部補強具の内側で箱本体に対する箱盖の枢動部から所定の距離で離れた位置に枢動可能に固定される、請求項2
3に記載の箱。
【請求項37】
前記折り畳み位置制限メンバの長さは、前記箱本体に対する前記箱盖の最大開き角度が90°よりも大きく且つ180°よりも小さくなるように設置される、請求項3
6に記載の箱。
【請求項38】
前記弾性本体部(642)の形状は、折曲に適する扁平なベルト状であり、前記第一端部と第二端部が前記弾性本体部(642)に垂直な扁平端部である、請求項3
7に記載の箱。
【請求項39】
前記第一端部と前記第二端部がそれぞれ、側方向突起部(641)を具備し、前記箱盖と、前記箱本体の左側板及び/又は右側板の補強具における対応する位置に、それぞれ、突起部を受容するための受容穴(6122、6222)が設置されている、請求項3
8に記載の箱。
【請求項40】
前記折り畳み位置制限メンバは、一体成型されたプラスチックメンバである、請求項3
6に記載の箱。
【請求項41】
前記箱は、箱本体に対する箱盖の開き角度を任意に決められる自己位置決めアセンブリが設置され、前記自己位置決めアセンブリは、
箱本体の左側板及び/又は右側板の頂部補強具に固定される固定座(720)であって、垂直方向に延出して該固定座(720)の頂面と底面を貫通するスライド溝(721)と、横方向に延在し且つ前記スライド溝と連通して固定座(720)の箱本体内側を向く側面を貫通する保持穴(722)とが設置される、固定座(720)と、
第一端が箱盖の対応する側部補強具にヒンジ接続され、第二端がスライド溝を通して延出する支持棒であって、スライド溝内にスライドとスイング可能な支持棒(710)と、
保持穴内に設置され支持棒に圧力を付勢することに用いられる締結アセンブリであって、前記圧力の大きさを調整可能な締結アセンブリと、を含む、請求項2
3に記載の箱。
【請求項42】
前記保持穴の内面に雌ねじが設置され、前記締結アセンブリは、
保持穴内に設置されるとともに、保持穴に沿って移動可能な圧着ブロック(730)と、
雄ねじが保持穴の雌ねじと螺合可能なボルト(770)と、
保持穴内に設置され、圧着ブロックとボルトとの間に位置し、圧着ブロックに弾力を付勢するための弾性部材(760)と、を含む、請求項4
1に記載の箱。
【請求項43】
前記弾性部材が圧縮スプリングであり、前記圧着ブロックに凸台が設置され、圧縮スプリングは、一端が凸台に嵌設されるとともに、他端がボルトの端部に当接される、請求項4
2に記載の箱。
【請求項44】
支持棒の前記第二端には、支持棒がスライド溝から脱離することを防止するためのストッパー(711)が設置される、請求項4
3に記載の箱。
【請求項45】
前記自己位置決めアセンブリは、さらに、ヒンジ連結座(780)を含み、ヒンジ連結座が箱盖の前記側部補強具に接続され、支持棒の第一端がヒンジ連結座とヒンジ接続される、請求項4
4に記載の箱。
【請求項46】
前記ヒンジ連結座には、位置決めピン(781)が設置され、箱盖の前記側部補強具には、縦方向に分布し位置決めピンを受容するための複数の位置決め穴(7521)が設置される、請求項4
5に記載の箱。
【請求項47】
箱本体の左側板及び/又は右側板の頂部補強具に、係合溝が設置され、固定座が前記係合溝に取り付けられる、請求項4
6に記載の箱。
【請求項48】
箱盖を閉じたときに、前記自己位置決めアセンブリが、箱本体と箱盖で形成された収納空間内に位置する、請求項4
7に記載の箱。
【請求項49】
前記支持棒と固定座とヒンジ連結座がプラスチックによって作られる、請求項4
1に記載の箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具類日常用品の製造に使用されるプラスチック板に関し、特に、単層プラスチックの複合板に関する。
【背景技術】
【0002】
板材は、建築業や家具製造業においてよく使われる材料であり、例えば、机やコーヒーテーブルのパネル、椅子の座板や背もたれ、本戸棚又は食器戸棚のパネルや横及び縦仕切り板、引き出し板などの製造に用いられる。従来、使用される板材は、例えば無垢材の板、繊維板及びハードボード(chipboard)等の木材による木質板材が多く、これらの木質材料は大量の木材を消耗する。現在、森林資源の減少及び人々の環境保護への関心が高まるにつれて、木板の代わりにプラスチック板を使用することがますます多くなってきた。プラスチック板は、洗浄し易く、コストが低く且つ外観が良い点などを具備する。
【0003】
現有のプラスチック板は主に二種類がある。一つは、単層プラスチック板であり、強度を保持するために、このようなプラスチック板は通常厚さが厚く、質量が大きい。もう一つは、多層構造の複合プラスチック板であり、プラスチックパネルとプラスチック底板との間に補強具を埋入することによって強度を向上させ、このような複合プラスチック板の加工工程が相対的に複雑であり、生産コストも相対的に高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上の従来技術に存在する問題に対して、単層プラスチックの複合板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの実施形態によれば、単層プラスチックの複合板は、単層プラスチック板と補強具を含む二部材式の単層プラスチックの複合板であって、単層プラスチック板は、平面形状の主体部と主体部の周りに位置する周辺部とを備え、主体部が正面と正面に相対する裏面を具備し、周辺部が主体部に垂直する方向に沿って主体部の裏面に折り曲がって折曲部を形成し、補強具が、折曲部の少なくとも一部を接合しそれに固定される。そして、補強具は、押出成型による断面が閉鎖形状である管状具であり、断面から観察するとき、補強具が主体部に平行する第一部分と第一部分に垂直する第二部分とを含み、第二部分は、第一部分から離れた末端部に、第二部分に垂直する方向に沿って補強具の外側に延出するフランジが形成され、第二部分が、フランジが折曲部の末端部と接合されるように折曲部に密着する。
【0006】
本発明の一つの実施形態によれば、第一部分と第二部分が互いに隣接する。
【0007】
本発明の一つの実施形態によれば、補強具は、さらに第三部分を含み、第三部分が第一部分と第二部分との間に位置するとともに、第一部分と第二部分と第三部分が一緒に階段形状に形成するように補強具の内側に凹んでいる。
【0008】
本発明の一つの実施形態によれば、単層プラスチック板の折曲部が階段状を呈し、該形状が、補強具の第二部分と第三部分からなる形状とマッチする。
【0009】
本発明の一つの実施形態によれば、第一部分と主体部が密着している。
【0010】
本発明の一つの実施形態によれば、補強具がプラスチック補強具又は金属補強具である。
【0011】
本発明の一つの実施形態によれば、補強具は、その全体が単層プラスチック板の周辺形状に適応する枠構造であり、或いは単層プラスチック板の周辺形状に適応するように組立可能な複数のストリップ形状構造である。
【0012】
本発明の一つの実施形態によれば、補強具と単層プラスチック板との間は、のり等の粘着剤によって固定され、或いは超音波溶接によって固定される。
【0013】
本発明の一つの実施形態によれば、単層プラスチックの複合板は、単層プラスチック板と金属補強具を含む二部材式の単層プラスチックの複合板であって、単層プラスチック板は、平面形状の主体部と主体部の周りに位置する周辺部とを備え、主体部が正面と正面に相対する裏面を具備し、周辺部が主体部に垂直する方向に沿って主体部の裏面に折り曲がって折曲部を形成し、金属補強具が、折曲部の少なくとも一部を収納しそれに固定される。金属補強具が薄板状の金属板で曲げ圧延によって製造され、断面から観察するとき、金属補強具が互いに垂直する第一部分と第二部分を含み、第一部分が二層構造であり、第一部分の外層の長さが第一部分の内層の長さよりも大きく、第一部分の外層の末端部が、第二部分に平行するように折り曲がり、第二部分の外側に沿って第二部分の長さの一部で延出することによって、第二部分との間に隙間が形成され、隙間が折曲部の少なくとも一部を緊密に収納することに適する。
【0014】
本発明の一つの実施形態によれば、金属補強具は、さらに第三部分を含み、第三部分は、第二部分の末端部から第二部分に垂直する方向に沿って第二部分の内側に向けて延出し、主体部に密着する。
【0015】
本発明の一つの実施形態によれば、金属補強具は、その全体が単層プラスチック板の周辺形状に適応する枠構造であり、或いは単層プラスチック板の周辺形状に適応するように組み立て可能な複数のストリップ形状構造である。
【0016】
本発明の一つの実施形態によれば、金属補強具と単層プラスチック板との間は、のり等の粘着剤によって固定される。
【0017】
本発明の一つの実施形態によれば、単層プラスチック板の主体部の正面に、印刷で作られた模様を具備する。
【0018】
本発明の一つの実施形態によれば、単層プラスチック板の主体部が、凹凸形態に造形されている。
【0019】
本発明の一つの実施形態によれば、凹凸形態は、単層プラスチック板の強度を増加できる格子状の凹凸形態である。
【0020】
本発明の一つの実施形態によれば、単層プラスチック板には、人間工学に符合する掴み構造が形成されている。
【0021】
本発明の一つの実施形態によれば、前記補強具のフランジの下側に、下方に向けて延出する翼部が設置されている。
【0022】
本発明は、さらに箱を提供し、該箱は、前側板と後側板と左側板と右側板と底板からなる箱本体を含み、前記各側板のうち少なくとも一つは、上記実施形態に記載の単層プラスチックの複合板で形成される。
【0023】
本発明の一つの実施形態によれば、前記箱は、
前側板と後側板と左側板と右側板とのそれぞれの底部補強具によって形成される、支持台と、
底板の周辺部分が水平に外側に延出することによって形成されるとともに、それぞれ、対応する側板の支持台に架設する、位置決め辺と、
位置決め辺における固定穴と支持台における対応する取付穴を通して、前記位置決め辺を前記支持台に固定できる、底板固定メンバとを含む。
【0024】
本発明の一つの実施形態によれば、隣接する側板には、それぞれ、位置制限柱と位置制限穴が設置され、前記位置制限柱が、隣接する側板が取り外し可能に一体に接続されるように、前記位置制限穴に係合できる。
【0025】
本発明の一つの実施形態によれば、左側板と右側板は、前側板と後側板との間に位置し、左側板と右側板の側面に、位置制限柱が設置され、前側板と後側板の内側の対応する位置に、位置制限穴が設置され、前記位置制限穴は、上部が狭く下部が広い。
【0026】
本発明の一つの実施形態によれば、底板の中間部分が、位置決め辺に対して下方に凹んでいる。
【0027】
本発明の一つの実施形態によれば、底板の中間部分に、規則的に配列された複数の凹部が形成されている。
【0028】
本発明の一つの実施形態によれば、底板固定メンバは、プラスチックによって作られる。
【0029】
本発明の一つの実施形態によれば、箱は、さらに、箱本体の頂部から開けられる箱盖を含み、前記箱盖の後部と箱本体の後側板が枢動可能に接続され、前記箱蓋は、上記実施形態に記載の単層プラスチックの複合板によって形成される。
【0030】
本発明の一つの実施形態によれば、箱盖は、取り外し可能なヒンジアセンブリによって後側板に枢動可能に接続され、前記ヒンジアセンブリは、
箱盖の後部補強具の底部に固定される第一ヒンジメンバと、
箱本体の後側板の頂部補強具の後側の凹部に固定される第二ヒンジメンバと、
第一ヒンジメンバと第二ヒンジメンバを枢動可能に接続する枢軸メンバと、を含む。
【0031】
本発明の一つの実施形態によれば、第一ヒンジメンバと第二ヒンジメンバは、形状が同一であり、いずれも固定部と、固定部からそれに垂直に延出する一つ又は複数の枢動部とを備え、固定部が、箱盖又は箱本体に接合し固定されることに用いられ、枢動部において、固定部と平行に延出する枢動可能に枢軸を受容するための貫通穴が設置されている。
【0032】
本発明の一つの実施形態によれば、枢動部は、複数であるとき、枢動部が固定部に沿って間隔をあけて分布し、枢動部を収納できるように間隔が設置され、各枢動部における貫通穴が、互いに同軸である。
【0033】
本発明の一つの実施形態によれば、枢軸の近端にフランジが設置され、フランジの寸法が枢動部の貫通穴よりも大きく、枢軸の遠端が、近い側から遠い側に向けて延出する径方向内側に曲がることが可能な複数の弾性アームが枢軸の遠端に形成されるように、遠い側から近い側に向けて延出する一つ又は複数の切欠溝が備え、各弾性アームの径方向外側面に凸起部が設置され、弾性アームが湾曲状態にあるときに、凸起部が枢動部の貫通穴を通すことができ、弾性アームが伸長状態にあるときに、凸起部が枢動部の貫通穴を通すことができない。
【0034】
本発明の一つの実施形態によれば、各切欠溝は、枢軸の遠い側から近い側に向けてだんだん縮めて最終的に滑らかに遷移してなる。
【0035】
本発明の一つの実施形態によれば、凸起部は、遠側ガイド斜面と近側ガイド斜面とを備える。
【0036】
本発明の一つの実施形態によれば、ヒンジアセンブリは、プラスチックによって作られる。
【0037】
本発明の一つの実施形態によれば、箱盖と前記箱本体には鎖錠アセンブリを設置され、前記鎖錠アセンブリは、
箱盖の前部に固定される第一鎖錠メンバと、
箱本体の前側板に固定される第二鎖錠メンバと、
第一鎖錠メンバに枢動可能に取り付けられる第三鎖錠メンバと、を含む。
【0038】
本発明の一つの実施形態によれば、第一鎖錠メンバは、その頂部のスナップ係合装置によって箱盖の前部補強具の底部に挿接されて全体が逆U形状に形成され、箱盖を閉じたときに、箱本体の前側板の頂部補強具の少なくとも一部が、前記逆U形の凹部の中に受容される。
【0039】
本発明の一つの実施形態によれば、第一鎖錠メンバの前部に水平な接続棒が設置され、第三鎖錠メンバの頂部に鉤状部が設置され、前記鉤状部が、前記水平な接続棒に掛けてそれを回って所定の範囲で回転できる。
【0040】
本発明の一つの実施形態によれば、第二鎖錠メンバは、その後側のスナップ係合装置によって箱本体の前側板の頂部補強具の前側に挿接され、第二鎖錠メンバの頂部が後方に湾曲して水平な折曲部を形成し、前記水平な折曲部が箱本体の前側板の頂部における階段部に位置し、前記箱盖が閉めたときに、第二鎖錠メンバと第三鎖錠メンバが、一体にラッチロック又はロックされる。
【0041】
本発明の一つの実施形態によれば、鎖錠アセンブリは、プラスチックによって作られる。
【0042】
本発明の一つの実施形態によれば、箱には、箱本体に対する箱盖の開き角度を制限するための折り畳み位置制限メンバが設置され、その中、折り畳み位置制限メンバは、細長い棒状メンバであり、第一端部と、対向する第二端部と、第一端部と第二端部との間に延在する折り曲げ可能な弾性本体部とを具備し、前記第一端部が、箱盖の側部補強具の内側で箱本体に対する箱盖の枢動部から所定の距離で離れた位置に枢動可能に固定され、前記第二端部が箱本体の対応する側板の頂部補強具の内側で箱本体に対する箱盖の枢動部から所定の距離で離れた位置に枢動可能に固定される。
【0043】
本発明の一つの実施形態によれば、折り畳み位置制限メンバの長さは、前記箱本体に対する前記箱盖の最大開き角度が90°よりも大きく且つ180°よりも小さくなるように設置される。
【0044】
本発明の一つの実施形態によれば、本体部の形状は、折曲に適する扁平なベルト状であり、前記第一端部と第二端部が本体部に垂直する扁平端部である。
【0045】
本発明の一つの実施形態によれば、第一端部と第二端部がそれぞれ、側方向突起部を具備し、前記箱盖と、前記箱本体の左側板及び/又は右側板の補強具における対応する位置に、それぞれ、突起部を受容するための受容穴が設置されている。
【0046】
本発明の一つの実施形態によれば、折り畳み位置制限メンバは、一体成型されるプラスチックメンバである。
【0047】
本発明の一つの実施形態によれば、前記箱は、箱本体に対する箱盖の開き角度を任意に決められる自己位置決めアセンブリが設置され、前記自己位置決めアセンブリは、
箱本体の左側板及び/又は右側板の頂部補強具に固定される固定座であって、垂直方向に延出して固定座の頂面と底面を貫通するスライド溝と、横方向に延出し且つ前記スライド溝と連通して固定座の箱本体内側を向く側面を貫通する保持穴とが設置される、固定座と、
第一端が箱盖の対応する側部補強具にヒンジ接続され、第二端がスライド溝を通して延出する支持棒であって、スライド溝内にスライドとスイングできる、支持棒と、
保持穴内に設置され支持棒に圧力を付勢することに用いられる締結アセンブリであって、前記圧力の大きさを調整可能な締結アセンブリとを含む。
【0048】
本発明の一つの実施形態によれば、保持穴の内面に雌ねじが設置され、前記締結アセンブリは、
保持穴内に設置されるとともに、保持穴に沿って移動可能な圧着ブロックと、
雄ねじが保持穴の雌ねじと螺合可能なボルトと、
保持穴内に設置され圧着ブロックとボルトとの間に位置し、圧着ブロックに弾力を付勢するための弾性部材、とを含む。
【0049】
本発明の一つの実施形態によれば、弾性部材が圧縮スプリングであり、圧着ブロックに凸台が設置され、圧縮スプリングは、一端が凸台に嵌設されるとともに、他端がボルトの端部に当接される。
【0050】
本発明の一つの実施形態によれば、支持棒の第二端には、支持棒がスライド溝から脱離することを防止するためのストッパーが設置される。
【0051】
本発明の一つの実施形態によれば、自己位置決めアセンブリは、さらに、ヒンジ連結座を含み、ヒンジ連結座が箱盖の前記側部補強具に接続され、支持棒の第一端がヒンジ連結座とヒンジ接続される。
【0052】
本発明の一つの実施形態によれば、ヒンジ連結座には、位置決めピンが設置され、箱盖の前記側部補強具には、縦方向に分布し位置決めピンを受容するための複数の位置決め穴が設置される。
【0053】
本発明の一つの実施形態によれば、箱本体の左側板及び/又は右側板の頂部補強具に、係合溝が設置され、固定座が前記係合溝に取り付けられる。
【0054】
本発明の一つの実施形態によれば、箱盖が閉めたときに、前記自己位置決めアセンブリが、箱本体と箱盖で形成された収納空間内に位置する。
【0055】
本発明の一つの実施形態によれば、支持棒と固定座とヒンジ連結座がプラスチックによって作られる。
【0056】
本発明による単層プラスチックの複合板は、現有のプラスチック板に対して、構造が簡単で、厚さが薄く、重量が軽く、強度が高く、コストが低く、及び製造し易いこと等の利点を具備するとともに、戸棚の棚板、箱の箱板、机の天板、引出しの囲み板、椅子の座板と背もたれ等に広く使用される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
本発明の上記及び他の目的、特徴、利点と機能が理解しやすいために、図面に示された好適な実施形態を参考してもよい。図面で同一の符号は同一の部材を指す。図面が本発明の好適な実施形態を例示的に説明するためのもので、本発明の範囲に全然制限しなく、図面における各部材が比率に従って描いていないことは、当業者には明らかであろう。
【0058】
【
図1】本発明の一つの好適な実施形態による単層プラスチック板の例示的な断面図である。
【
図2】本発明の一つの好適な実施形態による単層プラスチック板の正面図である。
【
図3】本発明の一つの好適な実施形態による金属補強具の断面図である。
【
図4】本発明の一つの好適な実施形態による単層プラスチックの複合板の部分断面図であり、
図3に示す金属補強具と
図1に示す単層プラスチック板が一体に組み立てられている。
【
図5】本発明の一つの好適な実施形態による補強具の断面図であり、補強具の断面が方形の管状である。
【
図6】本発明の一つの好適な実施形態による単層プラスチックの複合板の部分断面図であり、
図5に示す補強具が
図1に示す単層プラスチック板の折曲部に接合され固定されている。
【
図7】本発明の一つの好適な実施形態による補強具の断面図であり、補強具の断面が階段形状である。
【
図8】本発明の一つの好適な実施形態による単層プラスチックの複合板の部分断面図であり、
図7に示す補強具が
図1に示す単層プラスチック板の折曲部に接合され固定されている。
【
図9】本発明の一つの好適な実施形態による単層プラスチックの複合板の部分断面図であり、単層プラスチック板の折曲部が階段形状であり、
図7に示す補強具が単層プラスチック板の折曲部に接合され固定されている。
【
図10A】
図10Aは本発明の好適な実施形態による単層プラスチック板の補強具の断面図であり、遮水用の翼部を示している。
【
図10B】
図10Bは本発明の好適な実施形態による単層プラスチック板の補強具の断面図であり、遮水用の翼部を示している。
【
図11】本発明の一つの好適な実施形態による箱の斜視図であり、本発明の単層プラスチック板を含む。
【
図12】本発明の一つの好適な実施形態による箱の斜視図であり、本発明による単層プラスチック板を含む。
【
図16】本発明の一つの好適な実施形態による箱の分解図であり、側板及び底板を接続するための接続アセンブリを示した。
【
図18】
図16に示す箱の隣接する側板の間の接続模式図である。
【
図20】
図16示す箱の底板と側板との間の接続模式図である。
【
図21】本発明の一つの好適な実施形態による箱の立体図であり、箱盖と箱本体を枢動的に接続するためのヒンジアセンブリを含む。
【
図22】ヒンジアセンブリが箱盖と箱本体と離れたときの立体図である。
【
図26】本発明の一つの好適な実施形態による箱の斜視図であり、箱本体前側板の曲げ強度を高める鎖錠アセンブリを含む。
【
図29】
図26に示す箱の鎖錠アセンブリの分解模式図である。
【
図30】
図26に示す箱の箱盖と箱本体が閉めた状態の断面図である。
【
図31】本発明の一つの好適な実施形態による箱の斜視図であり、箱盖の開き角度を制限できる折り畳み位置制限メンバを含む。
【
図35】本発明の一つの好適な実施形態による箱の斜視図であり、箱本体に対する箱盖の開き角度を任意に決められる自己位置決めアセンブリを含む。
【
図37】
図35に示す自己位置決めアセンブリの分解状態の断面図である。
【
図38】
図35に示す自己位置決めアセンブリが組み立てた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
これから、図面を参照しながら本発明の単層プラスチックの複合板について詳しく説明する。当業者は、前記好適な実施形態を基づいて本発明を実現できる他の実施形態を想到でき、前記他の実施形態も同様に本発明の範囲に含まれる。
【0060】
図1は、本発明の一つの好適な実施形態による単層プラスチック板の例示的な断面図である。
図1に示されたように、単層プラスチック板11は、主体部111と主体部111の周りに位置する周辺部とを備え、主体部が全体的に平面形状であり、正面と正面に相対する裏面を具備し、周辺部が主体部111に垂直する方向に沿って主体部の裏面に折り曲がって折曲部112を形成する。主体部111には、美観のための印刷で作られた模様を具備してもよい。そして、主体部111が、直接な押出成型又は押出後のブリスター成型によって凹凸形態に形成されてもよい。このように、美観の他に、単層プラスチック板の強度を向上する機能を果たす。具体的に
図2を参照すると、
図2は、
図1における単層プラスチック板の正面図であり、単層プラスチック板11の主体部111に凹凸形態113を具備し、該凹凸形態113がさらに格子状に成形されて、単層プラスチック板11の強度をさらに向上することができる。また、前記模様又は凹凸形態は、応用状況と美観の需要に応じて、所定の天然材料の形状、例えば
図2に例示される籐編みの形状を具備してもよい。そして、
図2に示されたように、凹凸形態113が、さらに、人間工学に符合する手で寄りかかれ易い掴み状構造114を形成した。
【0061】
図3は、本発明の一つの好適な実施形態による金属補強具12の断面図である。金属補強具12は、単層金属板を曲げ圧延によって得られるストリップ状部材又は框状部材である。
図3は、例示的な金属補強具12の断面形状を具体的に示し、図に示されたように、断面から観察するとき、金属補強具12が相互垂直する第一部分121と第二部分122とを含み、第一部分121が二層構造であり、第一部分121の外層の長さが、第一部分121の内層の長さよりも大きく、第一部分121の外層の末端部が、第二部分122に平行するように折り曲がり、第二部分122の外側に沿って第二部分122の長さの一部で延出することによって、第一部分121の外層の末端部と第二部分との間に隙間1221が形成される。そして、一部が重なる二層の金属板の間が密着せず、隙間1221を具備する。隙間1221の形状及び寸法は、
図1に示す単層プラスチック板11の折曲部112の形状及び厚さに略合い、金属補強具12が単層プラスチック板11の折曲部112に嵌めたとき、隙間1221がその中に折曲部112の少なくとも一部を緊密に収納することができる。
【0062】
図4は、本発明の一つの好適な実施形態による単層プラスチックの複合板10の部分断面図である。図に示されたように、単層プラスチックの複合板10は、
図1に示す単層プラスチック板11と
図3に示す金属補強具12を含む二部材式の単層プラスチックの複合板であって、単層プラスチック板11の折曲部112の一部が、金属補強具12の第二部分122の隙間1221中に緊密に配置される。単層プラスチック板11と金属補強具12との間は、のり等によって固定されてもよく、摩擦力を介する他の形態によって固定されてもよい。
【0063】
本発明のもう一つ好適な実施形態において、金属補強具12は、さらに第三部分123を含む。第三部分123は、第二部分122に隣接し、第二部分の末端部から第二部分に垂直する方向に沿って第二部分の内側に向けて延出する。金属補強具12が単層プラスチック板11の折曲部112に嵌めたとき、第三部分123が単層プラスチック板11の主体部111に密着する。このような構造では、さらに、両方の間の固定をより強固するように単層プラスチック板11と金属補強具12との粘着面積を拡大してもよいし、第三部分123によって単層プラスチック板11の主体部111の縁を支持してもよく、単層プラスチックの複合板の縁の強度をさらに向上することができる。
【0064】
説明すべきことは、金属補強具12は、その全体が単層プラスチック板11の周辺形状に適応する枠構造であってもよく、単層プラスチック板11の周辺形状に適応するように組み立て可能な複数のストリップ形状の構造であってもよい。また、第三部分123は必ず必要ではなく、即ち、金属補強具12が第一部分121と第二部分122だけで構成されてもよい。
【0065】
本発明の単層プラスチックの複合板における補強具は、他の形態であってもよく、例えば、押出成型による断面が閉鎖形状である金属の管状具又はプラスチックの管状具であり、このような補強具が、製造し易く、生産コストが低い利点があるとともに、その断面形状が閉鎖であるので、強度がより高く、追加の強度を提供するように単層プラスチック板をしっかりと支持して、単層プラスチック板が小さい厚さを採用してもよく、このため、材料使用量をさらに減らして降低コストを下げる。
図5は、本発明の一つの好適な実施形態による補強具22の断面図を例示的に示し、補強具22の断面形状が閉鎖の方形の管状である。図から見られるように、補強具22は、第一部分221と、それに隣接し且垂直する第二部分222を備え、第二部分222は、第一部分221から離れた末端部に、第二部分222に垂直する方向に沿って補強具22の外側に延出するフランジ2221が形成されている。
【0066】
図6は、本発明の一つの好適な実施形態による単層プラスチックの複合板20の部分断面図であり、
図5に示す補強具22が単層プラスチック板11に接合され固定されている。図に示されたように、第一部分221が単層プラスチック板11の主体部111に密着され、第二部分222が単層プラスチック板11の折曲部112に密着されているとともに、第二部分222上のフランジ2221の厚さが、単層プラスチック板11の厚さに相当し、フランジ2221が折曲部112の縁に接合され、単層プラスチック板11に対して更なる支持と固定を行う。
【0067】
図7は、本発明の一つの好適な実施形態による補強具32の断面図を例示的示し、補強具32は、断面形状が閉鎖である内凹の管状具であり、例示的に、前記内凹形状が階段形状であってもいい。図に示されたように、補強具32は、第一部分321とそれに垂直する方向に沿って延出する第二部分322を備え、同様に、第二部分322は、第一部分321から離れた末端部に、第二部分322に垂直する方向に沿って補強具32の外側に延出するフランジ3221が形成されている。補強具32と異なるのは、補強具32は、さらに第三部分323を備え、第三部分323が第一部分321と第二部分322との間に位置するとともに、第一部分321と第二部分322と一緒に階段形状に形成するように管内に凹んでいる。
【0068】
図8は、本発明の一つの好適な実施形態による単層プラスチックの複合板30の部分断面図であり、
図7に示す補強具32が単層プラスチック板11に接合され固定されている。図に示されたように、第一部分321が単層プラスチック板11の主体部111に密着され、第二部分322が単層プラスチック板11の折曲部112に密着されているとともに、第二部分322上のフランジ3221の厚さが、折曲部112の厚さに相当し、フランジ3221が折曲部112の縁に接合され、単層プラスチック板11に対して更なる支持と固定を行って、第三部分が内凹であるので、第三部分323と単層プラスチック板11との間に空腔が形成される。
【0069】
図9は、本発明の一つの好適な実施形態による単層プラスチックの複合板40の部分断面図であり、
図7に示す補強具32が単層プラスチック板11に接合され固定されている。単層プラスチックの複合板11と異なるのは、単層プラスチック板21の折曲部212が階段状を呈し、該形状が、補強具32の第二部分322と第三部分323からなる形状とマッチする。具体的に、第一部分321が単層プラスチック板21の主体部211に密着され、第二部分322と第三部分323が単層プラスチック板21の折曲部212に密着されている。類似的に、第二部分322上のフランジ3221の厚さが、単層プラスチック板21の厚さに相当し、フランジ3221が折曲部212の縁に接合され、単層プラスチック板11に対して更なる支持と固定を行う。
【0070】
図10Aと
図10Bは、本発明の好適な実施形態による単層プラスチックの複合板の補強具の断面図を模式的に示し、補強具のフランジ2221、3221の下側に、下方に向けて延出する翼部2222、3222が設置されている。
【0071】
説明する必要があるのは、上記のような各種実施形態における第一部分は、単層プラスチック板の主体部に密着しなくてもよく、本発明の他の好適な実施形態において、第一部分と主体部の縁との間に、所定の隙間を具備してもいい。これ以外、上記のような各種実施形態の補強具は、その全体が単層プラスチック板の周辺形状に適応する枠構造であり、或いは単層プラスチック板の周辺形状に適応するように組み立て可能な複数のストリップ形状の構造であってもいい。上記のような各種実施形態の補強具と単層プラスチック板との間は、のり等の粘着剤によって固定されてもよく、補強具の材料がプラスチックであるとき、超音波溶接によって固定されてもよい。
【0072】
本発明の単層プラスチックの複合板は、構造が簡単で、厚さが薄く、重量が軽く、強度が高く、コストが低く、加工し易く、及び組み立てが便利であること等の利点を具備するので、用途が非常に広く、例えば、戸棚、箱、机椅等の家具の組み立てに用いられる。本発明の
図11は、本発明の単層プラスチックの複合板で組み立てて完成した箱100を例示的に示し、プラスチック板には、籐編みを模倣する形状構造を具備し、美観の機能を果たすだけではなく、プラスチック板の強度を向上する同時に、運送し易いために、単層プラスチックの複合板における模様又はパターンが、掴み構造を構成した。
【0073】
図12乃至
図15は、本発明の単層プラスチックの複合板で組み立てて完成された箱200を模式的に示し、この箱200が、箱盖210、底板220及び複数の側板230を含み、これらの側板230が、頭部と尾部が順に繋ぎ合わせて接続され、隣接する二つの側板230の間に繋ぎ目240が形成される。前記側板230が一体に接続されるパネル231及び補強具232を含み、前記補強具232が前記パネル231周りの縁に沿って設置され、頭部と尾部が隣接する二つの側板230において、一の側板230の補強具232が外側に延出して翼部2321になり、翼部2321が縦方向に設置される縦長構造であり、前記翼部2321が外部から二つの側板230の間の繋ぎ目240を隠す。
【0074】
前記パネル231の周りが内側に向けて折り曲がって折辺2311を形成され、前記折辺2311が外側から前記補強具232を囲み、前記補強具232にフランジ2322が設けられ、前記フランジ2322が前記折辺2311の縁を押さえることが好ましい。パネル231がより緊密に補強具232と一体に貼り付けられるように、前記補強具232のフランジ2322によってパネル231の折辺2311を押さえて、全体的な構造がよりコンパクトで強固となり、翼部2321がフランジ2322の下側で下方に向けて延出する。
【0075】
箱は、前後左右の四つの側板230を含み、四つの側板230で矩形状の枠構造が囲まれて、前記箱盖210が矩形状の枠構造にヒンジ接続され、上面の開口を覆うように使用され、前記底板220が矩形状の枠構造の下面の開口を覆う。前後二つの側板230が左右二つの側板230を挟んで、前後の側板230の補強具232に前記翼部2321が形成され、即ち、前、後側板230の補強具232の左右両側にも翼部2321を設けることが好ましい。
【0076】
本発明による単層プラスチックの複合板を含む箱又は戸棚は、下記のメンバ又はアセンブリを含んでもよい。
【0077】
接続アセンブリ
【0078】
図16乃至
図20は、本発明による単層プラスチックの複合板で組み立てて完成した箱300を例示的に示し、この箱300は、矩形状の六面体構造を呈し、箱盖(図示せず)、底板320及び前側板、後側板、左側板と右側板の四つの側板330を含み、前記側板が本発明による単層プラスチックの複合板で形成される。隣接する二つの側板330の間が取り外し可能に一体に係合し接続される。側板330の底部に、いずれも支持台331が設けられ、底板320の周辺部分が水平に外側に延出して位置決め辺321を形成し、位置決め辺321がそれぞれ、前側板、後側板、左側板と右側板の支持台331に掛ける。前記箱は、複数の底板固定柱340をさらに含み、前記底板固定柱340と側板330が、一体にスナップ接続されて、前記位置決め辺321を前記支持台331に圧着する。側板と側板との間が着脱可能であり、底板固定柱340を取り外した後にも底板320を外せるので、組み立てと取り外しとも非常に便利である。
【0079】
前記箱の箱盖、底板320及び側板330が、いずれもプラスチック板であり、底板固定柱340もプラスチック部材であることが好ましい。底板320の周りの位置決め辺321に固定穴が設けられ、側板330の支持台331に、前記固定穴に対応する取付穴が設けられ、前記底板固定柱が固定穴と取付穴を通して側板に一体に係合し接続されて、底板の位置決め辺を側板の支持台に圧着する。
【0080】
隣接する二つの側板330の間は、位置制限柱350と位置制限穴360によって一体に係合し接続され、位置制限柱350と位置制限穴360がそれぞれ、隣接する二つの側板330に設置されることが好ましい。位置制限柱350は、一方の側板に設置されるとともに、自由端が太い頭部352を具備する。位置制限穴360は、前記側板に隣接する他方の側板に設置され、前記位置制限穴360は、幅が一端から他端までだんだん大きくなる。位置制限柱350の頭部352は、前記位置制限穴360の幅広い一端から挿入して幅が狭い一端と係合し接続される。
【0081】
左右の両側板330は、前後の両側板330の間に挟持され、左右側板の側面に、いずれも前記位置制限柱350が設けられ、前後側板の内側縁位置に、いずれも位置制限穴360が設けられ、前記位置制限穴360は、上方が狭く下方が広いことが好ましい。取り付けの際に、左右側板の位置制限柱350を前後側板330の位置制限穴360の広い一端から挿入させ、前後側板330が、位置制限柱350の頭部352が位置制限穴360の狭い一端に係合し接続されるように自重によって沈下して、左右側板を前後側板に一体に取り付ける。
【0082】
前記側板330はフレーム332とパネル333を含み、フレーム332が縦に直立し、パネル333の周りが前記フレーム332を囲むことが好ましい。前記フレーム332底辺の上面が前記側板の支持台331を形成する。好ましくは、前記パネルがブリスター板であり、フレーム32を設置することによって、前記側板の強度を保証すると同時に、前記パネルの厚さが小さくなり、素材をさらに節約するだけでなく、箱本体の重量がさらに軽量になるこ。前記底板320を直接的に前記フレーム底部の上面とスナップ接続させることによって、構造が簡単で強固である。前記位置制限柱と位置制限穴は、いずれもフレーム332に成型される。
【0083】
箱の搬送をし易いために、左右側板330のパネル333には、内側に向かって凹んだ凹溝3332が対称的に設けられることが好ましい。
【0084】
前記底板320がブリスター板であることが好ましい。前記底板320の四つの辺は、いずれも上方に折り曲がって止め辺322を形成し、前記止め辺322の上縁が、水平に外側に延出して前記位置決め辺321を形成する。前記底板320の中間部分に、規則的に排列される複数の凹部が形成されることが好ましく、凹部の設置によって、前記底板の支持力がより強く、構造がより安定となる。
【0085】
ヒンジアセンブリ
【0086】
図21乃至
図25は、本発明の単層プラスチックの複合板で組み立てて完成した箱400を例示的に示し、特に、箱盖410と箱本体420を枢動可能に一体に接続されるヒンジアセンブリを示し、当該ヒンジアセンブリがプラスチック材質であり、第一ヒンジメンバ411と第二ヒンジメンバ421と枢軸メンバ430とを含むことが好ましい。前記第一ヒンジメンバ411と第二ヒンジメンバ421は、形状が同一であり、いずれも固定部413、423と、固定部413、423からそれに垂直に延出する一つ又は複数の枢動部412、422とを備え、固定部が、箱盖又は箱本体に接合し固定されることに用いられ、枢動部において、固定部と平行に延出する枢動可能に枢軸430を受容するための貫通穴414、424が設置されている。枢動部412、422はそれぞれ、複数であるとき、枢動部412、422がそれぞれ、固定部413、423に沿って間隔をあけて分布し、枢動部を収納できるように間隔が設置され、各枢動部における貫通穴が、第一ヒンジメンバ411と第二ヒンジメンバ421が互いに接続して枢軸メンバ430が受容されるように、互いに同軸である。第一ヒンジメンバ411が箱盖410の後部の補強具の底部に固定され、第二ヒンジメンバ421が箱本体420の後側板の頂部補強具の後側の凹部に固定され、貫通穴414と貫通穴424が揃って枢軸メンバ430を受容するように、第一ヒンジメンバ411と第二ヒンジメンバ421の位置が互いマッチすることが好ましい。枢軸メンバ430の近端にはフランジ432が設けられ、遠端には、近い側から遠い側に向けて延出する、径方向内側に撓曲可能な複数の弾性アーム434が枢軸メンバ430の遠端に形成されるように、遠い側から近い側に向けて延出する一つ又は複数のV形状の切欠溝が設けられることが好ましく、このように、枢軸メンバ430全体が一体構造であり、枢軸メンバ430の取り付けと取り外しを行うときに、押さえ力に強く、断裂し難しい。各弾性アーム434の径方向外側面に凸起部436が設置され、弾性アーム434が径方向内側に湾曲するときに、凸起部436が枢動部の貫通穴414、424を通すことができ、弾性アーム434が自然な伸長状態にあるときに、凸起部436が枢動部の貫通穴414、424を通すことができない。取り付けるとき、フランジ432と凸起部436を接続して箱盖に位置する第一ヒンジメンバ411と箱本体に位置する第二ヒンジメンバ421を固定する。このように、第一ヒンジメンバ411と第二ヒンジメンバ421は、枢軸メンバ430に回って自由に枢動回転できる。
【0087】
V形状切欠溝438の数が一つであり、弾性アーム434の数が二つであることが好ましい。
【0088】
弾性アーム434の合流部が滑らかに遷移してなることが好ましい。
【0089】
枢軸メンバ430が一体成型されるプラスチック部材であり、凸起部436が遠側ガイド斜面4362と近側ガイド斜面4364を具備し、枢軸メンバ430の取付と取外がし易いことが好ましい。
【0090】
固定部413、423はそれぞれ、箱盖と箱本体に一体にスナップ接続されることが好ましい。箱本体と盖体を着脱する必要があるとき、より便利となる。
【0091】
箱盖410の固定部413が箱盖410の底面の後側の縁位置に位置し、箱本体420の固定部423が箱本体の後側板の頂部に位置することが好ましい。後側板頂面の外縁に凹部426が設けられ、固定部423が当該凹部426に設置されることが好ましい。凹部426の設置によって、箱本体420と箱盖410との間が閉鎖される状態において、箱盖410の底面と箱本体420の頂面が貼り付けられる。
【0092】
箱本体と箱盖の回転接続構造は、プラスチック材質に制限されず、プラスチック箱に対しも制限されないことを理解すべきである。
【0093】
鎖錠アセンブリ
【0094】
図26乃至
図30は、本発明の単層プラスチックの複合板で組み立てて完成した箱500を例示的示し、箱500が、箱本体510と箱本体の開口を覆うための箱盖520とを含み、箱本体510が矩形状構造であり、底板及び前後左右の四つの側板で組み立ててなり、当該箱盖520の後部が箱本体510の後側板511の上縁にヒンジ接続される。前記箱500は、さらに、箱本体510の前側板512の曲げ強度を高めることができる鎖錠アセンブリを備え、前記鎖錠アセンブリは、箱盖の前部に固定される第一鎖錠メンバ530と、箱本体の前側板に固定される第二鎖錠メンバ550と、第一鎖錠メンバに枢動可能に取り付けられる第三鎖錠メンバ540と、を含む。
【0095】
第一鎖錠メンバ530は、その頂部のスナップ係合装置531によって箱盖520の前部補強具522の底部に挿接されて全体が逆U形状に形成され、箱盖を閉じたときに、箱本体の前側板512の頂部補強具5123の少なくとも一部が、前記逆U形の凹部の中に受容されることが好ましく、箱本体前側板512の曲げ強度を向上する。
【0096】
第一鎖錠メンバ530の前部に水平な接続棒532が設置され、第三鎖錠メンバ540の頂部に鉤状部541が設置され、前記鉤状部541が、前記水平な接続棒532に掛けてそれを回って所定の範囲で回転できることが好ましい。
【0097】
第二鎖錠メンバ550は、その後側のスナップ係合装置551によって箱本体の前側板512の頂部補強具5123の前側に挿接され、第二鎖錠メンバ550の頂部が後方に湾曲して水平な折曲部552を形成し、前記折曲部552が、箱本体の前側板512の頂部に設置される階段部5127に位置し、箱盖を閉じたときに、第二鎖錠メンバ550と第三鎖錠メンバ540が一体にラッチロック又はロックされることが好ましい。
【0098】
箱盖520には、箱盖の強度を向上するための補強棒523が設けられ、当該補強棒523が、箱盖520を左右の二つの部分に分けることが好ましい。
【0099】
箱本体510の前側板512には、前側板の強度を向上するために補強棒5125が設けられ、当該補強棒5125が直立に設置されて前側板512を左右の二つの部分に分けることが好ましい。
【0100】
鎖錠アセンブリは、プラスチックで作られることが好ましい。
【0101】
折り畳み位置制限メンバ
【0102】
図31乃至
図34は、本発明の単層プラスチックの複合板で組み立てて完成した箱600を例示的示し、箱の箱盖610と箱の箱本体とが回転できるように一体にヒンジ接続され、前記箱本体は、四つの側板620と一つの底板630で組み立ててなる。箱600は、さらに、箱本体に対する箱盖610の開き角度を制限するための折り畳み位置制限メンバ640を含み、前記折り畳み位置制限メンバ640は、折り曲げ可能な細長い棒状メンバであり、2つの各端部にそれぞれ、側方向突起部641が設けられる。前記箱盖610の側部補強具612における箱盖610が箱本体の枢動部650に対して所定の距離で離れた箇所には、第一受容穴6122が設けられ、前記箱本体の前記第一受容穴6122と同一側の側板620の頂部補強具622における箱盖610が箱本体の枢動部650に対して所定の距離で離れた箇所には、第二受容穴6222が設けられる。折り畳み位置制限メンバ640の二つの端部の側方向突起部641はそれぞれ、枢動可能に第一受容穴6122と第二受容穴6222に挿入される。箱盖610を開けた後に、折り畳み位置制限メンバ640が平らに引っ張られて、第一受容穴6122と前記第二受容穴6222と前記枢動部650の三者が平面に投影され形成された三点の連結線が、一つの鈍角三角形を構成する。即ち、折り畳み位置制限メンバ640の長さによって、使得箱盖610が箱本体に対して90度以上回転できるが、180度を超えなく、このように、箱盖610を開けた後に、箱盖610が自重と折り畳み位置制限メンバ640の引張力に基づき、開位置に安定に保持される。
【0103】
前記折り畳み位置制限メンバ640は三段式構造であり、中部の弾性本体部642及び両端の接続端部643とを含み、前記弾性本体部642の形状は、折曲に適する扁平なベルト状であり、接続端部643が扁平端部であり、弾性本体部642と接続端部643が互いに垂直であり、二つの側方向突起部641がそれぞれ、二つの接続端部643に設置され、前記側方向突起部641と弾性本体部642が前記接続端部643の両側に位置し、即ち、折り畳み位置制限メンバ640の全体形状が弓形であることが好ましい。
【0104】
折り畳み位置制限メンバ640は、PE又はHDPE又はPPで一体成型されることが好ましい。
【0105】
前記折り畳み位置制限メンバ640が箱の内側に位置することが好ましい。これによって、箱盖610を閉じたとき、当該折り畳み位置制限メンバ640が箱本体の内部に位置する。このように、箱の外観がさらに簡潔となり、箱を搬送するときに折り畳み位置制限メンバ640が他の部品に引っ掛けることを避ける。
【0106】
自己位置決めアセンブリ
【0107】
図35乃至
図39は、本発明の単層プラスチックの複合板で組み立てて完成した箱700を例示的に示し、箱の箱盖750と箱の箱本体が枢動可能に一体にヒンジ接続され、前記箱本体が、側板740と底板で組み立ててなる。箱700は、箱本体に対する箱盖の開き角度を所定の角度範囲内で任意に決められる自己位置決めアセンブリを含み、該自己位置決めアセンブリは、
箱本体の左側板740及び/又は右側板740の頂部補強具742に固定される固定座720であって、、垂直方向に延出し固定座720の頂面と底面を貫通するスライド溝721と、横方向に延出し且つ前記スライド溝と連通して固定座720の箱本体内側を向く側面を貫通する保持穴722とが設置される、固定座720と、
一端が箱盖750の対応する側部補強具752にヒンジ接続され、他端がスライド溝721を通して延出する支持棒710であって、スライド溝721内にスライドとスイングできるように、スライド溝721の幅を自分の幅よりも大きくする、支持棒710と、
保持穴722内に設置され支持棒710に圧力を付勢することに用いられ、当該圧力による支持棒710に対する摩擦力が箱盖750の自重に対抗して箱盖750が開位置に保持されることができ、前記摩擦力に対抗するときに前記支持棒710がスライド溝721内にスライドとスイングできる、締結アセンブリとを含むことが好ましい。前記圧力の大きさを前記締結アセンブリによって調整できる。
【0108】
前記保持穴722の内面に雌ねじが設置され、前記締結アセンブリは、
保持穴722内に設置されるとともに、保持穴に沿って移動可能な圧着ブロック730と、
雄ねじが保持穴722の雌ねじと螺合可能なボルト770と、
保持穴722内に設置され圧着ブロック730とボルト770との間に位置し、圧着ブロック730に弾力を付勢するための弾性部材760、とを含むことが好ましい。ボルト770を回転することによって、弾性部材770が圧着ブロック730に付勢する圧力を調整でき、圧着ブロック730と支持棒710との間の摩擦力を調整できる。
【0109】
弾性部材760が圧縮スプリングであり、圧着ブロック730に凸台が設置され、圧縮スプリングは、一端が凸台に嵌設されるとともに、他端がボルトの端部に当接されることが好ましい。
【0110】
支持棒710のスライド溝721を通した他端には、支持棒710がスライド溝721から脱離することを防止するためのストッパー711が設置され、該ストッパー711が、スライド溝721を通すことができないように設計されることが好ましい。
【0111】
前記ストッパー711が鉤状部であることが好ましい。
【0112】
自己位置決めアセンブリは、さらに、ヒンジ連結座780を含み、ヒンジ連結座が箱盖750の側部補強具752に接続され、支持棒710の一端がヒンジ連結座とヒンジ接続されることが好ましい。
【0113】
ヒンジ連結座780には、位置決めピン781が設置され、箱盖750の側部補強具752には、縦方向に分布し位置決めピン781を受容するための複数の位置決め穴7521が設置されることが好ましい。位置決めピン781は、そのうち一つの位置決め穴7521に挿接される。複数の位置決め穴7521が設置されているため、位置決めピン781を選択された位置決め穴7521に挿入することによって、箱盖750の最大開き角度を予め設定することができる。
【0114】
箱本体の左側板740及び/又は右側板740の頂部補強具742に、係合溝が設置され、固定座720が前記係合溝に取り付けられることが好ましい。
【0115】
箱盖750を閉じたときに、自己位置決めアセンブリが、箱本体と箱盖で形成された収納空間内に位置し、箱本体の外観がさらに簡潔となり、支持棒710が周囲の他の部品に引っ掛けることを避けることが好ましい。
【0116】
支持棒710と固定座720とヒンジ連結座780がプラスチックによって作られることが好ましい。
【0117】
本発明の保護範囲は、特許請求の範囲だけによるものである。本発明の教示に基づき、当業者は、本発明に開示された構造の置換構造を実施可能な置換実施形態とすることや本発明に開示された実施形態を組み合わせて新たな実施形態を生み出すことを容易に認識でき、これらも同様に、添付された特許請求の範囲に属する。