(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】空調室内機
(51)【国際特許分類】
F24F 1/0076 20190101AFI20231205BHJP
F24F 1/0007 20190101ALI20231205BHJP
F24F 1/0035 20190101ALI20231205BHJP
F24F 8/30 20210101ALI20231205BHJP
【FI】
F24F1/0076
F24F1/0007 321
F24F1/0035
F24F8/30
(21)【出願番号】P 2021130224
(22)【出願日】2021-08-06
【審査請求日】2021-10-12
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】松本 幸子
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】鈴木 充
【審判官】槙原 進
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-145082(JP,A)
【文献】特開2009-168430(JP,A)
【文献】特開2013-79755(JP,A)
【文献】特開2008-241093(JP,A)
【文献】特開平1-300130(JP,A)
【文献】特開2016-44877(JP,A)
【文献】特開2002-89892(JP,A)
【文献】特開2010-25384(JP,A)
【文献】特開2014-163561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0076
F24F 1/0035
F24F 1/0087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の空気調和を行う空調室内機(2)であって、
ケーシング(23)と、
前記ケーシングの中に配置され、加湿された外気を給気する加湿ダクト(28)と、
前記ケーシングの中に配置され、放電によるイオンを含む液体微粒子を放出する静電霧化ユニット(75)と、
前記加湿ダクトに配置され、前記静電霧化ユニットに取り入れられる前記外気が通過する給気フィルタ(28b)と
を備え、
前記静電霧化ユニットは、
前記給気フィルタよりも下流であって、前記加湿ダクトの内部空間、前記加湿ダクトの加湿された外気が送られるバイパス経路または前記加湿ダクトの出口の近傍に配置されている、空調室内機(2)。
【請求項2】
前記静電霧化ユニットは、前記加湿ダクトの前記出口から100mm以内に配置されている、
請求項1に記載の空調室内機(2)。
【請求項3】
前記ケーシングの中に配置され、室内空気及び前記外気と熱媒体との熱交換を行う熱交換器(21)を備え、
前記静電霧化ユニットは、前記熱交換器の上流に配置されている、
請求項1または請求項2に記載の空調室内機(2)。
【請求項4】
前記静電霧化ユニットを制御する制御装置(81)を備え、
前記制御装置は、前記外気が前記室内に供給されているときに、前記静電霧化ユニットを作動させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の空調室内機(2)。
【請求項5】
前記静電霧化ユニットを制御する制御装置(81)を備え、
前記制御装置は、前記外気の前記室内への供給が終了してから所定時間以内に、前記静電霧化ユニットを作動させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の空調室内機(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
室内の空気調和を行う空調室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、静電霧化ユニットが搭載された空調室内機が知られている。例えば、特許文献1(特開2014-20578号公報)に記載されているように、空調室内機の静電霧化ユニットは、空気中の水分を使って、放電によってイオンを含む液体微粒子を生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されている空調室内機は、室内空気から液体微粒子を生成するため、室内空気の湿度が低く設定されている場合には、静電霧化ユニットにおいて液体微粒子の生成効率が悪くなる。
【0004】
静電霧化ユニットを備える空調室内機には、静電霧化ユニットでの液体微粒子の生成効率を向上させるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点の空調室内機は、室内の空気調和を行う空調室内機であって、ケーシングと、給気部材と、静電霧化ユニットとを備える。給気部材は、ケーシングの中に配置され、屋外の空気である外気を室内に供給するための部材である。静電霧化ユニットは、ケーシングの中に配置され、放電によるイオンを含む液体微粒子を放出する。静電霧化ユニットは、給気部材の内部空間、給気部材のバイパス経路または給気部材の出口の近傍に配置されている。
【0006】
第1観点の空調室内機では、外気に含まれる湿気を使って静電霧化ユニットで結露させ易くなり、イオンを含む水微粒子の発生効率が良くなる。
【0007】
第2観点の空調室内機は、第1観点の空調室内機であって、静電霧化ユニットは、給気部材の出口から100mm以内に配置されている。
【0008】
第2観点の空調室内機では、給気部材の出口から吹き出される外気を多く含む空気を静電霧化ユニットに導くことができ、静電霧化ユニットで結露させ易くなる。
【0009】
第3観点の空調室内機は、第1観点または第2観点の空調室内機であって、ケーシングの中に配置され、室内空気及び外気と熱媒体との熱交換を行う熱交換器を備える。静電霧化ユニットは、熱交換器の上流に配置されている。
【0010】
第3観点の空調室内機では、熱交換器を通過する前の外気を静電霧化ユニットに取り入れることができ、静電霧化ユニットに取り入れる空気の絶対湿度が低下するのを防止することができる。
【0011】
第4観点の空調室内機は、第1観点から第3観点のいずれかの空調室内機であって、給気部材は、加湿された外気を給気する加湿ダクトである。
【0012】
第4観点の空調室内機では、外気が乾燥している場合に静電霧化ユニットに取り入れる空気の湿度を加湿ダクトにより高めることができる。
【0013】
第5観点の空調室内機は、第1観点から第4観点のいずれかの空調室内機であって、静電霧化ユニットを制御する制御装置を備える。制御装置は、外気が室内に供給されているときに、静電霧化ユニットを作動させる。
【0014】
第5観点の空調室内機では、静電霧化ユニットを作動させるときは、静電霧化ユニットに外気を取り入れることができ、水微粒子の高い発生効率を維持し易くなる。
【0015】
第6観点の空調室内機は、第1観点から第4観点のいずれかの空調室内機であって、静電霧化ユニットを制御する制御装置を備える。制御装置は、外気の室内への供給が終了してから所定時間以内に、静電霧化ユニットを作動させる。
【0016】
第6観点の空調室内機では、静電霧化ユニットを外供給終了後の所定時間以内に動作させることで、外気を多く含む空気を静電霧化ユニットが取り入れられ、水微粒子の発生効率を高めることができる。
【0017】
第7観点の空調室内機は、第1観点から第6観点のいずれかの空調室内機であって、静電霧化ユニットに取り入れられる外気が通過する給気フィルタを備える。
【0018】
第7観点の空調室内機では、静電霧化ユニットに、外気に混じって例えば花粉などの微粒子が取り込まれるのを給気フィルタで防ぐことができるので、微粒子によって放電に異常が発生するのを抑制することができる。
【0019】
第8観点の空調室内機は、第7観点の空調室内機であって、静電霧化ユニットは、給気部材の出口の下流に配置されている。給気フィルタは、給気部材の出口の近傍に配置されている。
【0020】
第8観点の空調室内機では、給気フィルタを、給気部材の出口の近傍に配置することにより、給気フィルタを小型化することができ、給気フィルタによって空気調和の効率が低下するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係る空調室内機を含む空気調和機を示す概念図である。
【
図3】実施形態に係る空調室内機の分解斜視図である。
【
図4】
図1の空調システムが有する冷媒回路と空気流路とを説明するための図である。
【
図5】(a)実施形態に係る空調室内機の一部を破断した部分破断平面図である。(b)実施形態に係る空調室内機の一部を破断した部分破断正面図である。
【
図6】実施形態に係る静電霧化ユニットの配置位置を説明するための空調室内機の模式的な断面図である。
【
図10】
図7のI-I線で切断した加湿ダクトの断面図である。
【
図11】静電霧化装置の構成の概要を示す模式図である。
【
図12】静電霧化ユニットの構成の概要を示す模式的な断面図である。
【
図13】実施形態に係る静電霧化ユニットの加湿運転時の制御を説明するためのフローチャートである。
【
図14】実施形態に係る静電霧化ユニットの換気運転時の制御を説明するためのフローチャートである。
【
図15】変形例Aに係る静電霧化ユニットの配置位置を説明するための空調室内機の模式的な断面図である。
【
図16】変形例Bに係る加湿ダクト及び静電霧化装置を示す斜視図である。
【
図17】変形例Cに係る加湿ダクト及び静電霧化ユニットを示す断面図である。
【
図18】変形例Cに係る加湿ダクト及び静電霧化ユニットを示す斜視図である。
【
図19】変形例Eに係る静電霧化ユニットの配置位置を説明するための空調室内機の模式的な断面図である。
【
図20】変形例Fに係る静電霧化ユニットの制御を説明するためのフローチャートである。
【
図21】変形例Gに係る静電霧化ユニットの制御を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(1)空調システムの構成の概要
(1-1)空調システムの全体構成の概要
図1に示されているように、実施形態に係る空調室内機2は、空調システム1に適用されている。空調システム1は、空調室内機2と空調室外機4と加湿器6とを備えている。なお、以下の説明では、
図1、
図2及び
図6に示されている「上」、「下」、「前」、「後」という表現を用いて、それぞれの矢印の方向を説明する場合がある。また、
図4及び
図6には、太い矢印で空気の流れが示されている。この空調システム1の運転モードには、例えば、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転、送風運転、換気運転及び空気清浄運転がある。空調システム1は、
図4に示されているように、空調室内機2及び加湿器6を制御する制御部8を備えている。
【0023】
空調室内機2は、部屋RMに対して設置され(
図1参照)、部屋RMの中(室内)の空気調和を行う。
図1及び
図4に示されているように、空調室内機2は、空調システム1の空気調和機10に含まれている。空気調和機10は、空調室内機2と空調室外機4とを備えている。空調室内機2と空調室外機4とは、冷媒連絡管11,12で接続されている。空調室内機2と空調室外機4と冷媒連絡管11,12とは冷媒回路13を構成している。空調システム1は、加湿器6を用いなくても、空調室内機2と空調室外機4(空気調和機10)を用いることで、例えば、冷房運転、暖房運転、除湿運転、送風運転及び空気清浄運転を行うことができる。冷媒回路13では、例えば、冷房運転、暖房運転及び除湿運転の際に、蒸気圧縮式冷凍サイクルが繰り返される。空調室内機2と空調室外機4は、制御部8により制御される。
【0024】
本実施形態では、空調室内機2が部屋RMの壁WLに取り付けられて設置される場合について説明する。しかし、空調室内機2のタイプは、部屋RMの壁WLに設置されるタイプに限られるものではない。空調室内機2は、例えば、天井CIまたは床FLに設置されるものであってもよい。
【0025】
空調室内機2は、
図2に示されているように、熱交換器21を有している。空調室内機2は、熱交換器21に空気を通して空気の熱交換を行う。熱交換器21は、複数の伝熱フィン21aと複数の伝熱管21bとを有している。熱交換器21においては、複数の伝熱フィン21aの間を空気が通過する。また、熱交換の際には、複数の伝熱フィン21aの間を空気が通過すると同時に、伝熱管21bの中を冷媒が流れる。伝熱管21bの中を流れる冷媒は、熱媒体の一種である。伝熱管21bは、複数回折り返されていて各伝熱フィン21aを複数回貫通するように、複数の伝熱フィン21aと熱的に接続されている。
【0026】
空調システム1は、空調室内機2及び空調室外機4とともに、
図1及び
図4に示されている加湿器6を用いることで、例えば、加湿運転及び換気運転を行うことができる。言い換えると、このような構成の空調システム1の空調室内機2は、例えば、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転、送風運転、換気運転及び空気清浄運転に対応した運転ができるということである。加湿器6は、空調室内機2を介して室内に連通している給排気ホース68を有している。空調室内機2は、加湿器6により、給排気ホース68を通じて部屋RMの中(室内)に供給される水分で、室内の湿度を上げる加湿を行うことができる。また、空調室内機2は、加湿器6により、給排気ホース68を通じて部屋RMの中(室内)に供給される外気で、部屋RMの換気を行うことができる。本開示において説明する外気は、屋外ODの空気である。
【0027】
空調システム1の制御部8は、空調室内機2を制御する制御装置81と、空調室外機4と加湿器6とを制御する室外制御板82とを含んでいる。制御装置81及び室外制御板82は、それぞれ、例えば、マイクロコンピュータにより実現されるコントローラである。例えば、制御装置81は、タイマ81aと制御演算装置81bと記憶装置81cとを備える。制御演算装置81bには、CPUまたはGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置81bは、記憶装置81cに記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って、例えば所定のシーケンス処理及び演算処理を行う。さらに、制御演算装置81bは、プログラムに従って、演算結果を記憶装置81cに書き込んだり、記憶装置81cに記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0028】
(1-2)空調室内機の静電霧化ユニットの配置
空調室内機2は、
図4に示されている静電霧化ユニット75を備えている。静電霧化ユニット75は、放電によるイオンを含む液体微粒子を放出する装置である。静電霧化ユニット75は、
図4に示されている給気部材である加湿ダクト28の出口の近傍に配置されている。加湿ダクト28は、外気を流すことが可能な部材である。静電霧化ユニット75が給気部材である加湿ダクト28の出口の近傍に配置されているというのは、言い換えると、加湿ダクト28で給気される空気が静電霧化ユニット75に流れるということである。なお、本実施形態で加湿ダクト28の出口は、吹出開口28aにある(
図10参照)。
【0029】
空調室内機2は、ケーシング23を備えている。ここで説明する空調室内機2のケーシング23は、
図3に示されているように、フレーム23fとグリル23gと前面パネル23pとを有している。空調室内機2のケーシング23の構成は、ここで説明する構成には限られない。例えば、前面パネル23pとグリル23gが一体化されていてもよい。このケーシング23は、長手方向D1に沿って長く延びている。長手方向D1におけるケーシング23の一端E1は、正面からケーシング23を見て左手になり、長手方向D1におけるケーシング23の他端E2は、正面からケーシング23を見て右手になる。本開示において、ケーシング23の長手方向D1の中央CEよりも一端E1に近い側を一端側、中央CEよりも他端E2に近い側を他端側という。言い換えると、ケーシング23の中央CEと一端E1との間の領域が一端側であり、中央CEと他端E2との間の領域が他端側である。外気は、一端側に給排気ホース68によって供給される。その結果、ケーシング23の長手方向D1における一端側が給気流路R1になる。
図4において、一点鎖線の太い矢印で外気の流れが示されている。ケーシング23の長手方向D1における他端側には、給排気ホース68からの外気の供給がないため、この他端側が給気流路以外の流路R2になる。静電霧化ユニット75は、給気流路R1に配置されている。
【0030】
(2)詳細構成
(2-1)空調室内機
図2、
図4及び
図6に示されているように、空調室内機2は、熱交換器21と、ファン22と、ケーシング23と、エアフィルタ24と、ドレンパン26と、水平フラップ27と、垂直フラップ(図示せず)と、加湿ダクト28と、静電霧化ユニット75を含む静電霧化装置70(
図11参照)とを備えている。また、空調室内機2は、室内温度センサ31と、室内湿度センサ32とを備えている。室内温度センサ31と室内湿度センサ32は、制御装置81に接続されている。
【0031】
吸込口23aから吹出口23bに向う通風路FPにおいて、ファン22の上流に熱交換器21が配置されている。熱交換器21は、伝熱管21bの延びる方向に見て(側面視において)、ファン22の上方を覆うように、下に向って開いた形状を呈する。ここでは、このような形状をΛ形状またはC字形状と呼ぶ。熱交換器21は、壁WLから遠い第1熱交換部21Fと壁WLに近い第2熱交換部21Rを有している。Λ形状またはC字形状の熱交換器21の第1熱交換部21Fの下部及び第2熱交換部21Rの下部の下に、ドレンパン26が配置されている。熱交換器21のうちの第1熱交換部21Fで発生した結露は、熱交換器21の前方下部に配置されているドレンパン26で受け止められる。熱交換器21のうちの第2熱交換部21Rで発生した結露は、熱交換器21の後方下部に配置されているドレンパン26で受け止められる。
【0032】
吹出口23bには、水平フラップ27及び垂直フラップが配置されている。水平フラップ27は、吹出口23bから吹出される空気の風向を上下に変更する。そのため、水平フラップ27は、モータ27mにより、水平方向とのなす角を変更することができるように構成されている。垂直フラップは、吹出口23bから吹出される空気の風向を左右に変更することができるように構成されている。空調室内機2は、例えば、垂直フラップをモータ(図示せず)で前後方向とのなす角を変更するように駆動する。
【0033】
ケーシング23の中の吸込口23aの下流且つ熱交換器21の上流には、エアフィルタ24が配置されている。熱交換器21に供給される室内空気は、実質的に全てエアフィルタ24を通過する。従って、エアフィルタ24の網目よりも大きな塵埃は、エアフィルタ24で除去されるので熱交換器21には到達しない。
【0034】
空調室内機2は、ケーシング23の中に、給気部材として、加湿ダクト28を備えている。
図5に示されているように、加湿ダクト28は、ケーシング23の長手方向D1の一端側に配置され、ケーシング23の一端側に形成されている給気流路R1に含まれている。加湿ダクト28においては、吹出開口28aが熱交換器21に対向するように配置されている(
図6参照)。空調室内機2が換気運転を行っているときには、加湿ダクト28からは、外気が吹き出される。換気運転のときには、加湿器6における加湿動作が停止されており、加湿器6から給排気ホース68を通じて加湿ダクト28に外気がそのまま送られる。空調室内機2が加湿運転を行っているときには、加湿ダクト28からは、加湿された外気が吹き出される。加湿運転のときには、加湿器6における加湿動作が行われており、加湿器6から給排気ホース68を通じて加湿ダクト28に加湿された外気が送られる。加湿ダクト28には、ダクトフィルタ28bが設けられている。給排気ホース68を通じて送られてきた外気はダクトフィルタ28bを通過してケーシング23の中に吹出される。
【0035】
静電霧化ユニット75は、静電霧化装置70の中に配置されている(
図11参照)。静電霧化ユニット75は、加湿ダクト28の出口である吹出開口28aから100mm以内に配置されることが好ましい。
図5及び
図6に示されている二点鎖線で示されている領域AR1が吹出開口28aから100mm以内の領域である。本実施形態では、領域AR1の中の加湿ダクト28の表面に取り付けられた静電霧化装置70の中に静電霧化ユニット75が配置されている。静電霧化装置70及び静電霧化ユニット75は、熱交換器21の上流に配置されている。
【0036】
空調室内機2の中に配置されている制御装置81は、
図4に示されているように、ファン22のモータ22m及び水平フラップ27のモータ27mに接続されている。制御装置81は、ファン22のモータ22mの回転数及び水平フラップのモータ27mの回転角度を制御することができる。制御装置81は、空調室外機4の中に配置されている室外制御板82(
図4参照)に接続されている。ここでは、タイマ81aと制御演算装置81bと記憶装置81cとを制御装置81が有している場合について説明するが、タイマ81aと制御演算装置81bと記憶装置81cとは、制御部8の他の箇所に設けられてもよい。例えば、タイマ81aと制御演算装置81bと記憶装置81cとは、室外制御板82に設けられてもよい。制御装置81は、室内温度センサ31により室内空気の温度を検知することができ、室内湿度センサ32により室内空気の相対湿度を検知することができる。制御装置81は、タイマ81aを使って静電霧化装置70のオンオフのタイミングを設定することができる。
【0037】
(2-1―1)加湿ダクト
加湿ダクト28は、
図7、
図8、
図9及び
図10に示されているように、吹出開口28a、ダクトフィルタ28b、幅広部28c、接続部28d及び給気開口28eを有している。円筒状の接続部28dに給排気ホース68が接続される。接続部28dの先端の給気開口28eからは、給排気ホース68を通じて外気が流れ込む。接続部28dの下流には、接続部28dよりも長手方向D1(左右方向)に広がっている幅広部28cが配置されている。幅広部28cには、ダクトフィルタ28bが抜き差し可能に取り付けられている。空調室内機2の前面パネル23pを開けて、ダクトフィルタ28bをケーシング23から前方に向かって引き抜くことができる。幅広部28cにおいて、ダクトフィルタ28bの下流には、吹出開口28aが形成されている。吹出開口28aは、熱交換器21に対向している。本実施形態の空調室内機2では、エアフィルタ24よりも下に吹出開口28aが配置され、吹出開口28aから吹き出された外気は、エアフィルタ24を通過することなく、熱交換器21に流れ込む。ファン22が長手方向D1に対して垂直な方向に空気の流れを生じさせるため、ケーシング23の一端側に加湿ダクト28から吹出された外気は、給気流路R1を流れ、他の流路R2には流れない。
【0038】
加湿ダクト28には、給気湿度センサ33が取り付けられている。
図9に示されている例では、給気湿度センサ33が、吹出開口28aに取り付けられている。給気湿度センサ33は、加湿ダクト28で供給される外気の相対湿度を測定する。給気湿度センサ33は、制御装置81に接続され、検出した外気の相対湿度のデータを制御装置81に送信する。
【0039】
(2-1―2)静電霧化装置
静電霧化ユニット75は、
図11に示されているように、静電霧化装置70の中に配置されている。静電霧化装置70は、例えば、筐体71、吸入口72a、放出口72b、送風装置74及び高圧トランス73を備えている。静電霧化装置70は、加湿ダクト28の上部の表面に取り付けられている。ここでは、静電霧化装置70は、加湿ダクト28の上部の表面に取り付けられている場合を例に挙げて説明しているが、加湿ダクト28の取り付け位置は、加湿ダクト28の後面であってもよく、側面であってもよい。放出口72bは、静電霧化装置70の筐体71の上部に配置されている。ここでは、吸入口72aは、筐体71の中の加湿ダクト28の吹出開口28aに隣接する面に配置されている。ここでは、吸入口72aが筐体71の後部に配置されているが、筐体71の他の部分、例えば筐体71の長手方向の端面に配置されてもよい。静電霧化装置70の放出口72bは、エアフィルタ24の下流に配置されている。吸入口72aは、ケーシング23の通風路FPから空気を吸入している。吸入口72aから吸入した空気を、筐体71の中の静電霧化ユニット75を通して、放出口72bから放出するために、静電霧化装置70は、筐体71の中に送風装置74を備えていることが好ましい。しかし、送風装置74が無くても筐体71の中に気流が生じる場合には、送風装置74を省いてもよい。
【0040】
静電霧化ユニット75は、
図12に示されているように、放電電極78に結露した水分を、放電により、イオンを含む水微粒子77に変えて放出する。放電電極78で高電圧放電を発生させるために、高圧トランス73によって放電電極78と対向電極79との間に高電圧が印加される。放電電極78に生じる放電現象により、放電電極78の上の水分がナノメートルサイズの微粒子となって帯電し、静電ミストが発生する。
【0041】
静電霧化ユニット75は、放電電極78に結露水を発生させるために、例えば、冷却素子76を備えている。冷却素子76は、放熱面76aと冷却面76bとを有する。放熱面76aには、例えば、放熱部76cが熱的に接続されている。放熱部76cには、例えば放熱フィンを用いることができる。冷却面76bは、電気絶縁材(図示せず)を介して放電電極78に熱的に接続されている。冷却面76bに立てて設置されている放電電極78は、対向電極40から所定距離だけ話して配置されている。冷却素子76には、例えばペルチェ素子がある。冷却素子76は複数設けられてもよい。冷却素子76がペルチェ素子である場合、ペルチェ素子に直流電流を流すと、冷却面76bで吸熱が発生し、放熱面76aで発熱が発生するので、冷却面76bに熱的に接続されている放電電極78の温度が低下する。放電電極78の温度が、吸入口72aから吸入した空気の露点温度よりも低下すると、放電電極78で結露が生じる。放電電極78を高圧トランス73のマイナス側に、対向電極79を高圧トランス73のプラス側に接続することで、水微粒子77にマイナスイオンが生じ、放電電極78で生じる静電ミストは、負に帯電する。
【0042】
(2-2)空調室外機
空調室外機4は、
図4に示されているように、圧縮機41と四方弁42とアキュムレータ43と室外熱交換器44と室外膨張弁45と室外ファン46とハウジング47とを備えている。圧縮機41と四方弁42とアキュムレータ43と室外熱交換器44と室外膨張弁45と室外ファン46とは、ハウジング47の中に収納されている。ハウジング47は、外気を吸い込む後方開口部47a(
図4参照)と、熱交換後の空気を吹き出す前方開口部47b(
図1及び
図4参照)とを有する。後方開口部47aは、ハウジング47の後側に配置されている。空調室外機4は、空調室内機2に熱エネルギーを供給する熱源ユニットとして機能する。
【0043】
圧縮機41は、ガス冷媒を吸入して圧縮して吐出する。圧縮機41は、例えば、モータ41mの運転周波数をインバータにより調整することで運転容量を変更することができる可変容量圧縮機である。運転周波数が大きいほど圧縮機41の運転容量が大きくなる。四方弁42は、4つのポートを有している。四方弁42の第1ポートP1は、圧縮機41の吐出口に接続されている。四方弁42の第2ポートP2は、室外熱交換器44の一方の出入口に接続されている。四方弁42の第3ポートP3は、アキュムレータ43に接続されている。四方弁42の第4ポートP4は、熱交換器21の一方の出入口に接続されている。
【0044】
アキュムレータ43は、四方弁42の第3ポートP3と圧縮機41の吸入口との間に接続されている。室外熱交換器44は、他方の出入口を室外膨張弁45の一方の出入口に接続している。室外熱交換器44は、一方の出入口または他方の出入口から内部に流入した冷媒と、外気との間で熱交換を行う。室外膨張弁45は、他方の出入口を熱交換器21の他方の出入口に接続している。
【0045】
空調室外機4の中には、制御部8を構成している室外制御板82が配置されている。室外制御板82は、制御装置81に接続されている。室外制御板82は、圧縮機41のモータ41m、四方弁42及び室外ファン46のモータ46mに接続されている。制御部8は、室外制御板82により、圧縮機41のモータ41mの運転周波数、四方弁42の開度及び室外ファン46のモータ46mの回転数を制御することができる。
【0046】
冷媒回路13には、圧縮機41と、四方弁42と、アキュムレータ43と、室外熱交換器44と、室外膨張弁45と、熱交換器21とが含まれている。冷媒回路13には、冷媒が循環している。冷媒としては、例えば、R32冷媒及びR410冷媒などのフロン類、並びに二酸化炭素などがある。蒸気圧縮式冷凍サイクルでは、冷媒が圧縮機41で圧縮されて昇温され、その後、室外熱交換器44または熱交換器21で冷媒が放熱する。また、蒸気圧縮式冷凍サイクルでは、室外膨張弁45で冷媒が減圧膨張され、その後、熱交換器21または室外熱交換器44で冷媒が吸熱する。アキュムレータ43では、圧縮機41に吸入される冷媒の気液分離が行われる。四方弁42は、冷媒回路13における冷媒の流れの向きを切り換える。
【0047】
(2-3)加湿器6
本実施形態の加湿器6は、空調室外機4と一体化されている。しかし、加湿器6と空調室外機4は分離可能な別体として構成されていてもよい。加湿器6は、外気から水分を取り入れる。加湿器6は、取り入れた水分を外気に付与することで高湿度の空気を生成することができる。加湿器6は、この高湿度の空気を空調室内機2に送る。空調室内機2は、加湿運転時に、加湿器6から送られてきた高湿度の空気と室内空気とを混合する。空調室内機2は、高湿度の空気が混合された空気を部屋RMの中(室内)に吹き出すことで、室内を加湿する。加湿器6は、制御部8により制御される。
【0048】
加湿器6は、加湿動作を停止して、加湿を行わずに外気を空調室内機2に送ることもできる。空調室内機2は、換気運転時に、加湿器6から送られてきた外気と室内空気とを混合する。空調室内機2は、外気が混合された空気を部屋RMの中(室内)に吹き出すことで、外気を室内に給気することができる。また、加湿器6は、加湿動作を停止して、加湿を行わずに空調室内機2から屋外ODに室内空気を排気することもできる。換気運転では、空調室内機2は、外気を部屋RMの中に供給したり、部屋RMの中の室内空気を屋外ODに排気したりすることができる。
【0049】
加湿器6は、
図4に示されているように、吸着ロータ61と、ヒータ62と、切換ダンパ63と、給排気ファン64と、吸着ファン65と、ダクト66と、ハウジング69とを備えている。また、加湿器6は、給排気ホース68を備えている。
図1及び
図4に示されているように、加湿器6のハウジング69は、空調室外機4のハウジング47に取り付けられている。加湿器6は、ハウジング69に、吸着用空気吹出口69aと吸着用空気取入口69bと加湿用空気取入口69cとを有している。
【0050】
吸着ロータ61は、例えば、ハニカム構造を持つ円盤状の調湿用ロータである。調湿用ロータは、例えば、接触する空気中の水分を吸着する性質を有している吸着剤を焼成することにより形成できる。吸着ロータ61の吸着剤は、加熱されることによって吸着した水分を脱離するという性質を有している。ハニカム構造の吸着ロータ61を加熱されてない空気が通過するときには吸着ロータ61に空気の水分が吸着される。ハニカム構造の吸着ロータ61を加熱された空気が通過するときには吸着ロータ61の水分が空気に付与される。吸着ロータ61は、モータ61mにより駆動されて回転する。吸着ロータ61の回転数は、モータ61mの回転数を変えることにより変更することができる。
【0051】
ヒータ62は、加湿用空気取入口69cと切換ダンパ63との間に配置されている。加湿用空気取入口69cから取り入れられた外気は、ヒータ62を通過した後、さらに吸着ロータ61を通過して切換ダンパ63に到達する。ヒータ62で加熱された空気が吸着ロータ61を通過する際に、吸着ロータ61から水分が脱離して、吸着ロータ61から加熱された外気に水分が供給される。ヒータ62は、出力を変化させることができ、ヒータ62を通過した空気の温度を出力に応じて変化させることができる。吸着ロータ61は、特定の温度範囲内では、吸着ロータ61を通過する空気の温度が高いほど脱離する水分量が多くなる傾向がある。ヒータ62の温度及び吸着ロータ61の回転数を変更することで、外気に付与される水分量を調節することができる。
【0052】
切換ダンパ63は、第1出入口63aと第2出入口63bとを持っている。切換ダンパ63は、給排気ファン64が駆動しているときに空気を吸い込む空気の入口を、第1出入口63aとするか又は第2出入口63bとするかを切り換えることができる。空気の入口を第1出入口63aとする場合には、
図4に実線で示された矢印の向きに、外気が、加湿用空気取入口69cから、吸着ロータ61、ヒータ62、吸着ロータ61、第1出入口63a、給排気ファン64、第2出入口63b、ダクト66、給排気ホース68、空調室内機2の順に流れる。空気の入口を第2出入口63bとするように切り換えると、逆に、
図4に破線で示された矢印の向きに、空調室内機2から、給排気ホース68、ダクト66、第2出入口63b、給排気ファン64、第1出入口63a、吸着ロータ61、ヒータ62、吸着ロータ61、加湿用空気取入口69cの順に空気が流れる。切換ダンパ63の切り換えは、モータ63mにより行われる。
【0053】
給排気ファン64は、切換ダンパ63の第1出入口63aと第2出入口63bとの間に配置されている。給排気ファン64は、第1出入口63aから第2出入口63bまたは第2出入口63bから第1出入口63aに向う空気の流れを発生させる。給排気ファン64は、モータ64mにより駆動される。給排気ホース68は、一方端をダクト66に接続し、他方端を空調室内機2に接続している。このような構成により、給排気ホース68と部屋RMとは空調室内機2を介して連通している。
【0054】
吸着用空気取入口69bから吸着用空気吹出口69aに続く通路に吸着ファン65が配置され、この通路に掛かるように吸着ロータ61が配置されている。吸着ファン65により吸着用空気取入口69bから吸着用空気吹出口69aに向う気流が発生すると、吸着ロータ61を通過する外気から吸着ロータ61への水分の吸着が生じる。吸着ファン65は、モータ65mにより駆動される。
【0055】
吸着ロータ61のモータ61m、切換ダンパ63のモータ63m、給排気ファン64のモータ64m及びヒータ62は、室外制御板82に接続されている。制御部8は、室外制御板82により、吸着ロータ61の回転数、切換ダンパ63の切り換え、給排気ファン64及び吸着ファン65のオンオフ、及びヒータ62の出力を制御することができる。
【0056】
(3)空調システム及び空調室内機の動作
(3-1)概要
空調システム1の運転モードには、例えば、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転、送風運転、換気運転及び空気清浄運転がある。なお、複数の運転を組み合わせることができる。例えば、暖房運転と加湿運転、冷房運転と加湿運転、送風運転と加湿運転、換気運転と冷房運転、換気運転と暖房運転、換気運転と除湿運転、及び換気運転と送風運転を組み合わせることができる。また、加湿運転、暖房運転と加湿運転、冷房運転と加湿運転、送風運転と加湿運転に対し、さらに空気清浄運転を組み合わせることができる。
【0057】
(3-2)冷房運転
冷房運転の開始前に、制御部8の制御装置81には、例えば、リモートコントローラ(図示せず)から冷房運転が指示されるとともに目標温度が指示される。冷房運転時に、制御部8は、四方弁42を、
図4において実線で示されている状態に切り換える。冷房運転時に、このように切り換えられた四方弁42は、第1ポートP1と第2ポートP2の間で冷媒を流し、第3ポートP3と第4ポートP4の間で冷媒を流す。冷房運転時の四方弁42は、圧縮機41から吐出される高温高圧のガス冷媒を室外熱交換器44に流す。室外熱交換器44では、冷媒と、室外ファン46により供給される外気との間で熱交換が行われる。室外熱交換器44で冷やされた冷媒は、室外膨張弁45で減圧されて熱交換器21に流れ込む。熱交換器21では、冷媒とファン22により供給される空気との間で熱交換が行われる。ファン22により供給される空気には、室内空気のみの場合と、室内空気と外気の場合とがある。熱交換器21での熱交換により温められた冷媒は、四方弁42及びアキュムレータ43を経由して、圧縮機41に吸入される。熱交換器21で冷やされた室内空気或いは室内空気と外気の混合空気が空調室内機2から部屋RMに吹出されることで、室内の冷房が行われる。この空気調和機10では、冷房運転において、熱交換器21が冷媒の蒸発器として機能して部屋RMを冷やし、室外熱交換器44が冷媒の放熱器として機能する。制御部8は、室内温度センサ31で検出した温度を目標温度に近づけるように空調室内機2と空調室外機4を制御する。
【0058】
(3-3)暖房運転
暖房運転の開始前に、制御部8の制御装置81には、例えば、リモートコントローラから暖房運転が指示されるとともに目標温度が指示される。暖房運転時に、制御部8は、四方弁42を、
図4において破線で示されている状態に切り換える。暖房運転時に、このように切り換えられた四方弁42は、第1ポートP1と第4ポートP4の間で冷媒を流し、第2ポートP2と第3ポートP3の間で冷媒を流す。暖房運転時の四方弁42は、圧縮機41から吐出される高温高圧のガス冷媒を熱交換器21に流す。熱交換器21では、ファン22により供給される空気と冷媒との間で熱交換が行われる。ファン22により供給される空気には、室内空気のみの場合と、室内空気と外気の場合とがある。熱交換器21で冷やされた冷媒は、室外膨張弁45で減圧されて室外熱交換器44に流れ込む。室外熱交換器44では、冷媒と室外ファン46により供給される外気との間で熱交換が行われる。室外熱交換器44での熱交換により温められた冷媒は、四方弁42及びアキュムレータ43を経由して、圧縮機41に吸入される。熱交換器21で温められた室内空気或いは室内空気と外気の混合空気が空調室内機2から部屋RMに吹出されることで、室内の暖房が行われる。この空気調和機10では、暖房運転においては、熱交換器21が冷媒の放熱器として機能して部屋RMを温め、室外熱交換器44が冷媒の蒸発器として機能する。制御部8は、室内温度センサ31で検出した温度を目標温度に近づけるように空調室内機2と空調室外機4を制御する。
【0059】
(3-4)送風運転
送風運転の開始前に、制御部8の制御装置81には、例えば、リモートコントローラから送風運転が指示される。送風運転時には、制御部8が、圧縮機41を停止させ、冷媒回路13における冷凍サイクルを停止させる。また、制御部8は、加湿器6の動作も停止させる。送風運転では、リモートコントローラから目標風量が指示される場合と、空調室内機2に目標風量を自動で選択させる場合がある。制御装置81は、目標風量になるように、ファン22のモータ22mを制御する。例えば、制御装置81は、最も回転数の小さいLLタップから、Lタップ、Mタップ、Hタップの順に回転数を大きくすることができるように構成されている。送風運転の身を行っている場合に、制御部8は、加湿器6の動作も停止させる。送風運転では、部屋RMの中の室内空気が空調室内機2により循環する。
【0060】
(3-5)加湿運転
加湿運転の開始前に、制御部8の制御装置81には、例えば、リモートコントローラから加湿運転が指示されるとともに目標湿度が指示される。加湿のみを行う加湿運転時には、制御部8が、圧縮機41を停止させ、冷媒回路13における冷凍サイクルを停止させる。しかし、例えば、加湿暖房運転では、冷媒回路13における冷凍サイクルも加湿運転と同時に実施される。
【0061】
制御部8は、加湿運転の指示を受けると、まず、加湿器6に給排気ホース68の乾燥を行わせる。制御部8は、給排気ホース68の乾燥後、加湿器6に加湿動作が開始される。制御部8は、吸着ファン65を駆動させ且つ吸着ロータ61を回転させるように制御する。吸着ファン65の駆動によって吸着ロータ61を外気が通過することで、吸着ロータ61には、外気から水分が吸着する。吸着ロータ61の回転により、水分が吸着した箇所が、ヒータ62によって加熱された空気の通過する場所に移動する。その結果、水分が吸着した箇所から加熱された空気へと水分の脱離が生じる。吸着ロータ61を通過して高湿度になった空気が、給排気ファン64により、給排気ホース68及び空調室内機2を通して部屋RMに送られる。加湿運転において、制御装置81は、高湿度の空気を部屋RMの中に吹出させるために、空調室内機2のファン22を駆動させる。制御部8は、所定の湿度センサで検出した湿度を目標湿度に近づけるように空調室内機2と空調室外機4と加湿器6を制御する。所定の湿度センサは、加湿器6及び空調室内機2において空気が流れる流路に設けられている湿度センサである。所定の湿度センサには、例えば、室内湿度センサ32、加湿ダクト28に取り付けられた湿度センサがある。
【0062】
(3-6)換気運転
換気運転の開始前に、制御部8の制御装置81には、例えば、リモートコントローラから換気運転が指示される。換気運転時には、加湿運転が停止される。また、換気運転のみを行う場合には、制御部8が、圧縮機41を停止させ、冷媒回路13における冷凍サイクルを停止させる。ただし、例えば、換気しつつ冷房する場合及び換気しつつ暖房する場合には、制御部8は、圧縮機41を駆動して、冷媒回路13における冷凍サイクルを実施する。加湿運転を停止するため、吸着ファン65及び吸着ロータ61の回転が停止される。換気運転では、制御部8は、給排気ファン64を駆動するようにモータ64mを制御する。また、換気運転では、制御部8は、切換ダンパ63を制御することにより、給気状態と排気状態とを切り換える。給気状態においては、外気が、加湿用空気取入口69cから取り入れられ、給排気ホース68及び空調室内機2を通して部屋RMに吹出される。排気状態においては、室内空気が、部屋RMから空調室内機2及び給排気ホース68を通して加湿用空気取入口69cから排気される。換気運転において、制御装置81は、外気を部屋RMの中に吹出させるために、空調室内機2のファン22を駆動させる。換気運転の給気時において、加湿ダクト28は、加湿器6による加湿を受けていない外気をそのまま給気する給気ダクトとして機能する。
【0063】
(3-7)空気清浄運転
空調システム1は、静電霧化装置70を用いて空気清浄運転を行うことができる。ここで、空気清浄運転とは、空気中の有害成分及び/または臭気成分を抑制する運転である。空気清浄運転は、例えば、静電霧化装置70が発生するイオンを含む水微粒子(静電ミスト)で有害成分または臭気成分を抑える運転である。静電霧化装置70を用いる空気清浄運転は、加湿運転または換気運転とともに行われる。
【0064】
(3-7-1)空気清浄運転と加湿運転を行う場合
空調室内機2の制御装置81は、加湿運転時において、外気が部屋RM(室内)に導入されているときに、静電霧化ユニット75を動作させるように静電霧化装置70を制御する。制御装置81は、例えば、
図13に示されているフローに沿って静電霧化装置70を制御する。制御装置81は、リモートコントローラ(図示せず)などにより指示された空調室内機2の運転モードが静電霧化ユニット75を作動させることができる運転モードが否かを判断する(ステップST1)。例えば、指示された運転モードが、加湿運転と空気清浄運転を行うモードである場合(ステップST1のYes)には、加湿器6による加湿が行われているか否かを判断する(ステップST2)。制御部8の制御装置81は、加湿器6を制御している制御部8の室外制御板82に接続されているため、加湿器6による加湿に関する情報を室外制御板82から受け取ることができる。加湿器6による加湿が行われている場合(ステップST2のYes)には、制御装置81は、静電霧化ユニット75で放電を行わせるように制御する(ステップST3)。加湿器6による加湿が行われていない場合(ステップST2のNo)には、制御装置81は、静電霧化ユニット75で放電を行わせないように制御する(ステップST4)。
【0065】
空気清浄運転と加湿運転を行っているときに運転モードが変更さるか否かを判断する(ステップST5)。運転モードが変更されたときには(ステップST5のYes)、変更後の運転モードが静電霧化ユニット75を作動させることができる運転モードか否かの判断(ステップST1)に戻る。運転モードの変更がないと判断されたときには(ステップST5のNo)、運転を終了する指示があったか否かを判断する(ステップST6)。運転を終了する指示が無かった場合には(ステップST6のNo)、フローの最初(ステップST1)に戻る。運転終了の指示があれば(ステップST6のYes)、
図13に示されている制御フローを終了する。
【0066】
(3-7-2)空気清浄運転と換気運転の給気を行う場合
空調室内機2の制御装置81は、換気運転の給気時において、外気が部屋RM(室内)に導入されているときに、静電霧化ユニット75を動作させるように静電霧化装置70を制御する。このとき、制御装置81は、例えば、
図14に示されているフローに沿って静電霧化装置70を制御する。制御装置81は、リモートコントローラ(図示せず)などにより指示された空調室内機2の運転モードが静電霧化ユニット75を作動させることができる運転モードが否かを判断する(ステップST1)。例えば、指示された運転モードが、換気運転と空気清浄運転を行うモードである場合(ステップST1のYes)には、加湿器6による換気運転の給気が行われているか否かを判断する(ステップST2)。制御部8の制御装置81は、加湿器6を制御している制御部8の室外制御板82に接続されているため、加湿器6による給気に関する情報を室外制御板82から受け取ることができる。加湿器6による加湿が行われている場合(ステップST2のYes)には、制御装置81は、静電霧化ユニット75で放電を行わせるように制御する(ステップST3)。加湿器6による加湿が行われていない場合(ステップST2のNo)には、制御装置81は、静電霧化ユニット75で放電を行わせないように制御する(ステップST4)。ステップST3及びステップST4以降のステップは、
図13に示されているフローと同じであるので説明を省略する。
【0067】
(4)変形例
(4-1)変形例A
上記実施形態では、静電霧化装置70を加湿ダクト28の表面に取り付ける場合を説明したが、静電霧化装置70は、加湿ダクト28から離して取り付けてもよい。例えば、
図15に示されているように、加湿ダクト28の吹出開口28aが熱交換器21に対向している場合に、静電霧化装置70は、加湿ダクト28の吹出開口28aと熱交換器21との間に配置されてもよい。このような構成にすることで、静電霧化装置70及び静電霧化ユニット75は、加湿ダクト28の吹出開口28aの下流に配置される。
図15に示されているように、加湿ダクト28の吹出開口28aの下流に静電霧化装置70及び静電霧化ユニット75が配置されている場合、ダクトフィルタ28bが加湿ダクト28の吹出開口28aの近傍に配置されることが好ましい。また、静電霧化装置70は、加湿ダクト28から離して、加湿ダクト28と並べて取り付けられてもよい。
【0068】
(4-2)変形例B
上記実施形態では、静電霧化ユニット75を、給気部材の出口である加湿ダクト28の吹出開口28aの近傍に配置する場合について説明した。しかし、静電霧化ユニット75は、
図16に示されているように、給気部材である加湿ダクト28のバイパス経路R3に配置されてもよい。静電霧化装置70の筐体71が、加湿ダクト28の幅広部28cから離れ且つ並んで配置されている。筐体71と幅広部28cとは、筒体を介して連通しており、この筒体が静電霧化装置70の吸入口72aになっている。吸入口72aは、ダクトフィルタ(
図15では図示せず)の下流に設けられている。放出口72bは、加湿ダクト28の吹出開口28aとは別に設けられている。吹出開口28aから空気が吹き出されるのと同様に放出口72bからも空気が吹き出される。そのため、
図16に示されている静電霧化装置70では、送風装置74が設けられていない。なお、
図16では、ダクトフィルタの記載が省略されているが、
図16に示された加湿ダクト28の形態においても、静電霧化装置70及び静電霧化ユニット75の上流にダクトフィルタが配置される。
【0069】
(4-3)変形例C
上記実施形態では、静電霧化ユニット75を、給気部材の出口である加湿ダクト28の吹出開口28aの近傍に配置する場合について説明した。しかし、静電霧化ユニット75は、
図17及び
図18に示されているように、給気部材である加湿ダクト28の内部空間IN1に配置されてもよい。内部空間IN1は、加湿ダクト28の幅広部28cの中の空間である。静電霧化ユニット75は、筐体71の無い状態で、直接内部空間IN1に配置され、送風装置74も省かれている。加湿ダクト28の中に気流が生じるので、筐体71及び送風装置74を省いて、静電霧化ユニット75が加湿ダクト28の中に直に取り付けられても静電霧化装置として機能する。なお、
図17及び
図18において、高圧トランス73の図示は省かれているが、高圧トランス73は、加湿ダクト28の外に配置されることが好ましい。静電霧化ユニット75は、ダクトフィルタ28bの下流に配置されている。静電霧化ユニット75から放出される水微粒子は、加湿ダクト28の吹出開口28aからケーシング23の中に放出される。水微粒子の数を減らさないために、水微粒子はエアフィルタ24の下流から放出されることが好ましい。なお、給気湿度センサ33は、
図17及び
図18に示されているように、加湿ダクト28の内部空間IN1に配置されてもよく、あるいは接続部28dの中の流路に配置されてもよい。
【0070】
(4-4)変形例D
上記実施形態では、給気部材として、加湿ダクト28を用いる場合について説明した。しかし、給気部材は、加湿ダクト28だけには限られない。例えば、加湿器6に代えて、加湿機能の無い外気の給排気のみを行う給排気装置が屋外に設けられてもよい。給排気装置が設置される場合には、加湿ダクト28に変えて給気ダクトがケーシング23の中に配置される。そのように構成された場合には、空調室内機2は、加湿運転を行うことができないが、換気運転を行い、外気を部屋RM(室内)に供給することができる。給気ダクトと静電霧化ユニット75との配置関係は、加湿ダクト28と静電霧化ユニット75との配置関係と同様に設定することができる。
【0071】
(4-5)変形例E
上記実施形態では、静電霧化装置70を加湿ダクト28の表面に取り付ける場合を説明したが、静電霧化装置70は、加湿ダクト28の吹出開口28aを覆うように取り付けてもよい。例えば、
図19に示されているように、加湿ダクト28の吹出開口28aが熱交換器21に対向している場合に、静電霧化装置70は、加湿ダクト28の吹出開口28aと熱交換器21との間であって、吹出開口28aを覆う位置に配置されてもよい。このような構成にすることで、静電霧化装置70及び静電霧化ユニット75は、加湿ダクト28の吹出開口28aの下流に配置される。
【0072】
また、静電霧化装置70は、
図16乃至
図18に示されている加湿ダクト28の吹出開口28aを覆うように取り付けられてもよい。
図16乃至
図18に示されている吹出開口28aを覆う位置に静電霧化装置70が取り付けられる場合には、ケーシング23の長手方向D1に沿って加湿ダクト28と静電霧化装置70が隣接して配置される。
【0073】
静電霧化装置70が吹出開口28aを覆うように取り付けられる場合には、加湿ダクト28に生じる気流により、静電霧化装置70の中にも気流を発生させることができるので、送風装置74を省いてもよい。なお、ダクトフィルタ28bは、静電霧化装置70の上流側に配置されることが好ましい。例えば、ダクトフィルタ28bは、吹出開口28aに取り付けられてもよい。
【0074】
(4-6)変形例F
上記実施形態では、
図13を用いて説明したように、加湿器6による加湿が行われている期間に静電霧化ユニット75の放電(作動)が行われるように、制御装置81が制御する場合について説明した。しかし、加湿運転と空気清浄運転が行われる場合、静電霧化ユニット75の放電(作動)が行われるように制御装置81が制御する期間は、加湿器6による部屋RMへの加湿が終了してから所定時間以内であってもよい。所定時間の情報は、例えば記憶装置81cに記憶されている。制御装置81は、所定時間をカウントするときには、例えば記憶装置81cから読み出した所定時間を、タイマ81aを用いてカウントする。加湿器6による加湿が終了した後もしばらくケーシング23の中は湿度の高い状態が続くので、例えば、加湿運転が終了してから数分の間、静電霧化ユニット75を作動させて放電を行わせるように構成してもよい。このような制御では、例えば
図20に示されているように、
図13のステップST2で行っていた加湿が行われているか否かの判断を、加湿終了後の所定時間以内か否かの判断(ステップST12)に置き換えればよい。制御部8の制御装置81は、加湿器6を制御している制御部8の室外制御板82に接続されているため、加湿器6による加湿に関する情報を室外制御板82から受け取ることができる。制御装置81は、加湿器6が加湿を終了してからタイマ81aにより所定時間をカウントする。
図20におけるステップST12以外のステップは、
図13におけるステップST2以外のステップと同様であるので説明を省略する。
【0075】
(4-7)変形例G
上記実施形態では、加湿器6による加湿が行われている期間に静電霧化ユニット75の放電(作動)が行われるように、制御装置81が制御する場合について説明した(
図13参照)。しかし、換気運転と空気清浄運転が行われる場合、静電霧化ユニット75の放電(作動)が行われるように制御装置81が制御する期間は、加湿器6による部屋RMへの給気が終了してから所定時間以内であってもよい。加湿器6による給気が終了した後もしばらくケーシング23の中は湿度の高い状態が続く場合があるので、例えば、換気運転の給気が終了してから数分の間、静電霧化ユニット75を作動させて放電を行わせるように構成してもよい。このような制御では、例えば
図21に示されているように、
図13のステップST2で行っていた加湿が行われているか否かの判断を、給気終了後の所定時間以内か否かの判断(ステップST32)に置き換えればよい。制御部8の制御装置81は、加湿器6を制御している制御部8の室外制御板82に接続されているため、加湿器6による給気に関する情報を室外制御板82から受け取ることができる。制御装置81は、加湿器6が給気を終了してからタイマ81aにより所定時間をカウントする。なお、静電霧化ユニット75を動作させる場合に、制御部8は、給気後に排気を行わせないようにする。
図21におけるステップST32以外のステップは、
図13におけるステップST2以外のステップと同様であるので説明を省略する。
【0076】
(4-8)変形例H
上記実施形態では、静電霧化ユニット75の放電を行うか否かの判断に、給気湿度センサ33の測定結果が用いられていない。しかし、静電霧化ユニット75の放電を行うか否かの判断に、給気湿度センサ33の測定結果を用いてもよい。単に加湿または給気が行われているか否かだけで判断するのではなく、例えば、給気湿度センサ33の測定結果を用い、相対湿度が所定値以上の給気が行われているか否かで判断してもよい。また、外気の室内への供給が終了してから所定時間以内か否かだけで判断するのではなく、例えば、給気湿度センサ33の測定結果を用い、相対湿度が所定値以上の給気が終了してから所定時間以内であるか否かで判断してもよい。
【0077】
(5)特徴
(5-1)
上述の空調室内機2では、ケーシング23の中に、給気部材である加湿ダクト28または給気ダクトが配置されている。給気ダクトは、例えば、換気運転時に、加湿されていない外気を給気するためのダクトである。加湿器6が加湿を停止して給気を行っているときの加湿ダクト28は、給気ダクトとみなすことができる。加湿ダクト28または給気ダクトから屋外ODの空気である外気が室内である部屋RMに供給される。静電霧化ユニット75は、加湿ダクト28の内部空間IN1、加湿ダクト28のバイパス経路R3または加湿ダクト28の吹出開口28aの近傍に配置されている。加湿ダクト28の内部空間IN1は、給気部材の内部空間の例である。給気部材の内部空間の他の例として、加湿されていない外気を給気するための給気ダクトの内部空間がある。加湿ダクト28のバイパス経路R3は、給気部材のバイパス経路の例である。給気部材のバイパス経路の他の例として、前述の給気ダクトのバイパス経路がある。加湿ダクト28の吹出開口28aは、給気部材の出口の例である。給気部材の出口の他の例として、前述の給気ダクトの出口がある。このような構成により、外気に含まれる湿気を使って静電霧化ユニット75で結露させ易くなり、イオンを含む水微粒子の発生効率が良くなる。
【0078】
(5-2)
静電霧化ユニット75は、加湿ダクト28の吹出開口28aから100mm以内に配置されている。あるいは給気ダクトの出口から100mm以内に配置される。このように吹出開口28aまたは給気ダクトの出口の近くに配置されることで、給気部材の出口から吹き出される外気を多く含む空気を静電霧化ユニット75に導くことができる。その結果、静電霧化ユニット75で結露させることが容易になる。
【0079】
(5-3)
静電霧化ユニット75が熱交換器21の上流に配置されているので、熱交換器21を通過する前の外気を静電霧化ユニット75に取り入れることができる。その結果、静電霧化ユニット75に取り入れる空気の絶対湿度が低下するのを防止することができる。
【0080】
(5-4)
上述の空調室内機2の加湿ダクト28は、加湿された外気を給気する流路として機能することから、外気が乾燥している場合に静電霧化ユニット75に取り入れる空気の湿度を高めることができる。
【0081】
(5-5)
外気が室内に供給されているときに、制御装置81が、静電霧化ユニット75を作動させる構成の場合には、静電霧化ユニット75の作動時に、静電霧化ユニット75に外気を取り入れることができる。このように、静電霧化ユニット75に外気を取り入れることで、水微粒子の高い発生効率を維持し易くなる。
【0082】
(5-6)
図20を用いて説明したように、外気の室内への供給が終了してから所定時間以内に、静電霧化ユニット75を制御装置81が作動させる場合は、外気を多く含む空気を静電霧化ユニット75が取り入れることが容易になる。外気を多く含む空気を静電霧化ユニット75が取り入れることで、水微粒子の発生効率を高めることができる。
【0083】
(5-7)
上述の空調室内機2は、静電霧化ユニット75に取り入れられる外気が通過する給気フィルタであるダクトフィルタ28bを備えている。ダクトフィルタ28bを備える空調室内機2では、外気に混じって例えば花粉などの微粒子が静電霧化ユニット75に取り込まれるのを給気フィルタで防ぐことができる。ダクトフィルタ28bを備える空調室内機2は、微粒子によって放電に異常が発生するのを抑制することができる。
【0084】
(5-8)
加湿ダクト28の吹出開口28aまたは給気ダクトの出口の下流に静電霧化ユニット75が配置されている場合、
図15に示されているように、ダクトフィルタ28bが加湿ダクト28の吹出開口28aまたは給気ダクトの出口の近傍に配置される場合がある。このような場合、ダクトフィルタ28bを小型化することができ、ダクトフィルタ28bによって空気調和の効率が低下するのを防止することができる。
【0085】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0086】
2 空調室内機
21 熱交換器
23 ケーシング
28 加湿ダクト (給気部材の例)
28b ダクトフィルタ (給気フィルタの例)
75 静電霧化ユニット
81 制御装置
IN1 内部空間
R3 バイパス経路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】