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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】車両のセンターコンソール
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20231205BHJP
【FI】
B60R7/04 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021181887
(22)【出願日】2021-11-08
(65)【公開番号】P2023069770
(43)【公開日】2023-05-18
【審査請求日】2022-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】谷口 浩康
(72)【発明者】
【氏名】松岡 亮介
(72)【発明者】
【氏名】塚越 俊典
(72)【発明者】
【氏名】山本 洋幸
(72)【発明者】
【氏名】星島 陸宏
【審査官】佐々木 智洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-036818(JP,A)
【文献】特開2014-133503(JP,A)
【文献】特開2014-133509(JP,A)
【文献】特開2019-043433(JP,A)
【文献】特開2020-040497(JP,A)
【文献】特開2022-054361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に平坦な載置面を有する物品載置部と、
前記物品載置部の前後に配置される前ブロック部、及び、後ブロック部と、
前記前ブロック部と前記後ブロック部とに架設されるとともに、前記物品載置部の上方に空間部を挟んで配置され、かつ前記物品載置部よりも車幅方向の幅が狭いブリッジ部と、
前記前ブロック部の後壁の一部を構成するとともに、前記載置面の前部の車幅方向中央領域から上方に起立し、後方に膨出して前記ブリッジ部に接続される後方膨出部と、
前記物品載置部の前部の前記後方膨出部の車幅方向外側に配置され、上方に向かって車両前方側に傾斜する傾斜壁と、
前記傾斜壁に配置される端子接続口と、を備え、
前記端子接続口は、上面視において、前記ブリッジ部と重ならない位置に配置されていることを特徴とする車両のセンターコンソール。
【請求項2】
前記傾斜壁は、前席に着座した乗員の方向に向かって車幅方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の車両のセンターコンソール。
【請求項3】
前記前ブロック部には、前記端子接続口の上方に張り出す庇部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両のセンターコンソール。
【請求項4】
前記後ブロック部には、上方に開口する物品収納凹部が設けられ、
前記物品収納凹部の周壁には、上方側に開口し、前記端子接続口と電気使用機器を接続するためのケーブルを挿通可能な貫通溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両のセンターコンソール。
【請求項5】
前記貫通溝は、前記物品収納凹部の前壁の左右両側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の車両のセンターコンソール。
【請求項6】
前記後ブロック部には、前記物品収納凹部の上方を開閉可能に閉じる蓋体が設けられ、
前記蓋体は、開状態時に前記貫通溝の上方を開放し、閉状態時に前記貫通溝の上方を覆い、かつ前記前壁の前後の連通を維持することを特徴とする請求項5に記載の車両のセンターコンソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のセンターコンソールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の車室内の構造として、シフト操作部や各種のスイッチ類、物品収納部等が配置されるセンターコンソールが前席の運転席と助手席の間に設けられたものが知られている。
【0003】
近年、携帯情報端末等の普及に伴い車両にUSBポート等の端子接続口が車室内に設けられた車両が増加している。前席の乗員の利便性を考慮し、センターコンソールの上部に、携帯情報端末等の物品を載置できる物品載置部とUSBポート等の端子接続口を配置した車室内の構造が案出されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-220740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来のセンターコンソールは、物品載置部と端子接続口がセンターコンソールの上部に配置されているため、物品載置部に携帯情報端末等の物品を載置した状態で、センターコンソールの上部に誤って飲み物等の液体をこぼしたときに、その液体が物品にかかることが懸念される。また、従来のセンターコンソールは、センターコンソールの上面側の高い位置に端子接続口が配置されているため、携帯情報端末等の電気使用機器を端子接続口に脱着するための作業を前席に着座した乗員が行いにくい。
【0006】
そこで本発明は、物品載置部上に載置した物品を保護することができ、かつ、電気使用機器の端子を端子接続口に容易に脱着することができる車両のセンターコンソールを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両のセンターコンソールは、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る車両のセンターコンソールは、上面に平坦な載置面(例えば、実施形態の載置面11a)を有する物品載置部(例えば、実施形態の物品載置部11)と、前記物品載置部の前後に配置される前ブロック部(例えば、実施形態の前ブロック部12)、及び、後ブロック部(例えば、実施形態の後ブロック部13)と、前記前ブロック部と前記後ブロック部とに架設されるとともに、前記物品載置部の上方に空間部(例えば、実施形態の空間部25)を挟んで配置され、かつ前記物品載置部よりも車幅方向の幅が狭いブリッジ部(例えば、実施形態のブリッジ部14)と、前記前ブロック部の後壁の一部を構成するとともに、前記載置面の前部の車幅方向中央領域から上方に起立し、後方に膨出して前記ブリッジ部に接続される後方膨出部(例えば、実施形態の後方膨出部15)と、前記物品載置部の前部の前記後方膨出部の車幅方向外側に配置され、上方に向かって車両前方側に傾斜する傾斜壁(例えば、実施形態の傾斜壁17)と、前記傾斜壁に配置される端子接続口(例えば、実施形態の端子接続口18)と、を備え、前記端子接続口は、上面視において、前記ブリッジ部と重ならない位置に配置されていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成により、物品載置部の上方の主要部分がブリッジ部によって覆われることになる。このため、乗員がセンターコンソールの上方側で誤って飲み物等の液体をこぼした場合にも、物品載置部に載置された物品に飲み物等の液体がかかりにくくなる。また、端子接続口は、物品載置部の前部の傾斜壁に配置され、かつ、上面視において、ブリッジ部と重ならない位置に位置されている。このため、ブリッジ部の幅が物品載置部の幅よりも狭いこととも相俟って、電気使用機器を端子接続口に対して容易に脱着することができる。
【0009】
前記傾斜壁は、前席に着座した乗員の方向に向かって車幅方向に傾斜していることが望ましい。
【0010】
この場合、前席に着座した乗員が着座状態のまま電気使用機器を端子接続口に容易に脱着することが可能になる。
【0011】
前記前ブロック部には、前記端子接続口の上方に張り出す庇部(例えば、実施形態の庇部22)が設けられるようにしても良い。
【0012】
この場合、前ブロック部の庇部が端子接続口の上方を覆うことになるため、センターコンソールの上方に飲み物等の液体をこぼしたときに、こぼした液体が端子接続口に直接かかるのを庇部によって防ぐことができる。
【0013】
前記後ブロック部には、上方に開口する物品収納凹部(例えば、実施形態の物品収納凹部20)が設けられ、前記物品収納凹部の周壁(例えば、実施形態の前壁20f)には、上方側に開口し、前記端子接続口と電気使用機器を接続するためのケーブル(例えば、実施形態のケーブル19)を挿通可能な貫通溝(例えば、実施形態の貫通溝23)が設けられるようにしても良い。
【0014】
この場合、一端部を端子接続口に接続したケーブルを貫通溝に挿通させることにより、ケーブルの他端部に接続した電気使用機器を、後ブロック部の物品収納凹部内に配置することができる。したがって、電気使用機器の載置位置を物品載置部と物品収納凹部から選択して決めることができるため、乗員の利便性がより高まる。
【0015】
前記貫通溝は、前記物品収納凹部の前壁(例えば、実施形態の前壁20f)の左右両側に設けられるようにしても良い。
【0016】
この場合、前方(物品載置部側)から前壁の一方の貫通溝にケーブルを挿通させ、物品収納凹部内に引き出されたケーブルを前壁の後面側で幅方向に引き回し、他方の貫通溝に挿通させることにより、ケーブルを前壁の前方側に引き出すことができる。さらに、必要に応じて前壁の前方側に引き出したケーブルを前壁の前面側で幅方向に引き回し、再度一方の貫通溝に挿通させることにより、ケーブルを物品収納凹部内に引き出すことができる。ケーブルは、使用するケーブルの長さに応じて、同様にして周壁に任意回数巻き回すことができる。したがって、本構成を採用した場合、使用するケーブルの長さが長いときに、ケーブルの余長部を物品収納凹部の前壁の左右の貫通溝間に保持させることができ、利用者の利便性が高まる。
【0017】
前記後ブロック部には、前記物品収納凹部の上方を開閉可能に閉じる蓋体(例えば、実施形態の蓋体21)が設けられ、前記蓋体は、開状態時に前記貫通溝の上方を開放し、閉状態時に前記貫通溝の上方を覆い、かつ前記前壁の前後の連通を維持するようにしても良い。
【0018】
この場合、電気利用機器と端子接続口をケーブルで接続した状態のまま、電気利用機器を物品収納凹部内に収納し、その状態のまま蓋体を閉じることができる。このため、電気利用機器を外部から見えない状態で収納凹部内に収納し、その状態で電気利用機器の充電等を行うことができる。したがって、本構成を使用した場合には、電気利用機器をより安全に車内に配置することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る車両のセンターコンソールは、物品載置部よりも車幅方向の幅が狭いブリッド部が、空間部を挟んで物品載置部の上方に配置され、端子接続口が、上面視において、ブリッジ部と重ならないように、物品載置部の前部の傾斜壁に配置されている。このため、本発明に係るセンターコンソールを採用した場合には、物品載置部上に載置した物品をブリッジ部によって保護することができるとともに、前席に着座した乗員が電気使用機器の端子を端子接続口に容易に脱着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態の車両の車室前部の斜視図である。
図2】実施形態のセンターコンソールの平面図である。
図3】実施形態のセンターコンソールの斜視図である。
図4図3のIV-IV線に沿う断面図である。
図5】実施形態のセンターコンソールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明において、前後や上下、左右については、特別に断らない限り、車両についての前後や上下、左右を意味するものとする。また、図面の適所には、車両の上方を指す矢印UPと、車両の前方を指す矢印FRと、車両の左側方を指す矢印LHが記されている。
【0022】
図1は、実施形態の車両1の車室内の前席前方部分を示す斜視図である。
図1に示すように、車室内の前席の前方には、各種の計器類や、オーディオ操作部、空調操作部等が設置されるインストルメントパネル2が配置されている。なお、本実施形態の車両1は、車両前方側に向かって左側に運転席が配置され、右側に助手席が配置される所謂左ハンドル車である。運転席と助手席の間には、センターコンソール10が配置されている。センターコンソール10は、車室内のフロア3に対して上方に膨出し、前端部がインストルメントパネル2の下部領域まで延びている。センターコンソール10は、全体が前後方向に長い略長方体状に形成されている。
【0023】
図2は、センターコンソール10の平面図であり、図3は、センターコンソール10を後部左上方から見た斜視図である。
センターコンソール10は、上面に平坦な載置面11aを有する物品載置部11と、物品載置部11の前後に配置される前ブロック部12、及び、後ブロック部13と、前ブロック部12と後ブロック部13に架設されるブリッジ部14と、を備えている。
【0024】
物品載置部11は、略水平に延びる上面視が略矩形状の載置面11aと、載置面11aの左右の側端部から前方に略水平に延びる延長載置面11bと、載置面11aと延長載置面11bの車幅方向外側の端部から上方に起立する側壁11cと、を備えている。物品載置部11は左右両側に縁のあるトレイ状に形成されている。載置面11aの前部の車幅方向中央領域には、上方に起立する後方膨出部15が配置されている。後方膨出部15は、前ブロック部12の後壁の一部を構成している。後方膨出部15は、物品載置部11の前部の車幅方向中央領域において、車両後方側に凸状に膨出している。左右の延長載置面11bは、後方膨出部15によって左右に分断された載置面11aの前方延長領域である。
【0025】
後方膨出部15は、載置面11a上に携帯情報端末等の矩形板状の物品を載置したときに、物品の前側の端部に当接することで物品の前方変位を規制することができる。また、矩形板状の物品を載置面11a上に載置したときには、物品の幅方向外側寄りの前端部の前方には延長載置面11bによるスペースが確保される。載置面11a上から矩形板状の物品を取り出すときには、利用者が延長載置面11bによるスペースに指を差し入れ、物品の前端部に指を掛けて容易に取り出すことができる。
【0026】
前ブロック部12は、上面にシフトレバー16が配置され、内部にレバー連動機器や配線等が内蔵されるブロックである。前ブロック部12の前端部は、インストルメントパネル2の車幅方向中央領域の下方に連結されている。前ブロック部12の後部の車幅方向中央領域には、上記の後方膨出部15が設けられている。前ブロック部12の後部の後方膨出部15の左右両側には、上方に向かって車両前方に傾斜する傾斜壁17が夫々形成されている。各傾斜壁17は、物品載置部11の左右の各延長載置面11bの前方位置に配置され、前席(運転席、または、助手席)に着座した乗員の方向に向かって(着座した乗員にほぼ正対するように)車幅方向にも傾斜している。
【0027】
左右の各傾斜壁17には、携帯情報端末(携帯電話も含む。)等の電気使用機器を接続するための端子接続口18が設置されている。端子接続口18は、電気使用機器との間で電力供給や信号の送受信等を行うための端子を接続するUSBポート等の接続口であるが、形状や構造は任意である。傾斜壁17に設置する端子接続口18の数は、二つ以上であっても良い。この場合、各端子接続口18は、同形態(同規格)のものであっても異なる形態(異なる規格)のものであっても良い。
なお、各端子接続口18には、電気使用機器に接続したケーブル19(図5参照)の端子を接続することができるが、フラッシュメモリ等の機器であれば、機器に突設された端子を直接差し込むことも可能である。
また、左右の各傾斜壁17の上端部には、車両後方側に向かって張り出し、端子接続口18の上方を覆う庇部22が延設されている。
【0028】
後ブロック部13は、上方に開口する物品収納凹部20と、物品収納凹部20の開口20a(図5参照)を開閉する蓋体21と、を備えている。蓋体21は、後端部側に図示しない開閉ヒンジが設けられ、乗員による操作によって開閉ヒンジのヒンジ軸を中心として動作する(回動する)。蓋体21は、物品収納凹部20の開口20aを開くときに、後端側を中心として前端側が上方に大きく持ち上がる。また、蓋体21の上面側と周域には、クッション材が内蔵されている。蓋体21は、物品収納凹部20の開口20aを閉じた状態において、前席に着座した乗員が腕を載せ置くアームレストとしても機能する。
【0029】
ブリッジ部14は、車両前後方向に延び前ブロック部12の後上端部と後ブロック部13(物品収納凹部20)の前上端部とを連結している。ブリッジ部14は、物品載置部11の上方に空間部25を挟んで配置されている。ブリッジ部14の車幅方向の幅は、物品載置部11の載置面11aの車幅方向の幅よりも狭く設定されている。
【0030】
より具体的には、ブリッジ部14の前後方向の中央領域から後端部にかけては、載置面11aよりも車幅方向の幅が充分に狭く、車幅方向の両側の端部が載置面11aの車幅方向の両側の端部よりも内側に位置される狭幅部14aとされている。ブリッジ部14の狭幅部14aの前部側には、車幅方向の幅が前方に向かって漸増する拡幅部14bが設けられている。拡幅部14bの前端部は、前ブロック部12の後部に一体に接続されている。拡幅部14bの前端側の幅方向外側の縁部は、上述した前ブロック部12の庇部22に連結されている。
【0031】
ブリッジ部14の狭幅部14aは、車幅方向の両側の端部が載置面11aの車幅方向の両側の端部よりも内側に位置されているため、図2に示すように、センターコンソール10を上方から見たときには、載置面11aの車幅方向の両側縁の一部が外側に露出して見える。このため、画面が上方を向くように携帯情報端末を載置面11aの側部寄りに載置した場合には、載置した携帯情報端末に近い側の席(運転席、または、助手席)に着座した乗員から携帯情報端末の画面を容易に視認することができる。なお、このとき載置した携帯情報端末から遠い側の席(助手席、または、運転席)に着座した乗員からは、携帯情報端末の画面はブリッジ部14(狭幅部14a)が目隠しとなって視認を遮られる。したがって、前席の各席に着座する乗員が自分に近い側に載置した携帯情報端末の画面を隣の乗員に見られることがなく、前席の乗員各自のプライバシーを保護することができる。
【0032】
また、物品載置部11の前部の左右の各傾斜壁17に設置される端子接続口18は、上面視において、ブリッジ部14と重ならない位置に設置されている。端子接続口18の設置位置は、さらに前席に着座した乗員の視線方向から見てブリッジ部14と重ならない位置であることが望ましい。
また、ブリッジ部14の上面には、パーキングスイッチ等の各種のスイッチSが前後方向に並んで配置されている。
【0033】
図4は、図3のIV-IV線に沿う断面図である。また、図5は、後ブロック部13の蓋体21を開いた状態を示すセンターコンソール10の斜視図である。
図4図5に示すように、物品収納凹部20の前壁20fの左右両側に離間した二位置には、上方側に開口するとともに前壁20fを前後に貫通する貫通溝23が形成されている。各貫通溝23には、携帯情報端末に接続されるケーブル19が上方側から挿入可能とされている。前壁20fの左右の貫通溝23の上部は、物品収納凹部20の上部が蓋体21によって閉じられたときに、蓋体21の前縁部によって閉じられる。換言すると、蓋体21は、開状態時に二つの貫通溝23の上方を開放し、閉状態時に二つの貫通溝23の上方側を覆い、かつ前壁20fの前後の連通を維持する。
【0034】
センターコンソール10は、図5に示すように、前壁20fの二つの貫通溝23を通してケーブル19の余長部を前壁20fに保持させることができる。
具体的には、蓋体21を開いた状態において、例えば、前方から前壁20fの一方の貫通溝23にケーブル19を挿通させ、物品収納凹部20内に引き出されたケーブル19を前壁20fの後面側で幅方向に引き回して他方の貫通溝23に挿通させる。そして、他方の貫通溝23から前壁20fの前方側に引き出したケーブル19を前壁20fの前面側で幅方向に引き回し、再度一方の貫通溝23に挿通させる。これにより、前壁20fの二つの貫通溝23間にケーブル19の余長部が保持されることになる。余長部を前壁20fに保持されたケーブル19の端部は、例えば、携帯情報端末ととも物品収納凹部20内に載置することができる。
【0035】
また、前壁20fの左右の貫通溝23は、図4に示すように、溝内に臨む幅方向内側の側面の下部領域に、上方側に向かって幅方向外側に傾斜する傾斜部23aが設けられている。この傾斜部23aは、ケーブル19が左右の貫通溝23に跨って前壁20fに巻き付けられたときに、ケーブル19の上方側への位置ずれ規制するケーブル規制部として機能する。したがって、ケーブル19が傾斜部23aに当接するようにして、前壁20fにケーブル19を巻き付けることにより、ケーブル19の巻き付け位置を前壁20fの下方寄りの一定位置に保つことができる。この結果、ケーブル19に接続された携帯情報端末等の電気使用機器を、物品収納凹部20内に安定した状態で収納することが可能になる。
【0036】
以上のように本実施形態のセンターコンソール10は、前ブロック部12と後ブロック部13に架設されるブリッジ部14が物品載置部11の上方に空間部25を挟んで配置されている。このため、物品載置部11の上方の主要部分がブリッジ部14によって覆われることになり、乗員がセンターコンソール10の上方側で誤って飲み物等の液体をこぼした場合にも、物品載置部11に載置された物品に飲み物等の液体がかかりにくくなる。
【0037】
また、本実施形態のセンターコンソール10は、端子接続口18が、物品載置部11の前部の傾斜壁17に配置され、かつ、上面視においてブリッジ部14と重ならない位置に位置されている。このため、ブリッジ部14の幅が物品載置部11の幅よりも狭いこととも相俟って、電気使用機器の端子を端子接続口18に対して容易に脱着することができる。
したがって、本実施形態のセンターコンソール10を採用した場合には、物品載置部11上に載置した物品をブリッジ部14によって保護することができるとともに、前席に着座した乗員が電気使用機器の端子を端子接続口18に容易に脱着することができる。
【0038】
また、本実施形態のセンターコンソール10は、端子接続口18が設置される傾斜壁17が、物品載置部11の前部において、前席に着座した乗員の方向に向かって車幅方向にも傾斜している。このため、本構成を採用した場合には、前席に着座した乗員が着座状態のまま、端子接続口18の形状や位置を正確に確認しつつ、端子接続口18にケーブル19等の端子を容易に接続することができ、また、端子接続口18から端子を容易に取り外すことができる。
【0039】
また、本実施形態のセンターコンソール10では、端子接続口18の上方に張り出す庇部22が前ブロック部12に設けられている。このため、端子接続口18の上方側が前ブロック部12の庇部22によって覆われることにより、センターコンソール10の上方に飲み物等の液体がこぼれたときに、こぼれた液体が端子接続口18に直接かかるのを庇部22によって防ぐことができる。
したがって、本構成を採用した場合には、端子接続口18に対する端子の脱着操作性を良好に維持しつつ、端子接続口18を確実に保護することができる。
【0040】
特に、本実施形態では、庇部22の先端部がセンターコンソール10の幅方向の内側に向かって車両後方側に傾斜している。このため、上面視で庇部22の先端部の傾斜と端子接続口18の設置される傾斜壁17の傾斜の傾斜方向(前後方向に対する傾斜方向)が同方向となる。このため、端子接続口18に対する端子の脱着作業時に作業者の手が庇部22と干渉し難くなる。
したがって、本構成を採用した場合には、端子の脱着作業性が良好になる。
【0041】
さらに、本実施形態のセンターコンソール10は、後ブロック部13の物品収納凹部20の周壁を貫通する貫通溝23が設けられ、その貫通溝23が物品収納凹部20の上方側に開口している。そして、貫通溝23には、端子接続口18と電気使用機器を接続するためのケーブル19が上方側から挿通可能とされている。このため、一端部を端子接続口18に接続したケーブル19を貫通溝23に挿通させることにより、ケーブル19の他端部に接続した電気使用機器を、後ブロック部13の物品収納凹部20内に配置することができる。
したがって、本構成を採用した場合には、ケーブル19によって端子接続口18に接続した電気使用機器の載置位置を、物品載置部11と物品収納凹部20から選択して決めることができる。よって、乗員の使用目的や好みに応じて電気使用機器の載置位置を選ぶことができることから、利用者の利便性がより高まる。
【0042】
また、本実施形態のセンターコンソール10は、物品収納凹部20の前壁20fの左右両側に夫々貫通溝23が設けられている。このため、端子接続口18と電気使用機器を接続するためのケーブル19を、左右の貫通溝23を通して、物品収納凹部20の前壁20fに巻き付けることができる。
したがって、本構成を採用した場合には、使用するケーブル19の長さが長いときに、ケーブル19の余長部を物品収納凹部20の前壁20fの左右の貫通溝23間に保持させることができ、利用者の利便性を高めることができる。
【0043】
また、本構成では、前壁20fの左右両側に夫々貫通溝23が設けられているため、左右の各端子接続口20に夫々ケーブル19の端子が接続される場合にも、各ケーブル19を左右の対応する貫通溝23に挿通させることにより、各ケーブル19に接続される電気使用機器を同時に物品収納凹部20に収容することができる。
【0044】
また、本実施形態のセンターコンソール10は、物品収納凹部20の上方を開閉可能に閉じる蓋体21が後ブロック部13に設けられており、蓋体21が開状態のときに、蓋体21が各貫通溝23の上方を開放し、蓋体21が閉状態のときに、蓋体21が各貫通溝23の上方を覆い、かつ前壁20fの前後の連通を維持する。このため、電気利用機器と端子接続口18をケーブル19で接続した状態のまま、電気利用機器を物品収納凹部20内に収納し、その状態のまま蓋体21を閉じることができる。このため、電気利用機器を外部から見えない状態で収納凹部内20に収納し、その状態で電気利用機器の充電等を行うことができる。
したがって、本構成を使用した場合には、電気利用機器をより安全に車内に配置することができる。
また、本構成の場合、蓋体21が閉状態のときに、前壁20fに形成された貫通溝23の上方を蓋体21が覆うことになるため、貫通溝23が外部から見えにくくなり、外部からの見栄えが良好になる。
【0045】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、ケーブル19の挿入を許容する二つの貫通溝23が物品収納凹部20の前壁20fに形成されているが、貫通溝23の数は一つであっても三つ以上であっても良い。
また、貫通溝23の形成位置は物品収納凹部20の前壁20fに限定されない。貫通溝23は、物品収納凹部20の周壁のうちの前壁20f以外の側壁等に形成するようにしても良い。
ただし、上記の実施形態のように貫通溝23を前壁20fに形成した場合には、ケーブル19の引き回しがスムーズになるうえ、ケーブル19が外側から見えにくくなり、外部から見栄えが良好になる。
【符号の説明】
【0046】
10…センターコンソール
11…物品載置部
12…前ブロック部
13…後ブロック部
14…ブリッジ部
17…傾斜壁
18…端子接続口
19…ケーブル
20…物品収納凹部
20f…前壁
21…蓋体
22…庇部
23…貫通溝
25…空間部
図1
図2
図3
図4
図5