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特許7397046チャンバーボックス、被収容体を配置する配置構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】チャンバーボックス、被収容体を配置する配置構造
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20231205BHJP
   F24F 13/24 20060101ALI20231205BHJP
   F24F 8/167 20210101ALI20231205BHJP
   B01J 35/02 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
F24F13/02 A
F24F13/02 H
F24F13/24
F24F8/167
B01J35/02 J
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021194070
(22)【出願日】2021-11-30
(65)【公開番号】P2023080627
(43)【公開日】2023-06-09
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(72)【発明者】
【氏名】末光 優斗
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-080839(JP,A)
【文献】国際公開第2012/153841(WO,A1)
【文献】実公平02-043457(JP,Y2)
【文献】特開平11-137937(JP,A)
【文献】実開平05-070620(JP,U)
【文献】特開2004-223000(JP,A)
【文献】米国特許第6849107(US,B1)
【文献】国際公開第2021/229204(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/02
F24F 13/24
F24F 8/167
B01J 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被収容体を収容可能で、前記被収容体を収容する空間内を空気が上流から下流に流動するチャンバーボックスであって、
前記被収容体は、
前記チャンバーボックスの所定の位置に保持されて固定端となる第1端部と、
前記第1端部から離隔してチャンバーボックス内で自由端となる第2端部と、を有し、
前記チャンバーボックスと前記第2端部とを上流から下流に流動する空気の流れに対して垂直方向に連結し、前記チャンバーボックスに対して上流から下流に流動する空気の流れに沿って選択的に位置づけられ、上流から下流に流動する空気の流れに対して垂直方向に延出する連結部材を備える、チャンバーボックス。
【請求項2】
前記連結部材は、前記被収容体の第2端部と係合可能な第1連結端部と、前記第1連結端部から離隔する第2連結端部とを有し、
前記第2連結端部と係合して、前記第2連結端部を一定の位置に支持する少なくとも1つの係合部を、さらに備える請求項1に記載のチャンバーボックス。
【請求項3】
前記第2端部と向かい合うチャンバー壁部をさらに備え、
前記チャンバー壁部は、複数の前記係合部を有し、
一の係合部が前記第2連結端部と係合して、架設構造を形成する、請求項2に記載のチャンバーボックス。
【請求項4】
前記係合部は、前記被収容体に向かって突出する突出部を有する、請求項2に記載のチャンバーボックス。
【請求項5】
空気が流入するダクトが接続される上流壁と、
前記上流壁と対向し、空気が流出するダクトが接続される下流壁と、を更に備え、
前記チャンバー壁部は、前記上流壁と前記下流壁との間に形成される、請求項3に記載のチャンバーボックス。
【請求項6】
空気が上流から下流に流動するチャンバーボックス内に収容可能な被収容体を配置する配置構造であって、
前記被収容体は、
前記チャンバーボックスの所定の位置に保持されて固定端となる第1端部と、
前記第1端部から離隔してチャンバーボックス内で自由端となる第2端部と、を有し、
前記チャンバーボックスと前記第2端部とを上流から下流に流動する空気の流れに対して垂直方向に連結し、上流から下流に流動する空気の流れに対して垂直方向に延出する連結部材が、前記チャンバーボックスに対して上流から下流に流動する空気の流れに沿って選択的に位置づけられる配置構造。
【請求項7】
前記被収容が、流動する空気を清浄にする空気清浄機である、請求項1~6のいずれか1項に記載のチャンバーボックス。
【請求項8】
前記被収容体は、光触媒を担持させた光触媒フィルタと、
前記光触媒フィルタに向かって光を発する光源と、を備え、
前記光源は、光源支持用フレームと、前記光源支持用フレームに配置された複数の発光ダイオードとで構成されており、前記光源支持用フレームは、上流から下流に流動する空気の流れに対して垂直方向に延出して形成されている、請求項7に記載のチャンバーボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄化ユニットなどの被収容体を収容可能なチャンバーボックスや被収容体を配置する配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
空調装置から排出された空気は、ダクト内を流れて居住空間などに供給される。一般に、居住空間の温度を迅速に変更するために、ダクト内を流れる空気の流量は大きい。また、設定温度などに応じて流量の変動も大きい。このため、ダクトなどに設けられた空気清浄装置などの被収容体は、流動する空気の風力が印加されることで、ダクト内で大きく振動する可能性がある。
【0003】
例えば、振動防止金物などで被収容体を固定する支持部材(例えば、特許文献1参照)や、ブラケットなどで、支持する支持部材(例えば、特許文献2参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特公平05-003324号公報
【文献】特開2001-170432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の支持部材は、被収容体を単に支持するのみで、被収容体の振動を抑えられる構造を有するものではなかった。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものである。その目的は、被収容体の振動を抑えることができるチャンバーボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるチャンバーボックスの特徴は、
被収容体を収容可能で、前記被収容体を収容する空間内を空気が上流から下流に流動するチャンバーボックスであって、
前記被収容体は、
前記チャンバーボックスの所定の位置に保持されて固定端となる第1端部と、
前記第1端部から離隔してチャンバーボックス内で自由端となる第2端部と、を有し、
前記チャンバーボックスと前記第2端部とを上流から下流に流動する空気の流れに対して垂直方向に連結し、前記チャンバーボックスに対して上流から下流に流動する空気の流れに沿って選択的に位置づけられ、上流から下流に流動する空気の流れに対して垂直方向に延出する連結部材を備える。
【発明の効果】
【0008】
流動する流体から力が印加されても被収容体の振動を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態による空気清浄システム10の構成の概略を示す斜視図である。
図2図1における矢印A-A断面を示す断面図である。
図3図1における矢印B-B断面を示す断面図である。
図4】空気清浄化ユニット300の外観を示す斜視図である。
図5】空気清浄化ユニット300の構成を示す斜視図である。
図6図5に示す状態から光触媒フィルタカセットを外したときの状態を示す斜視図である。
図7】光触媒フィルタ344並びに触媒活性用光源350及び不活化用光源360の配置を示す断面図である。
図8】空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造1を示す斜視図である。
図9】空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造1を示す断面図である。
図10】空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造2を示す斜視図である。
図11】空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造3を示す斜視図である。
図12】空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造4を示す断面図である。
図13】空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造5を示す断面図である。
図14】空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造6を示す断面図である。
図15】空気清浄化ユニット300と上壁122及び下壁124との連結構造7を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<<<<<本実施の形態の詳細>>>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態による空気清浄システム10の構成の概略を示す斜視図である。なお、図1では、空気清浄化ユニット300をかくれ線で示した。図2は、図1における矢印A-A断面を示す断面図である。図3は、図1における矢印B-B断面を示す断面図である。なお、図1図2及び図3では、明瞭及び簡便のため、空気清浄化ユニット300をかくれ線で示した。また、図2及び図3では、明瞭のため、フック132及び134並びにワイヤ136及び138を省略して示した。
【0011】
<<方向>>
<上流方向>
上流方向とは、空気などの流体の供給源に向かう方向である。例えば、上流方向は、空調機(空気調和機)などに向かう方向である。
【0012】
<下流方向>
下流方向とは、上流方向とは反対の方向であり、空気などの流体の供給先に向かう方向である。下流方向は、例えば、空気が供給される建物の部屋などに向かう方向である。
【0013】
<上下流方向>
上下流方向は、上流方向及び下流方向に沿った方向である。向きは問わず、上流方向及び下流方向に沿っていればよい。なお、上下流方向は、水平方向でも垂直方向でも、その他の任意の方向でもよい。
【0014】
<上方向、上側、上向きなど>
上方向は、後述する下方向と逆の方向であり、重力の方向と逆の方向である。
【0015】
<下方向、下側、下向きなど>
下方向は、重力の方向である。すなわち、下方向は、物体を吊り下げた糸の示す方向である。
【0016】
<上下方向>
上下方向は、上方向及び下方向に沿った方向である。向きは問わず、上方向及び下方向に沿っていればよい。
【0017】
<前方向、前側、手前側など>
前方向は、一般に、メンテナンスや修理をする作業員の位置に向かう向きである。手前側、手前方向ともいう。前方向は、作業員が操作しやすい側に向かう方向である。
【0018】
<後方向、後側、奥側、奥行き側など>
後方向は、前方向と逆の方向であり、一般に、作業員の位置から離れる向きである。奥側、奥側方向、奥行き方向ともいう。後方向は、作業員が操作しにくい側に向かう方向である。
【0019】
<前後方向>
前後方向は、前方向及び後方向に沿った方向である。向きは問わず、前方向及び後方向に沿っていればよい。
【0020】
<<<<空気清浄システム10の構成>>>>
図1に示すように、空気清浄システム10は、チャンバーボックス100と、空調ダクト200と、空気清浄化ユニット300と、を含む。
【0021】
<<<空調ダクト200>>>
空調ダクト200は、建物などに備えられる空調システムを構成する部材である。空調システムは、例えば、戸建て住宅、マンション、商業設備向けの集中空調管理システム等のほか、航空機などの乗り物用の空調システム等もある。
【0022】
空調ダクト200は、一般に長尺な中空構造を有する。空調ダクト200には、空調機(空気調和機)(図示せず)が連結される。空調機は、冷却、暖房、加湿、除湿などの状態を調節した空気を排出する装置である。空調機から排出された空気は、空調ダクト200内を伝って、建物などの部屋などに供給される。すなわち、空調ダクト200の上流側に空調機が接続され、空調ダクト200の下流側に建物などの部屋が接続されて、空調機からの空気が、空調ダクト200によって上流から下流に向かって案内される。
【0023】
<<<チャンバーボックス100>>>
図1及び図2に示すように、チャンバーボックス100は、空調ダクト200の途中に配置される。チャンバーボックス100は、空調ダクト200の設置時にともに配置されても、既設されている空調ダクト200に、追加的に配置されてもよい。
【0024】
チャンバーボックス100は、略直方体状の形状を有する。チャンバーボックス100は、中空状の形状を有する。チャンバーボックス100は、好ましくは角筒状の形状を有する。なお、チャンバーボックス100は、円筒状の形状を有してもよい。
【0025】
チャンバーボックス100は、中空状であることにより、空気清浄化ユニット300を収容するための収容空間CSを確保できる。図1図3に示すように、空気清浄化ユニット300が、空調ダクト200によって形成される収容空間CSに収納される。
【0026】
チャンバーボックス100は、アルミやステンレスなどの薄い金属によって構成される。チャンバーボックス100は、プラスチックなどの樹脂や、ガラスなどによって構成されてもよい。チャンバーボックス100の材質は、強度や熱伝導や軽量化などを考慮して適宜に選択すればよい。
【0027】
<<6つの壁面>>
チャンバーボックス100は、6つの壁面を有する。具体的には、チャンバーボックス100は、上流壁112及び下流壁116と、上壁122、下壁124、前壁126及び後壁128と、を有する。
【0028】
<上流壁112、下流壁116>
上流壁112と下流壁116は、互いに向かい合って配置される。上流壁112と下流壁116は、薄板状の略四角状の形状を有する。上流壁112と下流壁116は、上流から下流に向かう方向に対して垂直な方向に沿った断面と一致する。
【0029】
上流壁112は、空調ダクト200の上流側に位置する。上流壁112は、上流連通口114を有する。上流壁112は、上流側に配置された空調ダクト200に接続される。空調機からの空気が、上流連通口114を介してチャンバーボックス100に流入する。
【0030】
下流壁116は、空調ダクト200の下流側に位置する。下流壁116は、下流連通口118を有する。下流壁116は、下流側に配置された空調ダクト200に接続される。チャンバーボックス100からの空気が、下流連通口118を介して、下流側の空調ダクト200に流出される。
【0031】
<上壁122、下壁124、前壁126、後壁128>
上壁122、下壁124、前壁126、後壁128は、薄板状の略四角状の形状を有する。上壁122と下壁124とが互いに向かい合って平行に配置される。前壁126と後壁128とが互いに向かい合って平行に配置される。上壁122、下壁124、前壁126、後壁128によって、略四角筒状の形状が画定される。
【0032】
上流壁112及び下流壁116と、上壁122、下壁124、前壁126及び後壁128とによって囲繞される空間により、中空状の収容空間CSが画定される。チャンバーボックス100の収容空間CSでは、空気が、主に上流から下流に流動する。
【0033】
<フック132、134及びワイヤ136、138>
上壁122の上流側の端部と下流側の端部との各々に、フック132、134が設けられている。例えば、フック132、134として、アイボルトなどを用いることができる。フック132には、ワイヤ136の下端部が着脱可能に接続され、フック134には、ワイヤ138の下端部が着脱可能に接続される。
【0034】
図1に示すように、チャンバーボックス100及び空調ダクト200は、一般に、天井裏や屋根裏や床下や壁裏などに形成された配置空間LSに配置される。チャンバーボックス100のワイヤ136の上端部及びワイヤ138の上端部は、配置空間LSの上面(図示せず)に係止されることができる。フック132、134及びワイヤ136、138によって、チャンバーボックス100を吊設することができる。なお、フック132、134及びワイヤ136、138に限られず、チャンバーボックス100を一定の位置に設けることができるものであればよい。
【0035】
後述するように、チャンバーボックス100内に空気清浄化ユニット300が取り付けられて重くなる場合がある。チャンバーボックス100が重くなった場合であっても、チャンバーボックス100を吊設することで、配置空間LSに安定して保持することができる。また、チャンバーボックス100を流れる空気の動作によって振動が生じた場合であっても、チャンバーボックス100を吊設することで、配置空間LSの一定の位置に安定して保持することができる。
【0036】
<後側開口>
チャンバーボックス100は、後側開口(図示せず)を有する。後側開口は、後壁128に形成される。後述する空気清浄化ユニット300を、後側開口を介してチャンバーボックス100に設けることができる。空気清浄化ユニット300は、ボルトなどの締結部材によってチャンバーボックス100に固定される。なお、メンテンナンスや修理の作業性を考慮して、前壁126などの前側に開口を設け(図示せず)、開口を介して空気清浄化ユニット300を後壁128に着脱可能に取り付けるように構成してもよい。
【0037】
なお、空気清浄化ユニット300のチャンバーボックス100への具体的な固定方法は、これに限定されない。例えば、補強部材(図示せず)を介して、空気清浄化ユニット300をチャンバーボックス100に固定してもよい。また、ボルト以外の締結部材やフックなどの係止部材などを用いて空気清浄化ユニット300をチャンバーボックス100に取り付けてもよい。
【0038】
<<チャンバーボックス100の他の態様>>
チャンバーボックス100の形状は、四角筒状だけでなく、円筒状でもよい。また、チャンバーボックス100の形状は、五角筒状や六角筒状などの多角筒状でもよい。
【0039】
チャンバーボックス100の外側表面を断熱部材(図示せず)で被覆してもよい。流動する空気の温度を変化させることなく上流から下流に案内できる。
【0040】
チャンバーボックス100の内側表面の凹凸を少なくして滑らかに形成してもよい。圧力損失を低下させて、円滑に空気を流動させることができる。
【0041】
<<<空気清浄化ユニット300>>>
図4は、空気清浄化ユニット300の外観を示す斜視図である。図5は、空気清浄化ユニット300の構成を示す斜視図である。図6は、図5に示す状態から、後述する光触媒フィルタカセット340を外したときの状態を示す斜視図である。図7は、光触媒フィルタ344並びに触媒活性用光源350及び不活化用光源360の配置を示す断面図である。
【0042】
空気清浄化ユニット300は、光触媒フィルタカセット340と、触媒活性用光源350と、不活化用光源360と、を備える。
【0043】
<光触媒フィルタカセット340>
光触媒フィルタカセット340は、光触媒を担持する光触媒フィルタ344を有する。光触媒フィルタカセット340は、着脱可能にするためカセット状に形成されている。
【0044】
<触媒活性用光源350>
触媒活性用光源350は、紫外光を発する。触媒活性用光源350から発せられた紫外光は、光触媒フィルタカセット340の光触媒フィルタ344に照射される。光触媒フィルタ344の光触媒は、紫外光の照射により活性化する。光触媒フィルタ344の構成については後述する。
【0045】
<不活化用光源360>
不活化用光源360は、触媒活性用光源350から発する紫外光よりも短い波長の紫外光を発する。不活化用光源360から発せられた紫外光は、光触媒フィルタカセット340の光触媒フィルタ344に照射される。触媒活性用光源350から発する紫外光よりも短い波長の紫外光を光触媒フィルタ344に照射することにより、細菌及びウィルスを不活化させる。
【0046】
また、空気清浄化ユニット300は、外板310と、フィルタ用ガイドレール320と、光源支持用フレーム330と、を備える。
【0047】
<外板310>
外板310は、矩形状の形状を有する。外板310は、フィルタ用ガイドレール320を保持したり、空気清浄化ユニット300を空調ダクト200に取り付けたりするための板である。
【0048】
<フィルタ用ガイドレール320>
フィルタ用ガイドレール320は、光触媒フィルタカセット340を着脱可能に支持するための部材である。フィルタ用ガイドレール320は、外板310の内面(空調ダクト200内に臨む面)から空調ダクト200内へと突出するように設けられる。
【0049】
<光源支持用フレーム330>
光源支持用フレーム330は、長尺な形状を有する。光源支持用フレーム330は、外板310の内面から空調ダクト200内へと突出するように設けられる。光源支持用フレーム330には、触媒活性用光源350又は不活化用光源360が設けられる。
【0050】
<光触媒フィルタ344>
光触媒フィルタカセット340は、光触媒フィルタ344を有する。光触媒フィルタ344は、紫外線の照射により光触媒機能を発揮する光触媒を担持する。
【0051】
本実施の形態では、光触媒フィルタ344は、ステンレスやアルミニウム等の無機材料からなるフィルタ基体の表面に、アパタイトや酸化チタン等を含有する光触媒が担持される構造を有する。
【0052】
フィルタ基体は、例えば、ステンレスやアルミニウム等からなる繊維状体を用いて構成された不織布、あるいは、ステンレスやアルミニウム等からなるエキスパンドメタル又はパンチングメタルにより構成される。ステンレスやアルミニウム等の無機材料からなるフィルタ基体を用いることで、フィルタ基体の劣化を抑制し、メンテナンスの削減、交換頻度の削減が可能になる。
【0053】
光触媒の担持方法は、フィルタ基材表面への塗工による方法や、繊維状体基材を用いた場合には繊維状体内へ粒子状の光触媒を担持させる方法などがある。フィルタ基材表面へ担持させる方法は、触媒活性用光源350の発する紫外線を受けやすくできる点で好ましい。一方、繊維状体、メッシュやパンチングメタルを基材として担持させる方法は、空調ダクト200内を流れる空気との接触面積を大きくし、光触媒との接触時間を長くできる点で好ましい。
【0054】
本実施の形態では、光触媒フィルタカセット340は、光触媒フィルタ344とフィルタ用フレーム342とを有する。光触媒フィルタ344は、フィルタ用フレーム342により保持される。光触媒フィルタ344は、フィルタ用フレーム342への保持によって、平坦な形状に延在する。なお、本実施の形態では、2つの光触媒フィルタカセット340を用いているが、光触媒フィルタカセット340の数は、これに限定されず、1つでも3つ以上でもよい。
【0055】
<光触媒フィルタカセット340の支持>
光触媒フィルタカセット340は、互いに向かい合う一対のフィルタ用ガイドレール320により着脱可能に支持される。
【0056】
フィルタ用ガイドレール320は、長尺な形状を有する。フィルタ用ガイドレール320は、先端側(突出端側(外板310から離れる側))と基端側(外板310側)とを有する。
【0057】
フィルタ用ガイドレール320は、断面が略U字状の形状を有する。フィルタ用ガイドレール320は、底溝部と、2つの側壁部とを有する。2つの側壁部は、底溝部を挟んで底溝部から突設され、互いに平行になって向かい合う。互いに離隔する2つの側壁部によって開口部が形成される。
【0058】
一対のフィルタ用ガイドレール320は、開口部が互いに向かい合い、底溝部が互いに離れるように配置される。
【0059】
本実施の形態では、空気清浄化ユニット300は、2つの光触媒フィルタカセット340を有する。2つの光触媒フィルタカセット340の各々に、互いに向かい合う1対のフィルタ用ガイドレール320が用いられる。
【0060】
光触媒フィルタカセット340は、互いに向かい合う1対のフィルタ用ガイドレール320に挟持されて保持される。互いに向かい合う1対のフィルタ用ガイドレール320の先端側(突出端側)から基端側(外板310側)に向かって、光触媒フィルタカセット340の端部をフィルタ用ガイドレール320の開口部内にスライドさせ挿入する。このようにして、光触媒フィルタカセット340が、1対のフィルタ用ガイドレール320を介して外板310へと装着される。
【0061】
光触媒フィルタカセット340のフィルタ用フレーム342は、係止片346を有する。係止片346は、フィルタ用ガイドレール320と向かい合う側に向かって突出する。係止片346は、光触媒フィルタカセット340のスライド方向に対して垂直方向(すなわち、光触媒フィルタ344の法線方向に対して垂直な方向)に突出する。一方、フィルタ用ガイドレール320は、係止孔322を有する。
【0062】
光触媒フィルタカセット340がフィルタ用ガイドレール320に装着されると、光触媒フィルタカセット340の係止片346が、フィルタ用ガイドレール320の係止孔322に係止される。これにより、光触媒フィルタカセット340が、フィルタ用ガイドレール320の所定の位置に固定される。
【0063】
<触媒活性用光源350及び不活化用光源360>
触媒活性用光源350は、光触媒フィルタカセット340に紫外光を照射して光触媒を活性化させるための光源である。不活化用光源360は、細菌やウィルスを不活化させるための光源である。触媒活性用光源350と不活化用光源360とを共通化せずに別個に構成することで、光触媒を活性化することによる脱臭等の効果と、細菌やウィルスを不活化させる効果との両方を、十分に得ることが可能になる。特に、空調ダクト200は、通常の室内用空気清浄機等と比較すると、処理する空気量が多い。このため、脱臭や細菌等の不活化の効果を十分に得るベく、触媒活性用光源350と不活化用光源360とを別個に構成することが望ましい。
【0064】
触媒活性用光源350は、複数の発光ダイオード352を有する。複数の発光ダイオード352は、略直線状に配置される。不活化用光源360は、複数の発光ダイオード362を有する。複数の発光ダイオード362は、略直線状に配置される。触媒活性用光源350を発光ダイオード352により構成し、不活化用光源360を発光ダイオード362により構成することで、例えば、紫外線ランプを用いた場合と比較して、触媒活性用光源350及び不活化用光源360のサイズを小さくできる。具体的には、触媒活性用光源350及び不活化用光源360を薄く形成することができる。このようにすることで、触媒活性用光源350及び不活化用光源360によって、空調ダクト200内の空気抵抗が増加することを抑制することができる。このため、触媒活性用光源350及び不活化用光源360を小さい(細い)空調ダクト200にも適用することができる。
【0065】
また、触媒活性用光源350を発光ダイオード352により構成し、不活化用光源360を発光ダイオード362により構成することで、例えば、紫外線ランプを用いた場合と比較して消費電力を抑えることができる。
【0066】
さらに、発光ダイオード352及び362は、寿命が長く、例えば、5年以上の発光ダイオード交換を必要としない。このため、年に1回程度の交換が必須となる紫外線ランプと比較すると、交換の手間やランニングコストを低減し、メンテナンス性も向上できる。特に、本実施の形態のように、触媒活性用光源350を発光ダイオード352により、不活化用光源360を発光ダイオード362により、別個に構成することで、効果を非常に大きくできる。
【0067】
触媒活性用光源350を構成する発光ダイオード352として、波長360nm以上380nm以下の紫外光を発する発光ダイオードを用いる。本実施の形態では、波長365nmの紫外光を発する発光ダイオード352を触媒活性用光源350として用いた。
【0068】
不活化用光源360を構成する発光ダイオード362として、触媒活性用光源を構成する発光ダイオード352よりも短い波長の紫外光を照射するものを用いる。より具体的には、不活化用光源360を構成する発光ダイオード362として、波長250nm以上280nm以下の深紫外光を発する発光ダイオードを用いる。本実施の形態では、波長280nmの深紫外光を発する発光ダイオード362を不活化用光源360として用いた。
【0069】
図6に示すように、複数の発光ダイオード352が、光源支持用フレーム330に略直線列に並んで配置され、触媒活性用光源350を構成する。複数の発光ダイオード362が、光源支持用フレーム330に略直線列に並んで配置され、不活化用光源360を構成する。発光ダイオード352が配置される光源支持用フレーム330と発光ダイオード362が配置される光源支持用フレーム330とは、互いに平行に離隔して配置される。このため、複数の発光ダイオード352及び複数の発光ダイオード362は、全体としてマトリックス状(複数の格子の交点上)に配置される。
【0070】
本実施の形態では、空気清浄化ユニット300は、2つの光触媒フィルタカセット340を有する。2つの光触媒フィルタカセット340は、互いに離隔して向かい合って配置される。2つの光触媒フィルタカセット340の光触媒フィルタ344の間に、触媒活性用光源350及び不活化用光源360が配置される。
【0071】
図6及び図7に示すように、空気清浄化ユニット300は、合計で、4個の触媒活性用光源350及び2個の不活化用光源360を有する。6本の光源支持用フレーム330が外板310に突設されている。6本の光源支持用フレーム330は、外板310から垂直に延出する。6本の光源支持用フレーム330は、互いに離隔して平行に配置される。4個の触媒活性用光源350及び2個の不活化用光源360の各々は、光源支持用フレーム330に取り付けられる。
【0072】
2つの光触媒フィルタ344の各々に、2個の触媒活性用光源350及び1個の不活化用光源360が対応付けられて配置される。光触媒フィルタ344の各々に対応する2個の触媒活性用光源350は、1個の不活化用光源360を挟んで平行に配置される。2個の触媒活性用光源350及び1個の不活化用光源360から発せられる紫外線は、対応する光触媒フィルタ344に向かって進み照射される。
【0073】
触媒活性用光源350は、不活化用光源360よりも光触媒フィルタカセット340から遠い位置に配置される。これにより、比較的サイズの大きい光触媒フィルタ344に対しても、触媒活性用光源350からの紫外光を光触媒フィルタ344の全体に照射でき、光触媒の活性効果を十分に得ることができる。また、不活化用光源360は、触媒活性用光源350よりも光触媒フィルタカセット340から近い位置に配置される。これにより、不活化用光源360による細菌やウィルスの不活性効果も十分に得ることが可能になる。
【0074】
図7に示すように、触媒活性用光源350及び不活化用光源360は、発せられる紫外光が内側(空調ダクト200内の中央側)から外側(空調ダクト200の内壁側)に向かうように設けられている。これにより、触媒活性用光源350及び不活化用光源360用の配線を、空気清浄化ユニット300の中央部に集めることができ、配線レイアウトを簡略化できる。ただし、これに限らず、外側(空調ダクト200の内壁側)から内側(空調ダクト200内の中央側)に向けて紫外光を発するように、触媒活性用光源350及び不活化用光源360を設けてもよい。この場合、空調ダクト200の内壁に紫外光が照射されにくくなるので、空調ダクト200の劣化を抑制することが可能になる。
【0075】
図4に示すように、外板310の表側(空調ダクト200の外側に露出する面)には、ハンドル312が設けられている。作業者がハンドル312を把持して、空気清浄化ユニット300を空調ダクト200に着脱することができる。
【0076】
外板310の表側には、電源ジャック314が設けられている。電源ジャック314に、電源プラグ(図示せず)が差し込まれる。電源プラグは、電源供給装置(図示せず)から延びる電源コード(図示せず)の端部に設けられている。
【0077】
電源ジャック314の近傍には、通知用発光ダイオード316が設けられている。通知用発光ダイオード316は、電源供給の状態や、触媒活性用光源350及び不活化用光源360の駆動の状態などを発光により通知する。
【0078】
<基端部302及び先端部304>
フィルタ用ガイドレール320の基端側(外板310に最も近い側)が、空気清浄化ユニット300の基端部302である。フィルタ用ガイドレール320の先端側(突出端側(外板310から最も離れる側)が、空気清浄化ユニット300の先端部304である。
【0079】
<<<空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造1>>>
図8は、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造1を示す斜視図である。なお、図8では、簡便のため、空気清浄化ユニット300の輪郭を実線で示した。また、図8では、明確のため、チャンバーボックス100は、前壁126のみを示し、他の壁は、省略して示した。図9は、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造1を示す断面図である。
【0080】
空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造1は、複数の突起部152と連結体172とを有する。複数の突起部152は、前壁126に設けられ、連結体172は、空気清浄化ユニット300に設けられる。連結体172が、空気清浄化ユニット300と前壁126の突起部152とに架設されることで、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造が形成される。
【0081】
<<複数の突起部152>>
複数の突起部152は、前壁126に立設される。複数の突起部152は、空気清浄化ユニット300に向かって突出する。空気清浄化ユニット300に向かって突出する長さは、連結体172と係合できる長さであればよい。
【0082】
複数の突起部152は、薄板状の形状を有する。複数の突起部152を薄板状の形状としたことにより、チャンバーボックス100を流動する空気の流れを妨げにくくできる。
【0083】
複数の突起部152は、上下流方向及び上下方向にも、互いに離隔して複数の位置に設けられる。複数の突起部152は、前壁126の平面上に分散して設けられる。
【0084】
複数の突起部152が隣り合う間隔は、上下流方向及び上下方向についても、適宜に定めればよい。空気清浄化ユニット300の位置や空気の流れなどに応じて、隣り合う間隔を適宜に定めることができる。隣り合う間隔は、同じである必要はない。連結体172が配置される可能性の高いところに突起部152を多く配置し、連結体172が配置される可能性の低いところには突起部152を少なく配置すればよい。
【0085】
図8に示した例では、20個(=5×4)の突起部152が前壁126に設けられている。複数の突起部152の数は、問わない。突起部152は、連結体172が配置される可能性の位置に適宜に配置すればよい。突起部152の数は、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造が形成できる数であればよい。
【0086】
<<<連結体172>>>
連結体172は、長尺な形状を有する。連結体172は、細長い形状を有する。連結体172は、長手方向に一定の長さを有する。連結体172は、前壁126に向かって延出する。連結体172は、前壁126に到達する長さを有すればよい。
【0087】
連結体172は、第1の端部172Aと第1の端部172Aから離隔する第2の端部172Bとを有する。第1の端部172Aは、空気清浄化ユニット300の先端部304に位置づけられる端部である。第1の端部172Aは、空気清浄化ユニット300に固定的に取り付けられる。第2の端部172Bは、第1の端部172Aから離隔した端部である。第2の端部172Bは、空気清浄化ユニット300から最も離隔する端部である。
【0088】
連結体172は、薄板状の形状を有する。連結体172の幅(上下流方向に沿った長さ)は、突起部152の幅に合わせて定めることができる。連結体172は、一定の幅を有する必要はない。連結体172の先端部(第2の端部172B)が、突起部152との係合状態を保つことできる幅を有すればよい。連結体172の幅は、突起部152の幅よりも広いのが好ましい。空気の流れなどによって、連結体172の先端部(第2の端部172B)が変位しても、突起部152との係合状態を断つことができる。
【0089】
連結体172は、金属でも樹脂でもよい。連結状態を安定して維持でき、チャンバーボックス100を流動する空気に影響を与えなければよい。連結体172は、弾性を有する材料でもよい。弾性を有することで、連結体172に印加された振動を吸収し、連結状態を安定させることができる。
【0090】
連結体172は、空気清浄化ユニット300の所定の位置に取り付けられている。連結体172は、前壁126に到達するように取り付けられればよい。連結体172は、空気清浄化ユニット300に着脱可能に設けられる。連結体172は、空気清浄化ユニット300の一定の位置に及び一定の突出長さとなるように設けられる。
【0091】
連結体172の本数は問わない。空気清浄化ユニット300を安定させることができ、空気の流れを妨げなければよい。
【0092】
<<<空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造2>>>
図10は、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造2を示す斜視図である。なお、図10では、チャンバーボックス100の全体を省略し、係合孔154を有する前壁126のみを示した。
【0093】
空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造2は、複数の係合孔154と連結体172とを有する。複数の係合孔154は、前壁126に設けられ、連結体172は、空気清浄化ユニット300に設けられる。連結体172が、空気清浄化ユニット300と前壁126とに架設されることで、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造が形成される。
【0094】
<<複数の係合孔154>>
複数の係合孔154は、係合孔形成板160に設けられる。係合孔形成板160は、前壁126に設けられる。係合孔形成板160は、所定の厚さを有する板状の形状を有する。係合孔154は、係合孔形成板160に形成された貫通孔である。なお、係合孔154は、貫通孔でなくても、連結体172の第2の端部172B(後述)と係合できる深さを有する孔であればよい。
【0095】
係合孔154の輪郭は、略四角筒状の形状を有する。係合孔154の輪郭は、筒状(三角筒、四角筒、円筒など)でも錘状(三角錐、四角錘、円錐など)、錘台状(三角錐台、四角錘台、円錐台など)でもよい。連結体172の先端部(第2の端部172B)と的確に係合できる形状であればよい。係合孔154の深さが、係合孔形成板160の厚さである。係合孔形成板160の厚さは、連結体172の先端部(第2の端部172B)と係合できる長さであればよい。係合孔154は、空気清浄化ユニット300に向かって開口する。
【0096】
複数の係合孔154は、上下流方向及び上下方向にも、互いに離隔して複数の位置に設けられる。複数の係合孔154は、前壁126の平面上に分散して位置付けられる。
【0097】
複数の係合孔154が隣り合う間隔は、上下流方向及び上下方向についても、適宜に定めればよい。空気清浄化ユニット300の位置や空気の流れなどに応じて、係合孔154が隣り合う間隔を適宜に定めることができる。係合孔154が隣り合う間隔は、同じである必要はない。連結体172が配置される可能性の高いところに係合孔154を多く配置し、連結体172が配置される可能性の低いところには係合孔154を少なく配置すればよい。
【0098】
複数の係合孔154の数は、問わない。連結体172が配置される可能性の位置に適宜に配置すればよい。
【0099】
なお、連結体172は、薄板状の形状を有する。連結体172の断面形状の全体が同じ形状である必要はない。連結体172の先端部(第2の端部172B)が、係合孔154と適切に係合できればよい。連結体172の先端部(第2の端部172B)の形状は、薄板状でも、角柱状でも、錘状(三角錐、四角錘、円錐など)、錘台状(三角錐台、四角錘台、円錐台など)でもよい。
【0100】
前述したように、係合孔154の輪郭は、筒状(三角筒、四角筒、円筒など)でも錘状(三角錐、四角錘、円錐など)、錘台状(三角錐台、四角錘台、円錐台など)などの立体形状にすることができる。連結体172の先端部(第2の端部172B)の形状は、係合孔154の輪郭の形状に合わせて立体形状にすることで、連結体172の先端部(第2の端部172B)と係合孔154との接触面積を大きくできる。また、連結体172の先端部(第2の端部172B)を、係合孔154に係合させるだけでなく、確実に収容して嵌合させることができる。このようにすることで、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結状態をより安定化させることができる。
【0101】
連結体172の先端部(第2の端部172B)だけでなく、連結体172の全体が同じ断面形状でもよい。
【0102】
<<<空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造3>>>
図11は、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造3を示す斜視図である。なお、図11では、連結体172を省略し、突出片156を有する前壁126のみを示した。
【0103】
空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造3は、複数の突出片156と連結体172とを有する。複数の突出片156は、前壁126に設けられ、連結体172は、空気清浄化ユニット300に設けられる。連結体172が、空気清浄化ユニット300と前壁126とに架設されることで、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造が形成される。
【0104】
<<複数の突出片156>>
複数の突出片156は、前壁126に立設される。複数の突出片156は、空気清浄化ユニット300に向かって突出する。空気清浄化ユニット300に向かって突出する長さは、連結体172と係合できる長さであればよい。
【0105】
複数の突出片156は、薄板状の形状を有する。複数の突出片156は、長尺な形状を有する。複数の突出片156の長手方向は、上下流方向と平行である。複数の突出片156を薄板状の形状とし、長手方向を上下流方向にしたことにより、チャンバーボックス100を流動する空気の流れを妨げにくくできる。
【0106】
複数の突出片156は、上下方向に互いに離隔して複数の位置に設けられる。複数の突出片156は、前壁126の上下方向に分散して設けられる。
【0107】
複数の突出片156が隣り合う間隔は、上下方向について適宜に定めればよい。空気清浄化ユニット300の位置や空気の流れなどに応じて、隣り合う間隔を適宜に定めることができる。突出片156が隣り合う間隔は、同じである必要はない。連結体172が配置される可能性の高いところに突出片156を多く配置し、連結体172が配置される可能性の低いところには突出片156を少なく配置すればよい。
【0108】
複数の突出片156の数は、問わない。連結体172が配置される可能性の位置に適宜に配置すればよい。
【0109】
複数の突出片156は、長尺な形状を有し、長手方向を上下流方向にしたことにより、連結体172の先端部(第2の端部172B)を上下流方向の任意の位置に位置付けることができ、作業を簡便にすることができる。
【0110】
<<<空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造4>>>
図12は、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造4を示す断面図である。
【0111】
空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造4は、連結体178を有する。なお、連結構造4において、前壁126は、前述した突起部152、係合孔154、突出片156のいずれでも有することができる。連結体178は、突起部152、係合孔154、突出片156のいずれかと係合することができる。連結体178は、空気清浄化ユニット300に設けられる。連結体178が、空気清浄化ユニット300と前壁126とに架設されることで、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造が形成される。
【0112】
<<<連結体178>>>
前述した連結体172は、空気清浄化ユニット300の所定の位置に固定的に設けられていた。このため、空気清浄化ユニット300の全体の位置を調整することで、連結体172の先端部(第2の端部172B)の位置を調整して、突起部152、係合孔154、突出片156と係合させる必要があった。すなわち、メンテナンスなどの作業者は、空気清浄化ユニット300を把持して、空気清浄化ユニット300を少しずつ移動させて、連結体172の先端部(第2の端部172B)を、突起部152、係合孔154、突出片156に係合させる必要があった。それゆえに、作業が煩雑にならざるを得なかった。
【0113】
図12に示すように、連結体178は、空気清浄化ユニット300の前後方向に沿って移動可能に設けられる(図12の黒色の矢印参照)。空気清浄化ユニット300は、案内部180を有する。案内部180は長尺な形状を有する。案内部180は、空気清浄化ユニット300の基端部302から先端部304に至るまで空気清浄化ユニット300の下部に設けられている。案内部180は、長手方向に沿って長尺な貫通孔を有する。連結体178は、案内部180の貫通孔に移動可能に挿通されている。
【0114】
連結体178は、長尺な形状を有する。連結体178は、第1の端部178Aと第1の端部178Aから離隔する第2の端部178Bとを有する。図12に示す第1の端部178Aは、空気清浄化ユニット300の先端部304に位置する部分(先端部304と係合する部分)である。第2の端部178Bは、空気清浄化ユニット300から最も離隔する先端部である。
【0115】
連結体178は、外板310から突出できるとともに、前壁126からも突出できる。作業者が、外板310から突出している連結体178の部分を把持して、連結体178を前壁126に向かって押すことで、連結体178の先端部(第2の端部178B)を前壁126に近づけるように移動させることができる(図12の白抜きの矢印参照)。反対に、作業者が、連結体178を外板310から引き出すことで、連結体178の先端部を前壁126から離れるように移動させることができる。
【0116】
連結体178の操作で、突起部152、係合孔154、突出片156と係合させたり、係合を解除したりでき、作業を簡便にできる。
【0117】
<<<空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造5>>>
図13は、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造5を示す断面図である。
【0118】
空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造5は、複数の突出片158と連結体182とを有する。複数の突出片158は、前壁126に設けられ、連結体182は、空気清浄化ユニット300に設けられる。連結体182が、空気清浄化ユニット300と前壁126とに架設されることで、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造が形成される。
【0119】
図12に示した連結構造4は、連結体178を直線移動させて往復移動可能にするものであった。連結構造5の連結体182は、回転移動させて往復移動可能にする。
【0120】
<連結体182>
連結体182は、空気清浄化ユニット300の前壁126と向かい合う位置に設けられる。空気清浄化ユニット300をチャンバーボックス100に取り付けるときには、連結体182は、空気清浄化ユニット300側に折り曲げられた状態にされる。空気清浄化ユニット300がチャンバーボックス100に取り付けられた後に、連結体182を回転させることで、突出片158と係合させることができる。
【0121】
連結体182は、第1の端部182Aと第1の端部182Aから離隔する第2の端部182Bとを有する。第1の端部182Aは、空気清浄化ユニット300の先端部304に位置づけられる端部である。第1の端部182Aは、空気清浄化ユニット300に回転可能に取り付けられる。第2の端部182Bは、第1の端部182Aから離隔した端部である。第2の端部182Bは、空気清浄化ユニット300から最も離隔する端部である。
【0122】
連結体182は、第2の端部182Bに突出する係止突出部184を有する。
【0123】
<突出片158>
突出片158は、突出片156と同様の構成を有する。突出片158は、先端部に突出片158から突出する係止突出部162を有する。
【0124】
連結体182が回転して、突出片158と係合すると、連結体182の係止突出部184と、突出片158の係止突出部162とが互いに向かい合って係止する。係止突出部184と係止突出部162との係止により、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結状態が維持される。振動などが加えられても、空気清浄化ユニット300は、チャンバーボックス100から離脱することなく、常に連結され、安定した連結構造が形成される。
【0125】
なお、連結体182を回転させるための案内部や治具など(図示せず)を設け、作業者が、外板310側から連結体182を回転させるのが好ましい。操作を簡便にすることができる。
【0126】
<<<空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造6>>>
図14は、空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造6を示す断面図である。連結構造6は、係止爪を有し、係止状態をより的確にする。連結構造6は、図13に示した連結構造5に対応する。
【0127】
<<掛止爪186及び掛止爪164>>
図14に示すように、連結体182の係止突出部184は、係止突出部184から延出する掛止爪186を有する。なお、図14では、簡便のため、空気清浄化ユニット300及び前壁126を省略して示した。
【0128】
突出片158の係止突出部162は、係止突出部162から延出する掛止爪164を有する。連結体182の係止突出部184の掛止爪186と、突出片158の係止突出部162の掛止爪164とが掛止することで、空気清浄化ユニット300は、チャンバーボックス100から離脱することなく、常に連結され、安定した連結構造が形成される。
【0129】
掛止爪186及び掛止爪164は、回転移動する連結構造5だけではなく、直線移動する連結構造4などにも適用することができる。
【0130】
<<<空気清浄化ユニット300とチャンバーボックス100との連結構造7>>>
前述した連結構造1~6は、いずれも、空気清浄化ユニット300と前壁126とを連結するものであったが、これに限られない。空気清浄化ユニット300との間に間隙を有する上壁122や下壁124にも、連結構造1~6と同様の連結構造を設けることができる。図15は、連結構造7を示す断面図である。
【0131】
空気清浄化ユニット300と上壁122との間に連結体188Aを設け、空気清浄化ユニット300と下壁124との間に連結体188Bを設ける。このようにすることで、空気清浄化ユニット300を的確に保持し、振動など影響を防止することができる。
【0132】
さらに、上流壁112や下流壁116との間にも、前述した連結構造1~6と同様の連結構造を設けることもできる。
【0133】
<<<作業用照明>>>
空気清浄化ユニット300に可視光を発する光源を設けてもよい。具体的には、空気清浄化ユニット300の上壁122、下壁124、前壁126と向かい合う位置に光源を設ける。光源を設けることで、上壁122、下壁124、前壁126を照明することができる。光源は、作業中のみ点灯し、空気清浄化ユニット300の通常動作時には消灯させるのが好ましい。上壁122、下壁124、前壁126などのチャンバーボックス100の内部を明るくして作業を視認しやすくできる。
【0134】
なお、空気清浄化ユニット300とは別体に可視光を発する光源を設けてもよい。光源は、チャンバーボックス100の内部を明るくできるものであればよい。操作や制御によって点灯及び消灯を選択できればよい。
【0135】
なお、本実施の形態では、光触媒フィルタ344の延在する面が、上流から下流に向かう空気の流れと平行になるように、光触媒フィルタ344を配置する場合について説明したが、光触媒フィルタ344の配置は、これに限られない。例えば、光触媒フィルタ344の延在する面が、空気の流れに対して垂直になるように、光触媒フィルタ344を配置してもよい。また、光触媒フィルタ344の延在する面が、空気の流れに対して所定の角度をなすように、光触媒フィルタ344を配置してもよい。
【0136】
<<<<実施の形態の範囲>>>>
上述したように、本実施の形態を記載した。しかし、この開示の一部をなす記載及び図面は、限定するものと理解すべきでない。ここで記載していない様々な実施の形態等が含まれる。
【0137】
(発明の実施態様)
<<第1の実施態様>>
第1の実施態様によれば、
被収容体(たとえば、前述した空気清浄化ユニット300など)を収容可能なチャンバーボックスであって、
前記被収容体は、
前記チャンバーボックスの所定の位置に保持されて固定端となる第1端部(たとえば、前述した空気清浄化ユニット300の基端部302など)と、
前記第1の端部から離隔してチャンバーボックス内で自由端となる第2端部(たとえば、前述した空気清浄化ユニット300の先端部304など)と、を有し、
前記チャンバーボックスと前記第2端部とを連結し、前記チャンバーボックスに対して選択的に位置づけられる連結部材(たとえば、前述した連結体172、連結体178、連結体182、連結体188A、連結体188Bなど)を備える。
【0138】
チャンバーボックスは、被収容体を収容することができる、被収容体は、第1端部と第2端部とを有する。第1端部は、チャンバーボックスの所定の位置に保持される端部である。第1端部は、固定端である。
【0139】
第2端部は、第1の端部から離隔した端部である。第2端部は、チャンバーボックス内で自由端となる。
【0140】
チャンバーボックスは、連結部材を備える。連結部材は、チャンバーボックスと第2端部とを連結する。連結部材は、チャンバーボックスに対して選択的に位置づけられる。
【0141】
チャンバーボックスは、連結部材によって第2端部が支持されるので、流動する流体から力が被収容体に印加されても被収容体の振動を抑えることができる。連結部材は、選択的に位置づけられるので、連結のために適切な位置を選択して連結部材を配置でき、被収容体の振動を的確に抑えることができる。
【0142】
なお、連結部材による連結は、力学的なもののほか、電磁気的なものなど、連結する力を発するものであればよい。
【0143】
<<第2の実施態様>>
第2の実施態様は、第1の実施態様において、
前記連結部材は、前記被収容体の第2端部と係合可能な第1連結端部(たとえば、前述した第1の端部172Aや第1の端部178Aや第1の端部182Aなど)と、前記第1連結端部から離隔する第2連結端部(たとえば、前述した第2の端部172Bや第2の端部178Bや第2の端部182Bなど)とを有し、
前記第2連結端部と係合して、前記第2連結端部を一定の位置に支持する少なくとも1つの係合部(たとえば、前述した突起部152、係合孔154、突出片156、突出片158など)を、さらに備える。
【0144】
少なくとも1つの係合部は、第2連結端部を一定の位置に支持する。被収容体を安定して位置付けつつ、被収容体の振動を的確に抑えることができる。
【0145】
<<第3の実施態様>>
第3の実施態様は、第2の実施態様において、
前記第2端部と向かい合うチャンバー壁部(たとえば、前述した前壁126など)をさらに備え、
前記チャンバー壁部は、複数の前記係合部を有し、
一の係合部が前記第2連結端部と係合して、架設構造を形成する。
【0146】
チャンバー壁部は、複数の係合部を有し、一の係合部が第2連結端部と係合して、架設構造を形成する。被収容体を一定の位置に支持して、被収容体の振動を抑えることができる。
【0147】
<<第4の実施態様>>
第4の実施態様は、第2の実施態様において、
前記係合部は、前記被収容体に向かって突出する突出部(たとえば、前述した突起部152、突出片156など)を有する。
【0148】
連結部材を突出部に係合させればよく、連結部材の取り付け作業を容易にすることができる。
【0149】
<<第5の実施態様>>
第5の実施態様は、第3の実施態様において、
空気が流入するダクトが接続される上流壁と、
前記上流壁と対向し、空気が流出するダクトが接続される下流壁と、を更に備え、
前記チャンバー壁部は、前記上流壁と前記下流壁との間に形成される。
【0150】
ダクトから振動を伝えられたり、ダクトに振動を伝えたりすることを防止できる。振動に影響されずに、ダクトからの空気を的確に流動させることができる。
【0151】
<<第6の実施態様>>
第6の実施態様によれば、
チャンバーボックス内に収容可能な被収容体(たとえば、前述した空気清浄化ユニット300など)を配置する配置構造であって、
前記被収容体は、
前記チャンバーボックスの所定の位置に保持されて固定端となる第1端部(たとえば、前述した空気清浄化ユニット300の基端部302など)と、
前記第1の端部から離隔してチャンバーボックス内で自由端となる第2端部(たとえば、前述した空気清浄化ユニット300の先端部304など)と、を有し、
前記チャンバーボックスと前記第2端部とを連結する連結部材(たとえば、前述した連結体172、連結体178、連結体182、連結体188A、連結体188Bなど)が、前記チャンバーボックスに対して選択的に位置づけられる。
【0152】
チャンバーボックスは、連結部材によって第2端部が支持されるので、流動する流体から力が被収容体に印加されても被収容体の振動を抑えることができる。連結部材は、選択的に位置づけられるので、連結のために適切な位置を選択して連結部材を配置でき、被収容体の振動を的確に抑えることができる。
【0153】
<<第7の実施態様>>
第7の実施態様は、第1~第6の実施態様において、
前記被収容物が、流動する空気を清浄にする空気清浄機である。
【0154】
空気清浄機は、振動の影響を受けることなく、チャンバーボックス内で一定の位置に保持される。これにより、空気清浄機を安定して動作させることができ、室内などに供給する空気の清浄性を保つことができる。
【符号の説明】
【0155】
10 空気清浄システム
100 チャンバーボックス
152 突起部、
154 係合孔
156 突出片
158 突出片
172 連結体
178 連結体
200 空調ダクト
300 空気清浄化ユニット
302 基端部
304 先端部
CS 収容空間
LS 配置空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15