(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】可動自在に結合されたスクリーンアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H04N 5/74 20060101AFI20231205BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20231205BHJP
G03B 21/56 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
H04N5/74 C
G03B21/14 Z
G03B21/56
(21)【出願番号】P 2021208224
(22)【出願日】2021-12-22
(62)【分割の表示】P 2019161810の分割
【原出願日】2015-01-02
【審査請求日】2021-12-22
(32)【優先日】2014-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507236292
【氏名又は名称】ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バスラー、ブラッド
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、トレバー
(72)【発明者】
【氏名】ゴーニー、ダグラス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アレン、ウィルソン
【審査官】佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0010356(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0009860(US,A1)
【文献】特開2010-060745(JP,A)
【文献】特開2007-286348(JP,A)
【文献】特公昭49-005256(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/74
H04N 9/31
G03B 21/00
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投射表示システム用の投射スクリーン上のスペックルアーチファクトを低減するための方法であって、前記投射表示システムは、少なくとも部分的にコヒーレントな光源と、少なくとも1つのシェーカとを含み、前記少なくとも1つのシェーカは、ベース揺動装置と、前記ベース揺動装置に装着されたカプラと、前記ベース揺動装置に装着され、かつ前記投射スクリーンの非観察側に直接的に隣接した場所に前記カプラを配置するように構成された配置装置とを含み、
試験画像で
前記投射スクリーンを照射するステップと、
少なくとも1つのシェーカによって誘発された
スペックルアーチファクトを識別するステップと、
少なくとも1つのシェーカによって誘発された
スペックルアーチファクトを低減するべく少なくとも1つのシェーカパラメータを調節するステップと、を備え、前記調節するステップは、
前記配置装置の慣性モーメントを調節することを含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのシェーカパラメータは、前記シェーカの周波数、前記シェーカの形状、前記シェーカによって誘発される動き、前記シェーカの圧力、前記シェーカの振り子の均衡状態、前記シェーカの接触面積、前記シェーカの変調、前記シェーカの角度、前記シェーカを保持する組立体の機械的調節、及び前記投射スクリーンに対する前記シェーカの近接位置を変化させる調節のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのシェーカによって誘発された
スペックルアーチファクトは、前記シェーカの接触面積と関連付けられたスペックルパターンを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記調節するステップはリモート制御を開始するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記リモート制御を開始するステップは、複数のシェーカのうちの少なくとも1つを識別し、識別された前記1つ又は複数のシェーカに制御信号を送信することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記識別されたシェーカは、複数のシェーカ内におけるシェーカのセットを含み、前記制御信号は、前記識別されたシェーカの各々を同様に調節するように設定されている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記
配置装置は、
前記ベース揺動装置に装着されたスイングアームと、前記スイングアーム上に設けられた錘
とを含み、前記調節するステップは、前記スイングアームに対して前記錘を運動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記
配置装置は、
前記ベース揺動装置に装着されたスイングアームと、前記スイングアームに設けられた可動延伸部と、前記可動延伸部に取り付けられた錘とを備え、前記調節は、前記可動延伸部を延伸又は退避させることにより、前記錘が前記可動延伸部を通じて前記
スイングアームに適用する梃子の作用量を増大又は減少させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記可動延伸部を延伸又は退避させることは電気的に開始される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記配置装置は、前記ベース揺動装置に取り付けられた第1の端部と、第2の端部と、回動軸とを有するスイングアームを含み、
前記慣性モーメントを調節することは、
前記スイングアームの前記第2の端部に第1の錘を配置し、前記スイングアームの前記回動軸の近傍に第2の錘を配置することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記調節するステップは、前記シェーカ
の前記カプラが前記投射スクリーンに直接的に隣接し且つ前記投射スクリーンと平行になるように前記シェーカを調節することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
調節された前記シェーカは、前記投射スクリーンとの接触状態にはあるが前記投射スクリーンに対して圧力を作用させないような均衡状態とされている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
調節された前記シェーカは、前記シェーカ及び
前記カプラによって誘発される試験画像アーチファクトの最小値による最大スペックル低減のために前記投射スクリーンに可能な限り近接している、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
調節された前記シェーカは、前記投射スクリーンとの接触状態にあり且つ前記投射スクリーンに対し十分な圧力を作用させて前記投射スクリーンとの接触を維持するような均衡状態とされている、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
調節された
前記シェーカ
の前記カプラは、前記投射スクリーンとの接触状態にあり且つ前記投射スクリーンの突出を引き起こすことなく前記投射スクリーンに十分な圧力を作用させて前記投射スクリーンに接触及び隣接した状態を維持するような均衡状態とされている、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
空調又は換気システム、
または入口及び/又は出口ドアの開放に伴う空気の流
れに起因した投射スクリーンの運動を考慮して、前記シェーカ
の前記カプラの接触及び隣接が維持される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記投射スクリーンがテーマパークの乗り物に設置された場合における、テーマパークの乗り物によって誘発される動き、爆発、熱によって誘発される動き、ファン、又は小道具の動き
に起因した投射スクリーンの運動を考慮して、前記シェーカの前記カプラの接触及び隣接が維持される、請求項
15に記載の方法。
【請求項18】
前記配置装置を用いて前記カプラの面を前記投射スクリーンに対して平行及び隣接した状態に維持するステップを更に備える請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタ表示システムに関し、より詳しくは、投射スクリーン上のスペックル(speckle)を低減及び/又は減衰させるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コヒーレントな又は部分的にコヒーレントな光源(例えば、レーザー、LED、又はこれらに類似したもの)を使用したプロジェクタシステムにおいては、スペックルの問題が発生しうる。スペックルは、プロジェクタスクリーンから反射及び/又は散乱したコヒーレントな又は部分的にコヒーレントな光の干渉に起因して生じる。スペックルは、通常、プロジェクタシステム設計者がその除去及び/又は減少を追及する望ましくない可視アーチファクトである。
【0003】
当該技術分野においては、プロジェクタスクリーン上における(例えば、特に、観察者が見る方向、即ち、z軸方向(ここで、x、y軸は、スクリーンの平面を実質的に表す))における振動の誘発がこのようなスペックルを低減及び/又は除去する傾向を有することが知られている。
【0004】
当該技術分野においては、いくつかの解決策が、例えば、
(1)2012年8月16日に公開された「表示システムにおけるスペックルの影響を低減する装置」(DEVICE FOR REDUCING SPECKLE EFFECT IN A DISPLAY SYSTEM)を名称とするチャン(Chan)らの特許文献1、
(2)2011年8月11日に公開された「スペックルコントラストを低減させた微小電気機械システム」(MICROELECTROMECHANICAL SYSTEM WITH REDUCED SPECKLE CONTRAST)を名称とするデサイ(Desai)の特許文献2、
(3)2009年2月5日に公開された「ライン生成要素を振動させることによりスペックルを低減する方法及びシステム」(METHOD AND SYSTEM FOR REDUCING SPECKLE BY VIBRATING A LINE GENERATING ELEMENT)を名称とするカーン(Khan)らの特許文献3、
(4)2013年1月10日に公開された「スクリーン振動技法及び装置を使用したスペックル低減」(SPECKLE REDUCTION USING SCREEN VIBRATION TECHNIQUES AND APPARATUS)を名称とするカーティス(Curtis)らによる特許文献4、及び
(5)2006年10月26日に公開された「スペックル低減光学実装装置」(SPECKLE REDUCTION OPTICAL MOUNT DEVICE)を名称とするリゾット(Lizotte)らの特許文献5
などに記載されており、これらの文献はいずれも引用によりそのすべてが本明細書に包含される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2012/0206784号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0194082号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0034037号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0010356号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0238743号明細書
【発明の概要】
【0006】
コヒーレントな又は部分的にコヒーレントな光源(例えば、レーザー、LED)を用いた投射表示システムの投射スクリーン上でのスペックルを減衰させるスペックル減衰システムが開示される。一実施形態において、回転自在に結合されたシステムが開示され、このシステムは、アクチュエータのセットと、少なくとも1つのアクチュエータをそれぞれ取り付け可能とし回転自在に結合されたマウントのセットとを備える。回転自在に結合されたマウント上において取り付けられた少なくとも1つのアクチュエータは、投射スクリーンに対して可動自在かつ機械的に連動する。別の実施形態において、線形結合されたシステムが開示され、このシステムは、アクチュエータのセットと、少なくとも1つのアクチュエータをそれぞれ取り付け可能とし線形結合されたマウントのセットとを備える。線形結合されたマウント上において取り付けられた少なくとも1つのアクチュエータは、投射スクリーンに対して可動自在かつ機械的に連動する。
【0007】
別の実施形態において、回転自在に結合されたシステム及び線形結合されたシステムは、いずれも磁気結合システムを更に有してもよく、磁気結合システムは、プロジェクタスクリーンに付着された第1磁気要素と、アクチュエータに実質的に近い位置に取り付けられた第2磁気要素とを備える。第2磁気要素は、第1磁気要素と第2磁気要素との間の磁力が、投射スクリーンに対するアクチュエータの所望の機械的連動を実質的に維持可能とするように第1磁気要素に実質的に近い位置に配置されている。
【0008】
本システムのその他の特徴及び利点は、本出願において提示されている図面との関連において参照される以下の「発明を実施するための形態」において提示される。
参照される添付図面の各図には、例示のための実施形態が示されている。本明細書において開示されている実施形態及び図は、限定ではなく、例示を目的としたものと見なされるべきものであることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】スクリーンの背面上においてスクリーンに結合された機械的アクチュエータを有する従来のプロジェクタスクリーンの正面図である。
【
図1B】実質的に固定された方式によってスクリーンに結合された機械的アクチュエータを有する従来のプロジェクタスクリーンの側面図である。
【
図2】Aは、実質的にフラットな係合表面を有するアクチュエータとスクリーンとの間で適切な結合を提供する支持構造に回転自在に結合された機械的アクチュエータを示し、Bは、実質的に湾曲した係合表面を有するアクチュエータとスクリーンとの間で適切な結合を提供する支持構造に回転自在に結合された機械的アクチュエータを示す。
【
図3A】回転自在に結合されたアクチュエータシステムの代替実施形態を示す。
【
図3B】回転自在に結合されたアクチュエータシステムの代替実施形態を示す。
【
図3C】
図3Aに示されるような回転自在に結合されたアクチュエータシステムが釣合均衡錘を更に備えた更なる代替実施形態を示す。
【
図3D】
図3Bに示されるような回転自在に結合されたアクチュエータシステムが釣合均衡錘を更に備えた更なる代替実施形態を示す。
【
図3E】スクリーンに対し付勢される動的に変化する錘を備えた、回転自在に結合されたアクチュエータシステムの更なる一代替実施形態を示す。
【
図4】Aは、線形結合されたアクチュエータシステムの代替実施形態を示し、Bは、線形結合されたアクチュエータシステムの代替実施形態を示す。
【
図5】磁気結合されたアクチュエータシステムの一実施形態を示す。
【
図6】サーボモータに結合されたアクチュエータシステムの一実施形態を示す。
【
図7A-B】一つの振り子実施形態の様々な斜視図である。
【
図7C-E】一つの振り子実施形態の様々な斜視図である。
【
図7F-H】一つの振り子実施形態の様々な斜視図である。
【
図8A-B】別の振り子実施形態の様々な斜視図である。
【
図8C-E】別の振り子実施形態の様々な斜視図である。
【
図8F-H】別の振り子実施形態の様々な斜視図である。
【
図9A】本明細書において記述されている振り子スクリーンシェーカのいくつかの実施形態の分析を示す。
【
図9B】釣合錘を備えた振り子スクリーンシェーカの一実施形態を示す。
【
図10】Aは、釣合錘を備えた振り子スクリーンシェーカの特定の一実施形態のいくつかの異なる図を示し、Bは、釣合錘を備えた振り子スクリーンシェーカの特定の一実施形態のいくつかの異なる図を示す。
【
図11A-C】釣合錘を備えた振り子スクリーンシェーカの特定の一実施形態のいくつかのその他の異なる図を示す。
【
図12】Aは、休止状態における釣合錘を備えた振り子スクリーンシェーカの一実施形態を示し、Bは、各位置の間で相対運動する状態における釣合錘を備えた振り子スクリーンシェーカの一実施形態を示す。
【
図13】デュアルリンク機構の振り子スクリーンシェーカの一実施形態を示す。
【
図14】スクリーンシェーカ上における飛込み板ボイスコイル実装の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明全体を通じてより十分な理解を当業者に提供するべく具体的な詳細について説明する。但し、周知の要素については、本開示を不必要に曖昧にすることを回避するべく、詳細に図示又は記述されていない場合がある。従って、説明及び図面は、限定ではなく、例示を目的としたものと見なされるべきである。
【0011】
本明細書において利用されている「コンポーネント」、「システム」、「インターフェイス」、「コントローラ」などの用語、並びに、これらに類似したものは、ハードウェア、ソフトウェア(例えば、実行中のもの)、及び/又はファームウェアであるコンピュータに関係したエンティティを意味することが意図される。例えば、これらの用語のうちの任意の用語は、プロセッサ上において稼働するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、プログラム、及び/又はコンピュータであってもよい。例示を目的として、サーバ上において稼働するアプリケーション及びそのサーバは、いずれも、コンポーネント及び/又はコントローラであってもよい。1つ又は複数のコンポーネント/コントローラはプロセス内において存在することが可能であり、また、コンポーネント/コントローラは1つのコンピュータ上において局所的に存在することも可能であり、及び/又は、2つ以上のコンピュータの間において分散させることもできる。
【0012】
特許請求されている主題については、図面を参照して説明するが、これらの図面においては、同一の要素を参照するべく、全体を通じて同一の参照符号が使用されている。以下の説明においては、説明を目的として、主題である技術革新に関する十分な理解を提供するべく、多数の具体的な詳細が記述されている。但し、特許請求されている主題は、これらの具体的な詳細を伴うことなしに実施され得る。その他の例において、周知の構造及び装置は、主題である技術革新の説明を円滑に実行するべく、ブロックダイアグラムの形態において示されている。
【0013】
[序論]
現時点におけるレーザーに基づいた投射画像のスペックル低減のための最新技術は、投射スクリーンを観察者の視線に沿った投射光の方向において非常にわずかに振動させるというものである。この技法の最も効果的な実装形態は、投射スクリーンの背後において取り付けられた機械的シェーカ/アクチュエータ(例えば、「ボイスコイル」、超音波トランスデューサ、ソレノイド、シェーカ、及びこれらに類似したもの)の配列を設置するというものである。
【0014】
このようなボイスコイルを利用した参考文献は、
(1)2012年1月26日に公開された「投射表示システムにおいて可視スペックルを低減するシステム及び方法」(SYSTEM AND METHOD FOR REDUCING VISIBLE SPECKLE IN A PROJECTION VISUAL DISPLAY SYSTEM)を名称とするダンフィ(Dunphy)らによる米国特許出願公開第2012/0019918号明細書、及び
(2)2010年12月9日に公開された「超音波撮像ビーム形成器装置及び方法」(ULTRASOUND IMAGING BEAM-FORMER APPARATUS AND METHOD)を名称とするブラロック(Blalock)らによる米国特許出願公開第2010/0312106号明細書において開示されており、これらの文献は引用によりそのすべてが本明細書に包含される。
【0015】
機械的アクチュエータ/シェーカ(ボイスコイル、超音波アクチュエータ、又はこれらに類似したものなどの任意のタイプ又は種類のもの)の使用に伴う1つの考えられる欠点は、スクリーンの背後に非常に近接した状態にアクチュエータを正確に配置することが望ましいが、アクチュエータがスクリーンを押圧するほど近接した状態とはしないという点にある。このような場合には、アクチュエータの外形が「窪み」又はそれ自体による圧痕を生じさせることがあり、これらは、容易に可視状態になると共に気を散らせる要因となり得る。
【0016】
図1Aは、スクリーンの背後からのプロジェクタスクリーンとの間における物理的近接状態において従来の機械的アクチュエータ104の配列を有するプロジェクタスクリーン102の正面図を示している。
図1Bは、スクリーン102との接触状態にある従来のアクチュエータ104の配列の断面図である。アクチュエータ104は、支持部106により、例えば、通常は固定位置などの定位置において保持されてもよい。
図1Bにおいては、プロジェクタシステムは概略的な形式で示されている。プロジェクタシステム100は、光源108(通常は、レーザー又はLEDのようなコヒーレントな又は部分的にコヒーレントな供給源)と、供給源108から光を受け取ると共にプロジェクタオプティクス112を照射して最終的な画像をスクリーン102上において形成するための変調された光源を生成しうる変調器110とを有してもよい。
【0017】
レーザー及び/又は部分的にコヒーレントなプロジェクタシステムは、既知の任意のタイプ又は構造を有してもよいが、いくつかの実施形態においては、レーザー投射システムは、例えば、デュアル変調DMD投射システムを有してもよい。デュアル変調システムは、市販のシングル変調(例えば、3チップDLP)レーザープロジェクタとの比較において、スクリーンシェーカの動作におけるスペックル初期量を低減することができ、この低減されたスペックル初期量はスクリーンシェーカの動作によって更に低減される。
【0018】
レーザー投射システムは、3チップDLP投射システムを有してもよい。レーザー投射システムは、3チップDLP6プライマリレーザー投射システムを有する。レーザー投射システムは、6チップDLP6プライマリ投射システムを有する。レーザー投射システムは、99,999:1を上回るコントラスト比を有する画像をスクリーン上に生成する。
【0019】
レーザー投射システムは、999,999:1を上回るシーン間の動的コントラスト比を有する画像をスクリーン上に生成する。レーザー投射システムは、少なくとも100,000:1の単一フレームコントラスト比と、1,000,000:1を上回る動的フレーム内コントラスト比とを有する画像をスクリーン上に生成する。
【0020】
上述のように、アクチュエータ104とスクリーン102との間の接触が実質的に正確ではない場合には、アクチュエータ104の外形がスクリーン上において可視状態となる可能性があり、望ましいスペックル低減に悪影響を及ぼす可能性がある。実際には、スクリーン102が、(例えば、空調や、例えば劇場のドアの開放及び/又は閉鎖や、或いは、温度に伴うスクリーンの膨張及び/又は収縮に起因した空気圧力の変化によって)少しでも動くようになった場合にも、アクチュエータ104が可視状態となることがあり、或いは、スクリーンとの間の接触を失い、その結果、スペックル低減が減少することがある。スクリーンに対するアクチュエータの力は、スクリーンの運動の範囲にわたって実質的に一定に維持されることが望ましい場合がある。
【0021】
多くの実施形態においては、純粋なZ軸振動(即ち、スクリーンに対する観察者の視線に沿った振動)に単にとどまらない振動を(例えば、アクチュエータから)誘発することが望ましい場合がある。純粋なZ軸は、多くの場合において、スペックルを軽減するには十分なものではない場合がある。多くの場合において、干渉パターンは、極めて深くなり得る(例えば、観察者がスペックルを知覚し、左右又は上下に移動することなしに自身の頭をスクリーンに近づけるように又はスクリーンから遠ざけるように移動した場合には、スペックルパターンは、非常に低速で変化する傾向を有し得る)。同様に、Z軸におけるスクリーンの運動は干渉パターンを実質的に変化させない場合がある。従って、Z軸におけるスクリーンの振動(例えば、ここで意図することは、目線において干渉パターンの変動を積分することである)は有効でない場合がある。その代わりに、スペックルは、スクリーン上において波を生成することによって、より良好に低減され得る。
【0022】
従って、(例えば、
図1A及び
図1Bのように)アクチュエータが静止している場合において、アクチュエータがスクリーンに過剰に近接していると、観察者は、(i)窪み(スクリーン上におけるアクチュエータの接触によって生成される)及び(ii)窪み内のみのスペックル(これらのエリア内ではZ軸運動のみが存在する傾向があるため)という2つの問題を知覚しうる。アクチュエータがスクリーンから過剰に遠く離れている場合には、アクチュエータは、スクリーンに接触すらしなくなり、振動も存在せず、従って、スペックル低減もまったく存在しなくなる。
【0023】
[一実施形態]
図2Aは、アクチュエータ支持構造200の一実施形態を示している。構造200は、回転自在に結合されたマウントであってもよく、この場合に、そのマウントは、第1支持部分202上においてアクチュエータ104を取り付けるか又は装着するものとすることができる。例えば、機械的クリップ留め、付着、糊付け、はんだ付け、又はこれに類似したものなど、アクチュエータを第1支持部分に取り付ける及び/又は装着する任意の適切な手段が適し得る。そして、第1支持梁202は、例えば、回動軸204により第2支持部分206に対して回転自在に装着されてもよい。第2支持部分206は、第1支持部分のための実質的に適切な安定したフレームを提供するべく、例えば、劇場(図示せず)内における任意の適切な構造及び/又は位置に対して、定位置において固定状態で又は調節自在に、固定、付着、及び/又は支持されてもよい。1つのアクチュエータのみが支持構造上に示されているが、スクリーン用のアクチュエータのセット全体、又は個別にアクチュエータのサブセットを支持するこのような1つ又は複数の支持構造のセット及び/又は配列を構築することができる。本出願は、1つのアクチュエータ用の1つの支持構造にのみ限定されるものではなく、本出願の範囲は、すべてのこのような支持構造を包含している。
【0024】
一実施形態においては、第2支持部分206は、例えば、破線201によって示されているように、(任意選択により)調節自在に固定されてもよい。この調節自在の固定は、望ましくは、例えば、アクチュエータ104がスクリーン102上において生成する圧力を調節するべく、及び/又は、中間レンジにおいてアクチュエータの位置を調節するべく、劇場の要員によって設定されてもよい。一実施形態においては、本明細書において説明されている調節錘は、アクチュエータ104が、(例えば、スペックルを減少及び/又は減衰させるべく)スクリーンとの間において望ましい接触を生成するように、但し、観察者に対して視覚的に知覚可能な窪みをスクリーン内にそれほど生成しないように(或いは、スペックル低減を減少及び/又は減衰させないように)、圧力を適切に調節するべく設定されてもよい。
【0025】
回動点204を設定することで、第1支持部分202は、例えば、円弧203によって示されているように、回動軸を中心として回転自在となる。アクチュエータ104の回転自在な運動は、特定の状況においては望ましい場合がある。例えば、スクリーンが何らかの運動を行う(例えば、空気圧力の変動、地面の運動、又はこれらに類似したものによって誘発され得るもの)場合に、アクチュエータがスクリーンに応答して可動することによりスクリーンとの接触状態を維持し、これによりスペックル低減の提供を継続する。更には、可動自在のアクチュエータはスクリーン自体の動きを減衰させることもできる。
【0026】
図2Aに示されるように、アクチュエータ104はスクリーンと係合するための実質的にフラットな表面を有していてもよい。但し、
図2Bに示されるように、アクチュエータ104bはスクリーンと係合するための何らかの形態での湾曲した特徴及び/又は表面を有していてもよい。このような湾曲表面は、スクリーンに対するアクチュエータの変位がアクチュエータの鋭いエッジを観察者にとって可視状態とさせ、及び/又は、スペックルの減衰に対して望ましくない影響を有する場合において、望ましい場合がある。アクチュエータの湾曲は、アクチュエータとの間でのスクリーンの相対運動が存在する際にアクチュエータの検出可能なエッジを提供しない(又は、少なくとも減らす)ように、円形又は球形(又は、これらの一部分)とされてもよく、折り曲げられてもよく、弓形に曲げられてもよく、円弧形に曲げられてよく、及び/又は、アーチ形に曲げられてもよい。
【0027】
このような湾曲したアクチュエータは、アクチュエータが、(例えば、実装位置のずれ又は大きなスクリーンの変位に起因して)スクリーンに対して実質的に平行ではない場合に、動作において望ましい場合がある。このような場合においては、フラットなアクチュエータの1つのエッジがスクリーン表面を強く押圧する場合があり、この結果、極端な場合には、円弧形状の圧痕をスクリーン上に生成し得る。従って、湾曲したアクチュエータ(例えば、アクチュエータ表面が大きな球体の一部分であり得るもの)は、レンジ又は回転にわたって一定の接触表面を提示する傾向を有し得る。曲率半径は、数インチ~振り子の長さ「d」であってもよい。更には、上述したように、純粋なZ軸振動はスペックルを低減しない場合があり、特に、フラットなアクチュエータの接触エリア内においてスペックルが依然として明らかである場合には、スペックルが低減されない。湾曲したアクチュエータは、Z軸においてのみ運動するエリアを低減すると共に接触エリア内におけるスペックル低減を改善する傾向を有し得る。
【0028】
多くの実施形態においては、以下のようないくつかの利点のために、第1支持/振り子部分の長さを適切に構築することが望ましい場合がある。
(1)振り子の長さが、(例えば、アクチュエータが追随しなければならない)スクリーンの動作の範囲に対して長い場合には、角度における振動が小さく、この結果、スクリーン上における斜めになったアクチュエータの非対称な圧痕が低減される。アクチュエータが小さい場合には、すべての角度についてアクチュエータの非対称な圧痕の影響が低減される。アクチュエータのサイズに対する振り子の長さの大きな比率は、圧痕を低減するが、角度を低減しない。角度の変動は、アクチュエータのエッジを可視状態とする傾向を有し得る。
【0029】
(2)振り子支持方式の場合には、力のモーメントは振り子の大きな角度に伴って変化し、従って、スクリーンに対してアクチュエータを通じて印加される力は、角度に伴って変化する。その結果、振り子が長い場合には、振り子の角度の大きな変化を伴うことなしに、大きなZ軸運動が許容されることになり、従って、スクリーン上においてほぼ一定の力を維持する傾向を有し得る。
【0030】
(3)振り子方式は、固有周波数を有し得る(例えば、スクリーンが除去され、アクチュエータが押し出される場合には、振り子は、その固有周波数において振動する傾向を有し得る)。固有周波数は、アクチュエータ振動の周波数とは異なるように設計されることが望ましい場合があり、さもなければ、スクリーンの代わりに、振り子が振動し得る。長い振り子は、低い固有周波数を許容する傾向を有し得る。
【0031】
[その他の実施形態]
図3A及び
図3Bは、アクチュエータ支持構造の代替実施形態を示している。図示されうるように、有利には、追加の質量体が支持構造上において配置されてもよい。これらの実施形態においては、スクリーン材料にとって望ましいように、スクリーンに対する(例えば、第1支持部分又は第2支持部分上に配置された)追加の質量体による力を調節することができる。
図3A及び
図3Bのいずれにおいても、図示の質量体を調節することにより力を調節することができる。
【0032】
例えば、質量体は、以下のように調節することができる。
(1)
図3Aにおいて、距離310(l
1)が、回動軸から質量体の装着点までの距離を表し、距離312(l
2)が、回動軸からアクチュエータの質量の中心までの距離を表し、P
1が振り子の長さであるとする。スクリーンに対する力は、
【0033】
【数1】
で表される。ここで、gは、重力に起因した加速度であり、mは、装着された質量体の質量であり、m
cgは、アクチュエータの重心におけるアクチュエータの質量である。
【0034】
(2)
図3Bにおいては、スクリーンに対する力は、
F=m*g
となる。
【0035】
図3C及び
図3Dは、アクチュエータ支持構造の望ましい均衡を有利に提供するように、支持構造が回動点204aを過ぎて延在すると共に釣合錘320が設けられたアクチュエータ支持構造の(実質的に
図3A及び
図3Bの実施形態に準拠した)更なる実施形態である。
【0036】
図3Eは、スクリーンに対するアクチュエータの付勢を動的に変化させるべく、動的に力を可変する可変質量体及び/又は可変力部313が適用されたアクチュエータ支持構造の更に別の実施形態である。この可変質量体及び/又は可変力部313は、可変スプリング、可変錘、圧電構造、及び/又は既知の任意の他の適切な質量体及び/又は力部により供給され得る。このような可変重量体及び/又は可変力部は、コントローラ314によって供給される信号に従って追加的に適用され得る。このようなコントローラは、例えば、フォトセンサ316a及び/又は力センサ316bなどの1つ又は複数の可能なセンサからの入力信号を受け取ってもよい。フォトセンサ316aは、スクリーン上の画像を検知及び/又は観察すると共にスクリーン上に表示されたスペックルの量(又は、その任意の変化)を検出するカメラ及び/又は何らかの画像撮像/検出装置であってもよい。スクリーンに対するアクチュエータの付勢を(例えば、より多く又はより少なく)変化させることによりスペックル低減を改善できるとコントローラが解釈し得る信号をフォトセンサが送信した場合に、コントローラは望ましい付勢の変化を適用するべく可変重量/可変力部313に信号を送信してもよい。
【0037】
力検出器316bの場合、こうした検出器は、アクチュエータ内に埋め込まれた又はアクチュエータに関連付けられた圧電力センサ(或いは、スクリーンに対して機械的に連動し、接触力及び/又は付勢を検出する任意の他の既知の手段)であってもよく、この圧電力センサは、可変重量体及び/又は可変力部による付勢を必要に応じて変化させるべく信号をコントローラ314に送信する。
【0038】
別の実施形態においては、アーチファクトを補正及び/又は画像投射を調節する方法は、試験画像でスクリーンを照射するステップと、少なくとも1つのシェーカによって誘発されたアーチファクトを識別するステップと、少なくとも1つのシェーカによって誘発されたアーチファクトを低減するべく少なくとも1つのシェーカパラメータを調節するステップとを含む。少なくとも1つのシェーカパラメータは、例えば、シェーカの周波数、シェーカの形状、シェーカによって誘発される動き、シェーカの圧力(例えば、スクリーンに対する圧力又はスクリーンに隣接したシェーカの配置)、シェーカの振り子の均衡状態、シェーカの接触面積、シェーカの変調、シェーカの角度、シェーカを保持する組立体の機械的調節、スクリーンに対するシェーカの近接位置を変化させる調節のうちの1つを含む。少なくとも1つのシェーカによって誘発されたアーチファクトは、例えばシェーカの接触面積(つまり、「接触」した領域)と関連付けられたスペックルパターンを有し得る。調節するステップは、例えばリモート制御を開始するステップを含み得る。この調節は、運動の際に、スクリーンに隣接し「接触」した状態(大きな圧力を伴わない接触)の均衡状態にシェーカを戻すようにレバー上の錘の手動配置を行うことを含み得る。
【0039】
リモート制御を開始するステップは、複数のシェーカのうちの少なくとも1つを識別し、識別された1つ又は複数のシェーカに制御信号を送信することを含み得る。調節するステップは、スクリーンに隣接した一群又は複数のシェーカに対しリモート制御を開始することを含み得る。識別されたシェーカは、複数のシェーカ内におけるシェーカのセットを含み、制御信号は、識別されたシェーカの各々を同様に調節するように設定されている。
【0040】
調節するステップは、例えば、スクリーンの非観察側に直接的に隣接した場所にシェーカを配置するように構成された機械装置の慣性モーメントを調節することを含み得る。この機械装置は、例えば、錘が付与されたスイングアームを有してもよい。調節するステップは、スイングアームに対して錘を運動させることを含み得る。機械装置は、錘に取り付けられた可動延伸部を有してもよく、この場合、調節は、可動延伸部を延伸又は退避させることにより、錘が可動延伸部を通じて機械装置のアームに適用する梃子の作用量を増大又は減少させることを有する。可動延伸部を延伸又は退避させること、又は本明細書の他の箇所において記述されているその他の形式の調節は、電気的に開始されてもよく、また、リモート制御によって開始されてもよい。慣性モーメントを調節することは、スイングアームに錘を追加すること、又は、本明細書の他の箇所において記述されている、シェーカが装着されたその他のコンポーネントに錘を追加することを含み得る。
【0041】
調節するステップは、例えば、シェーカに装着されたスクリーンカプラがスクリーンに直接的に隣接し且つスクリーンと平行になるようにシェーカを調節することを含み得る。調節されたシェーカは、様々な実施形態においては、例えば、スクリーンとの接触状態にはあるがスクリーンに対して圧力を作用させないような均衡状態とされていてもよい。調節されたシェーカは、例えば、シェーカ及びカプラによって誘発される試験画像アーチファクトの最小値による最大スペックル低減のためにスクリーンに可能な限り近接した状態にある。
【0042】
調節されたシェーカは、例えば、スクリーンとの接触状態にあり且つスクリーンに十分な圧力を作用させてスクリーンとの接触を維持するような均衡状態とされてもよい。ただし、この作用させる圧力は、スクリーン上に表示された画像に、圧力/接触に関係したアーチファクトを誘発するほどの圧力ではない。
【0043】
調節されたシェーカカプラは、例えば、スクリーンとの接触状態にあり且つスクリーンの突出を引き起こすことなくスクリーンに十分な圧力を作用させてスクリーンに接触及び隣接した状態を維持するような均衡状態とされてもよい。
【0044】
方法は、空調又は換気システム、入口及び/又は出口ドアの開放に伴う空気の流れ、及び、前記スクリーンがテーマパークの乗り物に設置された場合において、テーマパークの乗り物によって誘発される動き、爆発、熱によって誘発される動き、ファン、又は小道具の動きを含む、使用時に観察スクリーンと通常関連付けられるその他の動きのいずれか1つ又はこれらの組合せに起因したスクリーンの運動を考慮してシェーカカプラの接触及び隣接を維持する(均衡状態に戻る)ようにシェーカを配置することを含み得る。
【0045】
シェーカは、例えば、ベース揺動装置と、ベース揺動装置に装着されたカプラと、ベース揺動装置に装着された配置装置と、を有し、方法は、カプラの面をスクリーンに対して平行且つ隣接した状態に維持するステップを更に有する。
【0046】
別の実施形態においては、スペックル低減型レーザー投射システムは、例えば、或る場所に設置されたスクリーンと、スクリーン上に画像を投射するように構成されたレーザー投射システムと、スクリーンの非観察側に配設された複数のスクリーンシェーカとを有してもよい。各スクリーンシェーカは、例えば、スクリーンが運動した際に大きく変化しない圧力量によりそのスクリーンシェーカをスクリーンに直接的に隣接した位置に配置するように構成された対応する配置装置により位置が決められて可動自在に保持されてもよい。この圧力量は、例えばほとんど無視可能であり、例えばスクリーンの観察側において観察可能な表面変動を生成しない圧力量である。スクリーンの観察側における表面変動は、シェーカの機械的な力、音響的な力、及び振動的な力のうちの1つ又は複数に起因する。シェーカは、シェーカによって生成されるスクリーンの面内における動きからなる表面変動を生成するように構成されている。スクリーンの観察側における表面変動は、スクリーン上のシェーカの圧力によってではなく、例えば、シェーカの機械的な力、音響的な力、及び振動的な力のうちの1つにより生成される。
【0047】
配置装置は、例えば、揺動装置のカプラをスクリーンに対して平行に維持する(本明細書において更に様々な実施形態において記述されている)デュアルアームデュアル回動軸スイング部を有してもよい。一実施形態においては、配置装置は、スクリーン運動に起因して移動している間に揺動装置のカプラをスクリーンに対して平行に維持するデュアルアームデュアル回動軸スイング部を有する。配置装置は、例えば、スクリーン運動に起因して移動している間にスクリーンに対して平行にシェーカのカプラを維持するように構成された平行維持メカニズムを有してもよい。或いは、配置装置は、シェーカによって誘発された運動に起因して平行にならないシェーカのカプラを平行に維持するように構成されたカプラ動き平行配置メカニズムを有してもよい。
【0048】
配置装置は、例えば、シェーカによって誘発された運動に起因して平行にならないシェーカのカプラを平行に維持するように構成されたカプラ動き平行配置メカニズムを有してもよい。
【0049】
[別の実施形態]
図4Aは、アクチュエータ支持構造300の更に別の実施形態である。この実施形態においては、回転自在に結合される代わりに、アクチュエータは、ベアリング上に移動可能に存在するハウジング内に取り付けられるリニアベアリング404のセットにより、スクリーンに対して線形結合され得る(つまり、所望の機械的連動状態とされ得る)。
図4において、アクチュエータは、ハウジング406に装着されてもよい。すなわち、アクチュエータは、スクリーンに対するアクチュエータの所望の機械的連動を維持するように何らかの付勢構造又は手段が適用されてもよい。1つの付勢手段は、プーリ410と質量402とを有してもよい。この実施形態において、スクリーンに対する力は、質量に比例している。この実施形態において、この力は、次式、
F=m*g
で表されるように、リニアベアリングの全動作範囲にわたって実質的に一定である。
【0050】
図4Bは、スクリーンに線形結合された別のアクチュエータである。この実施形態においては、錘及びプーリの代わりに、アクチュエータは、スクリーンに対する適切な接触を維持するための適切な付勢力を有するスプリング420によりスクリーンに対して付勢され得る。一実施形態においては、アクチュエータとスクリーンとの間での適切な機械的連動が実質的にゼロの力となり、且つそのゼロからの変位が均衡力を生じさせてそのゼロに復帰させるように、スプリングにおける張力を調節可能であってもよい。別の実施形態においては、スプリングは、必要な動作範囲においてその力が許容可能な上限から下限までの範囲内に維持される傾向を有し得るように配置されてもよい。このようなスプリングは、その円弧の底部においてのみ「スイング」する振り子とは異なるものとなり得る。このため、このスプリングは力が(一定ではないが)実質的に変わらない範囲でのみ動作する。一実施形態において、アクチュエータは、接着剤、糊、テープ、ベルクロ(Velcro)(登録商標)、磁気ストライプ、又はこれらに類似したものを含む既知の任意の方式によってスクリーンに付着されてもよい。
【0051】
[磁界結合及び/又は変調]
いくつかの実施形態において、スクリーンに対するアクチュエータの適切な結合及び/又は付勢を維持するために、システム、方法、及び/又は技法を利用することが望ましい場合がある。一実施形態においては、適切な結合を維持するために、(例えば、静的な又は変化する)磁界結合を利用することができる。
【0052】
図5は、本出願の原理に従って製造されたこのような結合システムの一実施形態である。アクチュエータ104は、アクチュエータ磁気要素504を更に有してもよい。アクチュエータ磁気要素504は、永久磁石又は磁界可変電磁石要素であってもよい。磁気要素504が磁界可変電磁石(例えば、ソレノイド又はこれに類似したもの)である場合には、磁界を望ましい方式によって変化させるべく、任意選択のコントローラ506が存在してもよい。更には、506は、スクリーンに対するアクチュエータの結合及び/又は付勢を制御する際に有用であり得る任意の数のパラメータを検出可能な任意選択のセンサを有してもよい。適切なセンサは、位置センサ、動きセンサ、加速度計、又はこれらに類似したものを(但し、これらに限定することなしに)含み得る。
【0053】
スクリーン102上には、スクリーン磁気要素502が配置されてもよく、これは、永久磁石(例えば、磁石バー、磁気ストリップ、又はこれらに類似したもの)又は(例えば、図示されていない任意の適切なコントローラ及び/又はセンサを有する)磁界可変電磁石であってもよい。
【0054】
1つの場合において、システムは、スクリーンに対するアクチュエータの力の量又は相対的位置を検出するように設計又は構築されてもよい。システムが、何らか変化する磁界を利用している場合には、システムは、望ましい結合を維持するべく、位置、力、速度、及び/又は加速度に関する適切なフィードバックを提供するセンサを有するように設計されてもよい。
【0055】
図5の破線は、上述の磁気結合方式が、回転自在に結合されたシステム及び/又は線形結合されたシステムにおいて利用され得ることを表している。
[その他の実施形態]
図6は、少なくとも1つのサーボモータ(例えば、アクチュエータが回転自在に結合されている場合には604であり、アクチュエータが線形結合されている場合には606である)を更に有するスクリーンシステムに結合されたアクチュエータの更に別の実施形態である。更には、スクリーンに対するアクチュエータの機械的連動の何らかの特性(例えば、スクリーンに対するアクチュエータの位置、速度、及び/又は加速度)を検出し得る少なくとも1つのセンサ608が存在してもよい。そして、これらの1つ又は複数の任意選択のセンサからの信号は、スクリーンに対して望ましい付勢をアクチュエータに提供するべく、サーボモータ(例えば、604又は606)を制御し得るコントローラ610に入力されてもよい。
【0056】
[特定の振り子実施形態]
図7A~
図7Hは、一振り子実施形態(700)の様々な斜視図である。図示されるように、アクチュエータ104は、第1支持部材702に取り付けられ及び/又は付着されており、第1支持部材702は、回動軸704を介して第2支持部材706に回転自在に取り付けられている。
【0057】
図8A~
図8Hは、別の振り子実施形態(800)の様々な斜視図である。図示されるように、アクチュエータ104は、第1支持部材802に取り付けられ及び/又は付着されており、第1支持部材802は、回動軸804を介して第2支持部材806に回転自在に取り付けられている。図示のように、追加の質量体810が第1支持部材802上において取り付けられている。
【0058】
[釣合錘を有する実施形態]
図9Aは、上記のように付与された振り子スクリーンシェーカのいくつかの実施形態の分析を示している。図示されるように、長さ「l」の振り子スクリーンシェーカ902が、地点「P」を中心として回動し、これにより、地点「S」においてスクリーンに対して力「F」を印加している。m
sは、振り子の底部におけるボイスコイル及びワッシャの質量を表している。m
wは、振り子に対して垂直に、回動軸においてスクリーンシェーカに装着された長さ「r」のアームから吊るされた質量を表している。
【0059】
この分析は、力「F」の変動に対して振り子の底部の変位「d」を求めるものである。mwに起因したモーメント(Mmw)は、次式、
【0060】
【0061】
上記xに代入することにより、次式、
【0062】
【0063】
msに起因したモーメントは、次式、
Mms=ms*g*d
によって与えられる。
【0064】
Sにおける水平方向の力Fは、次式、
F=M/h
によって与えられる。
【0065】
ここで、h2+d2=l2であり、
【0066】
【0067】
上記hに代入することにより、次式、
【0068】
【0069】
また、Mに代入することにより、次式、
【0070】
【0071】
また、d<<lであると仮定すると、次式、
【0072】
【0073】
従って、上述の実施形態のうちのいくつかの実施形態の最終的な分析において、mwに起因した力はdとはほぼ独立している。また、msに起因した力はdに比例している。
振り子スクリーンシェーカの性能を改善するべく、変位dとは独立した力を有することが望ましい場合がある。振り子の端部における質量に起因した力は変位に比例していることから、この効果を極小化することが望ましい場合がある。一実施形態においては、振り子に垂直に、回動軸においてスクリーンシェーカに装着されたアーム上の質量体は、変位とはほぼ独立した力を生成する傾向を有している。
【0074】
スクリーンに対する非常に小さな力の場合にも視覚的に望ましくない窪みを生成し得ることに注目すると、この効果を極小化することが望ましい場合がある。ボイスコイル組立体及び振り子は何らかの質量を有していることから、変位に比例した何らかの力が存在する傾向がある。従って、これを解決する傾向を有しうる一実施形態においては、(例えば、アーム及び質量Mwを含まない)振り子の質量の中心が回動軸に位置するように、回動軸の上方において振り子を延在させると共に釣合錘を追加するのが良い。
【0075】
図9Bは、このような釣合錘を有する振り子スクリーンシェーカ902のこのような一実施形態を示している。図示されるように、シェーカ902は、回動軸の下方において(例えば、回動軸から遠い位置において)位置決めされた(例えば、追加の錘を有していない)ボイスコイル104を有する。調節錘906が、振り子の回動軸又はその近傍において、アーム904の端部に装着されている。釣合錘908は、振り子の回動軸の上方において(例えば、回動軸から近い位置において)装着されるものとして示されている。シェーカは、910において機械的且つ電気的に装着されてもよい。釣合錘を有する振り子スクリーンシェーカの異なる設計が可能であってもよく、本出願の範囲は、すべてのこのような実施形態を包含している。別の実施形態において、釣合錘は、マウントの遠い側においてシェーカに追加されてもよく、アクチュエータは、マウントの近い側において付着されている。その他の設計の変形も可能であり、本出願の範囲に包含される。
【0076】
図10A~
図10B及び
図11A~
図11Cは、釣合錘を有する振り子スクリーンシェーカの特定の一実施形態のいくつかの異なる図を示している。
図12Aは、釣合錘を有する振り子スクリーンシェーカの休止状態における一実施形態を示し、
図12Bは、釣合錘を有する振り子スクリーンシェーカが位置1202、1204、1206の間で相対的な運動を行っている状態における一実施形態を示している。
【0077】
[その他の実施形態]
図13は、回動軸1308における構造において装着された固定支持部材1302を有するデュアルリンク機構スクリーンシェーカの更に別の実施形態であり、これらの回動軸も部材1306a,1306bと機械的に連動する。部材1306a,1306bは、(図示のように、他方の回動軸1308において)スイングする水平方向部材1310に対して機械的に連動する。図示されるように、スイングする水平方向部材の端部にアクチュエータが結合されてもよく、これによりアクチュエータはスクリーンに対して機械的に連動する状態となる。
【0078】
このデュアルリンク機構マウント及び/又は構造(
図13に示されているもの)は、スクリーンが運動するのに伴って、アクチュエータ102の回転を防止し得る。いくつかの実施形態においては、長い振り子(即ち、l>>d)はこの回転を低減しうるが、このデュアルリンク機構マウント/構造は回転を許容しないものであってもよく、これは、スクリーン内のアクチュエータの任意の非対称な圧痕を除去し得る。
【0079】
上述のように、配置構造は、例えば揺動装置のカプラをスクリーンに対して平行に維持するデュアルアームデュアル回動軸スイングを有してもよい。一実施形態において、配置装置は、スクリーン運動に起因して移動している間に、揺動装置のカプラをスクリーンに対して平行に維持するデュアルアームデュアル回動軸スイングを有する。配置装置は、例えば、スクリーン運動に起因して移動している間に、シェーカのカプラをスクリーンに対して平行に維持するように構成された平行維持メカニズムを有してもよい。配置装置は、シェーカによって誘発される運動に起因して平行にはならないシェーカのカプラを平行に維持するように構成されたカプラ動き平行配置メカニズムを有してもよい。
【0080】
図14は、飛込み板(diving board)及び/又は片持ち支持部によるボイスコイルマウントの一実施形態である。部材1402は、飛込み板(又は、片持ち支持された部材)1410を1406において装着/付着した状態(又は、何らかの方法によって機械的に結合した状態)にあってもよい。この図示の取付けでは、ボルトで結合されているが、機械的結合は、任意の既知の方法によって実現され得る。更なる安定性のために、任意選択の第2部材1408が提供されてもよい(なお、移動可能とするべくウィンドウ及び/又は開口部1404が部材1402から切り取られてもよい)。ボイスコイル1412が飛込み板1410に装着されてもよく、これにより、アクチュエータ(図示せず)が部分1414にて装着されてもよい。
【0081】
図示のように、ボイスコイル1412は、移動及び/又は振動の範囲にわたってアクチュエータ/ボイスコイルの回転を防止するべく、平行リンク機構によって取り付けられてもよい。一実施形態において、配置構造は、例えば、空気の流れ又は他の外乱に起因したスクリーンの運動の際にシェーカの位置をスクリーンに対して平行に維持する平行四辺形部と、シェーカの面をシェーカの振動に起因した面の動きによらずスクリーンに対して平行に維持する平行四辺形部とを有してもよい。平行四辺形部は、例えば、平行四辺形部の自由な振動を許容する切欠き(「ウィンドウ」)を有するアーム上に取り付けられてもよい。或いは、装置は、シェーカ又は他のトランスデューサ/カプラ要素をスクリーンに対して平行に且つそれが自由に振動するように取り付けられた状態を維持する平行四辺形部として機能してもよい。
【0082】
更に別の実施形態においては、相対的に費用効率の優れた解決策は、「飛込み板」を単一の片持ち梁マウントとして構築してもよい(例えば、この場合には、任意選択の第2部材1408が提供されない)。この場合においては、片持ち梁部分の長さを延在させることにより、アクチュエータ/ボイスコイルの回転を低減してもよい。
【0083】
以下に、本開示の内容に含まれる技術的思想を付記する。
[付記1]
投射表示システムの投射スクリーン上でのスペックルを減衰させるスペックル減衰システムであって、
コヒーレント光源を備えるとともに、
所望の周波数の振動をそれぞれ発生可能なアクチュエータのセットと、
少なくとも1つの前記アクチュエータをそれぞれ取り付け可能とし回転自在に結合されたマウントのセットと、を備え、
前記回転自在に結合されたマウント上において取り付けられた前記少なくとも1つのアクチュエータは、前記投射スクリーンに対して可動自在かつ機械的に連動する、スペックル減衰システム。
【0084】
[付記2]
前記投射表示システムは、レーザー、LED、コヒーレントな光源、及び部分的にコヒーレントな光源を含む群のうちの1つを備える付記1に記載のスペックル減衰システム。
【0085】
[付記3]
前記アクチュエータは、機械的アクチュエータ、ボイスコイル、超音波アクチュエータ、電磁石、及びソレノイドを含む群のうちの1つを備える付記1に記載のスペックル減衰システム。
【0086】
[付記4]
前記回転自在に結合されたマウントは、
アクチュエータを取り付け可能な第1支持部分と、
前記第1支持部分のための実質的に安定したフレームを維持可能な第2支持部分と、
前記第1支持部分を前記第2支持部分に対して機械的に結合する回動軸と、
を更に備える、付記1に記載のスペックル減衰システム。
【0087】
[付記5]
前記第1支持部分は、前記スクリーンの動作の範囲よりも実質的に長い第1の長さを有する、付記4に記載のスペックル減衰システム。
【0088】
[付記6]
前記第1の長さは、前記投射スクリーンの面に対する前記アクチュエータの角度の変動を大幅に低減する、付記5に記載のスペックル減衰システム。
【0089】
[付記7]
前記第1の長さは、前記投射スクリーンの面に対する前記第1支持部分の大きな角度の変化を伴うことなく大きなZ軸運動を実質的に許容する、付記5に記載のスペックル減衰システム。
【0090】
[付記8]
前記第1の長さは、前記アクチュエータの前記振動の周波数と実質的に異なる固有周波数を実質的に有する、付記5に記載のスペックル減衰システム。
【0091】
[付記9]
前記第2支持部分は、実質的に固定されたフレームを有する、付記4に記載のスペックル減衰システム。
【0092】
[付記10]
前記第2支持部分は、実質的に調節自在のフレームを有する、付記4に記載のスペックル減衰システム。
【0093】
[付記11]
前記投射スクリーンに対する前記アクチュエータの力を調節可能に配置される追加の質量体を更に備える付記4に記載のスペックル減衰システム。
【0094】
[付記12]
前記投射スクリーンに対する前記アクチュエータの所望の機械的連動を維持可能な磁気結合システムを更に備える付記1に記載のスペックル減衰システム。
【0095】
[付記13]
前記磁気結合システムは、
前記投射スクリーンに取り付けられた第1磁気要素と、
前記アクチュエータに実質的に近い位置に取り付けられた第2磁気要素と、を更に備え、
前記第2磁気要素は、前記第1磁気要素と前記第2磁気要素との間の磁力が、前記投射スクリーンに対する前記アクチュエータの所望の機械的連動を実質的に維持可能とするように、前記第1磁気要素に実質的に近い位置に配置されている、付記12に記載のスペックル減衰システム。
【0096】
[付記14]
前記磁気結合システムはコントローラを更に備え、
前記第1磁気要素及び前記第2磁気要素のうちの少なくとも1つは磁界可変電磁石を備え、
前記磁界可変電磁石は、前記コントローラの制御下でその磁界を変化させることが可能である、付記13に記載のスペックル減衰システム。
【0097】
[付記15]
前記磁気結合システムは、前記投射スクリーンに対する前記アクチュエータの前記機械的連動の特性を検出可能なセンサを更に備え、
前記センサは、前記特性の検知データを前記コントローラに送信可能であり、前記コントローラは、前記検知データに応答して制御信号を前記磁界可変電磁石に送信する、付記14に記載のスペックル減衰システム。
【0098】
[付記16]
投射表示システムの投射スクリーン上でのスペックルを減衰させるスペックル減衰システムであって、
コヒーレント光源を備えるとともに、
所望の周波数の振動をそれぞれ発生可能なアクチュエータのセットと、
少なくとも1つの前記アクチュエータをそれぞれ取り付け可能とし線形結合されたマウントのセットと、を備え、
前記線形結合されたマウント上において取り付けられた前記少なくとも1つのアクチュエータは、前記投射スクリーンに対して可動自在かつ機械的に連動する、スペックル減衰システム。
【0099】
[付記17]
前記投射表示システムは、レーザー、LED、コヒーレントな光源、及び部分的なコヒーレントな光源を含む群のうちの1つを備える付記16に記載のスペックル減衰システム。
【0100】
[付記18]
前記アクチュエータは、機械的アクチュエータ、ボイスコイル、超音波アクチュエータ、電磁石、及びソレノイドを含む群のうちの1つを備える付記16に記載のスペックル減衰システム。
【0101】
[付記19]
前記線形結合されたマウントは、
前記アクチュエータを搭載可能なハウジングと、
前記ハウジングを可動自在に支持するベアリングのセットと、
前記ハウジングに適用され、前記投射スクリーンに対する前記アクチュエータの所望の機械的連動を維持可能な付勢部と、
を更に備える、付記16に記載のスペックル減衰システム。
【0102】
[付記20]
前記付勢部は質量体とプーリとを備え、前記質量体は、前記投射スクリーンに対する前記アクチュエータの所望の機械的連動を維持するべく前記ハウジングに力を伝達する、付記19に記載のスペックル減衰システム。
【0103】
[付記21]
前記投射スクリーンに対する前記アクチュエータの所望の機械的連動を維持可能な磁気結合システムを更に備える付記16に記載のスペックル減衰システム。
【0104】
[付記22]
前記磁気結合システムは、
前記投射スクリーンに取り付けられた第1磁気要素と、
前記アクチュエータに実質的に近い位置に取り付けられた第2磁気要素と、を更に備え、
前記第2磁気要素は、前記第1磁気要素と前記第2磁気要素との間の磁力が、前記投射スクリーンに対する前記アクチュエータの所望の機械的連動を実質的に維持可能とするように前記第1磁気要素に実質的に近い位置に配置されている、付記21に記載のスペックル減衰システム。
【0105】
[付記23]
前記磁気結合システムはコントローラを更に備え、
前記第1磁気要素及び前記第2磁気要素のうちの少なくとも1つは磁界可変電磁石を備え、
前記磁界可変電磁石は、前記コントローラの制御下でその磁界を変化させることが可能である、付記22に記載のスペックル減衰システム。
【0106】
[付記24]
前記磁気結合システムは、前記投射スクリーンに対する前記アクチュエータの前記機械的連動の特性を検出可能なセンサを更に備え、
前記センサは、前記特性の検知データを前記コントローラに送信可能であり、前記コントローラは、前記検知データに応答して制御信号を前記磁界可変電磁石に送信する、付記23に記載のスペックル減衰システム。
【0107】
[付記25]
前記付勢部は、前記アクチュエータに装着されたスプリングを備え、前記スプリングの力が前記アクチュエータと前記投射スクリーンとの間における所望の機械的連動を実質的に維持する、付記19に記載のスペックル減衰システム。
【0108】
[付記26]
投射表示システムの投射スクリーン上でのスペックルを減衰させるスペックル減衰システムであって、
コヒーレントな光源を備えるとともに、
所望の周波数の振動をそれぞれ発生可能なアクチュエータのセットと、
少なくとも1つの前記アクチュエータをそれぞれ取り付け可能とし回転自在に結合されたマウントのセットと、を備え、
前記回転自在に結合されたマウントは回動軸を中心として回動するものであって、前記回動軸に対して前記アクチュエータが前記回転自在に結合されたマウントの第1端部上に取り付けられ、且つ前記回動軸に対して釣合錘が前記回転自在に結合されたマウントの第2端部上に取り付けられた状態で前記回動軸を中心として回動するものであり、
前記回転自在に結合されたマウント上に取り付けられた前記少なくとも1つのアクチュエータは、前記投射スクリーンに対して可動自在かつ機械的に連動する、スペックル減衰システム。
【0109】
[付記27]
前記釣合錘は、前記投射スクリーンに対する前記アクチュエータの力が前記マウントの垂直位置からの変位dとは実質的に独立するように回動軸に対して取り付けられている、付記26に記載のスペックル減衰システム。
【0110】
[付記28]
前記アクチュエータは、前記投射スクリーンと機械的に係合する実質的にフラットな面を有する、付記1、16、又は26に記載のスペックル減衰システム。
【0111】
[付記29]
前記アクチュエータは、前記投射スクリーンと機械的に係合する実質的に湾曲した表面を有する、付記1、16、又は26に記載のスペックル減衰システム。
【0112】
[付記30]
前記マウントは片持ち梁部分を備え、前記片持ち梁部分はボイスコイル部分と機械的に結合し、前記ボイスコイル部分はアクチュエータと機械的に結合している、付記1、16、又は26に記載のスペックル減衰システム。
【0113】
[付記31]
前記回転自在に結合されたマウントはデュアルリンク機構構造を備え、前記デュアルリンク機構構造は、固定された支持部材と、スイングする水平方向部材とを備え、
前記スイングする水平方向部材は、前記投射スクリーンに対して機械的に連動可能なアクチュエータを備える、付記1又は26に記載のスペックル減衰システム。
【0114】
[付記32]
前記投射表示システムに装着されて前記投射スクリーンに対する前記アクチュエータの付勢を変化させる動的可変力部と、
前記投射スクリーンに対して連動する前記アクチュエータのスペックル減衰の表れを検知するセンサと、
前記センサからセンサデータを受信して、前記投射スクリーンに対する前記アクチュエータの付勢力の量を変化させるべく制御信号を前記動的可変力部に送信するコントローラと、
を更に備える付記1、16、又は26に記載のスペックル減衰システム。
【0115】
[付記33]
前記動的可変力部は、動的スプリング、圧電構造、及び動的錘を含む群のうちの1つを備える、付記32に記載のスペックル減衰システム。
【0116】
[付記34]
前記センサはフォトセンサを備え、前記フォトセンサは前記投射スクリーン上の画像を検知して、前記投射スクリーン上でのスペックルの量に関するデータを前記コントローラに送信する、付記32に記載のスペックル減衰システム。
【0117】
[付記35]
前記センサは力センサを備え、前記力センサは前記投射スクリーンに対し機械的に連動し、前記投射スクリーンに対する前記アクチュエータの付勢力の量に関するデータを前記コントローラに送信する、付記32に記載のスペックル減衰システム。
【0118】
[付記36]
試験画像で投射スクリーンを照射するステップと、
少なくとも1つのシェーカによって誘発されたアーチファクトを識別するステップと、
少なくとも1つのシェーカによって誘発されたアーチファクトを低減するべく少なくとも1つのシェーカパラメータを調節するステップと、
を備える方法。
【0119】
[付記37]
前記少なくとも1つのシェーカパラメータは、前記シェーカの周波数、前記シェーカの形状、前記シェーカによって誘発される動き、前記シェーカの圧力、前記シェーカの振り子の均衡状態、前記シェーカの接触面積、前記シェーカの変調、前記シェーカの角度、前記シェーカを保持する組立体の機械的調節、及び前記投射スクリーンに対する前記シェーカの近接位置を変化させる調節のうちの1つを含む、付記36に記載の方法。
【0120】
[付記38]
前記少なくとも1つのシェーカによって誘発されたアーチファクトは、前記シェーカの接触面積と関連付けられたスペックルパターンを有する、付記36に記載の方法。
【0121】
[付記39]
前記調節するステップはリモート制御を開始するステップを有する、付記36に記載の方法。
【0122】
[付記40]
前記リモート制御を開始するステップは、複数のシェーカのうちの少なくとも1つを識別し、前記識別された1つ又は複数のシェーカに制御信号を送信することを含む、付記39に記載の方法。
【0123】
[付記41]
前記識別されたシェーカは、複数のシェーカ内におけるシェーカのセットを含み、前記制御信号は、前記識別されたシェーカの各々を同様に調節するように設定されている、付記40に記載の方法。
【0124】
[付記42]
前記調節するステップは、前記投射スクリーンの非観察側に直接的に隣接した場所に前記シェーカを配置するように構成された機械装置の慣性モーメントを調節することを含む、付記36に記載の方法。
【0125】
[付記43]
前記機械装置は、錘が付与されたスイングアームを備え、前記調節するステップは、前記スイングアームに対して前記錘を運動させることを含む、付記42に記載の方法。
【0126】
[付記44]
前記機械装置は、前記錘に取り付けられた可動延伸部を備え、前記調節は、前記可動延伸部を延伸又は退避させることにより、前記錘が前記可動延伸部を通じて前記機械装置のアームに適用する梃子の作用量を増大又は減少させることを含む、付記43に記載の方法。
【0127】
[付記45]
前記可動延伸部を延伸又は退避させることは電気的に開始される、付記44に記載の方法。
【0128】
[付記46]
前記慣性モーメントを調節することは、錘を追加することを含む、付記42に記載の方法。
【0129】
[付記47]
前記調節するステップは、前記シェーカに装着されたスクリーンカプラが前記投射スクリーンに直接的に隣接し且つ前記投射スクリーンと平行になるように前記シェーカを調節することを含む、付記36に記載の方法。
【0130】
[付記48]
前記調節されたシェーカは、前記投射スクリーンとの接触状態にはあるが前記投射スクリーンに対して圧力を作用させないような均衡状態とされている、付記47に記載の方法。
【0131】
[付記49]
前記調節されたシェーカは、前記シェーカ及びカプラによって誘発される試験画像アーチファクトの最小値による最大スペックル低減のために前記投射スクリーンに可能な限り近接している、付記47に記載の方法。
【0132】
[付記50]
前記調節されたシェーカは、前記投射スクリーンとの接触状態にあり且つ前記投射スクリーンに対し十分な圧力を作用させて前記投射スクリーンとの接触を維持するような均衡状態とされている、付記47に記載の方法。
【0133】
[付記51]
前記調節されたシェーカカプラは、前記投射スクリーンとの接触状態にあり且つ前記投射スクリーンの突出を引き起こすことなく前記投射スクリーンに十分な圧力を作用させて前記投射スクリーンに接触及び隣接した状態を維持するような均衡状態とされている、付記47に記載の方法。
【0134】
[付記52]
空調又は換気システム、入口及び/又は出口ドアの開放に伴う空気の流れ、及び、前記投射スクリーンがテーマパークの乗り物に設置された場合における、テーマパークの乗り物によって誘発される動き、爆発、熱によって誘発される動き、ファン、又は小道具の動きを含む、使用時に観察スクリーンと通常関連付けられるその他の動きのうちのいずれか1つ又はこれらの組合せに起因した投射スクリーンの運動を考慮して、前記シェーカカプラの前記接触及び隣接が維持される、付記51に記載の方法。
【0135】
[付記53]
前記シェーカは、ベース揺動装置と、前記ベース揺動装置に装着されたカプラと、前記ベース揺動装置に装着された配置装置と、を備え、
前記カプラの面を前記投射スクリーンに対して平行及び隣接した状態に維持するステップを更に備える付記36に記載の方法。
【0136】
[付記54]
スペックル低減型レーザー投射システムであって、
或る場所に設置されたスクリーンと、
前記スクリーン上に画像を投射するように構成されたレーザー投射システムと、
前記スクリーンの非観察側に配設された複数のスクリーンシェーカと、を備え、
各スクリーンシェーカは、前記スクリーンが運動した際に実質的に変化しない圧力量により前記スクリーンシェーカを前記スクリーンに直接的に隣接した位置に配置するように構成された対応する配置装置により位置が決められて可動自在に保持される、スペックル低減型レーザー投射システム。
【0137】
[付記55]
前記圧力量は無視可能である、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0138】
[付記56]
前記圧力量は、前記スクリーンの観察側において表面変動を生成しない圧力量である、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0139】
[付記57]
前記スクリーンの観察側における表面変動は、前記スクリーンシェーカの機械的な力、音響的な力、及び振動的な力のうちの1つ又は複数により生成される、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0140】
[付記58]
前記表面変動は、前記スクリーンシェーカによって生成される前記スクリーンの面内における動きからなる、付記57に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0141】
[付記59]
前記スクリーンの観察側における表面変動は、前記スクリーンに対する前記スクリーンシェーカの圧力によってではなく、前記スクリーンシェーカの機械的な力、音響的な力、又は振動的な力のうちの1つ又は複数によって生成される、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0142】
[付記60]
前記配置装置は、揺動装置のカプラを前記スクリーンに対して平行に維持するデュアルアームデュアル回動軸スイング部を備える、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0143】
[付記61]
前記配置装置は、スクリーン運動に起因して移動している間に、揺動装置のカプラを前記スクリーンに対して平行に維持するデュアルアームデュアル回動軸スイング部を備える、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0144】
[付記62]
前記配置装置は、スクリーン運動に起因して移動している間に、前記スクリーンシェーカのカプラを前記スクリーンに対して平行に維持するように構成された平行維持メカニズムを備える、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0145】
[付記63]
前記配置装置は、前記スクリーンシェーカによって誘発される運動に起因して平行にならない前記スクリーンシェーカのカプラを平行に維持するように構成されたカプラ動き平行配置メカニズムを更に備える、付記62に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0146】
[付記64]
前記配置装置は、前記スクリーンシェーカによって誘発される運動に起因して平行にならない前記スクリーンシェーカのカプラを平行に維持するように構成されたカプラ動き平行配置メカニズムを備える、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0147】
[付記65]
前記レーザー投射システムは、デュアル変調DMD投射システムを備え、前記デュアル変調DMD投射システムは、市販のシングル変調(例えば、3チップDLP)レーザープロジェクタとの比較において前記スクリーンシェーカの動作におけるスペックル初期量を低減し、前記低減されたスペックル初期量は前記スクリーンシェーカの動作によって更に低減される、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0148】
[付記66]
前記レーザー投射システムは3チップDLP投射システムを有する、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0149】
[付記67]
前記レーザー投射システムは3チップDLP6プライマリレーザー投射システムを有する、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0150】
[付記68]
前記レーザー投射システムは6チップDLP6プライマリ投射システムを有する、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0151】
[付記69]
前記レーザー投射システムは、99,999:1を上回るコントラスト比を有する画像を前記スクリーン上に生成する、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0152】
[付記70]
前記レーザー投射システムは、999,999:1を上回るシーン間の動的コントラスト比を有する画像を前記スクリーン上に生成する、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0153】
[付記71]
前記レーザー投射システムは、少なくとも100,000:1の単一フレームコントラスト比と、1,000,000:1を上回る動的フレーム内コントラスト比とを有する画像を前記スクリーン上に生成する、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0154】
[付記72]
前記配置装置は、空気の流れ又は他の外乱に起因した前記スクリーンの動きの際に前記スクリーンシェーカの位置を前記スクリーンに対して平行に維持する平行四辺形部と、前記スクリーンシェーカの面を前記スクリーンシェーカの振動に起因した前記面の動きによらず前記スクリーンに対して平行に維持する平行四辺形部とを有する、付記54に記載のスペックル低減型レーザー投射システム。
【0155】
以上、添付の図面を参照することにより、本発明の原理を示す本発明の1つ又は複数の実施形態に関して詳細に説明した。本発明は、このような実施形態に対して記述されているが、本発明は、任意の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は請求項によってのみ限定され、本発明は多数の代替肢、変更、及び均等物を包含する。本発明の完全な理解を提供するべく、本明細書においては多数の具体的な詳細が記述されている。これらの詳細は、例示を目的として提供されたものであり、本発明は、これらの具体的な詳細のうちのいくつか又はすべてを伴うことなしに請求項に従って実施され得る。明瞭化のための、本発明に関係する技術分野において既知の技術的内容については、本発明が不必要に不明瞭にならないように詳細な説明が省略されている。