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特許7397053一体型延長セットとバネ駆動の針安全性を備えたIVカテーテル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】一体型延長セットとバネ駆動の針安全性を備えたIVカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20231205BHJP
【FI】
A61M25/06 500
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021210806
(22)【出願日】2021-12-24
(62)【分割の表示】P 2019554585の分割
【原出願日】2018-03-07
(65)【公開番号】P2022037202
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2022-01-18
(31)【優先権主張番号】15/477,256
(32)【優先日】2017-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステファニー ジェイ.ブランソン
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】エス.レイ アイザックソン
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-215315(JP,A)
【文献】米国特許第05749857(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0323181(US,A1)
【文献】特開平10-052499(JP,A)
【文献】特表2002-523189(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02044970(EP,A1)
【文献】国際公開第2017/001656(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルおよび針アセンブリが、
把持部に連結された中空ハンドルであって、前記中空ハンドルおよび把持部が細長いキャビティを含む、中空ハンドルと、
カテーテルハブであって、
カテーテル;
セプタム;および
延長チューブと流体連通する流体合流部;および
針キャリッジ上に載置された細長い針、
を含むカテーテルハブと、を含み
前記針キャリッジが、前記細長いキャビティ内にスライド可能に配置されていて、
前記細長い針が、前記細長い針が前記カテーテル内にスライド可能に配置される第1位置と、前記細長い針が前記カテーテルからスライド可能に外され前記中空ハンドル内に少なくとも部分的に引き込まれる第2位置とを含み、
前記針キャリッジが、前記細長い針が前記第1位置にあるときに前記カテーテルハブの基端フィッティングと取り外し可能に連結するように構成されたキャリッジ延長部を含み、
前記把持部がトリガー部を備え、前記トリガー部がトリガーボタンを備え、前記トリガーボタンがトリガータブに接続され、前記トリガータブは、前記把持部のトリガータブスロットに沿ってスライド可能に係合されており、前記針キャリッジの前記キャリッジ延長部と前記カテーテルハブの前記基端フィッティングとが前記第1位置において互いに連結されているときに、前記トリガーボタンが、前記カテーテルおよび針アセンブリの長手方向軸に対して垂直方向に押されて前記トリガータブを前記垂直方向にスライドさせてばねを作動させ、前記細長いキャビティに沿って前記針キャリッジをスライド可能に駆動し、前記細長い針を前記第1位置から前記第2位置に移動させるように構成されている、カテーテルおよび針アセンブリ。
【請求項2】
前記セプタムが、前記細長い針が前記第1位置にあるときに前記細長い針によって横断されるように構成され、前記細長い針が前記第2位置に移動する際に前記セプタムからスライド可能に外されるときに液密シールを形成するように構成される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記針キャリッジが、前記細長い針の開口穴と流体連通する針キャリッジキャビティを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記針キャリッジが、前記細長い針を前記第1位置に維持するためにトリガータブと係合するように構成された首部を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
トリガーボタンを押す工程が、前記トリガータブをスライドさせて前記首部を外し、前記細長い針を前記第2位置に引き込む、請求項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記細長い針の鋭利な末端点が、前記細長い針が前記第2位置にあるときに前記把持部によって遮蔽される、請求項1に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本開示は、一般に、静脈内カテーテル(例えば、血管アクセス装置)に関する。より具体的には、本出願は、バネ駆動の針安全性を備えたカテーテルおよび針アセンブリのさまざまな使用方法およびシステムを開示している。一般に、血管アクセス装置は、診断または治療上の理由から、末梢血管または中心血管を介して静脈に挿入される。血管アクセス装置は、患者への液体(生理食塩水、血液、医薬品、および/または完全非経口栄養)の注入、患者からの液体(血液など)の回収、および/または患者の血管系のさまざまなパラメータの監視に使用できる。さらに、この開示では、医療従事者に最も近い装置の部分に言及するために用語「基端」を使用し、患者に向かうまたは医療従事者から離れた装置の部分に言及するために用語「末端」を使用する慣例に従う。
【背景技術】
【0002】
静脈内(IV)カテーテルアセンブリは、さまざまな種類の血管アクセス装置の1つである。オーバーザニードル末梢静脈カテーテルは、一般的な静脈カテーテル構成である。その名前が示すように、オーバーザニードルカテーテルは、鋭い末端先端を有する導入針の上に取り付けられる。導入針は、一般に、針を案内し、カテーテルとの協働を容易にする針アセンブリに連結された静脈穿刺針である。カテーテルの末端部の少なくとも内面は、針の外面と密に係合してカテーテルの剥離を防ぎ、それにより、血管へのカテーテルの挿入を促進する。カテーテルおよび導入針は、しばしば、導入針の鋭利な末端先端がカテーテルの末端先端を超えて延在するように組み立てられる。さらに、カテーテルと針は、挿入中に、針の斜面が患者の皮膚から離れるように上を向くように組み立てられる。カテーテルと導入針は一般に、患者の皮膚を通して血管に浅い角度で挿入される。
【0003】
カテーテルと導入針をカテーテル挿入部位で血管に挿入した後、導入針が取り外され、血管内にカテーテルを残す。次に、カテーテルが使用されて、患者の血管系に液体を注入できる。取り外された導入針は「血液に汚染された鋭利物」とみなされ、適切に取り扱われ、廃棄されなければならない。
【0004】
従来のオーバーザニードルカテーテルはさまざまな利点を提供するが、欠点がないわけではない。例えば、導入針が外された後、それは医療従事者および/または患者に針刺しの危険をもたらす可能性がある。また、血液で汚染された鋭利物として、外された導入針は、血液および/または組織で覆われている可能性があり、医療従事者および/または他の患者に汚染の危険をもたらす可能性がある。針刺しや汚染の危険性は、特定の状況(たとえば、カテーテル挿入された患者が非協力的であるか、移動中の救急車でカテーテル挿入が行われる場合)で悪化する可能性がある。
【0005】
このように、さまざまなオーバーザニードルカテーテルが現在存在しているが、上記を含む課題がいまだに存在する。したがって、現在のシステムおよび技術を他のシステムおよび技術で増強するか、さらには置き換えることが当技術分野における改善となる。
【発明の概要】
【0006】
発明の簡単な概要
本開示は、概して、引き込み可能な針を備えたカテーテルおよび針アセンブリに関する。より具体的には、本開示は、偶発的な針刺しを防止する格納式針を備えたカテーテルおよび針アセンブリについて説明する。これらのカテーテルおよび針アセンブリを使用する方法も説明する。
【0007】
いくつかの例示的なカテーテルおよび針アセンブリは、中空のハンドル、把持部、カテーテルを含むカテーテルハブ、および、細長い針がカテーテル内にスライド可能に配置される第1位置および細長い針がカテーテルからスライド可能に外され中空ハンドル内に少なくとも部分的に引き込まれる第2位置を有する細長い針、を含むことができる。場合によっては、カテーテルハブは、細長い針が第2位置にあるときに液密シールを形成するように構成されたセプタムをさらに含むことができる。他の場合、把持部は、バネを作動させて細長い針を第1位置から第2位置に移動させるように構成されたトリガー部を含むことができる。さらに他の場合には、アセンブリは、細長い針に選択的に連結された針キャリッジを含むことができる。いくつかの例では、バネは、把持部および中空ハンドル内の細長いキャビティに沿って針キャリッジを駆動して、針を第1位置から第2位置に引き込むことができる。他の例では、針キャリッジは、カテーテルハブの基端フィッティングと取り外し可能に連結するように構成されたキャリッジ延長部を含むことができる。さらに他の例では、針キャリッジは、細長い針の開口穴と流体連通する針キャリッジキャビティを含むことができる。場合によっては、針キャリッジは、トリガータブと係合して細長い針を第1位置に維持するように構成された首部を含むことができる。他の場合、カテーテルハブはYポートを含んでいる。
【0008】
いくつかの実施形態では、カテーテル挿入の方法は、中空ハンドル、把持部、カテーテルを含むカテーテルハブ、および細長い針がカテーテル内にスライド可能に配置される第1位置と細長い針がカテーテルからスライド可能に外され、中空のハンドル内に少なくとも部分的に引き込まれる第2位置とを有する細長い針を含むカテーテルおよび針アセンブリを提供し、細長い針とカテーテルをカテーテル挿入部位で挿入し、トリガー部を作動させてばねを作動させて細長い針を第1位置から第2位置まで移動させ、引き込まれた細長い針を含む把持およびハンドル部を外すことを含む。場合によっては、カテーテルハブは、細長い針が第2位置にあるときに液密シールを形成するように構成されたセプタムをさらに含むことができる。他の場合では、トリガー部を作動させることは、細長い針を第1位置に維持するトリガータブを外すトリガーボタンを押すことを含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、カテーテルおよび針アセンブリは、把持部に連結された中空ハンドルを含み、中空ハンドルおよび把持部は、細長いキャビティ、カテーテルを含むカテーテルハブ、および針キャリッジに取り付けられた細長い針を含み、針キャリッジは細長いキャビティ内にスライド可能に配置され、細長い針は、細長い針がカテーテル内にスライド可能に配置される第1位置と、細長い針がカテーテルからスライド可能に外されて中空ハンドル内に少なくとも部分的に引き込まれる第2位置とを含む。場合によっては、把持部は、バネを作動させて細長いキャビティに沿って針キャリッジをスライド可能に駆動し、細長い針を第1位置から第2位置に移動させるように構成されるトリガー部を含むことができる。他の場合では、カテーテルハブは、細長い針が第1位置にあるときに細長い針によって横断され細長い針が第2位置に移動するときに細長い針がセプタムからスライド可能に外されるときに液密シールを形成するように構成されるセプタムをさらに含む。さらに他の場合では、針キャリッジは、細長い針が第1位置にあるときにカテーテルハブの基端フィッティングと取り外し可能に連結するように構成されたキャリッジ延長部を含むことができる。場合によっては、針キャリッジは、細長い針の開口穴と流体連通する針キャリッジキャビティを含むことができる。他の例では、針キャリッジは、トリガータブと係合して細長い針を第1位置に維持するように構成された首部を含むことができる。さらに他の例では、トリガーボタンを押すと、トリガータブをスライドさせて首を外し、細長い針を第2位置に引き込むことができる。場合によっては、細長い針が第2位置にあるときに、細長い針の鋭利な末端点が把持部で遮蔽され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面のいくつかの図の簡単な説明
開示された実施形態の上記および他の特徴および利点が得られ、容易に理解されるように、上記で簡単に説明したシステムおよび方法のより具体的な説明は、その特定の実施形態を参照することにより提供され、それらは添付の図面に示されている。これらの図面は典型的な実施形態のみを示しており、したがってその範囲を限定すると見なされるべきではないことを理解する。開示されたシステムおよび方法の例示的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、以下で追加の特徴および詳細とともに詳述され実証される。
【0011】
図1図1は、カテーテルおよび針アセンブリの上面図を示す。
図2図2は、カテーテルおよび針アセンブリの上部断面図を示す。
図3図3は、カテーテルハブおよび把持部の上部断面図を示す。
図4A図4Aは、針が格納位置にあるカテーテルハブおよび把持部の上部断面図を示す。
図4B図4Bは、針が格納位置にある中空ハンドルの上部切り欠き図を示す。
図5図5は、把持部に関連するトリガー部の側面断面図を示す。
図6A図6Aは、係合位置にあるトリガー部の正面断面図を示す。そして
図6B図6Bは、非係合位置にあるトリガー部の正面断面図を示す。
【0012】
これらの図は、例示的なカテーテル保護装備の特定の態様、および以下で説明するような装置を作成および使用する方法を示している。以下の説明とともに、図は、本明細書で説明される構造、方法、および原理の原理を実証および説明する。図面において、構成要素の厚さおよびサイズは、明確にするために誇張されているか、さもなければ修正されている場合がある。異なる図面の同じ参照番号は同じ要素を表し、したがってそれらの説明は繰り返されない。さらに、よく知られた構造、材料、または動作は、説明された装置の側面を不明瞭にすることを避けるために、詳細に示されていないか説明されていない。さらに、図は簡略化された図または部分図を示している場合があり、図中の要素の寸法は誇張されているか、明確にするために比例していない場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な説明
以下の説明は、説明されたカテーテルおよび針アセンブリの完全な理解を提供するために特定の詳細を提供する。それにも関わらず、当業者は、これらの特定の詳細を使用することなく、説明されたカテーテルおよび針アセンブリ、およびそれらを作成および使用する方法を実装および使用できることを理解するであろう。実際、カテーテルおよび針アセンブリは、図示された装置と方法を修正することで実用化でき、業界で従来使用されている他の装置と技術と組み合わせて使用できる。
【0014】
一般に、本開示は、カテーテルおよび針アセンブリのシステム、ならびにそのようなカテーテルおよび針アセンブリを使用するカテーテル挿入の方法に関する。いくつかの例では、カテーテルおよび針アセンブリは、中空のハンドル、把持部、およびカテーテルハブを含み、これらはこの順序で縦軸に沿って配置される。カテーテルハブは、患者のカテーテル挿入用に構成されたオーバーザニードルカテーテルを含むことができる。針は、バネを介して把持部と中空ハンドルに引き込むように構成できる。把持部を使用してカテーテルおよび針アセンブリを操作することにより、医療従事者は、カテーテル挿入部位で患者の血管系にオーバーザニードルカテーテルを挿入することができる。次いで、医療従事者は、把持部のトリガーを作動させて、バネ付勢された針を把持部および中空ハンドルに引き込むことができる。バネ付勢された針は把持部と中空のハンドルに引き込まれ、針を鞘で覆い、引き込まれた針からの針刺しを防ぐ。次に、把持部と中空ハンドルがカテーテルハブから単一ユニットとして外され、針刺しおよび/または汚染のリスクを最小限に抑えて安全に廃棄され得る。
【0015】
図1~2を参照すると、カテーテルおよび針アセンブリ1が示されている。カテーテルおよび針アセンブリ1は、任意の適切な構成要素および/または適切な構造を含むことができるが、少なくともいくつかの実施形態では、それは中空ハンドル10、把持部30、およびカテーテルハブ60を含む。場合によっては、中空ハンドル10、把持部30、およびカテーテルハブ60は、長手方向軸「A」に沿って整列させることができる。中空ハンドル10は、長手方向軸「A」に沿って整列した細長いキャビティ12を含むことができる。中空ハンドル10は、基端部14および末端部16を含むことができる。中空ハンドル10の基端部14は、通気口20を含む軸方向開口部18を含むことができる。場合によっては、通気口20は、キャビティ12へのまたはキャビティ12からの空気の伝搬を選択的に可能にし、および/またはキャビティ12へのまたはキャビティ12からの流体の流れを実質的に防ぐように構成することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、把持部30は、基端部32および末端部34を含む。把持部30の基端部32は、中空ハンドル10の末端部16と選択的に連結することができる。把持部30の末端部34は、カテーテルハブ60の基端部62と選択的かつ取り外し可能に連結することができる。把持部30はまた、末端部34から基端部32まで中空ハンドル10の細長いキャビティ12内に延在する細長いキャビティ36を含むことができる。把持部30はまた、医療従事者がカテーテル挿入の間にアセンブリ1を操作できるように構成された把持面38を含むことができる。把持部30は、トリガー部130も含むことができる。場合によっては、トリガー部130は、医療従事者がバネ付勢された針を把持部30および中空ハンドル10内に引き込むことを可能にするように構成されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、カテーテルハブ60は、基端部62、末端部64、およびそれを通る開口通路66を含む。場合によっては、カテーテルハブ60の基端部62は、把持部30の末端部34と選択的かつ取り外し可能に連結するように構成することができる。他の場合では、カテーテルハブ60は、カテーテルハブ60から末端に延在するカテーテル68を含むことができる。さらに他の場合では、カテーテルハブ60は、カテーテル68、チューブ72、および流体コネクタ74と流体連通する流体合流部70を含むことができる。場合によっては、チューブ72は1つ以上のピンチクランプを含むことができる。他の例では、流体コネクタ74は、1つまたは複数のルアーフィッティング、無針接続、または流体ラインを接続する他の手段を含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、カテーテルおよび針アセンブリ1は、細長い針100とこれを通る開口穴102と鋭利な末端点104を含む。針100は、カテーテル68内にスライド可能に配置することができる。針100は、針キャリッジ106に選択的に連結することができる。針キャリッジ106は、把持部30の細長いキャビティ36内でおよびそれに沿って、ハンドルの細長いキャビティ12内にスライド可能に並進するように構成することができる。針100は、図1~3に最もよく見られる第1位置を有することができ、針100はカテーテルハブ60内の開口通路66内に配置され、カテーテル68内にスライド可能に配置されている。この第1位置では、針キャリッジ106は把持部30内に配置されている。針100は、図4Aおよび4Bに最もよく見られる第2位置も有することができ、針100は把持部30内のコイルばね108によって中空ハンドル10に戻されている。この第2位置では、針キャリッジ106はハンドル10内に配置されている。
【0019】
引き続き図1~2を参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルおよび針アセンブリ1はカバー140を含む。カバー140は、カテーテル68および/または針100を遮蔽するように構成された末端部142を含むことができる。カバー140はまた、カテーテルハブ60および把持部30の少なくとも一部を遮蔽するように構成された基端部144を含むことができる。基端部144はまた、トリガー部130を偶発的に作動させないようにトリガー部130を覆うおよび/または遮蔽するように構成することができる。
【0020】
ここで図3を参照すると、把持部30およびカテーテルハブ60のいくつかの実施形態の破断図が、針キャリッジ106が第1位置にある状態で示されている。第1位置では、針キャリッジ106は、把持部の細長いキャビティ36内にスライド可能に配置され得る。また、この第1位置では、螺旋バネ108は、針キャリッジ106の一部に巻き付けられ、針キャリッジ106のバネタブ110と把持部30のバネタブ40との間で圧縮され得る。針キャリッジ106は、針キャリッジ106の首部112とスライド可能に係合するトリガータブ132によって、圧縮されたバネ108によりこの第1位置に維持することができる。トリガータブ132は、把持部30のトリガータブスロット42に沿ってスライド可能に係合することができる。針100は、針載置部114によって針キャリッジ106に連結され得る。針100の開口穴102は、針キャリッジキャビティ116内に開口し得る。針キャリッジキャビティ116は、針キャリッジ開口部118内に開口し得る。場合によっては、針キャリッジ開口部118は、フィルタ120をさらに含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、把持部30は末端壁44を含む。場合によっては、末端壁44は壁延長部46を含むことができる。末端壁44は、末端開口部48を含むことができる。他の場合、末端壁44は、針キャリッジ106の針キャリッジ延長部122を受容するように構成され得て、針100が第1位置にあるときに針キャリッジ延長部122が少なくとも部分的に末端開口部48を通って延在するようになっている。針キャリッジ延長部122は、針100が第1位置にあるときに、カテーテルハブ60の基端フィッティング76内に延在しおよび/または受容されるように構成することができる。針キャリッジ延長部122は、針100が第1位置にあるときにカテーテルハブ60の基端フィッティング76と着脱可能に連結するように構成することもできる。場合によっては、基端フィッティング76はルアースタイルのフィッティングを含むことができる。他の場合では、末端壁44は、基端フィッティング76を受容するように構成することができる。さらに他の場合では、針キャリッジ延長部122は、少なくとも部分的に基端フィッティング76の開口部内に延在するように構成することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、針100が第1位置にあるとき、針100は、カテーテルハブ60の開口通路66に配置されたセプタム78を通ってカテーテルハブ60を通って延在する。セプタム78は、セプタム保持タブ80により、開口通路66内に保持され得る。セプタム78はまた、1つ以上の開口部を含むことができる。場合によっては、セプタム78は、セプタムルーメン86によって接続された第1セプタム開口部82および第2セプタム開口部84を含む。第1位置にあるとき、針100はカテーテル68を通って延在することもできる。カテーテル68は、係止環88で少なくとも部分的にカテーテルハブ60に固定することができる。
【0023】
ここで図4Aおよび4Bを参照すると、針およびカテーテルアセンブリ1のいくつかの実施形態の断面図が、針100が第2位置にある状態で示されている。図4Aに示すように、第2位置では、針100の鋭利な末端点104がカテーテルハブ60から把持部30内に後退されて、偶発的な針刺しを防止することができる。この第2位置では、針100はもはやカテーテル68に通されない。また、針100はセプタム78をもはや通過しない。また、針100は、第1および第2セプタム開口部82、84をもはや通過せず、第1および第2セプタム開口部82、84は、液密シールを維持することができる。針キャリッジ106のキャリッジ延長部122は、カテーテルハブ60の基端フィッティング76から後退することもできる。場合によっては、針100が第2位置にあるとき、カテーテルハブ60は把持部30から分離することができる。他の場合では、針100が第2部分にあるとき、カテーテルハブ60は把持部30に連結されたままであり、医療従事者は、針100が第2位置に引き込まれた後、把持部30からカテーテルハブ60を個別に切り離すことができる。
【0024】
図4Bに示されるように、第2位置において、バネ108は、把持部30の細長いキャビティ36に沿って、ハンドル10の細長いキャビティ12内に沿っておよびその中に、針キャリッジ106を圧縮解除および駆動できる。付随して、針キャリッジ106が細長いキャビティ36、12に沿って駆動されると、針100は、カテーテル68からセプタム78を通って把持部30およびハンドル10内にスライド可能に引き込められる。針キャリッジ106は、次に静止させることができ、ハンドル10の基端部14に対して付勢することができる。場合によっては、把持部30およびハンドル10はその後カテーテルハブ60から分離され、二次汚染を防ぐために廃棄される。
【0025】
図5、6A、および6Bを参照すると、トリガー部130のいくつかの実施形態が示されている。トリガー部130は、意図するように機能することを可能にする任意の適切なコンポーネントを含むことができるが、少なくともいくつかの実施形態では、トリガータブ132、トリガーボタン134、およびトリガータブ132上の鍵穴開口部136を含む。図5は、把持部30に対するトリガー部130の側面断面図を示す。図5に示されるように、および上述のように、トリガータブ132は、トリガータブスロット42内に配置されて針キャリッジ106の首部112と係合するように構成され得る。首部112がトリガータブ132と係合すると、針100は第1位置に保持される。トリガーボタン134は、トリガータブ132に接続され得る。トリガーボタン134は、「B」とラベル付けされた矢印で示される方向にトリガーボタン134を押し下げることにより、医療従事者がばね108を作動させて針100を引き込むことができるように構成できる。「B」とラベル付けされた矢印によって示される方向にトリガーボタン134を押すことにより、医療従事者はトリガータブ132をトリガータブスロット42に沿ってスライド可能に移動させることができる。トリガータブ132がトリガータブスロット42に沿ってスライド可能に並進すると、首部112は外れる。首部112が外された状態で、バネ108は、細長いキャビティ36、12に沿って針キャリッジ106を駆動し、針100を引き込むことができる。
【0026】
図6Aおよび図6Bを参照すると、把持部30に対するトリガー部130のいくつかの実施形態の断面図が示されている。図6Aは、トリガータブ132によって係合される首部112の実施形態を示し、図6Bは、トリガータブ132から外された首部112の実施形態を示している。場合によっては、トリガータブ132の鍵穴開口部136は、狭い部分137とより大きな部分138を含むことができる。狭い部分137は、首部112と係合するサイズおよび/または形状にすることができる。より大きな部分138は、首部112が鍵穴開口部136から外れることを可能にし、および/またはキャリッジ延長部122が鍵穴開口部136を通過することを可能にするようなサイズにすることができる。図6Aに示すように、トリガータブ132が係合位置にある状態で、首部112は、鍵穴開口部136の狭い部分137によって係合されることが可能であり、針100は第1位置に維持される。図6Bに示すように、医療従事者が「B」とラベル付けされた矢印によって示される方向にトリガーボタン134を押し下げると、トリガータブ132がトリガータブスロット42に沿ってスライドし、首部112がより狭い部分137から外れ、より大きな部分138は、キャリッジ延長部122が鍵穴開口部136を通過することを可能にすることにより、バネ108が針100を引き込むことを可能にする。図6Aおよび6Bは、首部112を係合および係合解除するための鍵穴開口部136機構を示しているが、当技術分野で知られている他の任意の適切な機構を使用することができる。例えば、ピンまたはタブが使用されて首部112と係合することができ、トリガーボタン134は、ピンまたはタブを外して首部112を外すように構成することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、本出願は、引き込み針を含むカテーテルおよび針アセンブリを使用したカテーテル挿入の方法を開示する。場合によっては、これらの方法は、上記のカテーテルおよび針アセンブリを提供することを含むことができる。医療従事者は、患者のカテーテル挿入部位を準備することから始めることができる。次いで、医療従事者は、カテーテルおよび針アセンブリ1をあらゆる包装から外すことができる。次いで、医療従事者は、把持面38によってアセンブリ1を把持し、アセンブリ1を操作して細長い針100の鋭利な末端点104がカテーテル挿入部位にあるようにすることができる。医療従事者は、次にカテーテル挿入部位において患者に浅い角度で細長い針100およびカテーテル68を挿入し、血管にアクセスすることができる。場合によっては、医療従事者はカテーテル68をさらに前進させて適切な配置を達成することができる。医療従事者は、カテーテルの開口通路66への血液の逆流および/またはチューブ72に沿った血液の逆流を観察することにより、カテーテルの適切な配置を確認することができる。医療従事者は、次いで、トリガーボタン134を押してばね108を作動させて、細長い針100を第2位置に引き込むことができる。細長い針100が把持部30および中空ハンドル10内に後退すると、カテーテルハブ60は把持部30から分離する。医療従事者は、次いで、針刺しおよび/または汚染のリスクを最小限に抑えながら、鞘付きの細長い針100を含む把持部30および中空ハンドル10を廃棄することができる。細長い針100が第2位置に後退すると、セプタム78はカテーテルハブ60をシールして、患者からカテーテル68を通って流体が漏れるのを防ぐ。医療従事者は、次いで、流体合流部70および/または流体コネクタ74を通じて患者に流体を注入することができる。あるいは、医療従事者は、次いで、セプタム78を横断することができるコネクタを使用して、カテーテルハブ60の基端フィッティング76を介してカテーテル68を通して患者に流体を注入することができる。
【0028】
カテーテルおよび針アセンブリ1は任意の適切な方法で製造および組み立てることができるが、少なくともいくつかの実施形態では、カテーテルおよび針アセンブリ1が組み立てられ、カバー140がその上に配置され、アセンブリ1およびカバー140がシールされた包装内部に配置される。シールされた包装は、ウイルスや微生物などの感染性病原体による汚染に対して実質的に耐性のある材料から形成することができる。シールされた包装は、その後滅菌されて、感染性病原体を生存不能にすることができる。感染性病原体を生存不能にする適切な滅菌条件には、化学滅菌剤(例えば、エチレンオキシド、過酸化水素蒸気、および他の同様の化学物質)および電離放射線(例えば、ガンマ線、ベータ粒子、および他の同様の種類の放射線)への曝露が含まれる。シールされた包装に適した材料には、紙、ワックス紙、プラスチック、熱可塑性フィルム、不織布材料、および他の同様の材料が含まれるが、これらに限定されない。包装および滅菌後、包装されたアセンブリは、包装が開かれるまで滅菌されていると見做される。
【0029】
いくつかの実施形態では、アセンブリ1が製造されると、針100はアセンブリ1内で回転方向に向けられ、鋭い末端点104の傾斜面がトリガーボタン134と実質的に整列されるようになっている。医療従事者による使用に備えてアセンブリ1が遮蔽されていない場合、針100の傾斜面とトリガーボタン134の整列により、医療従事者による中空ハンドル10の把持が、斜面を上向きにした患者への挿入のための直感的に適切な位置に実質的に導かれる。針100の挿入後、医療従事者は、開口通路66および/またはチューブ72内の血液の逆流を観察することにより、患者の血管内の適切な配置を容易に確認することができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、アセンブリ1が製造されるとき、潤滑剤は、アセンブリの1つ以上の部品に塗布され得る。例えば、潤滑剤は、針100、カテーテル68、キャリッジ延長部122、針キャリッジ106、およびバネ108のうちの1つまたは複数に塗布することができる。潤滑剤は、部品間の摩擦を減らすために、および/または潤滑された部品がより簡単に互いをすり抜けるようにするために適用することができる。例えば、潤滑剤を針キャリッジ106およびばね108に塗布して、針キャリッジ106が第1位置から第2位置へより容易にスライドできるようにすることができる。同様に、針100および/またはカテーテル68に潤滑剤を塗布して、患者の血管への針の進入を容易にし、および/またはカテーテル68から針100を外すことを容易にすることができる。場合によっては、潤滑剤は、クロロヘキシジンなどの抗菌剤を含むことができる。
【0031】
カテーテルおよび針アセンブリ1は任意の適切な材料から製造することができるが、少なくともいくつかの実施形態では、中空ハンドル10、把持部30、カテーテルハブ60、およびカバー140は、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、および他の同様の材料などの熱可塑性ポリマー樹脂から形成される。中空ハンドル10および把持部30は、針100が第1位置にあるか第2位置にあるかを医療従事者が視覚的に確認できるように、実質的に透明な材料から形成することができる。カテーテル68は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリウレタン、および他の同様の材料などの熱可塑性樹脂から形成することができる。場合によっては、カテーテル68は、患者の体内の生理的条件にさらされると軟化する熱可塑性親水性ポリウレタンから形成することができる。細長い針100、ばね108、および係止環88は、ステンレス鋼合金または他の同様の材料から形成することができる。
【0032】
本開示は、多くの特徴を有することができるカテーテルおよび針アセンブリについて論じている。例えば、カテーテルおよび針アセンブリのいくつかの実施形態は、カテーテルハブ内にセプタムを含む。セプタムは、針が引き込まれたときにシールするように構成されることにより、カテーテルを外部雰囲気からシールして、流体の漏れを防ぐ。また、他の実施形態では、カテーテルハブは、Yポート、チューブ、およびコネクタを含む。Yポートは、医療従事者が患者に液体を注入するためのアクセスポイントを提供できる。また、チューブは、血流の前線がチューブの上方に進むにつれて、はるかに長い時間にわたって血液の逆流を観察する機能を提供できる。別の特徴は、カテーテルを進めるときの抗力が低いことである。カテーテルを前進させるときの低抵抗は、針および/またはカテーテル、針の鋭い末端点の傾斜面を潤滑すること、カテーテルおよび/または針をサイジングおよび成形して抵抗を減らすこと、および他の同様の機能により可能になる。
【0033】
さらに別の特徴は、開示されたアセンブリの当技術分野で知られている他の技術への適応性である。例えば、記載されたアセンブリは、針の開口穴内に柔軟なガイドワイヤを提供することにより、曲がりくねった血管の解剖学的構造内にカテーテルを配置するように修正することができる。アセンブリは、上記のようにカテーテル挿入部位に挿入される。次に、柔軟なガイドワイヤが血管内に進められる。カテーテルが次に柔軟なガイドワイヤに沿って血管内にさらに進められる。次に、柔軟なガイドワイヤが引き込められる。針が、次に前述のように引き込められる。
【0034】
前述の修正に加えて、他の多くの変形および代替の構成が、この説明の精神および範囲から逸脱することなく当業者によって創造され、添付の特許請求の範囲はそのような修正および構成をカバーすることが意図される。したがって、情報は、現在最も実用的かつ好ましい態様であると現在考えられているものに関連して特におよび詳細に上述されているが、当業者には、以下を含むがこれらに限定されない多数の修正が明らかであり、本明細書に記載された原理および概念から逸脱することなく、形態、機能、動作の様式、および使用を行うことができる。また、本明細書で使用される場合、例および実施形態は、すべての点で、例示のみを意味するものであり、いかなる形でも限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B