(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法及び処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20231205BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20231205BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q30/0207
(21)【出願番号】P 2022042628
(22)【出願日】2022-03-17
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大貫 明人
(72)【発明者】
【氏名】稲富 梨奈
(72)【発明者】
【氏名】友田 光哉
(72)【発明者】
【氏名】今田 晴菜
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 雄輝
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-045430(JP,A)
【文献】特開2021-149854(JP,A)
【文献】特開2006-133931(JP,A)
【文献】国際公開第2020/031232(WO,A1)
【文献】特開2003-115001(JP,A)
【文献】国際公開第2020/179373(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3215195(JP,U)
【文献】特開2011-048462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの識別情報と前記ユーザの顔の特徴点情報とを前記ユーザごとに対応付けた認証用情報と、前記ユーザの識別情報と属性とを前記ユーザごとに対応付けたユーザ情報と、前記ユーザの識別情報と前記ユーザに付与されているクーポン及びポイントとを店舗ごとに対応付けたクーポン・ポイント情報と、を記憶する記憶部と、
第1のユーザの顔が撮像された画像の入力を受け付けると、顔認証を行い、前記第1のユーザの識別情報を特定する特定部と、
前記ユーザ情報を参照し、前記第1のユーザの識別情報を基に、前記第1のユーザの属性を取得し、前記第1のユーザがクーポン及び/またはポイントの提示対象であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記第1のユーザがクーポン及びポイントの提示対象であると判定された場合、前記クーポン・ポイント情報を参照し、前記第1のユーザに付与されているクーポン及び/またはポイントを提示する提示部と、
を有
し、
前記判定部は、前記第1のユーザが、前記店舗で導入しているクーポンの発行及びポイント付与を管理するアプリケーションのダウンロード歴がない65歳以上である高齢者、及び/または、前記店舗で導入しているクーポンの発行及びポイント付与を管理するアプリケーションのダウンロード歴がない所定年齢以下である子供である場合、前記クーポン及び/またはポイントの提示対象であると判定することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記店舗に設置されている店舗端末から、前記第1のユーザの顔が撮像された画像の入力を受け付け、
前記提示部は、前記店舗端末に、前記第1のユーザに付与されているクーポン及び/またはポイントを出力させることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記提示部は、
第2のユーザが使用するユーザ端末から前記第2のユーザのスケジュールの入力を受け付け、
前記クーポン・ポイント情報を参照し、
前記第2のユーザのスケジュールに含まれる単語及び/または前記スケジュールにおいて必要となる物品の単語を基に、前記第2のユーザに付与されているクーポン及び/またはポイントを検索し、検索したクーポン及び/またはポイントを前記ユーザ端末から出力させることを特徴とする請求項1
または2に記載の処理装置。
【請求項4】
処理装置が実行する処理方法であって、
前記処理装置は、ユーザの識別情報と前記ユーザの顔の特徴点情報とを前記ユーザごとに対応付けた認証用情報と、前記ユーザの識別情報と属性とを前記ユーザごとに対応付けたユーザ情報と、前記ユーザの識別情報と前記ユーザに付与されているクーポン及びポイントとを店舗ごとに対応付けたクーポン・ポイント情報と、を記憶する記憶部を有し、
第1のユーザの顔が撮像された画像の入力を受け付けると、顔認証を行い、前記第1のユーザの識別情報を特定する工程と、
前記ユーザ情報を参照し、前記第1のユーザの識別情報を基に、前記第1のユーザの属性を取得し、前記第1のユーザがクーポン及び/またはポイントの提示対象であるか否かを判定する工程と、
前記判定する工程において前記第1のユーザがクーポン及びポイントの提示対象であると判定された場合、前記クーポン・ポイント情報を参照し、前記第1のユーザに付与されているクーポン及び/またはポイントを提示する工程と、
を含
み、
前記判定する工程は、前記第1のユーザが、前記店舗で導入しているクーポンの発行及びポイント付与を管理するアプリケーションのダウンロード歴がない65歳以上である高齢者、及び/または、前記店舗で導入しているクーポンの発行及びポイント付与を管理するアプリケーションのダウンロード歴がない所定年齢以下である子供である場合、前記クーポン及び/またはポイントの提示対象であると判定することを特徴とする処理方法。
【請求項5】
コンピュータを請求項1~
3のいずれか一つに記載の処理装置として機能させるための処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法及び処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗にて、来店客にポイントカードやクーポンを発行し、ポイントやクーポンの特典等を使用することで、来店客の購買意欲の向上を図っていた。近年、スマートフォンの普及により、スマートフォンに店舗のアプリケーションをインストールし、スマートフォン上でポイントやクーポンを管理する手法が広がっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、高齢者やこども等のスマートフォンを持っていない人は、紙のクーポンやポイントカードを使用して、クーポンの特典を受けていたり、ポイントを貯めたりしている。しかしながら、このような人が来店時に紙のクーポンを忘れてしまうと、クーポンを使い損ね、クーポンの得点を受けられない場合がある。また、このような人が紙のポイントカードを忘れてしまうと、ポイントが付与されない場合や、レシートの裏にスタンプを押してもらい後日ポイントカードにポイントを登録し直してもらうといった煩雑な処理が必要となる場合がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、来店時に紙のクーポンやポイントカードを忘れた場合でも、クーポンの特典及びポイント付与を受けることができる処理装置、処理方法及び処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る処理装置は、ユーザの識別情報とユーザの顔の特徴点情報とをユーザごとに対応付けた認証用情報と、ユーザの識別情報と属性とをユーザごとに対応付けたユーザ情報と、ユーザの識別情報とユーザに付与されているクーポン及びポイントとを店舗ごとに対応付けたクーポン・ポイント情報と、を記憶する記憶部と、第1のユーザの顔が撮像された画像の入力を受け付けると、顔認証を行い、第1のユーザの識別情報を特定する特定部と、ユーザ情報を参照し、第1のユーザの識別情報を基に、第1のユーザの属性を取得し、第1のユーザがクーポン及び/またはポイントの提示対象であるか否かを判定する判定部と、判定部によって第1のユーザがクーポン及びポイントの提示対象であると判定された場合、クーポン・ポイント情報を参照し、第1のユーザに付与されているクーポン及び/またはポイントを提示する提示部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、来店時に紙のクーポンやポイントカードを忘れた場合でも、クーポンの特典及びポイント付与を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す店舗端末の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、顔認証用情報のデータ構成を示す図である。
【
図5】
図5は、ユーザ情報のデータ構成を示す図である。
【
図6】
図6は、クーポン・ポイント情報のデータ構成を示す図である。
【
図7】
図7は、判定ルールのデータ構成を示す図である。
【
図8】
図8は、店舗内の処理の概要を示す図である。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る通信処理の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】
図10は、実施の形態の変形例に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、実施の形態の変形例に係る通信処理の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図12】
図12は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る処理装置及び処理方法が限定されるものではない。
【0010】
[実施の形態]
まず、実施の形態について説明する。実施の形態では、店舗の来店客(ユーザ)が使用可能であるクーポン及びポイントを、ユーザの来店時に提示する通信システムについて説明する。
【0011】
実施の形態に係る通信システムでは、サーバ装置が、店舗に設置されている店舗端末から、来店したユーザの顔が撮像された画像を受け付けると、顔認証を行って、ユーザを特定する。そして、サーバ装置は、このユーザが、クーポン及び/またはポイントの提示対象であると判定した場合、この来店者に付与されているクーポン及び/またはポイントを提示する。サーバ装置は、店舗端末に、この来店者に付与されているクーポン及び/またはポイントを出力させる。
【0012】
[通信システムの構成]
実施の形態に係る通信システムの構成を説明する。
図1は、実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、実施の形態に係る通信システムは、各ユーザのクーポン及び/またはポイントを管理するサーバ装置10(処理装置)と、店舗に設置された店舗端末20とを有する。なお、
図1に示す構成は一例にすぎず、具体的な構成や各装置の数は特に限定されない。
【0014】
サーバ装置10は、ユーザが使用可能であるクーポン及びポイントを店舗ごとに管理する。サーバ装置10は、店舗の来店時に、ユーザの顔認証を行うことでユーザを特定し、このユーザがクーポン提示対象である場合には、このユーザが使用可能であるクーポン及びポイントを提示する。
【0015】
店舗端末20は、例えば、タブレット、スマートフォン等のスマートデバイスである。店舗端末20は、来店したユーザの顔の画像を撮像し、サーバ装置10に送信する。そして、店舗端末20は、このユーザが使用可能であるクーポン及びポイントを表示出力、または、印刷出力する。店舗端末20は、店の入り口または店のレジに設置される。店舗端末20は、来店者の体温測定機能を有していてもよい。
【0016】
なお、本実施の形態では、いわゆるクラウド方式を採用した際の構成を例示するが、もちろん、エッジ装置である店舗端末20が、クラウドであるサーバ装置10の機能を有し、サーバ装置10の処理を実行してもよい。
【0017】
[店頭端末]
次に、店舗端末20について説明する。
図2は、
図1に示す店舗端末20の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、店舗端末20は、撮像機能を有する撮像部21、各種情報に関する通信を制御する通信部22、出力部23、及び、制御部24を有する。
【0018】
撮像部21は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により実現されるカメラ機能やビデオ機能を有し、静止画像や動画像を撮像する。例えば、撮像部21は、店舗に来店したユーザ(第1のユーザ)の顔の画像(例えば、静止画像)を撮像する。なお、撮像部21は、店舗端末20に内蔵されている場合に限定されるものではなく、店舗端末20外に設けられ、撮像した画像を通信部22に送信してもよい。
【0019】
通信部22は、ネットワーク等を介して接続された他の装置との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースである。通信部22は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介したサーバ装置10と制御部24(後述)との間の通信を行う。
【0020】
出力部23は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現され、各種情報を表示する。例えば、出力部23は、第1のユーザが使用可能であるクーポン及びポイントを表示する。また、出力部23は、印刷機能を有し、第1のユーザが使用可能であるクーポン及びポイントを印刷した紙片を出力してもよい。また、出力部23は、スピーカであり、第1のユーザが使用可能であるクーポン及びポイントを示す情報を音声で出力してもよい。
【0021】
制御部24は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路によって構成され、店舗端末20全体を制御する。制御部2は、撮像部21及び通信部22を制御することで、撮像部21が撮像した第1のユーザの顔の画像を、サーバ装置10に送信する。また、制御部24は、サーバ装置10から、第1のユーザが使用可能であるクーポン及びポイントを示す情報を通信部22が受信した場合、出力部23に、第1のユーザが使用可能であるクーポン及びポイントを示す情報を出力させる。
【0022】
[サーバ装置]
次に、サーバ装置10について説明する。
図3は、
図1に示すサーバ装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、サーバ装置10は、各種情報に関する通信を制御する通信部11(送信部)、制御部13による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する記憶部12、及び、種々の処理を実行する制御部13を有する。
【0023】
通信部11は、ネットワーク等を介して接続された他の装置との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースである。通信部11は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した他の装置(例えば、店舗端末20)と制御部13(後述)との間の通信を行う。例えば、通信部11は、ネットワークNを介して、店舗端末20から、第1のユーザの顔が撮像された画像(顔画像)を受信する。また、通信部11は、第1のユーザが使用可能であるクーポン及びポイントを示す情報を店舗端末20に送信する。
【0024】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部12は、サーバ装置10で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。さらに、記憶部12は、プログラムの実行で用いられる各種情報を記憶する。記憶部12は、認証用情報121、ユーザ情報122、クーポン・ポイント情報123及び判定ルール124を記憶する。
【0025】
認証用情報121は、顔認証処理に使用する情報である。
図4は、認証用情報121のデータ構成を示す図である。
図4に示すように、認証用情報121は、例えば、特徴点情報と、ユーザIDとを項目として有する。特徴点情報は、顔の目、鼻、口等の特徴点の位置、顔領域の位置及び大きさを示す情報である。IDは、ユーザの識別情報である。例えば、ID「A」のユーザには、特徴点情報Daが対応付けられている。これらの各ユーザの特徴点情報は、以前の来店時に撮像されたユーザの顔画像から取得され、予めIDと対応付けられている。
【0026】
ユーザ情報122は、店舗の利用客として登録されている各ユーザに関する情報である。ユーザ情報122は、ユーザの識別情報と属性とをユーザごとに対応付けた情報である。
図5は、ユーザ情報122のデータ構成を示す図である。
【0027】
図5に示すように、ユーザ情報122は、例えば、ユーザのID、属性(例えば、年齢及び性別)、購入履歴、及び、アプリケーションダウンロード歴を項目として有する。アプリケーションは、店舗で導入しているクーポンの発行及びポイント付与を管理するアプリケーションである。
【0028】
図5の例では、ID「A」のユーザは、年齢70歳の女性であり、購入履歴Raと、アプリケーションダウンロード歴ないことが対応付けられている。各属性は、例えば、ポイントカード作成時等に取得され、ユーザIDに対応付けて登録される。また、購入時にリーダー等でポイントカードのコードが読み取られることで、ユーザのIDが特定され、その際の購入履歴が、ユーザ情報122に記録される。アプリケーションダウンロード歴は、アプリケーションダウンロード時に登録したユーザのID、氏名、連絡先などに応じてユーザのIDに対応付けられる。
【0029】
クーポン・ポイント情報123は、ユーザの識別情報と、ユーザに付与されているクーポン及びポイントとを店舗ごとに対応付けた情報である。
図6は、クーポン・ポイント情報123のデータ構成を示す図である。
【0030】
図6に示すように、クーポン・ポイント情報123には、例えば、ユーザのIDに、クーポン及びポイントが店舗ごとに対応付けられる。例えば、ID「A」のユーザは、店舗P1では、クーポンC1,C2が発行されており、300ポイントが付与されている。また、ID「A」のユーザは、店舗P2では、クーポンC11,C12が発行されており、600ポイントが付与されている。なお、クーポン及びポイントに使用期限がある場合には、期限経過時に期限が経過したクーポン・ポイントは、クーポン・ポイント情報123から削除される。
【0031】
判定ルール124は、顔認証で特定されたユーザがクーポン及び/またはポイントを提示する対象であるか否かを判定する際に使用されるルールである。
図7は、判定ルール124のデータ構成を示す図である。
【0032】
図7に示すように、判定ルール124は、例えば、対象または非対象、年齢、性別、及び、アプリケーションダウンロード歴の有無を項目として有する。例えば、1行目には、アプリケーションのダウンロード歴がない65歳以上の女性が対象であることを示す。また、2行目には、アプリケーションのダウンロード歴がない15歳以下の男性が対象であることを示す。また、3行目には、アプリケーションのダウンロード歴がある20歳以上64歳以下の女性が非対象であることを示す。
【0033】
制御部13は、サーバ装置10全体を制御する。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。また、制御部13は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部13は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。制御部13は、受付部131、特定部132、判定部133、提示部134及び更新部135を有する。
【0034】
受付部131は、認証対象の第1のユーザの顔画像の入力を受け付ける。認証対象の第1のユーザの顔画像は、店舗端末20から送信された画像である。例えば、受付部131は、店舗P1の店舗端末20から第1のユーザの顔画像の入力を受け付ける。
【0035】
特定部132は、受付部131が第1のユーザの顔画像の入力を受け付けると、顔認証を行い、第1のユーザを特定する。特定部132は、第1のユーザの顔画像から顔を検出し、第1のユーザを特定する。特定部132は、第1のユーザの顔画像から、顔の目、鼻、口等の特徴点の位置、顔領域の位置及び大きさを抽出し、認証用情報121の各特徴点と照合することで、第1のユーザのIDを特定する。特定部132は、例えば、訓練済みの深層学習モデルを用いて、第1のユーザのIDの特定を行う。特定部132は、特定した第1のユーザのIDを判定部133に出力する。
【0036】
判定部133は、ユーザ情報122を参照し、特定部132によって特定された第1のユーザのIDを基に、第1のユーザのユーザ情報を取得する。そして、判定部133は、判定ルール124に従って、第1のユーザがクーポン及び/またはポイントの提示対象であるか否かを判定する。
【0037】
例えば、第1のユーザがID「A」のユーザである場合について説明する。ID「A」のユーザは、70歳のアプリケーションダウンロード歴のない女性であるため、判定部133は、
図7に示す判定ルール124に従って、ID「A」のユーザがクーポン及び/またはポイントの提示対象であると判定する。また、第1のユーザがID「C」のユーザである場合について説明する。ID「C」のユーザは、35歳のアプリケーションダウンロード歴のある女性であるため、判定部133は、ID「C」のユーザがクーポン及び/またはポイントの提示対象はないと判定する。
【0038】
提示部134は、判定部133によって第1のユーザがクーポン及びポイントの提示対象であると判定された場合、クーポン・ポイント情報123を参照し、第1のユーザに付与されているクーポン及び/またはポイントを提示する。
【0039】
例えば、第1のユーザがID「A」である場合、提示部134は、クーポン・ポイント情報123を参照し、店舗P1において、ID「A」のユーザに付与されているクーポンC1,C2及び300ポイントを、店舗P1の店舗端末20に送信する。そして、提示部134は、店舗P1の店舗端末20に、ID「A」のユーザに付与されているクーポン及び/またはポイントを出力させる。
【0040】
更新部135は、店舗端末20と通信を行い、商品購入の清算等に応じてユーザ情報122及びクーポン・ポイント情報123の更新を行う。
【0041】
[通信処理の概要]
図8は、店舗内の処理の概要を示す図である。スマートフォンを持たない高齢者のユーザU1が、紙クーポンや紙のポイントカードを忘れて来店した場合であっても(
図8の(1))、店舗端末20でユーザU1の顔画像G1が撮像され、サーバ装置10の顔認証処理でユーザが特定される(
図8の(2))。そして、サーバ装置10は、特定し、このユーザがクーポン及び/またはポイントの提示対象である場合には、このユーザが使用可能であるクーポン及びポイントを店舗端末20の画面M1に表示させる。
【0042】
例えば、この画面M1には、ユーザU1の来店数とともに、再来店割引、対象商品の割引、シニア割引、ポイントカードのポイント等が表示される(
図8の(3))。ユーザU1は、この画面M1を確認することによって、自身が受けられるクーポンの特典及び自身が有するポイントを認識することができる。そして、ユーザU1は、この画面M1を確認することによって、清算時に、クーポンやポイントを使用できる。また、ユーザU1は、システム上でユーザのIDが特定されているため、紙のポイントカードがなくても、商品購入に応じたポイントの付与を受けることができる。したがって、ユーザU1は、来店時に紙のクーポンやポイントカードを忘れた場合でも、クーポンの特典、ポイントの付与を受けることができる。
【0043】
[通信処理の処理手順]
次に、
図1に示す通信システムの通信処理の処理手順について説明する。
図9は、実施の形態に係る通信処理の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図9では、クーポン及び/またはポイントの提示対象が高齢者及び子供である場合を例とする。
【0044】
図9に示すように、店舗端末20が、来店者である第1のユーザの顔の画像を撮像し、サーバ装置10に送信する(ステップS1,S2)。サーバ装置10は、第1のユーザの顔画像を受信すると、顔認証を行い(ステップS3)、来店者である第1のユーザを特定する(ステップS4)。
【0045】
サーバ装置10は、ユーザ情報122を参照し、特定部132によって特定された第1のユーザのIDを基に、第1のユーザのユーザ情報を取得する。そして、サーバ装置10は、第1のユーザが高齢者または子供であるか否かを判定する(ステップS5)。サーバ装置10は、第1のユーザが高齢者または子供でない場合(ステップS5:No)、ステップS2において、店舗端末20から次に送信されるユーザの顔画像を受信する。
【0046】
一方、サーバ装置10は、第1のユーザが高齢者または子供である場合(ステップS5:Yes)、クーポン・ポイント情報123を参照し、第1のユーザが来店した店舗において、第1のユーザに付与されているクーポン及び/またはポイントを検索する(ステップS6)。サーバ装置10は、第1のユーザに付与されているクーポン及び/またはポイントの提示を行う(ステップS7)。具体的には、サーバ装置10は、店舗端末20に、第1のユーザに付与されているクーポン及び/またはポイントを示す情報を送信し(ステップS8)、第1のユーザに付与されているクーポン及び/またはポイントを示す情報を出力させる(ステップS9)。
【0047】
そして、店舗端末20において、クーポン及び/またはポイントの使用が入力され(ステップS10)、清算が終了すると(ステップS11)、店舗端末20は、クーポンの使用、クーポンの発行、ポイントの使用、新たに付与されるポイントを含めた清算情報をサーバ装置10に送信する(ステップS12)。サーバ装置10は、店舗端末20から受信した清算情報を基に、クーポン・ポイント情報123を更新する(ステップS13)。
【0048】
[実施の形態の効果]
このように、実施の形態では、サーバ装置10が、店舗に来店したユーザの顔認証を行うことでユーザを特定し、このユーザがクーポン提示対象である場合には、このユーザが使用可能であるクーポン及びポイントをユーザに提示する。
【0049】
このため、ユーザは、来店時に、紙のクーポンを忘れた場合であっても、クーポンの特典を有効に受けることができる。また、ユーザは、クーポンを持参したが出し忘れた場合であっても、クーポンの特典を有効に受けることができる。そして、ユーザは、ポイントカードを忘れた場合や、会計時にポイントカードを出し忘れた場合であっても、ポイントを確実に貯めることができ、レシートの裏にスタンプを押してもらい後日ポイントカードにポイントを登録し直してもらうといった煩雑な処理も不要となる。
【0050】
また、実施の形態では、サーバ装置10がクーポン・ポイント情報を管理しているため、複数回同じクーポンを使用する等の不正行為を防止することができる。
【0051】
なお、実施の形態では、高齢者やこども等、タブレット端末を使用していない層を対象として来店時にクーポン・ポイント情報を提示したが、特に対象を絞ることがなく、来店者全員に顔認証後にクーポン・ポイント情報を提示してもよい。
【0052】
[実施の形態の変形例]
さらに、サーバ装置10は、スマートフォンを保持するユーザに対して、スケジューラーと連動して、ユーザの予定に合わせてクーポンをユーザのスマートフォンに自動で提示してもよい。
【0053】
図10は、実施の形態の変形例に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
図11は、実施の形態の変形例に係る通信処理の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0054】
この場合、サーバ装置10は、第2のユーザが有するユーザ端末30との間で通信を行う。ユーザ端末30は、例えば、タブレット、スマートフォン等のスマートデバイスである。そして、第2のユーザは、ユーザ端末30に、自身のスケジュールを登録する。また、例えば、第2のユーザは、店舗で導入しているクーポンの発行及びポイント付与を管理するアプリケーションを、ユーザ端末30にダウンロード済みである。
【0055】
図11に示すように、サーバ装置10は、ユーザ端末30から、第2のユーザのスケジュールを示す情報を受信する(ステップS21)。第2のユーザは、例えば、ユーザ端末30のスケジューラーに、予定を入力しておく。予定としては、例えば、ハワイ旅行、キャンプ、運動会などがある。
【0056】
続いて、サーバ装置10は、クーポンの提示タイミングであるか否かを判定する(ステップS22)。例えば、サーバ装置10は、予定の一週間前から当日の間である場合に、クーポンの提示タイミングであると判定する。サーバ装置10は、クーポンの提示タイミングでないと判定した場合(ステップS22:No)、ステップS22の判定処理に戻る。
【0057】
サーバ装置10は、クーポンの提示タイミングであると判定した場合(ステップS22:Yes)、ユーザ端末30が有するGPS(Global Positioning System)機能と連動して、ユーザ端末30の位置情報を取得する(ステップS23)。そして、サーバ装置10は、クーポン・ポイント情報123を参照し、例えば、その予定がある日の一週間前から当日の間に第2のユーザに発行されているクーポンを検索する(ステップS24)。
【0058】
例えば、予定が「ハワイ旅行」である場合、サーバ装置10は、「ハワイ旅行」、「持ち物」などで、サーバ装置10内またはネットワーク上で、キーワードを検索する。この際、サーバ装置10は、キーワードの検索処理を学習したモデル等を用いて検索を行ってもよい。そして、サーバ装置10は、検索結果から所定数以上の数がヒットしたキーワードをピックアップする。サーバ装置10は、例えば、持ち物として、「水着」、「ビーチサンダル」、「歯ブラシ」などのキーワードをピックアップした場合、クーポン・ポイント情報123を参照し、これらのキーワードに該当する商品のクーポンを発行している店舗を検索する。
【0059】
そして、サーバ装置10は、第2のユーザのユーザ端末30に、検索したクーポンの提示を行う(ステップS25)。具体的には、サーバ装置10は、検索したクーポンを示す情報をユーザ端末30に送信し(ステップS26)、クーポン一覧を出力させる(ステップS27)。この際、サーバ装置10は、ユーザ端末30の位置情報を基に、第2のユーザの位置付近にある店舗のクーポンから順に出力させてもよい。
【0060】
このように、実施の形態の変形例では、サーバ装置10は、ユーザ端末30のスケジューラーと連動して、第2のユーザの予定に合わせてクーポンを自動で提示する。このため、実施の形態の変形例によれば、第2のユーザは、複数の店舗から発行された多数のクーポンの中からユーザ自身でクーポンを探すという煩雑な処理を行わずとも、自身の要望にマッチするクーポンの提示を受けることができる。
【0061】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0062】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0063】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明したサーバ装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態におけるサーバ装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0064】
図12は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図12に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0065】
メモリ1010は、
図12に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、
図12に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0066】
ここで、
図12に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0067】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0068】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0069】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0070】
10 サーバ装置
11,22 通信部
12 記憶部
13,24 制御部
20 店舗端末
21 撮像部
23 出力部
30 ユーザ端末
121 認証用情報
122 ユーザ情報
123 クーポン・ポイント情報
124 判定ルール
131 受付部
132 特定部
133 判定部
134 提示部
135 更新部