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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/3231 20190101AFI20231205BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20231205BHJP
   G06F 1/3228 20190101ALI20231205BHJP
   G06F 1/329 20190101ALI20231205BHJP
   G01S 15/88 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
G06F1/3231
H04R3/00
G06F1/3228
G06F1/329
G01S15/88
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022065732
(22)【出願日】2022-04-12
(65)【公開番号】P2023156083
(43)【公開日】2023-10-24
【審査請求日】2022-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】西尾 匡史
(72)【発明者】
【氏名】小杉 和宏
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-184177(JP,A)
【文献】特開2020-102151(JP,A)
【文献】特開2016-206572(JP,A)
【文献】特開2017-019137(JP,A)
【文献】特開2021-179831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26- 1/3296
G01S 3/80- 3/86
G01S 5/18- 5/30
G01S 7/52- 7/64
G01S 15/00-15/96
H04R 3/00- 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を出力可能な音出力部と、
超音波を収音可能な収音部と、
OS(Operating System)のプログラムを一時的に記憶するメモリと、
前記プログラムを実行することにより前記OSの機能を実現するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記音出力部から超音波を出力させることにより前記収音部により収音された超音波に基づいて人物を検出する検出処理と、
前記検出処理を実行している状態において特定のイベントが発生しない場合には、前記検出処理を開始してから所定時間が経過すると前記音出力部からの超音波の出力を休止して前記検出処理を休止させ、前記検出処理を実行している状態において前記特定のイベントが発生した場合には、前記所定時間が経過しなくとも、前記特定のイベントが発生したことに応じて前記音出力部からの超音波の出力を休止して前記検出処理を休止させる検出動作制御処理と、
を行う情報処理装置。
【請求項2】
超音波を出力可能な音出力部と、
超音波を収音可能な収音部と、
OS(Operating System)のプログラムを一時的に記憶するメモリと、
前記プログラムを実行することにより前記OSの機能を実現するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記音出力部から超音波を出力させることにより前記収音部により収音された超音波に基づいて人物を検出する検出処理と、
前記音出力部からの超音波の出力を休止して前記検出処理を休止している状態において特定のイベントが発生しない場合には、前記検出処理を休止してから所定時間が経過すると前記検出処理を開始させ、前記音出力部からの超音波の出力を休止して前記検出処理を休止している状態において前記特定のイベントが発生した場合には、前記特定のイベントが発生してから前記所定時間が経過した後に前記検出処理を開始させる検出動作制御処理と、
を行う情報処理装置。
【請求項3】
前記特定のイベントは、前記検出処理により人物が検出されることである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
ユーザによる入力を検出する入力検出処理をさらに行い、
前記特定のイベントは、前記入力検出処理によりユーザによる入力が検出されることである、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
ユーザによる入力を検出する入力検出処理をさらに行い、
前記OSの機能として、前記入力検出処理によりユーザによる入力が検出されない状態が予め設定された時間継続した場合に前記OSの少なくとも一部の機能の使用を制限する機能制限処理をさらに行い、
前記機能制限処理が無効になっている場合、前記音出力部からの超音波の出力を休止して前記検出処理を休止させる、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記検出処理を実行している状態において前記特定のイベントが発生しない場合には、前記検出処理を開始してから所定時間が経過すると、前記OSの少なくとも一部の機能の使用を制限する、
請求項1または請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
超音波を出力可能な音出力部と、超音波を収音可能な収音部と、OS(Operating System)のプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記プログラムを実行することにより前記OSの機能を実現するプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記音出力部から超音波を出力させることにより前記収音部により収音された超音波に基づいて人物を検出する検出処理を行うステップと、
前記検出処理を実行している状態において特定のイベントが発生しない場合には、前記検出処理を開始してから所定時間が経過すると前記音出力部からの超音波の出力を休止して前記検出処理を休止させ、前記検出処理を実行している状態において前記特定のイベントが発生した場合には、前記所定時間が経過しなくとも、前記特定のイベントが発生したことに応じて前記音出力部からの超音波の出力を休止して前記検出処理を休止させる検出動作制御処理を行うステップと、
を含む制御方法。
【請求項8】
超音波を出力可能な音出力部と、超音波を収音可能な収音部と、OS(Operating System)のプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記プログラムを実行することにより前記OSの機能を実現するプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記音出力部から超音波を出力させることにより前記収音部により収音された超音波に基づいて人物を検出する検出処理を行うステップと、
前記音出力部からの超音波の出力を休止して前記検出処理を休止している状態において特定のイベントが発生しない場合には、前記検出処理を休止してから所定時間が経過すると前記検出処理を開始させ、前記音出力部からの超音波の出力を休止して前記検出処理を休止している状態において前記特定のイベントが発生した場合には、前記特定のイベントが発生してから前記所定時間が経過したことに応じて前記検出処理を開始させる検出動作制御処理を行うステップと、
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人物が近づくと使用可能な動作状態に遷移し、人物が離れると一部の機能を除いて停止した待機状態に遷移する機器がある。例えば、特許文献1には、赤外線センサを用いて赤外線の強弱を検知することにより、人物が近づいてきたか否か、或いは人物が離れたか否かを検出して機器の動作状態を制御する技術が開示されている。
【0003】
また、人物の検出方法としては、赤外線センサに代えて超音波センサを用いる方法もある(例えば、特許文献2)。超音波を出力し、その反射波を検知ことにより、人物の存在の有無を検出することができる。ここで、PC(パーソナルコンピュータ)などの情報処理装置で超音波センサを用いて人物の検出を行う場合には、既存のスピーカとマイクを用いて、超音波センサの出力と反射波の受信を行うことができるため、赤外線センサなどのデバイスを新たに追加する必要が無いという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-148895号公報
【文献】特開2019-138760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、超音波センサを用いて人物の検出を行う場合、既存のスピーカとマイクを用いて実現できるという利点がある反面、超音波を出力する際の消費電力が大きいという課題がある。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、超音波センサを用いて人物の検出を行う際の消費電力を低減する情報処理装置、及び制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1態様に係る情報処理装置は、超音波を出力可能な音出力部と、超音波を収音可能な収音部と、OS(Operating System)のプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記プログラムを実行することにより前記OSの機能を実現するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記音出力部から超音波を出力させることにより前記収音部により収音された超音波に基づいて人物を検出する検出処理と、前記検出処理を実行している状態において特定のイベントが発生しない場合には、前記検出処理を開始してから所定時間が経過すると前記検出処理を休止させ、前記検出処理を実行している状態において前記特定のイベントが発生した場合には、前記所定時間が経過しなくとも、前記特定のイベントが発生したことに応じて前記検出処理を休止させる検出動作制御処理と、を行う。
【0008】
また、本発明の第2態様に係る情報処理装置は、超音波を出力可能な音出力部と、超音波を収音可能な収音部と、OS(Operating System)のプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記プログラムを実行することにより前記OSの機能を実現するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記音出力部から超音波を出力させることにより前記収音部により収音された超音波に基づいて人物を検出する検出処理と、前記検出処理を休止している状態において特定のイベントが発生しない場合には、前記検出処理を休止してから所定時間が経過すると前記検出処理を開始させ、前記検出処理を休止している状態において前記特定のイベントが発生した場合には、前記特定のイベントが発生してから前記所定時間が経過した後に前記検出処理を開始させる検出動作制御処理と、を行う。
【0009】
上記情報処理装置において、前記特定のイベントは、前記検出処理により人物が検出されることであってもよい。
【0010】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、ユーザによる入力を検出する入力検出処理をさらに行い、前記特定のイベントは、前記入力検出処理によりユーザによる入力が検出されることであってもよい。
【0011】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、ユーザによる入力を検出する入力検出処理をさらに行い、前記OSの機能として、前記入力検出処理によりユーザによる入力が検出されない状態が予め設定された時間継続した場合に前記OSの少なくとも一部の機能の使用を制限する機能制限処理をさらに行い、前記機能制限処理が無効になっている場合、前記検出処理を休止させてもよい。
【0012】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記検出処理を実行している状態において前記特定のイベントが発生しない場合には、前記検出処理を開始してから所定時間が経過すると、前記OSの少なくとも一部の機能の使用を制限してもよい。
【0013】
また、本発明の第3態様に係る、超音波を出力可能な音出力部と、超音波を収音可能な収音部と、OS(Operating System)のプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記プログラムを実行することにより前記OSの機能を実現するプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法は、前記プロセッサが、前記音出力部から超音波を出力させることにより前記収音部により収音された超音波に基づいて人物を検出する検出処理を行うステップと、前記検出処理を実行している状態において特定のイベントが発生しない場合には、前記検出処理を開始してから所定時間が経過すると前記検出処理を休止させ、前記検出処理を実行している状態において前記特定のイベントが発生した場合には、前記所定時間が経過しなくとも、前記特定のイベントが発生したことに応じて前記検出処理を休止させる検出動作制御処理を行うステップと、を含む。
【0014】
また、本発明の第4態様に係る、超音波を出力可能な音出力部と、超音波を収音可能な収音部と、OS(Operating System)のプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記プログラムを実行することにより前記OSの機能を実現するプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法は、前記プロセッサが、前記音出力部から超音波を出力させることにより前記収音部により収音された超音波に基づいて人物を検出する検出処理を行うステップと、前記検出処理を休止している状態において特定のイベントが発生しない場合には、前記検出処理を休止してから所定時間が経過すると前記検出処理を開始させ、前記検出処理を休止している状態において前記特定のイベントが発生した場合には、前記特定のイベントが発生してから前記所定時間が経過したことに応じて前記検出処理を開始させる検出動作制御処理を行うステップと、を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の上記態様によれば、情報処理装置は、超音波センサを用いて人物の検出を行う際の消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る情報処理装置のHPD処理の概要を説明する図。
図2】実施形態に係る情報処理装置の外観の構成例を示す斜視図。
図3】実施形態に係る情報処理装置の人物の検出範囲の一例を示す図。
図4】実施形態に係るHPD処理の間欠的な検出動作の説明図。
図5】実施形態に係るHPD処理の検出状態及び休止状態の制御例を示す図。
図6】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図。
図7】実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す概略ブロック図。
図8】実施形態に係るHPD処理が休止状態のときの検出動作制御処理の一例を示すフローチャート。
図9】実施形態に係るHPD処理が検出状態のときの検出動作制御処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
[概要]
本実施形態に係る情報処理装置1は、例えば、ノートブック型のPC(Personal Computer;パーソナルコンピュータ)である。なお、情報処理装置1は、デスクトップ型PC、タブレット端末装置、スマートフォンなど、いずれの形態の情報処理装置であってもよい。
【0018】
情報処理装置1は、システムの動作状態として少なくとも通常動作状態(パワーオン状態)と待機状態との間を遷移可能である。通常動作状態とは、特に制限なく処理の実行が可能な動作状態であり、例えば、ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)で規定されているS0状態に相当する。待機状態とは、システムの少なくとも一部の機能が制限されている状態である。例えば、待機状態は、スタンバイ状態、スリープ状態等であってもよく、Windows(登録商標)におけるモダンスタンバイや、ACPIで規定されているS3状態(スリープ状態)等に相当する状態であってもよい。また、待機状態には、少なくとも表示部の表示がOFF(画面OFF)となる状態、または画面ロックとなる状態が含まれてもよい。画面ロックとは、処理中の内容が視認できないように予め設定された画像(例えば、画面ロック用の画像)が表示部に表示され、ロックを解除(例えば、ユーザ認証)するまで、使用できない状態である。
【0019】
以下では、システムの動作状態が待機状態から通常動作状態へ遷移することを起動と呼ぶことがある。待機状態では、一般的に通常動作状態よりも動作の活性度が低いため、情報処理装置1のシステムを起動させることは、情報処理装置1におけるシステムの動作を活性化させることになる。
【0020】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1のHPD処理の概要を説明する図である。情報処理装置1は、情報処理装置1の近傍に存在する人物(即ちユーザ)を検出する。この人物の存在を検出する処理のことを、HPD(Human Presence Detection)処理と称する。情報処理装置1は、HPD処理により人物の存在の有無を検出し、検出結果に基づいて情報処理装置1のシステムの動作状態を制御する。例えば、情報処理装置1は、図1(A)に示すように、情報処理装置1の前(正面)に人物が存在しない状態(Absence)から存在する状態(Presence)への変化、即ち情報処理装置1へ人物が接近したこと(Approach)を検出した場合、ユーザが接近したと判定し、自動でシステムを起動して通常動作状態へ遷移させる。また、情報処理装置1は、図1(B)に示すように、情報処理装置1の前に人物が存在している状態(Presence)では、ユーザが存在すると判定し、通常動作状態を継続させる。そして、情報処理装置1は、図1(C)に示すように、情報処理装置1の前(正面)に人物が存在している状態(Presence)から存在しない状態(Absence)への変化、即ち情報処理装置1から人物が離脱したこと(Leave)を検出した場合には、ユーザが離脱したと判定し、システムを待機状態へ遷移させる。
【0021】
[情報処理装置の外観構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
情報処理装置1は、第1筐体10、第2筐体20、及びヒンジ機構15を備える。第1筐体10と第2筐体20は、ヒンジ機構15を用いて結合されている。第1筐体10は、第2筐体20に対して、ヒンジ機構15がなす回転軸の周りに相対的に回動可能である。第1筐体10と第2筐体20との回動による開き角を「θ」として図示している。
【0022】
第1筐体10は、Aカバー、ディスプレイ筐体とも呼ばれる。第2筐体20は、Cカバー、システム筐体とも呼ばれる。以下の説明では、第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、ヒンジ機構15が備わる面を、それぞれ側面10c、20cと呼ぶ。第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、側面10c、20cとは反対側の面を、それぞれ側面10a、20aと呼ぶ。図示において、側面20aから側面20cに向かう方向を「後」と呼び、側面20cから側面20aに向かう方向を「前」と呼ぶ。後方に対して右方、左方を、それぞれ「右」、「左」と呼ぶ。第1筐体10、第2筐体20の左側面をそれぞれ側面10b、20bと呼び、右側面をそれぞれ側面10d、20dと呼ぶ。また、第1筐体10と第2筐体20とが重なり合って完全に閉じた状態(開き角θ=0°の状態)を「閉状態」と呼ぶ。閉状態において第1筐体10と第2筐体20との互いに対面する側の面を、それぞれの「内面」と呼び、内面に対して反対側の面を「外面」と呼ぶ。また、閉状態に対して第1筐体10と第2筐体20とが開いた状態のことを「開状態」と呼ぶ。
【0023】
図2に示す情報処理装置1の外観は開状態の例を示している。開状態は、第1筐体10の側面10aと第2筐体20の側面20aとが離れた状態である。開状態では、第1筐体10と第2筐体20とのそれぞれの内面が表れる。開状態はユーザが情報処理装置1を使用する際の状態の一つであり、典型的には開き角θ=100~130°程度の状態で使用されることが多い。なお、開状態となる開き角θの範囲は、ヒンジ機構15よって回動可能な角度の範囲等に応じて任意に定めることができる。
【0024】
第1筐体10の内面には、表示部110が設けられている。表示部110は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどを含んで構成されている。また、第1筐体10の内面のうち表示部110の周縁の領域に、撮像部120とマイク131とが設けられている。例えば、撮像部120とマイク131は、表示部110の周縁の領域のうち側面10a側に配置されている。図示する例では、マイク131は、撮像部120を挟んで左側と右側に1個ずつ配置されている。マイク131は、例えば、音声通話やビデオ通話、テレビ会議などのアプリケーションにおいてユーザの発話を収音するための収音デバイスである。
【0025】
なお、撮像部120及びマイク131が配置される位置は一例であって、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)を向くことが可能であれば他の場所であってもよい。また、マイク131の数は2個に限定されるものではなく、1個または3個以上であってもよい。
【0026】
撮像部120は、開状態において、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)の所定の撮像範囲を撮像する。所定の撮像範囲とは、撮像部120が有する撮像素子と撮像素子の撮像面の前方に設けられた光学レンズとによって定まる画角の範囲である。
【0027】
第2筐体20の内面には、ユーザの操作入力を受け付ける入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153が設けられている。なお、入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153に代えて、または加えて、タッチセンサが設けられてもよいし、マウスや外付けのキーボードが接続されてもよい。タッチセンサが設けられた構成の場合、表示部110の表示面に対応する領域が操作を受け付けるタッチパネルとして構成されてもよい。また、入力デバイスには、音声が入力されるマイクが含まれてもよい。
【0028】
また、第2筐体20の内面には、スピーカ132が設けられている。例えば、スピーカ132は、第2筐体20の内面の側面20c側の左右の位置に1個ずつ配置されている。なお、スピーカ132が配置される位置は一例であって、任意の位置に配置することができる。スピーカ132は、例えば、音声通話やビデオ通話などのアプリケーションにおいて通話の相手が発話した音声、テレビ会議などのアプリケーションの参加者が発話した音声、或いは、音楽再生や動画再生時の音声、各種の通知音などを出力するための音声出力デバイスである。
【0029】
また、第2筐体20の側面20bには、電源ボタン140が設けられている。電源ボタン140は、電源のオンまたはオフ、待機状態から通常動作状態へ遷移、通常動作状態から待機状態への遷移などをユーザが指示するための操作子である。
【0030】
なお、第1筐体10と第2筐体20とが閉じた閉状態では、第1筐体10の内面に設けられている表示部110、撮像部120、及びマイク131と、第2筐体20の内面に設けられているキーボード151及びタッチパッド153、スピーカ132とは、互いに他方の筐体面で覆われ、機能を発揮できない状態となる。
【0031】
情報処理装置1は、既存のスピーカ132とマイク131を超音波センサとして使用することにより、超音波を用いて前方(正面側)の所定の範囲における人物の存在を検出する。例えば、情報処理装置1は、スピーカ132から超音波を出力させる。ここで、スピーカ132から出力させる超音波は、既存のスピーカ132で出力可能な周波数の範囲内の周波数に設定されており、一例として23kHzに設定されている。スピーカ132から出力した超音波は、空間に存在する人物または物体に反射し、反射した超音波(反射波)のうち情報処理装置1の前方から到達する反射波がマイク131により収音される。情報処理装置1は、このマイク131により収音された超音波に基づいて人物を検出する。例えば、情報処理装置1は、スピーカ132から超音波を出力してから反射波をマイク131で収音するまでの時間差に基づいて、前方に存在する人物との距離を検出する。なお、物体に反射した反射波は、完全に静止している物体からの反射波となるため、少なくとも動きのある人物からの反射波とは判別することが可能である。
【0032】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置1の人物の検出範囲の一例を示す図である。図示する例において、情報処理装置1の前方の検出範囲FoV(Field of View:検出視野角)が、人物の検出可能な範囲である。この検出範囲FoVは、マイク131の収音可能な範囲に相当する。収音可能な範囲は、マイク131の配置されている位置及び方向とマイク131の指向性とによって定まる。情報処理装置1は、超音波を用いて検出範囲FoV内に人物が存在するか否かを判定することにより、ユーザが接近したこと(Approach)、存在している状態(Presence)、ユーザが離脱したこと(Leave)などを検出する。
【0033】
また、情報処理装置1は、超音波を用いて人物の検出を行う場合、超音波を出力する際の消費電力が大きいため、間欠的に検出動作を行うことにより消費電力を抑制する。
図4は、HPD処理の間欠的な検出動作の説明図である。情報処理装置1は、スピーカ132から超音波を出力して人物の検出を行うHPD処理を実行している状態(以下、「検出状態」と称する)と、スピーカ132からの超音波の出力を休止して当該HPD処理を休止している状態(以下、「休止状態」と称する)とを交互に繰り返すことで間欠動作させる。
【0034】
基本的な間欠動作としては、検出状態が所定時間Td経過すると休止状態へ移行し、休止状態が所定時間Tn経過すると検出状態へ移行し、これを繰り返す。所定時間Td及び所定時間Tnは、同一の時間に設定されてもよいし、異なる時間に設定されてもよい。また、所定時間Td及び所定時間Tnは、ユーザによって設定可能としてもよい。一例として、所定時間Td及び所定時間Tnの初期値は30秒に設定されている。
【0035】
このように、HPD処理を間欠動作させて休止状態の期間はスピーカ132からの超音波の出力を休止させることにより消費電力を抑制することができるが、この間欠動作を行っても、不必要に検出状態を行っている場合がある。そこで、本実施形態に係る情報処理装置1は、このHPD処理の間欠動作を行いつつ、特定のイベントが発生した場合には、検出状態が所定時間Td経過していなくとも休止状態へ移行させたり、休止状態を所定時間Tnより長く継続させたりする。
【0036】
特定のイベントとは、例えば、検出状態において人物が検出されること、即ちユーザが存在している状態(Presence)が検出されることである。ユーザが存在していることが検出されれば、検出状態を継続する必要が無いため、情報処理装置1は、所定時間Tdが経過しなくとも、Presenceが検出されることに応じて休止状態へ移行させる。
【0037】
また、特定のイベントとは、例えば、ユーザによる入力が検出されることであってもよい。ユーザによる入力とは、例えば、キーボード151またはタッチパッド153などの入力デバイスのようなHID(Human Interface Device)に対する入力(以下、「HID入力」と称する)である。HID入力が検出されるということは、ユーザが存在していると考えられる。そのため、情報処理装置1は、検出状態においてHID入力が検出された場合には、所定時間Tdが経過しなくとも、HID入力が検出されたことに応じて休止状態へ移行させる。また、情報処理装置1は、休止状態においてHID入力が検出された場合には、HID入力が検出されてから所定時間Tnが経過するまでは休止状態を継続させ、所定時間Tnが経過した後に検出状態へ移行させる。
【0038】
また、情報処理装置1は、OS(Operating System)の機能として、HID入力が検出されない状態が予め設定された時間継続した場合にシステムの動作状態を待機状態に遷移させるスリープ処理を実行する。情報処理装置1は、このOSの機能によるスリープ処理が無効になっている場合は休止状態にさせる。OSの機能によるスリープ処理が無効になるのは、例えば、動画の再生中の期間、或いは、ユーザによりスリープ処理が無効に設定された場合などである。
【0039】
図5は、本実施形態に係るHPD処理の検出状態及び休止状態の制御例を示す図である。この図は、横軸を時間(t)とし、検出状態と休止状態の遷移を時系列に示している。また、この図に示す例では、時刻t6以前ではユーザが存在している状態(Presence)であり、時刻t6でユーザが離脱(Leave)し、時刻t6以降、存在しない状態(Absence)であるとする。
【0040】
時刻t0において休止状態が開始したとする。休止状態が開始してから所定時間Tnが経過する前の時刻t1においてユーザにより動画の視聴(Watching movie)が開始されると、動画の再生中はOSの機能によるスリープ処理が無効になり、所定時間Tnの経過に関わらず休止状態が継続する。
【0041】
次に時刻t2において動画の視聴(動画の再生)が終了すると、休止状態の時間の計時をリセットし、時刻t2の時点から所定時間Tnが経過するまで休止状態が継続する。時刻t2の時点から所定時間Tnが経過するまで、動画の視聴もなくHID入力も検出されなければ、所定時間Tnが経過後の時刻t3において検出状態へ移行する。
【0042】
時刻t3において検出状態へ移行すると、ユーザが存在するため、すぐにPresenceが検出される。或いは、HID入力が検出される。時刻t4においてPresenceまたはHID入力が検出されると、検出状態へ移行してから所定時間Tdが経過しなくとも休止状態へ移行する。
【0043】
時刻t4において休止状態へ移行した後、休止状態へ移行してから所定時間Tnが経過する前の時刻t5においてHID入力が検出されると、休止状態の時間の計時をリセットし、時刻t5の時点から所定時間Tnが経過するまで休止状態が継続する。時刻t5の時点から所定時間Tnが経過するまで、動画の視聴もなくHID入力も検出されなければ、所定時間Tnが経過後の時刻t7において検出状態へ移行する。
【0044】
時刻t6の時点でユーザが離脱しているため、時刻t7において検出状態へ移行してもPresenceは検出されない。またHID入力も検出されない。検出状態へ移行してから所定時間Tdが経過した時刻t8において、ユーザが離脱したこと(Leave)が検出され、即時的に待機状態(例えば、画面ロックとなる状態)へ移行する。
【0045】
このように、情報処理装置1は、図4に示すようにHPD処理を所定時間ごとに間欠動作させよりもスピーカ132から超音波を出力させる時間を短くすることができるため、さらに消費電力の低減を実現することができる。
【0046】
なお、図5に示す例において、時刻t2の動画の視聴(動画の再生)が終了した場合に、検出状態へ移行してもよい。また、時刻t8でユーザが離脱したこと(Leave)が検出された後、待機状態(例えば、画面ロックとなる状態)へ移行するまでに待機時間を設けることも可能である。
【0047】
[情報処理装置のハードウェア構成]
図6は、本実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。この図6において、図2の各部に対応する構成には同一の符号を付している。情報処理装置1は、表示部110、撮像部120、オーディオシステム130、マイク131、スピーカ132、電源ボタン140、入力デバイス150、通信部160、記憶部170、EC(Embedded Controller)200、メイン処理部300、及び電源部400を含んで構成される。
【0048】
表示部110は、メイン処理部300により実行されるシステム処理及びシステム処理上で動作するアプリケーションプログラムの処理等に基づいて生成された表示データ(画像)を表示する。
【0049】
撮像部120は、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)の所定の撮像範囲(画角)内の物体の像を撮像し、撮像した画像をメイン処理部300へ出力する。例えば、撮像部120は、可視光を用いて撮像する可視光カメラ(RGBカメラ)である。なお、撮像部120は、赤外線を用いて撮像する赤外線カメラ(IRカメラ)をさらに備えてもよい。
【0050】
オーディオシステム130は、マイク131とスピーカ132と接続されており、音データの入出力、記録、再生などを行う。例えば、オーディオシステム130は、メイン処理部300による指示に応じて、音データを電気信号に変化してスピーカ132から音波または超音波として出力する。また、オーディオシステム130は、マイク131により収音された音波または超音波の電気信号を音データに変換してメイン処理部300へ出力する。
【0051】
電源ボタン140は、ユーザの操作に応じて操作信号をEC200へ出力する。入力デバイス150は、ユーザの入力を受け付ける入力部であり、例えばキーボード151及びタッチパッド153を含んで構成されている。入力デバイス150は、キーボード151及びタッチパッド153に対する操作を受け付けることに応じて、操作内容を示す操作信号をEC200へ出力する。なお、入力デバイス150は、表示部110の表示面に対するタッチ操作を検出するタッチパネルであってもよい。
【0052】
通信部160は、無線または有線による通信ネットワークを介して他の機器と通信可能に接続し、各種のデータの送信および受信を行う。例えば、通信部160は、イーサネット(登録商標)等の有線LANインターフェースやWi-Fi(登録商標)等の無線LANインターフェース等を含んで構成されている。
【0053】
記憶部170は、HDD(Hard Disk Drive)、SDD(Solid State Drive)、RAM、ROMなどの記憶媒体を含んで構成される。記憶部170は、OS、デバイスドライバ、アプリケーションなどの各種のプログラム、その他、プログラムの動作により取得した各種のデータを記憶する。
【0054】
電源部400は、情報処理装置1の各部の動作状態に応じて各部へ電力を供給する。電源部400は、DC(Direct Current)/DCコンバータを備える。DC/DCコンバータは、AC(Alternate Current)/DCアダプタもしくはバッテリー(電池パック)から供給される直流電力の電圧を、各部で要求される電圧に変換する。DC/DCコンバータで電圧が変換された電力が各電源系統を介して各部へ供給される。例えば、電源部400は、EC200から入力される制御信号に基づいて各電源系統を介して各部に電力を供給する。
【0055】
EC200は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびI/O(Input/Output)ロジック回路などを含んで構成されたマイクロコンピュータである。EC200のCPUは、自部のROMに予め記憶した制御プログラム(ファームウェア)を読み出し、読み出した制御プログラムを実行して、その機能を発揮する。EC200は、メイン処理部300とは独立に動作し、メイン処理部300の動作を制御し、その動作状態を管理する。また、EC200は、電源ボタン140、入力デバイス150、及び電源部400等と接続されている。
【0056】
例えば、EC200は、電源部400と通信を行うことにより、バッテリーの状態(残容量など)の情報を電源部400から取得するとともに、情報処理装置1の各部の動作状態に応じた電力の供給を制御するための制御信号などを電源部400へ出力する。また、EC200は、電源ボタン140や入力デバイス150から操作信号を取得し、取得した操作信号のうちメイン処理部300の処理に関連する操作信号についてはメイン処理部300へ出力する。
【0057】
メイン処理部300は、CPU(Central Processing Unit)301、GPU(Graphic Processing Unit)302、チップセット303、及びシステムメモリ304を含んで構成され、OS(Operating System)に基づくシステム処理によって、OS上で各種のアプリケーションプログラムの処理が実行可能である。
【0058】
CPU301は、BIOSのプログラムに基づく処理、OSのプログラムに基づく処理、OS上で動作するアプリケーションプログラムに基づく処理などを実行する。CPU301は、チップセット303からの制御に基づいてシステムの動作状態を制御する。例えば、CPU301は、システムの動作状態を待機状態から通常動作状態に遷移させる起動処理を実行する。また、CPU301は、システムの動作状態を通常動作状態から待機状態へ遷移させる処理を実行する。例えば、CPU301は、HID入力が無い状態がスリープ設定時間続いたことに応じて、OSの処理により通常動作状態から待機状態(例えば、ロック状態)に遷移させるHID制御処理を実行する。
【0059】
GPU302は、表示部110に接続されている。GPU302は、CPU301の制御に基づいて画像処理を実行して表示データを生成する。GPU302は、生成した表示データを表示部110に出力する。
【0060】
チップセット303は、メモリコントローラとしての機能及びI/Oコントローラとしての機能などを有する。例えば、チップセット303は、CPU301及びGPU302によるシステムメモリ304、記憶部170などからのデータの読出し、書込みを制御する。また、チップセット303は、通信部160、表示部110およびEC200からのデータの入出力を制御する。また、チップセット303は、センサハブとしての機能を有する。例えば、チップセット303は、撮像部120が撮像した撮像画像の画像データをシステムメモリ304へ一時的に記憶させる。また、チップセット303は、オーディオシステム130を介してスピーカ132から音波または超音波を出力させる。また、チップセット303は、オーディオシステム130を介してマイク131により収音された音波または超音波の音データを取得する。例えば、チップセット303は、スピーカ132から超音波を出力させ、マイク131から超音波の反射波を取得することにより、人物(ユーザ)を検出するHPD処理を行う。また、チップセット303は、HPD処理による人物の検出結果に基づいてシステムの動作状態を制御する。
【0061】
システムメモリ304は、CPU301で実行されるプログラムの読み込み領域ならびに処理データを書き込む作業領域などとして用いられる。また、システムメモリ304は、撮像部120で撮像された撮像画像の画像データ、オーディオシステム130を介して出力する音データ、オーディオシステム130を介して取得した音データなどを一時的に記憶する。
【0062】
なお、CPU301、GPU302、及びチップセット303は、一体化された一つのプロセッサとして構成されてもよいし、一部またはそれぞれが個々のプロセッサとして構成されてもよい。例えば、通常動作状態では、CPU301、GPU302、及びチップセット303のいずれも動作している状態となるが、待機状態では、チップセット303の少なくとも一部のみが動作している状態となる。待機状態では、少なくとも起動時のHPD処理に必要な機能が間欠的に動作し、不必要な機能は休止している。
【0063】
[情報処理装置の機能構成]
次に、情報処理装置1が実行するHPD処理に関する機能構成について詳しく説明する。
【0064】
図7は、本実施形態に係る情報処理装置1の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。情報処理装置1は、HPD処理に関する機能構成として、HID入力検出部210と、システム処理部310と、HPD処理部330とを備えている。
【0065】
HID入力検出部210は、図6に示すEC200が有する機能構成であり、入力デバイス150などからの操作信号に基づいて、HID入力の有無を検出する。HID入力検出部210は、HID入力があった場合、HID入力があったことを示すHDI入力情報をシステム処理部310及びHPD処理部330へ出力する。
【0066】
HPD処理部330は、チップセット303の処理によりHPD処理を実行する機能構成である。例えば、HPD処理部330は、検出処理部331と、検出動作制御部332と、検出タイマ333と、休止タイマ334と、システム動作制御部335とを備えている。
【0067】
検出処理部331は、オーディオシステム130を介してスピーカ132から超音波を出力させることにより、マイク131により収音された超音波(反射波)に基づいて人物を検出するHPD処理を行う。例えば、検出処理部331は、超音波を用いて、情報処理装置1へのユーザの接近(Approach)、情報処理装置1の前方にユーザが存在している状態(Presence)、情報処理装置1からのユーザの離脱(Leave)、情報処理装置1の前方にユーザが存在しない状態(Absence)などを検出する。
【0068】
検出動作制御部332は、HPD処理を実行している検出状態において特定のイベントが発生しない場合には、HPD処理を開始してから所定時間Tdが経過するとHPD処理を休止させて休止状態へ移行させる。また、検出動作制御部332は、HPD処理を実行している検出状態において特定のイベントが発生した場合には、所定時間Tdが経過しなくとも、特定のイベントが発生したことに応じてHPD処理を休止させて休止状態へ移行させる。
【0069】
検出状態における特定のイベントとは、例えば、ユーザが存在している状態(Presence)が検出されること、またはHID入力が検出されることである。検出動作制御部332は、Presenceが検出されたことを示す情報を検出処理部331から取得する。また、検出動作制御部332は、HID入力があったことを示すHDI入力情報をHID入力検出部210から取得する。
【0070】
また、検出動作制御部332は、HPD処理を休止している休止状態において特定のイベントが発生しない場合には、HPD処理を休止してから所定時間Tnが経過するとHPD処理を開始させて検出状態へ移行させる。また、検出動作制御部332は、HPD処理を休止している休止状態において特定のイベントが発生した場合には、特定のイベントが発生してから所定時間Tnが経過した後に検出処理を開始させて検出状態へ移行させる。休止状態における特定のイベントとは、例えば、HID入力が検出されることである。
【0071】
検出タイマ333は、検出状態の経過時間を計時するためのタイマである。休止タイマ334は、休止状態の経過時間を計時するためのタイマである。検出動作制御部332は、検出タイマ333を用いて検出状態を開始してからの経過時間を計時し、所定時間Tdが経過したか否かを判定する。また、検出動作制御部332は、休止タイマ334を用いて休止状態を開始してからの経過時間を計時し、所定時間Tnが経過したか否かを判定する。
【0072】
また、検出動作制御部332は、OSの機能によるスリープ処理が無効になっている場合、休止状態にさせる。OSの機能によるスリープ処理が無効になるのは、例えば、動画の再生中の期間、或いは、ユーザによりスリープ処理が無効に設定された場合などである。
【0073】
システム動作制御部335は、検出処理部331が行うHPD処理の検出結果に基づいて、システムの動作状態を指示する指示情報をシステム処理部310へ出力する。例えば、システム動作制御部335は、待機状態において、情報処理装置1へのユーザの接近(Approach)が検出処理部331により検出された場合、システムの起動を指示する指示情報をシステム処理部310へ出力する。また、システム動作制御部335は、通常動作状態において、情報処理装置1からのユーザの離脱(Leave)が検出処理部331により検出された場合、システムを待機状態へ遷移させる指示情報をシステム処理部310へ出力する。
【0074】
システム処理部310は、CPU11がBIOS及びOSの処理を実行することにより実現される機能構成である。例えば、システム処理部310は、OSの処理による機能構成として、スリープ処理部311と、動作状態制御部315と、スリープ処理制御部316とを含む。
【0075】
スリープ処理部311は、OSの機能により、通常動作状態においてHID入力が一定時間無い場合にシステムを待機状態へ遷移させるスリープ処理を実行する。例えば、スリープ処理部311は、HID情報取得部312と、スリープタイマ313と、スリープ指示部314とを備えている。
【0076】
HID情報取得部312は、HID入力があったことを示すHDI入力情報をHID入力検出部210から取得する。スリープタイマ313は、スリープ設定時間を計時する。HID情報取得部312は、HID入力があったことを示すHDI入力情報をHID入力検出部210から取得する度に、スリープタイマ313をリセットする。つまり、スリープタイマ313は、HID入力が無い状態の継続時間を計時する。スリープ指示部314は、スリープタイマ313により計時された時間がスリープ設定時間に達すると、システムを通常動作状態から待機状態へ遷移させる指示情報を動作状態制御部315へ出力する。
【0077】
スリープ処理制御部316は、スリープ処理部311が実行するOSの機能によるスリープ処理を有効または無効に制御する。例えば、スリープ処理制御部316は、通常動作状態においてスリープ処理を有効に機能させるが、動画の再生中の期間、或いは、ユーザによりスリープ処理が無効に設定された場合にスリープ処理を無効に制御する。また、スリープ処理制御部316は、スリープ処理の有効または無効を示す情報をHPD処理部330(検出動作制御部332)へ出力する。
【0078】
動作状態制御部315は、システムの動作状態を制御する。例えば、動作状態制御部315は、HPD処理部330からの制御に基づいてシステムの動作状態を、通常動作状態、待機状態などに制御する。一例として、動作状態制御部315は、HPD処理部330から起動を指示する指示情報を取得すると、システムの動作状態を待機状態から通常動作状態へ遷移させる。また、動作状態制御部315は、HPD処理部330からシステムの動作状態を待機状態へ遷移させる指示を取得すると、システムの動作状態を通常動作状態から待機状態へ遷移させる。
【0079】
[HPD動作制御処理の動作]
次に、検出動作制御部332がHPD処理を検出状態と休止状態とに制御する検出動作制御処理の動作について説明する。まず、図8を参照して、HPD処理が休止状態のときの検出動作制御処理の動作を説明する。
【0080】
図8は、本実施形態に係るHPD処理が休止状態のときの検出動作制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0081】
(ステップS101)検出動作制御部332は、休止状態を開始すると、休止タイマ334を用いて、休止状態を開始してからの経過時間の計時を開始する。そして、ステップS103の処理へ進む。
【0082】
(ステップS103)検出動作制御部332は、休止タイマ334により計時された経過時間に基づいて、休止状態を開始してから所定時間Tnが経過したか否かを判定する。検出動作制御部332は、所定時間Tnが経過したと判定した場合(YES)、ステップS105の処理へ進む。一方、検出動作制御部332は、所定時間Tnが経過していないと判定した場合(NO)、ステップS107の処理へ進む。
【0083】
(ステップS105)検出動作制御部332は、休止状態が所定時間Tn経過した場合、休止状態から検出状態へ移行させる。そして、休止状態のときの検出動作制御処理を終了する。
【0084】
(ステップS107)検出動作制御部332は、HID入力検出部210からのHDI入力情報に基づいて、HID入力が検出されたか否かを判定する。検出動作制御部332は、HID入力が検出されたと判定した場合(YES)、ステップS109の処理へ進む。一方、検出動作制御部332は、HID入力が検出されていないと判定した場合(NO)、ステップS111の処理へ進む。
【0085】
(ステップS109)検出動作制御部332は、HID入力が検出された場合には、休止タイマ334をリセットしてから、ステップS101の処理へ戻り、経過時間の計時を開始する。
【0086】
(ステップS111)検出動作制御部332は、スリープ処理制御部316から出力されるスリープ処理の有効または無効を示す情報に基づいて、OSの機能によるスリープ処理が無効であるか否かを判定する。検出動作制御部332は、OSの機能によるスリープ処理が無効であると判定した場合(YES)、ステップS113の処理へ進む。一方、検出動作制御部332は、OSの機能によるスリープ処理が有効であると判定した場合(NO)、ステップS103の処理へ戻る。
【0087】
(ステップS113)検出動作制御部332は、OSの機能によるスリープ処理が無効である場合には休止タイマ334の計時を停止させる。そして、ステップS115の処理へ進む。
【0088】
(ステップS115)検出動作制御部332は、スリープ処理制御部316から出力されるスリープ処理の有効または無効を示す情報に基づいて、OSの機能によるスリープ処理が有効であるか否かを判定する。検出動作制御部332は、OSの機能によるスリープ処理が無効のままであると判定した場合(NO)、再びステップS115の処理を行う。一方、検出動作制御部332は、OSの機能によるスリープ処理が有効になったと判定した場合(YES)、ステップS117の処理へ進む。
【0089】
(ステップS117)検出動作制御部332は、休止タイマ334をリセットしてから、ステップS101の処理へ戻り、経過時間の計時を開始する。
【0090】
次に、図9を参照して、HPD処理が検出状態のときの検出動作制御処理の動作を説明する。
図9は、本実施形態に係るHPD処理が検出状態のときの検出動作制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0091】
(ステップS201)検出動作制御部332は、検出状態を開始すると、検出タイマ333を用いて、検出状態を開始してからの経過時間の計時を開始する。そして、ステップS203の処理へ進む。
【0092】
(ステップS203)検出動作制御部332は、検出タイマ333により計時された経過時間に基づいて、検出状態を開始してから所定時間Tdが経過したか否かを判定する。検出動作制御部332は、所定時間Tdが経過したと判定した場合(YES)、ステップS205の処理へ進む。一方、検出動作制御部332は、所定時間Tdが経過していないと判定した場合(NO)、ステップS209の処理へ進む。
【0093】
(ステップS205)検出動作制御部332は、検出状態が所定時間Td経過した場合、検出状態から休止状態へ移行させる。そして、ステップS207の処理へ進む。
【0094】
(ステップS207)検出処理部331は、検出状態が所定時間Td経過した場合には、情報処理装置1からのユーザの離脱(Leave)を検出する。これにより、システム動作制御部335は、システムを待機状態へ遷移させる指示情報をシステム処理部310へ出力する。そして、検出状態のときの検出動作制御処理を終了する。
【0095】
(ステップS209)検出動作制御部332は、PresenceまたはHID入力が検出されたか否かを判定する。例えば、検出動作制御部332は、検出処理部331によるHPD処理の検出結果に基づいて、情報処理装置1の前方にユーザが存在している状態(Presence)であるか否かを判定する。また、検出動作制御部332は、HID入力検出部210からのHDI入力情報に基づいて、HID入力が検出されたか否かを判定する。
【0096】
検出動作制御部332は、Presence及びHID入力のいずれも検出されないと判定した場合(NO)、ステップS211の処理へ進む。一方、検出動作制御部332は、PresenceまたはHID入力が検出されたと判定した場合(YES)、ステップS213の処理へ進む。
【0097】
(ステップS211)検出動作制御部332は、スリープ処理制御部316から出力されるスリープ処理の有効または無効を示す情報に基づいて、OSの機能によるスリープ処理が無効であるか否かを判定する。検出動作制御部332は、OSの機能によるスリープ処理が無効であると判定した場合(YES)、ステップS213の処理へ進む。一方、検出動作制御部332は、OSの機能によるスリープ処理が有効であると判定した場合(NO)、ステップS203の処理へ戻る。
【0098】
(ステップS213)検出動作制御部332は、検出状態から休止状態へ移行させ、検出状態のときの検出動作制御処理を終了する。
【0099】
[実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る情報処理装置1は、超音波を出力可能なスピーカ132(音出力部の一例)と、超音波を収音可能なマイク131(収音部の一例)と、OSのプログラムを一時的に記憶するシステムメモリ304(メモリの一例)と、OSのプログラムを実行することによりOSの機能を実現するCPU301(プロセッサの一例)とを備える。CPU301は、スピーカ132から超音波を出力させることによりマイク131により収音された超音波に基づいて人物を検出するHPD処理(検出処理の一例)を行う。例えば、CPU301は、HPD処理を実行している状態(例えば、検出状態)において特定のイベントが発生しない場合には、HPD処理を開始してから所定時間(例えば、所定時間Td)が経過するとHPD処理を休止させる。また、CPU301は、HPD処理を実行している状態(例えば、検出状態)において特定のイベントが発生した場合には、所定時間(例えば、所定時間Td)が経過しなくとも、特定のイベントが発生したことに応じてHPD処理を休止させる。
【0100】
これにより、情報処理装置1は、マイク131及びスピーカ132を超音波センサとして用いてHPD処理を行う際に、状況に応じて検出を休止させることにより消費電力を低減することができる。
【0101】
また、CPU301は、HPD処理を休止している状態(例えば、休止状態)において特定のイベントが発生しない場合には、HPD処理を休止してから所定時間(例えば、所定時間Tn)が経過するとHPD処理を開始させる。また、CPU301は、HPD処理を休止している状態において特定のイベントが発生した場合には、特定のイベントが発生してから所定時間(例えば、所定時間Tn)が経過した後にHPD処理を開始させる。
【0102】
これにより、情報処理装置1は、マイク131及びスピーカ132を超音波センサとして用いてHPD処理を行う際に、検出を休止させている状態から状況に応じて検出を開始させるため、消費電力を低減しつつ、適切に人物を検出することができる。
【0103】
例えば、HPD処理を実行している状態(例えば、検出状態)における特定のイベントは、HPD処理により人物が検出されることである。
【0104】
これにより、情報処理装置1は、検出状態において一旦ユーザが検出された場合には、その後HPD処理を継続して何度もユーザを検出する必要が無いため、所定時間Tnが経過しなくとも休止状態に移行させることにより、消費電力を低減することができる。
【0105】
また、CPU301は、ユーザによる入力(HID入力)を検出する入力検出処理をさらに行う。例えば、HPD処理を実行している状態(例えば、検出状態)及びHPD処理を休止している状態(例えば、休止状態)における特定のイベントは、上記入力検出処理によりユーザによる入力(HID入力)が検出されることである。
【0106】
これにより、情報処理装置1は、休止状態においてHID入力が検出された場合には、ユーザが存在している状態であることがわかるため、すぐにはHPD処理を行う必要が無く、休止状態を継続することにより、消費電力を低減することができる。また、情報処理装置1は、検出状態においても、HID入力が検出された場合には、ユーザが存在している状態であることがわかるため、すぐにはHPD処理を行う必要が無く、所定時間Tnが経過しなくとも休止状態に移行させることにより、消費電力を低減することができる。
【0107】
また、CPU301は、OSの機能として、入力検出処理によりユーザによる入力(HID入力)が検出されない状態が予め設定された時間(例えば、スリープ設定時間)継続した場合に、OSの少なくとも一部の機能の使用を制限する(例えば、待機状態へ遷移させる)スリープ処理(機能制限処理の一例)をさらに行う。そして、CPU301は、このOSの機能によるスリープ処理が無効になっている場合、HPD処理を休止させる。
【0108】
これにより、情報処理装置1は、OSの機能によるスリープ処理が無効になっている場合には、ユーザの離脱を検出して待機状態へ遷移させる必要が無いため、HPD処理を休止させることにより、消費電力を低減することができる。
【0109】
また、CPU301は、HPD処理を実行している状態(例えば、検出状態)において特定のイベントが発生しない場合には、HPD処理を開始してから所定時間(例えば、所定時間Td)が経過すると、OSの少なくとも一部の機能の使用を制限する(例えば、待機状態へ遷移させる)。
【0110】
これにより、情報処理装置1は、ユーザが離脱(Leave)した場合には、システムを待機状態へ遷移させることができ、安全性を高めることができる。
【0111】
また、本実施形態に係る情報処理装置1における制御方法は、CPU301が、スピーカ132から超音波を出力させることによりマイク131により収音された超音波に基づいて人物を検出するHPD処理(検出処理の一例)を行うステップと、HPD処理を実行している状態(例えば、検出状態)において特定のイベントが発生しない場合には、HPD処理を開始してから所定時間(例えば、所定時間Td)が経過するとHPD処理を休止させ、HPD処理を実行している状態(例えば、検出状態)において特定のイベントが発生した場合には、所定時間(例えば、所定時間Td)が経過しなくとも、特定のイベントが発生したことに応じてHPD処理を休止させる検出動作制御処理を行うステップと、を含む。
【0112】
これにより、情報処理装置1は、マイク131及びスピーカ132を超音波センサとして用いてHPD処理を行う際に、状況に応じて検出を休止させることにより消費電力を低減することができる。
【0113】
また、本実施形態に係る情報処理装置1における制御方法は、CPU301が、スピーカ132から超音波を出力させることによりマイク131により収音された超音波に基づいて人物を検出するHPD処理(検出処理の一例)を行うステップと、HPD処理を休止している状態(例えば、休止状態)において特定のイベントが発生しない場合には、HPD処理を休止してから所定時間(例えば、所定時間Tn)が経過するとHPD処理を開始させ、HPD処理を休止している状態において特定のイベントが発生した場合には、特定のイベントが発生してから所定時間(例えば、所定時間Tn)が経過した後にHPD処理を開始させる検出動作制御処理を行うステップと、を含む。
【0114】
これにより、情報処理装置1は、マイク131及びスピーカ132を超音波センサとして用いてHPD処理を行う際に、検出を休止させている状態から状況に応じて検出を開始させるため、消費電力を低減しつつ、適切に人物を検出することができる。
【0115】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【0116】
なお、上記実施形態では、情報処理装置1が、超音波を用いて人物を検出するHPD処理を行う例を説明したが、これに限られるものではない。例えば、情報処理装置1は、超音波に代えて、又は加えて他の検出方法を用いてもよい。他の検出方法とは、例えば、赤外線センサ又は赤外線レーザを用いる検出方法でもよいし、UWB(Ultra Wide Band)レーダを用いる検出方法でもよい。また、撮像部120が撮像する撮像画像から顔検出を行うことにより人物を検出する検出方法としてもよい。
【0117】
また、上述した待機状態には、ハイバネーション状態やパワーオフ状態等が含まれてもよい。ハイバネーション状態は、例えば、ACPIで規定されているS4状態に相当する。パワーオフ状態は、例えば、ACPIで規定されているS5状態(シャットダウンした状態)相当する。なお、待機状態のうちスタンバイ状態、スリープ状態、ハイバネーション状態、パワーオフ状態などは、通常動作状態よりも電力の消費量が低い状態(電力の消費を抑えた状態)である。
【0118】
なお、上述した情報処理装置1は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理装置1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理装置1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0119】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理装置1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0120】
また、上述した実施形態における情報処理装置1が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0121】
また、上記実施形態の情報処理装置1は、PC、タブレット端末装置、スマートフォンなどに限られるものではなく、ゲーム装置や、マルチメディア端末等であってもよい。
【符号の説明】
【0122】
1 情報処理装置、10 第1筐体、20 第2筐体、15 ヒンジ機構、110 表示部、120 撮像部、130 オーディオシステム、131 マイク131 スピーカ、140 電源ボタン、150 入力デバイス、151 キーボード、153 タッチパッド、160 通信部、170 記憶部、200 EC、300 メイン処理部、301 CPU、302 GPU、303 チップセット、304 システムメモリ、210 HID入力検出部、310 システム処理部、311 スリープ処理部、312 HID情報取得部、313 スリープタイマ、314 スリープ指示部、315 動作状態制御部、316 スリープ処理制御部、330 HPD処理部、331 検出処理部、332 検出動作制御部、333 検出タイマ、334 休止タイマ、335 システム動作制御部、400 電源部
図1
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図9