(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】決済用プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/32 20120101AFI20231205BHJP
【FI】
G06Q20/32 300
(21)【出願番号】P 2022076911
(22)【出願日】2022-05-09
(62)【分割の表示】P 2021141350の分割
【原出願日】2021-08-31
【審査請求日】2022-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】矢熊 一貴
(72)【発明者】
【氏名】三井 亮平
(72)【発明者】
【氏名】辻 恭平
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/100096(WO,A1)
【文献】特許第6910509(JP,B1)
【文献】特開2018-049318(JP,A)
【文献】国際公開第2014/068737(WO,A1)
【文献】特開2021-081898(JP,A)
【文献】特許第6207741(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と撮像部とを有する携帯端末を、
決済用コードを用いた決済を開始する操作を受け付けると、前記撮像部が撮像した撮像画像を取得する撮像画像取得部、
取得した撮像画像を示す読取画面を前記表示部に表示させるとともに、店舗において提示された前記決済用コードを前記撮像画像から取得するコード取得部、
過去に入力された決済金額である過去決済金額に基づいて、前記決済に係る決済金額の入力候補を前記表示部に表示させ、前記入力候補から選択を受け付けることにより前記決済金額の入力を受け付ける入力受付部、及び、
前記コード取得部が取得した前記決済用コードが示す決済用データと、前記入力受付部が入力を受け付けた前記決済金額とを、決済に関する処理を行う情報処理装置に送信する送信部、
として機能させる決済用プログラム。
【請求項2】
前記入力受付部は、前記携帯端末の位置を示す端末位置情報に関連付けられている前記過去決済金額に基づいて、決済金額の入力候補を前記表示部に表示させる、
請求項
1に記載の決済用プログラム。
【請求項3】
前記送信部は、前記携帯端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記決済用データと、前記入力受付部が入力を受け付けた前記決済金額とを前記情報処理装置に送信し、
前記入力受付部は、前記情報処理装置から、前記送信部が送信した決済金額を前記過去決済金額として受信し、当該過去決済金額を、決済金額の入力候補として前記表示部に表示させる、
請求項
1又は2に記載の決済用プログラム。
【請求項4】
前記入力受付部は、前記ユーザ識別情報を前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置において前記ユーザ識別情報に関連付けられている前記過去決済金額を前記情報処理装置から受信し、当該過去決済金額を、決済金額の入力候補として前記表示部に表示させる、
請求項
3に記載の決済用プログラム。
【請求項5】
表示部と撮像部とを有する携帯端末を、
決済用コードを用いた決済を開始する操作を受け付けると、前記撮像部が撮像した撮像画像を取得する撮像画像取得部、
取得した撮像画像を示す読取画面を前記表示部に表示させるとともに、店舗において提示された前記決済用コードを前記撮像画像から取得するコード取得部、
前記携帯端末のユーザにより予め定められた、前記決済に係る決済金額の入力候補を前記表示部に表示させ、前記入力候補から選択を受け付けることにより前記決済金額の入力を受け付ける入力受付部、及び、
前記コード取得部が取得した前記決済用コードが示す決済用データと、前記入力受付部が入力を受け付けた前記決済金額とを、決済に関する処理を行う情報処理装置に送信する送信部、
として機能させる決済用プログラム。
【請求項6】
前記入力受付部は、前記コード取得部が前記決済用コードを取得すると、前記表示部に表示される画面を、前記撮像画像を表示する前記読取画面から前記決済金額の入力を受け付ける受付画面に切り替え、前記受付画面に、前記入力された決済金額を表示させるとともに、前記決済金額の入力終了操作を受け付け、
前記送信部は、前記コード取得部が取得した前記決済用コードが示す決済用データと、前記入力終了操作を受け付けた時点で前記受付画面に表示されていた前記決済金額とを前記情報処理装置に送信する、
請求項1
から5のいずれかに記載の決済用プログラム。
【請求項7】
前記入力受付部は、前記読取画面が前記表示部に表示されている状態において前記決済金額の入力候補を前記表示部に表示させ、前記入力候補から選択を受け付けることにより決済金額の入力を受け付け、前記コード取得部が前記決済用コードを取得すると、前記読取画面において前記決済金額の入力終了操作を受け付け、
前記送信部は、前記コード取得部が取得した前記決済用コードが示す決済用データと、前記入力終了操作を受け付けた時点で入力されている前記決済金額とを前記情報処理装置に送信する、
請求項1
から6のいずれかに記載の決済用プログラム。
【請求項8】
前記入力受付部は、前記読取画面が前記表示部に表示されている状態において前記決済金額の入力候補を前記表示部に表示させ、前記入力候補から選択を受け付けることにより決済金額の入力を受け付け、前記コード取得部が前記決済用コードを取得する前から前記読取画面において前記決済金額の入力終了操作を受け付け、前記入力終了操作を受け付けると前記決済金額の入力の受付を停止し、
前記送信部は、前記コード取得部が前記決済用コードを取得すると、当該決済用コードが示す決済用データと、前記入力終了操作を受け付けた時点で入力されている前記決済金額とを前記情報処理装置に送信する、
請求項1
から7のいずれかに記載の決済用プログラム。
【請求項9】
前記携帯端末は、前記携帯端末の周囲の音を取得する音取得部を有し、
前記入力受付部は、前記撮像画像が前記表示部に表示されている状態において、前記音取得部が取得した音により前記決済金額の入力を受け付ける、
請求項1から
8のいずれか1項に記載の決済用プログラム。
【請求項10】
前記入力受付部は、前記読取画面において前記決済金額の入力開始操作を受け付けると、前記読取画面において前記決済金額の入力を受け付ける、
請求項1から
9のいずれか1項に記載の決済用プログラム。
【請求項11】
前記送信部は、前記コード取得部が取得した前記決済用コードを取得すると、前記決済用コードが示す決済用データに決済金額を示す金額情報が含まれているか否かを判定し、前記金額情報が含まれていないと判定すると、前記決済用データと、前記入力受付部が入力を受け付けた前記決済金額とを前記情報処理装置に送信し、前記金額情報が含まれていると判定すると、前記入力受付部が入力を受け付けた前記決済金額を前記情報処理装置に送信せずに、前記決済用データを前記情報処理装置に送信する、
請求項1から
10のいずれか1項に記載の決済用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
QRコード(登録商標)等の決済用コードを用いたコード決済が普及している(例えば、特許文献1を参照)。コード決済は、例えば、店舗側が表示した決済用コードをユーザ端末により読み取り、決済サーバが、ユーザ端末から受信した、決済用コードを示す情報とユーザ端末において入力された決済金額とに基づく決済処理を行うことにより実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のコード決済では、ユーザは、店舗で提示された決済金額を入力する作業を行っていた。このため、ユーザの負担がかかるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザの負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る決済用プログラムは、表示部と撮像部とを有する携帯端末を、決済用コードを用いた決済を開始する操作を受け付けると、前記撮像部が撮像した撮像画像を取得する撮像画像取得部、取得した撮像画像を示す読取画面を前記表示部に表示させるとともに、店舗において提示された前記決済用コードを前記撮像画像から取得するコード取得部、前記決済に係る決済金額の入力候補を前記表示部に表示させ、前記入力候補から選択を受け付けることにより前記決済金額の入力を受け付ける入力受付部、及び、前記コード取得部が取得した前記決済用コードが示す決済用データと、前記入力受付部が入力を受け付けた前記決済金額とを、決済に関する処理を行う情報処理装置に送信する送信部、として機能させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、決済手続に係る時間を短縮することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図6】ユーザ端末における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】入力終了ボタンを有するコード読取画面の一例を示す図である。
【
図8】入力終了ボタンを有するコード読取画面の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[決済システムSの概要]
図1は、決済システムSの概要を示す図である。決済システムSは、ユーザ端末1と、情報処理装置としての決済処理装置2と、店舗端末3とを有する。ユーザ端末1は、例えばスマートフォン、タブレット等の携帯端末であり、決済用コードを用いて決済を行うコード決済に用いられる端末である。
【0010】
決済処理装置2は、ユーザが購入する商品又はサービスに係る購入金額の決済を行うサーバである。店舗端末3は、例えばPOS端末である。なお、以下の説明では、商品及びサービスを区別しない場合、これらを商品という。
【0011】
以下、
図1を参照しながら、コード決済が行われるときの処理の流れを説明する。
ユーザは、店舗に移動し、店舗において商品の購入を行う。店舗における店員は、ユーザが店舗において会計を行う場合に、店舗端末3において購入対象の商品に付されたバーコードを読み取り、ユーザが購入する商品の合計額をユーザに提示する。
【0012】
また、店員は、店舗端末3において、決済用コードを店舗端末3に表示させるための操作を行う。店舗端末3は、決済用コードの発行要求と、店舗を識別するための店舗情報とを決済処理装置2に送信する(
図1における(1))。
【0013】
決済処理装置2は、店舗端末3から、決済用コードの発行要求と、店舗情報とを受信すると、決済用トークンを生成する(
図1における(2))。決済用トークンは、店舗端末3がユーザに提示する決済用コードを店舗端末3が生成する際に用いるデータ列である。ここで、決済用トークンは、店舗情報により特定される特定の店舗の場合のみ生成されてもよい。決済処理装置2は、生成した決済用トークンと、店舗情報とを関連付けて記憶媒体に記憶する(
図1における(3))。
【0014】
決済処理装置2は、生成した決済用トークンを店舗端末3に送信する(
図1における(4))。決済処理装置2は、決済用トークンを暗号化した後に、暗号化した決済用トークンを店舗端末3に送信してもよい。
【0015】
店舗端末3は、受信した決済用トークンに基づいて決済用コードを生成して表示させる(
図1における(5))。
ユーザ端末1は、決済用コードを用いた決済を開始する操作を受け付けると、店舗端末3に表示された決済用コードを読み取る(
図1における(6))。ユーザ端末1は、ユーザから決済金額の入力を受け付け、ユーザIDと、入力された決済金額を含む決済情報と、読み取った決済用コードが示す決済用トークンとを決済処理装置2に送信する(
図1における(7))。
【0016】
決済処理装置2は、ユーザ端末1からユーザIDと、決済情報と、決済用トークンとを受信すると、受信した決済用トークンが、店舗端末3に送信した決済用トークンと一致するか否かを判定する。決済処理装置2は、決済用トークンが一致すると判定した場合に、受信したユーザID及び決済情報と、決済用トークンと関連付けられて記憶されている店舗情報とに基づいて決済処理を実行する(
図1における(8))。決済処理装置2は、決済が完了したことを示す決済完了情報をユーザ端末1に送信することにより、決済が完了したことをユーザに通知する(
図1における(9))。以上のようにユーザ端末1、決済処理装置2、店舗端末3が動作することにより、決済システムSはコード決済を行うことができる。
【0017】
ところで、従来のコード決済では、ユーザは、店舗で提示された決済用コードを撮像する作業と、決済金額を入力する作業とをそれぞれ異なる画面上で行っていた。このため、ユーザは、一方の作業を行うための画面において一方の作業を完了してから他方の作業を行うための画面に切り替わるまで他方の作業を行うことができず、決済手続に時間がかかっていた。
【0018】
これに対し、本実施形態に係るユーザ端末1は、撮像部が撮像した撮像画像を表示部に表示させている状態において、決済に係る決済金額の入力を受け付ける。このようにすることで、ユーザは、店舗で提示された決済用コードを撮像する作業と、決済金額を入力する作業とを同一の画面上で行うことができることから、決済用コードを撮像する作業と、決済金額を入力する作業とをそれぞれ異なる画面上で行う従来のコード決済に比べて、決済手続に係る時間を短縮することができる。
以下、ユーザ端末1の構成の詳細を説明する。
【0019】
[ユーザ端末1の機能構成]
図2は、ユーザ端末1の機能構成を示す図である。ユーザ端末1は、操作部11と、通信部12と、撮像部13と、表示部14と、集音部15と、記憶部16と、制御部17とを有する。制御部17は、撮像画像取得部171と、コード取得部172と、入力受付部173と、送信部174と、通知部175とを有する。
【0020】
操作部11は、ユーザの操作を受け付ける操作デバイスであり、例えば表示部14の表面に設けられたタッチパネルである。操作部11は、ユーザがタッチした位置を示す信号を制御部17に通知する。
通信部12は、例えば携帯電話網の基地局との間でデータを送受信するための無線通信インターフェースである。
【0021】
撮像部13は、例えば、カメラである。撮像部13は、店舗端末3に表示された決済用コードを撮像することにより、決済用コードを読み取る。
表示部14は、各種の情報を表示するディスプレイである。
集音部15は、例えばマイクであり、音取得部として機能する。集音部15は、ユーザ端末1の周囲の音を取得し、取得した音を電気信号に変換する。集音部15は、変換した電気信号を音信号として制御部17に入力する。
【0022】
記憶部16は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部16は、制御部17が実行するプログラムを記憶している。記憶部16は、制御部17を、撮像画像取得部171、コード取得部172、入力受付部173、送信部174、及び通知部175として機能させるコード決済用プログラムを記憶する。
【0023】
制御部17は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部16に記憶されたコード決済用プログラムを実行することにより、撮像画像取得部171、コード取得部172、入力受付部173、送信部174、及び通知部175として機能する。
【0024】
撮像画像取得部171は、決済用コードを用いた決済を開始する操作を受け付けると、撮像部13が撮像した撮像画像を取得する。具体的には、撮像画像取得部171は、操作部11を介して、決済用コードを用いた決済を開始する操作を受け付けると、撮像部13を制御し、撮像部13に撮像を開始させる。撮像部13は、所定時間(例えば数ミリ秒~数十ミリ秒)おきに撮像画像を生成し、生成した撮像画像を撮像画像取得部171に出力する。撮像画像取得部171は、撮像部13が撮像した撮像画像を取得する。
【0025】
コード取得部172は、撮像画像取得部171が取得した撮像画像を表示部14に表示させるとともに、店舗において提示された決済用コードを撮像画像から取得する。例えば、コード取得部172は、撮像画像取得部171が取得した撮像画像を含むとともに、決済金額の入力を受け付けるコード読取画面を表示部14に表示させる。コード取得部172は、撮像画像取得部171が取得した撮像画像の画像解析を行い、撮像画像に含まれている、コード決済用プログラムにおいて認識可能な決済用コード、すなわち、決済処理装置2が発行した決済用コードを取得する。コード取得部172は、撮像画像に含まれている決済用コードを取得できた場合、当該決済用コードを取得できたことを示す情報を表示部14に表示させてもよい。
【0026】
入力受付部173は、撮像画像が表示部14に表示されている状態において、決済に係る決済金額の入力を受け付ける。例えば、入力受付部173は、コード読取画面に設けられている、決済金額の入力を受け付ける入力欄により、決済金額の入力を受け付ける。
図3は、コード読取画面の一例を示す図である。
図3に示すように、コード読取画面に撮像画像Pが表示されているとともに、当該撮像画像Pに重畳して、決済金額の入力を受け付ける入力欄A1が表示されていることが確認できる。このようにすることで、ユーザ端末1は、決済用コードを取得した後に画面遷移することなく、決済金額を受け付けることができる。
【0027】
ここで、入力受付部173は、撮像画像が表示部14に表示されている状態において、集音部15が取得した音を示す音信号により、決済金額の入力を受け付けてもよい。例えば、入力受付部173は、集音部15が取得した音信号を解析し、集音部15が取得した音信号に、決済金額を示す音声に対応する音信号が含まれているかを判定する。入力受付部173は、決済金額を示す音声に対応する音信号が含まれていると判定すると、当該決済金額をコード読取画面に設けられている入力欄に入力する。このようにすることで、ユーザは、ユーザ端末1を操作する場合に比べて容易に決済金額を入力することができる。
【0028】
入力受付部173は、コード取得部172が決済用コードを取得すると、表示部14に表示される画面を、撮像画像を表示するコード読取画面から、決済金額の入力を受け付ける受付画面に切り替える。そして、入力受付部173は、受付画面に、撮像画像が表示部14に表示されている状態において入力された決済金額を表示させるとともに、決済金額の入力終了操作を受け付ける。
【0029】
図4は、受付画面の一例を示す図である。入力受付部173は、コード取得部172が決済用コードを取得すると、表示部14に表示される画面を、
図3に示すコード読取画面から、
図4に示す受付画面に切り替える。
図4に示す受付画面には、入力欄A2が表示されており、入力受付部173は、入力欄A2に、
図3に示すコード読取画面に表示されている入力欄A1に対して入力された決済金額を入力し、当該決済金額を受付画面に表示させる。入力受付部173は、受付画面において、入力された決済金額の訂正を受け付ける。また、
図4に示す受付画面には、「次へ」と表示され、決済金額の入力操作を受け付ける入力終了ボタンが設けられている。入力受付部173は、入力終了ボタンが押下されると、決済金額の入力終了操作を受け付ける。
【0030】
送信部174は、コード取得部172が取得した決済用コードが示す決済用トークンと、入力受付部173が入力を受け付けた決済金額とを、決済に関する処理を行う決済処理装置2に送信する。送信部174は、コード取得部172が取得した決済用コードが示す決済用トークンと、入力終了操作を受け付けた時点で受付画面に表示されていた決済金額とを決済処理装置2に送信する。
【0031】
具体的には、まず、入力受付部173は、
図4に示す受付画面において、入力終了ボタンが押下され、決済金額の入力終了操作を受け付けると、
図4に示す受付画面の入力欄A2に入力された決済金額が確定されたことを示し、店舗の店員に当該決済金額を確認させるための確認画面を表示させる。
図5は、確認画面の一例を示す図である。
図5に示す確認画面を店舗の店員に提示することにより、店員は、支払金額が正しいかを確認することができる。
【0032】
送信部174は、入力受付部173が確認画面を介して支払の確定を行うための支払確定操作を受け付けたことに応じて、コード取得部172が取得した決済用コードが示す決済用トークンと、
図4に示す受付画面の入力欄A2に入力された決済金額と、ユーザ端末1のユーザを識別するためのユーザIDとを、決済処理装置2に送信する。
【0033】
通知部175は、決済処理装置2から、送信部174が送信した決済用トークン、決済金額、ユーザIDに基づく決済が完了したことを示す決済完了情報を受信する。通知部175は、受信した決済完了情報を表示部14に表示させることにより、決済が完了したことをユーザに通知する。
【0034】
[動作フロー]
図6は、ユーザ端末1における処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートでは、ユーザがユーザ端末1において決済用コードの読取操作を行ってから、決済用トークンを送信するまでの処理の流れを説明する。
【0035】
まず、撮像画像取得部171は、撮像部13が撮像した撮像画像を取得する(S1)。
続いて、コード取得部172は、撮像画像取得部171が取得した撮像画像と、決済金額の入力欄とをコード読取画面に表示させる(S2)。
続いて、コード取得部172は、撮像画像取得部171が取得した撮像画像を解析し、撮像画像に含まれている決済用コードの取得を試行する(S3)。
【0036】
続いて、入力受付部173は、コード読取画面に表示されている入力欄への決済金額の入力を受け付ける(S4)。なお、S3に示す処理とS4に示す処理とは、並列に実行されてもよい。
【0037】
続いて、コード取得部172は、決済用コードを取得したか否かを判定する(S5)。コード取得部172は、決済用コードを取得したと判定すると、S6に処理を移し、決済用コードを取得していないと判定すると、S1に処理を移す。
続いて、入力受付部173は、S4において入力を受け付けた決済金額が入力された状態で受付画面を表示部14に表示させる(S6)。ここで、入力受付部173は、決済金額の訂正を受け付けてもよい。
【0038】
続いて、入力受付部173は、受付画面において入力終了操作を受け付けたか否かを判定する(S7)。入力受付部173は、入力終了操作を受け付けたと判定すると、S8に処理を移し、入力終了操作を受け付けていないと判定すると、S7の処理を繰り返す。
【0039】
続いて、入力受付部173は、決済金額が確定されたことを示し、店舗の店員に当該決済金額を確認させるための確認画面を表示させる(S8)。
続いて、入力受付部173は、確認画面において支払確定操作を受け付けたか否かを判定する(S9)。入力受付部173は、支払確定操作を受け付けたと判定すると、S10に処理を移し、支払確定操作を受け付けていないと判定すると、S9の処理を繰り返す。
【0040】
続いて、送信部174は、入力終了操作を受け付けた時点で受付画面に表示されている決済金額を含む決済情報と、取得した決済用コードが示す決済用トークンと、ユーザ端末1のユーザのユーザIDとを、決済処理装置2に送信する(S10)。
【0041】
[変形例1]
以上の説明においては、入力受付部173は、コード取得部172が決済用コードを取得すると、表示部14に表示される画面を、コード読取画面から受付画面に切り替えることとしたが、これに限らない。入力受付部173は、コード取得部172が決済用コードを取得すると、撮像画像を含むコード読取画面において決済金額の入力終了操作を受け付けてもよい。そして、入力受付部173は、入力終了操作を受け付けると決済金額の入力の受付を停止してもよい。
【0042】
例えば、入力受付部173は、コード読取画面において、決済金額の入力を受け付ける入力欄A1と、決済金額の入力終了操作を受け付ける入力終了ボタンとを表示させる。
図7は、入力終了ボタンを有するコード読取画面の一例を示す図である。
図7に示す例では、入力欄A1の下に入力終了ボタンBが表示されている。入力受付部173は、入力終了ボタンBが押下されたことに応じて、決済金額の入力の受付を停止する。ここで、入力受付部173は、決済金額の入力の受付を停止するとともに、決済金額の訂正を受け付ける訂正ボタンを表示させ、訂正ボタンが押下されたことに応じて、決済金額の入力の受付を再開してもよい。このようにすることで、ユーザは、コード読取画面において決済金額の入力を完了させることができる。
【0043】
この場合において、入力受付部173は、コード取得部172が決済用コードを取得すると、
図4に示す受付画面を表示させることなく、
図5に示す確認画面を表示させてもよい。そして、送信部174は、入力受付部173が支払確定操作を受け付けたことに応じて、コード取得部172が取得した決済用コードが示す決済用トークンと、入力受付部173がコード読取画面において入力終了操作を受け付けた時点で入力されている決済金額とを決済処理装置2に送信してもよい。このようにすることで、ユーザ端末1は、受付画面を表示させる必要がないため、画面遷移の回数を減らし、決済に掛かる時間を短縮することができる。
【0044】
また、入力受付部173は、
図7に示す画面が表示されている場合に、コード取得部172が決済用コードを取得したとき、自動的に
図4に示す受付画面に遷移せずに、コード読取画面において決済金額の入力の受付を継続してもよい。
図8は、入力終了ボタンを有するコード読取画面の別の例を示す図である。
図8に示す例では、コード取得部172が決済用コードを取得したことを示すメッセージが表示されているとともに、入力欄A1の下に入力終了ボタンBが表示されている。入力受付部173は、
図8に示すように、コード取得部172が決済用コードを取得したことを示すメッセージが表示されている場合に、入力終了ボタンBが押下されたことに応じて、入力欄A1に決済金額が入力されているか否かを判定する。入力受付部173は、入力欄A1に決済金額が入力されていると判定すると、
図4に示す受付画面を表示させることなく、
図5に示す確認画面を表示させる。このようにすることで、ユーザは、決済金額の入力前に決済用コードが取得された場合であっても、コード読取画面において決済金額の入力を完了させることができる。なお、入力受付部173は、入力欄A1に決済金額が入力されていないと判定すると、
図4に示す受付画面を表示させてもよい。
【0045】
[変形例2]
また、入力受付部173は、過去に入力された決済金額に基づいて、決済金額の入力候補を表示部14に表示させ、当該入力候補から選択を受け付けることにより決済金額の入力を受け付けてもよい。
【0046】
例えば、決済処理装置2において、ユーザ端末1から受信したユーザIDと、決済金額と、決済が行われた日時を示す日時情報とを関連付けて記憶部に記憶させておく。入力受付部173は、コード読取画面が表示部14に表示される場合に、ユーザ端末1のユーザのユーザIDを含み、決済金額の入力候補の取得を要求する候補取得要求を、決済処理装置2に送信する。決済処理装置2は、候補取得要求を取得すると、候補取得要求に含まれているユーザIDに関連付けて記憶部に記憶されている決済金額を、決済日時が新しい順に複数取得し、当該決済金額をユーザ端末1に送信する。
【0047】
入力受付部173は、決済処理装置2から、送信部174が過去に送信した一以上の決済金額を過去決済金額として受信し、当該過去決済金額を、決済金額の入力候補として表示部14に表示させ、決済金額の入力候補のうち、一つの入力候補の選択を受け付ける。このようにすることで、ユーザが、毎回同一の商品を購入し、決済金額が同一である場合に、入力候補としての過去決済金額の中から当該決済金額を選択することにより決済金額を入力することができるので、決済金額を入力する負担を軽減することができる。
【0048】
なお、決済処理装置2は、ユーザ端末1から受信したユーザIDと、決済金額と、決済が行われた日時を示す日時情報とを関連付けて記憶部に記憶させておくこととしたが、これに限らない。例えば、送信部174が、ユーザIDと、決済金額と、決済用トークンとを決済処理装置2に送信する場合に、ユーザ端末1の位置を示す端末位置情報を決済処理装置2に送信してもよい。この場合、決済処理装置2は、ユーザ端末1から受信したユーザIDと、決済金額と、端末位置情報と、決済が行われた日時を示す日時情報とを関連付けて記憶部に記憶させる。
【0049】
入力受付部173は、コード読取画面が表示部14に表示される場合に、ユーザ端末1のユーザのユーザIDと、端末位置情報とを含み、決済金額の入力候補の取得を要求する候補取得要求を、決済処理装置2に送信する。決済処理装置2は、候補取得要求を取得すると、候補取得要求に含まれているユーザIDと端末位置情報とに関連付けて記憶部に記憶されている決済金額を、決済日時が新しい順に複数取得し、当該決済金額をユーザ端末1に送信する。ここで、決済処理装置2は、候補取得要求に含まれている端末位置情報が示す位置から所定範囲内の位置を示す端末位置情報に関連付けられている決済金額を取得してもよい。このようにすることで、ユーザ端末1は、ユーザが、同一の店舗において、毎回同一の商品を購入し、決済金額が同一である場合に、当該決済金額を入力候補としてユーザに提示することができる。
【0050】
また、入力受付部173は、決済処理装置2から決済金額の入力候補を受信することとしたが、これに限らず、記憶部16に、決済金額と、決済が行われた日時を示す日時情報とを関連付けて記憶させておき、記憶部16を参照して決済金額の入力候補を特定することとしてもよい。
【0051】
[変形例3]
また、入力受付部173は、ユーザ端末1のユーザにより予め定められた決済金額の入力候補を表示部14に表示させ、当該入力候補から選択を受け付けることにより、決済金額の入力を受け付けてもよい。
【0052】
例えば、入力受付部173は、予め決済金額の入力候補を受け付け、受け付けた入力候補と、ユーザ端末1のユーザのユーザIDとを決済処理装置2に送信する。決済処理装置2は、受信したユーザIDと、決済金額の入力候補とを関連付けて記憶部に記憶させておく。入力受付部173は、コード読取画面が表示部14に表示される場合に、ユーザ端末1のユーザのユーザIDを含み、決済金額の入力候補の取得を要求する候補取得要求を、決済処理装置2に送信する。決済処理装置2は、候補取得要求を取得すると、候補取得要求に含まれているユーザIDに関連付けて記憶部に記憶されている決済金額の入力候補をユーザ端末1に送信する。
【0053】
入力受付部173は、決済処理装置2から受信した決済金額の入力候補を表示部14に表示させ、決済金額の入力候補のうち、一つの入力候補の選択を受け付ける。例えば、入力受付部173は、コード読取画面上に、決済処理装置2から受信した決済金額の入力候補を表示部14に表示させ、決済金額の入力候補のうち、一つの入力候補の選択を受け付ける。このようにすることで、ユーザ端末1は、決済金額の候補を選択する場合と同様に、ユーザの決済金額を入力する負担を軽減することができる。
【0054】
[変形例4]
以上の説明においては、コード決済は、ユーザが入力した決済金額に基づいて決済が行われる例を説明したが、これに限らない。例えば、店舗端末3が決済金額を決済処理装置2に送信し、決済処理装置2が、店舗端末3から受信した決済金額に基づいて決済を行ってもよい。
【0055】
この場合、店舗端末3は、決済用コードの発行要求と、決済金額を示す決済情報と、店舗を識別するための店舗情報とを決済処理装置2に送信する。決済処理装置2は、受信した決済情報に含まれる決済金額及び店舗情報を含む決済用トークンを生成し、生成した決済用トークンと、決済情報と、店舗情報とを関連付けて記憶部に記憶する。ユーザ端末1の入力受付部173は、店舗端末3に表示された決済用コードを取得すると、当該決済用コードが示す決済用トークンに基づいて、
図5に示す確認画面を表示させる。送信部174は、入力受付部173が支払確定操作を受け付けたことに応じて、決済用トークンと、ユーザ端末1のユーザのユーザIDとを決済処理装置2に送信し、決済金額を決済処理装置2に送信しないように制御する。
【0056】
このように、コード決済には、店舗端末3から送信された決済金額に基づいて決済を行う方式と、ユーザ端末1から送信された決済金額に基づいて決済を行う方式とが混在する。このため、入力受付部173は、撮像画像を含むコード読取画面において決済金額の入力開始操作を受け付けると、当該コード読取画面において決済金額の入力を受け付けるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザは、店舗におけるコード決済が、ユーザ端末1から送信された決済金額に基づいて決済を行う方式であることを認識した場合に、決済金額の入力開始操作を行い、決済金額を入力することができる。
【0057】
また、送信部174は、コード取得部172が取得した決済用コードを取得すると、決済用コードが示す決済用トークンに決済金額を示す金額情報が含まれているか否かを判定してもよい。送信部174は、金額情報が含まれていないと判定すると、取得した決済用コードが示す決済用トークンと、入力受付部173が入力を受け付けた決済金額とを決済処理装置2に送信する。また、送信部174は、金額情報が含まれていると判定すると、入力受付部173が入力を受け付けた決済金額を決済処理装置2に送信せずに、取得した決済用コードが示す決済用トークンを決済処理装置2に送信する。このようにすることで、ユーザ端末1は、店舗端末3から送信された決済金額に基づいて決済が行われる場合に、ユーザ端末1において入力された決済金額を無効にすることができる。
【0058】
[決済システムSによる効果]
以上説明したように、ユーザ端末1は、決済用コードを用いた決済を開始する操作を受け付けると、撮像部13が撮像した撮像画像を取得し、当該撮像画像を表示部14に表示させるとともに、店舗において提示された決済用コードを撮像画像から取得する。ユーザ端末1は、撮像画像が表示部14に表示されている状態において、決済に係る決済金額の入力を受け付け、取得した決済用コードが示す決済用トークンと、入力を受け付けた決済金額とを、決済処理装置2に送信する。このようにすることで、ユーザ端末1は、決済手続に係る時間を短縮することができる。
【0059】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0060】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0061】
1 ユーザ端末
2 決済処理装置
3 店舗端末
11 操作部
12 通信部
13 撮像部
14 表示部
15 集音部
16 記憶部
17 制御部
171 撮像画像取得部
172 コード取得部
173 入力受付部
174 送信部
175 通知部
S 決済システム