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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】調理方法及び調理鍋
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20231205BHJP
   A23L 5/10 20160101ALI20231205BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20231205BHJP
   A47J 27/00 20060101ALI20231205BHJP
   A47J 27/086 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
A23L7/10 D
A23L7/10 B
A23L7/10 Z
A23L5/10 A
A23L5/00 N
A47J27/00 109G
A47J27/086
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022525097
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2021093353
(87)【国際公開番号】W WO2021228142
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】202010396679.6
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010396487.5
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010398450.6
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010396675.8
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010396982.6
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515117198
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】San Le Road #19,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】李晶
(72)【発明者】
【氏名】▲ゴン▼艷玲
(72)【発明者】
【氏名】蘇瑩
(72)【発明者】
【氏名】張豪
(72)【発明者】
【氏名】梁玉蓮
【審査官】関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107319305(CN,A)
【文献】特開2008-154660(JP,A)
【文献】特開2011-024929(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109512264(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105686615(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110658775(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110742488(CN,A)
【文献】特表2014-533962(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108072065(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第03632272(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A47J 27/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理方法であって、前記調理方法は、
調理後の食材の目標パラメータを決定するステップと、
調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して、少なくとも前記食材中の澱粉を糊化する調理処理を行うステップと、
前記目標パラメータに基づいて冷却処理パラメータを決定するステップと、
前記冷却処理パラメータに基づいて前記調理処理後の前記食材を冷却処理することによって、調理処理後の食材中の澱粉を老化再生させるステップと、
前記冷却処理後の前記食材の状態パラメータを決定するステップと、
前記冷却処理後の食材を再加熱処理するステップであって、前記目標パラメータと前記状態パラメータに基づいて前記再加熱処理の実行時間長さを決定し、第1の電力に従って前記冷却処理後の食材を加熱し、前記調理鍋の上部カバーの温度が予め設定された温度に達する場合、前記再加熱処理の実行時間長さ内で第2の電力に従って前記食材を調理する再加熱処理するステップと、を含み、
前記目標パラメータは、難消化性澱粉の目標含有量値、糖制御レベルのうちの1つを含み、前記冷却処理パラメータは、冷却処理の温度、作動時間長さのうちの1つを含み、
前記再加熱処理後の食材の温度は前記食材の糊化の温度範囲の下限より低く、
前記第1の電力は前記調理鍋の最大電力であり、前記第2の電力は前記第1の電力より低く、
前記再加熱処理に必要なエネルギーは前記調理処理に必要なエネルギーより少ない調理方法。
【請求項2】
前記調理方法は、
前記調理鍋内に盛られる前記食材に対して前記調理処理と前記冷却処理を交互に循環的に実行するステップをさらに含む請求項1に記載の調理方法。
【請求項3】
調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理処理するステップは、
設定された調理時間内で、前記調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を連続的に加熱し、前記食材中の澱粉を糊化させるステップを含む請求項1に記載の調理方法。
【請求項4】
調理処理後の前記食材を冷却処理するステップは、
調理処理後の前記食材を冷却処理することで、前記食材の温度を第1の温度値より低くするステップであって、前記第1の温度値はデフォルトの冷凍温度値または設定された温度値であるステップを含む請求項1に記載の調理方法。
【請求項5】
前記調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理処理するステップは、
調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、調理鍋が第1のモードに入るのを決定するステップであって、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用され、前記食材と前記調理鍋内の水とを互いに分離させるステップと、
前記第1のモードで、加熱によって前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現するステップと、を含む請求項1に記載の調理方法。
【請求項6】
前記第1のモードで、加熱によって前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現するステップは、
第1の段階で、加熱によって前記調理鍋内の水を沸騰するまで昇温させるステップと、
前記第1の段階の後の第2の段階で、断続的に加熱することにより、前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現するステップと、を含む請求項に記載の調理方法。
【請求項7】
前記調理方法は、
前記食材の吸水速度、前記食材の食材量及び前記調理鍋内の水量を決定するステップと、
前記食材量が食材量の閾値より大きい場合、前記吸水速度、前記食材量及び前記水量に応じて、前記第2の段階の作動時間長さを決定するステップと、
前記食材量が食材量の閾値以下である場合、第1の作動時間長さを前記第2の段階の作動時間長さとして決定するステップと、
前記第2の段階において、前記第2の段階の作動時間長さで、断続的に加熱することにより、前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現するステップと、をさらに含む請求項に記載の調理方法。
【請求項8】
前記冷却処理パラメータに基づいて前記調理処理後の前記食材を冷却処理することによって、調理処理後の食材中の澱粉を老化再生させるステップは、
第3の段階でファンアセンブリを使用して糊化後の前記食材に冷気を吹き付け、排気口を使用して前記調理鍋内に冷気を送り、熱気を排出し、糊化後の前記食材を冷却処理するステップと、
前記第3の段階の後の第4の段階で、前記冷却処理を維持し、前記食材中の澱粉を老化再生させるステップと、を含む請求項に記載の調理方法。
【請求項9】
前記調理方法は、
前記食材の食材量と前記調理鍋内の水量を決定するステップと、
前記食材量が食材量の閾値より大きい場合、前記食材量と前記水量に応じて、前記第4の段階の作動時間長さを決定するステップと、
前記食材量が食材量の閾値以下である場合、第2の作動時間長さを前記第4の段階の作動時間長さとして決定するステップと、
前記第4の段階において、前記第4の段階の作動時間長さで、前記冷却処理を維持し、前記食材中の澱粉を老化再生させるステップと、をさらに含む請求項に記載の調理方法。
【請求項10】
前記調理鍋が第1のモードに入るのを決定する前に、前記調理方法は
冷却処理後に維持する食材の温度を決定するステップと、
前記目標含有量値と前記冷却処理後に維持する食材の温度に応じて、前記第4の段階の作動時間長さを決定するステップと、をさらに含む請求項に記載の調理方法。
【請求項11】
前記目標パラメータに従って、前記冷却処理の処理パラメータを決定するステップは、
前記目標含有量値と決定された前記冷却処理の作動時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定するステップ、
前記目標含有量値と決定された前記冷却処理の温度に応じて、前記冷却処理の作動時間長さを決定するステップ、
前記目標含有量値と決定された予約時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定するステップ、
前記糖制御レベルと決定された冷却処理の作動時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定するステップ、
前記糖制御レベルと決定された冷却処理の温度に応じて、前記冷却処理の作動時間長さを決定するステップ、及び
前記糖制御レベルと決定された予約時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定するステップ、のうちの1つを含む請求項に記載の調理方法。
【請求項12】
前記糖制御レベルと決定された予約時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定するステップは、
前記調理処理に対応する設定された作動時間長さを取得するステップと、
前記予約時間長さと前記調理処理に対応する作動時間長さの差を前記冷却処理の作動時間長さとして決定するステップと、
前記冷却処理の作動時間長さと前記糖制御レベルに応じて、前記冷却処理の温度を決定するステップと、を含む請求項11に記載の調理方法。
【請求項13】
調理鍋であって、
調理後の食材の目標パラメータを決定する目標パラメータ決定モジュールと、
調理鍋内に盛られる食材を加熱して、前記食材の調理処理を実現するように配置される加熱アセンブリと、
前記目標パラメータに基づいて冷却処理パラメータを決定する冷却処理パラメータ決定モジュールと、
前記冷却処理パラメータに基づいて前記調理鍋内の食材を冷却処理するように配置される冷凍アセンブリと、
前記加熱アセンブリが調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して、少なくとも前記食材中の澱粉を糊化する調理処理を行うように制御し、前記冷凍アセンブリが調理処理後の前記食材を冷却処理することによって、調理処理後の食材中の澱粉を老化再生させるように制御し、前記加熱アセンブリが前記冷却処理後の食材を再加熱処理させるように制御するように配置される制御アセンブリと、を備え
前記制御アセンブリは前記冷却処理後の前記食材の状態パラメータを決定し、前記目標パラメータと前記状態パラメータに基づいて前記再加熱処理の実行時間長さを決定し、第1の電力に従って前記食材を加熱し、前記調理鍋の上部カバーの温度が予め設定された温度に達する場合、前記再加熱処理の実行時間長さ内で第2の電力に従って前記食材を調理するように前記加熱アセンブリを制御し、
前記目標パラメータは、難消化性澱粉の目標含有量値、糖制御レベルのうちの1つを含み、前記冷却処理の処理パラメータは、冷却処理の温度、作動時間長さのうちの1つを含み、
前記再加熱処理後の食材の温度は前記食材の糊化の温度範囲の下限より低く、
前記第1の電力は前記調理鍋の最大電力であり、前記第2の電力は前記第1の電力より低く、
前記再加熱処理に必要なエネルギーは前記調理処理に必要なエネルギーより少ない調理鍋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は家電分野に関するが、これに制限されず、特に調理方法及び調理鍋に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の日常生活では、澱粉が豊富な食材は最も一般的な主食として、人体がエネルギーと糖を摂取する主な供給源である。調理された食材にはある種の難消化性澱粉が含まれ、難消化性澱粉は腸内フローラによって発酵され、有害な細菌の増殖を抑制できる短鎖脂肪酸を生成することができ、腸の健康に役立つ。調理された澱粉が豊富な食品に含まれる難消化性澱粉の含有量が高いと、血糖の上昇をより遅らせることができ、これにより、減量に役に立ち、血糖の変動を減らすこともできる。このため、難消化性澱粉を適量摂取することは人体に一定の効果をもたらすが、現在市販されている調理鍋及び関連技術における調理方法によって調理された主食では、難消化性澱粉の含有量が低く、関連する有益な効果に対する人々のニーズを満たすことができない。
【発明の概要】
【0003】
これに鑑みて、本願の実施例は調理方法及び調理鍋を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例の技術的解決手段は以下のように実現される。
【0005】
本願の実施例は調理方法を提供し、前記方法は、
調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して、少なくとも前記食材中の澱粉を糊化する調理処理を行うステップと、
調理処理後の前記食材を冷却処理することによって、調理処理後の食材中の澱粉を老化再生させるステップと、を含む。
【0006】
本願の実施例は調理装置を提供し、
調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して、少なくとも前記食材中の澱粉を糊化する調理処理を行うように配置される調理モジュールと、
調理処理後の前記食材を冷却処理することによって、調理処理後の食材中の澱粉を老化再生させるように配置される冷却モジュールと、を備える。
【0007】
本願の実施例は調理鍋を提供し、
調理鍋内に盛られる食材を加熱して、前記食材の調理処理を実現するように配置される加熱アセンブリと、
調理鍋内の食材を冷却処理するように配置される冷凍アセンブリと、
前記加熱アセンブリは調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して、少なくとも前記食材中の澱粉を糊化する調理処理を行うように制御し、前記冷凍アセンブリは調理処理後の前記食材を冷却処理することによって、調理処理後の食材中の澱粉を老化再生させるように制御するように配置される制御アセンブリと、を備える。
【0008】
本願の実施例は調理鍋を提供し、前記鍋は、調理キャビティ、メモリ及びプロセッサを備え、前記調理キャビティは、水と食材を盛るように配置され、前記メモリにプロセッサで稼動できるコンピュータプログラムが記憶され、前記プロセッサは前記プログラムを実行する場合に上記方法におけるステップを実現する。
【0009】
本願の実施例はコンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータプログラムが記憶され、該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合に、上記方法におけるステップを実現する。
【0010】
本願の実施例において、澱粉を含む食材を調理してから冷却処理を行うことによって、糊化後の澱粉を老化再生させ、より多くの難消化性澱粉を生成することができ、これにより、調理された食材中の難消化性澱粉の含有量を増加し、より良い糖制御効果を満たす。いくつかの実施例において、前記調理鍋内に盛られる前記食材に対して前記調理処理と前記冷却処理を交互に循環的に実行することができ、難消化性澱粉の生成をさらに促進する。いくつかの実施例において、冷却処理された食材を再加熱処理することにより、食材を食べられる温度要件まで温めることができ、且つ食材中の難消化性澱粉の含有量が変わらず、または冷却処理された難消化性澱粉の含有量と比較してわずかな減少にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本願の実施例による調理方法の実現フローチャートである。
図2】本願の実施例による調理方法の実現フローチャートである。
図3A】本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図である。
図3B】本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図である。
図3C】本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図である。
図4A】本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図である。
図4B】本願の実施例による調理方法の実行中の米中の難消化性澱粉の含有量の変化の傾向図である。
図5A】本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図である。
図5B】本願の実施例による調理方法の実現フローチャートである。
図6】本願の実施例による調理装置の組成構造模式図である。
図7】本願の実施例による調理方法のフローチャートである。
図8A】本願の実施例による調理方法のフローチャートである。
図8B】本願の実施例におけるほぼ常温(10-30℃)での難消化性澱粉の含有量と時間長さの関係模式図である。
図8C】本願の実施例におけるわずかに低温(0~10℃)での難消化性澱粉の含有量と時間長さの関係模式図である。
図8D】本願の実施例における低い低温(-18℃~0)での難消化性澱粉の含有量と時間長さの関係模式図である。
図8E】本願の実施例におけるより低温(-18℃及び以下)での難消化性澱粉の含有量と時間長さの関係模式図である。
図9A】本願の実施例による調理装置の組成構造模式図である。
図9B】本願の実施例による調理方法の実現段階模式図である。
図10】本願の実施例による調理装置の組成構造模式図である。
図11A】本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図である。
図11B】本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図である。
図12】本願の実施例による調理方法の実現フローチャートである。
図13】本願の実施例による調理方法の実現フローチャートである。
図14A】本願の実施例による調理方法の実現フローチャートである。
図14B】本願の実施例による調理方法の実現フローチャートである。
図15】本願の実施例における各段階での時間長さと加熱温度の関係の模式図である。
図16】本願の実施例による調理装置の組成構造模式図である。
図17A】本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図である。
図17B】本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図である。
図18】本願の実施例による調理方法の実現フローチャートである。
図19】本願の実施例による調理方法の実現フローチャートである。
図20】本願の実施例による調理方法の実現フローチャートである。
図21A】本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図である。
図21B】本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図である。
図21C】本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図である。
図22A】本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図である。
図22B】本願の実施例による調理鍋を調理に使用する場合の各段階の時間と加熱温度の対応関係模式図である。
図23】本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図である。
図24】本願の実施例による調理装置の組成構造模式図である。
図25】本願の実施例による調理方法の実現フローチャートである。
図26】本願の実施例による調理方法の実現フローチャートである。
図27A】本願の実施例による調理方法の実現フローチャートである。
図27B】本願の実施例における各段階での時間と加熱温度の対応関係模式図である。
図27C】本願の実施例による糖制御ご飯の調理過程の実現フローチャートである。
図28A】本願の実施例による調理方法の実現フローチャートである。
図28B】本願の実施例における各段階での時間と加熱温度の対応関係模式図である。
図28C】本願の実施例による糖制御ご飯の調理過程の実現フローチャートである。
図29】本願の実施例による調理装置の組成構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明らかにさせるために、以下、図面と実施例を参照して、本願の技術的解決手段をさらに詳細に説明し、説明された実施例は本願を制限するものと見なされることができない。当業者にとって、創造的な作業なしに得られたすべての他の実施例は、いずれも本願が保護する範囲に属する。
【0013】
以下の説明では、「いくつかの実施例」を言及し、全ての可能な実施例のサブセットを説明したが、理解できることとして、「いくつかの実施例」は全ての可能な実施例の同じサブセットまたは異なるサブセットであってもよく、且つ矛盾がない限り、互いに組み合わせることができる。
【0014】
「第1/第2」の類似の説明が出願書類に記載されている場合、以下の説明を追加し、以下の説明では、関連する「第1/第2/第3」という用語は類似のオブジェクトを区別するためだけのものであり、オブジェクトついての特定の順序を示さなく、理解できることとして、「第1/第2/第3」は、許可される場合、特定の順序または順次で交換することができ、ここで説明される本願の実施例はここで図示または記載されたもの以外の順序で実施することができる。
【0015】
特に定義されていない限り、本文で使用されるすべての技術用語および科学用語は当業者が一般的に理解しているのと同じ意味を持つ。本文で使用される用語は本願の実施例を説明することのみを目的として、本願を制限することを意図しない。
【0016】
澱粉を水中で加熱すると、徐々に膨潤して割れ、最終的に均一なペーストを形成し、これは糊化と呼ばれる。澱粉が豊富な食材の調理中に、糊化は食材中の澱粉の分子水素結合を破壊する。低温で、破壊された分子水素結合が再結合し、再び規則正しい構造になり、この反応は食材の老化再生である。老化再生後の澱粉は難消化性澱粉である。このため、糊化された食材を冷却処理することで食材を老化再生させることができ、これにより、難消化性澱粉を生成し、食材中の難消化性澱粉の含有量を増加させる。食材の老化再生の程度は糊化度によって影響され、糊化度が大きいほど、老化再生が発生しやすい。
【0017】
本願の実施例は調理方法を提供し、図1に示すように、前記方法は、以下のステップを含む。
【0018】
ステップS101では、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して、少なくとも前記食材中の澱粉を糊化する調理処理を行い、
ここで、調理鍋は炊飯器、電力コンロ、電力圧力調理器、電力蒸し器、エアフライヤー、電力オーブン等を含むが、これらに制限されない。
【0019】
澱粉を含む食材は主食や料理であってもよく、澱粉を主成分とする食材は澱粉が豊富な食材、即ち澱粉類食材と考えられる。澱粉を含む食材には、一般的に、以下の種類を含み、
1)例えばご飯、ビーフン、ゼリー、湯円、年越もち、オートミール、パン、饅頭、中華饅頭、餃子の皮、ワンタンの皮、麺、パンケーキ、蒸し餃子、トウモロコシ、ケーキ、ビスケット、マラケーキ、フェニックスパイケーキ、キャロットケーキ、里芋ケーキ等の穀物、麺食材、
2)例えばじゃがいも、里芋、さつまいも、れんこん、かぼちゃ等の根と茎食材、
3)エンドウ豆、緑豆、小豆などの豆食材、
4)バナナ、オオバコ、デート、桃等の澱粉の含有量が高い水果。
【0020】
澱粉はアミロースとアミロペクチンに分けることができる。アミロースは老化後の再溶解が難しいため、腸内で消化しにくく、難消化性澱粉である。難消化性澱粉は腸内フローラによって発酵され、短鎖脂肪酸(Short-Chain Fatty Acids、SCFA)を生成することができる。SCFAは有害な細菌の増殖を抑制でき、腸の健康に役立ち、消化しにくいため、減量に役に立ち、血糖の変動を減らすことができる。
【0021】
調理処理は、少なくとも食材中の澱粉が吸水によって糊化されることを確保することができ、前記食材を食用になるまで調理する。調理処理後の食材中の澱粉はほとんど消化しやすい澱粉であり、難消化性澱粉の含有量は澱粉の継続的な糊化に伴って徐々に減少する。実施時、調理処理は、蒸し煮、揚げ、バーベキュー等の処理を含むが、これらに制限されなく、調理処理の時間が長いほど、食材中の澱粉の糊化が十分になり、後期で冷却後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加する効果が良くなる。
【0022】
いくつかの実施例において、設定された調理時間内で、前記調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を連続的に加熱して、前記食材中の澱粉を糊化させることができる。ここで、前記調理時間はユーザによって予め設定されてもよい。実施時、調理時間はユーザにより調理鍋のコントロールパネルを介して設定してもよいし、ユーザにより調理鍋のリモートコントロール端末を介して設定してもよいが、本願の実施例はこれを限定しない。
【0023】
ステップS102では、調理処理後の前記食材を冷却処理することによって、調理処理後の食材中の澱粉を老化再生させる。
【0024】
ここで、冷却処理とは、調理処理後の食材を降温して、前記食材を冷却させるとともに一定の時間維持することである。冷却処理は難消化性澱粉の含有量を増加する鍵であり、調理糊化後の澱粉は、冷却処理後、澱粉分子が再重合して結晶を形成するため、酵素加水分解に耐性のある難消化性澱粉を生成する。冷却処理中に、難消化性澱粉の含有量が徐々に増加する。
【0025】
実施時、冷却の温度が低い、または冷却の維持時間が長いほど、難消化性澱粉の生成の促進効果が良くなる。冷却処理は冷凍または凍結処理を含むことができ、自然冷却、冷凍装置による冷却、換気冷却等の方式であってもよく、当業者は、実施時、実際の状況に応じて適切な低温実現方式を選択することができるが、本願の実施例はこれを限定しない。
【0026】
いくつかの実施例において、調理処理後の前記食材を冷却処理することで、前記食材の温度が第1の温度値より小さくなることができ、前記第1の温度値はデフォルトの冷凍温度値または設定された温度値である。例えば、冷却後の食材温度を摂氏60度(℃、度と略称)以下に制御することができる。ここで、前記第1の温度値はユーザによって予め設定されてもよい。実施時、前記第1の温度値はユーザにより調理鍋のコントロールパネルを介して設定してもよいし、ユーザにより調理鍋のリモートコントロール端末を介して設定してもよいが、本願の実施例はこれを限定しない。
【0027】
いくつかの実施例において、前記方法は、前記調理鍋内に盛られる前記食材に対して前記調理処理と前記冷却処理を交互に循環的に実行するステップを含んでもよい。ここで、調理中に、調理鍋内に盛られる前記食材に対して調理処理、冷却処理、調理処理、冷却処理……を実行することができ、このように交互に循環的に実行することで、難消化性澱粉の生成をさらに促進することができる。
【0028】
実験的研究によると、食物中の難消化性澱粉の含有量と糖制御の効果の間に一定の関係があることが示され、難消化性澱粉の含有量が1%の食材は、食後2時間(h)の血糖の上昇を0.3mmol/L低下させることができる。難消化性澱粉の含有量は12%より大きいと、血糖の上昇が極めて低く、即ち深度糖制御であり、高血糖のような糖制御の要件が高い対象に適用し、難消化性澱粉の含有量が9%~12%である場合、血糖の上昇は難消化性澱粉の含有量が1%の血糖の上昇よりもわずかに低く、軽度糖制御であり、減量と健康維持の要件が低い対象に適用し、難消化性澱粉の含有量が9%より低い場合、顕著な糖制御効果がない。本願の実施例において、冷却処理が完了した後、食材中の難消化性澱粉の含有量は10%以上に達でき、少なくとも軽糖制御を実現することができる。
【0029】
本願の実施例による調理方法は、澱粉を含む食材を調理した後に冷却処理することによって、糊化後の澱粉を老化再生させ、より多くの難消化性澱粉を生成することができ、これにより、調理された食材中の難消化性澱粉の含有量を増加し、より良い糖制御効果を満たす。なお、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量が増加された後、食材中の澱粉の消化特性を改善し、食材の消化速度を遅らせることができ、これにより、食材の血糖の上昇レベルを下げ、高血糖対象が主食によって限られる難題を改善する。さらに、前記調理鍋内に盛られる前記食材に対して前記調理処理と前記冷却処理を交互に循環的に実行することができ、難消化性澱粉の生成をさらに促進する。
【0030】
本願の実施例は調理方法を提供し、図2に示すように、前記方法は、以下のステップを含む。
【0031】
ステップS201では、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して、少なくとも前記食材中の澱粉を糊化する調理処理を行い、
ステップS202では、調理処理後の前記食材を冷却処理することによって、調理処理後の食材中の澱粉を老化再生させ、
ここで、ステップS201とS202は前述のステップS101とS102に対応し、実施時に、ステップS101とS102の具体的な実施形態を参照することができる。
【0032】
ステップS203では、前記冷却処理後の食材を再加熱処理し、前記再加熱処理後の食材の温度は第2の温度値より高く、且つ前記食材の糊化の温度範囲の下限より低く、前記第2の温度値はデフォルトの加熱温度値または設定された温度値である。
【0033】
ここで、再加熱処理の主な作用は、冷却後の食材を食べられる温度要件まで温めることである。再加熱処理の過程で、食材中の難消化性澱粉の含有量が変わらなく、またはわずかに低下する。再加熱処理の実行時間長さはユーザにより予め設定されてもよく、適切なデフォルトの時間長さである。
【0034】
第2の温度値はユーザにより予め設定されてもよく、適切なデフォルトの加熱温度値である。
【0035】
食材の糊化の温度範囲は食材中の澱粉の糊化の温度範囲であり、澱粉の糊化の温度範囲の下限は一般的に摂氏60度であり、摂氏55度前後のものもあり、表0.0に一般的な成分の食材の糊化の温度範囲を示す。温度が糊化の温度範囲の下限より高いと、該食材中の澱粉が糊化し始め、温度が該糊化温度より低いと、該食材中の澱粉が再生し始める。例えば、表0.0において、トウモロコシの糊化温度の下限は摂氏62度、トウモロコシの糊化温度の上限は摂氏72度、米の糊化温度の下限は摂氏68度、米の糊化温度の上限は摂氏78度である。トウモロコシ中の澱粉は、温度が摂氏62度より高い場合、糊化し始め、摂氏62度より低い場合、再生し始める。
【0036】
【表0.0】
【0037】
いくつかの実施例において、設定された再加熱時間内で、前記冷却処理後の食材を連続的に加熱して、前記食材を前記第2の温度値まで温めることができる。
【0038】
いくつかの実施例において、前記澱粉を含む食材は米であり、前記米の質量は150グラム~600グラムである。上記ステップS201は、前記調理処理の時間長さ20分間~60分間で、調理鍋内に盛られる米を調理処理することによって、米を調理することで形成されたご飯温度が90℃以上に達し、ご飯の糊化度が80%以上に達するステップを含み、上記ステップS202は、調理処理された前記ご飯を60℃以下に冷却し、冷却時間長さ分維持するステップを含み、前記冷却時間長さは冷却後のご飯の温度によって決められ、上記ステップS203は、前記再加熱処理の時間長さの3分間~40分間で、冷却処理後のご飯を再加熱処理することで、ご飯の温度が80℃以上に達するステップを含む。
【0039】
いくつかの実施例において、調理処理された前記ご飯を60℃以下に冷却し、冷却時間長さ分維持するステップは、冷却後のご飯の温度が30℃~60℃のとき、冷却時間長さを60分間よりも大きくするように維持し、冷却後のご飯の温度が30℃以下のとき、冷却時間長さを10minよりも大きくするように維持することを含む。
【0040】
なお、再加熱の電力と時間が十分である場合、難消化性澱粉のほとんどは糊化澱粉に還元され、ごく一部だけが還元されないので、糖制御の効果を達成するために、再加熱処理に必要なエネルギー(加熱電力と時間長さによって決められる)は調理処理時に必要なエネルギーより少ない必要があり、このように、再加熱処理によって提供されるエネルギーは半調理された材料を調理するのに十分ではないため、再加熱処理時間は長すぎてはならず、且つ調理処理過程では食材が食べられるまで調理される必要がある。
【0041】
本願の実施例による調理方法は、冷却処理後の食材を再加熱処理することによって、食材を食べられる温度の要件まで温めることができ、且つ、食材中の難消化性澱粉の含有量が変わらなく、或いは冷却処理された難消化性澱粉の含有量と比較してわずかに減少する。
【0042】
本願の実施例は調理鍋を提供し、図3Aに示すように、前記調理鍋300は、加熱アセンブリ310、冷凍アセンブリ320及び制御アセンブリ330を備え、
前記加熱アセンブリ310は、調理鍋内に盛られる食材を加熱して、前記食材の調理処理を実現するように配置され、
前記冷凍アセンブリ320は、調理鍋内の食材を冷却処理するように配置され、
前記制御アセンブリ330は、前記加熱アセンブリが調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して、少なくとも前記食材中の澱粉を糊化する調理処理を行うように制御し、前記冷凍アセンブリが調理処理後の前記食材を冷却処理することによって、調理処理後の食材中の澱粉を老化再生させるように制御するように配置される。
【0043】
いくつかの実施例において、前記制御アセンブリはさらに、前記加熱アセンブリと前記冷凍アセンブリが前記調理鍋内に盛られる前記食材に対して前記調理処理と前記冷却処理を交互に循環的に実行するように制御するように配置される。
【0044】
いくつかの実施例において、図3Bに示すように、前記鍋300は、コントロールパネル340を更に備え、
前記コントロールパネル340は、調理操作に応答して調理時間を設定するように配置され、
前記制御アセンブリはさらに、前記調理時間内で、前記加熱アセンブリが前記調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を加熱するように連続的に制御することによって、前記食材中の澱粉を糊化させるように配置される。
【0045】
いくつかの実施例において、図3Cに示すように、前記鍋300は、コントロールパネル340と温度検出アセンブリ350を更に備え、
前記コントロールパネル340は、調理操作に応答して前記第1の温度値を設定するように配置され、
前記温度検出アセンブリ350は、調理鍋内の食材の温度を検出するように配置され、
前記制御アセンブリはさらに、前記冷凍アセンブリが調理処理後の前記食材を冷却処理するように制御し、前記温度検出アセンブリが前記食材の温度が前記第1の温度値以上であると検出する場合、前記食材の温度が前記第1の温度値より低くなるまで、前記冷凍アセンブリが前記食材を冷却処理し続けるように制御するように配置される。
【0046】
いくつかの実施例において、前記制御アセンブリはさらに、前記加熱アセンブリが前記冷却処理後の食材を再加熱処理するように制御するように配置され、前記再加熱処理後の食材の温度は第2の温度値より高く、且つ前記食材の糊化の温度範囲の下限より低く、前記第2の温度値はデフォルトの加熱温度値または設定された温度値である。
【0047】
いくつかの実施例において、前記鍋はコントロールパネルを更に備え、調理操作に応答して再加熱時間を設定するように配置される。前記制御アセンブリはさらに、前記再加熱時間内で、前記加熱アセンブリが前記冷却処理後の食材を加熱するように連続的に制御することによって、前記食材を前記第2の温度値まで温めるように配置される。
【0048】
炊飯器や電力圧力調理器は主食を調理する重要な器具として、重要な役割を果たす。ご飯中の難消化性澱粉が高いと、血糖値の上昇を遅らせることができ、従来のご飯の調理方法において、米の元の難消化性澱粉は吸水によって糊化される作用が継続的に減少するため、ご飯の難消化性澱粉の含有量が小さくなり、消化性澱粉が多くなる。主食の糖制御の難題を改善できると、高血糖対象の主食によって限られる難題を改善し、高血糖の罹病リスクを軽減することができる。これを鑑みて、本願の実施例は調理方法を提供し、図4Aに示すように、前記方法は以下のステップを含み、
ステップS401では、米を1回目炊き、
ここで、米には本来約18-22%程度の難消化性澱粉が含まれ、1回目の炊きは米を食べられるまで調理し、米中の澱粉が吸水によって糊化されるのを確保し、このとき、米中の澱粉のほとんどは消化性澱粉であり、難消化性澱粉の含有量が徐々に減少する。糊化が十分であるほど、後期で冷却後の難消化性澱粉の含有量の増加効果が良くなる。
【0049】
ステップS402では、炊き後のご飯を冷却処理し、
ここで、1回目炊きの後で、炊き後のご飯を冷却処理する。冷却処理は難消化性澱粉の含有量を増加する鍵である。炊き糊化後の澱粉は、冷却処理後、澱粉分子が再重合して結晶を形成し、酵素加水分解に耐性を持ち、難消化性澱粉の含有量が徐々に増加する。
【0050】
実施時、冷却したご飯の温度を60℃以下に制御し、冷却の温度が低いほど、または冷却の維持時間が長いほど、難消化性澱粉の生成の促進効果が良くなる。冷却処理が完了した後、難消化性澱粉の含有量は10%以上に達できる。冷却処理は冷凍または凍結処理を含むことができ、自然冷却、冷凍装置による冷却、換気冷却等の方式であってもよく、当業者は、実施時に、実際の状況に応じて適切な低温実現方式を選択することができるが、本願の実施例はこれを限定しない。
【0051】
ステップS403では、冷却処理後のご飯を2回目炊く。
【0052】
ここで、冷却処理が完了した後、冷却処理後のご飯を2回目炊く。2回目の炊きの主な作用は、ご飯を食べられる温度の要件まで温めることである。2回目の炊きの過程では、ご飯の難消化性澱粉が変わらなく、またはわずかに低下する。実施時、炊き時間は20分間(min)を超えないほうがよい。
【0053】
いくつかの実施例において、上記ステップS401~S403を繰り返して実行することができ、即ち米の操作は、炊き、冷却、再炊き、再冷却……であり、このように繰り返す。このように、難消化性澱粉の生成をさらに促進し、調理されたご飯中の難消化性澱粉の含有量を増加する。
【0054】
調理過程が進むにつれて、米中の難消化性澱粉の含有量は最初に減少し、次に増加し、その後変わらなくまたはわずかに低下し、最終的に難消化性澱粉の含有量は10%以上に達できる。
【0055】
図4Bは本願の実施例による調理方法の実行中の米中の難消化性澱粉の含有量の変化の傾向図であり、図4Bに示すように、1回目の炊き段階では、ご飯中の難消化性澱粉の含有量が徐々に低下し、冷却段階で、ご飯中の難消化性澱粉の含有量は継続的に増加し始め、2回目の炊き段階で、ご飯中の難消化性澱粉の含有量はわずかに低下する。
【0056】
本願の実施例による調理方法、炊き後のご飯を降温または冷却する方法を採用し、糊化後のご飯の澱粉を老化再生させ、より多くの難消化性澱粉を生成し、これにより、ご飯の難消化性澱粉の含有量を増加し、さらにご飯中の澱粉の消化特性を改善し、ご飯の消化速度を遅らせ、より良い糖制御効果を満たし、ご飯の血糖の上昇レベルを低下させ、調理されたご飯は血糖を安定させたり、体重を減らしたりする効果がある。
【0057】
本願の実施例は調理鍋を提供し、図5Aは本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図であり、図5Aに示すように、前記調理鍋は、加熱システム510、内鍋520、冷凍システム530、制御システム540及び鍋本体構造550を備え、前記加熱システム510は内鍋520を加熱することができ、米に対する炊き処理の要件を満たし、前記冷凍システム530はご飯を降温処理することができ、前記内鍋520は、調理対象である米またはご飯を盛るように配置され、前記制御システム540は、前記調理鍋が前記調理鍋内に盛られる食材を調理するように制御するように配置される。このように、前記調理鍋は、従来の炊飯器の上で、ご飯の降温機能を満たすことができる。これにより、炊き後のご飯を降温または冷却する方法によって、ご飯中の糊化後の澱粉を老化再生させ、より多くの難消化性澱粉を生成し、ご飯の難消化性澱粉の含有量を増加する。
【0058】
なお、実施時、前記加熱システムは調理鍋における加熱アセンブリとして実現することができ、前記冷凍システムは調理鍋における冷凍アセンブリとして実現することができ、前記制御システムは調理鍋における制御アセンブリとして実現することができる。
【0059】
本願の実施例は調理方法を提供し、図5Aに示すような調理鍋に適用し、図5Bに示すように、前記方法は以下のステップを含む。
【0060】
ステップS501では、加熱システムは米を加熱して昇温させ、炊いて糊化後のご飯を取得し、ご飯の温度が90℃以上に達し、
ステップS502では、制御システムは設定された第1の炊き時間に達するかどうかを判断し、達しないと、ステップS501に戻し、達したと、ステップS503に進み、
ステップS503では、冷凍システムが作動し、ご飯を冷却処理し、
ステップS504では、制御システムは設定された冷凍温度に達するかどうかを判断し、達しないと、ステップS503に戻し、達したと、ステップS505に進み、
ステップS505では、冷凍システムが作動を停止し、一定の時間維持し、
ステップS506では、制御システムは設定された維持時間に達するかどうかを判断し、達しないと、ステップS505に戻し、達したと、ステップS507に進み、
ステップS507では、加熱システムは冷却後のご飯を加熱して昇温させ、ご飯を温かめ、ご飯の温度が80℃以上に達し、
ステップS508では、制御システムは設定された第2の炊き時間に達するかどうかを判断し、達しないと、ステップS507に戻し、達したと、調理を終了する。
【0061】
ここで、上記ステップS501~S502を調理の第1の段階とすることができ、実施時、第1の炊き時間は20-60min範囲内であってもよく、ご飯の温度が90℃以上に達し、ご飯の糊化度が80%以上に達する。
【0062】
上記ステップS503~S506を調理の第2の段階とすることができ、実施時、ご飯を冷却するときの冷凍温度を60℃以下に制御することができ、維持時間は温度につれて変化することができ、冷却温度を30-60℃に制御する場合、維持時間を60minより長く設定することができ、冷却温度を30℃以下に制御する場合、維持時間を10minより長く設定することができる。
【0063】
上記ステップS507~S508を調理の第3の段階とすることができ、実施時、第2の炊き時間を3-40min以上に設定することができるため、ご飯の温度が80℃以上に達することができる。
【0064】
前述の実施例に基づいて、本願の実施例は調理装置を提供し、該装置は備えられる各ユニット、及び各ユニットに備えられる各モジュールを備え、調理鍋におけるプロセッサによって実現されることができ、無論、具体的な論理回路によって実現されてもよく、実施の過程では、プロセッサは中央プロセッサ(CPU)、マイクロプロセッサ(MPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等であってもよい。
【0065】
図6は本願の実施例による調理装置の組成構造模式図であり、図6に示すように、前記装置600は調理モジュール610と冷却モジュール620を備え、
前記調理モジュール610は、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して、少なくとも前記食材中の澱粉を糊化する調理処理を行うように配置され、
前記冷却モジュール620は、調理処理後の前記食材を冷却処理することによって、調理処理後の食材中の澱粉を老化再生させるように配置される。
【0066】
いくつかの実施例において、前記調理モジュールはさらに、設定された調理時間内で、前記調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を連続的に加熱して、前記食材中の澱粉を糊化させるように配置される。
【0067】
いくつかの実施例において、前記冷却モジュールはさらに、調理処理後の前記食材を冷却処理することで、前記食材の温度が第1の温度値より低いように配置され、前記第1の温度値はデフォルトの冷凍温度値または設定された温度値である。
【0068】
いくつかの実施例において、前記調理装置は、再加熱モジュールを更に備え、前記冷却処理後の食材を再加熱処理し、前記再加熱処理後の食材の温度は第2の温度値より高く、且つ前記食材の糊化の温度範囲の下限より低いように配置され、前記第2の温度値はデフォルトの加熱温度値または設定された温度値である。
【0069】
いくつかの実施例において、前記再加熱モジュールはさらに、設定された再加熱時間内で、前記冷却処理後の食材を連続的に加熱して、前記食材を前記第2の温度値まで温めるように配置される。
【0070】
以上の装置実施例の説明は、上記の方法実施例の説明と類似し、方法実施例と類似する有益な効果を有する。本願の装置実施例に開示されていない技術的細部について、本願の方法実施例の説明を参照して理解する。
【0071】
本願の実施例は調理方法を提供し、図7は本願の実施例による調理方法のフローチャートであり、図7に示すように、前記方法は、以下のステップを含む。
【0072】
ステップ701では、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用され、前記食材と前記調理鍋の中の水とを互いに分離させ、
ここで、ステップ701は調理鍋における制御アセンブリにより実現されることができる。
【0073】
ここで、第1のモードは調理鍋の選択可能な機能モードの一つである場合もあれば、調理鍋のデフォルトの作動モードである場合もある。
【0074】
いくつかの実施例において、ユーザは調理鍋のコントロールパネルまたはリモートコントロール端末(例えば携帯電話)を介して、機能モード選択の方式によって該第1のモードを選定し、次に、調理鍋はユーザの選択に応じて該第1のモードに入る。他のいくつかの実施例において、調理鍋は、予約プロセスと組み合わせて、前記第1のモードに入るかどうかを自動的に判断することもできる。例えば、コントロールパネルに糖制御モードまたは減量モードの機能ボタンを設定し、該機能ボタンは第1のモードのボタンとして使用され、ユーザが調理鍋を操作する場合、該糖制御モードの機能ボタンを選択することによって調理鍋が該第1のモードに入るように設定される。また例えば、ユーザは音声である「減量モードをオンにする」により、調理鍋が該第1のモードに入る。また例えば、ユーザは携帯電話に調理鍋が該第1のモードに入るように設定されることができ、次に、携帯電話は調理鍋が該第1のモードに入るのを指示するための調理命令を調理鍋に送信し、調理鍋が該調理命令に応答して該第1のモードに入る。実施時、当業者は実際の状況に応じて第1のモードに入る適切な決定方式を選択することができるが、本願の実施例はこれを限定しない。
【0075】
実施の過程では、前記食材と前記調理鍋の中の水を互いに分離し、洗い流しにより食材中の一部の澱粉を除去することができ、澱粉の摂取量を減少して、難消化性澱粉の含有量を増加する。
【0076】
ステップ702では、前記第1のモードで、加熱によって前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現し、
ここで、加熱は断続的であってもよい。例えば、水位の上がりを実現する必要があると、加熱し、水位の下がりを実現する必要があると、加熱を停止する。鍋内の水位と食材との間の距離は適切である必要があり、鍋内の水が比較的少ない場合、食材からの距離は比較的遠く、食材を洗い流す効果を果たさない可能性がある。このため、実施の過程では、第一に、鍋内での食材の位置が変わらず、鍋内の水位を制御することによって食材の糊化と洗い流しを実現し、第二に、水位の変化に伴って食材の水からの位置を制御する。例えば該第1のモードに入る場合、鍋内に添加する水量が適切である必要があり、即ち、調理鍋の底部の水位が一定の目盛りに達する必要があり、継続的に沸騰して落下するときに、水位が食材に到達でき、食材を糊化及び洗い流す効果を果たす。他のいくつかの実施例において、水タンクを通して鍋内に給水して、一定の水位を維持することもできる。他のいくつかの実施例において、食材を加熱する間に、鍋内の水量が徐々に減少するため、鍋内の移動装置によって、継続的に降下することができ、食材を鍋内の水に近づけたり、触ったりし、次に、断続的に加熱することによって調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化と前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現する。
【0077】
ステップ703では、糊化後の食材を冷却処理し、前記食材中の澱粉を老化再生させる。
【0078】
ここで、老化再生の程度は糊化度によって影響され、糊化度が高いほど、老化再生が発生しやすい。且つ、前記糊化度は沸騰と落下の段階の実行時間長さによって影響される。
【0079】
ここで、老化再生の程度は冷却処理の実行時間長さによって影響される。冷却処理の実行時間長さは、糊化された食材中の澱粉が難消化性澱粉に変わる時間長さに影響を及ぼし、さらに食材中の難消化性澱粉の含有量に影響を及ぼす。
【0080】
本願の実施例において、まず、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用され、前記食材と前記調理鍋内の水とを互いに分離させ、次に、前記第1のモードで、加熱によって前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現し、最終的に、糊化後の前記食材を冷却処理して、前記食材中の澱粉を老化再生させる。このように、洗い流しにより食材中の一部の澱粉を除去することによって、澱粉の摂取量を減少することができ、糊化後の前記食材を冷却処理することによって、食材が低温で継続的に再生を発生させることができ、これにより、食材中の難消化性澱粉の含有量を増加し、澱粉が少なく、難消化性澱粉の含有量が高い食材を取得し、高血糖や減量等の健康を追求する対象に適する。
【0081】
本願の実施例は調理方法を提供し、図8Aは本願の実施例による調理方法のフローチャートであり、図8Aに示すように、前記方法は以下のステップを含む。
【0082】
ステップ801では、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用され、前記食材と前記調理鍋内の水とを互いに分離させる。
ステップ802では、第1の段階において、加熱によって前記調理鍋内の水を沸騰するまで昇温させる。
ステップ803では、前記第1の段階の後の第2の段階において、断続的に加熱することにより、前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現する。
ここで、ステップ802とステップ803は「前記第1のモードで、加熱によって前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化を実現する」を実現する方式を提供し、該方式では、第1の段階は急速昇温段階と考えられることができ、この段階では鍋底部の水を沸騰するまで急速に昇温させ、この段階は温度から第2の段階に移行し、該第1の段階では全電力で加熱し、調理時間長さを節約することができる。
【0083】
第2の段階は沸騰維持段階または糊化段階と考えられることができ、この段階では沸騰を維持し、底部の水が継続的に沸騰して落下し、洗い流し効果を実現し、食材例えば米の表面の一部の澱粉を除去することができ、この段階の時間長さは8~10分間(min)にすることができる。第2の段階の断続的な加熱は加熱、停止、加熱、停止のような往復の加熱方式であってもよいし、第2の段階の断続的な加熱は第1の電力による加熱、第2の電力による加熱、第1の電力による加熱、第2の電力による加熱のような往復の加熱方式であってもよく、第1の電力は第2の電力より大きく、第1の電力は鍋内の水を沸騰させることができる電力であり、第2の電力が鍋内の水を落下させることができる電力である。
【0084】
異なる圧力強度での水の沸点が異なり、標準大気圧での水の沸点は摂氏100度である。食材を調理する場合、食材を確実に調理するために、一般的に、水の沸点を摂氏90度以上に確保する必要がある。前述のステップ802では、上記表0.0を参照して、澱粉の糊化の温度範囲の下限は一般的に摂氏60度である場合もあれば、摂氏55度程度である場合もある。
【0085】
ステップ804では、第3の段階において、ファンアセンブリを使用して糊化後の前記食材に冷気を吹き付け、排気口を使用して前記調理鍋内に冷気を送り、熱気を排出し、糊化後の前記食材を冷却処理し、
ここで、前記ファンアセンブリは空気の流れを加速するように配置される部材である。例えば、ファンブレード等の空気の流れを回転及び加速する部材である。実施の過程では、排気口を通して調理鍋内の熱気を排出し、ファンアセンブリを使用して調理鍋内に冷気を吹き付け、調理鍋内の温度低下を加速し、第4の段階での冷処理の維持のために温度条件を提供する。
【0086】
ここで、第3の段階で前記食材の加熱を停止し、次に、ファンアセンブリを使用して糊化後の前記食材に冷気を吹き付け、排気口を使用して前記調理鍋内に冷気を送り、熱気を排出することを実現し、糊化後の前記食材を冷却処理し、
ステップ805では、前記第3の段階の後の第4の段階において、前記冷却処理を維持し、前記食材中の澱粉を老化再生させ、
ここで、ステップ804とステップ805は「糊化後の前記食材を冷却処理して、前記食材中の澱粉を老化再生させる」を実現する方式を提供し、該方式では、糊化後の食材の冷却処理は、第3の段階と第4の段階の2つの段階を含み、ここで、
第3の段階は空冷降温段階と考えられることができ、第2の段階では、ご飯などの食材は糊化を完了しており、空冷の方法によって、ご飯の温度を約25℃(常温)に下げ、老化再生の温度条件に達し、この段階は温度から次の段階に移行する。
【0087】
第4の段階は、澱粉再生段階と考えられることができ、第4の段階を一定の時間長さ維持し、食材中の澱粉を継続的に再生させ、糊化された澱粉は徐々に難消化性澱粉に変わり、時間長さは低糖効果に応じて選択することができる。
【0088】
ステップ806では、前記冷却処理後の食材を再加熱処理し、前記食材の温度を食用に適するものにする。
【0089】
前記冷却処理後の食材の温度は第1の温度値より低く、前記第1の温度値は前記食材の糊化の温度範囲の下限であり、
前記再加熱処理後の食材の温度は第2の温度値より高く且つ前記第1の温度値より低く、前記第2の温度値はデフォルトの加熱温度値または設定された温度値である。
【0090】
本願の実施例は調理方法を提供し、前記方法は、以下のステップを含む。
【0091】
ステップ811では、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用され、前記食材と前記調理鍋内の水とを互いに分離させる。
ステップ812では、第1の段階において、加熱によって前記調理鍋内の水を沸騰するまで昇温させる。
ステップ813では、前記第1の段階の後の第2の段階において、断続的に加熱することにより、前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現する。
ここで、ステップ812とステップ813は「前記第1のモードで、加熱によって前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化を実現する」を実現する方式を提供し、該方式では、第1の段階は急速昇温段階と考えられることができ、この段階では鍋底部の水を沸騰するまで急速に昇温させ、この段階は温度から第2の段階に移行し、該第1の段階では全電力で加熱し、調理時間長さを節約することができる。
【0092】
ステップ814では、第3の段階において、ファンアセンブリを使用して糊化後の前記食材に冷気を吹き付け、排気口を使用して前記調理鍋内に冷気を送り、熱気を排出し、糊化後の前記食材を冷却処理し、
ステップ815では、調理後の食材中の難消化性澱粉の目標含有量値を決定し、
ここで、目標含有量値は数値または数値範囲であってもよい。実施の過程では、目標含有量値は、ユーザにより設定することも、調理鍋がユーザの機能選択に応じて決定することも、調理鍋が自動的に決定することもできる。例えば、ユーザはコントロールパネルまたは携帯電話などの端末を介してユーザの所望の難消化性澱粉の含有量値を設定することができ、例えばユーザは8%または12%等を目標含有量値として設定する。また例えば、ユーザはコントロールパネルまたは携帯電話に糖制御程度またはレベルを選択し、調理鍋は糖制御レベルに応じて特定のマッピング関係テーブルを検索して目標含有量値を決定する。また例えば、ユーザは自分の健康ニーズ(例えば減量ニーズまたは血糖制御ニーズ)に応じて目標含有量値を設定でき、調理する度に、ユーザは特別な命令がない場合、調理鍋はデフォルトの目標含有量値としてこの設定に従う。また例えば、調理鍋は調理時間長さ(例えば冷却時間長さ)と冷却後の目標温度に応じて目標含有量値を決定してもよく、図8B~8Eを参照し、冷却後の目標温度(即ち冷却処理後に維持する食材の温度)が一定である場合、冷却時間長さの増加に伴って、難消化性澱粉の含有量も増加し、冷却時間長さが一定である場合、冷却の温度が低下し、難消化性澱粉の含有量も増加する。
【0093】
図8B~8Eは本願の実施例による異なる冷却処理温度で、難消化性澱粉の含有量と時間長さの関係模式図であり、横座標軸は時間長さ軸であり、単位が時間(h)であり、縦座標軸は難消化性澱粉の含有量であり、単位はパーセンテージ(%)である。
【0094】
図8Bはほぼ常温(10-30℃)の冷却処理温度で、難消化性澱粉の含有量と時間長さの関係である。図8Bに示すように、難消化性澱粉の含有量が9.2%に達するのに必要な時間は1h未満であり、難消化性澱粉の含有量が9.5%に達するのに必要な時間は1hであり、難消化性澱粉の含有量が10.5%に達するのに必要な時間は2h未満であり、難消化性澱粉の含有量が11.6%に達するのに必要な時間は2hであり、難消化性澱粉の含有量が12.5%に達するのに必要な時間は4hであり、難消化性澱粉の含有量が13.3%に達するのに必要な時間は6hであり、難消化性澱粉の含有量が13.9%に達するのに必要な時間は8hであり、難消化性澱粉の含有量が14.5%に達するのに必要な時間は12hであり、難消化性澱粉の含有量が15.7%に達するのに必要な時間は16hであり、難消化性澱粉の含有量が16.2%に達するのに必要な時間は20hであり、難消化性澱粉の含有量が16.3%に達するのに必要な時間は24hである。図8B中の難消化性澱粉の含有量と時間長さの関係に応じて、表0.1における糖制御レベルと時間長さの関係を取得することができる。
【0095】
【表0.1】
【0096】
図8Cはやや低温(0~10℃)の冷却処理温度で、難消化性澱粉の含有量と時間長さの関係である。図8Cに示すように、やや低温条件下で、難消化性澱粉の含有量が10.3%に達するのに必要な時間は0.5hに近い。難消化性澱粉の含有量が12.8%に達するのに必要な時間は1hであり、難消化性澱粉の含有量が14.6%に達するのに必要な時間は2h未満であり、難消化性澱粉の含有量が15.3%に達するのに必要な時間は2hであり、難消化性澱粉の含有量が16.8%に達するのに必要な時間は4h未満であり、難消化性澱粉の含有量が17.6%に達するのに必要な時間は6hであり、難消化性澱粉の含有量が18.7%に達するのに必要な時間は8hであり、難消化性澱粉の含有量が19.5%に達するのに必要な時間は12hであり、難消化性澱粉の含有量が19.9%に達するのに必要な時間は16hであり、難消化性澱粉の含有量が20.4%に達するのに必要な時間は20hであり、難消化性澱粉の含有量が20.6%に達するのに必要な時間は24h未満である。図8C中の難消化性澱粉の含有量と時間長さの関係に応じて、表0.2中の糖制御レベルと時間長さの関係を取得することができる。
【0097】
【表0.2】
【0098】
図8Dはより低温(-18℃~0)の冷却処理温度で、難消化性澱粉の含有量と時間長さの関係である。図8Dに示すように、より低温条件下で、難消化性澱粉の含有量が10.9%に達するのに必要な時間は0.5hに近く、難消化性澱粉の含有量が11.5%に達するのに必要な時間は1hであり、難消化性澱粉の含有量が12.3%に達するのに必要な時間は2h未満であり、難消化性澱粉の含有量が15.8%に達するのに必要な時間は2hであり、難消化性澱粉の含有量が17.6%に達するのに必要な時間は4hであり、難消化性澱粉の含有量が19.4%に達するのに必要な時間は6hであり、難消化性澱粉の含有量が21.4%に達するのに必要な時間は8hであり、難消化性澱粉の含有量が22.5%に達するのに必要な時間は12hであり、難消化性澱粉の含有量が23.9%に達するのに必要な時間は16hであり、難消化性澱粉の含有量が24.8%に達するのに必要な時間は20hであり、難消化性澱粉の含有量が25.6%に達するのに必要な時間は24hである。図8D中の難消化性澱粉の含有量と時間長さの関係に応じて、表0.3中の糖制御レベルと時間長さの関係を取得することができる。
【0099】
【表0.3】
【0100】
図8Eはより低温(-18℃及び以下)処理の冷却処理温度で、難消化性澱粉の含有量と時間長さの関係である。図8Eに示すように、より低温条件下で、難消化性澱粉の含有量が11.3%に達するのに必要な時間は0.5hに近く、難消化性澱粉の含有量が13.9%に達するのに必要な時間は1hであり、難消化性澱粉の含有量が15.8%に達するのに必要な時間は2h未満であり、難消化性澱粉の含有量が17.5%に達するのに必要な時間は2hであり、難消化性澱粉の含有量が19.6%に達するのに必要な時間は4hであり、難消化性澱粉の含有量が21.7%に達するのに必要な時間は6hであり、難消化性澱粉の含有量が22.5%に達するのに必要な時間は8hであり、難消化性澱粉の含有量が23.5%に達するのに必要な時間は12hであり、難消化性澱粉の含有量が24.8%に達するのに必要な時間は16hであり、難消化性澱粉の含有量が25.6%に達するのに必要な時間は20hであり、難消化性澱粉の含有量が26.2%に達するのに必要な時間は24hである。図8E中の難消化性澱粉の含有量と時間長さの関係に応じて、表0.4中の糖制御レベルと時間長さの関係を取得することができる。
【0101】
【表0.4】
【0102】
ここで、糖制御レベルはN種のレベルを含むことができ、Nは1より大きい整数であり、N=3である場合を例として、糖制御レベルは深度糖制御、軽度糖制御及び糖制御なしを含み、または、糖制御レベルは第1~第3のレベルを含むことを示し、第1~第3のレベルはそれぞれ深度、軽度及び糖制御なしに対応することができる。表0.5は糖制御程度と難消化性澱粉の含有量及び使用者との間の対応関係表を示す。
【0103】
【表0.5】
【0104】
ステップ816では、冷却処理後に維持する食材の温度を決定する。
ステップ817では、前記目標含有量値と前記冷却処理後に維持する食材の温度に応じて、前記第4の段階の作動時間長さを決定する。
ここで、ステップ814~ステップ817と前述のステップ812及びステップ813が実行されるとき、厳密な順序がなく、例えば、ステップ814~ステップ817を実行してから、ステップ812及びステップ813を実行してもよいし、ステップ812及びステップ813を実行してから、ステップ814~ステップ817を実行してもよく、勿論、ステップ814~ステップ817及びステップ812を同時に実行することができ、ステップ812を実行した後、ステップ814~ステップ817及びステップ813を同時に実行することもできる。
【0105】
ステップ818では、前記第4の段階で、前記第4の段階の作動時間長さで、前記冷却処理を維持し、前記食材中の澱粉を老化再生させる。
ここで、ステップ815~ステップ817は「第4の段階の作動時間長さを決定する」方式を提供し、該方式では、難消化性澱粉の目標含有量値と前記冷却処理後に維持する食材の温度に応じて第4の段階の作動時間長さを決定する。
【0106】
ステップ819では、前記冷却処理後の食材を再加熱処理し、前記食材の温度を食用に適するものにする。
【0107】
実施の過程では、第4の段階の老化再生を通して、前記食材の温度が食用の味の温度に達しないため、食材を食べられる味及び温度に達させるために再加熱処理する必要がある。
【0108】
ここで、前記冷却処理後の食材の温度は第1の温度値より低く、前記第1の温度値は前記食材の糊化の温度範囲の下限であり、前記再加熱処理後の食材の温度は第2の温度値より高く且つ前記第1の温度値より低く、前記第2の温度値はデフォルトの加熱温度値または設定された温度値である。
【0109】
ここで、なお、第1の温度値と第2の温度値には、特定の関係がある場合とない場合がある。
【0110】
例えば、難消化性澱粉の目標含有量値を10.8とする必要がある場合、第4の段階の作動時間長さは30minであり、難消化性澱粉の目標含有量値を12.2とする必要がある場合、第4の段階の作動時間長さは60minであり、難消化性澱粉の目標含有量値を16.8とする必要がある場合、第4の段階の作動時間長さは120minである。
【0111】
本願の実施例では、ファンアセンブリを使用して糊化後の前記食材に冷気を吹き付け、排気口を使用して前記調理鍋内に冷気を送り、熱気を排出し、糊化後の前記食材を冷却処理し、このように、冷却過程を加速し、調理時間長さを節約することができる。目標含有量値と前記冷却処理後に維持する食材の温度を使用して、前記第4の段階の作動時間長さを決定することによって、老化再生の時間長さをより良く制御し、ご飯の難消化性澱粉の含有量を増加することができる。
【0112】
本願の実施例は調理方法を提供し、前記方法は、以下のステップを含む。
【0113】
ステップ901では、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用され、前記食材と前記調理鍋内の水とを互いに分離させる。
ステップ902では、第1の段階では、加熱によって前記調理鍋内の水を沸騰するまで昇温させる。
ステップ903では、前記食材の吸水速度、前記食材の食材量及び前記調理鍋内の水量を決定する。
ここで、前記食材の吸水速度は食材の特性に関係があり、例えば、北東米などのジャポニカ米は吸水しにくく、吸水速度が低く、また例えば、絹苗米の場合、吸水速度が大きい。
【0114】
ステップ904では、前記食材量が食材量の閾値より大きい場合、前記吸水速度、前記食材量及び前記水量に応じて、前記第2の段階の作動時間長さを決定する。
ステップ905では、前記食材量が食材量の閾値以下である場合、第1の作動時間長さを前記第2の段階の作動時間長さとして決定する。
第1の作動時間長さはデフォルトの作動時間長さ、例えば数分間であってもよく、例えば、食材量の値の100gは食材量の閾値の150gより小さい場合、8minを第2の段階の作動時間長さとする。
【0115】
ここで、ステップ903~ステップ905と前述のステップ902が実行されるとき、厳密な順序がなく、例えば、ステップ903~ステップ905を実行してから、ステップ902を実行してもよいし、ステップ902を実行してから、ステップ903~ステップ905を実行してもよく、勿論、他の実行順序もある。
【0116】
ステップ906では、前記第2の段階で、前記第2の段階の作動時間長さで、断続的に加熱することにより、前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現する。
ここで、ステップ903~ステップ906は「第2の段階の作動時間長さを決定する」方式を提供し、該方式では、食材量に応じて第2の段階の作動時間長さを決定し、食材量が一定の閾値以下である場合、デフォルトの作動時間長さを第2の段階の作動時間長さとして、食材量が一定の閾値より大きい場合、前記吸水速度、前記食材量及び前記水量に応じて第2の段階の作動時間長さを計算する。
【0117】
ステップ907では、第3の段階でファンアセンブリを使用して糊化後の前記食材に冷気を吹き付け、排気口を使用して前記調理鍋内に冷気を送り、熱気を排出し、糊化後の前記食材を冷却処理する。
ステップ908では、前記食材の食材量と前記調理鍋内の水量を決定する。
ステップ909では、前記食材量が食材量の閾値より大きい場合、前記食材量と前記水量に応じて、前記第4の段階の作動時間長さを決定する。
【0118】
いくつかの実施例において、前記食材の吸水速度に応じて、前記食材冷却段階の吸水係数を定量化し、前記第1の食材量と冷却段階の吸水係数を掛け、第5の特定の値を取得し、前記第5の特定の値と第6の特定の値を加算し、第2の時間長さを取得し、ここで、前記第6の特定の値は食材量によって決められる。
【0119】
ステップ910では、前記食材量は食材量の閾値以下である場合、第2の作動時間長さを前記第4の段階の作動時間長さとして決定する。
例えば、食材量の値の100gは食材量の閾値の150gより小さい場合、20minを第4の段階の作動時間長さとする。
【0120】
ここで、ステップ908~ステップ910と前述のステップ902~ステップ906が実行されるとき、厳密な順序がなく、例えば、ステップ902~ステップ906を実行してから、ステップ908~ステップ910を実行してもよいし、ステップ902~ステップ906を実行してから、ステップ908~ステップ910を実行してもよく、勿論、他の実行順序もある。
【0121】
ステップ911では、前記第4の段階で、前記第4の段階の作動時間長さで、前記冷却処理を維持し、前記食材中の澱粉を老化再生させる。
【0122】
例えば、いくつかの実施例において、北東米のように吸水速度が低く、完全糊化に達する食材に対して、食材自体の食材量の異なりと組み合わせて、完全な糊化時間長さは異なる特性に対応し、表1.1中の計算関係があり、本願の各実施例の各表(例えば表1.1、1.2、2.3及び2.5)の中の食材量をXで示し、単位はグラム(g)であり、段階2の時間長さをYで示し、単位は分間(min)であり、段階4の時間長さをYで示し、単位は分間(min)である。
【0123】
【表1.1】
【0124】
いくつかの実施例において、絹苗米のように吸水速度が大きく、完全な糊化に達する時間長さが短い食材に対して、食材自体の食材量の異なりと組み合わせて、完全な糊化時間長さは異なる特性に対応し、表1.2の計算関係がある。
【0125】
【表1.2】
【0126】
本願の実施例では、前記食材の吸水速度、前記食材の食材量及び前記調理鍋内の水量によって第2の段階の作動時間長さを決定し、前記食材の食材量と前記調理鍋内の水量を決定することによって、第4の段階の作動時間長さを決定し、このように、第2の段階の作動時間長さを制御することによって糊化度を制御することができ、第4の段階の作動時間長さを制御することによって老化再生の時間長さを制御し、より多くの難消化性澱粉を生成する。
【0127】
本実施例は調理方法を提供し、まず、澱粉が豊富な食材を水から分離する調理方法を採用し、洗い流しにより澱粉が豊富な食材中の一部の澱粉を除去し、澱粉の摂取を減少し、次に、空冷により、食材中の糊化された澱粉を処理し、それを老化再生させ、これにより、食材の難消化性澱粉の含有量を増加し、最終的に、再加熱により、食材を食べられる味及び温度に達させる。実施の過程では、食材と水の接触時間長さを制御することにより糊化度を制御し、老化再生の時間長さを対応的に制御し、より多くの難消化性澱粉を生成する。本願の実施例による調理方法は、食材中の難消化性澱粉の含有量をより多く保ち、高血糖、減量等の健康を追求する対象に適する。
【0128】
図9Aは本願の実施例による調理装置の組成構造模式図であり、図9Aに示すように、前記装置は、内蔵隔離装置91、内蔵ファン装置92及び排風口(排気口)93を備え、
内蔵隔離装置91は、食材と水の分離を実現でき、底部の水を加熱した後、食材と水が接触するまで上向き沸騰し、水がまた底部に落下し、往復循環し、食材中の澱粉を洗い流す機能を実現する。
【0129】
実現の過程では、内蔵隔離装置91は糖浸出ケトルであってもよい。
【0130】
内蔵ファン装置92は、ファン装置は空気を吹き付けて調理鍋の食材を冷却して放熱することができる。
【0131】
ファン装置は各段階での制御を表2.1に示す。
【0132】
【表2.1】
【0133】
排風口(排気口)93は、食材の放熱を補助することができ、食材の熱蒸気の発散に役に立ち、冷気の入りにも役に立つ。
【0134】
図9Bは本願の実施例による調理方法の実現段階模式図であり、図9Bに示すように、前記調理方法は4つの実現段階を含み、
段階1は急速昇温段階であり、この段階では、底部の水が急速に沸騰するまで昇温し、この段階が温度から次の段階に移行し、
段階2は沸騰糊化段階であり、この段階は糊化度を制御する肝心な段階であり、食材と水量に応じて沸騰を維持する時間長さを計算し、底部の水を継続的に沸騰して落下させ、洗い流し効果を実現し、食材の表面の一部の澱粉を除去することができ、
段階3は空冷降温段階であり、この段階の前の食材が糊化されており、空冷により、食材の温度を約25℃(常温)に低下させ、老化再生の温度条件に達させ、この段階が温度から次の段階に移行し、
段階4は澱粉再生段階(難消化性澱粉再生段階)であり、この段階では、維持時間長さは食材の吸水速度、食材量レベル及び食材量の3つのパラメータによって決められ、この段階は澱粉を継続的に再生させ、糊化された澱粉が徐々に難消化性澱粉に変わり、時間長さは低糖効果に応じて選択することができ、
いくつかの実施例において、異なる制御時間長さと難消化性澱粉の含有量の対応関係を表2.2に示す。
【0135】
【表2.2】
【0136】
いくつかの実施例において、吸水速度が低く、完全な糊化に達する時間長さが長い食材に対して、食材自体の食材量の異なりと組み合わせて、完全な糊化時間長さは異なる特性に対応し、表2.3の計算関係がある。
【0137】
【表2.3】
【0138】
表2.3の実行時間長さを満たす場合、食材量レベルと難消化性澱粉の含有量の対応関係を表2.4に示す。
【0139】
【表2.4】
【0140】
いくつかの実施例において、吸水速度が大きく、完全な糊化に達する時間長さが短い食材に対して、食材自体の食材量の異なりと組み合わせて、完全な糊化時間長さは異なる特性に対応し、表2.5の計算関係がある。
【0141】
【表2.5】
【0142】
表2.5の実行時間長さを満たす場合、食材量レベルと難消化性澱粉の含有量の対応関係を表2.6に示す。
【0143】
【表2.6】
【0144】
段階5は蒸気再加熱段階であり、この段階では、底部の食材の洗い流し後に残された水を加熱することで蒸気を生成し、これにより、冷却による新しい難消化性澱粉の食材を再加熱し、食材の元の味と温度を回復し、この段階は温度から終了に移行する。
【0145】
前述の実施例に基づいて、本願の実施例は調理装置を提供し、該装置は備えられる各ユニット、及び各ユニットに備えられる各モジュールを備え、調理鍋における制御アセンブリによって実現されることができ、無論、具体的な論理回路によって実現されてもよく、実施の過程では、制御アセンブリは中央プロセッサ(CPU)、マイクロプロセッサ(MPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等であってもよい。
【0146】
図10は本願の実施例による調理装置の組成構造模式図であり、図10に示すように、前記装置1000は第1の決定モジュール1001、加熱モジュール1002及び冷却モジュール1003を備え、
第1の決定モジュール1001は、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用され、前記食材と前記調理鍋における水とを互いに分離するように配置され、
加熱モジュール1002は、前記第1のモードで、加熱によって前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現するように配置され、
冷却モジュール1003は、糊化後の前記食材を冷却処理して、前記食材中の澱粉を老化再生させるように配置される。
【0147】
いくつかの実施例において、前記加熱モジュール1002は第1の加熱ユニットと第2の加熱ユニットを備え、第1の加熱ユニットは、第1の段階では、加熱によって前記調理鍋内の水を沸騰するまで昇温させるように配置され、第2の加熱ユニットは、前記第1の段階の後の第2の段階では、断続的に加熱することにより、前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現するように配置される。
【0148】
いくつかの実施例において、前記装置1000は第2の決定モジュール、第3の決定モジュール及び第4の決定モジュールを更に備え、第2の決定モジュールは、前記食材の吸水速度、前記食材の食材量及び前記調理鍋内の水量を決定するように配置され、第3の決定モジュールは、前記食材量が食材量の閾値より大きい場合、前記吸水速度、前記食材量及び前記水量に応じて、前記第2の段階の作動時間長さを決定するように配置され、第4の決定モジュールは、前記食材量は食材量の閾値以下である場合、第1の作動時間長さを前記第2の段階の作動時間長さとして決定するように配置され、前記加熱モジュール1002はさらに、前記第2の段階で、前記第2の段階の作動時間長さで、断続的に加熱することにより、前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現するように配置される。
【0149】
いくつかの実施例において、前記冷却モジュール1003は、第3の段階でファンアセンブリを使用して糊化後の前記食材に冷気を吹き付け、排気口を使用して前記調理鍋内に冷気を送り、熱気を排出し、糊化後の前記食材を冷却処理するように配置される冷却ユニットと前記第3の段階の後の第4の段階で、前記冷却処理を維持し、前記食材中の澱粉を老化再生させるように配置される維持ユニットと、を備える。
【0150】
いくつかの実施例において、前記装置1000は第5の決定モジュール、第6の決定モジュール及び第7の決定モジュールを更に備え、第5の決定モジュールは、前記食材の食材量と前記調理鍋内の水量を決定するように配置され、第6の決定モジュールは、前記食材量が食材量の閾値より大きい場合、前記食材量と前記水量に応じて、前記第4の段階の作動時間長さを決定するように配置され、第7の決定モジュールは、前記食材量は食材量の閾値以下である場合、第2の作動時間長さを前記第4の段階の作動時間長さとして決定するように配置され、前記冷却モジュール1003はさらに、前記第4の段階で、前記第4の段階の作動時間長さで、前記冷却処理を維持し、前記食材中の澱粉を老化再生させるように配置される。
【0151】
いくつかの実施例において、前記装置1000は第8の決定モジュール、第9の決定モジュール及び第10の決定モジュールを更に備え、第8の決定モジュールは、調理後の食材中の難消化性澱粉の目標含有量値を決定するように配置され、第9の決定モジュールは、冷却処理後に維持する食材の温度を決定するように配置され、第10の決定モジュールは、前記目標含有量値と前記冷却処理後に維持する食材の温度に応じて、前記第4の段階の作動時間長さを決定するように配置される。
【0152】
いくつかの実施例において、前記冷却処理後の食材の温度は第1の温度値より低く、前記第1の温度値は前記食材の糊化の温度範囲の下限であり、前記再加熱処理後の食材の温度は第2の温度値より高く且つ前記第1の温度値より低く、前記第2の温度値はデフォルトの加熱温度値または設定された温度値であり、前記装置1000は再加熱モジュールを更に備え、再加熱モジュールは、前記冷却処理後の食材を再加熱処理し、前記食材の温度を食用に適するものにするように配置される。
【0153】
本願の実施例は調理鍋1100を提供し、図11Aは本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図であり、図11Aに示すように、前記調理鍋1100はコントロールパネル1101、隔離アセンブリ1102、加熱アセンブリ1103、冷凍アセンブリ1104及び制御アセンブリ1105を備え、
コントロールパネル1101は、調理操作を検出するように配置され、
隔離アセンブリ1102は、前記食材と前記調理鍋における水を互いに分離するように配置され、
加熱アセンブリ1103は、前記食材を加熱することで前記食材の加熱処理を実現するように配置され、
冷凍アセンブリ1104は、前記加熱処理後の食材を冷却処理するように配置され、
制御アセンブリ1105は、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、前記調理操作に応答して、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用され、前記食材と前記調理鍋内の水とを互いに分離させ、前記第1のモードで、加熱によって前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現し、前記冷凍アセンブリが糊化後の前記食材を冷却処理して、前記食材中の澱粉を老化再生させるように制御するように配置される。
【0154】
本願の実施例は調理鍋を提供し、図11Bに示すように、前記調理鍋1100は温度検出アセンブリ1106を更に備え、
前記温度検出アセンブリ1106は、前記水の温度を検出して、水温値を取得するように配置され、
前記温度検出アセンブリ1106はさらに、前記食材の温度を検出するように配置され、
前記制御アセンブリ1105はさらに、前記水温値に応じて、前記加熱アセンブリが加熱して前記調理鍋内の水を沸騰するまで昇温するように制御し、前記第1の段階の後の第2の段階では、前記水温値に応じて、前記加熱アセンブリが断続的に加熱するように制御し、前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰して落下させ、前記食材中の澱粉糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現するように配置される。
【0155】
いくつかの実施例において、前記冷凍アセンブリはファンアセンブリを備え、前記制御アセンブリ1105はさらに、第3の段階で第3の段階でファンアセンブリを使用して糊化後の前記食材に冷気を吹き付け、排気口を使用して前記調理鍋内に冷気を送り、熱気を排出し、糊化後の前記食材を冷却処理し、前記第3の段階の後の第4の段階で、前記冷却処理を維持し、前記食材中の澱粉を老化再生させるように配置される。
【0156】
いくつかの実施例において、前記制御アセンブリ1105はさらに、前記加熱アセンブリが前記冷却処理後の食材を再加熱処理するように制御し、前記食材の温度を食用に適するものにするように配置される。
【0157】
いくつかの実施例において、前記制御アセンブリ1105はさらに、冷凍アセンブリが糊化後の前記食材を冷却処理するように制御し、前記温度検出アセンブリは前記食材の温度が第1の温度値より高い場合、前記食材の温度が前記第1の温度値より低いまで、冷凍アセンブリが糊化後の前記食材を冷却処理し続けるように制御し、前記食材中の澱粉を老化再生させるように配置され、前記第1の温度値は前記食材の糊化の温度範囲の下限である。
【0158】
いくつかの実施例において、前記制御アセンブリ1105はさらに、前記冷却処理後の食材を再加熱処理し、前記温度検出アセンブリが前記再加熱処理後の食材の温度を検出し、前記再加熱処理後の食材の温度が第2の温度値より低い場合、前記食材の温度が前記第2の温度値より高くなるまで、前記食材を加熱し続けるように配置され、前記第2の温度値はデフォルトの加熱温度値または設定された温度値である。
【0159】
本願の実施例による調理方法は、図12に示すように、以下のステップを含み、
ステップS1210では、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用され、
ここで、ステップS1210は調理鍋における制御アセンブリにより実現されることができる。
【0160】
ここで、第1のモードは調理鍋の選択可能な機能モードの一つである場合もあれば、調理鍋のデフォルトの作動モードである場合もある。
【0161】
いくつかの実施例において、ユーザは調理鍋のコントロールパネルまたはリモートコントロール端末(例えば携帯電話)を介して、機能モード選択の方式によって該第1のモードを選定し、次に、調理鍋はユーザの選択に応じて該第1のモードに入る。いくつかの実施例において、調理鍋は、予約プロセスと組み合わせて、前記第1のモードに入るかどうかを自動的に判断することもできる。調理鍋は識別部材例えばカメラを更に備え、調理鍋がカメラを介して鍋内に盛られる食材を識別し、該食材が条件(例えば澱粉を含むかどうかを判断する)満たすかどうかを決定し、食材が条件を満たす場合、調理鍋が該第1のモードに入るのを決定する。実施時、当業者は実際の状況に応じて第1のモードに入る適切な決定方式を選択することができるが、本願の実施例はこれを限定しない。
【0162】
ステップS1220では、前記食材を調理する目標パラメータを決定する。
ここで、前記食材の目標パラメータは調理後の食材が到達する必要のある難消化性澱粉の目標含有量値、または糖制御レベルであってもよい。
【0163】
ここで、前記糖制御レベルは第1の糖制御レベル(例えば糖制御なし)、第2の糖制御レベル(例えば軽度糖制御)及び第3の糖制御レベル(深度糖制御)の3種であってもよい。糖制御なしレベルは糖制御ニーズがない対象に適用し、軽度糖制御レベルは減量と健康維持ニーズが低い対象に適用し、深度糖制御レベルは高血糖または減量と健康維持ニーズが高いような糖制御ニーズが大きい対象に適用する。
【0164】
ここで、上記表0.5を参照し、前記糖制御レベルは難消化性澱粉の含有量値に対応することもでき、糖制御レベルが高いほど、対応する難消化性澱粉の目標含有量値も高くなる。実施の過程では、ユーザが選択する糖制御レベルに応じて対応的な難消化性澱粉の含有量値を見つけることができる。
【0165】
ステップS1230では、前記目標パラメータに基づき、冷却処理の処理パラメータを決定する。
ここで、前記冷却処理の処理パラメータは冷却処理の温度および/または作動時間長さであってもよい。実施時、調理後の食材が到達する必要のある難消化性澱粉の目標含有量値に応じて、冷却処理の温度および/または作動時間長さを決定してもよいし、調理後の食材が到達する必要のある糖制御レベルに応じて、冷却処理の温度および/または作動時間長さを決定してもよい。
【0166】
ステップS1240では、前記食材を調理処理し、前記食材中の澱粉を糊化させる。
澱粉粒が水中で加熱(通常は摂氏60~80度(℃))すると、徐々に膨潤して割れ、最終的に均一なペーストを形成し、糊化と呼ばれる。糊化過程中に澱粉粒が吸水によって膨潤し、元の体積の50~100倍に達する可能性がある。
【0167】
食材を調理処理する場合、食材を水中に置いてもよいし、食材を水から分離してもよい。調理処理は少なくとも食材中の澱粉を糊化する効果を果たす必要があり、食材の糊化効果を実現し、即ち食材が食べられるまで調理される。
【0168】
実施の過程では、ステップS1220、ステップS1230及びステップS1240は決められた実行順序がなく、ステップS1220、S1230及びS1240の順序で実行してもよいし、ステップS1240、S1220、S1230の順序で実行してもよく、ステップS1220、S1230を実行すると同時にステップS1240を実行することもできる。勿論、ステップS1220とステップS1230との間に決められた順序があり、ステップS1220を実行してから、ステップS1230を実行する必要がある。
【0169】
ステップS1250では、前記冷却処理の処理パラメータに従って、糊化後の前記食材を冷却処理して、前記食材中の澱粉を老化再生させる。
【0170】
いくつかの実施例において、前記冷却処理の温度は室温であり、ステップS1250は、前記食材の加熱を停止し、前記食材の自然冷却を前記冷却処理の作動時間長さ継続するようにするステップを含む。
【0171】
いくつかの実施例において、前記冷却処理の処理パラメータは冷却処理の温度であってもよい。冷却処理の温度に従って、糊化後の前記食材を冷却処理して、前記食材中の澱粉を老化再生させる。
【0172】
いくつかの実施例において、前記冷却処理の処理パラメータは冷却処理の作動時間長さであってもよい。冷却処理の作動時間長さに従って、糊化後の前記食材を冷却処理して、前記食材中の澱粉を老化再生させる。
【0173】
本願の実施例では、まず、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、調理鍋が調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量増加モードに入るのを決定し、次に、前記食材を調理する目標パラメータを決定し、且つ前記目標パラメータに基づき、冷却処理の処理パラメータを決定し、最終的に、前記食材を調理処理し、前記食材中の澱粉を糊化させ、前記冷却処理の処理パラメータに従って、糊化後の前記食材を冷却処理して、前記食材中の澱粉を老化再生させる。このように、決定された目標パラメータに従って、冷却処理の時間長さを制御し、糊化された食材を冷却処理し、食材を冷却処理の時間長さ内で老化再生させ、難消化性澱粉の含有量の制御と糖制御の効果を達成し、異なる糖制御ニーズのある対象を満たす。
【0174】
本願の実施例による調理方法は、前記冷却処理の処理パラメータが冷却処理の温度、作動時間長さの少なくとも1つを含み、
前記目標パラメータは難消化性澱粉の目標含有量値、糖制御レベルのうちの1つを含む。
【0175】
いくつかの実施例において、ステップS1230における「前記目標パラメータに基づき、冷却処理の処理パラメータを決定する」はステップA~ステップFの少なくとも1つを含むことができる。
【0176】
ステップAでは、前記目標含有量値と決定された前記冷却処理の作動時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定する。
ここで、目標含有量値は数値または数値範囲であってもよい。実施の過程では、目標含有量値は、ユーザにより設定することも、調理鍋がユーザの機能選択に応じて決定することも、調理鍋が自動的に決定することもできる。例えば、ユーザはコントロールパネルまたは携帯電話などの端末を介してユーザの所望の難消化性澱粉の含有量値を設定することができ、例えばユーザは8%または12%等を目標含有量値として設定する。また例えば、ユーザはコントロールパネルまたは携帯電話に糖制御程度またはレベルを選択し、調理鍋は糖制御レベルに応じて特定のマッピング関係テーブルを検索して目標含有量値を決定する。また例えば、ユーザは自分の健康ニーズ(例えば減量ニーズまたは血糖制御ニーズ)に応じて目標含有量値を設定でき、調理する度に、ユーザは特別な命令がない場合、調理鍋はデフォルトの目標含有量値としてこの設定に従う。
【0177】
実施の過程では、異なる冷却温度で、難消化性澱粉の含有量値が特定の値に達する場合、必要な冷却時間長さが異なる。従って、難消化性澱粉の目標含有量値と決定された冷却処理の作動時間長さに応じて、現在に冷却処理を実行するのに必要な温度を決定することができる。
【0178】
例示的に、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量値を10%に設定し、決定された前記冷却処理の作動時間長さは1時間であり、10℃(摂氏度)以下の温度で、難消化性澱粉の含有量値が10%に達するのに必要な時間は1時間を超えなく、現在に冷却処理を実行するのに必要な温度は10℃以下であるのを決定できる。
【0179】
実施の過程では、冷却処理の作動時間長さを決定する方式は以下のいくつかの方式があり、
1)冷却処理の作動時間長さは予約時間長さに応じて計算できる。本実施例において、最初に調理処理の作動時間長さを決定することができ、一般的に、食材量が決定された場合、調理処理の作動時間長さが決定されており、予約時間長さと調理処理の作動時間長さの差を冷却処理の作動時間長さとして使用することができる。
【0180】
2)冷却処理の作動時間長さはさらに調理の開始時点によって決められてもよい。つまり、ユーザが調理し始める時点距離は通常の食事の時点に比較的近いと、一般的に比較的短い時間長さを冷却処理の作動時間長さとしてデフォルトすることができ、例えば、通常の昼食時間が12時30分で、ユーザが調理し始める時点が11時であると仮定すると、調理し始める時点が食事時間から2時間未満の場合、冷却処理の作動時間長さを1時間にデフォルトすることができる。調理し始める時点は食事時間から3時間以上である場合、冷却処理の作動時間長さを2時間にデフォルトすることができる。他の実施例において、総作動時間長さを計算し、次に総作動時間長さと調理処理の作動時間長さの差を冷却処理の作動時間長さとして、例えば通常の昼食の食事時間は12時30分であり、ユーザが調理し始める時点が11時であると、総作動時間長さは1時間半と見なすことができ、また、調理処理の作動時間長さは半時間であると仮定すると、冷却処理の作動時間長さは1時間である。
【0181】
3)冷却処理の作動時間長さはユーザにより設定される時間長さであってもよい。例えばユーザは端末、調理鍋におけるコントロールパネル等を介して冷却処理の作動時間長さを半時間、1時間、2時間等に設定することができる。
【0182】
いくつかの実施例において、上記ステップAは、前記目標含有量値は9%~12.5%であり、前記冷却処理の作動時間長さは0~4時間である場合、前記冷却処理の温度は10℃~30℃であると決定するステップ、或いは、
前記目標含有量値は12.5%~17%であり、前記冷却処理の作動時間長さは4~24時間である場合、前記冷却処理の温度は10℃~30℃であると決定するステップ、或いは、
前記目標含有量値は9%~15.5%であり、前記冷却処理の作動時間長さは0.5~2時間である場合、前記冷却処理の温度は0℃~10℃であると決定するステップ、或いは、
前記目標含有量値は15.5%~22%であり、前記冷却処理の作動時間長さは2~24時間である場合、前記冷却処理の温度は0℃~10℃であると決定するステップ、或いは、
前記目標含有量値は9%~12.5%であり、前記冷却処理の作動時間長さは0.1~1.5時間である場合、前記冷却処理の温度は-18℃~0℃であると決定するステップ、或いは、
前記目標含有量値は12.5%~26%であり、前記冷却処理の作動時間長さは1.5~24時間である場合、前記冷却処理の温度は-18℃~0℃であると決定するステップ、或いは、
前記目標含有量値は9%~15%であり、前記冷却処理の作動時間長さは0.1~1時間である場合、前記冷却処理の温度は-18℃より低いと決定するステップ、或いは、
前記目標含有量値は15%~27%であり、前記冷却処理の作動時間長さは1~24時間である場合、前記冷却処理の温度は-18℃より低いと決定するステップを含む。
【0183】
ステップBでは、前記目標含有量値と決定された前記冷却処理の温度に応じて、前記冷却処理の作動時間長さを決定する。
他のいくつかの実施例において、異なる冷却時間長さで、難消化性澱粉の含有量値が特定の値に達すると、必要な冷却温度が異なり、難消化性澱粉の目標含有量値と決定された冷却処理に必要な温度に応じて、現在に冷却処理を実行する作動時間長さを決定することができる。
【0184】
いくつかの実施例において、上記ステップBは、前記目標含有量値は9%~12.5%であり、前記冷却処理の温度は10℃~30℃である場合、前記冷却処理の作動時間長さは0~4時間であると決定するステップ、或いは、
前記目標含有量値は12.5%~17%であり、前記冷却処理の温度は10℃~30℃である場合、前記冷却処理の作動時間長さは4~24時間であると決定するステップ、或いは、
前記目標含有量値は9%~15.5%であり、前記冷却処理の温度は0℃~10℃である場合、前記冷却処理の作動時間長さは0.5~2時間であると決定するステップ、或いは、
前記目標含有量値は15.5%~22%であり、前記冷却処理の温度は0℃~10℃である場合、前記冷却処理の作動時間長さは2~24時間であると決定するステップ、或いは、
前記目標含有量値は9%~12.5%であり、前記冷却処理の温度は-18℃~0℃である場合、前記冷却処理の作動時間長さは0.1~1.5時間であると決定するステップ、或いは、
前記目標含有量値は12.5%~26%であり、前記冷却処理の温度は-18℃~0℃である場合、前記冷却処理の作動時間長さは1.5~24時間であると決定するステップ、或いは、
前記目標含有量値は9%~15%であり、前記冷却処理の温度は-18℃より低い場合、前記冷却処理の作動時間長さは0.1~1時間であると決定するステップ、或いは、
前記目標含有量値は15%~27%であり、前記冷却処理の温度は-18℃より低い場合、前記冷却処理の作動時間長さは1~24時間であると決定するステップを含む。
【0185】
ステップCでは、前記目標含有量値と決定された予約時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定する。
実施の過程では、ステップCは、前記調理処理に対応する設定された作動時間長さを取得するステップと、前記予約時間長さと前記調理処理に対応する作動時間長さの差を前記冷却処理の作動時間長さとして決定するステップと、前記冷却処理の作動時間長さと前記目標含有量値に応じて、前記冷却処理の温度を決定するステップと、を含む。
【0186】
ステップDでは、前記糖制御レベルと決定された冷却処理の作動時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定し、前記糖制御レベルは前記難消化性澱粉の目標含有量値が順次に逓増する第1、第2及び第3の糖制御レベルを含み、
ここで、上記表0.5を参照し、前記糖制御レベルは難消化性澱粉の含有量値に対応することもできる。実施の過程では、ユーザが選択する糖制御レベルに応じて対応的な難消化性澱粉の含有量値を見つけることができ、さらに、難消化性澱粉の含有量値とデフォルトの冷却処理の作動時間長さに応じて、現在に冷却処理を実行するのに必要な温度を決定する。
【0187】
いくつかの実施例において、上記ステップDは、前記糖制御レベルは第2の糖制御レベルであり、前記冷却処理の作動時間長さは1~4時間である場合、前記冷却処理の温度は10℃~30℃であると決定するステップ、或いは、
前記糖制御レベルは第2の糖制御レベルであり、前記冷却処理の作動時間長さは0.5~2時間である場合、前記冷却処理の温度は0℃~10℃であると決定するステップ、或いは、
前記糖制御レベルは第2の糖制御レベルであり、前記冷却処理の作動時間長さは0.1~1.5時間である場合、前記冷却処理の温度は-18℃~0℃であると決定するステップ、或いは、
前記糖制御レベルは第2の糖制御レベルであり、前記冷却処理の作動時間長さは0.1~1時間である場合、前記冷却処理の温度は-18℃より低いと決定するステップ、或いは、
前記糖制御レベルは第3の糖制御レベルであり、前記冷却処理の作動時間長さは4~24時間である場合、前記冷却処理の温度は10℃~30℃であると決定するステップ、或いは、
前記糖制御レベルは第3の糖制御レベルであり、前記冷却処理の作動時間長さは2~24時間である場合、前記冷却処理の温度は0℃~10℃であると決定するステップ、或いは、
前記糖制御レベルは第3の糖制御レベルであり、前記冷却処理の作動時間長さは1.5~24時間である場合、前記冷却処理の温度は-18℃~0℃であると決定するステップ、或いは、
前記糖制御レベルは第3の糖制御レベルであり、前記冷却処理の作動時間長さは1~24時間である場合、前記冷却処理の温度は-18℃より低いと決定するステップを含む。
【0188】
ステップEでは、前記糖制御レベルと決定された冷却処理の温度に応じて、前記冷却処理の作動時間長さを決定する。
ここで、決定された冷却処理の温度は調理装置の自体により決定してもよいし、ユーザが端末またはコントロールパネルを介して設定してもよい。例えば調理鍋は室温を冷却処理の温度とすることができ、また例えば入口に適した食材の温度を冷却処理の温度とすることができる。
【0189】
実施の過程では、ユーザが選択する糖制御レベルに応じて対応的な難消化性澱粉の含有量値を見つけることができ、さらに、難消化性澱粉の含有量値と決定された冷却処理の温度に応じて、現在に冷却処理を実行するのに必要な時間を決定する。
【0190】
いくつかの実施例において、上記ステップEは、前記糖制御レベルは第2の糖制御レベルであり、前記冷却処理の温度は10℃~30℃である場合、前記冷却処理の作動時間長さは1~4時間であると決定するステップ、或いは、
前記糖制御レベルは第2の糖制御レベルであり、前記冷却処理の温度は0℃~10℃である場合、前記冷却処理の作動時間長さは0.5~2時間であると決定するステップ、或いは、
前記糖制御レベルは第2の糖制御レベルであり、前記冷却処理の温度は-18℃~0℃である場合、前記冷却処理の作動時間長さは0.1~1.5時間であると決定するステップ、或いは、
前記糖制御レベルは第2の糖制御レベルであり、前記冷却処理の温度は-18℃より低い場合、前記冷却処理の作動時間長さは0.1~1時間であると決定するステップ、或いは、
前記糖制御レベルは第3の糖制御レベルであり、前記冷却処理の温度は10℃~30℃である場合、前記冷却処理の作動時間長さは4~24時間であると決定するステップ、或いは、
前記糖制御レベルは第3の糖制御レベルであり、前記冷却処理の温度は0℃~10℃である場合、前記冷却処理の作動時間長さは2~24時間であると決定するステップ、或いは、
前記糖制御レベルは第3の糖制御レベルであり、前記冷却処理の温度は-18℃~0℃である場合、前記冷却処理の作動時間長さは1.5~24時間であると決定するステップ、或いは、
前記糖制御レベルは第3の糖制御レベルであり、前記冷却処理の温度は-18℃より低い場合、前記冷却処理の作動時間長さは1~24時間であると決定するステップを含む。
【0191】
ステップFでは、前記糖制御レベルと決定された予約時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定する。
ここで、前記予約時間長さは予約プログラムの開始から食材の調理の終了までに必要な時間長さであり、ユーザによって予め設定されてもよい。実施時、予約時間長さはユーザにより調理鍋のコントロールパネルを介して、ユーザにより調理鍋のリモートコントロール端末を介して設定されてもよいが、本願の実施例はこれを限定しない。
【0192】
実施の過程では、予約時間長さは3hである場合、他の調理過程に必要な時間長さを除いて、冷却処理の作動時間長さを計算できるため、冷却処理の作動時間長さとデフォルトの糖制御レベルに応じて、冷却処理を実行する温度を決定することができ、これにより、作動時間長さがデフォルトの糖制御レベルに達する。
【0193】
本願の実施例では、前記目標パラメータに応じて、前記冷却処理の処理パラメータを決定することができる。このように、ユーザが設定する糖制御レベルまたは予約時間長さまたは目標含有量値に応じて、冷却を維持する時間長さと温度を制御することができ、ユーザが難消化性澱粉の含有量に対する異なるニーズを満たす。
【0194】
本願の実施例による調理方法は、図13に示すように、以下のステップを含み、
ステップS1301では、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用される。
ステップS1302では、前記食材を調理する目標パラメータを決定する。
ここで、前記目標パラメータは、難消化性澱粉の目標含有量値、糖制御レベルのうちの1つを含む。
【0195】
ステップS1303では、前記調理処理に対応する設定された作動時間長さを取得する。
ステップS1304では、前記予約時間長さと前記調理処理に対応する作動時間長さの差を前記冷却処理の作動時間長さとして決定する。
ここで、前記予約時間長さは調理処理、冷却処理の作動時間長さの和であってもよく、このように、調理処理に対応する設定された作動時間長さを取得した後、予約時間長さと調理処理に対応する作動時間長さとの差を計算して前記冷却処理に対応する作動時間長さを決定することができる。
【0196】
ステップS1305では、前記冷却処理の作動時間長さと前記糖制御レベルに応じて、前記冷却処理の温度を決定する。
前記冷却処理に対応する作動時間長さを決定した後、デフォルトの糖制御レベルに応じて、どの温度で冷却処理を実行するかを決定することができる。
【0197】
ステップS1306では、前記食材を調理処理し、前記食材中の澱粉を糊化させる。
ステップS1307では、前記冷却処理の温度と前記冷却処理の作動時間長さで、糊化後の前記食材を冷却処理して、前記食材中の澱粉を老化再生させる。
【0198】
ここで、前述のステップS1303~S1305と前述のステップS1306が実行されるとき、厳密な順序がなく、例えば、ステップS1303~S1305を実行してから、ステップS1306を実行してもよいし、ステップS1306を実行してから、ステップ~ステップS1303~S1305を実行してもよく、勿論、他の実行順序もある。
【0199】
本願の実施例では、まず、前記予約時間長さと前記調理処理に対応する作動時間長さの差を前記冷却処理の作動時間長さとして決定し、次に、前記冷却処理の作動時間長さとデフォルトの前記糖制御レベルに応じて、前記冷却処理の温度を決定する。このように、設定された予約時間長さに応じて冷却処理の持続時間長さを制御することができ、さらに、デフォルトの糖制御レベルに応じて冷却処理の温度を決定し、冷却処理の持続時間長さと温度を同時に制御することによって、食材が所定の時間内でデフォルトの糖制御レベルに達し、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加し、食材中の澱粉の消化特性を変更し、食材の消化速度を遅らせ、これにより食材の血糖の上昇レベルを改善し、高血糖対象の主食によって限られる難題を改善することができる。
【0200】
本願の実施例による調理方法は、以下のステップを含む。
【0201】
ステップS1310では、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用される。
【0202】
ステップS1311では、前記食材を調理する目標パラメータを決定する。
【0203】
ステップS1312では、前記目標パラメータに基づき、冷却処理の処理パラメータを決定する。
【0204】
前記冷却処理の処理パラメータは、冷却処理の温度、作動時間長さのうちの1つを含み、前記食材の目標パラメータは、難消化性澱粉の目標含有量値、糖制御レベルのうちの1つを含む。
【0205】
いくつかの実施例において、ステップS1312における「前記目標パラメータに基づき、冷却処理の処理パラメータを決定する」のは、ステップS13121とS13122の少なくとも1つを含み、ステップS13121では、前記目標含有量値と決定された前記冷却処理の温度に応じて、前記冷却処理の作動時間長さを決定し、ステップS13122では、前記糖制御レベルと決定された前記冷却処理の温度に応じて、前記冷却処理の作動時間長さを決定する。
【0206】
ステップS1313では、前記食材を調理処理し、前記食材中の澱粉を糊化させる。
【0207】
ステップS1314では、前記食材の加熱を停止し、前記食材の自然冷却を前記冷却処理の作動時間長さ継続するようにする。
【0208】
本願の実施例は、前記食材を調理する過程では、前記食材の加熱を停止することによって、前記食材の自然冷却が前記冷却処理の作動時間長さを継続するようにし、このように、食材を決定された冷却処理の作動時間長さで食材の冷却処理を完了させ、ユーザが設定する難消化性澱粉の目標含有量または糖制御レベルに達し、ユーザの使用体験を強化する。
【0209】
本願の実施例による調理方法は、図14Aに示すように、
ステップS1401では、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用される。
ステップS1402では、前記食材を調理する目標パラメータを決定する。
ステップS1403では、前記目標パラメータに基づき、冷却処理の処理パラメータを決定する。
ステップS1404では、前記食材を調理処理し、前記食材中の澱粉を糊化させる。
ステップS1405では、前記冷却処理の処理パラメータに従って、糊化後の前記食材を冷却処理して、前記食材中の澱粉を老化再生させる。
ステップS1406では、前記冷却処理後の食材を再加熱処理し、前記食材の温度を食用に適するものにする。
【0210】
ユーザは食用ニーズに応じて自分の食用に適した食材の温度を設定できる。調理鍋の底部の食材の洗い流し後に残された水を加熱することで蒸気を生成し、これにより、冷却による難消化性澱粉の食材を再加熱し、食材の元の味と温度を回復する。
【0211】
本願の実施例は主に如何に冷却処理後の食材を再加熱処理するかを説明する。ユーザは食材の温度の要件に応じて再加熱の温度値を設定し、冷却による難消化性澱粉の食材を再加熱し、食材の元の味と温度を回復することができる。
【0212】
本願の実施例による調理方法は、図14Bに示すように、
ステップS1410では、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用される。
ステップS1411では、前記食材を調理する目標パラメータを決定する。
ステップS1412では、前記目標パラメータに基づき、冷却処理の処理パラメータを決定する。
ステップS1413では、前記食材を調理処理し、前記食材中の澱粉を糊化させる。
【0213】
いくつかの実施例において、前記澱粉を含む食材は米であり、前記米の質量は150グラム~600グラムである。上記ステップS1413は、前記調理処理の時間長さ20分間~60分間で、調理鍋内に盛られる米を調理処理することによって、米を調理することで形成されたご飯温度が90℃以上に達し、ご飯の糊化度が80%以上に達するステップを含む。
【0214】
ステップS1414では、前記冷却処理の処理パラメータに従って、糊化後の前記食材を冷却処理して、前記食材中の澱粉を老化再生させる。
いくつかの実施例において、前記澱粉を含む食材は米であり、前記米の質量は150グラム~600グラムである。前記冷却処理の処理パラメータは冷却処理の作動時間長さである場合、上記ステップS314は、前記調理処理後に得られたご飯を60℃以下まで冷却し、前記冷却処理の作動時間長さまで維持するステップを含む。
【0215】
ステップS1415では、前記冷却処理後の食材を再加熱処理する。
冷却処理後の食材は直接食べられるが、異なるユーザのニーズに応じて冷却処理後の食材を再加熱処理する。
【0216】
いくつかの実施例において、前記澱粉を含む食材は米であり、前記米の質量は150グラム~600グラムである。上記ステップS1415は、前記再加熱処理の時間長さの3分間~40分間で、冷却処理後のご飯を再加熱処理することで、ご飯の温度が80℃以上に達するステップを含む。
【0217】
ステップS1416では、前記再加熱処理後の食材の温度を検出する。
実施の過程では、温度検出アセンブリを使用して再加熱処理後の食材の温度を検出することができる。
【0218】
ステップS1417では、前記再加熱処理後の食材の温度が第2の温度値より低い場合、前記食材の温度が前記第2の温度値より高くなるまで、前記食材を加熱し続け、前記第2の温度値はデフォルトの加熱温度値または設定された温度値である。
【0219】
第2の温度値はデフォルトの加熱温度値または設定された温度値であり、これは、再加熱の温度と時間長さが十分である場合、難消化性澱粉のほとんどは糊化澱粉に還元され、ごく一部しか還元されないため、再加熱のエネルギー(加熱温度と時間長さによって決められる)は最初の炊きのエネルギーより少ない必要があり、糖制御効果を達成するためである。デフォルトの加熱温度値は一般的に糊化の最低温度より小さい。異なる食材の糊化温度の要件に応じて、再加熱の温度値は糊化の最低温度より高くないほうが良い。ユーザは必要に応じて温度値を設定してもよく、再加熱後にニーズを満たす食材を取得する。
【0220】
本願の実施例では、再加熱段階では再加熱の温度を設定し、再加熱の過程では温度検出アセンブリを使用して食材温度が設定された温度の要件を満たすかどうかを検出する。このように、再加熱された食材難消化性澱粉が失われないことを確保すると同時に、再加熱された食材の温度に対するユーザのニーズを満たす効果を達成することができる。
【0221】
図15は本願の実施例による各段階の時間長さと加熱温度関係の模式図であり、図15に示すように、横座標軸は時間長さ軸であり、縦座標軸は温度軸であり、時間長さ軸は予め糊化段階1511、冷却処理老化再生段階1512、再加熱段階1513に分けられる。図15中の冷却処理老化再生段階1512は異なる糖制御効果を達成する肝心な段階である。
【0222】
本願の実施例では、異なる前記食材の目標パラメータを制御することによって食材の最終的な難消化性澱粉の含有量が異なり、これにより、異なる糖制御効果を達成し、異なる対象の糖制御効果を満たす。
【0223】
本願の実施例では、主に食材を冷処理することによって食材中の難消化性澱粉の含有量をさらに増加し、これにより、血糖の制御ニーズを満たす。異なる温度で異なる糖制御レベルの低温処理時間長さを設定することによって、難消化性澱粉の含有量を制御し、さらに糖制御の効果を制御し、異なる糖制御ニーズがある対象を満たす。例えば、高血糖患者の糖制御ニーズが最も高く、糖制御レベルが最も高いご飯を食べることができ、減量と健康維持対象の糖制御ニーズが二番目に高く、糖制御レベルが二番目に高いご飯を食べることができる。
【0224】
前述の実施例に基づいて、本願の実施例は調理装置を提供し、該装置は備えられる各ユニット、及び各ユニットに備えられる各モジュールを備え、調理鍋における制御アセンブリによって実現されることができ、無論、具体的な論理回路によって実現されてもよく、実施の過程では、制御アセンブリは中央プロセッサ(CPU)、マイクロプロセッサ(MPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等であってもよい。
【0225】
図16は本願の実施例による調理装置の組成構造模式図であり、図16に示すように、前記調理装置1600は第1の決定モジュール1610、第2の決定モジュール1620、第3の決定モジュール1630、炊きモジュール1640及び冷却モジュール1650を備え、
第1の決定モジュール1610は、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、調理鍋が第1のモードに入るのを決定するように配置され、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用され、
第2の決定モジュール1620は、前記食材を調理する目標パラメータを決定するように配置され、
第3の決定モジュール1630は、前記目標パラメータに基づき、冷却処理の処理パラメータを決定するように配置され、
炊きモジュール1640は、前記食材を調理処理し、前記食材中の澱粉を糊化させるように配置され、
冷却モジュール1650は、前記冷却処理の処理パラメータに従って、糊化後の前記食材を冷却処理して、前記食材中の澱粉を老化再生させるように配置される。
【0226】
いくつかの実施例において、前記冷却処理の処理パラメータは冷却処理の温度および/または作動時間長さを含み、前記目標パラメータは、難消化性澱粉の目標含有量値、糖制御レベル、予約時間長さ、目標含有量値及び予約時間長さ、糖制御レベル及び予約時間長さ、目標含有量値及び冷却処理の温度、目標含有量値及び冷却処理の作動時間長さ、糖制御レベル及び冷却処理の温度、糖制御レベル及び冷却処理の作動時間長さのうちの1種を含む。
【0227】
いくつかの実施例において、前記第3の決定モジュール1630はさらに、前記目標含有量値と決定された前記冷却処理の作動時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定し、或いは、前記目標含有量値と決定された前記冷却処理の温度に応じて、前記冷却処理の作動時間長さを決定し、或いは、前記目標含有量値と決定された予約時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定し、或いは、前記糖制御レベルと決定された冷却処理の作動時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定し、或いは、前記糖制御レベルと決定された冷却処理の温度に応じて、前記冷却処理の作動時間長さを決定し、或いは、前記糖制御レベルと決定された予約時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定するように配置される。
【0228】
いくつかの実施例において、前記第3の決定モジュール1630は取得ユニット、第1の決定ユニット及び第2の決定ユニットを備え、
取得ユニットは、前記調理処理に対応する設定された作動時間長さを取得するように配置され、
第1の決定ユニットは、前記予約時間長さと前記調理処理に対応する作動時間長さの差を前記冷却処理の作動時間長さとして決定するように配置され、
第2の決定ユニットは、前記冷却処理の作動時間長さと前記糖制御レベルに応じて、前記冷却処理の温度を決定するように配置される。
【0229】
いくつかの実施例において、前記冷却モジュール1650はさらに、前記食材の加熱を停止し、前記食材の自然冷却を前記冷却処理の作動時間長さ継続するようにするように配置される。
【0230】
いくつかの実施例において、前記装置1600は再加熱モジュールを更に備え、
再加熱モジュールは、前記冷却処理後の食材を再加熱処理し、前記食材の温度を食用に適するものにするように配置される。
【0231】
いくつかの実施例において、前記再加熱モジュールは第2の加熱モジュール、温度検出サブモジュール及び第3の加熱モジュールを更に備え、前記第1の加熱モジュールは前記冷却処理後の食材を再加熱処理するように配置され、温度検出サブモジュールは前記再加熱処理後の食材の温度を検出するように配置され、第3の加熱サブモジュールは前記再加熱処理後の食材の温度が第2の温度値より低い場合、前記食材の温度が前記第2の温度値より高くなるまで、前記食材を加熱し続けるように配置され、前記第2の温度値はデフォルトの加熱温度値または設定された温度値である。
【0232】
本願の実施例は調理鍋を提供し、図17Aは本願の実施例による調理鍋の組成構造模式図であり、図17Aに示すように、前記調理鍋1700はコントロールパネル1701、加熱アセンブリ1702及び制御アセンブリ1703を備え、
コントロールパネル1701は、調理操作を検出して、前記食材の目標パラメータを設定するように配置され、
加熱アセンブリ1702は、前記食材を加熱して前記食材の調理処理を実現するように配置され、
制御アセンブリ1703は、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理する場合、前記調理操作に応答して、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用され、前記食材を調理する目標パラメータを決定し、前記目標パラメータに基づき、冷却処理の処理パラメータを決定し、前記食材を調理処理し、前記食材中の澱粉を糊化させ、前記冷却処理の処理パラメータに従って、糊化後の前記食材を冷却処理して、前記食材中の澱粉を老化再生させるように配置される。
【0233】
本願の実施例は調理鍋を提供し、図17Bに示すように、前記調理鍋1700は計時アセンブリ1704と温度検出アセンブリ1705をさらに備え、
計時アセンブリ1704は、前記冷却処理の作動時間長さを検出するように配置され、
前記温度検出アセンブリ1705は、前記食材の温度を検出するように配置され、
前記制御アセンブリはさらに、前記食材の加熱を停止し、前記計時アセンブリが前記冷却処理の作動時間長さを検出し、前記食材の自然冷却は前記冷却処理の作動時間長さ継続し、前記冷却処理後の食材を再加熱処理し、前記温度検出アセンブリが前記再加熱処理後の食材の温度を検出し、前記再加熱処理後の食材の温度が第2の温度値より低い場合、前記食材の温度が前記第2の温度値より高くなるまで、前記食材を加熱し続け、前記第2の温度値はデフォルトの加熱温度値または設定された温度値であるように配置される。
【0234】
前記制御アセンブリはさらに、前記目標含有量値と決定された前記冷却処理の作動時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定し、或いは、前記目標含有量値と決定された前記冷却処理の温度に応じて、前記冷却処理の作動時間長さを決定し、或いは、前記目標含有量値と決定された予約時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定し、或いは、前記糖制御レベルと決定された冷却処理の作動時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定し、或いは、前記糖制御レベルと決定された冷却処理の温度に応じて、前記冷却処理の作動時間長さを決定し、或いは、前記糖制御レベルと決定された予約時間長さに応じて、前記冷却処理の温度を決定するように配置される。
【0235】
前記制御アセンブリはさらに、前記調理処理に対応する設定された作動時間長さを取得し、前記予約時間長さと前記調理処理に対応する作動時間長さの差を前記冷却処理の作動時間長さとして決定し、前記冷却処理の作動時間長さとデフォルトの前記糖制御レベルに応じて、前記冷却処理の温度を決定するように配置される。
【0236】
本願の実施例は調理方法を提供し、図18に示すように、前記方法は、以下のステップを含む。
【0237】
ステップS1801では、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して順次に調理処理と冷却処理を行い、前記食材中の澱粉を糊化してから老化再生させる。
ステップS1802では、冷却処理後の前記食材の状態パラメータを決定する。
ここで、前記状態パラメータは冷却処理後の前記食材の状態を特徴付けるためのパラメータである。実施時、前記状態パラメータは、冷却処理後の前記食材の温度、質量、比熱容量、含水量、糊化程度、柔軟性などのうちの1つまたは複数を含むが、これらに制限されない。
【0238】
冷却処理後の前記食材の状態パラメータは前記調理鍋内に対応するセンサーを設置することで検出及び決定されることができ、ユーザにより調理鍋のコントロールパネルまたはリモートコントロール端末を介して設定してもよく、当業者は実施時に実際の状況に応じて適切な方法を選択して冷却処理後の前記食材の状態パラメータを決定することができるが、本願の実施例はこれを限定しない。
【0239】
ステップS1803では、前記状態パラメータと再加熱処理の目標パラメータに応じて、エネルギー保存の法則に基づいて、前記再加熱処理の作動パラメータを決定する。
ここで、前記目標パラメータは再加熱処理後の前記食材が達する必要がある状態を特徴付けるパラメータであってもよい。実施時に、前記目標パラメータは再加熱処理後の前記食材が達する必要がある温度、含水量、糊化程度、柔軟性などの1つまたは複数を含むが、これらに制限されない。
【0240】
前記作動パラメータは再加熱処理時の前記調理鍋の作動パラメータであり、調理鍋の加熱電力、加熱時間長さなどを含むが、これらに制限されなく、当業者は、実施時に、実際の状況に応じて適切な作動パラメータを選択することができるが、本願の実施例はこれを限定しない。
【0241】
エネルギー保存の法則に基づいて、前記調理鍋は前記作動パラメータに従って食材を再加熱処理する場合、前記食材に提供されるエネルギーは、前記食材が前記状態パラメータに対応する状態から前記目標パラメータに対応する状態に変更するには必要なエネルギーより大きい。これに基づいて、前記状態パラメータと再加熱処理の目標パラメータに基づき、前記再加熱処理の作動パラメータを決定することができる。実施時、当業者は実際の状況に応じて適切な方式を選択して前記作動パラメータを決定することができ、再加熱処理の前後にエネルギー保存を満たされればよいが、本願の実施例はこれを限定しない。
【0242】
ステップS1804では、前記作動パラメータに従って、冷却処理後の前記食材を再加熱処理し、前記食材が前記目標パラメータの要件を満たすようにする。
【0243】
ここで、再加熱処理の主な作用は、冷却後の食材を再び加熱して目標パラメータの要件に達することである。いくつかの実施例において、再加熱処理によって冷却後の食材を食べられる温度の要件に温めることができる。
【0244】
本願の実施例による調理方法は、澱粉を含む食材を調理してから冷却処理を行うことによって、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加することができ、且つ冷却処理後に食材の状態パラメータと特定の目標パラメータに基づき、エネルギー保存の法則に基づいて、再加熱処理の作動パラメータを決定し、前記作動パラメータに従って前記食材を二次昇温し、このように、前記調理鍋は冷却後食材の異なる状態に応じて適切な作動パラメータを動的に決定することができ、前記食材が食べられる温度の要件に達することができ、同時に電力の無駄を減少し、且つ食材中の難消化性澱粉の含有量が変わらなく、或いは冷却処理された難消化性澱粉の含有量と比較してわずかに減少する。
【0245】
本願の実施例は調理方法を提供し、図19に示すように、前記方法は、以下のステップを含む。
【0246】
ステップS1901では、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して順次に調理処理と冷却処理を行い、前記食材中の澱粉を糊化してから老化再生させる。
ステップS1902では、冷却処理後の前記食材の状態パラメータを決定し、前記状態パラメータは第1の温度値T1、第1の比熱容量c1及び第1の質量m1を含み、前記T1は冷却処理後の前記食材の温度であり、前記c1は冷却処理後の前記食材の比熱容量であり、前記m1は冷却処理後の前記食材の質量である。
ここで、第1の温度値は、調理鍋内に温度検出装置(例えば温度センサー、赤外線温度検出器等)を設置して冷却後の食材を検出することによって取得されることができ、ユーザにより調理鍋のコントロールパネルまたはリモートコントロール端末を介して設定してもよい。
【0247】
異なる種類の食材或いは異なる水分含有量の食材の比熱容量は異なるので、第1の比熱容量は食材の種類或いは食材の水分含有量に応じて決定されることができる。実施時、第1の比熱容量はユーザにより調理鍋のコントロールパネルまたはリモートコントロール端末を介して直接設定してもよいし、ユーザにより食材の種類または食材水分含有量を設定した後、特定の食材の種類または食材の水分含有量と第1の比熱容量の直接対応関係に応じて決定されてもよい。当業者は実施時に実際の状況に応じて適切な方式を選択して前記第1の比熱容量を決定することができるが、本願の実施例はこれを限定しない。
【0248】
第1の質量は調理鍋内に質量検出装置を設置して冷却後の食材を検出することによって取得されることができ、ユーザにより調理鍋のコントロールパネルまたはリモートコントロール端末を介して設定してもよい。
【0249】
ステップS1903では、前記状態パラメータと再加熱処理の目標パラメータに応じて、エネルギー保存の法則に基づいて、前記再加熱処理の作動パラメータを決定し、前記目標パラメータは第2の温度値T2を含み、前記T2は再加熱処理後の前記食材の最低温度の要件値であり、且つT2>T1であり、前記作動パラメータは加熱電力pと第1の加熱時間長さtを含む。
ここで、第2の温度値はデフォルトの温度値またはユーザが設定する温度値であってもよく、加熱電力は再加熱処理時に調理鍋が前記調理鍋内の食材を加熱して昇温させる際に加熱システムの作動電力であり、第1の加熱時間長さは前記調理鍋内の食材を第1の温度値から第2の温度値に加熱して昇温させるのに必要な時間である。
【0250】
いくつかの実施例において、ステップS203は、前記調理鍋の加熱効率ηを決定するステップと、前記第1の温度値T1、前記第1の比熱容量c1、前記第1の質量m1及び第2の温度値T2に応じて、束縛条件ptη≧c1m1(T2-T1)に従って、前記加熱電力pと前記第1の加熱時間長さtを決定するステップと、を含むことができる。ここで、調理鍋は異なる作動モードで異なる加熱効率があり、且つ異なる調理鍋は異なる加熱効率がある。実施時、加熱効率は1つのデフォルトの値であってもよいし、ユーザにより調理鍋の作動モードを設定することで間接的に設定してもよい。
【0251】
ステップS1904では、前記作動パラメータに従って、冷却処理後の前記食材を再加熱処理し、前記食材が前記目標パラメータの要件を満たすようにする。
【0252】
なお、上記ステップS1901~S1904は前述のステップS1801~S1804に対応し、ステップS1901~S1904に開示されていない技術的細部に対して、前述のステップS1801~S1804の説明を参照して理解する。
【0253】
いくつかの実施例において、ステップS1904は、前記加熱電力pに従って、前記第1の加熱時間長さt内で冷却処理後の前記食材を連続的に加熱し、前記食材の温度が前記第2の温度値T2に達するようにするステップを含むことができる。
【0254】
いくつかの実施例において、ステップS1904は、前記食材の温度が前記第2の温度値T2に達した後に、前記食材を第2の加熱時間長さ分連続的に加熱し、前記食材を均一に温めるステップを更に含むことができ、前記第2の加熱時間長さはデフォルトの加熱時間長さ値または設定された時間長さ値である。ここで、第2の加熱時間長さはユーザにより予め設定されてもよく、ある適切なデフォルトの加熱時間長さであってもよい。
【0255】
本願の実施例は調理方法を提供し、図20に示すように、前記方法は、以下のステップを含む。
【0256】
ステップS2001では、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して順次に調理処理と冷却処理を行い、前記食材中の澱粉を糊化してから老化再生させ、前記食材と前記調理鍋内の水とを互いに分離させる。
ここで、調理処理の過程では、食材が水分を吸収及び蒸発し続けるのに伴って、調理鍋の水位が下がり、食材と水を互いに分離することを実現することができる。調理処理時に、加熱によって前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させることができ、前記食材中の澱粉糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現し、一部の可溶性糖を浸出する。実施時、特定の水切り容器(例えば蒸し器、ふるいなど)で調理鍋中の食材と水を分離することができ、間欠加熱によって食材と水を加熱する。調理鍋具の底部の水位は一定の目盛りに達する必要があり、加熱時に水位の上昇を実現し、加熱の停止時に水位の降下を実現し、継続的に交互に沸騰及び落下する場合、水位が食材の位置に達して食材を洗い流す効果を達成することができる。いくつかの実施例において、水切りご飯ケトルで前記食材を調理処理してもよい。
【0257】
ステップS2002では、冷却処理後の前記食材の状態パラメータを決定し、前記状態パラメータは第3の温度値T3、第2の比熱容量c2及び第2の質量m2を含み、前記T3は冷却処理後の前記調理鍋内の水温であり、前記c2は水の比熱容量であり、前記m2は冷却処理後の前記調理鍋内の水の質量である。
ここで、第3の温度値は調理鍋内に温度検出装置(例えば温度センサー、赤外線温度検出器等)を設置して冷却後の食材を検出することによって取得されることができ、ユーザにより調理鍋のコントロールパネルまたはリモートコントロール端末を介して設定してもよい。
【0258】
第2の質量は調理鍋内に質量検出装置を設置して冷却後の食材を検出することによって取得されることができ、ユーザにより調理鍋のコントロールパネルまたはリモートコントロール端末を介して設定してもよい。
【0259】
ステップS2003では、前記状態パラメータと再加熱処理の目標パラメータに応じて、エネルギー保存の法則に基づいて、前記再加熱処理の作動パラメータを決定し、前記目標パラメータは第2の温度値T2と第4の温度値T4を含み、前記T2は再加熱処理後の前記食材の最低温度の要件値であり、前記T4は再加熱処理時に前記調理鍋内の水を加熱して達する必要がある温度であり、且つT4≧T2>T1であり、前記作動パラメータは加熱電力pと第1の加熱時間長さtを含む。
ここで、第2の温度値はデフォルトの温度値またはユーザが設定する温度値であってもよい。第4の温度値はデフォルトの温度値またはユーザが設定する温度値であってもよいし、前記第2の温度値に基づいて、第2の温度値と第4の温度値との間の対応関係に応じて決定された値であってもよい。
【0260】
加熱電力は再加熱処理時に調理鍋が前記調理鍋内の水を加熱して昇温させる際に加熱システムの作動電力であり、第1の加熱時間長さは前記調理鍋内の水を第3の温度値から第4の温度値に加熱昇温するのに必要な時間である。
【0261】
いくつかの実施例において、ステップS2003は、前記調理鍋の加熱効率ηを決定するステップと、前記第3の温度値T3、前記第2の比熱容量c2、前記第2の質量m2及び第4の温度値T4に応じて、束縛条件ptη≧c2m2(T4-T3)に従って、前記加熱電力pと前記第1の加熱時間長さtを決定するステップを含むことができる。
【0262】
ステップS2004では、前記作動パラメータに従って、冷却処理後の前記食材を再加熱処理し、前記食材が前記目標パラメータの要件を満たすようにする。
【0263】
なお、上記ステップS2001~S2004は前述ステップS1901~S1904に対応し、ステップS2001~S2004に開示されていない技術的細部に対して、前述ステップS1901~S1904の説明を参照して理解する。
【0264】
いくつかの実施例において、ステップS2004は、前記加熱電力pに従って、前記第1の加熱時間長さt内で冷却処理後の前記調理鍋内の水を連続的に加熱して、蒸気を生成して前記食材を加熱し、前記調理鍋内の水温が前記第4の温度値T4に達し、前記食材の温度が前記第2の温度値T2に達するようにするステップを含むことができる。
【0265】
いくつかの実施例において、ステップS2004は、前記食材の温度が前記第2の温度値T2に達した後、前記調理鍋内の水を第2の加熱時間長さ分連続的に加熱して、前記食材を均一に温めるようにするステップを含むことができ、前記第2の加熱時間長さはデフォルトの加熱時間長さ値または設定された時間長さ値である。
【0266】
本願の実施例による調理方法は、調理鍋内の食材と水を分離することによって、調理処理では沸騰と洗い流しによって、一部の可溶性糖を浸出し、これに基づいて、澱粉糊化後の食材を冷却降温処理し、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加することができる。
【0267】
本願の実施例は調理鍋を提供し、図21Aに示すように、前記調理鍋2100は加熱アセンブリ2110、冷凍アセンブリ2120、及び制御アセンブリ2130を備え、
前記加熱アセンブリ2110は、調理鍋内に盛られる食材を加熱して、前記食材の調理処理と再加熱処理を実現するように配置され、
前記冷凍アセンブリ2120は、調理鍋内の食材を冷却処理するように配置され、
前記制御アセンブリ2130は、前記加熱アセンブリ2110と前記冷凍アセンブリ2120が調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して順次に調理処理と冷却処理を行い、前記食材中の澱粉を糊化してから老化再生させるように制御し、冷却処理後の前記食材の状態パラメータを決定し、前記状態パラメータと再加熱処理の目標パラメータに応じて、エネルギー保存の法則に基づいて、前記再加熱処理の作動パラメータを決定し、前記作動パラメータに従って、前記加熱アセンブリが冷却処理後の前記食材を再加熱処理し、前記食材が前記目標パラメータの要件を満たすように制御するように配置される。
【0268】
いくつかの実施例において、前記状態パラメータは第1の温度値T1、第1の比熱容量c1及び第1の質量m1を含み、前記T1は冷却処理後の前記食材の温度であり、前記c1は冷却処理後の前記食材の比熱容量であり、前記m1は冷却処理後の前記食材の質量であり、前記目標パラメータは第2の温度値T2を含み、前記T2は再加熱処理後の前記食材の最低温度の要件値であり、且つT2>T1であり、前記作動パラメータは加熱電力pと第1の加熱時間長さtを含む。
【0269】
いくつかの実施例において、前記制御アセンブリはさらに、前記調理鍋の加熱効率ηを決定し、前記第1の温度値T1、前記第1の比熱容量c1、前記第1の質量m1及び第2の温度値T2に応じて、束縛条件ptη≧c1m1(T2-T1)に従って、前記加熱電力pと前記第1の加熱時間長さtを決定するように配置される。
【0270】
いくつかの実施例において、前記制御アセンブリはさらに、前記加熱アセンブリが前記加熱電力pに従って、前記第1の加熱時間長さt内で冷却処理後の前記食材を連続的に加熱し、前記食材の温度が前記第2の温度値T2に達するように制御するように配置される。
【0271】
いくつかの実施例において、図21Bに示すように、前記調理鍋2100は水切りアセンブリ2140を更に備え、前記水切りアセンブリ2140は、前記食材と前記調理鍋内の水を互いに分離するように配置され、前記状態パラメータは第3の温度値T3、第2の比熱容量c2及び第2の質量m2を含み、前記T3は冷却処理後の前記調理鍋内の水温であり、前記c2は水の比熱容量であり、前記m2は冷却処理後の前記調理鍋内の水の質量であり、前記目標パラメータは第2の温度値T2と第4の温度値T4を含み、前記T2は再加熱処理後の前記食材の最低温度の要件値であり、前記T4は再加熱処理時に前記調理鍋内の水を加熱して達する必要がある温度であり、且つT4≧T2>T1であり、前記作動パラメータは加熱電力pと第1の加熱時間長さtを含む。
【0272】
いくつかの実施例において、前記制御アセンブリはさらに、前記調理鍋の加熱効率ηを決定し、前記第3の温度値T3、前記第2の比熱容量c2、前記第2の質量m2及び第4の温度値T4に応じて、束縛条件ptη≧c2m2(T4-T3)に従って、前記加熱電力pと前記第1の加熱時間長さtを決定するように配置される。
【0273】
いくつかの実施例において、前記制御アセンブリはさらに、前記加熱電力pに従って、前記第1の加熱時間長さt内で冷却処理後の前記調理鍋内の水を連続的に加熱して、蒸気を生成して前記食材を加熱し、前記調理鍋内の水温が前記第4の温度値T4に達し、前記食材の温度が前記第2の温度値T2に達するようにするように配置される。
【0274】
いくつかの実施例において、図21Cに示すように、前記調理鍋2100はコントロールパネル2150及び温度検出アセンブリ2160を更に備え、
前記コントロールパネル2150は、調理操作に応答して前記第2の温度値T2を設定するように配置され、
前記温度検出アセンブリ2160は、調理鍋内の食材の温度を検出するように配置され、
前記制御アセンブリはさらに、前記食材の温度が前記第2の温度値T2に達した後、前記食材または前記調理鍋内の水を第2の加熱時間長さ分連続的に加熱し、前記食材を均一に温めるようにするように配置され、前記第2の加熱時間長さはデフォルトの加熱時間長さ値または設定された時間長さ値である。
【0275】
本願の実施例は調理鍋を提供し、図22Aに示すように、前記鍋は、加熱システム2210、内鍋2220、冷凍システム2230、制御システム2240、及び鍋本体構造2250を備え、前記加熱システム2210は内鍋2220を加熱し、米に対して炊き処理と再加熱処理を行う要件を満たし、前記冷凍システム2230はご飯を降温処理することができ、前記内鍋2220は、調理対象である米またはご飯を盛るように配置され、前記制御システム2240は前記調理鍋が前記調理鍋内に盛られる食材を調理するように制御するように配置される。このように、前記調理鍋は、通常の炊飯器の上で、ご飯の降温機能を満たすことができる。
【0276】
なお、実施時、前記加熱システムは調理鍋における加熱アセンブリとして実現し、前記冷凍システムは調理鍋における冷凍アセンブリとして実現し、前記制御システムは調理鍋における制御アセンブリとして実現することができる。
【0277】
図22Bは本願の実施例による調理鍋を調理に使用するときに各段階での時間と加熱温度の対応関係模式図であり、図22Bに示すように、横座標軸は時間軸であり、縦座標軸はご飯の温度軸であり、時間軸には、昇温、炊き、降温、冷却、昇温、炊きの6つの段階を含み、実施時、具体的な作動過程は以下の通りである。
【0278】
第1の段階は昇温であり、制御システムが加熱システムの昇温を制御し、ご飯をご飯が沸騰するまで加熱する。
【0279】
第2の段階は炊きであり、前記制御システムは前記加熱システムが前記ご飯を連続的に加熱し、ご飯の炊き及び沸騰を維持し、ご飯を十分に糊化させるように制御し、炊き維持時間は20-60minであり、ご飯温度は90℃以上に達し、ご飯糊化度は80%以上に達する。
【0280】
第3の段階は降温であり、前記制御システムは前記冷凍システムが前記ご飯を降温処理し、炊き後のご飯を温度T1まで冷却降温するように制御し、T1≦60℃であり、温度が低いほど、難消化性澱粉の生成効果が良くなる。
【0281】
第4の段階は冷却であり、制御システムは前記冷凍システムがご飯を冷却温度T1に維持するように制御し、この段階では糊化後のご飯の澱粉が老化再生し、難消化性澱粉を生成する。維持時間が長いほど、難消化性澱粉の含有量が高くなる。
【0282】
第5の段階は昇温であり、制御システムは前記加熱システムの昇温を制御し、冷却後のご飯を温度T2に再加熱し、T2≧80℃である。
【0283】
第6の段階は炊きであり、制御システムは前記加熱システムがご飯を一定の時間加熱し続け、受熱と温かめを均一にさせるように制御し、炊き時間は2-40minである。
【0284】
ここで、ご飯が内鍋にあり、加熱システムはご飯を直接加熱する。調理の過程では、ご飯冷却後の二次昇温はご飯を食べられる温度の要件に温めることを確保でき、この過程は肝心なステップである。
【0285】
ここで、ご飯は温度T1から温度T2に達し、必要な熱Q=cm(T2-T1)であり、cはご飯の比熱容量であり、米の種類とご飯の水分含有量は異なるため、ご飯の比熱容量も異なり、mはご飯の質量である。実施時、c=1000-2000J/(kg・℃)、m=0.15-1.2kg、T2≧80℃、T1≦60℃を取ることができる。
【0286】
第5の段階の昇温過程では、加熱システム電力はpであり、ご飯がT1からT2に達するには必要な時間はtであり、調理鍋の加熱効率はηであり、消費する電力がW=ptである。エネルギー保存の法則に従って、加熱システムの作動パラメータはWη≧Q、即ちptη≧cm(T2-T1)という要件を満たす必要がある。
【0287】
本願の実施例による調理鍋は、通常の炊飯器の上で、炊き後のご飯を降温する方法により、糊化後のご飯澱粉を老化再生させ、より多くの難消化性澱粉を生成することができ、これにより、ご飯中の難消化性澱粉の含有量を増加し、より良い糖制御効果を満たす。なお、冷却処理後にご飯の状態と食用のために達する必要がある温度に応じて、エネルギー保存の法則に基づいて、再加熱処理の作動パラメータを決定し、前記作動パラメータに従って前記ご飯を二次昇温し、このように、前記調理鍋は冷却後食材の異なる状態に応じて適切な作動パラメータを動的に決定することができ、前記ご飯が食べられる温度の要件に達することができ、同時に電力の無駄を減少することができ、且つご飯中の難消化性澱粉の含有量が変わらなく、或いは冷却処理された難消化性澱粉の含有量と比較してわずかに減少する。
【0288】
本願の実施例は調理鍋を提供し、図23に示すように、前記調理鍋は、加熱システム2310、内鍋2320、冷凍システム2330、制御システム2340、鍋本体構造2350及び蒸し器2360を備え、前記加熱システム2310は内鍋2320を加熱し、米に対して炊き処理と再加熱処理を行う要件を満たすことができ、前記冷凍システム2330はご飯を降温処理することができ、前記内鍋2320は、調理対象である米またはご飯を盛るように配置され、前記制御システム2340は、前記調理鍋が前記調理鍋内に盛られる食材を調理するように制御するように配置され、前記蒸し器2360は、前記食材と前記調理鍋内の水を互いに分離するように配置される。このように、前記調理鍋は水切りご飯ケトルの上で、ご飯の降温機能を満たすことができる。
【0289】
なお、実施時、前記加熱システムは調理鍋における加熱アセンブリとして実現し、前記冷凍システムは調理鍋における冷凍アセンブリとして実現し、前記制御システムは調理鍋における制御アセンブリとして実現し、前記蒸し器は調理鍋の水切りアセンブリとして実現することができる。
【0290】
本願の実施例による調理鍋を調理に使用するときに各段階での時間と加熱温度の対応関係模式図であり、図22Bに示すように、横座標軸は時間軸であり、縦座標軸はご飯の温度軸であり、時間軸には、昇温、炊き、降温、冷却、昇温、炊きの6つの段階を含み、実施時、具体的な作動過程は以下の通りである。
【0291】
第1の段階は昇温であり、制御システムが加熱システムの昇温を制御し、ご飯をご飯が沸騰するまで加熱する。
【0292】
第2の段階は炊きであり、前記制御システムは前記加熱システムが前記ご飯を連続的に加熱し、ご飯の炊き及び沸騰を維持し、ご飯を十分に糊化させるように制御し、炊き維持時間は20-60minであり、ご飯温度は90℃以上に達し、ご飯糊化度は80%以上に達する。米が水分を吸収及び蒸発し続けるのに伴って、内鍋の水位が下がり、米と水の分離を実現することができる。
【0293】
第3の段階は降温であり、前記制御システムは前記冷凍システムが前記ご飯を降温処理し、炊き後のご飯を温度T1まで冷却降温するように制御し、T1≦60℃であり、温度が低いほど、難消化性澱粉の生成効果が良くなる。この時、内鍋内の水温も同期に温度T2まで下がり、T2≦60℃である。
【0294】
第4の段階は冷却であり、制御システムは前記冷凍システムがご飯を冷却温度T1に維持するように制御し、この段階では糊化後のご飯の澱粉が老化再生し、難消化性澱粉を生成する。維持時間が長いほど、難消化性澱粉の含有量が高くなる。
【0295】
第5の段階は昇温であり、制御システムは前記加熱システムの昇温を制御し、鍋内の水を加熱することで蒸気を生成してご飯を加熱し、水温をT3に達させ、冷却後のご飯を温度T4に再加熱し、T3≧T4≧80℃である。
【0296】
第6の段階は炊きであり、制御システムは前記加熱システムがご飯を一定の時間加熱し続け、受熱と温かめを均一にさせるように制御し、炊き時間は2-40minである。
【0297】
ここで、調理の後期でご飯が水から分離した後、加熱システムは水を加熱して蒸気を生成するようにご飯を加熱する。調理の過程では、冷却後にご飯を二次昇温することによってご飯を食べられる温度の要件に温めることができ、この過程は肝心なステップである。
【0298】
ここで、水温が温度T2から温度T3に達するには必要な熱Q=cm(T3-T2)であり、cは水の比熱容量であり、c=4200 J/(kg・℃)、mは水の質量である。実施時、m=0.05-2kg、T3≧T4≧80℃を取ることができる。
【0299】
第5の段階の昇温過程では、加熱システム電力はpであり、水温がT2からT3に達するには必要な時間はtであり、調理鍋の加熱効率はηであり、消費する電力W=ptである。エネルギー保存の法則に従って、加熱システムの作動パラメータはWη≧Q、即ちptη≧cm(T3-T2)という要件を満たす必要がある。
【0300】
本願の実施例による調理鍋は、水切りご飯ケトルの上で、糊化後のご飯を冷却降温処理し、低温で一定の時間維持することによって、澱粉の十分な老化再生を確保することができ、ご飯中の難消化性澱粉の含有量を増加し、ご飯中の澱粉の消化特性を変更し、ご飯の消化速度を遅らせ、これにより、ご飯の血糖の上昇レベルを低下させる。
【0301】
前述の実施例に基づいて、本願の実施例は調理装置を提供し、該装置は備えられる各ユニット、及び各ユニットに備えられる各モジュールを備え、調理鍋におけるプロセッサによって実現されることができ、無論、具体的な論理回路によって実現されてもよく、実施の過程では、プロセッサは中央プロセッサ(CPU)、マイクロプロセッサ(MPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等であってもよい。
【0302】
図24は本願の実施例による調理装置の組成構造模式図であり、図24に示すように、前記調理装置2400は、第1の処理モジュール2410、第1の決定モジュール2420、第2の決定モジュール2430及び第2の処理モジュール2440を備え、
前記第1の処理モジュール2410は、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して順次に調理処理と冷却処理を行い、前記食材中の澱粉を糊化してから老化再生させるように配置され、
前記第1の決定モジュール2420は、冷却処理後の前記食材の状態パラメータを決定するように配置され、
前記第2の決定モジュール2430は、前記状態パラメータと再加熱処理の目標パラメータに応じて、エネルギー保存の法則に基づいて、前記再加熱処理の作動パラメータを決定するように配置され、
前記第2の処理モジュール2440は、前記作動パラメータに従って、冷却処理後の前記食材を再加熱処理し、前記食材が前記目標パラメータの要件を満たすようにするように配置される。
【0303】
いくつかの実施例において、前記状態パラメータは第1の温度値T1、第1の比熱容量c1及び第1の質量m1を含み、前記T1は冷却処理後の前記食材の温度であり、前記c1は冷却処理後の前記食材の比熱容量であり、前記m1は冷却処理後の前記食材の質量であり、前記目標パラメータは第2の温度値T2を含み、前記T2は再加熱処理後の前記食材の最低温度の要件値であり、且つT2>T1であり、前記作動パラメータは加熱電力pと第1の加熱時間長さtを含む。
【0304】
いくつかの実施例において、前記第2の決定モジュールはさらに、前記調理鍋の加熱効率ηを決定し、前記第1の温度値T1、前記第1の比熱容量c1、前記第1の質量m1及び第2の温度値T2に応じて、束縛条件ptη≧c1m1(T2-T1)に従って、前記加熱電力pと前記第1の加熱時間長さtを決定するように配置される。
【0305】
いくつかの実施例において、前記第2の処理モジュールはさらに、前記加熱電力pに従って、前記第1の加熱時間長さt内で冷却処理後の前記食材を連続的に加熱し、前記食材の温度が前記第2の温度値T2に達するようにするように配置される。
【0306】
いくつかの実施例において、前記調理装置は前記食材と前記調理鍋内の水を互いに分離させるように配置される分離装置を更に備える。前記状態パラメータは第3の温度値T3、第2の比熱容量c2及び第2の質量m2を含み、前記T3は冷却処理後の前記調理鍋内の水温であり、前記c2は水の比熱容量であり、前記m2は冷却処理後の前記調理鍋内の水の質量であり、前記目標パラメータは第2の温度値T2と第4の温度値T4を含み、前記T2は再加熱処理後の前記食材の最低温度の要件値であり、前記T4は再加熱処理時に前記調理鍋内の水を加熱して達する必要がある温度であり、且T4≧T2>T1であり、前記作動パラメータは加熱電力pと第1の加熱時間長さtを含む。
【0307】
いくつかの実施例において、前記第2の決定モジュールはさらに、前記調理鍋の加熱効率ηを決定し、前記第3の温度値T3、前記第2の比熱容量c2、前記第2の質量m2及び第4の温度値T4に応じて、束縛条件ptη≧c2m2(T4-T3)に従って、前記加熱電力pと前記第1の加熱時間長さtを決定するように配置される。
【0308】
いくつかの実施例において、前記第2の処理モジュールはさらに、前記加熱電力pに従って、前記第1の加熱時間長さt内で冷却処理後の前記調理鍋内の水を連続的に加熱して、蒸気を生成して前記食材を加熱し、前記調理鍋内の水温が前記第4の温度値T4に達し、前記食材の温度が前記第2の温度値T2に達するようにするように配置される。
【0309】
いくつかの実施例において、前記第2の処理モジュールはさらに、前記食材の温度が前記第2の温度値T2に達した後、前記食材または前記調理鍋内の水を第2の加熱時間長さ分連続的に加熱し、前記食材を均一に温めるようにするように配置され、前記第2の加熱時間長さはデフォルトの加熱時間長さ値または設定された時間長さ値である。
【0310】
以上の装置実施例の説明は、上記の方法実施例の説明と類似し、方法実施例と類似する有益な効果を有する。本願の装置実施例に開示されていない技術的細部について、本願の方法実施例の説明を参照して理解する。
【0311】
本願の実施例は調理方法を提供し、図25に示すように、前記方法は以下のステップを含む。
【0312】
ステップS2501では、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは前記調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理するときに、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用される。
ここで、第1のモードは調理鍋の選択可能な機能モードの1つであってもよいし、調理鍋のデフォルトの作動モードであってもよい。
【0313】
ステップS2502では、前記第1のモードで、設定された予約時間長さに応じて、調理処理と冷却処理にそれぞれ対応する実行時間長さを決定し、前記調理処理は少なくとも前記食材中の澱粉を糊化し、前記冷却処理は調理処理後の前記食材中の澱粉を老化再生させる。
ステップS2503では、それぞれ前記対応的な実行時間長さに従って、順次に前記食材に対して前記調理処理と前記冷却処理を行う。
【0314】
ここで、調理処理の実行時間長さと冷却処理の実行時間長さは設定された予約時間長さに応じて決められることができ、実施時、設定された予約時間長さは調理処理の実行時間長さと冷却処理の実行時間長さの和であり、このように、予約時間長さが決められる場合、特定の実行時間長さ比例に従って、調理処理の実行時間長さと冷却処理の実行時間長さを決定してもよいし、調理処理と冷却処理の両者の一方の実行時間長さを固定時間長さとして設定し、前記予約時間長さと前記固定時間長さの差を前記両者の他方の処理過程の実行時間長さとして決定してもよい。当業者は実施時に実際の状況に応じて適切な方式を選択して設定された予約時間長さに応じて調理処理の実行時間長さと冷却処理の実行時間長さを決定するが、本願の実施例はこれを限定しない。
【0315】
本願の実施例による調理方法は、第1のモードで、澱粉を含む食材を調理した後に冷却処理することができ、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加することができ、且つ予約プロセスと組み合わせて、予約時間長さに応じて冷却処理の持続時間長さを決定することができる。調理糊化後に食材の冷却処理の持続時間長さが長いほど、難消化性澱粉の生成に役に立つことになる。このように、ユーザは予約時間長さを設定することによって冷却処理の持続時間長さを制御することができ、さらに異なる予約時間長さによって調理後の食材中に異なる含有量の難消化性澱粉を生成させる。さらに、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加することによって食材中の澱粉の消化特性を変更し、食材の消化速度を遅らせることができ、これにより、食材の血糖の上昇レベルを低下させ、高血糖対象の主食によって限られる難題を改善することがきる。
【0316】
本願の実施例は調理方法を提供し、図26に示すように、前記方法は、以下のステップを含む。
ステップS2601では、調理鍋が第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは前記調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理するときに、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用される。
ステップS2602では、前記第1のモードで、設定された第1の実行時間長さを取得し、且つ前記予約時間長さと前記第1の実行時間長さの差を第2の実行時間長さとして決定し、前記第1の実行時間長さは調理処理に対応する実行時間長さであり、前記調理処理は少なくとも前記食材中の澱粉を糊化し、前記第2の実行時間長さは冷却処理に対応する実行時間長さであり、前記冷却処理は調理処理後の前記食材中の澱粉を老化再生させる。
ここで、調理処理は食材中の澱粉が吸水によって糊化されるのを確保することができ、前記食材を食べられるまで調理する。日常生活では食材を食べられるまで調理する時間長さは食材の種類と質量に応じて推定することができるため、調理処理の実行時間長さは調理鍋を使用して食材を調理する前に、ユーザにより調理鍋のコントロールパネルまたはリモートコントロール端末等を介して設定するか、或いは1つの適切なデフォルトの時間長さであってもよい。
【0317】
実施時、設定された予約時間長さは調理処理の実行時間長さと冷却処理の実行時間長さの和であってもよく、このように、設定された調理処理に対応する第1の実行時間長さを取得した後、前記予約時間長さと前記第1の実行時間長さの差を冷却処理に対応する第2の実行時間長さとして決定することができる。例えば、予約時間長さが△tであり、第1の実行時間長さがt1であり、第2の実行時間長さがt2であると仮定すると、t2=△t-t1である。
【0318】
ステップS2603では、それぞれ前記対応的な実行時間長さに従って、順次に前記食材に対して前記調理処理と前記冷却処理を行う。
【0319】
なお、上記ステップS2601~S2603は前述ステップS2501~S2503に対応し、ステップS2601~S2603に開示されていない技術的細部について、前述ステップS2501~S2503の説明を参照して理解する。
【0320】
いくつかの実施例において、ステップS2603に記載のそれぞれ前記対応的な実行時間長さに従って、順次に前記食材に対して前記調理処理と前記冷却処理を行うステップは、以下のステップを含んでもよい。
【0321】
ステップS2611では、前記第1の実行時間長さ内で前記調理鍋内の食材を連続的に調理処理する。
ステップS2612では、前記調理処理の実行が完了した後、前記第2の実行時間長さ内で調理処理後の前記食材を冷却処理し、前記冷却処理後の食材の温度は前記食材の糊化の温度範囲の下限より低い。
【0322】
いくつかの実施例において、ステップS2612に記載の前記第2の実行時間長さ内で調理処理後の前記食材を冷却処理するステップは、前記食材の加熱を停止し、前記食材の自然冷却は前記第2の実行時間長さ分継続するステップを含んでもよい。
【0323】
いくつかの実施例において、前記食材と前記調理鍋内の水を互いに分離することができる。ステップS2611に記載の前記第1の実行時間長さ内で前記調理鍋内の食材を調理処理するステップは、前記第1の実行時間長さ内で、加熱によって前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現するステップを含む。いくつかの実施例において、水切りご飯ケトルを使用して前記食材を調理処理することができる。
【0324】
いくつかの実施例において、前記第1の実行時間長さは第1のサブ時間長さと第2のサブ時間長さを含む。前記の前記第1の実行時間長さ内で、加熱によって前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現するステップは、前記第1のサブ時間長さ内で、加熱によって前記調理鍋内の水を沸騰するまで昇温させるステップと、前記調理鍋内の水が沸騰された後に、前記第2のサブ時間長さ内で、断続的に加熱することによって前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現するステップと、を含んでもよい。ここで、第1のサブ時間長さは調理鍋内の水を沸騰するまで昇温させるのに必要な時間以上である。第2のサブ時間長さは水の沸騰後に調理鍋中の食材を食べられるまで調理するのに必要な時間以上である。
【0325】
本願の実施例による調理方法は、第1のモードで、澱粉を含む食材を調理した後に冷却処理することにより、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加することができ、且つ予約プロセスと組み合わせて、予約時間長さに応じて冷却処理の持続時間長さを決定することができ、これにより、異なる予約時間長さを設定することによって調理後の食材に異なる含有量の難消化性澱粉を生成させる。さらに、調理鍋内の食材と水を分離し、調理処理では沸騰と洗い流しによって、一部の可溶性糖を浸出することができ、これに基づいて、澱粉糊化後の食材を冷却降温処理し、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加することができる。
【0326】
本願の実施例は調理方法を提供し、前記方法は、以下のステップを含む。
ステップS2701では、前記予約時間長さが予約閾値を超える場合、前記調理鍋が前記第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは前記調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理するときに、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用される。
ここで、予約閾値はユーザにより予め設定された値であってもよいし、デフォルトの値であってもよく、当業者は実際の状況に応じて適切な予約閾値を決定することができる。いくつかの実施例において、予約閾値は前記食材を食べられるまで調理するのに必要な最短の時間長さである。
【0327】
ステップS2702では、前記第1のモードで、設定された予約時間長さに応じて、調理処理と冷却処理にそれぞれ対応する実行時間長さを決定し、前記調理処理は少なくとも前記食材中の澱粉を糊化し、前記冷却処理は調理処理後の前記食材中の澱粉を老化再生させる。
ステップS2703では、それぞれ前記対応的な実行時間長さに従って、順次に前記食材に対して前記調理処理と前記冷却処理を行う。
ここで、ステップS2702とS2703は前述のステップS2502とS2503に対応し、実施時、ステップS2502とS2503の具体的な実施形態を参照することができる。
【0328】
ステップS2704では、前記予約時間長さが前記予約閾値を超えないか、或いは前記予約時間長さが設定されていない場合、前記調理鍋が第2のモードに入るのを決定する。
ステップS2705では、前記第2のモードで、前記食材を前記調理処理する。
【0329】
ここで、第2のモードは第1のモードと異なり、通常の食材の調理モードであってもよく、前記食材を食べられるまで調理するために使用される。ユーザは予約機能を設定しなく、即ち前記予約時間長さが設定されていない場合、或いは設定された予約時間長さは前記予約閾値を超えない場合、前記調理鍋は前記食材を調理処理し、前記食材を食べられるまで調理する。
【0330】
本願の実施例による調理方法は、予約プロセスと組み合わせて調理鍋が第1のモードに入るかどうかを決定し、予約時間長さが予約閾値を超える場合、自動的に第1のモードに入り、且つ予約時間長さに応じて調理処理と冷却処理の持続時間長さを自動的に決定し、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するようにし、このように、ユーザ操作がより便利になり、ユーザエクスペリエンスが効果的に向上される。
【0331】
本願の実施例は調理方法を提供し、前記方法は、以下のステップを含む。
ステップS2801では、調理鍋が前記第1のモードに入るのを決定し、前記第1のモードは前記調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理するときに、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用される。
ステップS2802では、設定された第3の実行時間長さを取得し、前記第3の実行時間長さは再加熱処理に対応する実行時間長さである。
ステップS2803では、前記第1のモードで、設定された第1の実行時間長さを取得し、前記第1の実行時間長さと前記第3の実行時間長さを加算し、所定の処理時間長さを取得し、前記予約時間長さと前記所定の処理時間長さの差を前記第2の実行時間長さとして決定し、前記第1の実行時間長さは前記調理処理に対応する実行時間長さであり、前記第2の実行時間長さは前記冷却処理に対応する実行時間長さであり、前記調理処理は少なくとも前記食材中の澱粉を糊化し、前記冷却処理は調理処理後の前記食材中の澱粉を老化再生させる。
ここで、設定された予約時間長さは調理処理、冷却処理及び再加熱処理の実行時間長さの和であってもよく、このように、設定された調理処理に対応する第1の実行時間長さと再加熱処理に対応する第3の実行時間長さを取得した後に、前記第1の実行時間長さと前記第3の実行時間長さを加算することができ、所定の処理時間長さを取得し後、前記予約時間長さと前記所定の処理時間長さの差を前記冷却処理に対応する第2の実行時間長さとして決定する。例えば、予約時間長さが△tであり、第1の実行時間長さがt1であり、第2の実行時間長さがt2であり、第3の実行時間長さがt3であると仮定すると、t2=△t-(t1+t3)である。
【0332】
ステップS2804では、それぞれ前記対応的な実行時間長さに従って、順次に前記食材に対して前記調理処理と前記冷却処理を行う。
ステップS2805では、前記食材を冷却処理した後に、前記第3の実行時間長さ内で前記冷却処理後の食材に対して前記再加熱処理を行い、前記再加熱処理後の食材の温度は第2の温度値より高く、且つ前記食材の糊化の温度範囲の下限より低く、前記温度閾値はデフォルトの加熱温度値または設定された温度値である。
【0333】
ここで、前記温度閾値は食材の食べられる最低温度の要件である。実施時、再加熱処理の過程は、前記第3の実行時間長さ内で、まず、冷却処理後の前記食材を加熱して昇温させ、設定された制御温度まで昇温する場合で、恒温調理を保持し続ける。加熱電力が低いほど、設定された制御温度が低くなると、再加熱処理に必要な時間が長くなり、加熱電力が高いほど、制御温度が高くなると、再加熱処理に必要な時間が短くなる。
【0334】
いくつかの実施例において、前記第3の実行時間長さ内で前記冷却処理後の食材を再加熱処理するステップは、第1の電力に従って冷却処理後の前記食材を加熱するステップを含み、前記第1の電力は前記調理鍋の最大電力であり、前記調理鍋の上部カバーの温度が予め設定された温度に達する場合、前記第3の実行時間長さ内で第2の電力に従って前記食材を調理する。実施時、前記第2の電力はユーザが設定する値であってもよいし、デフォルトの値であってもよい。
【0335】
いくつかの実施例において、前記食材と前記調理鍋内の水とを互いに分離される。前記第3の実行時間長さ内で冷却処理後の前記食材を再加熱処理するステップは、前記第3の実行時間長さ内で、第3の電力に従って冷却処理後の前記食材を加熱するステップを含み、前記第3の電力は、前記調理鍋内の水を沸騰して前記食材の領域まで洗い流させる電力範囲の下限より低い。ここで、調理鍋内の食材が水から分離されているため、再加熱処理時の電力が大き過ぎないようにし、電力の過度によって底部の水が上方の食材まで洗い流すため、調理処理過程において水まで洗い流す可溶性糖はここで食材の表面に付着し、調理の糖制御効果に影響を及ぼす状況を避ける。実施時、低電力で調理鍋内の水を少し沸騰させるのを保持し、加熱して昇温させ、食材を食べられる温度まで温かめればよい。
【0336】
本願の実施例による調理方法は、冷却処理後の食材を再加熱処理することによって、食材を食べられる温度の要件まで温めることができ、且つ食材中の難消化性澱粉の含有量が変わらなく、或いは冷却処理された難消化性澱粉の含有量と比較してわずかに減少する。
【0337】
本願の実施例は調理方法を提供し、図27Aに示すように、前記方法は以下のステップを含む。
ステップS2901では、ユーザは予約機能を設定しないか、または予約時間△tを1h以下設定する場合で、炊飯器は通常の炊飯プログラムを実行し、糖制御ご飯の機能を実現することができない。
【0338】
ここで、炊飯器は通常の炊飯プログラムを実行する場合、炊飯時間は一般的に20-60minであり、予約時間△tは予約プログラムの開始から炊飯完了後プログラム終了まで必要な時間である。
【0339】
ステップS2902では、△tが1hより大きい場合、糖制御ご飯の調理プログラムを実行し、糖制御ご飯の調理を実現することができる。
【0340】
ここで、糖制御ご飯の調理プログラムを実行することによって糖制御ご飯の調理を実現する過程は3つの段階に分けられることができる。
第1の段階は通常のプログラムに従って正常にご飯を調理する段階であり、必要な時間はt1であり、t1はプログラムに設定された一定の時間であり、
第2の段階は降温段階であり、ご飯の加熱を停止し、ご飯を自然冷却させ、一定の時間t2維持し、
第3の段階は炊き再加熱段階であり、ご飯を再び加熱して昇温させ、前記調理鍋の上部カバーを設定された温度に達してから、一定の時間炊き続け、この過程に必要な時間はt3であり、t3はプログラムに設定された一定の時間である。炊き時間が長過ぎないようにし、2-40min以内に制御し、加熱電力が低く、設定された温度が低いと、必要な時間が長く、加熱電力が高く、設定温度が高いと、必要な時間が短い。
【0341】
ここで、△t=t1+t2+t3であり、ユーザが設定した予約時間△tに応じて、冷却維持時間t2=△t-t1-t3であると決定することができる。このように、予約時間が長いほど、冷却維持時間t2が長くなり、糖制御効果が良くなる。
【0342】
通常のプログラムによる正常の炊飯段階での炊き時間は40minであり、炊き再加熱段階を500w電力で5min加熱すると仮定すると、異なる予約時間条件で、調理後のご飯の難消化性澱粉の含有量を下記表3.1に示す。
【0343】
【表3.1】
【0344】
表3.1から分かるように、2h予約しても難消化性澱粉はほとんど増加しなく、炊き後のご飯の降温が比較的遅いため、4h以上経過すると、難消化性澱粉の含有量が大幅に増加し、時間の経過につれて、難消化性澱粉が多く増加するためである。
【0345】
図27Bは本願の実施例による各段階での時間と加熱温度の対応関係模式図であり、図27Bに示すように、横座標軸は時間軸であり、縦座標軸は温度軸であり、時間軸には、t1区間は通常のプログラムによる正常の炊飯段階に対応し、t2区間は降温段階に対応し、t3区間は炊き再加熱段階に対応する。
【0346】
実施時、糖制御ご飯の具体的な調理過程を図27Cに示す。
ステップS3011では、通常の炊飯プログラムを実行し、必要な時間はt1である。
ステップS3012では、ご飯の加熱を停止し、ご飯を自然冷却させる。
ステップS3013では、冷却維持時間t2が△t-t1-t3に等しいかどうかを判断し、t2が△t-t1-t3に等しいと、ステップS3014を実行し、t2が△t-t1-t3に等しくないと、ステップS3012に戻す。
ステップS3014では、冷却後のご飯を全電力で昇温して加熱し始める。
ステップS3015では、調理鍋の上部カバー温度Tが予め設定された温度80-100℃に達するかどうかを検出し、達すると、ステップS3016を実行し、達しないと、ステップS3014に戻す。
ステップS3016では、前記ご飯を一定の加熱電力で維持し、炊きの予め設定された時間t3は2-40minである。
【0347】
本願の実施例による調理方法は、炊き後のご飯を降温する方法によって、糊化後のご飯の澱粉を老化再生させ、より多くの難消化性澱粉を生成し、より良い糖制御効果を満たす。炊き糊化後にご飯を自然に降温処理し、温度が低いほど、維持時間が長くなり、難消化性澱粉の生成に役に立つことになる。降温冷却過程に必要な時間が比較的長く、同時に、澱粉を十分に老化再生させるように、ご飯を低温で一定の時間維持する必要があるため、本願の実施例は従来の炊飯器の上で、予約プロセスと組み合わせてご飯中の澱粉の消化特性を変更し、ご飯の消化速度を遅らせ、これにより、ご飯の血糖の上昇レベルを低下させ、糖制御ご飯の調理を実現する。
【0348】
本願の実施例は調理方法を提供し、図28Aに示すように、前記方法は、以下のステップを含む。
【0349】
ステップS3101では、ユーザは予約機能を設定しないか、または予約時間△tを1h以下設定する場合、炊飯器は通常の水切りご飯プログラムを実行し、糖制御ご飯の機能を実現することができない。
【0350】
ここで、炊飯器は通常の水切りご飯プログラムを実行するとき、炊飯時間は一般的に20-60minであり、予約時間△tは予約プログラムの開始から炊飯完了後プログラム終了まで必要な時間である。実施時、水切りご飯炊飯器を使用して調理することができる。
【0351】
ステップS3102では、△tが1hより大きい場合、糖制御ご飯の調理プログラムを実行し、糖制御ご飯の調理を実現することができ、糖制御効果は水切りご飯プログラムより良い。
【0352】
ここで、糖制御ご飯の調理プログラムを実行することによって糖制御ご飯の調理を実現する過程は3つの段階に分けられることができる。
第1の段階は通常の水切りご飯炊きの実行段階であり、米を加熱して昇温させ、蒸し器内のご飯を継続的に沸騰して洗い流し、ご飯中の可溶性糖が鍋内まで洗い流され、加熱過程では米粒が吸水し、水分が継続的に減少し、その結果、水位が蒸し器の下方に下がる。この段階時間はt1+t2であり、t1は昇温時間であり、t2は沸騰洗い流し時間であり、t1とt2はプログラムに予約された一定の時間であり、
第2の段階は降温段階であり、ご飯の加熱を停止し、ご飯を自然冷却させ、一定の時間t3維持し、
第3の段階は炊き再加熱段階であり、ご飯を再び加熱して昇温させ、この段階では米と水を分離し、加熱電力が高すぎると、底部のスープが上方のご飯まで洗い流され、低電力の100-400wで昇温し、少し沸騰を保持するように加熱し、ご飯の再加熱を確保すればよく、この段階に必要な時間はt4であり、t4はプログラムに設定された一定の時間である。
【0353】
ここで、△t=t1+t2+t3+t4であり、ユーザが設定した予約時間△tに応じて、冷却維持時間t3=△t-t1-t2-t4であると決定できる。このように、予約時間が長いほど、冷却維持時間t3が長くなり、糖制御効果が良くなる。
【0354】
第1の段階では通常の水切りご飯炊きの実行段階の時間は30minであり、炊き再加熱段階では200w電力で10min加熱すると仮定すると、異なる予約時間条件で、調理後の水切りご飯の難消化性澱粉の含有量を下記表3.2に示す。
【0355】
【表3.2】
【0356】
表3.2から分かるように、予約しない場合、水切りご飯の正常調理は一定の糖制御効果があり、難消化性澱粉は11.2%である。2h予約しても難消化性澱粉がほとんど増加しなく、炊き後のご飯の降温が比較的遅いため、4h以上経過すると、難消化性澱粉の含有量が大幅に増加し、時間の経過につれて、難消化性澱粉が多く増加するためである。
【0357】
図28Bは本願の実施例による各段階での時間と加熱温度の対応関係模式図であり、図28Bに示すように、横座標軸は時間軸であり、縦座標軸は温度軸であり、時間軸には、t1+t2区間は通常の水切りご飯炊きの実行段階に対応し、t3区間は降温段階に対応し、t4区間は炊き再加熱段階に対応する。
【0358】
実施時、糖制御ご飯の具体的な調理過程を図28Cに示すことができ、以下のステップを含む。
【0359】
ステップS3111では、一定の電力で米を昇温させ、必要な時間はt1である。
ステップS3112では、調理鍋の上部カバー温度Tが予め設定された温度80-100℃に達するかどうかを検出し、達すると、ステップS3113を実行し、達しないと、ステップS3111に戻す。
ステップS3113では、800-1000Wの電力で加熱して継続的に沸騰させご飯を洗い流し、水量が継続的に減少するようにする。
ステップS3114では、沸騰時間t2が10-30minであるかどうかを判断し、そうであると、ステップS3115を実行し、そうでないと、ステップS3113に戻す。
ステップS3115では、ご飯の加熱を停止し、ご飯を自然冷却させる。
ステップS3116では、冷却維持時間t3が△t-t1-t2-t4に等しいかどうかを判断し、等しいと、ステップS3117を実行し、等しくないと、ステップS3115に戻す。
ステップS3117では、前記ご飯を低電力で昇温して加熱し、維持時間t4は5-30minである。
【0360】
水切りご飯の上で、糊化後のご飯を冷却降温処理し、降温冷却過程に必要な時間は比較的長く、同時に、澱粉を十分に老化再生させることができるように、ご飯を低温で一定の時間維持する必要があり、本願の実施例は予約機能と組み合わせてこの過程を実現する。
【0361】
本願の実施例による調理方法は、水切りご飯の上で、調理鍋の予約プロセスと組み合わせて、糊化後のご飯を冷却降温処理し、低温で一定の時間維持し、澱粉の十分な老化再生を確保することができ、ご飯中の難消化性澱粉の含有量を増加し、ご飯中の澱粉の消化特性を変更し、ご飯の消化速度を遅らせ、これにより、ご飯の血糖の上昇レベルを低下させ、このように、予約降温後のご飯の難消化性澱粉の含有量は一般的な水切りご飯よりも高い。
【0362】
前述の実施例に基づいて、本願の実施例は調理装置を提供し、該装置は備えられる各ユニット、及び各ユニットに備えられる各モジュールを備え、調理鍋におけるプロセッサによって実現されることができ、無論、具体的な論理回路によって実現されてもよく、実施の過程では、プロセッサは中央プロセッサ(CPU)、マイクロプロセッサ(MPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等であってもよい。
【0363】
図29は本願の実施例による調理装置の組成構造模式図であり、図29に示すように、前記調理装置3200は、第1の決定モジュール3210、第2の決定モジュール3220及び処理モジュール3230を備え、
前記第1の決定モジュール3210は、調理鍋が第1のモードに入るのを決定するように配置され、前記第1のモードは前記調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材を調理するときに、調理後の食材中の難消化性澱粉の含有量を増加するために使用される。
前記第2の決定モジュール3220は、前記第1のモードで、設定された予約時間長さに応じて、調理処理と冷却処理にそれぞれ対応する実行時間長さを決定するように配置され、前記調理処理は少なくとも前記食材中の澱粉を糊化し、前記冷却処理は調理処理後の前記食材中の澱粉を老化再生させる。
前記処理モジュール3230は、それぞれ前記対応的な実行時間長さに従って、順次に前記食材に対して前記調理処理と前記冷却処理を行うように配置される。
【0364】
いくつかの実施例において、前記第2の決定モジュールはさらに、設定された第1の実行時間長さを取得するように配置され、前記第1の実行時間長さは前記調理処理に対応する実行時間長さであり、前記予約時間長さと前記第1の実行時間長さの差を第2の実行時間長さとして決定し、前記第2の実行時間長さは前記冷却処理に対応する実行時間長さである。
【0365】
いくつかの実施例において、前記処理モジュールは、調理サブモジュールと冷却サブモジュールを備え、前記調理サブモジュールは、前記第1の実行時間長さ内で前記調理鍋内の食材を連続的に調理処理するように配置され、前記冷却サブモジュールは、前記調理処理の実行が完了した後、前記第2の実行時間長さ内で調理処理後の前記食材を冷却処理するように配置され、前記冷却処理後の食材の温度は前記食材の糊化の温度範囲の下限より低い。
【0366】
いくつかの実施例において、前記冷却サブモジュールはさらに、前記食材の加熱を停止し、前記食材の自然冷却は前記第2の実行時間長さ分継続するように配置される。
【0367】
いくつかの実施例において、前記装置は分離モジュールを更に備え、前記食材と前記調理鍋内の水を互いに分離するように配置される。前記調理サブモジュールはさらに、前記第1の実行時間長さ内で、加熱によって前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現するように配置される。
【0368】
いくつかの実施例において、前記第1の実行時間長さは第1のサブ時間長さと第2のサブ時間長さを含み、前記調理サブモジュールはさらに、前記第1のサブ時間長さ内で、加熱によって前記調理鍋内の水を沸騰するまで昇温させるように配置され、前記調理鍋内の水が沸騰された後に、前記第2のサブ時間長さ内で、断続的に加熱することによって前記調理鍋内の水を継続的に交互に沸騰及び落下させ、前記食材中の澱粉の糊化及び前記食材の表面の澱粉の洗い流しを実現する。
【0369】
いくつかの実施例において、前記第1の決定モジュールはさらに、前記予約時間長さが予約閾値を超える場合、前記調理鍋が前記第1のモードに入るのを決定するように配置され、前記予約時間長さが前記予約閾値を超えないか、或いは前記予約時間長さが設定されていない場合、前記調理鍋が第2のモードに入るのを決定し、前記第2のモードで、前記食材を前記調理処理するように配置される。
【0370】
いくつかの実施例において、前記処理モジュールは調理サブモジュール、冷却サブモジュール及び再加熱サブモジュールを備え、前記調理サブモジュールは、第1の実行時間長さ内で前記調理鍋内の食材を連続的に調理処理するように配置され、前記冷却サブモジュールは、前記調理処理の実行が完了した後、第2の実行時間長さ内で調理処理後の前記食材を冷却処理するように配置され、前記冷却処理後の食材の温度は前記食材の糊化の温度範囲の下限より低く、前記再加熱サブモジュールは、前記冷却処理後に、第3の実行時間長さ内で前記冷却処理後の食材を再加熱処理するように配置され、前記再加熱処理後の食材の温度は第2の温度値より高く、且つ前記食材の糊化の温度範囲の下限より低く、前記温度閾値はデフォルトの加熱温度値または設定された温度値である。前記第2の決定モジュールはさらに、設定された前記第1の実行時間長さと前記第3の実行時間長さを取得し、前記第1の実行時間長さと前記第3の実行時間長さを加算し、所定の処理時間長さを取得し、前記予約時間長さと前記所定の処理時間長さの差を前記第2の実行時間長さとして決定するように配置される。
【0371】
いくつかの実施例において、前記再加熱サブモジュールはさらに、第1の電力に従って冷却処理後の前記食材を加熱し、前記第1の電力は前記調理鍋の最大電力であり、前記調理鍋の上部カバーの温度が予め設定された温度に達する場合、前記第3の実行時間長さ内で第2の電力に従って前記食材を調理するように配置される。
【0372】
いくつかの実施例において、前記装置は分離モジュールを更に備え、前記食材と前記調理鍋内の水を互いに分離するように配置される。前記再加熱サブモジュールはさらに、前記第3の実行時間長さ内で、第3の電力に従って冷却処理後の前記食材を加熱するように配置され、前記第3の電力は、前記調理鍋内の水を沸騰して前記食材の領域まで洗い流させる電力範囲の下限より低い。
【0373】
以上の装置実施例の説明は、上記の方法実施例の説明と類似し、方法実施例と類似する有益な効果を有する。本願の装置実施例に開示されていない技術的細部について、本願の方法実施例の説明を参照して理解する。
【0374】
なお、本願の実施例では、ソフトウェア機能ユニットの形式で上記の調理方法を実現するとともに独立した製品として販売又は使用される場合、1つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。このような理解に基づいて、本願の実施例の技術的解決手段は本質的或いは従来技術に貢献する部分は或いは該技術的解決手段の部分はソフトウェア製品の形式で表現することができ、該コンピュータソフトウェア製品が1つの記憶媒体に記憶され、一台の調理鍋(炊飯器、電力コンロ或いは電力圧力調理器等)が本発明の各実施例に記載の方法の全部又は一部を実行するための若干の指令を含む。前述の記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、読み出し専用記憶装置(Read-Only Memory、ROM)、ディスク或いはCD等の様々なプログラムコードを記憶できる媒体を含む。
【0375】
本願の実施例は調理鍋を提供し、前記鍋は、調理キャビティ、メモリ及びプロセッサを備え、前記調理キャビティは、水と食材を盛るように配置され、前記メモリにプロセッサで稼動できるコンピュータプログラムが記憶され、前記プロセッサは前記プログラムを実行する場合に上記方法におけるステップを実現する。調理キャビティは調理装置における食材を調理するキャリア、例えば炊飯器における内鍋、電力オーブンにおけるベーキングパン等である。
【0376】
本願の実施例はコンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータプログラムが記憶され、該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、上記方法実施例におけるステップを実現する。
【0377】
ここで指摘する必要があることとして、以上の記憶媒体と調理鍋実施例の説明は、上記の方法実施例の説明と類似し、方法実施例と類似する有益な効果を有する。本願の記憶媒体実施例と調理鍋実施例に開示されていない技術的細部について、本願の方法実施例の説明を参照して理解する。
【0378】
理解すべきこととして、明細書全体に言及した「1つの実施例」又は「一実施例」は実施例に関連する特定の機能、構造、または特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれるのを意味する。このため、明細書全体の様々な場所に現れた「1つの実施例において」または「一実施例において」は必ずしも同様な実施例を指さない。なお、これらの特定の機能、構造、または特性は任意の適切な形で1つ又は複数の実施例に組み合わせられることができる。理解すべきこととして、本願の様々な実施例において、上記各過程の番号は実行順序の前後を意味しなく、各過程の実行順序はその機能及び組み込み論理により確定されるべきであり、本願の実施例の実施過程を制限しない。上記本願の実施例の番号は説明のみに使用され、実施例の良否を示さない。
【0379】
なお、本文では、用語「含み」、「含んで」或いはその他のいずれの変異体は非排他性的な包含を含むと意味するため、一連の要素を含む過程、方法、物品或いは装置はそれらの要素を含む以外、明確にリストされないその他の要素を含み、或いはこのような過程、方法、物品或いは装置に固有した要素を含む。より多くの制限が存在しない場合には、語句「1つの……を含む」により限定された要素は、前記要素を含む過程、方法、物品或いは装置に別の同じ要素が存在すると排除しない。
【0380】
本願によるいくつかの実施例において、開示した機器及び方法は、その他の方式によって実現されることができることを理解すべきである。例えば以上のような機器実施例は単に例示的なものだけであり、例えば、前記ユニットの分割は、ロジック機能分割だけであり、実際な実現時に別の分割方式があり、例えば、複数のユニット又は組立部品を結合してもよいし、又は別のシステムに集積してもよいし、又はいくつかの特徴を無視でき、又は実行しなくてもよい。また、表示又は検討した互いの間にカップリング、又は直接カップリング、又は通信接続はいくつかのインターフェース、機器又はユニットによる間接カップリング又は通信接続であってよく、電気的、機械的又はその形式の接続であってもよい。
【0381】
上記の分離部材として説明したユニットは物理的に分離してもよいし、又は分離しなくてもよく、ユニットとして表示する部材は物理ユニットであってもよいし、又は物理ユニットではなくてもよく、即ち1つの場所に位置してもよいし、複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の必要に応じてその中の一部又は全部のユニットを選択して本実施例手段の目的を実現することができる。
【0382】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは1つの処理ユニットに集積されてもよいし、各ユニットは単独に物理的に存在してもよいし、2つ又は2つ以上のユニットは1つのユニットに集積されてもよい。上記集積されたユニットはハードウェアの形で実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた機能ユニットの形で実現されてもよい。
【0383】
当業者は、上記の各方法の実施例の全部又は一部のステップの実現はプログラム命令に関連するハードウェアによって完成されることができ、前述のプログラムはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されることができるのを理解できる。該プログラムが実行される際に、上記の各方法の実施例を含むステップを実行し、前述の記憶媒体は、モバイルストレージデバイス、読み出し専用記憶装置(Read-Only Memory、ROM)、磁気ディスク或いは光ディスク等の様々なプログラムコードを記憶できる媒体を含む。
【0384】
或いは、本願の上記集成されたユニットはソフトウェア機能ユニットの形式で実現するとともに独立した製品として販売又は使用される場合、1つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。このような理解に基づいて、本願の実施例の技術的解決手段は本質的或いは従来技術に貢献する部分は或いは該技術的解決手段の部分はソフトウェア製品の形式で表現することができ、該コンピュータソフトウェア製品が1つの記憶媒体に記憶され、一台の調理鍋(炊飯器、電力コンロ或いは電力圧力調理器等)が本願の各実施例に記載の方法の全部又は一部を実行するための若干の指令を含む。前述の記憶媒体は、モバイルストレージデバイス、ROM、ディスク或いはCD等の様々なプログラムコードを記憶できる媒体を含む。
【0385】
以上のように、本願の実施形態だけであるが、本願の保護範囲はこれに制限されなく、当業者の誰でも本願が開示した技術範囲において、容易に想到した変化又は置換は、全て本願の保護範囲に含まれる。このため、本願の保護範囲を前記請求項の保護範囲を基準とすべきである。
【0386】
本願の実施例は調理方法及び装置、鍋、記憶媒体を開示し、前記方法は、調理鍋内に盛られる澱粉を含む食材に対して、少なくとも前記食材中の澱粉を糊化する調理処理を行うステップと、調理処理後の前記食材を冷却処理することによって、調理処理後の食材中の澱粉を老化再生させるステップと、を含む。本願の実施例による調理方法によれば、澱粉を含む調理対象食材を調理することによって、糊化後の澱粉を老化再生させ、より多くの難消化性澱粉を生成し、これにより、調理された食材中の難消化性澱粉の含有量を増加し、より良い糖制御効果を満たす。
【0387】
本願は、出願番号が202010396679.6であり、出願日が2020年05月12日であり、出願名称が「調理方法及び装置、鍋、並びに記憶媒体」である中国特許出願、出願番号が202010396487.5であり、出願日が2020年05月12日であり、出願名称が「調理方法及び装置、鍋、並びに記憶媒体」である中国特許出願、出願番号が202010398450.6であり、出願日が2020年05月12日であり、出願名称が「調理方法及び装置、鍋、並びに記憶媒体」である中国特許出願、出願番号が202010396675.8であり、出願日が2020年05月12日であり、出願名称が「調理方法及び装置、鍋、並びに記憶媒体」である中国特許出願、及び出願番号が202010396982.6であり、出願日が2020年05月12日であり、出願名称が「調理方法及び装置、鍋、並びに記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、その全部の内容は援用により本願に組み込まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図23
図24
図25
図26
図27A
図27B
図27C
図28A
図28B
図28C
図29