(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】情報処理システム、利用管理サーバ、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/04 20120101AFI20231205BHJP
【FI】
G06Q30/04
(21)【出願番号】P 2023178482
(22)【出願日】2023-10-16
(62)【分割の表示】P 2022145703の分割
【原出願日】2022-09-13
【審査請求日】2023-10-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398018021
【氏名又は名称】株式会社アドバンスト・メディア
(74)【代理人】
【識別番号】100127384
【氏名又は名称】坊野 康博
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 清幸
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-102498(JP,A)
【文献】特開2000-113066(JP,A)
【文献】特開2015-212952(JP,A)
【文献】特開2022-080633(JP,A)
【文献】特開2003-108885(JP,A)
【文献】特開2005-100364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数種類のコンテンツの利用に関する管理を行う利用管理サーバと、1または複数のユーザがコンテンツを利用するための1または複数の端末装置とを含む情報処理システムであって、
前記利用管理サーバは、
前記端末装置からコンテンツの利用を要求する利用要求通知を受信する利用要求受信手段と、
前記利用要求通知が受信された場合に、前記コンテンツの利用に対する許可条件が充足されているか否かを判定し、前記許可条件が充足されている場合に、前記端末装置に対して前記コンテンツの利用を許可する利用許可通知を送信すると共に、前記利用許可通知が送信された後から前記コンテンツの利用が終了するまでの間について、前記コンテンツの利用開始及び利用終了が反映される前記コンテンツの利用を示すデータを管理する利用管理手段と、
前記利用管理手段によって管理される前記コンテンツの利用を示すデータに基づいて、前記コンテンツの利用に関する価値の指標値を算出する価値算出手段と、
を備え、
前記端末装置は、
コンテンツの利用を要求する利用要求通知を送信する利用要求送信手段と、
前記利用管理サーバから前記利用許可通知を受信することに対応して、前記コンテンツの利用に関する処理を実行する利用実行手段と、
を備え、
前記コンテンツの利用を示すデータは、コンテンツの種類毎に利用開始に対応する加算値及び利用終了に対応する減算値が設定され、
前記利用管理手段は、前記利用許可通知が送信されることに対応して、当該コンテンツの種類に応じた加算値を加算し、前記コンテンツの利用が終了することに対応して、当該コンテンツの種類に応じた減算値を減算することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記利用管理サーバは、
前記端末装置から前記コンテンツの利用終了を通知する利用終了通知を受信する利用終了通知受信手段を備え、
前記利用管理手段は、前記利用許可通知が送信された場合に前記コンテンツの利用開始に対応する加算値を加算し、前記利用終了通知が受信された場合に前記コンテンツの利用終了に対応する減算値を減算することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記利用管理手段は、前記利用要求通知が受信された場合に、前記コンテンツの利用を開始することにより、前記利用開始に対応する加算値が加算されて前記コンテンツの利用を示すデータが設定された上限値を超えるか否かを判定し、前記利用開始に対応する加算値が加算されても前記コンテンツの利用を示すデータが設定された上限値を超えない場合、前記上限値に対応する前記コンテンツの利用に関する価値の指標値の範囲内における利用とし、前記利用開始に対応する加算値が加算されると前記コンテンツの利用を示すデータが設定された上限値を超える場合、前記上限値に対する超過分として前記コンテンツの利用に関する価値の指標値を加算することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記価値算出手段は、設定された単位期間において、前記上限値に対する超過分として加算された前記コンテンツの利用に関する価値の指標値を合計し、前記上限値に対応する前記コンテンツの利用に関する価値の指標値に対して追加の前記価値の指標値を加算することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記利用管理手段は、前記利用許可通知が送信された後から前記コンテンツの利用が終了するまでの間について、前記コンテンツの利用を示すデータを積算すると共に、設定された単位期間において積算された全ての前記コンテンツの利用を示すデータを合計し、合計値の平均を算出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記利用管理手段は、設定された単位期間において積算された全ての前記コンテンツの利用を示すデータの合計値を、前記単位期間のうち前記コンテンツの利用について設定された実効期間に基づいて平均を算出することを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
1または複数のサーバによって構成され、1または複数種類のコンテンツの利用に関する管理を行う利用管理サーバと、1または複数のユーザがコンテンツを利用するための1または複数の端末装置とを含む情報処理システムのための利用管理サーバであって、
前記端末装置からコンテンツの利用を要求する利用要求通知を受信する利用要求受信手段と、
前記利用要求通知が受信された場合に、前記コンテンツの利用に対する許可条件が充足されているか否かを判定し、前記許可条件が充足されている場合に、前記端末装置に対して前記コンテンツの利用を許可する利用許可通知を送信すると共に、前記利用許可通知が送信された後から前記コンテンツの利用が終了するまでの間について、前記コンテンツの利用開始及び利用終了が反映される前記コンテンツの利用を示すデータを管理する利用管理手段と、
前記利用管理手段によって管理される前記コンテンツの利用を示すデータに基づいて、前記コンテンツの利用に関する価値の指標値を算出する価値算出手段と、
を備え、
前記コンテンツの利用を示すデータは、コンテンツの種類毎に利用開始に対応する加算値及び利用終了に対応する減算値が設定され、
前記利用管理手段は、前記利用許可通知が送信されることに対応して、当該コンテンツの種類に応じた加算値を加算し、前記コンテンツの利用が終了することに対応して、当該コンテンツの種類に応じた減算値を減算することを特徴とする利用管理サーバ。
【請求項8】
1または複数種類のコンテンツの利用に関する管理を行う利用管理サーバと、1または複数のユーザがコンテンツを利用するための1または複数の端末装置とを含む情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
前記利用管理サーバが、
前記端末装置からコンテンツの利用を要求する利用要求通知を受信する利用要求受信ステップと、
前記利用要求通知が受信された場合に、前記コンテンツの利用に対する許可条件が充足されているか否かを判定し、前記許可条件が充足されている場合に、前記端末装置に対して前記コンテンツの利用を許可する利用許可通知を送信すると共に、前記利用許可通知が送信された後から前記コンテンツの利用が終了するまでの間について、前記コンテンツの利用開始及び利用終了が反映される前記コンテンツの利用を示すデータを管理する利用管理ステップと、
前記利用管理ステップにおいて管理される前記コンテンツの利用を示すデータに基づいて、前記コンテンツの利用に関する価値の指標値を算出する価値算出ステップと、
を含み、
前記端末装置が、
コンテンツの利用を要求する利用要求通知を送信する利用要求送信ステップと、
前記利用管理サーバから前記利用許可通知を受信することに対応して、前記コンテンツの利用に関する処理を実行する利用実行ステップと、
を含み、
前記コンテンツの利用を示すデータは、コンテンツの種類毎に利用開始に対応する加算値及び利用終了に対応する減算値が設定され、
前記利用管理ステップでは、前記利用許可通知が送信されることに対応して、当該コンテンツの種類に応じた加算値を加算し、前記コンテンツの利用が終了することに対応して、当該コンテンツの種類に応じた減算値を減算することを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
1または複数のサーバによって構成され、1または複数種類のコンテンツの利用に関する管理を行う利用管理サーバと、1または複数のユーザがコンテンツを利用するための1または複数の端末装置とを含む情報処理システムにおける利用管理サーバを構成するコンピュータに、
前記端末装置からコンテンツの利用を要求する利用要求通知を受信する利用要求受信機能と、
前記利用要求通知が受信された場合に、前記コンテンツの利用に対する許可条件が充足されているか否かを判定し、前記許可条件が充足されている場合に、前記端末装置に対して前記コンテンツの利用を許可する利用許可通知を送信すると共に、前記利用許可通知が送信された後から前記コンテンツの利用が終了するまでの間について、前記コンテンツの利用開始及び利用終了が反映される前記コンテンツの利用を示すデータを管理する利用管理機能と、
前記利用管理機能によって管理される前記コンテンツの利用を示すデータに基づいて、前記コンテンツの利用に関する価値の指標値を算出する価値算出機能と、
を実現させ、
前記コンテンツの利用を示すデータは、コンテンツの種類毎に利用開始に対応する加算値及び利用終了に対応する減算値が設定され、
前記利用管理機能は、前記利用許可通知が送信されることに対応して、当該コンテンツの種類に応じた加算値を加算し、前記コンテンツの利用が終了することに対応して、当該コンテンツの種類に応じた減算値を減算することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、利用管理サーバ、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アプリケーション、サービス、ストレージ、あるいは、クリエータが制作した著作物等のコンテンツを、利用料を支払って利用する取引形態が増加しつつある。
例えば、利用者数あるいは利用回数当たりの金額を定めておき、コンテンツを実際に利用した利用者数あるいは利用回数をその金額に乗じた従量金額にて課金する取引形態が用いられている。
また、コンテンツを連続的に利用するケースでは、コンテンツの利用に関する単位期間及び単位期間当たりの金額を定めておき、コンテンツが実際に利用された利用期間及び利用者数にその金額を乗じた従量金額にて課金する取引形態も用いられている。
さらに、上述のようにコンテンツを連続的に利用するケースにおいては、コンテンツの利用に関する単位期間及び単位期間当たりの金額を定めておき、想定される利用期間及び利用者数に基づいた定額金額にて課金する取引形態も用いられている。
このような取引形態においては、コンテンツを連続的に利用する場合に、利用金額を定額とすることができるため、ユーザにとって、コンテンツの利用に見込まれる費用を容易に把握することができるという利点がある。
なお、コンテンツの利用に対する課金を行う技術は、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、想定される利用期間及び利用者数に基づいた定額金額で課金する上述の取引形態においては、利用期間や利用者数を想定によって定めるものであるため、例えば、想定した利用期間において利用頻度が低かったり、利用者数が想定よりも少なかったりした場合には、利用料が割高であると認識されることがあり、利用が進まない状況が存在していた。
また、アプリケーション等のコンテンツに関する料金形態として、フローティングライセンスと呼ばれるモデルが知られているが、フローティングライセンスは、主に、1種類のアプリケーションを複数の利用者で利用することを想定した販売モデルとなっている。そのため、フローティングライセンスは、価格を安価に抑制することが期待されるものの、限定的な状況において利用可能なものであり、コンテンツの利用一般における利用金額または販売価格の問題を広く解決する手段として採用し難い。即ち、フローティングライセンス等の既存の料金形態では、やはりコンテンツの利用が進まない状況を解決することが困難である。
なお、コンテンツの利用金額や販売金額は、コンテンツの利用に対する課金やコンテンツの販売を行う際にコンテンツの価値(コンテンツの利用に対する対価)を表すものと言えるが、金額以外の指標を用いて、コンテンツの価値を指標化することもあり、このような場合にも、同様のことが言える。
このように、従来の技術においては、コンテンツの利用に対する価値を適切な方法で算出することが困難であった。
【0005】
本発明の課題は、コンテンツの利用に対する価値をより適切な方法で算出することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理システムは、
1または複数種類のコンテンツの利用に関する管理を行う利用管理サーバと、1または複数のユーザがコンテンツを利用するための1または複数の端末装置とを含む情報処理システムであって、
前記利用管理サーバは、
前記端末装置からコンテンツの利用を要求する利用要求通知を受信する利用要求受信手段と、
前記利用要求通知が受信された場合に、前記コンテンツの利用に対する許可条件が充足されているか否かを判定し、前記許可条件が充足されている場合に、前記端末装置に対して前記コンテンツの利用を許可する利用許可通知を送信すると共に、前記利用許可通知が送信された後から前記コンテンツの利用が終了するまでの間について、前記コンテンツの利用開始及び利用終了が反映される前記コンテンツの利用を示すデータを管理する利用管理手段と、
前記利用管理手段によって管理される前記コンテンツの利用を示すデータに基づいて、前記コンテンツの利用に関する価値の指標値を算出する価値算出手段と、
を備え、
前記端末装置は、
コンテンツの利用を要求する利用要求通知を送信する利用要求送信手段と、
前記利用管理サーバから前記利用許可通知を受信することに対応して、前記コンテンツの利用に関する処理を実行する利用実行手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コンテンツの利用に対する価値をより適切な方法で算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る情報処理システム1の構成を示す模式図である。
【
図2】端末装置10または利用管理サーバ20を構成する情報処理装置800のハードウェア構成を示す模式図である。
【
図3】端末装置10の機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】利用管理サーバ20の機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】情報処理システム1においてコンテンツの利用が許可される仕組みを示す模式図である。
【
図6】情報処理システム1におけるコンテンツの利用管理モデルを示す模式図である。
【
図7】端末装置10が実行するコンテンツ利用処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】利用管理サーバ20が実行するコンテンツ利用管理処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】第2実施形態に係る情報処理システム1におけるコンテンツの利用課金サービスモデルを示す模式図である。
【
図10】利用管理サーバ20が実行するコンテンツ利用管理処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
本実施形態に係る情報処理システムは、コンテンツを利用する際に、利用形態に条件を設定し、利用金額を定額とすると共に、コンテンツを利用する利用者の数及び利用内容を適確に反映させたコンテンツの利用管理(利用に対する価値の算出)を行うものである。
例えば、本実施形態に係る情報処理システムによってコンテンツの利用を管理することにより、企業等が複数の利用者で複数種類のコンテンツを利用する利用形態等において、コンテンツの利用者数や利用内容等を事前に正確に想定することが困難な場合であっても、実際の利用状況に適合した利用金額の設定及びコンテンツの利用課金を行うことができる。
即ち、従来は定額として契約した期間で利用金額を徴収するか、あるいは、実際の利用状況を把握して従量的に利用金額を徴収していたところ、定額の利用金額をベースとして、コンテンツの利用の終了に着眼し、固定的な利用金額から減少させる工夫を行うものである。
これにより、本実施形態に係る情報処理システム1は、コンテンツを従来の「販売」する形態から「利用」する形態に誘導することを可能とし、さらに、コンテンツの利用管理に「利用の開始」のみならず、「利用の終了」を組み入れることで、コンテンツの利用に対する利用金額を抑制することを図っている。これにより、ユーザがコンテンツを利用する動機が高まると共に、ユーザが実際に負担する利用金額(対価の指標)をより安価なものとすることができる。
このように、本実施形態に係る情報処理システム1においては、コンテンツの利用に対する価値をより適切な方法で算出することができる。
以下、本実施形態に係る情報処理システムを具体的に説明する。
【0010】
[システム構成]
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成を示す模式図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、複数の端末装置10と、利用管理サーバ20とを含んで構成され、複数の端末装置10と利用管理サーバ20とは、インターネット等のネットワーク30を介して互いに通信可能に構成されている。
図1に示す情報処理システム1は、本発明に係る情報処理システムを、アプリケーション、サービス、ストレージ、クリエータが制作した著作物等のコンテンツの利用サービスを提供するシステムに適用した例を示しており、コンテンツの利用管理及び課金の管理等を行うものである。
【0011】
端末装置10は、スマートフォンあるいはPC(Personal Computer)等の情報処理装置によって構成される。また、端末装置10は、外部のサーバから提供されるコンテンツ等の各種コンテンツを利用する利用者によって使用され、利用者の操作に応じて、利用するコンテンツの選択、選択されたコンテンツの利用を要求する利用要求通知の利用管理サーバ20への送信、外部のサーバから提供されるまたは提供されたコンテンツ等の各種コンテンツの利用、コンテンツの利用の終了を通知する利用終了通知の利用管理サーバ20への送信等の処理を行う。
また、本実施形態においては、企業等の組織に属する複数の端末装置10がグループ化して管理されており、利用管理サーバ20における課金及びコンテンツの利用管理は、端末装置10のグループを単位として行われる。
なお、グループに属する端末装置10から外部のサーバへのアクセスを代理するプロキシサーバを経由して、各端末装置10が外部のサーバによって提供されるコンテンツを利用することとしてもよい。
【0012】
利用管理サーバ20は、PCあるいはサーバコンピュータ等の情報処理装置によって構成される。利用管理サーバ20は、端末装置10においてコンテンツの利用を管理する機能(利用の許可、利用の終了あるいは利用に対する課金等の機能)を備えている。利用管理サーバ20は、端末装置10におけるコンテンツの利用を管理する機能を実現できれば、オンプレミスサーバとして構成したり、クラウドサーバとして構成したりすることが可能である。
具体的には、利用管理サーバ20は、端末装置10からコンテンツの利用を要求する利用要求通知を受信した場合に、その端末装置10が属するグループに設定された利用条件に従って、端末装置10におけるコンテンツの利用を許可可能であるか否かを判定する。そして、コンテンツの利用を許可可能であると判定した場合に、利用管理サーバ20は、利用要求通知を送信した端末装置10に対して、コンテンツの利用許可通知を送信する。また、利用管理サーバ20は、端末装置10に対して利用許可通知を送信してから利用終了通知を受信するまでの間、その端末装置10をアクティブな端末装置10として管理し、その端末装置10が属するグループにおけるコンテンツの利用管理に反映させる。
【0013】
また、利用管理サーバ20は、コンテンツを利用している端末装置10(即ち、現在アクティブな端末装置10)のアクティブ値の合計値(以下、「合計アクティブ値」と称する。)を管理し、端末装置10が属するグループの利用条件に従って、コンテンツを利用する際の制限を設定する。そして、利用管理サーバ20は、現在アクティブな端末装置10の合計アクティブ値が制限を超える場合、予め設定された定額料金に対する追加の料金を算出し、その端末装置10が属するグループへの課金情報として管理する。
【0014】
なお、本実施形態において、コンテンツの利用を可能とする形態としては、外部のサーバにおいてコンテンツを実行する形態、外部のサーバから端末装置10にコンテンツを配信して端末装置10がコンテンツを実行する形態、外部のサーバによるコンテンツの実行と端末装置10におけるコンテンツの実行とが混在する形態等の各種利用形態とすることができる。また、外部のサーバの運用者は、利用管理サーバ20とは異なる運用者とすることが可能である。ただし、外部のサーバの運用者を利用管理サーバ20と同一の運用者とすることも可能である。また、外部のサーバによってコンテンツを提供しないシステム構成とすることも可能であり、例えば、端末装置10に記憶媒体等を介してインストールされたコンテンツ等を利用管理の対象とする場合には、外部のサーバを含まないシステム構成とできる。
【0015】
[ハードウェア構成]
図2は、端末装置10または利用管理サーバ20を構成する情報処理装置800のハードウェア構成を示す模式図である。
図2に示すように、情報処理装置800は、CPU(Central Processing Unit)811と、ROM(Read Only Memory)812と、RAM(Random Access Memory)813と、バス814と、入力部815と、出力部816と、記憶部817と、通信部818と、ドライブ819と、撮像部820と、を備えている。
【0016】
CPU811は、ROM812に記録されているプログラム、または、記憶部817からRAM813にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM813には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0017】
CPU811、ROM812及びRAM813は、バス814を介して相互に接続されている。バス814には、入力部815、出力部816、記憶部817、通信部818及びドライブ19が接続されている。
【0018】
入力部815は、各種ボタン等で構成され、指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部816は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部817は、ハードディスクあるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各サーバで管理される各種データを記憶する。
通信部818は、ネットワークを介して他の装置との間で行う通信を制御する。
【0019】
ドライブ819には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア831が適宜装着される。ドライブ819によってリムーバブルメディア831から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部817にインストールされる。
撮像部820は、レンズ及び撮像素子等を備えた撮像装置によって構成され、被写体のデジタル画像を撮像する。
【0020】
なお、上記ハードウェア構成は、情報処理装置800の基本的構成であり、一部のハードウェアを備えない構成としたり、付加的なハードウェアを備えたり、ハードウェアの実装形態を変更したりすることができる。例えば、情報処理装置800が利用管理サーバ20として構成される場合には、撮像部820を省略した構成とすることも可能である。また、情報処理装置800がタブレット端末として構成される場合には、入力部815をタッチセンサによって構成し、出力部816のディスプレイに重ねて配置することにより、タッチパネルを備える構成とすることも可能である。
【0021】
[機能的構成]
次に、情報処理システム1の機能的構成について説明する。
図3は、端末装置10の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、端末装置10のCPU811においては、ユーザインターフェース制御部(UI制御部)51と、コンテンツ利用通知部52と、コンテンツ利用実行部53と、が機能する。また、端末装置10の記憶部817には、利用者/端末識別情報記憶部71と、コンテンツ関連情報記憶部72と、が形成される。
【0022】
利用者/端末識別情報記憶部71には、端末装置10の利用者(グループ及び個人)を識別する情報(以下、「利用者識別情報」と称する。)及び端末装置10を識別する情報(以下、「端末識別情報」と称する。)が記憶される。利用者識別情報には、例えば、利用者であるグループ(企業あるいは自治体等の組織)を識別するための利用者識別情報(名称、識別番号、パスワード等)、利用者である個人の氏名及び社員番号を含めることや、コンテンツの利用のために個別に付与された識別番号等を含めることができる。端末識別情報には、例えば、端末装置10のMACアドレス、IPアドレス、固有の識別番号あるいは端末名等を含めることができる。
コンテンツ関連情報記憶部72には、ユーザによるコンテンツの選択に必要な各種情報(各グループで利用が許可されているコンテンツ名、そのコンテンツのアクティブ値等)が記憶される。
また、コンテンツ関連情報記憶部72には、利用管理サーバ20から利用許可を受けたコンテンツに関する情報が記憶される。例えば、コンテンツとしてアプリケーションの利用サービスの提供を受けた場合、コンテンツ関連情報記憶部72には、そのアプリケーションに関するデータ(各種設定データあるいはアプリケーションの実体データ等)が記憶される。
【0023】
UI制御部51は、端末装置10の利用者がコンテンツを利用するためのユーザインターフェース画面(UI画面)を表示する。例えば、UI制御部51は、コンテンツを選択するための画面表示、選択されたコンテンツの利用を要求する利用要求通知を送信するための画面表示、コンテンツの利用の終了を通知する利用終了通知を送信するための画面表示を行う。なお、UI制御部51が、コンテンツを利用するための画面表示を行うこととしてもよい。
【0024】
コンテンツ利用通知部52は、UI画面において、コンテンツの利用を要求する指示が入力された場合に、利用管理サーバ20に対し、端末装置10を識別する端末識別情報と対応付けて、コンテンツの利用要求通知を送信する。また、コンテンツ利用通知部52は、UI画面において、コンテンツの利用を終了する指示が入力された場合に、利用管理サーバ20に対し、端末装置10を識別する端末識別情報と対応付けて、コンテンツの利用終了通知を送信する。
【0025】
コンテンツ利用実行部53は、コンテンツの利用において端末装置10側に実装される機能を実現するものであり、利用管理サーバ20からコンテンツの利用許可通知を受信した場合に、利用が許可されたコンテンツの利用を開始する処理を実行する。例えば、コンテンツ利用実行部53は、利用されるコンテンツがアプリケーションである場合、そのアプリケーションを利用するための画面を表示させる。
【0026】
なお、利用されるコンテンツがアプリケーションである場合、Webアプリケーションあるいはネイティブアプリケーションを利用することや、Webアプリケーションとネイティブアプリケーションとが連携する複合的なアプリケーションを利用することが可能である。
【0027】
次に、利用管理サーバ20の機能的構成について説明する。
図4は、利用管理サーバ20の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、利用管理サーバ20のCPU811においては、パラメータ設定部151と、コンテンツ利用管理部152と、が機能する。また、利用管理サーバ20の記憶部817には、利用者情報データベース(利用者情報DB)171と、利用管理情報データベース(利用管理情報DB)172と、が形成される。
【0028】
利用者情報DB171には、利用管理サーバ20によるコンテンツの利用管理に必要な情報が記憶される。例えば、利用者情報DB171には、コンテンツを利用できるグループ(企業あるいは自治体等の組織)を識別するための利用者識別情報(名称、識別番号、パスワード等)、コンテンツを利用する端末装置を識別するための端末識別情報が記憶される。また、利用者情報DB171には、各グループについて契約等により設定されたコンテンツの利用条件が記憶されている。コンテンツの利用条件としては、例えば、コンテンツの利用について設定された単位期間(1ヶ月あるいは1週間等)、端末装置10で利用可能な1または複数種類のコンテンツとコンテンツの種類毎のアクティブ値、合計アクティブ値に対する上限等が定義される。
【0029】
利用管理情報DB172には、利用管理サーバ20におけるコンテンツを利用する利用者(グループ)について、コンテンツの利用状況を示す情報(利用管理情報)が記憶される。利用管理情報は、各利用者によるコンテンツの利用開始及び利用終了が反映される情報であり、単位期間における端末装置10からのコンテンツの利用要求通知や利用終了通知の受信時点での合計アクティブ値、及び、合計アクティブ値が、設定された上限を超えた場合の差分の値(以下、「超過合計アクティブ値」と称する。)等の時系列データを含んでいる。また、超過合計アクティブ値は利用要求通知の受信時にのみ算出することとしてもよい。なお、利用管理情報は、各グループについて設定されている単位期間毎に管理され、超過合計アクティブ値の合計値は、単位期間の開始時にリセットされる。ただし、単位期間を跨いでコンテンツを利用している端末装置10が存在する場合、最後の通知受信時点での合計アクティブ値が設定された上限値を超えているときには、リセット後に開始される単位期間において、その差分値が超過合計アクティブ値として合計値に算入される。
【0030】
パラメータ設定部151は、利用コンテンツの各種パラメータを設定する。例えば、パラメータ設定部151は、コンテンツの利用条件を参照し、利用コンテンツのアクティブ値や合計アクティブ値に対する上限を設定する。なお、パラメータ設定部151が、合計アクティブ値に対する上限を超えるコンテンツの利用に対して、超過分の利用金額を算出するための単価(アクティブ値に対する係数等)を設定することとしてもよい。
【0031】
コンテンツ利用管理部152は、コンテンツを利用する利用者(グループ)について、コンテンツの利用状況を示す利用管理情報を取得し、利用管理情報DB172に逐次記憶する。例えば、コンテンツ利用管理部152は、コンテンツを利用するグループについて設定された単位期間をカウントする。コンテンツ利用管理部152は、端末装置10からの通知(利用要求通知または利用終了通知)を受信した時点において、現在アクティブとなっているそれぞれの端末装置10に対応する合計アクティブ値に対し、新たにコンテンツの利用要求が通知される場合は、利用を要求するコンテンツのアクティブ値を加算し、あるいは、コンテンツの利用終了が通知される場合は、利用を終了するコンテンツのアクティブ値を減算したりする。また、コンテンツ利用管理部152は、新たにコンテンツの利用要求を通知した端末装置10に対応する利用コンテンツのアクティブ値を加算した結果、設定された合計アクティブ値の上限を超える場合、その差分値を超過分の利用として単位期間で積算する。
【0032】
また、コンテンツ利用管理部152は、グループに設定された合計アクティブ値の上限に対する超過利用料に基づいて、以降の単位期間における合計アクティブ値の上限を変更する提案(例えば、超過分が生じ難いよう上限の値を引き上げる提案等)を行うこととしてもよい。
【0033】
なお、端末装置10がコンテンツを利用するための前提条件を設定することが可能であり、コンテンツ利用管理部152は、この前提条件が充足されている場合にのみ、端末装置10がコンテンツを利用することができるように管理することとしてもよい。コンテンツを利用するための前提条件としては、例えば、契約で定められた決済が完了していること等を定義することができる。
【0034】
[動作]
次に、情報処理システム1の動作を説明する。
図5は、情報処理システム1においてコンテンツの利用が許可される仕組みを示す模式図である。
また、
図6は、情報処理システム1におけるコンテンツの利用管理モデルを示す模式図である。なお、
図6において、i、j、m、nは単位期間において何番目の通知か(単位期間における端末装置10からの通知の順番)を示す整数である。
以下、
図5及び
図6を適宜参照しながら、端末装置10が実行するコンテンツ利用処理及び利用管理サーバ20が実行するコンテンツ利用管理処理について説明する。
【0035】
[コンテンツ利用処理]
図7は、端末装置10が実行するコンテンツ利用処理の流れを示すフローチャートである。
コンテンツ利用処理は、端末装置10において、コンテンツ利用処理の実行を指示する操作が行われることに対応して開始される。
【0036】
コンテンツ利用処理が開始されると、ステップS1において、UI制御部51は、端末装置10でコンテンツを利用するためのユーザインターフェース画面(UI画面)を表示する。
ステップS2において、UI制御部51は、利用者によるコンテンツの選択を受け付ける。
【0037】
ステップS3において、コンテンツ利用通知部52は、利用管理サーバ20に対し、端末装置10を識別する端末識別情報と対応付けて、利用するコンテンツ(選択されたコンテンツ)のコンテンツの利用要求通知を送信する。
図5においては、コンテンツの利用要求通知が端末装置10から利用管理サーバ20に送信されることが示されている。
ステップS4において、コンテンツ利用実行部53は、利用管理サーバ20からコンテンツの利用許可通知を受信する。
図5においては、コンテンツの利用許可通知が利用管理サーバ20から端末装置10に送信されることが示されている。
【0038】
ステップS5において、コンテンツ利用実行部53は、利用が許可されたコンテンツを利用するための処理を実行する。
ステップS6において、UI制御部51は、利用者によって、コンテンツの利用を終了する操作が行われたか否かの判定を行う。
【0039】
利用者によって、コンテンツの利用を終了する操作が行われていない場合、ステップS6においてNOと判定されて、処理はステップS5に移行する。
利用者によって、コンテンツの利用を終了する操作が行われた場合、ステップS6においてYESと判定されて、処理はステップS7に移行する。
ステップS7において、コンテンツ利用通知部52は、UI画面において、利用管理サーバ20に対し、端末装置10を識別する端末識別情報と対応付けて、コンテンツの利用終了通知を送信する。
図5においては、コンテンツの利用終了通知が端末装置10から利用管理サーバ20に送信されることが示されている。
ステップS7の後、コンテンツ利用処理は終了する。
【0040】
上述のようなコンテンツ利用処理において、端末装置10については、利用管理サーバ20からコンテンツの利用許可通知が送信された時刻から、端末装置10からコンテンツの利用終了通知が送信された時刻までが、端末装置10がアクティブであった時間として管理される。また、端末装置10で利用したコンテンツに応じたアクティブ値が管理される。
【0041】
[コンテンツ利用管理処理]
次に、利用管理サーバ20が実行するコンテンツ利用管理処理について説明する。
図8は、利用管理サーバ20が実行するコンテンツ利用管理処理の流れを示すフローチャートである。
コンテンツ利用管理処理は、各グループについて設定された単位期間の開始時に、各グループを対象として自動的に開始される。
【0042】
コンテンツ利用管理処理が開始されると、ステップS11において、パラメータ設定部151は、コンテンツの利用条件を参照し、コンテンツを利用するグループについて、合計アクティブ値に対する上限を設定する。
図6においては、合計アクティブ値に対する上限がUAVとして示されている。
【0043】
ステップS12において、コンテンツ利用管理部152は、コンテンツを利用するグループについて設定された単位期間のカウントをリセットする。
図6においては、単位期間がL(時刻T0からTLまで)として示されており、ステップS12において、時刻T0からカウントが開始される。
ステップS13において、コンテンツ利用管理部152は、グループに属する端末装置10からの通知(利用要求通知または利用終了通知)を受信する。
【0044】
ステップS14において、コンテンツ利用管理部152は、端末装置10から受信した通知の種類が利用要求通知であるか利用終了通知であるかの判定を行う。
端末装置10から受信した通知の種類が利用終了通知である場合、処理はステップS15に移行する。
一方、端末装置10から受信した通知の種類が利用要求通知である場合、処理はステップS16に移行する。
【0045】
ステップS15において、コンテンツ利用管理部152は、利用終了通知を受信した時点における合計アクティブ値から、受信した端末装置10において利用を終了するコンテンツに対応するアクティブ値を減算して、受信した時点における合計アクティブ値を更新する。
図6においては、アクティブ値の合計値が合計アクティブ値(TAV)として示され、単位期間の開始時点における合計アクティブ値がTAV0であることが示されている。TAV0は、前の単位期間から継続してコンテンツを利用しているそれぞれの端末装置10のコンテンツの合計アクティブ値である。また、
図6においては、端末装置10のコンテンツ利用の終了に応じて、単位期間におけるj番目の通知の中での終了時刻t2(j)において合計アクティブ値から終了コンテンツのアクティブ値AVrが減算され、また、単位期間のm番目の通知の中での終了時刻t2(m)において合計アクティブ値から終了コンテンツのアクティブ値AVuが減算されて合計アクティブ値が更新されている。
ステップS15の後、処理はステップS24に移行する。
【0046】
ステップS16において、コンテンツ利用管理部152は、利用要求通知を受信した端末装置10が属するグループの利用条件を参照し、利用要求通知を受信した端末装置10のコンテンツの利用が可能であるか否かの判定を行う。
利用要求通知を受信した端末装置10のコンテンツの利用が可能でない場合、ステップS16においてNOと判定されて、処理はステップS17に移行する。
一方、利用要求通知を受信した端末装置10のコンテンツの利用が可能である場合、ステップS16においてYESと判定されて、処理はステップS18に移行する。
【0047】
ステップS17において、コンテンツ利用管理部152は、利用要求通知を受信した端末装置10のコンテンツの利用を拒絶する。なお、このとき、コンテンツの利用が拒絶された旨、及び、その理由を端末装置10に送信することとしてもよい。
ステップS17の後、処理はステップS24に移行する。
【0048】
ステップS18において、コンテンツ利用管理部152は、利用要求通知を受信した端末装置10がコンテンツを利用した場合の合計アクティブ値が合計アクティブ値に対する上限以下であるか否かの判定を行う。
利用要求通知を受信した端末装置10がコンテンツを利用した場合の合計アクティブ値が合計アクティブ値に対する上限以下でない場合、ステップS18においてNOと判定されて、処理はステップS21に移行する。
一方、利用要求通知を受信した端末装置10がコンテンツを利用した場合の合計アクティブ値が合計アクティブ値に対する上限以下である場合、ステップS18においてYESと判定されて、処理はステップS19に移行する。
【0049】
ステップS19において、コンテンツ利用管理部152は、利用要求通知を受信した端末装置10に対して利用許可通知を送信する。
ステップS20において、コンテンツ利用管理部152は、利用許可通知を送信した端末装置10が利用するコンテンツに応じてアクティブ値を合計アクティブ値に加算して合計アクティブ値を更新する。
図6においては、複数の端末装置10によるコンテンツ利用の開始に応じて、単位期間のi番目の通知タイミングの時刻t1(i)において合計アクティブ値に利用開始コンテンツのアクティブ値AVpが加算され、また、その直後の(i+1)番目の通知タイミングの時刻t1(i+1)において合計アクティブ値に利用開始コンテンツのアクティブ値AVqが加算されて合計アクティブ値が更新されている。
【0050】
ステップS21において、コンテンツ利用管理部152は、利用要求通知を受信した端末装置10に対して利用許可通知を送信する。なお、このときコンテンツを利用する端末装置10については、グループに設定された合計アクティブ値の上限を超える利用となるため、利用許可通知と共に、合計アクティブ値の上限を超える利用であることを通知してもよい。
図6においては、例えば、時刻t1(n)においてグループに設定された合計アクティブ値の上限UAVを超える利用が行われている。
ステップS22において、コンテンツ利用管理部152は、利用許可通知を送信した端末装置10が利用するコンテンツに応じてアクティブ値を加算して合計アクティブ値を更新する。
【0051】
ステップS23において、コンテンツ利用管理部152は、ステップS22で更新した合計アクティブ値とグループに設定された合計アクティブ値の上限との差分値を超過分として利用管理情報DB172に記憶する。
ステップS24において、コンテンツ利用管理部152は、コンテンツを利用するグループについて設定された単位期間が終了したか否かの判定を行う。
コンテンツを利用するグループについて設定された単位期間が終了していない場合、ステップS24においてNOと判定されて、処理はステップS13に移行する。
一方、コンテンツを利用するグループについて設定された単位期間が終了した場合、ステップS24においてYESと判定されて、処理はステップS25に移行する。
【0052】
ステップS25において、コンテンツ利用管理部152は、単位期間中に、グループに設定された合計アクティブ値の上限に対する超過分として記憶されたアクティブ値の合計を算出し、利用管理情報DB172に記憶する。
ステップS26において、コンテンツ利用管理部152は、コンテンツ利用管理処理の終了が指示されたか否かの判定を行う。コンテンツ利用管理処理の終了は、例えば、グループとの契約が終了した場合や、利用管理サーバ20の稼動が停止される場合等に指示される。
コンテンツ利用管理処理の終了が指示されていない場合、ステップS26においてNOと判定されて、処理はステップS12に移行する。
一方、コンテンツ利用管理処理の終了が指示された場合、ステップS26においてYESと判定されて、コンテンツ利用管理処理は終了する。
【0053】
このような処理により、グループに属する端末装置10からコンテンツの利用要求通知が送信された場合に、その端末装置10で利用するコンテンツに応じたアクティブ値がグループ全体における通知時点の合計アクティブ値に加算され、合計アクティブ値が更新されると共にグループに設定された合計アクティブ値の上限との関係が判定される。また、グループに属する端末装置10からコンテンツの利用終了通知が送信された場合には、その端末装置10で利用していたコンテンツに応じたアクティブ値がグループ全体における通知時点の合計アクティブ値から減算され、合計アクティブ値が更新される。そして、単位期間を通じて、グループに設定された合計アクティブ値の上限を超えたコンテンツの利用の超過分が積算されて、グループに対する超過料金の請求が行われる。
したがって、利用管理サーバ20は、グループに属する複数の端末装置10によるコンテンツの利用状況を適確に管理しつつ、設定された閾値(グループに設定された合計アクティブ値の上限)を超過する分の利用に対して、利用量に応じた適切な利用金額を加算して請求することができる。
【0054】
[具体的適用例]
次に、本実施形態の情報処理システム1における課金形態の一例について説明する。
ここでは、以下に示す月額利用料が設定された3つのアプリケーションが利用されるものとする。
(1)アプリケーション#1(APP1):1利用者当たり月額500円
(2)アプリケーション#2(APP2):1利用者当たり月額1000円
(3)アプリケーション#3(APP3):1利用者当たり月額2000円
【0055】
なお、従来の課金形態では、例えば、月ベースの各アプリケーションの利用者数をアプリケーション#1が20人、アプリケーション#2が50人、アプリケーション#3が30人と想定すると、月額利用料として、人数とアプリケーション毎の月額利用料との乗算値が合計され、
500×20+1000×50+2000×30=120000円/月
の契約をすることになる。
【0056】
これに対し、本実施形態における課金形態では、グループ全体の合計アクティブ値について、想定した期間の想定月(単位期間)内における最大値を想定して、グループに設定された合計アクティブ値の上限(UAV)に従ってグループに対する月額利用料を決定する。
例えば、アプリケーション#1の想定利用者を20人、アプリケーション#2の想定利用者を50人、アプリケーション#3の想定利用者を30人と想定し、各利用者がアプリケーションを利用した場合の合計アクティブ値における最大値を想定する。
【0057】
さらに、各アプリケーションの想定利用者数の50%が最大の重なり利用者(同時にアプリケーションを利用する利用者)になると想定した場合、各アプリケーションの想定利用者数の50%とアプリケーション毎の月額利用料との乗算値が合計され、
500×10+1000×25+2000×15=60000円/月
がグループに設定された合計アクティブ値の上限(UAV)となり、60000円を月額利用料として契約をすることになる。
また、本実施形態における課金形態では、グループに属する端末装置10によるアプリケーションの利用開始及び利用終了毎に、アクティブ値の加算及び減算が行われ、グループに設定された合計アクティブ値の上限(UAV)以下であるか否かに応じて、月額利用料に対する超過分の課金が行われる。
【0058】
具体的には、各アプリケーションの利用許可通知/利用終了通知のタイミング毎に、
(1)アプリケーション#1の利用許可通知時には+500円、利用終了通知時には-500円、
(2)アプリケーション#2の利用許可通知時には+1000円、利用終了通知時には-1000円、
(3)アプリケーション#3の利用許可通知時には+2000円、利用終了通知時には-2000円
をアクティブ値として1つ前のタイミングでの合計アクティブ値に加え合わせる。この結果、端末装置10それぞれの合計アクティブ値(TAV)が、グループに設定された合計アクティブ値の上限(UAV)を超える毎に、その差分値が超過分として積算され、単位期間における超過分の積算値が超過利用料として次回の徴収タイミングで徴収される。
このような課金形態により、アプリケーションの定額課金に対し、合理的な従量課金を適用して、コンテンツの利用に対してより適切に課金することが可能となる。
【0059】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態における情報処理システム1では、グループに設定された合計アクティブ値の上限に基づいて月額利用料を設定し、グループに設定された合計アクティブ値の上限を超えるコンテンツの利用が行われた場合に超過分の利用料が加算され、単位期間における超過分の利用料が積算されて、超過利用料とされるものとした。
【0060】
これに対し、本実施形態に係る情報処理システム1では、月額利用料を予め設定することなく、端末装置10の利用者が利用するコンテンツと、そのコンテンツの利用時間とを管理し、コンテンツに応じたアクティブ値と利用時間とを乗算した値をグループの端末装置10全体で積算させた値を実効期間で除算することにより、グループの利用料を算出することとしている。即ち、本実施形態に係る情報処理システム1では、単位期間におけるグループ全体の平均アクティブ値を算出し、平均アクティブ値を反映させた従量課金としている。
これにより、単位期間を通じて平均化されたコンテンツの利用度合いに応じて従量課金を行うことができる。
したがって、コンテンツの利用に対する価値をより適切な方法で算出することが可能となる。
【0061】
なお、単位期間に対する実効期間は、単位期間における有意な時間として設定することができる。例えば、単位期間内に就業時間帯を含む場合(例えば、月、週、日などの場合)、日ベースの就業時間を、仮に、9:00-18:00(9時間)と定めれば、月を単位期間とした場合は、当該月が含む日数を9時間に乗じて実効期間とすることができる。週であれば、通常は45時間を実効期間とすることができる。また、日であれば、9時間を実効期間とすることができる。さらに、就業時間帯より微小なケース、例えば、秒当たり一定のアクティブ値が定められた従量利用の場合は、利用許可通知時刻から利用終了通知時刻までの秒数を掛け合わせた数値が従量利用料となり、実効期間は1秒とすることができる。
【0062】
本実施形態に係る情報処理システム1の端末装置10及び利用管理サーバ20の機能的構成は、第1実施形態と同様である。
ただし、本実施形態に係る情報処理システム1では、利用管理サーバ20のコンテンツ利用管理部152の構成が第1実施形態と異なっている。
コンテンツ利用管理部152は、利用管理サーバ20により管理されるコンテンツを利用する利用者(グループ)について、コンテンツの利用状況を示す利用管理情報を取得し、利用管理情報DB172に逐次記憶する。例えば、コンテンツ利用管理部152は、コンテンツを利用するグループについて設定された単位期間をカウントする。コンテンツ利用管理部152は、グループに属する端末装置10からの通知(利用要求通知または利用終了通知)を受信した時点において、合計アクティブ値、及び直前の合計アクティブ値に対し、その合計アクティブ値が継続した時間を乗算し、合計アクティブ値の面積値を算出する(以下、この面積値を「面積合計アクティブ値」と称する。)。また、コンテンツ利用管理部152は、面積合計アクティブ値を単位期間全体について合算し、単位期間における実効期間で除算することにより、単位期間における平均アクティブ値を算出する。さらに、コンテンツ利用管理部152は、平均アクティブ値に基づいてグループのコンテンツ利用料を決定し、グループに対する課金情報として利用管理情報DB172に記憶する。
【0063】
なお、端末装置10のコンテンツを利用するための前提条件を設定することができ、コンテンツ利用管理部152は、この前提条件が充足されている場合にのみ、グループに属する端末装置10のコンテンツを利用することができることとしてもよい。コンテンツを利用するための前提条件としては、例えば、契約で定められた決済が完了していること等を定義することができる。
【0064】
[動作]
次に、情報処理システム1の動作を説明する。
図9は、第2実施形態に係る情報処理システム1におけるコンテンツの利用課金サービスモデルを示す模式図である。なお、
図9において、i、j、mは単位期間において何番目の通知か(単位期間における端末装置10からの通知の順番)を示す整数である。
以下、
図9を適宜参照しながら、利用管理サーバ20が実行するコンテンツ利用管理処理について説明する。
【0065】
[コンテンツ利用管理処理]
図10は、利用管理サーバ20が実行するコンテンツ利用管理処理の流れを示すフローチャートである。
コンテンツ利用管理処理は、各グループについて設定された単位期間の開始時に、各グループを対象として自動的に開始される。それにより、その単位期間での端末装置10におけるコンテンツの利用処理に対応することができる。
【0066】
コンテンツ利用管理処理が開始されると、ステップS111において、コンテンツ利用管理部152は、合計アクティブ値の初期値を設定する。合計アクティブ値の初期値は、コンテンツ利用管理処理の開始直後(最初の単位期間の開始時)はゼロ、2回目の単位期間以降は、直前の単位期間の最後の通知時の合計アクティブ値とされる。
図9においては、合計アクティブ値の初期値がTAV0として示されている。
ステップS112において、コンテンツ利用管理部152は、コンテンツを利用するグループについて設定された単位期間のカウントをリセットする。
図9においては、単位期間がL(時刻T0からTLまで)として示されており、ステップS112において、時刻T0からカウントが開始される。
【0067】
ステップS113において、コンテンツ利用管理部152は、グループに属する端末装置10からの通知(利用要求通知または利用終了通知)を受信する。
ステップS114において、コンテンツ利用管理部152は、端末装置10から受信した通知の種類が利用要求通知であるか利用終了通知であるかの判定を行う。
端末装置10から受信した通知の種類が利用終了通知である場合、処理はステップS115に移行する。
一方、端末装置10から受信した通知の種類が利用要求通知である場合、処理はステップS117に移行する。
【0068】
ステップS115において、コンテンツ利用管理部152は、合計アクティブ値から、利用終了通知を受信した端末装置10に対応するアクティブ値を減算して、受信した時点における合計アクティブ値を更新する。
図9においては、端末装置10のコンテンツ利用の終了に応じて、単位期間におけるj番目の通知の中での終了時刻t2(j)において合計アクティブ値から終了コンテンツのアクティブ値AVrが減算され、また、単位期間のm番目の通知の中での終了時刻t2(m)において合計アクティブ値から終了コンテンツのアクティブ値AVuが減算されて合計アクティブ値が更新されている。
ステップS116において、コンテンツ利用管理部152は、直前の合計アクティブ値に対し、その合計アクティブ値が継続した時間を乗算し、面積合計アクティブ値(合計アクティブ値×継続時間)を算出する。このとき算出された面積合計アクティブ値は、コンテンツ利用管理部152に記憶される。
ステップS116の後、処理はステップS122に移行する。
【0069】
ステップS117において、コンテンツ利用管理部152は、利用要求通知を受信した端末装置10が属するグループの利用条件を参照し、利用要求通知を受信した端末装置10のコンテンツの利用が可能であるか否かの判定を行う。
利用要求通知を受信した端末装置10のコンテンツの利用が可能でない場合、ステップS117においてNOと判定されて、処理はステップS118に移行する。
一方、利用要求通知を受信した端末装置10のコンテンツの利用が可能である場合、ステップS117においてYESと判定されて、処理はステップS119に移行する。
【0070】
ステップS118において、コンテンツ利用管理部152は、利用要求通知を受信した端末装置10のコンテンツの利用を拒絶する。なお、このとき、コンテンツの利用が拒絶された旨、及び、その理由を端末装置10に送信することとしてもよい。
ステップS118の後、処理はステップS122に移行する。
ステップS119において、コンテンツ利用管理部152は、利用要求通知を受信した端末装置10に対して利用許可通知を送信する。
ステップS120において、コンテンツ利用管理部152は、利用許可通知を送信した端末装置10が利用するコンテンツに応じてアクティブ値を合計アクティブ値に加算して合計アクティブ値を更新する。
図9においては、複数の端末装置10によるコンテンツ利用の開始に応じて、単位期間のi番目の通知タイミングの時刻t1(i)において合計アクティブ値に利用開始コンテンツのアクティブ値AVpが加算され、また、その直後の(i+1)番目の通知タイミングの時刻t1(i+1)において合計アクティブ値に利用開始コンテンツのアクティブ値AVqが加算されて合計アクティブ値が更新されている。
【0071】
ステップS121において、コンテンツ利用管理部152は、直前の合計アクティブ値に対し、その合計アクティブ値が継続した時間を乗算し、面積合計アクティブ値(合計アクティブ値×継続時間)を算出する。このとき算出された面積合計アクティブ値は、コンテンツ利用管理部152に記憶される。
ステップS122において、コンテンツ利用管理部152は、コンテンツを利用するグループについて設定された単位期間が終了したか否かの判定を行う。
コンテンツを利用するグループについて設定された単位期間が終了していない場合、ステップS122においてNOと判定されて、処理はステップS113に移行する。
一方、コンテンツを利用するグループについて設定された単位期間が終了した場合、ステップS122においてYESと判定されて、処理はステップS123に移行する。
【0072】
ステップS123において、コンテンツ利用管理部152は、面積合計アクティブ値を単位期間全体について合算し、さらに、単位期間の終了時と最後の通知時との時間差に最後の通知時における合計アクティブ値を乗じた値を加算し(以下、この値を「端処理済み面積合計アクティブ値」と称する。)、単位期間における実効期間で除算することにより、単位期間における平均アクティブ値を算出する。このとき算出された端処理済み面積合計アクティブ値及び平均アクティブ値は、コンテンツ利用管理部152に記憶される。
図9においては、単位期間における実効期間がLeとして示されており、端処理済み面積合計アクティブ値を実効期間Leで除算することで、平均アクティブ値が算出される。
【0073】
ステップS124において、コンテンツ利用管理部152は、コンテンツ利用管理処理の終了が指示されたか否かの判定を行う。コンテンツ利用管理処理の終了は、例えば、グループとの契約が終了した場合や、利用管理サーバ20の稼動が停止される場合等に指示される。
コンテンツ利用管理処理の終了が指示されていない場合、ステップS124においてNOと判定されて、処理はステップS111に移行する。
一方、コンテンツ利用管理処理の終了が指示された場合、ステップS124においてYESと判定されて、コンテンツ利用管理処理は終了する。
【0074】
このような処理により、単位期間におけるグループ全体の平均アクティブ値が算出され、平均アクティブ値を反映させた従量課金が行われる。
これにより、単位期間を通じて平均化されたコンテンツの利用度合いに応じて従量課金を行うことができる。
したがって、コンテンツの利用に対する価値をより適切な方法で算出することが可能となる。
【0075】
[具体的適用例]
次に、本実施形態の情報処理システム1における課金形態の一例について説明する。
ここでは、アプリケーション#1~#3がグループに属する複数の利用者によって利用されるものとし、各アプリケーションの利用許可通知/利用終了通知のタイミング毎に、
(1)アプリケーション#1の利用許可通知時には+500円、利用終了通知時には-500円、
(2)アプリケーション#2の利用許可通知時には+1000円、利用終了通知時には-1000円、
(3)アプリケーション#3の利用許可通知時には+2000円、利用終了通知時には-2000円
をアクティブ値として1つ前のタイミングでの合計アクティブ値(TAV)に加算するものとする。
【0076】
即ち、単位期間のi番目の利用許可通知タイミングの時刻t1(i)において、直前のタイミングでのTAVが継続した時間が乗算され、面積合計アクティブ値が算出される。また、そのタイミングが、アプリケーション#1の利用許可通知の場合には、直前のタイミングでのTAVにアクティブ値+500円を加算しTAVを算出する。さらには、その直後の単位期間の(i+1)番目の利用許可通知タイミングの時刻t1(i+1)において、算出されたTAVに継続時間、即ち、(t1(i+1)-t1(i))を乗じて、面積合計アクティブ値を算出する。このタイミングが、アプリケーション#2の利用許可を通知した場合には、算出されたTAVにアクティブ値+1000円を加算し、時刻t1(i+1)のTAVを算出する。単位期間のj番目の利用終了通知タイミングの時刻t2(j)において、直前のタイミングでのTAVが継続した時間が乗算され、面積合計アクティブ値が算出される。また、そのタイミングが、アプリケーション#3の利用終了通知の場合には、時刻t2(j)の直前のタイミングでのTAVに-2000円を加算し、時刻t2(j)のTAVを算出する。
【0077】
注目する単位期間に発行される通知の数をNとすると、単位期間における面積合計アクティブ値の合計値全体は、Σi(合計アクティブ値×継続時間)に、N番目の通知タイミングにおける合計アクティブ値に単位期間の終了時刻までの継続時間を乗じた値を加算して算出される。ただし、i=1~N(整数)であり、注目する単位期間の合計アクティブ値の初期値はTAV0であるものとする。
そして、注目する単位期間に含まれる就業日数に就業時間を乗じて算出した実効期間で面積合計アクティブ値の合計値全体を除算することで、単位期間を通じて平均化されたコンテンツの利用度合いに応じた従量課金額が算出される。
このような課金形態により、従来、定額課金とされていた利用料を従量課金に変換することが可能となり、合理的な従量課金を適用して、コンテンツの利用に対してより適切に課金することが可能となる。
【0078】
以上説明した実施形態において、情報処理システム1を適用して実現される課金形態は、コンテンツを利用する主体(グループ)や客体(コンテンツの内容)等に応じて、種々の変形を行うことができる。
【0079】
[変形例1]
第1実施形態において、グループに設定された合計アクティブ値の上限UAVを固定的に設定する場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。
即ち、直近の1単位期間または複数単位期間において、グループに設定された合計アクティブ値の上限UAVを超過したコンテンツの利用パターンに基づいて、合計アクティブ値の最大値(実績値)あるいは予想される最大値(推定値)を加えること等により、グループに設定された合計アクティブ値の上限UAVを変更することとしてもよい。
これにより、定額課金の要素を修正しつつ従量課金と組み合わせ、コンテンツの利用に対してより適切に課金することが可能となる。
【0080】
[変形例2]
第1実施形態において、グループに設定された合計アクティブ値の上限UAVを設定し、合計アクティブ値が上限UAVを超えるか否かに基づいて、超過分の課金を行う場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。
即ち、コンテンツの利用が定額課金分を超えるか否かを判定する基準を複数設定し、それぞれの基準を超えている場合に、超過分として従量課金を行うこととしてもよい。
例えば、コンテンツの内容によっては、利用者数がコンテンツの価値を示す指標となる場合や、情報処理量がコンテンツの価値を示す指標となる場合等があり得る。一例として、音楽や動画等のエンターテインメント系のコンテンツでは、利用者数がコンテンツの価値(人気や売上等)を示す指標となる。また、学術的な計算やシミュレーション等を行うアプリケーションでは、タスクの実行数やコンピュータリソースの使用率等の情報処理量がコンテンツの価値を示す指標となる。
【0081】
したがって、例えば、コンテンツが利用されることによって利用者に提供される価値を複数の要素(利用者数や情報処理量等)の観点からそれぞれ定義し、それぞれの要素において、アクティブ値に相当する指標及びその指標における上限を設定することができる。そして、コンテンツの利用サービスが提供される際には、これら複数の要素におけるアクティブ値に相当する指標が上限を超えたか否かによって、超過分の利用を積算し、超過分の利用については、次回の徴収タイミングで利用者から従量課金した料金を徴収することができる。
【0082】
また、第2実施形態において、単位期間におけるグループ全体の平均アクティブ値を算出する場合にも、複数の要素におけるアクティブ値毎に、合計アクティブ値と、その継続時間とを乗算し、複数の要素毎のアクティブ値の平均アクティブ値を算出したり、複数の要素全体の平均アクティブ値を算出したりすることとしてもよい。
このような課金形態により、コンテンツの内容に適合した価値の指標を設定することができ、種々のコンテンツの利用に対してより適切に課金することが可能となる。
【0083】
[変形例3]
第1実施形態及び第2実施形態において、本発明をコンテンツの利用に対する課金を行う場合に適用した例について説明したが、これに限られない。
即ち、コンテンツの価値は、利用料金に限られず、コンテンツの需要の大きさ、人気、利用量(利用回数や利用時間)、利用者の数、利用の継続性等によって推し量ることができる。
そこで、本発明をコンテンツの利用に適用する場合に、利用料金以外のコンテンツの価値を示す指標を客観的に出力し得る技術として用いることができる。
【0084】
これにより、例えば、アプリケーションのマーケットにおいて、分野毎に人気が高いアプリケーションのみが商品またはサービスとして残され、他のアプリケーションは提供対象から除外されていくような場合に、いずれのアプリケーションを提供対象として残すかを判断するための客観的な情報を得ることが可能となる。また、コンテンツの利用形態として、どのような指標における価値が高いものであるかを明確に把握することが可能となるため、利用者層に応じて適切なコンテンツを選定したり、コンテンツの潜在的な需要の分析を行ったりすることが可能となる。
【0085】
以上のように構成される情報処理システム1は、端末装置10と、利用管理サーバ20とを含む。端末装置10は、コンテンツ利用通知部52と、コンテンツ利用実行部53と、を含む。利用管理サーバ20は、コンテンツ利用管理部152を含む。
コンテンツ利用管理部152は、端末装置10からコンテンツの利用を要求する利用要求通知を受信する。
コンテンツ利用管理部152は、利用要求通知が受信された場合に、コンテンツの利用に対する許可条件が充足されているか否かを判定し、許可条件が充足されている場合に、端末装置に対してコンテンツの利用を許可する利用許可通知を送信すると共に、利用許可通知が送信された後からコンテンツの利用が終了するまでの間について、コンテンツの利用開始及び利用終了が反映されるコンテンツの利用を示すデータ(合計アクティブ値あるいは面積合計アクティブ値等)を管理する。
コンテンツ利用管理部152は、管理されるコンテンツの利用を示すデータに基づいて、コンテンツの利用に関する価値の指標値を算出する。
コンテンツ利用通知部52は、コンテンツの利用を要求する利用要求通知を送信する。
コンテンツ利用実行部53は、利用管理サーバ20から利用許可通知を受信することに対応して、コンテンツの利用に関する処理を実行する。
これにより、実際の利用状況に適合したコンテンツの利用価値の指標値(利用金額等)の設定及びコンテンツの利用管理を行うことができる。
したがって、コンテンツの利用に対する価値をより適切な方法で算出することが可能となる。
【0086】
コンテンツの利用を示すデータは、コンテンツの種類毎に利用開始に対応する加算値及び利用終了に対応する減算値が設定される。
コンテンツ利用管理部152は、利用許可通知が送信されることに対応して、当該コンテンツの種類に応じた加算値を加算し、コンテンツの利用が終了することに対応して、当該コンテンツの種類に応じた減算値を減算する。
これにより、利用されるコンテンツの内容を適確に反映させて、コンテンツの利用状況を数値化することができる。
また、1つのグループ内において、複数のコンテンツを複数人で利用する場合に、従来は月額利用料をコンテンツの数あるいは人数に応じて加算していた利用料金モデルを、合理的により低価格な利用料とすることができ、定額利用料として設定されるサブスクリプションを従量利用料に変換することが可能なシステムを実現することができる。
【0087】
コンテンツ利用管理部152は、端末装置10からコンテンツの利用終了を通知する利用終了通知を受信する。
コンテンツ利用管理部152は、利用許可通知が送信された場合にコンテンツの利用開始に対応する加算値データを加算し、利用終了通知が受信された場合にコンテンツの利用終了に対応する減算値データを減算する。
これにより、利用者によるコンテンツの利用状況を適確に反映させて、コンテンツの利用状況を数値化することができる。
【0088】
コンテンツ利用管理部152は、利用要求通知が受信された場合に、コンテンツの利用を開始することにより、利用開始に対応する加算値が加算されてコンテンツの利用を示すデータが設定された上限値を超えるか否かを判定し、利用開始に対応する加算値が加算されてもコンテンツの利用を示すデータが設定された上限値を超えない場合、上限値に対応するコンテンツの利用に関する価値の指標値の範囲内における利用とし、利用開始に対応する加算値が加算されるとコンテンツの利用を示すデータが設定された上限値を超える場合、上限値に対する超過分としてコンテンツの利用に関する価値の指標値を加算する。
これにより、コンテンツの利用状況を示すデータが、定数として設定される上限値を超えた場合に、従量的な要素を反映させることが可能となる。
【0089】
コンテンツ利用管理部152は、設定された単位期間において、上限値に対する超過分として加算されたコンテンツの利用に関する価値の指標値を合計し、上限値に対応するコンテンツの利用に関する価値の指標値に対して追加の価値の指標値を加算する。
これにより、コンテンツの利用状況を示すデータが、定数として設定される上限値を超えた場合に、適切に従量的な要素を反映させて、コンテンツの利用に関する価値の指標値を算出することができる。
【0090】
コンテンツ利用管理部152は、利用許可通知が送信された後からコンテンツの利用が終了するまでの間について、コンテンツの利用を示すデータを積算すると共に、設定された単位期間において積算された全てのコンテンツの利用を示すデータを合計し、合計値の平均を算出する。
これにより、設定された単位期間全体におけるコンテンツの利用状況を適切に把握することが可能となる。
【0091】
コンテンツ利用管理部152は、設定された単位期間において積算された全てのコンテンツの利用を示すデータの合計値を、単位期間のうちコンテンツの利用について設定された実効期間に基づいて平均を算出する。
これにより、利用者の実稼働時間等、単位期間における有意な時間を反映させて、コンテンツの利用状況を適切に把握することが可能となる。
【0092】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の実施形態において、端末装置10におけるコンテンツの利用形態は種々の方法で管理することが可能である。例えば、コンテンツを既に利用している1つの端末装置10において、利用終了通知を送信することなく、別のコンテンツの利用要求通知が送信された場合、先行して利用していたコンテンツの利用を終了し、新たに送信された利用要求通知を処理することとしてもよい。また、1つの端末装置10から複数のコンテンツを利用できることとしてもよく、この場合、1つの端末装置10から複数のコンテンツの利用要求通知が送信され、利用が許可されたコンテンツの利用毎に、アクティブ値の加算及び減算を行うことが可能である。
また、上述の実施形態における情報処理システム1のシステム構成は一例であり、情報処理システム1の機能が全体として実現されていれば、利用管理サーバ20の機能をより多くのサーバに分散して実装すること等が可能である。また、利用管理サーバ20とコンテンツを提供する外部のサーバとを1つのサーバとして構成することとしてもよい。
また、上述の実施形態において、アクティブ値がコンテンツの利用料金に相当するパラメータである場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。即ち、アクティブ値は、コンテンツの利用状況を示すパラメータとし、アクティブ値に基づいてコンテンツの価値の指標(利用料金等)を別途算出することとしてもよい。
また、上述の実施形態において、コンテンツを利用している端末装置10が利用終了通知を送信した場合に、利用管理サーバ20がコンテンツのアクティブ値を減算するものとしたが、これに限られない。例えば、コンテンツを利用している端末装置10が利用終了通知を送信することなく、他のコンテンツの利用要求通知を利用管理サーバ20に送信した場合、端末装置10が先に利用していたコンテンツについては、利用管理サーバ20が自動的にコンテンツの利用を終了し、アクティブ値を減算することとしてもよい。
また、第2実施形態において、合計アクティブ値の平均値を算出するものとしたが、これに限られない。即ち、合計アクティブ値の平均値は、単純平均とすることの他、加重平均、幾何平均、調和平均、対数平均等、利用料金の設定コンセプト等に適合した各種平均を用いることができる。
【0093】
また、上述の実施形態に記載された例を適宜組み合わせて、本発明を実施することが可能である。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図3,4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図3,4の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0094】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0095】
プログラムを記憶する記憶媒体は、装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディア、あるいは、装置本体に予め組み込まれた記憶媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクあるいはフラッシュメモリ等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray Disc(登録商標)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。フラッシュメモリは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリあるいはSDカードにより構成される。また、装置本体に予め組み込まれた記憶媒体は、例えば、プログラムが記憶されているROMやハードディスク等で構成される。
【0096】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【符号の説明】
【0097】
1 情報処理システム、10 端末装置、20 利用管理サーバ、30 ネットワーク、800 情報処理装置、811 CPU、812 ROM、813 RAM、814 バス、815 入力部、816 出力部、817 記憶部、818 通信部、819 ドライブ、820 撮像部、831 リムーバブルメディア、51 UI制御部、52 コンテンツ利用通知部、53 コンテンツ利用実行部、71 利用者/端末識別情報記憶部、72 コンテンツ関連情報記憶部、151 パラメータ設定部、152 コンテンツ利用管理部、153 コンテンツ利用可能化部、171 利用者情報データベース(利用者情報DB)、172 利用管理情報データベース(利用管理情報DB)
【要約】
【課題】コンテンツの利用に対する価値をより適切な方法で算出する。
【解決手段】情報処理システム1において、コンテンツ利用管理部152は、端末装置10からコンテンツの利用を要求する利用要求通知を受信すると、コンテンツの利用に対する許可条件が充足されている場合、端末装置10に対してコンテンツの利用を許可する利用許可通知を送信し、利用許可通知が送信された後からコンテンツの利用が終了するまでの間について、コンテンツの利用開始及び利用終了が反映されるコンテンツの利用を示すデータを管理する。コンテンツ利用管理部152は、管理されるコンテンツの利用を示すデータに基づいて、コンテンツの利用に関する価値の指標値を算出する。端末装置10は、コンテンツの利用要求通知を送信し、利用許可通知を受信すると、コンテンツの利用に関する処理を実行する。
【選択図】
図4