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特許7397236基材接着性が強化されたUV/湿気二重硬化組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-04
(45)【発行日】2023-12-12
(54)【発明の名称】基材接着性が強化されたUV/湿気二重硬化組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 83/08 20060101AFI20231205BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20231205BHJP
   C08K 5/5415 20060101ALI20231205BHJP
   C08L 83/07 20060101ALI20231205BHJP
   C09D 183/08 20060101ALI20231205BHJP
【FI】
C08L83/08
C08K5/00
C08K5/5415
C08L83/07
C09D183/08
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023513458
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 US2021048169
(87)【国際公開番号】W WO2022051207
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】63/072,977
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ジュンイン
(72)【発明者】
【氏名】ルー、ガン
【審査官】小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-525577(JP,A)
【文献】特開2006-257355(JP,A)
【文献】特開2001-279177(JP,A)
【文献】特開2001-163979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 83/00-83/16
C08K 5/5415
C08K 5/00
C09D 183/00-183/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
(a)1分子中に平均で2個以上のメルカプトアルキル基を含み、アルケニル官能基を含まない第1のオルガノポリシロキサンと、
(b)1分子中に平均で1個以上のアルケニル基及び1個以上のアルコキシ基を含む第2のオルガノポリシロキサンと、
(c)テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラ(n-プロポキシ)シラン(TPOS)、及びにテトラ(n-ブトキシ)シラン、及びテトラ(t-ブトキシ)シランからなる群から選択されるテトラアルコキシシランと、
(d)紫外線光開始剤と、
(e)縮合触媒と、を含み、
前記第1及び第2のオルガノポリシロキサンの濃度は、アルケニル基に対するメルカプトアルキル基のモル比が、0.4~3.0の範囲であるような濃度である、組成物。
【請求項2】
前記第1のオルガノポリシロキサンが、以下の構造を有し、
(RR’’SiO1/2(RR’SiO2/2(RSiO2/2
式中、
各Rが、各出現において独立して、アルキル及びアリール基からなる群から選択され、
各R’が、各出現において独立して、メルカプトアルキル基からなる群から選択され、
R’’が、各出現において独立して、R及びR’の選択肢から選択され、
下付き文字mが、1分子中の(RR’SiO2/2)基の平均数であり、2以上であると同時に100以下であり、
下付き文字mが、1分子中の(RSiO2/2)基の平均数であり、0以上であると同時に1000以下である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記第2のオルガノポリシロキサンが、以下の構造を有し、
(SiO4/2(R SiO2/2(RBSiO2/2y’(R BSiO1/2
式中、
が、各出現において独立して、アルキル及びアリール基から選択され、
Bが、各出現において独立して、1分子中に平均で1個以上のアルケニル基及び1個以上のアルコキシ基を達成するように、アルケニル及びアルコキシ及びアルコキシ含有基から選択され、
xが、平均して、0以上であると同時に10以下の値であり、
yとy’との合計が、平均して、20以上であると同時に1000以下の値であり、
zが、平均して、2以上であると同時に20以下の値を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記第2のオルガノポリシロキサンが、以下の構造を有し、
(SiO4/2)(R SiO2/2(R BSiO1/2
式中、yが、20以上であると同時に1000以下の平均値を有し、Rが、各出現において独立して、アルキル及びアリール基から選択され、1つ又は2つ以上のBが、ビニル基であり、1つ又は2つ以上のBが、-CHCH-Si(CH-O-Si(CH-CHCH-Si(OCHである、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
テトラアルコキシシランの濃度が、組成物重量に対して0.1~5.0重量パーセントである、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
紫外線光開始剤の濃度が、0.01~5重量パーセントであり、縮合触媒の濃度が、0.01~10重量パーセントであり、重量パーセントが組成物の重量に対する、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、以下の追加成分:(i)アルケニル官能性アルコキシ非含有オルガノポリシロキサン、(ii)アルキルトリアルコキシシラン、(iii)ラジカル捕捉剤、及び(iv)充填剤のうちのいずれか1つ、又は任意の組み合わせ、又は2つ以上を更に含む、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項に記載の組成物を使用する方法であって、前記方法が、前記組成物を基材に塗布し、任意選択的に前記組成物を紫外線に曝露することを含む、方法。
【請求項9】
基材に接触している請求項1~のいずれか一項に記載の組成物を含む物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線誘発ラジカル硬化及び湿気誘発硬化の両方によって硬化するオルガノポリシロキサン組成物に関する。
【0002】
序論
紫外線(ultraviolet、UV)及び湿気の両方によって硬化する二重硬化組成物は、例えば、コーティングの全ての部分を光に曝露することが困難であるが、コーティングの急速な硬化が望ましい、コーティング、封止、ポッティング、及び接着剤用途において有用である。組成物のUV光硬化態様は、組成物の急速な初期硬化を提供して、コーティングに損傷を与えることなく連続プロセス又は取り扱いを容易にする。湿気硬化機構は、光への曝露から遮断された組成物(「影領域」)を硬化させるとともに、経時的により完全に組成物を硬化させる役割を果たす。
【0003】
二重硬化組成物に関する課題は、基材への強力な接着性を達成することであり得る。FR4基板(ガラス強化エポキシ積層材料)及びアルミニウムなどの金属などの、様々な基材への強力な接着性を達成し得る二重硬化組成物が、更により困難であるが、望ましい。様々な基材への強力な接着性を達成し得るUV/湿気二重硬化組成物は、多数の異なる用途において有用な多用途コーティング組成物を提供するであろう。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、FR4基板及び金属を含む様々な基材への強力な接着性を達成するUV/湿気二重硬化組成物に対する解決策を提供する。「強力な接着性」とは、以下に定義されるテープ接着性試験において、4又は5の接着性評価を達成することを指す。
【0005】
本発明は、テトラアルコキシシランが、テトラアルコキシシランを含まない類似の二重硬化組成物及び代替の接着促進剤を含有する組成物と比較して、UV/湿気二重硬化組成物への強化された接着促進特性を示すことを見出した結果である。更に、テトラアルコキシシランは、単なるUV硬化系よりもUV/湿気二重硬化組成物においてより良好な接着促進剤として機能し、光開始硬化系において有効な接着促進剤であると教示されている他の接着促進剤よりもUV/湿気硬化配合物においてより良好な接着促進剤として機能することが見出された。
【0006】
更により驚くべきことに、テトラアルコキシシラン接着促進剤を含む二重硬化組成物は、他の接着促進剤を含む二重硬化組成物よりも高い貯蔵安定性を有することが見出された。
【0007】
第1の態様では、本発明は、(a)1分子中に平均で2個以上のメルカプトアルキル基を含み、アルケニル官能基を含まない第1のオルガノポリシロキサンと、(b)1分子中に平均で1個以上のアルケニル基及び1個以上のアルコキシ基を含む第2のオルガノポリシロキサンと、(c)テトラアルコキシシランと、(d)紫外線光開始剤と、(E)縮合触媒と、を含み、第1及び第2のオルガノポリシロキサンの濃度は、アルケニル基に対するメルカプトアルキル基のモル比が、0.4~3.0の範囲であるような濃度である、組成物である。
【0008】
第2の態様では、本発明は、第1の態様の組成物を使用する方法であって、組成物を基材に塗布することと、任意選択的に組成物をUV光及び/又は湿気に曝露することとを含む方法である。
【0009】
第3の態様では、本発明は、第1の態様の組成物を基材上に含む物品である。
【0010】
本発明の組成物は、基材上のコーティング又は封止剤として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
試験方法は、日付が試験方法の番号と共に示されていない場合、本文書の優先日に直近の試験方法を指す。試験方法への言及は、試験の協会及び試験方法番号への参照の両方を含む。以下の試験方法の略語及び識別名が本明細書に適用される:ASTMは米国試験材料協会(American Society for Testing and Materials)を指し、ENは、欧州規格(European Norm)を指し、DINは、ドイツ規格協会(Deutsches Institut fur Normung)を指し、ISOは、国際標準化機構(International Organization for Standards)を指し、ULは、米国保険業者安全試験所(Underwriters Laboratory)を指す。
【0012】
商品名で識別される製品は、本文書の優先日において、それらの商品名で入手可能な組成物を指す。
【0013】
「複数の」とは、2つ以上を意味する。「及び/又は」とは、「及び、又は代替として」を意味する。全ての範囲は、特に指示がない限り、終点を含む。特に明記しない限り、全ての重量パーセント(重量%)値は組成物の重量に対するものであり、全ての体積パーセント(体積%)の値は組成物の体積に対するものである。
【0014】
「アルキル基」とは、1個の水素が、アルキル基が結合している原子への結合で置換されたアルカンを指す。
【0015】
「トリアルコキシシリル」基は、-Si(OR)を指し、式中、Rは、酸素に結合したアルキル基である。
【0016】
本発明の組成物は、メルカプトアルキル基を含み、アルケニル官能基を含まない第1のオルガノポリシロキサンを含む。第1のオルガノポリシロキサンは、1分子中に平均で2個以上のメルカプトアルキル基を含み、3個以上、4個以上、更には5個以上のメルカプトアルキル基を含み得る。メルカプトアルキル基は、次の構造:HSR’-を有し、式中、R’は、1個以上の炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、2個以上、3個以上、更には4個以上の炭素原子を有し得ると同時に、典型的には、6個以下、5個以下、4個以下、更には3個以下の炭素原子を有する二価の炭化水素基である。例えば、メルカプトアルキル基は、HSCH-、HSCHCH-、HS(CHCH-、及びHS(CHCH-からなる群から選択され得る。
【0017】
第1のオルガノポリシロキサンは、以下の化学構造を有し得、
(RR’’SiO1/2(RR’SiO2/2(RSiO2/2
式中、各Rは、各出現において独立して、アルキル及びアリール基から、好ましくはメチル、エチル、フェニル、及び3,3,3-トリフルオロプロピル基からなる群から選択され、各R’は、各出現において独立して、前段落に記載されているようなメルカプトアルキル基からなる群から選択され、R’’は、各出現において独立して、R及びR’の選択肢から選択され、下付き文字mは、1分子中の(RR’SiO2/2)基の平均数であり、2以上であり、3以上、4以上、5以上、10以上、25以上、50以上、更には75以上であり得ると同時に、典型的には100以下、75以下、50以下、25以下、10以下、又は更には5以下であり、mは、1分子中の(RSiO2/2)基の平均数であり、0以上であり、5以上、10以上、20以上、30以上、40以上、50以上、60以上、70以上、80以上、90以上、100以上、200以上、300以上、400以上、又は更には500以上であり得ると同時に、典型的には、1000以下、750以下、500以下、250以下、100以下、75以下、更には50以下である。1つの特に望ましい第1のオルガノポリシロキサンにおいて、R及びR’’は、両方ともメチルであり、R’は、HS(CHCH-であり、平均して、nは、43であり、mは、5である。第1のオルガノポリシロキサンは、米国特許第4780486(A)号に教示されているプロセスに従って作製され得る。
【0018】
本発明の組成物はまた、少なくとも1個のアルケニル基及び少なくとも1個のアルコキシ基を含有する第2のオルガノポリシロキサンも含む。第2のオルガノポリシロキサンは、望ましくは、1分子中に平均して、2個以上のアルケニル基を含有し、3個以上、4個以上、更には5個以上含有し得ると同時に、典型的には、10個以下、8個以下、6個以下、4個以下、3個以下、更には2個以下のアルケニル基を含有し得る。アルケニル基は、望ましくは、2個以上の炭素原子を有する末端アルケニル基であり、3個以上、4個以上、更には5個以上の炭素原子を有し得ると同時に、望ましくは、12個以下、更には10個以下、8個以下、6個以下を有し、平均して、4個以下、更には3個以下の炭素原子を有し得る末端アルケニル基である。アルケニル基は、ビニル基であり得る。
【0019】
同時に、第2のオルガノポリシロキサンは、平均して、1分子中に2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、更には6個以上のアルコキシ基を有し得ると同時に、典型的には、15個以下、12個以下、10個以下、8個以下、更には6個以下のアルコキシ基を有する。アルコキシ基は、構造-ORγを有し、式中、Rγは、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、更には6個以上の炭素原子を有すると同時に、典型的には、10個以下、8個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、更には2個以下の炭素原子を有する一価の炭化水素である。アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシ基からなる群から選択され得る。
【0020】
アルコキシ基は、典型的には、1つ又は2つ以上のシリル基、1つ又は2つ以上のトリアルコキシシラン基、又はアルコキシシリルとトリアルコキシシラン基との組み合わせなどの、1つ又は2つ以上のアルコキシ含有基の一部である。好ましくは、第2のオルガノポリシロキサンは、1個以上、2個以上、3個以上、更には4個以上と同時に、典型的には、5個以下、4個以下、3個以下、更には2個以下のトリアルコキシシリル基の一部として、アルコキシ基を含有する。
【0021】
シリル基及び/又はトリアルコキシシラン基は、第2のオルガノポリシロキサンのシロキサン基に結合した別の基の一部であり得る。例えば、トリアルコキシシラン基は、シロキサン単位のケイ素原子に結合しているアルキルトリアルコキシシラン基の一部であり得る。1つの特に望ましいトリアルコキシシラン基は、構造(I)の化学構造を有し、
-Rβ-(R )SiO-(R )Si-Rβ-Si(ORγ
式中、Rβは、各出現において独立して、1個以上、2個以上、3個以上、更には4個以上の炭素原子を有すると同時に、典型的には、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、更には2個以下の炭素原子を有する二価の炭化水素基から選択され、Rは、各出現において独立して、好ましくは1~8個の炭素原子を有するアルキル及びアリール基から選択され、最も好ましくはメチル、エチル、フェニル、及びベンジル基から選択され、Rγは、上記の通りである。構造(I)の1つの特に望ましいトリアルコキシシラン基については、Rβは、-CHCH-であり、R及びRγの両方が、各々メチルである。
【0022】
第2のオルガノポリシロキサンは、以下の一般化学構造を有し得、
(SiO4/2(R SiO2/2(RBSiO2/2y’(R BSiO1/2
式中、
は、各出現において独立して、好ましくは1~8個の炭素原子を有するアルキル及びアリール基から選択され、最も好ましくはメチル、エチル、フェニル、及びベンジル基から選択され、
Bは、各出現において独立して、第2のオルガノポリシロキサンについて上に記載されるようなアルケニル、及びアルコキシ、並びにアルコキシ含有基から選択され、1分子中にアルケニル及びアルコキシ基の先に指定された数を達成する。
xは、平均して、0以上の値であり、1以上、2以上、更には3以上であり得ると同時に、一般的には、10以下であり、8以下、6以下、4以下、更には3以下、2以下であり得る。
【0023】
yとy’との合計は、平均して、20以上、好ましくは、40以上、60以上、80以上、100以上、更には120以上の値であると同時に、典型的には、1000以下、800以下、600以下、400以下、200以下、更には150以下、140以下、130以下、又は120以下である。個別に、y又はy’のいずれかは、0又は20未満の任意の値であり得るが、但し、yとy’との合計は、指定された値に入る。
【0024】
下付き文字zは、望ましくは、2以上の平均値を有し、3以上、4以上、5以上、6以上、8以上、更には10以上の値であり得ると同時に、典型的には、20以下、15以下、10以下、8以下、6以下、更には4以下、又は2以下である。
【0025】
第2のオルガノポリシロキサンは、以下の化学構造を有し得、
(SiO4/2)(R SiO2/2(R BSiO1/2
式中、yは、20以上の平均値を有し、30以上、40以上、50以上、75以上、100以上、200以上、300以上、400以上、更には500以上であり得ると同時に、一般的には、1000以下、900以下、800以下、700以下、600以下、500以下であり、400以下、300以下、200以下、100以下、50以下、40以下、更には30以下であり得、Rは、先に記載された通りであり、1つ又は2つ以上のBは、ビニル基であり、1つ又は2つ以上のBは、-CHCH-Si(CH-O-Si(CH-Si(OCHである。
【0026】
1つの望ましい第2のオルガノポリシロキサンは、以下の平均化学構造を有し、
式中、
【0027】
【化1】

Gは、以下の構造を有し、
-[Si(CHO]30-Si(CHCH=CH
及び
G’は、以下の構造を有する:
-[Si(CHO]30-Si(CH-CHCH-Si(CH-O-Si(CH-CHCH-Si(OCH]。
【0028】
第1及び第2のオルガノポリシロキサンの濃度は、アルケニル基に対するメルカプトアルキル基のモル比が、0.4以上であり、0.5以上、0.8以上、1.0以上、1.5以上、更には2.0以上であり得ると同時に、典型的には、3.0以下であり、2.5以下、2.0以下、1.5以下、更には1.0以下であり得るような濃度である。
【0029】
本発明の組成物は、テトラアルコキシシランを含む。テトラアルコキシシランは、組成物の接着促進剤として機能する。しかしながら、他の接着促進剤とは異なり、テトラアルコキシシランは、驚くべきことに、UV/湿気二重硬化組成物に対する接着性を、光硬化性組成物での使用が既知である他の接着促進剤よりも大幅に強化する。更に、接着促進剤としてテトラアルコキシシランを使用する配合物は、驚くべきことに、他の種類の接着促進剤を使用する配合物よりも長い貯蔵寿命を有し、貯蔵寿命は、55℃で保管された場合に配合物がどれだけ急速に粘度を構築し、最終的にゲル化又は固化するかによって決定される。
【0030】
テトラアルコキシシランは、望ましくは、次の化学構造:Si(ORγを有し、式中、Rγは、各出現において独立して、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、更には6個以上の炭素原子を有すると同時に、典型的には、10個以下、8個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、更には2個以下の炭素原子を有する一価の炭化水素である。望ましくは、テトラアルコキシシランは、テトラメトキシシラン(tetramethoxy silane、TMOS)、テトラエトキシシラン(tetraethoxy silane、TEOS)、テトラ(n-プロポキシ)シラン(tetra(n-propoxy)silane、TPOS)、及びにテトラ(n-ブトキシ)シラン、及びテトラ(t-ブトキシ)シランからなる群から選択される。
【0031】
テトラアルコキシシランは、典型的には、0.1重量パーセント(重量%)以上の濃度で存在し、0.5重量%以上、1.0重量%以上、1.5重量%以上、2.0重量%以上、2.5重量%以上、3.0重量%以上、3.5重量%以上、更には4.0重量%であり得ると同時に、典型的には、5.0重量%以下の濃度で存在し、4.5重量%以下、4.0重量%以下、3.5重量%以下、3.0重量%以下、2.5重量%以下、2.0重量%以下、又は更には1.0重量%以下であり得、テトラアルコキシシランの重量%は、組成物重量に対するものである。
【0032】
本発明の組成物は、紫外線(UV)光開始剤を含む。UV光開始剤は、UV光に曝露されるとラジカルを形成する。好適なUV光開始剤の例としては、以下の、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ジエトキシキサントン、クロロ-チオキサントン、アゾビスイソブチロニトリル、N-メチルジエタノールアミンベンゾフェノン4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン、及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシドのうちのいずれか1つ、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせが挙げられる。
【0033】
UV光開始剤は、典型的には、0.01重量%以上の濃度で存在し、0.05重量%以上、0.1重量%以上、0.5重量%以上、1.0重量%以上、1.5重量%以上、2.0重量%以上、2.5重量%以上、3.0重量%以上、更には3.5重量%であり得ると同時に、典型的には、5.0重量%以下、4.5重量%以下、4.0重量%以下、3.5重量%以下、3.0重量%以下、2.5重量%以下、2.0重量%以下、1.5重量%以下、又は更には1.0重量%以下の濃度で存在し、UV光開始剤の重量%は、組成物重量に対するものである。
【0034】
本発明の組成物は、縮合触媒を含む。縮合触媒は、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)n-ブトキシド、チタン(IV)t-ブトキシド、チタン(IV)、チタンジ(イソプロポキシ)ビス(エチルアセトアセテート)、チタンジ(イソプロポキシ)ビス(メチルアセトアセテート)、チタンジ(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウム(IV)イソプロポキシド、ジルコニウム(IV)n-ブトキシド、ジルコニウム(IV)t-ブトキシド、ジルコニウムジ(イソプロポキシ)ビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムジ(イソプロポキシ)ビス(メチルアセトアセテート)、ジルコニウムジ(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジメチルスズジネオデカノエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクトエート、及びオクタン酸第一スズから選択される1つの触媒、又は2つ以上の触媒の任意の組み合わせから選択され得る。
【0035】
縮合触媒は、典型的には、0.01重量%以上の濃度で存在し、0.1重量%以上、0.5重量%以上、1.0重量%以上、2.0重量%以上、2.5重量%以上、3.0重量%以上、3.5重量%以上、4.0重量%以上、5.0重量%以上、更には6.0重量%であり得ると同時に、典型的には、10.0重量%以下、又は更には9.0重量%以下、8.0重量%以下、7.0重量%以下、6.0重量%以下、5.0重量%以下、4.0重量%以下、3.0重量%以下、2.0重量%以下、更には1.0重量%以下であり、重量%は、組成物重量に対するものである。
【0036】
本発明の組成物は、既に述べたもの以外の追加の成分を含み得るか、又は含まなくてもよい。例えば、本発明の組成物は、(i)アルケニル官能性アルコキシ非含有オルガノポリシロキサン、(ii)アルキルトリアルコキシシラン、(iii)ラジカル捕捉剤、及び(iv)充填剤から選択される追加の成分のうちのいずれか1つ、又はこれらの任意の組み合わせを含み得るか、又は含まなくてもよい。
【0037】
アルケニル官能性アルコキシ非含有オルガノポリシロキサンは、第1のオルガノポリシロキサンのメルカプト基とのUV光誘発ラジカル硬化反応を加速させ、硬化した組成物の最終的な機械的特性を調整するために、組成物において望ましい場合がある。例えば、アルケニル(ビニルなど)で末端キャップされた長鎖ポリジメチルシロキサンなどの、長鎖アルケニル官能性アルコキシ非含有オルガノポリシロキサンを含めることによって、最終硬化組成物の破断点伸びが増大し得る。アルケニル官能性アルコキシ非含有オルガノポリシロキサンの例としては、一端又は両端がビニルなどのアルケニルでキャップされたポリジメチルシロキサンが挙げられる。アルケニル官能性アルコキシ非含有オルガノポリシロキサンは、0重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、更には15重量%以上の濃度で存在し得ると同時に、典型的には、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、更には10重量%以下の濃度で存在し、重量%は、組成物重量に対するものである。
【0038】
アルキルトリアルコキシシランは、架橋剤として組成物中で望ましい場合がある。架橋剤は、硬化後の組成物を強化、強靭化、及び/又はより剛性にすることができる。好適なアルキルトリアルコキシシランの例としては、1~6個の炭素原子を有するアルキル基及び1~6個の炭素原子を有するアルコキシ基を有するものが挙げられる。好適なアルキルトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリエトキシシラン、及びエチルトリプロポキシシランが挙げられる。アルキルトリアルコキシシランは、0重量%以上、0.1重量%以上、0.5重量%以上、1.0重量%以上、2.0重量%以上、更には5.0重量%以上の濃度で存在し得ると同時に、典型的には、10重量%以下、8重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は更には1.0重量%以下の濃度で存在し、重量%は、組成物重量に対するものである。
【0039】
ラジカル捕捉剤は、組成物の貯蔵寿命を向上させるのに望ましい場合がある。好適なラジカル捕捉剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene、BHT)、4-メトキシフェノール、tert-ブチルヒドロキノン、6-tert-ブチル-2,4-キシレノール、2-tert-ブチル-1,4-ベンゾキノン、4-tert-ブチルピロカテコール、及び2,6-ジ-tert-ブチルフェノールのうちのいずれか1つ、又はこれらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。ラジカル捕捉剤は、0重量%以上、0.1重量%以上、0.5重量%以上、1.0重量%以上、更には2.0重量%以上の濃度で存在し得ると同時に、典型的には、3.0重量%以下、2.0重量%以下、又は更には1.0重量%以下の濃度で存在し、重量%は、組成物重量に対するものである。
【0040】
充填剤は、組成物のレオロジ特性を変性するため、及び/又は硬化後の組成物の機械的特性を変性するために、組成物中で望ましい場合がある。好適な充填剤の例としては、ヒュームドシリカなどのシリカ、及び石英が挙げられる。充填剤は、0重量%以上、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、15重量%以上、更には20重量%以上の濃度で存在し得ると同時に、典型的には、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、又は更には5重量%以下の濃度で存在し、重量%は、組成物重量に対するものである。
【0041】
本発明の組成物は、基材に塗布し、硬化させて、組成物の硬化形態が付着した物品を形成するのに特に有用である。本発明の組成物は、FR4基板及び金属を含む様々な基材への強力な接着性を達成する。「強力な接着性」とは、以下に定義されるテープ接着性試験において、4又は5の接着性評価を達成することを指す。
【0042】
本発明の方法は、本発明の組成物を金属又はFR4基板などの基材に塗布することを含む。本方法は、任意選択的に、好ましくは組成物を基材に適用した後に、組成物をUV光に曝露することを含む。UV光は、組成物の硬化を開始し、基材上での組成物の硬化を促進し得る。
【0043】
本発明の物品は、FR4基板及び金属などの基材を含み、本発明の組成物は、基材と接触している。物品は、本発明の方法の結果である。物品は、未硬化状態又は硬化状態の組成物を含み得る。
【実施例
【0044】
表1は、以下の実施例において使用するための材料を列挙する。「Vi」はビニル基を指す。XIAMETERは、Dow Corning Corporationの商標である。
【0045】
【表1】
【0046】
第2のオルガノポリシロキサン-トリメトキシシリル及びビニル官能性ジメトキシポリシロキサンの調製
2リットルのAtlasバッチ反応器に、638.1グラム(g)のアルケニル官能性アルコキシ非含有オルガノポリシロキサンIII及び40.5gの中間体Iを添加する。得られた混合物を350回転/分(revolutions per minute、RPM)で10分間撹拌し、次いで10重量ppmのKarstedt触媒の混合物(The Dow Chemical CompanyからSYL-OFF(商標)4000 Catalystの名称で市販されており、SYL-OFFは、The Dow Chemical Companyの商標である)を添加する。混合物を23~25℃で3時間撹拌する。得られた生成物の赤外スペクトルは、2110Cm-1でのSiHピークの完全な消失を示し、これはヒドロシリル化反応の完了を示す。シロキサン上のビニル基の一部分は、湿気硬化性トリメトキシシリル含有官能基に変換された。
【0047】
得られたコポリマーは、0.6重量%のビニル及び0.8重量%のトリメトキシシリルであり、以下の平均化学構造を有し、
式中、
【0048】
【化2】

Gは、以下の構造を有し、
-[Si(CHO]30-Si(CHCH=CH
G’は、以下の構造を有する:
-[Si(CHO]30-Si(CH-CHCH-Si(CH-O-Si(CH-CHCH-Si(OCH]。
【0049】
比較例(比較例)1-接着促進剤を含まない二重硬化組成物
100ミリリットル(mL)の歯科用カップに、6.38gの第1のオルガノポリシロキサン、16.3gのアルケニル官能性アルコキシ非含有オルガノポリシロキサンI、10.9gのアルケニル官能性アルコキシ非含有オルガノポリシロキサンII、及び12.4gの処理済みヒュームドシリカ-添加剤を混合する。歯科用ミキサーを使用して、1000RPMで20秒間及び2000RPMで45秒間、成分を混合する。次いで、24gの第2のオルガノポリシロキサンを添加し、歯科用ミキサーを使用して、2000RPMで45秒間混合する。得られた混合物に、2.81gのメチルトリメトキシシランと0.42gのブチル化ヒドロキシトルエンとの予備混合された組み合わせを添加する。歯科用ミキサーを使用して、2000RPMで30秒間混合する。0.74gのUV光開始剤及び0.08gの縮合触媒を添加する。歯科用ミキサーを使用して、2000RPMで30秒間混合する。得られた組成物を3つの30mLのシリンジに入れ、脱気し(全ての気泡が上昇して排出される)、次いで使用されるまでアルミニウムバッグ内で真空密封する。
【0050】
比較例2-代替のAP I(0.5重量%)を含む二重硬化組成物
予備混合された組み合わせ中に0.35gの代替のAP Iを含めることを除いて、比較例1と同様の様式で比較例2を調製する。
【0051】
比較例3-代替のAP I(1.0重量%)を含む二重硬化組成物
予備混合された組み合わせ中に0.70gの代替のAP Iを含めることを除いて、比較例1と同様の様式で比較例3を調製する。
【0052】
比較例4-代替のAP II(0.5重量%)を含む二重硬化組成物
予備混合された組み合わせ中に0.35gの代替のAP IIを含めることを除いて、比較例1と同様の様式で比較例4を調製する。
【0053】
実施例(実施例)1-TEOS(0.5重量%)を含む二重硬化組成物
予備混合された組み合わせ中に0.35gのTEOSを含めることを除いて、比較例1と同様の様式で実施例1を調製する。
【0054】
実施例2-TEOS(1.0重量%)を含む二重硬化組成物
予備混合された組み合わせ中に0.70gのTEOSを含めることを除いて、比較例1と同様の様式で実施例2を調製する。
【0055】
実施例3-TPOS(0.5重量%)を含む二重硬化組成物
予備混合された組み合わせ中に0.35gのTPOSを含めることを除いて、比較例1と同様の様式で実施例3を調製する。
【0056】
比較例5-TEOS(0.5重量%)を含むUV硬化性組成物
100mLの歯科用カップに、11.48gの第1のオルガノポリシロキサン、16.3gのアルケニル官能性アルコキシ非含有オルガノポリシロキサンI、10.9gのアルケニル官能性アルコキシ非含有オルガノポリシロキサンII、24gのアルケニル官能性アルコキシ非含有オルガノポリシロキサンIII、及び12.4gの処理済みヒュームドシリカを添加する。歯科用ミキサーを使用して、1000RPMで20秒間及び2000RPMで45秒間混合する。この混合物に、2.81gのメチルトリメトキシシラン、0.42gのブチル化ヒドロキシトルエン、及び0.35gのTEOSの予備混合物を加える。歯科用ミキサーを使用して、2000RPMで30秒間混合する。0.74gのUV光開始剤及び0.08gの縮合触媒を添加する。歯科用ミキサーを使用して、2000RPMで30秒間混合する。得られた組成物を3つの30mLのシリンジに入れ、脱気し(全ての気泡が上昇して排出される)、次いで使用されるまでアルミニウムバッグ内で真空密封する。
【0057】
比較例6-UV硬化性組成物の代替のAPII(0.5部)
0.35gのTEOSを0.5gの代替のAPIIで置換することを除いて、比較例5と同様の様式で比較例6を調製する。
【0058】
基材接着性試験
各配合物の0.38ミリメートル(15ミル)のコーティングを、アルミニウム金属基材及びFR4基板基材上にドローダウンすることによって、基材接着性試験のためのサンプルを調製する。300ミリワット/平方センチメートルの強度及び2ジュール/平方センチメートルの曝露を有する水銀ランプを備えたColight UV-6デバイスを使用して、紫外線照射によってコーティングを硬化させる。サンプルを23~25℃及び50%の相対湿度で3日間硬化させて、2つの異なる基材上に試験フィルムを生成する。
【0059】
1ミリメートル間隔で配置された6つのブレードセットを備えたBYK5120試験キットを使用して、コーティング全域に6つのブレードセットを垂直方向に引いて、格子パターンを作成することによって、格子パターンに硬化したコーティングサンプルを切断して、サンプルの各々について基材接着性強度を評価する。次いで、試験領域をキット中のブラシで異なる方向に5回ブラッシングして、表面から全ての遊離したフィルムを除去する。クロスカット領域上にキットからのテープをしっかりと貼り、テープを試験領域から引き戻すことによって迅速に除去して、表面上のコーティング残留物を除去する。KEYENCE VHXデジタル顕微鏡を使用して試験領域を撮像し、以下のランク付けに従って結果をスコア化する:5A=剥離又は除去なし、4A=切り込みに沿って又はそれらの交点で剥離又は除去の痕跡、3A=両側で1.6ミリメートル(1/16インチ)までの切り込みに沿ったギザギザの除去。2A=いずれかの側で3.2ミリメートル(1/8インチ)までの切り込みの大部分に沿ったギザギザの除去。1A=テープ下の格子パターンにおけるコーティングの大部分からの除去、0A=Xの領域を超えた除去。
【0060】
表2は、実施例及び比較例についての基材接着性試験結果を示す。
【0061】
【表2】
【0062】
表2の結果は、テトラアルコキシシラン接着促進剤が、両方の基材への5A又は4A接着性、及び代替の接着促進剤と比較して優れた接着性を実証することを示す。加えて、表2の結果は、テトラアルコキシシラン又は代替の接着促進剤を含むUV硬化性組成物のみよりも、テトラアルコキシシランを含む二重硬化組成物による良好な接着性を示す。
【0063】
貯蔵寿命安定性実験
実施例1及び2、並びに比較例2及び3の粘度を、調製直後に測定し、アルミニウムバッグに密封されたシリンジ中で55℃で14日間硬化させた後に再び測定する。ASTM D 1084に従って、1回転/分で回転するコーンスピンドルCPA-52Zを備えたBrookfield DVIコーンプレート粘度計を使用して、23+/-2℃の温度でサンプルの粘度を測定する。粘度の結果を表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
表3の結果は、テトラアルコキシシラン接着促進剤が、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン接着促進剤よりも良好な貯蔵安定性を有することを示す。