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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】車両用シート装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/68 20060101AFI20231206BHJP
   A47C 7/40 20060101ALI20231206BHJP
   B60N 2/427 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B60N2/68
A47C7/40
B60N2/427
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019155851
(22)【出願日】2019-08-28
(65)【公開番号】P2021030988
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】馬場 広
(72)【発明者】
【氏名】亀井 聡一郎
(72)【発明者】
【氏名】中野 雅司
(72)【発明者】
【氏名】新井 拓也
【審査官】近藤 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-051272(JP,A)
【文献】特開2001-149176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/68
A47C 7/40
B60N 2/427
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に離間した位置に並んで直線状に延びる一対のサイドフレーム(18,25A、25B,25C,25D)ならびにそれらのサイドフレーム(18,25A~25D)間を結ぶ連結部材(19,20,27,28)をそれぞれ有するシートクッションフレーム(15)およびシートバックフレーム(16)を備える車両用シート装置において、
前記シートクッションフレーム(15)および前記シートバックフレーム(16)の少なくとも一方の前記サイドフレーム(18,25A~25D)が、当該サイドフレーム(18,25A~25D)の長手方向複数箇所で前記連結部材(19,20,27,28)との連結部を避けた位置に配置される板厚境界線(L3,L4;L1,L2)で板厚が変化する形状に形成され
前記サイドフレーム(25A~25D)の前記板厚境界線(L1,L2)を避けた位置に、当該サイドフレーム(25A~25D)の長手方向とは交差する方向に延びて内外いずれかに隆起した補強部(38,39,68,72,73,74)が設けられることを特徴とする車両用シート装置。
【請求項2】
相互に離間した位置に並んで直線状に延びる一対のサイドフレーム(18,25A、25B,25C,25D)ならびにそれらのサイドフレーム(18,25A~25D)間を結ぶ連結部材(19,20,27,28)をそれぞれ有するシートクッションフレーム(15)およびシートバックフレーム(16)を備える車両用シート装置において、
前記シートクッションフレーム(15)および前記シートバックフレーム(16)の少なくとも一方の前記サイドフレーム(18,25A~25D)が、当該サイドフレーム(18,25A~25D)の長手方向複数箇所で前記連結部材(19,20,27,28)との連結部を避けた位置に配置される板厚境界線(L3,L4;L1,L2)で板厚が変化する形状に形成され、
補強機能を果たす補助部材(63)が、前記板厚境界線(L2)での前記サイドフレームへ(25A)の接触を回避しつつ、前記板厚境界線(L2)を跨いで前記サイドフレーム(25A)に設けられることを特徴とする車両用シート装置。
【請求項3】
補強機能を果たす補助部材(63)が、前記板厚境界線(L2)での前記サイドフレームへ(25A)の接触を回避しつつ、前記板厚境界線(L2)を跨いで前記サイドフレーム(25A)に設けられることを特徴とする請求項に記載の車両用シート装置。
【請求項4】
相互に離間した位置に並んで直線状に延びる一対のサイドフレーム(18,25A、25B,25C,25D)ならびにそれらのサイドフレーム(18,25A~25D)間を結ぶ連結部材(19,20,27,28)をそれぞれ有するシートクッションフレーム(15)およびシートバックフレーム(16)を備える車両用シート装置において、
前記シートクッションフレーム(15)および前記シートバックフレーム(16)の少なくとも一方の前記サイドフレーム(18,25A~25D)が、当該サイドフレーム(18,25A~25D)の長手方向複数箇所で前記連結部材(19,20,27,28)との連結部を避けた位置に配置される板厚境界線(L3,L4;L1,L2)で板厚が変化する形状に形成され、
前記サイドフレーム(25A~25D)の板厚同一部位に、エアバッグ(51)が取付けられることを特徴とする車両用シート装置。
【請求項5】
前記エアバッグ(51)の展開を抑制する力布(56)が、前記サイドフレーム(25A~25D)の板厚同一部位に固定されることを特徴とする請求項に記載の車両用シート装置。
【請求項6】
相互に離間した位置に並んで直線状に延びる一対のサイドフレーム(18,25A、25B,25C,25D)ならびにそれらのサイドフレーム(18,25A~25D)間を結ぶ連結部材(19,20,27,28)をそれぞれ有するシートクッションフレーム(15)およびシートバックフレーム(16)を備える車両用シート装置において、
前記シートクッションフレーム(15)および前記シートバックフレーム(16)の少なくとも一方の前記サイドフレーム(18,25A~25D)が、当該サイドフレーム(18,25A~25D)の長手方向複数箇所で前記連結部材(19,20,27,28)との連結部を避けた位置に配置される板厚境界線(L3,L4;L1,L2)で板厚が変化する形状に形成され、
乗員着座時に当該乗員からの荷重を受け得る補助部材(63)が、前記シートバックフレーム(16)が備える前記サイドフレーム(25A)に、前記板厚境界線(L2)を避けて固定されることを特徴とする車両用シート装置。
【請求項7】
相互に離間した位置に並んで直線状に延びる一対のサイドフレーム(18,25A、25B,25C,25D)ならびにそれらのサイドフレーム(18,25A~25D)間を結ぶ連結部材(19,20,27,28)をそれぞれ有するシートクッションフレーム(15)およびシートバックフレーム(16)を備える車両用シート装置において、
前記シートクッションフレーム(15)および前記シートバックフレーム(16)の少なくとも一方の前記サイドフレーム(18,25A~25D)が、当該サイドフレーム(18,25A~25D)の長手方向複数箇所で前記連結部材(19,20,27,28)との連結部を避けた位置に配置される板厚境界線(L3,L4;L1,L2)で板厚が変化する形状に形成され、
前記サイドフレーム(25A~25D)の前記板厚境界線(L1,L2)を避けた位置に、着座者の荷重を受けて弾性変形する受圧部材(34)が取付けられることを特徴とする車両用シート装置。
【請求項8】
前記サイドフレーム(25A~25C)に、当該サイドフレーム(25A~25C)の長手方向に沿って延びて内外いずれかに隆起した補強部(37,67)が前記板厚境界線(L1,L2)を横切って設けられることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の車両用シート装置。
【請求項9】
前記サイドフレーム(25A~25D)に、取付け部品(34,51,56)を取付けるための貫通孔(40,41,42,43,44,45,46)が形成され、前記板厚境界線(L1,L2)が前記貫通孔(40~46)を避けて設定されることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の車両用シート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互に離間した位置に並んで直線状に延びる一対のサイドフレームならびにそれらのサイドフレーム間を結ぶ連結部材をそれぞれ有するシートクッションフレームおよびシートバックフレームを備える車両用シート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような車両用シート装置において、シートバックフレームにおけるサイドフレームに必要な強度が部分的に異なるために、サイドフレームの一部を厚肉化するようにした車両用シート装置が、特許文献1で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5691769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、シートバックフレームにおけるサイドフレームが、サイドフレーム本体と、サイドフレーム本体よりも厚肉に形成されて前記サイドフレーム本体の下部に溶接されるサフレームとで構成され、それによってシートバックフレームにおけるサイドフレームの下部のシートクッションフレームへのヒンジ結合部の強度を確保するようにしている。しかるに必要な強度を確保しつつサイドフレームの重量増加を抑えるには、サイドフレームの厚みをより細かく変化させることが望ましく、その際、サイドフレーム間を結ぶ連結部材とのサイドフレームの連結部の剛性に影響が及ぶことは避けたい。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、連結部材との連結部の剛性に影響が及ぶことを回避しつつ、サイドフレームの強度を確保し、しかも重量低減を図り得るようにした車両用シート装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、相互に離間した位置に並んで直線状に延びる一対のサイドフレームならびにそれらのサイドフレーム間を結ぶ連結部材をそれぞれ有するシートクッションフレームおよびシートバックフレームを備える車両用シート装置において、前記シートクッションフレームおよび前記シートバックフレームの少なくとも一方の前記サイドフレームが、当該サイドフレームの長手方向複数箇所で前記連結部材との連結部を避けた位置に配置される板厚境界線で板厚が変化する形状に形成され、前記サイドフレームの前記板厚境界線を避けた位置に、当該サイドフレームの長手方向とは交差する方向に延びて内外いずれかに隆起した補強部が設けられることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、相互に離間した位置に並んで直線状に延びる一対のサイドフレームならびにそれらのサイドフレーム間を結ぶ連結部材をそれぞれ有するシートクッションフレームおよびシートバックフレームを備える車両用シート装置において、前記シートクッションフレームおよび前記シートバックフレームの少なくとも一方の前記サイドフレームが、当該サイドフレームの長手方向複数箇所で前記連結部材との連結部を避けた位置に配置される板厚境界線で板厚が変化する形状に形成され、補強機能を果たす補助部材が、前記板厚境界線での前記サイドフレームへの接触を回避しつつ、前記板厚境界線を跨いで前記サイドフレームに設けられることを第2の特徴とする。
【0008】
本発明は、第1の特徴の構成に加えて、補強機能を果たす補助部材が、前記板厚境界線での前記サイドフレームへの接触を回避しつつ、前記板厚境界線を跨いで前記サイドフレームに設けられることを第3の特徴とする。
【0009】
本発明は、相互に離間した位置に並んで直線状に延びる一対のサイドフレームならびにそれらのサイドフレーム間を結ぶ連結部材をそれぞれ有するシートクッションフレームおよびシートバックフレームを備える車両用シート装置において、前記シートクッションフレームおよび前記シートバックフレームの少なくとも一方の前記サイドフレームが、当該サイドフレームの長手方向複数箇所で前記連結部材との連結部を避けた位置に配置される板厚境界線で板厚が変化する形状に形成され、前記サイドフレームの板厚同一部位に、エアバッグが取付けられることを第4の特徴とする。
【0010】
本発明は、第4の特徴の構成に加えて、前記エアバッグの展開を抑制する力布が、前記サイドフレームの板厚同一部位に固定されることを第5の特徴とする。
【0011】
本発明は、相互に離間した位置に並んで直線状に延びる一対のサイドフレームならびにそれらのサイドフレーム間を結ぶ連結部材をそれぞれ有するシートクッションフレームおよびシートバックフレームを備える車両用シート装置において、前記シートクッションフレームおよび前記シートバックフレームの少なくとも一方の前記サイドフレームが、当該サイドフレームの長手方向複数箇所で前記連結部材との連結部を避けた位置に配置される板厚境界線で板厚が変化する形状に形成され、乗員着座時に当該乗員からの荷重を受け得る補助部材が、前記シートバックフレームが備える前記サイドフレームに、前記板厚境界線を避けて固定されることを第6の特徴とする。
【0012】
本発明は、相互に離間した位置に並んで直線状に延びる一対のサイドフレームならびにそれらのサイドフレーム間を結ぶ連結部材をそれぞれ有するシートクッションフレームおよびシートバックフレームを備える車両用シート装置において、前記シートクッションフレームおよび前記シートバックフレームの少なくとも一方の前記サイドフレームが、当該サイドフレームの長手方向複数箇所で前記連結部材との連結部を避けた位置に配置される板厚境界線で板厚が変化する形状に形成され、前記サイドフレームの前記板厚境界線を避けた位置に、着座者の荷重を受けて弾性変形する受圧部材が取付けられることを第7の特徴とする。
【0013】
本発明は第1~第7の特徴の構成のいずれかに加えて、前記サイドフレームに、当該サイドフレームの長手方向に沿って延びて内外いずれかに隆起した補強部が前記板厚境界線を横切って設けられることを第8の特徴とする。
【0014】
さらに本発明は、第1~第8の特徴の構成のいずれかに加えて、前記サイドフレームに、取付け部品を取付けるための貫通孔が形成され、前記板厚境界線が前記貫通孔を避けて設定されることを第9の特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1の特徴によれば、シートクッションフレームおよびシートバックフレームの少なくとも一方のサイドフレームの長手方向複数箇所に、板厚が変化する板厚境界線が設定され、その板厚境界線を避けた位置でサイドフレームに連結部材が連結されるので、複数の板厚境界線でサイドフレームの板厚が変化することで、シートクッションフレームおよびシートバックフレームの少なくとも一方において、サイドフレームの必要な強度を確保しつつ重量増加を抑えることが可能であり、しかも連結部材とのサイドフレームの連結部の剛性に影響が及ぶことを回避することができる。また、板厚境界線を避けた位置でサイドフレームに、サイドフレームの長手方向とは交差する方向に延びる補強部が設けられるので、連結部材とのサイドフレームの連結部の剛性に影響が及ばないようにしつつサイドフレームの強度をより増大することができる。
【0016】
また本発明の第2および第3の特徴によれば、板厚境界線でサイドフレームに接触することのない補助部材が板厚境界線を跨いてサイドフレームに設けられるので、サイドフレームの板厚境界線での剛性を高めることができる。
【0017】
本発明の第の特徴によれば、エアバッグがサイドフレームの板厚同一部位に取付けられるので、板厚同一部位でのサイドフレームの剛性を高めることができる。
【0018】
本発明の第の特徴によれば、エアバッグの力布がサイドフレームの板厚同一部位に固定されるので、エアバッグの展開時に板厚境界線に影響が及ぶことを抑えることができる。
【0019】
本発明の第の特徴によれば、シートバックフレームにおけるサイドフレームの板厚境界線を避けた位置に、着座状態の乗員から荷重を受ける可能性がある補助部材が固定されるので、補助部材からの荷重がサイドフレームの板厚境界線部分に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0020】
本発明の第の特徴によれば、着座者の荷重を受けて弾性変形する受圧部材が、サイドフレームの前記板厚境界線を避けた位置に取付けられるので、受圧部材からの荷重がサイドフレームの板厚境界線部分に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0021】
本発明の第の特徴によれば、板厚境界線を横切る補強部がサイドフレームに設けられるので、サイドフレームの板厚境界線での剛性を高めることができる。
【0022】
本発明の第の特徴によれば、取付け部不品を取付けるための貫通孔を避けて板厚境界線が設定されるので、取付け部品のサイドフレームへの取付け剛性に板厚境界線が影響を及ぼすことがない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1の実施の形態のシートフレームの斜視図である。
図2】シートバック側サイドフレームの側面図である。
図3図2の3-3線断面図である。
図4】シートバック側サイドフレームへのエアバックの取付け構造を示すための図1の4-4線に沿うシート装置の縦断面図である。
図5】シートクッション側サイドフレームの側面図である。
図6図5の6-6線断面図である。
図7】第2の実施の形態のシートバック側サイドフレームの側面図である。
図8】第3の実施の形態のシートバック側サイドフレームの側面図である。
図9】第4の実施の形態のシートバック側サイドフレームの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照しながら説明する。以下の説明で「前後」、「左右」および「上下」は、着座者が車両前後方向前方に正面を向けた姿勢にある状態で当該着座者から見た方向を言うものとする。
【0025】
先ず図1において、車幅方向に間隔をあけつつ相互に平行に並んで直線状に延びる一対のスライドレール11に沿って移動可能なシートフレーム12は、シートクッション(図示せず)を支持するシートクッションフレーム15と、前記シートクッションの上方に配置されるシートバック14(図4参照)を支持するようにして前記シートクッションフレーム15に連結されるシートバックフレーム16とを備え、前記シートクッションフレーム15および前記スライドレール11間には、前記シートクッションフレーム15の高さを調節可能な高さ調整機構17が設けられる。
【0026】
シートクッションフレーム15は、車幅方向で相互に離間した位置に並ぶようにしつつ車両前後方向で直線状に延びる一対のシートクッション側サイドフレーム18と、それらのシートクッション側サイドフレーム18の前端部間を連結する連結部材としてのパンフレーム19と、一対の前記シートクッション側サイドフレーム18の後端部間を連結する他の連結部材としてのリヤパイプ20とを有する。
【0027】
前記パンフレーム19および前記リヤパイプ20間には、前記シートクッションを介して着座者の荷重を受けて弾性変形するクッション側受圧部材21が架け渡される。このクッション側受圧部材21は、金属線を左右に蛇行するようにジグザグに湾曲して成る複数(この実施の形態では4個)のシートスプリング22を有し、それらのシートスプリング22は、隣接するシートスプリング22同士が左右対称となるように配置される。複数の前記シートスプリング22の前端部は、前記シートフレーム12における前記パンフレーム19に設けられる係止部23にそれぞれ係合される。また相互に隣接する前記シートスプリング22の後端部は、前記シートフレーム12の前記リヤパイプ20に係合されるとともに、インサート成形によって前記シートスプリングと一体に成形される樹脂製の後端部連結部材24で連結されており、前記後端部連結部材24が、前記リヤパイプ20を覆うように形成される。
【0028】
前記シートバックフレーム16は、車幅方向で相互に離間した位置に並ぶようにして上下方向に延びる一対のシートバック側サイドフレーム25Aと、それらのシートバック側サイドフレーム25Aの上部間を連結する連結部材としてのヘッドレスト取付けブラケット26と、一対の前記シートバック側サイドフレーム25Aの下端部間を連結する連結部材としてのロアフレーム27とを有する。
【0029】
前記シートバック側サイドフレーム25Aは、側板部26aと、その側板部25aの前縁部から内側に張り出す前側鍔部25bと、前記側板部25aの後縁部から内側に張り出す後側鍔部25cとを一体に有して、金属板材のプレス成形によって形成されるものであり、基本的には内側に向かって開く略U字状の横断面形状を有するのであるが、このシートバック側サイドフレーム25Aの上部には、略C字状の横断面形状を有するブラケット支持部25Adが形成される。
【0030】
前記ヘッドレスト取付けブラケット26は、パイプ材が下方に向かって開く略U字状に屈曲成形されて成り、このヘッドレスト取付けブラケット26の両端部が、前記シートバック側サイドフレーム25Aの上部のブラケット支持部25Adに嵌合、固着される。また前記ヘッドレスト取付けブラケット26には、一対の筒状のヘッドレスト支持部材28が固着される。
【0031】
左右一対の前記シートクッション側サイドフレーム18の後端部には連結ブラケット29がそれぞれ締結され、それらの連結ブラケット29には、左右一対の前記シートバック側サイドフレーム25Aの下端部がリクライニングユニット30を介して連結される。前記リクライニングユニット30の回転軸31は、左右一対の前記シートバック側サイドフレーム25Aの下端部に、それらのシートバック側サイドフレーム25Aの下端部に連結される前記ロアフレーム27を貫通して取付けられ、リクライニングユニット30の作動によって前記シートフレーム12に対する前記シートバックフレーム16の角度を調整することができる。
【0032】
また左右一対の前記シートバック側サイドフレーム25A間には、前記シートバックを介して着座者の荷重を受けること弾性変形可能なバック側受圧部材34が配置される。樹脂等によって弾性変形可能に形成される前記バック側受圧部材34は、上部連結ワイヤ35および下部連結ワイヤ36を介して左右の前記シートバック側サイドフレーム25A間に架け渡される。
【0033】
図2において、前記シートバック側サイドフレーム25Aの前記側板部25aには、内外いずれかに隆起する第1、第2および第3の補強部37,38,39が設けられる。前記第1の補強部37は、前記側板部25aの後縁に沿いつつ上下方向に延びて設けられる。前記第2の補強部38および前記第3の補強部39は、前記シートバック側サイドフレーム25Aの長手方向とは交差する方向に延びるものであり、前記第2の補強部38は、前記第1の補強部37の上下方向中間部から車両前後方向前方に延びて前記側板部25aに設けられ、前記第3の補強部39は、前記第1の補強部37の下端部からわずかに前上がりに傾斜しつつ車両前後方向前方に延びて前記側板部25aに設けられる。前記第1、第2および第3の補強部37,38,39は、この実施の形態では、前記シートバック側サイドフレーム25Aのプレス加工時に内側に隆起するように形成される。
【0034】
図3において、前記シートバック側サイドフレーム25Aは、当該シートバック側サイドフレーム25Aの長手方向複数箇所に配置される板厚境界線で板厚が変化する形状に形成されるものであり、この実施の形態では、第1および第2の板厚境界線L1,L2が前記シートバック側サイドフレーム25Aに設定される。しかも前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2は、前記シートバック側サイドフレーム25Aへの前記ヘッドレスト取付けブラケット26および前記ロアフレーム27の連結部を避けた位置に設定されており、前記第1の板厚境界線L1は前記シートバック側サイドフレーム25Aの下部寄りに配置され、前記第2の板厚境界線L2は前記第1の板厚境界線L1の上方かつ前記シートバック側サイドフレーム25Aの長手方向中間位置に配置される。
【0035】
前記第1の板厚境界線L1よりも下方の前記シートバック側サイドフレーム25Aの板厚t1よりも前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2間での前記シートバック側サイドフレーム25Aの板厚t2が小さく、さらに前記第2の板厚境界線L2よりも上方の前記シートバック側サイドフレーム25Aの板厚t3が前記板厚t2よりも小さくなるようにして、前記シートバック側サイドフレーム25Aは、上方に向かって順に厚みが段階的に薄くなるように形成される。
【0036】
図2に注目して、前記第1の補強部37は、前記第2の板厚境界線L2を横切って前記側板部25aに設けられ、前記第2の補強部38および前記第3の補強部39は、前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を避けた位置、この実施の形態では上下方向で前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2間に配置されるようにして前記側板部25aに設けられる。
【0037】
また前記側板部25aには、前記バック側受圧部材34の前記上部連結ワイヤ35および前記下部連結ワイヤ36を取付けるための第1および第2の貫通孔40,41が、前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を避けて形成されており、この実施の形態では、前記第1の貫通孔40が前記第2の板厚境界線L2の上方で前記側板部25aに形成され、前記第2の貫通孔41が前記第1の板厚境界線L1の下方で前記側板部25aに形成される。
【0038】
前記シートバック側サイドフレーム25Aにおける前記側板部25aの下部には、前記リクライニングユニット30を取付けるための第3の貫通孔42が形成されており、この第3の貫通孔42は、前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を避けて、前記第1の板厚境界線L1よりも下方で前記側板部25aの下部に形成される。
【0039】
ところでこの実施の形態の車両用シート装置が車幅方向右側で車室内に配置されるものであるときに、左右一対のシートバック側サイドフレーム25Aのうち右側のシートバック側サイドフレーム25Aには、図1で示すように、エアバッグモジュール47が取付けられる。なお車両用シート装置が車幅方向左側で車室内に配置されるものであるときには、左右一対のシートバック側サイドフレーム25Aのうち左側のシートバック側サイドフレーム25Aに上記エアバッグモジュール47が取付けられるものであり、車室内の車幅方向左右いずれの側に配置されても対応することを可能とするために、左右一対のシートバック側サイドフレーム25Aは左右対称に形成されており、相互に対応する部分には同一の参照符号を付して図示する。
【0040】
図4において、前記エアバッグモジュール47は、車幅方向に偏平である箱状のモジュールケース48と、モジュールケース48内に格納されるインフレータ49と、当該インフレータ49を保持するリテーナ50と、前記インフレータ49からの高圧ガスで急速に膨張することを可能として前記インフレータ49に接続されるエアバッグ51と、平時は前記エアバッグ51を折り畳み状態に保持することを可能としつつ前記エアバッグ51の膨張時には即座に破断可能である保持袋52とを備える。
【0041】
また前記シートバック側サイドフレーム25Aの前記側板部25aには、前記エアバッグ51を取付けるために第4および第5の貫通孔43,44が形成されており、前記リテーナ50に植設された一対のボルト53が前記モジュールケース48を貫通して前記第4の貫通孔43および前記第5の貫通孔44に挿通され、前記側板部25aの内面に当接、係合するナット54が前記ボルト53にそれぞれ螺合される。すなわち前記エアバッグ51は前記インフレータ49および前記リテーナ50を介して一対ずつの前記ボルト53および前記ナット54で前記側板部25aに取付けられる。
【0042】
前記第4の貫通孔43および前記第5の貫通孔44は、前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を避けて前記側板部25aに形成されており、この実施の形態では、前記第4の貫通孔43は前記第2の板厚境界線L2の下方かつ前記第2の補強部38の上方で前記側板部25aに形成され、前記第5の貫通孔44は前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2間であって前記第2の補強部38および前記第3の補強部39間に配置されて前記側板部25aに形成される。すなわち前記エアバッグ51は、前記サイドフレームの前記側板部25aのうち前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2間の板厚同一部位に取付けられることになる。
【0043】
前記エアバッグ51の展開は、インナー側の力布56およびアウター側の力布57で抑制される。前記モジュールケース48の内側前部および前記シートバック側サイドフレーム25Aの内面間には前記インナー側の力布56の一端部が挟まれ、このインナー側の力布56の一端部に固着された樹脂製の取付け部材58が、前記シートバッグ側サイドフレームの前記側板部25aに形成された第6の貫通孔45および第7の貫通孔46に弾発係合される。
【0044】
前記第6の貫通孔45および前記第7の貫通孔46は、前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を避けた位置で前記側板部25aに矩形状に形成されており、この実施の形態では、前記第6の貫通孔45は前記第2の板厚境界線L2の下方かつ前記第2の補強部38の上方で前記第4の貫通孔43に隣接して前記側板部25aに形成され、前記第7の貫通孔46は前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2間であって前記第3の補強部39の下方かつ前記第2の貫通孔41に隣接して前記側板部25aに形成される。すなわち前記インナー側の力布56は、前記シートバック側サイドフレーム25Aの前記側板部25aのうち前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2間の板厚同一部位に固定されることになる。
【0045】
前記アウター側の力布57の一端部には係止フック59が縫合によって固着されており、この係止フック59は、前記モジュールケース48の後方で前記シートバック側サイドフレーム25Aにおける後側鍔部25cに係合される。
【0046】
前記インナー側の力布56よび前記アウター側の力布57は、前記モジュールケース48を内外から挟むように配置され、前記モジュールケース48の前端部外側で相互に重ねられ、シートバック14のバックパッド14aおよび土手パッド14b間に形成される空隙61内を車両前後方向前方に延出され、バックパッド外皮14aaおよび土手パッド外皮14baに縫着される。
【0047】
左右一対の前記シートバック側サイドフレーム25Aのうち前記エアバッグモジュール47が取付けられない側の前記シートバック側サイドフレーム25Aには、補強部材としての機能を兼ねる補助部材63が、シートバックフレーム16の形状矯正を行なうために固定されるものであり、当該補助部材63は、金属棒材を屈曲成形して線状に形成される。この補助部材63は、前記シートバック側サイドフレーム25Aから前方に突出するようにして当該シートバック側サイドフレーム25Aに固定されるものであり、完成後の車両用シートに乗員が着座したときには当該乗員からの荷重を前記補助部材63が受ける可能性があり、その補助部材63から前記シートバック側サイドフレーム25Aに前記荷重が作用する可能性がある。そこで、前記補助部材63は、前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を避けて前記シートバック側サイドフレーム25Aに固定されるものであり、しかも前記補助部材63は、前記第2の板厚境界線L2での前記シートバック側サイドフレーム25Aへの接触を回避しつつ前記第2の板厚境界線L2を跨いで前記シートバック側サイドフレーム25Aの前側鍔部25bに固着される。
【0048】
図5において、前記シートクッションフレーム15における前記シートクッション側サイドフレーム18は、基本的には内側に向かって開く略U字状の横断面形状を有しつつ、金属板材のプレス成形によって、当該シートクッション側サイドフレーム18の長手方向複数箇所に配置される板厚境界線で板厚が変化する形状に形成されるものであり、この実施の形態では、第3および第4の板厚境界線L3,L4が前記シートクッション側サイドフレーム18に設定される。しかも前記第3の板厚境界線L3および前記第4の板厚境界線L4は、前記シートクッション側サイドフレーム18への前記パンフレーム19および前記リヤパイプ20の連結部を避けた位置に設定されており、前記第3の板厚境界線L3は前記シートクッション側サイドフレーム18の後部寄りに配置され、前記第4の板厚境界線L4は前記第3の板厚境界線L3の前方かつ前記シートクッション側サイドフレーム18の長手方向中間位置に配置される。
【0049】
図6において、前記第3の板厚境界線L3よりも後方の前記シートクッション側サイドフレーム18の板厚t4よりも前記第3の板厚境界線L3および前記第4の板厚境界線L4間での前記シートクッション側サイドフレーム18の板厚t5が小さく、さらに前記第4の板厚境界線L4よりも前方の前記シートクッション側サイドフレーム18の板厚t6が前記板厚t5よりも小さくなるようにして、前記シートクッション側サイドフレーム18は、前方に向かって順に厚みが段階的に薄くなるように形成される。
【0050】
次にこの第1の実施の形態の作用について説明すると、シートバックフレーム16が備えるシートバック側サイドフレーム25Aが、当該シートバック側サイドフレーム25Aの長手方向複数箇所(この実施の形態では2箇所)でヘッドレスト取付けブラケット26およびロアフレーム27との連結部を避けた位置に配置される第1の板厚境界線L1および第2の板厚境界線L2で板厚が変化する形状に形成され、シートクッションフレーム15が備えるシートクッション側サイドフレーム18が、当該シートクッション側サイドフレーム18の長手方向複数箇所(この実施の形態では2箇所)でパンフレーム19およびリヤパイプ20との連結部を避けた位置に配置される第3の板厚境界線L3および第4の板厚境界線L4で板厚が変化する形状に形成されるので、シートバックフレーム16およびシートクッションフレーム15において、シートバック側サイドフレーム25Aおよびシートクッション側サイドフレーム18の必要な強度を確保しつつ重量増加を抑えることが可能であり、しかもヘッドレスト取付けブラケット26およびロアフレーム27とのシートバック側サイドフレーム25Aの連結部の剛性ならびにパンフレーム19およびリヤパイプ20とのシートクッション側サイドフレーム18の連結部の剛性に影響が及ぶことを回避することができる。
【0051】
また前記シートバック側サイドフレーム25Aにおける前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を避けた位置に、当該シートバック側サイドフレーム25Aの長手方向とは交差する方向に延びて内外いずれかに隆起した第2の補強部38および第3の補強部39が設けられるので、前記ヘッドレスト取付けブラケット26および前記ロアフレーム27とのシートバック側サイドフレーム25Aの連結部の剛性に影響が及ばないようにしつつ前記シートバック側サイドフレーム25Aの強度をより増大することができる。
【0052】
また補強機能を果たす補助部材63が、前記シートバック側サイドフレーム25Aに、前記第2の板厚境界線L2での当該シートバック側サイドフレーム25Aへの接触を回避しつつ前記第2の板厚境界線L2を跨いで固定されるので、シートバック側サイドフレーム25Aの前記第2の板厚境界線L2での剛性を高めることができる。
【0053】
また前記シートバック側サイドフレーム25Aに、当該シートバック側サイドフレーム25Aの長手方向に沿って延びて内外いずれかに隆起した第1の補強部37が前記第2の板厚境界線L2を横切って設けられるので、シートバック側サイドフレーム25Aの前記第2の板厚境界線L2での剛性を高めることができる。
【0054】
また前記シートバック側サイドフレーム25Aに、取付け部品であるバック側受圧部材34を取付けるための第1の貫通孔40および第2の貫通孔41と、取付け部品であるリクライニングユニット30を取付けるための第3の貫通孔42と、取付け部品であるエアバッグ51を取付けるための第4の貫通孔43および第5の貫通孔44と、取付け部品であるインナー側の力布56を取付けるための第6の貫通孔45および第7の貫通孔46とが形成され、前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2が第1~第7の貫通孔40~46を避けて設定されるので、前記バック側受圧部材34、前記リクライニングユニット30、前記エアバッグ51および前記インナー側の力布56の前記シートバック側サイドフレーム25Aへの取付け剛性に、前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2が影響を及ぼすことがない。
【0055】
また前記シートバック側サイドフレーム25Aの板厚同一部位に、エアバッグ51が取付けられるので、板厚同一部位での前記シートバック側サイドフレーム25Aの剛性を高めることができる。
【0056】
また前記エアバッグ51の展開を抑制するインナー側の力布56が、前記シートバック側サイドフレーム25Aの板厚同一部位に固定されるので、エアバッグ51の展開時に第1の板厚境界線L1および第2の板厚境界線L2に影響が及ぶことを抑えることが可能である。
【0057】
また乗員着座時に当該乗員からの荷重を受け得る前記補助部材63が、前記シートバック側サイドフレーム25Aに前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を避けて固定されるので、前記補助部材63からの荷重が前記シートバック側サイドフレーム25Aの板厚境界線部分に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0058】
さらに前記シートバック側サイドフレーム25Aの前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を避けた位置に、着座者の荷重を受けて弾性変形するバック側受圧部材34が取付けられるので、バック側受圧部材34からの荷重がシートバック側サイドフレーム25Aの板厚境界線部分に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0059】
本発明の第2の実施の形態について図7を参照しながら説明するが、上記第1の実施の形態に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみとし、詳細な説明は省略する。
【0060】
シートバック側サイドフレーム25Bの側板部25aは、第1および第2の板厚境界線L1,L2で板厚が変化するようにしつつ上方に向かって順に厚みが段階的に薄くなるように形成されており、この側板部25aには、内外いずれかに隆起する第4の補強部67および第2の補強部38が設けられる。前記第4の補強部67は、前下がりに傾斜した傾斜部67aを下部に有しつつ前記側板部25aの後縁に沿いつつ上下方向に延びて前記側板部25aに設けられる。また前記第2の補強部38は、前記シートバック側サイドフレーム25Bの長手方向とは交差する方向に延びつつ、前記第4の補強部67の上下方向中間部から車両前後方向前方に延びて前記側板部25aに設けられ、前記第4の補強部67および前記第2の補強部38は、この実施の形態では、前記シートバック側サイドフレーム25Bのプレス加工時に内側に隆起するように形成される。
【0061】
前記第4の補強部67は、前記傾斜部67aが前記第1の板厚境界線L1を横切るようにしつつ前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を横切るようにして前記側板部25aに設けられる。
【0062】
この第2の実施の形態によれば、前記シートバック側サイドフレーム25Bにおける前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を避けた位置に、当該シートバック側サイドフレーム25Bの長手方向とは交差する方向に延びて内外いずれかに隆起した第2の補強部38が設けられるので、前記ヘッドレスト取付けブラケット26(図1参照)および前記ロアフレーム27(図1参照)とのシートバック側サイドフレーム25Bの連結部の剛性に影響が及ばないようにしつつ前記シートバック側サイドフレーム25Bの強度をより増大することができる。
【0063】
また前記シートバック側サイドフレーム25Bに、当該シートバック側サイドフレーム25Bの長手方向に沿って延びて内外いずれかに隆起した第4の補強部67が前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を横切って設けられるので、シートバック側サイドフレーム25Bの前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2での剛性を高めることができる。
【0064】
本発明の第3の実施の形態について図8を参照しながら説明するが、上記第1および第2の実施の形態に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみとし、詳細な説明は省略する。
【0065】
シートバック側サイドフレーム25Cの側板部25aは、第1および第2の板厚境界線L1,L2で板厚が変化するようにしつつ上方に向かって順に厚みが段階的に薄くなるように形成されており、この側板部25aには、内外いずれかに隆起する第4の補強部67、第5の補強部68および第2の補強部38が設けられる。前記第5の補強部68は、前記第4の補強部67における傾斜部67aの基端部から前記シートバック側サイドフレーム25Cの長手方向とは交差する方向で車両前後方向前方に延びて前記側板部25aに設けられる。また前記第2の補強部38は、前記シートバック側サイドフレーム25Cの長手方向とは交差する方向に延びて前記側板部25aに設けられ、前記第4の補強部67、前記第5の補強部68および前記第2の補強部38は、この実施の形態では、前記シートバック側サイドフレーム25Cのプレス加工時に内側に隆起するように形成される。
【0066】
前記第5の補強部68は、前記第2の補強部38と同様にして、前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を避けた位置で前記側板部25aに設けられる。
【0067】
この第3の実施の形態によれば、前記シートバック側サイドフレーム25Cにおける前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を避けた位置に、当該シートバック側サイドフレーム25Cの長手方向とは交差する方向に延びて内外いずれかに隆起した第5の補強部68および第2の補強部38が設けられるので、前記ヘッドレスト取付けブラケット26(図1参照)および前記ロアフレーム27(図1参照)とのシートバック側サイドフレーム25Cの連結部の剛性に影響が及ばないようにしつつ前記シートバック側サイドフレーム25Cの強度をより増大することができる。
【0068】
また前記シートバック側サイドフレーム25Cに、当該シートバック側サイドフレーム25Cの長手方向に沿って延びて内外いずれかに隆起した第4の補強部67が前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を横切って設けられるので、シートバック側サイドフレーム25Cの前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2での剛性を高めることができる。
【0069】
本発明の第4の実施の形態について図9を参照しながら説明するが、上記第1~第3の実施の形態に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみとし、詳細な説明は省略する。
【0070】
シートバック側サイドフレーム25Dの側板部25aは、第1および第2の板厚境界線L1,L2で板厚が変化するようにしつつ上方に向かって順に厚みが段階的に薄くなるように形成されており、この側板部25aには、内外いずれかに隆起する第6~第11の補強部69,70,71,72,73,74が設けられ、これらの補強部69~74は、この実施の形態では、前記シートバック側サイドフレーム25Dのプレス加工時に内側に隆起するように形成される。
【0071】
前記第6の補強部69、第7の補強部70および前記第8の補強部71は、前記側板部25aの後縁に沿いつつ上下方向に延びるものであり、前記第6の補強部69は前記第2の板厚境界線L2の上方で前記側板部25aに設けられ、前記第7の補強部70は、前記第1の板厚境界線L1および前記第2板厚境界線L2間で前記側板部25aに設けられ、前記第8の補強71は前記第1の板厚境界線L1よりも下方で前記側板部25aに設けられる。
【0072】
また前記第9の補強部72,前記第10の補強部73および前記第11の補強部74は、前記シートバック側サイドフレーム25Dの長手方向とは交差する方向で車両前後方向前方に延びつつ、前記第6、第7および第8の補強部69,70,71とは分離して配置されるものであり、前記第9の補強部72および前記第10の補強部73は、前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L1間で前記側板部25aに設けられ、前記第11の補強部74は前記第1の板厚境界線l1よりも下方で前記側板部25aに設けられる。
【0073】
この第4の実施の形態によれば、前記シートバック側サイドフレーム25Dにおける前記第1の板厚境界線L1および前記第2の板厚境界線L2を避けた位置で前記側板部25aに、第6~第11の補強部69~74が設けられるので、前記ヘッドレスト取付けブラケット26(図1参照)および前記ロアフレーム27(図1参照)とのシートバック側サイドフレーム25Dの連結部の剛性に影響が及ばないようにしつつ前記シートバック側サイドフレーム25Dの強度をより増大することができる。
【0074】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0075】
15・・・シートクッションフレーム
16・・・シートバックフレーム
18,25A、25B,25C,25D・・・サイドフレーム
19・・・連結部材であるパンフレーム
20・・・連結部部材であるリヤパイプ
27・・・連結部材であるロアフレーム
28・・・連結部材であるヘッドレスト取付けブラケット
34・・・取付け部品であるバック側受圧部材
37,38,39,67,68,69,70,71,72,73,74・・・補強部
40,41,42,43,44,45,46・・・貫通孔
51・・・取付け部品であるエアバッグ
56・・・取付け部品である力布
63・・・補助部材
L1,L2,L3,L4・・・板厚境界線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9