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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】弾頭
(51)【国際特許分類】
   F42B 12/10 20060101AFI20231206BHJP
   F42B 12/22 20060101ALI20231206BHJP
   F42B 12/26 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
F42B12/10
F42B12/22
F42B12/26
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019198650
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021071245
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中永 毅
(72)【発明者】
【氏名】松原 聡
(72)【発明者】
【氏名】完山 裕美子
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0291654(US,A1)
【文献】特開2017-227348(JP,A)
【文献】国際公開第2019/112502(WO,A1)
【文献】米国特許第08161884(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0199875(US,A1)
【文献】特開2013-231589(JP,A)
【文献】特開2005-180919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F42B 12/10
F42B 12/22
F42B 12/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾殻(11)と、上記弾殻(11)の内部に充填される主炸薬(16)と、上記主炸薬(16)を起爆させる第1起爆手段(17)とを備えた弾頭であって、
表面にV溝(13a)が形成された金属製の長尺状の収容体(13)と、上記収容体(13)に収容された爆薬線用炸薬(14)とを有し、上記V溝(13a)を上記弾殻(11)の内面に向けた状態で上記弾殻(11)の内側に配設された成形爆薬線(12)と、
上記成形爆薬線(12)の爆薬線用炸薬(14)を、上記第1起爆手段(17)による上記主炸薬(16)の起爆前に起爆させることが可能な第2起爆手段(18)とを備え
上記第2起爆手段(18)により上記成形爆薬線(12)の爆薬線用炸薬(14)を起爆させることにより、上記弾殻(11)の内面にノッチ(N)を形成し、その後、上記弾殻(11)の内面にノッチ(N)が形成された状態で上記第1起爆手段(17)により上記主炸薬(16)を起爆させることにより、上記弾殻(11)を破断できるように構成されていることを特徴とする弾頭。
【請求項2】
請求項1に記載の弾頭において、
上記弾殻(11)は、円筒形の本体部(11a)を有し、
上記成形爆薬線(12)は、螺旋状に巻回された状態で上記本体部(11a)の外周端部に配設されていることを特徴とする弾頭。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の弾頭において、
上記成形爆薬線(12)は、複数設けられ、
上記第2起爆手段(18)は、上記成形爆薬線(12)毎に設けられていることを特徴とする弾頭。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の弾頭において、
上記主炸薬(16)と上記成形爆薬線(12)との間には、緩衝材(15)が介在していることを特徴とする弾頭。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の弾頭において、
上記第1起爆手段(17)による上記主炸薬(16)の起爆の前に、上記第2起爆手段(18)による上記成形爆薬線(12)の爆薬線用炸薬(14)の起爆を行わせるか否かを、標的の属性、又は上記弾殻(11)の状態に基づいて判定する起爆コントローラ(3)をさらに備えたことを特徴とする弾頭。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、弾殻と、弾殻の内部に充填される炸薬とを備えた弾頭に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、弾殻と、弾殻の内部に充填される炸薬とを備えた弾頭が開示されている。この弾頭では、弾殻に溝を形成し、炸薬の爆轟の衝撃圧によって弾殻が溝で破断するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-231589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、弾頭の起爆直前等、弾頭の製造後に、弾殻の破断後の破片形状を、弾頭の標的(ターゲット)等に応じて選択したいという要望がある。しかし、特許文献1では、弾殻の破断後の破片形状が弾殻の溝の配置に応じて決まるので、弾頭の製造後に破片形状を選択できない。
【0005】
本開示の目的は、弾頭の製造後に、弾殻の破断後の破片形状を選択できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、弾殻(11)と、上記弾殻(11)の内部に充填される主炸薬(16)と、上記主炸薬(16)を起爆させる第1起爆手段(17)とを備えた弾頭であって、表面にV溝(13a)が形成された金属製の長尺状の収容体(13)と、上記収容体(13)に収容された爆薬線用炸薬(14)とを有し、上記V溝(13a)を上記弾殻(11)の内面に向けた状態で上記弾殻(11)の内側に配設された成形爆薬線(12)と、上記成形爆薬線(12)の爆薬線用炸薬(14)を、上記第1起爆手段(17)による上記主炸薬(16)の起爆前に起爆させることが可能な第2起爆手段(18)とを備えていることを特徴とする。
【0007】
第1の態様では、第1起爆手段(17)による主炸薬(16)の起爆前に、第2起爆手段(18)に爆薬線用炸薬(14)を起爆させると、成形爆薬線(12)のV溝(13a)が外側に飛び出して弾殻(11)の内面にノッチ(N)を形成する。したがって、その後、第1起爆手段(17)に主炸薬(16)を起爆させると、弾殻(11)のノッチ(N)周りに応力が集中するので、弾殻(11)がノッチ(N)を境界として破断しやすい。
【0008】
一方、第2起爆手段(18)に爆薬線用炸薬(14)を起爆させていない状態で、第1起爆手段(17)に主炸薬(16)を起爆させる場合には、弾殻(11)に上述のようなノッチ(N)が形成されていない状態で主炸薬(16)が起爆するので、爆薬線用炸薬(14)の起爆後に主炸薬(16)を起爆させる場合とは異なる形状の破片に弾殻(11)を破断できる。
【0009】
このように、第1起爆手段(17)による主炸薬(16)の起爆の前に、第2起爆手段(18)による爆薬線用炸薬(14)の起爆を行った場合と行っていない場合とで、弾殻(11)の破断後の破片形状が異なるので、第1起爆手段(17)による主炸薬(16)の起爆の前に、第2起爆手段(18)による爆薬線用炸薬(14)の起爆を行わせるか否かによって、弾殻(11)の破断後の破片形状を選択できる。
【0010】
第2の態様は、第1の態様において、 上記弾殻(11)は、円筒形の本体部(11a)を有し、上記成形爆薬線(12)は、螺旋状に巻回された状態で上記本体部(11a)の外周端部に配設されていることを特徴とする。
【0011】
第2の態様では、弾殻(11)の本体部(11a)の内側で成形爆薬線(12)が本体部(11a)の周方向に延びるので、第2起爆手段(18)による爆薬線用炸薬(14)の起爆後の状態で第1起爆手段(17)に主炸薬(16)を起爆させることにより、弾殻(11)の本体部(11a)を軸方向に意図した箇所で破断できる。
【0012】
第3の態様は、第1又は2の態様において、上記成形爆薬線(12)は、複数設けられ、上記第2起爆手段(18)は、上記成形爆薬線(12)毎に設けられていることを特徴とする。
【0013】
第3の態様では、複数の第2起爆手段(18)のうち、全部の第2起爆手段(18)に起爆を行わせるか、一部の第2起爆手段(18)に起爆を行わせるかによって、弾殻(11)の破断後の破片の形状及び大きさを選択できる。
【0014】
第4の態様は、第1~3のいずれか1つの態様において、上記主炸薬(16)と上記成形爆薬線(12)との間には、緩衝材(15)が介在していることを特徴とする。
【0015】
第4の態様では、主炸薬(16)と成形爆薬線(12)との間には、緩衝材(15)が介在しているので、成形爆薬線(12)の爆薬線用炸薬(14)の爆発によって主炸薬(16)の爆発が誘発されない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態1に係る弾頭の概略断面図である。
図2図2は、実施形態1に係る弾頭が装着されたミサイルの外形図である。
図3図3は、図1のIII部拡大である。
図4図4は、成形爆薬線の斜視図である。
図5図5は、起爆コントローラの処理動作を説明するフローチャートである。
図6図6は、実施形態2の図1相当図である。
図7図7は、実施形態2の図5相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0018】
《実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る弾頭(10)を示す。この弾頭(10)は、図2に示すようなミサイル(1)に搭載されている。このミサイル(1)には、標的を識別するためのセンサ(2)が取り付けられている。センサ(2)は、例えば、画像センサ、音響センサ、振動センサ等からなり、標的を検出し、かつその種類を識別するのに必要な信号を出力する。以下、ミサイル(1)の後方を「後方」、ミサイル(1)の前方(進行方向)を「前方」と呼ぶ。
【0019】
弾頭(10)は、略円筒形の弾殻(11)を備えている。弾殻(11)は、後方に解放する有底円筒形の本体部(11a)と、当該本体部(11a)の解放側を塞ぐように本体部(11a)に後方から取り付けられ、前方に解放する略有底円筒形の取付部(11b)とを有している。本体部(11a)の解放側端部の外周面には、雄ねじ部(図示せず)が設けられ、取付部(11b)の解放側端部の内周面には、雌ねじ部(図示せず)が設けられている。本体部(11a)の雄ねじ部を、取付部(11b)の雌ねじ部に螺合締結することで、本体部(11a)及び取付部(11b)が一体に組み付けられている。なお、本体部(11a)と取付部(11b)の組み付け方法はこれに限定されない。
【0020】
弾殻(11)の本体部(11a)の内側の外周端部には、図3及び図4にも示すように、長尺状の成形爆薬線(12)が螺旋状に複数回巻回された状態で配設されている。成形爆薬線(12)は、表面にV溝(13a)が形成された金属製の長尺状の収容体(13)と、上記収容体(13)に収容された爆薬線用炸薬(14)とを有している。収容体(13)を構成する金属としては、アルミ又は銅等の純金属が採用される。また、成形爆薬線(12)の径方向の幅Wは、弾殻(11)の本体部(11a)の周壁の厚さT1よりも短く設定され、例えば厚さT1の約1/2に設定される。収容体(13)は、そのV溝(13a)を本体部(11a)の内面に全周に亘って向けている。収容体(13)の外周面、すなわちV溝(13a)形成面と、弾殻(11)の内面とは、互いに当接しているか、又は間に微小な間隔を有している。成形爆薬線(12)は、LSC(Linear Shaped Charge)である。
【0021】
成形爆薬線(12)の内側には、両端部が解放し、かつ本体部(11a)の内周面と平行な円筒形のシート状の緩衝材(15)が、本体部(11a)の軸方向全体に亘って配設されている。緩衝材(15)は、樹脂又はゴムで構成されている。緩衝材(15)の内部全体には、主炸薬(16)が充填されている。緩衝材(15)の厚さT2は、成形爆薬線(12)の径方向の幅Wよりも短く設定される。
【0022】
取付部(11b)の内部には、主炸薬(16)を起爆させる第1起爆手段としての第1起爆装置(17)と、爆薬線用炸薬(14)を起爆させる第2起爆手段としての第2起爆装置(18)とが収容されている。第1起爆装置(17)及び第2起爆装置(18)は、それぞれ、起爆薬等を内蔵した電気雷管等で構成される。第2起爆装置(18)は、爆薬線用炸薬(14)を、第1起爆装置(17)による主炸薬(16)の起爆前に起爆させることが可能である。第1起爆装置(17)及び第2起爆装置(18)の配置は、図1に例示した配置に限られない。
【0023】
第1起爆装置(17)及び第2起爆装置(18)は、図2に示す起爆コントローラ(3)に接続されている。起爆コントローラ(3)は、ミサイル(1)に内蔵され、上記センサ(2)の出力信号を受け付けるようになっている。
【0024】
起爆コントローラ(3)の処理動作を図5により具体的に説明すると、最初のステップS101では、起爆コントローラ(3)は、センサ(2)の出力信号に基づいて、標的の脆弱性を推定する。脆弱性は、例えば、標的の色彩、サイズ等に基づいて推定される。S102において、起爆コントローラ(3)は、S101で推定した脆弱性に基づいて、弾殻(11)の破片サイズの調整が必要か否かを判定する。標的が所定の基準よりも脆弱である場合には、弾殻(11)の破片サイズの調整が必要であると判定し、標的が所定の基準よりも脆弱でない場合には、弾殻(11)の破片サイズの調整が必要ないと判定する。弾殻(11)の破片サイズの調整が必要でない場合には、S103に進む一方、弾殻(11)の破片サイズの調整が必要である場合には、S104に進む。
【0025】
S103では、起爆コントローラ(3)は、第1起爆装置(17)に主炸薬(16)を起爆させる。これにより、弾殻(11)を、破片サイズを調整しない状態で主炸薬(16)の爆轟の衝撃圧によってランダムなサイズの破片に破断できる。
【0026】
S104では、起爆コントローラ(3)は、第2起爆装置(18)に爆薬線用炸薬(14)を起爆させる。これにより、成形爆薬線(12)のV溝(13a)がメタルジェット化して外周側に(図3において矢印Xで示す方向)飛び出して弾殻(11)の内面に周方向に螺旋状に延びるノッチ(N)を外側に凹むように形成する。図3中、ノッチ(N)を二点鎖線で示す。このとき、主炸薬(16)と上記成形爆薬線(12)との間に、緩衝材(15)が介在しているので、成形爆薬線(12)の爆薬線用炸薬(14)の爆発によって主炸薬(16)の爆発が誘発されない。その後、起爆コントローラ(3)は、処理をS103に進める。
【0027】
S104の動作を実行した後の状態で、S103の動作を実行した場合、ノッチ(N)が弾殻(11)の内面に形成された状態で主炸薬(16)が起爆する。このとき、ノッチ(N)周りに応力が集中するので、弾殻(11)がノッチ(N)を境界として破断しやすい。したがって、S104の動作を実行していない状態でS103の動作を行う場合に比べ、弾殻(11)が軸方向に意図したサイズに破断される。
【0028】
一方、S104の動作を実行していない状態で、S103の動作を実行する場合には、弾殻(11)に上述のようなノッチ(N)が形成されていない状態で主炸薬(16)が起爆する。したがって、弾殻(11)が、S104の動作後にS103の動作を行う場合に比べ、ランダムなサイズの破片に破断する。
【0029】
このように、第1起爆装置(17)による主炸薬(16)の起爆の前に、第2起爆装置(18)による爆薬線用炸薬(14)の起爆を行った場合と行っていない場合とで、弾殻(11)の破断後の破片形状が異なるので、第1起爆装置(17)による主炸薬(16)の起爆の前に、第2起爆装置(18)による爆薬線用炸薬(14)の起爆を行わせるか否かによって、弾殻(11)の破断後の破片形状を選択できる。
【0030】
本実施形態1によると、螺旋状をなす成形爆薬線(12)を1本だけ設けたので、環状の成形爆薬線を複数設ける場合に比べ、弾殻(11)の内側に成形爆薬線(12)を設置する作業が容易になるとともに、部品点数を削減できる。また、各成形爆薬線を起爆させるための第2起爆装置を複数設けなくて良いので、弾頭(10)の構造を簡素化できる。
【0031】
また、標的の脆弱性に応じて、弾殻(11)の破断後の破片形状を選択できるので、弾殻(11)の破断後の破片形状を、標的に適した形状にできる。
【0032】
《実施形態2》
図6は、本発明の実施形態2に係る弾頭(10)を示す。本実施形態2では、成形爆薬線(12)が2本設けられている。両成形爆薬線(12)は、全長に亘って軸方向に隣り合うように互いに平行に螺旋状に配設されている。また、第2起爆装置(18)が、成形爆薬線(12)毎に設けられている。
【0033】
また、起爆コントローラ(3)が、図7に示すように、S102において、破片サイズの調整が必要であると判定した場合に、S201に進む。そして、S201において、破片の細分化が必要であるか否かを判定する。破片の細分化が必要である場合には、S202に進む一方、破片の細分化が必要でない場合には、S203に進む。ここで、破片の細分化が必要であるか否かの判定は、S101で推定した標的の脆弱性に基づいて行われる。
【0034】
S202では、両第2起爆装置(18)に爆薬線用炸薬(14)を起爆させる。これにより、両成形爆薬線(12)のV溝(13a)が外側に飛び出して弾殻(11)の内面に周方向に螺旋状に延びるノッチ(N)を形成する。その後、S103に進む。
【0035】
一方、S203では、両第2起爆装置(18)のうち一方の第2起爆装置(18)だけに爆薬線用炸薬(14)を起爆させる。これにより、一方の成形爆薬線(12)のV溝(13a)が外側に飛び出して弾殻(11)の内面に周方向に螺旋状に延びるノッチ(N)を形成する。その後、S103に進む。
【0036】
S202で両第2起爆装置(18)に起爆を行わせた場合、S203で一方の第2起爆装置(18)だけに起爆を行わせた場合に比べ、ノッチ(N)が弾殻(11)の軸方向により密に形成されるので、弾殻(11)を軸方向により細かく破断できる。このように、両第2起爆装置(18)に起爆を行わせるか、一方の第2起爆装置(18)だけに起爆を行わせるかによって、弾殻(11)の破断後の破片の大きさを選択できる。
【0037】
その他の構成及び動作は、実施形態1と同じであるので、同一の構成及び動作には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0038】
なお、上記実施形態1,2では、弾殻(11)の本体部(11a)を後方のみに解放する形状としたが、本体部(11a)を前後に解放する形状とし、本体部(11a)の前側の解放部に、主炸薬(16)の爆発に伴って前方に射出されるライナを設けてもよい。
【0039】
また、上記実施形態1,2では、成形爆薬線(12)を螺旋状としたが、環状、直線状等、他の形状としてもよい。
【0040】
また、上記実施形態1,2では、S102,S201における判定を、標的の脆弱性に基づいて行った。しかし、標的のその他の属性や、弾殻(11)が破壊されているか否か等の弾殻(11)の状態に基づいて行ってもよい。また、ユーザの指令を無線によって受信する受信手段をミサイル(1)に設け、S102,S201における判定を、上記受信手段によって受信された指令に基づいて行ってもよい。
【0041】
また、上記実施形態2では、弾頭(10)に成形爆薬線(12)を2本設けたが、3本以上の複数設け、第2起爆装置(18)を成形爆薬線(12)毎に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上説明したように、本発明は、弾殻と、弾殻の内部に充填される炸薬とを備えた弾頭について有用である。
【符号の説明】
【0043】
10 弾頭
11 弾殻
11a 本体部
12 成形爆薬線
13 収容体
13a V溝
14 爆薬線用炸薬
15 緩衝材
16 主炸薬
17 第1起爆装置(第1起爆手段)
18 第2起爆装置(第2起爆手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7