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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】足場用幅木
(51)【国際特許分類】
   E04G 5/00 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
E04G5/00 301A
E04G5/00 301G
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019230187
(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2021098946
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-09-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 大隅株式会社 総合カタログ 2019年5月7日発行(電子版 2019年6月7日掲載)
(73)【特許権者】
【識別番号】501415659
【氏名又は名称】JFE機材フォーミング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519455254
【氏名又は名称】大隅株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】脇浜 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 潔
(72)【発明者】
【氏名】岩川 景一郎
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3215591(JP,U)
【文献】特開2011-153422(JP,A)
【文献】特開2015-031032(JP,A)
【文献】特開2018-012929(JP,A)
【文献】特開2012-87458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床付き布わくの幅方向の外側縁部に沿い起立姿勢で配置される幅木本体と、該幅木本体の長手方向の端縁にそれぞれ設けられ、先端凹部を各支柱の外周面に適合させて該幅木本体を支柱の相互間に固定する一対のハンガーと、該幅木本体の下端に一体的につながり該床付き布わくの幅方向の外側端部において形成される隙間を塞ぐ遮蔽板とを備えた足場用幅木であって、
該一対のハンガーのうちの一方のハンガーは、幅木本体の裏側面において固定保持された固定ハンガーからなり、もう一方のハンガーは、幅木本体の裏側面に配置され、該幅木本体の壁面に沿って移動可能な移動ハンガーからなり、
該移動ハンガーは、幅木本体の表側面に配置され、該幅木本体の壁面に沿う移動にて移動ハンガーを同期移動させて該移動ハンガーの先端凹部を支柱の外周面に適合させるスライダーを有し、
前記スライダーは、枢軸を支点に本体部分を回動させてその少なくとも一部分を前記幅木本体もしくは前記遮蔽板に設けられた開口部に落とし込んで該移動ハンガーの、支柱に対する適合姿勢をそのまま維持するロック機構を有することを特徴とする足場用幅木。
【請求項2】
前記遮蔽板は、前記幅木本体とのなす角度が91°以上、110°以下であることを特徴とする請求項に記載した足場用幅木。
【請求項3】
前記移動ハンガーは、前記支柱に近づくにつれて付勢力が徐々に増強される付勢力増強部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載した足場用幅木。
【請求項4】
前記付勢力増強部材が、弾性部材であることを特徴とする請求項に記載した足場用幅木。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築現場や土木工事現場で構築されるくさび緊結式足場に用いて好適な足場用幅木に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築現場や土木工事現場において構築されるくさび緊結式足場は、建枠の支柱に設けられたソケットに布材に取り付けられたくさびを打ち込むことにより該布材にて建枠の横架材を形成し、対向する横架材の相互間に床付き布わくを架け渡すことによって構成されている。
【0003】
通常、この種のくさび緊結式足場は、作業者の墜落を防止する観点から、床板の外側縁部には、該床板と交差する向きに立ち上った幅木(つま先板)が設置されており、この点に関する先行技術としては、例えば、特許文献1が参照される。
【0004】
ところで、上記従来の幅木は、横架材に取り付ける固定手段の構造が複雑であり、幅木を効率的に製造できるとはいい難く、幅木そのもののコストの上昇が避けられないものであり、しかも、幅木の取り付けに際しては、横架材に対する位置合わせを行いながらの作業が必要であって、作業性がよいとはいえないのが現状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-12929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、構造の簡素化を図り、簡単な操作でもって取り付け、取り外しができる足場用幅木を提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、床付き布わくの幅方向の外側縁部に沿い起立姿勢で配置される幅木本体と、該幅木本体の長手方向の端縁にそれぞれ設けられ、先端凹部を各支柱の外周面に適合させて該幅木本体を支柱の相互間に固定する一対のハンガーと、該幅木本体の下端に一体的につながり該床付き布わくの幅方向の外側端部において形成される隙間を塞ぐ遮蔽板とを備えた足場用幅木であって、
該一対のハンガーのうちの一方のハンガーは、幅木本体の裏側面において固定保持された固定ハンガーからなり、もう一方のハンガーは、幅木本体の裏側面に配置され、該幅木本体の壁面に沿って移動可能な移動ハンガーからなり、
該移動ハンガーは、幅木本体の表側面に配置され、該幅木本体の壁面に沿う移動にて移動ハンガーを同期移動させて該移動ハンガーの先端凹部を支柱の外周面に適合させるスライダーを有することを特徴とする足場用幅木である。
【0008】
上記の構成からなる足場用幅木において、前記スライダーは、枢軸を支点にスライダー本体を回動させてその少なくとも一部分を前記幅木本体もしくは前記遮蔽板に設けられた開口部に落とし込んで該移動ハンガーの、支柱に対する適合姿勢をそのまま維持するロック機構を有すること、前記遮蔽板は、前記幅木本体とのなす角度が91°以上、110°以下であること、前記移動ハンガーは、前記支柱に近づくにつれて付勢力が徐々に増強される付勢力増強部材を有すること、そして、前記付勢力増強部材が、弾性部材であることが、課題解決のための具体的手段として好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の足場用幅木によれば、固定ハンガーの先端凹部を支柱の外周面に適合させたのち、移動ハンガーをスライダーにより移動させてその先端凹部を支柱の外周面に適合させるだけで幅木の取り付けが可能であり、移動ハンガーをスライダーにより支柱から離反する向きに移動させることにより幅木の取り外しが可能となる。
【0010】
また、本発明の足場用幅木によれば、スライダーがロック機構を有しているため、幅木を支柱に強固に固定することができる。
【0011】
また、本発明の足場用幅木によれば、斜壁板の、幅木本体とのなす角度を91°以上、110°以下としたことにより、床材の高さが異なる足場であっても、1種類の幅木だけでくさび緊結式足場を構築することが可能であり、初期投資費用、管理コストの軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】くさび緊結式足場の一部分を示した外観斜視図である。
図2】本発明に従う幅木の実施の形態を模式的に示した外観斜視図である。
図3図2に示した幅木の正面図である。
図4図3に示した幅木の左側面図である。
図5図3に示した幅木の右側面図である。
図6図3に示した幅木の背面図である。
図7図3に示した幅木の平面図である。
図8図3に示した幅木の底面図である。
図9図2~8に示した幅木を図1に示したくさび緊結式足場に組み付けた状態を示した外観斜視図である。
図10】本発明にしたがう幅木の要部を分解状態で示した外観斜視図である。
図11】本発明にしたがう幅木の要部を分解状態で示した外観斜視図である。
図12】本発明にしたがう幅木の取り付け要領の説明図であり、(a)は、幅木の正面を要部について示した図であり、(b)は、(a)の平面を示した図(フランジは表示せず、)である。
図13】本発明にしたがう幅木の取り付け要領の説明図であり、(a)は、幅木の正面を要部について示した図であり、(b)は、(a)の平面を示した図(フランジは表示せず)である。
図14】本発明にしたがう幅木の取り付け要領の説明図である。
図15】旧来型の床付き布わくの要部を示した図であり、(a)は、側面図、(b)は、(a)のA-A断面図である。
図16】フラット型の床付き布わくの要部を示した図であり、(a)は、側面図、(b)は、(a)のB-B断面図である。
図17】(a)は、旧来型の床付き布わくを用いて構築されたくさび緊結式足場に本発明にしたがう幅木を適用した状態を示した図であり、(b)は、フラット型の床付き布わくを用いて構築されたくさび緊結式足場に本発明にしたがう幅木を適用した状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1は、くさび緊結式足場の一部分を示した外観斜視図であり、図2は、図1に示したくさび緊結式足場に適用可能な本発明にしたがう幅木の実施の形態を示した外観斜視図である。
【0014】
また、図3は、図2に示した幅木の正面図であり、図4は、図3に示した幅木の左側面図であり、図5は、図3に示した幅木の右側面図であり、図6は、図3に示した幅木の背面図であり、図7は、図3に示した幅木の平面図であり、図8は、図3に示した幅木の底面図である。さらに、図9は、図2~8に示した幅木を図1に示したくさび緊結式足場に組み付けた状態を示した外観斜視図であり、図10図11は、本発明にしたがう幅木の要部を分解状態で示した外観斜視図である。
【0015】
図における符号1は、くさび緊結式足場を構成する建枠の支柱、2は、支柱1の受け部1aに楔部材1bを介して連結された布材である。これら支柱1、布材2の複数本を用いることによってくさび緊結式足場が構築される。
【0016】
また、3は、対向する布材2の相互間に架け渡された床付き布わくである。この床付き布わく3は矩形状をなすものが適用され、その四隅には、下方に向けて開放された凹部を有し、該凹部を布材2の上部に適合させて該布材2への連係を可能とする掛止クランプ3aが設けられている。支柱1、布材2、床付き布わく3は、基本的には金属製部材で構成されたものが適用される。
【0017】
また、符号4は、床付き布わく3の外側縁部に沿って配置される幅木である。幅木4は、床付き布わく3の床面に対して交差する向き(直交する向き)に立ち上る横長(対向する支柱の相互間に跨る長さを有する)の幅木本体4aと、この幅木本体4aの長手方向の端縁にそれぞれ設けられた一対のハンガー4b、4cと、幅木本体4aの下端につながり床付き布わく3の幅方向の外側端部において形成される隙間を塞ぐ遮蔽板4dとからなっている。幅木本体4aの上端部には、その剛性を確保するために、折り曲げ片を備えたフランジ4a1が設けられ、遮蔽板4dの表面には、エンボス加工によって形成された滑り止め用の突起が設けられている。
【0018】
ハンガー4bは、支柱1の外周面に適合可能な先端凹部4b1を有する二枚の板材からなるハンガー本体4b2と、ハンガー本体4b2を回動可能に保持するプレート4b3からなり、プレート4b3を介して幅木本体4aの裏側面にビスあるいはブラインドリベット等により固定されている(以下、このハンガー4bを固定ハンガー4bと記す)。
【0019】
ハンガー4cは、支柱1の外周面に適合可能な先端凹部4c1を有する二枚の板材からなるハンガー本体4c2と、ハンガー本体4c2を回動可能に保持するプレート4c3から構成されており、プレート4c3を介して幅木本体4aの裏側面でその壁面に沿って移動できるように配置されている(以下、このハンガーを移動ハンガー4cと記す)。
【0020】
また、符号5は、幅木本体4aの表側面に配置されたスライダーである。スライダー5は、板状材にて構成された本体部分5aと、本体部分5aに一体的に設けられた摘み部5bから構成され、幅木本体4aの壁面に沿うように移動可能となっており、スライダー5の移動にて移動ハンガー4cは同期移動してその先端凹部4c1を支柱1の外周面に適合させることができるようになっている。
【0021】
また、スライダー5は、枢軸5cを支点に本体部分5aを回動させてその少なくとも一部分を幅木本体4a(もしくは遮蔽板4d)に設けられた開口部4eに落とし込んで移動ハンガー4cの、支柱1に対する適合姿勢をそのまま維持する機能も有しており、スライダー本体部分5aと開口部4eによってロック機構が構成されている。
【0022】
また、符号6は、幅木本体4aの壁面に設けられた横向きの長孔、7は、幅木本体4aの壁面に設けられた円形開孔である。円形開孔7は、長孔6の開孔幅と同じ寸法の径を有しており、その中心は、長孔6の開孔軸芯Fに一致している。また、符号8は、移動ハンガー4cのプレート4c3に設けられ、長孔6と同じサイズになる横向きの長孔、9は、移動ハンガー4cのプレート4c3に設けられ、円形開孔7と同じサイズになる円形開孔である。円形開孔9は、長孔8開孔幅と同じ寸法の経を有するものであって、その中心は、長孔8の開孔軸芯F1に一致している。
【0023】
また、符号10は、スライダー5に設けられ、長孔6の開孔幅および円形開孔9の径と同じ径を有する円形開孔、11は、スライダー5に設けられ鉤型形状をなす窓孔である。窓孔11は、長孔8の開孔幅、開孔長さと同じ開孔幅、開孔長さを有する横向きの長孔11aと、該長孔11aの一端につながり若干の傾斜をもって上方へ向けて立ち上がった長孔11bからなっている。
【0024】
また、符号12は、スライダー5に設けられた円形開孔10、幅木本体4aに設けられた長孔6および移動ハンガー4cのプレート4c3に設けられた円形開孔9を通してねじ止めされる段付きボルト、13は、スライダー5の鉤型形状をなす窓孔11、幅木本体4aに設けられた円形開孔7および移動ハンガー4cのプレート4c3に設けられた長孔8を通してねじ止めされる段付きボルトである。
【0025】
段付きボルト12、13によりスライダー5と移動ハンガー4cは、幅木本体4aの表裏において相互に連結され、スライダー5、移動ハンガー4cは、幅木本体4aに設けられた長孔6、移動ハンガー4cのプレート4c3に設けられた長孔8、スライダー5に設けられた窓孔11の横向き長孔11aの範囲内で移動可能となる一方、スライダー5については、段付きボルト12を枢軸としてこれを支点に窓孔11の立ち上がり長孔11bの範囲内で回動可能となる。
【0026】
また、符号14は、幅木本体4aの長手方向の端部の下端に設けられた受け具である。受け具14はブラインドリベット等の接合手段によって固定され、下向きに開放された凹部を有する溝形形状をなす部材からなるものを用いることができ、受け具14の凹部に楔部材1bの頭部を入れ込みその上に幅木本体4aを載置することによって幅木4の設置姿勢の安定化を図る。
【0027】
さらに、符号15は、幅木本体4aの長手方向の端部に設けられた切欠き部である。切欠き部15は、隣接配置される他の幅木とを相互につなぎ合わせるのに使用する連接部材(図示せず)を配置する領域を形成するものであって、連結部材の配置が不要な場合には省略される。
【0028】
本発明にしたがう幅木4を、くさび緊結式足場の支柱1に取り付けるには、支柱1に接触することがないように、まず、移動ハンガー4cを退避位置に後退させるべく、スライダー5を、図12(a)(b)に示すように紙面右側に移動させておき、この状態で固定ハンガー4bの先端凹部4b1を支柱1の外周面に適合させつつ楔部材1bの上に幅木4を載置する。次いでスライダー5を操作して移動ハンガー4cを図13(a)(b)に示すように支柱1に向けて移動させ、その先端凹部4c1を支柱1の外周面に適合させる。そして、さらに図14に示すように、スライダー5の本体部分5aを枢軸5c(段付きボルト12)を支点に回動させてその一部分を幅木本体4aに設けられた開口部4eに落とし込む。
【0029】
図14に示すような状態では、移動ハンガー4cは、ロックされた状態となり、移動ハンガー4cの、支柱1に対する適合姿勢はそのまま維持されることになる。
【0030】
幅木4の取り外しを行うには、スライダー5を逆向きに回動させて元の位置、すなわち、図12(a)(b)に示すような位置まで移動させればよく、本発明にしたがう幅木4は、構造が簡素化され、簡単な操作でもって取り付け、取り外しを行うことができる。
【0031】
図15(a)(b)は、床付き布わく3の厚さ方向の寸法が40mm程度で、布材2の円の上端と床面がほぼ同じ高さになる旧来型の床付き布わくを模式的に示した図であり、図16(a)(b)は、床付き布わく3の厚さ方向の寸法が50mm程度で、掛止クランプ3aの頭部と床板材3bの上面が一致したフラット型の床付き布わくを模式的に示した図である。
【0032】
旧来型の床付き布わくと、フラット型の床付き布わくとでは、掛止クランプ3aの頭頂から床板材3bに至るまでの垂直寸法が20mm程度の差がある。このため、遮蔽板4dについては、幅木本体4aに対する角度を可変とするか、それぞれの床付き布わくに合わせて2種類の幅木4を用意する必要があって、幅木4の構造の複雑化、初期投資費、管理コストの増大が避けられない状況にあった。しかしながら、本発明にしたがう幅木4は、遮蔽板4dの、幅木本体4aとのなす角度θが91°以上、110°以下になっているため、図17(a)(b)に示すように遮蔽板4dの弾性変形により幅木本体4aとのなす角度を容易に変更することが可能であり、いずれの床付き布わくにおいても共通して使用することができる。なお、遮蔽板4dの、幅木本体4aとのなす角度θは、95°程度とするのが好ましい。
【0033】
移動ハンガー4cには、図示はしないが、支柱1に近づくにつれて付勢力が徐々に増強される付勢力増強部材、例えば、バネ等の如き弾性部材を組付けておくことが可能であり、これにより、移動ハンガー4cの先端凹部4c1が支柱1に適合した際に、その相互間の摩擦力を高めることができ、幅木4の取り付け強度の改善を図ることができる。とくに、フラット型の床付き布わくが適用されたくさび緊結式足場において本発明にしたがう幅木4を用いる場合においては遮蔽板4dの弾性変形により復元力(スプリングバック力)が作用して幅木4の全体が浮き上がることが懸念されるが、移動ハンガー4cと支柱1との間で摩擦力を高めておくことにより幅木4の浮き上がりを回避し得る。
【0034】
移動ハンガー4cと支柱1との緩で摩擦力を高めるものとしては、移動ハンガー4cを支柱1に強く押し付けた状態でスライダー5、幅木本体4aおよび移動ハンガー4cを貫くピンを差し込む機構やスクリューを利用して移動ハンガー4cを支柱1に押し付ける機構等を適用することができ、バネ等の弾性部材を用いる場合に限定されることはない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明によれば、構造の簡素化を図り、簡単な操作で取り付け、取り外しが行える足場用幅木が提供できる。
【0036】
また、本発明によれば、旧来型の床付き布わく、フラット型の床付き布わくの違いにかかわりなしに使用可能な足場用幅木が提供できる。
【符号の説明】
【0037】
1 支柱
1a 受け部
1b 楔部材
2 布材
3 床付き布わく
3a 掛止クランプ
3b 床板材
4 幅木
4a 幅木本体
4a1 フランジ
4b ハンガー(固定ハンガー)
4b1 先端凹部
4b2 ハンガー本体
4b3 プレート
4c ハンガー(移動ハンガー)
4c1 先端凹部
4c2 ハンガー本体
4c3 プレート
4d 遮蔽板
4e 開口部
5 スライダー
5a 本体部分
5b 摘み部
5c 枢軸
6 長孔
7 円形開孔
8 長孔
9 円形開孔
10 円形開孔
11 窓孔
11a 長孔
11b 長孔
12 段付きボルト
13 段付きボルト
14 受け具
15 切欠き部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17