(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】導電性複合材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29B 7/42 20060101AFI20231206BHJP
B29B 7/48 20060101ALI20231206BHJP
B29B 7/58 20060101ALI20231206BHJP
B29C 48/39 20190101ALI20231206BHJP
B29C 48/395 20190101ALI20231206BHJP
B29C 48/405 20190101ALI20231206BHJP
B29C 48/51 20190101ALI20231206BHJP
B29C 48/55 20190101ALI20231206BHJP
【FI】
B29B7/42
B29B7/48
B29B7/58
B29C48/39
B29C48/395
B29C48/405
B29C48/51
B29C48/55
(21)【出願番号】P 2022178653
(22)【出願日】2022-11-08
(62)【分割の表示】P 2018093810の分割
【原出願日】2018-05-15
【審査請求日】2022-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000003458
【氏名又は名称】芝浦機械株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】514000059
【氏名又は名称】株式会社HSPテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【氏名又は名称】大窪 克之
(74)【代理人】
【識別番号】100116241
【氏名又は名称】金子 一郎
(72)【発明者】
【氏名】鮫島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 佳夫
(72)【発明者】
【氏名】長田 華穂
(72)【発明者】
【氏名】清水 博
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-013323(JP,A)
【文献】特開2015-227052(JP,A)
【文献】特開2005-313608(JP,A)
【文献】特開2015-227053(JP,A)
【文献】特開2008-266577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 48/00
B29B 7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出機において、スクリュによって原料を混練することで生成された混練物を連続的に吐出し、
前記スクリュは、原料の搬送方向に沿った直線状の軸線を中心に回転するスクリュ本体を有し、
前記スクリュ本体の内部に、前記スクリュ本体の外周面に開口された入口から流入した前記原料が流通する通路が設けられており、
前記スクリュ本体の外周面に沿って搬送された前記原料は、当該スクリュ本体に設けられた前記原料の搬送を制限する障壁部によって前記原料を搬送する搬送部における搬送が制限されることで
、前記障壁部の直前で前記原料の充満率が100%となる原料溜まりを形成することにより圧力が高められ、当該圧力が高められた前記搬送部の
前記原料を前記入口から前記通路に導入させ、
前記混練物を連続的に吐出する間に、前記押出機において、前記スクリュ本体の外周面に沿って搬送された前記原料は、前記通路を流通した後、前記スクリュ本体の外周面に設けられた出口を介して、前記搬送部に導く導電性複合材料の製造方法であって、
前記原料が導電性フィラーと熱可塑性エラストマーとを含有
し、
前記スクリュ本体の回転数が200rpmから600rpmであり、前記原料が前記混練物として吐出されるまでに前記通路内を通過する回数が4回以上10回以下である、
導電性複合材料の製造方法。
【請求項2】
前記スクリュ本体の基端から先端に向かって、前記搬送部と前記障壁部とが軸方向に交互に並べて配置されており、
前記障壁部を介して隣接する前記搬送部のうち、基端側の搬送部に前記入口が設けられ、先端側の搬送部に前記出口が設けられ、前記入口と前記出口とを連通する前記通路が前記障壁部を跨い
で設けられている、
請求項1に記載の導電性複合材料の製造方法。
【請求項3】
前記入口、前記出口および前記通路は、円形の断面形状を有する孔であり、内径が、2mm以上8mm以下である、
請求項1に記載の導電性複合材料の製造方法。
【請求項4】
前記原料が、
前記搬送部において前記スクリュ本体の基端から先端に向かって搬送され、
前記通路内において前記スクリュ本体の基端から先端に向かって流通する、
請求項1に記載の導電性複合材料の製造方法。
【請求項5】
前記導電性フィラーが、カーボンナノチューブおよび/またはカーボンブラックであり、
前記熱可塑性エラストマーが、水添スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマーである、
請求項1に記載の導電性複合材料の製造方法。
【請求項6】
前記導電性複合材料中
における前記カーボンナノチューブの含有量が、0.1~30重量%である、
請求項5に記載の導電性複合材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料にせん断作用および伸長作用を付与しつつ混練する押出機を備えた混練装置を用いて、導電性フィラーおよび熱可塑性エラストマーを原料とする導電性複合材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、樹脂に導電性を付与するために、金属系、金属酸化物系、カーボン系など種々の導電性フィラーが用いられている。カーボン系の導電性フィラーの中でもカーボンナノチューブ(以下、適宜「CNT」ともいう)は、ユニークな特性を備えており注目されている。例えば、特許文献1には、膨張黒鉛と、CNTと、高分子化合物とを含む導電性組成物が記載されている。同文献には、導電性組成物の製造方法として、高分子化合物を溶解した溶媒にカーボンナノチューブを分散させて、膨張化黒鉛と混合した後に溶媒を除去する方法が記載されているが、当該製造方法は生産性が低い。
【0003】
特許文献2には、高せん断流動状態を作り出すことにより、CNTを熱可塑性樹脂中にナノレベルで均一に分散させる溶融混練方法が記載されている。同文献に記載の方法は、特許文献1の製造方法よりも生産性が高いが樹脂組成物の連続生産に適していない。
【0004】
特許文献3には、溶融材料を原料とした混練処理において、処理対象物を連続的に搬送させることで、一定品質の混練物の連続生産を可能にした混練装置および混練方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-133042号公報
【文献】特開2008-266577号公報
【文献】特開2015-227052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3に記載の混練装置および混練方法によれば、樹脂組成物を連続して生産することができる。しかし、同文献において記載されているのは、ポリカーボネート樹脂(PC)とポリメタクリル酸樹脂(PMMA)の二種類の樹脂材料からなる溶融材料を混練して透明な混練物が得られたことであり、導電性フィラーと熱可塑性エラストマーとを混練して導電性複合材料とする製造方法については記載されていない。
本発明の目的は、一定品質の混練物を連続して生産することが可能な混練装置を用いて、導電性フィラーと熱可塑性エラストマーとを含有する導電性複合材料の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、押出機において、スクリュによって原料を混練することで生成された混練物を連続的に吐出し、前記スクリュは、原料の搬送方向に沿った直線状の軸線を中心に回転するスクリュ本体を有し、前記スクリュ本体の内部に、前記スクリュ本体の外周面に開口された入口から流入した前記原料が流通する通路が設けられており、前記スクリュ本体の外周面に沿って搬送された前記原料は、当該スクリュ本体に設けられた前記原料の搬送を制限する障壁部によって前記原料を搬送する搬送部における搬送が制限されることで、前記障壁部の直前で前記原料の充満率が100%となる原料溜まりを形成することにより圧力が高められ、当該圧力が高められた前記搬送部の前記原料を前記入口から前記通路に導入させ、前記混練物を連続的に吐出する間に、前記押出機において、前記スクリュ本体の外周面に沿って搬送された前記原料は、前記通路を流通した後、前記スクリュ本体の外周面に設けられた出口を介して、前記搬送部に導く導電性複合材料の製造方法であって、前記原料が導電性フィラーと熱可塑性エラストマーとを含有し、前記スクリュ本体の回転数が200rpmから600rpmであり、前記原料が前記混練物として吐出されるまでに前記通路内を通過する回数が4回以上10回以下である導電性複合材料の製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スクリュによって原料を混練する混練処理において、当該処理対象物を停滞させること無く連続的に搬送させ、導電性フィラーと熱可塑性エラストマーとを含有する導電性の高い導電性複合材料を連続して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係る連続式高せん断加工装置(混練装置)を概略的に示す斜視図である。
【
図2】第1の実施形態で用いる第1の押出機の断面図である。
【
図3】第1の実施形態において、第1の押出機の二本のスクリュが互いに噛み合った状態を示す斜視図である。
【
図4】第1の実施形態で用いる第3の押出機の断面図である。
【
図5】第1の実施形態で用いる第2の押出機の断面図である。
【
図6】第1の実施形態において、バレルおよびスクリュを共に断面で示す第2の押出機の断面図である。
【
図7】第1の実施形態で用いるスクリュの側面図である。
【
図10】第1の実施形態において、スクリュに対する原料の流動方向を示す側面図である。
【
図11】第1の実施形態において、スクリュが回転した時の原料の流動方向を概略的に示す第2の押出機の断面図である。
【
図12】第2の実施形態で用いる第2の押出機の断面図である。
【
図13】第3の実施形態で用いる第2の押出機の断面図である。
【
図14】第3の実施形態において、バレルおよびスクリュを共に断面で示す第2の押出機の断面図である。
【
図16】第3の実施形態で用いる筒体の斜視図である。
【
図17】第3の実施形態において、スクリュに対する原料の流動方向を示す側面図である。
【
図18】第3の実施形態において、スクリュが回転した時の原料の流動方向を概略的に示す第2の押出機の断面図である。
【
図19】第4の実施形態で用いる第2の押出機の断面図である。
【
図20】第4の実施形態において、バレルおよびスクリュを共に断面で示す第2の押出機の断面図である。
【
図21】第4の実施形態で用いるスクリュの側面図である。
【
図23】第4の実施形態で用いる筒体の斜視図である。
【
図25】第4の実施形態で用いる筒体の他の構成例を示す斜視図である。
【
図26】第4の実施形態において、スクリュに対する原料の流動方向を示す側面図である。
【
図27】第4の実施形態において、スクリュが回転した時の原料の流動方向を概略的に示す第2の押出機の断面図である。
【
図28】第5の実施形態に係る第1の押出機の断面図である。
【
図29】スクリュの回転数および通路の通過回数が導電性複合材料の導電性に及ぼす影響を示すグラフである。
【
図30】通路の通過回数と導電性複合材料の導電率との関係を示すグラフである。
【
図31】CNT添加量と導電性複合材料の導電率との関係を示すグラフである。
【
図32】通路の通過回数と導電性複合材料の引張強度との関係を示すグラフである。
【
図33】連続式の混練装置における通路の構成の違いが、導電性複合材料の導電性に及ぼす影響を示すグラフである。
【
図34】連続式の混練装置における通路断面の円の直径が、導電性複合材料の導電性に及ぼす影響を示すグラフである。
【
図35】混練装置の違いが、導電性複合材料の導電性に及ぼす影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の製造方法が用いる混練装置を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、
図1ないし
図11を参照して説明する。
【0011】
図1には、第1の実施形態に係る連続式高せん断加工装置(混練装置)1の構成が概略的に示されている。高せん断加工装置1は、第1の押出機(処理機)2、第2の押出機3および第3の押出機(脱泡機)4を備えている。第1の押出機2、第2の押出機3および第3の押出機4は、互いに直列に接続されている。
【0012】
第1の押出機2は、例えば二種類の非相溶性の材料を、予備的に混練し、溶融するための処理機である。ここでは、二種類の材料として、導電性フィラーと熱可塑性エラストマーを適用する。これらの材料は、例えばペレットや粉末などの状態で第1の押出機2に供給される。
【0013】
本発明において用いられる導電性フィラーとして、カーボンブラック、グラファイト、CNT等のカーボン系の導電性フィラーが挙げられる。また、熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Elastomers, TPE)として、スチレン・ブタジエン系(SBS)、水添スチレン・ブタジエン系(SEBS、SBBS)等のスチレン系TPE、ウレタン系TPE等が挙げられる。
【0014】
本実施形態では、導電性フィラー(以下、適宜「フィラー」ともいう)と熱可塑性エラストマー(以下、適宜「樹脂」ともいう)の混練・溶融の度合いを強化するため、第1の押出機2として同方向回転型の二軸混練機を用いている。
図2および
図3は、二軸混練機の一例を開示している。二軸混練機は、バレル6と、バレル6の内部に収容された二本のスクリュ7a,7bと、を備えている。バレル6は、二つの円筒を組み合わせた形状を有するシリンダ部8を含んでいる。前記樹脂は、バレル6の一端部に設けた供給口9からシリンダ部8に連続的に供給される。さらに、バレル6は、樹脂を溶融するためのヒータを内蔵している。
【0015】
スクリュ7a,7bは、互いに噛み合った状態でシリンダ部8に収容されている。スクリュ7a,7bは、図示しないモータから伝わるトルクを受けて互いに同方向に回転される。
図3に示すように、スクリュ7a,7bは、それぞれ、フィード部11、混練部12およびポンピング部13を備えている。フィード部11、混練部12およびポンピング部13は、スクリュ7a,7bの軸方向に沿って一列に並んでいる。
【0016】
フィード部11は、螺旋状に捩じれたフライト14を有している。スクリュ7a,7bのフライト14は、互いに噛み合った状態で回転するとともに、供給口9から供給されたフィラーと樹脂を含む材料を混練部12に向けて搬送する。
【0017】
混練部12は、スクリュ7a,7bの軸方向に並んだ複数のディスク15を有している。スクリュ7a,7bのディスク15は、互いに向かい合った状態で回転するとともに、フィード部11から送られたフィラーと樹脂を含む材料を予備的に混練する。混練された材料は、スクリュ7a,7bの回転によりポンピング部13に送り込まれる。
【0018】
ポンピング部13は、螺旋状に捩じれたフライト16を有している。スクリュ7a,7bのフライト16は、互いに噛み合った状態で回転するとともに、予備的に混練された材料をバレル6の吐出端から押し出す。
【0019】
このような二軸混練機によると、スクリュ7a,7bのフィード部11に供給された材料中の樹脂は、スクリュ7a,7bの回転に伴うせん断発熱およびヒータの熱を受けて溶融する。二軸混練機での予備的な混練により溶融された樹脂とフィラーは、ブレンドされた原料を構成する。原料は、
図1に矢印Aで示すように、バレル6の吐出端から第2の押出機3に連続的に供給される。
【0020】
さらに、第1の押出機2を二軸混練機として構成することで、樹脂を溶融させるだけでなく、当該樹脂およびフィラーにせん断作用を付与することができる。このため、原料が第2の押出機3に供給される時点で、当該原料は、第1の押出機2での予備的な混練により溶融されて最適な粘度に保たれる。また、第1の押出機2を二軸混練機として構成することで、第2の押出機3に連続して原料を供給する際、単位時間当たりに、所定量の原料を安定して供給することができる。したがって、原料を本格的に混練する第2の押出機3の負担を軽減することができる。
【0021】
第2の押出機3は、原料の樹脂成分中にフィラー成分が高分散した混練物を生成するための要素である。本実施形態では、第2の押出機3として単軸押出機を用いている。単軸押出機は、バレル20と、一本のスクリュ21と、を備えている。スクリュ21は、溶融された原料にせん断作用および伸長作用を繰り返し付与する機能を有している。スクリュ21を含む第2の押出機3の構成に関しては、後で詳細に説明する。
【0022】
第3の押出機4は、第2の押出機3から吐出された混練物に含まれるガス成分を吸引・除去するための要素である。本実施形態では、第3の押出機4として単軸押出機を用いている。
図4に示すように、単軸押出機は、バレル22と、バレル22に収容された一本のベントスクリュ23と、を備えている。バレル22は、真っ直ぐな円筒状のシリンダ部24を含んでいる。第2の押出機3から押し出された混練物は、シリンダ部24の軸方向に沿う一端部からシリンダ部24に連続的に供給される。
【0023】
バレル22は、ベント口25を有している。ベント口25は、シリンダ部24の軸方向に沿う中間部に開口されているとともに、真空ポンプ26に接続されている。さらに、バレル22のシリンダ部24の他端部は、ヘッド部27で閉塞されている。ヘッド部27は、混練物を吐出させる吐出口28を有している。
【0024】
ベントスクリュ23は、シリンダ部24に収容されている。ベントスクリュ23は、図示しないモータから伝わるトルクを受けて一方向に回転される。ベントスクリュ23は、螺旋状に捩じれたフライト29を有している。フライト29は、ベントスクリュ23と一体的に回転するとともに、シリンダ部24に供給された混練物をヘッド部27に向けて連続的に搬送する。混練物は、ベント口25に対応する位置に搬送された時に、真空ポンプ26のバキューム圧を受ける。すなわち、真空ポンプによってシリンダ部24内を負圧に引くことで、混練物に含まれるガス状物質やその他の揮発成分が混練物から連続的に吸引・除去される。ガス状物質やその他の揮発成分が取り除かれた混練物は、ヘッド部27の吐出口28から高せん断加工装置1の外に導電性複合材料として連続的に吐出される。
【0025】
次に、第2の押出機3について詳細に説明する。
図5および
図6に示すように、第2の押出機3のバレル20は、真っ直ぐな筒状であって、水平に配置されている。バレル20は、複数のバレルエレメント31に分割されている。
【0026】
各バレルエレメント31は、円筒状の貫通孔32を有している。バレルエレメント31は、それぞれの貫通孔32が同軸状に連続するようにボルト締結により一体的に結合されている。バレルエレメント31の貫通孔32は、互いに協働してバレル20の内部に円筒状のシリンダ部33を規定している。シリンダ部33は、バレル20の軸方向に延びている。
【0027】
バレル20の軸方向に沿う一端部に供給口34が形成されている。供給口34は、シリンダ部33に連通するとともに、当該供給口34に第1の押出機2でブレンドされた原料が連続的に供給される。
【0028】
バレル20は、図示しないヒータを備えている。ヒータは、バレル20の温度が原料の混練に最適な値となるようにバレル20の温度を調整する。さらに、バレル20は、例えば水あるいは油のような冷媒が流れる冷媒通路35を備えている。冷媒通路35は、シリンダ部33を取り囲むように配置されている。冷媒は、バレル20の温度が予め決められた上限値を超えた時に冷媒通路35に沿って流れ、バレル20を強制的に冷却する。
【0029】
バレル20の軸方向に沿う他端部は、ヘッド部36で閉塞されている。ヘッド部36は、吐出口36aを有している。吐出口36aは、供給口34に対しバレル20の軸方向に沿う反対側に位置されるとともに、第3の押出機4に接続されている。
【0030】
図5ないし
図7に示すように、スクリュ21は、スクリュ本体37を備えている。本実施形態のスクリュ本体37は、一本の回転軸38と、複数の円筒状の筒体39と、で構成されている。
【0031】
回転軸38は、第1の軸部40および第2の軸部41を備えている。第1の軸部40は、バレル20の一端部の側である回転軸38の基端に位置されている。第1の軸部40は、継手部42およびストッパ部43を含んでいる。継手部42は、図示しないカップリングを介してモータのような駆動源に連結される。ストッパ部43は、継手部42に同軸状に設けられている。ストッパ部43は、継手部42よりも径が大きい。
【0032】
第2の軸部41は、第1の軸部40のストッパ部43の端面から同軸状に延びている。第2の軸部41は、バレル20の略全長に亘る長さを有するとともに、ヘッド部36と向かい合う先端を有している。第1の軸部40および第2の軸部41を同軸状に貫通する真っ直ぐな軸線O1は、回転軸38の軸方向に水平に延びている。
【0033】
第2の軸部41は、ストッパ部43よりも径が小さいソリッドな円柱状である。
図8および
図9に示すように、第2の軸部41の外周面に一対のキー45a,45bが取り付けられている。キー45a,45bは、第2の軸部41の周方向に180°ずれた位置で第2の軸部41の軸方向に延びている。
【0034】
図6ないし
図9に示すように、各筒体39は、第2の軸部41が同軸状に貫通するように構成されている。筒体39の内周面に一対のキー溝49a,49bが形成されている。キー溝49a,49bは、筒体39の周方向に180°ずれた位置で筒体39の軸方向に延びている。
【0035】
筒体39は、キー溝49a,49bを第2の軸部41のキー45a,45bに合わせた状態で第2の軸部41の先端の方向から第2の軸部41の上に挿入される。本実施形態では、第2の軸部41の上に最初に挿入された筒体39と第1の軸部40のストッパ部43の端面との間に第1のカラー44が介在されている。さらに、全ての筒体39を第2の軸部41の上に挿入した後、第2の軸部41の先端面に第2のカラー51を介して固定ねじ52がねじ込まれている。
【0036】
このねじ込みにより、全ての筒体39が、第1のカラー44と第2のカラー51との間で第2の軸部41の軸方向に締め付けられ、隣り合う筒体39の端面が隙間なく密着されている。
【0037】
このとき、全ての筒体39が第2の軸部41上で同軸状に結合されることで、当該各筒体39と回転軸38とが一体的に組み立てられた状態となる。これにより、各筒体39を回転軸38とともに軸線O1を中心に回転させること、すなわち、スクリュ本体37を軸線O1を中心に回転させることが可能となる。
【0038】
かかる状態において、各筒体39は、スクリュ本体37の外径D1(
図8参照)を規定する構成要素となる。すなわち、第2の軸部41に沿って同軸状に結合された各筒体39は、その外径D1が互いに同一に設定されている。スクリュ本体37(各筒体39)の外径D1は、回転軸38の回転中心である軸線O1を通って規定される直径である。
【0039】
これにより、スクリュ本体37(各筒体39)の外径D1が一定値であるセグメント式のスクリュ21が構成される。セグメント式のスクリュ21は、回転軸38(すなわち、第2の軸部41)に沿って、複数のスクリュエレメントを、自由な順番および組み合わせで保持させることができる。スクリュエレメントとしては、例えば、少なくとも後述するフライト56,57,58の一部が形成された筒体39を、1つのスクリュエレメントとして規定することができる。
【0040】
このように、スクリュ21をセグメント化することで、例えば、当該スクリュ21の仕様の変更や調整、あるいは、保守やメンテナンスについて、その利便性を格段に向上させることができる。
【0041】
なお、本実施形態において、円筒状の筒体39は、キー45a,45bにより回転軸38に固定されることに限定されるものではない。例えば、キー45a,45bの代わりに、
図2に示すようなスプラインを用いて筒体39を回転軸38に固定してもよい。
【0042】
さらに、セグメント式のスクリュ21は、バレル20のシリンダ部33に同軸状に収容されている。具体的には、複数のスクリュエレメントが回転軸38(第2の軸部41)に沿って保持されたスクリュ本体37が、シリンダ部33に回転可能に収容されている。この状態において、回転軸38の第1の軸部40(継手部42、ストッパ部43)は、バレル20の一端部からバレル20の外に突出されている。
【0043】
さらに、この状態において、スクリュ本体37の周方向に沿う外周面と、シリンダ部33の内周面との間には、原料を搬送するための搬送路53が形成されている。搬送路53は、シリンダ部33の径方向に沿う断面形状が円環形であり、シリンダ部33に沿って軸方向に延びている。
【0044】
本実施形態において、スクリュ21は、駆動源からのトルクを受けると、
図5に矢印で示すように、当該スクリュ21の基端の側から見て逆時計回りに左回転する。導電性の高い導電性複合材料を製造するために好適なスクリュ21の回転数は、スクリュ21の外径によって異なる。一般に、スクリュ21の外径が小さくなるにしたがって、好適な回転数が大きくなる傾向にある。外径が30mm以上50mm以下のスクリュ21を用いる場合、スクリュ21の回転数は、100rpmから1000rpmが好ましく、200rpmから600rpmがより好ましく、300rpmから500rpmがさらに好ましい。
【0045】
図5ないし
図7に示すように、スクリュ本体37は、原料を搬送するための複数の搬送部54,59と、原料の流動を制限するための複数の障壁部55と、を有している。すなわち、バレル20の一端部に対応するスクリュ本体37の基端に障壁部55が配置され、バレル20の他端部に対応するスクリュ本体37の先端に吐出用の搬送部59が配置されている。さらに、障壁部55と搬送部59との間において、スクリュ本体37の基端から先端に向かって、搬送部54と障壁部55とが軸方向に交互に並べて配置されている。
なお、バレル20の供給口34は、スクリュ本体37の基端の側に配置された搬送部54に向けて開口している。
【0046】
各搬送部54は、螺旋状に捩じれたフライト56を有している。フライト56は、筒体39の周方向に沿う外周面から搬送路53に向けて張り出している。フライト56は、スクリュ21が左回転した時に、スクリュ本体37の先端から基端に向けて原料を搬送するように捩じれている。すなわち、フライト56は、フライト56の捩じれ方向が左ねじと同じように左に捩じれている。
【0047】
さらに、吐出用の搬送部59は、螺旋状に捩じれたフライト58を有している。フライト58は、筒体39の周方向に沿う外周面から搬送路53に向けて張り出している。フライト58は、スクリュ21が左回転した時に、スクリュ本体37の基端から先端に向けて原料を搬送するように捩じれている。すなわち、フライト58は、当該フライト58の捩じれ方向が右ねじと同じように右に捩じれている。
【0048】
各障壁部55は、螺旋状に捩じれたフライト57を有している。フライト57は、筒体39の周方向に沿う外周面から搬送路53に向けて張り出している。フライト57は、スクリュ21が左回転した時に、スクリュ本体37の基端から先端に向けて原料を搬送するように捩じれている。すなわち、フライト57は、フライト57の捩じれ方向が右ねじと同じように右に捩じれている。
【0049】
各障壁部55のフライト57の捩じれピッチは、搬送部54,59のフライト56,58の捩じれピッチと同じか、それよりも小さく設定されている。さらに、フライト56,57,58の頂部とバレル20のシリンダ部33の内周面との間には、僅かなクリアランスが確保されている。
【0050】
この場合、障壁部55の外径部(フライト57の頂部)と、シリンダ部33の内周面との間のクリアランスは、0.1mm以上かつ2mm以下の範囲に設定することが好ましい。より好ましくは、当該クリアランスを、0.1mm以上かつ0.7mm以下の範囲に設定する。これにより、原料が当該クリアランスを通過して搬送されるのを確実に制限することができる。
【0051】
なお、スクリュ本体37の軸方向は、スクリュ本体37の長手方向、換言すると、スクリュ21の長手方向と言い換えることができる。
ここで、スクリュ本体37の軸方向に沿う搬送部54,59の長さは、例えば、原料の種類、原料の混練度合い、単位時間当たりの混練物の生産量などに応じて適宜設定される。搬送部54,59とは、少なくとも筒体39の外周面にフライト56,58が形成された領域のことであるが、フライト56,58の始点と終点との間の領域に特定されるものではない。
【0052】
すなわち、筒体39の外周面のうちフライト56,58から外れた領域も、搬送部54,59とみなされることがある。例えば、フライト56,58を有する筒体39と隣り合う位置に円筒状のスペーサあるいは円筒状のカラーが配置された場合、当該スペーサやカラーも搬送部54,59に含まれることがあり得る。
【0053】
さらに、スクリュ本体37の軸方向に沿う障壁部55の長さは、例えば、原料の種類、原料の混練度合い、単位時間当たりの混練物の生産量などに応じて適宜設定される。障壁部55は、搬送部54により送られる原料の流動を堰き止めるように機能する。すなわち、障壁部55は、原料の搬送方向の下流側で搬送部54と隣り合うとともに、搬送部54によって送られる原料がフライト57の頂部とシリンダ部33の内周面との間のクリアランスを通過するのを妨げるように構成されている。
【0054】
さらに、上記したスクリュ21において、各フライト56,57,58は、互いに同一の外径D1を有する複数の筒体39の外周面から搬送路53に向けて張り出している。このため、各筒体39の周方向に沿う外周面は、当該スクリュ21の谷径を規定する。スクリュ21の谷径は、スクリュ21の全長に亘って一定値に保たれている。
【0055】
図5ないし
図7、
図10に示すように、スクリュ本体37は、スクリュ本体37の内部に、軸方向に延びる複数の通路60を有している。通路60は、一つの障壁部55と、当該障壁部55を挟んだ二つの搬送部54とを一つのユニットとすると、これら一組の搬送部54の筒体39に各ユニットの障壁部55を跨いで形成されている。
【0056】
この場合、通路60は、スクリュ本体37の軸方向に沿って、所定の間隔(例えば、等間隔)で並んでいる。そして、スクリュ本体37の軸方向に沿う中間部分では、スクリュ本体37の軸方向に延びる四つの通路60がスクリュ本体37の周方向に90°の間隔を存して並んでいる。
【0057】
さらに、通路60は、筒体39の内部において、回転軸38の軸線O1から偏心した位置に設けられている。言い換えると、通路60は、軸線O1から外れており、スクリュ本体37が回転した時に、軸線O1の回りを公転するようになっている。
【0058】
図8および
図9に示すように、通路60は、例えば円形の断面形状を有する孔である。フィラーと樹脂とを含有する原料を円滑に流通させる観点から、当該孔の内径は、例えば、2mm以上かつ8mm未満、好ましくは、3mm以上かつ5mm未満に設定されている。さらに、搬送部54および障壁部55の筒体39は、孔を規定する筒状の壁面61を有している。すなわち、通路60は、中空の空間のみから成る孔であって、壁面61は、中空の通路60を周方向に連続して取り囲んでいる。これにより、通路60は、原料の流通のみを許容する中空の空間として構成されている。換言すると、通路60の内部には、スクリュ本体37を構成する他の要素は一切存在しない。さらに、壁面61は、スクリュ本体37が回転した時に、軸線O1を中心に自転することなく軸線O1の回りを公転する。
【0059】
図5、
図6、
図11に示すように、各通路60は、入口62、出口63、入口62と出口63との間を連通する通路本体64を有している。入口62および出口63は、一つの障壁部55の両側から離間して設けられている。具体的には、当該障壁部55に対してスクリュ本体37の基端の側から隣接した搬送部54において、入口62は、当該搬送部54の下流端の付近の外周面に開口されている。また、当該障壁部55に対してスクリュ本体37の先端の側から隣接した搬送部54において、出口63は、当該搬送部54の上流端の付近の外周面に開口されている。
【0060】
通路本体64は、スクリュ本体37の軸方向に沿って、途中で分岐することなく、一直線状に延びている。一例として図面には、通路本体64が軸線O1と平行に延びている状態が示されている。通路本体64の両側は、軸方向に閉塞されている。
【0061】
入口62は、通路本体64の一方側、すなわち、スクリュ本体37の基端寄りの部分に設けられている。この場合、入口62は、通路本体64の一方側の端面からスクリュ本体37の外周面に開口させるようにしてもよいし、あるいは、通路本体64の一方側の端面寄りの部分、すなわち端面の手前の部分からスクリュ本体37の外周面に開口させるようにしてもよい。なお、入口62の開口方向は、軸線O1に直交する方向に限らず、軸線O1を交差する方向でもよい。この場合、通路本体64の一方側から複数方向に開口し、これにより、複数の入口62を設けるようにしてもよい。
【0062】
別の捉え方をすると、入口62は、前記一つのユニット毎に、障壁部55よりもスクリュ本体37の基端の方向に離間した搬送部54の外周面に開口されている。入口62は、搬送部54を構成する筒体39に外周面上において、スクリュ本体37の基端の方向に最も遠ざかった位置に設けることが望ましい。これにより、入口62は、当該入口62が開口された搬送部54に対して、スクリュ本体37の基端の方向で、隣り合う障壁部55の直前に位置される。
【0063】
出口63は、通路本体64の他方側(一方側とは反対側)、すなわち、スクリュ本体37の先端寄りの部分に設けられている。この場合、出口63は、通路本体64の他方側の端面からスクリュ本体37の外周面に開口させるようにしてもよいし、あるいは、通路本体64の他方側の端面寄りの部分、すなわち端面の手前の部分からスクリュ本体37の外周面に開口させるようにしてもよい。なお、出口63の開口方向は、軸線O1に直交する方向に限らず、軸線O1を交差する方向でもよい。この場合、通路本体64の一方側から複数方向に開口し、これにより、複数の出口63を設けるようにしてもよい。
【0064】
別の捉え方をすると、出口63は、前記一つのユニット毎に、その障壁部55よりもスクリュ本体37の先端の方向に離間した搬送部54の外周面に開口されている。出口63は、搬送部54を構成する筒体39の外周面上において、スクリュ本体37の先端の方向に最も遠ざかった位置に設けることが望ましい。これにより、出口63は、当該出口63が開口された搬送部54に対して、スクリュ本体37の先端の方向で、隣り合う障壁部55の直前に位置される。
【0065】
これら入口62と出口63との間を結ぶ通路本体64は、前記一つのユニット毎に障壁部55を横切るとともに、当該障壁部55を挟んだ二つの搬送部54の間に跨る長さを有している。この場合、通路本体64の口径は、入口62および出口63の口径よりも小さく設定してもよいし、同一の口径に設定してもよい。いずれの場合でも、当該通路本体64の口径によって規定される通路断面積は、上記した円環形の搬送路53の径方向に沿う円環断面積よりも遥かに小さく設定されている。
【0066】
このような構成の連続式の高せん断加工装置1によると、第1の押出機2は、フィラーと樹脂を予備的に混練する。この混練により溶融されたフィラーと樹脂は、流動性を有する原料となって、当該第1の押出機2から第2の押出機3の供給口34を介して、搬送路53に連続的に供給される。
【0067】
第2の押出機3に供給された原料は、
図10の矢印Bで示すように、スクリュ本体37の基端側に位置された搬送部54の外周面に投入される。このとき、スクリュ本体37の基端から見てスクリュ21が逆時計回りに左回転すると、搬送部54のフライト56は、当該原料を、
図10の実線の矢印で示すように、スクリュ本体37の基端に隣り合った障壁部55に向けて連続的に搬送する。
【0068】
このとき、搬送路53に沿って旋回するフライト56と、シリンダ部33の内周面との間の速度差によって生じるせん断作用が原料に付与されるとともに、フライト56の微妙な捩じれ具合により原料が攪拌される。この結果、原料が本格的に混練され、原料の高分子成分である樹脂中におけるフィラーの分散化が進行する。
【0069】
せん断作用を受けた原料は、搬送路53に沿って搬送部54と障壁部55との間の境界に達する。障壁部55のフライト57は、スクリュ21が左回転した時に、スクリュ本体37の基端から先端に向けて原料を搬送するように右方向に捩じれている。この結果、当該フライト57によって原料の搬送が堰き止められる。言い換えると、障壁部55のフライト57は、スクリュ21が左回転した時に、フライト56によって搬送される原料の流動を制限することで、原料が障壁部55とシリンダ部33の内周面との間のクリアランスを通り抜けるのを妨げる。
【0070】
このとき、搬送部54と障壁部55との境界で原料の圧力が高まる。具体的に説明すると、
図11には、搬送路53のうちスクリュ本体37の搬送部54に対応した箇所の原料の充満率がグラデーションで表されている。すなわち、当該搬送路53において、色調が濃くなる程に原料の充満率が高くなっている。
図11から明らかなように、搬送部54に対応した搬送路53において、障壁部55に近づくに従い原料の充満率が高まっており、障壁部55の直前で、原料の充満率が100%となっている。
【0071】
このため、障壁部55の直前で、原料の充満率が100%となる「原料溜まりR」が形成される。原料溜まりRでは、原料の流動が堰き止められたことで、当該原料の圧力が上昇している。圧力が上昇した原料は、
図10および
図11に破線の矢印で示すように、搬送部54の外周面に開口された入口62から通路本体64に連続的に流入し、当該通路本体64内を、スクリュ本体37の基端から先端に向けて連続的に流通する。
【0072】
上記したように、通路本体64の口径によって規定される通路断面積は、シリンダ部33の径方向に沿う搬送路53の円環断面積よりも遥かに小さい。別の捉え方をすると、通路本体64の口径に基づく広がり領域は、円環形状の搬送路53の広がり領域よりも遥かに小さい。このため、入口62から通路本体64に流入する際に、原料が急激に絞られることで、当該原料に伸長作用が付与される。
【0073】
さらに、通路断面積が円環断面積よりも十分に小さいため、原料溜まりRに溜まった原料が消滅することはない。すなわち、原料溜まりRに溜まった原料は、その一部が連続的に入口62に流入する。この間、新たな原料が、フライト56によって、障壁部55に向けて送り込まれる。この結果、原料溜まりRにおける障壁部55の直前の充満率は、常に100%に維持される。このとき、フライト56による原料の搬送量に多少の変動が生じたとしても、その変動状態が、原料溜まりRに残存した原料で吸収される。これにより、原料を、連続して安定的に通路60に供給することができる。よって、当該通路60において、原料に対し、途切れること無く連続的に伸長作用を付与することができる。
【0074】
通路本体64を通過した原料は、
図11に実線の矢印で示すように、出口63から流出する。これにより、当該原料は、障壁部55に対しスクリュ本体37の先端の方向で隣り合う他の搬送部54の上に連続的に導かれる。導かれた原料は、搬送部54のフライト56によってスクリュ本体37の基端の方向に連続的に搬送され、この搬送の過程で再びせん断作用を受ける。せん断作用を受けた原料は、入口62から通路本体64に連続的に流入するとともに、当該通路本体64を流通する過程で再び伸長作用を受ける。
【0075】
本実施形態では、複数の搬送部54および複数の障壁部55がスクリュ本体37の軸方向に交互に並んでいるとともに、複数の通路60がスクリュ本体37の軸方向に間隔を存して並んでいる。このため、供給口34からスクリュ本体37に投入された原料は、
図10および
図11に矢印で示すように、せん断作用および伸長作用を交互に繰り返し受けながらスクリュ本体37の基端から先端の方向に連続的に搬送される。よって、原料の混練の度合いが強化され、原料の樹脂中におけるフィラーの分散化が促進される。
【0076】
スクリュ本体37の先端に達した原料は、十分に混練された混練物となって通路60の出口63から流出する。流出した混練物は、吐出用の搬送部59のフライト58によって、シリンダ部33とヘッド部36との間の隙間に連続的に搬送された後、吐出口36aから第3の押出機4に連続的に供給される。
【0077】
第3の押出機4では、既に述べたように、混練物に含まれるガス状物質やその他の揮発成分が混練物から連続的に除去される。ガス状物質やその他の揮発成分が取り除かれた混練物は、ヘッド部27の吐出口28から高せん断加工装置1の外に連続的に吐出される。吐出された混練物は、水槽内に蓄えられた冷却水に浸漬される。これにより、混練物が強制的に冷却されて、所望の導電性複合材料の樹脂成形品が得られる。
【0078】
以上、第1の実施形態によれば、第2の押出機3では、第1の押出機2から供給された原料がスクリュ本体37の軸方向に複数回に亘って反転を繰り返しながら搬送され、この搬送の過程で原料にせん断作用および伸長作用が繰り返し付与される。言い換えると、原料がスクリュ本体37の外周面上の同一の箇所で何回も循環することがないので、原料を第2の押出機3から第3の押出機4に間断なく供給することができる。
【0079】
これにより、十分に混練された混練物を連続的に成形することができ、バッチ式の押出機との比較において、混練物の生産効率を飛躍的に高めることができる。
【0080】
それとともに、本実施形態では、第1の押出機2で予備的に混練された樹脂が途切れることなく第2の押出機3に供給され続ける。このため、第1の押出機2の内部で樹脂の流れが一時的に滞ることはない。これにより、混練された樹脂が第1の押出機2の内部に滞ることで生じる樹脂の温度変化、粘度変化あるいは相変化を防止することができる。この結果、常に品質が均一の原料を、第1の押出機2から第2の押出機3に供給することができる。
【0081】
さらに、第1の実施形態によれば、見かけ上の連続生産では無く、混練物の完全連続生産が可能となる。すなわち、第1の押出機2から第2の押出機3および第3の押出機4に亘って、原料を絶え間なく連続的に搬送しながら、第2の押出機3において原料に対してせん断作用と伸長作用とを交互に付与することができる。かかる構成によれば、第1の押出機2から第2の押出機3には、溶融状態の原料が安定して供給される。
【0082】
さらに、第1の実施形態によれば、完全連続生産する上で、第1の押出機2と第2の押出機3の運転条件を相互に関連付けながら、それぞれを最適な運転条件に設定することができる。例えば、第1の押出機2で樹脂を予備的に混練する際は、スクリュ回転数を従来の100rpmから300rpmで運転できる。このため、樹脂の十分な加熱と溶融、並びに、予備的な混練が可能となる。一方、第2の押出機3は、スクリュ21を100rpmから1000rpmで回転させることが可能となる。このため、フィラーと樹脂に対して、せん断作用と伸長作用を交互に効果的に付与することができる。
【0083】
これに伴い、第1の押出機2および第2の押出機3は、それぞれの役割ないし機能に応じたスクリュを備えればよい。すなわち、第1の押出機2の場合には、供給された材料を予備的に混練する役割ないし機能に応じたスクリュ7a,7bを備えればよい。一方、第2の押出機3の場合には、第1の押出機2から供給された溶融状態の原料にせん断作用と伸長作用を付与する役割ないし機能に応じたスクリュ21を備えればよい。これにより、第1の押出機2および第2の押出機3の長尺化を防止することができる。
【0084】
また、従来の単軸押出機のスクリュが備えている可塑化ゾーンを有することなく、搬送部54と障壁部55と通路60を組み合わせて配置したスクリュ21としているので、第2の押出機3を容易に操作することができる。
【0085】
そして、スクリュ21の谷径を、当該スクリュ21の全長に亘って一定値に設定したことで、原料を搬送するための搬送路53はスクリュ21の全長に亘って一様な円環形の断面形状となり、原料にせん断作用と伸長作用を交互に付与する際は、順次スムーズに付与することができ、均一な混練を行うことができる。
【0086】
第1の実施形態によると、原料に伸長作用を付与する通路60は、スクリュ本体37の回転中心となる軸線O1に対し偏心した位置でスクリュ本体37の軸方向に延びているので、通路60は、軸線O1の回りを公転する。言い換えると、通路60を規定する筒状の壁面61は、軸線O1を中心に自転することなく軸線O1の回りを公転する。
【0087】
このため、原料が通路60を通過する際に、原料は遠心力を受けるものの当該原料が通路60の内部で活発に攪拌されることはない。よって、通路60を通過する原料がせん断作用を受け難くなり、通路60を通過して搬送部54の外周面に帰還する原料が受けるのは主に伸長作用となる。
【0088】
したがって、第1の実施形態のスクリュ21によれば、原料にせん断作用を付与する箇所および原料に伸長作用を付与する箇所を明確に定めることができる。このことから、原料の混練の度合いを見極める上で有利な構成となるとともに、混練の度合いを精度よく制御することができる。この結果、原料の樹脂中にフィラーが高度に分散化された微視的な分散構造を有する混練物を生成することが可能となる。
【0089】
加えて、複数の通路60の全てが軸線O1に対し偏心しているので、複数の通路60を通過する原料に均等に伸長作用を付与することができる。すなわち、複数の通路60の間での混練の条件のばらつきを解消することができ、均一な混練を行なうことができる。
【0090】
[第2の実施形態]
図12は、第2の実施形態を開示している。第2の実施形態は、回転軸38に関する事項が第1の実施形態と相違している。それ以外のスクリュ21の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0091】
図12に示すように、冷媒通路71が回転軸38の内部に形成されている。冷媒通路71は、回転軸38の軸線O1に沿って同軸状に延びている。冷媒通路71の一端は、継手部42の箇所でロータリジョイント72を介して出口配管73に接続されている。冷媒通路71の他端は、回転軸38の先端で液密に塞がれている。
【0092】
冷媒導入管74が冷媒通路71の内部に同軸状に挿入されている。冷媒導入管74の一端は、ロータリジョイント72を介して入口配管75に接続されている。冷媒導入管74の他端は、冷媒通路71の他端付近で冷媒通路71内に開口されている。
【0093】
第2の実施形態では、水又は油等の冷媒が入口配管75からロータリジョイント72および冷媒導入管74を介して冷媒通路71に送り込まれる。冷媒通路71に送り込まれた冷媒は、冷媒通路71の内周面と冷媒導入管74の外周面との間の隙間を通って回転軸38の継手部42に帰還するとともに、ロータリジョイント72を介して出口配管73に戻される。
【0094】
第2の実施形態によると、冷媒が回転軸38の軸方向に沿って循環するので、当該冷媒を利用してスクリュ本体37を冷却することができる。このため、原料に接するスクリュ本体37の温度を適正に調節することができ、原料の温度上昇に基づく樹脂の劣化および粘度の変化等を未然に防止することができる。
【0095】
[第3の実施形態]
図13ないし
図18は、第3の実施形態を開示している。第3の実施形態は、スクリュ本体37に関する事項が第1の実施形態と相違している。それ以外のスクリュ21の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、第3の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0096】
図13ないし
図16に示すように、スクリュ本体37は、原料を搬送するための複数の搬送部81と、原料の流動を制限するための複数の障壁部82と、を有している。すなわち、バレル20の一端部に対応するスクリュ本体37の基端に複数の搬送部81が配置され、バレル20の他端部に対応するスクリュ本体37の先端に複数の搬送部81が配置されている。さらに、これら搬送部81の間において、スクリュ本体37の基端から先端に向かって、搬送部81と障壁部82とが軸方向に交互に並べて配置されている。
なお、バレル20の供給口34は、スクリュ本体37の基端の側に配置された搬送部81に向けて開口している。
【0097】
各搬送部81は、螺旋状に捩じれたフライト84を有している。フライト84は、筒体39の周方向に沿う外周面から搬送路53に向けて張り出している。フライト84は、スクリュ本体37の基端から見てスクリュ21が逆時計回りに左回転した時に、当該スクリュ本体37の基端から先端に向けて原料を搬送するように捩じれている。すなわち、フライト84は、当該フライト84の捩じれ方向が右ねじと同じように右に捩じれている。
【0098】
各障壁部82は、螺旋状に捩じれたフライト86を有している。フライト86は、筒体39の周方向に沿う外周面から搬送路53に向けて張り出している。フライト86は、スクリュ本体37の基端から見てスクリュ21が逆時計回りに左回転した時に、スクリュ本体37の先端から基端に向けて原料を搬送するように捩じれている。すなわち、フライト86は、当該フライト86の捩じれ方向が左ねじと同じように左に捩じれている。
【0099】
各障壁部82のフライト86の捩じれピッチは、搬送部81のフライト84の捩じれピッチと同じか、それよりも小さく設定されている。さらに、フライト84,86の頂部とバレル20のシリンダ部33の内周面との間には、僅かなクリアランスが確保されている。
【0100】
図13、
図14、
図17に示すように、スクリュ本体37は、スクリュ本体37の軸方向に延びる複数の通路88を有している。通路88は、一つの障壁部82と、当該障壁部82を挟んだ二つの搬送部81とを一つのユニットとすると、双方の搬送部81の筒体39に各ユニットの障壁部55を跨いで形成されている。この場合、通路88は、スクリュ本体37の軸方向に沿った同一の直線上において、所定の間隔(例えば、等間隔)で一列に整列されている。
【0101】
さらに、通路88は、筒体39の内部において、回転軸38の軸線O1から偏心した位置に設けられている。言い換えると、通路88は、軸線O1から外れており、スクリュ本体37が回転した時に、軸線O1の回りを公転するようになっている。
【0102】
図15に示すように、通路88は、例えば円形の断面形状を有する孔である。通路88は、原料の流通のみを許容する中空の空間として構成されている。通路88の壁面89は、スクリュ本体37が回転した時に、軸線O1を中心に自転することなく軸線O1の回りを公転する。
【0103】
図13、
図14、
図18に示すように、各通路88は、入口91、出口92、入口91と出口92との間を連通する通路本体93を有している。入口91および出口92は、一つの障壁部82の両側に接近して設けられている。別の捉え方をすると、隣り合う二つの障壁部82の間に隣接した一つの搬送部81において、入口91は、当該搬送部81の下流端の付近の外周面に開口されているとともに、出口92は、当該搬送部81の上流端の付近の外周面に開口されている。一つの搬送部81の外周面において開口されている入口91と出口92とは、通路本体93によって連通されていない。入口91は障壁部82を介して隣り合う下流側の搬送部81の出口92と連通されており、出口92は障壁部82を介して隣り合う上流側の搬送部81の入口91と連通されている。
【0104】
第2の押出機3に供給された原料は、
図17に矢印Cで示すように、スクリュ本体37の基端の側に位置された搬送部81の外周面に投入される。このとき、スクリュ本体37の基端から見てスクリュ21が逆時計回りに左回転すると、搬送部81のフライト84は、当該原料を、
図17に実線の矢印で示すように、スクリュ本体37の先端に向けて連続的に搬送する。
【0105】
本実施形態では、複数の搬送部81および複数の障壁部82がスクリュ本体37の軸方向に交互に並んでいるとともに、複数の通路88がスクリュ本体37の軸方向に間隔を存して並んでいる。このため、供給口34からスクリュ本体37に投入された原料は、
図17および
図18に矢印で示すように、せん断作用および伸長作用を交互に繰り返し受けながらスクリュ本体37の基端から先端の方向に連続的に搬送される。よって、原料の混練の度合いが強化され、原料の熱可塑性エラストマー中で導電性フィラーの分散化が促進される。
【0106】
本実施形態では、
図17に示すように、実線の矢印で示した搬送部81における原料の搬送方向と、破線の矢印で示した通路88内における原料の流通方向とが同じである。また、通路88の入口91が搬送部81における下流側(先端側、
図17に向かって左側)の端部近傍に設けられ、出口92は障壁部82を介して隣り合う下流側の搬送部81の上流側の端部近傍に設けられている。このように、障壁部82を跨ぐ通路88の長さL2が短く構成されているから、原料が通路88を通過する際の流動抵抗が低くなる。したがって、本実施形態は、粘度の高い原料を用いて樹脂を製造する方法に適している。一般に原料がフィラーを含有する場合、樹脂のみからなる原料と比較して、加熱溶融状態における粘度が高くなる傾向にある。このため、本実施形態は、導電性フィラーと熱可塑性エラストマーとを含む原料を用いた導電性複合材料の製造方法に好適である。
【0107】
通路88の長さL2は、当該通路88が跨ぐ障壁部82の長さL1よりも大きい必要があるが、原料が通路88を通過する際の流動抵抗を低くする観点から、当該通路88が跨いでいる障壁部82の長さL1の2倍以下が好ましく、1.5倍以下がより好ましく、1.3倍以下がさらに好ましい。
【0108】
そして、スクリュ本体37の先端に達した原料は、十分に混練された混練物となって、吐出口36aから第3の押出機4に連続的に供給され、当該混練物に含まれるガス状物質やその他の揮発成分が混練物から連続的に除去される。
【0109】
[第4の実施形態]
図19ないし
図27は、第4の実施形態を開示している。第4の実施形態は、スクリュ本体37に関する事項が第1の実施形態と相違している。それ以外のスクリュ21の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、第4の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0110】
図19ないし
図21に示すように、スクリュ本体37は、原料を搬送するための複数の搬送部101と、原料の流動を制限するための複数の障壁部102と、原料を一時的に循環させる複数の循環部103と、を有している。すなわち、バレル20の一端部に対応するスクリュ本体37の基端に複数の搬送部101が配置され、バレル20の他端部に対応するスクリュ本体37の先端に複数の搬送部101が配置されている。さらに、これら搬送部101の間において、スクリュ本体37の基端から先端に向かって、循環部103と障壁部102とが軸方向に交互に並べて配置されている。
なお、バレル20の供給口34は、スクリュ本体37の基端の側に配置された搬送部101に向けて開口している。
【0111】
各搬送部101は、螺旋状に捩じれたフライト105を有している。フライト105は、筒体39の周方向に沿う外周面から搬送路53に向けて張り出している。フライト105は、スクリュ本体37の基端から見てスクリュ21が逆時計回りに左回転した時に、当該スクリュ本体37の基端から先端に向けて原料を搬送するように捩じれている。すなわち、フライト105は、当該フライト105の捩じれ方向が右ねじと同じように右に捩じれている。
【0112】
各障壁部102は、螺旋状に捩じれたフライト107を有している。フライト107は、筒体39の周方向に沿う外周面から搬送路53に向けて張り出している。フライト107は、スクリュ本体37の基端から見てスクリュ21が逆時計回りに左回転した時に、スクリュ本体37の先端から基端に向けて原料を搬送するように捩じれている。すなわち、フライト107は、当該フライト107の捩じれ方向が左ねじと同じように左に捩じれている。
【0113】
循環部103は、障壁部102に対して、回転軸38の基端の側から隣接している。各循環部103は、螺旋状に捩じれた第1ないし第3のフライト110,111,112を有している。第1ないし第3のフライト110,111,112は、それぞれ、筒体39の周方向に沿う外周面から搬送路53に向けて張り出している。
【0114】
第1ないし第3のフライト110,111,112は、スクリュ本体37の軸方向に沿って互いに隣接して配置されている。スクリュ本体37の基端から見てスクリュ21が逆時計回りに左回転した時に、スクリュ本体37の基端から先端に向けて原料を搬送するように捩じれている。すなわち、第1ないし第3のフライト110,111,112は、当該第1ないし第3のフライトの捩じれ方向が右ねじと同じように右に捩じれている。
【0115】
この場合、各障壁部102のフライト107の捩じれピッチは、搬送部101のフライト105および循環部103のフライト110,111,112の捩じれピッチと同じか、それよりも小さく設定されている。さらに、第2のフライト111の捩じれピッチは、第1および第3のフライト110,112の捩じれピッチよりも小さく設定されている。さらに、フライト105,107,110,111,112の頂部とバレル20のシリンダ部33の内周面との間には、僅かなクリアランスが確保されている。
【0116】
さらに、第1ないし第3のフライト110,111,112において、第3のフライト112は搬送方向の上流側に配置され、第1のフライト110は搬送方向の下流側に配置されている。第2のフライト111は、第3のフライト112と第1のフライト110との間に配置されている。
【0117】
本実施形態において、各障壁部102は、当該各障壁部102を越えて原料が流動できるように設計されている。具体的には、各障壁部102は、スクリュ21をバレル20のシリンダ部33に回転可能に挿通させた状態において、当該各障壁部102とシリンダ部33との間を原料が通過できるように設計されている。この場合、各障壁部102の外径部(フライト107の頂部)と、シリンダ部33の内周面とのクリアランスは、0.1mm以上かつ3mm以下の範囲に設定することが好ましい。より好ましくは、当該クリアランスを0.1mm以上かつ1.5mm以下の範囲に設定する。
【0118】
図19、
図20、
図27に示すように、各通路115は、入口117、出口118、入口117と出口118との間を連通する通路本体119を有している。入口117および出口118は、循環部103を構成する筒体39の外周面に開口されている。図面には、通路115の一例が示されている。当該通路115において、通路本体119は、第1のフライト110が形成された筒体39に設けられ、入口117および出口118は、当該筒体39の外周面に開口されている。入口117および出口118の開口位置は、当該筒体39の外周面の範囲内で自由に設定することができる。
【0119】
通路本体119は、スクリュ本体37の軸方向に沿って、途中で分岐することなく、一直線状に延びている。一例として図面には、通路本体119が軸線O1と平行に延びている状態が示されている。通路本体119の両側は、軸方向に閉塞されている。
【0120】
入口117は、通路本体119の一方側、すなわち、スクリュ本体37の先端寄りの部分に設けられている。
【0121】
出口118は、通路本体119の他方側(一方側とは反対側)、すなわち、スクリュ本体37の基端寄りの部分に設けられている。
【0122】
図22に示すように、通路115は、例えば円形の断面形状を有する孔である。通路115は、原料の流通のみを許容する中空の空間として構成されている。通路115の壁面116は、スクリュ本体37が回転した時に、軸線O1を中心に自転することなく軸線O1の回りを公転する。
【0123】
第2の押出機3に供給された原料は、
図26に矢印Dで示すように、スクリュ本体37の基端の側に位置された搬送部101の外周面に投入される。このとき、スクリュ本体37の基端から見てスクリュ21が逆時計回りに左回転すると、搬送部101のフライト105は、当該原料を、
図26の実線の矢印で示すように、スクリュ本体37の先端に向けて連続的に搬送する。
【0124】
本実施形態では、障壁部102に向けて搬送された原料の一部は、再び入口117から通路115に連続的に導かれ、循環部103の箇所で一時的に循環を繰り返す。障壁部102に向けて搬送された残りの原料は、障壁部102のフライト107の頂部とシリンダ部33の内周面との間のクリアランスを通過して隣り合う循環部103に連続的に流入する。
【0125】
[第5の実施形態]
図28は、第5の実施形態を開示している。上記した第1の実施形態では、第1の押出機(処理機)2を、二軸混練機として構成した場合について説明したが、これに代えて、第5の実施形態では、第1の押出機2を、単軸押出機として構成した場合を想定する。
【0126】
図28に示すように、第5の実施形態に係る第1の押出機2において、バレル6は、単軸のスクリュ7を回転可能に収容するシリンダ部8を備えている。バレル6には、上記した第1の実施形態と同様に、例えばペレット化された材料をシリンダ部8内に供給可能な供給口9と、当該樹脂を溶融するためのヒータ(図示しない)と、溶融された樹脂を吐出可能な吐出口6aとが設けられている。
【0127】
スクリュ7は、軸線O2を中心に回転可能であって、その外周面には、螺旋状に捩じれたフライト122が形成されている。フライト122は、供給口9から供給された樹脂を吐出口6aに向けて連続的に搬送するように構成されている。このため、フライト122は、供給口9の側から見た場合のスクリュ7の回転方向とは逆方向に捩じれている。図面には一例として、スクリュ7を左回転させて樹脂を搬送する場合のフライト122が示されている。この場合、フライト122の捩じれ方向は、右ねじと同じように、時計回りに設定されている。
【0128】
さらに、スクリュ7の外周面には、供給口9の側から吐出口6aに向かって順に、供給部P1、圧縮部P2、搬送部P3、が連続的に構成されている。供給部P1は、円柱形状を有し、その外周面7-P1とシリンダ部8との隙間は、広く設定されている。搬送部P3は、円柱形状を有し、その外周面7-P3とシリンダ部8との隙間は、狭く設定されている。言い換えると、搬送部P3において、外周面7-P3とシリンダ部8との隙間を狭めることで、フライト122の高さが低く設定されている。これにより、吐出口6aにおける吐出安定性の向上が図られている。圧縮部P2は、供給部P1から搬送部P3に向かって末広がり形状を有し、その外周面7-P2とシリンダ部8との隙間は、供給部P1から搬送部P3に向かって連続的に狭くなるように設定されている。
【0129】
ここで、スクリュ7を左回転させた状態において、供給口9からシリンダ部8に供給されたペレット状の樹脂は、フライト122によって、供給部P1から圧縮部P2、搬送部P3の順に搬送された後、吐出口6aから吐出される。供給部P1において、樹脂は、その温度が低く固体の状態である。圧縮部P2において、樹脂は、主に、ヒータにより加熱されつつ、連続的に狭くなった隙間からの圧縮を受ける。搬送部P3において、樹脂は、溶融されて混合された原料を構成する。そして、バレル6の吐出口6aから吐出した原料は、
図1に矢印Aで示すように、第2の押出機3に連続的に供給される。
【0130】
以上、第5の実施形態によれば、第1の押出機2を単軸押出機とした場合でも、上記した第1の実施形態に係る二軸混練機の場合と同様に、第2の押出機3による混練処理に最適な粘度の原料を生成することができる。これにより、第2の押出機3の負担を軽減することができる。
【0131】
例えば、既に予備的な混練がされた材料、すなわち、樹脂にフィラー(添加物)が練り込まれてペレット化された材料に対して、せん断作用と伸長作用とを交互に付与する場合を想定すると、単軸押出機を用いることで、添加物の物性劣化や繊維の切断を発生させること無く、当該材料を混練することができる。
【0132】
また、原料に添加剤を添加する場合、当該添加剤を第1の押出機2または第2の押出機3に投入すると、第2の押出機3での高速回転により、添加剤の物性劣化や分解が生じる可能性がある。この場合、第3の押出機4を二軸押出機とすることにより、脱気のみならず、添加剤の原料への練り込み(混練)も可能となる。
【実施例】
【0133】
[実施例1]
第1の実施形態に係る混練装置は、搬送部における原料の搬送方向と通路内における原料の流通方向とが逆であり、障壁部を跨ぐ通路の入口および出口が、この順に搬送部の基端側および隣接する搬送部の先端側に設けられている。このため、通路の長さが長くなり原料が通過する際の流動抵抗が高くなるから、高粘度の原料の場合、円滑に通路を通過させながら混練することが困難である。
そこで、本実施例では、搬送部における原料の搬送方向と通路内における原料の流通方向とが同じであり、障壁部を跨ぐ通路の入口および出口が、この順に搬送部の先端側および隣接する搬送部の基端側に設けられている第3の実施形態に係る混練装置を用いた。当該混練装置は、通路が短く流動抵抗が低いことから、高粘度の原料の混練に適している。
【0134】
第3の実施形態に係る混練装置を用いて、せん断作用と伸長作用を交互に付与して導電性フィラーと熱可塑性エラストマーとからなる原料を混練して導電性複合材料を製造した。
導電性複合材料の製造においては、スクリュ有効長(L/D)48に対する混練部12の有効長(L/D)を8に設定した第1の押出機2に、導電性フィラーとして多層カーボンナノチューブ(CNT)および、熱可塑性エラストマーとして水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)の二種類の材料を供給し、予備的に混練することで溶融状態の材料を生成した。そして、その溶融状態の材料を、第2の押出機3の原料として、第1の押出機2から第2の押出機3に連続的に供給し、導電性複合材料を製造した。
【0135】
当該第2の押出機3の備えるスクリュ21等の仕様を次のように設定した。
スクリュ径(外径):48mm
スクリュ有効長(L/D):6.25~18.75
スクリュ回転数:200rpm、300rpm、400rpm、500rpm、600rpmまたは1000rpm
原料供給量:10kg/時間、
バレル設定温度:250℃
入口、出口および通路本体の断面形状:直径4mmの円形
通路の通過回数(繰り返し回数):2回、6回または12回
原料中のCNT濃度:1重量%
【0136】
上記混練装置を用いて導電性複合材料を製造し、得られた導電性複合材料の導電率をJIS K 7194に準拠して測定した。結果を表1に示す。
導電率測定用の3個の試験片を以下の条件でホットプレス装置を用いて作製した。導電率は、低抵抗抵抗率計を用いて各試験片について5点測定した。1個の試験片から5個の抵抗率が算出されるので、15個の抵抗率が算出される。この15個の抵抗率を平均した値を導電率とした。
作製条件:温度260℃、プレス圧力49MPa
試験片 :長さ80mm、幅50mm、厚み0.5mm
【表1】
【0137】
表1および
図29のグラフに示すように、スクリュの回転数によらず導電率(導電性)の高い導電性複合材料を製造することができた。また、スクリュの回転数を1000rpm(回転/分)とした場合、原料が通路を通過する通過回数によらず導電率の高い導電性複合材料が得られた。このため、高い導電率(導電性)を有する導電性複合材料を製造するには、スクリュの回転数を1000rpm程度に設定することが好ましいといえる。しかし、1重量%のCNTと99重量%のSEBSとからなる原料を混練するスクリュの回転数を1000rpmとすると、混練処理の際に原料温度が高くなりすぎて、導電性複合材料の強度の低下などを招く原因となる。このため、CNTとSEBSとを原料として用いる場合、原料を混練するスクリュの回転数を600rpm以下とすることが好ましい。
【0138】
上述したように、導電性複合材料の導電率はスクリュの回転数に影響されないことから、スクリュの回転数を600rpm以下としても高い導電率を有する導電性複合材料が得られる。しかし、スクリュの回転数を200rpmから600rpm程度とすると、
図29に示すように、原料が通路を通過する回数によって、得られる導電性複合材料の導電率が異なることが明らかになった。すなわち、スクリュの回転数を200rpmから600rpm程度とすると、導電性複合材料の導電率が通路の通過回数に影響されることが分った。
【0139】
本実施例において用いた、通路の入口、出口および通路本体が円形の断面形状を有する孔であり、内径が直径4mmの円形に形成された混練装置は、溶融状態の原料が通路を円滑に通過可能であった。しかし、通路の入口、出口および通路本体の孔の内径が直径2mmの円形に形成された混練装置は、原料が通路を円滑に通過できなかった。このため、通路の入口、出口および通路本体が円形の断面形状を円形とする場合、直径2mm以上が好ましく、直径3mm以上がより好ましく、直径4mm以上がさらに好ましい。
【0140】
[実施例2]
実施例1と同様の混練装置を用い、スクリュ回転数を400rpmに固定し、通路の通過回数を4回、8回および10回として、導電性複合材料を製造し、得られた導電性複合材料の導電率を実施例1と同様にして測定した。
【表2】
【0141】
表2および
図30のグラフでは、実施例1と実施例2において得られた導電性複合材料の導電率の測定結果をまとめて示している。通路の通過回数を2回から4回に増やすことにより、得られる導電性複合材料の導電率が急激に高くなっている。これは、通路の通過回数を増やすことで、SEBS中のCNTの分散性が高くなったことによると考えられる。この結果から、高い導電率を有する導電性複合材料を得るためには、通路の通過回数は2回以上が好ましく、3回以上がより好ましく、4回以上がさらに好ましいといえる。
【0142】
また、通路の通過回数を10回から12回に増やすことにより、得られる導電性複合材料の導電性が低下している。これは、通路の通過回数を増やすことが、SEBS中に分散したCNTの導電性フィラーとしての機能低下を招いたためと考えられる。この結果から、導電率の高い導電性複合材料を得るためには、通路の通過回数を16回以下とすることが好ましく、11回以下とすることがより好ましく、10回以下とすることがさらに好ましいといえる。
【0143】
以上のように、本発明の製造方法は、原料が通路を通過する回数が、CNTの分散性および導電性フィラーの導電機能に影響することが分った。CNTの導電性フィラーとしての機能を維持したままSEBS中に高分散させて、導電率の高い導電性複合材料を製造するためには、通路の通過回数は3回以上11回以下が好ましく、4回以上10回以下がより好ましいといえる。
【0144】
[実施例3]
実施例1と同様の混練装置のスクリュ回転数を400rpmに固定し、通路の通過回数および材料中のCNT濃度を以下のように変化させて、導電性複合材料を製造し、導電率を測定した。結果を表3に示す。
通路の通過回数:4回、6回、8回、10回、12回
材料中のCNT濃度:0.50重量%、0.75重量%、1.0重量%、1.25重量%、1.5重量%、2.0重量%、3.0重量%
【表3】
【0145】
表3および
図31のグラフに示すように、材料中のCNT濃度を0.75重量%以上とした場合、通路の通過回数を4回以上にすることで、導電率の高い導電性複合材料が得られた。ただし、材料中のCNT濃度を0.50重量%とした場合、通路の通過回数が4回の導電性複合材料は6回のものよりも顕著に導電率が低くなった。この結果から、CNT濃度が低い材料を用いて導電率の高い導電性複合材料を安定的に製造する観点から、通路の通過回数は5回以上が好ましく、6回以上がより好ましいといえる。
【0146】
[実施例4]
実施例1および実施例2の混練装置のスクリュ回転数を400rpmに固定し、通路の通過回数:2回、4回、6回、8回、10回および12回として、得られた導電性複合材料の引張強度をJIS K 6251に準拠して測定した。結果を表4に示す。
試験片形状に裁断するシートは、導電率試験片と同じ方法であるホットプレス装置を用いた方法で作製した。形状はダンベル状3号形とした。引張試験は、万能試験機(島津製作所(株)製オートグラフAG-50kN型)を用い、クロスヘッド速度を100mm/分とし、試験片の破断まで荷重を負荷した。引張強度について以下の計算式から算出した。
F=P/W×D
F:強度(MPa)
P:破壊荷重(MPa)
W:試験片の幅(mm)
D:試験片の厚さ(mm)
【表4】
【0147】
表4および
図32に示すように、通過回数6回、8回および10回の導電性複合材料は引張強度がほぼ同程度であり、通過回数12回の導電性複合材料で引張強度が低下した。この結果から、導電性複合材料の引張強度を高くする観点から、通過回数は11回以下が好ましく、10回以下がより好ましいといえる。
【0148】
[実施例5]
第3の実施形態に係る混練装置の代わりに第4の実施形態に係る混練装置を用いて原料を混練して導電性複合材料を製造し、得られた導電性複合材料の導電率を測定した。第4の実施形態に係る混練装置を用いた実施例5の結果と、第3の実施形態に係る混練装置を用いた実施例1の結果とを表5に示す。
第2の押出機3の備えるスクリュ21等の仕様を次のように設定した。
スクリュ径(外径):36mm
スクリュ有効長(L/D):12.5
スクリュ回転数:400rpm、500rpm、600pm
原料供給量:10kg/時間、
バレル設定温度:250℃
入口および出口の形状:直径4mmの円形
通路の通過回数(繰り返し回数):6回
原料中のCNT濃度:1重量%
【表5】
【0149】
図33に、実施例1および実施例5の製造方法により得られた導電性複合材料の導電率を示す。同図および表5に示すように、第3の実施形態に係る混練装置を用いることにより、第4の実施形態に係る混練装置よりも、より導電率の高い導電性複合材料が得られた。この結果より、第3の実施形態に係る混練装置の構成、すなわち、障壁部を介して隣接する搬送部のうち、基端側の搬送部に入口が設けられ、先端側の搬送部に出口が設けられ、入口と出口とを連通する通路が障壁部を跨いて設けられており、原料が、搬送部においてスクリュ本体の基端から先端に向かって搬送され、通路内においてスクリュ本体の基端から先端に向かって流通させる構成を備えた混練装置を用いることが、高い導電性を備えた導電性複合材料を製造する観点から、好ましいといえる。
【0150】
[実施例6]
第2の押出機3が備えるスクリュ21等の仕様のうち、入口、出口および通路本体の断面形状を直径(内径)2mmの円形とした構成においてのみ、実施例1で用いた混練装置とは異なる混練装置を用いて、繰り返し回数を6回として導電性複合材料を製造し、得られた導電性複合材料の導電率をJIS K 7194に準拠して測定した。通路の断面形状を直径2mmの円形とした実施例6の結果と、通路の断面形状を直径4mmの円形とした実施例1の繰り返し回数6回結果と併せて表6に示す。
【表6】
【0151】
表6および
図34に示すように、実施例6は、実施例5同様、実施例1により得られた導電性複合材料よりもやや導電率が低い導電性材料が得られた。この結果は、スクリュ径48mmの混練装置では、通路断面の内径を2mmとすると、スクリュ径に対する内径が狭いため、通路内に樹脂が入り辛くなる上、障壁部前に樹脂が多くたまり、圧力が上昇し溶融状態の樹脂原料が障壁部を乗り越えてしまったことによると考えられる。この結果から、スクリュ径が30~50mm程度の混練装置では、通路の入口、出口および通路本体の内径(断面円形の直径)は3mm以上5mm以下程度が好ましいといえる。
実施例5および実施例6の結果から、通路の入口と出口とが同じ搬送部に設けられた第4の実施形態に係る混練装置は、通路の入口と出口とが障壁部を介して隣接する異なる搬送部に設けられた第3の実施形態に係る混練装置よりも、製造された導電性材料の導電率が劣っていた。このことは、障壁部を乗り越える形でシリンダ部壁面との隙間に侵入した導電性フィラーに過度のせん断力が加えられて、導電性フィラーが繊維状に長くつながった状態を維持できなくなり、導電性を発現できなかったことによると考えられる。また、シリンダ部壁面との隙間に原料が浸入すると、原料中の樹脂(熱可塑性エラストマー)に過度のせん断力を与えられてせん断発熱し、樹脂自体が劣化する可能性もある。したがって、引張強度および導電率の良好な導電性材料を製造する観点から、原料が通路を通って搬送部間を移動する第3の実施形態に係る混練装置を用いることが好ましい。
【0152】
[比較例1]
特許文献2(特開2008-266577号公報)に記載されたバッチ式の混練装置を用いて、CNT濃度が1.25重量%、2.5重量%および5.0重量%のCNTとSEBSとからなる材料から導電性複合材料を製造し、導電率を測定した。当該測定結果を実施例3の繰り返し数6回の結果と併せて表7に示す。
【表7】
【0153】
表7および
図35に示すように、比較例1の導電性複合材料は、CNT濃度が同程度の実施例3の導電性複合材料よりも、導電率が低かった。本発明の製造方法によれば、導電率の高い導電性複合材料とするために必要なCNTの配合量を低くすることが可能である。
【0154】
また、
図33および
図35のグラフから、スクリュ径36mmの混練装置を用いて製造した実施例5の導電性複合材料は、スクリュ径48mmの混練装置を用いて製造した実施例3の導電性複合材料よりもやや導電率が低いものの、比較例1のバッチ式の混練装置との比較では十分に高い導電率を備えていた。この結果から、混練装置のスクリュ径(外径)が30mm以上50mm以下の範囲であれば、同等の導電率を備える導電性複合材料が得られるといえる。
【符号の説明】
【0155】
2…第1の押出機(処理機)、3…第2の押出機、4…第3の押出機(脱泡機)、
20…バレル、21…スクリュ、34…供給口、36a…吐出口、
37…スクリュ本体、54,81,101…搬送部、
56,57,58,84,86,105,107,110,111,112,122…フライト、
60,88,115…通路、62,91,117…入口、63,92,118…出口、
64,93,119…通路本体、55,82,102…障壁部
D1…外径、O1,O2…軸線、L1…障壁部の長さ、L2…通路の長さ。