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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】配送システム及び検索システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/907 20190101AFI20231206BHJP
   G06F 16/906 20190101ALI20231206BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20231206BHJP
【FI】
G06F16/907
G06F16/906
G06Q50/04
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019025601
(22)【出願日】2019-02-15
(65)【公開番号】P2020135204
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】517017908
【氏名又は名称】フィールド・フロー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116573
【弁理士】
【氏名又は名称】羽立 幸司
(72)【発明者】
【氏名】春本 修二
(72)【発明者】
【氏名】北原 直
【審査官】成瀬 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-044712(JP,A)
【文献】特開2015-153218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産された食品を容器に収容して配送し、前記食品をユーザに届ける配送システムにおいて、
記生産された食品に関するトレーサビリティ情報へのアクセスのためのリンク情報であるQRコード(登録商標)を前記容器に取り付けてタグ付けする手段と、
前記タグ付けされたQRコード(登録商標)を介して前記トレーサビリティ情報を読み取って表示することができる読取表示手段と、
前記ユーザが検索可能な食品に関する検索システムと、
管理者が管理を行う管理部とを備え、
前記管理部は、管理用サーバ有し、
前記管理用サーバは、
少なくとも前記タグ付けされたQRコード(登録商標)を介してアクセス可能なトレーサビリティ情報を記録する生産用内容管理データベースと、
前記生産用内容管理データベースに記録されたトレーサビリティ情報の食品名についての食品名データベースと、
前記食品名に紐付けられた前記生産用内容管理データベースに記録されたトレーサビリティ情報の原材料名についての原材料名データベースと、
前記食品名及び原材料名に紐付けられた前記生産用内容管理データベースに記録されたトレーサビリティ情報の成分名についての成分名データベースとを有し、
前記食品名、前記原材料名及び前記成分名は、特定のルールでカテゴライズされており、
前記管理用サーバは、さらに配送用サーバを有し、
前記配送用サーバは、
前記生産用内容管理データベースに記録された前記トレーサビリティ情報と連動して同じ情報を記録する配送用内容管理データベースと、
前記生産用内容管理データベースに記録された前記トレーサビリティ情報と前記配送用内容管理データベースに記録された情報とを連動させて同じものにするための互いに一義的に関係付けるユニークコードを生成して管理する配送トレーサビリティユニークコード生成管理データベースと、
前記配送用内容管理データベースに記録された情報と紐づけられて配送者が入力する配送状況及びトレース情報を記録して管理する配送状況及びトレース情報管理データベースとを有し、
前記検索システムは、検索結果を出力する出力手段を有し、
前記ユーザは、前記ルールに沿ったカテゴリを検索条件にして、前記食品名データベースからカテゴリ内の前記食品名を検索可能であり、前記原材料名データベースからカテゴリ内の前記原材料名を検索可能であり、又は、前記成分名データベースからカテゴリ内の前記成分名を検索可能であり、
前記出力手段は、前記カテゴリ内の前記食品名と前記原材料名と前記成分名との関係性も前記ユーザに出力結果として出力でき、
前記ユーザは、前記食品を受け取る前及び/又は受け取った後に前記検索システムを用いて検索した結果を参照可能であり、前記届けられた前記容器を開封して前記食品を受け取った際に、前記読取表示手段を用いて記生産用内容管理データベースに記録された前記食品に関するトレーサビリティ情報を視認して、且つ、前記配送状況及びトレース情報管理データベースに直接アクセスして前記生産用内容管理データベースに記録された前記食品に関するトレーサビリティ情報に連動して前記配送用内容管理データベースに記録された同じ情報と紐づけられた前記記録された配送状況及びトレース情報を視認して、前記食品と前記トレーサビリティ情報との関係について適切か否かを含めて確認できる、配送システム。
【請求項2】
前記特定のルールは、宗教の考え方に従うルール、法律に沿ったルール、又は、アレルギーに関するルールを含む、請求項1記載の配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送システム及び検索システムに関し、特に、食品に関する検索システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食への消費者の関心が年々高まっており、トレーサビリティの必要性も高まっている。また、この関心の高さを受け、例えば、食品に対して、2015年4月1日から食品表示法が適用されている。この食品表示法では、従前のJAS法、食品衛生法、健康増進法の義務表示の部分が一つにまとめられ、さらに新法のもとでは機能性表示食品制度も導入されている。これにより、原材料名の表示、その他にも成分名の表示なども新法のもとで適切に行われていくことになっている。このような法制度に基づく表記に限らず、消費者にとっては強い関心事が他にもある。例えば、アレルギーのある方は、自身のアレルギーに関係する食品名、原材料名、成分名には大きな関心を持っている。このようなアレルギーに対応するべく、アレルギー食品を検索するシステムも提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-58550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、トレーサビリティのための提案もなされてきたが、消費者目線では、それでは十分ではないという状況にある。すなわち、消費者側には購入前に内容物を正確に把握したいという強いニーズが生まれているものの現在は十分には対応できていないという問題がある。また、購入前に事前に内容物を把握したとしても、届けられた現物を見て、さらに確認したいということもある。その際には原材料等について記されたラベルを見ることになるが、それには十分な情報が記載されていないこともある。この理由の一つとしては、上記のように新法が施行されたように法律は必要性があれば改正されることもあり、表示義務について、すべての記載事項が法律で義務化されていないということもあって、ラベルの情報だけでは十分な情報とはなっていないことが起こっている。
【0005】
さらに、検索システムがあったとしても、法律の改正も踏まえた食品名、原材料名、成分名との関係性が明確になっているデータベースができていないのが実情である。また、アレルギーについては、上記のような食品レベルでの検索が行われるとしても、原材料、成分にまで網羅的に検索できるシステムは見当たらないのが実情である。さらに、ハラール食品のような宗教的な観点が必要になると、原材料名、成分名に限らず、現在の日本の法律や文化では全く対応できてはいないと言わざるを得ないのが実情である。
【0006】
ゆえに、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、トレーサビリティも加味しつつ、食品名、原材料名、成分名との関係性を明確にした食品に関する検索システムを有する配送システムを提供することである。また、本発明は、食品名、原材料名、成分名との関係性を明確にした食品に関する検索システムを提供することに加えて、法律、アレルギー、宗教等の観点も踏まえた食品に関する検索システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、生産された食品を容器に収容して配送し、前記食品をユーザに届ける配送システムにおいて、前記容器に前記生産された食品に関するトレーサビリティ情報をタグ付けする手段と、前記タグ付けされた前記トレーサビリティ情報を読み取って表示することができる読取表示手段と、前記ユーザが検索可能な食品に関する検索システムとを備え、前記検索システムは、前記トレーサビリティ情報にも連動するものであり、食品名についての食品名データベースと、前記食品名に紐付けられた原材料名についての原材料名データベースと、前記食品名及び原材料名に紐付けられた成分名についての成分名データベースと、検索結果を出力する出力手段とを有し、前記食品名、前記原材料名及び前記成分名は、特定のルールでカテゴライズされており、前記ユーザは、前記ルールに沿ったカテゴリを検索条件にして、前記食品名データベースからカテゴリ内の前記食品名を検索可能であり、前記原材料名データベースからカテゴリ内の前記原材料名を検索可能であり、又は、前記成分名データベースからカテゴリ内の前記成分名を検索可能であり、前記出力手段は、前記カテゴリ内の前記食品名と前記原材料名と前記成分名との関係性も前記ユーザに出力結果として出力でき、前記ユーザは、前記届けられた前記容器を開封して前記食品を受け取った際に、前記読取表示手段を用いて前記食品に関するトレーサビリティ情報を視認して、前記食品と前記トレーサビリティ情報との関係を確認できるものである。
【0008】
本発明の第2の観点は、食品に関する検索システムであって、食品名についての食品名データベースと、前記食品名に紐付けられた原材料名についての原材料名データベースと、前記食品名及び原材料名に紐付けられた成分名についての成分名データベースと、検索結果を出力する出力手段とを備え、前記食品名、前記原材料名及び前記成分名は、特定のルールでカテゴライズされており、ユーザは、前記ルールに沿ったカテゴリを検索条件にして、前記食品名データベースからカテゴリ内の前記食品名を検索可能であり、前記原材料名データベースからカテゴリ内の前記原材料名を検索可能であり、又は、前記成分名データベースからカテゴリ内の前記成分名を検索可能であり、前記出力手段は、前記カテゴリ内の前記食品名と前記原材料名と前記成分名との関係性も出力結果として出力できるものである。
【0009】
本発明の第3の観点は、第2の観点において、前記特定のルールは、宗教の考え方に従うルール、法律に沿ったルール、又は、アレルギーに関するルールを含むものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の観点によれば、トレーサビリティも加味しつつ、ユーザが食品名、原材料名、成分名との関係性を明確にした食品に関する検索を行えることから、ユーザは自ら食するものを安心して食べることができる。また、本発明の第2の観点によれば、食品名、原材料名、成分名との関係性を明確にした食品に関する検索システムを提供でき、ユーザは自ら食するものを安心して食べることができる。さらに、本発明の第3の観点によれば、法律、アレルギー、宗教等の観点も踏まえた食品に関する検索システムを提供でき、ユーザはさらに自ら食するものを安心して食べることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態にかかる配送システムの全体のモデルを示した概要ブロック図である。
図2図1の管理部の詳細を示したブロック図である。
図3図1の消費者が管理部の食品名・原材料名・成分名関係性データベースにアクセスして食品に関する検索を行う場合の処理を示したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について述べる。なお、本発明の実施の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0013】
図1は本発明の実施の形態にかかる配送システムの全体のモデルを示した概要ブロック図である。図2図1の管理部の詳細を示したブロック図である。
【0014】
配送システム1は、生産者3のスマートフォン(以下、「スマホ」という。)5と、配送者7のスマホ9と、消費者11のスマホ13と、管理者15が管理する管理部17とを備える。管理部17は、管理用サーバ19と、配送用サーバ21とを有している。管理用サーバ19には、生産用内容物管理データベース19aと、食品名・原材料名・成分名関係性管理データベース19bとが含まれる。配送用サーバ21には、配送用内容管理データベース21aと、配送トレーサビリティユニークコード生成管理データベース21bと、配送状況&トレース情報管理データベース21cとが含まれる。これらのサーバ19,21は情報通信ネットワークで繋がったクラウドコンピューティングを用いたサーバであり、ワンタイムパスワード等を用いたセキュリティが重要視されたシステム構成になっている。そして、管理用サーバ19は管理者15によって管理され、管理者15は、配送用サーバ21にも上記セキュリティ環境のもとでのアクセスも行えるようになっている。また、この配送システム1は、生産者3が生産した食品を収納して配送者7が消費者11に届けるための容器としてのトレーサビリティタグ付きBOX23を用いており、トレーサビリティタグ付きBOX23には、近距離無線通信技術(NFC:Near Field Communication)が用いられていてQRコード(登録商標)が印刷されたシールが、タグとして貼られている。なお、ここで、以下も同様だが、生産者3には、一次産業の生産者だけでなく、二次産業の加工業者も含むものとする。
【0015】
トレーサビリティタグ付きBOX23について、さらに説明する。例えば、ハラール食品が収容される場合には、コンタミネーションが発生しないような開封チェックができるフィルムパック等が箱の中に入れられ、そのフィルムパック等の中にハラールの基準に沿った処理が施された食品が収容されている。このようなハラール処理が施されたことを認定されているマークがある場合には、その認定マークがトレーサビリティタグ付きBOX23に貼られている。この認定マークがあり、開封チェックが可能ということで、ハラール商品を食する消費者11は、安全且つ安心してその食品を食することがきる。さらに、安全・安心を技術的に裏付けるべく、タグ部25がトレーサビリティタグ付きBOX23に設けられている。すなわち、生産者3は、スマホ5を用いて、荷物情報である食品のトレーサビリティの情報を管理用サーバ19に入力する。この際、スマホ5のアプリケーションの起動は、トレーサビリティタグ付きBOX23のタグ部25の近距離無線通信技術(NFC:Near Field Communication)によって行われ、QRコード(登録商標)によって管理用サーバ19のトレーサビリティの情報が紐付けられると同時にその書き換えが行われないようにロックがかかるようになっている。なお、タグは、QRコード(登録商標)に限定される必要はなく、ICチップ等の他のものであってもよい。
【0016】
上記のトレーサビリティ情報としては、写真等が用いられながら食品の生育環境、加工品の場合も含めてどのような処理が施されたかについての情報の他、食品名、原材料名、成分名も含まれ、これらの情報が生産用内容管理データベース19aに登録される。食品名・原材料名・成分名関係性管理データベース19bでは、食品名についてはデータベース化されており、その食品名と紐付けされた原材料名のデータベース化もされており、さらに、食品名と原材料名とに紐付けされた成分名のデータベース化されている。そして、この食品名・原材料名・成分名関係性データベース19bは、事前にデータが入力されて予め準備されているものであることが好ましいが、トレーサビリティ情報として生産用内容物管理データベース19aに入力される食品名・原材料名・成分名も関係付けられながら入力されて登録されていくため、この配送システム1が稼働すればするほど充実する仕組みとしている。関係性は、特定のルールでカテゴライズされて関係性が明確になっている。特定のルールは、例えば、宗教の考え方に従うルール、法律に沿ったルール、アレルギーに関するルールなどが挙げられる。宗教の考え方に従うルールとしては、ハラール食品の場合が一例として挙げられる。
【0017】
ここで、配送者7は、図示では単数のように示しているが、生産者3側の集荷担当者、消費者11側の配達担当者、中継地としての配送センターと集荷担当者又は配達担当者との間の元請け運送担当者のほか、必要に応じて発生する代行者のように複数が介在することが一般的である。配送者7の集荷担当者は、スマホ9を用いて、集荷時の受け取り情報を管理用サーバ19に入力し、集荷情報を配送用サーバ21に入力する。この入力が行われると同時に、出荷メールが消費者のスマホ13宛に送信される。集荷情報配送センターからは中継情報が配送用サーバ21に入力される。配送者7の配達担当者は、スマホ9を用いて、配達情報を配送用サーバ21に入力すると同時に、消費者11に配達を完了すると配達完了情報について管理用サーバ19に入力する。
【0018】
図2の配送用内容管理データベース21aは、生産用内容管理データベース19aと連動する。この連動は、ワンタイムパスワード等のユニークコードが生成され、そのコードとの関係で行われる。ユニークコードは配送トレーサビリティユニークコード生成管理データベース21bで管理される。配送状況&トレース情報管理データベース21cには、上記した配送者7がスマホ9のアプリケーション(荷受けアプリ、配送状況アプリ、配送完了アプリ)を用いて上記した入力を行うことに対応して、配送状況及びトレース情報が入力されてデータが蓄積される。
【0019】
消費者11は、スマホ13のアプリ(配送物&配送状況確認アプリ、受取状態フィードバックアプリ)を用いて、配送用サーバ21にアクセスして配送状況等の確認を行えるとともに、タグ部25の近距離無線通信技術(NFC:Near Field Communication)によって起動されたスマホ13内のアプリケーションによって管理サーバ18へのアクセスも行って食品のトレーサビリティ情報(荷物情報)に直接アクセスし、それを閲覧して確認してもよく、又は、QRコード(登録商標)によって紐付けられた配送された食品のトレーサビリティの情報(荷物情報)の閲覧を行ってその内容を確認してもよい。
【0020】
ここで、消費者11は、トレーサビリティ情報の中に、食品名、原材料名、成分名を見つけると、それに関して、食品名・原材料名・成分名の関係性について、食品名・原材料名・成分名関係性管理データベース19bにアクセスし、その関係性を検索できるようになっている。このようなデータベース化を可能とすべく、管理者15が事前に関係性について食品名・原材料名・成分名関係性管理データベース19bにデータを蓄積しておくだけでなく、生産者3が入力する情報も順次蓄積されて、食品名・原材料名・成分名関係性管理データベース19bのデータベース化が進むようになっており、消費者11は、スマホ13を用いてその検索結果の出力を受け取ることができるようになっている。また、消費者11は、トレーサビリティ情報の中に、食品名、原材料名、成分名がない状態でも、食品名・原材料名・成分名の関係性について、食品名・原材料名・成分名関係性管理データベース19bにアクセスし、その関係性を検索できるようになっている。そのため、消費者11は、上記のような食品の購入後だけでなく、食品を購入する前の段階、さらには購入とは関係ない段階でも、食品名・原材料名・成分名関係性管理データベース19bにアクセスし、その関係性を検索できるようになっている。
【0021】
このような配送システム1が用いられ、特に、トレーサビリティタグ付けBOX23が用いられ、例えば、ハラール食品であっても、消費者13は、食に施された処理を技術的に裏付けられた状態で確認でき、安全且つ安心して食することができるようになっている。さらに、上記したような認定マークが用いられれば、安全且つ安心を視認できて、容易に確認できるようなことにもなる。
【0022】
さらに、トレーサビリティも加味しつつ、ユーザが食品名、原材料名、成分名との関係性を明確にした食品に関する検索を行えることから、ユーザは自ら食するものを安心して食べることができる。また、配送の有無とは関係なく、食品名、原材料名、成分名との関係性を明確にした食品に関する検索ができ、特に、法律、アレルギー、宗教等の観点も踏まえた食品に関する検索ができ、ユーザは自ら食するものを安心して食べることができる。
【0023】
図3図1の消費者が管理部の食品名・原材料名・成分名関係性データベースにアクセスして食品に関する検索を行う場合の処理を示したフロー図である。以下、図3も用いて補足しながら、図1に示したシステム全体の流れについても記載する。
【0024】
まず、消費者11は、スマホ13を用いてユーザ登録を行い、購入しようとする食品について、スマホ13を用いて管理用サーバ19の食品名・原材料名・成分名関係性管理データベース19bにアクセスし、データがハラール、アレルギー等のカテゴリ分けがなされているので、そのカテゴリでの検索をしながら状況を確認し、食品を注文する。以下、検索について、図3を参照して具体的に説明する。
【0025】
ステップST1では、消費者11からの問い合わせに対して、食品の詳細な特徴やカテゴリの自動回答が行われる。ここで、特徴とは、「栄養(サプリ等)」「ダイエット」「心理的(ペット愛等)」「食べ合わせ」などを指す。また、カテゴリは、「法律」「アレルギー」「宗教」などを指す。ステップST2では、消費者11が食品やカテゴリを指定する。この場合、複数の選択が可能になっている。ステップST3では、食品のみが指定されたかが判断される。食品のみが指定の場合にはステップST4に進む。ステップST4では、食品名・原材料名・成分名関係性管理データベース19bでの検索が行われ、指定された食品名に関係する原材料名・成分名が明らかになる。ステップST5では、明らかになった原材料名・成分名とスタンダードなカテゴリ分けとの関係のマッチングが行われる。ここで、スタンダードなカテゴリは、カテゴリデータベースでデータベース化されている。そして、ステップST6では、食品名・原材料名・成分名との関係性についてカテゴリで分けられた検索結果が消費者11に出力され、消費者11は、ステップST7で、状況を認識し、判断を行える状況となる。ここで、スタンダードな食品カテゴリとは、宗教上、法律上、心理的な背徳感、アレルギー、健康等の事前に予測してカテゴリ分けを行えるものと位置付けている。
【0026】
一方、ステップST3で食品のみの指定ではない場合には、ステップST8に進み、スタンダードなカテゴリの指定があるかないかが判断される。ありの場合には、ステップST9に進んで、指定されたスタンダードなカテゴリがカテゴリデータベースから検索条件として抽出される。無しの場合には、ステップST10に進み、任意なカテゴリの条件指定があるか否かが判断される。ここで、任意な食品カテゴリとは、各個人の属人的なもので、一般化がその時点では困難なものとしている。続けて、ありの場合にはステップST11に進み、指定された内容と条件作成支援データベースからの支援を受けて、検索条件が生成される。ステップST12では、指定されたスタンダードなカテゴリの条件で検索が行われ、或いは指定されたスタンダードなカテゴリの条件及び指定された任意のカテゴリの条件とで検索が行われ、関係性のマッチングが行われる。ここで、スタンダードなカテゴリは、カテゴリデータベースでデータベース化されている。そして、ステップST13では、食品名・原材料名・成分名との関係性についてカテゴリで分けられた検索結果が消費者11に出力され、消費者11は、ステップST14で、状況を認識し、判断を行える状況となる。
【0027】
なお、カテゴリの登録・更新・削除は、管理者15が基本的に行うようにすればよく、食品名・原材料名・成分名の登録・削除・管理も基本的には管理者15が行うようにしているが、カテゴリの登録・更新・削除は例えば消費者11が行えるようにしてもよく、食品名・原材料名・成分名の登録・更新・削除は例えば生産者3が行えるようにしてもよい。
【0028】
また、ここでは、食品名・原材料名・成分名関係性管理データベース19bにアクセスして、検索をリクエストする端末として消費者11のスマホ13としたが、これに限るものではない。同様に、検索結果を出力する端末として消費者11のスマホ13としたが、これに限るものではない。
【0029】
さらに、上記では、検索システムが配送システム1の一部で構成されているが、検索システムのみの単独のシステムであってもよい。
【0030】
一方、生産者3は、例えばハラール認証の前などの本登録前には、仮登録できるようになっており、会社情報の登録と、商品情報の登録と、商品判定の作業を行って成分等の登録ができるようになっている。本登録に進むと、会社情報の正式な登録と、工場登録と、管理者登録と、商品情報の正式な登録が行える。生産者3は、商品出荷にあたり、商品発注受付、配送準備、管理用サーバ19へスマホ5のアプリでログイン、スマホ5のアプリで梱包商品選択・登録、スマホ5のアプリでボックス内の撮影、スマホ5のアプリで配送先情報登録、ラベルの発行、送り状発行、出荷という順序で作業を進める。
【0031】
管理部17の管理用サーバ19では、会社情報・ユーザ情報データベース、工場・倉庫データベース、管理者・ドライバーデータベース、商品名データベース、原材データベース、成分名データベース、受発注データベース、ラベルへ印刷されるQR発行までの処理が、上記出荷までに行われている。配送用サーバ21では、会社情報登録、営業所・倉庫登録、管理者・ドライバー登録が行われる。そして、出荷された荷を配送者7が集荷して受け取ると、配送用サーバ17では、荷受けの処理が行われ、生産者3から消費者11にメール等で出荷通知が送られる。
【0032】
配送中は、配送用サーバ21には配送トレース情報が登録されていき、管理用サーバにはトレースデータベースが構築されていき、消費者11はトレース情報を確認できるようになっている。配送者7が配達して消費者11が荷物を受け取ると、管理用サーバ19には配送完了が記録される。消費者11は、荷物を確認し、必要に応じて、上記した検索システムも使う。消費者11から、受取時の封止の状態の画像やアンケートの回答等があれば、管理用サーバ19はそのデータベースも作成し、評価を生産者3にもフィードバックする。消費者11からの受取通知を受けた管理用サーバ19は、必要に応じて、生産者3が到着したことを確認できるようにしている。
【符号の説明】
【0033】
1・・・配送システム、13・・・スマホ、17・・・管理部、19・・・管理用サーバ、19b・・・食品名・原材料名・成分名関係性管理データベース
図1
図2
図3