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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】センサ取り付け構造及び流体制御装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/00 20060101AFI20231206BHJP
   F16L 55/00 20060101ALI20231206BHJP
   G05D 7/06 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
G01L19/00 101
F16L55/00 D
G05D7/06 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020013889
(22)【出願日】2020-01-30
(65)【公開番号】P2021120641
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 真之介
(72)【発明者】
【氏名】執行 耕平
(72)【発明者】
【氏名】上林 正典
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】特許第5926858(JP,B2)
【文献】特開2013-233647(JP,A)
【文献】特開2007-146880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 19/00-19/16
F16L 55/00
G05D 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力センサを流体制御装置の流路ブロックに取り付けるためのセンサ取り付け構造であって、
前記流路ブロックに形成される凹部であって、底面で流路口が開口する凹部と、
内部に前記流路口と前記圧力センサとを連通する連通流路が形成され、一端が前記圧力センサに接続されるとともに他端にフランジが設けられるシャフトと、
前記シャフトの前記他端と前記凹部の前記底面との間に介装されるガスケットと、
内周側に前記シャフトが挿通されるように前記流路ブロックの前記凹部に設けられる筒状のボンネットと、
前記ボンネットと前記フランジとの間に挟持され、前記フランジを前記凹部の前記底面側に押圧するC字型リングと、
前記シャフトと前記C字型リングとの間に介装される保持材と、を備える、センサ取り付け構造。
【請求項2】
前記保持材は、Oリングである、請求項1に記載のセンサ取り付け構造。
【請求項3】
前記フランジは、外径が前記凹部の前記底面側から前記圧力センサ側に向かって大きくなるように設けられるテーパを有する、請求項2に記載のセンサ取り付け構造。
【請求項4】
圧力センサを流体制御装置の流路ブロックに取り付けるためのセンサ取り付け構造であって、
前記流路ブロックに形成される凹部であって、底面で流路口が開口する凹部と、
内部に前記流路口と前記圧力センサとを連通する連通流路が形成され、一端が前記圧力センサに接続されるとともに他端にフランジが設けられるシャフトと、
前記シャフトの前記他端と前記凹部の前記底面との間に介装されるガスケットと、
内周側に前記シャフトが挿通されるように前記流路ブロックの前記凹部に設けられる筒状のボンネットと、
前記ボンネットと前記フランジとの間に挟持され、前記フランジを前記凹部の前記底面側に押圧するC字型リングと、
前記ボンネットと前記C字型リングとの間に介装される保持材と、を備える、センサ取り付け構造。
【請求項5】
前記保持材は、Oリングであり、
前記凹部の前記底面に対向する前記ボンネットの端部の内周面には、前記Oリングの一部を収容する第1収容溝が形成され、
前記C字型リングの外周面には、前記Oリングの他の一部を収容する第2収容溝が前記第1収容溝と対向するように形成される、請求項4に記載のセンサ取り付け構造。
【請求項6】
圧力センサと、
請求項1から5のいずれか1項に記載のセンサ取り付け構造と、を備え、
前記圧力センサは、前記センサ取り付け構造を介して前記流路ブロックに取り付けられる、流体制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ取り付け構造及び流体制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧力センサがセンサ取り付け構造を介して流路ブロックに取り付けられる流体制御装置が開示されている。
【0003】
センサ取り付け構造としては、特許文献2には、流路ブロックに形成される凹部であって、底面で流路口が開口する凹部と、内部に連通流路が形成され、一端が圧力センサに接続されるとともに他端にフランジが設けられるシャフトと、シャフトの他端と凹部の底面との間に介装されるガスケットと、内周側にシャフトが挿通されるように流路ブロックの凹部に設けられる筒状のボンネットと、ボンネットとフランジとの間に挟持され、フランジを凹部の底面側に押圧するC字型リングと、を備えるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017/033745号
【文献】特許第5926858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、圧力センサを特許文献2に記載のセンサ取り付け構造を介して流体制御装置の流路ブロックに取り付ける際、特に圧力センサをセンサ取り付け構造を介して下から逆さまに流路ブロックの下端側に取り付ける際にセンサ取り付け構造のC字型リングがシャフトから脱落しやすい。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、圧力センサを流路ブロック取り付ける際にC字型リングがシャフトから脱落することを回避することができるセンサ取り付け構造及び流体制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によれば、圧力センサを流体制御装置の流路ブロックに取り付けるためのセンサ取り付け構造であって、前記流路ブロックに形成される凹部であって、底面で流路口が開口する凹部と、内部に前記流路口と前記圧力センサとを連通する連通流路が形成され、一端が前記圧力センサに接続されるとともに他端にフランジが設けられるシャフトと、前記シャフトの前記他端と前記凹部の前記底面との間に介装されるガスケットと、内周側に前記シャフトが挿通されるように前記流路ブロックの前記凹部に設けられる筒状のボンネットと、前記ボンネットと前記フランジとの間に挟持され、前記フランジを前記凹部の前記底面側に押圧するC字型リングと、前記シャフトと前記C字型リングとの間に介装される保持材と、を備えるセンサ取り付け構造が提供される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、圧力センサを流体制御装置の流路ブロックに取り付けるためのセンサ取り付け構造であって、前記流路ブロックに形成される凹部であって、底面で流路口が開口する凹部と、内部に前記流路口と前記圧力センサとを連通する連通流路が形成され、一端が前記圧力センサに接続されるとともに他端にフランジが設けられるシャフトと、前記シャフトの前記他端と前記凹部の前記底面との間に介装されるガスケットと、内周側に前記シャフトが挿通されるように前記流路ブロックの前記凹部に設けられる筒状のボンネットと、前記ボンネットと前記フランジとの間に挟持され、前記フランジを前記凹部の前記底面側に押圧するC字型リングと、前記ボンネットと前記C字型リングとの間に介装される保持材と、を備える、センサ取り付け構造が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の態様によれば、圧力センサを流路ブロック取り付ける際にC字型リングがシャフトから脱落することを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る流体制御装置を示す部分断面図である。
図2】センサ取り付け構造を示す断面図である。
図3】C字型リングの平面図である。
図4】センサ取り付け構造の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、本実施形態と称する。)について説明する。本明細書においては、全体を通じて、同一の要素には同一の符号を付する。
【0012】
(流体制御装置)
まず、図1を参照しながら本実施形態に係る流体制御装置100について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る流体制御装置100を示す部分断面図である。
【0014】
本実施形態に係る流体制御装置100は、半導体の製造に用いられる流体供給ユニット(図示しない)に設けられる。流体供給ユニットは、ALD(Atomic Layer Deposition/すなわち、原子層堆積)法によってシリコンウェハ等の基板に所定の薄膜を形成する薄膜生成工程に用いられる。
【0015】
図1に示すように、流体制御装置100は、第1流路ブロック1と、第1流路ブロック1の一端側(上端側)に取り付けられるバルブ装置2と、第1流路ブロック1の入力側に設けられる第2流路ブロック3と、第1流路ブロック1の出力側に設けられる第3流路ブロック4と、センサ取り付け構造9を介して第1流路ブロック1の他端側(下端側)に取り付けられる第1圧力センサ5と、センサ取り付け構造9を介して第3流路ブロック4の一端側(上端側)に取り付けられる第2圧力センサ6と、第1流路ブロック1と第2流路ブロック3との突き合わせ部分に設けられるフィルタ7と、第1流路ブロック1と第3流路ブロック4との突き合わせ部分に設けられるオリフィス8と、を備える。
【0016】
第1流路ブロック1は、一端が一側面(左側面)で開口するとともに他端が弁室10に連通する流体流入流路11と、一端が弁室10に連通するとともに他端がオリフィス8を介して他側面(右側面)で開口する流体流出流路12と、一端が流体流出流路12に連通するとともに他端が他端側(下端側)で開口する分岐流路13と、を有する。
【0017】
バルブ装置2は、例えば、ノーマルクローズの圧電素子駆動式バルブである。バルブ装置2の内部には、収容されて流体流路の開閉(すなわち、流体流入流路11と流体流出流路12との連通又は遮断)を行うアクチュエータ(図示しない)が設けられる。また、バルブ装置2は、ボルト締めによって第1流路ブロック1の一端側(上端側)に取り付けられる。
【0018】
第2流路ブロック3は、ボルト締めによって第1流路ブロック1の一側面(左側面)に設けられる。第2流路ブロック3は、一端が他端面(下端面)で開口するとともに、他端が他側面(右側面)で開口して第1流路ブロック1の流体流入流路11に連通するL字型の流体流入流路31を有する。
【0019】
第3流路ブロック4は、ボルト締めによって第1流路ブロック1の他側面(右側面)に設けられる。第3流路ブロック4は、一端が一側面(左側面)で開口して第1流路ブロック1の流体流出流路12に連通するとともに他端が他端面(下端面)で開口するL字型の流体流出流路41と、一端が一端側(上端側)で開口するとともに他端が流体流出流路41に連通する分岐流路42と、を有する。
【0020】
第1圧力センサ5は、オリフィス8の上流側圧力を検出するためのものである。第2圧力センサ6は、オリフィス8の下流側圧力を検出するためのものである。
【0021】
第1流路ブロック1の一側面(左側面)及び第2流路ブロック3の他側面(右側面)には、それぞれ凹部が対称となるように形成される。これらの凹部によってフィルタ7を収容するためのフィルタ収容凹部14が形成される。フィルタ収容凹部14に収容されるフィルタ7は、シール性を確保するとともに濾過材として機能する。
【0022】
第1流路ブロック1の他側面(右側面)には、オリフィス8を収容するためのオリフィス収容凹部15が形成される。
【0023】
流体制御装置100は、圧力式の流量制御装置である。具体的には、流体制御装置100は、第1圧力センサ5により検出されたオリフィス8の上流側圧力と、第2圧力センサ6により検出されたオリフィス8の下流側圧力とに基づいて、バルブ装置2の開閉によりオリフィス通過流量をフィードバック制御する。
【0024】
(センサ取り付け構造)
次に、図2及び図3を参照しながらセンサ取り付け構造9について詳細に説明する。
【0025】
図2は、センサ取り付け構造9を示す断面図である。図3は、C字型リング94の平面図である。
【0026】
第1圧力センサ5を第1流路ブロック1の他端側(下端側)に取り付けるセンサ取り付け構造9と、第2圧力センサ6を第3流路ブロック4の一端側(上端側)に取り付けるセンサ取り付け構造9とは、同様であるため、第1圧力センサ5を第1流路ブロック1の他端側(下端側)に取り付けるセンサ取り付け構造9を例として説明する。
【0027】
図2に示すように、第1圧力センサ5を逆さまに第1流路ブロック1の他端側(下端側)に取り付けるセンサ取り付け構造9は、凹部16、シャフト91、ガスケット92、ボンネット93、C字型リング94、スペーサとしてのリング95及び保持材としてのOリング96を備える。
【0028】
凹部16は、第1流路ブロック1の他端面(下端面)に形成される。凹部16の底面では、分岐流路13の流路口としての他端が開口する。凹部16の側面には、ボンネット93の雄ねじ部931に螺合する雌ねじ部17が設けられる。
【0029】
シャフト91は、第1圧力センサ5を支持するための筒状部材(具体的には、円筒状部材)である。シャフト91は、一端(下端)が第1圧力センサ5に接続されるとともに、他端(上端)にフランジ911が設けられる。また、シャフト91は、均一の第1外径D1を有する。シャフト91の内部(内周側)には、軸方向に沿って延在するようにシャフト91を貫通する連通流路912が形成される。連通流路912は、分岐流路13の他端からのプロセスガス又はパージガス(流体)を第1圧力センサ5へ供給する。すなわち、連通流路912は、分岐流路13の他端と第1圧力センサ5とを連通している。
【0030】
フランジ911は、外径が凹部16の底面側(上側)から第1圧力センサ側(下側)に向かって大きくなるように設けられるテーパ913を有する。これにより、シャフト91が第1圧力センサ5に接続された状態において、Oリング96を拡径するように弾性変形させながらその内周面をフランジ911のテーパ913に沿って摺動させることによって、Oリング96を容易にフランジ911を経由させてシャフト91の外周面に装着することができる。フランジ911は、第1外径D1よりも大きい最大の第2外径D2を有する。ガスケット92に対向するテーパ913の他端面(上端面)には、ガスケット92を食い込む環状(具体的には)の突起914が設けられる。
【0031】
本実施形態では、突起914は、ガスケット92に設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、フランジ911以外のシャフト91の他端(上端)に設けられてもよい。
【0032】
ガスケット92は、シャフト91の他端(上端)と凹部16の底面との間に介装される環状(具体的には、円環状)のシール材である。ガスケット92は、分岐流路13の他端の外周側に配置される。
【0033】
ボンネット93は、内周側にシャフト91が挿通されるように螺合によって第1流路ブロック1の凹部16に設けられる筒状(具体的には、円筒状)のボンネットである。ボンネット93は、雄ねじ部931、第1肉厚部932及び第1肉薄部933を有する。なお、第1肉厚部932と第1肉薄部933とは、同軸に形成される。
【0034】
ボンネット93の外周面には、凹部16の雌ねじ部17に螺合する雄ねじ部931が設けられる。第1肉厚部932は、第1圧力センサ5に対向する部分であり、フランジ911の第2外径D2よりも大きい均一の第1内径d1を有する。これにより、シャフト91のフランジ911を第1肉厚部932の内周側に挿通させることができる。なお、第1肉厚部932の内周面とシャフト91の外周面との間には、大きな間隙が形成される。
【0035】
第1肉薄部933は、凹部16の底面に対向する部分であり、第1内径d1よりも大きい均一の第2内径d2を有する。これにより、シャフト91のフランジ911を第1肉薄部933の内周側に挿通させることができる。第1肉厚部932の内周面と第1肉薄部933の内周面とは、第1段差面934によって接続される。第1段差面934は、凹部16の底面に対向する第1肉厚部932の端面からなる。
【0036】
C字型リング94は、ボンネット93とフランジ911との間、具体的には、ボンネット93の第1段差面934と第1圧力センサ5に対向するフランジ911の一端面(下端面)との間に挟持され、フランジ911を凹部16の底面側に押圧する押圧部材である。図3に示すように、C字型リング94は、平面視にて円弧状に形成される。C字型リング94の一端とC字型リング94の他端との間には、C字型リング94の内周面及びC字型リング94の外周面を連通する開口941が形成される。開口941は、シャフト91が通過可能に形成される。これにより、C字型リング94を開口941によってシャフト91の外周側に装着することができる。
【0037】
また、C字型リング94は、第2肉厚部942及び第2肉薄部943を有する。なお、第2肉厚部942と第2肉薄部943とは、同軸に形成される。第2肉厚部942は、ボンネット93の第1肉厚部932に対向する部分であり、第1外径D1よりも大きく、かつ、第2外径D2よりも小さい均一の第3内径d3を有するとともに、第1内径d1よりも大きく、かつ、第2内径d2よりも僅かに小さい均一の第3外径D3を有する。これにより、第2肉厚部942は、第1肉厚部932の内周側に入り込むことなく、第1肉薄部933の内周側に挿入されて収容される。第2肉厚部942の一端面(下端面)は、第1段差面934に対向するようになっている。
【0038】
第2肉薄部943は、凹部16の底面に対向する部分であり、第2外径D2よりも僅かに大きい均一の第4内径d4を有するとともに第3外径D3と同一である均一の第4外径D4を有する。これにより、フランジ911は、第2肉厚部942の内周側に入り込むことなく、第2肉薄部943の内周側に挿入されて収容される。第2肉厚部942の内周面と第2肉薄部943の内周面とは、第2段差面944によって接続される。第2段差面944は、フランジ911に対向する第2肉厚部942の端面からなる。なお、第2段差面944とフランジ911の一端面(下端面)の外縁とは、当接するようになっている。
【0039】
リング95は、ボンネット93の第1段差面934とC字型リング94(具体的には、C字型リング94における第2肉厚部942)の一端面(下端面)との間に介装されるスペーサである。リング95は、第2外径D2よりも大きい均一の第5内径d5を有する。これにより、フランジ911をリング95の内周側に挿通させることができる。また、リング95は、摺動部材として機能するので、ボンネット93の回転がCリング94及びフランジ911へ伝達されることを防止することができる。なお、本実施形態では、リング95は、第1段差面934とC字型リング94との間に配置されているが、これに限定されるものではなく、なくてもよい。この場合、ボンネット93の第1段差面934と第2肉厚部942の一端面(下端面)とは、直接当接するようになっている。
【0040】
Oリング96は、弾性変形可能な樹脂材であって、例えば、フッ素ゴム等によって構成される。Oリング96は、シャフト91とC字型リング94との間に介装される。具体的には、Oリング96は、シャフト91の外周面とC字型リング94における第2肉厚部942の内周面に挟持される。これにより、C字型リング94は、Oリング96を介してシャフト91に支持されるようになっているため、第1圧力センサ5をセンサ取り付け構造9を介して第1流路ブロックに取り付ける際にC字型リング94がシャフト91から脱落することを回避することができる。この結果、第1圧力センサ5を容易に第1流路ブロック1に取り付けることができる。
【0041】
また、Oリング96は、上述したように、シャフト91の他端(上端)に設けられるフランジ911を経由してシャフト91の外周面に装着される。そして、Oリング96は、フランジ911の一端面(下端面)に当接するようになっている。
【0042】
本実施形態では、保持材は、シャフト91とC字型リング94との間に挟持されるOリング96によって構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、シャフト91とC字型リング94との間に充填される粘着剤やシーリング剤等の接着剤によって構成されてもよい。この場合、C字型リング94は、同様に粘着剤やシーリング剤等の接着剤を介してシャフト91に支持されるようになっている。
【0043】
次に、本実施形態による作用効果について説明する。
【0044】
本実施形態に係るセンサ取り付け構造9は、第1圧力センサ5を流体制御装置100の第1流路ブロック1に取り付けるためのものであって、第1流路ブロック1に形成される凹部16であって、底面で分岐流路13の一端(下端)が開口する凹部16と、内部に分岐流路13の一端(下端)と第1圧力センサ5と連通する連通流路912が形成され、一端が第1圧力センサ5に接続されるとともに他端にフランジ911が設けられるシャフト91と、シャフト91の他端と凹部16の底面との間に介装されるガスケット92と、内周側にシャフト91が挿通されるように第1流路ブロック1の凹部16に設けられる筒状のボンネット93と、ボンネット93とフランジ911との間に挟持され、フランジ911を凹部16の底面側に押圧するC字型リング94と、シャフト91とC字型リング94との間に介装されるOリング96と、を備える。
【0045】
この構成によれば、シャフト91とC字型リング94との間にOリング96を介装することで、C字型リング94は、Oリング96を介してシャフト91に支持されるようになっているため、第1圧力センサ5をセンサ取り付け構造9を介して第1流路ブロックに取り付ける際にC字型リング94がシャフト91から脱落することを回避することができる。この結果、第1圧力センサ5を容易に第1流路ブロック1に取り付けることができる。
【0046】
また、本実施形態では、フランジ911は、外径が凹部16の底面側から第1圧力センサ5側に向かって大きくなるように設けられるテーパ913を有する。
【0047】
この構成によれば、Oリング96を拡径するように弾性変形させながらその内周面をフランジ911のテーパ913に沿って摺動させることによって、Oリング96を容易にフランジ911を経由させてシャフト91の外周面に装着することができる。
【0048】
以上、本実施形態について説明したが、上述した実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上述した実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0049】
(変形例)
次に、図4を参照しながらセンサ取り付け構造9の変形例について説明する。なお、本変形例では、上述した実施形態と同様の点については説明を省略し、主に上述した実施形態と相違する点について説明する。
【0050】
図4は、センサ取り付け構造の変形例を示す断面図である。
【0051】
上述した実施形態では、Oリング96は、シャフト91とC字型リング94との間に介装されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図4に示すようにボンネット93とC字型リング94との間に介装されてもよい。
【0052】
この構成によれば、C字型リング94は、Oリング96を介してボンネット93に保持されるようになっているため、第1圧力センサ5をセンサ取り付け構造9を介して第1流路ブロックに取り付ける際に同様にC字型リング94がシャフト91から脱落することを回避することができる。この結果、第1圧力センサ5を容易に第1流路ブロック1に取り付けることができる。
【0053】
図4に示すように、Oリング96がボンネット93とC字型リング94との間に介装される場合、凹部16の底面に対向するボンネット93の端部としての第1肉薄部933の内周面には、全周に亘ってOリング96の一部を収容する第1収容溝935が形成される。C字型リング94(具体的には、C字型リング94の第2肉厚部942)の外周面には、全周に亘ってOリング96の他の一部を収容する第2収容溝945が形成される。第2収容溝945は、第1収容溝935に対向するようになっている。
【0054】
この構成によれば、ボンネット93の内周面及びC字型リング94の外周面にそれぞれOリング96を収容するための第1収容溝935及び第2収容溝945を形成することで、Oリング96を位置決めすることができるので、C字型リング94は、Oリング96を介してボンネット93に保持されるだけではなく、Oリング96によって位置決めされる。この結果、第1圧力センサ5をより容易に第1流路ブロック1に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 第1流路ブロック
2 バルブ装置
3 第2流路ブロック
4 第3流路ブロック
5 第1圧力センサ
6 第2圧力センサ
7 フィルタ
8 オリフィス
9 センサ取り付け機構
13 分岐流路
16 凹部
91 シャフト
92 ガスケット
93 ボンネット
94 C字型リング
96 Oリング
100 流体制御装置
図1
図2
図3
図4