(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】断熱コンテナ
(51)【国際特許分類】
B65D 81/38 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
B65D81/38 D
(21)【出願番号】P 2020572949
(86)(22)【出願日】2019-07-02
(86)【国際出願番号】 AU2019000080
(87)【国際公開番号】W WO2020006593
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-06-20
(32)【優先日】2018-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】520505951
【氏名又は名称】クール グローバル ソリューションズ ピーティーワイ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KOOL GLOBAL SOLUTIONS PTY LTD
【住所又は居所原語表記】8 Andrews Street, Kurrimine Beach, Queensland, Australia
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロング トム ジョセフ
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-035595(JP,A)
【文献】実開昭59-164728(JP,U)
【文献】特開2017-121776(JP,A)
【文献】登録実用新案第3132755(JP,U)
【文献】米国特許第05154309(US,A)
【文献】国際公開第98/010214(WO,A1)
【文献】米国特許第05857778(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0064318(US,A1)
【文献】特開2001-171758(JP,A)
【文献】特開2000-247378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/38
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腐敗しやすい物品の輸送のための断熱輸送コンテナであって、
予め形成された線に沿ってシート材料を折り曲げることにより形成された1つ以上の側壁を有する内側ライニングであって、前記内側ライニングは
多層構造を有する断熱シート材料から製造される、内側ライニングと、
外側ボックス層であって、前記外側ボックス層は耐水性の断熱シート材料から製造され、組み立てられると、前記外側ボックス層
は防水性である、外側ボックス層と、を備え、
前記外側ボックス層の側壁は、少なくとも1つの係止タブによって、前記外側ボックス層の隣接する側壁に接続され
、
前記断熱シート材料および/または前記耐水性の断熱シート材料は、縁部が封止されて
おり、
前記多層構造は、前記内側ライニングの外面を形成する反射層と前記内側ライニングの内面を形成する抗菌層との間に封入された発泡体層を有し、
前記内側ライニングは、前記外側ボックス層内に受容され、および前記外側ボックス層の内面に取り付けられた少なくとも1つの支持部材により保持されるように適合され、その結果、前記少なくとも1つの支持部材は、前記内側ライニングと前記外側ボックス層の内面との間に分離を提供する、断熱輸送コンテナ。
【請求項2】
蓋をさらに備え、
前記蓋は、耐水性の断熱シート材料から製造される、
請求項1に記載の断熱輸送コンテナ。
【請求項3】
前記
発泡体層は、独立気泡発泡体層である、
請求項
1または
2に記載の断熱輸送コンテナ。
【請求項4】
前記
抗菌層の抗菌材料は、食品グレードの抗菌材料である、
請求項
1~3のいずれか1項に記載の断熱輸送コンテナ。
【請求項5】
前記内側ライニングは、可撓性の断熱シート材料から製造される、
請求項1~
4のいずれか一項に記載の断熱輸送コンテナ。
【請求項6】
前記内側ライニングは、耐水性の断熱シート材料から製造される、
請求項1~
5のいずれか一項に記載の断熱輸送コンテナ。
【請求項7】
前記外側ボックス層は、2つ以上の層を含む材料から製造される、
請求項1~
6のいずれか一項に記載の断熱輸送コンテナ。
【請求項8】
前記外側ボックス層は、波形のツインウォールプラスチックシートから製造される、
請求項1~
7のいずれか一項に記載の断熱輸送コンテナ。
【請求項9】
前記内側ライニング、前記外側ボックス層、または蓋のうちの少なくとも1つは、1つ以上の監視装置を備える、
請求項1~
8のいずれか一項に記載の断熱輸送コンテナ。
【請求項10】
少なくとも1つの監視装置は、断熱輸送コンテナ、その内側ライニング、その外側ボックス層、またはその蓋の位置を追跡するために使用される、
請求項
9に記載の断熱輸送コンテナ。
【請求項11】
前記1つ以上の監視装置から得られたデータはブロックチェーンに書き込まれる、請求項
9または
10に記載の断熱輸送コンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱輸送コンテナに関する。より詳細には、本発明は、海産物のような温度に敏感な物品をアウトオブコールドチェーンで輸送するための断熱輸送コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
海産物のような温度に敏感な物品の貯蔵および輸送のための公知の包装には発泡ポリスチレン(発泡スチロール)ボックスおよびポリエチレン被覆またはワックス含浸波形繊維板ボックスが含まれ、これらは氷のような冷却材料で包装されて、物品をアウトオブコールドチェーン貯蔵および配送の間、推奨される温度範囲(海産物については通常2℃~8℃)内で冷却された状態に保つ。
【0003】
発泡ポリスチレンボックスを使用することの欠点は、使用中のボックスの分解により寿命が限られていることである。加えて、発泡ポリスチレンは、ポリスチレンがそれほど生分解性ではない小片に分解することがあるので、環境上の危険をもたらす。さらに、この種の包装材料は障壁特性が劣る傾向があり、その結果、その内容物による汚染を受ける可能性がある。加えて、それらは、典型的には環境的に持続不可能な一回使用のプラスチックライナーバッグを必要とする。
【0004】
さらに、ボックスは寸法が固定されており、折りたたみ式ではないため、使用しないときに輸送および保管するのにかさばる可能性があるため、使用効率は制限される。さらに、寸法が固定されているため、特に、コンテナに適合するようにアイテムを分割することができない場合(生鮮魚などの食品について、レストランは製品分離を好まない)、非標準サイズのアイテムについてはその有用性が制限される。
【0005】
オーストラリアの大規模な海産物貿易パートナーであるアメリカや香港を含む世界中の多くの国が、食品および食料品分野でポリスチレンを禁止している。航空会社では、飛行機の清掃および点検が必要な多くの製品漏れのため、発泡スチロール航空貨物の承認状況の見直しを行っている。
【0006】
したがって、改良された断熱コンテナ、または前述の問題を改善する少なくとも1つを提供することができれば、利点がある。
【0007】
先行技術の刊行物が本明細書中で言及される場合、この言及は、その刊行物がオーストラリアまたは他の国における当該技術分野における共通の一般知識の一部を形成することの自認を構成しないことが明らかに理解される
【発明の概要】
【0008】
本発明は前述の欠点の少なくとも1つを少なくとも部分的に克服することができ、または消費者に有用なまたは商業的な利点を提供することができる、改善された断熱コンテナに向けられる。
【0009】
上記の観点から、本発明は、海産物のような温度に敏感な物品を収容し、輸送するのに使用する断熱コンテナに関する。商品の質を維持しながら、持続可能な手段を通じて「アウトオブコールドチェーン」温度に敏感な物品を配送することができる。本発明の断熱コンテナは、再使用可能な持続可能な形態のポリスチレンの代替物を提供する。
【0010】
上記の観点から、一形態の本発明は、概して、
内側ライニングであって、前記内側ライニングは断熱シート材料から製造される、内側ライニングと、
外側ボックス層であって、前記外側ボックス層は耐水性断熱シート材料から製造される、外側ボックス層と、を備え、
ここで、外側ボックス層の側壁は、少なくとも1つのロッキングタブによって、外側ボックス層の隣接する側壁に接続される、断熱輸送コンテナにある。
【0011】
断熱輸送コンテナは、任意の適切な目的のために使用され得る。本発明の実施形態では、断熱輸送コンテナを使用して、腐敗しやすい物品を輸送することができる。本明細書を通して使用される「腐敗しやすい」という用語は、その有効性、新鮮さ、価値、消費者に対する安全性などが温度に敏感、温度に敏感、またはこれら2つの組み合わせである物品を指すことが理解されるのであろう。
【0012】
例えば、腐敗しやすい物品には、肉および肉の副産物、魚および海産物、乳製品、果物および野菜、花、医薬品、化学物質、移植用臓器などが含まれ得る。好ましくは、断熱輸送コンテナは、温度に敏感な商品を輸送するために使用することができる。しかしながら、使用時に、断熱輸送コンテナは、輸送および環境条件が物品の経時の品質、安全性、外観、貯蔵寿命などに悪影響を及ぼし得る、任意の形態の物品を輸送するために使用され得ることが想定される。
【0013】
断熱輸送コンテナは、陸上、航空、列車、または船舶によって腐敗しやすい物品を輸送するために使用されてもよい。しかしながら、輸送のタイプは、輸送される商品、冷蔵コンテナが輸送のために必要とされるかどうか、および物品の目的地のような、多くの要因に依存して変化し得ることが理解されるのであろう。
【0014】
断熱輸送コンテナは、任意の適切なサイズ、形状または形状であってもよい。好ましくは、断熱輸送コンテナの寸法および形状は、少なくとも部分的には輸送される腐敗しやすい物品の種類によって決定される。例えば、大きな魚全体(または複数の魚)が輸送される場合、魚の切り身が輸送される場合よりも大きな断熱輸送コンテナが必要とされ得る。しかしながら、断熱輸送コンテナのサイズ、形状および構成は、商業的考慮事項、輸送のタイプおよび目的地、ならびに腐敗しやすい物品が生きているか、新鮮であるか、冷蔵されているか、または冷凍されているかのような多くの要因に応じて変化し得ることが理解されるのであろう。
【0015】
断熱輸送コンテナは、内側ライニングを備える。内側ライニングは、断熱特性を有する任意の適切な種類の材料から製造することができる。好ましくは、内側ライニングはシート材料から製造されてもよい。好ましくは、内側ライニングは可撓性のシート材料から製造されてもよい。本発明の実施形態において、内側ライニングは、断熱シート材料から製造されてもよい。任意の適切な断熱シート材料を使用することができる。しかしながら、使用時には、断熱シート材料が放射熱を反射し、それによって、断熱シート材料によって少なくとも部分的に囲まれた物体に対する温度上昇を低減または最小限に抑えることができると想定される。好ましくは、断熱シート材料は放射熱のかなりの部分を反射する。本発明のいくつかの実施形態では、断熱シート材料は少なくとも50%の放射熱を反射することができる。より好ましくは、断熱シート材料は少なくとも75%の放射熱を反射することができる。最も好ましくは、断熱シート材料は少なくとも95%の放射熱を反射することができる。本発明の好ましい実施形態では、断熱シート材料は放射熱の少なくとも87%を反射する。
【0016】
断熱シート材料は少なくとも1つの層を含んでもよい。本発明の実施形態において、断熱シート材料は多層構造であってもよい。本発明の実施形態では、断熱シート材料は少なくとも1つの上層と少なくとも1つの下層との間に位置する断熱層を含む。好ましくは、断熱層は少なくとも1つの上層と少なくとも1つの下層との間に封入されてもよく、その結果、断熱層は少なくとも1つの上層と少なくとも1つの下層とによって実質的に封入されてもよい。断熱層は任意の適切な材料から製造することができる。例えば、断熱層は、押出ポリマー、発泡ポリマー(expanded polymer)、発泡ポリマー(foamed polymer)、またはそれらの組み合わせから製造されてもよい。したがって、断熱層は、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル、エチレンプロピレンジエンターポリマー、ネオプレン、ニトリル、ポリ塩化ビニル、シリコーン、フルオロエラストマー、ウレタンなど、またはそれらの任意の適切な組み合わせなどのポリマー(および特に発泡ポリマー)から作製され得るが、これらに限定されない。断熱層は、独立気泡発泡体断熱材料または連続気泡発泡体断熱材料から製造されてもよい。本発明の好ましい実施形態では、断熱層は独立気泡発泡体材料を含むことができる。独立気泡発泡体材料は20%以下、10%以下、5%以下の連続気泡含有量を有し、ゼロパーセントの連続気泡含有量を有することができる。好ましい実施形態では、断熱層は独立気泡ポリエチレン発泡体コアであってもよい。
【0017】
上層および下層は、任意の適切な材料から製造することができる。好ましくは、上層および下層は1つ以上の環境因子に対する耐性を提供され得る。好ましくは、上層および下層は、抗菌性、反射性、断熱性、耐水性、防水性、UV耐性、耐薬品性、耐衝撃性、耐火性、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0018】
好ましくは、断熱シート材料は少なくとも1つの反射層を含む。反射層は、金属箔(アルミニウム箔、アルミニウム箔ラミネートなど)、メタライズされたプラスチックフィルムなどを含むが、これらに限定されない、任意の適切な材料から製造されてもよい。本発明の一実施形態では、反射層はメタライズされたポリエチレンとすることができる。層は任意の適切な配向で配置され得るが、反射層は外側ボックス層と接触して、または外側ボックス層に近接して配置され得ることが想定される。したがって、本発明のこの実施形態では、反射層は内側ライニングの外面(outer facing)を形成する。本発明の別の実施形態では、反射層は内側ライニングの内面(inner facing)を形成する。本発明の一実施形態では、断熱シート材料は反射材料の2つ以上の層の間に封入された発泡体層を含む。
【0019】
好ましくは、断熱シート材料は抗菌材料の少なくとも1つの層を含む。抗菌層は、抗菌ポリマー、銀ナノ粒子被覆ポリマーなどを含むが、これらに限定されない、任意の適切な材料から作製されてもよい。本発明の一実施形態では、抗菌層は抗菌ポリエチレンであってもよい。層は任意の適切な配向で配置され得るが、抗菌層は腐敗しやすい物品と接触して、またはその近傍に配置され得ることが想定される。したがって、本発明のこの実施形態では、抗菌層は内側ライニングの内面を形成する。本発明の代替実施形態では、抗菌層は内側ライニングの外面を形成する。本発明の一実施形態では、断熱シート材料は抗菌材料の2つ以上の層の間に封入された発泡体層を含む。好ましくは、抗菌材料は食品グレードの抗菌材料であってもよい。
【0020】
本発明の一実施形態では、断熱シート材料は、反射材料の1つ以上の層と抗菌材料の1つ以上の層との間に封入された発泡体層を含む。
【0021】
好ましくは、内側ライニングは可撓性の断熱シート材料から製造されてもよい。断熱シート材料は、任意の適切な厚さであってよい。しかしながら、断熱シートの厚さは、輸送される腐敗しやすい物品の要件、環境周囲温度、およびシート材料に要求される可撓性の程度など、多くの要因に応じて変化し得ることが理解されるのであろう。
【0022】
好ましくは、内側ライニングは食品グレードの承認された断熱シート材料から組み立てることができる。本明細書の目的のために、「食品グレード」という語は、ヒトまたは動物が摂取するための食品と接することが可能である、内側ライニングを意味する。
【0023】
好ましい実施形態では、内側ライニングは1つ以上の環境要因に対する耐性を備えることができる。例えば、内側ライニングは、耐水性、防水性、耐UV性、耐薬品性、耐衝撃性、耐火性、またはそれらの組み合わせであってもよい。本発明の好ましい実施形態では、内側ライニングが少なくとも耐水性であってもよい。好ましくは、内側ライニングは実質的に防水性であってもよく、その結果、冷却材料が融解するか、または冷凍品が解凍する場合、結果として生じる水は内側ライニングから漏出しない。
【0024】
内側ライニングに耐水性を付与する任意の好適な手段を使用することができる。例えば、内側ライニングは、実質的に耐水性の断熱シート材料から形成されてもよく、撥水性コーティングを備えてもよく、高水分バリアを有するライニングを備えてもよく、または、内側ライニングが少なくとも部分的に耐水性(water tight)もしくは耐水性(water resistant)であり得るように組み立てられてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。好ましくは、断熱シート材料は封止された縁部を有することができる。このように材料の断熱能力が向上し、シート材料の耐水性が向上する。シート材料の縁部を封止するための任意の適切な技術を使用することができる。しかしながら、封止技術は、封止されるべきシート材料のタイプ、シート材料の厚さ、および必要とされる封止の程度のような多くの要因に依存して変化し得ることが理解されるのであろう。例えば、シート材料の縁部は、接着剤または接着テープ、熱処理、化学処理、機械的処理(超音波溶接、圧縮など)、またはそれらの組み合わせを使用することによって封止されてもよい。
【0025】
本発明の一実施形態では、シート材料の周囲の少なくとも一部を封止することができる。本発明の別の実施形態では、シート材料の周囲の実質的にすべてを封止することができる。本発明の一実施形態では、シート材料を内側ライニングに組み立てる前に、シート材料の周囲の少なくとも一部を封止することができる。本発明の一実施形態では、内側ライニングの周囲の少なくとも一部は組み立て後にシート材料から封止されてもよい。
【0026】
内側ライニングは、任意の適切なサイズ、形状、または構成であってもよい。しかしながら、好ましくは、内側ライニングは外側ボックス層の内部寸法内に適合するのに十分な大きさおよび形状である。本発明の一実施形態では、内側ライニングは外側ボックス層内に少なくとも部分的に受容され、保持されるように適合されてもよい。好ましくは、実質的にすべての内側ライニングは外側ボックス層内に受容され、保持され得る。
【0027】
本発明の実施形態において、内側ライニングの寸法は、内側ライニングの一部のみが外側ボックス層の内面に当接して保持されてもよいし、外側ボックス層の内面に近接して保持されてもよいように、外側ボックス層の内側寸法よりも小さい。本発明の代替的な実施形態では、内側ライニングの寸法は、内側ライニングの実質的にすべてが外側ボックス層の内面と当接して保持されてもよく、また外側ボックス層の内面と近接して保持されてもよいように、外側ボックス層の内側寸法と実質的に同一である。
【0028】
本発明の一実施形態では、内側ライニングは、外側ボックス層の内面に近接して保持されてもよいが、取り付けられなくてもよい。使用時に、内側ライニングと外側ボックス層との間に形成された空気ギャップは、内側ライニングと外側ボックス層との間に熱バリアを形成し得ることが想定される。内側ライニングは、任意の適切な手段によって、外側ボックス層の内面に近接して保持されてもよい。本発明の実施形態において、断熱材料は、内側ライニングと外側ボックス層との間に配置されてもよい。本発明の代替実施形態では、内側ライニングは外側ボックス層の内面に取り付けられた少なくとも1つの支持部材によって少なくとも部分的に支持されてもよく、その結果、少なくとも1つの支持部材は、内側ライニングと外側ボックス層の内面との間に分離を提供する。本発明のさらなる実施形態では、氷またはゲルパックなどの冷却材料を、内側ライニングと外側ボックス層との間に配置することができる。
【0029】
本発明の代替実施形態では、内側ライニングは外側ボックス層の少なくとも1つの内面に取り付けることができる。使用時に、内側ライニングを外側ボックス層の少なくとも1つの内面に取り付けることによって、断熱輸送コンテナの内容物の移動を減少させ、かつ、潜在的な損傷を減少させることができると想定される。内側ライニングは、任意の適切な手段によって外側ボックス層の内面に取り付けることができる。本発明の一実施形態では、外側ボックス層の内面は、接着剤、接着テープ、アルミニウム箔テープ、または機械的ファスナー(ステッチ、ステープルなど)、またはそれらの任意の適切な組合せを使用して、外側ボックス層の内面に取り付けることができる。
【0030】
内側ライニングは、当技術分野で公知の任意の方法で、例えば、シート材料をスリーブに曲げ、シート材料の重なり合うまたは当接する側縁を接合して側壁を形成することによりスリーブを長手方向に閉じて、形成することができる。あるいは、内側ライニングの少なくとも1つの側壁は、ブランクまたは打ち抜きシート材料を予め形成された線に沿って折り曲げてスリーブを生成することによって形成されてもよい。
【0031】
1つ以上の材料シートを使用して、内側ライニングを形成することができる。本発明の一実施形態では、2枚以上の材料シートを使用して内側ライニングを形成することができる。内側ライニングは、上から見た場合、任意の適切な形状を有してもよい。例えば、コンテナの1つ以上の側壁は、腐敗しやすい物品が配置され得る実質的に円形、正方形、長方形、六角形または八角形の空隙を画定し得る。本発明の実施形態において、内側ライニングの側壁は、材料の可撓性シートを予め形成された線に沿って曲げ、アルミニウムテープを用いて端部を長手方向に閉じることによって形成されてもよい。好ましくは、内側ライニングの側壁は、材料の可撓性シートを予め形成された線に沿って曲げ、隣接する側縁を一緒に締結することによって形成されてもよい。
【0032】
シート材料の重なり合うまたは当接する側縁は、任意の適切な技術を用いて一緒に締結することができる。しかしながら、締結技術は、封止されるべきシート材料のタイプ、シート材料の厚さ、および必要とされる封止の程度のような多くの要因に応じて変化し得ることが理解されるのであろう。例えば、シート材料の重なり合うまたは当接する側縁は、接着剤、接着テープ、アルミニウム箔テープ、機械的ファスナー(ステッチング、ステープルなど)、熱処理、化学処理、機械的処理(超音波溶接、圧縮など)、またはそれらの任意の適切な組み合わせを使用して締結されてもよい。本発明の一実施形態では、隣接する側縁が熱封止によって互いに締結されてもよい。あるいは、シート材料の縁部は、シート材料の縁部に配置された1つ以上の係止タブを、シート材料の反対側の縁部に配置された1つ以上のタブ保持スロットに少なくとも部分的に挿入することによって、一緒に締結されてもよい。使用時に、シート材料の縁部を締結するための2つ以上の技術が使用されてもよいことが想定される。本発明の一実施形態では、シート材料の重なり合うまたは隣接する側縁は接着性防水テープで封止されてもよい。この場合、内側ライニングの側縁に当接する封止を防水テープで封止すると、内側ライニングの耐水性が向上する可能性があると考えられる。
【0033】
断熱輸送コンテナには、冷却材料を設けることができる。任意の適切な冷却材料を提供することができる。しかしながら、好ましくは、使用され得る冷却材料のタイプは、断熱輸送コンテナのタイプ、および関連する輸送および食品規制によって少なくとも部分的に決定される。適切な冷却材料としては、ドライアイス、ウェットアイス、ゲル冷却剤、アイスゲルパック、またはそれらの組み合わせが含まれる。冷却材料は、断熱輸送コンテナの任意の適切な部分に配置することができる。例えば、冷却材料は、輸送される腐敗しやすい物品に近接して、内側ライニングと外側ボックス層との間に、またはそれらの組み合わせに配置されてもよい。冷却材料の位置は、輸送される腐敗しやすい物品のタイプに依存し得ることが想定される。
【0034】
断熱輸送コンテナは外側ボックス層を備える。外側ボックス層は、任意の適切なサイズ、形状、または構成であってもよい。本発明の実施形態において、外側ボックス層は、断熱輸送コンテナと実質的に同じ寸法であってもよい。好ましくは、外側ボックス層は断熱輸送コンテナの外側層である。外側ボックス層は、上から見た場合、任意の適切な形状を有する可能性がある。例えば、コンテナの1つ以上の側壁は、実質的に円形、正方形、長方形、六角形、または八角形の空隙を画定してもよく、その中に内側ライニングが配置されてもよい。
【0035】
本発明の実施形態では、断熱輸送コンテナは蓋を備える。蓋は、任意の適切なサイズ、または構成であってもよい。しかしながら、好ましくは、蓋は外側ボックス層を閉じるのに十分な大きさ、形状および構成である。
【0036】
外側ボックス層および/または蓋は、比較的高い耐衝撃性および断熱性を有する任意の適切な種類の材料から製造されてもよい。例えば、外側ボックス層および/または蓋は、波形繊維板、段ボール、バイオポリマー、ポリマー、半硬質プラスチック、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の適切な材料から製造されてもよい。本発明の一実施形態では、外側ボックス層および/または蓋は、ポリプロピレン材料から製造されてもよい。本発明の一実施形態では、外側ボックス層および蓋は同じタイプの材料から製造されてもよい。本発明の代替実施形態では、外側ボックス層および蓋は異なるタイプの材料から製造されてもよい。
【0037】
好ましい実施形態では、外側ボックス層および/または蓋は1つ以上の環境要因に対する耐性を備えることができる。例えば、外側ボックス層および/または蓋は、耐水性、防水性、耐UV性、耐薬品性、耐衝撃性、耐火性、またはそれらの組み合わせであってもよい。本発明の好ましい実施形態では、外側ボックス層および/または蓋は少なくとも耐水性であってもよい。好ましくは、外側ボックス層は実質的に防水性であり得、その結果、冷却材料が融解するか、または凍結した物品が解凍する場合、結果として生じる水は外側ボックス層から漏出しない。好ましくは、蓋は実質的に防水であってもよく、その結果、断熱輸送コンテナの上方に位置するコンテナから漏れる雨や水は断熱輸送コンテナ内に侵入しない。
【0038】
外側ボックス層および/または蓋に耐水性を付与する任意の好適な手段を使用することができる。例えば、外側ボックス層および/または蓋は、実質的に耐水性の断熱シート材料から形成されてもよく、撥水性コーティングを備えてもよく、高水分バリアを有するライニングを備えてもよく、または外側ボックス層および/または蓋が少なくとも部分的に耐水性(water tight)もしくは耐水性(water resistant)であり得るように組み立てられてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。好ましくは、耐水性断熱シート材料は封止された縁部を有することができる。このように、材料の断熱能力が向上し、シート材料の耐水性が向上する。シート材料の縁部を封止するための任意の適切な技術を使用することができる。しかしながら、封止技術は、封止されるべきシート材料のタイプ、シート材料の厚さ、および必要とされる封止の程度のような多くの要因に依存して変化し得ることが理解されるのであろう。例えば、シート材料の縁部は、接着剤または接着テープ、熱処理、化学処理、機械的処理(超音波溶接、圧縮など)、またはそれらの組み合わせを使用することによって封止されてもよい。
【0039】
本発明の一実施形態では、シート材料の周囲の少なくとも一部を封止することができる。本発明の別の実施形態では、シート材料の周囲の実質的にすべてを封止することができる。本発明の一実施形態では、シート材料を外側ボックス層および/または蓋に組み立てる前に、シート材料の周囲の少なくとも一部を封止することができる。本発明の一実施形態では、外側ボックス層および/または蓋の周囲の少なくとも一部が組み立て後にシート材料から封止されてもよい。
【0040】
本発明の実施形態において、外側ボックス層および/または蓋は、耐水性の断熱シート材料から製造されてもよい。本発明のさらなる実施形態では、外側ボックス層および/または蓋は耐水性の断熱シート材料から製造されてもよく、シート材料の重なり合うまたは当接する側縁は接着性防水テープで封止されてもよい。この場合、外側ボックス層および/または蓋の側縁に当接する防水テープを使用した封止は、外側ボックス層および/または蓋の耐水性を向上させることができると考えられる。好ましくは、耐水性の断熱シート材料は封止された縁部を有することができる。このように、材料の断熱能力が向上し、シート材料の耐水性が向上する。
【0041】
耐水性の断熱シート材料は、少なくとも1つの層を含んでもよい。本発明の実施形態において、耐水性の断熱シート材料は、多層構造であってもよい。好ましい実施形態において、耐水性の断熱シート材料は、ツインウォールプラスチック構造であってもよい。好ましくは、耐水性の断熱シート材料は波形プラスチックであってもよい。本発明の実施形態において、耐水性の断熱シート材料は、平行なリブによって接続された2つの平坦シートからなるプラスチック波形ツインウォールシートを含む。本発明のいくつかの実施形態では、耐水性の断熱シート材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレンなど、またはそれらの任意の適切な組み合わせから製造され得る。
【0042】
適切な市販の耐水性の断熱シート材料には、Corex Plastics(オーストラリア)Pty社製のCorflute(登録商標)シートが含まれる。
【0043】
本発明の一実施形態では、外側ボックス層および/または蓋は少なくともUV耐性であってもよい。外側ボックス層および/または蓋にUV耐性を付与する任意の好適な手段が使用されてもよい。例えば、外側ボックス層および/または蓋は、実質的にUV耐性の断熱シート材料から形成されてもよく、UV耐性コーティングを備えてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。本発明の一実施形態では、外側ボックス層および/または蓋にはメタライズされたプラスチックフィルムなどのUV耐性フィルムの形態のコーティングを設けることができる。本発明の好ましい実施形態では、外側ボックス層および/または蓋にはメタライズされたポリプロピレンフィルムを設けることができる。好ましくは、外側ボックス層および/または蓋にはメタライズされた延伸ポリプロピレンフィルムを設けることができる。使用時に、メタライズされたプラスチックフィルムは、日照にさらされたときに、外側ボックス層および/または蓋の熱性能を改善し得ることが想定される。
【0044】
外側ボックス層および/または蓋は、当技術分野で知られている任意の方法で、例えば、ブランクまたは打ち抜きシート材料を予め形成された線に沿って折り曲げて、側部パネルおよび端部パネルをベースパネルから持ち上げることによって、形成することができる。材料の1つ以上のシートが使用されてもよい。本発明の一実施形態では、外側ボックス層ブランクの一部として一体的に形成された上壁を折り畳んで蓋を形成することができる。この場合、上壁は、外側ボックス層ブランクの1つ以上の側壁への延長部であってもよいことが想定される。あるいは、オープンボックス構造の形態の蓋はブランクから形成されてもよい。この場合、蓋は、蓋の側面パネルが少なくとも部分的に外側ボックス層の側面パネル上に延びるように、外側ボックス層上に嵌め込まれ得ることが想定される。本発明のさらなる実施形態では、材料のシートを外側ボックス層の上部リムに取り付けて、蓋またはクロージャを形成することができる。
【0045】
外側ボックス層および/または蓋の1つ以上の側壁は、任意の適切な技術によって、隣接する側壁に取り付けられてもよい。例えば、シート材料の重なり合うまたは隣接する側縁は、接着剤、接着テープ、アルミニウム箔テープ、または機械的ファスナー(ステッチング、ステープルなど)、またはそれらの任意の適切な組み合わせを使用して締結されてもよい。あるいは、シート材料の縁部は、シート材料の縁部に配置された1つ以上の係止タブを、シート材料の反対側の縁部に配置された1つ以上のタブ保持スロットに少なくとも部分的に挿入することによって、一緒に締結されてもよい。あるいは、シート材料の縁部は、1つ以上の折り重ねられた係止フラップがシート材料の隣接する部分の縁部を横切って少なくとも部分的に延在するように、シート材料の第1の部分の縁部に位置する1つ以上の係止フラップを折り重ねることによって一緒に締結されてもよい。使用時に、シート材料の縁部を締結するための1つ以上の技術が使用されてもよいことが想定される。本発明の一実施形態では、シート材料の重なり合うまたは隣接する側縁は接着性防水テープで封止されてもよい。この場合、内側ライニングの側縁に当接する防水テープを使用した封止は、内側ライニングの耐水性が向上する可能性があると考えられる。
【0046】
外側ボックス層および/または蓋には、1つ以上のストラップを設けることができる。ストラップは、任意の適切なサイズ、形状、および構成であってもよい。しかしながら、好ましくは、ストラップは、断熱輸送コンテナを移動し、持ち上げるのに十分な大きさおよび機械的特性(強度、剛性、形状など)を有する。使用時には、1つ以上のストラップは蓋を外側ボックス層に固定してもよいことが想定される。
【0047】
本発明の一実施形態では、断熱輸送コンテナは段ボール外側コンテナをさらに含む。本発明の代替実施形態では、断熱輸送コンテナは段ボールスリーブをさらに備える。任意の適切な段ボール外側コンテナまたは段ボールスリーブを使用することができる。使用時には、会社のブランド、発送者の詳細、受取人の詳細、腐敗しやすい商品に関する情報などを、段ボールの外側コンテナまたは段ボールのスリーブ上に印刷することができることが想定される。このようにして、断熱輸送コンテナは、異なる会社によって再利用されてもよい。
【0048】
断熱輸送コンテナには、1つ以上の監視装置を設けることができる。監視装置は、任意の適切なタイプのものであってもよく、断熱輸送コンテナに関連する任意の適切なパラメータを監視してもよい。しかしながら、好ましくは、1つ以上の監視装置は、内側ライニングおよび/または外側ボックス層および/または蓋の状態に関する情報を提供する。例えば、適切な監視装置は、電子監視装置であってもよい。電子監視装置は、電子チップ、IoT(Internet of Things)モジュール、データロガー、RFID(radio frequency identification)チップ、NFC(near field communication)タグ、スマートタグなどを含むことができる。使用時に、監視装置は、断熱輸送コンテナまたはその個々の構成要素を追跡および/またはトレースし、摩耗または損傷した構成要素を識別し、断熱輸送コンテナ内の1つ以上の位置で温度または湿度を監視し、あるいはそれらの組合せを使用することができることが想定される。本発明の一実施形態では、内側ライニング、外側ボックス層、および蓋のうちの1つ以上に、1つ以上の監視装置を設けることができる。
【0049】
例えば、断熱輸送コンテナの再使用可能性およびリサイクル可能性の追跡および検証は、コンテナの個々の構成要素のそれぞれの内部に製造時点で電子チップ(IoT)を埋め込むことによって達成されてもよい。各層は、電子チップ読み取り装置を介して製造時点でスキャンされてもよく(また、送信者、トランスポータ、受信者、リサイクラなどによる、製品ライフサイクルの1つ以上の他の時点でスキャンされてもよく)、各埋め込まれた電子チップからのデータは、クラウドおよびブロックチェーンプラットフォームのAPIなどの受信者に送信されてもよい。したがって、データはブロックチェーンに書き込まれてもよい。有利には、これにより、断熱輸送コンテナの位置を、そのライフサイクル全体(例えば、最初の使用からリサイクルまで)を通じて追跡することができる。これにより、再使用およびリサイクル可能性についての完全な検証を提供し得ることが想定される。さらに、この情報は、在庫補充を補助するために使用されてもよい。
【0050】
1つ以上の監視装置は、内側ライニング、外側ボックス層、および蓋の任意の適切な部分に配置することができる。しかしながら、監視装置の位置は、監視装置の機能および送信周波数(監視装置が送信する時間の周波数および/または監視装置が送信する無線周波数の両方に関して)のような多くの要因に応じて変化し得ることが理解されるのであろう。本発明の一実施形態では、監視装置は、内側ライニングおよび/または外側ボックス層および/または蓋の表面に配置することができる。この場合、監視装置は、保護バリアを有する監視装置を提供し、監視装置を内側ライニングおよび/または外側ボックス層および/または蓋に固定するために、ポリマーフィルムによって少なくとも部分的に覆われてもよいことが想定される。本発明の一実施形態では、監視装置は、内側ライニングおよび/または外側ボックス層および/または蓋の構造内に配置することができる。
【0051】
本発明者らは、上記のような内側ライニング、耐水性の外側ボックス層、および蓋の組み合わせは、「アウトオブコールドチェーン」輸送コンテナとしてのポリスチレンの代替物を提供することを見出した。
【0052】
本発明は、従来技術に勝る多くの利点を提供する。例えば、本発明は、「アウトオブコールドチェーン」製品輸送に適した効果的な輸送コンテナを提供する改善された断熱を提供する。加えて、本発明は、カスタマイズ可能な構造および便利な「費用効果の高い輸送」および不使用時の便利な保管のための折り畳み(フラットパック)能力を介して、使用時の柔軟性を改善する。本発明はまた、材料を破壊することなく再使用およびリサイクルする能力によって、費用効率および持続可能性を改善する。加えて、本発明は、輸送コンテナが完全にリサイクル可能である能力を改善する使い捨てプラスチックライナーバッグの形態の追加の湿気/漏れ障壁を必要としない。
【0053】
別の態様では、本発明は、
内側断熱シート層と、
耐水性の外側断熱ボックス層と、を備え、
ここで、外側ボックス層の側壁は、少なくとも1つのロッキングタブによって外側ボックス層の隣接する側壁に接続される、断熱輸送コンテナにおいて、概ね存在する。
【0054】
別の態様では、本発明は、
a.内側断熱シート層を取得するステップと、
b.内側断熱シート層に折り目を付け、形成された折り目に沿って折り曲げて、内側断熱シート層に少なくとも1つの縁部を必要なサイズに形成するステップと、
c.外側断熱シート層に折り目を付け、形成された折り目に沿って折り曲げて、外側断熱シート層に少なくとも1つの側壁を必要なサイズに形成するステップと、
d.工程cからの折り畳まれた外側断熱シート層の内側に工程bからの折り畳まれた内側断熱シート層を配置するステップと、
e.外側断熱ボックス層の側壁上に配置された少なくとも1つの係止タブを外側断熱ボックス層の隣接する側壁に接続するステップと、を含む、断熱コンテナの製造方法において、概ね存在する。
【0055】
本明細書に記載される特徴のいずれも、本発明の範囲内で、本明細書に記載される他の特徴のいずれか1つ以上と任意の組合せで組み合わせることができる。
【0056】
本明細書における先行技術への言及は、先行技術が共通の一般的知識の一部を形成することの承認またはいかなる形態の示唆としても解釈されず、および、解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
本発明の好ましい特徴、実施形態および変形は、当業者が本発明を実施するのに十分な情報を提供する以下の詳細な説明から認識することができる。「詳細な説明」は、いかなる方法によっても、前述の「発明の概要」の範囲を制限するものとはみなされない。発明を実施するための形態は、以下のいくつかの図面を参照する。
【
図1】蓋なしの本発明の一実施形態による、断熱コンテナの斜視図を示す。
【
図2】本発明の一実施形態による、内側ライニングの斜視図を示す。
【
図3】保管状態にある本発明の一実施形態による、内側ライニングを示す。
【
図4】内側ライニングが封止されていない、本発明の一実施形態による、断熱コンテナの斜視図を示す。
【
図5】内側ライニングが封止されていない、本発明の一実施形態による、断熱コンテナの正面図を示す。
【
図6】本発明の一実施形態による、外側ボックス層を形成するために使用されるブランクを示す。
【
図7】本発明の一実施形態による、外側ボックス層用の蓋を形成するために使用されるブランクを示す。
【
図8】本発明の一実施形態による、内側ライニングを形成するために使用されるブランクを示す。
【
図9】本発明の一実施形態による、内側ライニングを形成するために使用されるブランクを示す。
【
図10】本発明の一実施形態による、外側ボックス層の斜視図を示す。
【
図11】本発明の一実施形態による、外側ボックス層用の蓋の上面図であり、反転状態で示されている。
【
図12】本発明の一実施形態による、内側ライニングの側縁の拡大図を示す。
【
図13】本発明の一実施形態による、蓋の正面図を示す。
【
図14】本発明の一実施形態による、航空貨物認可発泡ポリスチレンボックスおよび断熱輸送コンテナの温度変化のグラフを示す。
【
図15】本発明の一実施形態による、航空貨物認可発泡ポリスチレンボックスおよび断熱輸送コンテナの温度変化のグラフを示す。
【
図16】蓋なしの本発明の一実施形態による、断熱輸送コンテナの上面斜視図を示す。
【
図17】本発明の一実施形態による、内側ライニングの上面斜視図を示す。
【
図18】本発明の一実施形態による、断熱輸送コンテナの斜視図を示す。
【
図19】使用時の本発明の一実施形態による、断熱輸送コンテナを示す。
【
図20】本発明の一実施形態による、断熱輸送コンテナを示す。
【
図21】使用時の本発明の一実施形態による、断熱輸送コンテナを示す。
【
図22】使用時の本発明の一実施形態による、断熱輸送コンテナを示す。
【
図23】航空貨物認可段ボールコンテナの輸送試験中の1.2日間の時間期間にわたる温度および湿度のグラフを示す。
【
図24】プラスチックの波形ツインウォールシートから製造された輸送コンテナの輸送試験中の1.2日間にわたる温度および湿度のグラフを示す。
【
図25】本発明の一実施形態による、断熱輸送コンテナの輸送試験中の1.2日間にわたる温度および湿度のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1では、本発明の一実施形態による、断熱輸送コンテナ(100)が図示されている。断熱輸送コンテナ(100)は、内側ライニング(1)および外側ボックス層(2)を備える。外側ボックス層(3)のための蓋(図示せず)を設けることができる。外側ボックス層(2)は、内側ライニング(1)上に位置する監視装置(10、11、13)と実質的に整列する1つ以上の開口部(10a、11a、13a)を備えることができる。開口部(
10a、11a、13a)は、ポリマーフィルムによって少なくとも部分的に覆われてもよく、保護バリアを装置に提供し、外側ボックス層(2)の耐水性を維持する。外側ボックス層(2)は、外側ボックス層の位置を追跡するか、または受動的に温度を監視し、記録することができる、NFCタグなどの1つ以上の監視装置(9)を備えることができる。外側ボックス層(2)の側壁は、対応する雌型ロッキングポケット(図示せず)に嵌合する少なくとも1つの雄型ロッキングタブ(4)によって、隣接する端壁に接続されてもよい。
【0059】
図2には、本発明の一実施形態による、断熱輸送コンテナ(100)の内側ライニング(1)が図示されている。
図3には、本発明の実施形態による、断熱輸送コンテナの内側ライニング(1)が保管状態で図示されている。
図4では、本発明の一実施形態による、断熱輸送コンテナ(100)が使用時で示されており、ここで、部分的に組み立てられた状態の内側ライニング(1)は外側ボックス層(2)内に実質的に受け入れられる。
【0060】
図2~4において、内側ライニング(1)は、メタライズされた反射層から製造された外面(outer facing)と、食品グレードの抗菌層から製造された内面(inner facing)とを含む。NFCタグ(13)は、内側ライニング(1)の外面に配置される。完全に組み立てられた状態では、内側ライニング(1)の端部が内側ライニング(1)内の熱的に誘起された折り目線(17)上で折り重ねられ、内側ライニング(1)を閉じるために圧縮(18)によって封止されることが想定される。(内側ライニングを閉じた状態に保持するためのテープ(12)は、表示目的のみに使用される。内側ライニングをフラットに保持する重り(25)は、表示目的のみに使用される。)
【0061】
図5では、本発明の一実施形態による、断熱輸送コンテナ(100)が使用時で示されており、ここで、部分的に組み立てられた状態の内側ライニング(1)は外側ボックス層(2)内に部分的に受け入れられる。組み立てられた状態において、外側ボックス層(2)の側壁上の側部係止フラップ(7)は、それらが少なくとも部分的に側部係止タブ(6)を横切って外側ボックス層(2)のキャビティ内に延びるように、折り重ねられる。このようにして、側部係止フラップ(7)は、外側ボックス層(2)の端壁および側壁を立設状態で実質的に保持することが想定される。組立て状態では、外側ボックス層(2)の雄型係止タブ(4)は対応する雌型係止ポケット(5)に嵌合し、外側ボックス層(2)の端壁と側壁とを実質的に立設状態で保持する。
【0062】
図6には、本発明の一実施形態による、外側ボックス層(2)を形成するためのブランクが示されている。外側ボックス層(2)は、外側ボックス層の端壁上で、対応する雌型係止ポケット(5)に嵌合する対応する雄型係止タブ(4)および対応する係止ポケット(6)に嵌合する側部係止フラップ(7)を備える。
【0063】
図7には、本発明の一実施形態による、外側ボックス層(2)用の蓋(3)を形成するためのブランクが示されている。蓋(3)は、蓋(3)の端壁および側壁の縁に位置する端部係止タブ(19)と、蓋(3)の各端壁にヒンジ止めで取り付けられる端部係止フラップ(20)とを備える。蓋(3)は、対応する雌型係止ポケット(22)に嵌合する雄型係止タブ(21)をさらに備える。インディカ(200)は、蓋(3)の外面に設けられてもよい。
【0064】
図8および
図9には、本発明の一実施形態による、内側ライニング(1)を形成するためのブランクが示されている。内側ライニング(1)は、熱誘導成形折り目線(17)と、NFCタグなどの1つ以上の監視装置(11、
13)とを含み、これらの監視装置は、外側ボックス層の位置を追跡するか、または温度を受動的に監視し、記録することができる。内側ライニング(1)の少なくとも一部は、封止された縁部(23)を含む。内側ライニング(1)は、メタライズされた反射層から製造された外面を含み、その周囲は、(重なり合う材料24)で内面の周囲を越えて延在する。内側ライニングが組み立てられた際に、内側ライニング(1)の1つの部分上の重なり合う材料(24)は、内側ライニング(1)の第2の部分上の重なり合う材料(24)に当接してもよいことが想定される。当接する重なり合う材料(24)は、耐水性バリアを提供するために封止されてもよい。
【0065】
図10において、開放ボックス構造の形態の蓋(3)は、蓋の側面パネルが外側ボックス層(2)の側面パネル上に実質的に延在するように、外側ボックス層(2)上に嵌合されてもよい。蓋(3)は、対応する雌型係止ポケット(22)に嵌合する雄型係止タブ(21)を含む。蓋(3)には、外側ボックス層の位置を追跡することができ、または温度を受動的に監視し、記録することができる、1つ以上の監視装置(8)を設けることができる。蓋(3)には、内側ライニング(1)上に位置する監視装置(10、11、13)と実質的に整列する開口部(16)を設けることもできる。開口部(16)は、ポリマーフィルムによって少なくとも部分的に覆われてもよく、保護バリアを装置に提供し、
蓋(
3)の耐水性を維持する。蓋(3)は、NFCタグなどの1つ以上の監視装置(8)を備えることができ、この監視装置は、外側ボックス層の位置を追跡することができ、または温度を受動的に監視し、記録することができる。
【0066】
図11には、反転した状態の外側ボックス層の蓋の上面図が示されている。蓋(3)の端壁上の係止フラップ(20)は、折り畳まれた係止フラップが蓋(3)の隣接する端部および側壁上に位置する係止タブ(19)を横切って、蓋(3)のキャビティ内に少なくとも部分的に延在するように、折り畳まれる。このようにして、端部係止フラップ(20)は、蓋(3)の端部および側壁を組み立てられた状態に実質的に保持することが想定される。組み立てられた状態では、蓋(3)は、対応する雌型係止ポケット(22)に嵌合する雄型係止タブ(21)を備え、蓋(3)の端壁および側壁を立設状態で実質的に保持する。
【0067】
図12には、本発明の一実施形態による、内側ライニング(1)の側縁の拡大図が示されている。内側ライニング(1)は、熱的に誘起された折り目線(17)および封止された縁部(23)を含む。
【0068】
図13には、本発明の一実施形態による、蓋(3)の正面図が示されている。蓋(3)には、熱的性能を改善するために、メタライズされた延伸ポリプロピレンフィルム(29)が設けられている。メタライズされた延伸ポリプロピレンフィルム(29)には、外側ボックス層および/または内側ライニング(図示せず)上に位置する監視装置(10、11、13)と実質的に整列する開口部(16)を設けることができる。開口部(16)は、ポリマーフィルムによって少なくとも部分的に覆われてもよく、保護バリアを装置に提供し、蓋(3)の耐水性を維持する。蓋(3)は、蓋の位置を追跡するか、または受動的に温度を監視し、記録することができる、NFCタグなどの1つ以上の監視装置(8)を備えることができる。
【0069】
図14に、本発明の航空貨物承認済み発泡ポリスチレンボックスおよび断熱輸送コンテナの内部の温度変化を評価する試行の結果を示す(実施例2参照)。驚くべきことに、本発明の断熱輸送コンテナは発泡ポリスチレンボックスよりも高い耐熱性を有し、現在の航空貨物認可発泡ポリスチレンボックスよりも遅い温度上昇を示す。
【0070】
図15には、航空貨物が承認した発泡ポリスチレンボックスおよび本発明の断熱輸送コンテナの実施形態の温度変化のグラフが示されている(実施例3参照)。驚くべきことに、本発明の断熱輸送コンテナは発泡ポリスチレンボックスよりも高い耐熱性を有し、現在の航空貨物認可発泡ポリスチレンボックスよりも遅い温度上昇を示す。また、実験は、断熱輸送コンテナに、蓋の外側表面(ボックス1およびボックス2:シルバークールパック(Silver KoolPak)、対ボックス3:ホワイトクールパック(White KoolPak))に追加の反射層を設けることにより、断熱輸送コンテナの熱性能が向上することを実証した。
【0071】
図16では、本発明の一実施形態による、断熱輸送コンテナ(300)が図示されている。断熱輸送コンテナ(300)は、内側ライニング(301)および外側ボックス層(302)を備える。外側ボックス層(302)および内側ライニング(301)は、魚体の輸送のために使用され得る実質的に直方体のプリズム構成で示される。
【0072】
図17では、断熱輸送コンテナ(300)の内側ライニング(301)が部分的に組み立てられた状態で示されている。内側ライニング(301)は、上側反射層と下側反射層との間に封入された発泡体層を含む断熱シート層から製造される。内側ライニングの縁部(305)は封止されて、材料の断熱能力を改善し、食品グレードのステータス承認を補助する。使用時には、内側ライニングの側壁(303)は、予め形成された線(306)に沿って材料の可撓性シートを折り曲げ、アルミニウムテープ(307)を用いて端部(304)を長手方向に閉じることによって、形成され得ると想定される。
【0073】
図18には、断熱輸送コンテナ(300)の外側ボックス層(302)が示されている。外側ボックス層(302)は、複数のリブによって分離された一対のシートを形成した耐水性の断熱シート層から製造される。外側ボックス層は、封止された縁部(図示せず)を有することができ、材料の断熱能力を改善し、食品グレードのステータス承認を補助する。使用時に、外側ボックス層(302)は、ベース(図示せず)、側壁(313)および端壁(314)を形成するために、予め形成されたラインに沿ってボックスブランクを折り曲げることによって形成され得ることが想定される。側壁(313)は、対応する雌型ロッキングポケット(図示せず)に嵌合する少なくとも1つの雄型ロッキングタブ(318)によって隣接する端壁(314)に接続されてもよい。蓋(319)は、予め形成された線に沿って側壁(313)を曲げ、側壁(313)および蓋(319)の当接する縁部を接着テープで固定することによって形成されてもよい。
【0074】
図19および
図20には、段ボールボックス(320)内の断熱輸送コンテナ(300)が示されている。任意選択で、蓋(319)を外側ボックス層(302)に固定するためにストラップ(321)を設けることができる。使用時には、ストラップ(321)は、断熱輸送コンテナ(300)の移動および持ち上げを補助することができると想定される。
【0075】
図21では、本発明の一実施形態による、断熱輸送コンテナが使用時で示されている。食品グレードの抗菌層(26)から製造された内面を含む内側ライニング(
1)は、新鮮な魚の切り身(28)および凍結ゲルパック(27)を包装している。空の状態の
図21は、輸送試験で使用されるコンテナである(実施例3、ボックス2:シルバークールパック(Silver KoolPak))。
【0076】
図22には、輸送試験(実施例1参照)で使用される、本発明の一実施形態による断熱輸送コンテナが示されている。反射層から製造され、アルミニウムテープ(307)で封止された内面を含む内側ライニング(301)は、プラスチックバッグの内側に魚の切り身(28)を包装している。
【0077】
図23~25は、実施例1で説明したように、認可された航空貨物用段ボールコンテナ(
図23)、プラスチック製段ボール製ツインウォールシート(
図24)から製造された輸送コンテナ、および本発明の実施形態による断熱輸送コンテナ(
図25)の輸送試験中の1.2日間にわたる温度および湿度の変化を示す。驚くべきことに、本発明の断熱輸送コンテナは、現行の航空貨物の承認された梱包オプションよりも、安定した湿度と温度を維持するのにより効果的である。
【0078】
例1: 異なる輸送コンテナを使用した温度と湿度のモニタリング
データロガーを、100ミクロンのポリエチレンバッグ内の魚全体とともに配置され、グースネックケーブを結んで閉じる。このパッケージは冷却ゲルパックを収容した第2の100ミクロンポリエチレンバッグ内に存在し、これもまた、グースネックケーブを結んで閉じる(魚およびゲルパックの分離を維持している)。魚およびゲルパックの両方が、テスト輸送コンテナの内側に取り付けられた熱ライニングの内側に存在する(
図22を参照)。テスト輸送コンテナには、航空貨物承認済みの段ボールコンテナ、プラスチック波形ツインウォールシートから製作された輸送コンテナ(「溝付き(Fluted)PP輸送コンテナ」)、および本発明の断熱輸送コンテナが含まれる。本発明の溝付きPP輸送コンテナおよび断熱コンテナは、適切な規制に準拠するために、輸送用の航空貨物認可段ボールコンテナ内に配置される。
【0079】
各ボックスの内部の湿度および温度を、15分毎に1.2日の期間にわたってモニターした。
【0080】
航空貨物承認済みの段ボールコンテナの結果は、
図23で見ることができる。
【0081】
段ボールコンテナ内の湿度および温度はかなり変化した。温度は、平均6.9°Cで18.6°Cから2.5°Cの間で変化し、さまざまな期間にわたって「アウトオブコールドチェーン」の輸送状況が3回表された。温度および湿度は、約20:53の時点でコールドチェーンに再び入った後にのみ安定した。
【0082】
このことは、航空貨物承認済みの段ボールコンテナが製品の品質を確保するために必要な温度と湿度を維持するのに効率的ではなく、したがって、独立した「アウトオブコールドチェーン」輸送コンテナとしては適していないことを明確に示している。
【0083】
溝付きPP輸送コンテナの結果は、
図24で見ることができる。
【0084】
溝付きPP輸送コンテナの断熱品質はいくらか低下したが、湿度と温度の両方が変化した。温度は、平均3.6°Cで15.9°C~3.2°Cの間で変化した。湿度は、平均は82.1%で85.2%~68.9%で変化した。温度および湿度は、約20:53の時点で、コールドチェーンに再び入った後にのみ安定した。
【0085】
これは、プラスチック波形ツインウォールシートから製造された輸送コンテナは製品の品質を確保するために必要な温度と湿度を維持するのに効率的ではなく、したがって、独立した「アウトオブコールドチェーン」輸送コンテナとしては適さないことを明確に示している。
【0086】
本発明の断熱輸送コンテナに関する結果は、
図25で見ることができる。
【0087】
湿度および温度の両方は比較的一定であり、託送中の作動および配置中にのみ変化した。温度は、平均0.2°Cで15.1°Cから-0.6°Cの間で変化した。しかし、約06:08の時点で一旦安定すると、変動は無視できる。湿度は、平均は90.6%で93.1%~68.2%の間で変化した。しかし、約06:08の時点で一旦安定すると、変動は無視できる。
【0088】
これは、本発明の断熱輸送コンテナは、製品の品質を確保するために必要な温度および湿度を維持するのに効率的であることを示している。
【0089】
実施例2:本発明の発泡ポリスチレンボックスおよび断熱輸送コンテナの熱耐性の測定
本発明の航空貨物承認済み発泡スチロールボックスおよび断熱輸送コンテナには、データロガーが設けられ、封止される。ボックスを温度4°Cの環境に置き、平衡化したときに温度30°Cの第2の環境に移した。空のボックスの内部の温度を約90分の時間期間にわたり1分間のインターバルでモニターした。その結果を
図14に示す。
【0090】
ポリスチレンボックスの内側の温度は30分後に25°Cに達し、約65分後に30°Cに達した。対照的に、本発明のコンテナは、同じ温度に達するのにそれぞれ約43分および83分を必要とした。
【0091】
この結果は、本発明のコンテナが発泡ポリスチレンボックスよりも高い耐熱性を有することを明らかに示している。
【0092】
例3: 異なる輸送コンテナの熱耐性の測定
本発明の航空貨物承認済み発泡ポリスチロールボックスおよび断熱輸送コンテナには、データロガーが設けられ、封止される。断熱輸送コンテナのうちの2つは、蓋の外側表面上にメタライズされた延伸ポリプロピレンフィルムを備えている。
【0093】
ボックスを4°Cの温度を有する環境に置き、平衡化したとき、33°Cの環境温度を有する屋外に移し、太陽光に暴露した。空のボックスの内部の温度を約90分の時間期間にわたり1分間のインターバルでモニターした。結果を
図15に示す。
【0094】
ポリスチレンボックスの内側の温度は20分後に25°Cに達し、約25分後に環境温度(33°C)を超えた。本発明の輸送コンテナ(メタライズされた延伸ポリプロピレンフィルムなし)は、同じ温度に達するのにそれぞれ約30分および40分を必要とした。(メタライズされた延伸ポリプロピレンフィルムを有する)本発明の輸送コンテナは、同じ温度に達するのにそれぞれ約30分および50分を必要とした。
【0095】
この結果は、本発明のコンテナがポリスチレンよりも高い耐熱性を有することを明らかに示している。この結果はまた、蓋の外側に追加の反射層を有する本発明の輸送コンテナを提供することが、太陽光に曝された場合の輸送コンテナの熱性能を改善することを示す。
【0096】
本明細書および特許請求の範囲(もしあれば)において、「有する」という用語および「有する」を含むその派生語は記載された整数の各々を含むが、1つ以上の更なる整数の包含を排除するものではない。
【0097】
本明細書全体を通して、「一実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」という言及は、実施形態に関連して説明される特定の性質、構成、または性質が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における「一実施形態において(in one embodiment)」または「実施形態において(in an embodiment)」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照している訳ではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の組合せで任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0098】
法令にしたがって、本発明は、構造的または方法的特徴に多かれ少なかれ特異的な言語で説明された。本明細書に記載される手段は本発明を実施する好ましい形態を含むので、本発明は図示または記載される具体的な特徴に限定されないことを理解されたい。したがって、本発明は、当業者によって適切に解釈される添付の特許請求の範囲の適切な範囲内で(もしあれば)、その形態または修正のいずれかで特許請求される。