(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】鳥害対策装置
(51)【国際特許分類】
A01M 29/26 20110101AFI20231206BHJP
H02G 7/00 20060101ALN20231206BHJP
【FI】
A01M29/26
H02G7/00
(21)【出願番号】P 2021186905
(22)【出願日】2021-11-17
【審査請求日】2022-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】506310588
【氏名又は名称】株式会社フジナガ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】藤永 雅也
(72)【発明者】
【氏名】池畑 秀一
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特許第6419368(JP,B1)
【文献】特開2005-168371(JP,A)
【文献】特開2000-032901(JP,A)
【文献】特開2007-174762(JP,A)
【文献】特開2013-247864(JP,A)
【文献】特開2007-000142(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 29/26
H02G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体で構成され、通電される棒状体の電撃部と、不導体で構成されるベース部と、
前記電撃部にパルス電流を流す給電ユニットと、を備え、
前記ベース部
は、長手方向に延びるとともに、前記電撃部を保持可能な凹部が上面に形成され、
前記凹部は、
前記ベース部の長手方向にわたって延びるとともに、前記パルス電流によって生じる前記電撃部にかかる衝撃を逃がすべく、前記電撃部を少なくとも前記電撃部の軸線方向に移動可能なように保持する鳥害対策装置。
【請求項2】
前記ベース部に取り付け可能な押え部を備え、
前記押え部は、前記凹部の一部の上方を該押え部の幅方向に亘って覆う請求項1に記載の鳥害対策装置。
【請求項3】
前記導電部は、第一方向に延びる第一方向延伸部と、前記第一方向に交差する第二方向に延びる第二方向延伸部と、前記第一方向延伸部及び前記第二方向延伸部を連結する折曲部と、を備え、
前記折曲部の下部は、前記ベース部によって支持される請求項1又は2に記載の鳥害対策装置。
【請求項4】
前記ベース部のうち、前記凹部で前記電撃部を保持する部分の断面形状は、偏平な形状である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鳥害対策装置。
【請求項5】
前記電撃部は、軸線方向に並んで設けられる複数の導電棒部と、該複数の導電棒部を電気的に接続しつつ連結する連結部と、を備え、
前記連結部は、軸線方向の一端部及び他端部に前記導電棒部の軸線方向の端部を連結可能であり、少なくとも軸線方向に圧縮可能な弾性体で構成される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の鳥害対策装置。
【請求項6】
前記導電棒部は丸棒であり、
前記連結部は、コイルバネで構成され、
前記コイルバネは、軸線方向の一端部及び他端部に挿入された前記導電棒部を径内方向に押圧しつつ保持可能、かつ、軸線方向に圧縮及び引張可能に構成される請求項5に記載の鳥害対策装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物等に設置することにより、当該建築物等への鳥類の飛来を抑制できる鳥害対策装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鳥害対策装置として、特許文献1に記載のような鳥害対策装置が知られている。鳥害対策装置は、弾性のある不導体で構成され、長手方向に延びるベース部と、導体で構成され、長手方向に延びる複数の電撃線と、を備え、ベース部には、上面に、電撃線が嵌合可能な嵌合溝が長手方向に沿って電撃線の本数に合わせて形成されており、電撃線は、上部が露出する様に嵌合溝に埋め込まれる。また、電撃線は、ベース部の弾性で嵌合溝の内壁面に密着して保持される。
【0003】
上記のような鳥害対策装置によれば、ベース部の弾性で電撃線が保持されるので、ベース部の弾性で電撃線を嵌合溝の空間内に確実に留めておくことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような鳥害対策装置にあっては、複数の電撃線にまたがるように鳥類が止まったときに、電撃線同士が導通状態となり、電撃線に電流が流れるので、電撃線に対して間欠的に電流が流れる。この電流により、電撃線に、長手方向にずれる力が発生するとの知見を本発明の発明者が得た。一方で、ベース部が電撃線に密着して保持するので、間欠的に流れる電流で電撃部の長手方向に対して力がかかった場合に、該力をうまく逃がすことができず、該力によって電撃線がベース部の嵌合溝から外れてしまい、電撃線に導通不良が生じたり、電撃線がベース部から浮き上がり鳥が止まらない状態となったりすることで、鳥害対策の機能を発揮しなくなる場合があった。
【0006】
そこで、本発明は、電撃部の軸線方向に力がかかったとしても、電撃部に導通不良が生じたり、電撃部がベース部から浮き上がり鳥が止まらない状態となったりすることで、鳥害対策の機能を発揮しなくなることを抑制できる鳥害対策装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の鳥害対策装置は、導体で構成され、通電される棒状体の電撃部と、不導体で構成されるベース部と、を備え、前記ベース部には、前記電撃部を保持可能な凹部が上面に形成され、前記凹部は、前記電撃部を少なくとも前記電撃部の軸線方向に移動可能なように保持する。
【0008】
かかる構成によれば、電撃部が軸線方向に移動することができるので、電撃部に対してかかった、軸線方向への力を電撃部の移動で逃がすことができる。
【0009】
また、前記ベース部に取り付け可能な押え部を備え、前記押え部は、前記凹部の一部の上方を該押え部の幅方向に亘って覆うこともできる。
【0010】
かかる構成によれば、凹部の上方を覆う押え部が設けられるので、電撃部が凹部から脱落することを抑制できる。
【0011】
また、前記電撃部は、第一方向に延びる第一方向延伸部と、前記第一方向に交差する第二方向に延びる第二方向延伸部と、前記第一方向延伸部及び前記第二方向延伸部を連結する折曲部と、を備え、前記折曲部の下部は、前記ベース部によって支持されることもできる。
【0012】
かかる構成によれば、折曲部の下部がベース部によって支持されるので、折曲部に鳥が止まるなどして折曲部に荷重がかかったとしても、該荷重をベース部が受けることができるため、折曲部が下方に沈み込み、第一方向延伸部及び第二方向延伸部の折曲部に連結されるのと反対側の端部が上方に跳ね上がることを抑制できる。
【0013】
また、前記ベース部のうち、前記凹部で前記電撃部を保持する部分の断面形状は、偏平な形状とすることもできる。
【0014】
かかる構成によれば、電撃部を凹部で緩く保持しつつ、電撃部の上部が凹部の上部から突出するように保持できるので、電撃部への衝撃を吸収しつつ電撃部と鳥類との導通を確保できる。
【0015】
また、前記電撃部は、軸線方向に並んで設けられる複数の導電棒部と、該複数の導電棒部を電気的に接続しつつ連結する連結部と、を備え、前記連結部は、軸線方向の一端部及び他端部に前記導電棒部の軸線方向の端部を連結可能であり、少なくとも軸線方向に圧縮可能な弾性体で構成することもできる。
【0016】
かかる構成によれば、連結部は軸線方向に圧縮可能な弾性体であるので、通電時に導電棒部にかかった軸線方向への衝撃を連結部が圧縮して吸収することができる。
【0017】
また、前記導電棒部は丸棒であり、前記連結部は、コイルバネで構成され、前記コイルバネは、軸線方向の一端部及び他端部に挿入された前記導電棒部を径内方向に押圧しつつ保持可能、かつ、軸線方向に圧縮及び引張可能に構成することもできる。
【0018】
かかる構成によれば、コイルバネは軸線方向に圧縮及び引張可能であるので、導電棒部にかかった衝撃を吸収しつつ、導電棒部が気温や熱に応じて膨張又は収縮して軸線方向の長さが変わった場合にも、長さの変化分を連結部で吸収できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電撃部の軸線方向に力がかかったとしても、電撃部に導通不良が生じたり、電撃部がベース部から浮き上がり鳥が止まらない状態となったりすることで、鳥害対策の機能を発揮しなくなることを抑制できる鳥害対策装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る鳥害対策装置の概略図である。
【
図2】同鳥害対策装置の設置状態を示す平面図である。
【
図5】(a)同鳥害対策装置の連結部の正面図である。(b)同鳥害対策装置の連結部の側面図である。
【
図6】(a)同鳥害対策装置の連結部に導電棒部を取り付けた状態の正面図である。(b)同鳥害対策装置の連結部に導電棒部を取り付けた状態の側面図である。
【
図7】同鳥害対策装置のベース部に電撃部及び押え部を取り付けた状態を示す図である。
【
図8】本発明の他の実施形態に係る鳥害対策装置の設置状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態に係る鳥害対策装置1について
図1乃至
図7を参照して説明する。また、以下の説明において、上下の方向は、鳥害対策装置1の設置状態における上下方向を指し、短手方向は、ベース部の短手方向を基準に説明する。
【0022】
図1及び
図2に示すように、鳥害対策装置1は、電流を発する給電ユニット2と、給電ユニット2に電気的に接続される電撃部3と、電撃部3を保持する複数のベース部4と、を備える。また、鳥害対策装置1は、ベース部4に取り付け可能な押え部5を備える(
図7参照)。このような鳥害対策装置1は、例えば建物Bの屋上の外縁部分に設置される。具体的に、鳥害対策装置1は、建物Bの屋上の外縁部分に沿って延びるように配置される。
【0023】
給電ユニット2は、パルス電流を繰り返し発する。本実施形態の給電ユニットは、約1.1秒から1.3秒ごとに電流を発する。具体的に、給電ユニット2は、+極の端子と、-極の端子と、を備え、両端子間にパルス電流を発する。また、+極の端子及び-極の端子は、それぞれ電撃部3を電気的に接続可能なように構成されている。さらに、給電ユニット2は、+極の端子に接続される正極電撃部3a及び-極の端子に接続される陰極電撃部3bが鳥類の脚部などを介して導通したときに電流がなれるように、一定間隔でパルス電流を発する。このように、電撃部3に繰り返し電流を流す又は流そうとすることで、電撃部3の軸線方向に沿った衝撃が加わり、電撃部3の長手方向にずれる力が発生する。なお、電撃部3の長手方向にずれる力は、電流によるものに限らず、例えば、熱膨張や熱収縮によって生じることもある。また、本実施形態の給電ユニット2は、両端子間に無負荷時で6000Vから10000Vの電圧を印加する。さらに、本実施形態の給電ユニット2は、太陽光電池(図示しない)を備え、太陽光電池によって、電力を供給されるように構成されている。なお、給電ユニット2が印加する電圧は、鳥害対策装置1の全長などによって任意に変更することができる。また、給電ユニット2は、商用電源から電力を供給されるように構成してもよい。
【0024】
図2に示すように、ベース部4は、長手方向に延びる不導体である。また、複数のベース部4が、屋上の外縁部分に沿って並べられる。さらに、ベース部4は、電撃部3を建物Bから絶縁した状態で保持する。また、ベース部4は、通水可能な程度の隙間Sを空けて、屋上の外縁部分に沿って並べられる。具体的に、
図3に示すように、ベース部4は、電撃部3を建物B等から絶縁した状態で保持する保持部41と、建物B等に取り付けられる建物取付部42と、押え部5が嵌合可能な嵌合部43と、保持部41から上方に隆起した隆起部44と、を備える。さらに、ベース部4は、電撃部3を保持した状態で、対策対象の鳥類が、凹部411で保持する電撃部3と導通可能なように構成される。具体的に、ベース部4は、凹部411の上部から電撃部3が一部露出するように電撃部3を保持する。また、ベース部4同士の間に形成される隙間Sの幅は、対策対象の鳥類が止まれない程度の幅(対策対象の鳥類の脚の幅より小さい幅)であることが好ましい。
【0025】
また、ベース部4は、後述する電撃部3の折曲部313の下部を支持可能に構成される。具体的に、ベース部4は、長手方向が第一方向に延伸するよう配置される第一方向延伸ベース部4aと、長手方向が第二方向に延伸するよう配置される第二方向延伸ベース部4bと、第一方向延伸ベース部4a及び第二方向延伸ベース部4bの間に設けられる折曲ベース部4cと、を備える。本実施形態で、折曲ベース部4cは、ベース部4の一部を長手方向及び短手方向に交差する方向に切り欠かれた切欠きベース部4dを2つ組み合わせて構成される。また、両切欠きベース部4dの間には、通水可能な程度の隙間Sが形成される。さらに、両切欠きベース部4dの間の隙間Sは、対策対象の鳥類の脚の幅よりも小さい。即ち、隙間S部分の電撃部3に鳥類が止まったとしても、その荷重をベース部4が受けることができ、これにより電撃部3を安定的に指示できるように構成されている。
【0026】
保持部41には、長手方向に沿って延びる凹部411が上面に形成されている。凹部411は、短手方向に離間して一対形成されている。具体的に、凹部411は、ベース部4の長手方向一端部から他端部までに亘って延びる窪みである。また、凹部411は、保持部41に形成された、上端が開放された断面形状が略楕円形状の窪みである。即ち、凹部411は、上端が開口された、断面形状が偏平な形状の窪みである。さらに、凹部411は、上下方向の幅が短手方向の幅よりも小さい楕円形状の窪みである。保持部41の短手方向両端部の上面は、外側が下を向くような傾斜面41aである。
【0027】
建物取付部42は、ベース部4の下面に設けられる、建物Bなどに取り付けるための部位である。本実施形態で、ベース部4は、建物Bに対して接着される。具体的に、建物取付部42は、下面に、接着剤が塗布される接着面42aを備える。接着面42aは、上下に波打った形状の面である。そのため、平坦な面に接着材を塗布する場合に比べて、接着剤とベース部4の接触面積を大きくすることができるので、ベース部4を建物B等にしっかりと固定できる。
【0028】
嵌合部43は、押え部5が嵌合可能な部位である。即ち、嵌合部43は、押え部5をベース部4に取り付けるための部位である。具体的に、嵌合部43は、ベース部4の短手方向両端部に形成された外側に向かって膨出する部位である。また、嵌合部43は、建物取付部42から上方に離間した位置に設けられる。即ち、嵌合部43と建物取付部42との間には、内側に窪むように嵌合溝43aが形成される。本実施形態の嵌合部43は、ベース部4の長手方向の一端部から他端部に亘って設けられている。即ち、本実施形態で、押え部5は、ベース部4の長手方向の任意の位置に取り付け可能である。さらに、嵌合部43は、外側が内側よりも細い先細形状である。また、嵌合部43の上面は、保持部41の上面(傾斜面41a)と略面一に形成されている。
【0029】
隆起部44は、保持部41から上側に向かって隆起した部位である。また、隆起部44の上面は、ベース部4の他の部位の上面よりも上方に位置している。具体的に、隆起部44は、保持部41に形成された一対の凹部411の間から上方に隆起した部位である。さらに、隆起部44は、ベース部4の短手方向の略中央に設けられる部位である。隆起部44は、短手方向一端側の上面に、一端側が下側になるように傾斜する左隆起傾斜面44aと、短手方向他端側の上面に、他端側が下側になるように傾斜する右隆起傾斜面44bと、を備え、左隆起傾斜面44a及び右隆起傾斜面44bは、短手方向の中央部分で連結されている。そのため、雨水などが隆起部44にかかったときに、左隆起傾斜面44a及び右隆起傾斜面44bによって、水が外側に流れるので、水が隆起部44上にたまることを抑制できる。
【0030】
また、隆起部44の上面(左隆起傾斜面44a及び右隆起傾斜面44b)と保持部41の上面とは、上下方向に延びる連結面部44cによって連結されている。本実施形態で、連結面部44cは、隆起部44の上面(左隆起傾斜面44a及び右隆起傾斜面44b)と凹部411を画定する内壁面とを連結する。具体的に、連結面部44cは、接着面42aの面方向に対して略直交する方向に延びる面である。そのため、略水平な面上にベース部4を設置したときに、連結面部44cは、鉛直方向に沿って延びるので、この部分が段差となって、隆起部44の上面を流れる水と連結面部44cに沿って落下する水との導通を絶つことができる。よって、両凹部411間が、水によって導通状態となり、鳥類が飛来していない時に凹部411内に保持される電撃部3間に電流が流れることを抑制できる。
【0031】
図2及び
図4に示すように、押え部5は、ベース部4の上面に取り付け可能な蓋体である。また、押え部5は、ベース部4の上方を覆う押え本体部51と、押え本体部51の幅方向の両端部に設けられ、嵌合溝43aと嵌合可能な嵌合突起部52と、を備える。また、押え部5は、対策対象の鳥が止まることができない程度の大きさであることが好ましい。具体的に、押え部5のベース部4の長手方向に沿った長さは、対策対象の鳥類の脚の横幅よりも短く構成されることが好ましい。または、取付時に、押え部5は、ベース部4に対して段差を形成するので、対策対象の鳥が押え部5上に止まりにくい。
【0032】
押え本体部51は、凹部411の一部の上方を押え部5の幅方向に亘って覆うことができる形状である。本実施形態の押え本体部51は、下面がベース部4の上面の形状に略即した形状である。そのため、さらに、押え本体部51の上面は、幅方向の中央部分が上方に位置し、幅方向の両端部が下方に位置するように傾斜している。そのため、押え部5の上面にかかった雨水などが、押え部5上にたまることを抑制できる。
【0033】
嵌合突起部52は、押え本体部51の幅方向の両端部から内側に向かって延びる突起である。また、嵌合突起部52は、弾性変形可能な爪状の部位である。具体的に、嵌合突起部52は、一端部が押え本体部51の端部に連結され、他端部が押え部5の幅方向の内方に向かって突出している突起である。
【0034】
電撃部3は、軸線方向に長い導電性の棒状体である。また、
図2に示すように、電撃部3は、給電ユニット2の+極に接続される正極電撃部3aと、-極に接続される陰極電撃部3bと、を備える。正極電撃部3a及び陰極電撃部3bは同じ構成である。正極電撃部3aは、複数の導電性の棒状体である導電棒部31と、導電棒部31を軸線方向に並べて電気的に接続した状態で連結する連結部32と、を備える。
【0035】
導電棒部31は、凹部411に収容可能な導電性の棒状体である。本実施形態で、導電棒部31はステンレス製の丸棒である。即ち、導電棒部31は、軸方向に直交する断面形状が実質的に真円である。また、導電棒部31の幅(径)は、凹部411の電撃部3を保持する部分の幅よりも小さい。さらに、導電棒部31の幅(径)は、凹部411の上部(開放部分)の幅L1(凹部の外側の上端部411aと連結面部44cの間の幅)よりも小さい。本実施形態の導電棒部31は、第一方向に延伸する第一方向延伸部311と、第二方向に延伸する第二方向延伸部312と、第一方向延伸部311及び第二方向延伸部312を連結する折曲部313と、を備える。本実施形態で、折曲部313は、1本の棒状体を曲げて形成される。
【0036】
連結部32は、連結する複数の導電棒部31の端部を保持して、導電棒部31を電気的に接続した状態で連結する。本実施形態で、連結部32は連結する導電棒部31の端部を挟持して、導電棒部31を電気的に接続した状態で連結する。具体的に、連結部32は、導電棒部31を挟持可能な挟持本体部321と、挟持本体部321を挟む方向に付勢する付勢部322と、を備える。本実施形態で、連結部32は、連結する導電棒部31の端部同士が当接した状態で、導電棒部31同士を挟持し、連結する。また、連結部32は、導電体で構成される。
【0037】
付勢部322は、挟持本体部321を挟む方向に付勢する部位である。具体的に、付勢部322は、平板状の付勢本体部3221と、付勢本体部3221の短手方向の両端部から下方に延伸する付勢連結部3222と、を備える。本実施形態で、付勢連結部3222は、付勢本体部3221の面方向に対して略直交する方向に延びる。また、付勢本体部3221は、付勢連結部3222が外向きに開いたときに、内向きに閉じるように付勢する板ばねである。即ち、付勢本体部3221は、付勢連結部3222が外側に開いたときに、下向きに湾曲するように変形し、復元力で付勢連結部3222を内向きに閉じるように付勢する。
【0038】
挟持本体部321は、上下方向の中途部分が外側に向かうように折り曲げられた一対の板状体で構成される。挟持本体部321は、一対の板状体が向かい合いように配置され、導電棒部31を挟持するように構成される。具体的に、挟持本体部321は、上端部が付勢連結部3222に連結され、下方が外側に位置するように延びる平板状の上挟持部3211と、上挟持部3211の下端部から下側に、下方が内側に位置するように延びる平板状の下挟持部3212と、を備える。上挟持部3211及び下挟持部3212は、「く」の字状又は「V」字状に屈曲して隣接している。
【0039】
図6(a)(b)に示すように、導電棒部31の径(幅)は、挟持本体部321の幅よりも小さいので、挟持本体部321に導電棒部31が嵌められると、挟持本体部321の内側の面に導電棒部31の外周面が当接し、導電棒部31を挟持した挟持本体部321は、外側に広がるように変形する。特に、導電棒部31の外周面に、上挟持部3211と下挟持部3212とで分かれて当接する。挟持本体部321が外側に開くように変形するので、付勢連結部3222も外向きに開き、付勢本体部3221の復元力で、付勢連結部3222及び挟持本体部321に内向きに閉じるように付勢力がかかる。そのため、挟持本体部321に導電棒部31が挟持される。また、導電棒部31の外周面に挟持本体部321の内側の面が線状か細い帯状で当接するため、面当接に比べて浮きが生じにくく、導電棒部31と連結部32の間に導通不良がおこりにくい。
【0040】
図3に示すように、電撃部3は、凹部411に収容されることで、ベース部4に保持される。また、電撃部3は、建物Bから上方に離間した状態で保持される。具体的に、導電棒部31の幅(径)は、凹部411の幅よりも小さいので、凹部411に収容された導電棒部31は、凹部411内で動くことができる。本実施形態で、電撃部3は、凹部411内でベース部4の長手方向に沿う方向及び短手方向(導電棒部31の延伸方向及び幅方向)に沿う方向に移動可能である。
【0041】
また、折曲部313は、第一方向延伸ベース部4aに形成される凹部411の範囲内(幅)及び第二方向延伸ベース部4bに形成される凹部411の範囲内(幅)で移動可能である。即ち、折曲部313が、第一方向延伸ベース部4aに形成される凹部411の範囲内(幅)又は第二方向延伸ベース部4bに形成される凹部411の範囲内(幅)を超えて移動しようとしたときには、凹部411の内壁面に当接して移動が制限される。さらに、
図2に示すように、ベース部4同士の間に形成される隙間S部分を除いて、凹部411に収容されている。即ち、折曲部313は、鳥類が止まったときに、その荷重をベース部4が受けることができるように設けられている。具体的には、折曲部313の下部がベース部4によって支持されているので、折曲部313に鳥類が止まったときに、その荷重をベース部4が受けることができるため、折曲部313が荷重で下方に沈み込むことを抑制できる。
【0042】
図2に示すように、連結部32は、凹部411の内部に配置される。即ち、連結部32は、凹部411の内部で導電棒部31の端部同士を連結する。
図7に示すように、凹部411の内部で導電棒部31同士の端部を連結した連結部32の最大幅は、凹部411の内部の幅よりも小さい。そのため、導電棒部31同士が連結部32によって連結された状態でも、導電棒部31が凹部411の内部で移動することは許容される。一方で、凹部411の内部で導電棒部31同士の端部を連結した連結部32の幅は、凹部411の上部(開放部分)の幅L1(凹部の外側の上端部411aと連結面部44cの間の幅)よりも大きい。そのため、導電棒部31が凹部411から脱落しようとした場合には、連結部32が、凹部411の内壁に当接して係止するので、導電棒部31が凹部411から脱落しづらくなる。また、本実施形態で、連結部32は、凹部411内で、導電棒部31が移動するのに伴って移動する。
【0043】
また、ベース部4同士の間に形成される隙間S部分には、導電棒部31がベース部4間に渡されるように延びている。具体的に、導電棒部31は、隙間S部分の一端部および他端部がベース部4に支持されるため隙間S部分においても電撃部3は建物Bから上方に離間した位置に設けられる。そのため、導電棒部31のうち、凹部411に収容されない範囲は、建物Bから離間して設けられるので、導電棒部31と建物Bが導通することを抑制できる。なお、ベース部4同士の間に形成される隙間S部分には、絶縁性のシートを敷設してもよい。絶縁性のシートを敷設した場合には、導電棒部31と建物Bの導通抑制の効果が高まる。
【0044】
図2及び
図7に示すように、押え部5は、ベース部4のうち、長手方向の両端部及び連結部32が配置される位置に配置される。即ち、押え部5は、ベース部4のうち、収容された電撃部3が上方に跳ね上がりやすい箇所に配置される。また、押え部5は、凹部411の上方を覆うようにベース部4に配置される。そのため、押え部5によって、電撃部3が凹部411から脱落することを抑制できる。
【0045】
以上のような鳥害対策装置1の設置方法について説明する。本実施形態の鳥害対策装置1は、
図2に示すように、建物Bの屋上の外縁部分に沿って設置される。
【0046】
まず、ベース部4を屋上の外縁部分に沿って並べるように設置する。このとき、各ベース部4の間に、雨水が通水可能な程度の隙間Sをあけて設置する。また、切欠きベース部4dは、屋上の外縁部分の形に添って凹部411が延びるように適宜ベース部4が切りかかれる。
【0047】
次に、配置されたベース部4の凹部411に導電棒部31を入れる。本実施形態では、導電棒部31は、複数設けられる。具体的は、凹部411の開放部分に導電棒部31を入れることで、ベース部4の長手方向に沿って導電棒部31が延びるように設けられる。このとき、凹部の上部の幅L1(凹部の外側の上端部411aと連結面部44cの間の幅)よりも導電棒部31の幅(径)が小さいので、導電棒部31を凹部411に嵌め込まず、凹部411の上方に置くだけで導電棒部31を設置できるので、施工性が良い。また、折曲部313は、一本の棒状体を切欠きベース部4dの凹部411に沿うように折り曲げて切欠きベース部4dの凹部411に入れられる。さらに、複数の導電棒部31は、端部同士の隙間Sが連結部32の長さ未満となるように配置される。好ましくは、複数の導電棒部31は、端部同士が当接するように配置される。
【0048】
導電棒部31が配置されたのちに、導電棒部31の端部同士を連結部32で連結する。具体的に、凹部411に収容された導電棒部31の端部に、挟持本体部321の開放端を押し当てて、連結部32が導電棒部31を挟持するようにして連結部32を導電棒部31に取り付ける。また、連結部32が連結する2本の導電棒部31の端部の間に渡されるように、導電棒部31に連結部32を取り付ける。本実施形態では、2本の導電棒部31の端部同士を当接させ、端部同士が当接する部分を連結部32の長さ方向(上下方向及び幅方向に直交する方向)の中央部分に位置するようにして導電棒部31に連結部32を取りつける。以上の手順により、ベース部4に電撃部3が取付けられる。
【0049】
ベース部4に電撃部3が取付けられてから、ベース部4の所定の位置に押え部5を取り付ける。本実施形態で押え部5は、ベース部4の長手方向の両端部及びベース部4のうち、連結部32が収容される位置に取り付けられる。押え部5は、嵌合突起部52を嵌合溝43aに嵌めることでベース部4に取り付けられる。具体的には、一方の嵌合突起部52を、嵌合溝43aに嵌め、他方の嵌合突起部52を嵌合部43に上方から押し当てることで、嵌合突起部52を弾性変形させて、嵌合部43を乗り越えさせて、嵌合溝43aに嵌める。また、押え部5をベース部4に取り付ける際には、押え部5の下面とベース部4の上面を接着材などで接着することが好ましい。以上の手順により、押え部5は、嵌合突起部52と嵌合溝43aの嵌合により上方への抜け止めがされ、接着により、ベース部4の長手方向に沿って移動する(ずれる)ことを抑制できる。
【0050】
以上のような構成の鳥害対策装置1によれば、電撃部3が軸線方向に移動することができるので、電撃部3に対してかかった、軸線方向への力を電撃部3の移動で逃がすことができる。
【0051】
また、電撃部3の移動に追随して連結部32が凹部411の中を移動できるので、ベース部4外に連結部32が配置されるよりも外れにくくなる。さらに、凹部411内に連結部32が配置されるので、連結部32が外部から視認されづらくなり、見栄えが良くなる。
【0052】
さらに、凹部411の上方を覆う押え部5が設けられるので、電撃部3が凹部411から脱落することを抑制できる。
【0053】
また、折曲部313の下部がベース部4によって支持されるので、折曲部313に鳥が止まるなどして折曲部313に荷重がかかったとしても、該荷重をベース部4が受けることができるため、折曲部313が下方に沈み込み、第一方向延伸部311及び第二方向延伸部312の折曲部313に連結されるのと反対側の端部が上方に跳ね上がることを抑制できる。
【0054】
さらに、電撃部3を凹部411で緩く保持しつつ、電撃部3の上部が凹部411の上部から突出するように保持できるので、電撃部3への衝撃を吸収しつつ電撃部3と鳥類との導通を確保できる。
【0055】
また、ベース部4には、嵌合溝43aが形成され、押え部5は、ベース部4に対して上方から押し当てた際に嵌合溝43aに嵌合する嵌合突起部52を備えるので、押え部5をベース部4に取り付けやすい。
【0056】
さらに、凹部411の上部の幅は、導電棒部31に連結部32を嵌めたときの幅よりも小さいので、電撃部3が凹部411から脱落しようとした際に、凹部411の上部に連結部32が係止するため、電撃部3が凹部411から脱落しづらくなる。
【0057】
また、嵌合溝43aは、ベース部4の下端面(取付面)から離れているので、押え部5をベース部4に上方から取り付けやすい。
【0058】
さらに、嵌合溝43aの上方は、外側が細い先細形状であるので、取付時に変形させやすい。よって、押え部5をベース部4に取り付けやすい。
【0059】
次に、本発明の他の実施形態について
図8及び
図9を参照して説明する。一の実施形態と同じ構成については同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態の鳥害対策装置1は、一の実施形態の鳥害対策装置1と電撃部3の構成が異なる。
【0060】
図8に示すように、本実施形態の電撃部3は、棒状の複数の導電棒部31と、複数の導電棒部31を電気的に接続した状態で軸線方向に連結する連結部32と、を備える。本実施形態の導電棒部31は、第一方向に延伸する第一方向延伸部311と、第二方向に延伸する第二方向延伸部312と、を備える。即ち、本実施形態で、導電棒部31は、折曲部を備えない。本実施形態の電撃部3は、直線状に延びる複数の導電棒部31を第一方向に沿う方向又は第二方向に沿う方向に並べ、軸線方向で隣り合う導電棒部31同士を連結部32で連結して構成される。
【0061】
本実施形態の連結部32は、軸線方向一端部及び他端部に導電棒部31を両導電棒部31間が電気的に接続された状態で連結可能であり、導電棒部31を連結した状態で、軸線方向に圧縮及び引張可能な弾性体で構成される。具体的に、
図9に示すように、連結部32は、軸線方向一端部及び他端部に設けられ、導電棒部31を連結可能な棒連結部323と、棒連結部323に導電棒部31を連結した状態で軸線方向に圧縮及び引張可能な弾性体である変形本体部324と、を備える。本実施形態の連結部32は、コイルバネであり、コイルバネの軸線方向一端部及び他端部が棒連結部323として構成され、軸線方向の中途部分が変形本体部324として構成される。また、本実施形態体の連結部32は、全体が導体で構成される。
【0062】
棒連結部323は、導電棒部31の端部に係合可能な部位である。具体的に、棒連結部323は、導電棒部31の端部を保持した状態を維持可能なように構成される。本実施形態の棒連結部323は、コイルバネの軸線方向の端部である。具体的に、棒連結部323(コイルバネの端部)は、導電棒部31の外径よりも内径が小さく、内部に導電棒部31が挿入されることで、導電棒部31の外周面から押圧して導電棒部31を保持できる。また、棒連結部323の内径は導電棒部31の外径よりも小さいので、棒連結部323の内部に導電棒部31を挿入した際に、棒連結部323は、径が大きくなるように弾性変形し、復元力で導電棒部31を保持する。なお、棒連結部323の復元力のみで導電棒部31を保持する場合に限らず、導電性のある接着剤で導電棒部31を連結部32に接着して連結することもできる。
【0063】
変形本体部324は、軸線方向一端側の棒連結部323及び他端側の棒連結部323の間に亘って延び、軸線方向に圧縮及び引張可能な弾性を有する部位である。本実施形態の変形本体部324は、コイルバネの軸線方向中途部分である。また、本実施形態の変形本体部324は、導電棒部31が通常の仕様で受ける熱(気温や直射日光により受ける熱)の変化で、膨張又は収縮することによる軸線方向長さの変化を吸収できる程度に圧縮及び引張可能である。さらに、変形本体部324は、全体を曲げ、延伸方向を変える(軸心を曲げる)ことができるように構成されている。なお、変形本体部324の変形では吸収しきれない程度に導電棒部31の軸線方向長さの変位が大きい場合には、変形本体部324の圧縮及び引張に加え、棒連結部323が導電棒部31に対して軸線方向でずれることもできる。
【0064】
本実施形態の連結部32は、ベース部4同士の間に形成される隙間S部分に配置される。具体的に、本実施形態では、一方側の導電棒部31の軸線方向の他端部及び他方側の導電棒部31の軸線方向一端部がベース部4同士の隙間S部分に位置し、隙間S部分に位置する端部同士を連結するように連結部32が配置される。さらに、本実施形態の連結部32は、棒連結部323が導電棒部31を把持した状態で、棒連結部323の外径がベース部4の凹部411の幅よりも大きくなるように構成されている。このような連結部32がベース部4同士の間に配置されることで、電撃部3全体が軸線方向にずれようとした場合に、連結部32の軸線方向の端部がベース部4の軸線方向の端部に当接することで、ずれを所定範囲内に収めることができる。
【0065】
また、本実施形態では、第一方向に延伸する第一方向延伸部311と第二方向に延伸する第二方向延伸部312とを連結部32で連結することで、電撃部3の第一方向延伸部311に対する第二方向延伸部312の延伸方向を変更できる。具体的に、
図8に示すように、電撃部3の延伸方向が変わる湾曲部Wで、連結部32(変形本体部324)を曲げて、異なる方向に延びる導電棒部31同士を連結し、電撃部3の延伸方向を変えるように構成される。
【0066】
以上のような鳥害対策装置1によれば、連結部32は軸線方向に圧縮可能な弾性体であるので、通電時に導電棒部31にかかった軸線方向への衝撃を連結部32が圧縮して吸収することができる。
【0067】
また、コイルバネは軸線方向に圧縮及び引張可能であるので、導電棒部31にかかった衝撃を吸収しつつ、導電棒部31が気温や熱に応じて膨張又は収縮して軸線方向の長さが変わった場合にも、長さの変化分を連結部32で吸収できる。
【0068】
さらに、連結部32を曲げることで電撃部3の延伸方向を調整可能に構成されるので、一の実施形態の場合のように、導電棒部31を曲げて電撃部3の延伸方向を調整する場合に比べて、作業性が高まる。
【0069】
また、棒連結部323はコイルバネの軸線方向の端部であるので、棒連結部323に導電棒部31を挿入し、連結する際に、導電棒部31をコイルバネの巻方向に回動させることで、容易に導電棒部31を棒連結部323に挿入することができる。
【0070】
また、本実施形態において、コイルバネで構成された連結部32と共に、凹部411に収容された導電棒部31に嵌め込まれる抜け止め部を備えることもできる。抜け止め部の構成は、一の実施形態における連結部32と同様である(
図5参照)。即ち、抜け止め部の凹部411の内部で導電棒部31同士の端部を連結した抜け止め部の最大幅は、凹部411の内部の幅よりも小さい。そのため、導電棒部31に抜け止め部が嵌められた状態でも、導電棒部31が凹部411の内部で移動することは許容される。一方で、凹部411の内部で導電棒部31に嵌められた抜け止め部の幅は、凹部411の上部(開放部分)の幅L1(凹部の外側の上端部411aと連結面部44cの間の幅)よりも大きい。そのため、導電棒部31が凹部411から脱落しようとした場合には、抜け止め部が、凹部411の内壁に当接して係止するので、導電棒部31が凹部411から脱落しづらくなる。また、本実施形態で、抜け止め部は、凹部411内で、導電棒部31が移動するのに伴って移動する。
【0071】
以上、本発明の実施形態について例を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0072】
例えば、ベース部4に形成される凹部411は、ベース部4の長手方向に対して平行に延びる場合について説明したが、このような構成に限らず、ベース部4の長手方向に対してななめの方向に延びるように構成してもよい。
【0073】
また、連結部32は、凹部411の内部に設けられる場合について説明したが、凹部411の外部に設けられるように構成してもよい。
【0074】
さらに、連結部32は、導電棒部31を挟持する場合について説明したが、このような構成に限らず、種々の連結方法を採用することができる。
【0075】
また、押え部5をベース部4上方から押し当ててベース部4に取り付ける場合について説明したが、このような構成に限らず、ベース部4に巻き付けるなど、種々の方法で取り付けることとしてもよい。
【0076】
さらに、導電棒部31は丸棒である場合について説明したが、角柱状等種々の形状とすることができる。
【0077】
また、給電ユニット2は、パルス電流を発する場合について説明したが、常時電流を流す(鳥が導電棒部31上に止まったときに電流を流し続ける)ように構成してもよい。
【0078】
さらに、電撃部3は、押え部5によって凹部411からの脱落を防止される場合について説明したが、このような構成に限らず、例えば、凹部411の上部の幅を絞るなどして、凹部411によって脱落を防止されるように構成してもよい。
【0079】
また、折曲部313は、一本の棒状体を折り曲げて形成される場合について説明したが、2本の棒状体を接着や溶接して形成されていてもよいし、2本の棒状体を折り曲げられた連結部32で連結してもよい。
【0080】
さらに、ベース部4には、凹部411が2本形成される場合について説明したが、例えば、+極の電撃部3が設けられる凹部411が1本と、+極の凹部411を挟むようにして-極の電撃部3が設けられる凹部411が2本と、が形成されるようにしてもよい。また、+極の電撃部3と-極の電撃部3が逆に配置されていてもよい。
【0081】
また、凹部411の内部寸法が電撃部3の寸法よりも大きいため、電撃部3が軸線方向に移動可能である場合について説明したが、このような構成に限らず、凹部411の内面にコーティングを施したり、摩擦を低減する材料を塗布したりすることで、電撃部3が移動可能なようにしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1…鳥害対策装置、2…給電ユニット、3…電撃部、3a…正極電撃部、3b…陰極電撃部、31…導電棒部、311…第一方向延伸部、312…第二方向延伸部、313…折曲部、32…連結部、321…挟持本体部、3211…上挟持部、3212…下挟持部、322…付勢部、3221…付勢本体部、3222…付勢連結部、323…棒連結部、324…変形本体部、4…ベース部、4a…第一方向延伸ベース部、4b…第二方向延伸ベース部、4c…折曲ベース部、4d…切欠きベース部、41…保持部、41a…傾斜面、42…建物取付部、42a…接着面、43…嵌合部、43a…嵌合溝、44…隆起部、44a左隆起傾斜面、44b…右隆起傾斜面、44c…連結面部、5…押え部、51…押え本体部、52…嵌合突起部