(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】骨壷納骨型墓地構造
(51)【国際特許分類】
E04H 13/00 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
E04H13/00 B
(21)【出願番号】P 2022021361
(22)【出願日】2022-02-15
【審査請求日】2023-06-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】322001554
【氏名又は名称】千代石株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】河東田 清八郎
【審査官】廣田 かおり
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3212073(JP,U)
【文献】実開平05-035975(JP,U)
【文献】特開2006-207358(JP,A)
【文献】登録実用新案第3063611(JP,U)
【文献】登録実用新案第3117679(JP,U)
【文献】登録実用新案第3208837(JP,U)
【文献】特開2000-129959(JP,A)
【文献】特開2009-235697(JP,A)
【文献】特開2020-105877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
墓地を構成する土地の基盤面の上に形成され、壁構造体によって囲繞されている墓体埋設用地と、
前記墓体埋設用地に、互いの間に所定の間隔をあけて埋設されている、筒状の複数本の骨
壷収容体と
からなる骨
壷納骨型墓地構造であって、
前記墓体埋設用地は
、転圧をかけたグリ石の層
の上に形成されている転圧仕上げの再生細粒石からなる層
の上側面によって前記基盤面が形成され、前記基盤面の上に集水用の遮水シートが敷設され、前記遮水シートの上側に透水性を有する層が積層されて形成されていて、
前記骨
壷収容体は、上端が開口していて、下側が有底で、上側から下側に向かって挿入される骨
壷を収容できる大きさの内径を有し、上端開口が開閉可能な密閉蓋で密封される筒状体からなり、
前記骨
壷収容体のそれぞれは、前記骨
壷収容体の外周壁に
沿って鉛直方向に延びて、転圧仕上げの再生細粒石からなる前記層あるいは、転圧仕上げの再生細粒石からなる前記層とその下層の転圧をかけたグリ石の前記層に対して打ち込まれている金属製の固定用の複数本の棒体の外周が、金属製の他の固定用の棒体で緊締されることで前記基盤面に固定されていて、
前記遮水シートの上に敷設されていて、周壁の内外を貫通する複数個の透水孔を前記周壁に備えている排水用の排水管が、前記壁構造体に形成されている排出孔を介して前記墓体埋設用地の外側にまで伸びていて、
複数の前記骨
壷収容体が互いの間に所定の間隔をあけて前記墓体埋設用地に埋設される配置関係が、前記墓体埋設用地の面積9.72m
2あたり50個の前記骨
壷収容体が埋設される配置関係である
骨
壷納骨型墓地構造。
【請求項2】
前記墓体埋設用地の上側に配置される芝草層が前記密閉蓋を囲んで形成されている、あるいは、前記密閉蓋の上に石碑が搭載され、前記墓体埋設用地の上側に配置される芝草層が前記石碑を囲んで形成されている請求項1記載の骨
壷納骨型墓地構造。
【請求項3】
前記骨
壷納骨型墓地構造は、樹木葬形式の墓地構造である請求項1又は2記載の骨
壷納骨型墓地構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、墓地の構造に関する。特に、骨壺を収容する骨壺収容体を、所定の面積の土地に、複数個配置できるようにすることで、複数の遺族がそれぞれ納骨を行えるようにした、物故者の供養を重視しつつ、土地所有者にとっては土地を効果的に活用することができる墓地構造、すなわち、骨壺納骨型墓地構造に関する。この発明の、骨壺納骨型墓地構造は、特に、樹木葬形式の墓地構造として有用である。
【背景技術】
【0002】
従来から墓地の構造に関して種々の提案が行われている(特許文献1、2)。
【0003】
特許文献1には、間口側から奥側に向けて幅狭となる三角形の複数個の墓所が、隣接する墓所と間口を逆向きにして一列に並ぶように区割りされ、各々が間口側と奥側とに二分されて、間口側が墳墓を設置するための建墓ゾーンとされ、その奥側が低木や芝生等を植えるための緑化ゾーンとされている墓地の構造が提案されている。複数の墓所を高密度に区割りして、墓地の省スペース化を促進すると共に、各墓所の奥側のみならず左右両側にも低木や芝生を植えることができる緑地スペースを生じさせて、その墓域の緑化を促進し、墓地全体の景観と環境を向上させることができるとされている。
【0004】
特許文献2には、地中に埋設した納骨筐体と、納骨筐体の後方の地表に立設し死者の名前又は墓誌を記した墓石板と、納骨筐体の前方の地表に設置した化粧石体と、化粧石体の上面に凹設した供え部を覆う蓋体とを具備した墓からなる墓地構造が提案されている。骨つぼの出し入れが容易で作業性が良く、墓石板の前面がすっきりしていて墓の見映えが良く、且つ、墓石板の墓碑や墓誌の読み易いような墓からなる墓地構造を提供できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3111853号公報
【文献】実用新案登録第3154472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、物故者の供養を重視しつつ、土地所有者が土地を効果的に活用することを可能にする墓地構造、すなわち、骨壺納骨型墓地構造を提案することを目的にしている。特に、樹木葬形式の墓地構造として有用な、骨壺納骨型樹木葬墓地構造を提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成する本発明の骨壺納骨型墓地構造としては、例えば、以下の形態を例示することができる。
【0008】
[1]
墓地を構成する土地の基盤面の上に形成されている墓体埋設用地と、前記墓体埋設用地に、互いの間に所定の間隔をあけて埋設されている、複数本の骨壺収容体とからなる骨壺納骨型墓地構造。
【0009】
[2]
前記墓体埋設用地はそれぞれ透水性を有する地層が複数層にわたって積層されてなる[1]の骨壺納骨型墓地構造。
【0010】
[3]
前記骨壺収容体は、有底で、上端開口が開閉可能な密閉蓋で密封される筒状体からなる[1]又は[2]の骨壺納骨型墓地構造。
【0011】
[4]
前記墓体埋設用地の上側に配置される芝草層が前記密閉蓋を囲んで形成されている、あるいは、前記密閉蓋の上に石碑が搭載され、前記墓体埋設用地の上側に配置される芝草層が前記石碑を囲んで形成されている[1]~[3]のいずれかの骨壺納骨型墓地構造。
【0012】
[5]
前記骨壺収容体は、固定用の棒体によって前記基盤面に固定されている[1]~[4]のいずれかの骨壺納骨型墓地構造。
【0013】
[6]
前記基盤面の上に集水用の遮水シートが敷設され、周壁の内外を貫通する複数個の透水孔を前記周壁に備えている排水用の排水管が前記土地の外側にまで伸びるように、前記遮水シートの上に、敷設されている[1]~[5]のいずれかの骨壺納骨型墓地構造。
【0014】
[7]
前記土地は壁構造体によって囲繞されている[1]~[6]のいずれかの骨壺納骨型墓地構造。
【0015】
[8]
前記排水管は、前記壁構造体に形成されている排出孔を介して前記土地の外側にまで伸びている[7]の骨壺納骨型墓地構造。
【0016】
[9]
前記骨壺納骨型墓地構造は、樹木葬形式の墓地構造である[1]~[8]のいずれかの骨壺納骨型墓地構造。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、骨壺を収容する骨壺収容体を、所定の面積の土地に、複数個配置できるようにすることで、複数の遺族がそれぞれ骨壺の状態で納骨を行えるようにした、物故者の供養を重視しつつ、前記土地を所有している土地所有者にとっては前記土地を効果的に活用することができる骨壺納骨型墓地構造を提供することができる。特に、樹木葬形式の墓地構造として有用な、骨壺納骨型樹木葬墓地構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態の墓地構造に係る墓地を囲繞する壁構造体が構築された状態の一例を説明する斜視図。
【
図2】
図1図示の壁構造体で囲繞されている墓地に複数個の骨壺収容体が互いの間に所定の間隔をあけて千鳥状に設置されている状態を説明する一部を省略した斜視図。
【
図3】
図2図示の状態の複数個の骨壺収容体を地面に固定する実施形態の一例を表す図であって、(a)は一部を省略した斜視図、(b)は一部を省略した平面図。
【
図4】
図1図示の壁構造体で囲繞されている墓地に、互いの間に所定の間隔をあけて千鳥状に設置されされている複数個の骨壺収容体が、墓地を構成する墓体埋設用地に埋設されている状態の一例を説明する一部を省略した斜視図。
【
図5】
図1図示の壁構造体で囲繞されている墓地を構成する墓体埋設用地の底部に排水用の排水管が敷設される構造の一例を説明する一部を省略した斜視図。
【
図6】本発明の一実施形態の骨壺納骨型墓地構造に係る墓地を構成する墓体埋設用地の断面構造の一例を説明する一部を省略した断面図。
【
図7】本発明の一実施形態に係る骨壺納骨型墓地構造の概要を表した一部を省略した平面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
【0020】
この実施形態の骨壺納骨型墓地構造は、墓地を構成する土地の基盤面の上に形成されている墓体埋設用地と、前記墓体埋設用地に、互いの間に所定の間隔をあけて埋設されている、複数本の骨壺収容体とからなる。複数本の骨壺収容体が互いの間に所定の間隔をあけて埋設されている形態としては、例えば、複数本の骨壺収容体が互いの間に所定の間隔をあけて千鳥状に埋設されている形態を採用することができる。
【0021】
上記の墓地を構成する土地は、壁構造体によって囲繞されている形態にすることができる。以下では、この実施形態の骨壺納骨型墓地構造における墓地を構成する土地が、コンクリートブロックを積み上げて構築された壁構造体によって囲繞されている実施形態の一例を説明する。
【0022】
本発明の、一実施形態に係る骨壺納骨型墓地構造は、墓地を構成する土地の基盤面30の上に墓体埋設用地が形成され、この墓体埋設用地に、互いの間に所定の間隔をあけて千鳥状に埋設されている、複数本の骨壺収容体10a、・・・、10f、10g、・・・・、10l、・・10m、・・・・、10r、・・・とから構成される。
【0023】
墓体埋設用地は、それぞれ透水性を有する地層が複数層にわたって積層されて構成されている。
図6図示の実施形態では、透水性を有する地層42a、42b、42c、42d、42eが積層されて墓体埋設用地が形成されている。透水性を有する地層42a、42b、42c、42d、42eは、いずれも、水流水圧で空気層を抑え込んで緻密にした層であって、例えば、再生細粒石を用い、水流水圧によって空気層を抑え込んで緻密にした層を用いることができる。
【0024】
なお、
図6図示の実施形態では、転圧をかけたグリ石の層21の上に、転圧仕上げの再生細粒石からなる層20を形成し、墓地を構成する土地の基盤面30は、この層20の上側面によって形成されている。
【0025】
骨壺収容体10a、・・・、10f、10g、・・・・、10l、・・10m、・・・・、10r、・・・は、底部が底面12a、12b、12c、12d、12e、・・・、12g、・・・、12l、・・・によって塞がれている有底で、上端開口が開閉可能な密閉蓋11a、11b、11c、・・・11g、・・・、11k、・・・11m、・・、11r、・・・で密封される筒状体である。
【0026】
筒状体からなる骨壺収容体の内部には、骨壺が収容される。例えば、
図6図示の例では、筒状体からなる骨壺収容体10bの内部に、一個目の骨壺14aが収容され、その上に、二個目の骨壺14bが収容されている。
【0027】
上述した墓体埋設用地の上側に芝草層40が配置され、この芝草層40によって、骨壺収容体10a、等の上端開口を密閉している密閉蓋11a、等が囲まれている構造にしてこの実施形態の骨壺納骨型墓地構造にすることができる。
【0028】
図6図示の実施形態では、密閉蓋11a、11b、11cの上に石碑13a、13b、13cが搭載されて、墓体60a、60b、60cが構成され、上述した墓体埋設用地の上側に配置されている芝草層40が石碑13a、13b、13cを囲んで形成されている構造になっている。
【0029】
図6には図示していないが、石碑13a、13b、13cが密閉蓋11a、11b、11cの上に搭載されていない構造の墓体60a、60b、60cにすることもできる。この場合は、上述したように、芝草層40によって、骨壺収容体10a、等の上端開口を密閉している密閉蓋11a、等が囲まれている構造にしてこの実施形態の骨壺納骨型墓地構造にすることができる。
【0030】
なお、石碑13a、13b、13cが密閉蓋11a、11b、11cの上に搭載されていない構造の墓体60a、60b、60cの場合、密閉蓋11a、11b、11cの上側面に、石碑様の造形・装飾・構造・模様を形成しておくことで、密閉蓋と石碑とを兼用した構造体にすることができる。
【0031】
なお、
図6図示の実施形態では、上述した墓体埋設用地の上側に黒土層41が形成され、その上に、芝草層40が形成されている。
【0032】
筒状体からなる骨壺収容体10a等の内径は、骨壺14a、14bを収容できる大きさに設定される。
【0033】
筒状体からなる骨壺収容体10a等における、骨壺14a、14bを収容する内部空間の上下方向の大きさは、例えば、収納する骨壺は一個でよいとする遺族や、複数個の骨壺を収納して慰霊したい、等の遺族の要望に応じて種々に設定することができる。
【0034】
ただし、筒状体からなる骨壺収容体10a等の上下方向の長さは、上述した墓体埋設用地に埋設されるのに適した長さに設定される。
【0035】
筒状体からなる骨壺収容体10a等は、50年以上、等の長期間にわたって、安定して、内部に収容している骨壺を保存できるものである必要がある。このような長期保存に要求される耐久性、耐候性、耐水性、等を備えた部材で骨壺収容体10a等を形成しておくことが望ましい。例えば、合成樹脂製やコンクリート構造製の密閉蓋11a、底面12a、骨壺収容体10aとすることができる
なお、図示の例では、筒状体からなる骨壺収容体10a等の形状として円筒状のものを図示しているが、四角形筒、五角形筒、六角形筒、等の多角形筒状体にすることもできる。
【0036】
また、密閉蓋11a、等の上に搭載する石碑13a、等の形状として図面では平面視四角形状のもので説明しているが、遺族の意向を踏まえて、円形状、楕円形状、多角形状、等、種々の形状、形態の石碑にすることができる。
【0037】
墓地を構成する土地が、壁構造体によって囲繞されているこの実施形態の骨壺納骨型墓地構造では、例えば、
図1図示のように、コンクリートブロック6を用いて、上述した墓地を構成する土地の基盤面30の上に、壁体2、3、4、5を形成し、これらの壁体2、3、4、5によって囲まれる土地をこの実施形態の骨壺納骨型墓地構造が形成される墓地を構成する土地にすることができる。
【0038】
図1図示のように壁体2、3、4、5からなる壁構造体1を構築した後、上述した底面12a、12b、12c、12d、12e、・・・、12g、・・・、12l、・・・によって底部が塞がれていて、上端開口が開閉可能な密閉蓋11a、11b、11c、・・・11g、・・・、11k、・・・11m、・・、11r、・・・で密封される骨壺収容体10a、・・・、10f、10g、・・・・、10l、・・10m、・・・・、10r、・・・を、所定の間隔をあけて、上述した墓地を構成する土地の基盤面30の上に千鳥状に配置する(
図2)。
【0039】
骨壺収容体10a、等の外径の大きさ、隣接する骨壺収容体10a、等同士の間の間隔にもよるが、例えば、
図7図示のように、本実施形態の骨壺納骨型墓地構造が形成された際に、
図7に円形で図示されている骨壺収容体が、5.4m×1.8m、約3坪の土地に、50個配置できる、すなわち、5.4m×1.8m、約3坪の面積の土地に、50区画、50家族用の墓地を提供する形態にすることができる。
【0040】
図2図示のように、墓地を構成する土地の基盤面30の上に、骨壺収容体10a、・・・、10f、10g、・・・・、10l、・・10m、・・・・、10r、・・・を、互いの間に所定の間隔をあけて千鳥状に配置した後、
図3図示のように、固定用の棒体24a、24b、25a、25b、26a、26b、22、23、27、28、29によって、骨壺収容体10a、・・・、10f、10g、・・・・、10l、・・10m、・・・・、10r、・・・を、基盤面30に固定することができる。
【0041】
図3図示の実施形態では、鉛直方向に延びる金属製の固定用の棒体24a、24b、25a、25b、26a、26bを、骨壺収容体10c、10d、10eの外周壁に沿わせつつ、上側面が基盤面30を形成している転圧仕上げの再生細粒石からなる層20あるいは、上側面が基盤面30を形成している転圧仕上げの再生細粒石からなる層20とその下層の転圧をかけたグリ石の層21に対して打ち込み、その後、棒体24a、24b、25a、25b、26a、26bの外周を、金属製の固定用の棒体27、28、29で緊締することにより、骨壺収容体10c、10d、10eを基盤面30に固定している。
【0042】
図3図示の実施形態では、
図2図示のように壁体3に沿って、壁体3に対して平行に、互いの間に所定の間隔をあけて配置されている骨壺収容体10c、10d、10eを、壁体3に対して平行に伸びる固定用の金属製の棒体22、23で挟み、
図3(a)に符号80で示されている棒体22と棒体24aとの交差箇所、棒体22と棒体25aとの交差箇所及び、棒体22と棒体26aとの交差箇所で、それぞれ、棒体22と棒体24aとを結束し、棒体22と棒体25aとを結束し、棒体22と棒体26aとを結束している。図示していないが、符号80で示されている位置に対して対向する位置関係になっている、棒体23と棒体24bとの交差箇所、棒体23と棒体25bとの交差箇所及び、棒体23と棒体26bとの交差箇所でも、それぞれ、棒体23と棒体24bとを結束し、棒体23と棒体25bとを結束し、棒体23と棒体26bとを結束している。
【0043】
この実施形態の骨壺納骨型墓地構造では、転圧をかけたグリ石の層21の上に、転圧仕上げの再生細粒石からなる層20が形成され、この層20の上側面によって形成されている墓地を構成する土地の基盤面30の上側が、透水性を有する複数の地層42a、42b、42c、42d、42eが積層されて形成されている墓体埋設用地になっている。
【0044】
これによって、降雨量が多くなっても、排水が間に合わないという事態は生じにくいものになっている。
【0045】
また、後述するように、基盤面30の上に集水用の遮水シート50が敷設され、周壁の内外を貫通する複数個の透水孔52a、52b、52c、52d、・・・を周壁に備えている排水用の排水管51が墓地を構成する土地の外側にまで伸びるように、遮水シート50の上に、敷設されている(
図5)。これによって、降雨量が多くなっても、排水が間に合わないという事態はより一層生じにくいものになっている。
【0046】
しかし、本願発明者の検討によれば、近年に頻発している集中豪雨では、排水が間に合わないときに、大量の雨水が原因で骨壺収容体10a、等が押し上げられてしまうことが起こりえる。このような事態が発生することを未然に防止する上で、上述したように、骨壺収容体10a、等が、固定用の棒体24a、等によって基盤面30に固定されている骨壺納骨型墓地構造にしておくことが望ましい。
【0047】
骨壺収容体10a、等が、固定用の棒体24a、等によって基盤面30に固定されている実施形態に関しては、図示し、上述した構造、構成以外の種々の構造、形態を採用することができる。
【0048】
図5は、壁体2、3、4、5からなる壁構造体で囲繞されている墓地において墓体埋設用地の底部に排水用の排水管51が敷設されている構造の一例を説明する一部を省略した斜視図である。
【0049】
図1図示のように、壁体2、3、4、5からなる壁構造体で囲繞した後、
図2図示のように、壁構造体で囲繞されている墓地に複数個の骨壺収容体10a、・・・、10f、10g、・・・、10lを、互いの間に所定の間隔をあけて千鳥状に設置するとともに、基盤面30の上に集水用の遮水シート50を敷設する。遮水シート50としては、例えば、合成樹脂製のシートを採用することができる。遮水シート50の上に、排水用の排水管51を、墓地を構成する土地の外側にまで伸びるように、遮水シート50の上に、敷設する。図示の実施形態では、壁体4を構成している壁体5側の最下段のコンクリートブロック6aに排出孔7が形成されており、排水用の排水管51は、この排出孔7介して墓地を構成する土地の外側にまで伸びる形態になっている。
【0050】
排水管51は、その周壁に、周壁の内外を貫通する複数個の透水孔52a、52b、52c、52d、・・・を備えている。
【0051】
雨天の際に、墓体埋設用地の透水性を有する複数の地層42a、42b、42c、42d、42eを透過してきたが雨水は、透水孔52a、52b、52c、52d、・・・を介して排水管51に入り、上述した排出孔7介して墓地を構成する土地の外側に流出していく。
【0052】
これによって、骨壺納骨型墓地構造を構成している墓体埋設用地が上述したように透水性を有する構造になっていることや、骨壺収容体10a、等が、固定用の棒体24a、等によって基盤面30に固定されていることと相まって、大量の雨水が原因で骨壺収容体10cが押し上げられてしまうような事態が発生することを未然に防止することが可能になる。
【0053】
図7は、本発明の一実施形態に係る骨壺納骨型墓地構造70の概要を表した一部を省略した平面図である。壁体2a、2b、3a、3b、4a、4b、3eで囲繞されている平面視で略矩形の土地の面積は、例えば、5.4m×1.8m、約3坪であって、ここに、図示のように、50個の墓体を配置できる、すなわち、5.4m×1.8m、約3坪の面積の土地に、50区画、50家族用の墓地を提供する形態にすることができる。壁体2a、2b、3a、3b、4a、4b、3eで囲繞されている平面視で略矩形の土地に種々の木々を植樹し、物故者を慰霊する骨壺納骨型樹木葬墓地として提供することができる。
【0054】
各墓体(各骨壺収容体)は、
図7図示のように隣接する墓体(骨壺収容体)との間に所定の間隔を空けて千鳥状に配置されることになるので、各家族、各遺族は、自分達の墓体に向かって丁寧に供養を行うことが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
この発明の骨壺納骨型墓地構造によれば、上述したように、骨壺を収容する骨壺収容体を、所定の面積の土地に、複数個配置できるようにすることで、複数の遺族がそれぞれ骨壺の状態で納骨を行えるようにした、物故者の供養を重視しつつ、土地所有者にとっては土地を効果的に活用することができる骨壺納骨型墓地構造を提供することができる。
【0056】
近年では、納骨するにあたり、骨壺の状態で納骨を行うことができず、焼成後の遺骨を骨壺から取り出して粉骨して納骨しなければならないというような事態が生じている。本発明の骨壺納骨型墓地構造によれば、物故者の遺骨が収容されている骨壺をそのままの状態で骨壺収容体に収容して納骨し、埋葬することができ、その後の長期にわたって供養をすることができる。そこで、物故者に敬意を払い、丁寧に物故者の供養を行いたいという遺族の願いをかなえることができる。
【0057】
また、上述したように、5.4m×1.8m、約3坪の土地に、50個の骨壺収容体を配置、埋葬できる。すなわち、5.4m×1.8m、約3坪の面積の土地に、50区画、50家族用の墓地を提供する形態にすることができ、寺院などにおける未利用、未使用の土地を、多くの家族への骨壺納骨型樹木葬墓地として効果的に提供することが可能になる。