(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】密閉容器用蓋の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/188 20210101AFI20231206BHJP
H01G 11/74 20130101ALI20231206BHJP
H01G 11/80 20130101ALI20231206BHJP
H01G 11/84 20130101ALI20231206BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20231206BHJP
H01M 50/176 20210101ALI20231206BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20231206BHJP
H01M 50/193 20210101ALI20231206BHJP
H01M 50/553 20210101ALI20231206BHJP
H01M 50/564 20210101ALI20231206BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20231206BHJP
H01M 50/591 20210101ALI20231206BHJP
【FI】
H01M50/188
H01G11/74
H01G11/80
H01G11/84
H01M50/15
H01M50/176
H01M50/184 A
H01M50/193
H01M50/553
H01M50/564
H01M50/588
H01M50/591
(21)【出願番号】P 2023527691
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(86)【国際出願番号】 JP2022041587
【審査請求日】2023-05-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】305011787
【氏名又は名称】睦月電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斎 聖一
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-250083(JP,A)
【文献】特開2014-044804(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0384576(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0000272(KR,A)
【文献】特開2010-097822(JP,A)
【文献】国際公開第2012/073331(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/183 - 198
H01M 50/147 - 171
H01M 50/172 - 181
H01M 50/553
H01M 50/564 - 567
H01G 11/84
H01G 11/80
H01G 11/74
H01M 50/584 - 597
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子装着孔を有する導電性の蓋体と、
前記端子装着孔に挿通された軸部と、前記軸部の外周面から突出する端子鍔部と、を有する導電性の端子と、
前記軸部が挿通される筒部と、前記筒部の外周面から突出し前記蓋体と前記端子鍔部との間に挟まれる絶縁鍔部と、を有する絶縁性の熱可塑性樹脂からなる絶縁部材と、
を備えた密閉容器用蓋を製造する、密閉容器用蓋の製造方法において、
前記軸部を前記筒部に挿通するとともに、前記絶縁鍔部を前記端子鍔部に重ねて配置する第1配置工程と、
前記端子鍔部に重ねた前記絶縁鍔部を加熱する第1加熱工程と、
前記絶縁鍔部を加熱した後、一対の加圧部が、前記端子鍔部と加熱された前記絶縁鍔部とを挟み込んで前記絶縁鍔部を前記端子鍔部に押し付けて接合する第1接合工程と、
前記筒部を前記端子装着孔に挿通するとともに、前記絶縁鍔部を前記蓋体に重ねて配置する第2配置工程と、
前記蓋体に重ねた前記絶縁鍔部を加熱する第2加熱工程と、
前記絶縁鍔部を加熱した後、前記一対の加圧部が、前記蓋体と加熱された前記絶縁鍔部とを挟み込んで前記絶縁鍔部を前記蓋体に押し付けて接合する第2接合工程と、を含
み、
前記第1加熱工程において前記絶縁鍔部が所定温度に達すると前記第1接合工程を開始し、
前記第2加熱工程において前記絶縁鍔部が所定温度に達すると前記第2接合工程を開始する
密閉容器用蓋の製造方法。
【請求項2】
前記第1加熱工程において前記端子鍔部を加熱することで前記絶縁鍔部を加熱し、
前記第2加熱工程において前記蓋体を加熱することで前記絶縁鍔部を加熱する、請求項1に記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【請求項3】
前記第1加熱工程において前記端子鍔部を誘導加熱することで前記絶縁鍔部を加熱し、
前記第2加熱工程において前記蓋体を誘導加熱することで前記絶縁鍔部を加熱する、請求項2に記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【請求項4】
前記第1接合工程において、一対の加圧部の間隔が所定長さになるように前記一対の加圧部を近接させて前記端子鍔部と前記絶縁鍔部とを前記一対の加圧部で挟み込み、その時の前記絶縁鍔部に作用する圧力を測定する、請求項1に記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【請求項5】
前記第2接合工程において、一対の加圧部の間隔が所定長さになるように前記一対の加圧部を近接させて前記蓋体と前記絶縁鍔部とを前記一対の加圧部で挟み込み、その時の前記絶縁鍔部に作用する圧力を測定する、請求項1に記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【請求項6】
前記軸部は軸方向一端に開口する中空部を備え、
前記第1接合工程において、前記一対の加圧部を近接させて、前記一対の加圧部の一方に設けられた突起を前記開口から前記中空部に挿入して、前記軸部を前記端子装着孔の内周面へ向けて押し付け、前記軸部と前記端子装着孔とで前記筒部を加圧する、請求項1に記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【請求項7】
前記突起は、先細形状をなしており、前記開口から前記中空部に挿入されると前記軸部を前記端子装着孔の内周面へ押し付ける請求項6に記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【請求項8】
前記中空部の内周面は、開口端に向かうほど口径が大きくなるテーパ状をなしており、前記突起は、前記開口から前記中空部に挿入されると、前記軸部を前記端子装着孔の内周面へ押し付ける請求項6に記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【請求項9】
前記筒部の先端が、前記蓋体の外側面と同一平面上にある、又は前記蓋体の外側面より外側へ突出している、請求項1に記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【請求項10】
端子装着孔を有する導電性の蓋体と、
前記端子装着孔に挿通された軸部と、前記軸部の外周面から突出する端子鍔部と、を有する導電性の端子と、
前記軸部が挿通される筒部と、前記筒部の外周面から突出し前記蓋体と前記端子鍔部との間に挟まれる絶縁鍔部と、を有する絶縁性の熱可塑性樹脂からなる絶縁部材と、
を備えた密閉容器用蓋を製造する、密閉容器用蓋の製造方法において、
前記軸部を前記筒部に挿通し、前記筒部を前記端子装着孔に挿通するとともに、前記蓋体と前記端子鍔部との間に前記絶縁鍔部を配置する配置工程と、
前記蓋体と前記端子鍔部との間に配置された前記絶縁鍔部を加熱する加熱工程と、
前記絶縁鍔部を加熱した後、一対の加圧部が、前記蓋体と加熱された前記絶縁鍔部と前記端子鍔部とを挟み込んで、前記蓋体と前記端子鍔部とを前記絶縁鍔部に接合し、前記蓋体に前記端子を固定する接合工程とを含
み、前記加熱工程において前記絶縁鍔部が所定温度に達すると前記接合工程を開始する
密閉容器用蓋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉容器用蓋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
密閉型電池やキャパシタ等の外郭を構成する密閉容器の蓋では、蓋体と蓋体を貫通する端子との間に絶縁部材を設け、シール性及び絶縁性を確保しつつ蓋体に端子を取り付ける必要がある。ケース内部に収容された電極体からケース外部へ端子を引き出す必要がある。
【0003】
特許文献1には、端子をかしめ固定することで蓋体と端子との間に絶縁部材を設けることが記載されている。特許文献2には、射出成形によって蓋体と端子との間に絶縁部材を設けることが記載されている。特許文献3には、蓋体と端子との間に絶縁部材を配置した状態で端子をかしめ固定した後、絶縁部材を加熱溶融して蓋体と端子との間に絶縁部材を設けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-105538号公報
【文献】特開2021-86813号公報
【文献】特開2009-104971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のようにかしめ固定によって絶縁部材を設ける場合、かしめ量にバラツキが生じやすく、絶縁部材が十分なシール性能を発揮しないおそれがある。
【0006】
特許文献2のように射出成形によって絶縁部材を設ける場合、絶縁部材の形状などによっては絶縁部材と蓋体や端子との接合強度が不足するおそれがある。また、射出成形では金型が必要となり、小ロット生産に対応することが困難である。
【0007】
特許文献3のように端子をかしめ固定した後、絶縁部材を加熱溶融する場合、かしめ固定によって絶縁部材が加圧された状態で加熱されるため、加熱途中で絶縁部材が変形してしまい絶縁距離を確保できないことがある。また、絶縁部材が加圧された状態で加熱されると、溶融した絶縁部材の樹脂が、蓋体と絶縁部材との界面や端子と絶縁部材との界面の外部へ押し出され、溶融した樹脂が該界面にほとんど存在しない状態で絶縁部材が蓋体及び端子に接合される。そのため、特許文献3の方法では所望のシール性能や接合強度を得ることが困難なことがある。
【0008】
ここでは、射出成形金型を用いることなく、シール性及び絶縁性を確保しつつ蓋体に端子を取り付けることができる密閉容器用蓋の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態によれば、下記[1]~[10]の態様が提供される。
【0010】
[1]端子装着孔を有する導電性の蓋体と、前記端子装着孔に挿通された軸部と、前記軸部の外周面から突出する端子鍔部と、を有する導電性の端子と、前記端子が挿通される筒部と、前記筒部の外周面から突出し前記蓋体と前記端子鍔部との間に挟まれる絶縁鍔部と、を有する絶縁性の熱可塑性樹脂からなる絶縁部材と、を備えた密閉容器用蓋を製造する、密閉容器用蓋の製造方法において、前記絶縁鍔部を前記端子鍔部に重ねて配置する第1配置工程と、前記端子鍔部に重ねた前記絶縁鍔部を加熱する第1加熱工程と、前記絶縁鍔部を加熱した後、一対の加圧部が、前記端子鍔部と加熱された前記絶縁鍔部とを挟み込んで前記絶縁鍔部を前記端子鍔部に押し付けて接合する第1接合工程と、前記絶縁鍔部を前記蓋体に重ねて配置する第2配置工程と、前記蓋体に重ねた前記絶縁鍔部を加熱する第2加熱工程と、前記絶縁鍔部を加熱した後、前記一対の加圧部が、前記蓋体と加熱された前記絶縁鍔部とを挟み込んで前記絶縁鍔部を前記蓋体に押し付けて接合する第2接合工程と、を含む、密閉容器用蓋の製造方法。
【0011】
[2]前記第1加熱工程において前記端子鍔部を加熱することで前記絶縁鍔部を加熱し、前記第2加熱工程において前記蓋体を加熱することで前記絶縁鍔部を加熱する、上記[1]に記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【0012】
[3]誘導加熱によって前記蓋体及び前記端子鍔部を加熱する、上記[2]に記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【0013】
[4]前記第1接合工程において、一対の加圧部の間隔が所定長さになるように前記一対の加圧部を近接させて前記端子鍔部と前記絶縁鍔部とを前記一対の加圧部で挟み込み、その時の前記絶縁鍔部に作用する圧力を測定する、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【0014】
[5]前記第2接合工程において、一対の加圧部の間隔が所定長さになるように前記一対の加圧部を近接させて前記蓋体と前記絶縁鍔部とを前記一対の加圧部で挟み込み、その時の前記絶縁鍔部に作用する圧力を測定する、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【0015】
[6]前記軸部は軸方向一端に開口する中空部を備え、前記第1接合工程において、前記一対の加圧部を近接させて、前記一対の加圧部の一方に設けられた突起を前記開口から前記中空部に挿入して、前記軸部を前記端子装着孔の内周面へ向けて押し付け、前記軸部と前記端子装着孔とで前記筒部を加圧する、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【0016】
[7]前記突起は、先細形状をなしており、前記開口から前記中空部に挿入されると前記軸部を前記端子装着孔の内周面へ押し付ける上記[6]に記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【0017】
[8]前記中空部の内周面は、開口端に向かうほど口径が大きくなるテーパ状をなしており、前記突起は、前記開口から前記中空部に挿入されると、前記軸部を前記端子装着孔の内周面へ押し付ける上記[6]に記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【0018】
[9]前記筒部の先端が、前記蓋体の外側面と同一平面上にある、又は前記蓋体の外側面より外側へ突出している、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の密閉容器用蓋の製造方法。
【0019】
[10]端子装着孔を有する導電性の蓋体と、前記端子装着孔に挿通された軸部と、前記軸部の外周面から突出する端子鍔部と、を有する導電性の端子と、前記端子が挿通される筒部と、前記筒部の外周面から突出し前記蓋体と前記端子鍔部との間に挟まれる絶縁鍔部と、を有する絶縁性の熱可塑性樹脂からなる絶縁部材と、を備えた密閉容器用蓋を製造する、密閉容器用蓋の製造方法において、前記蓋体と前記端子鍔部との間に前記絶縁鍔部を配置する配置工程と、前記蓋体と前記端子鍔部との間に配置された前記絶縁鍔部を加熱する加熱工程と、前記絶縁鍔部を加熱した後、一対の加圧部が、前記蓋体と加熱された前記絶縁鍔部と前記端子鍔部とを挟み込んで、前記蓋体と前記端子鍔部とを前記絶縁鍔部に接合し、前記蓋体に前記端子を固定する接合工程とを含む、密閉容器用蓋の製造方法。
【発明の効果】
【0020】
上記の密閉容器用蓋の製造方法によれば、絶縁鍔部が加熱された状態で蓋体と端子鍔部とで絶縁鍔部を加圧するため、シール性及び絶縁性を備えた密閉容器用蓋を効率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1実施形態において製造される密閉容器の一例を示す断面図
【
図6A】第1実施形態における表面処理工程を模式的に示す図
【
図6B】第1実施形態における第1配置工程を模式的に示す図
【
図6C】第1実施形態における第1加熱工程を行う接合装置の模式図
【
図6D】第1実施形態における第1接合工程を行う接合装置の模式図
【
図6E】第1実施形態における第2配置工程を模式的に示す図
【
図6F】第1実施形態における第2加熱工程を行う接合装置の模式図
【
図6G】第1実施形態における第2接合工程を行う接合装置の模式図
【
図7A】第1実施形態の変更例の接合装置を示す模式図
【
図7B】第1実施形態の他の変更例の接合装置を示す模式図
【
図8】第2実施形態において製造される密閉容器用蓋の一例を示す断面図
【
図9A】第2実施形態における表面処理工程を模式的に示す図
【
図9B】第2実施形態における第1配置工程を模式的に示す図
【
図9C】第2実施形態における第1加熱工程を行う接合装置の模式図
【
図9D】第2実施形態における第1接合工程を行う接合装置の模式図
【
図9E】第2実施形態における第2配置工程を模式的に示す図
【
図9F】第2実施形態における第2加熱工程を行う接合装置の模式図
【
図9G】第2実施形態における第2接合工程を行う接合装置の模式図
【
図11A】第3実施形態における配置工程を模式的に示す図
【
図11B】第3実施形態における加熱工程を行う接合装置の模式図
【
図11C】第3実施形態における接合工程を行う接合装置の模式図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図面では、説明のために部材の大きさなどが誇張されて書かれている場合がある。本発明は下記実施形態に限定されない。下記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
(第1実施形態)
以下、図面に基づいて本発明の第1実施形態について説明する。
【0023】
(1)密閉容器用蓋19の構成
まず、本実施形態の製造方法によって製造される密閉容器用蓋19の一例について説明する。密閉容器用蓋19は、ケース本体11とともに密閉型電池や電気二重層キャパシタ等に用いられる密閉容器10を構成する。
【0024】
図1に示すように、密閉容器用蓋19は、蓋体15と、蓋体15を貫通する端子30と、蓋体15と端子30との間に設けられた絶縁部材40とを備える。密閉容器用蓋19は、絶縁部材40によってシール性及び絶縁性を確保しつつ、端子30が蓋体15に取り付けられている。密閉容器用蓋19は、ケース本体11に設けられた開口部12を閉塞する。
【0025】
蓋体15は、ケース本体11の開口部12に装着されるプレート状の部材である。蓋体15はケース本体11の開口部12の周縁に溶接されている。蓋体15は、例えば、アルミニウム、銅、アルミニウム合金または銅合金などの導電性を有する金属によって形成されている。蓋体15は、密閉容器10の内部側を向いた内側面15Aと外部側を向いた外側面15Bとを有している。
【0026】
また、蓋体15は、内側面15Aと外側面15Bとを貫通する端子装着孔18を有している。端子装着孔18は、蓋体15に2つ設けられている。端子装着孔18によって密閉容器10の内部と外部とは連通している。
【0027】
図2に示すように、蓋体15の内側面15Aには、端子装着孔18を取り囲むように表面処理を施した処理部16が設けられている。処理部16に適用する表面処理としては、例えば、粗面化処理や、シランカップリング処理や、熱融着テープの貼付処理等が挙げられる。粗面化処理としては、サンドブラスト処理、液体ホーニング処理、レーザ加工処理等の物理的処理や、陽極酸化処理、塩基または酸を含む処理液への浸漬やエッチング処理等の化学的処理により、表面が粗面化されればよいが、物理的処理により表面が粗面化されていることが好ましく、レーザ加工処理によって表面が粗面化されていることがより好ましい。なお、蓋体15の内側面15Aだけでなく端子装着孔18の内周面にも処理部16を設けてもよい。
【0028】
密閉容器用蓋19は、端子装着孔18に挿入された端子30と蓋体15との間に絶縁部材40を配置した状態で、蓋体15と端子30と絶縁部材40を一体に組み付けた部品である。
【0029】
端子30は、一部が密閉容器10の内部に配置され、他の一部が密閉容器10の内部から端子装着孔18を通って密閉容器10の外部に配置されている。なお、端子30は、例えば、アルミニウム、銅、アルミニウム合金または銅合金等の導電性を有する金属で形成されている。
図2に示すように、端子30は、軸部31と、端子鍔部32と、外部接続部33とを備えている。
【0030】
軸部31は、絶縁部材40を配置する間隔をあけて端子装着孔18に挿通されている。軸部31は、一端部が密閉容器10の内部に配置され、他端部が密閉容器10の外部に配置されている。軸部31の一端部(密閉容器10の内部側の端部)には端子鍔部32が設けられている。本実施形態では、軸部31には、軸方向一端(密閉容器10の内部側)に開口する中空部36が設けられている。
【0031】
端子鍔部32は軸部31の外周面から突出している。端子鍔部32は端子装着孔18の周縁部において蓋体15の内側面15Aと間隔をあけて対向している。端子鍔部32は、蓋体15の内側面15Aと対向する面に、軸部31を取り囲むように表面処理を施した処理部35が設けられている。端子鍔部32に適用する表面処理としては、例えば、粗面化処理や、シランカップリング処理や、熱融着テープの貼付処理等が挙げられる。粗面化処理としては、サンドブラスト処理、液体ホーニング処理、レーザ加工処理等の物理的処理や、陽極酸化処理、塩基または酸を含む処理液への浸漬やエッチング処理等の化学的処理により、表面が粗面化されればよいが、物理的処理により表面が粗面化されていることが好ましく、レーザ加工処理によって表面が粗面化されていることがより好ましい。なお、端子鍔部32だけでなく軸部31の外周面にも処理部35を設けてもよい。
【0032】
外部接続部33は、端子装着孔18に挿通可能な大きさに設けられ、蓋体15の外側面15Bより密閉容器10の外側へ突出するように配置されている。
【0033】
絶縁部材40は筒部41と絶縁鍔部42とを備えている。筒部41は端子装着孔18に挿通されている。筒部41の一端部は密閉容器10の内部に配置されている。筒部41の他端部は、蓋体15に設けられた端子装着孔18の外側面17側の縁部18aを覆うように、蓋体15の外側面15Bと同一平面上にある、又は、蓋体15の外側面15Bより外側へ突出していることが好ましい(
図2参照)。絶縁鍔部42は、密閉容器10の内部において筒部41の外周面から突出している。
【0034】
筒部41の中空部分は密閉容器10の内部側及び外部側に開口している。筒部41の中空部分には端子30の軸部31が挿入されている。つまり、筒部41は、端子装着孔18において蓋体15と端子30の軸部31との間に挟まれている。
【0035】
絶縁鍔部42は、端子装着孔18の周縁部において蓋体15の内側面15Aと端子30の端子鍔部32との間に挟まれている。
【0036】
絶縁部材40は、このように蓋体15と端子30との間に設けられることで、蓋体15と端子30とを絶縁した状態で蓋体15と端子30との間を封止する。また、絶縁部材40は蓋体15に対して端子30を固定する。
【0037】
なお、絶縁鍔部42は、蓋体15の内側面15Aに設けられた処理部16と接触し、端子30の端子鍔部32に設けられた処理部35と接触することが好ましい。絶縁鍔部42が表面処理を施した処理部16、35において蓋体15及び端子30と接触することで、密閉容器10の内部と外部との間で液体や気体の出入りがないように、蓋体15や端子30に対して絶縁鍔部42を強固に接合することができる。
【0038】
絶縁部材40は、例えば、PFA(パーフルオロアルコキシエチレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)など絶縁性を有する熱可塑性樹脂製により形成されている。なお、絶縁部材40は、成形性、絶縁性、シール性、および密閉容器10に収容する収容物に対する耐性を備えた材料であればよく、PFAやPPSやPBTやPPには限定されない。また、絶縁部材40には、上記のような熱可塑性樹脂の他に必要に応じてフィラーが添加されてもよい。
【0039】
(2)密閉容器用蓋19の製造方法
次に、密閉容器用蓋19の製造方法を説明する。密閉容器用蓋19の製造方法は、準備工程と蓋組み立て工程とを備えており、これらの工程を経て密閉容器用蓋19を製造する。準備工程では、密閉容器用蓋19に用いられる各部材を準備する。蓋組み立て工程では、蓋体15と端子30と絶縁部材40とを一体化して密閉容器用蓋19を作製する。
【0040】
なお、製造された密閉容器用蓋19は、内部に収容物を収容したケース本体11の開口部12を閉塞するように配置される。そして、ケース本体11の開口部12の周縁部と密閉容器用蓋19の蓋体15の外周縁部とにレーザを照射することによって、ケース本体11と密閉容器用蓋19とを溶接して密閉容器10が製造される。
【0041】
なお、本実施形態の密閉容器用蓋19の製造方法は、蓋組み立て工程に特徴があり、その他の工程(準備工程)については、公知の製造方法を適用することができる。
【0042】
(3)接合装置50
まず、本実施形態の蓋組み立て工程において使用する接合装置50について、主に、
図3、
図4、
図6B~
図6Gを参照して説明する。
【0043】
接合装置50は、ステージ51と、加熱装置52、62と、プレス装置53と、制御装置54とを備えている。
【0044】
ステージ51には、積層体L1,L2が載置される。積層体L1は、絶縁部材40の筒部41に軸部31を挿通し、端子30の端子鍔部32と絶縁部材40の絶縁鍔部42を重ね合わせたものである。積層体L2は、蓋体15の端子装着孔18に筒部41と軸部31とを挿通し、蓋体15の内側面15Aと端子30の端子鍔部32との間に絶縁部材40の絶縁鍔部42が位置するように、上から順に蓋体15、絶縁部材40及び端子30を重ね合わせたものである。
【0045】
加熱装置52、62は、電源装置に接続された誘導加熱コイルを備え、電源装置から駆動電源が入力されると誘導加熱コイルから磁界を発生させてステージ51に載置された積層体L1、L2の蓋体15や端子30を誘導加熱する。本実施形態では、一方の加熱装置52は、端子30の端子鍔部32と間隔をあけて対向する位置に設けられ、主として端子鍔部32を誘導加熱する。他方の加熱装置62は、蓋体15の外側面15Bと間隔をあけて対向する位置に設けられ、主として蓋体15を誘導加熱する。
【0046】
加熱装置52は移動装置60に接続され、加熱装置62は移動装置63に接続され、(
図4参照)、別々に移動可能に設けられている。加熱装置52は、
図6B及び
図6Eに示すようにステージ51から離れた位置と、
図6Cに示すようにステージ51の一方側(本実施形態では下側)に近接する位置との間を移動する。加熱装置62は、
図6B及び
図6Eに示すようにステージ51から離れた位置と、
図6Fに示すようなステージ51の他方側(本実施形態では上側)に近接する位置との間を移動する。
【0047】
プレス装置53は、一対の加圧部55、56と、駆動部57、57と、距離センサ58と、圧力センサ59とを備える。
【0048】
一対の加圧部55,56はセラミックス等の絶縁体で形成されたロッド状の部材である。一対の加圧部55,56は加熱装置52、62が有する誘導加熱コイルの中空部分に挿入されている。一対の加圧部55,56はステージ51に載置された積層体L1、L2を挟持する。
【0049】
具体的には、一方の加圧部55は蓋体15と対向して配置されている。一方の加圧部55には端子装着孔18と対向する位置に凹部55aが設けられている。一方の加圧部55は、蓋体15の外側面15Bに近づくと、絶縁部材40の筒部41及び端子30の外部接続部33が凹部55aに入り込む。これにより、一方の加圧部55は、端子装着孔18の周縁部において蓋体15の外側面15Bに当接し、蓋体15を絶縁部材40の絶縁鍔部42へ押さえ付ける。
【0050】
他方の加圧部56は、端子30の端子鍔部32と対向して配置されている。他方の加圧部56には、軸部31の中空部36と対向する位置に突起56aが設けられている。他方の加圧部56は、端子30の端子鍔部32に近づくと、突起56aが軸部31の中空部36の開口から挿入され中空部36に入り込む。これにより、他方の加圧部56は、軸部31の周縁部において端子鍔部32に当接し、端子鍔部32を絶縁部材40の絶縁鍔部42へ押さえ付ける。
【0051】
駆動部57、57は、電空レギュレータにより制御された空圧式シリンダや、スプリング式加圧器などを備える。駆動部57,57は、制御装置54からの指令を受けて移動速度や位置が制御される。駆動部57、57は、
図6Cに示すようにステージ51に載置された積層体L1、L2から離れた位置にある一対の加圧部55,56を同期させて積層体L1、L2に近接移動させ、
図6D及び
図6Gに示すように一対の加圧部55,56を積層体L1、L2に当接させて絶縁鍔部42を加圧する。また、駆動部57、57は、積層体L1、L2に当接した一対の加圧部55,56を同期させて離隔移動させて絶縁鍔部42の加圧を解除する。
【0052】
距離センサ58は、一対の加圧部55,56の間隔、つまり、一方の加圧部55において蓋体15の外側面15Bに当接する面と、他方の加圧部56において端子30の端子鍔部32に当接する面との間隔を検出する。
【0053】
圧力センサ59は、一対の加圧部55,56が積層体L1、L2に当接して絶縁鍔部42を加圧したときに絶縁鍔部42に作用する圧力を検出する。
【0054】
制御装置54は、コンピュータを備え、
図4に示すように、加熱装置52、62、プレス装置53及び移動装置60、63に接続されている。制御装置54は、距離センサ58及び圧力センサ59の検出結果や予め定められたプログラムに従って、加熱装置52、62とプレス装置53の動作を制御することで、ステージ51に載置された積層体L1、L2を一体化する。
【0055】
(4)蓋組み立て工程
次に、蓋組み立て工程について、主に、
図5及び
図6A~
図6Gを参照して説明する。
【0056】
蓋組み立て工程は、
図5に示すように、表面処理工程S1、第1配置工程S2、第1加熱工程S3、第1接合工程S4、第2配置工程S5、第2加熱工程S6、第2接合工程S7、及び取り出し工程S8を含んでいる。
【0057】
表面処理工程S1では、
図6Aに示すように、蓋体15の内側面15Aにおける端子装着孔18の周縁部に表面処理を施した処理部16を形成する。また、端子鍔部32において蓋体15と対向する面に表面処理を施した処理部35を形成する。ここでは、蓋体15や端子鍔部32にレーザ光を照射することで表面を粗面化した処理部16、35を形成したが、粗面化処理や、シランカップリング処理や、熱融着テープの貼付処理等、上記した種々の処理によって処理部16,35を形成してもよい。なお、表面処理工程S1において、端子装着孔18の内周面に処理部16を形成したり、軸部31の外周面に処理部35を形成したりしてもよい。
【0058】
第1配置工程S2では、端子鍔部32に設けられた処理部35が絶縁鍔部42と接触するように、端子30の軸部31を筒部41の中空部分に挿入する。これにより、端子鍔部32に絶縁鍔部42を重ねた積層体L1を形成する。そして、
図6Bのように加熱装置52、62やプレス装置53の加圧部55,56をステージ51から離れた位置に配置し、積層体L1を接合装置50のステージ51に載置する(
図6B参照)。
【0059】
なお、本実施形態では、予め端子30と絶縁部材40とを重ね合わせて積層体L1を形成してからステージ51に載置したが、ステージ51に端子30を載置し、次いで、絶縁部材40を端子30に重ねて配置することでステージ51に積層体L1を載置してもよい。
【0060】
積層体L1がステージ51に載置され第1配置工程S2が完了すると、第1加熱工程S3を開始する。第1加熱工程S3では、まず、ステージ51に載置された積層体L1から離れた位置にある加熱装置52を、
図6Cに示すように、積層体L1の近傍へ移動させる。
【0061】
その後、加熱装置52に駆動電源を供給して、加熱装置52に設けられた誘導加熱コイルから磁界を発生させて金属製の端子30の端子鍔部32を加熱する。これにより、端子30に重ねられた絶縁鍔部42は、端子鍔部32からの熱を受けて加熱される。その際、絶縁鍔部42が所定温度T1になるように、加熱装置52に供給する駆動電源や加熱装置52に設けられた誘導加熱コイルの位置等を調整する。
【0062】
ここで、所定温度T1は、絶縁部材40を構成する熱可塑性樹脂の1.8MPaの荷重を加えたときの荷重たわみ温度Tf以上であることが好ましく、絶縁部材40を構成する熱可塑性樹脂の融点Tmより10%高い温度よりも低い温度であることが好ましい。
【0063】
なお、本明細書において、熱可塑性樹脂の融点Tmは、JIS K7121に準じて、示差走査熱量測定器を用いて、昇温速度毎分10℃で測定した値である。代表的な熱可塑性樹脂の融点を挙げると、PPは168℃、ナイロン66は265℃、PBTは232~267℃、PPSは280℃、PFAは300~310℃である。
【0064】
また、熱可塑性樹脂の荷重たわみ温度Tfは、JIS K7191に準じた方法で測定した1.8MPaの荷重を加えたときの荷重たわみ温度である。代表的な熱可塑性樹脂の1.8MPaの荷重を加えたときの荷重たわみ温度Tfを挙げると、PPは57~65℃、ナイロン66は66~68℃、PBTは58℃、PPSは105℃、PFAは50℃である。
【0065】
そして、絶縁鍔部42が所定温度T1に達すると、第1接合工程S4を開始する。第1接合工程S4では、プレス装置53が、
図6Cに示すようにステージ51に載置された積層体L1から離れた位置にある一対の加圧部55,56を積層体L1に近接移動させる。具体的には、距離センサ58によって検出される一対の加圧部55,56の間隔が所定の長さD1となるように、制御装置54は駆動部57を制御して一対の加圧部55,56を接近させる。なお、上記した所定の長さD1は、端子鍔部32と絶縁鍔部42の厚みの合計より所定量小さい長さに設定されている。
【0066】
図6Dに示すように、一対の加圧部55,56は、加熱された絶縁鍔部42と端子鍔部32とを挟み込んで絶縁鍔部42を端子鍔部32に押し付ける。これにより、端子30が絶縁部材40に接合固定される。
【0067】
なお、第1接合工程S4の実行中、加熱装置52に駆動電源を供給してもよく、また、加熱装置52に駆動電源の供給を遮断してもよい。
【0068】
また、制御装置54は、一対の加圧部55,56の間隔が所定の長さD1のときに絶縁鍔部42に作用する圧力を圧力センサ59により検出し、検出した圧力が所定の範囲内にあれば、第1接合工程S4が正常に行われたと判断し、検出した圧力が所定の範囲外にあれば、第1接合工程S4に異常があったと判断してもよい。
【0069】
つまり、圧力センサ59の検出値が所定の範囲内にある場合、絶縁鍔部42が所定形状を保ちつつ、適切な圧力を与えて絶縁鍔部42を端子鍔部32に接合したとして、制御装置54は第1接合工程S4が正常に行われたと判断する。
【0070】
一方、圧力センサ59の検出値が所定の範囲外にある場合、制御装置54は第1接合工程S4が正常に行われなかったと判断する。
【0071】
具体的には、圧力センサ59の検出値が所定の範囲より小さい場合、絶縁部材40が所望の厚みより薄く、絶縁距離が確保できないと制御装置54は判断する。また、圧力センサ59の検出値が所定の範囲より大きい場合、加熱された絶縁鍔部42に所定以上の大きな圧力が作用したため、絶縁部材40が不所望に変形したと制御装置54は判断する。
【0072】
なお、制御装置54は、第1接合工程S4が正常に行われなかったと判断すると、以後の工程を行わず、蓋組み立て工程を終了する。
【0073】
制御装置54は、第1接合工程S4が正常に行われたと判断すると、
図6Eに示すように、加熱装置52、62やプレス装置53の加圧部55,56をステージ51から離れた位置に配置する。そして、ステージ51上に載置された積層体L1の筒部41を蓋体15の端子装着孔18に挿入する。これにより、蓋体15と端子30との間に絶縁部材40を配置した積層体L2をステージ51上に配置する第2配置工程S5を行う。
【0074】
なお、第2配置工程S5において、端子30が接合された絶縁部材40をステージ51から取り出し、蓋体15の端子装着孔18に絶縁部材40の筒部41を挿入して積層体L2を形成してからステージ51に載置してもよい。
【0075】
蓋体15と端子30との間に絶縁部材40を配置した積層体L2がステージ51に載置されると、第2加熱工程S6を開始する。
【0076】
第2加熱工程S6では、移動装置63が、ステージ51に載置された積層体L2から離れた位置にある加熱装置62を、
図6Fに示すように、積層体L2が有する蓋体15の近傍へ移動させる。
【0077】
その後、加熱装置62に駆動電源を供給して、加熱装置62に設けられた誘導加熱コイルから磁界を発生させて金属製の蓋体15を加熱する。これにより、蓋体15に重ねられた絶縁鍔部42は、蓋体15からの熱を受けて加熱される。その際、絶縁鍔部42が所定温度T1になるように、加熱装置62に供給する駆動電源や加熱装置52に設けられた誘導加熱コイルの位置等を調整する。
【0078】
そして、絶縁鍔部42が所定温度T1に達すると、第2接合工程S7を開始する。第2接合工程S7では、プレス装置53が、
図6Fに示すようにステージ51に載置された積層体L2から離れた位置にある一対の加圧部55,56を積層体L2に近接移動させる。
【0079】
具体的には、距離センサ58によって検出される一対の加圧部55,56の間隔が所定の長さD2となるように、制御装置54は駆動部57を制御して一対の加圧部55,56を接近させる。なお、上記した所定の長さD2は、蓋体15と端子鍔部32と絶縁鍔部42の厚みの合計(密閉容器用蓋19の厚み)より所定量小さい長さに設定されている。
【0080】
図6Gに示すように、一対の加圧部55,56は、加熱された絶縁鍔部42と蓋体15の処理部16とを挟み込んで絶縁鍔部42を蓋体15に押し付ける。これにより、蓋体15が絶縁部材40の絶縁鍔部42に接合固定され、蓋体15と端子30と絶縁部材40とが一体化された密閉容器用蓋19が形成される。
【0081】
なお、第2接合工程S7の実行中、加熱装置62に駆動電源を供給してもよく、また、加熱装置62に駆動電源の供給を遮断してもよい。
【0082】
また、制御装置54は、一対の加圧部55,56の間隔が所定の長さD2のときに絶縁鍔部42に作用する圧力を圧力センサ59により検出し、検出した圧力が所定の範囲内にあれば、接合工程が正常に行われたと判断し、検出した圧力が所定の範囲外にあれば、接合工程に異常があったと判断してもよい。
【0083】
つまり、圧力センサ59の検出値が所定の範囲内にある場合、絶縁鍔部42が所定形状を保ちつつ、適切な圧力を与えて絶縁鍔部42を端子鍔部32に接合したとして、制御装置54は第1接合工程S4が正常に行われたと判断する。一方、圧力センサ59の検出値が所定の範囲より小さい場合、絶縁部材40が所望の厚みより薄く、絶縁距離が確保できないと制御装置54は判断し、圧力センサ59の検出値が所定の範囲より大きい場合、加熱された絶縁鍔部42に所定以上の大きな圧力が作用したため、絶縁部材40が不所望に変形したと制御装置54は判断する。
【0084】
そして、第2接合工程S7が完了すると取り出し工程S8を行う。取り出し工程S8では、蓋体15と端子30と絶縁部材40とが一体化された密閉容器用蓋19から加熱装置52及び一対の加圧部55,56を離隔させた後、ステージ51から密閉容器用蓋19を取り出す。
【0085】
なお、取り出し工程S8では、一体化された密閉容器用蓋19が形成された直後に、一対の加圧部55,56を密閉容器用蓋19から離隔させてもよい。また、一体化された密閉容器用蓋19が、絶縁部材40を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg以下に冷却されるまで一対の加圧部55,56によって密閉容器用蓋19を加圧し続け、密閉容器用蓋19が当該ガラス転移温度Tg以下となってから一対の加圧部55,56を密閉容器用蓋19から離隔させてもよい。
【0086】
(5)効果
本実施形態では、加熱された絶縁鍔部42を蓋体15や端子鍔部32に押し付けて接合するため、絶縁部材40を蓋体15及び端子30に密着させることができ、高いシール性を得ることができる。
【0087】
また、本実施形態では、絶縁鍔部42を所定温度T1に加熱した後、蓋体15や端子鍔部32で絶縁鍔部42を加圧するため、加熱工程によって溶融あるいは軟化した絶縁鍔部42の表面部分の樹脂が、絶縁鍔部42と蓋体15との界面や、絶縁鍔部42と端子鍔部32との界面から押し出されにくい。そのため、該界面に溶融あるいは軟化した樹脂を配置して、絶縁鍔部42と蓋体15や、絶縁鍔部42と端子鍔部32を接合することができ、高いシール性能及び接合強度が得られる。
【0088】
本実施形態では、絶縁鍔部42を所定温度T1に加熱した後、蓋体15や端子鍔部32で絶縁鍔部42を加圧するため、絶縁鍔部42の変形を抑えることができ、蓋体15と端子鍔部32との絶縁距離を確保することができる。
【0089】
また、射出成形によって蓋体と端子との間に絶縁部材を設けるためには射出成形用の金型が必要となるが、本実施形態ではそのような金型が不要であり、小ロット生産に対応することが容易である。
【0090】
また、射出成形によって蓋体と端子との間に絶縁部材を設ける場合、射出成形用の金型が開閉を繰り返すと、金型同士の摩擦によって生じる金属粉が射出成形樹脂に混入し、絶縁部材の絶縁抵抗が劣化するおそれがあるが、本実施形態では、金型から発生する金属粉が絶縁部材40に混入することがなく、絶縁抵抗の劣化のおそれがない。
【0091】
本実施形態では、第1接合工程S4や第2接合工程S7において、一対の加圧部55,56がステージ51に載置された積層体L1や積層体L2を挟持する際に、加圧部56に設けられた突起56aが端子30の軸部31に設けられた中空部36に挿入され、一対の加圧部55,56に対して積層体L1を位置決めすることができる。そのため、積層体L1、L2の所望の位置を加圧部55,56によって加圧することができ、より確実に蓋体15及び端子30に絶縁部材40を密着させることができる。
【0092】
本実施形態では、第1加熱工程S3及び第2加熱工程S6において、誘導加熱によって蓋体15や端子30を加熱し、蓋体15及び端子鍔部32からの熱伝導や輻射によって絶縁鍔部42を加熱する。そのため、絶縁部材40における蓋体15や端子鍔部32との界面の所望位置を局所的に加熱することができ、絶縁部材40の過度の変形を抑えつつ、蓋体15及び端子30に絶縁部材40を密着させることができる。
【0093】
本実施形態では、絶縁部材40の筒部41端部が、蓋体15の外側面15Bと同一平面上にある、又は、蓋体15の外側面15Bより外側へ突出しているため、端子装着孔18の外側面17側の縁部18aが露出することがない。
【0094】
本実施形態では、第1接合工程S4及び第2接合工程S7において、一対の加圧部55,56の間隔が所定の長さD1、D2のときに絶縁鍔部42に作用する圧力を検出するため、絶縁部材40が蓋体15及び端子30に対して正常に接合されたか否か簡便に判別することができる。
【0095】
本実施形態では、絶縁鍔部42が、蓋体15の内側面15Aに設けられた処理部16と接触し、端子30の端子鍔部32に設けられた処理部35と接触するため、蓋体15や端子30に対して絶縁鍔部42を強固に接合することができ、気密性及び液密性を高めることができる。特に、本実施形態のようにレーザ加工処理によって処理部16,35を形成する場合、更に気密性及び液密性を高めることができる。
【0096】
(6)変更例
上記の実施形態の変更例を説明する。上記の実施形態に対して、以下に説明する複数の変更例のうちいずれか1つを適用しても良いし、以下に説明する変更例のうちいずれか2つ以上を組み合わせて適用しても良い。また、以下の変更例の他にも様々な変更が可能である。
【0097】
(6-1)変更例1
プレス装置53の他方の加圧部56に設けられた突起56aを
図7Aに示すように先細形状に設け、突起56aが端子30の軸部31の中空部36に深く挿入されるほど、突起56aの外周面56a1が軸部31を蓋体15の端子装着孔18の内周面へ向けて押し付け、軸部31と端子装着孔18とで絶縁部材40の筒部41を加圧してもよい。
【0098】
また、
図7Bに示すように軸部31の中空部36を開口端に向かうほど口径が大きくなるテーパ形状に設け、突起56aが軸部31の中空部36に深く挿入されるほど、突起56aの外周面56a1が軸部31を蓋体15の端子装着孔18の内周面へ向けて押し付け、軸部31と端子装着孔18とで絶縁部材40の筒部41を加圧してもよい。
【0099】
図7Aに示すように突起56aを先細形状に設けたり、
図7Bに示すように軸部31の中空部36を開口端に向かうほど口径が大きくなるテーパ形状に設けたりすることで、第1接合工程S4や第2接合工程S7において、突起56aが軸部31の中空部36に挿入されると、突起56aが軸部31を絶縁部材40の筒部41に押し付ける。そのため、蓋体15の内側面15Aと端子鍔部32との間が絶縁鍔部42によって接合されるだけでなく、端子装着孔18の内周面と端子30の軸部31との間も絶縁部材40の筒部41によって接合され、より高いシール性能が得られる。
【0100】
(6-2)変更例2
上記した実施形態では、第1加熱工程S3及び第1接合工程S4を実行した後、第2加熱工程S6及び第2接合工程S7を実行して密閉容器用蓋19を製造したが、第2加熱工程S6及び第2接合工程S7を実行した後、第1加熱工程S3及び第1接合工程S4を実行して密閉容器用蓋19を製造してもよい。つまり、蓋体15を加熱して絶縁鍔部42に蓋体15を接合した後、端子鍔部32を加熱して絶縁鍔部42に端子鍔部32を接合して密閉容器用蓋19を製造してもよい。
【0101】
(6-3)変更例3
上記した本実施形態では、第1加熱工程S3において、積層体L1の端子鍔部32側に近接配置した一方の加熱装置52によって端子鍔部32を誘導加熱したが、積層体L1の絶縁鍔部42側に近接配置した他方の加熱装置62によって端子鍔部32を誘導加熱したり、積層体L1の両側に近接配置した加熱装置52,62によって端子鍔部32を誘導加熱してもよい。
【0102】
また、第2加熱工程S6において、積層体L1の蓋体15側に近接配置した一方の加熱装置62によって蓋体15を誘導加熱したが、積層体L2の端子鍔部32側に近接配置した他方の加熱装置52によって端子鍔部32を誘導加熱したり、積層体L2の両側に近接配置した加熱装置52,62によって蓋体15を誘導加熱してもよい。
【0103】
(6-4)変更例4
上記の実施形態では、蓋体15の内側面15Aに絶縁部材40の絶縁鍔部42を介して端子30の端子鍔部32を設けた密閉容器用蓋19の製造方法について説明したが、
図8に示すように、蓋体115の外側面115Bに絶縁部材140の絶縁鍔部142を介して端子130の端子鍔部132を設けた密閉容器用蓋119においても上記した第1実施形態と同様の方法を適用することができる。
【0104】
具体的には、表面処理工程S1では、
図9Aに示すように、蓋体115の外側面115Bにおける端子装着孔118の周縁部にレーザ光を照射して処理部116を形成する。また、端子130の端子鍔部132において蓋体115と対向する面にレーザ光を照射して処理部135を形成する。なお、表面処理工程S1において、端子装着孔118の内周面に処理部116を形成したり、端子130の軸部131の外周面に処理部135を形成したりしてもよい。
【0105】
第1配置工程S2では、端子鍔部132に設けられた処理部135が絶縁鍔部142と接触するように、端子130の軸部131を筒部141の中空部分に挿入する。これにより、端子鍔部132に絶縁鍔部142を重ねた積層体L11を形成する。そして、
図9Bに示すように、積層体L11を接合装置150のステージ151に載置する。
【0106】
積層体L11がステージ151に載置され第1配置工程S2が完了すると、第1加熱工程S3を開始する。第1加熱工程S3では、制御装置54が、ステージ51に載置された積層体L11から離れた位置にある加熱装置152を、
図9Cに示すように、積層体L11の近傍へ移動させる。
【0107】
その後、制御装置54は、加熱装置52に駆動電源を供給して、加熱装置152に設けられた誘導加熱コイルから磁界を発生させて金属製の端子130の端子鍔部132を加熱する。これにより、端子30に重ねられた絶縁鍔部42を端子鍔部32の熱によって加熱する。
【0108】
そして、絶縁鍔部142が所定温度T1に達すると第1接合工程S4を行う。制御装置54は、距離センサ58によって検出される一対の加圧部155,156の間隔が所定の長さとなるように、一対の加圧部155,156を接近させる。これにより、
図9Dに示すように、一対の加圧部155,156によって積層体L11が挟持され、端子鍔部132の処理部135を設けた箇所に絶縁鍔部142が押し付けられ、端子130が絶縁部材140に接合固定される。また、制御装置54は、一対の加圧部55,56の間隔が所定の長さのときに絶縁鍔部42に作用する圧力を圧力センサ59により検出する。
【0109】
そして、制御装置54は、第1接合工程S4において圧力センサ59が検出した絶縁鍔部42に作用する圧力が所定の範囲内にあり、第1接合工程S4が正常に行われたと判断すると第2配置工程S5を行う。第2配置工程S5では、加熱装置52、62やプレス装置53の加圧部55,56をステージ51から離れた位置に配置し、その後、
図9Eに示すように、積層体L11の筒部141を蓋体115の端子装着孔118に挿入した積層体L12をステージ151上に載置する。
【0110】
第2配置工程S5が完了すると、第2加熱工程S6を開始する。第2加熱工程S6では、
図9Fに示すように、制御装置54が、加熱装置162をステージ151に載置された積層体L12の蓋体115の近傍へ移動させる。その後、制御装置54は、加熱装置62に駆動電源を供給して、加熱装置62に設けられた誘導加熱コイルから磁界を発生させて金属製の蓋体15を加熱する。これにより、絶縁鍔部42が蓋体15からの熱を受けて加熱される。
【0111】
そして、絶縁鍔部42が所定温度T1に達すると第2接合工程S7を行う。制御装置54は、距離センサ58によって検出される一対の加圧部155,156の間隔が所定の長さとなるように、駆動部157を制御して一対の加圧部155,156を接近させ、
図9Gに示すように、一対の加圧部155,156によって積層体L12を挟持する。これにより、蓋体115の処理部116を設けた箇所に絶縁鍔部142が押し付けられ、蓋体115が絶縁部材140に接合固定され、蓋体115と端子130と絶縁部材140とが一体化された密閉容器用蓋119が形成される。
【0112】
そして、第2接合工程S7が完了すると、蓋体115と端子130と絶縁部材140とが一体化された密閉容器用蓋119から加熱装置52及び一対の加圧部55,56を離隔させた後、ステージ51から密閉容器用蓋119を取り出す。
【0113】
【0114】
第2実施形態は、蓋組み立て工程が、
図10に示すように、表面処理工程S101、配置工程S102、加熱工程S103、接合工程S104、及び取り出し工程S105を含み、蓋体15と端子鍔部32との間に絶縁鍔部42を配置した状態で、一対の加圧部55,56が蓋体15、絶縁鍔部42、及び端子鍔部32を挟み込み、1回の加熱工程及び接合工程によって蓋体15と端子鍔部32とを絶縁鍔部42に接合する点で、第1実施形態と異なっている。
【0115】
具体的には、まず、表面処理工程S101では、第1実施形態と同様の方法によって、蓋体15に処理部16を形成するとともに、端子30に処理部35を形成する。
【0116】
そして、配置工程S102では、蓋体15の端子装着孔18に絶縁部材40の筒部41を内側面15A側から挿入し、蓋体15の内側面15Aに設けられた処理部16と絶縁鍔部42とを接触させる。また、端子鍔部32に設けられた処理部35が絶縁鍔部42と接触するように、端子30の軸部31を筒部41の中空部分に挿入する。これにより、蓋体15と端子30との間に絶縁部材40を配置した積層体L21を形成する。そして、
図11Aに示すように、積層体L21を接合装置50のステージ51に載置して配置工程を終了する。
【0117】
配置工程S102が終了すると、ステージ51に載置された積層体L21から離れた位置にある加熱装置52、62を、
図11Bに示すように、積層体L21に近接するように移動させて加熱工程S103を行う。つまり、移動装置60は、一方の加熱装置62を蓋体15の外側面15Bに近接するように移動させるとともに、他方の加熱装置52を端子30の端子鍔部32に近接するように移動させる。
【0118】
その後、制御装置54は、加熱装置52、62に駆動電源を供給して、加熱装置52、62に設けられた誘導加熱コイルから磁界を発生させて金属製の蓋体15及び端子30の端子鍔部32を加熱する。これにより、蓋体15と端子30の端子鍔部32との間に挟まれた絶縁鍔部42は、蓋体15及び端子鍔部32からの熱伝導によって所定温度T1になるように加熱される。
【0119】
そして、絶縁鍔部42が所定温度T1に達すると接合工程S104を行う。制御装置54は、距離センサ58によって検出される一対の加圧部55,56の間隔が所定の長さとなるように、駆動部57を制御して一対の加圧部55,56を接近させ、
図11Cに示すように、一対の加圧部55,56によって積層体L21を挟持する。これにより、蓋体15の処理部16を設けた箇所に絶縁鍔部42が押さえつけられるとともに、端子鍔部32の処理部35を設けた箇所に絶縁鍔部42が押し付けられ、蓋体15及び端子30が絶縁部材40に接合固定され、密閉容器用蓋19が形成される。
【0120】
なお、本実施形態においても、制御装置54は、一対の加圧部55,56の間隔が所定の長さのときに絶縁鍔部42に作用する圧力を圧力センサ59により検出し、検出した圧力が所定の範囲内にあれば、加圧工程が正常に行われたと判断し、検出した圧力が所定の範囲外にあれば、加圧工程に異常があったと判断してもよい。
【0121】
そして、接合工程S104が完了すると、加熱装置52及び一対の加圧部55,56を密閉容器用蓋119から離隔させた後、ステージ51から密閉容器用蓋119を取り出す取り出し工程S105を行う。
【0122】
本実施形態では、1回の加熱工程及び接合工程によって蓋体15と端子鍔部32とを絶縁鍔部42に接合することができるため、製造工数を削減することができる。
【0123】
その他の作用効果は第1実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0124】
なお、本実施形態では、蓋体15の内側面15Aに絶縁部材40の絶縁鍔部42を介して端子30の端子鍔部32を設けた密閉容器用蓋19の製造方法について説明したが、蓋体115の外側面115Bに絶縁部材140の絶縁鍔部142を介して端子130の端子鍔部132を設けた
図8に示すような密閉容器用蓋119についても、上記した本実施形態と同様、1回の加熱工程及び接合工程によって密閉容器用蓋119を製造することができる。
【符号の説明】
【0125】
10…密閉容器、11…ケース本体、12…開口部、15…蓋体、15A…内側面、15B…外側面、16…処理部、18…端子装着孔、18a…縁部、19…蓋組立体、20…電極体、30…端子、31…軸部、32…端子鍔部、33…外部接続部、34…接続部、35…処理部、36…中空部、40…絶縁部材、41…筒部、42…絶縁鍔部、50…接合装置、51…ステージ、52…加熱装置、53…プレス装置、54…制御装置、55…加圧部、55a…凹部、56…加圧部、56a…突部、57…駆動部、58…位置センサ、59…圧力センサ、60…移動装置、62…加熱装置、63…移動装置
【要約】
シール性及び絶縁性を確保しつつ蓋体に端子を取り付けることができる密閉容器用蓋の製造方法を提供する。
本発明の密閉容器用蓋の製造方法は、絶縁鍔部42を端子鍔部32に重ねて配置する第1配置工程と、端子鍔部32に重ねた絶縁鍔部42を加熱する第1加熱工程と、一対の加圧部55,56が、端子鍔部32と加熱された絶縁鍔部42とを挟み込んで絶縁鍔部42を端子鍔部32に押し付けて接合する第1接合工程と、絶縁鍔部42を蓋体15に重ねて配置する第2配置工程と、蓋体15に重ねた絶縁鍔部42を加熱する第2加熱工程と、一対の加圧部55,56が、蓋体15と加熱された絶縁鍔部42とを挟み込んで絶縁鍔部42を蓋体15に押し付けて接合する第2接合工程と、を含む方法である。