(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20231206BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20231206BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20231206BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20231206BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20231206BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20231206BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/73
A61K8/44
A61K8/46
A61K8/41
A61K8/37
A61Q19/10
(21)【出願番号】P 2018243495
(22)【出願日】2018-12-26
【審査請求日】2021-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2017249231
(32)【優先日】2017-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深見 健一
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/104698(WO,A1)
【文献】特開2016-074660(JP,A)
【文献】特開2016-193838(JP,A)
【文献】特開2011-148772(JP,A)
【文献】特開2001-031561(JP,A)
【文献】特開2013-173859(JP,A)
【文献】特開2012-153627(JP,A)
【文献】特開2017-214326(JP,A)
【文献】特開2017-048157(JP,A)
【文献】国際公開第2011/074282(WO,A1)
【文献】特開平11-193213(JP,A)
【文献】特開2005-343943(JP,A)
【文献】国際公開第2014/178371(WO,A1)
【文献】特許第6134837(JP,B1)
【文献】特開2011-088852(JP,A)
【文献】特許第5373216(JP,B1)
【文献】国際公開第2017/208541(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)炭素数2~5のヒドロキシアルキル変性澱粉同士が架橋された架橋物、炭素数2~5のヒドロキシアルキル変性澱粉と炭素数2~18のアシル変性澱粉とが架橋された架橋物及び炭素数2~18のアシル変性澱粉同士が架橋された架橋物から選ばれる少なくとも1種の架橋物、
(B)N-アシルアミノ酸塩、
(C)ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩及び/又はアルキルスルホコハク酸塩、
(D)多価アルコール 35~62質量%、
(E)HLB9~14.5のノニオン性界面活性剤
を含有する皮膚洗浄剤組成物。
【請求項2】
さらに、(F)カチオン性ポリマーを含有する請求項1に記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項3】
成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)が、0.1~0.8である請求項1又は2に記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項4】
成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)が、4~15である請求項1~3のいずれか1項に記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項5】
成分(D)の多価アルコール中に、グリセリンを60質量%以上含有する請求項1~4のいずれか1項に記載の皮膚洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚に対してマイルドで、使用感に優れた皮膚洗浄料として、例えば、N-アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸型界面活性剤、HLB10以上の非イオン性界面活性剤及び多価アルコールを高含有するクリーム状洗顔料が知られている(特許文献1)。
一方、N-アシルアミノ酸塩は刺激性が少ない界面活性剤であるものの、泡立ちが悪く、泡のキメが粗いなど、泡質特性が悪いことから、これを改善するため、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸を併用することが提案されている(特許文献2、3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-155716号公報
【文献】特開2006-77184号公報
【文献】特開2005-232049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているクリーム状洗顔料は、起泡力が高く、泡量も多い洗顔料であるが、高温安定性に改善の余地があった。また、多価アルコールを35質量%以上配合すると、泡量や泡のキメ細やかさ、しっとりとした洗い上がり感が低下する傾向があった。一方、特許文献2、3に記載される洗浄料組成物は、速泡性、泡のクリーミィさにおいて一定の改善が認められるが、近年の消費者の要求特性からは十分とは言えず、さらに改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明者は、上記課題を解決した皮膚用洗浄剤組成物を開発すべく種々検討した結果、特定の澱粉架橋物、N-アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩及び/又はアルキルスルホコハク酸塩と、HLB9~14.5のノニオン性界面活性剤を組合わせて用いることにより、多価アルコールを高濃度(35~62質量%)含有していても、高温安定性に優れ、泡立ちや泡のキメの細やかさなどの泡質特性に優れた皮膚洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)炭素数2~5のヒドロキシアルキル変性澱粉同士が架橋された架橋物、炭素数2~5のヒドロキシアルキル変性澱粉と炭素数2~18のアシル変性澱粉とが架橋された架橋物及び炭素数2~18のアシル変性澱粉同士が架橋された架橋物から選ばれる少なくとも1種の架橋物、
(B)N-アシルアミノ酸塩、
(C)ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩及び/又はアルキルスルホコハク酸塩、
(D)多価アルコール 35~62質量%、
(E)HLB9~14.5のノニオン性界面活性剤
を含有する皮膚洗浄剤組成物に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、高温安定性に優れ、速泡性で、泡量が多く、泡のキメが細かいなどの泡質特性に優れ、洗い上がり後にしっとりとした感触が得られるものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明で用いられる成分(A)は、炭素数2~5のヒドロキシアルキル変性澱粉同士が架橋された架橋物、炭素数2~5のヒドロキシアルキル変性澱粉と炭素数2~18のアシル変性澱粉が架橋された架橋物、炭素数2~18のアシル変性澱粉同士が架橋された架橋物から選ばれる少なくとも1種の架橋物であり、炭素数2~5のヒドロキシアルキル変性澱粉及び炭素数2~18のアシル変性澱粉の2種の変性澱粉が、同種間又は異種間で架橋されているものを意味する(特表2000-514435号公報参照)。
【0009】
「炭素数2~5のヒドロキシアルキル変性澱粉」とは、炭素数2~5のアルキル基を介して、水酸基が澱粉骨格に結合する澱粉であって、澱粉の親水性-親油性の好適なバランスが得られるものである。アルキル基中の水酸基の位置は決定的に重要ではなく、いずれの位置をとることができる。ヒドロキシアルキル化による置換度は、0.08~0.3であることが好ましい。置換度とは、アンヒドログルコース1単位当たりの、澱粉分子の水酸基の平均数である。天然澱粉のヒドロキシアルキル化は、天然澱粉の炭素原子を適切な数だけ有するアルケンオキサイドと反応させることによって達成される。澱粉をエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドと反応させて得られるヒドロキシエチル化澱粉及び/又はヒドロキシプロピル化澱粉が好ましい。なお、アルキル基一つ当たり複数の水酸基を有してもよい。
【0010】
「炭素数2~18のアシル変性澱粉」とは、炭素数2~18のアシル基によってアシル化された澱粉であって、澱粉の親水性-親油性の好適なバランスが得られるものである。アシル化は、通常、一般式(R-CO)2Oで表される酸無水物との反応によって行われる。ここでRは、メチル基、エチル基等のアルキル基を示す。
【0011】
これらの変性澱粉の架橋は、適当な架橋剤、例えば、二官能性化合物によって行うことができる。好ましい架橋方法として、例えば、リン酸化が挙げられる。この場合、澱粉は塩化ホスホリル、五酸化リン、及び/又は三メタリン酸ナトリウムと反応させる。二つの澱粉は、アニオンP-O基によって架橋される。
【0012】
好ましい架橋方法として、炭素数4~18のアルカンジカルボン酸又はアルケンジカルボン酸を用いる方法が挙げられる。炭素数4~8のアルカンジカルボン酸、特にアジピン酸を用いることが好ましい。炭素数4~18のアルカンジカルボン酸又はアルケンジカルボン酸は、エステル結合を介して、二つの澱粉を結合する。澱粉は、直鎖状であってよく、分枝状であってもよい。このようなジカルボン酸によって架橋された架橋物は、例えば、澱粉をジカルボン酸と酢酸の混合無水物と反応させることによって得られる。乾燥澱粉の場合、一般に0.1質量%未満、通常0.06質量%の架橋剤を使用する。
澱粉架橋物としては、ヒドロキシプロピルジスターチホスフェート及びアセチル化ジスターチアジペートが好ましい。
【0013】
上述の特定の澱粉を得るために使用される原料の澱粉は、いずれの植物性の澱粉であってもよい。そのような澱粉として、とうもろこし、馬鈴薯、小麦、米、タピオカ、甘藷及びサゴ等を例示することができる。これらの原料の澱粉は、それに含まれるアミロペクチン含有量が少なくとも70質量%であるのが好ましく、少なくとも85質量%がより好ましく、少なくとも90質量%が更に好ましい。
【0014】
成分(A)の澱粉架橋物は、糊化されていることが好ましく、完全に糊化されていることがより好ましい。糊化は、原料の澱粉が予め糊化されてもよいし、架橋物が糊化されてもよく、結果として使用される澱粉架橋物が糊化されていることが好ましい。
【0015】
このような澱粉の生成に通常使用される方法として、例えば、円筒乾燥、押出噴霧乾燥を例示できる。
円筒乾燥には、高粘性半固体の澱粉ペーストを加熱ドラム上で調理及び乾燥を同時に行うことが含まれる。乾燥フィルムを、金属ブレードを用いてドラムからはぎとり、次いで粉砕する。この工程は、個体含有量が非常に多くなるまで実施することができる。
【0016】
押出乾燥法は、澱粉の調理と乾燥を同時に行うために使用することができる(米国特許明細書第3,137,592号参照)。この方法は、高温、高圧下で、澱粉/水の混合物を物理的に処理することを利用するものであるが、これによって澱粉が糊化されて、ノズルから出た澱粉は、水の突発的蒸発とともに膨張する。
【0017】
成分(A)の架橋物は、例えば、特開2005-232049号公報に記載された方法により製造することができる。
また、成分(A)の架橋物としては、炭素数2~5のヒドロキシアルキル変性澱粉と炭素数2~18のアシル変性澱粉がアニオンP-O基で架橋された架橋物が好ましく、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸がより好ましく、例えば、STRUCTURE XL(アクゾノーベル社製)、STRUCTURE ZEA(アクゾノーベル社製)等の市販品を用いることができる。
【0018】
成分(A)の架橋物は、1種又は2種以上を用いることができ、皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、高温安定性、速泡性、泡量、泡のキメ細かさ、洗い上がりのしっとり感を向上させる観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、0.7質量%以上がさらに好ましく、また、4質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましく、2.0質量%以下がさらに好ましく、1.7質量%以下がさらに好ましく、1.3質量%以下がさらに好ましい。成分(A)の皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、0.1~4質量%が好ましく、0.2~2.5質量%がより好ましく、0.3~2.0質量%がさらに好ましく、0.5~1.7質量%がさらに好ましく、0.7~1.3質量%がさらに好ましい。
【0019】
成分(B)のN-アシルアミノ酸塩におけるアミノ酸残基としては、グルタミン酸、アスパラギン酸などの酸性アミノ酸、グリシン、アラニン、スレオニン、メチルアラニン、サルコシン(メチルグリシン)などの中性アミノ酸、リジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸等が挙げられる。これらのうち1種類を使用してもよいし、上記の群から選ばれる2種以上を混合して使用してもよい。また、これらのアミノ酸には、L体、D体及びDL体が存在するが、製剤の経日安定性を向上させる観点から、L体が好ましい。
【0020】
これらのうち、経時安定性、速泡性、泡量、泡のキメ、洗い上がりのしっとり感の観点から、アミノ酸残基としては、酸性アミノ酸又は中性アミノ酸がより好ましい。具体的には、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン及びアラニンから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、グルタミン酸及びグリシンから選択される1種又は2種を含むことがより好ましく、グリシンを含むことがさらに好ましい。
特に、高温安定性、速泡性、泡量、泡のキメ細やかさ、洗い上がりのしっとり感を良好にする観点から、成分(B)中にN-アシルグリシン塩を少なくとも50質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましい。
【0021】
また、アシル基としては、炭素数10以上20以下で、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖のアシル基が好ましく使用できる。アシル基の炭素数は、速泡性、泡量、泡質を良好にし、洗い上がりのしっとり感を向上させる観点から、好ましくは10以上18以下、より好ましくは10以上16以下、更に好ましくは10以上14以下である。具体的には、デカノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、リノレイル基等の脂肪酸(分岐脂肪酸を含む)によるアシル基が挙げられる。これらは動植物由来のものであっても良く、ヤシ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の天然より得られる混合脂肪酸が挙げられる。これらのうち、製剤の経日安定性を向上させる観点から、アシル基は、飽和の直鎖又は分岐鎖のアシル基が好ましく、飽和の直鎖のアシル基がより好ましい。
【0022】
また、これらの塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等の無機塩;アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩や、アルギニン塩、リジン塩等の塩基性アミノ酸塩などの有機塩が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を混合して使用することができる。皮膚刺激性が低く、洗い上がりのつっぱりを抑える観点から、ナトリウム塩、カリウム塩及びトリエタノールアミン塩から選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、ナトリウム塩及びカリウム塩から選択される1種又は2種を含むことがより好ましい。
【0023】
N-アシルアミノ酸塩の好ましい具体例としては、N-ラウロイルグリシン、N-ラウロイルグルタミン酸、N-ミリストイルグリシン、N-ミリストイルグルタミン酸、N-ココイルグリシン、N-ココイルグルタミン酸等のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩が挙げられる。
成分(B)の市販品としては、例えば、アミライト GCK-11(味の素社製)、アミライト GCS-11(味の素社製)、アミソフト CT-12(味の素社製)、アミソフト LS-11(味の素社製)、アミソフト MS-11(味の素社製)等が挙げられる。
【0024】
成分(B)のN-アシルアミノ酸塩は、1種又は2種以上を用いることができ、皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、洗い上がりのしっとり感を向上させる観点から、10質量%以上が好ましく、12質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、18質量%以上がさらに好ましく、また、30質量%以下が好ましく、28質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましく、22質量%以下がさらに好ましい。成分(B)の皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、10~30質量%が好ましく、12~28質量%がより好ましく、15~25質量%がさらに好ましく、18~22質量%がさらに好ましい。
【0025】
成分(C)のポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩及び/又はアルキルスルホコハク酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、洗い上がりのしっとり感を向上させる観点から、そのアルキル鎖として、炭素数12~22の一価炭化水素基を有するものが好ましく、中でも、炭素数12~14の一価炭化水素基を有するものがより好ましい。
塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、アミノ酸塩が好ましく、泡量、泡質を良好にする観点から、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、置換若しくは非置換のアンモニウム塩を含むことがより好ましく、置換若しくは非置換のアンモニウム塩及びナトリウム塩から選択される1種又は2種を含むことがさらに好ましい。
また、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩のエチレン付加モル数としては、泡量、泡質を良好にする観点から、1~10が好ましく、中でも、2~5がより好ましい。
【0026】
成分(C)として具体的には、ポリオキシエチレン(1)アルキル(12~14)スルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン(2)アルキル(12~14)スルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン(3)アルキル(12~14)スルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン(5)ジアルキル(12~14)スルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン(7)ジアルキル(12~14)スルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン(9)ジアルキル(12~14)スルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン(2)アルキル(12~15)スルホコハク酸塩、スルホコハク酸ポリオキシエチレン(2)モノオレイルアミド塩、ポリオキシエチレン(4)ヤシ油脂肪酸イソプロパノールアミドスルホコハク酸塩、スルホコハク酸ポリオキシエチレン(5)ラウロイルエタノールアミド塩、ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸塩、スルホコハク酸ジエチルヘキシル塩、スルホコハク酸ラウリル塩、スルホコハク酸ラウレス塩等が挙げられる。これらの中でも、速泡性、泡量を良好にする観点から、ポリオキシエチレンモノアルキルスルホコハク酸塩及びモノアルキルスルホコハク酸塩から選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、ポリオキシエチレン(3)ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム及びスルホコハク酸ラウリル2ナトリウムから選択される1種又は2種を含むことがより好ましく、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウムを含むことがさらに好ましい。
【0027】
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができ、皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、速泡性、泡量、泡のキメ、洗い上がりのしっとり感を向上させる観点から、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、1.5%以上がさらに好ましく、1.8量%以上がさらに好ましく、2.0以上がさらに好ましく、2.5以上がさらに好ましく、また、8質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましく、5.5質量%以下がさらに好ましく、5.0質量%以下がさらに好ましく、4.5質量%以下がさらに好ましい。成分(C)の皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、0.5~8質量%が好ましく、1.0~7質量%がより好ましく、1.5~6質量%がさらに好ましく、1.8~5.5質量%がさらに好ましく、2.0~5.0質量%がさらに好ましく、2.5~4.5質量%がさらに好ましい。
【0028】
本発明において、成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)は、高温安定性、速泡性、泡量、泡のキメ、洗い上がりのしっとり感を向上させる観点から、0.1以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.25以上がさらに好ましく、また、0.8以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.4以下がさらに好ましい。成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)は、0.1~0.8が好ましく、0.15~0.6がより好ましく、0.25~0.4がさらに好ましい。
【0029】
本発明において、成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)は、速泡性、泡量、洗い上がりのしっとり感を向上させる観点から、3.5以上が好ましく、4以上がより好ましく、4.5以上がさらに好ましく、また、15以下が好ましく、13以下がより好ましく、11以下がさらに好ましい。成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)は、3.5~15が好ましく、4~13がより好ましく、4.5~11がさらに好ましい。
【0030】
成分(D)の多価アルコールとしては、(D1)2価アルコール及び(D2)3価以上のアルコールから選ばれる1種又は2種以上を含有できる。
【0031】
(D1)2価アルコールとしては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンチレングリコール、1,3-ペンチレングリコール、1,4-ペンチレングリコール、1,5-ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール類;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどを挙げることができる。これらのうち、泡のキメ細やかさ、泡量、泡の持続性を良好にする観点から、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール及び1,3-ブチレングリコールから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、少なくとも1,3-ブチレングリコールを含むことがより好ましい。
【0032】
(D2)3価以上のアルコールのうち、3価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。4価以上のアルコールとしては、ジグリセリン、トリグリセリン等のポリグリセリン;グルコース、マルトース、マルチトース、ショ糖、キシリトール、ソルビトール、マルビトール、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシエチレンエチルグルコシド、ポリオキシエチレンプロピレングルコシド等の糖類又は糖アルコールが挙げられる。これらのうち、高温安定性、洗い上がりのしっとり感を良好にする観点から、グリセリン(以上、3価アルコール)、ジグリセリン、ソルビトール、マルビトール及びポリオキシエチレンメチルグルコシド(以上、4価以上のアルコール)から選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール及びマルビトールから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましく、グリセリン及びジグリセリンから選択される1種又は2種を含むことがさらに好ましく、少なくともグリセリンを含むことがよりさらに好ましい。
【0033】
本発明においては、成分(D)中に(D1)2価アルコール及び(D2)3価以上のアルコールを含有するのが好ましい。成分(D)中に成分(D1)及び成分(D2)を含有する場合、洗い上がりのしっとり感を向上させる観点から、成分(D)の全量((D1)+(D2))に対する成分(D2)の含有比〔(D2)/((D1)+(D2))〕は、0.6以上が好ましく、0.7以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましく、また、0.98以下が好ましく、0.95以下がより好ましい。成分(D)の全量((D1)+(D2))に対する成分(D2)の含有比〔(D2)/((D1)+(D2))〕は、0.6~0.98が好ましく、0.7~0.98がより好ましく、0.8~0.95がさらに好ましい。
また、成分(D)中、成分(D2)を60質量%以上含有するのが好ましく、70~95質量%がより好ましく、80~95質量%がさらに好ましい。
さらに、成分(D)中、グリセリンを60質量%以上含有するのが好ましく、75質量%以上とすることがさらに好ましい。成分(D)中のグリセリン量をこの範囲とすることにより、成分(B)のN-アシルアミノ酸塩の晶析状態の高温安定性がより向上する。
【0034】
成分(D)は、1種又は2種以上を用いることができ、皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、経日安定性を向上させる観点から、35質量%以上であり、40質量%以上が好ましく、42質量%以上がより好ましく、45質量%以上がさらに好ましく、また、62質量%以下であり、60質量%以下が好ましく、58質量%以下がより好ましく、55質量%以下がさらに好ましい。成分(D)の皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、35~62質量%であり、40~60質量%が好ましく、42~58質量%がより好ましく、45~55質量%がさらに好ましい。
【0035】
成分(E)のノニオン性界面活性剤は、HLB9~14.5である。
成分(E)のノニオン性界面活性剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、2種以上のノニオン性界面活性剤を用いる場合には、これらからなる混合界面活性剤の混合HLBが9~14.5である。
1種のノニオン性界面活性剤又は2種以上のノニオン性界面活性剤からなる混合界面活性剤のHLBは、経時安定性、速泡性、泡量を向上させる観点から、9.5以上が好ましく、10.5以上がより好ましく、11以上がさらに好ましく、また、14以下が好ましく、13.5以下がより好ましく、13以下がさらに好ましい。成分(E)のノニオン性界面活性剤は、1種のノニオン性界面活性剤又は2種以上のノニオン性界面活性剤からなる混合界面活性剤のHLBが、9~14.5であり、9.5~14が好ましく、10.5~13.5がより好ましく、11~13であるのがさらに好ましい。
【0036】
ここで、HLB(親水性-親油性のバランス〈Hydrophilic-Lipophilic Balance〉)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、非イオン界面活性剤については、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。
2種以上のノニオン性界面活性剤から構成される混合界面活性剤のHLBは、次式のように、各ノニオン性界面活性剤のHLB値をその配合比率に基づいて相加算平均したものである。
混合HLB=Σ(HLBx×Wx)/ΣWx
HLBxは、ノニオン性界面活性剤XのHLB値を示す。
Wxは、HLBxの値を有するノニオン性界面活性剤Xの質量(g)を示す。
【0037】
成分(E)のノニオン性界面活性剤は、上記の条件を満たすものであれば、限定されず、例えば、炭素数8~22の脂肪酸エステル、炭素数8~22の高級アルコールのエーテルからなり、親水性の官能基としては、水酸基、エチレンオキサイド基を有するものが挙げられる。
具体的には、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリアルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、(ポリ)アルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0038】
これらのうち、経日安定性を向上させ、泡量、泡のキメを良好にする観点から、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、(ポリ)アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル及びアルキルポリグルコシドから選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、経日安定性の観点から、グリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましい。
【0039】
より具体的には、ミリスチン酸ポリグリセリル-10(HLB:15)、ステアリン酸グリセリル(HLB:9)、モノカプリル酸グリセリル(HLB:7.2)、モノカプリン酸グリセリル(HLB:6.5)、ラウリン酸ポリグリセリル-10(HLB:15.5)及びポリグリセリル-4ラウリルエーテル(HLB:12.3)から選択される1種又は2種以上を含むことが好ましい。
これらの成分(E)は、経日安定性をより高め、泡量、泡のキメを向上させる観点から、HLBが高いノニオン性界面活性剤とHLBが低いノニオン性界面活性剤を2種以上組み合わせて用いることが好ましい。本発明においては、HLB10以上のノニオン性界面活性剤の1種以上と、HLB10未満のノニオン性界面活性剤の1種以上を組合せて用いることが好ましく、HLB12以上のノニオン性界面活性剤の1種以上と、HLB6以上9.5以下のノニオン性界面活性剤の1種以上を組合せることがさらに好ましい。
【0040】
成分(E)は、1種又は2種以上を用いることができ、皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、高温安定性、洗い上がりのしっとり感を向上させる観点から、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、4質量%以上がさらに好ましく、また、12質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましい。成分(E)の皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、1~12質量%が好ましく、2~10質量%がより好ましく、4~8質量%がさらに好ましい。
【0041】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、速泡性、洗い上がりのしっとり感を向上させる観点から、さらに(F)カチオン性ポリマーを含有することができる。
カチオン性ポリマーとしては、アミノ基、イミダゾリル基、ピリジル基、これらの塩又は4級化塩等を含有するポリマーである。速泡性、泡質の観点から、カチオン電荷密度が、2meq/g以上のものが好ましく、3~7meq/gがより好ましい。
ここで、カチオン電荷密度とは、ポリマーを構成するモノマーユニット中のカチオン電荷の当量数(meq/g)をいう。
【0042】
かかるカチオン性ポリマーとしては、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー;ジメチルジアリルアンモニウムクロリドと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド等、他のモノマーとの共重合体;ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
【0043】
より具体的には、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー(マーコート100;NALCO社製:電荷密度6.2meq/g)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の共重合体(マーコート295;NALCO社製:電荷密度5.9meq/g)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の共重合体(マーコート280;NALCO社製:電荷密度5.0meq/g)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体(マーコート550、マーコート550PR;NALCO社製:電荷密度3.2meq/g)、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(花王社製:電荷密度4.8meq/g)、塩化メチルビニルイミダゾリウムとビニルピロリドンの共重合体(ルビカットexcellence;BASF社製:電荷密度6.1meq/g、ルビカットFC550;BASF社製:電荷密度4.4meq/g)等が挙げられる。
【0044】
成分(F)のカチオン性ポリマーとしては、速泡性、泡量、洗い上がりのしっとり感の観点から、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体が好ましい。
【0045】
成分(F)は、1種又は2種以上を用いることができ、皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、洗い上がりのしっとり感を向上させる観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましく、また、0.3質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましい。成分(F)の皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、0.001~0.3質量%が好ましく、0.005~0.2質量%がより好ましく、0.01~0.1質量%がさらに好ましい。
【0046】
本発明において、(G)水は、各成分の残余をなし、皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、経日安定性の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、また、30質量%以下が好ましく、28質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。成分(G)の水の皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、5~30質量%が好ましく、10~28質量%がより好ましく、15~25質量%がさらに好ましい。
【0047】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記成分(A)~(G)以外に、通常の皮膚洗浄剤組成物に用いられる成分、例えば、成分(B)、(C)及び(E)以外の界面活性剤、成分(F)以外の水溶性高分子、油成分、pH調整剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、塩類、パール化剤、スクラブ剤、香料、冷感剤、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、植物エキス等を含有することができる。なお、これらの各剤は、各剤としての用途に限られず、目的に応じて他の用途、例えば、冷感剤を香料として使用したり、他の用途との併用として、例えば、冷感剤と香料としての効果を奏するものとして使用することができる。
【0048】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、すすぎ性を向上させる観点から、油性成分を含有することができる。油性成分の皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、速泡性、泡量、泡のキメ細かさ、洗浄力を良好に保持する観点から、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。ここで、油成分とは、水と相分離する疎水性の物質であり、油脂、炭化水素油、エステル油、高級アルコール(炭素数10以上)、シリコーン油等が含まれる。
【0049】
また、成分(B)、(C)及び(E)以外の界面活性剤として、成分(B)及び成分(C)以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、洗浄力を向上させる観点から、さらに成分(B)及び成分(C)以外のアニオン性界面活性剤を含有することができる。成分(B)及び成分(C)以外のアニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルケニルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アシルイセチオン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、スルホ脂肪酸メチルエステル塩、脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステル塩、モノアシルグリセリン硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、脂肪酸アミドエーテルリン酸、エーテルカルボン酸又はその塩等が挙げられる。成分(B)及び成分(C)以外のアニオン性界面活性剤の含有量は、経日安定性を高め、洗い上がり後のさっぱり感、速泡性、泡量、泡のキメ細やかさを良好に保持する観点から、成分(B)及び成分(C)の含有量の総量に対して、30質量%未満が好ましく、15質量%未満がより好ましく、10質量%未満がさらに好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、洗い上がりのしっとり感を良好にする観点から、さらにカチオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を含有することができる。カチオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の皮膚洗浄剤組成物中の含有量は、速泡性、泡量、泡のキメ細かさ、洗浄力を良好に保持する観点から、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
【0050】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、通常の方法に従って製造することができる。
例えば、以下の工程1、工程2、工程3及び工程4を含む方法により製造することができる。
工程1:成分(A)、成分(D)、成分(G)、及びその他の任意の成分を順次添加し、混合する工程。
工程2:成分(B)、成分(C)、成分(E)、及びその他の任意の界面活性剤成分を順次添加し、混合する工程。
工程3:工程1の調製物に工程2の調製物を添加し、70~90℃の範囲に加熱して均一に混合する。
工程4:工程3の調製物を冷却し、20~35℃の範囲まで冷却する工程。
成分(F)を添加する場合、工程4において、工程3の調製物が40~55℃の範囲に冷却された際に成分(F)を所定量添加し、混合する工程を有することが好ましい。
また、皮膚洗浄剤組成物のpHを所定の範囲に調整する必要がある場合、上記工程1において、さらにpH調整剤を添加し、混合する工程を有することが好ましい。
【0051】
また、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、経日安定性を向上させる観点から、pHは4以上が好ましく、5以上がより好ましく、5.5以上がさらに好ましく、6以上がさらに好ましく、また、7.5以下が好ましく、7.2以下がより好ましく、7以下がさらに好ましい。本発明の皮膚洗浄剤組成物のpHは、4~7.5が好ましく、5~7.2がより好ましく、5.5~7.2がさらに好ましく、6~7がさらに好ましい。
なお、pHの測定は、30℃において、皮膚洗浄剤組成物を水で希釈して10質量%希釈溶液としたものをpHメーター(F-22、HORIBA社製)で測定した値である。
また、前記pHへ調整するpH調整剤としては、無機酸、有機酸等、制限なく用いることができる。これらのうち、製剤中の析出を抑制する観点から、有機酸が好ましく、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸及び乳酸から選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましく、クエン酸及びリンゴ酸から選択される1種又は2種がさらに好ましい。
【0052】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、泡立てて洗浄する皮膚洗浄剤、例えば手洗い用洗浄料、洗顔料、クレンジング料、ボディソープ、頭皮用洗浄料等として適用することができる。
また、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、皮膚、より具体的には、頭皮、顔、身体、手足等のいずれか、好ましくは頭皮を除く皮膚に塗布し、水で洗い流すことにより、使用することができる。
さらに、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、クリーム状、ペースト状等の半固体状であることが好ましい。ここで、ペースト状(クリーム状)とは、乳化剤型を指す語句ではなく、液状ではないペースト(クリーム)形態、すなわち室温で流動性がないか、あっても小さい状態を指す。本発明の皮膚洗浄剤組成物がペースト状である場合、その25℃における粘度は、10000mPa・s以上であることが好ましく、800000mPa・s以下であることが、水溶けの観点からより好ましい。ここで、粘度は、B8R型ヘリカルスタンド(TV-B型、東京計器)を用い、粘度1000mPa・s以上100000mPa・s未満は、スピンドルT-A、回転数5rpmで、粘度100000mPa・s以上は、スピンドルT-B、回転数5rpmで測定したものである。
また、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、チューブ容器に充填して用いることが好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。
【0053】
<1>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)炭素数2~5のヒドロキシアルキル変性澱粉同士が架橋された架橋物、炭素数2~5のヒドロキシアルキル変性澱粉と炭素数2~18のアシル変性澱粉とが架橋された架橋物及び炭素数2~18のアシル変性澱粉同士が架橋された架橋物から選ばれる少なくとも1種の架橋物、
(B)N-アシルアミノ酸塩、
(C)ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩及び/又はアルキルスルホコハク酸塩、
(D)多価アルコール 35~62質量%、
(E)HLB9~14.5のノニオン性界面活性剤
を含有する皮膚洗浄剤組成物。
【0054】
<2>成分(A)において、炭素数2~5のヒドロキシアルキル変性澱粉が、好ましくは、澱粉をエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドと反応させて得られるヒドロキシエチル化澱粉及び/又はヒドロキシプロピル化澱粉である前記<1>記載の皮膚洗浄剤組成物。
<3>成分(A)の架橋物が、好ましくは、ヒドロキシプロピルジスターチホスフェート及びアセチル化ジスターチアジペートから選ばれる1種又は2種以上を含む前記<1>又は<2>記載の皮膚洗浄剤組成物。
<4>成分(A)の架橋物が、好ましくは、炭素数2~5のヒドロキシアルキル変性澱粉と炭素数2~18のアシル変性澱粉がアニオンP-O基で架橋された架橋物であって、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸がより好ましい前記<1>記載の皮膚洗浄剤組成物。
<5>成分(A)の皮膚洗浄剤組成物中の含有量が、好ましくは、0.1質量%以上であって、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、0.7質量%以上がさらに好ましく、1.0質量%以上がさらに好ましく、また、4質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましく、2.0質量%以下がさらに好ましく、1.7質量%以下がさらに好ましく、1.5質量%以下がさらに好ましい前記<1>~<4>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【0055】
<6>成分(B)のN-アシルアミノ酸塩において、アミノ酸残基が、好ましくは、酸性アミノ酸又は中性アミノ酸であって、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン及びアラニンから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましく、グルタミン酸及びグリシンから選択される1種又は2種を含むことがさらに好ましく、グリシンを含むことがよりさらに好ましい前記<1>~<5>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<7>成分(B)が、好ましくは、N-アシルグリシン塩を少なくとも50質量%以上含有し、70質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましい前記<1>~<6>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【0056】
<8>成分(B)のN-アシルアミノ酸塩において、アシル基が、好ましくは、炭素数10以上20以下で、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖のアシル基であって、10以上18以下がより好ましく、10以上16以下がさらに好ましく、10以上14以下がよりさらに好ましい前記<1>~<7>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<9>成分(B)が、好ましくは、N-ラウロイルグリシン、N-ラウロイルグルタミン酸、N-ミリストイルグリシン、N-ミリストイルグルタミン酸、N-ココイルグリシン、N-ココイルグルタミン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩から選ばれる1種又は2種以上である前記<1>~<8>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<10>成分(B)の皮膚洗浄剤組成物中の含有量が、好ましくは、10質量%以上であって、12質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、18質量%以上がさらに好ましく、また、30質量%以下が好ましく、28質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましく、22質量%以下がさらに好ましい前記<1>~<9>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【0057】
<11>成分(C)のポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩及び/又はアルキルスルホコハク酸塩が、好ましくは、アルキル鎖として、炭素数12~22の一価炭化水素基を有するものであって、炭素数12~14の一価炭化水素基を有するものがより好ましい前記<1>~<10>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<12>成分(C)が、好ましくは、ポリオキシエチレンモノアルキルスルホコハク酸塩及びモノアルキルスルホコハク酸塩から選択される1種又は2種以上を含み、ポリオキシエチレン(3)ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム及びスルホコハク酸ラウリル2ナトリウムから選択される1種又は2種を含むことがより好ましく、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウムを含むことがさらに好ましい前記<1>~<11>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<13>成分(C)の皮膚洗浄剤組成物中の含有量が、好ましくは、0.5質量%以上であって、1.0質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上がさらに好ましく、1.8質量%以上がさらに好ましく、2.0質量%以上がさらに好ましく、2.5質量%以上がさらに好ましく、また、8質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、6.0質量%以下がさらに好ましく、5.5質量%以下がさらに好ましく、5.0質量%以下がさらに好ましく、4.5質量%以下がさらに好ましい前記<1>~<12>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【0058】
<14>成分(C)に対する成分(A)の質量割合(A)/(C)が、好ましくは、0.1以上であって、0.15以上がより好ましく、0.25以上がさらに好ましく、また、0.8以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.4以下がさらに好ましい前記<1>~<13>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<15>成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)が、好ましくは、3.5以上であって、4以上がより好ましく、4.5以上がさらに好ましく、また、15以下が好ましく、13以下がより好ましく、11以下がさらに好ましい前記<1>~<14>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【0059】
<16>成分(D)の多価アルコールが、好ましくは、(D1)2価アルコール及び(D2)3価以上のアルコールから選ばれる1種又は2種以上を含有する前記<1>~<15>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<17>(D1)2価アルコールが、好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール及び1,3-ブチレングリコールから選択される1種又は2種以上を含み、少なくとも1,3-ブチレングリコールを含むことがより好ましい前記<16>記載の皮膚洗浄剤組成物。
<18>(D2)3価以上のアルコールが、好ましくは、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、マルビトール及びポリオキシエチレンメチルグルコシドから選択される1種又は2種以上を含み、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール及びマルビトールから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましく、グリセリン及びジグリセリンから選択される1種又は2種を含むことがさらに好ましく、少なくともグリセリンを含むことがよりさらに好ましい前記<16>又は<17>記載の皮膚洗浄剤組成物。
【0060】
<19>成分(D)が、好ましくは、(D1)2価アルコールと(D2)3価以上のアルコールとを含有し、好ましくは、成分(D)の全量((D1)+(D2))に対する成分(D2)の含有比〔(D2)/((D1)+(D2))〕は、0.6以上が好ましく、0.7以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましく、また、0.98以下が好ましく、0.95以下がより好ましい前記<1>~<18>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<20>成分(D)中、好ましくは、成分(D2)を60質量%以上含有し、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、また、95質量%以下が好ましい前記<19>記載の皮膚洗浄剤組成物。
<21>成分(D)の多価アルコール中、好ましくは、グリセリンを60質量%以上含有し、75質量%以上含有するのがより好ましい前記<1>~<20>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物.
<22>成分(D)の皮膚洗浄剤組成物中の含有量が、好ましくは、40質量%以上であって、42質量%以上がより好ましく、45質量%以上がさらに好ましく、また、60質量%以下が好ましく、58質量%以下がより好ましく、55質量%以下がさらに好ましい前記<1>~<21>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【0061】
<23>成分(E)のノニオン性界面活性剤において、1種のノニオン性界面活性剤又は2種以上のノニオン性界面活性剤からなる混合界面活性剤のHLBが、好ましくは、9.5以上であって、10.5以上がより好ましく、11以上がさらに好ましく、また、14以下が好ましく、13.5以下がより好ましく、13以下がさらに好ましい前記<1>~<22>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<24>成分(E)のノニオン性界面活性剤が、好ましくは、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、(ポリ)アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル及びアルキルポリグルコシドから選択される1種又は2種以上を含み、グリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選択される1種又は2種以上を含むことがより好ましい前記<1>~<23>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【0062】
<25>成分(E)のノニオン性界面活性剤が、好ましくは、ミリスチン酸ポリグリセリル-10(HLB:15)、ステアリン酸グリセリル(HLB:9)、モノカプリル酸グリセリル(HLB:7.2)、モノカプリン酸グリセリル(HLB:6.5)、ラウリン酸ポリグリセリル-10(HLB:15.5)及びポリグリセリル-4ラウリルエーテル(HLB:12.3)から選択される1種又は2種以上を含む前記<1>~<24>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<26>成分(E)のノニオン性界面活性剤が、好ましくは、HLBが高いノニオン性界面活性剤とHLBが低いノニオン性界面活性剤を2種以上組み合わせて用いる前記<1>~<25>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<27>成分(E)のノニオン性界面活性剤が、HLB10以上のノニオン性界面活性剤の1種以上と、HLB10未満のノニオン性界面活性剤の1種以上を組合せて用いることが好ましく、HLB12以上のノニオン性界面活性剤の1種以上と、HLB6以上9.5以下のノニオン性界面活性剤の1種以上を組合せることがさらに好ましい前記<1>~<26>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<28>成分(E)の皮膚洗浄剤組成物中の含有量が、好ましくは、1質量%以上であって、2質量%以上がより好ましく、4質量%以上がさらに好ましく、また、12質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましい前記<1>~<27>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【0063】
<29>さらに、(F)カチオン性ポリマーを含有する前記<1>~<28>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<30>成分(F)のカチオン性ポリマーが、好ましくは、カチオン電荷密度が、2meq/g以上のであって、3~7meq/gがより好ましい前記<29>記載の皮膚洗浄剤組成物。
<31>成分(F)のカチオン性ポリマーが、好ましくは、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体、ポリ塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド及び塩化メチルビニルイミダゾリウムとビニルピロリドンの共重合体から選ばれる1種又は2種以上を含み、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸の共重合体及びジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体から選ばれる1種又は2種以上を含むのがより好ましい前記<29>又は<30>記載の皮膚洗浄剤組成物。
<32>成分(F)の皮膚洗浄剤組成物中の含有量が、好ましくは、001質量%以上であって、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましく、また、0.3質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましい前記<29>~<31>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【0064】
<33>(G)水の皮膚洗浄剤組成物中の含有量が、好ましくは、5質量%以上であって、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、また、30質量%以下が好ましく、28質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい前記<1>~<32>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<34>油性成分の皮膚洗浄剤組成物中の含有量が、好ましくは、3質量%以下であって、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい前記<1>~<33>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【0065】
<35>さらに、成分(B)及び成分(C)以外のアニオン性界面活性剤を含有し、その含有量が、好ましくは、成分(B)及び成分(C)の含有量の総量に対して、30質量%未満であって、15質量%未満がより好ましく、10質量%未満がさらに好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい前記<1>~<34>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<36>さらに、カチオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を含有し、その皮膚洗浄剤組成物中の含有量が、好ましくは、5質量%以下であって、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい前記<1>~<35>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【0066】
<37>以下の工程1、工程2、工程3及び工程4を含む方法により製造される前記<1>~<36>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
工程1:成分(A)、成分(D)、成分(G)、及びその他の任意成分を順次添加し、混合する工程。
工程2:成分(B)、成分(C)、成分(E)、必要に応じてその他任意の界面活性剤成分を順次添加し、混合する工程。
工程3:工程1の調製物に工程2の調製物を添加し、70~90℃の範囲に加熱して均一に混合する。
工程4:工程3の調製物を冷却し、20~35℃の範囲まで冷却する工程。
【0067】
<38>以下の工程1、工程2、工程3及び工程4を含む、前記<1>~<36>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物の製造方法。
工程1:成分(A)、成分(D)、成分(G)、pH調整剤及びその他の任意成分を順次添加し、混合する工程。
工程2:成分(B)、成分(C)、成分(E)、及びその他の任意の界面活性剤成分を順次添加し、混合する工程。
工程3:工程1の調製物に工程2の調製物を添加し、70~90℃の範囲に加熱して均一に混合する。
工程4:工程3の調製物を冷却し、工程3の調製物が40~55℃の範囲に冷却された際に成分(F)を所定量添加して混合し、さらに20~35℃の範囲まで冷却する工程。
【0068】
<39>pHが、好ましくは4以上であって、5以上がより好ましく、5.5以上がさらに好ましく、6以上がさらに好ましく、また、7.5以下が好ましく、7.2以下がより好ましく、7以下がさらに好ましい前記<1>~<37>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<40>手洗い用洗浄料、洗顔料、クレンジング料、ボディソープ又は頭皮用洗浄料である前記<1>~<37>、<39>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<41>好ましくは、クリーム状又はペースト状であって、25℃における粘度が、10000mPa・s以上であるのが好ましく、800000mPa・s以下であるのがより好ましい前記<1>~<37>、<39>、<40>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
<42>チューブ容器に充填して用いる前記<1>~<37>、<39>~<41>のいずれか1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【実施例】
【0069】
実施例1~13及び比較例1~11
表1~表2に示す組成の皮膚洗浄剤組成物を製造した。
得られた皮膚洗浄剤組成物について、経日安定性、速泡性、泡量、泡のキメ細やかさ及び洗い上がりのしっとり感を評価した。結果を表1~表2に併せて示す。
【0070】
(製造方法)
工程1:成分1、7、8、14、15を混合し、均一に攪拌混合する。
工程2:成分2~6、9~12を混合し、均一に攪拌混合する。
工程3:工程1の調製物に工程2の調製物を添加し、80℃に加熱して均一に攪拌混合する。
工程4:工程3の調製物を冷却し、工程3の調製物が50℃になった際に成分13を添加して、均一に攪拌混合し、30℃まで冷却して、皮膚洗浄剤組成物を得た。
【0071】
(評価方法)
(1)経日安定性(25℃、45℃):
各皮膚洗浄剤組成物を50mLの透明ガラス製容器に入れて密封し、25℃又は45℃の恒温槽に3か月保存した後、視覚判定により下記の基準で評価した。
5:外観の変化が観察されない。
4:表面にごくわずかな油浮きが認められる。
3:表面に明確な油浮きが認められる。
2:部分的な分離が認められる。
1:全体に分離が認められる。
【0072】
(2)速泡性:
各皮膚洗浄剤組成物0.5gを水に溶解して10質量%水溶液を調製し、マグネチックスターラー(REXIM RP-1A、アズワン社製)を用いて10秒間攪拌(1500rpm)して泡立てた。形成した泡の体積を測定し、以下の基準により評価した。
5:泡の体積が25mL以上。
4:泡の体積が20mL以上25mL未満。
3:泡の体積が15mL以上20mL未満。
2:泡の体積が10mL以上15mL未満。
1:泡の体積が10mL未満。
【0073】
(3)泡量:
各皮膚洗浄剤組成物0.5gを水に溶解して10質量%水溶液を調製し、マグネチックスターラー(REXIM RP-1A、アズワン社製)を用いて1分間攪拌(1500rpm)して泡立てた。形成した泡の体積を測定し、以下の基準により評価した。
5:泡の体積が40mL以上。
4:泡の体積が35mL以上40mL未満。
3:泡の体積が30mL以上35mL未満。
2:泡の体積が25mL以上30mL未満。
1:泡の体積が25mL未満。
【0074】
(4)泡のキメ細やかさ:
各皮膚洗浄剤組成物0.5gを水に溶解して10質量%水溶液を調製し、マグネチックスターラー(REXIM RP-1A、アズワン社製)を用いて1分間攪拌(1500rpm)して、泡を形成させた。その後、カバープレート上に泡を適量移し、プレパラートをのせ、光学顕微鏡(100倍)にて泡の大きさを観察した。泡の大きさは、任意の視野の任意の気泡10個について、気泡の長軸と短軸の長さの相加平均を泡の大きさとみなし、以下の基準により評価した。泡の大きさが小さい程、キメ細やかな泡であることを意味する。
5:気泡の相加平均が150μm未満。
4:気泡の相加平均が150μm以上200μm未満。
3:気泡の相加平均が200μm以上250μm未満。
2:気泡の相加平均が250μm以上300μm未満。
1:気泡の相加平均が300μm以上。
【0075】
(5)洗い上がりのしっとり感:
専門パネラー5名に、各皮膚洗浄剤組成物を使用して洗顔をしてもらい、洗顔10分後において、「洗い上がりのしっとり感」に関して以下の基準により評価した。結果を、その平均点(小数点第1位を四捨五入)で示した。
5:非常に良い。
4:良い。
3:どちらとも言えない。
2:悪い。
1:非常に悪い。
【0076】
【0077】
【0078】
以下、実施例、比較例及び処方例で用いた成分について説明する。
*1:STRUCTURE XL(アクゾノーベル社製)、
*2:アミライト GCK-11(味の素社製)、
*3:アミソフト CT-12(味の素社製)、
*4:コスメチックソープ CK-4N(ミヨシ油脂社製)、
*5:PLANTAPON SUS(BASF社製)、
*6:Sフェイス M-1001(坂本薬品工業社製)、
*7:モンテックスS(ミヨシ油脂社製)、
*8:サンソフト NO,700H(太陽化学社製)、
*9:サンソフト No.760H(太陽化学社製)、
*10:マーコート 550PR(ルブゾール アドバンスド マテリアル社製)(実質含分9%)
*11:豆乳発酵液(三省製薬社製)
*12:TONISKIN(Silab社製)
*13:セキセツソウ抽出液BG70(丸善製薬)
*14:ウスベニアオイ抽出液BG(丸善製薬社製)
*15:ラナクリス 2B(Lucas Meyer Cosmetics社製)
*16:ネプチゲン N(一丸フェルコス社製)
*17:LIPIDURE-PMB(日油社製)
*18:サルビア抽出液BG-J(丸善製薬社製)
*19:チンピエキス K65B(日油社製)
*20:ファルコレックス ジオウ(一丸ファルコス社製)
*21:センブリ抽出液-S(丸善製薬社製)
*22:ファルコレックス サンショウ(丸善製薬社製)
*23:キンキンコウ抽出液BG70(丸善製薬社製)
*24:ウォータークレスKB(Silab社製)
*25:シルクプロテイン N(一丸ファルコス社製)
【0079】
以下、実施例と同様にして、以下に示す組成の皮膚洗浄剤組成物を製造した。
処方例1(洗顔料) 含有量(質量%)
ヒドロキシプロピルデンプンリン酸(*1) 1.0
ココイルグリシンカリウム(*2) 20.5
スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム(*5) 3.0
濃グリセリン 46.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
ミリスチン酸ポリグリセリル-10(*6) 3.0
ステアリン酸グリセリル(*7) 2.3
ポリクオタニウム-7(*10) 0.5
クエン酸 2.0
豆乳発酵エキス(*11) 0.01
酵母エキス(*12) 0.01
ツボクサエキス(*13) 0.01
ゼニアオイ花エキス(*14) 0.01
クリサンテルムインジクムエキス:(*15) 0.01
水溶性コラーゲン(*16) 0.01
水 残量
【0080】
処方例2(洗顔料) 含有量(質量%)
ヒドロキシプロピルデンプンリン酸(*1) 1.0
ココイルグリシンカリウム(*2) 15.5
ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン(*3) 5.0
スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム(*5) 3.0
濃グリセリン 42.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
ミリスチン酸ポリグリセリル-10(*6) 3.0
ステアリン酸グリセリル(*7) 2.3
ポリクオタニウム-7(*10) 0.5
クエン酸 0.2
ポリクオタニウム-51(*17) 0.01
セージ葉エキス(*18) 0.01
タチバナ果皮エキス(*19) 0.01
アカヤジオウ根エキス(*20) 0.01
センブリエキス(*21) 0.01
サンショウ果皮エキス(*22) 0.01
ヒメノボタンエキス(*23) 0.01
水 残量
【0081】
処方例3(洗顔料) 含有量(質量%)
ヒドロキシプロピルデンプンリン酸(*1) 1.5
ココイルグリシンカリウム(*2) 18.0
スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム(*5) 3.0
濃グリセリン 40.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
ミリスチン酸ポリグリセリル-10(*6) 3.0
ステアリン酸グリセリル(*7) 2.3
ポリクオタニウム-7(*10) 0.5
クエン酸 0.18
オランダカラシエキス(*24) 0.01
ポリクオタニウム-51(*17) 0.01
加水分解シルク(*25) 0.01
セージ葉エキス(*18) 0.01
センブリエキス(*21) 0.01
ヒメノボタンエキス(*23) 0.01
グリシン 0.001
プロリン 0.001
アラニン 0.001
水 残量
【0082】
得られた皮膚洗浄剤組成物はいずれも、高温安定性に優れ、速泡性で、泡量が多く、泡のキメが細かく、泡質特性に優れ、洗い上がり後にしっとりとした感触に仕上がった。