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  • 特許-電子機器、送信機、及び、受信機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】電子機器、送信機、及び、受信機
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/72505 20210101AFI20231206BHJP
   H04M 1/724 20210101ALI20231206BHJP
【FI】
H04M1/72505
H04M1/724
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019219844
(22)【出願日】2019-12-04
(65)【公開番号】P2021090152
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】321012096
【氏名又は名称】オトモア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(72)【発明者】
【氏名】高山 賢次郎
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-187599(JP,A)
【文献】特開2018-113621(JP,A)
【文献】国際公開第2018/220898(WO,A1)
【文献】特開2014-174811(JP,A)
【文献】特開2013-104645(JP,A)
【文献】特開2012-147146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03J9/00-9/06
H04B7/24-7/26
H04L12/28
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04Q9/00-9/16
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機と、前記送信機とペアリング済の第1受信機と、を備え、
前記送信機の制御部は、
第2受信機とペアリング中に、前記第1受信機に、前記第2受信機とペアリング中である旨の情報を送信し、
前記第1受信機の第1制御部は、
前記送信機から送信されるペアリング中である旨の情報を受信した場合、前記送信機と前記第2受信機とが、ペアリング中であることを音声で報知することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記送信機の前記制御部は、
前記第2受信機とのペアリングが成功した場合に、前記第1受信機に、前記第2受信機とのペアリングが成功した旨の情報を送信し、
前記第1受信機の前記第1制御部は、
前記送信機から送信されるペアリングが成功した旨の情報を受信した場合、前記送信機と前記第2受信機とのペアリングが成功したことを音声で報知することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記送信機の前記制御部は、
前記第2受信機とのペアリングが失敗した場合に、前記第1受信機に、前記第2受信機とのペアリングが失敗した旨の情報を送信し、
前記第1受信機の前記第1制御部は、
前記送信機から送信されるペアリングが失敗した旨の情報を受信した場合、前記送信機と前記第2受信機とのペアリングが失敗したことを音声で報知することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の送信機。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の第1受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信機と受信機とを備える電子機器、送信機、及び、受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
音声を送信する送信機と、音声を受信する受信機と、を備える電子機器として、例えば、ワイヤレススピーカー、コードレス電話機等がある。コードレス電話機においては、親機が送信機であり、子機が受信機であり、親機と子機とがペアリングされている(例えば、特許文献1参照。)。また、コードレス電話機は、例えば、1台の親機と、親機にペアリング済の1台の子機とが、セットで販売されている。コードレス電話機においては、別売りの子機(受信機)を、親機に新たにペアリングすることが可能である。親機(送信機)に液晶等の表示装置がなく、スピーカーもない場合、親機(送信機)がペアリング状態に移行したときの状態は、LEDを使用してユーザーに通知されている。しかしながら、親機(送信機)に実装されるLEDの数が少ないことにより、電話機の状態を表すために、LEDの点灯、点滅が多用されるため、ユーザーが、ペアリング中であることがわかりにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-182702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、ユーザーは、送信機と受信機とがペアリング中であることを理解しにくいという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、ユーザーが、送信機と受信機とがペアリング中であることを容易に理解可能な手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の電子機器は、送信機と、前記送信機とペアリング済の第1受信機と、を備え、前記送信機の制御部は、第2受信機とペアリング中に、前記第1受信機に、前記第2受信機とペアリング中である旨の情報を送信し、前記第1受信機の第1制御部は、前記送信機から送信されるペアリング中である旨の情報を受信した場合、前記送信機と前記第2受信機とが、ペアリング中であることを音声で報知することを特徴とする。
【0007】
本発明では、第1受信機の第1制御部は、送信機から送信されるペアリング中である旨の情報を受信した場合、送信機と第2受信機とが、ペアリング中であることを音声で報知する。これにより、ユーザーは、送信機と第2受信機とがペアリング中であることを容易に理解することができる。
【0008】
第2の発明の電子機器は、第1の発明の電子機器において、前記送信機の前記制御部は、前記第2受信機とのペアリングが成功した場合に、前記第1受信機に、前記第2受信機とのペアリングが成功した旨の情報を送信し、前記第1受信機の前記第1制御部は、前記送信機から送信されるペアリングが成功した旨の情報を受信した場合、前記送信機と前記第2受信機とのペアリングが成功したことを音声で報知することを特徴とする。
【0009】
本発明では、第1受信機の第1制御部は、送信機から送信されるペアリングが成功した旨の情報を受信した場合、送信機と第2受信機とのペアリングが成功したことを音声で報知する。これにより、ユーザーは、送信機と第2受信機とのペアリングが成功したことを容易に理解することができる。
【0010】
第3の発明の電子機器は、第1又は第2の発明の電子機器において、前記送信機の前記制御部は、前記第2受信機とのペアリングが失敗した場合に、前記第1受信機に、前記第2受信機とのペアリングが失敗した旨の情報を送信し、前記第1受信機の前記第1制御部は、前記送信機から送信されるペアリングが失敗した旨の情報を受信した場合、前記送信機と前記第2受信機とのペアリングが失敗したことを音声で報知することを特徴とする。
【0011】
本発明では、第1受信機の第1制御部は、送信機から送信されるペアリングが失敗した旨の情報を受信した場合、送信機と第2受信機とのペアリングが失敗したことを音声で報知する。これにより、ユーザーは、送信機と第2受信機とのペアリングが失敗したことを容易に理解することができる。
【0012】
第4の発明の送信機は、第1~第3のいずれかの発明の送信機である。
【0013】
第5の発明の第1受信機は、第1~第3のいずれかの発明の第1受信機である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザーは、送信機と受信機とがペアリング中であることを容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る電話機の構成を示すブロック図である。
図2】電源がオンとなった場合の親機の処理動作を示すフローチャートである。
図3】電源がオンとなった場合の子機の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電話機1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、電話機1(電子機器)は、親機2(送信機)と、子機3a、3b(受信機)と、を備える。親機2と、子機3a、3bとは、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)規格に従って、無線通信を行う。親機2は、音声を送信し、子機3a、3bは、音声を受信する。
【0017】
親機2は、主制御部21と、RAM(Random Access Memory)22と、不揮発性メモリ23と、公衆回線制御部24と、無線部25と、表示部26と、を備える。主制御部21は、不揮発性メモリ23に記憶されている制御プログラムに従って、親機2を構成する各部を制御する。RAM22は、主制御部21の主メモリとして機能する。不揮発性メモリ23は、制御プログラム等を記憶している。公衆回線制御部24は、公衆回線を制御して、電話を掛ける、切る処理を行う。公衆回線制御部24は、公衆回線に接続されている。主制御部21は、公衆回線制御部24を制御して、他の電話機と通話を行うことができる。
【0018】
無線部25は、子機3と無線通信を行う。例えば、主制御部21は、無線部25を介して、受信した発信者番号を子機3に送信する。表示部26は、電話機1の状態を表示するためのLED等である。
【0019】
子機3a(第1受信機)は、主制御部31aと、RAM32aと、不揮発性メモリ33aと、表示部34aと、無線部35aと、音声再生部36aと、スピーカー37aと、を備える。子機3bは、主制御部31bと、RAM32bと、不揮発性メモリ33bと、表示部34bと、無線部35bと、音声再生部36bと、スピーカー37bと、を備える。子機3aと子機3bとは、同一の構成である。ここでは、子機3aについて説明し、子機3bの説明を省略する。
【0020】
主制御部31a(第1制御部)は、不揮発性メモリ33aに記憶されている制御プログラムに従って、子機3aを構成する各部を制御する。RAM32aは、主制御部31aの主メモリとして機能する。不揮発性メモリ33aは、制御プログラム等を記憶している。また、不揮発性メモリ33aは、電話帳を記憶している。電話帳には、電話番号、名前情報等が含まれている。表示部34aは、発信者番号、電話帳に含まれる名前情報等を表示するLCDである。無線部35aは、親機2と無線通信を行う。例えば、主制御部31aは、無線部35aを介して、親機2から送信される発信者番号を受信する。
【0021】
音声出力部36aは、音声信号をスピーカー37aに出力して、音声を再生する。スピーカー37aは、音声信号に従って、外部に音声を出力する。
【0022】
親機2は、子機3aとペアリング済である。以下、電源がオンとなった場合の親機2の処理動作を、図2に示すフローチャートに基づいて、説明する。親機2の主制御部21は、電源がオンとなると、ペアリング済の子機3aとの同期を完了する(S1)。次に、主制御部21は、子機を増設するための増設ボタンの2秒以上の長押し操作を検出したか否かを判断する(S2)。主制御部21は、増設ボタンの2秒以上の長押し操作を検出していないと判断している間は(S2:No)、S2の処理を繰り返し実行する。
【0023】
主制御部21は、増設ボタンの2秒以上の長押し操作を検出したと判断した場合(S2:Yes)、子機3bとのペアリングを開始する(S3)。このとき、親機2は、子機3bとペアリング中である。主制御部21は、子機3aに、子機3bとペアリング中である旨の情報を送信する(S4)。次に、主制御部21は、子機3bとのペアリングに成功したか否かを判断する(S5)。主制御部21は、子機3bとのペアリングに成功していないと判断した場合(S5:No)、子機3bとのペアリング開始から、1分経過したか否かを判断する(S6)。主制御部21は、子機3bとのペアリング開始から、1分経過していないと判断した場合(S6:No)、S5の処理を実行する。
【0024】
主制御部21は、子機3bとのペアリング開始から、1分経過したと判断した場合(S6:Yes)、子機3bとのペアリングに失敗したと判断し、子機3aに、子機3bとのペアリングが失敗した旨の情報を送信する(S7)。一方で、主制御部21は、子機3bとのペアリングに成功したと判断した場合(S5:Yes)、子機3aに、子機3bとのペアリングが成功した旨の情報を送信する(S8)。
【0025】
次に、電源がオンとなった場合の子機3aの処理動作を、図3に示すフローチャートに基づいて、説明する。子機3aの主制御部31aは、電源がオンとなると、親機2との同期を完了する(S11)。次に、主制御部31aは、親機2から情報を受信したか否かを判断する(S12)。主制御部31aは、親機2から情報を受信したと判断していない間は(S12:No)、S12の処理を繰り返し実行する。主制御部31aは、親機2から情報を受信したと判断した場合(S12:Yes)、受信した情報が、ペアリング中である旨の情報であるか否かを判断する(S13)。主制御部31aは、受信した情報が、ペアリング中である旨の情報であると判断した場合(S13:Yes)、親機2と子機3bとが、ペアリング中であることを音声再生(音声で報知)する(S14)。例えば、「親機と増設する子機とが、ペアリング中です」との音声が再生される。
【0026】
主制御部31aは、受信した情報が、ペアリング中である旨の情報でないと判断した場合(S13:No)、受信した情報が、ペアリングが成功した旨の情報であるか否かを判断する(S14)。主制御部31aは、受信した情報が、ペアリングが成功した旨の情報であると判断した場合(S14:Yes)、親機2と子機3bとのペアリングが成功したことを音声再生(音声で報知)する(S16)。例えば、「親機と増設する子機とのペアリングが成功しました」との音声が再生される。主制御部31aは、受信した情報が、ペアリングが成功した旨の情報でない、すなわち、ペアリングが失敗した旨の情報であると判断した場合(S14:No)、親機2と子機3bとのペアリングが失敗したことを音声再生(音声で報知)する(S17)。例えば、「親機と増設する子機とのペアリングが失敗しました」との音声が再生される。
【0027】
主制御部31aは、S14、S16、又は、S17の処理の後、受信した情報を削除し、S12の処理を実行する。
【0028】
以上説明したように、本実施形態では、子機3aの主制御部31aは、親機2から送信されるペアリング中である旨の情報を受信した場合、親機2と子機3bとが、ペアリング中であることを音声で報知する。これにより、ユーザーは、親機2と子機3bとがペアリング中であることを容易に理解することができる。
【0029】
また、本実施形態では、子機3aの主制御部31aは、親機2から送信されるペアリングが成功した旨の情報を受信した場合、親機2と子機3bとのペアリングが成功したことを音声で報知する。これにより、ユーザーは、親機2と子機3bとのペアリングが成功したことを容易に理解することができる。
【0030】
また、本実施形態では、子機3aの主制御部31aは、親機2から送信されるペアリングが失敗した旨の情報を受信した場合、親機2と子機3bとのペアリングが失敗したことを音声で報知する。これにより、ユーザーは、親機2と子機3bとのペアリングが失敗したことを容易に理解することができる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【0032】
上述の実施形態においては、送信機(親機)と受信機(子機)とを備える電子機器として、電話機を例示した。これに限らず、例えば、音声を送信する送信機と、音声を受信する受信機と、を備える電子機器であれば、例えば、ワイヤレススピーカー等であってもよい。
【0033】
上述の実施形態においては、親機と子機とのペアリングが失敗した旨の情報が、音声で報知されるが、これに加え、ペアリングが失敗した理由を、親機2から子機3aに送信し、子機3aから、音声で報知するようにしてもよい。例えば、タイムアウトによる失敗の場合、「2分経過したため、ペアリングを終了します。」との音声が再生される。また、無線不安定による失敗の場合、「子機から応答が停止しました。」との音声が再生される。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、送信機と受信機とを備える電子機器、送信機、及び、受信機に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0035】
1 電話機(電子機器)
2 親機(送信機)
21 主制御部
25 無線部
3a 子機(第1受信機)
31a 主制御部(第1制御部)
35a 無線部
3b 子機(第2受信機)
図1
図2
図3