(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】電動調光型ロールスクリーン
(51)【国際特許分類】
E06B 9/24 20060101AFI20231206BHJP
E06B 9/42 20060101ALI20231206BHJP
E06B 9/322 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
E06B9/24 B
E06B9/42 B
E06B9/322
(21)【出願番号】P 2019223252
(22)【出願日】2019-12-10
【審査請求日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】P 2019186420
(32)【優先日】2019-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143568
【氏名又は名称】英 貢
(72)【発明者】
【氏名】江波戸 武信
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 潤一
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-115321(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0272374(US,A1)
【文献】特表2007-521433(JP,A)
【文献】特開2019-082091(JP,A)
【文献】国際公開第2018/225849(WO,A1)
【文献】特開昭62-264290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F15/00-15/79
E06B9/00
9/02
9/06-9/50
9/56-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光部と遮光部とを持つ1枚のスクリーンをウェイトバーで折り返して前後二重のスクリーンを形成し、電動操作で、前記前後二重のスクリーンの重なり具合を基に調光可能とする電動調光型ロールスクリーンであって、
前記前後二重のスクリーンの一方の上端を取着して巻き取り、或いは巻き戻し可能とする巻取パイプと、
前記前後二重のスクリーンの他方の上端を取着するフレームと、
前記ウェイトバーの昇降及び前記重なり具合の調整による調光のために、前記巻取パイプを回転させるためのモーターと、
前記ウェイトバーの高さに応じた前記巻取パイプの回転数を管理し、前記巻取パイプの回転数を基に
、前記巻取パイプの直径と、前記1枚のスクリーンの生地厚とを加味して前記ウェイトバーの高さを求め、求めた前記ウェイトバーの高さを基準に、前記ウェイトバーの高さによって当該前後二重のスクリーンの重なり具合に差異が生じることなく指定される調光率となるよう演算して自動的に前記重なり具合を調整するように制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする電動調光型ロールスクリーン。
【請求項2】
それぞれ透光部と遮光部とを持つ2枚のスクリーンの下端にウェイトバーを設け前後二重のスクリーンを形成し、電動操作で、前記前後二重のスクリーンの重なり具合を基に調光可能とする電動調光型ロールスクリーンであって、
前記前後二重のスクリーンの一方の上端を取着して巻き取り、或いは巻き戻し可能とする第1の巻取パイプと、
前記前後二重のスクリーンの他方の上端を取着して巻き取り、或いは巻き戻し可能とする第2の巻取パイプと、
前記ウェイトバーの昇降及び前記重なり具合の調整による調光のために、前記第1の巻取パイプを回転させるためのモーターと、
前記第2の巻取パイプに対して前記第1の巻取パイプの回転を所定の空回り角度を有して同方向に同一速度で回転させるよう回転伝達する回転伝達装置と、
前記ウェイトバーの高さに応じた前記第1及び第2の巻取パイプの各回転数を管理し、前記第1の巻取パイプの回転数
と、前記所定の空回り角度に対応する回転数差とを基に
、前記ウェイトバーの高さによって当該前後二重のスクリーンの重なり具合に差異が生じることなく指定される調光率となるよう演算して自動的に前記重なり具合を調整するように制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする電動調光型ロールスクリーン。
【請求項3】
透光部と遮光部とを持つ前後二重のスクリーンを形成し、前記前後二重のスクリーンの下端にウェイトバーを設け、電動操作で、前記前後二重のスクリーンの重なり具合を基に調光可能とする電動調光型ロールスクリーンであって、
前記前後二重のスクリーンの巻き取り、或いは巻き戻しにより昇降及び調光を可能とする巻取手段と、
前記ウェイトバーの昇降及び前記重なり具合の調整による調光のために、前記巻取手段を回転させるためのモーターと、
前記重なり具合を検出する
ために、上下方向に等間隔で配設された複数の光センサと、
前記ウェイトバーの高さに応じた前記巻取手段の回転数を管理し、前記回転数と前記
複数の光センサの出力値
の変化を基に、
前記ウェイトバーの高さによって当該前後二重のスクリーンの重なり具合に差異が生じることなく指定される調光率となるよう演算して自動的に前記重なり具合を調整するように制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする電動調光型ロールスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種の生地でスクリーンを構成し、その複数種の生地の重なり具合を調節することにより、室内への採光量を調整可能とした調光型ロールスクリーンに関し、特に、電動で、室内への採光量を調整可能とした電動調光型ロールスクリーン及びその操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手動操作ではあるが、二重に重ね合わせたスクリーンを上下方向に相対移動させて室内への採光量を調節可能とした調光型ロールスクリーンがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような調光型ロールスクリーンでは、スクリーンに、光を一部透過させる透光部と、光を遮る遮光部とが縞状に交互に形成され、このスクリーンが二重に重ね合わされた状態で吊下支持されている。そして、手動操作により、前後のスクリーンを上下方向に相対移動させて、透光部と遮光部との重なり具合を調整することにより、採光量を調節可能となっている。
【0004】
また、手動操作ではあるが、2枚のスクリーンを重ね合わせ、それぞれのスクリーンの上端部をそれぞれ別個の巻取パイプに巻き取り、或いは巻き戻してスクリーンを昇降可能とした調光型ロールスクリーンが開示されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示される調光型ロールスクリーンでは、操作紐の操作により、常には各巻取パイプが同期して同方向に回転されて、2枚のスクリーンが同時に昇降される。また、採光量の調整時には、スクリーンの昇降操作の後、操作紐を逆方向に操作すると、一方の巻取パイプのみが所定の回転角度内で回転されて、透光部と遮光部が上下方向に相対移動することにより、透光部に対する遮光部の重なり幅を調整し採光量を調節可能としている。そして、特許文献2に開示される調光型ロールスクリーンでは、スクリーンの相対移動範囲を外部から調整可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-085724号公報
【文献】特開2019-082091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献1,2には、透光部と遮光部とを上下方向に交互に配設した前後二重のスクリーンを形成し、ボールチェーン等の手動操作で、当該前後二重のスクリーンの重なり具合を調整し調光可能とする調光型ロールスクリーンが開示されている。しかし、これらの文献に開示される調光型ロールスクリーンは手動操作であり、操作者の目視によってその重なり具合を調整するものとなる。
【0007】
ところで、当該前後二重のスクリーンの下端に設けられるウェイトバーの高さによって巻取パイプによるスクリーンの巻取量が変化するために、ウェイトバーの高さによって当該前後二重のスクリーンの重なり具合に差異が生じる。
【0008】
そこで、ウェイトバーの高さによって当該前後二重のスクリーンの重なり具合に差異が生じるが、一般的には、透光部の高さ方向幅aと遮光部の高さ方向幅bについて、a:b=1:1.5とするなどして、その差異を無視できるようにしている。
【0009】
一方、このような調光型ロールスクリーンについて、モーターで巻取パイプを回転制御する電動調光型ロールスクリーンを構成とすることができる。電動調光型ロールスクリーンを構成するときは、手動操作よりも、より操作性又は機能性を向上させ、前後のスクリーンにおける各透光部の位置が重なる採光状態と、前後のスクリーンにおける透光部の位置が完全にずれた遮光状態とを簡易な操作で選択的に実行し、当該前後二重のスクリーンの重なり具合を自動調整する構成とすることが望まれる。
【0010】
より具体的には、ウェイトバーの昇降や調光の制御では、モーターの回転数(即ち、巻取パイプの回転数)を基に制御することになるが、手動操作と同様に、ウェイトバーの高さによって当該前後二重のスクリーンの重なり具合に差異が生じる。
【0011】
そこで、操作性又は機能性を向上させる電動調光型ロールスクリーンの構成として、ウェイトバーの任意の高さで、操作装置上のボタンのワンタッチ操作で、精度よく前後のスクリーンにおける採光状態と遮光状態の切り替えを行う構成とすることや、例えば透光部の高さ方向幅aと遮光部の高さ方向幅bについて、a:b=1:1とするなど、生地種の制限を緩和させることができるようにする技法が要望される。
【0012】
本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、手動操作よりも操作性又は機能性を向上させた電動調光型ロールスクリーン及びその操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による一態様の電動調光型ロールスクリーンは、透光部と遮光部とを持つ1枚のスクリーンをウェイトバーで折り返して前後二重のスクリーンを形成し、電動操作で、前記前後二重のスクリーンの重なり具合を基に調光可能とする電動調光型ロールスクリーンであって、前記前後二重のスクリーンの一方の上端を取着して巻き取り、或いは巻き戻し可能とする巻取パイプと、前記前後二重のスクリーンの他方の上端を取着するフレームと、前記ウェイトバーの昇降及び前記重なり具合の調整による調光のために、前記巻取パイプを回転させるためのモーターと、前記ウェイトバーの高さに応じた前記巻取パイプの回転数を管理し、前記巻取パイプの回転数を基に、前記巻取パイプの直径と、前記1枚のスクリーンの生地厚とを加味して前記ウェイトバーの高さを求め、求めた前記ウェイトバーの高さを基準に、前記ウェイトバーの高さによって当該前後二重のスクリーンの重なり具合に差異が生じることなく指定される調光率となるよう演算して自動的に前記重なり具合を調整するように制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0015】
更に、本発明による一態様の電動調光型ロールスクリーンは、それぞれ透光部と遮光部とを持つ2枚のスクリーンの下端にウェイトバーを設け前後二重のスクリーンを形成し、電動操作で、前記前後二重のスクリーンの重なり具合を基に調光可能とする電動調光型ロールスクリーンであって、前記前後二重のスクリーンの一方の上端を取着して巻き取り、或いは巻き戻し可能とする第1の巻取パイプと、前記前後二重のスクリーンの他方の上端を取着して巻き取り、或いは巻き戻し可能とする第2の巻取パイプと、前記ウェイトバーの昇降及び前記重なり具合の調整による調光のために、前記第1の巻取パイプを回転させるためのモーターと、前記第2の巻取パイプに対して前記第1の巻取パイプの回転を所定の空回り角度を有して同方向に同一速度で回転させるよう回転伝達する回転伝達装置と、前記ウェイトバーの高さに応じた前記第1及び第2の巻取パイプの各回転数を管理し、前記第1の巻取パイプの回転数と、前記所定の空回り角度に対応する回転数差とを基に、前記ウェイトバーの高さによって当該前後二重のスクリーンの重なり具合に差異が生じることなく指定される調光率となるよう演算して自動的に前記重なり具合を調整するように制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0017】
更に、本発明による一態様の電動調光型ロールスクリーンは、透光部と遮光部とを持つ前後二重のスクリーンを形成し、前記前後二重のスクリーンの下端にウェイトバーを設け、電動操作で、前記前後二重のスクリーンの重なり具合を基に調光可能とする電動調光型ロールスクリーンであって、前記前後二重のスクリーンの巻き取り、或いは巻き戻しにより昇降及び調光を可能とする巻取手段と、前記ウェイトバーの昇降及び前記重なり具合の調整による調光のために、前記巻取手段を回転させるためのモーターと、前記重なり具合を検出するために、上下方向に等間隔で配設された複数の光センサと、前記ウェイトバーの高さに応じた前記巻取手段の回転数を管理し、前記回転数と前記複数の光センサの出力値の変化を基に、前記ウェイトバーの高さによって当該前後二重のスクリーンの重なり具合に差異が生じることなく指定される調光率となるよう演算して自動的に前記重なり具合を調整するように制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、手動操作よりも操作性又は機能性を向上させる電動調光型ロールスクリーンの構成として、ウェイトバーの任意の高さで、操作装置上のボタンのワンタッチ操作で、精度よく前後のスクリーンにおける採光状態と遮光状態の切り替えを行う構成とすることや、例えば透光部の高さ方向幅aと遮光部の高さ方向幅bについて、a:b=1:1とするなど、生地種の制限を緩和させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンの概略構成を示す正面図である。
【
図2】本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンの概略構成を示す断面側面図である。
【
図3】本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンにおける制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンの操作装置として構成されるスイッチの概略構成を示す正面図である。
【
図5】(a)乃至(c)は、それぞれ本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンの操作装置として構成される通信端末上の昇降モードの操作画面を例示する図であり、(d)及び(e)は、それぞれ通信端末上の調光モードの操作画面を例示する図である。
【
図6】本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンにおける調光モードの基本動作を示す図である。
【
図7】(a)乃至(c)は、それぞれ本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンにおけるウェイトバーの下限状態、中間状態、及び上限状態の簡易的な側面図である。
【
図8】(a),(b)は、それぞれ本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンの調光モードにおける、操作装置上のボタンのワンタッチ操作で採光操作、及び遮光操作するときの制御装置の制御例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明による第2実施形態の電動調光型ロールスクリーンの概略構成を示す正面図である。
【
図10】本発明による第2実施形態の電動調光型ロールスクリーンの概略構成を示す断面側面図である。
【
図11】(a),(b)は、それぞれ本発明による第2実施形態の電動調光型ロールスクリーンにおける回転伝達装置の概略構成を示す断面側面図と、その被動歯車の構成を示す分解斜視図である。
【
図12】(a)及び(b)は、それぞれ本発明による第2実施形態の電動調光型ロールスクリーンにおけるウェイトバーの下限状態、及び中間状態の簡易的な側面図である。
【
図13】(a),(b)は、それぞれ本発明による第2実施形態の電動調光型ロールスクリーンの調光モードにおける、操作装置上のボタンのワンタッチ操作で上昇操作経由の採光操作、及び遮光操作するときの制御装置の制御例を示すフローチャートである。
【
図14】(a),(b)は、それぞれ本発明による第2実施形態の電動調光型ロールスクリーンの調光モードにおける、操作装置上のボタンのワンタッチ操作で下降操作経由の採光操作、及び遮光操作するときの制御装置の制御例を示すフローチャートである。
【
図15】本発明による第3実施形態の電動調光型ロールスクリーンの概略構成を簡易、且つ部分的に示す斜視図である。
【
図16】本発明による第3実施形態の電動調光型ロールスクリーンにおける制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図17】(a),(b)は、それぞれ本発明による第3実施形態の電動調光型ロールスクリーンの調光モードにおける、操作装置上のボタンのワンタッチ操作で採光操作、及び遮光操作するときの制御装置の制御に関する、前後二重のスクリーンの重なり具合の動作図である。
【
図18】本発明による第4実施形態の電動調光型ロールスクリーンの概略構成を簡易、且つ部分的に示す斜視図である。
【
図19】本発明による第4実施形態の電動調光型ロールスクリーンにおける制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図20】本発明による第4実施形態の電動調光型ロールスクリーンの調光モードにおける、操作装置上のボタンのワンタッチ操作で採光操作、及び遮光操作するときの制御装置の制御に関する、巻取パイプの回転数に対し前後二重のスクリーンの重なり具合により生じる光透過量の特性図である。
【
図21】本発明による第1乃至第4実施形態の電動調光型ロールスクリーンの操作装置として構成される変形例のスイッチの概略構成を示す正面図である。
【
図22】本発明に係る変形例のスイッチ上のボタン操作で調光及び昇降操作するときの制御装置の実施例1の制御例を示すフローチャートである。
【
図23】本発明に係る変形例のスイッチ上のボタン操作で調光及び昇降操作するときの制御装置の実施例1の制御に関する、前後二重のスクリーンの調光及び昇降の動作図である。
【
図24】本発明に係る変形例のスイッチ上のボタン操作で調光及び昇降操作するときの制御装置の実施例2の制御例を示すフローチャートである。
【
図25】本発明に係る変形例のスイッチ上のボタン操作で調光及び昇降操作するときの制御装置の実施例2の制御に関する、前後二重のスクリーンの調光及び昇降の動作図である。
【
図26】(a),(b)は、それぞれ本発明による第1乃至第4実施形態の電動調光型ロールスクリーンの操作装置として構成される変形例の通信端末上の調光・昇降兼用の操作画面を例示する図である。
【
図27】(a)乃至(c)は、それぞれ変形例の電動調光型ロールスクリーンにおける概略構成と動作を概略的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明による各実施形態の電動調光型ロールスクリーンを説明する。尚、本願明細書中、
図1に示す電動調光型ロールスクリーンの正面図に対して、図示上方及び図示下方をそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向を電動調光型ロールスクリーンの左側、及び、図示右方向を電動調光型ロールスクリーンの右側と定義して説明する。また、以下に説明する例では、
図1に示す電動調光型ロールスクリーンの正面図に対して、視認する側を前側(又は室内側)、その反対側を後側(又は室外側)とする。
【0033】
〔第1実施形態〕
(全体構成)
図1は、本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンの概略構成を示す正面図である。また、
図2は、本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンの概略構成を示す断面側面図である。
図1及び
図2に示す第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンは、取付ブラケット1を介して窓枠等の取付面に取着されるフレーム2の両端に支持ブラケット3が取着され、その支持ブラケット3に1本の巻取パイプ4が回転可能に支持されている。
【0034】
そして、
図2に示すように、本実施形態の電動調光型ロールスクリーンは、1枚のスクリーンをウェイトバー7におけるボトムパイプ72で折り返し前後二重の第1及び第2のスクリーン5a,5bを構成して吊下するようになっている。巻取パイプ4と略平行に延びるボトムパイプ72は、上部が開口したボトムカバー71に収容され、ボトムパイプ72の左右両端はボトムカバー71の左右両端に設けられるサイドカバー70に回転可能に支持されている。このようなウェイトバー7は、錘部材として構成される。従って、第1及び第2のスクリーン5a,5bはウェイトバー7の重量に基づいて張設される。
【0035】
また、第1のスクリーン5aの上端は巻取パイプ4に取着され、第2のスクリーン5bの上端はフレーム2の室外側の側面に固定されることで、前後二重の第1及び第2のスクリーン5a,5bは吊下支持される。このため、巻取パイプ4の回転で第1のスクリーン5aの巻き上げ、或いは巻き戻しを行うことで、ウェイトバー7を昇降させることができる。
【0036】
第1及び第2のスクリーン5a,5bは、光を透過する透光部8と、光を遮光する遮光部9が等間隔で上下方向に縞状に形成されている。そして、第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)では、その透光部8から外光を採り入れ可能であり、第1のスクリーン5aの透光部8と第2のスクリーン5bの遮光部9が前後方向で重なり、第1のスクリーン5aの遮光部9と第2のスクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態(遮光状態)では、外光を遮断可能となっている。
【0037】
尚、第1及び第2のスクリーン5a,5bに設けられる透光部8は高通気性とし、遮光部9は低通気性を持つよう構成することができる。従って、透光部8に対する遮光部9の重なり幅を調整することで、その通気性を調節することもできる。
【0038】
巻取パイプ4内には、第1のスクリーン5aの巻き上げ、或いは巻き戻しを可能とするよう巻取パイプ3を正逆回転させるモーター10と、モーター10の回転に伴ってパルス信号を出力するエンコーダ11が収容されている。尚、エンコーダ11及びモーター10を一体化したエンコーダ付きモーターとしてもよい。また、本実施形態ではエンコーダ11を利用する形態としているが、モーター10にステッピングモーターを利用するときは、そのステップカウントを用いることでエンコーダ11の設置を省略することもできる。
【0039】
尚、ウェイトバー7による自重降下を防止するために、モーター10により制動トルクを生じさせる構成とするか、或いは巻取パイプ4の回転に対して制動力を付与するブレーキユニットを巻取パイプ4内に設けてもよい(図示せず)。
【0040】
フレーム2内には、電源12、及び制御装置13が配設されている。
【0041】
電源12は、外部のAC電源から電力供給されたAC電圧をDC電圧に変換して出力するDC電源とするか、或いはDC電圧を出力する外部充電可能な蓄電式電源とすることができ、通電コードにより、制御装置13に対して電力供給するとともに、制御装置13を介して、モーター10、及びエンコーダ11に対して電力供給する。
【0042】
制御装置13は、有線のスイッチ51、無線のリモートコントローラ(リモコン)52、或いはパーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等の通信端末53などの外部機器からの操作信号を受信すると、当該操作信号内に含まれる各種のコマンドに対応する制御を行う機能部であり、これらの外部機器から昇降モードとして昇降操作に係る操作信号や、調光モードとして採光状態や遮光状態の操作に係る操作信号を受け付け、エンコーダ11から得られるパルス信号を監視しながら、モーター10の駆動制御を行う。
【0043】
(制御装置)
図3は、本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンにおける制御装置13の概略構成を示すブロック図である。
【0044】
制御装置13は、制御部131と、制御部131の制御により有線のスイッチ51、無線のリモコン52、或いはパーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等の通信端末53などの外部機器との通信を行う通信部132と、制御部131の制御によりモーター10を駆動する駆動部133と、エンコーダ11からのパルス信号を受信して制御部131に出力するパルス信号受信部134と、制御部131を機能させるためのプログラム、ウェイトバー7の昇降範囲等の初期設定、及び第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態を記憶する記憶部135と、を備える。
【0045】
制御部131は、マイクロコンピュータにより構成することができ、記憶部135に予め記憶させたプログラムを読み出して実行することにより、有線のスイッチ51、無線のリモコン52、或いはパーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等の通信端末53などの外部機器からの操作信号を受信すると、当該操作信号内に含まれる各種のコマンドに対応する制御を行うように構成される。
【0046】
より具体的には、制御部131は、外部操作実行手段1311、調光調整手段1312、及び状態管理手段1313を備える。
【0047】
外部操作実行手段1311は、外部機器からの操作信号を受け付け、当該操作信号内に含まれる各種のコマンドを判別し対応する昇降モード及び調光モードの各種制御を行うように構成され、エンコーダ11からのパルス信号のカウントを行いながら、駆動部133を介してモーター10の駆動制御を行う。また、外部操作実行手段1311は、外部機器からの操作信号の受信に応じて第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態及び調光状態を記憶部135から読み出し、当該外部機器に通知するよう制御する機能を有する。尚、現在の開閉状態は、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値で対応付けされたウェイトバー7の昇降高さを示し、そのカウント値を記憶部135に記憶して管理するだけでなく、当該カウント値についてmm単位に換算した値と、昇降範囲に対して%で正規化した数値とを記憶部135に記憶して管理するのが好適である。また、現在の調光状態は、巻取パイプ4の回転数で対応付けされた第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を示し、その回転数を記憶部135に記憶して管理するだけでなく、当該回転数についてmm単位に換算した値と、調光範囲(採光状態と遮光状態の範囲)に対して%で正規化した数値とを記憶部135に記憶して管理するのが好適である。尚、当該電動調光型ロールスクリーンの設置時に、昇降高さ及び調高範囲をmm単位で外部設定し記憶部135に記憶して、当該カウント値や当該回転数について、mm単位の数値や%で正規化した数値が必要となるときに、その都度、換算する演算を行う形態としてもよい。
【0048】
調光調整手段1312は、外部操作実行手段1311と協働して、第1及び第2のスクリーン5a,5bの調光モードの制御時に、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値に基づくウェイトバー7の昇降高さを巻取パイプ4の回転数に対応付け、巻取パイプ4の回転数に基づいて第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を調整する制御を行う。
【0049】
状態管理手段1313は、外部操作実行手段1311と協働して、第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態及び調光状態を記憶部135に記憶して管理するように構成される。また、状態管理手段1313は、エンコーダパルス数のカウント値に応じて設定可能なウェイトバー7の上限設定位置や下限設定位置等に関する初期設定を記憶部135に記憶して管理する機能を有する。
【0050】
尚、スイッチ51は、制御装置13に対し有線接続することで操作信号を制御装置13に発信する操作スイッチであり、スイッチ51から制御装置13への片方向信号送信方式とする形態や、制御装置13からの応答信号をも受信可能とする双方向送受信方式とする形態とすることができる。
【0051】
リモコン52は、制御装置13に対し赤外線通信や近距離無線通信(無線LAN等)による無線接続することで操作信号を制御装置13に発信するリモートコントローラであり、リモコン52から制御装置13への片方向信号送信方式とする形態や、制御装置13からの応答信号をも受信可能とする双方向送受信方式とする形態とすることができる。
【0052】
また、スイッチ51及びリモコン52は、電動調光型ロールスクリーンを含む電動遮蔽装置が複数台で構成されているときに、その複数台の電動遮蔽装置のうち1台以上を選択的に、或いは全部を同時に操作可能とするマルチスイッチ(多機能スイッチ)として構成することもできる。
【0053】
通信端末53は、制御装置13に対し有線接続、或いは無線LAN等の近距離無線通信又はインターネット経由の遠隔通信により無線接続することで、操作信号を制御装置13に発信するように構成され、通信端末53から制御装置13への片方向信号送信方式とする形態や、制御装置13からの応答信号をも受信可能とする双方向送受信方式とする形態とすることができる。
【0054】
尚、本例のスイッチ51及びリモコン52は、物理ボタンで操作可能とする例を示しているが、液晶画面上でタッチ操作を行うボタンを有する液晶パネルを用いた構成としてもよい。これは、マルチスイッチや、通信端末53についても同様である。
【0055】
ここで、操作信号には、昇降モードであるか調光モードであるかを指定するモード指定コマンド、昇降モード時におけるウェイトバー7の上昇操作を指示する上昇コマンド、昇降モード時におけるウェイトバー7の下降操作を指示する下降コマンド、昇降モード時におけるウェイトバー7の昇降動作を停止指示する停止コマンド、調光モード時における採光動作を指示する採光コマンド、及び調光モード時における遮光動作を指示する遮光コマンドのいずれかが含まれ、各コマンドを個別に発信する形態や複数種のコマンドを一括して発信する形態など、随意、設計することができる。
【0056】
(スイッチ)
図4は、本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンの操作装置として構成されるスイッチ51の概略構成を示す正面図である。尚、
図4は、本実施形態の電動調光型ロールスクリーンに対して有線接続されるスイッチ21を例としているが、本実施形態の電動調光型ロールスクリーンに対して無線接続されるリモコン52についても同様に構成することができる。
【0057】
図4に示す一実施例のスイッチ51は、本実施形態の電動調光型ロールスクリーン用のスイッチとして構成され(ただし、本実施形態の電動調光型ロールスクリーンに限らず種々の電動ブラインドにも利用できる。)、昇降モードでウェイトバー7の昇降操作を行うための昇降操作ボタン(511~513)と、調光モードで第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合の操作を行うための調光操作ボタン(514,515)と、を有し、内部に、各操作ボタンに応じたコマンドを操作信号として電動調光型ロールスクリーンにおける制御装置13に発信する通信制御部(図示略)が設けられている。
【0058】
“OPEN”ボタン511は、ウェイトバー7を上昇させるための昇降操作ボタンであり、操作者が“OPEN”ボタン511を押下すると、昇降モード時におけるウェイトバー7の上昇操作を指示する上昇コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その上昇コマンドを受け付けると、ウェイトバー7を上昇させる制御を行い、停止コマンドを受け付けない限り、上限設定位置まで上昇させる。
【0059】
“CLOSE”ボタン512は、ウェイトバー7を下降させるための昇降操作ボタンであり、操作者が“CLOSE”ボタン512を押下すると、昇降モード時におけるウェイトバー7の下降操作を指示する下降コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その下降コマンドを受け付けると、ウェイトバー7を下降させる制御を行い、停止コマンドを受け付けない限り、下限設定位置まで下降させる。
【0060】
“STOP”ボタン513は、ウェイトバー7の昇降動作を停止させるための停止ボタンであり、ウェイトバー7の昇降動作中に、操作者が“STOP”ボタン513を押下すると、ウェイトバー7の昇降動作の停止を指示する停止コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その停止コマンドを受け付けると、ウェイトバー7の昇降動作を停止させる制御を行い、その第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態及び調光状態を記憶部135に記憶して管理する。
【0061】
調光閉(遮光)ボタン514は、現在のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で、第1のスクリーン5aの透光部8と第2のスクリーン5bの遮光部9が前後方向で重なり、第1のスクリーン5aの遮光部9と第2のスクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態(遮光状態)に移行させるための調光操作ボタンであり、操作者が調光閉(遮光)ボタン514を押下すると(ワンタッチ遮光操作)、調光モード時における遮光状態を指示する遮光コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その遮光コマンドを受け付けると、現在のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で遮光状態にする制御を行い、遮光状態とした時点で自動停止する。
【0062】
この変形例として、操作者が調光閉(遮光)ボタン514を所定時間未満(例えば、0.5秒未満)の押下時では、制御装置13は、ワンタッチ採光操作として第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で遮光状態にする制御を行い、操作者が調光閉(遮光)ボタン514を所定時間以上(例えば、0.5秒以上)で押下すると(任意遮光操作)、遮光コマンドの発信を継続し、操作者が調光閉(遮光)ボタン514の押下を解除するまでの間、制御装置13は、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で遮光状態にする調光範囲内で、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動の制御を行うものとし、操作者がワンタッチ遮光操作とするか、任意遮光操作とするかを1つの調光閉(遮光)ボタン514のみで選択できるようにして、任意遮光操作時では遮光状態にする方向へと任意位置で重なり具合を選択操作できるようにしてもよい。
【0063】
調光開(採光)ボタン515は、現在のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で、第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)に移行させるための調光操作ボタンであり、操作者が調光開(採光)ボタン515を押下すると(ワンタッチ採光操作)、調光モード時における採光状態を指示する採光コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その採光コマンドを受け付けると、現在のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で採光状態にする制御を行い、採光状態とした時点で自動停止する。
【0064】
この変形例として、操作者が調光開(採光)ボタン515を所定時間未満(例えば、0.5秒未満)の押下時では、制御装置13は、ワンタッチ採光操作として第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で採光状態にする制御を行い、操作者が調光開(採光)ボタン515を所定時間以上(例えば、0.5秒以上)で押下すると(任意採光操作)、採光コマンドの発信を継続し、操作者が調光開(採光)ボタン515の押下を解除するまでの間、制御装置13は、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で採光状態にする調光範囲内で、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動の制御を行うものとし、操作者がワンタッチ採光操作とするか、任意採光操作とするかを1つの調光開(採光)ボタン515のみで選択できるようにして、任意採光操作時では採光状態にする方向へと任意位置で重なり具合を選択操作できるようにしてもよい。
【0065】
つまり、調光操作ボタン(514,515)は、第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合の状態として、採光状態と遮光状態の2択で切り替える構成とすることもできるし、押下時間の違いにより、採光状態と遮光状態の2択で切り替えるか、採光状態と遮光状態の間の調光範囲内の任意位置で重なり具合を選択操作する構成とすることができる。
【0066】
(通信端末)
図5(a)乃至(c)は、それぞれ本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンの操作装置として構成される通信端末53上の昇降モードの操作画面を例示する図である。また、
図5(d)及び(e)は、それぞれ通信端末53上の調光モードの操作画面を例示する図である。特に、
図5に示す例では、スマートフォンを想定した通信端末53における操作画面例を示しており、この操作画面は、通信端末53に、第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンの操作専用のアプリケーションをインストールして、このアプリケーションを起動して制御装置13との通信を確立すると、通信端末53に提示されるようになっており、これにより通信端末53は操作装置として機能する。操作装置として機能する通信端末53は、
図4に示すスイッチ61と同様に、昇降操作ボタン(534,535(停止操作時に提示するボタンは図示略))と、調光操作ボタン(538,539)が提示されるものとなっている。
【0067】
特に、
図5に示す操作装置として機能する通信端末53は、昇降モード時(昇降操作時)には、
図5(a)乃至(c)に例示するように、現在の第1及び第2のスクリーン5a,5bの開閉状態を示す模擬表示と、その開閉状態に応じて操作可能な操作内容を示す昇降操作表示とを視覚表示する表示手段を有するように構成される。また、
図5に示す操作装置として機能する通信端末53は、調光モード時(調光操作時)には、
図5(d),(e)に例示するように、現在の第1及び第2のスクリーン5a,5bの調光状態を示す模擬表示と、その調光状態に応じて操作可能な操作内容を示す調光操作表示とを視覚表示する表示手段を有するように構成される。
【0068】
まず、操作装置として機能する通信端末53は、制御装置13との通信を確立すると、デフォルトとして昇降モード(調光モードをデフォルトとしてもよい。)を指定するモード指定コマンドを操作信号として制御装置13に発信する。制御装置13は、昇降モードを指定するモード指定コマンドの操作信号を受信すると、第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態を記憶部135から読み出し、当該通信端末53に通知するよう応答制御する。
【0069】
そして、通信端末53は、制御装置13から現在の開閉状態を示す応答信号を受信することで、
図5(a)乃至(c)に示すいずれかの操作画面を表示する。
【0070】
図5(a)に示す操作画面は、現在の開閉状態が下限状態にあるときの昇降モード時の表示例であり、この操作画面上に、昇降モード選択ボタン531と調光モード選択ボタン532が提示されているうち、昇降モード選択ボタン531は、昇降モードが選択されていることを明示する表示(明色背景表示)され、これに対して調光モード選択ボタン532は、調光モードが選択されていないことを明示する表示(暗色背景表示)される。また、この操作画面上には、現在の開閉状態が下限状態にある旨を示す模擬表示が為され、模擬表示スクリーン533が下限位置まで閉じている様子を示している。更に、この開閉状態に応じて操作可能な操作内容を示す昇降操作表示として、上昇操作を行うための上昇操作ボタン534が視覚表示される。本例では上昇操作ボタン534が“△”で示され、現在の開閉状態の模擬表示の模擬表示スクリーン533上に合成表示するものとして、操作者にとって可能な操作が分かり易いものとしている。
【0071】
図5(a)に示す操作画面上で、操作者が上昇操作ボタン534を押下すると、昇降モード時におけるウェイトバー7の上昇操作を指示する上昇コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その上昇コマンドを受け付けると、ウェイトバー7を上昇させる制御を行う。このとき、
図5(a)に示す操作画面上では、図示を省略するが、ウェイトバー7が上昇中である旨を示す模擬表示が疑似的に更新され、更に、この模擬表示の模擬表示スクリーン533上で、ウェイトバー7の上昇動作を停止させるべく停止コマンドを発信するための停止ボタンが“□”で合成表示され、制御装置13は、停止コマンドを受け付けない限り、上限設定位置まで上昇させる。制御装置13は、その停止コマンドを受け付けると、ウェイトバー7の上昇動作を停止させる制御を行い、その第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態及び調光状態を記憶部135に記憶して管理するとともに、更新された現在の開閉状態を通信端末53に通知する。この通知を受けた通信端末53は、
図5(b)又は
図5(c)に示す操作画面を表示する。
【0072】
図5(b)に示す操作画面は、現在の開閉状態が中間状態にあるときの昇降モード時の表示例であり、この操作画面上には、現在の開閉状態が中間状態にある旨を示す模擬表示が為され、模擬表示スクリーン533が背景536と区別されて中間位置まで閉じている様子を示している。更に、この開閉状態に応じて操作可能な操作内容を示す昇降操作表示として、上昇操作を行うための上昇操作ボタン534と、下降操作を行うための下降操作ボタン535が視覚表示される。本例では上昇操作ボタン534が“△”で示されるとともに、下降操作ボタン535が“▽”で示され、現在の開閉状態の模擬表示の模擬表示スクリーン533上に合成表示するものとして、操作者にとって可能な操作が分かり易いものとしている。
【0073】
図5(b)に示す操作画面上で、操作者が上昇操作ボタン534を押下すると、昇降モード時におけるウェイトバー7の上昇操作を指示する上昇コマンドが制御装置13に発信され、操作者が下降操作ボタン535を押下すると、昇降モード時におけるウェイトバー7の下降操作を指示する下降コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その上昇コマンド又は下降コマンドを受け付けると、ウェイトバー7を上昇又は下降させる制御を行う。このとき、
図5(b)に示す操作画面上では、図示を省略するが、ウェイトバー7が上昇中又は下降中である旨を示す模擬表示が疑似的に更新され、更に、この模擬表示の模擬表示スクリーン533上で、ウェイトバー7の上昇又は下降動作を停止させるべく停止コマンドを発信するためのボタンが“□”で合成表示され、制御装置13は、停止コマンドを受け付けない限り、上限設定位置まで上昇、又は下限設定位置まで下降させる。制御装置13は、その停止コマンドを受け付けると、ウェイトバー7の昇降動作を停止させる制御を行い、その第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態及び調光状態を記憶部135に記憶して管理するとともに、更新された現在の開閉状態を通信端末53に通知する。この通知を受けた通信端末53は、
図5(a)乃至(c)のいずれかに示す操作画面を表示する。
【0074】
図5(c)に示す操作画面は、現在の開閉状態が上限状態にあるときの昇降モード時の表示例であり、この操作画面上には、現在の開閉状態が上限状態にある旨を示す模擬表示が為され、模擬表示スクリーン533が背景536と区別されて開いた様子を示している。更に、この開閉状態に応じて操作可能な操作内容を示す昇降操作表示として、下降操作を行うための下降操作ボタン535が視覚表示される。本例では下降操作ボタン535が“▽”で示され、現在の開閉状態の模擬表示の模擬表示スクリーン533上に合成表示するものとして、操作者にとって可能な操作が分かり易いものとしている。
【0075】
図5(c)に示す操作画面上で、操作者が下降操作ボタン535を押下すると、昇降モード時におけるウェイトバー7の下降操作を指示する下降コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その下降コマンドを受け付けると、ウェイトバー7を下降させる制御を行う。このとき、
図5(c)に示す操作画面上では、図示を省略するが、ウェイトバー7が下降中である旨を示す模擬表示が疑似的に更新され、更に、この模擬表示の模擬表示スクリーン533上で、ウェイトバー7の下降動作を停止させるべく停止コマンドを発信するためのボタンが“□”で合成表示され、制御装置13は、停止コマンドを受け付けない限り、下限設定位置まで下降させる。制御装置13は、その停止コマンドを受け付けると、ウェイトバー7の下降動作を停止させる制御を行い、その第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態及び調光状態を記憶部135に記憶して管理するとともに、更新された現在の開閉状態を通信端末53に通知する。この通知を受けた通信端末53は、
図5(a)又は
図5(b)のいずれかに示す操作画面を表示する。
【0076】
一方、
図5(a)乃至(c)のいずれかに示す操作画面上で、操作者が調光モード選択ボタン532を押下すると、操作装置として機能する通信端末53は、調光モードを指定するモード指定コマンドを操作信号として制御装置13に発信する。制御装置13は、調光モードを指定するモード指定コマンドの操作信号を受信すると、第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態及び調光状態を記憶部135から読み出し、当該通信端末53に通知するよう応答制御する。
【0077】
そして、通信端末53は、制御装置13から現在の開閉状態及び調光状態を示す応答信号を受信することで、
図5(d)又は
図5(e)に例示するような操作画面を表示する。尚、
図5(d)又は
図5(e)では、ウェイトバー7の昇降高さが
図5(a)に示す下限状態にあるときの模擬表示スクリーンの表示例であり、ウェイトバー7の昇降高さが
図5(b)に示す中間状態、或いは
図5(c)に示す上限状態にあるときは、これに対応する模擬表示スクリーンの模擬表示が為される。尚、ウェイトバー7の昇降高さが
図5(c)に示す上限状態にある場合に調光操作ができないことも想定されるが、その場合でも模擬表示スクリーンの模擬表示が為されるようにすることで、操作者は下降操作が必要であることが容易に理解できるようになる。この変形例として、
図5(b)又は
図5(c)に示す操作画面上で、操作者が調光モード選択ボタン532を押下したときは、通信端末53は、自動的にウェイトバー7の昇降高さを
図5(d)又は
図5(e)に示す下限状態にするよう、制御装置13に下降コマンドを発信する形態としてもよい。
【0078】
図5(d)に示す操作画面は、現在の開閉状態が下限状態にあるときの調光状態として調光開(採光)の状態にある調光モード時の表示例であり、この操作画面上には、現在の開閉状態としてウェイトバー7の昇降高さが下限状態で、第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合が採光状態にある旨を示す模擬表示スクリーン537が表示される。更に、この調光状態に応じて操作可能な操作内容を示す調光操作表示として、遮光操作を行うための調光閉(遮光)ボタン538が視覚表示される。本例では調光閉(遮光)ボタン538が“∧”で示され、現在の調光状態の模擬表示の模擬表示スクリーン537上に合成表示するものとして、操作者にとって可能な操作が分かり易いものとしている。
【0079】
調光閉(遮光)ボタン538は、現在のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で、第1のスクリーン5aの透光部8と第2のスクリーン5bの遮光部9が前後方向で重なり、第1のスクリーン5aの遮光部9と第2のスクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態(遮光状態)に移行させるための調光操作ボタンであり、操作者が調光閉(遮光)ボタン538を押下すると(ワンタッチ遮光操作)、調光モード時における遮光状態を指示する遮光コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その遮光コマンドを受け付けると、現在のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で遮光状態にする制御を行い、遮光状態とした時点で自動停止する。制御装置13は、その調光制御を停止すると、第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態及び調光状態を記憶部135に記憶して管理するとともに、更新された現在の調光状態を通信端末53に通知する。この通知を受けた通信端末53は、
図5(e)に示す操作画面を表示する。
【0080】
図5(e)に示す操作画面は、現在の開閉状態が下限状態にあるときの調光状態として調光閉(遮光)の状態にある調光モード時の表示例であり、この操作画面上には、現在の開閉状態としてウェイトバー7の昇降高さが下限状態で、第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合が遮光状態にある旨を示す模擬表示スクリーン537が表示される。更に、この調光状態に応じて操作可能な操作内容を示す調光操作表示として、遮光操作を行うための調光開(採光)ボタン539が視覚表示される。本例では調光開(採光)ボタン539が“逆∧”で示され、現在の調光状態の模擬表示の模擬表示スクリーン537上に合成表示するものとして、操作者にとって可能な操作が分かり易いものとしている。
【0081】
調光開(採光)ボタン539は、現在のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で、第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)に移行させるための調光操作ボタンであり、操作者が調光開(採光)ボタン539を押下すると(ワンタッチ採光操作)、調光モード時における採光状態を指示する採光コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その採光コマンドを受け付けると、現在のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で採光状態にする制御を行い、採光状態とした時点で自動停止する。制御装置13は、その調光制御を停止すると、第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態及び調光状態を記憶部135に記憶して管理するとともに、更新された現在の調光状態を通信端末53に通知する。この通知を受けた通信端末53は、
図5(d)に示す操作画面を表示する。
【0082】
図5(d)及び
図5(e)に対する変形例として、操作者が調光閉(遮光)ボタン538又は調光開(採光)ボタン539を所定時間未満(例えば、0.5秒未満)の押下時では、制御装置13は、ワンタッチ遮光操作として第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で遮光状態にする制御、又はワンタッチ採光操作として第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で遮光状態にする制御を行い、操作者が調光閉(遮光)ボタン538又は調光開(採光)ボタン539を所定時間以上(例えば、0.5秒
以上)で押下すると(任意遮光操作)、対応する遮光又は採光コマンドの発信を継続し、操作者が調光閉(遮光)ボタン538又は調光開(採光)ボタン539の押下を解除するまでの間、制御装置13は、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で遮光状態又は採光状態にする調光範囲内で、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動の制御を行うものとし、操作者がワンタッチ遮光操作又はワンタッチ採光操作とするか、任意遮光操作又は任意採光操作とするかを、それぞれの調光閉(遮光)ボタン538又は調光開(採光)ボタン539のみで選択できるようにして、任意遮光操作時では遮光状態にする方向へと任意位置で重なり具合を選択操作でき、任意採光操作時では採光状態にする方向へと任意位置で重なり具合を選択操作できるようにしてもよい。この変形例では、採光状態と遮光状態の中間に位置する中間採光状態となることもあるため、この場合には、
図5(d)に示す操作画面のような模擬表示スクリーン537を提示して、その模擬表示スクリーン537上に、“∧”で示される調光閉(遮光)ボタン538と、“逆∧”で示される調光開(採光)ボタン539とを合成表示して、操作者にとって可能な操作が分かり易いものとすることができる。
【0083】
つまり、操作装置として機能する通信端末53においても、調光操作ボタン(538,539)は、第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合の状態として、採光状態と遮光状態の2択で切り替える構成とすることもできるし、押下時間の違いにより、採光状態と遮光状態の2択で切り替えるか、採光状態と遮光状態の間の調光範囲内の任意位置で重なり具合を選択操作する構成とすることができる。
【0084】
(調光モードの基本動作)
図6は、本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンにおける調光モードの基本動作を示す図である。
図6では、現在のウェイトバー7の昇降高さが状態A,B,Cにあるときに、調光モード時のワンタッチ操作に対して、制御装置13の制御による基本的な動作を示している。
【0085】
制御装置13は、調光モード時のワンタッチ採光操作の制御では、現在のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で、第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)に移行させる制御を行う。例えば、
図6に示すように、現在のウェイトバー7の昇降高さが状態Aの位置にあるとき、ワンタッチ採光操作に対する制御として、状態A’に移行する制御を行う。また、現在のウェイトバー7の昇降高さが状態Bの位置にあるとき、ワンタッチ採光操作に対する制御として、状態B’に移行する制御を行う。また、現在のウェイトバー7の昇降高さが状態Cの位置にあるとき、ワンタッチ採光操作に対する制御として、状態A’に移行する制御を行う。
【0086】
また、制御装置13は、調光モード時のワンタッチ遮光操作の制御では、現在のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で、第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)に移行させる制御を行う。例えば、
図6に示すように、現在のウェイトバー7の昇降高さが状態Aの位置にあるとき、ワンタッチ遮光操作に対する制御として、状態A''に移行する制御を行う。また、現在のウェイトバー7の昇降高さが状態Bの位置にあるとき、ワンタッチ遮光操作に対する制御として、状態B''に移行する制御を行う。また、現在のウェイトバー7の昇降高さが状態Cの位置にあるとき、ワンタッチ遮光操作に対する制御として、状態B''に移行する制御を行う。ただし、基本動作としては
図6に示すとおりであるが、状態Cの時は2パターンを取りうる。パターン1(最初に採光開操作)として、状態Cから状態A’に移行させた後は、状態A’と状態A''との間で状態移行させる調光制御となり、パターン2として状態Cから状態B''に移行させた後は、状態B’と状態B''との間で状態移行させる調光制御となる。
【0087】
従って、制御装置13は、
図6に示す状態A,B,Cにあるときにそれぞれ異なり得る調光範囲の可動範囲で、現在のウェイトバー7の昇降高さに応じて、調光モード時のワンタッチ操作の制御を行う。特に、現在のウェイトバー7の昇降高さに応じて巻取パイプ4による第1のスクリーン5aの巻取量も変化することになることから、前後二重の第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動量も変化する。そこで、制御装置13は、現在のウェイトバー7の昇降高さに応じた巻取パイプ4の回転数を基に、巻取パイプ4のパイプ径と、第1及び第2のスクリーン5a,5bの生地厚と、透光部8の高さ方向幅a及び遮光部9の高さ方向幅bを加味して、調光モード時のワンタッチ操作に対して必要とされるウェイトバー7の昇降高さを求め、求めたウェイトバー7の昇降高さとなるように、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値を監視しながらモーター10の制御を行う。巻取パイプ4のパイプ径、第1及び第2のスクリーン5a,5bの生地厚、透光部8の高さ方向幅a及び遮光部9の高さ方向幅b等のパラメータは、予め記憶部135に記憶されている。
【0088】
(制御装置の制御例)
図7(a)乃至(c)は、それぞれ本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンにおけるウェイトバー7の下限状態、中間状態、及び上限状態の簡易的な側面図である。まず、初期設定として、
図7(a)に示すように、ウェイトバー7が下限設定位置にある時の昇降高さhをh=0とし、
図7(c)に示すように、ウェイトバー7が上限設定位置にある時の昇降高さhをh=h
maxとして、0≦h≦h
maxとする。制御装置13は、それぞれエンコーダ11からのパルス信号のカウント値で対応付けてモーター10の回転制御で昇降高さhを可変とするが、以下に説明する調光モード時の演算に用いる昇降高さhは、国際単位系 (SI)のmm単位で表されるものとする。
【0089】
尚、制御装置13は、昇降操作に関する昇降高さh=0[mm]は、%による正規化された管理値として昇降率0%を意味する昇降率h0[%]として管理し、昇降高さh=hmax[mm]は、%による正規化された管理値として昇降率100%を意味する昇降率h100[%]として管理する。また、制御装置13は、調光操作に関する「遮光状態」は、%による正規化された管理値として調光率0%を意味するものとして、調光率0%の巻取パイプ4の回転数nをn0として管理し、「採光状態」は、%による正規化された管理値として調光率100%を意味するものとして、調光率100%の巻取パイプ4の回転数nをn100として管理する。
【0090】
図7(a)に示すように、昇降高さh=0のときの巻取パイプ4の回転数nをn=0とする。尚、巻取パイプ4の回転数nは、昇降高さhに関する0≦h≦h
maxの範囲に対応して、0≦n≦nmaxとなる(
図7(b),(c)参照)。第1及び第2のスクリーン5a,5bは、生地厚t(mm単位)を有し、透光部8の高さ方向幅a(mm単位)及び遮光部9の高さ方向幅b(mm単位)が等間隔で上下方向に縞状に形成されている。尚、本実施形態においてb≧aとすることができ、例えば、a:b=1:1.5とすることや、a:b=1:1とすることができる。
【0091】
昇降高さh=0のときの巻取パイプ4の回転角θをθ=0°として任意の位置で基準を定めると(
図7(a)に図示する例では巻取パイプ4の水平方向)、θ=360°で巻取パイプ4は一回転する(回転数n=1)。制御装置13は、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値を監視しながらモーター10の制御を行うことで昇降高さhを0≦h≦h
maxの範囲で変更して、昇降及び調光の制御を行うが、回転角θ=1°単位の回転制御を行うことができ、このため巻取パイプ4の回転数nは、回転角θ=1°単位の分解能となり小数点を取り得る点に留意する。例えば、昇降高さh=0の状態から巻取パイプ4を回転角θ=1°だけ回転させたときの回転数nは、n=1/360である。
【0092】
図7(b)に示すように、昇降高さhは、巻取パイプ4のパイプ径dと、巻取パイプ4の回転数nと、第1及び第2のスクリーン5a,5bの生地厚tとを用いて、式(1)のように表すことができる。昇降高さhは、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値から正確に求めることができる。
【0093】
【0094】
尚、巻取パイプ4の回転数nは、昇降高さhと、巻取パイプ4のパイプ径dと、第1及び第2のスクリーン5a,5bの生地厚tとを用いて、式(2)のように表すことができる。
【0095】
【0096】
即ち、巻取パイプ4の回転数nは、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値から正確に求めることができるが、式(2)に基づいて、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値に基づく現在のウェイトバー7の昇降高さhをmm単位に換算し、現在の巻取パイプ4の回転数nを求めてもよい。
【0097】
そして、式(1)に基づいて求めた現在の昇降高さhから、昇降高さhを変更して採光状態とするときは、
{(m-1)/2}・(a+b)≦ h < m/2・(a+b)
を満たす、回転角θ=1°単位で取り得る最小値のmを求め、この最小値のmを用いて、
h={(m-1)/2}・(a+b)
となる昇降高さhとなるように、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値を監視しながらモーター10の制御を行う。
【0098】
さらに、式(1)に基づいて求めた現在の昇降高さhから、昇降高さhを変更して遮光状態とするときは、
{(2m-3)/4}・(a+b)≦ h < {(2m-1)/4}・(a+b)
を満たす、回転角θ=1°単位で取り得る最大値のmを求め、この最大値のmを用いて、
h={(2m-1)/4}・(a+b)
となる昇降高さhとなるように、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値を監視しながらモーター10の制御を行う。
【0099】
即ち、制御装置13は、ウェイトバー7の高さに応じた巻取パイプ4の回転数nを管理し、巻取パイプ4の回転数nを基に調光モードにおける当該重なり具合を調整するように制御するものとし、より具体的には、巻取パイプ4の各回転数nを基に、巻取パイプ4の直径(パイプ径)dと、第1及び第2のスクリーン5a,5bの同一とする生地厚tとを加味して、ウェイトバー7の高さの変更を基準に、調光モードにおける当該重なり具合を調整するように制御する。以下、更に具体的に、調光制御について説明する。
【0100】
(調光制御)
図8(a),(b)は、それぞれ本発明による第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンの調光モードにおける、操作装置(スイッチ51、リモコン52、通信端末53等)上のボタンのワンタッチ操作で採光操作、及び遮光操作するときの制御装置13の制御例を示すフローチャートである。
【0101】
まず、
図8(a)を参照するに、制御装置13は、外部操作実行手段1311により、操作装置(スイッチ51、リモコン52、通信端末53等)から、調光開(採光)を指示する採光コマンドの操作信号を受信すると(ステップS1)、調光モードにおけるワンタッチ採光操作の制御を開始する。
【0102】
そして、制御装置13は、調光調整手段1312により、現在の巻取パイプ4の回転数nを正確に求め、更に、求めた現在の巻取パイプ4の回転数nから、式(1)に基づいて、現在の昇降高さhを正確に求める(ステップS2)。
【0103】
続いて、制御装置13は、調光調整手段1312により、式(1)に基づいて求めた現在の昇降高さhから、昇降高さhを変更して採光状態とするにあたって、
{(m-1)/2}・(a+b)≦ h < m/2・(a+b)
を満たす、回転角θ=1°単位のmを取り得るか否かを判定する(ステップS3)。回転角θ=1°単位のmを取り得ないときは(ステップS3:N)、当該採光コマンドの操作信号に対する制御を終了する。
【0104】
一方、回転角θ=1°単位のmを取り得るときは(ステップS3:Y)、制御装置13は、調光調整手段1312により、回転角θ=1°単位で取り得る最小値のmを求め、その最小値のmが、hmax≦m/2・(a+b)を満たすか否かを検証する(ステップS4)。最小値のmが、hmax≦m/2・(a+b)を満たすと判定したときは(ステップS4:Y)、ウェイトバー7が上限設定位置、若しくはその近傍にあって、採光状態に制御不能と判断し、当該採光コマンドの操作信号に対する制御を終了する。
【0105】
一方、最小値のmが、hmax≦m/2・(a+b)を満たさないと判定したときは(ステップS4:N)、制御装置13は、外部操作実行手段1311により、最小値のmを用いて、h={(m-1)/2}・(a+b)となる昇降高さhとなるように、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値を監視しながらモーター10の制御を行う(ステップS5)。より具体的には、このステップS5において、制御装置13は、式(2)に従って、最小値のmを用いて求めた昇降高さh時の回転数(採光状態となる回転数)をn100として設定し、巻取パイプ4の回転数nが、n=n100となるように回転制御する。このようにして、制御装置13は、現在のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で、第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)に移行させる制御を行う。
【0106】
次に、
図8(b)を参照するに、制御装置13は、外部操作実行手段1311により、操作装置(スイッチ51、リモコン52、通信端末53等)から、調光閉(遮光)を指示する遮光コマンドの操作信号を受信すると(ステップS11)、調光モードにおけるワンタッチ遮光操作の制御を開始する。
【0107】
そして、制御装置13は、調光調整手段1312により、現在の巻取パイプ4の回転数nから、式(1)に基づいて、現在の昇降高さhを正確に求める(ステップS12)。
【0108】
続いて、制御装置13は、調光調整手段1312により、式(1)に基づいて求めた現在の昇降高さhから、昇降高さhを変更して遮光状態とするにあたって、
{(2m-3)/4}・(a+b)≦ h < {(2m-1)/4}・(a+b)
を満たす、回転角θ=1°単位のmを取り得るか否かを判定する(ステップS13)。回転角θ=1°単位のmを取り得ないときは(ステップS13:N)、当該遮光コマンドの操作信号に対する制御を終了する。
【0109】
一方、回転角θ=1°単位のmを取り得るときは(ステップS13:Y)、制御装置13は、調光調整手段1312により、回転角θ=1°単位で取り得る最大値のmを求め、その最大値のmが、hmax≦{(2m-1)/4}・(a+b)を満たすか否かを検証する(ステップS14)。最大値のmが、hmax≦{(2m-1)/4}・(a+b)を満たすと判定したときは(ステップS14:Y)、ウェイトバー7が上限設定位置、若しくはその近傍にあって、遮光状態に制御不能と判断し、当該遮光コマンドの操作信号に対する制御を終了する。
【0110】
一方、最大値のmが、hmax≦{(2m-1)/4}・(a+b)を満たさないと判定したときは(ステップS14:N)、制御装置13は、外部操作実行手段1311により、最大値のmを用いて、h={(2m-1)/4}・(a+b)となる昇降高さhとなるように、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値を監視しながらモーター10の制御を行う(ステップS15)。より具体的には、このステップS15において、制御装置13は、式(2)に従って、最大値のmを用いて求めた昇降高さh時の回転数(遮光状態となる回転数)をn0として設定し、巻取パイプ4の回転数nが、n=n0となるように回転制御する。このようにして、制御装置13は、現在のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で、第1のスクリーン5aの透光部8と第2のスクリーン5bの遮光部9が前後方向で重なり、第1のスクリーン5aの遮光部9と第2のスクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態(遮光状態)に移行させる制御を行う。
【0111】
このように、本実施形態によれば、前後二重の第1及び第2のスクリーン5a,5bにおける採光状態と遮光状態の切り替えを精度よく行うことができ、更には透光部の高さ方向幅aと遮光部の高さ方向幅bについて、a:b=1:1とするなど、生地種の制限を緩和させることができる。このため、本実施形態によれば、手動操作で構成した調光型ロールスクリーンよりも、操作性又は機能性を向上させた電動調光型ロールスクリーンを構成することができる。
【0112】
〔第2実施形態〕
(全体構成)
図9は、本発明による第2実施形態の電動調光型ロールスクリーンの概略構成を示す正面図である。また、
図10は、本発明による第2実施形態の電動調光型ロールスクリーンの概略構成を示す断面側面図である。尚、
図9及び
図10に示す第2実施形態において、第1実施形態と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
【0113】
図9及び
図10に示す第2実施形態の電動調光型ロールスクリーンは、取付ブラケット1を介して窓枠等の取付面に取着されるフレーム2の両端に支持ブラケット3が取着され、その支持ブラケット3に2本の第1の巻取パイプ4a及び第2の巻取パイプ4bが回転可能に支持されている。
【0114】
各巻取パイプ4a,4bは、支持ブラケット3に上下方向に所定の間隔を隔てて支持されるとともに、前後方向に僅かにオフセットした状態で支持されている。
【0115】
そして、
図9に示すように、本実施形態の電動調光型ロールスクリーンは、第1の巻取パイプ4aには室内側の第1のスクリーン5aの上端部が取着され、第2の巻取パイプ4bには室外側の第2のスクリーン5bの上端部が取着されている。また、第1のスクリーン5aの下端部は室内側からウェイトバー7におけるボトムパイプ72の一部に取着され、第2のスクリーン5bの下端部は室外側からウェイトバー7におけるボトムパイプ72の一部に取着されている。これにより、本実施形態の電動調光型ロールスクリーンは、前後二重の第1及び第2のスクリーン5a,5bを構成して吊下するようになっている。各巻取パイプ4a,4bと略平行に延びるボトムパイプ72は、上部が開口したボトムカバー71に収容され、ボトムパイプ72の左右両端はボトムカバー71の左右両端に設けられるサイドカバー70に回転可能に支持されている。このようなウェイトバー7は、錘部材として構成される。従って、第1及び第2のスクリーン5a,5bはウェイトバー7の重量に基づいて張設される。
【0116】
そして、前後二重の第1及び第2のスクリーン5a,5bは各巻取パイプ4a,4bの後方から近接して重ね合わされるように垂下されており、各巻取パイプ4a,4bにより、第1及び第2のスクリーン5a,5bのそれぞれの上端部を巻き取り、或いは巻き戻して第1及び第2のスクリーン5a,5bを昇降可能としている。
【0117】
第1及び第2のスクリーン5a,5bは、光を透過する透光部8と、光を遮光する遮光部9が等間隔で上下方向に縞状に形成されている。そして、第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)では、その透光部8から外光を採り入れ可能であり、第1のスクリーン5aの透光部8と第2のスクリーン5bの遮光部9が前後方向で重なり、第1のスクリーン5aの遮光部9と第2のスクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態(遮光状態)では、外光を遮断可能となっている。
【0118】
尚、第1及び第2のスクリーン5a,5bに設けられる透光部8は高通気性とし、遮光部9は低通気性を持つよう構成することができる。従って、透光部8に対する遮光部9の重なり幅を調整することで、その通気性を調節することもできる。
【0119】
第1の巻取パイプ4a内には、第1のスクリーン5aの巻き上げ、或いは巻き戻しを可能とするよう巻取パイプ3を正逆回転させるモーター10と、モーター10の回転に伴ってパルス信号を出力するエンコーダ11が収容されている。尚、エンコーダ11及びモーター10を一体化したエンコーダ付きモーターとしてもよい。また、本実施形態ではエンコーダ11を利用する形態としているが、モーター10にステッピングモーターを利用するときは、そのステップカウントを用いることでエンコーダ11の設置を省略することもできる。
【0120】
図9に示す右方の支持ブラケット3には回転伝達装置14が取着され、その回転伝達装置14には、第1の巻取パイプ4aと一体となって回転する駆動歯車15と、その駆動歯車15に噛み合う伝達歯車16と、伝達歯車16に噛み合う被動歯車17とがケース41に回転可能に支持されている。被動歯車17の回転は第2の巻取パイプ4bに伝達される。
【0121】
そして、モーター10の回転制御により、各巻取パイプ4a,4bを同方向に同一速度で回転させて、第1及び第2のスクリーン5a,5bを一括して昇降可能となっている。
【0122】
尚、被動歯車17は、モーター10の正回転で第1及び第2のスクリーン5a,5bを上昇させた後に、モーター10を逆回転させると、上方の第2の巻取パイプ4bを空転させて下方の第2の巻取パイプ4bのみを所定角度に限り回転させて、第2のスクリーン5bに対して第1のスクリーン5aを上下方向に相対移動操作可能となっている。同様に、被動歯車17は、モーター10の逆回転で第1及び第2のスクリーン5a,5bを下降させた後に、モーター10を正回転させると、上方の第2の巻取パイプ4bを空転させて下方の第2の巻取パイプ4bのみを所定角度に限り回転させて、第2のスクリーン5bに対して第1のスクリーン5aを上下方向に相対移動操作可能となっている。このため、第1及び第2のスクリーン5a,5bの透光部8が重なり具合の調節による調光が可能となる。
【0123】
図11(a),(b)は、それぞれ本発明による第2実施形態の電動調光型ロールスクリーンにおける回転伝達装置14の概略構成を示す断面側面図と、その被動歯車17の構成を示す分解斜視図である。
図11に示すように、回転伝達装置14のケース41内には駆動歯車15が回転可能に支持され、この駆動歯車15は第1の巻取パイプ4aと一体となって回転するように軸連結される。
【0124】
また、ケース41内において、駆動歯車15と噛み合う伝達歯車16、及び伝達歯車16に噛み合う被動歯車17が回転可能に支持されている。駆動歯車15と被動歯車17の歯数は同数であり、被動歯車17は駆動歯車15の回転に基づいて伝達歯車16を介して回転力が付与され、駆動歯車15と同方向に同一速度で回転される。
【0125】
駆動歯車15の中心軸は、第1の巻取パイプ4aの中心軸と同軸上にあり、被動歯車17の中心軸は、第2の巻取パイプ4bの中心軸と同軸上にある。そして、被動歯車17は、
図11(b)に示すように、歯車部32と伝達軸部33とで構成され、歯車部32が伝達軸部33に回転可能に支持されている。そして、伝達軸部33の中心部に形成された係合孔34が第2の巻取パイプ4bの右端部側に係合して、伝達軸部33と第2の巻取パイプ4bとが一体に回転するようになっている。
【0126】
歯車部32には径方向に扇状に突出する伝達片35が形成され、伝達軸部33には径方向に扇状に突出する伝達片36が伝達片35の回動軌跡上に設けられている。伝達片35,36は、それぞれ中心に対し例えば65°,60°の範囲で形成される。従って、歯車部32は伝達軸部33に対し最大で235°の範囲で空回り可能である。この角度は、透光部8の上下幅と、各巻取パイプ4a,4bの径によって決まる角度であり、随意定めることができる。
【0127】
歯車部32の一端にはネジ孔37が形成され、そのネジ孔37にはネジ軸38が螺合されている。ネジ軸38の先端には六角孔39が形成され、六角レンチを嵌合可能となっている。そして、六角レンチでネジ軸38を回動操作することにより、ネジ孔37からのネジ軸38の突出長さを調節可能となっている。
【0128】
ネジ軸38は歯車部32の回転に基づいてその先端が伝達片36に当接する。従って、ネジ軸38の突出長さを調整すると、歯車部32の伝達片35が伝達軸部33の伝達片36に当接するまでの空回り角度を調整することができる。
【0129】
ケース41の外側面には、
図11(a)に示すように、歯車部32の伝達片35の回動位置を外部から確認するための目視孔40が形成されている。また、ケース41の後方側面には六角レンチを挿通可能とした操作孔41が形成され、伝達片35が目視孔40で目視できる位置に達すると、操作孔41から挿入した六角レンチを六角孔39に容易に嵌合可能となっており、これによりネジ孔37からのネジ軸38の突出長さを調節可能とし、駆動歯車15の回転に対して伝達歯車16を介して回転する被動歯車17の空回り角度を容易に調整できるようにしている。
【0130】
従って、モーター10の回転制御で第1の巻取パイプ4aを回転させると、一体となって駆動歯車15が回転し、この駆動歯車15の回転に基づいて、伝達歯車16を介して当該空回り角度を有して被動歯車17が回転すると、第2の巻取パイプ4bが同一速度で同方向に回転するようになっている。
【0131】
そして、第1のスクリーン5aの下端部は室内側からウェイトバー7におけるボトムパイプ72の一部に取着され、第2のスクリーン5bの下端部は室外側からウェイトバー7におけるボトムパイプ72の一部に取着されているため、ウェイトバー7におけるボトムパイプ72は第1及び第2のスクリーン5a,5bの調光時に回転する。
【0132】
これにより、モーター10の回転制御で第1及び第2のスクリーン5a,5bを昇降させた後に、モーター10をその昇降時とは逆方向に回転させると、その駆動歯車15の逆方向の回転に対して、被動歯車17がほぼ235°回転するまでは、第2の巻取パイプ4bは回転されず、第1の巻取パイプ4aのみが回転される。この第2の巻取パイプ4bの空転を利用して、ウェイトバー7におけるボトムパイプ72が第1及び第2のスクリーン5a,5bの調光時に当該第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動に対応して回転するようになり、第1及び第2のスクリーン5a,5bに弛みが生じないようになる。
【0133】
尚、ウェイトバー7による自重降下を防止するために、モーター10により制動トルクを生じさせる構成とするか、或いは第1の巻取パイプ4aの回転に対して制動力を付与するブレーキユニット、及び第2の巻取パイプ4bの回転に対して制動力を付与するブレーキユニットをそれぞれの各巻取パイプ4a,4b内に設けてもよい(図示せず)。
【0134】
フレーム2内には、第1実施形態と同様に、電源12、及び制御装置13が配設されている。
【0135】
電源12は、外部のAC電源から電力供給されたAC電圧をDC電圧に変換して出力するDC電源とするか、或いはDC電圧を出力する外部充電可能な蓄電式電源とすることができ、通電コードにより、制御装置13に対して電力供給するとともに、制御装置13を介して、モーター10、及びエンコーダ11に対して電力供給する。
【0136】
制御装置13は、
図4に例示した有線のスイッチ51、無線のリモートコントローラ(リモコン)52、或いはパーソナルコンピュータ(PC)や
図5に例示したスマートフォン等の通信端末53などの外部機器からの操作信号を受信すると、当該操作信号内に含まれる各種のコマンドに対応する制御を行う機能部であり、これらの外部機器から昇降モードとして昇降操作に係る操作信号や、調光モードとして採光状態や遮光状態の操作に係る操作信号を受け付け、エンコーダ11から得られるパルス信号を監視しながら、モーター10の駆動制御を行う。
【0137】
本実施形態の制御装置13は、
図3に示すものと同様の構成要素で構成される。ただし、制御部131における調光調整手段1312は、外部操作実行手段1311と協働して、第1及び第2のスクリーン5a,5bの調光モードの制御時に、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値に基づくウェイトバー7の昇降高さを巻取パイプ4の回転数に対応付け、巻取パイプ4の回転数に基づいて第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を調整する制御を行う点で同様であるが、その調整に係る具体的な制御が第1実施形態と異なるので、
図12乃至
図14を参照して説明する。
【0138】
(制御装置の制御例)
図12(a)及び(b)は、それぞれ本発明による第2実施形態の電動調光型ロールスクリーンにおけるウェイトバー7の下限状態、及び中間状態の簡易的な側面図である。まず、
図12(a)に示すように、第1及び第2のスクリーン5a,5bは、いずれも生地厚t(mm単位)を有し、透光部8の高さ方向幅a(mm単位)及び遮光部9の高さ方向幅b(mm単位)が等間隔で上下方向に縞状に形成されている。尚、本実施形態においてb≧aとすることができ、例えば、a:b=1:1.5とすることや、a:b=1:1とすることができる。
【0139】
初期設定として、ウェイトバー7の下限設定位置(昇降高さh=0)時に、第1のスクリーン5aの遮光部9と第2のスクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態(遮光状態)となるように設定される。尚、本実施形態においても、制御装置13は、昇降操作に関する昇降高さh=0[mm]は、%による正規化された管理値として昇降率0%を意味する昇降率h0[%]として管理し、昇降高さh=hmax[mm]は、%による正規化された管理値として昇降率100%を意味する昇降率h100[%]として管理する。また、制御装置13は、調光操作に関する「遮光状態」は、%による正規化された管理値として調光率0%を意味するものとして、調光率0%の第1の巻取パイプ4aの回転数nをn0として管理し、「採光状態」は、%による正規化された管理値として調光率100%を意味するものとして、調光率100%の第1の巻取パイプ4aの回転数nをn100として管理する。
【0140】
上述したように、本実施形態では、モーター10の回転制御で第1の巻取パイプ4aを回転させると、一体となって駆動歯車15が回転し、この駆動歯車15の回転に基づいて、伝達歯車16を介して当該空回り角度を有して被動歯車17が回転すると、第2の巻取パイプ4bが同一速度で同方向に回転するようになっている。そして、ウェイトバー7の上昇及びその停止操作後の時点では第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)となり、一方で、ウェイトバー7の下降及びその停止操作後の時点では第1のスクリーン5aの遮光部9と第2のスクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態(遮光状態)となるように、当該空回り角度が調整されている。
【0141】
このため、制御装置13は、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値で対応付けてモーター10の回転制御で第1の巻取パイプ4aを回転させると、第2の巻取パイプ4bを回転させることができ、これによりウェイトバー7を昇降高さh(mm単位)で任意に昇降させることができるが、当該空回り角度に対応する回転数差Δnが生じる。この回転数差Δnは、ウェイトバー7の昇降高さh、第1及び第2の巻取パイプ4a,4bで同径のパイプ径d、並びに第1及び第2のスクリーン5a,5bの生地厚tによらず一定である。つまり、第2実施形態の場合は、昇降動作中、第1の巻取パイプ4aの回転と第2の巻取パイプ4bが同一速度で同方向に回転するため、制御装置13は、第1の巻取パイプ4aの回転数nを監視して、ウェイトバー7の上昇及びその停止操作後の時点であるか、或いはウェイトバー7の下降及びその停止操作後の時点であるかによって、当該回転数差Δnを加味することで、調光率100%、0%、或いは任意の調光率を、当該第1の巻取パイプ4aの回転数nを基に定めることができる。以下、より具体的に、制御装置13の制御例について説明する。
【0142】
図12(a)に示すように、ウェイトバー7が下限設定位置にあるときの第1の巻取パイプ4aの回転数nをn=0とし、第1の巻取パイプ4aの回転角θをθ=0°として任意の位置で基準を定めると(
図12(a)に図示する例では第1の巻取パイプ4aの水平方向)、θ=360°で第1の巻取パイプ4aは一回転する(回転数n=1)。制御装置13は、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値を監視しながらモーター10の制御を行うことで第1及び第2のスクリーン5a,5bの昇降及び調光の制御を行うが、回転角θ=1°単位の回転制御を行うことができ、このため第1の巻取パイプ4aの回転数nは、回転角θ=1°単位の分解能となり小数点を取り得る点に留意する。例えば、ウェイトバー7が下限設定位置にある状態から第1の巻取パイプ4aを回転角θ=1°だけ回転させたときの回転数nは、n=1/360である。第1の巻取パイプ4aと第2の巻取パイプ4bは、いずれも同径のパイプ径dである。本実施形態においては、当該空回り角度に対応する回転数差Δnについて予め記憶部135に記憶しているが、パイプ径d、第1及び第2のスクリーン5a,5bの生地厚t、透光部8の高さ方向幅a及び遮光部9の高さ方向幅bの各パラメータは、必ずしも記憶部135に記憶しておく必要はない。
【0143】
即ち、調光モードの制御では、第1の巻取パイプ4aの回転数nは、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値から正確に求めることができ、上昇操作経由であるか下降操作経由であるかの識別を経て、当該第1の巻取パイプ4aの回転数nを基に、調光率100%、0%、或いは任意の調光率を定めることができる。以下、更に具体的に、調光制御について説明する。
【0144】
(上昇操作経由の調光制御)
図13(a),(b)は、それぞれ本発明による第2実施形態の電動調光型ロールスクリーンの調光モードにおける、操作装置(スイッチ51、リモコン52、通信端末53等)上のボタンのワンタッチ操作で上昇操作経由の採光操作、及び遮光操作するときの制御装置13の制御例を示すフローチャートである。
【0145】
まず、
図13(a)を参照するに、制御装置13は、外部操作実行手段1311により、操作装置(スイッチ51、リモコン52、通信端末53等)から、上昇及びその停止操作後、現在の回転数nをn
100として設定する(ステップS21)。
【0146】
そして、制御装置13は、回転数n=n100時に調光開(採光)を指示する採光コマンドの操作信号を受信しても、既に採光状態となっているので、第1の巻取パイプ4aの回転制御は行わずに、当該操作信号に対応する応答制御を終了する(ステップS22)。
【0147】
次に、
図13(b)を参照するに、制御装置13は、外部操作実行手段1311により、操作装置(スイッチ51、リモコン52、通信端末53等)から、上昇及びその停止操作後、ステップS21の時と同様に、現在の回転数nをn
100として設定する(ステップS31)。
【0148】
そして、制御装置13は、回転数n=n100時に調光閉(遮光)を指示する遮光コマンドの操作信号を受信したときは、調光調整手段1312により、遮光状態とする第1の巻取パイプ4aの回転数n0として、
n0=n100-Δn
を算出する(ステップS32)。
【0149】
最終的に、制御装置13は、外部操作実行手段1311により、回転数n=n0となるように、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値を監視しながらモーター10の制御を行って、第1の巻取パイプ4aを下降方向に回転制御することで、現在のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で、第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)に移行させる制御を行う(ステップS33)。
【0150】
(下降操作経由の調光制御)
図14(a),(b)は、それぞれ本発明による第2実施形態の電動調光型ロールスクリーンの調光モードにおける、操作装置(スイッチ51、リモコン52、通信端末53等)上のボタンのワンタッチ操作で下降操作経由の採光操作、及び遮光操作するときの制御装置13の制御例を示すフローチャートである。
【0151】
まず、
図14(a)を参照するに、制御装置13は、外部操作実行手段1311により、操作装置(スイッチ51、リモコン52、通信端末53等)から、下降及びその停止操作後、現在の回転数nをn
0として設定する(ステップS41)。
【0152】
回転数n=n0時に調光開(採光)を指示する採光コマンドの操作信号を受信したときは、調光調整手段1312により、採光状態とする第1の巻取パイプ4aの回転数n100として、
n100=n0+Δn
を算出する(ステップS42)。
【0153】
最終的に、制御装置13は、外部操作実行手段1311により、回転数n=n100となるように、エンコーダ11からのパルス信号のカウント値を監視しながらモーター10の制御を行って、第1の巻取パイプ4aを上昇方向に回転制御することで、現在のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で、第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)に移行させる制御を行う(ステップS43)。
【0154】
次に、
図14(b)を参照するに、制御装置13は、外部操作実行手段1311により、操作装置(スイッチ51、リモコン52、通信端末53等)から、下降及びその停止操作後、ステップS41の時と同様に、現在の回転数nをn
0として設定する(ステップS51)。
【0155】
そして、制御装置13は、回転数n=n0時に調光閉(遮光)を指示する遮光コマンドの操作信号を受信しても、既に遮光状態となっているので、第1の巻取パイプ4aの回転制御は行わずに、当該操作信号に対応する応答制御を終了する(ステップS52)。
【0156】
このように、本実施形態においても、前後二重の第1及び第2のスクリーン5a,5bにおける採光状態と遮光状態の切り替えを精度よく行うことができ、更には透光部の高さ方向幅aと遮光部の高さ方向幅bについて、a:b=1:1とするなど、生地種の制限を緩和させることができる。このため、本実施形態によれば、手動操作で構成した調光型ロールスクリーンよりも、操作性又は機能性を向上させた電動調光型ロールスクリーンを構成することができる。
【0157】
〔第3実施形態〕
上述した第1及び第2実施形態では、制御装置13における制御部131は、調光調整手段1312により、巻取パイプ4の回転数に基づいて第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を調整する制御を演算に基づいて行う例を示したが、以下に説明するように、外光量を検出する照度センサ等の光センサの出力値を用いて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を調整する制御を行うようにしてもよい。
【0158】
図15は、本発明による第3実施形態の電動調光型ロールスクリーンの概略構成を簡易、且つ部分的に示す斜視図である。尚、
図15に示す第3実施形態は、
図1及び
図2に示す第1実施形態の変形例として構成され、同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
【0159】
まず、
図15に示すように、前後二重の第1及び第2のスクリーン5a,5bに対して、その背面側に、上下方向に等間隔で配設された光センサ81A,81B,81C,81DがL字金具71で支持されている。光センサ81A,81B,81C,81Dの各々は、受光素子を用いた照度センサとすることができ、外光量を検出するものであればよい。L字金具71は、本例では壁面に対して取付ネジ72,73を用いて固定する例としている。或いは、
図2に示す支持ブラケット3の下端を、巻取パイプ4よりも更に下方に延在させて、L字金具71を固定するようにしてもよい。また、例えば図示するように、第1及び第2のスクリーン5a,5bの側縁を挟み込んで、第1及び第2のスクリーン5a,5bの移動を案内するガイドレール61,62を設けている場合には、L字金具71を用いずに、光センサ81A,81B,81C,81Dの各々をガイドレール61内に配設してもよい。
【0160】
図16は、本発明による第3実施形態の電動調光型ロールスクリーンにおける制御装置13の概略構成を示すブロック図である。
【0161】
本実施形態の制御装置13は、制御部131と、制御部131の制御により有線のスイッチ51、無線のリモコン52、或いはパーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等の通信端末53などの外部機器との通信を行う通信部132と、制御部131の制御によりモーター10を駆動する駆動部133と、エンコーダ11からのパルス信号を受信して制御部131に出力するパルス信号受信部134と、制御部131を機能させるためのプログラム、ウェイトバー7の昇降範囲等の初期設定、及び第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態及び調光状態を記憶する記憶部135と、光センサ81A,81B,81C,81Dの各々の出力値を入力し制御部131に出力する第1乃至第4センサ受信部136A乃至136Dを備える。
【0162】
制御部131は、
図3に示す第1実施形態と同様に、マイクロコンピュータにより構成することができ、記憶部135に予め記憶させたプログラムを読み出して実行することにより、有線のスイッチ51、無線のリモコン52、或いはパーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等の通信端末53などの外部機器からの操作信号を受信すると、当該操作信号内に含まれる各種のコマンドに対応する制御を行うように構成される。
【0163】
制御部131は、
図3に示す第1実施形態と同様の機能を有する外部操作実行手段1311、調光調整手段1312、及び状態管理手段1313を備えているが、調光調整手段1312が、巻取パイプ4の回転数に基づいて第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を調整する制御を演算に基づいて行うのではなく、光センサ81A,81B,81C,81Dの各々の出力値を用いて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を調整する制御を行う点で相違する。
【0164】
図17(a),(b)は、それぞれ本発明による第3実施形態の電動調光型ロールスクリーンの調光モードにおける、操作装置(スイッチ51、リモコン52、通信端末53等)上のボタンのワンタッチ操作で採光操作、及び遮光操作するときの制御装置13の制御に関する、前後二重のスクリーンの重なり具合の動作図である。第1及び第2のスクリーン5a,5bは、光を透過する透光部8と、光を遮光する遮光部9が等間隔で上下方向に縞状に形成されている。そして、第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)では、その透光部8から外光を採り入れ可能であり、第1のスクリーン5aの透光部8と第2のスクリーン5bの遮光部9が前後方向で重なり、第1のスクリーン5aの遮光部9と第2のスクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態(遮光状態)では、外光を遮断可能となっている。
【0165】
そこで、本実施形態では、
図17(a),(b)に示すように、光センサ81A,81B,81C,81Dが、透光部8の高さ方向幅とほぼ一致する範囲で上下方向に等間隔で配設されており、より具体的には、
図17(a)に示す第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)から第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動が生じると、光センサ81A,81Dの出力値が所定の閾値以上で変化し、光センサ81B,81Cの出力値が所定の閾値以上で変化しない配置となっている。
【0166】
また、この光センサ81A,81B,81C,81Dの配置は、
図17(b)に示す第1のスクリーン5aの透光部8と第2のスクリーン5bの遮光部9が前後方向で重なり、第1のスクリーン5aの遮光部9と第2のスクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態(遮光状態)から第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動が生じると、光センサ81B,81Cの出力値が所定の閾値以上で変化し、光センサ81A,81Dの出力値が所定の閾値以上で変化しない配置となっている。
【0167】
従って、本実施形態の制御装置13は、制御部131により、光センサ81A,81B,81C,81Dの出力値を用いて、任意のウェイトバー7の昇降高さにおいて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で、第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)と、第1のスクリーン5aの透光部8と第2のスクリーン5bの遮光部9が前後方向で重なり、第1のスクリーン5aの遮光部9と第2のスクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態(遮光状態)とに移行させるように、第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を調整する制御を行うことができる。
【0168】
また、本実施形態においても、制御装置13は、昇降操作に関する昇降高さh=0[mm]は、%による正規化された管理値として昇降率0%を意味する昇降率h0[%]として管理し、昇降高さh=hmax[mm]は、%による正規化された管理値として昇降率100%を意味する昇降率h100[%]として管理する。そして、制御装置13は、調光操作に関する「遮光状態」は、%による正規化された管理値として調光率0%を意味するものとして、調光率0%の第1の巻取パイプ4aの回転数nをn0として管理し、「採光状態」は、%による正規化された管理値として調光率100%を意味するものとして、調光率100%の第1の巻取パイプ4aの回転数nをn100として管理する。
【0169】
このように、本実施形態においても、前後二重の第1及び第2のスクリーン5a,5bにおける採光状態と遮光状態の切り替えを精度よく行うことができ、更には透光部の高さ方向幅aと遮光部の高さ方向幅bについて、a:b=1:1とするなど、生地種の制限を緩和させることができる。このため、本実施形態によれば、手動操作で構成した調光型ロールスクリーンよりも、操作性又は機能性を向上させた電動調光型ロールスクリーンを構成することができる。
【0170】
また、本実施形態の制御装置13は、第1実施形態における制御と組み合わせた制御を行う構成とすることもできる。即ち、制御装置13における制御部131は、調光調整手段1312により、第1実施形態と同様に、巻取パイプ4の回転数に基づいて第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を調整する調整量を求め、本実施形態のように光センサ81A,81B,81C,81Dの出力値を用いて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を検証しながら調整する制御を行うようにしてもよい。
【0171】
また、
図15乃至
図17に示す本実施形態は、第1実施形態からの変形例として説明したが、第2実施形態からの変形例として構成することもできることは容易に理解される。そして、本実施形態の制御装置13は、第2実施形態における制御と組み合わせた制御を行う構成とすることもできる。
【0172】
また、
図15乃至
図17に示す本実施形態では、4つの光センサ81A,81B,81C,81Dの出力値を用いるとして説明したが、より多くの光センサを用いる形態や、逆により少ない光センサを用いる形態とすることができる。例えば、2つの光センサ81A,81Dの出力値のみを用いる形態でも、第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)を検知して記憶部135に記憶しておくことで、相対的に、必要とされる第1のスクリーン5aの透光部8と第2のスクリーン5bの遮光部9が前後方向で重なり、第1のスクリーン5aの遮光部9と第2のスクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態(遮光状態)を演算により決定することができる。更には、1つの光センサ81Aの出力値のみを用いる形態でも、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動と1つの光センサ81Aの出力値との対応関係を記憶部135に記憶しておくことで、必要とされる採光状態と遮光状態を演算により決定することができる。
【0173】
〔第4実施形態〕
上述した第1及び第2実施形態では、制御装置13における制御部131は、調光調整手段1312により、巻取パイプ4の回転数に基づいて第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を調整する制御を演算に基づいて行う例を示したが、以下に説明するように、透過型のフォトインタラプタを光センサとして用いて、フォトインタラプタの出力値を用いて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を調整する制御を行うようにしてもよい。
【0174】
図18は、本発明による第4実施形態の電動調光型ロールスクリーンの概略構成を簡易、且つ部分的に示す斜視図である。尚、
図18に示す第4実施形態は、
図1及び
図2に示す第1実施形態の変形例として構成され、同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
【0175】
まず、
図18に示すように、前後二重の第1及び第2のスクリーン5a,5bに対して、その側縁を挟み込むように、発光素子と受光素子が対向配置されている透過型のフォトインタラプタ90が配設されている。フォトインタラプタ90は、金具(図示略)を用いて壁面に対して固定してもよいし、
図2に示す支持ブラケット3の下端を、巻取パイプ4よりも更に下方に延在させて固定するようにしてもよい。また、例えば図示するように、第1及び第2のスクリーン5a,5bの側縁を挟み込んで、第1及び第2のスクリーン5a,5bの移動を案内するガイドレール61,62を設けている場合には、フォトインタラプタ90をガイドレール61,62内に配設してもよい。
【0176】
図19は、本発明による第4実施形態の電動調光型ロールスクリーンにおける制御装置13の概略構成を示すブロック図である。
【0177】
本実施形態の制御装置13は、制御部131と、制御部131の制御により有線のスイッチ51、無線のリモコン52、或いはパーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等の通信端末53などの外部機器との通信を行う通信部132と、制御部131の制御によりモーター10を駆動する駆動部133と、エンコーダ11からのパルス信号を受信して制御部131に出力するパルス信号受信部134と、制御部131を機能させるためのプログラム、ウェイトバー7の昇降範囲等の初期設定、及び第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態及び調光状態を記憶する記憶部135と、フォトインタラプタ90の出力値を入力し制御部131に出力するセンサ受信部137を備える。
【0178】
制御部131は、
図3に示す第1実施形態と同様に、マイクロコンピュータにより構成することができ、記憶部135に予め記憶させたプログラムを読み出して実行することにより、有線のスイッチ51、無線のリモコン52、或いはパーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等の通信端末53などの外部機器からの操作信号を受信すると、当該操作信号内に含まれる各種のコマンドに対応する制御を行うように構成される。
【0179】
制御部131は、
図3に示す第1実施形態と同様の機能を有する外部操作実行手段1311、調光調整手段1312、及び状態管理手段1313を備えているが、調光調整手段1312が、巻取パイプ4の回転数に基づいて第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を調整する制御を演算に基づいて行うのではなく、フォトインタラプタ90の出力値を用いて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を調整する制御を行う点で相違する。
【0180】
図20は、本発明による第4実施形態の電動調光型ロールスクリーンの調光モードにおける、操作装置上のボタンのワンタッチ操作で採光操作、及び遮光操作するときの制御装置の制御に関する、巻取パイプの回転数に対し前後二重のスクリーンの重なり具合により生じる光透過量の特性図である。第1及び第2のスクリーン5a,5bは、光を透過する透光部8と、光を遮光する遮光部9が等間隔で上下方向に縞状に形成されている。そして、第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)では、その透光部8から外光を採り入れ可能であり、第1のスクリーン5aの透光部8と第2のスクリーン5bの遮光部9が前後方向で重なり、第1のスクリーン5aの遮光部9と第2のスクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態(遮光状態)では、外光を遮断可能となっている。
【0181】
そこで、本実施形態では、
図18に示すように、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動と1つの光センサ81Aの出力値との対応関係を記憶部135に記憶しておくことで、必要とされる採光状態と遮光状態を演算により決定する。より具体的には、巻取パイプ4の回転数nに応じて、第1及び第2のスクリーン5a,5b(前後生地)の重なり具合による光透過量が
図18に示すように波打つように分布すると、フォトインタラプタ90の出力値として、ON信号区間とOFF信号区間が生じて、ON/OFFを繰り返す特性が得られる。
【0182】
つまり、ウェイトバー7が下限設定位置(巻取パイプ4の回転数nが0)から上昇するにつれて、例えば位置“N0”でフォトインタラプタ90の出力値がOFF信号からON信号に切り替わり、例えば位置“N0”でフォトインタラプタ90の出力値がOFF信号からON信号に切り替わり、位置“N1”でフォトインタラプタ90の出力値がON信号からOFF信号に切り替わり、位置“N2”でフォトインタラプタ90の出力値がOFF信号からON信号に切り替わり、位置“N3”でフォトインタラプタ90の出力値がON信号からOFF信号に切り替わるという特性が得られる。このフォトインタラプタ90の出力値の特性を巻取パイプ4の回転数nと対応付けて記憶部135に予め記憶しておく。
【0183】
これにより、本実施形態の制御装置13は、制御部131における調光調整手段1312により、任意のウェイトバー7の昇降高さにおいて、巻取パイプ4の回転数nに応じて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの相対移動として最短距離で、第1及び第2のスクリーン5a,5bの各透光部8が前後方向で重なる状態(採光状態)と、第1のスクリーン5aの透光部8と第2のスクリーン5bの遮光部9が前後方向で重なり、第1のスクリーン5aの遮光部9と第2のスクリーン5bの透光部8が前後方向で重なる状態(遮光状態)とに移行させるように、演算により求めて第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を調整する制御を行うことができる。
【0184】
また、本実施形態においても、制御装置13は、昇降操作に関する昇降高さh=0[mm]は、%による正規化された管理値として昇降率0%を意味する昇降率h0[%]として管理し、昇降高さh=hmax[mm]は、%による正規化された管理値として昇降率100%を意味する昇降率h100[%]として管理する。そして、制御装置13は、調光操作に関する「遮光状態」は、%による正規化された管理値として調光率0%を意味するものとして、調光率0%の第1の巻取パイプ4aの回転数nをn0として管理し、「採光状態」は、%による正規化された管理値として調光率100%を意味するものとして、調光率100%の第1の巻取パイプ4aの回転数nをn100として管理する。
【0185】
このように、本実施形態においても、前後二重の第1及び第2のスクリーン5a,5bにおける採光状態と遮光状態の切り替えを精度よく行うことができ、更には透光部の高さ方向幅aと遮光部の高さ方向幅bについて、a:b=1:1とするなど、生地種の制限を緩和させることができる。このため、本実施形態によれば、手動操作で構成した調光型ロールスクリーンよりも、操作性又は機能性を向上させた電動調光型ロールスクリーンを構成することができる。
【0186】
また、本実施形態の制御装置13は、第1実施形態における制御と組み合わせた制御を行う構成とすることもできる。即ち、制御装置13における制御部131は、調光調整手段1312により、第1実施形態と同様に、巻取パイプ4の回転数に基づいて第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を調整する調整量を求め、本実施形態のようにフォトインタラプタ90の出力値を用いて、第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合を検証しながら調整する制御を行うようにしてもよい。
【0187】
また、
図18乃至
図19に示す本実施形態は、第1実施形態からの変形例として説明したが、第2実施形態からの変形例として構成することもできることは容易に理解される。そして、本実施形態の制御装置13は、第2実施形態における制御と組み合わせた制御を行う構成とすることもできる。
【0188】
また、本実施形態においても、第3実施形態と同様に、複数のフォトインタラプタ90を上下方向で等間隔に配置する形態としてもよい。
【0189】
〔変形例〕
図21は、本発明による第1乃至第4実施形態の電動調光型ロールスクリーンの操作装置として構成される変形例のスイッチ51の概略構成を示す正面図である。尚、
図21は、
図4に示すものと同様な構成要素には、同一の参照番号を付している。また、
図21は、各実施形態の電動調光型ロールスクリーンに対して有線接続されるスイッチ21を例としているが、各実施形態の電動調光型ロールスクリーンに対して無線接続されるリモコン52についても同様に構成することができる。
【0190】
図21に示す変形例のスイッチ51は、
図4に示すものと比較して、調光モードで第1及び第2のスクリーン5a,5bの重なり具合の操作を行うための調光操作ボタン(514,515)が省略され、昇降モードでウェイトバー7の昇降操作を行うための昇降操作ボタン(511~513)が、当該調光モード時の操作を兼用できるものとしている点で相違している。
【0191】
即ち、
図21に示す変形例のスイッチ51は、各実施形態の電動調光型ロールスクリーン用のスイッチとして構成され(ただし、各実施形態の電動調光型ロールスクリーンに限らず種々の電動ブラインドにも利用できる。)、調光モードを兼用した昇降モードの昇降操作ボタン(511~513)を有し、内部に、各操作ボタンに応じたコマンドを操作信号として電動調光型ロールスクリーンにおける制御装置13に発信する通信制御部(図示略)が設けられている。尚、制御装置13の構成自体は、上述した各実施形態において、それぞれ
図3、
図16及び
図19に示すものと同様であるが、制御部131によるウェイトバー7を昇降させるモーター10の駆動制御が、上述した各実施形態のものとは異なっている。
【0192】
“OPEN”ボタン511は、ウェイトバー7を上昇させるための昇降操作ボタンであり、操作者が“OPEN”ボタン511を押下すると、昇降モード時におけるウェイトバー7の上昇操作を指示する上昇コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その上昇コマンドを受け付けると、ウェイトバー7を上昇させる制御を行うが、
図22乃至
図25を参照して後述する調光モード時及び昇降モード時を一連の制御内で区別した制御を行って、停止コマンドを受け付けない限り、上限設定位置まで上昇させる。
【0193】
“CLOSE”ボタン512は、ウェイトバー7を下降させるための昇降操作ボタンであり、操作者が“CLOSE”ボタン512を押下すると、昇降モード時におけるウェイトバー7の下降操作を指示する下降コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その下降コマンドを受け付けると、ウェイトバー7を下降させる制御を行うが、
図22乃至
図25を参照して後述する調光モード時及び昇降モード時を一連の制御内で区別した制御を行って、停止コマンドを受け付けない限り、下限設定位置まで下降させる。
【0194】
“STOP”ボタン513は、ウェイトバー7の昇降動作を停止させるための停止ボタンであり、ウェイトバー7の昇降動作中に、操作者が“STOP”ボタン513を押下すると、ウェイトバー7の昇降動作の停止を指示する停止コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その停止コマンドを受け付けると、ウェイトバー7の昇降動作を停止させる制御を行い、その第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態及び調光状態を記憶部135に記憶して管理する。
【0195】
以下、
図22乃至
図25を参照して、
図21に示す変形例のスイッチ51からの操作により動作する制御装置13における各実施例の制御例を説明する。
【0196】
(実施例1)
図22は、
図21に示す本発明に係る変形例のスイッチ51上のボタン操作で調光及び昇降操作するときの制御装置13の実施例1の制御例を示すフローチャートである。また、
図23は、
図22に示す制御装置13の実施例1の制御に関する、前後二重のスクリーンの調光及び昇降の動作図である。
【0197】
まず、
図22に示すように、制御装置13は、
図21に示す本発明に係る変形例のスイッチ51から昇降を指示する昇降コマンドの操作信号を受信すると(ステップS61)、調光調整手段1312により、現在の巻取パイプ(
図1、
図15、及び
図18に示す巻取パイプ4、或いは
図9に示す第1の巻取パイプ4a)の回転数nにおける採光状態の回転数n
100、及び遮光状態の回転数n
0を算出する(ステップS62)。
【0198】
続いて、制御装置13は、調光動作用の回転速度Rdで巻取パイプの回転制御を開始し(ステップS63)、現在の巻取パイプの回転数nがn100又はn0に達したか否かを監視しながら、巻取パイプの回転制御を行う(ステップS64)。
【0199】
現在の巻取パイプの回転数nがn
100又はn
0に達していないときは(ステップS64:N)、制御装置13は、
図21に示す本発明に係る変形例のスイッチ51から昇降を停止する停止コマンドの操作信号を受信するか、又は上現・下限位置に達するまで、調光動作用の回転速度Rdで巻取パイプの回転制御を継続し(ステップS65:N)、停止コマンドの操作信号を受信するか、又は上現・下限位置に達するときは(ステップS65:Y)、当該調光動作用の回転速度Rdによる巻取パイプの回転制御を終了する。
【0200】
一方、当該調光動作用の回転速度Rdによる巻取パイプの回転制御中、現在の巻取パイプの回転数nがn
100又はn
0に達したときは(ステップS64:Y)、制御装置13は、昇降動作用の回転速度Re(当該調光動作用の回転速度Rdより速い昇降動作用の通常速度であり、Re>Rd)で巻取パイプの回転制御を開始し(ステップS66)、
図21に示す本発明に係る変形例のスイッチ51から昇降を停止する停止コマンドの操作信号を受信するか、又は上現・下限位置に達するまで、昇降動作用の回転速度Reで巻取パイプの回転制御を継続し(ステップS67:N)、停止コマンドの操作信号を受信するか、又は上現・下限位置に達するときは(ステップS67:Y)、当該昇降動作用の回転速度Reによる巻取パイプの回転制御を終了する。
【0201】
このように、制御装置13は、巻取パイプの回転数nを管理し、現在の回転数nを基に調光範囲を定め、その調光範囲内で動作する昇降速度を、当該調光範囲を超えて動作する昇降速度より遅くするように制御する。
【0202】
これにより、例えば、
図23に示すように、遮光状態で所定の昇降高さのウェイトバー7に停止していた状態で、制御装置13は、
図21に示す本発明に係る変形例のスイッチ51から上昇を指示する上昇コマンドの操作信号を受信したときは、採光状態となる位置までは、停止コマンドの操作信号を受信しないかぎり、調光動作としてゆっくり上昇(巻取パイプの回転速度Rd)し、これにより操作者に対して調光操作を容易化させることができる。また、制御装置13は、採光状態となる位置を経過後は、停止コマンドの操作信号を受信しないかぎり、或いは上下位置に達しない限り、昇降動作として通常速度で上昇(巻取パイプの回転速度Re(Re>Rd))させ、通常の操作と同様に、操作者に対して所望位置でその上昇を停止操作させることができる。
【0203】
(実施例2)
図24は、
図21に示す本発明に係る変形例のスイッチ51上のボタン操作で調光及び昇降操作するときの制御装置13の実施例1の制御例を示すフローチャートである。また、
図25は、
図24に示す制御装置13の実施例1の制御に関する、前後二重のスクリーンの調光及び昇降の動作図である。
【0204】
まず、
図24に示すように、制御装置13は、
図21に示す本発明に係る変形例のスイッチ51から昇降を指示する昇降コマンドの操作信号を受信すると(ステップS71)、調光調整手段1312により、現在の巻取パイプ(
図1、
図15、及び
図18に示す巻取パイプ4、或いは
図9に示す第1の巻取パイプ4a)の回転数nにおける採光状態の回転数n
100、及び遮光状態の回転数n
0を算出する(ステップS72)。
【0205】
続いて、制御装置13は、昇降動作用の回転速度Reで巻取パイプの回転制御を開始し(ステップS73)、現在の巻取パイプの回転数nがn100又はn0に達したか否かを監視しながら、巻取パイプの回転制御を行う(ステップS74)。
【0206】
現在の巻取パイプの回転数nがn
100又はn
0に達していないときは(ステップS74:N)、制御装置13は、
図21に示す本発明に係る変形例のスイッチ51から昇降を停止する停止コマンドの操作信号を受信するか、又は上現・下限位置に達するまで、昇降動作用の回転速度Reで巻取パイプの回転制御を継続し(ステップS75:N)、停止コマンドの操作信号を受信するか、又は上現・下限位置に達するときは(ステップS75:Y)、当該調光動作用の回転速度Rdによる巻取パイプの回転制御を終了する。
【0207】
一方、昇降動作用の回転速度Reによる巻取パイプの回転制御中、現在の巻取パイプの回転数nがn
100又はn
0に達したときは(ステップS74:Y)、制御装置13は、当該巻取パイプの回転制御について所定時間(例えば、3秒)、一時停止し(ステップS76)、この一時停止中、
図21に示す本発明に係る変形例のスイッチ51から昇降を停止する停止コマンドの操作信号を受信したときは(ステップS77:Y)、当該昇降動作用の回転速度Reによる巻取パイプの回転制御を終了する。
【0208】
当該一時停止中、
図21に示す本発明に係る変形例のスイッチ51から昇降を停止する停止コマンドの操作信号を受信しないときは(ステップS77:N)、昇降動作用の回転速度Reによる巻取パイプの回転制御を再開する(ステップS78)。そして、制御装置13は、
図21に示す本発明に係る変形例のスイッチ51から昇降を停止する停止コマンドの操作信号を受信するか、又は上現・下限位置に達するまで、昇降動作用の回転速度Reで巻取パイプの回転制御を継続し(ステップS79:N)、停止コマンドの操作信号を受信するか、又は上現・下限位置に達するときは(ステップS79:Y)、当該昇降動作用の回転速度Reによる巻取パイプの回転制御を終了する。
【0209】
このように、制御装置13は、巻取パイプの回転数nを管理し、現在の回転数nを基に調光範囲を定め、その調光範囲内の昇降動作と当該調光範囲を超える昇降動作との間で所定時間の一時停止を行うよう制御する。
【0210】
これにより、例えば、
図25に示すように、遮光状態で所定の昇降高さのウェイトバー7に停止していた状態で、制御装置13は、
図21に示す本発明に係る変形例のスイッチ51から上昇を指示する上昇コマンドの操作信号を受信したときは、採光状態となる位置までは、停止コマンドの操作信号を受信しないかぎり、昇降動作として通常速度で上昇(巻取パイプの回転速度Re)するが、採光状態となる位置で所定時間(例えば、3秒)の一時停止を行う。これにより操作者に対して調光操作を容易化させることができる。また、制御装置13は、採光状態となる位置を経過後は、昇降動作として通常速度での上昇を再開させ、停止コマンドの操作信号を受信しないかぎり、或いは上下位置に達しない限り、昇降動作として通常速度で上昇させ、通常の操作と同様に、操作者に対して所望位置でその上昇を停止操作させることができる。
【0211】
(実施例3)
図示を省略するが、
図22に示す実施例1及び
図24に示す実施例2を組み合わせた実施例3の制御とすることができる。即ち、
図24に示す実施例2におけるステップS73乃至S75について、
図22に示す実施例1におけるステップS63乃至S65に置き換えてよい。即ち、制御装置13は、現在の巻取パイプの回転数nがn
100又はn
0に達していないときは、
図21に示す本発明に係る変形例のスイッチ51から昇降を停止する停止コマンドの操作信号を受信するか、又は上現・下限位置に達するまで、調光動作用の回転速度Rdで巻取パイプの回転制御を継続し、現在の巻取パイプの回転数nがn
100又はn
0に達したときに、所定時間の一時停止を経て、昇降動作用の回転速度Re(当該調光動作用の回転速度Rdより速い昇降動作用の通常速度であり、Re>Rd)で巻取パイプの回転制御を再開する。
【0212】
このように、制御装置13は、巻取パイプの回転数nを管理し、現在の回転数nを基に調光範囲を定め、その調光範囲内の昇降動作と当該調光範囲を超える昇降動作との間で所定時間の一時停止を行い、当該調光範囲内で動作する昇降速度を、当該調光範囲を超えて動作する昇降速度より遅くするよう制御する。
【0213】
従って、
図21に示す変形例のスイッチ51のように、調光モード専用の操作ボタンを有していない場合でも、調光・昇降兼用とし、操作性の高い調光操作が可能となる。
【0214】
〔変形例の通信端末による操作装置〕
また、
図26(a),(b)は、それぞれ本発明による第1乃至第4実施形態の電動調光型ロールスクリーンの操作装置として構成される変形例の通信端末53上の調光・昇降兼用の操作画面を例示する図である。
図26に示す操作画面は、通信端末53に、第1実施形態の電動調光型ロールスクリーンの操作専用のアプリケーションをインストールして、このアプリケーションを起動して制御装置13との通信を確立すると、通信端末53に提示されるようになっており、これにより通信端末53は操作装置として機能する。操作装置として機能する通信端末53は、
図4に示すスイッチ21と同様に、昇降操作ボタン(534,535(停止操作時に提示するボタンは図示略))が提示されるものとなっている。
【0215】
特に、
図26に示す操作装置として機能する通信端末53は、例示するように、現在の昇降高さを示す第1及び第2のスクリーン5a,5bの開閉状態及び調光状態を示す模擬表示と、その開閉状態及び調光状態に応じて操作可能な操作内容を示す昇降操作表示とを視覚表示する表示手段を有するように構成される。
【0216】
まず、操作装置として機能する通信端末53は、制御装置13との通信を確立すると、開閉状態及び調光状態を要求する状態要求コマンドを操作信号として制御装置13に発信する。制御装置13は、昇降モードを指定する状態要求コマンドの操作信号を受信すると、第1及び第2のスクリーン5a,5bの開閉状態及び調光状態を記憶部135から読み出し、当該通信端末53に通知するよう応答制御する。
【0217】
そして、通信端末53は、制御装置13から現在の開閉状態及び調光状態を示す応答信号を受信することで、
図26(a),(b)に例示する操作画面を表示する。
【0218】
図26(a),(b)にそれぞれ例示する操作画面は、現在の開閉状態が中間状態として昇降率10%であるが、それぞれ異なる現在の調光率100%,60%を示す調光状態が模擬表示された表示例であり、この操作画面上に、現在の調光率530A及び昇降率530Bが提示される。また、
図26(a),(b)に示す例では、現在の開閉状態及び調光状態に応じて操作可能な操作内容を示す昇降操作表示として、上昇操作を行うための上昇操作ボタン534と下降操作を行うための下降操作ボタン535が視覚表示され、模擬表示スクリーン533が背景536と区別されて描画されている。特に、上昇操作ボタン534と下降操作ボタン535は、それぞれ“△”,“▽”で示され、現在の開閉状態の模擬表示の模擬表示スクリーン533上に合成表示するものとして、操作者にとって可能な操作が分かり易いものとしている。
【0219】
例えば、
図26(a)に示す操作画面上で、操作者が上昇操作ボタン534を押下すると、昇降モード時におけるウェイトバー7の上昇操作を指示する上昇コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その上昇コマンドを受け付けると、上述した
図22乃至
図25を参照して説明したいずれかの実施例の制御で、ウェイトバー7を上昇させる制御を行う。また、
図26(a)に示す操作画面上で、操作者が下降操作ボタン535を押下すると、昇降モード時におけるウェイトバー7の下降操作を指示する下降コマンドが制御装置13に発信される。制御装置13は、その下降コマンドを受け付けると、上述した
図22乃至
図25を参照して説明したいずれかの実施例の制御で、ウェイトバー7を下降させる制御を行う。このとき、
図26(a)に示す操作画面上では、図示を省略するが、ウェイトバー7が下降中である旨を示す模擬表示が疑似的に更新され、更に、この模擬表示の模擬表示スクリーン533上で、ウェイトバー7の下降動作を停止させるべく停止コマンドを発信するためのボタンが“□”で合成表示され、制御装置13は、停止コマンドを受け付けない限り、上限位置又は下限設定位置まで昇降させる。制御装置13は、その停止コマンドを受け付けると、ウェイトバー7の昇降動作を停止させる制御を行い、その第1及び第2のスクリーン5a,5bの制御に係る現在の開閉状態及び調光状態を記憶部135に記憶して管理するとともに、更新された現在の開閉状態及び調光状態を通信端末53に通知する。この通知を受けた通信端末53は、
図26(a),(b)に例示するように状態情報を更新表示する。
【0220】
このように、操作装置として機能する通信端末53においても、調光モード専用の操作ボタンを有していない場合でも、調光・昇降兼用とし、操作性の高い調光操作が可能となる。
【0221】
また、各実施形態の操作装置において、昇降率α[%]又は調光率β[%]を直接指定して、制御装置13に発信する形態とすることもできる。上述したように、制御装置13は、ウェイトバー7の下限位置に対応する昇降率h0[%]、及びウェイトバー7の上限位置に対応する昇降率h100[%]、並びに、現在の巻取パイプの回転数nを基に、調光率0%に対応する回転数n0、及び調光率100%に対応する回転数n100を、それぞれ管理することができる。
【0222】
そこで、操作装置から昇降率αの指示を受けた制御装置13は、その昇降率αに対応する昇降高さhαを、hα=α/100×h100+(1-α/100)×h0により求め、この昇降高さhαとなる回転数nαを算出して、回転数n=nαとなるように巻取パイプの回転制御を行う。
【0223】
また、操作装置から調光率βの指示を受けた制御装置13は、その調光率βに対応する回転数nβを、nβ=β/100×n100+(1-β/100)×n0により求め、回転数n=nβとなるように巻取パイプの回転制御を行う。
【0224】
即ち、
図26に例示する操作装置(通信端末53)は、操作対象の電動調光型ロールスクリーンから現在のスクリーンの開閉状態を割合(%)で示す開閉割合情報(本例では、現在の昇降率の情報)、及び現在のスクリーンの調光状態を割合(%)で示す調光割合情報(本例では、現在の調光率の情報)を取得する割合情報取得手段を備えるように構成される。そして、
図26に例示する操作装置(通信端末53)は、取得した各々の当該割合を示す数値表示(調光率530A及び昇降率530B)を操作画面上に提示し、取得した各々の当該割合に対応する現在のスクリーンの開閉状態及び調光状態を同時に示す模擬表示(模擬表示スクリーン533)、並びに開閉状態及び調光状態に応じて操作可能な操作内容を示すとともに、スクリーンの開閉に係るコマンドと、スクリーンの重なり具合の調整による調光に係るコマンドとを区別した操作信号を発信するための操作ボタン(昇降操作ボタン534、下降操作ボタン535、又は調光操作ボタン538,539)を視覚表示する構成となっている。そして、ワンタッチ操作で予め定めたスクリーンの開閉状態及び調光状態にする操作メニュー(昇降率α及び調光率βの指示メニュー)を操作画面上に提示する構成とすることができる。
【0225】
〔更なる変形例〕
図27(a)乃至(c)は、それぞれ変形例の電動調光型ロールスクリーンにおける概略構成と動作を概略的に示す側面図である。尚、上述した実施形態と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
【0226】
まず、
図27(a)に示す変形例1の電動調光型ロールスクリーンでは、軸方向に開口部4Sを有する筒状の巻取パイプ4Aと、巻取パイプ4A内に隙間を有して収容され同一中心軸を有する巻取パイプ4Bの二重構造の巻取パイプ4を構成している。そして、1枚のスクリーン5の一辺を巻取パイプ4Aに取着して室外側から垂下させ、錘部材として機能するウェイトバー7を介して折り返された当該スクリーンの他辺を、開口部4Sを介して巻取パイプ4Aに室外側から取着する。本変形例1においても、スクリーン5は、前側で垂下する第1のスクリーン5aと、後側で垂下する第2のスクリーン5bとで前後二重に吊下支持されたものとなる。スクリーン5には、光を一部透過させる透光部8と、光を遮る透光部9とが縞状に交互に形成されている。そして、巻取パイプ4Aは、遅延して巻取パイプ4Bと同期して同方向に回転するように遅延伝達機構が設けられる。この場合、
図27(a-1)の遮光状態から第1のスクリーン5aを当該水平線から下方の距離dの分だけ巻取パイプ4Bで巻き上げて、
図27(a-2)の採光状態とするよう、第1及び第2のスクリーン5a,5b間で透光部8と透光部9の位相を一致させるのに要する巻取パイプ4Bの回転角をθaとし、当該遅延伝達機構による遅延量とする回転角をθbとすれば、θa≦θbとなるように設定する。そして、
図27(a)に示す変形例1の電動調光型ロールスクリーンには、上述した各実施形態及び変形例で説明した操作装置から発信される操作信号により、昇降及び調光を制御する制御装置が設けられる。このため、上述した各実施形態及び変形例で説明した操作装置の操作性の向上が可能となる。ただし、変形例1のように二重構造の巻取パイプ4を構成するときは、ウェイトバー7が下限位置にあるときのみ調光操作可能となる点で、操作性の向上の観点からは、上述した各実施形態及び変形例のように構成することが好ましい。
【0227】
また、
図27(a)に示す変形例1の更なる変形例として、
図27(b)に示す変形例2の電動調光型ロールスクリーンでは、スクリーン5の形態を変形している。
図27(b)に示す変形例2のスクリーン5は、前後二重の第1及び第2のスクリーン5a,5b全体を透光部8で構成し、第1及び第2のスクリーン5a,5b間に所定間隔で透光部9の生地を配設したものとする。ここでは説明の都合上、変形例2では、
図27(b-1)の採光状態から第1のスクリーン5aを当該水平線から下方の距離dの分だけ巻取パイプ4Bで巻き上げて、
図27(b-2)の遮光状態とするものとし、採光状態から遮光状態にするのに要する巻取パイプ4Bの回転角をθaとし、当該遅延伝達機構による遅延量とする回転角をθbとすると、θa≦θbとなるように設定する。そして、
図27(b)に示す変形例2の電動調光型ロールスクリーンには、上述した各実施形態及び変形例で説明した操作装置から発信される操作信号により、昇降及び調光を制御する制御装置が設けられる。このため、上述した各実施形態及び変形例で説明した操作装置の操作性の向上が可能となる。ただし、変形例2においても、ウェイトバー7が下限位置にあるときのみ調光操作可能となる。
【0228】
また、
図27(b)に示す変形例2の更なる変形例として、
図27(c)に示す変形例3の電動調光型ロールスクリーンでは、スクリーン5の形態を更に変形している。
図27(c)に示す変形例3のスクリーン5は、前後二重の第1及び第2のスクリーン5a,5b全体を透光部8で構成した側面視でハニカム状とし、ハニカム状の第1及び第2のスクリーン5a,5b間に所定間隔で透光部9の生地を配設したものとする。変形例3のように構成したスクリーン5では、変形例2では採光又は遮光のいずれかが不十分になる可能性があるが、採光及び遮光性能をより向上させることができる。
【0229】
尚、
図27に示す例において、巻取パイプ4Aの回転を遅延させて巻取パイプ4Bと同期して同方向に回転させる遅延伝達機構の構成自体は、
図11(b)に図示する歯車部32と伝達軸部33の技法を応用して構成することができ、例えば、伝達軸部33を巻取パイプ4Bに係合させ、歯車部32における歯車を省略して構成した第2の伝達軸部を構成し、この第2の伝達軸部を巻取パイプ4Aに係合させることで実現される。
【0230】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【産業上の利用可能性】
【0231】
本発明によれば、従来の手動操作よりも操作性又は機能性を向上させる電動調光型ロールスクリーンの構成できるので、電動調光型ロールスクリーンの用途に有用である。
【符号の説明】
【0232】
1 取付ブラケット
2 フレーム
3 支持ブラケット
4 巻取パイプ
5a 第1のスクリーン
5b 第2のスクリーン
7 ウェイトバー
8 透光部
9 遮光部
10 モーター
11 エンコーダ
12 電源
13 制御装置
14 回転伝達装置
15 駆動歯車
16 伝達歯車
17 被動歯車
51 スイッチ
52 リモートコントローラ
53 通信端末
81A,81B,81C,81D 光センサ
90 フォトインタラプタ