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特許7397670無線受電装置、無線充電方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】無線受電装置、無線充電方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20231206BHJP
   H02H 3/08 20060101ALI20231206BHJP
   H02H 3/20 20060101ALI20231206BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20231206BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02H3/08 A
H02H3/20 A
H02J50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019563188
(86)(22)【出願日】2019-10-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 CN2019110472
(87)【国際公開番号】W WO2021017169
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2019-11-14
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】201910706107.0
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】范 杰
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】寺谷 大亮
【審判官】衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109148990(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108988426(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 3/08- 3/253
H02J 7/00- 7/12
H02J 7/34- 7/36
H02J50/00-50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線受電コイルと、交流直流変換回路と、キャパシタ降圧回路と、電池と、を含み、
前記キャパシタ降圧回路には、少なくとも2つのキャパシタ及び少なくとも1つのスイッチが含まれ、
前記無線受電コイルの出力端は、前記交流直流変換回路の入力端に接続され、前記交流直流変換回路の出力端は、前記キャパシタ降圧回路の入力端に接続され、前記キャパシタ降圧回路の出力端は、前記電池に接続され、
前記少なくとも1つのスイッチが第1接続状態になる場合、前記少なくとも2つのキャパシタは、直列状態になり、且つエネルギーを蓄積し、
前記少なくとも1つのスイッチが第2接続状態になる場合、前記少なくとも2つのキャパシタは、並列状態になり、且つエネルギーを放出し、
デジタル制御回路及び中央処理ユニットをさらに含み、
前記デジタル制御回路の第1端は、前記中央処理ユニットに接続され、且つ、前記接続を介して前記中央処理ユニットと通信し、
前記デジタル制御回路の第2端は、前記交流直流変換回路の出力端に接続され、前記デジタル制御回路の第3端は、前記キャパシタ降圧回路に接続され、
前記キャパシタ降圧回路は、1段目のキャパシタ降圧回路と、2段目のキャパシタ降圧回路と、を含み、
前記交流直流変換回路の出力端は、前記1段目のキャパシタ降圧回路の入力端に接続され、前記1段目のキャパシタ降圧回路の出力端は、前記2段目のキャパシタ降圧回路の入力端に接続され、前記2段目のキャパシタ降圧回路の出力端は、前記電池に接続され、
保護回路と、アナログ回路と、検出抵抗と、を含み、
前記2段目のキャパシタ降圧回路の出力端は、前記検出抵抗により前記電池に接続され、
前記デジタル制御回路の第4端は、前記保護回路の第1端に接続され、前記保護回路の第2端は、前記アナログ回路の第1端に接続され、前記アナログ回路の第2端は、前記電池に接続され、前記アナログ回路の第3端は、前記検出抵抗に接続され、
前記アナログ回路は、前記キャパシタ降圧回路の出力端の出力電圧及び出力電流を検出し、且つ前記検出抵抗により前記電池の電池電圧を検出するために使用され、
前記保護回路は、前記キャパシタ降圧回路の入力端の過電圧と過電流、前記キャパシタ降圧回路の出力端の過電圧と過電流、及び短絡から保護するために使用されることを特徴とする無線受電装置。
【請求項2】
前記1段目のキャパシタ降圧回路には、第1キャパシタ、第2キャパシタ及び少なくとも1つの第1スイッチが含まれ、前記2段目のキャパシタ降圧回路には、第3キャパシタ、第4キャパシタ及び少なくとも1つの第2スイッチが含まれ、
前記少なくとも1つの第1スイッチが前記第1接続状態になる場合、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタは、前記直列状態になり、前記少なくとも1つの第1スイッチが前記第2接続状態になる場合、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタは、前記並列状態になり、
前記少なくとも1つの第2スイッチが前記第1接続状態になる場合、前記第3キャパシタと前記第4キャパシタは、前記直列状態になり、前記少なくとも1つの第2スイッチが前記第2接続状態になる場合、前記第3キャパシタと前記第4キャパシタは、前記並列状態になることを特徴とする請求項に記載の無線受電装置。
【請求項3】
前記1段目のキャパシタ降圧回路と前記2段目のキャパシタ降圧回路との間には、第3スイッチ、第4スイッチ及び第5キャパシタが接続され、
前記1段目のキャパシタ降圧回路の出力端は、前記第3スイッチの入力端に接続され、前記第3スイッチの出力端は、前記第4スイッチの入力端に接続され、前記第4スイッチの出力端は、前記2段目のキャパシタ降圧回路の入力端に接続され、
前記第3スイッチの出力端と前記第4スイッチの入力端は、前記第5キャパシタの第1端に接続され、前記第5キャパシタの第2端は接地されることを特徴とする請求項に記載の無線受電装置。
【請求項4】
第5スイッチをさらに含み、
前記デジタル制御回路の第2端は、前記第5スイッチにより前記交流直流変換回路の出力端に接続され、
前記1段目のキャパシタ降圧回路の入力端は、前記第5スイッチにより前記交流直流変換回路の出力端に接続されることを特徴とする請求項に記載の無線受電装置。
【請求項5】
前記保護回路は、前記キャパシタ降圧回路の入力端に前記過電圧が発生した場合、前記デジタル制御回路により前記第5スイッチをオフ状態に切り替えるように制御するために使用され、又は、
前記保護回路は、前記キャパシタ降圧回路の入力端に前記過電流が発生した場合、前記デジタル制御回路により前記第5スイッチをオフ状態に切り替えるように制御するために使用され、又は、
前記保護回路は、前記キャパシタ降圧回路の出力端に前記過電圧が発生した場合、前記デジタル制御回路により前記第5スイッチをオフ状態に切り替えるように制御するために使用され、又は、
前記保護回路は、前記キャパシタ降圧回路の出力端に前記過電流が発生した場合、前記デジタル制御回路により前記第5スイッチをオフ状態に切り替えるように制御するために使用され、又は、
前記保護回路は、無線受電装置の充電線路に前記短絡が発生した場合、前記デジタル制御回路により前記第5スイッチをオフ状態に切り替えるように制御することを特徴とする請求項に記載の無線受電装置。
【請求項6】
前記1段目のキャパシタ降圧回路の入力電圧は第1電圧であり、その入力電流は第1電流であり、
前記1段目のキャパシタ降圧回路の出力電圧は第2電圧であり、その出力電流は第2電流であり、前記第2電圧の電圧値は、前記第1電圧の電圧値の半分であり、前記第2電流の電流値は、前記第1電流の電流値の2倍であることを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の無線受電装置。
【請求項7】
前記2段目のキャパシタ降圧回路の出力電圧は第3電圧であり、その出力電流は第3電流であり、前記第3電圧の電圧値は、前記第2電圧の電圧値の半分であり、前記第3電流の電流値は、前記第2電流の電流値の2倍であることを特徴とする請求項に記載の無線受電装置。
【請求項8】
無線受電装置に応用され、
無線受電コイルは、無線充電装置から伝達されたエネルギーを受信し、且つ前記エネルギーを交流電流として交流直流変換回路に出力するステップと、
前記交流直流変換回路は、前記交流電流を直流電流に変換し、且つ前記直流電流をキャパシタ降圧回路に出力し、前記キャパシタ降圧回路には、少なくとも2つのキャパシタ及び少なくとも1つのスイッチが含まれるステップと、
前記キャパシタ降圧回路は、前記少なくとも1つのスイッチを第1接続状態に制御し、前記少なくとも1つのスイッチが前記第1接続状態になる場合、前記少なくとも2つのキャパシタは、直列状態になり、且つエネルギーを蓄積するステップと、
前記キャパシタ降圧回路は、前記少なくとも1つのスイッチを第2接続状態に制御し、前記少なくとも1つのスイッチが前記第2接続状態になる場合、前記少なくとも2つのキャパシタは、並列状態になり、且つエネルギーを出力電流として電池に出力し、
前記無線受電装置は、デジタル制御回路及び中央処理ユニットを含み、
前記デジタル制御回路の第1端は、前記中央処理ユニットに接続され、且つ、前記接続を介して前記中央処理ユニットと通信し、
前記デジタル制御回路の第2端は、前記交流直流変換回路の出力端に接続され、前記デジタル制御回路の第3端は、前記キャパシタ降圧回路に接続され
前記キャパシタ降圧回路は、1段目のキャパシタ降圧回路と、2段目のキャパシタ降圧回路と、を含み、
前記交流直流変換回路の出力端は、前記1段目のキャパシタ降圧回路の入力端に接続され、前記1段目のキャパシタ降圧回路の出力端は、前記2段目のキャパシタ降圧回路の入力端に接続され、前記2段目のキャパシタ降圧回路の出力端は、前記電池に接続され、
保護回路と、アナログ回路と、検出抵抗と、を含み、
前記2段目のキャパシタ降圧回路の出力端は、前記検出抵抗により前記電池に接続され、
前記デジタル制御回路の第4端は、前記保護回路の第1端に接続され、前記保護回路の第2端は、前記アナログ回路の第1端に接続され、前記アナログ回路の第2端は、前記電池に接続され、前記アナログ回路の第3端は、前記検出抵抗に接続され、
前記アナログ回路は、前記キャパシタ降圧回路の出力端の出力電圧及び出力電流を検出し、且つ前記検出抵抗により前記電池の電池電圧を検出するために使用され、
前記保護回路は、前記キャパシタ降圧回路の入力端の過電圧と過電流、前記キャパシタ降圧回路の出力端の過電圧と過電流、及び短絡から保護するために使用されることを特徴とする無線充電方法。
【請求項9】
無線充電装置と無線受電装置とを含み、
前記無線受電装置は、請求項1から請求項5、又は請求項7のいずれか1項に記載の装置を含むことを特徴とする無線充電システム。
【請求項10】
前記無線受電装置は移動端末であり、前記無線充電装置は充電ベースであることを特徴とする請求項に記載の無線充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線充電分野に関し、特に、無線受電装置、無線充電方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線充電技術は、一般的に、携帯電話、タブレットデバイス、ノートパソコン、スマート腕時計などの様々な移動端末の充電、又はスマート端末の本体部分からアセンブリ(例えばブルートゥース(登録商標)イヤホン、表示スクリーンなど)への充電に適用される。
【0003】
関連技術において、無線充電技術を提供し、当該無線充電技術には、無線充電装置及び無線受電装置が含まれる。充電時、無線受電装置は、無線充電装置により伝送されたエネルギーを受信し、且つ当該エネルギーを充電電圧及び充電電流に変換し、降圧コンバータ回路(Buck回路)アーキテクチャにより充電電圧を降圧してから電源を充電する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、無線受電装置、無線充電方法及びシステムを提供し、BUCK回路アーキテクチャにおけるインダクタンス自身の抵抗がエネルギー損失を引き起こすことにより無線充電の充電効率が低下するという問題を解決できる。上記の技術的案は以下の通りである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例の第1態様によれば、無線受電装置を提供し、前記無線受電装置は、無線受電コイルと、交流直流変換回路と、キャパシタ降圧回路と、電池と、を含み、前記キャパシタ降圧回路には、少なくとも2つのキャパシタ及び少なくとも1つのスイッチが含まれる。
【0006】
前記無線受電コイルの出力端は、前記交流直流変換回路の入力端に接続され、前記交流直流変換回路の出力端は、前記キャパシタ降圧回路の入力端に接続され、前記キャパシタ降圧回路の出力端は、前記電池に接続される。
【0007】
前記少なくとも1つのスイッチが第1接続状態になる場合、前記少なくとも2つのキャパシタは、直列状態になり、且つエネルギーを蓄積する。
【0008】
前記少なくとも1つのスイッチが第2接続状態になる場合、前記少なくとも2つのキャパシタは、並列状態になり、且つエネルギーを放出する。
【0009】
1つの選択可能な実施例において、前記キャパシタ降圧回路は、1段目のキャパシタ降圧回路と、2段目のキャパシタ降圧回路と、を含む。
【0010】
前記交流直流変換回路の出力端は、前記1段目のキャパシタ降圧回路の入力端に接続され、前記1段目のキャパシタ降圧回路の出力端は、前記2段目のキャパシタ降圧回路の入力端に接続され、前記2段目のキャパシタ降圧回路の出力端は、前記電池に接続される。
1つの選択可能な実施例において、前記1段目のキャパシタ降圧回路には、第1キャパシタ、第2キャパシタ及び少なくとも1つの第1スイッチが含まれ、前記2段目のキャパシタ降圧回路には、第3キャパシタ、第4キャパシタ及び少なくとも1つの第2スイッチが含まれる。
【0011】
前記少なくとも1つの第1スイッチが前記第1接続状態になる場合、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタは、前記直列状態になり、前記少なくとも1つの第1スイッチが前記第2接続状態になる場合、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタは、前記並列状態になる。
【0012】
前記少なくとも1つの第2スイッチが前記第1接続状態になる場合、前記第3キャパシタと前記第4キャパシタは、前記直列状態になり、前記少なくとも1つの第2スイッチが前記第2接続状態になる場合、前記第3キャパシタと前記第4キャパシタは、前記並列状態になる。
【0013】
1つの選択可能な実施例において、前記1段目のキャパシタ降圧回路と前記2段目のキャパシタ降圧回路との間には、第3スイッチ、第4スイッチ及び第5キャパシタが接続される。
【0014】
前記1段目のキャパシタ降圧回路の出力端は、前記第3スイッチの入力端に接続され、前記第3スイッチの出力端は、前記第4スイッチの入力端に接続され、前記第4スイッチの出力端は、前記2段目のキャパシタ降圧回路の入力端に接続される。
【0015】
前記第3スイッチの出力端と前記第4スイッチの入力端は、前記第5キャパシタの第1端に接続され、前記第5キャパシタの第2端は接地される。
【0016】
1つの選択可能な実施例において、前記無線受電装置は、デジタル制御回路及び中央処理ユニットをさらに含む。
前記デジタル制御回路の第1端は、前記中央処理ユニットに接続され、且つ、前記接続を介して前記中央処理ユニットと通信する。
【0017】
前記デジタル制御回路の第2端は、前記交流直流変換回路の出力端に接続され、前記デジタル制御回路の第3端は、前記キャパシタ降圧回路に接続される。
【0018】
1つの選択可能な実施例において、前記無線受電装置は、保護回路と、アナログ回路と、検出抵抗と、を含む。
【0019】
前記2段目のキャパシタ降圧回路の出力端は、前記検出抵抗により前記電池に接続される。
【0020】
前記デジタル制御回路の第4端は、前記保護回路の第1端に接続され、前記保護回路の第2端は、前記アナログ回路の第1端に接続され、前記アナログ回路の第2端は、前記電池に接続され、前記アナログ回路の第3端は、前記検出抵抗に接続される。
【0021】
前記アナログ回路は、前記キャパシタ降圧回路の出力端の出力電圧及び出力電流を検出し、且つ前記検出抵抗により前記電池の電池電圧を検出するために使用される。
【0022】
前記保護回路は、前記キャパシタ降圧回路の入力端の過電圧と過電流、前記キャパシタ降圧回路の出力端の過電圧と過電流、及び短絡から保護するために使用される。
【0023】
1つの選択可能な実施例において、前記無線受電装置は、第5スイッチをさらに含む。
前記デジタル制御回路の第2端は、前記第5スイッチにより前記交流直流変換回路の出力端に接続される。
【0024】
前記1段目のキャパシタ降圧回路の入力端は、前記第5スイッチにより前記交流直流変換回路の出力端に接続される。
【0025】
1つの選択可能な実施例において、前記保護回路は、前記キャパシタ降圧回路の入力端に前記過電圧が発生した場合、前記デジタル制御回路により前記第5スイッチをオフ状態に切り替えるように制御するために使用され、又は、
前記保護回路は、前記キャパシタ降圧回路の入力端に前記過電流が発生した場合、前記デジタル制御回路により前記第5スイッチをオフ状態に切り替えるように制御するために使用され、又は、
前記保護回路は、前記キャパシタ降圧回路の出力端に前記過電圧が発生した場合、前記デジタル制御回路により前記第5スイッチをオフ状態に切り替えるように制御するために使用され、又は、
前記保護回路は、前記キャパシタ降圧回路の出力端に前記過電流が発生した場合、前記デジタル制御回路により前記第5スイッチをオフ状態に切り替えるように制御するために使用され、又は、
前記保護回路は、無線受電装置の充電線路に前記短絡が発生した場合、前記デジタル制御回路により前記第5スイッチをオフ状態に切り替えるように制御する。
【0026】
1つの選択可能な実施例において、前記1段目のキャパシタ降圧回路の入力電圧は第1電圧であり、その入力電流は第1電流である。
【0027】
前記1段目のキャパシタ降圧回路の出力電圧は第2電圧であり、その出力電流は第2電流であり、前記第2電圧の電圧値は、前記第1電圧の電圧値の半分であり、前記第2電流の電流値は、前記第1電流の電流値の2倍である。
【0028】
1つの選択可能な実施例において、前記2段目のキャパシタ降圧回路の出力電圧は第3電圧であり、その出力電流は第3電流であり、前記第3電圧の電圧値は、前記第2電圧の電圧値の半分であり、前記第3電流の電流値は、前記第2電流の電流値の2倍である。
【0029】
本開示の他の態様によれば、無線充電方法を提供し、前記方法は、
前記無線受電コイルは、無線充電装置から伝達されたエネルギーを受信し、且つ前記エネルギーを交流電流として交流直流変換回路に出力するステップと、
前記交流直流変換回路は、前記交流電流を直流電流に変換し、且つ前記直流電流をキャパシタ降圧回路に出力し、前記キャパシタ降圧回路には、少なくとも2つのキャパシタ及び少なくとも1つのスイッチが含まれるステップと、
前記キャパシタ降圧回路は、前記少なくとも1つのスイッチを第1接続状態に制御し、前記少なくとも1つのスイッチが前記第1接続状態になる場合、前記少なくとも2つのキャパシタは、直列状態になり、且つエネルギーを蓄積するステップと、
前記キャパシタ降圧回路は、前記少なくとも1つのスイッチを第2接続状態に制御し、前記少なくとも1つのスイッチが前記第2接続状態になる場合、前記少なくとも2つのキャパシタは、並列状態になり、且つエネルギーを出力電流として電池に出力する。
【0030】
本開示の他の態様によれば、無線充電装置と無線受電装置とを含む無線充電システムを提供し、前記無線受電装置は、本開示の上記の実施例で提供される無線受電装置を含む。
【0031】
1つの選択可能な実施例において、前記無線受電装置は移動端末であり、前記無線充電装置は充電ベースである。
【発明の効果】
【0032】
本開示の実施例が提供する技術的案によれば、下記のような有益な効果を含むことができる。
即ち、交流直流変換回路において交流電流を直流電流に変換し、且つ直流電流を降圧する場合、キャパシタ降圧回路における少なくとも2つのキャパシタ及び少なくとも1つのスイッチにより、スイッチの接続状態に応じて少なくとも2つのキャパシタのエネルギー蓄積及び放出プロセスを制御し、インダクタンス自身の抵抗がエネルギー損失を引き起こすという問題を回避し、エネルギーの変換効率を向上させるとともに、無線充電の充電効率を改善する。
なお、前記一般的な記載及び後述の詳細な記載は、単なる例示的で解釈的な記載であり、本開示はこれに対し限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
以下の図面は、明細書に組み入れて本明細書の一部分を構成し、本開示に該当する実施例を例示するとともに、明細書とともに本開示の原理を解釈する。
図1】本開示に係る一例示的な実施例の無線充電システムの構造ブロック図である。
図2】本開示に係る一例示的な実施例の無線充電方法のフローチャートである。
図3】本開示に係る一例示的な実施例のキャパシタ降圧回路の構造ブロック図である。
図4】本開示に係る一例示的な実施例の1段目のキャパシタ降圧回路の構造ブロック図である。
図5】本開示に係る一例示的な実施例の1段目のキャパシタ降圧回路の第1スイッチが第1接続状態になる場合の等価回路図である。
図6】本開示に係る一例示的な実施例の1段目のキャパシタ降圧回路の第1スイッチが第2接続状態になる場合の等価回路図である。
図7】本開示に係る一例示的な実施例の2段目のキャパシタ降圧回路の構造ブロック図である。
図8】本開示に係る一例示的な実施例の2段目のキャパシタ降圧回路的第2スイッチが第1接続状態になる場合の等価回路図である。
図9】本開示に係る一例示的な実施例の2段目のキャパシタ降圧回路的第2スイッチが第2接続状態になる場合の等価回路図である。
図10】本開示に係る他の例示的な実施例のキャパシタ降圧回路の構造ブロック図である。
図11】本開示に係る一例示的な実施例の無線受電装置の構造ブロック図である。
図12】本開示に係る他の例示的な実施例の無線充電方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、例示的な実施例を詳しく説明し、その例示を図面に示す。以下の記載が図面に関わる場合、特に別の説明がない限り、異なる図面における同一符号は、同じ又は類似する要素を示す。以下の例示的な実施例に記載の実施形態は、本開示と一致する全ての実施形態を代表するものではない。逆に、それらは、添付の特許請求の範囲に記載されているように、本開示の一部の側面に一致する装置及び方法の例に過ぎない。
【0035】
無線充電プロセスは、無線充電装置により無線受電装置に対して充電するプロセスであり、ここで、無線充電装置は、無線充電コイルを含み、無線受電装置は、無線受電コイルを含み、この無線充電コイルと無線受電コイルは、結合コイルであり、コイル間の結合によりエネルギー伝達が実現される。
【0036】
関連技術において、無線充電技術を提供し、当該無線充電技術には、無線充電装置及び無線受電装置が含まれる。充電時、無線受電装置は、無線充電装置により伝送されたエネルギーを受信し、且つ当該エネルギーを充電電圧及び充電電流に変換し、降圧コンバータ回路(Buck回路)アーキテクチャにより充電電圧を降圧してから電源を充電する。しかしながら、Buck回路アーキテクチャにおいてインダクタンスにより充電電圧を調整するが、Buck回路アーキテクチャにおけるインダクタンス自身の抵抗がエネルギー損失を引き起こすことにより、無線充電の充電効率が低下する。
【0037】
図1は、本開示に係る一例示的な実施例の無線充電システムの構造ブロック図である。図1に示すように、当該無線充電システム100は、無線充電装置110と無線受電装置120とを含み、ここで、無線充電装置110は、充電器111と、共振回路112と、直流交流変換回路(Direct Current-Alternating Current、DC-AC)113と、無線充電コイル114と、を含み、無線受電装置120は、無線受電コイル121と、交流直流変換回路(Alternating Current-Direct Current、 AC-DC)122と、キャパシタ降圧回路123と、電池124と、を含む。
【0038】
ここで、無線充電装置110において、充電器111の出力端は、共振回路112の入力端に接続され、共振回路112の出力端は、直流交流変換回路113の入力端に接続され、直流交流変換回路113の出力端は、無線充電コイル114に接続される。
【0039】
無線受電装置120において、無線受電コイル121の出力端は、交流直流変換回路122の入力端に接続され、交流直流変換回路122の出力端は、キャパシタ降圧回路123の入力端に接続され、キャパシタ降圧回路123の出力端は、電池124に接続される。
【0040】
ここで、充電器111は、電源に接続され、電源におけるエネルギーを受信し、且つ電流として出力するために使用され、共振回路112は、充電器から出力された電流を変換及び制御し、電圧要求に応じて電流電圧を所定範囲に制御するために使用され、直流交流変換回路113は、共振回路112から出力された直流電流を交流電流に変換して出力するために使用され、無線充電コイル114は、交流電流をエネルギーに変換してから無線受電装置120における無線受電コイル121に出力するために使用される。選択的に、当該無線充電コイル114は、磁気結合を発生可能な結合コイルであってもよいし、電界結合を発生可能な結合コイルであってもよいし、無線電波を送信可能なコイルであってもよく、本開示は、これに限定されるものではない。ここで、無線充電コイル114から送信されたエネルギーは、電磁波、マイクロ波などの形態のエネルギーを含むがこれらに限定されない。
【0041】
無線受電コイル121は、無線充電装置110の無線充電コイル114から伝達されたエネルギーを受信し、且つエネルギーを交流電流として交流直流変換回路122に出力し、交流直流変換回路122は、交流電流を直流電流に変換した後、直流電流をキャパシタ降圧回路123に入力し、このキャパシタ降圧回路123は、キャパシタ及びスイッチによりエネルギーの蓄積及び放出を制御することにより、直流電流の電圧を圧縮し、且つ、それに応じて直流電流の電流を増加させる。模式的に、少なくとも1つのスイッチにより少なくとも2つのキャパシタの接続状態を制御し、即ち、スイッチの異なる接続状態により少なくとも2つのキャパシタを直列状態又は並列状態に制御し、少なくとも2つのキャパシタが直列状態になる場合、エネルギーを蓄積し、且つ、少なくとも2つのキャパシタが並列状態になる場合、エネルギーを放出することにより、電圧の圧縮及び電流の増加を実現する。選択的に、少なくとも1つのスイッチが第1接続状態になる場合、当該少なくとも2つのキャパシタが直列状態になり、且つエネルギーを蓄積する。少なくとも1つのスイッチが第2接続状態になる場合、当該少なくとも2つのキャパシタは、並列状態になり、且つエネルギーを放出する。模式的に、キャパシタ降圧回路におけるキャパシタとスイッチにより直流電流の電圧をこのキャパシタ降圧回路に入力された入力電圧の四分の一に圧縮し、且つ、それに応じて直流電流の電流を入力電流の4倍に増加させる。選択的に、キャパシタ降圧回路123は、変換後の直流電流を電池124に入力することにより、電池124に対する充電を実現する。
【0042】
上記の実施例において、無線充電システム100全体を一例として説明したが、実際の動作において、上記の無線充電装置110と無線受電装置120は2つの独立した個体と見なされてもよいことを、注意すべきである。
【0043】
以上のように、本実施例で提供される無線受電装置によれば、交流直流変換回路において交流電流を直流電流に変換し、且つ直流電流を降圧する場合、キャパシタ降圧回路における少なくとも2つのキャパシタ及び少なくとも1つのスイッチにより、スイッチの接続状態に応じて少なくとも2つのキャパシタのエネルギー蓄積及び放出プロセスを制御し、インダクタンス自身の抵抗がエネルギー損失を引き起こすという問題を回避し、エネルギーの変換効率を向上させるとともに、無線充電の充電効率を改善する。
【0044】
本実施例で提供される無線受電装置によれば、キャパシタ降圧回路により高電圧を電池が耐えられる範囲内の電圧に変換して電池を充電することができ、これにより、無線受電装置に対して充電する場合、高電力の電流を使用してキャパシタ降圧回路により降圧した後、適切な電圧と高電流で電池を充電し、無線充電の充電効率を改善することができる。
【0045】
上記の無線受電装置120の構造と合わせて、図2は、本開示に係る一例示的な実施例の無線充電方法のフローチャートであり、図2に示すように、この方法は、以下のステップを含む。
【0046】
ステップ201において、無線受電コイルは、無線充電装置から伝達されたエネルギーを受信する。
【0047】
選択的に、この無線受電コイルは、磁気結合を発生可能な結合コイルであってもよいし、電界結合を発生可能な結合コイルであってもよいし、無線電波を送信可能なコイルであってもよく、本開示は、これに限定されるものではない。ここで、無線受電コイルが受信したエネルギーは、電磁波、マイクロ波などの形態のエネルギーを含むがこれらに限定されない。
【0048】
ステップ202において、無線受電コイルは、エネルギーを交流電流として交流直流変換回路に出力する。
【0049】
選択的に、無線受電コイルは、無線充電装置から伝達されたエネルギーを受信した後、このエネルギーの電力に応じてこのエネルギーを対応する交流電流に変換し、且つ、この交流電流を交流直流変換回路に出力する。
【0050】
ステップ203において、交流直流変換回路は、交流電流を直流電流に変換する。
【0051】
ステップ204において、交流直流変換回路は、直流電流をキャパシタ降圧回路に出力する。
【0052】
選択的に、このキャパシタ降圧回路には、少なくとも2つのキャパシタ及び少なくとも1つのスイッチが含まれ、キャパシタ降圧回路は、この少なくとも1つのスイッチを異なる接続状態に制御することにより、少なくとも2つのキャパシタによるエネルギーの蓄積及び出力を制御する。
【0053】
ステップ205において、キャパシタ降圧回路は、少なくとも1つのスイッチを第1接続状態に制御する。
【0054】
選択的に、少なくとも1つのスイッチが第1接続状態になる場合、この少なくとも2つのキャパシタは、直列状態になり、且つエネルギーを蓄積する。
【0055】
ステップ206において、キャパシタ降圧回路は、少なくとも1つのスイッチを第2接続状態に制御する。
【0056】
選択的に、少なくとも1つのスイッチが第2接続状態になる場合、この少なくとも2つのキャパシタは、並列状態になり、且つ、エネルギーを出力電流として電池に出力する。
【0057】
以上のように、本実施例で提供される無線受電装置によれば、交流直流変換回路において交流電流を直流電流に変換し、且つ直流電流を降圧する場合、キャパシタ降圧回路における少なくとも2つのキャパシタ及び少なくとも1つのスイッチにより、スイッチの接続状態に応じて少なくとも2つのキャパシタのエネルギー蓄積及び放出プロセスを制御し、インダクタンス自身の抵抗がエネルギー損失を引き起こすという問題を回避し、エネルギーの変換効率を向上させるとともに、無線充電の充電効率を改善する。
【0058】
1つの選択可能な実施例において、図3に示すように、上記のキャパシタ降圧回路123は、1段目のキャパシタ降圧回路310と2段目のキャパシタ降圧回路320とを含む。
【0059】
交流直流変換回路122の出力端は、1段目のキャパシタ降圧回路310の入力端に接続され、1段目のキャパシタ降圧回路310の出力端は、2段目のキャパシタ降圧回路320の入力端に接続され、2段目のキャパシタ降圧回路320の出力端は、電池124に接続される。
【0060】
選択的に、図4に示すように、この1段目のキャパシタ降圧回路310には、第1キャパシタ311、第2キャパシタ312及び少なくとも1つの第1スイッチ313(図4においてこの1段目の降圧回路310に4つの第1スイッチ313が含まれる場合を例として説明する)が含まれる。
【0061】
選択的に、少なくとも1つの第1スイッチ313が第1接続状態になる場合、第1キャパシタ311と第2キャパシタ312は、直列状態になり、少なくとも1つの第1スイッチ313が第2接続状態になる場合、第1キャパシタ311と第2キャパシタ312は、並列状態になる。模式的に、図4を参照すると、第1スイッチ313は、スイッチS1と、スイッチS2と、スイッチS3と、スイッチS4と、を含み、スイッチS1とスイッチSがオンされ、スイッチS2とスイッチSがオフされる場合、第1キャパシタ311と第2キャパシタ312は、直列状態になる。スイッチSとスイッチS4がオンされ、スイッチS1とスイッチSがオフされる場合、第1キャパシタ311と第2キャパシタ312は、並列状態になる。模式的に、スイッチS1とスイッチSがオンされ、スイッチS2とスイッチSがオフされ、且つ、第1キャパシタ311と第2キャパシタ312が直列状態になる場合、等価回路は、図5を参照してもよい。スイッチSとスイッチS4がオンされ、スイッチS1とスイッチSがオフされ、第1キャパシタ311と第2キャパシタ312が並列状態になる場合、等価回路は、図6を参照してもよい。
【0062】
選択的に、第2キャパシタ312の第1端は、上記の少なくとも1つの第1スイッチ313に接続され、第2キャパシタ312の第2端は接地される。
【0063】
選択的に、第1キャパシタ311と第2キャパシタ312の容量値は同一である。選択的に、図4に示すように、スイッチS1とスイッチSがオンされ、スイッチS2とスイッチSがオフされる場合、第1キャパシタ311と第2キャパシタ312は直列関係になり、第1キャパシタ311と第2キャパシタ312の容量値が同一であるので、第2キャパシタ312の両端の電圧は、第1キャパシタ311の両端の電圧に等しく、即ち、第2キャパシタ312の両端の電圧は、この1段目のキャパシタ降圧回路310に入力された入力電圧の半分であり、第1キャパシタ311と第2キャパシタ312は、エネルギーを同時に蓄積し、且つ、エネルギー蓄積量は同一である。スイッチSとスイッチS4がオンされ、スイッチS1とスイッチSがオフされる場合、第1キャパシタ311と第2キャパシタ312は、直列状態から並列状態に変換され、第1キャパシタ311と第2キャパシタ312のエネルギー蓄積量は同一であり、第1キャパシタ311の両端の電圧と第2キャパシタ312の両端の電圧は、1段目のキャパシタ降圧回路310の出力電圧、即ち1段目のキャパシタ降圧回路310の入力電圧の半分であり、このため、並列状態に変換された後、エネルギー保存の法則に従って、第1キャパシタ311と第2キャパシタ312に蓄積されたエネルギーは放出され、1段目のキャパシタ降圧回路310の出力電圧は、入力電圧の半分であり、且つ、1段目のキャパシタ降圧回路310の出力電流は、出力電流の2倍である。
【0064】
図7に示すように、2段目のキャパシタ降圧回路320には、第3キャパシタ321、第4キャパシタ322及び少なくとも1つの第2スイッチ323(図7においてこの2段目の降圧回路320に4つの第2スイッチ323が含まれる場合を例として説明する)が含まれる。
【0065】
選択的に、少なくとも1つの第2スイッチ323が第1接続状態になる場合、第3キャパシタ321と第4キャパシタ322は、直列状態になり、少なくとも1つの第2スイッチ323が第2接続状態になる場合、第3キャパシタ321と第4キャパシタ322は、並列状態になる。模式的に、図7を参照すると、第2スイッチ323は、スイッチS5と、スイッチS6と、スイッチS7と、スイッチS8とを含み、スイッチS5とスイッチSがオンされ、スイッチS6とスイッチSがオフされる場合、第3キャパシタ321と第4キャパシタ322は、直列状態になる。スイッチSとスイッチS8がオンされ、スイッチS5とスイッチSがオフされる場合、第3キャパシタ321と第4キャパシタ322は、並列状態になる。模式的に、スイッチS5とスイッチSがオンされ、スイッチS6とスイッチSがオフされ、且つ第3キャパシタ321と第4キャパシタ322が直列状態になる場合、等価回路は、図8を参照してもよい。スイッチSとスイッチS8がオンされ、スイッチS5とスイッチSがオフされ、第3キャパシタ321と第4キャパシタ322が並列状態になる場合、等価回路は、図9を参照してもよい。
【0066】
選択的に、第4キャパシタ322の第1端は、上記の少なくとも1つの第2スイッチ323に接続され、第4キャパシタ322の第2端は接地される。
【0067】
選択的に、第3キャパシタ321と第4キャパシタ322の容量値は同一である。選択的に、図7に示すように、スイッチS5とスイッチSがオンされ、スイッチS6とスイッチSがオフされる場合、第3キャパシタ321と第4キャパシタ322は、直列関係になり、第3キャパシタ321と第4キャパシタ322の容量値が同一であるので、第4キャパシタ322の両端の電圧は、第3キャパシタ321の両端の電圧に等しく、即ち、第4キャパシタ322の両端の電圧は、この2段目のキャパシタ降圧回路320に入力された入力電圧の半分であり、第3キャパシタ321と第4キャパシタ322は、エネルギーを同時に蓄積し、且つエネルギー蓄積量は同一である。スイッチSとスイッチS8がオンされ、スイッチS5とスイッチSがオフされる場合、第3キャパシタ321と第4キャパシタ322は、直列状態から並列状態に変換され、第3キャパシタ321と第4キャパシタ322のエネルギー蓄積量は同一であり、第3キャパシタ321の両端の電圧と第4キャパシタ322の両端の電圧は、2段目のキャパシタ降圧回路320の出力電圧、即ち2段目のキャパシタ降圧回路320の入力電圧の半分であり、このため、並列状態に変換された後、エネルギー保存の法則に従って、第3キャパシタ321と第4キャパシタ322に蓄積されたエネルギーは放出され、2段目のキャパシタ降圧回路320の出力電圧は、入力電圧の半分であり、且つ2段目のキャパシタ降圧回路320の出力電流は、出力電流の2倍である。
【0068】
選択的に、1段目のキャパシタ降圧回路310の入力電圧が第1電圧であり、入力電流が第1電流である場合、1段目のキャパシタ降圧回路310の出力電圧は第2電圧であり、その出力電流は第2電流であり、ここで、第2電圧の電圧値は、第1電圧の電圧値の半分であり、第2電流の電流値は、第1電流の電流値の2倍である。
【0069】
選択的に、2段目のキャパシタ降圧回路320の出力電圧は第3電圧であり、その出力電流は第3電流であり、この第3電圧の電圧値は、第2電圧の電圧値の半分であり、第3電流の電流値は、第2電流の電流値の2倍である。即ち、第3電圧の電圧値は、第1電圧の電圧値の四分の一であるが、第3電流の電流値は、第1電流の電流値の4倍である。
【0070】
1つの選択可能な実施例において、図10に示すように、上記の1段目のキャパシタ降圧回路310と2段目のキャパシタ降圧回路320の間には、第3スイッチ1010、第4スイッチ1020及び第5キャパシタ1030が接続される。
【0071】
ここで、1段目のキャパシタ降圧回路310の出力端は、第3スイッチ1010の入力端に接続され、第3スイッチ1010の出力端は、第4スイッチ1020の入力端に接続され、第4スイッチ1020の出力端は、2段目のキャパシタ降圧回路320の入力端に接続され、選択的に、第3スイッチ1010の出力端と第4スイッチ1020の入力端は、第5キャパシタ1030の第1端に接続され、第5キャパシタ1030の第2端は接地される。
【0072】
図10に示すように、1段目のキャパシタ降圧回路310において電圧を半分にし、且つ電流を2倍にして出力する場合、第3スイッチ1010がオンされて第4スイッチ1020がオフされると、出力されたエネルギーは、第5キャパシタ1030に集中し、第3スイッチ1010がオフされて第4スイッチ1020がオンされると、エネルギーは、2段目のキャパシタ降圧回路320に放出される。
【0073】
本実施例で提供される無線受電装置によれば、1段目のキャパシタ降圧回路と2段目のキャパシタ降圧回路との間に第5キャパシタ、第3スイッチ及び第4スイッチを設置し、第3スイッチをオンにして第4スイッチをオフにすることにより、第5キャパシタをエネルギー転送ステーションとしてエネルギーを蓄積し、また、第3スイッチをオフにして第4スイッチをオンにすることにより、第5キャパシタにおけるエネルギーを2段目のキャパシタ降圧回路に転送し、1段目のキャパシタ降圧回路から出力されたエネルギーが大きすぎて2段目のキャパシタ降圧回路にショックを与えることを回避し、エネルギー伝達プロセスに影響を及ぼす。
【0074】
1つの選択可能な実施例において、上記の無線受電装置120は、デジタル制御回路と中央処理ユニット(Central Processing Unit、CPU)とをさらに含み、ここで、デジタル制御回路の第1端は、中央処理ユニットに接続され、且つ、当該接続を介して中央処理ユニットと通信する。選択的に、このデジタル制御回路の第2端は、交流直流変換回路113の出力端に接続され、デジタル制御回路の第3端は、キャパシタ降圧回路に接続される。
【0075】
選択的に、このキャパシタ降圧回路が1段目のキャパシタ降圧回路310と2段目のキャパシタ降圧回路320とを含む場合、このデジタル制御回路は、それぞれこの1段目のキャパシタ降圧回路310とこの2段目のキャパシタ降圧回路320とに接続される。
選択的に、このデジタル制御回路は、CPU又は他のコアプロセッサと通信するために使用され、CPUは、制御信令をデジタル制御回路に送信し、且つ、このデジタル制御回路により無線充電プロセスを制御し、デジタル制御信令は、無線充電プロセスの充電状態をCPUに報告する。
【0076】
模式的に、無線受電装置120の無線受電コイル121が無線充電装置110の無線充電コイル114の結合を受信した場合、CPUは、制御信令をデジタル制御回路に送信し、この制御信令は、無線充電装置から無線受電装置に送信されたエネルギーが所定のエネルギー範囲にあることを表示するために使用され、デジタル制御回路は、受信した制御信令に応じて無線充電プロセスを起動する。
【0077】
1つの選択可能な実施例において、図11に示すように、上記の無線受電装置120は、上記のデジタル制御回路1110と、保護回路1120と、アナログ回路1130と、検出抵抗1140と、をさらに含む。
【0078】
ここで、2段目のキャパシタ降圧回路320の出力端は、検出抵抗1140により電池124に接続され、即ち、2段目のキャパシタ降圧回路320の出力端は、検出抵抗1140の入力端に接続され、検出抵抗1140の出力端は、電池124に接続される。
【0079】
デジタル制御回路1110の第4端は、保護回路1120の第1端に接続され、保護回路1120の第2端は、アナログ回路1130の第1端に接続され、アナログ回路1130の第2端は、電池124に接続され、アナログ回路1130の第3端は、検出抵抗1140に接続される。
【0080】
選択的に、このアナログ回路1130は、キャパシタ降圧回路の出力端の出力電圧及び出力電流を検出し、且つ検出抵抗1140により電池124の電池電圧を検出するために使用される。選択的に、このアナログ回路1130は、2段目のキャパシタ降圧回路320の出力端の出力電圧及び出力電流を検出するために使用される。
【0081】
選択的に、この保護回路1120は、キャパシタ降圧回路の入力端の過電圧と過電流、キャパシタ降圧回路の出力端の過電圧と過電流、及び短絡から保護するために使用される。
【0082】
選択的に、図11に示すように、この無線受電装置120は、第5スイッチ1150をさらに含み、このデジタル制御回路1110の第2端は、この第5スイッチ1150により交流直流変換回路122の出力端に接続され、1段目のキャパシタ降圧回路310の入力端は、第5スイッチ1150により交流直流変換回路122の出力端に接続される。
【0083】
選択的に、この第5スイッチ1150が交流直流変換回路122と1段目のキャパシタ降圧回路310とを接続するためのスイッチであるので、この第5スイッチ1150は、無線充電プロセスにおいてオフ状態に切り替えることにより、無線充電プロセスを終了することができる。
【0084】
選択的に、保護回路1120は、キャパシタ降圧回路123の入力端に過電圧が発生した場合、デジタル制御回路1110により第5スイッチ1150をオフ状態に切り替えるように制御するために使用され、又は、保護回路1120は、キャパシタ降圧回路123の入力端に過電流が発生した場合、デジタル制御回路1110により第5スイッチ1150をオフ状態に切り替えるように制御するために使用され、又は、保護回路1120は、キャパシタ降圧回路123の出力端に過電圧が発生した場合、デジタル制御回路1110により第5スイッチをオフ状態に切り替えるように制御するために使用され、又は、保護回路1120は、キャパシタ降圧回路123の出力端に過電流が発生した場合、デジタル制御回路1110により第5スイッチ1150をオフ状態に切り替えるように制御するために使用される。
【0085】
上記の第1スイッチ313、第2スイッチ323、第3スイッチ1010、第4スイッチ1020及び第5スイッチ1150は、いずれもMOSスイッチ回路として実現されてもよく、このMOSスイッチ回路は、MOSトランジスタのゲート電極(g)によりMOSトランジスタのソース電極(s)及びドレイン電極(d)をオン及びオフに制御するという原理に従って構築された回路であることを、注意すべきである。
【0086】
以上のように、本実施例で提供される無線受電装置によれば、保護回路、検出抵抗及びアナログ回路により無線充電のプロセスを保護し、過電圧、過電流又は短絡が無線充電プロセスに影響を与えて充電中の危険を招くことを回避し、無線充電プロセスの安全性を向上させる。
【0087】
上記の図11に示される無線受電装置120と合わせて、図12は、本開示に係る一例示的な実施例の無線充電方法のフローチャートであり、図12に示すように、この方法は、以下のステップを含む。
【0088】
ステップ1201において、無線受電コイルは、無線充電装置から伝達されたエネルギーを受信する。
【0089】
選択的に、この無線受電コイルは、磁気結合を発生可能な結合コイルであってもよく、電界結合を発生可能な結合コイルであってもよく、無線電波を送信可能なコイルであってもよく、本開示は、これに限定されるものではない。ここで、無線受電コイルが受信したエネルギーは、電磁波、マイクロ波などの形態のエネルギーを含むがこれらに限定されない。
【0090】
ステップ1202において、無線受電コイルは、エネルギーを交流電流として交流直流変換回路に出力する。
【0091】
選択的に、無線受電コイルは、無線充電装置から伝達されたエネルギーを受信した後、このエネルギーの電力を応じてこのエネルギーを対応する交流電流に変換し、且つこの交流電流を交流直流変換回路に出力する。
【0092】
ステップ1203において、交流直流変換回路は、交流電流を直流電流に変換する。
【0093】
ステップ1204において、交流直流変換回路は、直流電流を1段目のキャパシタ降圧回路に出力する。
【0094】
選択的に、この1段目のキャパシタ降圧回路には、第1キャパシタ、第2キャパシタ及び少なくとも1つの第1スイッチが含まれ、1段目のキャパシタ降圧回路は、この少なくとも1つのスイッチを異なる接続状態に制御することにより、第1キャパシタ及び第2キャパシタによるエネルギーの蓄積及び放出を制御する。
【0095】
ステップ1205において、1段目のキャパシタ降圧回路は、少なくとも1つの第1スイッチを第1接続状態に制御する。
【0096】
選択的に、少なくとも1つの第1スイッチが第1接続状態になる場合、この第1キャパシタと第2キャパシタは、直列状態になり、且つエネルギーを蓄積する。
【0097】
ステップ1206において、1段目のキャパシタ降圧回路は、第3スイッチをオン状態に制御し、且つ第4スイッチをオフ状態に制御する。
【0098】
選択的に、第3スイッチがオン状態になり、且つ第4スイッチがオフ状態になる場合、1段目のキャパシタ降圧回路は、エネルギーを第5キャパシタに伝送できるが、第5キャパシタは、エネルギーを2段目のキャパシタ降圧回路に伝送できない。
【0099】
ステップ1207において、1段目のキャパシタ降圧回路は、少なくとも1つの第1スイッチを第2接続状態に制御する。
【0100】
選択的に、少なくとも1つの第1スイッチが第2接続状態になる場合、この第1キャパシタと第2キャパシタは、並列状態になり、且つエネルギーを放出する。
【0101】
選択的に、1段目のキャパシタ降圧回路は、第1キャパシタ及び第2キャパシタにおけるエネルギーを第5キャパシタに伝達する。
【0102】
ステップ1208において、1段目のキャパシタ降圧回路は、第3スイッチをオフ状態に制御し、且つ第4スイッチをオン状態に制御する。
【0103】
選択的に、第3スイッチがオフ状態になり、且つ第4スイッチがオン状態になる場合、第5キャパシタは、エネルギー保存の法則に従ってエネルギーを外部に放出する。
【0104】
ステップ1209において、2段目のキャパシタ降圧回路は、少なくとも1つの第2スイッチを第1接続状態に制御する。
【0105】
選択的に、少なくとも1つの第1スイッチが第1接続状態になる場合、この第3キャパシタと第4キャパシタは、直列状態になり、且つエネルギーを蓄積する。
【0106】
ステップ1210において、2段目のキャパシタ降圧回路は、少なくとも1つの第2スイッチを第2接続状態に制御する。
【0107】
選択的に、少なくとも1つの第2スイッチが第2接続状態になる場合、この第3キャパシタと第4キャパシタは、並列状態になり、且つエネルギーを放出する。
【0108】
ステップ1211において、電池は、2段目のキャパシタ降圧回路から出力されたエネルギーを受信する。
【0109】
選択的に、電池は、受信したエネルギーにより充電する。選択的に、2段目のキャパシタ降圧回路から出力された電圧は、1段目のキャパシタ降圧回路の入力電圧の四分の一であり、2段目のキャパシタ降圧回路から出力された電流は、1段目のキャパシタ降圧回路の入力電流の4倍である。
【0110】
ステップ1212において、保護回路は、1段目のキャパシタ降圧回路の入力端の入力電流の大きさ及び入力電圧の大きさをモニタリングする。
【0111】
ステップ1213において、入力電流の大きさが閾値電流を超え、又は入力電圧の大きさが閾値電圧を超える場合、第5スイッチはオフされる。
【0112】
選択的に、この第5スイッチがオフされる場合、無線充電プロセスはオフになる。
【0113】
ステップ1214において、保護回路は、2段目のキャパシタ降圧回路の出力端の出力電流の大きさ及び出力電圧の大きさをモニタリングする。
【0114】
ステップ1215において、出力電流の大きさが閾値電流を超え、又は出力電圧の大きさが閾値電圧を超える場合、第5スイッチはオフされる。
【0115】
上記のステップ1212~ステップ1215は、上記のステップ1201~ステップ1211の前、後、及び間の任意の位置で実行されてもよく、本開示の実施例は、ステップ1212~ステップ1215の実行タイミングに対して限定しないことを、注意すべきである。
【0116】
以上のように、本実施例で提供される無線充電方法によれば、交流直流変換回路において交流電流を直流電流に変換し、且つ直流電流を降圧する場合、キャパシタ降圧回路における少なくとも2つのキャパシタ及び少なくとも1つのスイッチにより、スイッチの接続状態に応じて少なくとも2つのキャパシタのエネルギー蓄積及び放出プロセスを制御し、インダクタンス自身の抵抗がエネルギー損失を引き起こすという問題を回避し、エネルギーの変換効率を向上させるとともに、無線充電の充電効率を改善する。
【0117】
当業者は、明細書に対する理解、及び明細書に記載された発明に対する実施を介して、本開示の他の実施形態を容易に取得することができる。本開示は、本開示に対する任意の変形、用途、又は適応的な変化を含み、このような変形、用途、又は適応的な変化は、本開示の一般的な原理に従い、本開示では開表していない本技術分野の公知知識、又は通常の技術手段を含む。明細書及び実施例は、単に例示的なものであって、本開示の本当の範囲と主旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0118】
理解すべきことは、本開示は、上記の内容及び図面に示された構造に限定されず、その範囲を逸脱しない限り、各種の変更及び変更を行うことができる。本開示の範囲は、添付される特許請求の範囲のみにより限定される。
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