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特許7397692キャビン環境状態を自動的に調整するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】キャビン環境状態を自動的に調整するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20231206BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B60H1/00 103Z
G01C21/36
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020011731
(22)【出願日】2020-01-28
(65)【公開番号】P2020142787
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-01-27
(31)【優先権主張番号】16/263,926
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】ジョン チャールズ ラファティ
(72)【発明者】
【氏名】ルー エム.ポープ
(72)【発明者】
【氏名】クリントン ジェイ.ウィリアムズ
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-162473(JP,A)
【文献】国際公開第2013/124990(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0059913(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00 - 3/06
G01C 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外環境の画像を撮像するセンサと、
プロセッサと、
1つ又は複数のプロセッサ可読命令を含むメモリモジュールであって、該1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、実行されると、前記プロセッサに、
ユーザの嗜好に基づいて車両の内部状態が特定の内部状態に到達するまでにかかる第1の時間を判定させ、
前記撮像された画像に基づいて前記車両の屋外環境気象状態を判定させ、
前記判定された屋外環境気象状態に基づいて予想出発時間を判定させ、
前記判定された屋外環境気象状態及び前記判定された第1の時間に基づくタイミングで、ユーザ入力の要求であって前記予想出発時間及び前記屋外環境気象状態のうちの1つ又は複数に基づいて少なくとも1つの環境制御システムを始動するユーザ入力選択部と前記撮像された画像とを含むユーザ入力の要求を遠隔装置に送信させる、メモリモジュールと、
を具備する、システム。
【請求項2】
前記1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、実行されると、前記プロセッサにさらに、
ユーザの時間厳守の嗜好を判定させ、
前記予想出発時間は、前記ユーザの前記時間厳守の嗜好に基づいたものである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
屋外環境の温度を検出する温度検出器をさらに備え、
前記ユーザ入力の要求は、屋外環境の温度を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
車両のキャビンの温度を判定するように構成されたキャビン温度検出器をさらに備え、
前記ユーザ入力の要求は、前記屋外環境の温度と前記キャビンの温度との温度差に基づくものである、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、実行されると、前記プロセッサに、
ユーザ入力を受信させ、前記ユーザ入力に基づいて1つ又は複数のキャビン環境制御システムを起動させる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
車両のキャビン環境状態を自動的に調整するように構成されたシステムを具備する車両であって、前記システムは、
屋外環境の画像を撮像する車両上のセンサと、
プロセッサと、
1つ又は複数のプロセッサ可読命令を含むメモリモジュールであって、該1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、実行されると、前記プロセッサに、
ユーザの嗜好に基づいて車両の内部状態が特定の内部状態に到達するまでにかかる第1の時間を判定させ、
前記撮像された画像に基づいて前記車両の屋外環境気象状態を判定させ、
前記判定された屋外環境気象状態に基づいて予想出発時間を判定させ、
前記判定された屋外環境気象状態及び前記判定された第1の時間に基づくタイミングで、ユーザ入力の要求であって前記予想出発時間及び前記屋外環境気象状態のうちの1つ又は複数に基づいて少なくとも1つの環境制御システムを始動するユーザ入力選択部と前記撮像された画像とを含むユーザ入力の要求を遠隔装置に送信させる、メモリモジュールと、
を備える、車両。
【請求項7】
前記1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、実行されると、前記プロセッサにさらに、
ユーザの時間厳守の嗜好を判定させ、
前記予想出発時間は、前記ユーザの前記時間厳守の嗜好に基づいたものである、
請求項6に記載の車両。
【請求項8】
屋外環境の温度を検出する温度検出器をさらに備え、
前記ユーザ入力の要求は、屋外環境の温度を含む、
請求項6に記載の車両。
【請求項9】
キャビン温度検出器をさらに備え、
前記1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、前記プロセッサにさらに、前記車両のキャビンの温度を判定させ、
前記ユーザ入力の要求は、前記屋外環境の温度と前記キャビンの温度との温度差に基づくものである、
請求項8に記載の車両。
【請求項10】
前記1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、実行されると、前記プロセッサに、
ユーザ入力を受信させ、前記ユーザ入力に基づいて1つ又は複数のキャビン環境制御システムを起動させる、
請求項6に記載の車両。
【請求項11】
屋外環境の画像を撮像するセンサを使用して、車両の少なくとも1つの環境制御システムを始動する方法であって、
ユーザの嗜好に基づいて車両の内部状態が特定の内部状態に到達するまでにかかる第1の時間を判定することと、
プロセッサによって、前記撮像された画像に基づいて前記車両の屋外環境気象状態を判定することと、
前記プロセッサによって、前記判定された屋外環境気象状態に基づいて予想出発時間を判定することと、
前記プロセッサによって、前記判定された屋外環境気象状態及び前記判定された第1の時間に基づくタイミングで、ユーザ入力の要求であって前記予想出発時間及び前記屋外環境気象状態のうちの1つ又は複数に基づいて前記少なくとも1つの環境制御システムを始動するユーザ入力選択部と前記撮像された画像とを含むユーザ入力の要求を遠隔装置に送信することと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記プロセッサにより、ユーザの時間厳守の嗜好を判定させることをさらに含み、
前記予想出発時間は、ユーザの前記時間厳守の嗜好に基づいたものである、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、実行されると、前記プロセッサに、
前記ユーザ入力の要求に対するユーザの以前の応答時間を判定させ、
前記ユーザの以前の応答時間に基づいて、前記ユーザ入力の要求を送信させる、
請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、車両環境制御システムを動作させるためのシステム及び方法に概ね関し、さらに具体的には、外部気象状態、ユーザの嗜好及びユーザの要求のうちの1つ又は複数に基づいて環境制御システム(climate control system)に車両のキャビン環境を自動的に調整させるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両は過酷な気象状態にさらされる可能性があり、車両のキャビン(cabin)が密閉されている可能性がある間、車両のキャビン温度が、車両が長時間停車している環境の周囲温度と等しくなる可能性がある。このため、キャビンは、ユーザが好むよりも高温又は低温になる場合がある。ユーザが、車両のキャビンへの入室時にキャビンの温度が好ましい範囲内にあることを望むことがあるが、ユーザが家又はオフィスビルを離れるときなど、車両に向かう前に周囲の温度や気象状態に気付かない場合がある。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、システムが外部環境の屋外環境気象状態を感知するセンサと、プロセッサと、プロセッサに通信可能に結合されたメモリモジュールとを備える。メモリモジュールは、1つ又は複数のプロセッサ可読命令を含む。プロセッサ可読命令は、 実行されると、プロセッサに、予想出発時間を判定させ、センサから受信したデータから屋外環境気象状態を判定させ、ユーザ入力の要求を遠隔装置に送信させる。要求は、予想出発時間及び屋外環境気象状態のうちの1つ又は複数に基づいて少なくとも1つの環境制御システムを始動するユーザ入力選択部を含む。
【0004】
別の実施形態では、車両が、遠隔装置にプロンプト(prompt)を送信するか否かを判定するように構成されたシステムを備える。システムは、屋外環境の屋外環境気象状態を感知するセンサと、プロセッサと、プロセッサに通信可能に結合されたメモリモジュールと、を備える。メモリモジュールは1つ又は複数のプロセッサ可読命令を含む。プロセッサ可読命令は、実行されると、プロセッサに、予想出発時間を判定させ、センサから受信したデータから屋外環境気象状態を判定させ、ユーザ入力の要求を遠隔装置に送信させる。要求は、予想出発時間及び屋外環境気象状態のうちの1つ又は複数に基づいて少なくとも1つの環境制御システムを始動するユーザ入力選択部を含む。
【0005】
さらに別の実施形態では、屋外環境を感知するセンサと、気象状態と、プロセッサと、プロセッサに通信可能に結合され、1つ又は複数のプロセッサ可読命令を含むメモリモジュールとを使用して、車両の少なくとも1つの環境制御システムを始動する方法は、プロセッサによって、予想出発時間を判定することと、プロセッサによって、センサを使用して屋外環境気象状態を判定することと、プロセッサによって、ユーザ入力の要求を遠隔装置に送信することとを含む。要求は、予想出発時間及び屋外環境気象状態のうちの1つ又は複数に基づいて少なくとも1つの環境制御システムを始動するユーザ入力選択部を含む。
【0006】
ここに挙げた特徴をはじめとして、本明細書に記載の実施形態によって提供される特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮して、さらに完全に理解されるであろう。
【0007】
図面に示す実施形態は、本質的に例示及び説明のためのものであり、特許請求の範囲によって定義される主題を限定することを意図するものではない。例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、類似の構造が類似の参照番号で示されている以下の図面と併せて読むと理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本明細書に示して説明する1つ又は複数の実施形態による、車両のキャビン環境を調整するための例示的なシステムを備える車両を概略的に示す図である。
図2】本明細書に示して説明する1つ又は複数の実施形態による、車両のキャビン環境を調整するためのシステムの例示的な内部構成要素を概略的に示す図である。
図3】本明細書に示して説明する1つ又は複数の実施形態による、ユーザ入力の要求を生成し、ユーザ入力に基づいてキャビン環境状態を調整する例示的方法の流れ図である。
図4】本明細書に示して説明する1つ又は複数の実施形態による、車両のキャビン環境を調整するための通知をユーザに提供する例示的なユーザインターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で説明する実施形態は、車両のキャビン環境状態を自動的に調整するためのシステム及び方法に関する。車両は、周囲の気象状態を判定するように構成された1つ又は複数の構成要素又はシステムを備えてもよい。例えば、車両には、温度計、気圧計、カメラをはじめ、周囲の気象状態を判定することができる機器が設けられてもよい。さらに、車両には、内部時計、カレンダーアプリケーションをはじめ、ユーザのスケジュールに関する情報を含むか同情報にアクセスすることができるアプリケーション又は外部接続が設けられてもよい。一例では、内部時計を有する車両システムが、車両の発進又は停止のたびにタイムスタンプを記録し、タイムスタンプを使用してユーザのスケジュールを学習してもよい。別の例では、車両システムが、ユーザのスケジュールに関する情報(例えば、予約時間など)を判定することができるテキスト又は画像ベースのデータのためのウェブメール又は電子メールサーバ又はメッセージ送受信アプリケーションにアクセスしてもよい。そのようなデータは、出発時間を予測し、ユーザの嗜好に基づいて特定の設定にキャビン環境を設定するために車両を発進させる必要が生じる可能性がある時間を計算するために使用してもよい。ユーザのスケジュールに関するデータを、交通データ又はルートデータなど、1つ又は複数のナビゲーションアプリケーションからのデータと組み合わせてもよく、推定出発時間を生成してもよい。推定出発時間は、例えば、予約データとナビゲーションデータに基づいて時間通りに予約をするためにユーザが出発する必要のある推奨時間であり、さまざまな環境制御システムの起動はこの推定出発時間に基づくものであってもよい。
【0010】
車両が、通知を生成してユーザに送信するための1つ又は複数の構成要素又はシステムを備えてもよい。例えば、通知は、1つ又は複数のネットワークインターフェースハードウェア構成要素を使用して送信されてもよい。通知は、例えば、時計、電話又は他の携帯用電子機器などのユーザの高性能デバイス、あるいはウェブメール又は他のアカウントに送信されてもよい。実施形態では、通知によって、悪天候をユーザに通知してもよい。実施形態では、通知によって、1つ又は複数の潜在的な車両動作に対応するユーザ入力を要求してもよい。このため、ユーザがユーザ入力の要求に応答してもよく、1つ又は複数の車両動作はユーザ入力に基づくものであってもよい。
【0011】
ここで図1を参照すると、ユーザの嗜好に基づいて車両のキャビン環境を調整するシステム100を備える車両10が示される。システム100は、1つ又は複数の気象状態と予想出発時間とを判定し、1つ又は複数の気象状態とユーザ入力の要求を含み得る予想出発時間とのうちの1つ又は複数に基づいてユーザ14へのプロンプトを生成する1つ又は複数の構成要素を備える。システム100は、ユーザ入力に基づいてキャビン環境状態に1つ又は複数の変更を加えてもよい。次に、システム100について、図面を参照して説明する。
【0012】
具体的には、図1は、キャビン20及びカメラ110を備える車両10を示し、本明細書にてさらに詳細に説明するように、屋外環境の気象状態を判定するように構成された他のセンサを含んでもよい。例えば、カメラ110は、任意の既存の降水(例えば、雪12)に関する情報、湿った道路に関する情報、外気温に関する情報などを取得してもよい。車両10は、車両10内の1つ又は複数の搭載システムによってアクセス可能なメモリに保存され得る1つ又は複数のユーザプロファイルを介して特定のユーザ14に関連付けられてもよい。ユーザプロファイルには、ユーザ14に関するさまざまな情報が含まれてもよい。例えば、ユーザプロファイルには、ユーザの好ましい環境制御の嗜好に関する情報が含まれてもよく、ユーザのスケジュールに関連する情報が包含されてもよく、及び/又は、例えば、電子メールアドレス、テキスト/SMS、音声メッセージなどの電話番号などのユーザの連絡先情報に関連する情報が包含されてもよい。本明細書で使用される場合、屋外環境とは、ガレージ、建物又は他の構造などの構造内ではない外部環境を指す場合がある。
【0013】
ここで図2を参照すると、システム100は、1つ又は複数の内部ハードウェア構成要素を備えてもよい。システム100は、プロセッサ104とメモリモジュール106とを備える電子制御ユニット(ECU)102を備える。システムは、ナビゲーションモジュール108、カメラ110、温度検出器112、湿度検出器114、風速計116、生活パターンモジュール118、ネットワークインターフェースハードウェア120、1つ又は複数の環境制御システムを制御する環境制御モジュール128及びディスプレイ126をさらに備える。いくつかの実施形態では、ネットワークインターフェースハードウェア120は、システム100を外部ネットワーク122(例えば、クラウド、ネットワーク)及び/又は個人用電子装置130などの1つ又は複数の個人用電子装置と通信可能に結合させてもよい。システム100のさまざまな構成要素は、バス124を介して互いに通信可能に結合されてもよい。
【0014】
プロセッサ104は、命令を受信して実行するように構成された任意の処理構成要素を含んでもよい。命令は、メモリモジュール106に保存された1つ又は複数のプロセッサ可読命令又は命令セットの形態であってもよい。このため、プロセッサ104は、電気制御器、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ又は任意の他の演算装置であってもよい。プロセッサ104は、システム100の他の構成要素にバス124経由で通信可能に結合される。このため、バス124は、任意の数のプロセッサ104を互いに通信可能に結合して、バス124に結合された構成要素が分散演算環境にて動作することができるようにしてもよい。いくつかの実施形態では、バス124はCANバスである。構成要素のそれぞれは、データを送信したり、及び/又は受信したりし得るノードとして動作してもよい。さらに、図2に示す実施形態が単一のプロセッサ104を備えるのに対し、いくつかの実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく複数のプロセッサ104を備えてもよい。
【0015】
上記のように、ECU 102はメモリモジュール106を備える。メモリモジュール106は、1つ又は複数のプロセッサ104に通信可能に結合される。メモリモジュール106は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、あるいはプロセッサ可読命令が1つ又は複数のプロセッサ104によってアクセスされて実行され得るようにプロセッサ可読命令を保存することができる任意の装置を含んでもよい。プロセッサ可読命令は、例えば、コンピュータによって直接実行され得るマシン言語など、あらゆる世代のプログラミング言語(1GL、2GL、3GL、4GL又は5GL)で記述されたロジック又はアルゴリズムを含んでもよく、あるいはプロセッサ可読命令にコンパイルされるかアセンブルされ、メモリモジュール106に保存され得るアセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコードなどを含んでもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ可読命令は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成又は特定用途向け集積回路(ASIC)、あるいはその同等物のいずれかを介して実装されるロジックなどのハードウェア記述言語(HDL)で記述されてもよい。このため、本明細書で説明する方法は、事前にプログラムされたハードウェア要素として、あるいはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせとして、任意の従来のコンピュータプログラミング言語で実装されてもよい。
【0016】
上記のように、システム100はバス124を備える。バス124は、例えば、導電性ワイヤ、導電性トレース、光導波路などのような信号を送信することができる任意の媒体から形成されてもよい。さらに、バス124は、信号を送信することができる媒体の組み合わせから形成されてもよい。一実施形態では、バス124は、プロセッサ、メモリ、センサ、入力装置、出力装置及び通信装置などの構成要素への電気データ信号の送信を可能にするために協働する導電性トレース、導電性ワイヤ、コネクタ及びバスの組み合わせを含む。このため、バス124は、例えば、LINバス、CANバス、VANバスなどの車両バスを含んでもよい。さらに、「信号」という用語は、媒体を介して移動することができるDC、AC、正弦波、三角波、方形波、振動などのような波形(例えば、電気波形、光波形、磁気波形、機械波形又は電磁気波形)を意味することに留意されたい。バス124は、システム100のさまざまな構成要素を通信可能に結合する。本明細書で使用される場合、「通信可能に結合」という用語は、結合された構成要素が互いに、例えば、導電媒体を介した電気信号、空気を介した電磁信号、光導波路を介した光信号などのデータ信号を交換することができることを意味する。
【0017】
実施形態では、システム100はナビゲーションモジュール108を備えてもよい。ナビゲーションモジュール108は、車両10の位置情報を取得して更新し、そのような情報を車両10の1人以上のユーザに(例えば、個人用電子装置130を介してディスプレイ126に)表示するように構成されてもよい。ナビゲーションモジュール108は、地理的座標(例えば、緯度及び経度)に基づいて、あるいはナビゲーションモジュール108が衛星を介して位置情報を電子的に受信する電子ナビゲーションを介して位置情報を取得して更新することが可能であってもよい。特定の実施形態では、ナビゲーションモジュール108は、GPSシステムを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ナビゲーションモジュール108は、例えば、ユーザが特定の場所をいつ離れる必要があるか、ひいては車両10のキャビン環境システムをいつ始動するかを判定するために、ユーザ入力の要求をいつ送信するかを判定するのに使用され得る交通データを取得するように構成されてもよい。交通データには、幹線道路(例えば、高速道路、街路、車道など)の渋滞に関する情報、予想される渋滞及び過去の渋滞を含む渋滞パターンに関する情報が含まれてもよい。渋滞パターンは、例えば、1時間、1日、1週間、1カ月など、任意の期間にわたって計算されてもよい。例えば、交通データを、三辺測量又はGPS座標を使用して取得してもよい。
【0018】
ナビゲーションモジュール108は、例えば、車両10の現在位置から意図した目的地までの予想移動時間を判定するように構成されてもよい。意図した目的地とは、例えば、ユーザ入力、スケジューリングアプリケーション、学習した生活パターンのうちの1つ又は複数によって判定される、1つ又は複数の決められた予約、会議又は他のイベントが行われる予約の場所であってもよい。予想される移動時間は、例えば、ある場所から別の場所まで(例えば、車両10の現在の場所から予約場所まで)の予想速度及び2つの場所の間の距離に基づくものであってもよい。予想される移動時間は、2つ以上の場所の間の(例えば、いくつかの通過点を介した)複数のルートについて計算されてもよい。予想される移動時間は、推奨出発時間を判定するために、他のデータ(例えば、予約時間、1つ又は複数のユーザの時間厳守の嗜好など)と組み合わせて使用されてもよい。推奨出発時間は、特定の時間に別の場所に到着するために、ある場所を出発するように提案された時間であってもよい。推奨出発時間は、本明細書で説明されるシステムの1つ又は複数を使用して計算され、ユーザに伝達されてもよい。実施形態では、システム100は、推奨出発時間の前に所定の間隔でユーザに通知を送信し、車両の位置の気象、あるいはいくつかの実施形態では移動ルートに沿った気象をはじめとするデータをユーザに通知してもよい。システム100は、推定出発時間及び/又は推奨出発時間に応じてユーザ入力を要求してもよい。ユーザ入力は、例えば、キャビン環境状態を調整するために使用されてもよい。
【0019】
カメラ110は、紫外線波長帯域、可視光波長帯域又は赤外線波長帯域の放射線を検出することができる視覚感知装置のアレイ(例えば、CCDアレイ、能動画素センサなど)を有する任意の装置であってもよい。カメラ110は、任意の解像度を有してもよい。カメラ110は、全方向性撮像装置又はパノラマ撮像装置であってもよい。いくつかの実施形態では、ミラー、魚眼レンズ又は任意の他のタイプのレンズなどの1つ又は複数の光学部品が、カメラ110に光学的に結合されてもよい。本明細書で説明するカメラ110又は他のシステムを「画像データ」又は「画像」に関して説明する場合、そのような用語には「ビデオデータ」又は「ビデオ」が包含されることを理解されたい。カメラ110は、例えば、タブレットコンピュータ、スマートフォン、ウェアラブルメガネなどの構成要素として、ディスプレイに通信可能に結合されてもよい。カメラ110はこのほか、独立型の装置であってもよい。
【0020】
プロセッサ104は、1つ又は複数の画像処理アルゴリズムを使用してカメラ110によって撮像された画像データを処理してもよい。任意の既知のビデオ及び画像処理アルゴリズム又は任意の未開発のビデオ及び画像処理アルゴリズムを画像データに適用して、物品、状況又は人物を識別してもよい。ビデオ及び画像処理アルゴリズムの例には、(例えば、平均シフト追跡などの)カーネルベースの追跡及び輪郭処理アルゴリズムが挙げられるが、ここに挙げたものに限定されない。一般に、ビデオ及び画像処理アルゴリズムは、画像データの連続するフレーム又は個々のフレームから物体及び移動を検出してもよい。1つ又は複数の物体認識アルゴリズムを画像データに適用して、物体を抽出し、物体との相対的な位置を判定してもよい。任意の既知の物体認識アルゴリズム又は任意の未開発の物体認識アルゴリズムを使用して、画像データから物体、あるいは光学文字及び画像も抽出してもよい。物体認識アルゴリズムの例には、スケール不変特徴変換(「SIFT」)、高速化された堅牢な特徴(「SURF」)及びエッジ検出アルゴリズムが挙げられるが、ここに挙げたものに限定されない。
【0021】
気象センサ(即ち、温度検出器112、湿度検出器114及び風速計116)は、屋外環境での1つ又は複数の気象状態(それぞれ、例えば、温度、湿度及び風速/風向)。実施形態では、気象センサは、1つ又は複数の信号を生成することができるアナログセンサ又はデジタルセンサであってもよい。温度検出器112は、例えば、熱電対又は熱抵抗器であってもよい。いくつかの実施形態では、気象センサによって生成された信号は、1つ又は複数の他のシステム又は構成要素への入力として使用されてもよい。例えば、プロセッサは、気象センサから受信した信号を処理したり、キャビン環境状態を適応させたり、ユーザへの通知を生成したり、及び/又は気象信号に基づいて他の動作をとったりしてもよい。気象センサは、外部構成要素及び内部構成要素を有してもよい。例えば、1つ又は複数の温度検出器112を、環境温度を判定するために車両内に配置したり、及び/又は外部温度を判定するために車両10の外部に配置したりしてもよい。さらに、1つ又は複数の湿度検出器114を、キャビン内の湿度レベルを判定するためにキャビン内に配置したり、及び/又は車両10の外部の湿度レベルを判定するために車両10の外部に配置したりしてもよい。
【0022】
生活パターンモジュール118は、システム100の1人又は複数のユーザの予約、定期開催のイベント及び/又は行動パターンを追跡する(即ち、データを記録して処理する)データ処理構成要素である。生活パターンモジュール118は、1人又は複数のユーザの予約及び行動パターンに関する情報を含む、車両10の1人又は複数のユーザとの間の通信を追跡してもよい。生活パターンモジュール118は、例えば、(出発時間及び到着時間を含む)平均移動時間、待機時間及び/又は未稼働時間を測定して記録してもよい。車両10が電気自動車である実施形態では、生活パターンモジュール118は、平均バッテリ充電時間を測定して、ユーザがバッテリ充電の完了した場所をいつ離れると予想することができるかを判定してもよい。いくつかの実施形態では、生活パターンモジュール118は、ルートに沿ったバッテリ放電を予測して、充電がある場所から別の場所に移動するのに十分であるか、ルートに沿って追加の充電のための停止を考慮に入れるかを判定してもよい。実施形態では、生活パターンモジュール118は、予約及び予約の更新を表示したり、及び/又は1人又は複数のユーザに伝達したりして、車両10の1人又は複数のユーザの日常的な行動及び生活パターンに基づいて予約を提案して作成してもよい。いくつかの実施形態では、生活パターンモジュール118は、ユーザ通信を収集し、予約及び/又は予約の更新を自動的に生成してもよい。例えば、生活パターンモジュール118は、1人又は複数のユーザのウェブベースのメールサーバ又はメッセージサーバ(例えば、SMSサーバ)にアクセスするように構成されてもよく、ウェブベースのメールサーバ又はメッセージサーバにアクセスして、1人又は複数のユーザのカレンダーに自動的にデータを追加してもよい。生活パターンモジュール118の機能は、プロセッサ(例えば、プロセッサ104)によって実行されると、システムを本明細書に記載のように動作させる、メモリモジュール106に保存された1つ又は複数のコンピュータ可読命令セットとして実装されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、生活パターンモジュール118は、例えば、ユーザのスケジュールを学習するための1つ又は複数の機械学習アルゴリズムを実行するバス124を介して、1つ又は複数の外部プロセッサ又はメモリに接続するように構成されてもよい。例えば、外部ネットワーク122は、車両10からデータを送受信するように構成されてもよい。1つ又は複数の決定木、重み付き多数決アルゴリズム、文脈推論アルゴリズム、ベイジアンアルゴリズム又は単純ベイジアンアルゴリズム、再帰型ニューラルネットワーク又は人工ニューラルネットワークなどのニューラルネットワーク、階層的嗜好性モデル、自然言語処理をはじめとして、ユーザのカレンダーを判定してユーザのカレンダーに基づいて出発時間を予測するアルゴリズムを実行してもよく、このデータは車両10に搭載されたシステム100と共有してもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ又はシステム外部の別の実体が、自分の予約を生活パターンモジュール118に直接入力してもよい。これは、1つ又は複数のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)のような、1つ又は複数の物理的発現の形態をとってもよい。これは、例えば、ディスプレイ126にカレンダー情報を表示するために使用されてもよい。他の実施形態では、システム100は、例えば、個人用電子装置130との接続に基づいて、予想された予約によって生活パターンモジュール118を自動的に更新してもよい。実施形態では、ユーザは、例えば、システム100又は外部システムによって生成された質問に答えるか、1つ又は複数の予約を選択し、GUIを使用して確認することによって、予約を確認してもよい。実施形態では、システム100はさまざまな予約を自動的に確認してもよい。いくつかの実施形態では、システム100は、1つ又は複数の要因、例えば、ユーザがそのようなイベントに参加した回数、ユーザのスケジュール上の他のイベント、イベントに参加する可能性のある他の個人の連絡先情報などに基づいて、潜在的な予約に信頼スコアを割り当てるか同スコアを受信してもよい。信頼スコアは、予約を確認するために使用されるか、確認を要求する合図に予約を保持するために使用されるか、予約を拒否するために使用されてもよい。
【0024】
生活パターンモジュール118は、例えば、予約場所、予約時間、予約場所までの距離、予約場所までの予想移動時間(例えば、交通渋滞、給油/充電などに基づいて)と、本明細書でさらに詳細に説明する他のユーザの嗜好とに基づいて予想出発時間を判定するために、ナビゲーションモジュール108と連動してもよい。
【0025】
生活パターンモジュール118は、データ(例えば、カレンダーデータ、スケジューリングデータ、位置データなど)を処理して、ユーザの時間厳守の嗜好を判定するように構成されてもよい。ユーザの時間厳守の嗜好には、ユーザのカレンダー上の予約に対するユーザの好ましい到着又は出発の嗜好又は通常の到着又は出発の嗜好に関する情報が含まれてもよい。例えば、ユーザが予定にある予約に対して習慣的に15分早く行動する場合、生活パターンモジュール118は、本明細書で説明する機械学習アルゴリズムのうちの1つ又は複数を利用して、ユーザが予約に対して早く行動することを好むと判定し、それに応じて推奨出発時間を調整してもよい。他の実施形態では、生活パターンモジュール118は、予約データ、例えば、予約タイプ、予約出席者の予想リスト又は他の予約データなどに関して時間厳守の嗜好であると判定してもよい。例えば、ユーザが、特定の人又はグループ、あるいは人の複数のグループとともに予定を組んだ予約に対して早めに行動することを好む場合、生活パターンモジュール118は、例えば、時間厳守バッファを適用して、予約のために出発する必要のあることを通常よりも5分早くユーザに通知し、本明細書に記載のキャビン環境に関するユーザ入力を要求してもよい。他の実施形態では、時間厳守の嗜好は、予約の種類に基づくものであってもよい。例えば、ユーザが、医師の予約、就職の面接、勤務シフトなどに対しては早めに行動することを好むが、例えば、ゴルフのための外出などのレクリエーション活動に対しては早めに行動することを強く望まない場合がある。時間厳守の嗜好が適用される場合があるとしても、それにはユーザの嗜好に基づいた何らかの理由があることを理解されたい。
【0026】
ネットワークインターフェースハードウェア120は、バス124を介してECU102に通信可能に結合されてもよい。ネットワークインターフェースハードウェア120は、外部車両又はサーバとの間で直接又は外部ネットワーク122などのネットワークを介してデータを送信したり、及び/又は受信したりすることができる任意の装置であってもよい。このため、ネットワークインターフェースハードウェア120は、任意の有線通信又は無線通信を送信したり、及び/又は受信したりするための通信送受信機を備えることができる。例えば、ネットワークインターフェースハードウェア120は、アンテナ、モデム、LANポート、Wi-Fiカード、WiMaxカード、モバイル通信ハードウェア、近距離通信ハードウェア、衛星通信ハードウェア及び/又は他のネットワーク及び/又は装置と通信するための任意の有線ハードウェア又は無線ハードウェアを備えてもよい。実施形態では、ネットワークインターフェースハードウェア120は、Bluetooth(登録商標)無線通信プロトコルに従って動作するように構成されたハードウェアを備えてもよく、Bluetooth(登録商標)通信を送受信するためのBluetooth(登録商標)送信/受信モジュールを備えてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、システム100は、外部ネットワーク122などのネットワークに通信可能に結合されてもよい。実施形態では、外部ネットワーク122には、1つ又は複数のコンピュータネットワーク(例えば、クラウドネットワーク、個人用エリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、グリッドコンピューティングネットワーク、ワイドエリアネットワークなど)、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク、メッシュネットワーク及び/又は全地球測位システム及びその組み合わせが含まれてもよい。このため、システム100は、有線、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、個人用エリアネットワーク、セルラーネットワーク、衛星ネットワークなどを介して、外部ネットワーク122に通信可能に結合することができる。適切なローカルエリアネットワークには、有線イーサネット(登録商標)及び/又は、例えば、ワイヤレスフィデリティー(Wi-Fi)のようなワイヤレス技術が含まれてもよい。適切な個人用エリアネットワークには、例えば、IrDA、Bluetooth(登録商標)、ワイヤレスUSB、Z波、ZigBee及び/又は他の近距離通信プロトコルなどのワイヤレス技術が含まれてもよい。同じように、適切な個人用エリアネットワークには、例えば、USB及びFireWireなどの有線コンピュータバスが含まれてもよい。適切なセルラーネットワークには、LTE、WiMAX、UMTS、CDMA及びGSM(登録商標)などの技術が挙げられるが、ここに挙げたものに限定されない。
【0028】
ディスプレイ126は、画像、例えば、カメラ110によって撮像された画像又はナビゲーションモジュール108によって生成された画像を視覚的に表示することができる任意の装置であってもよい。ディスプレイ126は、例えば、陰極線管、発光ダイオード、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどのような光出力を伝達することができる任意の媒体を備えてもよい。さらに、ディスプレイ126は、光学情報を提供することに加えて、ディスプレイ126の表面上の触覚入力又は同ディスプレイに隣接する触覚入力の存在及び位置を検出するタッチスクリーンであってもよい。このため、ディスプレイ126は、ディスプレイ126によって提供される光出力上に機械的入力を直接受け取ってもよい。さらに、ディスプレイ126は、少なくとも1つのプロセッサとメモリ構成要素とを備えることができることに留意されたい。ディスプレイ126は、タブレットコンピュータ、スマートフォン、レンズ又は拡張現実眼鏡の形態の他のディスプレイ構成要素などであってもよい。図2に示す特定の実施形態がナビゲーションモジュール108内のディスプレイ126を示しているが、これは例示に過ぎず、ディスプレイ126は、任意の他のシステム又は構成要素から入力を受け取ることができるシステム100の別個の構成要素であってもよい。
【0029】
環境制御モジュール128は、例えば、HVACシステム、シートヒータ、ミラー又はガラスヒータ(例えば、リアビューウィンドウヒータ)、点火状態、ウィンドウ位置及び/又はサンルーフ/ムーンルーフの位置をはじめ、車両10の環境に影響を及ぼす可能性のある態様などの1つ又は複数のキャビン環境制御システムを備えてもよい。例えば、環境制御モジュール128は、ユーザ入力に基づいて車両10のウィンドウの位置に影響を及ぼしてもよい(例えば、特に暑い天候のときにはウィンドウを降ろし、降水の場合には上げるなど)。別の例として、環境制御モジュール128は、ユーザ入力に応じて車両10を始動したり、及び/又はHVACシステムを始動したりして車両10を冷却するか加熱してもよい。いくつかの実施形態では、環境制御モジュール128は、1つ又は複数のユーザの環境制御の嗜好を判定するように構成されてもよい。ユーザのキャビン環境の嗜好には、車両10内のユーザのキャビン環境の好ましい態様が含まれてもよい。例えば、キャビン環境の嗜好には、好ましい温度、好ましい空調設定、好ましいウィンドウ設定、好ましいシートヒータ設定、好ましいフロントガラスワイパー設定、屋外環境とキャビンとの間の好ましい温度差などに関する情報が含まれてもよい。キャビン環境の嗜好は、例えば、メモリモジュール106に保存されてもよい。
【0030】
図3は、ユーザ入力の要求を生成し、ユーザ入力に基づいてキャビン環境状態を適合させる方法300を示す。図3に示す特定の実施形態が5つのステップを示しているが、実施形態には、図示のステップとは別のステップをはじめ、5つより多いか少ないステップが含まれてもよいことを理解されたい。方法300は、プロセッサ104によって実行されるメモリモジュール106に保存された命令に基づいて実行されてもよい。
【0031】
ブロック302にて、システム100は、予想出発時間を判定してもよい。予想出発時間とは、車両のユーザが別の場所に行くために車両を出発させると予想される時間である。予想出発時間は、システム100によって生成されるか処理されたデータに基づくものであってもよい。例えば、ナビゲーションモジュール108及び生活パターンモジュール118のうちの1つ又は複数によってデータを処理して、予想出発時間を判定してもよい。予想出発時間は、1つ又は複数の電子メールサーバ、テキストメッセージサーバ又は他のアプリケーションを介してアクセスすることができる電子通信又は予約のリマインダに包含される情報に基づくものであってもよい。いくつかの実施形態では、予想出発時間は、車両が発進し、停止するたびに記録されるタイムスタンプに基づくものであってもよい。例えば、システム100は、車両10が発進するか停止するたびにタイムスタンプを記録してもよく、本明細書に記載の機械学習技術のうちの1つ又は複数を使用してエンジンが起動するか停止すると予想される時期を学習してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、予想出発時間は、ユーザの時間厳守の嗜好に基づいて調整されてもよい。例えば、ユーザは、医師の予約に15分早く到着することを好む場合がある。システム100は、例えば、ユーザの装置上のスケジューリングアプリケーションから、今後の予約が医師の予約であると判定し、異なるタイプの予約よりも15分早く通知を送信すると判定してもよい。予想出発時間はこのほか、気象状態に基づくものであってもよい。例えば、予想出発時間は、1つ又は複数の外部センサによって検出された気象状態に基づいて、特定の分数を加算するか減算して自動的に調整してもよい。
【0033】
ブロック304では、システム100は、屋外環境気象状態を判定してもよい。例えば、システム100は、屋外環境の1つ又は複数の画像を撮像し、本明細書に記載の1つ又は複数のデータ処理アルゴリズムを使用して1つ又は複数の画像を処理して、外部気象状態を判定してもよい。例えば、システムは、降水(例えば、雪、みぞれ、あられ、雨など)が存在するかどうかを判定してもよい。いくつかの実施形態では、システム100は、屋外環境の画像を撮像することにより、霧が存在するかどうかを判定してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、システム100は、屋外環境状態を判定するために使用され得るシステム、構成要素又はネットワークからのデータを使用してもよい。例えば、ウェブベースの気象サービスを使用して、屋外環境の状態(例えば、温度、降水量など)を判定してもよい。このため、屋外環境気象状態を判定するために、任意の場所の気象を考慮に入れてもよい。例えば、車両10が第1の場所にあり、例えば、生活パターンモジュール118によって判定された情報に基づいて、車両10が第2の場所に移動するであろうと判定された場合、車両10は、本明細書でさらに詳細に説明するように、第2の場所での屋外環境気象状態を使用して、1つ又は複数の環境制御の嗜好を調整してもよい。いくつかの実施形態では、センサを使用して、車両が屋内にあるか屋外にあるかを判定してもよく、1つ又は複数のシステム応答が、車両が屋内にあるか屋外にあるかに基づくものであってもよい。例えば、車両10が屋内(例えば、家の車庫内)にある場合、車両10のエンジンが始動しない場合がある。
【0034】
いくつかの実施形態では、屋外環境気象状態は、車両の内部状態と比較されてもよく、システム100の1つ又は複数の動作がキャビン環境と屋外環境との間の差に基づくものであってもよい。例えば、システム100は、車両10のキャビンの温度を判定するように構成された温度検出器112に類似する内部温度計(例えば、キャビン温度検出器)からの1つ又は複数の入力を含んでもよい。システム100は、温度検出器112及び内部温度計を使用して、屋外環境と車両10の内部との間の温度差を判定し、ユーザ入力の要求を送信するかどうかの判定は温度差に基づくものであってもよい。いくつかの実施形態では、システムは、車両10の内部状態(例えば、温度、湿度など)が特定の内部状態(例えば、ユーザの好みの温度、湿度など)に到達するのにかかる時間を(例えば、本明細書に記載の機械学習アルゴリズムのうちの1つ又は複数を使用して)学習してもよく、特定の状態に到達するのにかかる時間に基づいてユーザ入力の要求のタイミングを判定してもよい。特定の状態に到達するまでの時間は、キャビンの開始状態に基づくものであってもよい。このため、内部状態センサはこのタイミングを判定するのにも必要である。
【0035】
ブロック306では、システム100は、予想出発時間と気象状態とに基づいて、車両のユーザにユーザ入力の要求を送信してもよい。例えば、予想出発時間の前に、システム100は、特定の環境制御システムの起動に関するユーザ入力を要求する要求をユーザに送信してもよい。ユーザ入力の要求は、例えば、テキストベースのメッセージであってもよい。要求は、「はい」又は「いいえ」の質問形式でユーザ入力を要求してもよい。例えば、システム100は、「あなた[ユーザ]はあなたの車の環境制御システムを開始したいですか?はい/いいえに応答してください。」など、SMSシステムを介して送信するためのメッセージを生成してもよい。ユーザは、例えば、SMS応答を介して応答してもよい。即ち、ユーザは、自分の装置のメッセージ送受信アプリに「はい」又は「いいえ」を打ち込んで応答し、メッセージをシステム100に送信してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、ユーザへの要求は、屋外環境の画像又は他の情報(例えば、温度、湿度レベル、降水状態など)を含んでもよい。例えば、システム100が屋外環境の画像を撮像する実施形態では、システム100は、ユーザ入力の要求のメッセージにて画像を(例えば、MMS、ウェブベースのメッセージ送受信サービスなどを介して)ユーザに送信してもよい。例えば、システムは、「これは屋外環境の画像です。[画像]。車両の環境制御システムを開始しますか?はい/いいえで応答してください。」というメッセージを含む画像をメッセージ送受信サービス経由で送信してもよい。これは、ユーザが環境制御システムの操作を開始するかどうかを決定する際に役立つ場合がある。その後、ユーザはメッセージに応答して、自分の嗜好に基づいて環境制御システムを起動したり、起動しなかったりすることができる。例えば、ユーザは返信「はい」又は「いいえ」をテキストで作成して送信してもよい。
【0037】
ブロック308では、システム100はユーザ入力を受信してもよい。ユーザ入力により、ユーザの応答に基づいてキャビン環境制御システムに1つ又は複数の変更を施してもよい。例えば、ユーザがユーザ入力の要求に対して「はい」と応答する場合、システム100は車両10のHVACシステムを起動し、車両10のキャビンの加熱又は冷却が必要かどうかを判定した後に冷却又は加熱を開始してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、システム100は、ユーザが提供する追加の応答を理解するように構成されてもよい。即ち、ユーザが、システム100又はその特定の構成要素を始動することに関する特定の詳細情報を指定してもよく、システム100はその詳細情報を識別してもよい。例えば、システム100は、「ファンを5分後に始動するが、エンジン又は空調コンプレッサーは始動しない」という応答を理解するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、システム100は、ユーザ入力の要求を送信したがそのような要求に対する応答がないことに反応して、1つ又は複数の環境制御システムを自動的に起動することを初期設定にするように構成されてもよい。即ち、ユーザがユーザ入力の要求を受信して応答しなかった場合、システムは、応答がないにもかかわらずシステムを起動するか、応答をシステム100が受信するまでシステムを起動しないようにするか、応答をシステム100が受信してもシステムを起動しないように構成されてもよい。このため、いくつかの実施形態では、システムを起動することは、「人間参加型」アルゴリズムに基づくものであってもよい。人間参加型(human-in-the-loop「HTL」)アルゴリズムとは、人間の相互作用を必要とするアルゴリズムモデルであり、ユーザのキャビン環境の嗜好に対する自律性を高める。
【0039】
いくつかの実施形態では、システム100は、特定のシステムを起動するためのユーザの嗜好に関する情報を要求するユーザ入力要求を送信してもよい。例えば、システム100は、「シートヒータを起動しますか?はい/いいえでお答えください。」というメッセージを送信してもよい。次に、ユーザは、シートヒータを起動するという嗜好に基づいて適切に返信してもよい。システム100は、ユーザのキャビン環境制御の嗜好を時間の経過とともに学習し、「車両内で確立された通常の環境制御の嗜好を望みますか?」という一般的な要求を送信してもよい。
【0040】
さらに、システムは、ユーザ入力の要求に対するユーザの平均応答時間を学習し、ユーザ入力の要求を送信するタイミングをユーザの平均応答時間に基づいて判定してもよい。例えば、ユーザが車両からのユーザ入力の要求に応答するのに平均して3分かかる場合、車両10は、ユーザが到着したり、及び/又は他の行動をとったりするときのユーザの希望する状態にキャビンがなるようにするために、環境制御システムを始動する3分前にユーザ入力の要求を送信してもよい。いくつかの実施形態では、システム100は、ユーザがシステム100からのメッセージを受信するか、読み取るか、あるいは他の方法で開いたかを判定するように構成されてもよい。例えば、テキストメッセージベースのシステムでは、車両10はテキストメッセージをユーザに送信してもよく、ユーザはメッセージを開かなくてもよい。そのような場合、車両10は、テキストメッセージで提案された環境制御システムを自動的に始動してもしなくてもよい。
【0041】
ユーザが車両10からの要求に応答する場合、車両10は、ブロック310にて、ユーザの応答に基づいて1つ又は複数の環境制御システムを起動させてもよい。車両10は、ユーザ入力の要求に対するユーザの応答に基づいて、例えば、HVACシステム、シートヒータ、ウィンドウヒータ、ミラーヒータなどのうちの1つ又は複数を始動してもよい。キャビン環境状態は、1つ又は複数のシステムの起動に基づいて変化してもよい。実施形態では、システム100は、ユーザの好ましい環境制御システムをいずれも同時に起動してもよく、あるいは必要に応じて1つ又は複数のシステムを個別に起動して、所定の時間(例えば、ユーザがキャビンに入るとき又は予想出発時間)にキャビンをユーザの希望する状態そのものか、それに近い状態にしてもよい。例えば、車両が3分という予想される応答遅れに基づいて、予想出発時間の5分前にユーザの入力を要求し、キャビンの状態がユーザの希望する状態に到達するのに2分必要であるが、ユーザがユーザ入力の要求に応答するが異常に早い場合、システムは、環境制御システムの一部又は全部の起動を待機してもよい。システム100は、例えば、ユーザが車両10に入る(乗車する?)とき(即ち、予想出発時間)に車両10のキャビンがユーザの希望する状態になるようにシステムを始動する必要が生じるまで待機してもよい。
【0042】
ここで図1及び図4を参照すると、図3に関して説明した方法の例示的な実施形態が示されている。図1に示すように、ユーザ14はオフィスビル16で働いている。ユーザ14は、オフィスビル16の外に駐車した車両10を所有している。ここでは、雪12が降っており、キャビン20のキャビン温度が屋外環境の温度と一致し、その結果、キャビン温度がユーザ14にとって不快なものになる可能性がある。図1の特定の例示的な実施形態では、オフィスビル16の外側の周囲空気温度は、温度計18が示すように氷点下である。図4は、図1のユーザ14の個人用電子機器130を示す。個人用電子機器130は、遠隔機器であってもよく、テキストベース部分134及び画像136を含み得るメッセージ132を表示してもよい。メッセージは、例えば、図1及び図2のシステム100によって生成され、ユーザ14の個人用電子装置130に送信されてもよい。図1に示すように、ユーザ14は通常のスケジュールの勤務日に勤務しており、ユーザ14は、例えば、午後5時15分にいつものように退社する可能性がある。
【0043】
図1及び図4に示す例示的なシナリオでは、車両10に搭載されたシステム100は、上記の予想出発時間が、オフィスビル16の駐車場を車両10が出発して帰宅する前のある時点であると判定してもよい(例えば、車両10が午前中に駐車している場合)。予想出発時間は、例えば、車両10のエンジンの最もよくみられる始動時間によって判定される平均出発時間に基づいて判定されてもよい。いくつかの実施形態では、予想出発時間は、ユーザ自身が毎日システム100に入力してもよい。いくつかの実施形態では、システム100は、例えば、ユーザ14のカレンダー又はメッセージ送受信アプリケーションなどのアプリケーションに含まれる情報に基づいて予想出発時間を判定してもよい。
【0044】
車両10は、予想出発時間の前のある時点で、1つ又は複数のセンサ(例えば、本明細書に記載の1つ又は複数のセンサ)を使用して、屋外環境状態を判定してもよい。システム100は、例えば、カメラ110を使用して、外で雪が降っていることを判定してもよい。システム100は、温度検出器112を使用して、例えば、温度が氷点下であることを判定してもよい。実施形態では、システム100は、湿度検出器114及び風速計116のうちの1つ又は複数を使用して、屋外環境状態を判定してもよい。屋外環境状態は、例えば、1つ又は複数の外部ネットワーク又はシステムとの1つ又は複数の接続を使用して判定されてもよい。例えば、屋外環境状態は、1つ又は複数のインターネットベースの気象サービスからの情報に基づいて判定されてもよい。別の例として、車両10は、例えば、車両と車両との間(V2V)の接続を介して、1つ又は複数の他の車両から気象情報を受信してもよい。他の実施形態では、車両10は、車両とインフラとの間(V2I)又は車両とさまざまなものとの間(V2X)の接続を介して1つ又は複数の外部ネットワークから情報を受信してもよい。
【0045】
図4に示すように、車両10はメッセージ132をユーザ14に送信してもよい。メッセージには、例えば、「現在、車両の外の温度は29度Fです。環境制御システムを始動しますか?」と記載されてもよい。いくつかの実施形態では、メッセージは画像136を含んでもよい。図4に示す特定の例では、画像は車両10の外で降る雪を示す。メッセージ132は、特定の気象状態をユーザ14に通知してもよい。テキストベース部分134は、メッセージ132に応答するための1つ又は複数の選択肢を備えるユーザ入力選別部を備え得るユーザ応答セクション138を備えてもよい。図示の特定の例では、ユーザ応答セクション138は「はい」及び「いいえ」という2つの応答を備えるが、システム100の実施形態では、他のユーザ応答を判定し、本明細書に記載のさまざまなユーザ応答に基づいてさまざまな行動をとることができると考えられる。例示的な実施形態では、ユーザ14は、例えば、ユーザ応答セクション138内のユーザ応答の1つを押すことにより、メッセージ132に応答してもよい。ユーザがメッセージ132に応答すると、車両10は、車両10の1つ又は複数の環境制御機能を始動してもよい。
【0046】
ここで、ユーザ入力の要求を生成し、ユーザ入力に基づいてキャビン環境状態を適応させるシステムを使用して、ユーザが車両に入る前に車両のキャビンに影響を及ぼしてもよいことを理解されたい。このシステムは、ユーザの嗜好に基づいてキャビンをさらに快適なものにし、少なくとも部分的にユーザ入力に基づくものであってもよい。ユーザ入力は、ユーザ入力の要求に応答するものであってもよい。ユーザ入力の要求は、車両周辺の屋外環境に関する情報を含んでもよく、車両自体のキャビン環境に関する情報を含んでもよい。このため、ユーザは、さまざまな環境制御システムを始動するための情報に基づいた決定を下し、自分の快適性レベルを高め、いっそう良好で、いっそう適応性のある車両体験を楽しんでもよい。
【0047】
「実質的に」及び「約」という用語は、任意の定量的比較、値、測定又は他の表現に起因する可能性のある固有の不確実性の程度を表すために本明細書で利用してもよいことに留意されたい。このような用語はこのほか、本明細書では、基本的な機能又は問題の主題に変化を生じさせることなく、既定の基準から定量的表現が変化する程度を表すために利用される。
【0048】
本明細書では特定の実施形態を図示し説明してきたが、特許請求される主題の精神及び範囲から逸脱することなく他のさまざまな変更及び修正を施すことができることを理解されたい。さらに、特許請求される主題のさまざまな態様が本明細書で説明されたが、そのような態様は組み合わせて利用する必要はない。このため、添付の特許請求の範囲は、特許請求の主題の範囲内にあるそのような変更及び修正をすべて網羅するものとする。
【0049】
〔例1〕
外部環境の屋外環境気象状態を感知するように配置されたセンサと、
プロセッサと、
プロセッサに通信可能に結合されたメモリモジュールであって、メモリモジュールは、1つ又は複数のプロセッサ可読命令であって、実行されると、プロセッサに、
予想出発時間を判定することと、
センサから受信したデータから屋外環境気象状態を判定することと、
ユーザ入力の要求をリモート装置に送信することであって、要求は、予想出発時間及び屋外環境気象状態のうちの1つ又は複数に基づいて少なくとも1つの環境制御システムを始動するユーザ入力選択部を含む、ことと、を実施させる1つ又は複数のプロセッサ可読命令を含む、メモリモジュールと、を備える、システム。
〔例2〕
1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、実行されると、プロセッサにさらに、
ユーザのキャビン環境の嗜好を判定させ、
ユーザのキャビン環境の嗜好に基づいて要求を送信させる、例1に記載のシステム。
〔例3〕
1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、実行されると、プロセッサにさらに、ユーザの時間厳守の嗜好を判定させ、
予想出発時間は、ユーザの時間厳守の嗜好に基づいたものである、例1に記載のシステム。
〔例4〕
センサは、屋外環境の画像を撮像するカメラであり、
1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、プロセッサに屋外環境の画像に基づいてユーザ入力の要求をさらに送信させる、例1に記載のシステム。
〔例5〕
センサは、屋外環境の画像を撮像するカメラであり、
ユーザ入力の要求には、屋外環境の画像が含まれる、例1に記載のシステム。
〔例6〕
センサは、屋外環境の温度を感知する温度検出器であり、ユーザ入力の要求には屋外環境の温度が含まれる、例1に記載のシステム。
〔例7〕
車両のキャビンの温度を判定するように構成されたキャビン温度検出器をさらに備える、例6に記載のシステムであって、
ユーザ入力の要求はキャビンの温度に基づくものである、システム。
〔例8〕
1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、実行されると、プロセッサに、
ユーザ入力を受信させ、ユーザ入力に基づいて1つ又は複数のキャビン環境制御システムを起動させる、例1に記載のシステム。
〔例9〕
1つ又は複数のキャビン環境制御システムは、HVACシステム、シートヒータ、ウィンドウヒータ及びミラーヒータのうちの1つ又は複数を備える、例8に記載のシステム。
〔例10〕
車両のキャビン環境状態を自動的に調整するように構成されたシステムを備える車両であって、システムは、
屋外環境の屋外環境気象状態を感知するために車両に配置されたセンサと、
プロセッサと、
プロセッサに通信可能に結合されたメモリモジュールであって、メモリモジュールは、1つ又は複数のプロセッサ可読命令であって、実行されると、プロセッサに、
予想出発時間を判定することと、
センサから受信したデータから屋外環境気象状態を判定することと、
ユーザ入力の要求を遠隔装置に送信することであって、要求は、予想出発時間及び屋外環境気象状態のうちの1つ又は複数に基づいて少なくとも1つの環境制御システムを始動するユーザ入力選択部を含む、ことと、を実施させる1つ又は複数のプロセッサ可読命令を含む、メモリモジュールと、を備える、車両。
〔例11〕
1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、実行されると、プロセッサにさらに、
ユーザのキャビン環境の嗜好を判定させ、
ユーザのキャビン環境の嗜好に基づいて要求を送信させる、例10に記載の車両。
〔例12〕
1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、実行されると、プロセッサにさらに、ユーザの時間厳守の嗜好を判定させ、
予想出発時間は、ユーザの時間厳守の嗜好に基づいたものである、例10に記載の車両。
〔例13〕
センサは、屋外環境の画像を撮像するカメラであり、
1つ又は複数のプロセッサ可読命令はさらに、プロセッサに屋外環境の画像に基づいてユーザ入力の要求を送信させる、例10に記載の車両。
〔例14〕
センサは、屋外環境の画像を撮像するカメラであり、ユーザ入力の要求には屋外環境の画像が含まれる、例10に記載の車両。
〔例15〕
センサは、屋外環境の温度を感知する温度検出器であり、ユーザ入力の要求には屋外環境の温度が含まれる、例10に記載の車両。
〔例16〕
キャビン温度検出器をさらに備える、例15に記載の車両であって、
1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、プロセッサにさらに、車両のキャビンの温度を判定させ、
ユーザ入力の要求はキャビンの温度に基づくものである、車両。
〔例17〕
1つ又は複数のプロセッサ可読命令は、実行されると、プロセッサに、
ユーザ入力を受信させ、ユーザ入力に基づいて1つ又は複数のキャビン環境制御システムを起動させる、例10に記載の車両。
〔例18〕
屋外環境気象状態を感知するセンサを使用して、車両の少なくとも1つの環境制御システムを始動する方法であって、
プロセッサによって、予想出発時間を判定することと、
プロセッサによって、センサを使用して屋外環境気象状態を判定することと、
プロセッサによって、ユーザ入力の要求を遠隔装置に送信することであって、要求は、予想出発時間及び屋外環境気象状態のうちの1つ又は複数に基づいて少なくとも1つの環境制御システムを始動するユーザ入力選択部を含む、ことと、を含む、方法。
〔例19〕
プロセッサによって、ユーザのキャビン環境の嗜好を判定することと、
プロセッサによって、ユーザのキャビン環境の嗜好に基づいて、ユーザ入力の要求を送信することと、をさらに含む、例18に記載の方法。
〔例20〕
プロセッサによって、ユーザの時間厳守の嗜好を判定することをさらに含む、例18に記載の方法であって、予想出発時間は、ユーザの時間厳守の嗜好に基づくものである、方法。
図1
図2
図3
図4