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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】加湿空気清浄機
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20231206BHJP
   F24F 6/04 20060101ALI20231206BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20231206BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20231206BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
F24F6/00 B
F24F6/04
F24F8/80 252
F24F8/80 400
F24F13/20
F24F13/28
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020014256
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021120602
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(72)【発明者】
【氏名】山口 晃広
(72)【発明者】
【氏名】濱野 拓巳
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02072921(EP,A1)
【文献】特開2010-019524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/16-3/167
F24F 6/00-6/18
F24F 7/003
F24F 8/80
F24F 13/20
F24F 13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込み口及び吹出し口を有する筐体と、
前記筐体に収納されており、前記吸込み口を介して前記筐体の内側に空気を吸い込み、前記吹出し口を介して前記筐体の外側に空気を吹き出すファンと、
前記筐体に収納された加湿フィルタと、
前記筐体に設けられた仕切り部と、
前記仕切り部を保持する保持部と、を備え、
前記筐体は、前記吸込み口と前記ファンとの間に形成された吸気経路を更に有しており、
前記吸気経路は、第1分岐口から前記ファンに至る第1分岐経路と、第2分岐口から前記ファンに至り、前記加湿フィルタが配置された第2分岐経路と、前記第1分岐口及び前記第2分岐口の両方と前記吸込み口との間の主経路と、を含み、
前記仕切り部は、前記主経路において前記第1分岐口と前記第2分岐口との間に設けられており、前記主経路の少なくとも一部を、前記第1分岐口に繋がる第1仕切空間と、前記第2分岐口に繋がる第2仕切空間と、に仕切
前記保持部は、前記仕切り部を保持する位置を調整可能に構成され、
前記仕切り部は、板状に形成されており、
前記保持部は、前記第1分岐口と前記第2分岐口とが並ぶ方向に沿って並ぶように形成された複数のスリットを有しており、前記複数のスリットのうち少なくともいずれか1つのスリットに前記仕切り部の端部が嵌められることにより前記仕切り部を保持する、加湿空気清浄機。
【請求項2】
前記仕切り部は、前記第1仕切空間と前記第2仕切空間との大きさの比率を変更可能に構成されている、
請求項1に記載の加湿空気清浄機。
【請求項3】
前記主経路において前記吸込み口と前記仕切り部との間に配置された空気清浄フィルタを更に備え、
前記仕切り部は、前記空気清浄フィルタと接触している、
請求項1または2に記載の加湿空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、吹き出し口から吹き出す清浄風路の風量(加湿されていない空気の量)と加湿清浄風路の風量(加湿された空気の量)との割合を調節できる風量割合調節手段を備えた加湿空気清浄機が開示されている。特許文献1の加湿空気清浄機は、本体ケース内に回動自在に設けられ、側面に部分的に開口を有する円筒と、この円筒の側周面と接する遮蔽部と、円筒を回動する円筒回転手段とを備え、円筒を回動させて遮蔽部によっての開口面積を変化させることにより、清浄風路と加湿清浄風路を通過する風量の割合を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-209046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明では、清浄風路と加湿清浄風路を通過する風量の割合を調整するための構成が複雑になるおそれがあった。
【0005】
したがって、本発明の一態様は、簡易な構成で、吹出し口から吹き出す空気のうち、加湿された空気の割合の増加を図ることができる加湿空気清浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の加湿空気清浄機は、吸込み口及び吹出し口を有する筐体と、前記筐体に収納されており、前記吸込み口を介して前記筐体の内側に空気を吸い込み、前記吹出し口を介して前記筐体の外側に空気を吹き出すファンと、前記筐体に収納された加湿フィルタと、前記筐体に設けられた仕切り部と、を備える。前記筐体は、前記吸込み口と前記ファンとの間に形成された吸気経路を更に有しており、前記吸気経路は、第1分岐口から前記ファンに至る第1分岐経路と、第2分岐口から前記ファンに至り、前記加湿フィルタが配置された第2分岐経路と、前記第1分岐口及び前記第2分岐口の両方と前記吸込み口との間の主経路と、を含む。前記仕切り部は、前記主経路において前記第1分岐口と前記第2分岐口との間に設けられており、前記主経路の少なくとも一部を、前記第1分岐口に繋がる第1仕切空間と、前記第2分岐口に繋がる第2仕切空間と、に仕切る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る加湿空気清浄機の外観を示す斜視図である。
図2図2は、同上の加湿空気清浄機の分解斜視図である。
図3図3は、同上の加湿空気清浄機における筐体の本体の正面図である。
図4図4は、同上の加湿空気清浄機の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0009】
(1)概要
本実施形態の加湿空気清浄機1について、図1図4を参照して説明する。
【0010】
本実施形態の加湿空気清浄機1は、空気清浄機能と、加湿機能と、を有している。本開示における空気清浄機能とは、空気清浄フィルタ5(図2参照)に空気を通過させることにより、空気中のハウスダスト、臭い等を低減させる機能である。本開示における加湿機能とは、加湿フィルタ4(図2参照)に空気を通過させることにより、空気中の水分量を増加させる機能である。
【0011】
本実施形態の加湿空気清浄機1は、空気清浄機能と加湿機能との両方を同時に行うように構成されている。また、加湿空気清浄機1は、加湿機能において、空気清浄フィルタ5を通過した空気が加湿フィルタ4を通過するように構成されている。つまり、加湿空気清浄機1の筐体2に吸い込まれた空気は、空気清浄フィルタ5と加湿フィルタ4との両方を通過する空気と、空気清浄フィルタ5のみを通過する空気とに分けられる。
【0012】
図2図4に示すように、本実施形態の加湿空気清浄機1は、筐体2と、ファン3と、加湿フィルタ4と、空気清浄フィルタ5と、仕切り部6と、を備えている。
【0013】
筐体2は、吸込み口701及び吹出し口702を有している。ファン3は、筐体2に収納されている。ファン3は、吸込み口701を介して筐体2の内側に空気を吸い込む。ファン3は、吹出し口702を介して筐体2の外側に空気を吹き出す。加湿フィルタ4は、筐体2に収納されている。仕切り部6は、筐体2に設けられている。
【0014】
筐体2は、吸気経路7を更に有している。吸気経路7は、吸込み口701とファン3との間に形成されている。吸気経路7は、第1分岐経路731と、第2分岐経路732と、主経路71と、を含む。第1分岐経路731は、第1分岐口721からファン3に至る経路である。第2分岐経路732は、第2分岐口722からファン3に至る経路であり、加湿フィルタ4が配置されている。主経路71は、第1分岐口721及び第2分岐口722の両方と吸込み口701との間の経路である。
【0015】
仕切り部6は、主経路71において第1分岐口721と第2分岐口722との間に設けられている。仕切り部6は、主経路71の少なくとも一部を、第1分岐口721に繋がる第1仕切空間711と、第2分岐口722に繋がる第2仕切空間712と、に仕切る。
【0016】
本実施形態の加湿空気清浄機1では、吸気経路7が第1分岐経路731と第2分岐経路732とに分岐しており、第1分岐経路731を流れる空気と、第2分岐経路732を流れる空気とが合わさって、吹出し口702から吹き出される。第2分岐経路732には、加湿フィルタ4が配置されているので、第2分岐経路732は、第1分岐経路731に比べて空気抵抗が高くなる可能性がある。第1分岐経路731の入口である第1分岐口721、及び第2分岐経路732の入口である第2分岐口722の両方と、吸込み口701との間の空間である主経路71の一部が、仕切り部6によって第1仕切空間711と第2仕切空間712とに仕切られている。このように、主経路71の一部が、第1分岐口721に繋がる第1仕切空間711と、第2分岐口722に繋がる第2仕切空間712とに仕切られていることにより、主経路71から第2分岐経路732に流れる空気量を確保することができる。これにより、仕切り部6を設けるという簡易な構成で、吹出し口702から吹き出す空気のうち、加湿された空気の割合の増加を図ることができる。
【0017】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る加湿空気清浄機1の詳細について説明する。以下の説明では、図1の上下左右前後の方向を示した矢印の向きを基準にして説明する。ただし、これらの方向は、説明のために便宜上設定した方向であって、使用時の方向を限定する趣旨ではない。
【0018】
加湿空気清浄機1は、筐体2と、ファン3と、加湿フィルタ4と、空気清浄フィルタ5と、仕切り部6と、を有している。
【0019】
筐体2は、本体21と、前面パネル24と、トレイ25と、タンク26と、を有している。
【0020】
本体21は、上下方向を長手方向とする矩形体状に形成されており、前後方向の寸法が左右方向の寸法に比べて短い。本体21は、ファン3を収納しており、本体21内に空気を取り込むための吸込み口701と、本体21外に空気を吹き出すための吹出し口702と、を有している。
【0021】
吸込み口701は、本体21の前面に形成された凹部22により構成されている。凹部22は、本体21の前面から後方に向かって凹むように形成されている。凹部22は、本体21が有する上板部221、下板部222、一対の側板部223、及び中板部224によって囲まれるように構成されている。中板部224は、正面視が略矩形状に形成されており、凹部22の底面を構成している。凹部22の開口が、吸込み口701である。つまり、吸込み口701は、本体21の前面に形成されている。吸込み口701の形状は、上下方向を長手方向とする矩形状である。
【0022】
空気清浄フィルタ5は、吸込み口701を塞ぐように本体21に取り付けられる。空気清浄フィルタ5は、矩形板状に形成されており、本体21の上板部221、下板部222、及び一対の側板部223で囲まれ、中板部224から離れて前後方向に対向するように吸込み口701に配置される。本実施形態では、空気清浄フィルタ5は、第1フィルタ51と、第2フィルタ52と、を有している。第1フィルタ51及び第2フィルタ52は、それぞれ矩形板状に形成されており、前後方向に重なるように本体21に取り付けられる。第1フィルタ51は、第2フィルタ52の前方に配置される。第1フィルタ51は、例えば脱臭フィルタであり、通過する空気の臭いを低減させる。第2フィルタ52は、例えばHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)であり、通過する空気のハウスダスト等を除去する。空気が第1フィルタ51及び第2フィルタ52を通過することにより、空気中のハウスダスト、臭い等を低減させる空気清浄機能が実現される。空気清浄フィルタ5は、本体21に対して着脱自在であり、ユーザが簡易に交換することができる。
【0023】
前面パネル24は、矩形板状に形成されており、本体21の前面に取り付けられる。前面パネル24は、本体21の前面及び空気清浄フィルタ5を全体的に前方から覆うように配置されている。前面パネル24は、空気清浄フィルタ5から前方に離れるように本体21に取り付けられている。したがって、前面パネル24と本体21との隙間から吸込み口701に向かうように空気が流れる。また、前面パネル24は、本体21に対して着脱自在に構成されている。前面パネル24を本体21から取り外すことにより、空気清浄フィルタ5の交換等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0024】
本体21の側面(右面)には、トレイ25及びタンク26を取り付けるための開口部231が形成されている。開口部231は、上下方向を長手方向とする矩形状に形成されている。トレイ25及びタンク26は、開口部231を塞ぐように本体21に取り付けられる。
【0025】
トレイ25は、加湿フィルタ4を保持しており、タンク26から排出された水を貯めるように構成されている。タンク26から排出された水がトレイ25に貯められることにより、加湿フィルタ4に水分が与えられる。
【0026】
トレイ25は、左右方向を長手方向とする矩形箱状に形成されており、上面が開口している。トレイ25は、本体21の開口部231を介して本体21の内部空間に挿入されることにより、本体21に取り付けられる。トレイ25は、本体21における中板部224と本体21の底部236との間に形成された空間に配置される。つまり、トレイ25は、本体21の側面に形成された開口部231を介して、底部236に沿うように左方に向かって挿入されることにより、本体21に取り付けられる。また、トレイ25は、本体21に取り付けられた状態から、右方に引き抜くことにより、本体21から取り外すことができる。
【0027】
トレイ25は、トレイ25内の空間を左右方向に仕切る隔壁251を有している。隔壁251は、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。タンク26は、給水口261がトレイ25内における隔壁251の右側の空間に嵌るように、本体21に取り付けられる。
【0028】
また、トレイ25は、トレイ25内における隔壁251の左側の空間に加湿フィルタ4を保持している。加湿フィルタ4は、外形が矩形体状のプリーツフィルタであり、吸水性を有している。加湿フィルタ4は、トレイ25の底面に形成された凹部252に嵌められるようにトレイ25に保持されている。凹部252は、トレイ25の底面の左右両端にわたって左右方向に沿って形成されている。
【0029】
隔壁251の下端部には、貫通孔が形成されており、当該貫通孔を介してタンク26から排出された水が、加湿フィルタ4が配置されている空間に流れ込む。これにより、加湿フィルタ4に水分が与えられる。
【0030】
また、凹部22を形成している下板部222には、開口部225が形成されている。したがって、トレイ25内における加湿フィルタ4の前方の空間は、開口部225を介して凹部22内の空間と連続している。
【0031】
ファン3は、本体21に収納されている。ファン3は、例えばシロッコファンである。ファン3は、本体21の中板部224の後方に配置されている。具体的には、ファン3は、本体21の中板部224と本体21の背板部232との間において、背板部232から前方に離れた位置に配置されている。したがって、ファン3と背板部232との間には隙間が形成されている。ファン3は、後面に吸気口が形成されている。したがって、ファン3と背板部232との間の隙間が、吸気経路7の一部となる。吸気経路7の詳細な説明は後述する。ファン3は、吸気口から給気した空気を上方に向けて排気するように構成されている。本体21には、ファン3から排出された空気を本体21の外側の空間に吹出すための吹出し口702が上面に形成されている。吹出し口702は、矩形状に形成されている。本体21は、ファン3と吹出し口702とを繋ぐダクト233を有している。
【0032】
本体21は、吹出し口702を開閉するルーバー234を更に備えている。ルーバー234は、矩形板状に形成されており、ルーバー234の長手方向に沿った回転軸を中心に回転可能に構成されている。ルーバー234は、回転することにより、吹出し口702を開放する開状態と、吹出し口702を閉じる閉状態とに切り替わる。また、ルーバー234の回転位置を調整することにより、吹出し口702から吹き出される空気の方向を調整することができる。また、例えば、ファン3の停止時において、ルーバー234が吹出し口702を閉じることにより、吹出し口702を介して本体21内に塵埃等が入ることが抑制される。なお、図1図3では、ルーバー234が吹出し口702を閉じている状態を記載している。
【0033】
本体21の上面における吹出し口702の前方には、操作パネル235が設けられている。操作パネル235は、加湿空気清浄機1の起動、停止、動作モードの変更などを行うためのスイッチを有している。また、操作パネル235は、加湿空気清浄機1の動作状態、湿度センサの測定結果などを表示する表示部を有している。
【0034】
次に、吸気経路7について説明する。図4において、吸込み口701を介してファン3に吸い込まれる空気の流れを矢印で概略的に示している。
【0035】
上述したように、筐体2の本体21にファン3が収納されている。ファン3が駆動することにより、吸込み口701を介して本体21の内側に吸い込まれ、吹出し口702から本体21の外側に吹出される気流が生成される。本体21は、吸込み口701とファン3との間に形成された吸気経路7を有している。本実施形態における「吸気経路7」とは、吸込み口701とファン3との間において空気が流れる流路(空間)である。
【0036】
吸気経路7は、主経路71と、第1分岐経路731と、第2分岐経路732と、を含んでいる。主経路71は、吸込み口701を含んでおり、第1分岐経路731と第2分岐経路732との両方に連続している。したがって、吸込み口701から主経路71に吸いこまれた空気は、第1分岐経路731を流れる空気と、第2分岐経路732を通る空気とに分岐したのち、ファン3に到達する。
【0037】
主経路71は、本体21における凹部22の内側の空間と、トレイ25における加湿フィルタ4の前方の空間と、を含んでいる。凹部22の内側の空間と、トレイ25における加湿フィルタ4の前方の空間とは、下板部222に形成された開口部225を介して連続している。上述したように、主経路71は、吸込み口701を含んでおり、当該吸込み口701は、空気清浄フィルタ5によって塞がれている。空気清浄フィルタ5は、通気性を有しているため、空気の通過が可能である。
【0038】
筐体2は、第1分岐経路731の入口である第1分岐口721と、第2分岐経路732の入口である第2分岐口722と、を有している。
【0039】
図3に示すように、第1分岐口721は、本体21の中板部224に形成されている。第1分岐口721は、中板部224において、ファン3の上方、かつダクト233の側方の位置に形成されている。第1分岐経路731は、ファン3の上方の空間、及びファン3の後方の空間を含んでいる。つまり、第1分岐経路731は、ファン3の前方に位置する主経路71から、ファン3の上方に迂回してファン3の後方に回り込む経路である。
【0040】
本実施形態では、本体21は、2つの第1分岐口721を有している。2つの第1分岐口721は、ダクト233の左右両側に1つずつ形成されている。各第1分岐口721は、略三角形状に形成されており、格子7210が設けられている。格子7210により、例えばユーザの手指が第1分岐口721を介してファン3に触れることが抑制される。
【0041】
図4に示すように、第2分岐口722は、本体21における中板部224の下端と、トレイ25における凹部252の底面との間の空間である。上述したように、トレイ25の凹部252には加湿フィルタ4が配置されている。つまり、加湿フィルタ4は、第2分岐口722に配置されている。第2分岐口722は、加湿フィルタ4によって塞がれている。なお、加湿フィルタ4は、通気性を有しており、空気の通過が可能である。
【0042】
第2分岐経路732は、ファン3の下方の空間、及びファン3の後方の空間を含んでいる。つまり、第2分岐経路732は、ファン3の前方に位置する主経路71から、ファン3の下方に迂回してファン3の後方に回り込む経路である。
【0043】
ここで、本実施形態の加湿空気清浄機1は、仕切り部6を有している。
【0044】
仕切り部6は、主経路71に設けられている。言い換えれば、仕切り部6は、本体21の凹部22の内側の空間に設けられている。具体的には、仕切り部6は、凹部22の内側の空間における第1分岐口721と第2分岐口722との間に設けられている。つまり、仕切り部6は、上下方向における第1分岐口721と第2分岐口722との間に設けられている。
【0045】
仕切り部6は、上下方向を厚さ方向とする矩形板状に形成されている。仕切り部6は、一対の側板部223の一方から他方にわたって設けられている。また、仕切り部6は、後端が中板部224と接触し、前端が空気清浄フィルタ5と接触している。したがって、仕切り部6は、主経路71の一部である空気清浄フィルタ5と中板部224との間の空間を、上下方向に並ぶ第1仕切空間711と第2仕切空間712とに仕切っている。第1仕切空間711は、仕切り部6の上方の空間であって、第1分岐口721に繋がっている。第2仕切空間712は、仕切り部6の下方の空間であって、第2分岐口722に繋がっている。
【0046】
上述したように、第2分岐経路732には加湿フィルタ4が配置されているので、第1分岐経路731に比べて空気抵抗が高くなる可能性がある。本実施形態の加湿空気清浄機1は、仕切り部6により、主経路71における空気清浄フィルタ5の後方の空間が、第1仕切空間711と第2仕切空間712とに仕切られている。これにより、主経路71における空気清浄フィルタ5の後方の空間から、第1分岐経路731に流れる空気量が制限される。言い換えれば、主経路71における空気清浄フィルタ5の後方の空間において、第2仕切空間712から第1分岐経路731に流れる空気量が抑制される。したがって、主経路71における空気清浄フィルタ5の後方の空間のうち、第2分岐経路732に流れる空気量を確保することができるので、加湿フィルタ4を通過する空気量の増加を図ることができる。
【0047】
このように、本実施形態の加湿空気清浄機1では、主経路71に仕切り部6を設けるという簡易な構成で、吹出し口702から吹き出す空気のうち、加湿された空気の割合の増加を図ることができる
【0048】
また、仕切り部6は、後端が中板部224と接触し、前端が空気清浄フィルタ5と接触している。これにより、第2仕切空間712から第1分岐経路731に流れる空気量をより抑制することができるので、吹出し口702から吹き出す空気のうち、加湿された空気の割合をより増加させることができる。
【0049】
また、本実施形態の加湿空気清浄機1は、仕切り部6を保持する保持部27を有している。
【0050】
保持部27は、複数のスリット271を有している。複数のスリット271は、一対の側板部223のそれぞれに形成されている。本実施形態では、図2図4に示すように、一対の側板部223のそれぞれに、4つのスリット271が形成されている。なお、図2図4に示したスリット271の数は、一例であって上記数に限定しない。各スリット271は、前後方向に沿って形成された溝であり、前方が開放している。
【0051】
一対の側板部223のそれぞれにおいて、複数のスリット271が上下方向に並んで形成されている。一対の側板部223のうち、一方の側板部223に形成された複数のスリット271と、他方の側板部223に形成された複数のスリット271とは、上下方向の位置が略同じである。一方の側板部223に形成された各スリット271は、他方の側板部223に形成された複数のスリット271のうち、上下方向の位置が略同じであるスリット271と対応している。
【0052】
保持部27は、一対の側板部223のそれぞれに形成された複数のスリット271のうち、少なくともいずれか1つのスリット271に仕切り部6の端部が嵌められることにより仕切り部6を保持している。本実施形態では、保持部27は、一対の側板部223のそれぞれに形成された複数のスリット271のうち、互いに対応する一対のスリット271に仕切り部6の左右両端部が嵌められることにより仕切り部6を保持している。図2図4に示す例では、仕切り部6は、上下方向に並ぶ4つのスリット271のうち上から2番目のスリット271に嵌められている。仕切り部6は、スリット271に対して抜き差しが可能に構成されている。したがって、ユーザは、上下方向に並ぶ複数のスリット271のうち、仕切り部6を嵌めるスリット271を任意に選択することができる。言い換えれば、保持部27は、上下方向に並ぶ複数のスリット271を有しているので、上下方向における仕切り部6を保持する位置を調整可能である。
【0053】
したがって、仕切り部6は、保持される位置に応じて、第1仕切空間711と第2仕切空間712との大きさの比率の変更が可能である。仕切り部6の位置が上方にあるほど、第1仕切空間711の大きさが小さくなり、第2仕切空間712の大きさが大きくなるので、第2分岐経路732に流れる空気量の増加を図ることができ、加湿された空気の割合の増加を図ることができる。一方、仕切り部6の位置が下方にあるほど、第1仕切空間711の大きさが大きくなり、第2仕切空間712の大きさが小さくなるので、加湿された空気の割合の低下を図ることができる。
【0054】
このように、仕切り部6を保持する位置が調節されることによって、吹出し口702から吹き出される空気のうち、加湿された空気の割合を調整することができる。
【0055】
(3)変形例
以下、本実施形態に係る加湿空気清浄機1の変形例を列挙する。
【0056】
上述した例では、一対の側板部223のそれぞれに、複数のスリット271が形成されていたが、この構成に限らない。本体21において、一対の側板部223と中板部224とにわたって連続した複数のスリットが上下方向に並んで形成されていてもよい。この場合、仕切り部6は、複数のスリット271のうち、いずれか1つのスリット271に端部が嵌められることにより保持される。
【0057】
また、上述した例では、仕切り部6は、上下方向に並ぶ複数のスリット271のうち、いずれか1つのスリット271に嵌められていたが、上下方向に隣接する2つ以上のスリット271に嵌められるように構成されていてもよい。これにより、仕切り部6をより安定して保持することができる。
【0058】
また、上述した例では、筐体2は、上下方向に並ぶ複数のスリット271を有していたが、スリット271の数は1つであってもよい。また、仕切り部6は、スリット271に対して抜き差し可能に構成されていたが、筐体2と一体に構成されていてもよい。
【0059】
また、上述した例では、ユーザが仕切り部6を嵌めるスリット271を変更することにより、仕切り部6の位置を調整するように構成されていたが、これに限らない。保持部27は、仕切り部6を保持する位置を変更するように構成されていてもよい。例えば、保持部27は、可動部と、制御部と、を有する。可動部は、仕切り部6を一対の側板部223に沿って上下方向に移動するように構成されている。例えば、可動部は、モータとカム機構とを有する。カム機構は、モータの回転軸の回転を上下方向に変換するように構成されており、モータの回転方向に応じて仕切り部6を上下方向に移動させる。制御部は、可動部を制御するように構成されている。制御部は、ユーザによる操作パネル235への操作内容に応じて可動部のモータを制御することにより、仕切り部6の位置を変更させる。また、制御部は、湿度センサの測定結果と、目標湿度との差に基づいて、可動部のモータを制御することにより、仕切り部6の位置を変更させるように構成されていてもよい。
【0060】
また、上述した例では、仕切り部6は、1つの仕切り板で構成されていたが、これに限らない。仕切り部6は、開閉可能な複数の仕切り板で構成されていてもよい。複数の仕切り板は、上下方向に並んで設けられる。複数の仕切り板の各々は、左右方向に沿った回転軸を中心に回転することにより、閉状態と開状態との間で切り替えが可能である。閉状態とは、上下方向を厚さ方向とする状態であって、主経路71の一部である空気清浄フィルタ5と中板部224との間の空間を、第1仕切空間711と第2仕切空間712とに仕切る状態である。開状態とは、前後方向を厚さ方向とする状態であって、主経路71の一部である空気清浄フィルタ5と中板部224との間の空間の仕切りを解除した状態である。複数の仕切り板のうち、いずれかの仕切り板を閉状態とすることにより、主経路71の一部である空気清浄フィルタ5と中板部224との間の空間を、第1仕切空間711と第2仕切空間712とに仕切ることができる。これにより、加湿フィルタ4を通過する空気量の増加を図ることができる。また、上下方向に並ぶ複数の仕切り板のうち、閉状態とする仕切り板を変更することにより、第1仕切空間711と第2仕切空間712との大きさの比率が変更されるので、吹出し口702から吹き出される空気のうち、加湿された空気の割合を調整することができる。また、複数の仕切り板の開閉制御は、保持部27によって行われてもよい。この場合、保持部27は、仕切り板を回転させるモータを有する可動部と、可動部を制御する制御部と、を有する。
【0061】
また、上述した例では、加湿フィルタ4がトレイ25に固定された固定式の加湿空気清浄機1であったが、加湿フィルタが前後方向沿った回転軸を中心に回転可能に保持された回転式の加湿空気清浄機であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 加湿空気清浄機
2 筐体
21 本体
701 吸込み口
702 吹出し口
22 凹部
221 上板部
222 下板部
225 開口部
223 側板部
224 中板部
231 開口部
232 背板部
233 ダクト
234 ルーバー
235 操作パネル
24 前面パネル
25 トレイ
236 底部
251 隔壁
252 凹部
26 タンク
261 給水口
3 ファン
4 加湿フィルタ
5 空気清浄フィルタ
51 第1フィルタ
52 第2フィルタ
6 仕切り部
27 保持部
271 スリット
7 吸気経路
71 主経路
711 第1仕切空間
712 第2仕切空間
731 第1分岐経路
732 第2分岐経路
721 第1分岐口
7210 格子
722 第2分岐口
図1
図2
図3
図4