(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】集計装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20231206BHJP
【FI】
G06Q10/04
(21)【出願番号】P 2020063562
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2022-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】泉澤 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】勝間田 優樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 もとこ
(72)【発明者】
【氏名】山田 曉
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-207095(JP,A)
【文献】特開2003-076841(JP,A)
【文献】特開2015-106297(JP,A)
【文献】特開2018-106465(JP,A)
【文献】特開2019-158649(JP,A)
【文献】特開2014-191681(JP,A)
【文献】特開2014-106756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末のユーザの移動状態の変化に関する情報を集計する集計装置であって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記ユーザ端末に移動状態の変化を促すメッセージ
として、乗り換え元交通機関から乗り換え先交通機関への乗り換えを促すメッセージを送信し、
前記メッセージの送信に応じた前記ユーザの移動状態の変化の種別
として、前記乗り換え元交通機関から前記乗り換え先交通機関への乗り換えの有無を、前記ユーザ端末に関する位置情報を基に特定し、
特定された前記ユーザの移動状態の変化の種別に該当する前記ユーザの属性の傾向を、前記ユーザの属性に関する情報を用いて集計し、
集計された前記傾向を出力する、
集計装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記ユーザの移動状態の変化の種別として、前記ユーザの利用する交通機関の変化を特定する、
請求項1に記載の集計装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記ユーザの移動状態の変化の種別を、前記ユーザの移動速度の変化から特定する、
請求項1又は2に記載の集計装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記ユーザの移動状態の変化の種別に該当する前記ユーザの年齢あるいは性別の傾向を集計する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の集計装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記ユーザの移動状態の変化の種別に該当する前記ユーザのサービス利用実績の傾向を集計する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の集計装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記ユーザ端末に関する位置情報を基に特定のエリア内に位置する前記ユーザ端末を抽出し、
抽出された前記ユーザ端末に前記メッセージを送信する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の集計装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、ユーザの移動状態の変化を集計する集計装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、行動経済学の理論に基づいて、人間の心理に働きかけることで人々の行動変容を促すナッジと呼ばれる手法が活用されている。このような手法を利用すべく、通信ネットワークを介してユーザの端末にメッセージを送信するといったことも検討されている。
【0003】
一方、ユーザの行動情報を用いて行動の基礎的分析及び応用的分析を行うシステムが知られている(下記特許文献1参照。)。このシステムによれば、ユーザの行動情報の量又は利用状況から提供者の情報提供の貢献度が決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来のシステムによっては、メッセージの送信によって人々の移動状態の変化を促す際に、どのような属性のユーザがナッジの手法による介入を受けやすいか否かを予測することは困難な傾向にある。
【0006】
そこで、上述の課題を解決するために、メッセージの送信に応じた移動状態の変化の促進度に関するユーザの属性の傾向を予測することが可能な集計装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の集計装置は、ユーザ端末のユーザの移動状態の変化に関する情報を集計する集計装置であって、少なくとも1つのプロセッサを備え、少なくとも1つのプロセッサが、ユーザ端末に移動状態の変化を促すメッセージを送信し、メッセージの送信に応じたユーザの移動状態の変化の種別を、ユーザ端末に関する位置情報を基に特定し、特定されたユーザの移動状態の変化の種別に該当するユーザの属性の傾向を、ユーザの属性に関する情報を用いて集計し、集計された傾向を出力する。
【0008】
本実施形態によれば、ユーザ端末に対するメッセージの送信に応じた当該ユーザ端末のユーザの移動状態の変化の種別が特定され、複数のユーザに関する特定結果が当該複数のユーザの属性に関する情報を用いて集計されることにより、移動状態の変化の種別に該当するユーザの属性の傾向が出力される。これにより、メッセージの送信による行動状態の変化の促進度に関するユーザの属性の傾向を予測することができる。なお、ここでいう「ユーザの属性」とは、広くユーザの性質、特徴のことを意味し、いわゆる、人の性別、年齢等の生物学的な特徴には限定されず、利用サービス、利用商品等の社会的関係についての特徴、居住地、勤務地、通学場所等の地理的関係についての特徴、あるいは、能力、性格等の精神的な特徴をも含む概念である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、メッセージの送信に応じた移動状態の変化の促進度に関するユーザの属性の傾向を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態にかかるメッセージ配信システム1の構成を示すシステム構成図である。
【
図2】データ管理装置5に格納された位置情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図3】データ管理装置5に格納された交通経路情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図4】データ管理装置5に格納されたユーザ属性情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図5】データ管理装置5に格納されたユーザ属性情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】データ管理装置5に格納された施設情報のデータ構成の一例を示す図である。
【
図7】集計装置3による通知メッセージ配信処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】集計装置3によって出力される集計結果の画面出力のイメージを示す図である。
【
図9】本開示の一実施の形態に係る集計装置3及びデータ管理装置5のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0012】
図1は、本実施形態にかかるメッセージ配信システム1の構成を示すシステム構成図である。メッセージ配信システム1は、ユーザ端末Tのユーザに行動変容を促すための通知メッセージを配信するコンピュータシステムである。一例として、メッセージ配信システム1は、複数のユーザ端末Tに対してユーザの移動状態の変化を促すメッセージを配信する。
【0013】
図1に示すように、メッセージ配信システム1は、集計装置3とデータ管理装置5とを備えている。集計装置3は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークを介してデータ管理装置5との間でデータを送受信可能なように構成されるとともに、LAN、WAN、及び移動体通信ネットワーク等の通信ネットワークを介して複数のユーザ端末Tとの間でデータを送受信可能なように構成されている。通知メッセージの配信対象のユーザ端末Tは、ユーザによって使用されるスマートホン、タブレット端末、フィーチャーフォン、可搬型パーソナルコンピュータ等に代表される可搬型端末である。
【0014】
データ管理装置5は、集計装置3によって処理されるデータを格納するデータ格納装置(データベース装置)である。このデータ管理装置5は、ユーザ端末Tに関する位置情報を格納する位置情報格納部101、ユーザ端末Tのユーザの移動経路である交通経路に関する交通経路情報を格納する交通経路情報格納部102、ユーザ端末Tのユーザの属性に関するユーザ属性情報を格納するユーザ属性情報格納部103と、ユーザが訪問する施設に関する施設情報を格納する施設情報格納部104とを含む。データ管理装置5に格納される各種情報は、集計装置3等の装置、あるいは、交通事業者、通信事業者等のオペレータによって随時更新される。
【0015】
ここで、本実施形態における前提として、データ管理装置5に格納される位置情報は、随時(定期的なタイミング、あるいは、集計装置3によって通知メッセージが配信される前後のタイミング等で)、対象のユーザ端末Tから取得される位置情報によって更新されるものとする。例えば、ユーザ端末TにおけるGPS(Global Positioning System)等の測位機能によって取得される位置情報に基づいて更新される。また、ユーザ端末Tが在圏する移動体通信ネットワークのエリアに基づいて検出された位置情報に基づいて更新されてもよい。
【0016】
また、集計装置3は、ユーザ端末Tのユーザの移動状態の変化に関する情報を集計する装置であり、機能的な構成要素として、エリア決定部201、メッセージ送信部202、情報収集部203、行動情報判断部204、移動傾向予測部205、及び出力部206を含んでいる。以下、各構成要素の機能について説明する。
【0017】
エリア決定部201は、通知メッセージの配信対象のエリア、及びそのエリア内に位置する配信対象のユーザを決定する。すなわち、エリア決定部201は、データ管理装置5に格納されている位置情報及び交通経路情報を参照し、それらの情報に基づいて、配信対象のエリア及び配信対象のユーザを決定する。
【0018】
図2には、データ管理装置5に格納された位置情報のデータ構成の一例を示し、
図3には、データ管理装置5に格納された交通経路情報のデータ構成の一例を示している。
【0019】
このように、位置情報には、ユーザ端末Tのユーザを識別するユーザ識別子と、そのユーザの年齢、性別、居住地、勤務地等の属性を示す情報と、そのユーザの位置情報に対応する現在地と、現在のユーザの目的地と、そのユーザの現在利用している交通機関を識別する利用交通機関識別子とが、関連付けられて格納されている。位置情報に含まれる目的地は、集計装置3によって、現在地、利用交通機関、勤務地等を基に随時推定されて記録されてもよいし、集計装置3によってユーザ端末Tのユーザに関するスケジュール情報を基に随時推定されて記録されてもよい。また、位置情報に含まれる利用交通機関識別子は、集計装置3によって、現在地及びユーザ端末Tの移動速度から推定されて記録される。詳細には、現在地が交通機関の区間に対応する特定のエリア内に位置し、かつ、移動速度がその交通機関に対応する範囲にあるかを判断することによって利用交通機関が推定されうる。ユーザ端末Tの移動速度は、ユーザ端末Tの位置情報の時間的変化から計算することができる。
【0020】
また、交通経路情報には、ユーザの利用する交通機関に関する情報が含まれており、交通機関を識別する交通機関識別子と、交通機関の種別、交通機関の名称、交通機関の区間、料金、交通機関の乗車率、及び、その交通機関を利用中のユーザを識別する在圏ユーザ識別子とが、関連付けて記憶されている。この在圏ユーザ識別子は、集計装置3によって、位置情報から当該交通機関を利用中のユーザの識別子を抽出することによって生成され、乗車率は、集計装置3によって、抽出したユーザの数を基に随時推定されて記録される。
【0021】
エリア決定部201は、上記の交通経路情報を参照し、乗車率が所定の乗車率(例えば、150%)よりも上昇している交通機関を乗り換え元交通機関として決定し、決定した乗り換え元交通機関の区間を配信対象のエリアと決定する。それとともに、エリア決定部201は、配信対象のエリアに近似するエリアの他の交通機関を交通経路情報の中から検索し、検索した交通経路情報に含まれる乗車率が所定の乗車率(例えば、60%)よりも低い交通機関を乗り換え先交通機関として決定する。ここでは、乗車率を基に、乗り換え元交通機関、配信対象のエリア、及び乗り換え先交通機関を決定しているが、交通機関に関する他の情報(運行情報等)を基に決定してもよい。さらに、エリア決定部201は、乗り換え元交通機関を利用中のユーザを位置情報の中から抽出し、抽出したユーザを配信対象のユーザとして決定する。例えば、
図3の例によれば、乗り換え元交通機関として、名称“XX線”、種別“鉄道”の交通機関が決定され、乗り換え先交通機関として、名称“YYバス”種別“バス”の交通機関が決定され、配信対象のユーザとして、識別子“3,6,4,11,…”で識別されるユーザが決定される。
【0022】
メッセージ送信部202は、エリア決定部201によって決定された配信対象のユーザに送信する通知メッセージを、乗り換え元交通機関に関する交通経路情報と、乗り換え先交通機関に関する交通経路情報とを基に生成する。すなわち、メッセージ送信部202は、ユーザに対して、移動状態の変化として、乗り換え元交通機関から乗り換え先交通機関への乗り換えを促すような通知メッセージを生成する。例えば、このような通知メッセージとしては、集計装置3のオペレータが予め任意に設定することができ、「バスに乗り換えると混雑を回避でできます」、「バスに乗り換えないと混雑に直前します」等の通知メッセージが生成される。そして、メッセージ送信部202は、生成した通知メッセージを配信対象のユーザのユーザ端末Tに向けて送信する。
【0023】
情報収集部203は、通知メッセージの送信前後において、通知メッセージの送信先の複数のユーザ端末Tに関するそれぞれの位置情報を、データ管理装置5から収集する。それぞれの位置情報には、配信対象のユーザの送信前後の位置が反映されている。通知メッセージの送信後における位置情報は、ユーザ端末Tが通知メッセージの受信確認を集計装置3に返した後の位置を反映したものであることが好ましい。また、情報収集部203は、通知メッセージの送信先の複数のユーザ端末Tに関するユーザ属性情報、及び施設情報をデータ管理装置5から取得する。
【0024】
図4及び
図5には、データ管理装置5に格納されたユーザ属性情報のデータ構成の一例を示し、
図6には、データ管理装置5に格納された施設情報のデータ構成の一例を示している。
【0025】
図4に示すユーザ属性情報には、属性として、ユーザの利用するサービスの傾向、あるいはユーザの訪問する施設の傾向が記憶されており、ユーザ識別子に対して、年齢、性別、サービス利用情報、及び施設訪問情報が関連付けて記憶されている。このサービス利用情報は、サービスを識別する識別子とそのサービスの利用頻度とを含む情報であり、施設訪問情報は、施設を識別する識別子とその施設の訪問頻度とを含む情報である。また、
図5に示すユーザ属性情報は、ユーザから収集された属性に関するアンケート情報を記憶しており、ユーザ識別子に対して、年齢、性別、及びアンケート情報が関連付けて記憶されている。このアンケート情報には、アンケートの回答対象の質問を識別する識別子と、アンケートの回答内容とが含まれる。
図6に示す施設情報は、施設識別子で識別される各施設の種別を記憶する情報である。
【0026】
行動情報判断部204は、配信対象の複数のユーザのそれぞれを対象に、移動状態の変化、具体的には、交通機関の乗り換えの種別に関する行動情報を判断する。具体的には、行動情報判断部204は、通知メッセージの送信前後におけるユーザの位置情報を参照し、利用交通機関の変化が乗り換え元交通機関から乗り換え先交通機関に変更されているか否かを判断する。行動情報判断部204は、判断の結果、乗り換え元交通機関から乗り換え先交通機関に変更されている場合には、種別“乗り換え有り”と判断し、乗り換え元交通機関から乗り換え先交通機関に変更されていない場合には、種別“乗り換え無し”と判断する。このとき、行動情報判断部204は、単に、乗り換え元交通機関から他の交通機関に変更されているか否かを判断してもよいし、乗り換え元交通機関から乗り換え先交通機関と同じ種別の交通機関に変更されているか否かを判断してもよい。
【0027】
移動傾向予測部205は、行動情報判断部204によって判断された種別毎に、その種別に該当するユーザの属性の傾向を、情報収集部203によって取得されたユーザ属性情報及び施設情報を基に集計する。すなわち、種別に該当する複数のユーザの属性情報を抽出し、その属性情報を複数の群にグルーピングして、群毎のユーザ数を集計する。また、移動傾向予測部205は、グルーピングした群毎の属性情報の共通事項を特定する。さらに、移動傾向予測部205は、交通機関の乗り換えの種別毎の各群の集計結果を、各群の共通事項とリンク付けした処理結果として生成する。
【0028】
例えば、移動傾向予測部205は、属性情報を、年齢、性別によってグルーピングしてもよい。このような例としては、年齢層によってグルーピングすることが想定される。また、特定のサービスの利用実績、あるいは、特定の施設の訪問実績によってグルーピングしてもよい。このような例としては、病院の訪問頻度の大小によってグルーピングすることが想定される。
【0029】
出力部206は、移動傾向予測部205によって生成された処理結果を出力する。このとき、出力部206は、オペレータの要求に応じて、あるいは、能動的に、ネットワークを介して外部に画像データ等に変換して処理結果を出力してもよいし、テキストデータ等に変換して出力してもよい。
【0030】
次に、このように構成された集計装置3の処理について説明する。
図7は、集計装置3による通知メッセージ配信処理の手順を示すフローチャートである。
【0031】
図7に示されるとおり、エリア決定部201により、データ管理装置5に格納されている位置情報及び交通経路情報が参照されて、配信対象のエリア、及び配信対象のユーザが決定される(ステップS101)。次に、メッセージ送信部202によって、エリア決定部201によって決定された乗り換え元交通機関及び乗り換え先交通機関を基に、ユーザに乗り換えを促すための通知メッセージが生成される(ステップS102)。そして、メッセージ送信部202によって、配信対象のユーザのユーザ端末Tに向けて通知メッセージが送信される(ステップS103)。
【0032】
その後、通知メッセージの送信処理に対応して、情報収集部203により、送信処理の前後における配信対象のユーザのユーザ端末Tに関する位置情報が、データ管理装置5から収集されるとともに、配信対象のユーザに関するユーザ属性情報及び施設情報が、データ管理装置5から取得される(ステップS104)。
【0033】
さらに、行動情報判断部204により、配信対象の複数のユーザのそれぞれを対象に、移動状態の変化の種別として、交通機関の乗り換えの種別に関する行動情報が判断される(ステップS105)。この行動情報としては、例えば、乗り換え元交通機関から乗り換え先交通機関に乗り換えたか否かの種別を示す情報が生成される。
【0034】
次に、移動傾向予測部205により、行動情報判断部204によって判断された種別毎に、その種別に該当する複数のユーザの属性情報が参照される(ステップS106)。その後、移動傾向予測部205により、行動情報判断部204によって判断された種別毎に、複数のユーザの属性情報が複数の群にグルーピングされる(ステップS107)。例えば、このような群としては、年齢あるいは性別によって分けられる群、サービス利用頻度あるいは施設訪問頻度によって分けられる群等が例示される。さらに、移動傾向予測部205により、行動情報判断部204によって判断された種別毎に、属性情報の群毎にユーザ数が集計されて、種別ごとの属性の傾向を示す集計データが生成される(ステップS108)。最後に、出力部206により、移動傾向予測部205による集計結果が処理結果として出力される(ステップS109)。
【0035】
図8には、集計装置3によって出力される集計結果を含む画面出力のイメージを示している。この例に示すように、集計装置3よって、出力画面上に、配信対象のエリアを示す情報「対象エリア:横浜駅-羽田空港間」を表示する部分P1と、集計対象のユーザの条件を示す乗り換え元交通機関及び乗り換え先交通機関を示す情報「集計内容:XX線からYYバスへの乗り換えを実施したユーザを集計」を表示する部分P2とが、集計結果を示す部分P3,P4に併せて出力される。表示部分P3には、異なる通知メッセージを配信した際の“乗り換え有り”及び“乗り換え無し”の種別ごとのユーザの比率が表示される。また、表示部分P4には、表示部分P3に表示された種別毎にユーザの属性の群毎の比率が円グラフ形式等によって表示される。例えば、通知メッセージとして「バスに乗り換えないと混雑に直面します」という内容を配信した際の“乗り換え有り”の種別に関しては、病院の訪問頻度が比較的高いユーザの群の比率が高いことが示されている。また、表示部分P4には、ユーザの群の共通事項として、属性情報に含むアンケート情報から特定された「ネガティブな印象を持つ内容に影響を受ける」という事項が併せて表示される。
【0036】
つぎに、本実施形態の集計装置3の作用効果について説明する。このメッセージ配信システム1によれば、ユーザ端末Tに対する通知メッセージの送信に応じた当該ユーザ端末Tのユーザの移動状態の変化の種別が特定され、複数のユーザに関する特定結果が当該複数のユーザの属性に関する情報を用いて集計されることにより、移動状態の変化の種別に該当するユーザの属性の傾向が出力される。これにより、通知メッセージの送信による行動状態の変化の促進度に関するユーザの属性の傾向を予測することができる。例えば、本実施形態によれば、どのような属性のユーザがナッジの手法による介入を受けやすいのか、あるいは受けにくいのかを予測することができる。
【0037】
また、本実施形態では、ユーザの移動状態の変化の種別として、ユーザの利用する交通機関の変化を特定している。このようにすれば、通知メッセージの送信に応じたユーザの利用する交通機関の変化の促進度に関するユーザの属性の傾向を予測することができる。具体的に言えば、電車からバスへの乗り換えを促す通知メッセージに対して、病院に高頻度で訪れるユーザは、ネガティブな印象を持つメッセージの内容に影響を受けやすく行動変容を起こしやすい傾向にある、といった情報を得ることができる。
【0038】
また、本実施形態では、ユーザの移動状態の変化の種別を、ユーザの移動速度の変化から特定している。こうすれば、ユーザの移動状態の変化として、異なる移動形態(例えば、電車に乗車、バスに乗車、乗り換えのために停止中等)間の変化の種別を、簡易かつ確実に特定できる。
【0039】
また、本実施形態では、ユーザの移動状態の変化の種別に該当するユーザの年齢あるいは性別の傾向を集計している。このようにすれば、メッセージの送信に応じた移動状態の変化の促進度に関するユーザの年齢あるいは性別における傾向を予測することができる。その結果、例えば、若い年代の男性がメッセージに促されやすいといった傾向を知ることができる。
【0040】
また、本実施形態では、ユーザの移動状態の変化の種別に該当するユーザのサービス利用実績の傾向を集計している。このような構成により、メッセージの送信に応じた移動状態の変化の促進度に関するユーザのサービス利用実績における傾向を予測することができる。その結果、例えば、医療サービス、保険サービス等の利用状況毎のメッセージによる促進度を知ることができる。
【0041】
また、本実施形態では、ユーザ端末Tに関する位置情報を基に特定のエリア内に位置するユーザ端末Tを抽出し、抽出されたユーザ端末Tにメッセージを送信している。このような機能により、特定のエリアに位置するユーザに移動状態の変化を促進することができる。その結果、例えば、渋滞度の高いと想定されるエリアの渋滞度を低減する、混雑度の高い区間の交通機関の混雑度を解消させる、といった効果を得ることができる。
【0042】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0043】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0044】
例えば、本開示の一実施の形態における集計装置3及びデータ管理装置5は、本開示の通知メッセージ配信処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図9は、本開示の一実施の形態に係る集計装置3及びデータ管理装置5のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の集計装置3及びデータ管理装置5は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0045】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。集計装置3及びデータ管理装置5のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0046】
集計装置3及びデータ管理装置5における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0047】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述のエリア決定部201、メッセージ送信部202、情報収集部203、行動情報判断部204、移動傾向予測部205、及び出力部206などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0048】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、エリア決定部201、メッセージ送信部202、情報収集部203、行動情報判断部204、移動傾向予測部205、及び出力部206は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0049】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る通知メッセージ配信処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0050】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0051】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の通知メッセージを送信するメッセージ送信部202などは、通信装置1004によって実現されてもよい。このメッセージ送信部202は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0052】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。例えば、上述の出力部206などは、出力装置1006によって実現されてもよい。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0053】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0054】
また、集計装置3及びデータ管理装置5は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0055】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0056】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0057】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0058】
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0059】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0060】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0061】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0062】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0063】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0064】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0065】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0066】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0067】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0068】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0069】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0070】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0071】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0072】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0073】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0074】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0075】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…メッセージ配信システム、3…集計装置、5…データ管理装置、101…位置情報格納部、102…交通経路情報格納部、103…ユーザ属性情報格納部、104…施設情報格納部、201…エリア決定部、202…メッセージ送信部、203…情報収集部、204…行動情報判断部、205…移動傾向予測部、206…出力部、1001…プロセッサ、T…ユーザ端末。