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特許7397745メッセージングが組み込まれたRF PNTシステムおよび関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】メッセージングが組み込まれたRF PNTシステムおよび関連する方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/10 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
G01S5/10 C
【請求項の数】 28
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020072017
(22)【出願日】2020-04-14
(65)【公開番号】P2020177019
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-04-14
(31)【優先権主張番号】16/383,789
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520120075
【氏名又は名称】イーグル・テクノロジー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】フランシス・イー・パルシェ
(72)【発明者】
【氏名】エミル・ジー・スヴァティク
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・シー・アダムス,ジュニア
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-529345(JP,A)
【文献】米国特許第04821038(US,A)
【文献】米国特許第04377866(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0356529(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S5/00-5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数(RF)精密ナビゲーションおよびタイミング(PNT)システムであって、
複数のLOng RAnge Navigation(LORAN)局を備え、
各前記LORAN局が、
LORANアンテナと、
前記LORANアンテナに結合されたLORAN送信機であって、グループ繰返し間隔(GRI)内にあり、隣接するLORAN PNT RFパルス間の時間間隔を有する一連のLORAN PNT RFパルスを送信するように構成され、前記GRI内の時間間隔が、時分割多重アクセス(TDMA)メッセージング方式におけるタイムスロットを定義する、LORAN送信機と、
を備え、
前記複数のLORAN局が第1のグループの前記複数のLORAN局を含み、それぞれが前記LORAN送信機に結合されたメッセージ埋め込みジェネレータを備え、該メッセージ埋め込みジェネレータが、
入力メッセージに基づいて暗号化メッセージを生成し、
前記暗号化メッセージに基づく複数のメッセージRFバーストを生成することにより、前記暗号化メッセージを変調し、各前記メッセージRFバーストがそれぞれの隣接する前記LORAN PNT RFパルス間の前記タイムスロットにあり、前記一連のLORAN PNT RFパルスを擬似ランダム化することによって、前記隣接する前記LORAN PNT RFパルス間の時間間隔が疑似ランダム化されており、
前記第1のグループのLORAN局が、互いに同期した構成で前記複数のメッセージRFバーストを送信するように構成される、RF PNTシステム。
【請求項2】
前記メッセージ埋め込みジェネレータが、前記一連のLORAN PNT RFパルスとは無相関であるように前記複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている、請求項1に記載のRF PNTシステム。
【請求項3】
各前記LORAN送信機が、前記GRIで8つのLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されており、前記メッセージ埋め込みジェネレータが、前記GRIに基づく固定フレーム配置を使用して、前記複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている、請求項1に記載のRF PNTシステム。
【請求項4】
各前記LORAN送信機が、前記GRIで8つのLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されており、前記メッセージ埋め込みジェネレータが、前記GRIに基づく適応フレーム配置を使用して、前記複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている、請求項1に記載のRF PNTシステム。
【請求項5】
前記メッセージ埋め込みジェネレータが、直交位相シフトキーイング変調を使用して前記複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている、請求項1に記載のRF PNTシステム。
【請求項6】
前記複数のLORAN局が、メッセージソースからの前記入力メッセージを、前記複数のメッセージRFバーストに変調されるように前記第1のグループのLORAN局に中継するように構成された第2のグループのLORAN局を備える、請求項1に記載のRF PNTシステム。
【請求項7】
前記第1のグループのLORAN局が、前記メッセージソースに確認メッセージを返信するように構成されている、請求項6に記載のRF PNTシステム。
【請求項8】
前記メッセージ埋め込みジェネレータが、ルーティングプリアンブル、メッセージタイププリアンブル、暗号化コードセグメント、応答または非応答命令、メッセージソースからの入力メッセージに基づくデジタル符号化されたメッセージ、およびメッセージビットのチェックサムと巡回冗長検査(CRC)とのうちの少なくとも1つを含むメッセージフォーマットに基づいて、前記複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている、請求項1に記載のRF PNTシステム。
【請求項9】
少なくとも前記複数のメッセージRFバーストを受信するように構成された受信デバイスをさらに備える、請求項1に記載のRF PNTシステム。
【請求項10】
前記受信デバイスが、また、前記一連のLORAN PNT RFパルスを受信するようにも構成されている、請求項9に記載のRF PNTシステム。
【請求項11】
複数のLOng RAnge Navigation(LORAN)局のうちの第1グループにおけるLORAN局であって、
グループ繰返し間隔(GRI)内にあり、隣接するLORAN PNT RFパルス間の時間間隔を有する一連のLORAN高精度ナビゲーションおよびタイミング(PNT)RFパルスを送信するように構成されたLORAN送信機であって、
前記GRI内の時間間隔が、時分割多重アクセス(TDMA)メッセージング方式におけるタイムスロットを定義する、LORAN送信機と、
前記LORAN送信機に結合されたメッセージ埋め込みジェネレータであって、
入力メッセージに基づく暗号化メッセージを生成し、
前記暗号化メッセージに基づく複数のメッセージRFバーストを生成することにより、前記暗号化メッセージを変調し、各前記メッセージRFバーストが、それぞれの隣接する前記LORAN PNT RFパルス間の前記タイムスロットにあり、前記一連のLORAN PNT RFパルスを擬似ランダム化することによって、前記隣接する前記LORAN PNT RFパルス間の時間間隔が疑似ランダム化されている、
ように構成される、メッセージ埋め込みジェネレータと、
を備え、
前記第1のグループのLORAN局が、互いに同期した構成で前記複数のメッセージRFバーストを送信するように構成される、LORAN局。
【請求項12】
前記メッセージ埋め込みジェネレータが、前記一連のLORAN PNT RFパルスとは無相関であるように前記複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている、請求項11に記載のLORAN局。
【請求項13】
前記LORAN送信機が、前記GRIで8つのLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されており、前記メッセージ埋め込みジェネレータが、前記GRIに基づく固定フレーム配置を使用して、前記複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている、請求項11に記載のLORAN局。
【請求項14】
前記LORAN送信機が、前記GRIで8つのLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されており、前記メッセージ埋め込みジェネレータが、前記GRIに基づく適応フレーム配置を使用して、前記複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている、請求項11に記載のLORAN局。
【請求項15】
前記メッセージ埋め込みジェネレータが、直交位相シフトキーイング変調を使用して、前記複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている、請求項11に記載のLORAN局。
【請求項16】
LOng RAnge Navigation(LORAN)受信デバイスであって、LORAN局とともに使用され、
前記LORAN局が、
グループ繰返し間隔(GRI)内にあり、隣接するLORAN PNT RFパルス間の時間間隔を有する一連のLORAN高精度ナビゲーションおよびタイミング(PNT)RFパルスを送信するように構成されたLORAN送信機であって、前記GRI内の時間間隔が、時分割多重アクセス(TDMA)メッセージング方式におけるタイムスロットを定義するLORAN送信機と、
前記LORAN送信機に結合され、入力メッセージに基づいて暗号化メッセージを生成し、前記暗号化メッセージに基づく複数のメッセージRFバーストを生成することにより、前記暗号化メッセージを変調するように構成されたメッセージ埋め込みジェネレータであって、各前記メッセージRFバーストが、それぞれの隣接する前記LORAN PNT RFパルス間の前記タイムスロットにある、メッセージ埋め込みジェネレータと、
を備え、
前記LORAN局が、第1のグループの前記LORAN局で同期した構成で前記複数のメッセージRFバーストを送信するように構成され、
当該LORAN受信デバイスが、
LORAN受信アンテナと、
前記LORANアンテナに結合され、それぞれの隣接する前記LORAN PNT RFパルス間の前記時間間隔を有する前記一連のLORAN PNT RFパルスを回復するように構成された、LORAN受信機回路と、
前記LORAN受信機回路に結合され、前記暗号化メッセージを復号化すると共に前記複数のメッセージRFバーストからの前記入力メッセージを復元するように構成された、メッセージ復元回路であって、各メッセージRFバーストが、それぞれの隣接する前記LORAN PNT RFパルス間の前記タイムスロットにあり、前記一連のLORAN PNT RFパルスを擬似ランダム化することによって、前記隣接する前記LORAN PNT RFパルス間の時間間隔が疑似ランダム化されている、メッセージ復元回路と、
を備える、LORAN受信デバイス。
【請求項17】
前記複数のメッセージRFバーストが、前記一連のLORAN PNT RFパルスとは無相関である、請求項16に記載のLORAN受信デバイス。
【請求項18】
前記メッセージ復元回路が、直交位相シフトキーイング変調を使用して、前記複数のメッセージRFバーストを復調するように構成されている、請求項16に記載のLORAN受信デバイス。
【請求項19】
無線周波数(RF)精密ナビゲーションおよびタイミング(PNT)並びにメッセージングの方法であって、
複数のLOng RAnge Navigation(LORAN)局を動作させるステップであって、各前記LORAN局が、
LORANアンテナと、
前記LORANアンテナに結合されたLORAN送信機であって、グループ繰返し間隔(GRI)内にあり、それぞれの隣接するLORAN PNT RFパルス間の時間間隔を有する一連のLORAN PNT RFパルスを送信するように構成され、前記GRI内の時間間隔が、時分割多重アクセス(TDMA)メッセージング方式におけるタイムスロットを定義する、LORAN送信機と、
を備える、ステップと、
第1のグループの前記複数のLORAN局を動作させるステップであって、各前記LORAN局が、前記LORAN送信機に結合されたメッセージ埋め込みジェネレータを備え、該メッセージ埋め込みジェネレータが、
入力メッセージに基づいて暗号化メッセージを生成し、
前記暗号化メッセージに基づく複数のメッセージRFバーストを生成することにより、前記暗号化メッセージを変調し、各前記メッセージRFバーストがそれぞれの隣接する前記LORAN PNT RFパルス間の前記タイムスロットにあり、前記一連のLORAN PNT RFパルスを擬似ランダム化することによって、前記隣接する前記LORAN PNT RFパルス間の時間間隔が疑似ランダム化されている、
ステップと、
前記第1のグループのLORAN局を、互いに同期した構成で前記複数のメッセージRFバーストを送信するように動作させるステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記メッセージ埋め込みジェネレータが、前記一連のLORAN PNT RFパルスとは無相関であるように前記複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
各前記LORAN送信機が、前記GRIで8つのLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されており、前記メッセージ埋め込みジェネレータが、前記GRIに基づく固定フレーム配置を使用して、前記複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
各前記LORAN送信機が、前記GRIで8つのLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されており、前記メッセージ埋め込みジェネレータが、前記GRIに基づく適応フレーム配置を使用して、前記複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記複数のLORAN局を動作させるステップが、メッセージソースからの前記入力メッセージを、前記複数のメッセージRFバーストに変調されるように前記第1のグループのLORAN局に中継するように構成された第2のグループのLORAN局を動作させることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも前記複数のメッセージRFバーストを受信するように受信デバイスを動作させるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記一連のLORAN PNT RFパルスをも受信するように前記受信デバイスを動作させるステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記複数のメッセージRFバーストを、前記一連のLORAN PNT RFパルスと組み合わせるように構成されたタイミングモジュールをさらに備える、請求項1に記載のRF PNTシステム。
【請求項27】
前記複数のメッセージRFバーストを、前記一連のLORAN PNT RFパルスと組み合わせるように構成されたタイミングモジュールをさらに備える、請求項11に記載のLORAN局。
【請求項28】
前記複数のメッセージRFバーストを、前記一連のLORAN PNT RFパルスと組み合わせるように構成されたタイミングモジュールを動作させるステップをさらに備える、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、精密ナビゲーションおよびタイミング(PNT)システムの分野に関し、より詳細には、PNTシステム内に埋め込まれた双方向通信システムおよび関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 全地球測位システム(GPS)などの衛星系PNTシステムの台頭に伴い、eLORANなどの地上系PNTシステムへの開発または投資は、最近までほとんどされてこなかった。衛星系PNTシステムの予備として、このようなシステムへの関心が新たに高まっており、特に、これは、低周波数のeLORAN信号は、比較的高い周波数のGPS信号に比べて電波妨害やスプーフィングの影響を受けにくいためである。したがって、特定のアプリケーションでは、eLORANシステムなどの地上系PNTシステムのさらなる開発が望ましい場合がある。
【0003】
[0003] いくつかのアプリケーションでは、eLORANシステムに低データレートの低データチャネル(LDC)が含まれており、これは、eLORANカバレッジエリアの複数の基準局から収集された動的な追加二次因子(ASF)補正をブロードキャストするために使用される。これらのアプリケーションでは、ユーザは6~20m(95%信頼度)の位置精度を提供され、ユーザは、更新されたASF補正値をタイムリーに受信できる(つまり、約2~5分の更新率)と想定している。LDCには、ASF補正値のブロードキャストに加えて、ユーザが受信する短い一方向のブロードキャストメッセージを含めることもできる。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 一般に、RF PNTシステムは、複数のLORAN局を含み得る。各LORAN局は、LORANアンテナと、(LORANアンテナに結合され)隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔を有する一連のLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されたLORAN送信機と、を含み得る。複数のLORAN局のうちの少なくとも1つは、LORAN送信機に結合され、入力メッセージに基づく、かつ各メッセージRFバーストがそれぞれの隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔にある、複数のメッセージRFバーストを生成するように構成された、メッセージ埋め込みジェネレータを含み得る。
【0005】
[0005] これに加えて、メッセージ埋め込みジェネレータは、一連のLORAN PNT RFパルスとは無相関であるように複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されてもよい。各LORAN送信機は、グループ繰返し間隔(GRI)で8つのLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されてもよく、メッセージ埋め込みジェネレータは、GRIに基づく固定フレーム配置を使用して複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されてもよい。
【0006】
[0006] また、一般に、各LORAN送信機は、GRIで8つのLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されてもよく、メッセージ埋め込みジェネレータは、GRIに基づく適応フレーム配置を使用して複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されてもよい。メッセージ埋め込みジェネレータは、直交位相シフトキーイング変調を使用して複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されてもよい。
【0007】
[0007] 複数のLORAN局のうちの少なくとも1つは、互いに同期した構成で複数のメッセージRFバーストを送信するように構成された第1のグループのLORAN局を含んでもよい。複数のLORAN局は、メッセージソースからの入力メッセージを、複数のメッセージRFバーストに変調されるように第1のグループのLORAN局に中継するように構成された第2のグループのLORAN局を備えてもよい。第1のグループのLORAN局は、メッセージソースに確認メッセージを返信するように構成されてもよい。
【0008】
[0008] その上、メッセージ埋め込みジェネレータは、入力メッセージに基づく暗号化メッセージを生成し、暗号化メッセージに基づく複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されてもよい。メッセージ埋め込みジェネレータは、ルーティングプリアンブル、メッセージタイププリアンブル、暗号化コードセグメント、応答または非応答命令、メッセージソースからの入力メッセージに基づくデジタル符号化されたメッセージ、およびメッセージビットのチェックサムと巡回冗長検査(CRC)とのうちの少なくとも一方を含むメッセージフォーマットに基づいて複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されてもよい。
【0009】
[0009] RF PNTシステムは、少なくとも複数のメッセージRFバーストを受信するように構成された受信デバイスをさらに備えてもよい。受信デバイスはまた、一連のLORAN PNT RFパルスを受信するように構成されてもよい。
【0010】
[0010] 別の態様は、LORAN局を対象とする。LORAN局は、隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔を有する一連のLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されたLORAN送信機と、LORAN送信機に結合されたメッセージ埋め込みジェネレータと、を含み得る。メッセージ埋め込みジェネレータは、入力メッセージに基づく、かつ各メッセージRFバーストがそれぞれの隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔にある、複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されてもよい。
【0011】
[0011] 別の態様は、LORAN局とともに使用されるLORAN受信デバイスを対象とする。LORAN局は、隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔を有する一連のLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されたLORAN送信機と、LORAN送信機に結合され、入力メッセージに基づく、かつ各メッセージRFバーストがそれぞれの隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔にある、複数のメッセージRFバーストを生成するように構成された、メッセージ埋め込みジェネレータと、を含み得る。LORAN受信デバイスは、LORAN受信アンテナと、LORANアンテナに結合され、それぞれの隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔を有する一連のLORAN PNT RFパルスを復元するように構成されたLORAN受信回路と、LORAN受信回路に結合され、各メッセージRFバーストがそれぞれの隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔にある複数のメッセージRFバーストから入力メッセージを復元するように構成されたメッセージ復元回路と、を含み得る。
【0012】
[0012] さらに別の態様は、RF PNTおよび通信メッセージングの方法を対象とする。この方法は、複数のLORAN局を動作させることを含むことができ、各LORAN局は、LORANアンテナと、LORANアンテナに結合され、それぞれの隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔を有する一連のLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されたLORAN送信機と、を備え得る。この方法はまた、LORAN送信機に結合され、入力メッセージに基づく、かつ各メッセージRFバーストがそれぞれの隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔にある、複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されたメッセージ埋め込みジェネレータを備える、複数のLORAN局のうちの少なくとも1つを動作させることを操作することを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来技術によるLORAN通信システムの概略図である。
図2図1のLORAN通信システムからのLORAN受信機である。
図3】本開示によるRF PNTシステムの概略図である。
図4図3のRF PNTシステムからのLORAN局の概略図である。
図5図3のRF PNTシステムからのLORAN局およびLORAN受信デバイスの例示的な実施形態の詳細な概略図である。
図6図3のRF PNTシステムにおけるフレーム構造の図である。
図7図3のRF PNTシステムからのLORAN受信デバイスにおける受信機チェーンの例示的な実施形態の概略図である。
図8図3のRF PNTシステムからの入力メッセージに基づく複数のメッセージRFバーストの例示的な実施形態の概略図である。
図9A図3のRF PNTシステムからの入力メッセージに基づく複数のメッセージRFバーストの例示的な実施形態の概略図である。
図9B図3のRF PNTシステムからの入力メッセージに基づく複数のメッセージRFバーストの例示的な実施形態の概略図である。
図9C図3のRF PNTシステムからの入力メッセージに基づく複数のメッセージRFバーストの例示的な実施形態の概略図である。
図10図3のRF PNTシステムからの入力メッセージに基づく複数のメッセージRFバーストの例示的な実施形態の概略図である。
図11図3のRF PNTシステムからの時分割多重アクセスへのメッセージング層GRI変換の例示的な実施形態の概略図である。
図12図3のRF PNTシステムからのルーティングされたパケットの例示的な実施形態の概略図である。
図13図3のRF PNTシステムの例示的な実施形態のスペクトル図である。
図14A図3のRF PNTシステムの例示的な実施形態のスペクトル整形を示す図である。
図14B図3のRF PNTシステムの例示的な実施形態のスペクトル整形を示す図である。
図15図3のRF PNTシステムの例示的な実施形態のスペクトル整形を示す図である。
図16図3のRF PNTシステムの例示的な実施形態のスペクトル整形を示す図である。
図17A図3のRF PNTシステムの例示的な実施形態について、パルス間に直交位相シフトキーイングバーストを追加することを示す図である。
図17B図3のRF PNTシステムの例示的な実施形態について、パルス間に直交位相シフトキーイングバーストを追加することを示す図である。
図18図3のRF PNTシステムの例示的な実施形態について、パルス間に16直交振幅変調バーストを追加することを示す図である。
図19図3のRF PNTシステムの例示的な実施形態について、それぞれのシステム性能測定基準を示す図である。
図20図3のRF PNTシステムの例示的な実施形態について、それぞれのシステム性能測定基準を示す図である。
図21図3のRF PNTシステムの例示的な実施形態について、それぞれのシステム性能測定基準を示す図である。
図22図3のRF PNTシステムの例示的な実施形態について、それぞれのシステム性能測定基準を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0028] 本発明のいくつかの実施形態が示されている添付図面を参照しながら、以下で本開示を詳説する。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で実現されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が詳細かつ完全な形で、また本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供されている。全体を通して、同じ番号は同じ要素を指し、100番台の参照番号は、代替の実施形態における同様の要素を示すために使用される。
【0015】
[0029] まず図1図3を参照して、本開示によるLORAN通信システム30についてここで説明する。LORAN PNTシステム30は、例示的に、LORANブロードキャスト信号を送信するように構成されたLORANブロードキャスト局31を含む。
【0016】
[0030] LORAN PNTシステム30の一部ではないが、複数のGPS衛星33a~33cが示されている。複数のGPS衛星33a~33cからのGPS信号の低電力および高周波数の性質により、それぞれのGPS信号は、自然および人工の干渉(例えば、なりすまし、妨害)に容易にさらされることを理解されたい。このため、本明細書で詳述されるように、LORAN PNTシステム30内に埋め込まれた双方向メッセージング通信機能を提供することが役立つ場合がある。
【0017】
[0031] LORAN PNTシステム30は、例示的に、複数の車両34a~34bおよび降車した個人(図示せず)を含む。複数の車両34a~34bおよび降車したユーザの各々は、例示的に、LORANブロードキャスト信号を受信して処理するように構成されたLORAN受信機35a~35bを含む。
【0018】
[0032] 各LORAN受信機35a~35bは、例示的に、アンテナ36と、アンテナ36に結合されたLORAN受信機回路37と、を含む。LORAN受信機35a~35bは、例示的に、LORAN受信機回路37に結合され、位置を決定し、LORANブロードキャスト信号に基づいてタイミングデータを提供するように構成されたプロセッサ38を含む。
【0019】
[0033] ここで図3~4を参照すると、本開示によるRF PNTシステム40がここで説明されている。
【0020】
[0034] RF PNTシステム40は、例示的に、複数のLORAN局41a~41gを備える。各LORAN局41a~41gは、例示的に、LORANアンテナ42(例えば、適切なサイズのLORANブロードキャスト塔)と、LORANアンテナに結合され、隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔を有する一連のLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されたLORAN送信機43と、を含む。RF PNTシステム40は、複数のLORAN通信規格、例えば、eLORAN、LORAN-A、LORAN-B、およびLORANーCうちの1つ以上を実装することができる。理解されるように、一連のLORAN PNT RFパルスは、位置/ロケーションデータを決定するためにLORANデバイスによって使用される。
【0021】
[0035] 複数のLORAN局41a~41gは、LORAN局のサブセットを備えることができる。このサブセット内で、各LORAN局41a~41gは、LORAN送信機43に結合され、隣接するLORAN局、ユーザの船、ユーザの地上の静止/モバイルプラットフォーム、または降車したユーザから受信した入力メッセージ46に基づく複数のメッセージRFバーストを生成するように構成された、メッセージ埋め込みジェネレータ44を含む。各メッセージRFバーストは、それぞれの隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔に配置される。ほとんどの実施形態では、各LORAN局41a~41gは、メッセージ埋め込みジェネレータ44と、入力メッセージ46を変調して送信する機能と、を含む。一連のLORAN PNT RFパルスの各々は、90~110kHzの周波数範囲内にあり得る。パルス信号は、100kHzの搬送周波数を含む。一連のLORAN PNT RFパルスは、1ms間隔を有する8パルスのグループを含み、グループの送信はGRIごとに繰り返される。
【0022】
[0036] これに加えて、メッセージ埋め込みジェネレータ44は、一連のLORAN PNT RFパルスとは無相関であるように複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている。各LORAN送信機43は、GRIで8つのLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されており、メッセージ埋め込みジェネレータ44は、GRIに基づく固定フレーム構成を使用して複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている。
【0023】
[0037] 例えば、複数のメッセージRFバーストの各々は、以下の標準/コード、M-ary直交振幅変調(M-QAM)(64-QAMなど)、最小シフトキーイング(MSK)、周波数シフトキーイング(FSK)、拡散周波数シフトキーイング(SFSK)、最も電力効率の高い変調である直交位相シフトキーイング(QPSK)またはガウス最小シフトキーイング(GMSK)、低密度パリティチェック(LDPC)コード、リードソロモン(RS)コード、または他の前方誤り訂正(FEC)コードのうちの1つ以上を使用して変調され、エラー訂正されてもよい。また、各LORAN送信機43は、GRIで8つのLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されており、メッセージ埋め込みジェネレータ44は、GRIに基づく適応フレーム構成を使用して複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている。メッセージ埋め込みジェネレータ44は、QPSK変調またはいくつかの他のタイプの変調(例えば、M-QAM、GMSK)を使用して複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている。
【0024】
[0038] 複数のLORAN局41a~41gは、例示的に、互いに同期した配置で複数のメッセージRFバーストを送信するように構成された第1のグループのLORAN局を含む。複数のLORAN局41a~41gは、例示的に、入力メッセージ46を、複数のメッセージRFバーストに変調されるようにメッセージソース45から第1のグループのLORAN局に中継するように構成された第2のグループのLORAN局(すなわち、編成された中継システム)を含む。換言すれば、第2のグループのLORAN局の各局は、メッセージ埋め込みジェネレータ44を含む。第2のグループのLORAN局のメッセージは、入力メッセージ46を復調し、次いで、その局の送信波形で入力メッセージを再変調する。
【0025】
[0039] 第1のグループのLORAN局は、メッセージソース45に確認メッセージ48を返信するように構成されている。有用にも、メッセージソース45は、RF PNTシステム40が入力メッセージ46を受信して中継したことを知っている。メッセージソース45は、航空機プラットフォームなどの移動車両プラットフォームを含み得る。
【0026】
[0040] その上、メッセージ埋め込みジェネレータ44は、入力メッセージ46に基づく暗号化メッセージを生成し、暗号化メッセージに基づく複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている。RF PNTシステム40は、例示的に、少なくとも複数のメッセージRFバーストを受信するように構成されたLORAN受信デバイス(258:図5)を備える。LORAN受信デバイス258は、一連のLORAN PNT RFパルスおよび埋め込まれたメッセージRFパルスを受信するように構成されている。
【0027】
[0041] 理解されるように、メッセージソース45は、RF PNTシステム40の範囲内のLORAN受信デバイスに入力メッセージ46を送信および中継することができる。複数のLORAN局41a~41gのブロードキャスト範囲および送信電力が与えられると、入力メッセージ46は、図示されたクロスカントリー範囲などの長距離にわたって中継され得る。
【0028】
[0042] 別の態様は、LORAN局41a~41gを対象とする。LORAN局41a~41gは、隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔を有する一連のLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されたLORAN送信機43と、LORAN送信機に結合されたメッセージ埋め込みジェネレータ44と、を含む。メッセージ埋め込みジェネレータ44は、入力メッセージ46に基づく、かつ各メッセージRFバーストがそれぞれの隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔にある、複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている。
【0029】
[0043] さらに別の態様は、RF(PNT)およびメッセージングの方法を対象とする。この方法は、複数のLORAN局41a~41gを動作させることを含む。各LORAN局41a~41gは、LORANアンテナ42と、LORANアンテナに結合され、それぞれの隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔を有する一連のLORAN PNT RFパルスを送信するように構成された、LORAN送信機43と、を備える。この方法はまた、LORAN送信機に結合され、入力メッセージ46に基づく、かつ各メッセージRFバーストがそれぞれの隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔にある、複数のメッセージRFバーストを生成するように構成された、メッセージ埋め込みジェネレータ44を備える、複数のLORAN局41a~41gのうちの少なくとも1つを動作させることを含む。
【0030】
[0044] ここで追加的に図5を参照し、LORAN局241aの別の実施形態についてここで説明する。本実施形態のLORAN装置241aでは、図1図4に関してすでに上記で説明した要素は200番台となり、ここでこれ以上説明する必要はないものとする。この実施形態は、このLORAN局241aが、例示的に、変調器/復調器モジュール245と、変調器/復調器モジュールと協働するメッセージプロセッサモジュール246と、メッセージプロセッサモジュールに結合された暗号化/復号化モジュール247と、暗号化/復号化モジュールに結合されたベースバンドスイッチルータ250と、を備えるメッセージ埋め込みジェネレータ244を含むという点で、前の実施形態とは異なる。
【0031】
[0045] メッセージ埋め込みジェネレータ244は、例示的に、非LORAN RF周波数帯域(例えば、UHF、VHF)を受信するように構成された受信機251と、ベースバンドスイッチルータ250に結合されたLORAN受信機252と、メッセージプロセッサモジュール246に時間値を提供するように構成された世界時調整(UTC)時間ソースモジュール253と、を備える。LORAN局241は、例示的に、LDCモジュール254と、LDCモジュールの下流に結合されたタイミングモジュール255と、タイミングモジュールの下流に結合されたマッチングネットワーク256と、マッチングネットワークの下流に結合されたLORANブロードキャストアンテナ242aと、を含む。また、LORAN局241は、例示的に、タイミングモジュール255の上流にGRIを生成するように構成されたLORAN GRIモジュール257を含む。
【0032】
[0046] 入力メッセージが適切に暗号化されると、メッセージプロセッサモジュール246は、暗号化されたメッセージを、複数のメッセージRFバーストを生成するように構成された変調器/復調器モジュール245に送信するように構成されている。変調器/復調器モジュール245は、複数のメッセージRFバーストを、GRIと組み合わせるためにタイミングモジュール255に送るように構成されている。
【0033】
[0047] LORAN受信デバイス258は、LORAN局241aとともに使用される。LORAN局241aは、隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔を有する一連のLORAN PNT RFパルスを送信するように構成されたLORAN送信機(すなわち、LORANブロードキャストアンテナ242a)と、LORAN送信機に結合され、入力メッセージに基づく、かつ各メッセージRFバーストがそれぞれの隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔にある、複数のメッセージRFバーストを生成するように構成された、メッセージ埋め込みジェネレータ244と、を含む。LORAN受信デバイス258は、LORAN受信アンテナ267と、LORANアンテナに結合され、それぞれの隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔を有する一連のLORAN PNT RFパルスを復元するように構成されたLORAN受信回路259と、LORAN受信回路に結合され、各メッセージRFバーストがそれぞれの隣接LORAN PNT RFパルス間の時間間隔にある複数のメッセージRFバーストから入力メッセージを復元するように構成されたメッセージ復元回路268と、を含む。
【0034】
[0048] ここで追加的に図6を参照すると、入力メッセージ46(図3)のフレーム構造60が示されている。メッセージ埋め込みジェネレータ44は、ルーティングプリアンブル61と、メッセージタイププリアンブル62と、暗号化コードセグメント63と、応答/非応答命令64と、デジタル符号化されたメッセージ65と、メッセージビット66のチェックサムとCRCとのうちの少なくとも一方と、を含むメッセージフォーマットに基づいて複数のメッセージRFバーストを生成するように構成されている。
【0035】
[0049] ここで図7を参照すると、ダイアグラムは、LORAN受信デバイス(258:図5)の例示的な実施形態の受信機チェーン70を例示している。受信機チェーン70は、例示的に、複数のメッセージRFバーストおよび一連のLORAN PNT RFパルスを受信するように構成されたLORANアンテナ71と、LORANアンテナの下流にあるアナログデジタル変換器(ADC)72と、ADCの下流にあるLORANエンベロープ検出モジュール73と、LORANエンベロープ検出モジュールの下流にあるLORAN局検出モジュール74と、LORAN局検出モジュールの下流に結合されたGRIバーストデマルチプレクサモジュール75と、を含む。受信機チェーン70は、例示的に、GRIバーストデマルチプレクサモジュール75の下流にあるベースバンドコンバータモジュール76およびメッセージプロセッサモジュール77と、GRIバーストデマルチプレクサモジュールの下流にあり、LORANロケーションデータを生成するように構成された疑似距離モジュール80と、GRIバーストデマルチプレクサモジュールの下流にあるタイミングモジュール78と、を含む。
【0036】
[0050] ここで図3図4および図8図9Cを参照すると、複数のメッセージRFバースト83a~83gとGRI81内の一連のLORAN PNT RFパルス84a~84hとの合成波形82がここで説明されている。一連のLORAN PNT RFパルス84a~84hは、例示的に、1ms間隔を有する8個のパルスの標準グループを含む。複数のLORAN局41a~41gの各々は、GRIごとに1回、1msだけ分離された8つのパルスを送信する。信号対雑音比(SNR)を向上させ、したがって位置推定の精度を向上させるために、LORAN受信デバイス(258:図5)は、これらのパルスをGRIごとに統合する。RF PNTシステム40は、LORAN PNT RFパルス84a~84hの間のデッドタイムを有利に利用し、それらをメッセージを交換するための時分割多重アクセス(TDMA)メッセージング方式におけるタイムスロットとして定義する。図示の例では、各GRI81は、8つのRFバーストメッセージングフレームを含む。
【0037】
[0051] おそらく図9A図9Cで最もよく分かるように、LORAN GRI85は、メッセージングフレーム86と組み合わされて、合成波形82を生成する。有利なことに、メッセージングフレーム86は、LORAN GRI85から容易に抽出され、LORANユーザに対して透過的である。
【0038】
[0052] 有用にも、この手法は、eLORAN LDCの固有の低データレート機能を補足する追加のデータレート容量を提供する。また、古典的なLORAN-CにはLDCがないため、この手法は古典的なLORAN-Cにデータ通信チャネルを提供する。
【0039】
[0053] ここで図10を参照すると、ダイアグラム87は、RF PNTシステム40の例示的な実施形態における無線複合波形を示す。無線複合波形は、例示的に、複数のLORAN GRI85a~85d、および複数のメッセージフレーム86a~86dを含む。特に、連続メッセージパケットは、異なる送信サイトから、連続するナビゲーションパルスグループ(すなわち、LORAN GRI 85a~85d)に適応的にインターリーブされ得る。換言すれば、異なるソースからの異なるメッセージを複数のLORAN GRI 85a~85dに埋め込むことができる。RF PNTシステム40の例示的な実施形態は、LORANシステム内でTDMA通信方法を実施している。図示のように、クロスレート干渉(CRI)を最小限にするために、複数のメッセージフレーム86a~86dのパルスグループ間でデータ信号は送信されない。
【0040】
[0054] 次に図11を参照すると、ダイアグラム88は、RF PNTシステム40の例示的な実施形態における、LF TDMAへのメッセージング層2の概念GRI変換を示す。示されるように、RF PNTシステム40は、LFバーストを、古典的なTDMA定義のタイムスロット、パケット、フレーム、および/またはエポックに変換する。
【0041】
[0055] ここで図12を参照すると、ダイアグラム90は、RF PNTシステム40の例示的な実施形態におけるLFメッセージパケットへのメッセージング層2の概念GRI変換を示す。示されるように、RF PNTシステム40は、LFバーストを効率的なTDMAフォーマットに変換する。
【0042】
[0056] 有利なことに、本明細書で説明されるRF PNTシステム40は、典型的なLORAN通信システムにわたる潜在的な利点を提供する。特に、RF PNTシステム40は、非位置、タイミングおよびナビゲーション(非PTN)データの送信のために、LORANシグナリングスキーマ内で多重化された固定時間TDMAネットワーク通信チャネルと、プリアンブルのないQPSK復調のキャリア捕捉に使用される非PTNデータLORAN GRIパルスの送信用のLORANシグナリングスキーマ内の、多重化された適応型オンデマンドの割り当てられたアクセス、TDMAネットワーク通信チャネルと、LORAN送信機局間の効率的な双方向のピアツーピアメッセージングと、ネットワーク化された通信チャネルを介したクライアントノードへの効率的な単方向メッセージングと、GRI文字列(単一ネットワーククラウド)内でのマルチホップデータメッセージ転送のための効率的なルーティングプロトコルと、複数のGRI文字列(複数のネットワーククラウド)内のマルチホップルーティングのための効率的なルーティングプロトコル。複数の異種混合クラウド内でマルチホップルーティングを行うための効率的なルーティングプロトコルと、メッセージの転送のための適応型オンデマンドデータチャネルアクセス方式と、優先メッセージングのためのサービス品質(QoS)スキームと、単一のGRI文字列(同種)で複数のセキュリティレベル(エンクレーブ)を転送するためのセキュアタイプ1暗号化透過コアネットワークと、異種ネットワーク内で複数のセキュリティレベルを転送するためのセキュアタイプ1暗号化透過コアネットワークと、最新の手法を使用したFECチャネルコーディング(例えば、LDPC、インターリーブオプションおよび/またはRS)と、最新の高次変調技術(例えば、16-QAMなどのM-QAM)と、MSK波形、または既存のLORAN 20kHz帯域幅(BW)割り当て(99%パワーマスクルール)内に入るずっと高いデータレート(例えば、10kbps)を許容するために、ルートレイズドコサイン(RRC)を使用したパルスのスペクトルシェーピングと、を提供することができる。
【0043】
[0057] 上述のように、典型的なアプリケーションのLDCはデータレートが低いという問題がある。既存の世界規模のLORAN帯域幅割り当てが拡大する可能性は低いため、RF PNTシステム40は、この低いデータレートの問題に対処するアプローチを提供する。RF PNTシステム40は、LORANシステム内の各送信機によって送信された各パルスグループの既存のナビゲーションパルス間に定期的なデータバーストを挿入することにより、この低データレート問題へのアプローチを提供することができる。これらのデータバーストは、LDCの現在の(パルス位置変調(PPM)ベースの)既存のデータレート容量を増強し、より多数の基準局によって収集された動的ASF補正をサポートするために必要な総LDCデータレートを提供する。換言すると、RF PNTシステム40で提供される位置/ロケーションデータは、より多くのASF補正をより頻繁に送ることができるようになるため、より正確になる可能性がある。データバーストは、シンボルレートを増加させることにより、現在のLORAN帯域幅割り当ての利用率を上げるために、最新のフォワードエラーFECチャネルコーディング手法(例えば、LDPC、RS)、および最新のデータ変調方法(例えば、M-ary QAM、MSK)、およびデータパルススペクトルシェーピング(例えば、RRCフィルタまたはBW効率の高いMSK)を採用する。
【0044】
[0058] RRCシェーピングを使用すると、割り当てられたスペクトル全体でスペクトルが本質的にフラットになるため、割り当てられたスペクトルを効率的に使用できる(すなわち、送信信号のRRCシェーピングにより、割り当てられた20kHz BWの使用を最大化しながら、f=100±10kHzで25dBのダウン要件を超えない)。ただし、LORAN送信機アンテナシステムのBWは数kHzに制限されているため、20kHzの帯域幅全体を完全に利用するには、送信機タワーに供給する前の信号スペクトルのプリエンファシスが必要になる場合がある。
【0045】
[0059] ここで図13を参照すると、ダイアグラム95は、RRCフィルタを用いたスペクトル整形を示している。RRCフィルタシェーピングにより、限られた帯域幅(より多くの電力/Hz)をより適切に使用できる。所与のチャネルシンボルレートに対して、RRCシェーピングは信号エネルギーをより狭い帯域幅に圧縮する。RRCフィルタにより、BW制約を守りながら、チャネルシンボルレートを増加させることができる。(表1~表2を参照)。スペクトルシェーピングの結果、エンベロープが一定せず、これにより線形増幅器を使用する必要があり得ることに留意されたい。非定包絡線波形は、ピーク対平均電力比(PAPR)によって特徴付けられ得る。また、特定の波形(例えば、M-QAM)は、本質的にエンベロープが一定でないことにも留意するべきである。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
[0060] ここで図14A図14Bを参照すると、ダイアグラム100、105は、バイナリ位相シフトキーイング(BPSK)またはQPSKのRRCスペクトルシェーピングが、シンボルレートが6.6kbpsの場合に1%の規則(すなわち、総電力の1%が許容される帯域外の最大電力であること)を満たしていることを示している。計算された片側帯域外(OOB)電力が-27.8578dB低下している。-23dBの低下要件に対して約5dBのマージンが存在する(1%のOOBパワーマスク要件を満たすために、RFスペクトルの片側にある合計RFパワーの0.005がOOBである)。コーディングされていないBPSKの場合、Rbit=Rsymbol、コーディングされていないQPSKの場合、Rbit=2×Rsymbolであることを思い起こされたい。
【0049】
[0061] ここで図15図16を参照すると、ダイアグラム110は、OQPSK、MSK、およびSFSKのベースバンドスペクトルを示し、ダイアグラム115は、各変調タイプのフラクショナルOOB電力を示す。MSK変調は、OOB電力の20dB低下レベルで最高の性能を発揮する。ベースバンドMSKスペクトル形状は、片側ベースバンド帯域幅が0.5×Rsymbolまたは約0.55×Rsymbolよりわずかに高い場合に、1%OOB要件を満たす。BTbit=ビットレートRbitで正規化された帯域幅であるため、B/Rbit=0.55、またはRbit=10/0.55kHz=18.18kビット/秒である。MSKの場合、各シンボルは2ビットを伝送するため、MSKシンボルレートRsymbol=Rbit/2=9.1kbpsである。
【0050】
[0062] ここで図17A図17Bを参照すると、ダイアグラム120は、例として、一連のLORAN PNT RFパルス間のQPSKデータバーストの追加を示している。ダイアグラム125は、LORAN PNT RFパルスが300マイクロ秒を占有し、700マイクロ秒がパルス間のデータ伝送に利用できることを示している。実効データレートを計算するには、送信ごとのGRIごとのQPSKオンタイム期間:
8×700μS>>5.6ms/TGRI
最小GRI期間=4000×10=40,000μ秒=0.04s
最大GRI時間=9990×10=0.0999秒~0.1秒
データレート(@1kbpsユーザデータレート、R=1/2コーディング>>コーディング後の2kbpsチャネルデータレート)
最小GRIの場合:1kbpsユーザデータレート×5.6ms/40ms=コーディング後の140bpsチャネルデータレート
最大GRIの場合:1kbpsユーザデータレート×5.6ms/100ms=コーディング後の56bpsチャネルデータレート
【0051】
データレートを増加させるには、高次変調(M-QAM)を使用するか、またはパルスグループ間でQPSK/QAMメッセージを送信するが、これによりCRIまたは自己干渉が高くなる。
【0052】
[0063] RRC、α=0.15を使用すると、10kbpsの信号が、割り当てられた20kHzの帯域幅を満たし、99%の放射電力抑制の制約を満たし、これには、送信アンテナの狭いBWを補償するために、BWエッジでいくつかのプリエンファシスが必要になる。QPSK、R=1/2FECの場合、送信機ごとの平均データレートは、上記の1kbpsの例の2倍になり、GRI=4000、9990の場合、それぞれ1400bps、560bpsである。
【0053】
[0064] 既存のLORANパルス信号の間にQPSK信号が追加されるため、各送信機の「オンタイム」が増加するため、平均送信機電力値は増加する。パルスは1ms(1000マイクロ秒)間隔で配置され、パルス持続時間は約300マイクロ秒であるため、QPSKを提供するためにパルス間に700マイクロ秒の利用可能な時間がある。パルスの「同等の」一定のエンベロープパワーが約100μsec持続すると仮定すると(パルスピークは65μsecであることを思い起こされたい)、8パルスグループ内のデューティサイクルは100/1000(10%)から(100+700)/1000=80%、つまり平均出力が8倍に増加する。同じ送信機機能の場合、これは、パルスの電力を8分の1に減少させる必要があることを意味し、消費電力を支払うには高額になる。ただし、QPSK信号の電力がパルス電力と比較して10分の1に減少すると、電力ペナルティは(100+700/10)/1000=1.7xに大幅にする。この通信信号はFECコーディングと低バーストデータレートとを有するため、QPSK信号ではこれが許容される場合がある。
【0054】
[0065] 典型的なLORAN塔の高さは、シャントピーキング(すなわち、信号のスタガ調整されたプリエンファシス)なしで、3dB帯域幅を約2または3kHzに制限する。したがって、QPSKおよびレート1/2コーディングと1kbpsのコーディング前の生データレートとが使用される場合(2000チャネルビット)、コーディングされたQPSK信号のヌル間帯域幅は1×2kbps=2kHzになる。信号のRRCシェーピング(α=0.2)が使用される場合、RF3dB帯域幅は1.2×Rsのオーダになる(シンボルレート=1.2x1kbps=1.2kHz、ここでα=0.2は過剰帯域幅係数)。アンテナに適用される信号を適切にプリエンファシスすると、放射されたLORAN信号の3dB BWが約5kHzであるため、データレートを増加させることができる。追加の信号プリエンファシスまたはより高いアンテナを使用すると、データレートをおそらく10kbpsに増加させることができる。これは、LDCデータレートに劇的なプラスの影響を与える可能性がある。
【0055】
[0066] ここで図18を参照すると、ダイアグラム130は、一連のLORAN PNT RFパルス間の16-QAMデータバーストの追加を示している。民営化を提供するためにパルスを疑似ランダムにずらす必要がある場合、連続するパルス間のスペースも疑似ランダムになる。したがって、動的に変化するパルス間スペースの使用を最大化するには、M-QAMバースト持続時間がパルスペア間の利用可能な「ホワイトスペース」に動的に適応しなければならない。ただし、正味のデータスループットは同じままとなる。
【0056】
[0067] ここで図19図22を参照すると、ダイアグラム140は、いくつかのQAM変調(4-QAM、16-QAM、64-QAM、256-QAM)の高次ビット誤り率の例を示す。ダイアグラム145は、FECを使用したBERを示している。ダイアグラム150は、ボー=50、α=0.2のRRCフィルタの周波数伝達関数を示している。ダイアグラム155は、RRCシェーピングの効果対過剰なBW(またはロールオフ)パラメータの効果を示している。
【0057】
[0068] 通信システムに関連するその他の機能は、同時係属中の“POSITION DETERMINING SYSTEM AND ASSOCIATED METHODS HAVING DIFFERENT ACCURACY LEVELS”と題する特許出願第16/114,668号、代理人整理番号GCSD-3018(62527)に開示されており、この出願は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0058】
[0069] 本開示の多くの修正および他の実施形態は、当業者であれば、前述の説明および関連する図面に提示された教示を利用して想到し得るものである。したがって、本開示は、開示された特定の実施形態に限定されるべきではなく、修正および実施形態は、特許請求の範囲内に含まれるということが意図されることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22