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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20231206BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
F24C3/12 A
A47J37/06 366
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020078884
(22)【出願日】2020-04-28
(65)【公開番号】P2021171441
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】金沢 信吾
(72)【発明者】
【氏名】正木 涼平
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-62104(JP,A)
【文献】特開2018-64882(JP,A)
【文献】特開2017-121418(JP,A)
【文献】特開2013-134049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/06
F24C 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を載置して調理するプレート状容器と、当該プレート状容器を加熱する加熱バーナと、当該加熱バーナの燃焼を制御して自動調理運転を実行する運転制御部とが設けられ、
前記運転制御部が、自動調理運転として、前記加熱バーナを連続して燃焼させる前段加熱処理と、前記加熱バーナを消火状態と燃焼状態とに繰り返し切換える形態で間欠的に燃焼させる後段加熱処理とを順次実行する加熱調理器であって、
前記プレート状容器の温度を検出する容器温度検出部が設けられ、
前記運転制御部が、
前記前段加熱処理として、前記容器温度検出部の検出温度が設定上昇温度以上になるまで前記加熱バーナを連続して燃焼させる処理を実行し、かつ、
前記後段加熱処理として、設定された総調理時間から前記前段加熱処理を実行した前段加熱時間を減算した後段加熱時間において、前記消火状態に維持する消火時間と前記燃焼状態にする燃焼時間との比を予め設定した設定比に維持する状態で、前記消火状態と前記燃焼状態とからなる単位燃焼サイクルを予め設定した設定燃焼回数繰り返す処理を実行する加熱調理器。
【請求項2】
前記プレート状容器が加熱室に収納され、
前記加熱バーナとして、前記プレート状容器を下方から加熱する下バーナと、前記プレート状容器を上方から加熱する上バーナとが設けられ、
前記運転制御部が、前記前段加熱処理において、前記下バーナと前記上バーナを連続して燃焼させ、前記後段加熱処理において、前記上バーナを連続して燃焼させた状態で、前記下バーナを前記消火状態と前記燃焼状態とに繰り返し切換える形態で間欠的に燃焼させる請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記総調理時間を設定する時間設定操作部が設けられている請求項1又は2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記運転制御部が、前記前段加熱処理の開始後における前記検出温度の上昇状況に基づいて、前記被調理物の加熱容量を推定して、当該加熱容量に基づいて、前記総調理時間を設定する請求項1又は2に記載の加熱調理器。
【請求項5】
複数の調理メニューのうちから前記被調理物の種別に応じた調理メニューを指令する調理メニュー指令部が設けられ、
前記運転制御部が、前記調理メニュー指令部にて指令された調理メニューの夫々について、前記設定上昇温度、前記設定比及び前記設定燃焼回数を定める請求項1~4のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記運転制御部が、前記単位燃焼サイクルを実行する時間が設定最低時間よりも短くなる場合には、前記設定燃焼回数を減少させる請求項1~5のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被調理物を載置して調理するプレート状容器と、当該プレート状容器を加熱する加熱バーナと、当該加熱バーナの燃焼を制御して自動調理運転を実行する運転制御部とが設けられ、前記運転制御部が、自動調理運転として、前記加熱バーナを連続して燃焼させる前段加熱処理と、前記加熱バーナを消火状態と燃焼状態とに繰り返し切換える形態で間欠的に燃焼させる後段加熱処理とを順次実行する加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる加熱調理器は、前段加熱処理において、プレート状容器に載置された被調理物を加熱調理し、後段加熱処理において、被調理物の表面の焦げ付きを抑制しながら、被調理物の内部を十分に加熱調理できるようにしたものである。
【0003】
かかる加熱調理器の従来例として、プレート状容器が加熱室(グリル庫)に収納され、加熱バーナとして、プレート状容器を下方から加熱する下バーナと、プレート状容器を上方から加熱する上バーナとが設けられているグリルがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、予熱時間が経過するまで前段加熱処理を実行し、その後、後段加熱処理を実行するように構成されている。
【0004】
特許文献1では、調理容器の下方の空間温度を検出する温度センサが備えられている。
後段加熱処理においては、先ず、所定の第1設定時間(例えば、60秒)の上火単独燃焼と、第2設定時間(例えば、60秒)の同時燃焼とを順に行うようにする。そして、第1設定時間の上火単独燃焼後の温度センサの検出温度を第1設定温度に設定し、かつ、第2設定時間の同時燃焼後の温度センサの検出温度を第2設定温度に設定する。
【0005】
その後は、同時燃焼から上火単独燃焼への切換時点から第1設定時間が経過するか又は温度センサの検出温度が第1設定温度に低下したときに上火単独燃焼から同時燃焼に切換えることと、上火単独燃焼から同時燃焼への切換時点から第2設定時間が経過するか又は温度センサの検出温度が第2設定温度に上昇したときに同時燃焼か上火単独燃焼に切換えることを繰り返す。
【0006】
ちなみに、特許文献1には、後段加熱処理を停止するタイミングについての記載はないが、使用者が加熱バーナを停止する操作を行うことにより、後段加熱処理が停止されるものであると考えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2018-64882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の加熱調理器においては、後段加熱処理を停止する際には、加熱バーナを停止する操作を行う必要があり、使い勝手が悪いものであり、また、前段加熱処理が予め設定された予熱時間が経過するまで行われるものであるから、前段加熱処理において、被調理物に対して与える熱が不十分である場合や被調理物に対して与える熱が過剰となって、被調理物の表面を焦げ付かせてしまう虞があり、使い勝手が悪いものである。
【0009】
しかも、後段加熱処理においては、被調理物に対して与える熱が不十分である場合や被調理物に対して与える熱が過剰となっている場合において、第1設定温度や第2設定温度を定めるようにしながら、上火単独燃焼と同時燃焼とを行うものであるから、被調理物の内部を適正に加熱調理できない虞があり、使い勝手が悪いものである。
【0010】
このような不都合を解消するために、プレート状容器の温度を検出する容器温度検出部を設けて、例えば、後段加熱処理において、容器温度検出部にて検出される検出温度を設定温度範囲に維持させるように、上火単独燃焼と同時燃焼とを行うようにすることが考えられる。
つまり、検出温度が設定温度範囲の上限になると、上火単独燃焼状態に切換え、検出温度が設定温度範囲の下限になると、同時燃焼に切換える形態で、上バーナ及び下バーナの燃焼を制御することが考えられる。
【0011】
しかしながら、このように構成する場合においては、単独燃焼状態から同時燃焼状態に切換えるタイミングや同時燃焼状態から単独燃焼状態に切換えるタイミングが、被調理物の加熱容量や加熱調理器が設置されている室温等の影響を受けて、大きく変化することになる。そして、上火単独燃焼から同時燃焼状態に切換える頻度が多くなった場合には、点火スパークにより発生する騒音が使用者に不快感を与える虞があり、使い勝手が悪いものとなる。
【0012】
ちなみに、加熱調理器が電池にて駆動される場合においては、上火単独燃焼から同時燃焼状態に切換える頻度が多くなると、電池が早期に消耗する虞もあり、この点からも使い勝手が悪いものであった。
【0013】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、使用勝手の向上を図ることができる加熱調理器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の加熱調理器は、被調理物を載置して調理するプレート状容器と、当該プレート状容器を加熱する加熱バーナと、当該加熱バーナの燃焼を制御して自動調理運転を実行する運転制御部とが設けられ、
前記運転制御部が、自動調理運転として、前記加熱バーナを連続して燃焼させる前段加熱処理と、前記加熱バーナを消火状態と燃焼状態とに繰り返し切換える形態で間欠的に燃焼させる後段加熱処理とを順次実行するものであって、その特徴構成は、
前記プレート状容器の温度を検出する容器温度検出部が設けられ、
前記運転制御部が、
前記前段加熱処理として、前記容器温度検出部の検出温度が設定上昇温度以上になるまで前記加熱バーナを連続して燃焼させる処理を実行し、かつ、
前記後段加熱処理として、設定された総調理時間から前記前段加熱処理を実行した前段加熱時間を減算した後段加熱時間において、前記消火状態に維持する消火時間と前記燃焼状態にする燃焼時間との比を予め設定した設定比に維持する状態で、前記消火状態と前記燃焼状態とからなる単位燃焼サイクルを予め設定した設定燃焼回数繰り返す処理を実行する点にある。
【0015】
すなわち、前段加熱処理として、調理容器の温度を検出する温度検出センサの検出温度が設定上昇温度以上になるまで加熱バーナを連続して燃焼させる処理を実行するものであるから、前段加熱処理において、被調理物に十分な熱を与えるようにしながら加熱調理できるため、使い勝手が向上する。
【0016】
また、後段加熱処理が、設定された総調理時間から前段加熱処理を実行した前段加熱時間を減算した後段加熱時間において行われることになるから、後段加熱処理が終了した段階で、加熱バーナを停止(消火)させることができるため、使い勝手が向上する。
【0017】
さらに、後段加熱処理として、設定された総調理時間から前段加熱処理を実行した前段加熱時間を減算した後段加熱時間において、消火状態に維持する消火時間と燃焼状態にする燃焼時間との比を予め設定した設定比に維持する状態で、消火状態と燃焼状態とからなる単位燃焼サイクルを予め設定した設定燃焼回数繰り返す処理が行われることになるから、消火状態の加熱バーナを燃焼状態に切換える回数の一定化を図ることができるため、使い勝手が向上する。
【0018】
ちなみに、消火状態の加熱バーナを燃焼状態に切換える回数の一定化を図ることができるから、換言すれば、消火状態の加熱バーナを燃焼状態に切換える回数が極端に多くなることを回避できるから、加熱調理器が電池にて駆動される場合において、電池が早期に消耗することを回避できることになる。
【0019】
つまり、本願の発明者は、鋭意研究によって、前段加熱処理においては、プレート状容器の温度を検出する容器温度検出部の検出温度が設定上昇温度になるまで加熱バーナを連続して燃焼させることにより、被調理物に対して適切な熱を与えるようにしながら加熱調理することができ、後段加熱処理においては、設定された総調理時間から前段加熱処理を実行した前段加熱時間を減算した後段加熱時間において、消火状態に維持する消火時間と燃焼状態にする燃焼時間との比を予め設定した設定比に維持する状態で、消火状態と燃焼状態とからなる単位燃焼サイクルを予め設定した設定燃焼回数繰り返すようにすることにより、加熱バーナを消火状態から燃焼状態に切換える頻度を減少させた状態で、被調理物の表面の焦げ付きを抑制しながら、被調理物の内部を十分に加熱調理できることを見出すに至ったのである。
【0020】
尚、設定上昇温度、消火時間と燃焼時間との設定比、及び、単位燃焼サイクルを繰り返す設定燃焼回数は、実験によって求めることになり、複数種類の被調理物を加熱調理する場合には、種類ごとの被調理物について、設定上昇温度、消火時間と燃焼時間との設定比、及び、単位燃焼サイクルを繰り返す設定燃焼回数を、実験によって求めることになる。
【0021】
要するに、本発明の加熱調理器の特徴構成によれば、使用勝手の向上を図ることができる。
【0022】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記プレート状容器が加熱室に収納され、
前記加熱バーナとして、前記プレート状容器を下方から加熱する下バーナと、前記プレート状容器を上方から加熱する上バーナとが設けられ、
前記運転制御部が、前記前段加熱処理において、前記下バーナと前記上バーナを連続して燃焼させ、前記後段加熱処理において、前記上バーナを連続して燃焼させた状態で、前記下バーナを前記消火状態と前記燃焼状態とに繰り返し切換える形態で間欠的に燃焼させる点にある。
【0023】
すなわち、加熱室に収納されたプレート状容器に載置した被調理物を加熱調理するにあたり、前段加熱処理において、下バーナと上バーナを連続して燃焼させ、後段加熱処理において、上バーナを連続して燃焼させた状態で、下バーナを消火状態と燃焼状態とに繰り返し切換える形態で間欠的に燃焼させる自動調理運転が行われることになる。
【0024】
前段加熱処理においては、下バーナと上バーナを連続して燃焼させるものであるから、被調理物を上バーナにて加熱し、かつ、下バーナにて加熱されるプレート状容器にて加熱することができるから、被調理物を十分な熱を与えるようにしながら良好に加熱できる。
【0025】
後段加熱処理において、上バーナを連続して燃焼させた状態で、下バーナを消火状態と燃焼状態とに繰り返し切換える形態で間欠的に燃焼させるものであるから、プレート状容器が高温になり過ぎて、被調理物の表面を焦げ付かせてしまうことを回避しながら、被調理物の内部に対して適切に熱を与えることができる。
【0026】
要するに、本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、加熱室に収納されたプレート状容器に載置した被調理物を適切に加熱調理することができる。
【0027】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記総調理時間を設定する時間設定操作部が設けられている点にある。
【0028】
すなわち、時間設定操作部を用いて、使用者(調理者)の好み等に合わせて、長めや短め等の総調理時間を設定することができる。
つまり、時間設定操作部を用いて総調理時間を設定することにより、使用者(調理者)の好み等に合わせた状態で被調理物を適切に加熱調理できる。
【0029】
要するに、本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、使用者(調理者)の好み等に合わせた状態で被調理物を適切に加熱調理できる。
【0030】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記前段加熱処理の開始後における前記検出温度の上昇状況に基づいて、前記被調理物の加熱容量を推定して、当該加熱容量に基づいて、前記総調理時間を設定する点にある。
【0031】
すなわち、前段加熱処理の開始後における容器温度検出部の検出温度の上昇状況に基づいて、被調理物の加熱容量を推定して、当該加熱容量に基づいて、総調理時間が設定されることになる。
つまり、前段加熱処理の開始後における容器温度検出部の検出温度の上昇状況は、被調理物の加熱容量が大きなほど緩やかな勾配になる等、被調理物の加熱容量に応じて変化することになるから、検出温度の上昇状況に基づいて、被調理物の加熱容量が推定されることになる。
【0032】
そして、一般に、被調理物の加熱容量が大きいほど、後段加熱処理を行う時間を長くすることが好ましいものとなるから、被調理物の加熱容量に基づいて、総調理時間が設定されることになる。
【0033】
このように、総調理時間が自動的に設定されるから、総調理時間を手動操作により設定する手間を省くことができるため、使い勝手を一層向上させることができる。
【0034】
要するに本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、使い勝手を一層向上させることができる。
【0035】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、複数の調理メニューのうちから前記被調理物の種別に応じた調理メニューを指令する調理メニュー指令部が設けられ、
前記運転制御部が、前記調理メニュー指令部にて指令された調理メニューの夫々について、前記設定上昇温度、前記設定比及び前記設定燃焼回数を定める点にある。
【0036】
すなわち、調理メニュー指令部にて、複数の調理メニューのうちから被調理物の種別に応じた調理メニューが指令されると、指令された調理メニューの夫々について、設定上昇温度、設定比及び設定燃焼回数が定められることになる。
【0037】
したがって、設定上昇温度、設定比及び設定燃焼回数として、被調理物の種別に応じた設定上昇温度、設定比及び設定燃焼回数が定められることになるから、異なる種別の被調理物の夫々を適切に加熱調理することができる。
【0038】
要するに本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、異なる種別の被調理物の夫々を適切に加熱調理することができる。
【0039】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記単位燃焼サイクルを実行する時間が設定最低時間よりも短くなる場合には、前記設定燃焼回数を減少させる点にある。
【0040】
すなわち、後段加熱時間が短くなって、単位燃焼サイクルを実行する時間が設定最低時間よりも短くなる場合には、設定燃焼回数を減少させて、単位燃焼サイクルを実行する時間を設定最低時間以上にすることができる。
【0041】
つまり、単位燃焼サイクルを実行する時間が極端に短くなると、加熱バーナを燃焼状態にする燃焼時間が短くなって、加熱バーナを適正通り燃焼させることができなくなる虞があるが、単位燃焼サイクルを実行する時間が設定最低時間よりも短くなる場合には、設定燃焼回数を減少させて、単位燃焼サイクルを実行する時間を設定最低時間以上にすることにより、加熱バーナを適正通り燃焼させることができる。
【0042】
要するに本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、加熱バーナを適正通り燃焼させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】ガスコンロの斜視図である。
図2】燃料ガス供給構成及び点火用構成を示す回路図である。
図3】グリドルの縦断側面図である。
図4】調理容器支持部をグリドル庫から引き出した状態の斜視図である。
図5】グリドル用操作パネルの平面図である。
図6】間欠燃焼式の自動調理運転の加熱調理形態を示す図である。
図7】ハンバーグ1個の加熱調理形態を示す図である。
図8】ハンバーグ3個の加熱調理形態を示す図である。
図9】総調理時間を変更したハンバーグ3個の加熱調理形態を示す図である。
図10】冷凍食品の加熱調理形態を示す図である。
図11】冷凍食品の加熱調理形態を示す図である。
図12】別実施形態の間欠燃焼式の自動調理運転の加熱調理形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(ガスコンロの全体構成)
図1に示すように、ビルトイン式のガスコンロGCが、コンロ本体Hの上面部に、コンロバーナ1として、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cを有するコンロ部CRを備え、且つ、コンロ本体Hの横幅方向中央部に、加熱調理器としてのグリドルG(図3図4参照)を備える形態に構成されている。
コンロ本体Hは、上部が開口された箱状の金属製のケーシング2を主要部として構成され、コンロ本体Hの上部には、ガラス製の天板3が配置され、コンロ本体Hの上面部の後部側には、グリドルGの調理排気を排気するためのグリドル排気口4が形成されている。
【0045】
天板3の上部には、コンロバーナ1にて加熱される鍋等の被調理物を載置するための五徳5が、3つのコンロバーナ1の夫々に対応して設けられている。
コンロバーナ1の中央部には、鍋状やプレート状容器等の調理容器(図示せず)の底部に接触して温度を検出するコンロ側温度検知部1S(容器温度検出部Uの一例)が設けられている。
【0046】
ケーシング2の内部には、図3に示すように、グリドルGを構成するグリドル庫6(加熱室の一例)が設けられ、グリドル庫6には、グリドルバーナ7(加熱バーナの一例)として、グリドル庫6の天井部に設けられる上バーナ7Uと、グリドル庫6の底部に設けられる下バーナ7Sとが設けられている。
【0047】
(グリドルの詳細)
図3に示すように、グリドルGには、上述の如くグリドル庫6が設けられている。このグリドル庫6は、前部及び後部が開口する筒状に形成され、グリドル庫6の後方側には、グリドルバーナ7の燃焼排ガスや被調理物からでる水蒸気等の調理排気を排気する排気路Eを形成する排気筒6Aが上方側に延びる状態で連設され、その排気路Eにて調理排気を上述のグリドル排気口4に導くように構成されている。
【0048】
図3及び図4に示すように、調理容器Kを支持する引出部としての調理容器支持部Lが、グリドル庫6に対して出退自在に設けられている。つまり、調理容器支持部Lが、グリドル庫6の内部に収納される収納位置とグリドル庫6の前方に引き出される引出位置とにわたってスライド移動形態で出入移動される状態で設けられている。
本実施形態においては、調理容器Kとして、被調理物の載置面が平坦状に形成されたプレートパン9A(プレート状容器の一例)が存在するものとする。
【0049】
図4に示すように、調理容器支持部Lは、グリドル庫6に対して出退自在に案内される左右の可動レールLaと、調理容器Kの前縁部及び後縁部を載置支持する形態に棒状部材を曲げ加工して形成される支持枠Lbとを備える形態に構成されている。
そして、プレートパン9Aが、調理容器支持部Lにおける支持枠Lbに対して、着脱自在に装着されるように構成されている。
【0050】
図4に示すように、左右の可動レールLaの先端部に、グリドル庫6の前部に形成された前開口部6fを開閉するグリドル扉8(図1参照)を取付ける扉支持体8Aが設けられ、支持枠Lbの先端部が扉支持体8Aに係止連結されている。
尚、詳細は省略するが、支持枠Lbの後端部が、グリドル庫6の内部に設けた載置案内体にて、摺動自在に載置支持されている。
【0051】
(グリドルバーナの詳細)
図3及び図4に示すように、グリドルバーナ7が、グリドル庫6の内部に収納された調理容器Kの上部を上バーナ7Uにて加熱し、グリドル庫6の内部に収納された調理容器Kの底部を下バーナ7Sにて加熱するように構成されている。
つまり、下バーナ7Sが、グリドル庫6内に収納された調理容器Kを下方から加熱し、グリドル庫6の天井部に設けた上バーナ7Uが、グリドル庫6内に収納された調理容器Kを上方から加熱するように構成されている。
【0052】
下バーナ7Sは、図3に示すように、円筒状のバーナ本体部10Aと、そのバーナ本体部10Aに接続されるバーナ混合管部10Bとを備え、バーナ本体部10Aには、周方向に沿って炎孔Fが形成されている。
このような構成の下バーナ7Sは、コンロバーナ1の構成と同様であり、コンロバーナ1を転用して構成されている。
【0053】
調理容器Kの底部に接触して温度を検出するグリドル側温度検知部11A(容器温度検出部Uの一例)が、下バーナ7Sにおける中央箇所を貫通する状態で装備されている。
グリドル側温度検知部11Aが検出する検出温度Skは、後述する運転制御部Bが自動調理運転を実行する際の温度情報として用いられることになる。
【0054】
上バーナ7Uは、下向きの平板状の火炎を形成する輻射式バーナであり、詳細な説明は省略するが、平板状の上バーナ本体部やその上バーナ本体部に接続される上バーナ混合管部を備え、上バーナ本体部の下面部に燃焼炎形成部が形成されている。
【0055】
図2に示すように、下バーナ7S及び上バーナ7Uの夫々に対して、点火装置としてのグリドルバーナ用点火プラグPg、及び、着火状態検出装置としてのグリドルバーナ用着火センサRgが装備されている。
また、コンロバーナ1についても、同様に、コンロバーナ用点火プラグPc及びコンロバーナ用着火センサRcが装備されている。
【0056】
(ガス燃料の供給構成)
図2に示すように、都市ガス供給管等のガス供給源に接続される元ガス供給路12に、電磁操作式の元ガス弁13が設けられ、元ガス供給路12からは、標準火力バーナ用分岐路14a、小火力バーナ用分岐路14b、大火力バーナ用分岐路14c及びグリドルバーナ用分岐路15の4系統のガス流路が分岐されている。
【0057】
グリドルバーナ用分岐路15に、下バーナ7S及び上バーナ7Uに対するガス燃料の供給圧力を設定圧に調整するガバナ16が設けられ、ガバナ16にて設定圧に調整されたガス燃料を下バーナ7Sに導く下バーナ用供給路17S、及び、ガバナ16にて設定圧に調整されたガス燃料を上バーナ7Uに導く上バーナ用供給路17Uが、グリドルバーナ用分岐路15から分岐されている。
【0058】
標準火力バーナ用分岐路14a、小火力バーナ用分岐路14b及び大火力バーナ用分岐路14cの夫々には、ステッピングモータの駆動によって燃料ガスの流量を調整して加熱量(火力)を調整するためのコンロ用ガス量調整弁18が備えられている。
また、下バーナ用供給路17S及び上バーナ用供給路17Uの夫々には、ステッピングモータの駆動によって燃料ガスの流量を調整して加熱量(火力)を調整するためのグリドル用ガス量調整弁19が備えられている。
ちなみに、下バーナ7S及び上バーナ7Uの火力(加熱力の一例)は、グリドル用ガス量調整弁19により無段階に調整されるものであるが、本実施形態においては、強火力と弱火力との2段階に調整されるものとして説明する。
【0059】
図2に示すように、第1イグナイタNCと、第2イグナイタNGが設けられている。
そして、下バーナ7S及び上バーナ7Uの夫々に対して配設されたグリドルバーナ用点火プラグPgが、第2イグナイタNGに接続されている。
【0060】
また、標準火力バーナ1A及び大火力バーナ1Cの夫々に対して配設されたコンロバーナ用点火プラグPcが、第1イグナイタNCに接続され、且つ、小火力バーナ1Bに対して配設されたコンロバーナ用点火プラグPcが、第2イグナイタNGに接続されている。
【0061】
(ガスコンロの操作構成)
図1に示すように、コンロ本体Hの前側面におけるグリドルGの右側の上方箇所には、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cの夫々に対して各別に点火及び消火や火力調節を指令するための3つのコンロ操作具20が設けられている。つまり、標準火力バーナ用操作具20a、小火力バーナ用操作具20b、及び、大火力バーナ用操作具20cが設けられている。
コンロ操作具20は、押し操作されるごとに、点火指令と消火指令を交互に指令し、また、回転操作することにより、火力調節指令を指令するように構成されている。
【0062】
コンロ本体Hの前側面におけるグリドルGの右側の下方箇所には、コンロバーナ1による自動調理の設定を行うコンロバーナ用設定操作部21が、下端側を支点にした前後揺動により開閉自在に設けられ、当該コンロバーナ用設定操作部21の上面部には、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cの夫々に対する設定操作を行うコンロ用操作パネル21Pが設けられている。
コンロバーナ用設定操作部21は、湯沸し処理や設定時間が経過すると自動消火するタイマー運転処理等の各種の自動調理を設定することになるが、本実施形態においては、コンロバーナ用設定操作部21にて設定するコンロバーナ用自動調理の説明は省略する。
【0063】
コンロ本体Hの前側面におけるグリドルGの左側の下方箇所には、グリドルバーナ7に対する設定を行うグリドル用設定操作部22が、下端側を支点にした前後揺動により開閉自在に設けられ、当該グリドル用設定操作部22の上面部には、点火指令、消火指令、火力調節指令、加熱調理時間調節指令、複数の調理メニューの選択指令等の種々の情報を指令するグリドル用操作パネル22Pが設けられている。
【0064】
複数の調理メニューは、グリドル用操作パネル22Pの操作により、複数の調理メニューのいずれかを指令(選択)するための各種の情報を動作状態表示部Dにて表示しながら選択され、加えて、グリドル用操作パネル22Pの操作により、選択された調理メニューを開始するための点火指令、火力調節指令、加熱時間調節指令等の種々の情報を指令するように構成されている(図5参照)。
【0065】
(グリドル用操作パネルの詳細)
【0066】
図5に示すように、グリドル用操作パネル22Pには、押し操作式のスイッチにて構成されて、押し操作する毎にグリドルバーナ7に対して点火指令(加熱開始指令の一例)を指令するオン状態と消火指令(加熱停止指令の一例)を指令するオフ状態とに切り換わる点消火スイッチ23、グリドルバーナ7が燃焼すると点灯しかつグリドルバーナ7が消火すると消灯する燃焼ランプ24、加熱調理用の総調理時間を増減設定するタイマー設定スイッチ25(時間設定操作部の一例)、及び、設定された総調理時間を表示するためのタイマー表示部26が設けられている。
【0067】
また、グリドル用操作パネル22Pには、上バーナ7Uと下バーナ7Sとによる加熱状態を変更する火力切替スイッチ27、及び、火力切替スイッチ27にて変更された加熱状態を示すために、上バーナ7Uと下バーナ7Sとの夫々について火力の状態が弱火力であることを示す弱表示部28aと強火力であることを示す強表示部28bとからなる火力表示部28が設けられている。
【0068】
さらに、グリドル用操作パネル22Pには、複数の調理メニューのうちから被調理物の種別に応じた調理メニューを指令する(選択する)ためのメニュー切替スイッチ29(調理メニュー指令部の一例)、焼き加減を調整する焼き加減調整スイッチ30、後述する自動調理運転を取り消すためのとりけしスイッチ31等が設けられている。
【0069】
メニュー切替スイッチ29により切り替えられる調理メニューは、被調理物としての魚を加熱調理する「焼き魚」、各種の被調理物を温めるための「あたため」、被調理物としてのハンバーグを加熱調理する「ハンバーグ」、被調理物としての冷凍食品を加熱調理する(温め調理する)ための「冷凍食品」があり、そのうちの選択されたものをLEDランプにて示すメニュー表示部29aが設けられている。
調理メニューとしての「焼き魚」の焼き加減については「弱」「中」「強」の3段階があり、そのうちの選択されたものをLEDランプにて示す焼き加減表示部30aが設けられている。
【0070】
そして、使用者(調理者)が参照するメニュー表(図示せず)が別途用意されており、使用者(調理者)はメニュー表を参照しながら、被調理物の種別や加熱容量等に応じて、調理メニューや総調理時間を設定することになり、また、「焼き魚」については、焼き加減を設定することになる。
「ハンバーグ」及び「冷凍食品」は、自動調理運転として、グリドルバーナ7を間欠的に燃焼させる間欠燃焼式の自動調理運転を実行する調理メニューであり、その詳細を後述するが、「焼き魚」及び「あたため」の自動調理運転の詳細は周知であるので、本明細書では詳細な説明を省略する。
【0071】
ちなみに、本実施形態においては、燃焼ランプ24、タイマー表示部26、火力表示部28、メニュー表示部29a、及び、焼き加減表示部30aが、グリドルGの動作状態を表示する動作状態表示部Dとして機能するように構成されている。
また、点消火スイッチ23が、グリドルバーナ7による加熱を開始する加熱開始指令を指令する加熱開始指令部Aとして機能するように構成されている。
【0072】
また、メニュー切替スイッチ29及び焼き加減調整スイッチ30が、複数の調理メニューのうち被調理物に応じた調理メニューを指令する調理メニュー操作部MSとして機能するように構成されている。
【0073】
(ガスコンロの制御構成)
図2に示すように、ガスコンロGCの運転を制御する運転制御部Bが設けられ、当該運転制御部Bが、グリドルバーナ7やコンロバーナ1の運転(燃焼作動)を制御するように構成されている。
すなわち、運転制御部Bが、グリドル用設定操作部22にて点火指令が指令されると、元ガス弁13、グリドル用ガス量調整弁19を操作して、下バーナ7S及び上バーナ7Uに燃料ガスを供給する状態とし、加えて、下バーナ7S及び上バーナ7Uに対するグリドルバーナ用点火プラグPgを作動させかつグリドルバーナ用着火センサRgにて着火を検出する点火処理を実行するように構成されている。
ちなみに、本実施形態においては、点火処理においては、下バーナ7S及び上バーナ7Uの火力が、強火力に調整されることになる。
【0074】
また、運転制御部Bが、自動調理運転中において火力の調節や消火を行う場合、及び、マニュアル調理運転中において、グリドル用設定操作部22により火力調節指令が指令された場合には、グリドル用ガス量調整弁19を操作して、下バーナ7Sや上バーナ7Uの火力を調節する火力調節処理及び下バーナ7Sや上バーナ7Uの消火処理を実行するように構成されている。
【0075】
さらに、運転制御部Bが、自動調理運転が終了した場合や、調理メニューの加熱調理を中断する等の目的により、グリドル用設定操作部22により消火指令が指令された場合には、元ガス弁13、グリドル用ガス量調整弁19を閉状態に操作して、下バーナ7S及び上バーナ7Uを消火する消火処理を実行するように構成されている。
【0076】
つまり、運転制御部Bが、グリドル用設定操作部22の設定情報に基づいて、グリドルバーナ7に対する点火処理や消火処理及び火力調節処理を行ないながら、複数の調理メニューのうちの選択された調理メニューについての自動調理運転を実行し、また、調理メニューが選択されていない場合には、グリドル用設定操作部22の設定情報に基づいて、グリドルバーナ7に対する点火処理や消火処理及び火力調節処理を行ないながら、マニュアル調理運転を実行するように構成されている。
【0077】
また、運転制御部Bが、コンロ操作具20による点火指令や消火指令及び火力調節指令によって、コンロバーナ1に対する点火処理や消火処理及び火力調節処理を行い、また、コンロバーナ用設定操作部21の設定情報に基づいて、コンロバーナ1に対する自動調理運転を実行するように構成されている。
コンロバーナ1に対する点火処理や消火処理及び火力調節処理は、グリドルバーナ7に対する点火処理や消火処理及び火力調節処理と同様であるので、本実施形態では、詳細な説明を省略する。
【0078】
(間欠燃焼式の自動調理運転の詳細)
運転制御部Bが、調理メニューとして、「ハンバーグ」や「冷凍食品」が選択され、タイマー設定スイッチ25にて総調理時間Taが設定され、点消火スイッチ23の点火操作が行われると、グリドルバーナ7の燃焼を開始させ、その後、「ハンバーグ」や「冷凍食品」の調理メニューについての間欠燃焼式の自動調理運転を実行し、総調理時間Taが経過すると、グリドルバーナ7を消火して自動調理運転を終了するように構成されている。
【0079】
間欠燃焼式の自動調理運転は、図6に示すように、グリドルバーナ7を連続して燃焼させる前段加熱処理と、グリドルバーナ7を消火状態と燃焼状態とに繰り返し切換える形態で間欠的に燃焼させる後段加熱処理とを順次実行する運転形態である。
具体的には、運転制御部Bが、前段加熱処理として、グリドル側温度検知部11Aの検出温度Skが設定上昇温度So以上になるまでグリドルバーナ7を連続して燃焼させる処理を実行することになる。
ちなみに、本実施形態においては、設定上昇温度Soとして、160℃が設定されているが、例えば、「ハンバーグ」においては、160℃を設定し、「冷凍食品」においては、140℃を設定する等、調理メニューに応じて設定上昇温度Soを異なる値に設定してもよい。
【0080】
また、運転制御部Bが、後段加熱処理として、設定された総調理時間Taから前段加熱処理を実行した前段加熱時間Tfを減算した後段加熱時間Trにおいて、消火状態に維持する消火時間Wと燃焼状態にする燃焼時間Qとの比を予め設定した設定比(Wt:Qt)に維持する状態で、消火状態と燃焼状態とからなる単位燃焼サイクルを予め設定した設定燃焼回数αだけ繰り返す処理を実行することになる。
【0081】
つまり、前段加熱処理が終了したときに、後段加熱処理における消火時間W及び燃焼時間Qが、後段加熱時間Trを設定燃焼回数αにて除算した単位燃焼サイクル時間を、設定比(Wt:Qt)にて分配した時間として設定されるように構成されている。
尚、図6は、実際の調理メニューに対応するものではなく、間欠燃焼式の自動調理運転の運転形態を説明するためのものであり、設定比が、1:1に設定され、単位燃焼サイクルを繰り返す設定燃焼回数αが3回に設定される場合を例示する。
【0082】
本実施形態は、グリドルバーナ7として、上バーナ7U及び下バーナ7Sを備えるグリドルGに対して間欠燃焼式の自動調理運転を適用するものである。
具体的には、運転制御部Bが、前段加熱処理において、下バーナ7Sと上バーナ7Uを連続して燃焼させ、後段加熱処理において、上バーナ7Uを連続して燃焼させた状態で、下バーナ7Sを消火状態と燃焼状態とに繰り返し切換える形態で間欠的に燃焼させることになる。
【0083】
ちなみに、本実施形態においては、前段加熱処理及び後段加熱処理の夫々において、下バーナ7S及び上バーナ7Uを強火力にて燃焼させる場合を例示するが、焦げ易い被調理物に対する調理メニューにおいては、例えば、前段加熱処理においては、下バーナ7S及び上バーナ7Uを強火力にて燃焼させ、後段加熱処理においては、下バーナ7S及び上バーナ7Uを弱火力にて燃焼させるようにする等、下バーナ7S及び上バーナ7Uの火力は、調理メニューに応じて変更するとよい。
【0084】
また、運転制御部Bが、メニュー切替スイッチ29にて指令された調理メニューの夫々について、設定上昇温度So、設定比(Wt:Qt)及び設定燃焼回数αを定めるように構成されている。
つまり、「ハンバーグ」においては、図7図9に示すように、設定比(Wt:Qt)として、1:2が設定され、設定燃焼回数αとして、3が設定されている。
又、「冷凍食品」においては、図10及び図11に示すように、設定比(Wt:Qt)として、5:1が設定され、設定燃焼回数αとして、5が設定されている。
また、設定上昇温度Soとしては、上述の如く、160℃が設定されている。
【0085】
図7は、「ハンバーグ」として、1個のハンバーグを加熱調理する場合において、総調理時間Taとして、15分が設定され、前段加熱時間Tfが9分であり、単位燃焼サイクル時間が2分であり、消火時間Wが40秒で、燃焼時間Qが80秒の場合を例示する。
図8は、「ハンバーグ」として、3個のハンバーグを加熱調理する場合において、総調理時間Taとして、18分が設定され、前段加熱時間Tfが12分であり、単位燃焼サイクル時間が2分であり、消火時間Wが40秒で、燃焼時間Qが80秒の場合を例示する。
【0086】
図9は、「ハンバーグ」として、3個のハンバーグを加熱調理する場合において、焼き加減を弱めるために、総調理時間Taとして、15分が設定され、前段加熱時間Tfが12分であり、単位燃焼サイクル時間が1分であり、消火時間Wが20秒で、燃焼時間Qが40秒の場合を例示する。
【0087】
図10は、「冷凍食品」として、多めの冷凍食品を加熱調理する場合において、総調理時間Taとして、20分が設定され、前段加熱時間Tfが15分であり、単位燃焼サイクル時間が1分であり、消火時間Wが50秒で、燃焼時間Qが10秒の場合を例示する。
図11は、「冷凍食品」として、少なめの冷凍食品を加熱調理する場合において、総調理時間Taとして、25分が設定され、前段加熱時間Tfが10分であり、単位燃焼サイクル時間が3分であり、消火時間Wが150秒で、燃焼時間Qが30秒の場合を例示する。
【0088】
また、運転制御部Bが、単位燃焼サイクルを実行する単位燃焼サイクル時間が設定最低時間よりも短くなる場合には、設定燃焼回数αを減少させて、後段加熱処理を実行するように構成されている。
設定最低時間としては、例えば、30秒が設定されて、グリドルバーナ7が短時間で燃焼状態と消火状態とに切り換えられることを回避するように構成されている。
【0089】
〔別実施形態〕
次に、その他の別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、総調理時間Taが、タイマー設定スイッチ25で設定される場合を例示したが、運転制御部Bが、前段加熱処理の開始後における検出温度Skの上昇状況に基づいて、加熱容量を推定して、当該加熱容量に基づいて、総調理時間Taを設定するように構成してもよい。
【0090】
例えば、図12に示すように、前段加熱処理の開始後において、検出温度Skが初期設定温度Sxから設定判別温度Syになるまでの経過時間Tdに基づいて、加熱容量を推定し、当該加熱容量に基づいて、総調理時間Taを設定するように構成してもよい。
尚、経過時間Tdと総調理時間Taとの適正関係は実験により求めることになる。
【0091】
(2)上記実施形態では、プレート状容器として、被調理物の載置面が平坦面であるプレートパン9Aを例示したが、プレート状容器としては、被調理物の載置面が波型面である波型プレート状容器が適用できる。
【0092】
(3)上記実施形態では、グリドルG及びコンロ部CRを備えるガスコンロGCを例示したが、グリドルGのみを備える加熱調理器に対して、本発明は適用できるものである。
【0093】
(4)上記実施形態では、後段加熱処理において、上バーナ7Uを連続して燃焼させた状態で、下バーナ7Sを消火状態と燃焼状態とに繰り返し切換える形態で間欠的に燃焼させる場合を例示したが、下バーナ7Sを連続して燃焼させた状態で、上バーナ7Uを消火状態と燃焼状態とに繰り返し切換える形態で間欠的に燃焼させる形態、あるいは、上バーナ7U及び下バーナ7Sを消火状態と燃焼状態とに繰り返し切換える形態で間欠的に燃焼させる形態で実施してもよい。
【0094】
(5)上記実施形態では、グリドルGに本発明を適用する場合を例示したが、コンロバーナ1にて加熱調理する場合にも、本発明を適用できるものである。
つまり、例えば、コンロバーナ1にてプレートパン9Aを加熱しながら、ハンバーグ等の肉類を加熱調理する自動調理運転を行う場合において、前段加熱処理においてはコンロバーナ1を連続して燃焼させ、後段加熱処理においてはコンロバーナ1を消火状態と燃焼状態とに繰り返し切換える形態で間欠的に燃焼させるようにする。この場合において、コンロ側温度検知部1Sにて、設定上昇温度Soが検出される。
【0095】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0096】
6 加熱室
7 加熱バーナ
7S 下バーナ
7U 上バーナ
9A プレート状容器
25 時間設定部
29 調理メニュー指令部
B 運転制御部
U 容器温度検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12