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  • 特許-スチールコード 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】スチールコード
(51)【国際特許分類】
   D07B 1/06 20060101AFI20231206BHJP
   B60C 9/00 20060101ALI20231206BHJP
   B60C 9/20 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
D07B1/06 A
B60C9/00 M
B60C9/20 E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020535095
(86)(22)【出願日】2018-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2018082568
(87)【国際公開番号】W WO2019129452
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/118296
(32)【優先日】2017-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502385850
【氏名又は名称】エンベー ベカルト ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】NV Bekaert SA
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユピン
(72)【発明者】
【氏名】フワン タウ
【審査官】印出 亮太
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-176981(JP,A)
【文献】特表平09-506679(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105625067(CN,A)
【文献】特開平07-243183(JP,A)
【文献】特開平01-104888(JP,A)
【文献】特開平09-228276(JP,A)
【文献】特開平04-308287(JP,A)
【文献】実公昭47-040188(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 1/00 - 19/12
D02G 1/00 - 3/48
D02J 1/00 - 13/00
D07B 1/00 - 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム補強用のスチールコードであって、前記スチールコードは、コアストランド及び前記コアストランドの周囲に撚った少なくとも3つの外側ストランドを含み、前記コアストランドは、少なくとも1つの第1のコアフィラメント及び前記少なくとも1つの第1のコアフィラメントの周囲に撚った複数の第1の外側フィラメントを含み、各前記外側ストランドは多数の第2のフィラメントからなり、前記複数の第1の外側フィラメントの少なくとも1つは、前記コアストランドに撚る前に予備成形され、前記多数の第2のフィラメントの全ては、各前記外側ストランドを形成するために撚る前は直線であり、前記第1のコアフィラメント、前記第1の外側フィラメント及び前記第2のフィラメントは、0.05mm~0.60mmの範囲の直径を有することを特徴とする、スチールコード。
【請求項2】
前記複数の第1の外側フィラメントの全ては、前記コアストランドに撚る前に予備成形されることを特徴とする、請求項1に記載のスチールコード。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1のコアフィラメントは、前記コアストランドに撚る前に予備成形されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のスチールコード。
【請求項4】
前記第1のコアフィラメント又は前記第1の外側フィラメントに予備成形することは、単一圧着、2つの異なる平面内の二重圧着、又は多角形予備成形であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のスチールコード。
【請求項5】
前記予備成形された第1の外側フィラメントは、その長さに沿って連続した波A及び連続した波Bを含み、前記波Aは前記波Bと波高が異なり、前記波Aは1.05xd~4xdmmの範囲の波高を有し、dは前記第1の外側フィラメントの直径であり、前記波Bは、0.5xD~1.5xDmmの範囲の波高を有し、Dは前記第1の外側フィラメントの包含円の直径であることを特徴とする、請求項1又は4のいずれか一項に記載のスチールコード。
【請求項6】
前記波Aは1.05xd~3.5xdmmの範囲の波高を有し、前記波Bは、0.7xD~1.2xDmmの範囲の波高を有することを特徴とする、請求項5に記載のスチールコード。
【請求項7】
前記予備成形された第1のコアフィラメントは、その長さに沿って連続した波Cを含み、前記波Cは、1.05xd~4xdmmの範囲の波高を有し、dは前記第1のコアフィラメントの直径であることを特徴とする、請求項3に記載のスチールコード。
【請求項8】
前記波Cは、1.05xd~3.5xdmmの範囲の波高を有することを特徴とする、請求項7に記載のスチールコード。
【請求項9】
複数のベルト層及びカーカスを含むオフロードタイヤであって、前記ベルトは、請求項1~8のいずれか一項に記載の前記スチールコードによって補強されることを特徴とする、オフロードタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム補強用のスチールコードに関する。又本発明は、スチールコードによって補強されたタイヤにも関する。
【背景技術】
【0002】
オフロードタイヤのような重荷重タイヤを補強するためのスチールコードは、高い強度を有する必要があり、結果としてスチールコードは、高い強度に達するために複数のフィラメントを備えた複数のストランドを有し、このようなスチールコードは、いわゆるOTRコードである。
【0003】
一般的にOTRコードは複数のストランド構造を有し、これはスチールコードに高い強度及び高い破断荷重を持たせる。
【0004】
重荷重タイヤを使用中又は走行中、OTRコードは非常に重い荷重を受け、これはOTRコードのコアストランド内のコアフィラメントに強い力を与え、場合によってはこの強い力はコアフィラメントをゴム層から移動させ、その後空気に曝し(いわゆるコアフィラメント移動)、これによりスチールコードの強度が悪化し、コアフィラメント移動により水分がゴム層に侵入してスチールコードを腐食させるので、腐食問題を引き起こす。
【0005】
日本特許第2006022413号公報は、コアストランド及び多数のシースストランドを有するスチールコードを開示しており、コアストランド内のコアフィラメントはシースフィラメントより厚く、コアフィラメントは波形に予備成形される。そうすることにより、コアフィラメントの移動は改善される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一目的は、より良好な性能を備えたスチールコードを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、スチールコードによって補強されたタイヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の目的によれば、ゴム補強用のスチールコードが提供され、スチールコードは、コアストランド及びコアストランドの周囲に撚った少なくとも3つの外側ストランドを含み、コアストランドは、少なくとも1つの第1のコアフィラメント及び少なくとも1つの第1のコアフィラメントの周囲に撚った複数の第1の外側フィラメントを含み、各外側ストランドは多数の第2のフィラメントを含み、第1の外側フィラメントの少なくとも1つは、コアストランドに撚る前に予備成形され、第2のスチールフィラメントの少なくとも1つは、各外側ストランドを形成するために撚る前は直線である。
【0009】
第1の外側フィラメントの少なくとも1つに予備成形を提供することにより、第1のコアフィラメントの移動は、第1のコアフィラメントの著しく改善した固定力のために低減される。
【0010】
好ましくは第1の外側フィラメントの全てが、コアストランドに撚る前に予備成形される。これにより第1のコアフィラメントの固定力がより高くなり、その後スチールコードをタイヤのゴム層の中に埋め込む時に、コアフィラメント移動の危険性が低減する。
【0011】
好ましくは少なくとも1つの第1のコアフィラメントは、コアストランドに撚る前に予備成形される。
【0012】
好ましくは第2のスチールフィラメントの全てが、外側ストランドを形成するために撚る前は直線である。
【0013】
「直線」とは、最終的なスチールコード内のスチールフィラメントが、直線のフィラメントから始まり、1つの螺旋通路又は互いに重ねた複数の螺旋経路の次にフィラメントを備えて終わる撚り工程のみにより、変形を受けたフィラメントであることを意味する。「直線」とは、スチールフィラメントが最終的なスチールコード内で絶対的な直線であることを意味するものではない。「直線」の第2のスチールフィラメントは、最終的なスチールコードから撚りを解く時にその長さに沿って螺旋経路を有し、これは撚り工程によるためであるが、いかなる他の追加の塑性変形もない。
【0014】
「予備成形した」とは、スチールフィラメント、すなわち第1の外側フィラメントが、撚り工程により変形するだけでなく、更に直線フィラメントの経路から外れるように一部の追加の塑性変形も受けた、最終的なスチールコード内のフィラメントであることを意味する。追加の塑性変形は、単一圧着変形、国際公開第99/28547号パンフレットに記載されたような2つの異なる面内の二重圧着変形、中国特許第1133075号明細書に記載されたような多角形変形、及び他の公知の変形タイプであることが可能である。最終的なスチールコードから撚りを解く時、最終的なスチールコード内の「予備成形した」フィラメントは、その長さに沿って螺旋経路に追加の塑性変形を追加した結果である小さい波を有する。コアストランド内の第1のコアフィラメントは、コア内にある際に撚り工程を受けていない、換言すると予備成形した第1のコアフィラメントは、その長さに沿って小さい波のみを有するが螺旋経路がないので例外である。
【0015】
スチールコードから予備成形した第1の外側フィラメントの撚りを解く時、予備成形した第1の外側フィラメントは、その長さに沿って連続した波A及び連続した波Bを含む。波A及び波Bは、どちらも予備成形変形及び撚り工程の効果を組み合わせることによってもたらされ、波Aは主に撚り工程に加えて予備成形変形によってもたらされる一方で、波Bは主に予備成形変形に加えて撚り工程によってもたらされる。好ましくは、波Aは、1.05xd~4xdmmの範囲の波高を有し、dは第1の外側フィラメントの直径であり、波Bは、0.5xD~1.5xDmmの範囲の波高を有し、Dは第1の外側フィラメントの包含円の直径であり、ここでは包含円は、スチールコードの1断面において第1の外側フィラメントの全てを覆う最小円である。より好ましくは、波Aは、1.05xd~3.5xdmmの範囲の波高を有し、波Bは、0.7xD~1.2xDmmの範囲の波高を有する。波高が大き過ぎる場合、スチールコードの強度は低過ぎ、波高が低過ぎる場合、第1のコアフィラメントの固定力は小さ過ぎる。
【0016】
スチールコードから予備成形した第1のコアフィラメントの撚りを解く時、予備成形した第1のコアフィラメントは連続した波Cを含み、連続した波Cはその長さに沿って予備成形した変形の結果である。好ましくは、波Cは、1.05xd~4xdmmの範囲の波高を有し、dは第1のコアフィラメントの直径である。より好ましくは、波Cは、1.05xd~3.5xdmmの範囲の波高を有する。
【0017】
波高は輪郭投影機によって測定される。フィラメントは、スチールコードから撚りを解かれ、波高測定のサンプルであるために100~150mmの長さを備えて切断され、投影されるサンプルの平面は、測定前に最大波高を有することを確実にするべきである。サンプル又はフィラメントが投影されると、波高はまず2つの隣接した波頭の間に線を引き、次いで2つの隣接した波頭の間にある波の谷から線までの最短距離を測定することによって測定される。この短距離は、スチールフィラメントの直径を含む波高である。
【0018】
ラップフィラメントは、スチールコードの形を修正するために外側ストランドの周囲に巻き付けられる。
【0019】
コアストランド及び外側ストランドを含むストランドは、2層構造又は3層構造を有してもよい。2層構造は、第1のコアフィラメントが中にあるコア層及び第1の外側フィラメントが中にある外層を含む一方で、3層構造は、コア層、外層及び中間層を含む。3層以上の場合、中間層内のフィラメントも第1の外側フィラメントとして画定され、コアストランドに撚る前に予備成形されることが好ましい。
【0020】
スチールコードは、7x7+1、7x(1+6+12)+1、(1+6)+6x(3+9+15)又は(1+6+12)+6x(3+9+15)のようなあらゆる公知の構造を有してもよい。
【0021】
本発明の第2の目的によれば、オフロードタイヤが提供され、タイヤは複数のベルト層及びカーカスを含み、ベルトはスチールコードによって補強され、スチールコードの少なくとも1つは、コアストランド及びコアストランドの周囲に撚った少なくとも3つの外側ストランドを含み、コアストランドは、少なくとも1つ第1のコアフィラメント及び少なくとも1つの第1のコアフィラメントの周囲に撚った複数の第1の外側フィラメントを含み、各外側ストランドは多数の第2のフィラメントを含み、第1の外側フィラメントの少なくとも1つは、コアストランドに撚る前に予備成形され、第2のスチールフィラメントの少なくとも1つは、各外側ストランドを形成するために撚る前は直線である。
【0022】
オフロードタイヤは、コアフィラメント移動の危険性を低減し、そこから品質をより良くし、寿命を延ばす。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】7x7+1の構造を備えたスチールコードを示す。
図2】予備成形されたスチールフィラメント及びスチールコードから撚りを解いた直線スチールフィラメントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
スチールコード用のスチールフィラメントは、線材から作成される。
【0025】
線材は、まず機械的デスケーリングによって、及び/又は表面に存在する酸化物を取り除くためにHSO若しくはHCL溶液内での化学的酸洗によって洗浄される。次いで線材が水中ですすがれて乾燥される。乾燥した線材は、次いで直径を第1の中径まで低減するために第1の一連の乾式伸線作動を受ける。
【0026】
この第1の中径、例えば約3.0~3.5mmでは、乾式伸線した鋼線は、パテンティングと呼ばれる第1の中間熱処理を受ける。パテンティングとは、まず温度約1000℃までオーステナイト化することに続いて、オーステナイトからパーライトに温度約600~650℃での変態相を意味する。鋼線は、次いで更なる機械的変形の準備が整う。
【0027】
その後鋼線は、直径低減ステップの第2の数において第1の中径から第2の中径まで更に乾式伸線される。第2の直径は、典型的には1.0mm~2.5mmの範囲である。
【0028】
この第2の中径では、鋼線は、第2のパテンティング処理、すなわち約1000℃の温度で再度オーステナイト化され、その後パーライトに変態できるように600~650℃の温度に急冷される。
【0029】
第1及び第2の乾式伸線ステップの総低減があまり大きくない場合、直接伸線作動は線材から第2の中径まで行うことができる。
【0030】
この第2のパテンティング処理の後、鋼線は、通常黄銅被覆を備える、すなわち銅は鋼線上にメッキされ、亜鉛は銅上にメッキされる。熱拡散処理は、黄銅被覆を形成するために適用される。別法として、鋼線は、銅、亜鉛及びコバルトの第3次合金、チタニウム、ニッケル、鉄又は他の公知の金属を含む、三元合金被覆を備えることができる。
【0031】
次いで黄銅被覆又は三元合金被覆された鋼線は、湿式伸線機を用いて最終的な一連の断面低減をされる。生成物は、0.60重量パーセントより高い、例えば0.70重量パーセントより高い、又は0.80重量パーセントより高い、又は0.90重量パーセントより更に高い炭素成分、及び典型的には2000MPa超、例えば3800~2000dMpa超、又は4100~2000dMPa超、又は4400~2000dMpa超(dは鋼線の直径である)の引張強度を有し、弾性製品の補強に適合する鋼線である。
【0032】
タイヤの補強に適合した鋼線は、典型的には0.05mm~0.60mm、例えば0.10mm~0.40mmの範囲の最終的な直径を有する。フィラメントの直径の例は、0.10mm、0.12mm、0.15mm、0.175mm、0.18mm、0.20mm、0.22mm、0.245mm、0.28mm、0.30mm、0.32mm、0.35mm、0.38mm、0.40mmである。
【0033】
スチールフィラメントの調整後、コアストランドの外層内に配置される少なくとも1つスチールフィラメント、好ましくはコアストランドの外層内の全てのスチールフィラメントは、予備成形工程を受け、次いで全てのスチールフィラメントは、スチールコードを形成するために撚り工程を受ける。
【0034】
予備成形工程は、単一圧着、2つの異なる平面内の二重圧着、又は多角形予備成形である。好ましくは、予備成形工程は、スチールフィラメントの強度損失が少ないので単一圧着である。
【0035】
図1は、第1の実施形態を例示する。スチールコード100は7x7+1の構造を有し、第1のコアフィラメント105及び第1の外側フィラメント110は、撚り工程の前に予備成形され、各外側ストランドはフィラメント115及びフィラメント120を有し、フィラメント120は外側ストランドのコア内にあり、フィラメント115及び120は、撚り工程の前は直線であり、フィラメント125は外側ストランドの周囲に巻き付けられる。図2は、フィラメント105、110、115、及び120の異なる波形を示す。波C、すなわちフィラメント105の波形は、予備成形変形のみによってもたらされる。波A、すなわちフィラメント110のより小さい波形は、主に撚り工程に加えて予備成形変形によってもたらされる。波B、すなわちフィラメント110のより大きい波形は、主に予備成形変形に加えて撚り工程によってもたらされる。フィラメント115及び120の波形は、撚り工程のみによってもたらされ、フィラメント115の波形及びフィラメント120の波形は、フィラメント115及びフィラメント120が異なる撚り工程を有するので、異なる波高を有する。図2に示されたように、波高は、まずフィラメントが輪郭投影によって投影された時に2つの隣接した波頭の間に線を引き、次いで波の谷から線までの最短距離を測定することによって測定される(波A、波B及び波Cの例を参照されたい)。この短距離は、スチールフィラメントの直径を含む波高である。
【0036】
比較試験を行った。表1にその結果をまとめる。
【0037】
【表1】
【0038】
コアフィラメントの固定力は、以下のステップを備えた方法によって試験される、すなわち、まず、平行に配置された4つのスチールコードが埋め込まれたゴム引きされたサンプルを作成し、2つの隣接したスチールコードの間の距離は、1つのスチールコードの中心から別のスチールコードの中心までが5mmであり、ゴム引きしたサンプルは220x25x15mm(長さx幅x高さ)の大きさを有し、2番目に、ゴム引きしたサンプルの一端を選択し、選択した端部のゴム化合物を取り除き、中にスチールコードを残し、残りのゴム引きしたサンプルは確実に1インチの長さを有し、3番目に、第1のコアフィラメントを露出するために選択した端部のスチールコードから外側ストランド及び第1の外側フィラメントを解き、4番目に、ゴム引きしたサンプルから第1のコアフィラメントの1つを引き抜き、必要な力を記録する。記録された力がコアフィラメントの固定力である。
【0039】
上の表から、本発明のスチールコードは、参照と比較したコアフィラメントの固定力に十分に高い改善を有することが明らかである。第1の外側フィラメントを予備成形する固定力は、第1のコアフィラメントのみを予備成形する固定力より10倍高い。改善された固定力は、コアフィラメント移動の危険性を低減する。
【0040】
第2の実施形態は、7x(1+6+12)のスチールコードである。スチールコードの各ストランドは、コア、中間層及び外層の3層構造を有する。中間層及び外層内のフィラメントは、撚り工程の前に予備成形され、スチールコードの残りのフィラメントは、撚り工程の前は直線である。予備成形された第1の外側フィラメントは、その長さに沿って連続した波A及び連続した波Bを含み、波Aは0.290mmの波高を有し、波Bは0.558mmの波高を有する。
図1
図2