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  • 特許-車両と併せて使用するバネ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】車両と併せて使用するバネ
(51)【国際特許分類】
   F16F 1/18 20060101AFI20231206BHJP
   B60G 11/04 20060101ALI20231206BHJP
   F16F 1/22 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
F16F1/18 G
B60G11/04
F16F1/22
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020542016
(86)(22)【出願日】2019-01-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2019050395
(87)【国際公開番号】W WO2019158276
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-12-02
(31)【優先権主張番号】A50139/2018
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】517250066
【氏名又は名称】ヘンドリクソン コマーシャル ヴィヒクル システムス ヨーロパ ゲーエムベーハ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ザンバージ,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ナットランド,フリードヘルム
(72)【発明者】
【氏名】マルトー-ローラン,セヴラン
(72)【発明者】
【氏名】レナーズ,ライナー
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/134810(WO,A1)
【文献】特開2003-159923(JP,A)
【文献】特表2018-502006(JP,A)
【文献】特開2004-084758(JP,A)
【文献】特表2006-503750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 1/18
B60G 11/04
F16F 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力車と併せて使用され、漸進的なバネ定数を有するバネである板バネ(1)であって、中央領域(2)及び2つの隣接の縁領域(4a,4b)を伴う、バネ鋼から作られた一体型のバネ板(12)を有し、前記縁領域(4a,4b)は、それぞれ、端領域(5a,5b)を有し、
無荷重状態では、前記バネ板(12)は2つの屈曲区分(13,14)を有し、前記2つの屈曲区分(13,14)は、それぞれ、湾曲方向に湾曲を有し、前記2つの屈曲区分(13,14)の前記湾曲方向は反対であり、前記2つの屈曲区分(13,14)は、分岐点(15)で相互に合体することと、第1の屈曲区分(13)は垂直バネ区分であり、第1の縁領域(4a)の前記端領域(5a)から前記中央領域(2)を介して前記分岐点(15)まで伸び、第2の屈曲区分(14)は水平及び垂直バネ区分であり、前記分岐点(15)から第2の縁領域(4b)の前記端領域(5b)まで伸び、
前記端領域(5a,5b)は、それぞれ、回転式目状部(11)を介して静止様式でシャーシに接続されることができ、各前記回転式目状部(11)は前記シャーシに対して並進固定されて回転し、車両上に設置されるときの前記バネの全長は、全ての荷重状態において実質的に不変であり、
前記第1の縁領域(4a)は、全ての荷重状態では、前記端領域(5a)から前記中央領域(2)までの本質的に一定の有効長を有することと、前記中央領域(2)から前記分岐点(15)まで伸びる前記第1の屈曲区分(13)の区分の前記有効長は、荷重が増加するにつれて大きくなり、これにより、圧縮力は前記第2の屈曲区分(14)にかけられ
前記第1の縁領域(4a)の前記端領域(5a)から前記中央領域(2)を介して前記分岐点(15)に至る前記第1の屈曲区分(13)は、正確に1つの湾曲方向で1つの湾曲を有することを特徴とする、バネ。
【請求項2】
前記第1の屈曲区分(13)は前記第2の屈曲区分(14)よりも長いことと、前記第2の屈曲区分(14)は前記第1の屈曲区分(13)よりも著しく曲がっていることとを特徴とする、請求項1に記載のバネ。
【請求項3】
前記第2の縁領域(4b)の前記端領域(5b)を前記シャーシに接続するための前記回転式目状部(11)及び前記第1の縁領域(4a)の前記端領域(5a)を前記シャーシに接続するための前記回転式目状部(11)は、前記シャーシに回転可能に(具体的には、モーメント荷重で、好ましくは、トルク荷重で)締められることができることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバネ。
【請求項4】
前記板バネ(1)は、パラボリックスプリングであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のバネ。
【請求項5】
軸受ブシュ(18)が前記回転式目状部(11)のそれぞれに配置され、前記軸受ブシュは、回転可能な弾性様式で作用することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のバネ。
【請求項6】
前記第2の縁領域(4b)は、前記中央領域(2)から前記分岐点(15)を介して頂
点(16)まで伸び、連続的に前記頂点(16)から前記端領域(5b)に本質的に直線
状に伸びることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のバネ。
【請求項7】
頂点(15)から前記第2の縁領域(4b)の前記端領域(5b)まで伸びる区分及び前記中央領域(2)の方向に前記頂点(16)から伸びる区分は、相互に対して、80°よりも大きい角度(α)で前記頂点(16)に配置されることを特徴とする、請求項6に記載のバネ。
【請求項8】
荷重が増加するにつれて、最初の前記角度(α)は本質的に同じであり、次に、増加することを特徴とする、請求項7に記載のバネ。
【請求項9】
前記第1の屈曲区分(13)は、前記第2の屈曲区分(14)よりも小さい屈曲強度を有することを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のバネ。
【請求項10】
前記回転式目状部(11)は、それぞれ、端面(21)を有することを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のバネ。
【請求項11】
前記回転式目状部(11)は、各々の前記縁領域(4a,4b)から開始して偏向し、本質的に円状に伸びることと、間隔(22)は、前記縁領域(4a,4b)の表面と、前記回転式目状部(11)の前記端面(21)との間に存在することとを特徴とする、請求項10に記載のバネ。
【請求項12】
前記回転式目状部(11)は、前記バネの同じ側に(具体的には、設置状態における前記バネの前記縁領域(4a,4b)の上側(10)で、または設置状態における前記バネの前記縁領域の下側で)伸びることを特徴とする、請求項11に記載のバネ。
【請求項13】
前記中央領域(2)はクランプ領域(19)を含み、前記クランプ領域(19)は、接続デバイスによって(具体的には、前記クランプ領域(19)内の前記バネを包囲する1つ以上のU字形ボルトまたは金型部分によって)、車輪軸または車輪軸ボルトに接続されることができることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載のバネ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文の特徴があるバネに関する。
【背景技術】
【0002】
車両構成では、相互に対してバネサスペンションを伴う車両のホイール及びシャーシを提供していることは既知である。特に、具体的には、広範囲の荷重の要求は単純な設計の適用を受けるため、大型車両及び重量車両の場合、この目的のために板バネが使用される。
【0003】
非線形(具体的には、漸進的)な特性カーブを伴うバネは、具体的には、利点をもたらすことを証明している。その理由として、係る特性カーブは、係るバネサスペンションが装備される車両の駆動特性に好都合な影響を及ぼす。
【0004】
漸進的な特性を伴う繊維強化プラスチック材料から作られた一体型板バネは、欧州特許第2885554号明細書から既知である。このバネは板引張バネであり、すなわち、設置されるとき、ホイール運搬部によって導入された垂直力が増加するにつれて、そのバネが受ける引張荷重が増加するように設計されている。この目的のために、バネは機械的に加工されていない2つの端領域を含み、2つの端領域は、耐モーメント様式及び耐トルク様式で、固定式受容デバイスに留められ、端領域は、受容デバイスと、受容デバイスの回転軸を通る中性繊維とを通って伸びる。可能な最大張力がこのバネとの荷重の組み合わせによって減り、材料設計及び車両へのバネの取り付けは荷重負担能力が減ることを犠牲にする欠点がある。
【0005】
漸進的な特性を伴うバネ鋼から作られた汎用の一体型バネは、屈曲荷重を受け、前述の欠点を回避している国際公開第2016/134810号に提案されている。このバネは板バネの片側の中央領域から偏向し、中央領域に隣接して、第1の湾曲方向に第1の湾曲領域と、第1の頂点とを有し、第1の頂点は中心軸の片側に位置する。この縁領域は、端領域に向かう方向において、第2の湾曲方向に第2の湾曲領域と、第2の頂点とを有し、第2の湾曲方向は第1の湾曲方向の反対にあり、第2の頂点は、第1の頂点の反対側にある中心軸の側に位置する。したがって、最初に言及した板引張バネの欠点を克服するが、力分布が、具体的には、剪断力により、中央領域から偏向する領域内で生じ、その力分布は、かなりの損耗、ひいては、望ましくない材料疲労のリスクに曝されて達成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】欧州特許第2885554号明細書
【文献】国際公開第2016/134810号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明に内在する課題は、鋼鉄から容易に作られることができる漸進的なバネ定数を伴う板バネを提供することであり、バネのより長い耐久性は均一の力分布によって達成される。また、本発明の課題は、板バネが漸進的なバネ定数及び高荷重負担能力を有することを利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1の特徴を有するバネによって解決される。
【0009】
本発明の好ましい実施形態及び利点をもたらす実施形態は、従属請求項の主題である。
【0010】
本発明に従って、無荷重状態では、バネ板はそれぞれ2つの屈曲区分を有し、屈曲区分はそれぞれ湾曲方向に湾曲を有し、2つの屈曲区分の湾曲方向は反対であり、2つの屈曲区分は分岐点の領域内で相互に合体することと、第1の屈曲区分は垂直バネ区分であり、第1の縁領域の端領域から中央領域を介して分岐点まで伸び、第2の屈曲区分は水平及び垂直バネ区分であり、分岐点から第2の縁領域の端領域まで伸びることとがもたらされる。第1の屈曲区分は垂直バネとして働き、第2の屈曲区分はバネの縦方向における垂直バネとして及び水平バネとして働く。
【0011】
本発明に従ったバネのバネ板は、正確な2つの曲がり屈曲区分を有する。無荷重状態では、屈曲区分は、それぞれ、湾曲方向に正確に1つの湾曲部を有する。本発明に従ったバネのバネ板は、全体にわたって、鋼鉄(具体的には、バネ鋼)から作られる。
【0012】
本発明に従った作られたバネは、著しく非線形(具体的には、漸進的な特性カーブ)を有し得、本発明に従ったバネサスペンションが設けられた車両の駆動特性に好都合な影響を及ぼす。加えて、本発明に従ったバネは、第2の屈曲区分が水平バネ区分(いわば、バネ内のバネ)としても働くため、具体的には、制動動作中に生じる垂直力成分だけでなく水平力成分も吸収できる。水平力成分がバネの全長にわたって分配されるため、均一な力分布は発生する。したがって、耐久性及び荷重負担能力は増加し、良好な駆動特性は、車両に対して達成することができる。
【0013】
最小限の剪断力だけが、本発明に従ったバネの中央領域に生じる。したがって、バネが特に中央領域でより薄い厚さで構成される必要があり、材料を節約でき、軽量のバネを作ることができる。
【0014】
特に好ましい実施形態では、第1の屈曲区分は第2の屈曲区分よりも長いことと、第2の屈曲区分は第1の屈曲区分よりも著しく曲がることとがもたらされる。無荷重状態では、第1の屈曲区分はほんのわずかな湾曲を有し、中央領域は、第1の縁領域の端領域の下に及び分岐点の下に配置され、その領域内では、2つの屈曲区分は相互に合体する。荷重下で、第1の屈曲区分は上向きに屈曲し、垂直バネ区分として働く。
【0015】
好ましい実施形態では、第1の縁領域は、全ての荷重状態において対応する端領域から中央領域までの本質的に一定の有効長を有する。荷重が増加するにつれて、バネの中央領域は、したがって、本質的に垂直方向に、バネの縦方向にほんのわずか水平に移動する。中央領域から分岐点まで伸びる第1の屈曲区分の区分の有効長は荷重が増加するにつれて大きくなり、これにより、圧縮力はバネの縦方向における第2の屈曲区分にかけられる。
【0016】
本発明の範囲内で、第2の縁領域の端領域をシャーシに接続するための回転式目状部及び随意に第1の縁領域の端領域をシャーシに接続するための回転式目状部は、シャーシに回転可能に(具体的には、モーメント荷重で、好ましくは、トルク荷重で)締められることができる。したがって、第2の屈曲区分は、圧縮力によって直接圧縮されないが、むしろ、端領域まで伸びる第2の屈曲区分の区分は、回転式目状部の方向の回転運動によって屈曲され、この区分は、設置されるとき急勾配になる。本発明に従ったバネの回転運動は、サスペンションのアクションの一部である。
【0017】
したがって、第1の屈曲区分は垂直方向に屈曲し、第2の屈曲区分は水平方向に荷重をかけられ、これにより、2つの屈曲荷重の組み合わせは発生する。
【0018】
本発明の範囲内で、回転式目状部は、回転軸を中心に回転可能になるようにシャーシに締められることができ、バネの中性繊維及び随意に具体的には縁領域(4a,4b)のバネの中性屈曲繊維は、回転軸(17)から離間される。
【0019】
本発明の範囲内で、また、軸受ブシュは、それぞれの場合、回転式目状部に配置されることがもたらされる利点をもたらし得、当該軸受ブシュは、回転可能な弾性様式で作用するのが好ましい。ゴムから作られることが好ましい軸受ブシュによって、軟質のバネ挙動に導く減衰効果を達成する。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、第2の縁領域は、中央領域から分岐点を介して頂点まで伸び、連続的に頂点から対応する端領域に本質的に直線状に伸びることが好ましい。具体的には、この直線状に伸びる領域は、上記に説明した回転運動によって傾斜し、それにより、設置されるとき、その領域は、荷重が増加するにつれて、より急勾配に伸びる。
【0021】
本発明の好ましい実施形態では、頂点から第2の縁領域の端領域まで伸びる区分及び中央領域の方向に頂点から伸びる区分は、相互に対して、80°よりも大きい角度α(好ましくは、90°よりも大きい角度、例えば、約100~150°、好ましくは、120~140°、具体的には、130°)で頂点の領域内に配置される。荷重が増加するにつれて、最初の角度αは本質的に同じであり、次に、増加する。中央領域に垂直荷重がかかると、中央領域から分岐点まで伸びる第1の屈曲区分の区分は上向きに屈曲する。バネの縦方向に第2の屈曲区分にかかる結果として生じる圧縮力は、回転軸受により、第2の屈曲区分の回転運動に導き、このとき、最初の角度αは一定のままである。回転運動はある点だけまで行われ、頂点から端領域まで伸びる第2の屈曲区分の縁領域は、本質的に一定の位置にあるままである。しかしながら、中央領域にさらなる垂直荷重がかかると、中央領域から分岐点まで伸びる第1の屈曲区分の区分はさらに上向きに屈曲し、これにより、角度αは増加する。
【0022】
本発明の範囲内で、第1の屈曲区分は、第2の屈曲区分よりも小さい屈曲強度を有し得る。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、回転式目状部はそれぞれ端面を有し、具体的には、回転式目状部は、各々の縁領域から開始して偏向し、本質的に円状に伸び、間隔は、縁領域の表面と、回転式目状部の端面との間に存在する。したがって、本実施形態は、鋼鉄から作られたバネが熱変形プロセスで容易に作られることができるため利点をもたらす一方、係る回転式目状部は、プラスチックから作られたバネの場合に作られることができない。
【0024】
具体的には、両方の回転式目状部がバネの同じ側に(すなわち、設置されるときにバネの上側に(「巻かれた目状部」)、または設置されるときに下側に(「広げられた目状部」)伸びる場合が好ましい。本発明の範囲内で、いわゆる、「ベルリナー目状部」も考えられる。
【0025】
本発明の範囲内で、バネの中央領域はクランプ領域を含み、クランプ領域は、接続デバイスによって、具体的には、クランプ領域内のバネを包囲する1つ以上のU字形ボルトまたは金型部分によって、車輪軸または車輪軸ボルトに接続されることができる。中央領域はクランプ領域を含み得、クランプ領域の厚さ(高さ)は、隣接縁領域の厚さよりも大きく、移行領域を含み得、バネ板の厚さは、相応に、増加または減少する。
【0026】
本発明に従ったバネのバネ板は一体である。本発明の範囲内で、バネが単一の板バネである場合に好ましい。しかしながら、本発明に従ったバネは、また、補助バネ板または2つ以上の補助バネ板と組み合わされることができる。
【0027】
バネの中心に垂直荷重がかかると、屈曲区分の複数の屈曲部及び両方のバネ目状部の並進固定式クランプ(回転が可能である)は、2重バネ(一方では、板バネが常に作用するときに垂直の(第1の屈曲区分)、他方では、水平の(第2の屈曲区分))を生じさせる。屈曲力は一緒に作用し、非線形バネ挙動を生じさせる。
【0028】
本発明は、図面に従った実施形態の例を用いて、さらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】バネ鋼から作られた汎用の単一のバネを示す。
図2】本発明による、バネ鋼から作られた単一のバネの実施形態を示す。
図3】軸受ブシュ及び補助バネ板と組み合わせた、本発明によるバネ鋼から作られた単一のバネの実施形態を示す。
図4】回転式目状部の領域内の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本質的に無荷重状態のバネ鋼から作られた既知の板バネ1を表す。板バネ1は、中心軸3を伴う中央領域2と、2つの縁領域4とを有する。縁領域4は、それぞれ、端領域5を有する。右の縁領域4は中央領域2に隣接し、第1の湾曲方向の第1の湾曲領域6と、第1の頂点7とを有し、第1の頂点7は中心軸3の下側に位置する。この縁領域4は、端領域5の方向に隣接し、第2の湾曲方向に第2の湾曲領域8と、第2の頂点9とを有し、第2の湾曲方向は第1の湾曲方向の反対にあり、第2の頂点9は中心軸3の上側に位置する。右の縁領域4の端領域5は、中央領域2が位置する側に向かって第2の頂点9から離れて傾斜する。縁領域5は、それぞれ、板バネ1を車両のシャーシに接続するための回転式目状部11を有する。
【0031】
図1に表される板バネ1の上側は、車両の設置位置の車両シャーシに向いている板バネ1の上側10である。
【0032】
第1の湾曲領域6の領域内で、力分布は、具体的には、剪断力により発生し、その力分布は、かなりの損耗、ひいては、望ましくない材料疲労のリスクに曝されて達成される。加えて、第1の湾曲領域6は地面の隙間の減少に導き、その結果、障害物(例えば、縁石)に乗り上げるときの損傷のリスクは増加する。
【0033】
図2及び図3は、動力車と併せて使用するパラボリックスプリングのような本発明によるバネ板1の実施形態を表す。熱変形プロセスで作られることができる板バネ1は、中央領域2及び2つの隣接縁領域4a,4bを伴う、バネ鋼から作られた一体型バネ板12を有する。縁領域4a,4bは、それぞれ、端領域5a,5bを有し、端領域5a,5bは、それぞれ、回転式目状部11を介して静止様式でシャーシに接続されることができ、動力車に設置されるときの板バネ1の全長(すなわち、2つの目状部11の間の距離)は、全ての荷重状態において実質的に不変である。
【0034】
無荷重状態では、バネ板12は2つの屈曲区分13,14を有し、2つの屈曲区分13,14はそれぞれ湾曲方向に湾曲を有し、2つの屈曲区分13,14の湾曲方向は反対であり、2つの屈曲区分13,14は、分岐点15の領域内で相互に合体する。第1の屈曲区分13は、第1の縁領域4aの端領域5aから中央領域2を介して分岐点15まで伸び、第2の屈曲区分14は分岐点15から第2の縁領域4bの端領域5bまで伸びる。第2の縁領域4bは、中央領域2から分岐点15を介して頂点16まで伸び、頂点16から端領域5bに本質的に直線状に伸びる。
【0035】
回転式目状部11は、回転軸17を中心に回転可能になるように軸受ブシュ18によってシャーシに締められることができ、板バネ1の中性繊維及び縁領域4a,4bの中性屈曲繊維は、それぞれ、回転軸17から離間される。回転式目状部11の両方は板バネ1の上側10で伸びる。
【0036】
中央領域2はクランプ領域19を含み得、クランプ領域19の厚さ(高さ)は、隣接縁領域の厚さよりも大きく、クランプ領域19は、例えばU字形ボルトによって、車輪軸または車輪軸ボルトに接続されることができる。中央領域2は、クランプ領域19と、中央領域2に隣接する縁領域4a,4bとの間に移行領域20a,20bを有し、その移行領域では、板バネ12の厚さは、相応に、増加または減少する。
【0037】
図2及び図3に表される板バネ1の上側は、車両の設置位置の車両シャーシに向いている板バネ1の上側10である。分岐点15は、定格荷重の存在下における車両の設置状態における中央領域2の上方に配置される。
【0038】
図4に最良に分かることができるように、回転式目状部11はそれぞれ端面21を有する。回転式目状部11は本質的に円状に伸び、間隔22は、対応する縁領域4a,4bの上側10と、回転式目状部11の端面21との間に存在する。
【0039】
先行技術(図1参照)に関連して説明される欠点は、本発明に従った板バネ1が取り外れることである。
【0040】
動力車の場合、車(PKW)と貨物自動車(LKW)とが区別されている。貨物自動車の場合、また、軽量貨物自動車(「LLKW」、最大7.5t)と、中量貨物自動車(「LKW」、7.5t~12t)と、重量貨物自動車(「SLKW」、12t~)とが区別されている。バネサスペンションまたはホイールサスペンションに関する要求は、それぞれの場合、移送される荷重によって異なる。本発明に従ったバネは、全ての既知の動力車と一緒に使用されることができる。
図1
図2
図3
図4