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特許7397806乗り物車両の可動アームを固定するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】乗り物車両の可動アームを固定するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63G 7/00 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
A63G7/00
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020564603
(86)(22)【出願日】2019-03-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 US2019020407
(87)【国際公開番号】W WO2019221802
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】62/673,486
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/024,185
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】ブラム スティーヴン シー
(72)【発明者】
【氏名】マジェダリ デイヴィッド
【審査官】佐々木 祐
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05813350(US,A)
【文献】国際公開第2012/039601(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0358330(US,A1)
【文献】特開2003-260273(JP,A)
【文献】特表2005-520665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00 - 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物車両を備えた乗り物車両システムであって、
前記乗り物車両は、
乗り物軌道に接して前記乗り物軌道に沿って移動するように構成された乗り物車両ベースと、
ベース端側部分及び自由端側部分を含み、1又は2以上の動き制御軸に沿って動くように構成された可動アームであって、前記可動アームのベース端において前記乗り物車両ベースに取り付けられた可動アームと、
前記可動アームの自由端に結合された乗り物シートと、
前記可動アームの第1の部分を前記乗り物車両ベースに、前記乗り物シートを前記可動アームの第2の部分に、前記乗り物シートを前記乗り物車両ベースに、又はこれらの組み合わせで可逆的に結合するように構成された結合装置と、
乗り物車両コントローラと、
を含み、
前記乗り物車両コントローラは、乗り物条件信号を受け取るように構成され、前記受け取られた乗り物条件信号は、乗り物条件に関連する前記乗り物軌道の部分に前記乗り物車両が接近していることを示すように構成され、前記乗り物条件は、前記乗り物車両に所定の閾値を上回る力を受けさせるように構成され、
前記乗り物車両コントローラは、前記結合装置を介して、前記受け取られた乗り物条件信号に基づいて、前記乗り物条件の間、前記可動アームの前記第1の部分を前記乗り物車両ベースに、前記乗り物シートを前記可動アームの前記第2の部分に、前記乗り物シートを前記乗り物車両ベースに、又はこれらの組み合わせで可逆的に結合するように構成され、
前記可動アームの前記第1の部分は、前記可動アームの前記自由端側部分を含み、前記可動アームの前記第2の部分は、前記可動アームの前記ベース端側部分を含む、
ことを特徴とする乗り物車両システム。
【請求項2】
前記結合装置は、前記可動アームの前記第1の部分を前記乗り物車両ベースに、前記乗り物シートを前記可動アームの前記第2の部分に、前記乗り物シートを前記乗り物車両ベースに、又はこれらの組み合わせで少なくとも機械的又は構造的に結合するように構成される、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項3】
前記結合装置は、前記可動アームの前記自由端を前記乗り物車両ベースに結合するように構成される、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項4】
前記乗り物車両コントローラは、前記受け取られた乗り物条件信号に少なくとも部分的に基づいて可動アーム位置信号を出力し、前記可動アーム位置信号に基づいて前記可動アームが前記乗り物車両ベースに対して動いた後に、前記結合装置を作動させて、前記可動アームの前記第1の部分を前記乗り物車両ベースに結合するように構成される
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項5】
前記結合装置は、結合信号及び分離信号に応答して前記結合装置の結合及び分離をそれぞれ引き起こすように構成された油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、電気アクチュエータ、機械アクチュエータ、又はこれらの何らかの組み合わせを含む、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項6】
前記乗り物車両ベースは、前記可動アームの前記第1の部分、前記可動アームの前記第2の部分、前記乗り物シート、又はこれらの何らかの組み合わせを着座させるように構成された凹部を含む、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項7】
前記結合装置は、前記凹部内に配置されて、前記凹部を前記可動アームの前記第1の部分、前記可動アームの前記第2の部分、前記乗り物シート、又はこれらの何らかの組み合わせに結合するように構成される、
請求項6に記載の乗り物車両システム。
【請求項8】
前記可動アームは、該可動アームの前記自由端を少なくとも6つの自由度で動かすように構成される、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項9】
前記可動アームは、少なくとも1つの回転関節を介して互いに移動可能に結合された複数のアームセグメントを含む、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項10】
乗り物車両を備えた乗り物車両システムであって、
前記乗り物車両は、
乗り物軌道に接して前記乗り物軌道に沿って移動するように構成された乗り物車両ベースと、
ベース端側部分及び自由端側部分を含み、1又は2以上の動き制御軸に沿って動くように構成された可動アームであって、前記可動アームのベース端において前記乗り物車両ベースに取り付けられた可動アームと、
前記可動アームの自由端に結合された乗り物シートと、
乗り物車両コントローラと、
を含み、
前記乗り物車両コントローラは、乗り物条件信号を受け取るように構成され、前記受け取られた乗り物条件信号は、乗り物条件に関連する前記乗り物軌道の部分に前記乗り物車両が接近していることを示すように構成され、前記乗り物条件は、前記乗り物車両に所定の閾値を上回る力を受けさせるように構成され、
前記可動アームは、前記少なくとも1つの回転関節の回転を阻止して一時的に固定関節を形成するように構成されたロック機構を含み、
前記乗り物車両コントローラは、前記受け取られた乗り物条件信号に少なくとも部分的に基づいて前記ロック機構にロック信号を出力するように構成され、前記可動アームが、前記ロック信号に基づいて一時的に前記固定関節を形成する、
乗り物車両システム。
【請求項11】
前記乗り物条件は、閾値を上回る前記乗り物軌道の形状、前記乗り物車両の速度、又はこれらの何らかの組み合わせを含む、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項12】
前記乗り物車両コントローラは、前記可動アームの少なくとも1つの回転関節に加わる力を低減するために、前記受け取られた乗り物条件信号に少なくとも部分的に基づいて、前記可動アームの位置を決定し、前記可動アームの前記位置に基づく可動アーム位置信号を前記可動アームに出力し、前記可動アームが前記可動アームの前記位置に来た後に、前記結合装置を作動させて、前記可動アームの前記第1の部分を前記乗り物車両ベースに結合するように構成される、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項13】
前記乗り物車両コントローラは、前記可動アーム、前記乗り物車両ベース、又はこれらの何らかの組み合わせに加わる力を低減するために、前記受け取られた乗り物条件信号に少なくとも部分的に基づいて、前記可動アームの位置を決定し、前記可動アームの前記位置に基づく可動アーム位置信号を前記可動アームに出力し、前記可動アームが前記可動アームの前記位置に来た後に、前記結合装置を作動させて、前記可動アームの前記第1の部分を前記乗り物車両ベースに結合するように構成される、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項14】
前記乗り物車両コントローラは、前記受け取られた乗り物車両信号に基づいて前記可動アームの重心が前記乗り物車両ベースの重心に向かって動くように前記可動アームの動きを引き起こし、前記可動アームの前記動きの後に、前記結合装置を作動させて、前記可動アームの前記第1の部分を前記乗り物車両ベースに結合するように構成される、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項15】
前記乗り物軌道に沿って配置されて前記乗り物条件信号を出力するように構成された少なくとも1つの位置インジケータをさらに備える、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項16】
乗り物車両であって、
乗り物軌道に接して前記乗り物軌道に沿って移動するように構成された乗り物車両ベースと、
乗り物車両コントローラであって、前記乗り物車両コントローラは、乗り物条件に関連付けられた前記乗り物軌道の部分に前記乗り物車両が接近したときにロック信号を受け取るように構成され、前記乗り物条件は、前記乗り物車両に所定の閾値を上回る力を受けさせるように構成された、乗り物車両コントローラと、
ベース端及び自由端を含み、1又は2以上の動き制御軸に沿って動くように構成され、前記ベース端において前記乗り物車両ベースに取り付けられ、前記乗り物車両コントローラからの動き信号に応答して前記乗り物車両ベースに対して動くように構成された可動アームと、
前記可動アームの前記自由端に取り付けられた乗り物シートと、
前記ロック信号に応答して、少なくとも1つの動き制御軸に沿って前記可動アームの動きをロックするロック位置に作動して前記可動アームの前記自由端を拘束するように構成されたロック装置と、
を備え、前記ロック装置は、前記可動アームの前記自由端を前記乗り物車両ベースに結合することにより、前記可動アームの前記自由端を拘束することを特徴とする乗り物車両。
【請求項17】
前記乗り物車両コントローラは、メモリデバイスに記憶されたプロセッサにより実行可能な命令に少なくとも部分的に基づいて、前記乗り物軌道に沿った前記乗り物車両の位置を決定し、前記乗り物軌道に沿った前記乗り物車両の前記決定された位置に少なくとも部分的に基づいて前記ロック信号を出力するように構成される、
請求項16に記載の乗り物車両。
【請求項18】
前記乗り物車両コントローラは、タイミングシステムに少なくとも部分的に基づいて前記乗り物車両の位置を決定するように構成され、前記コントローラは、乗り物シーケンス中の所定の時点で前記ロック信号を出力するように構成される、
請求項16に記載の乗り物車両。
【請求項19】
前記ロック装置は、前記乗り物車両コントローラからのアンロック信号に応答して、前記少なくとも1つの動き制御軸に沿った前記可動アームの動きをアンロックするアンロック位置に作動するように構成される、
請求項16に記載の乗り物車両。
【請求項20】
前記乗り物車両コントローラは、乗り物コントローラから、前記乗り物条件に関連する前記乗り物軌道の部分に前記乗り物車両が接近していることを示すように構成された乗り物条件信号を受け取り、前記乗り物条件信号を受け取ったことに応答して前記ロック信号を出力するように構成される、
請求項16に記載の乗り物車両。
【請求項21】
乗り物車両の可動アームを乗り物車両ベースに対して第1の構成に移行させるステップであって、前記可動アームは、自由端及びベース端を含み、前記ベース端は、前記乗り物車両ベースに取り付けられ、前記乗り物車両ベースは、乗り物軌道に接するように構成された、乗り物車両の可動アームを第1の構成に移行させるステップと、
前記乗り物車両に所定の閾値を上回る力を受けさせるように構成された乗り物軌道の部分又はその付近に前記乗り物車両が存在する時に、前記可動アームを前記第1の構成から第2の構成に移行させるステップであって、前記第2の構成では、前記可動アームの少なくとも一部が前記第1の構成時よりも前記乗り物車両ベースに近接する、前記可動アームを前記第1の構成から第2の構成に移行させるステップと、
前記可動アームが前記第2の構成にある時に、前記可動アームの結合装置又はロック機構を作動させて前記可動アームの少なくとも一部をロック又は硬化させるステップと、
を含む、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2018年5月18日に出願された「乗り物車両の可動アームを固定するためのシステム及び方法(Systems and Methods for Securing a Movable Arm of a Ride Vehicle)」という名称の米国仮特許出願第62/673,486号の利益を主張するものであり、この文献の開示は全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、アトラクションの乗り物車両の可動アームを固定する技術に関する。
【0003】
本節は、以下で説明する本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【0004】
遊園地は、20世紀初頭以来大幅に人気が高まってきた。この人気の高まりを維持するために、新たな遊園地アトラクションは、来園客に独特な動き及び視覚的体験を提供するように設計されている。遊園地アトラクションの中には、乗り物車両に可動アームを組み込んで、乗り物車両にさらなる動きの範囲を追加することによって従来のアトラクション体験を変化させているものもある。しかしながら、これらの遊園地アトラクションのコンポーネントは、従来のアトラクション体験には存在しないさらなる力を受けることがある。これらの遊園地アトラクションは、可動アーム、来園客からの力(例えば、静的及び動的負荷)、及びアトラクションに存在する他の力を可動アームに依拠して支える。しかしながら、このさらなる力は、遊園地アトラクションのコンポーネント(例えば、乗り物車両又は可動アーム)の損耗を高めてしまうことがある。コンポーネントの損耗が高まると、コンポーネントの寿命が縮むことによって、遊園地アトラクションオペレータのコストが上昇する恐れがある。従って、今では、これらの遊園地アトラクションを改善することが望ましいと認識することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろいくつかの開示する実施形態の概要を示すものにすぎない。実際に、本開示は、以下に示す実施形態と類似し得る又は異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0006】
1つの実施形態によれば、乗り物車両システムが提供される。乗り物車両システムは、乗り物車両を有する。乗り物車両は、乗り物軌道に接するように構成された乗り物車両ベースを含む。乗り物車両ベースは、乗り物軌道に沿って移動するように構成される。乗り物車両は、ベース端及び自由端を含む可動アームも有する。可動アームは、1又は2以上の動き制御軸に沿って動くように構成される。可動アームは、ベース端が乗り物車両ベースに取り付けられ、乗り物車両ベースに対して動くように構成される。乗り物車両システムは、可動アームの自由端に取り付けられた乗り物シートと、可動アームの第1の部分を乗り物車両ベースに、乗り物シートを可動アームの第2の部分に、乗り物シートを乗り物車両ベースに、又はこれらの組み合わせで結合するように構成された結合装置とをさらに有する。
【0007】
別の実施形態によれば、乗り物車両が提供される。乗り物車両は、乗り物軌道に接するように構成された乗り物車両ベースを含む。乗り物車両ベースは、乗り物軌道に沿って移動するように構成される。乗り物車両は、ベース端及び自由端を有する可動アームも含む。可動アームは、1又は2以上の動き制御軸に沿って動くように構成される。可動アームは、ベース端が乗り物車両ベースに取り付けられ、乗り物車両コントローラからの動き信号に応答して乗り物車両ベースに対して動くように構成される。乗り物車両は、可動アームの自由端に取り付けられた乗り物シートも有する。また、乗り物車両は、少なくとも1つの動き制御軸に沿った可動アームの動きをロックするロック位置に作動して可動アームの自由端を拘束するように構成されたロック装置を有する。
【0008】
別の実施形態によれば、方法が提供される。この方法は、乗り物車両の可動アームを乗り物車両ベースに対して第1の構成に移行させるステップを含む。この方法は、可動アームが第1の構成にある時に、乗り物車両に所定の閾値を上回る力を受けさせるように構成された乗り物軌道の部分又はその付近に乗り物車両が存在する時に、可動アームを第1の構成から第2の構成に移行させるステップをさらに含む。第2の構成では、可動アームの少なくとも一部が第1の構成時よりも乗り物車両ベースに近接する。
【0009】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本技術による、遊園地アトラクションの乗り物軌道に沿って移動する乗り物車両の斜視図である。
図2】本技術による、可動アームを含む乗り物車両の斜視図である。
図3】本技術による、乗り物車両制御システム、乗り物システムコントローラ及び位置インジケータのブロック図である。
図4】本技術による、取り付け構造に結合された可動アームの一部を有する乗り物車両の側面図である。
図5】本技術による、乗り物車両の乗り物車両ベースの上面に結合された可動アームの一部を有する乗り物車両の側面図である。
図6】本技術による、乗り物車両ベースの前面に結合された可動アームの一部を有する乗り物車両の側面図である。
図7】本技術による、複数の結合装置を有する乗り物車両の側面図である。
図8】本技術による、凹部を有する乗り物車両ベースの斜視図である。
図9】本技術による、凹部内に位置する可動アームの断面図である。
図10】本技術による、凹部の一部に結合された可動アームの断面図である。
図11A】本技術による、スロット及び回転ピンが非結合位置にある可動アームを有する結合装置の断面図である。
図11B】本技術による、スロット及び回転ピンが結合位置にある可動アームを有する結合装置の断面図である。
図12A】本技術による、非結合位置にある結合装置の別の実施形態の断面図である。
図12B】本技術による、結合位置にある結合装置の別の実施形態の断面図である。
図13A】本技術による、非結合位置にあるクランプシステムを有する結合装置のさらなる実施形態の断面図である。
図13B】本技術による、結合位置にあるクランプシステムを有する結合装置のさらなる実施形態の断面図である。
図14A】本技術による、ロック位置にあるロック機構を有する回転関節の断面図である。
図14B】本技術による、アンロック位置にあるロック機構を有する回転関節の断面図である。
図15】本技術による、乗り物軌道特徴において乗り物車両に加わる力又は応力を低減/分散する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
テーマパーク又は遊園地アトラクションはますます人気が高まってきており、乗客に独特な動き及び視覚的体験を提供する様々な遊園地アトラクションが創出されている。遊園地アトラクションの中には、乗り物車両に可動アームを組み込んで、乗客のさらなる動きの範囲を追加することによって従来のアトラクション体験を変化させているものもある。しかしながら、これらの遊園地アトラクションのコンポーネントは、従来のアトラクション体験中には存在しないさらなる力及び/又は応力を受けることがある。これらのさらなる力及び/又は応力は、遊園地アトラクションのコンポーネント(例えば、乗り物車両又は可動アーム)の損耗を高めてしまうことがある。伸長構成に比べて低い応力を伴う構成に可動アームを固定又は配置することで、さらなる力及び/又は応力によって引き起こされるコンポーネントの損耗を抑えることができる。さらに、この固定及び/又は配置は、比較的強い力及び/又は応力に関連する乗り物の部分によってトリガされる選択的な形で行うことができる。従って、可動アームの自由端が、乗り物の特定の部分の最中には幅広い動きの範囲を伴う一方で、同じ乗り物のさらに高速な又はスリリングな部分の最中には、少なくとも部分的に適所にロックされて可動アームから応力を分散させることができる。
【0012】
図1は、乗り物サイクル中に遊園地アトラクション100の乗り物軌道104に沿って移動する乗り物車両102を含む遊園地アトラクション100(例えば、ローラーコースタ)の斜視図である。乗り物車両102は、乗り物シート108に結合されて乗り物車両102に対して乗り物シート108を動かして乗り物車両102の乗客のためのアトラクションイベント(例えば、乗り物シーケンス)を創出する可動アーム106を含むことができる。いくつかの実施形態では、遊園地アトラクション100が、可動アーム106を動かすことによる乗り物シートの動きと、乗り物軌道104に沿って遭遇する乗り物条件との組み合わせを使用してアトラクションイベントを創出することができる。乗り物条件は、乗り物軌道のカーブ、ループ又はねじれを含むことができる乗り物軌道104の形状、或いは例えば乗り物車両が乗り物軌道に沿って体験するスピード、速度、加速、減速又は方向の変化などの、乗り物軌道104上の乗り物車両102の動きに関連することができる。遊園地アトラクション100は、乗り物軌道104の周囲の環境110を使用してアトラクションイベントを増補することができる。例えば、図示の実施形態では、遊園地アトラクション100の乗り物軌道104が屋内(例えば、ダークライド)である。しかしながら、他の実施形態では、乗り物軌道104が、屋外環境又は混成環境(例えば、屋内及び屋外環境)を進むこともできる。
【0013】
乗り物車両102は、摩擦車アセンブリ(friction wheel assembly)112を使用して乗り物軌道104に沿って移動することができる。しかしながら、他の実施形態では、乗り物車両102が、いずれかの好適な推進又はインターフェイスアセンブリを使用して乗り物軌道104に沿って移動することもできる。乗り物車両102が乗り物軌道104に沿って移動すると、位置インジケータ114a、114b、114c、114d、114e及び114fが乗り物車両を検出することができる。位置インジケータ114は、乗り物車両を検出したことに応答して乗り物条件信号(ride condition signal)を出力することができる。いくつかの実施形態では、位置インジケータ114が、短距離周波数(short range frequency)を使用して常に乗り物条件信号を出力することができ、乗り物車両が位置インジケータ114のうちの1つの範囲内に存在する時に、乗り物車両102上に配置されたトランシーバがこの信号を受信することができる。
【0014】
位置インジケータ114は、乗り物軌道104に沿って一定間隔で配置することができる。一方で、いくつかの実施形態では、位置インジケータ114が軌道特徴116に近接して配置される。軌道特徴116は、乗り物軌道内の乗り物条件(例えば、カーブ、ループ又はねじれ)のうちの1つ、或いは乗り物車両が乗り物条件のうちの1つ(例えば、加速、減速、又は方向の変化)を体験する乗り物軌道の部分を含むことができる。例えば、乗り物軌道104の軌道特徴(例えば、カーブ)の正面の所定の距離に第1の位置インジケータ114aを配置することができる。乗り物車両102が第1の位置インジケータ114aを通過すると、第1の位置インジケータは、乗り物車両102からの所定の距離に軌道特徴116が位置することを示す第1の乗り物条件信号を出力する。乗り物車両102は、この第1の乗り物条件信号によって提供される情報を使用して、乗り物軌道の軌道特徴116を予測して可動アーム106を固定(例えば、再配置、結合又はロック)することができる。いくつかの実施形態では、乗り物車両102が、乗り物軌道の軌道特徴116を予測して可動アーム106の自由端を固定することができる。さらに、カーブが終了する位置に第2の位置インジケータ114bを配置することができる。乗り物車両が軌道特徴116のカーブから出て第2の位置インジケータ114bを通過すると、第2の位置インジケータ114bは、軌道特徴116が終了して乗り物車両が可動アーム106を解放できることを示す第2の乗り物条件信号を出力することができる。図1に示すように、位置インジケータ114は軌道に結合し、又は軌道に沿って配置することができるが、乗り物条件信号を生成するために使用される車両位置情報は、他の乗り物車両位置インジケータを使用して生成することもできる。例えば、乗り物車両102は、乗り物コントローラと無線で通信する位置センサを有することができ、この無線通信に基づいて乗り物車両位置を決定することができる。1又は2以上の軌道特徴116に対する乗り物車両位置は、アトラクションクロックの時間に少なくとも部分的に基づいて推定することもできる。
【0015】
図2は、可動アーム206を有する乗り物車両202の実施形態の斜視図である。乗り物車両202は、摩擦車アセンブリ212又は同様のアセンブリを介して乗り物軌道204に接するように構成された乗り物車両ベース218を有する。摩擦車アセンブリ212は、乗り物車両ベースの底部220に結合することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、摩擦車アセンブリ212が、乗り物車両ベースの前部222、側部224又は後部226に結合される。
【0016】
いくつかの実施形態では、可動アーム206が、ベース端228及び自由端230を有する。可動アーム206の自由端230には、乗客を運ぶための乗り物シート208を取り付け又は別様に結合することができる。図示の実施形態では、乗り物シート208が可動アーム206に恒久的に取り付けられる。いくつかの実施形態では、乗り物シートをメンテナンスのために可動アームから取り外すことができるように、乗り物シート208が可動アームに着脱可能に結合される。一方で、いくつかの実施形態では、遊園地アトラクションの一部の最中に乗り物シートを可動アームから取り外すことができるように、乗り物シートを可動アームに着脱可能に結合することもできる。乗り物シート208は、遊園地アトラクションの乗り物軌道204又は別の軌道に沿って移動するための独立した摩擦車アセンブリ又はその他の好適なアセンブリを含むことができる。このような実施形態では、油圧(hydraulic)、電気又は空気圧アクチュエータを、乗り物シート208と可動アーム206との結合及び分離を行うように構成することができる。
【0017】
可動アームのベース端228は、乗り物車両ベース218に直接取り付けることができ、例えば乗り物車両ベースの上部232又は他のいずれかの外面に取り付けることができる。別の実施形態では、乗り物車両ベース218と可動アーム206との間の接合部を形成するように構成された取り付けユニット234を介して可動アーム206を乗り物車両ベースに取り付けることができる。取り付けユニット234は、乗り物車両ベース218に対する可動アーム206の高さを静的に高めるように構成することができ、従って可動アームは、乗り物シート208を高く上昇させ、又は乗り物シート208を遠くに延ばすことができる。他の実施形態では、取り付けユニット234を、乗り物車両ベース218と可動アーム206との間の取り付けを容易にし、又は強化するように構成することができる。
【0018】
可動アーム206は、乗り物車両ベース218に対して動くように構成される。例えば、可動アーム206は、乗り物車両202が乗り物軌道204に沿って移動している時又は静止している時に動くことができる。可動アーム206は、アトラクションイベントを増補するように、又は特定の軌道特徴に合わせて可動アームを固定するように動くことができる。可動アーム206は、1又は2以上の動き制御軸298に沿って動くことができる。可動アーム206は、1又は2以上の動き制御軸298に沿って回転、伸長又は後退することができる。すなわち、いくつかの実施形態では、可動アーム206が、可動アームを1又は2以上の軸に沿って動きを制御された形で動作させて動かすためのコントローラベースの指示に応答することができる。この動きは、開ループ又は(フィードバックに応答する)閉ループとすることができる。いくつかの実施形態では、可動アーム206が、複数の回転関節(rotational joints)236a、236b、236c、236d及び236eの回転を介して乗り物車両ベース218に対して動くことができる。可動アーム206は、複数の回転関節236を介して接続された複数のアームセグメント238a、238b、238c及び238dを有することができる。複数の回転関節の1つ236bは、複数のアームセグメント238のうちの一対の接続されたアームセグメント238a及び238bを、接続されたアームセグメントの対の各セグメントの各軸に平行な軸の周囲で、又は接続されたアームセグメントの対の各セグメントの各軸に垂直な軸の周囲で回転させることができる。本実施形態に示すように、可動アーム206は、複数の回転関節236を介して、可動アームの自由端230を動かすための6つの自由度を有する。しかしながら、他の実施形態では、可動アーム206が、4つの自由度以上のあらゆる数の自由度を有することができる。いくつかの実施形態では、可動アームが、6つの非冗長的な自由度を有する。いくつかの実施形態では、可動アームが、複数のアームセグメントのうちの少なくとも1つのアームセグメントの線形作動(例えば、伸長及び後退)を介して乗り物車両ベースに対して動くことができる。例えば、アームセグメント238dは、アームセグメント238cに対して伸長及び後退するように構成することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、可動アーム206が、可動アーム位置信号を受け取ったことに応答して動くように構成される。可動アーム位置信号は、例えば可動アーム206の様々な関節部分の位置を含む構成などの特定の構成に可動アーム206が移行するための指示を有することができる。従って、可動アーム位置信号は、可動アーム206の1又は2以上の部分の互いに対する動きを引き起こす指示を伴うことができる。可動アーム位置信号は、可動アーム206に、乗り物車両202に対して自由端230を特定の位置に動かすように指示することができる。いくつかの実施形態では、可動アーム位置信号が、可動アーム206に、乗り物シート208を特定の位置に動かすように指示する。他の実施形態では、可動アーム位置信号が、可動アームの複数の回転関節236のうちの1つの回転関節236c又は複数のアームセグメント238のうちの1つのアームセグメント238cに、乗り物車両202に対して特定の位置に動くように指示することができる。しかしながら、別の実施形態では、可動アーム位置信号が、可動アーム206に、可動アームの複数の回転関節236のうちの複数の回転関節236又は複数のアームセグメント238のうちの複数のアームセグメント238を特定の位置に動かすように指示することができ、このことは、可動アーム206を固定するのに役立つことによって一定の乗り物条件下で有利となり得る。
【0020】
例えば、一定の乗り物条件下では、乗り物車両202が、乗り物軌道204に沿った乗り物車両202の移動方向240に対して横方向力を受けることがある(例えば、通過する乗り物車両の横揺れが最小化されるように傾斜を最小限に抑えた乗り物軌道の急カーブ)。これらの乗り物条件下では、可動アームの重心が乗り物車両から、乗り物車両202の移動方向240及び横方向力の両方に対して実質的に直交する方向242に離れた時に、乗り物車両202及び可動アーム206の一部が大きなねじり力(例えば、トルク)を受けることがある。従って、乗り物車両202の移動方向240及び横方向力の両方に対して実質的に直交する方向242に可動アームの一部を動かすことを可動アーム206に行わせる可動アーム位置信号によって、乗り物車両202及び可動アームの一部に加わるトルクを低減することができる。一方で、乗り物車両202の移動方向240及び横方向力の両方に対して実質的に直交する方向242に可動アームの複数の部分を動かす別の可動アーム位置信号によって、乗り物車両及び可動アームの一部に加わるトルクをさらに低減することもできる。
【0021】
いくつかの実施形態では、可動アーム位置信号が、可動アーム206の重心が乗り物車両ベース218の重心に向かう方向に移動するように可動アーム206を動かすように構成される。他の実施形態では、可動アーム位置信号が、可動アームの重心が乗り物車両ベース218と乗り物軌道との間の乗り物軌道接触面244に向かう方向に移動するように可動アーム206を動かすように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、アトラクションイベントが、乗り物車両202が比較的(すなわち、それまでの乗り物の部分に比べて)強い力に関連する乗り物条件を体験している間に乗り物シート208が上昇位置(例えば、乗り物車両ベースよりも上方の位置)に配置されることを必要することがある。このような状況では、可動アーム位置信号を、乗り物シート208を上昇位置に維持しながら可動アーム206の一部を乗り物車両ベース218に向けて動かすように構成することができる。別の実施形態では、アトラクションイベントが、乗り物車両202が乗り物条件を体験している間に乗り物シート208が第1の位置から第2の位置に動くことを必要とすることがある。このような状況では、可動アーム位置信号を、乗り物シート208を上昇位置に維持して乗り物シート208を第1の位置から第2の位置に動かしながら、可動アーム206の一部を乗り物車両ベース218に向けて動かすように構成することができる。別の実施形態では、アトラクションイベントが、乗り物車両202が乗り物条件を体験している間に乗り物シート208が伸長位置(例えば、乗り物車両ベースから離れた位置)を維持することを必要とすることがある。このような状況では、可動アーム位置信号を、乗り物シート208を伸長位置に維持しながら、可動アーム206の一部を乗り物車両ベース218に向けて動かすように構成することができる。また、いくつかの実施形態では、可動アーム位置信号が、可動アーム206の重心を乗り物車両ベース218の重心に向かう方向に移動させながら、自由端230の動きを最小化するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、乗り物車両202が、可動アーム206を固定するための1又は2以上のロック機構268を有することができる。ロック機構268は、ロック信号又はアンロック信号を受け取ったことに応答して、ロック位置からアンロック位置に、及びその逆に動くように構成することができる。アンロック位置では、ロック機構268が回転関節の回転を可能にする。ロック位置では、ロック機構268を、複数の回転関節236のうちのある回転関節(例えば、236c)の回転を阻止して、一時的に回転関節を固定状態(rigid)にするように構成することができる。また、ロック位置では、回転関節に加わる応力が主にロック機構268に伝わって、ロック機構268が回転関節に加わる応力を低下させる。いくつかの実施形態では、複数の回転関節236の各回転関節が対応するロック機構268を有する。ロック機構268は、可動アーム関節236又はその内部に位置することができる。
【0024】
別の実施形態では、乗り物車両202が、可動アーム206を固定するための結合装置246を有することができる。この実施形態に示すように、結合装置246は、結合信号を受け取ったことに応答して、可動アーム206を乗り物車両ベース218に可逆的に結合することができる。しかしながら、他の実施形態では、結合装置が、乗り物シート208を可動アームのさらなる部分(例えば、アームセグメント238a)に、乗り物シート208を乗り物車両ベース218に、可動アーム206の一部を互いに、又はこれらの何らかの組み合わせで結合することができる。このようにすると、可動アーム206に加わる応力及び/又はトルクが可動アーム206のベース端228と自由端230との間で分散されるようになる。この結合は、分離信号(uncoupling signal)の受信時に無効にして、乗り物サイクルの一部の最中に可動アーム206が動けるようにすることができる。結合装置246は、機械的結合装置又は構造的結合装置とすることができる。例えば、この結合は、干渉結合(interference coupling)、磁気結合、相補的特徴同士の嵌合などとすることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、結合装置246が、結合信号を受け取ったことに応答して可動アーム206を乗り物車両ベース218に機械的に結合することができる。可動アーム206、乗り物車両ベース218及び乗り物シート208を様々な組み合わせで互いに機械的に結合するあらゆる好適な結合装置246を組み込むことができる。いくつかの実施形態では、結合装置が、結合装置246の機械的又は構造的な結合及び分離を促すように構成された油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、電気アクチュエータ、機械アクチュエータ、又はこれらの何らかの組み合わせを有することができる。
【0026】
結合装置(例えば、図示のような結合装置246)は、可動アーム(例えば、可動アーム206)上の相補的特徴に係合するように構成された嵌合特徴を含むことができる。1つの実施形態では、可動アーム206が、結合装置246の雌型嵌合特徴と嵌合して(本明細書に示すように)可動アームを構造的に結合するように構成された雄型嵌合特徴(又はこの逆の特徴)を含むことができる。これらの相補的嵌合特徴は、溝と突起、スロットとタブなどを含むことができる。従って、1つの実施形態では、結合装置246aの一部がベース218上に存在し、結合装置246bの別の部分が可動アーム206上に存在することができる。結合構成では、結合装置246の異なる部分が互いに直接接触することができる。可動アーム206をベース218から分離するには、結合装置246の異なる部分を互いに動かし/離して配置することができる。
【0027】
図3は、乗り物車両制御システム348、乗り物システムコントローラ350及び複数の位置インジケータ314を含む乗り物システム300のブロック図である。図示のように、本実施形態では、位置インジケータ314a及び314bが、乗り物システムコントローラ350及び/又は乗り物車両制御システム348に乗り物条件信号352を出力する。乗り物条件信号352は、可動アームの構成の変化に関連する乗り物条件を有する乗り物軌道304の部分又はその近くに乗り物車両が位置し、或いはそこに近付いている旨の指示を提供する。本実施形態では、乗り物車両制御システム348の乗り物車両コントローラ354が、直接又は乗り物システムコントローラ350を介して乗り物条件信号352を受け取る。これらの通信を容易にするために、乗り物車両コントローラ354、乗り物車両制御システム348、乗り物システムコントローラ350及び複数の位置インジケータ314は、アンテナ、無線トランシーバ回路、信号処理ハードウェア及び/又はソフトウェア(例えば、ハードウェア又はソフトウェアフィルタ、A/D変換器、マルチプレクサ増幅器)、或いはこれらの組み合わせなどの通信回路を含むことができる。通信回路は、IR無線通信、衛星通信、放送無線、マイクロ波無線、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、WiFi、UHF、NFCなどを通じた有線又は無線通信経路を介して通信するように構成することができる。このような通信は、無線タワー、セルタワーなどの中間通信装置を含むこともできる。
【0028】
いくつかの実施形態では、システム300が、本明細書で説明する方法を実行して動作を制御するためにプロセッサ(例えば、プロセッサ353又はプロセッサ358)が実行できる命令を記憶するメモリデバイス(例えば、メモリデバイス351又はメモリデバイス356)を含むことができる。例えば、プロセッサ358は、乗り物車両コントローラ354が受け取った乗り物条件信号352又はその他の入力に基づく応答360のための命令を実行することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、システム300が、複数の乗り物条件信号の各個々の乗り物条件信号に対する所定の応答を記憶している。例えば、メモリデバイス356又はメモリデバイス351は、(1)第1の位置インジケータから第1の乗り物条件信号を受け取ったことに応答して、可動アームに第1の構成に移行するように指示する所定の命令、(2)第2の位置インジケータから第2の乗り物条件信号を受け取ったことに応答して、可動アームに第2の構成に移行して結合信号を出力するように指示する所定の命令、(3)第3の位置インジケータから第3の乗り物条件信号を受け取ったことに応答して、可動アームに第3の構成に移行するように指示する第3の可動アーム位置信号を出力する所定の命令、及び(4)第4の位置インジケータから第4の乗り物条件信号を受け取ったことに応答して、可動アームの各ロック機構(例えば、第1のロック機構368a、第2のロック機構368b、第3のロック機構368c、第4のロック機構368d、第5のロック機構368e)にロック信号を出力する所定の命令を記憶しておくことができる。いくつかの実施形態では、可動アームが、移動経路(movement trajectory)に沿って第1の構成から第2の構成に移行するように構成される。この移動経路は、可動アームに加わる力、トルク及び/又は応力を低減するように構成することができる。さらに、この移動経路は、第1の構成と第2の構成との間における可動アームの全体的な動きを低減して乗り物車両シートが受ける動きを減少させるように構成することができる。移動経路は、メモリデバイス356又はメモリデバイス351に命令として記憶することができる。これらの命令は、必要に応じて選択して実行することができる。1つの実施形態では、これらの命令が乗り物システムコントローラ350に記憶されて、各乗り物車両302の、例えば乗り物車両コントローラ354などに伝えられる。他の実施形態では、これらの命令が乗り物車両302に記憶される。対応する命令を受け取ったことに応答して、可動アームコントローラ362に1又は2以上の駆動信号(可動アーム位置信号360、結合信号364)を伝えることができる。
【0030】
別の実施形態では、システム300が、乗り物軌道304に沿った乗り物車両の位置に関する入力に少なくとも部分的に基づいて所定の応答の実行を引き起こす。乗り物車両コントローラ354及び/又は乗り物システムコントローラ350は、タイミングシステム370に少なくとも部分的に基づいて位置を決定することができる。図示の実施形態では、タイミングシステム370を乗り物車両302上に示す。しかしながら、これに加えて、又はこれとは別に、タイミングシステム370は、乗り物システムコントローラ350のコンポーネントとすることもできる。具体的に言えば、タイミングシステム370は、乗り物車両コントローラ354に現在時刻372を出力することができる。システム300は、乗り物車両コントローラ354に遊園地アトラクション中の所定の時点で特定の所定の応答(例えば、アーム位置信号、ロック信号又は結合信号)を出力させるように構成することができる。所定の時点は、乗り物軌道に沿った乗り物車両302の位置、又は軌道特徴に対する乗り物車両302の位置に対応することができる。さらに、乗り物車両コントローラ354は、乗り物状態システム376から状態入力374を受け取って、特定の所定の応答を出力するタイミングを較正することができる。図示の実施形態では、乗り物状態システム376を乗り物車両302上に示す。しかしながら、これに加えて、又はこれとは別に、乗り物状態システム376、乗り物システムコントローラ350のコンポーネントとすることもできる。
【0031】
乗り物状態システム376は、乗り物車両302の現在の速度を出力することができる。乗り物車両コントローラ354(又は乗り物システムコントローラ350)は、現在の速度を受け取って現在の速度を現在の予想速度と比較し、現在の速度が現在の予想速度から逸脱しているかどうかを判定することができる。乗り物車両コントローラ354は、乗り物車両の現在の予想速度からの逸脱に少なくとも部分的に基づいて、所定の応答を出力するタイミングを調整することができる。
【0032】
他の実施形態では、システム300が、乗り物条件信号352に対する動的応答(例えば、無対応、可動アーム位置信号362の出力、ロック信号366の出力、又は結合信号364の出力)をリアルタイムで決定する。このような実施形態では、複数の位置インジケータ314を、可変乗り物条件信号を出力するように構成することができる。可変乗り物条件信号は、軌道特徴の重要度(severity)(例えば、乗り物車両の速度、乗り物軌道の方向変化の度合い、又は乗り物車両に加わると予想される力及び/又は応力の大きさ)に関する情報を示すように構成される。例えば、位置インジケータ314aは、位置インジケータにおける車両の速度及び乗り物軌道の次回の軌道特徴(例えば、カーブ)の方向変化の度合いを示す第1の可変乗り物条件信号を出力することができる。システム300は、可変条件信号を受け取って第1の動的応答を決定する。いくつかの実施形態では、システム300が、複数の乗り物条件閾値を有することができる。システム300は、可変乗り物条件信号と複数の乗り物条件閾値との比較に少なくとも部分的に基づいて動的応答を決定することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、システム300が、可動アーム又は乗り物車両ベース、或いはこれらの両方に加わる力、トルク及び/又は応力を低減/分散するための所定の応答又は動的応答を出力する。また、システム300は、可動アーム又は乗り物車両ベース、或いはこれらの両方に加わる力、トルク及び/又は応力を最適に低減/分散するための特定の所定の応答又は特定の動的応答を決定することもできる。いくつかの実施形態では、システム300が、可動アームの特定の回転関節に加わる力、トルク及び/又は応力を最適に低減/分散するための特定の所定の応答又は特定の動的応答を決定することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、乗り物システムコントローラ350又は乗り物車両コントローラ354が、乗り物条件信号又はその他の入力に少なくとも部分的に基づいて所定の応答又は動的応答を出力することができる。さらに、乗り物システムコントローラ350又は乗り物車両コントローラ354は、乗り物車両の動きを制御する乗り物車両制御信号378を出力することができる。いくつかの実施形態では、乗り物システムコントローラ350又は乗り物車両コントローラ354が、乗り物条件信号352又はその他の入力に少なくとも部分的に基づいて乗り物車両制御信号を出力する。
【0035】
図4は、可動アーム406の一部が取り付けユニット434に結合された乗り物車両402の側面図である。可動アーム406を固定するために、可動アーム位置信号は、可動アーム406の第2のセグメント438bを取り付けユニット434に近接する位置に動かすことができる。第2のセグメント438bが取り付けユニット434に近接する位置に来た後に、乗り物車両コントローラは、可動アーム406を取り付けユニット434に結合して結合装置446に結合されるようにする結合信号を出力することができる。図示のような結合装置446を介して取り付けユニット434に結合された可動アーム406の構成は、可動アーム406の重心を(すなわち、図2の可動アーム206の位置と比較した時に)乗り物車両402の重心付近に移動させ、結合装置446を介して可動アーム406(例えば、可動アーム406の自由端)を固定することによって、乗り物車両402に加わる力、トルク及び/又は応力を低減することができる。さらに、可動アーム406の自由端に近接する部分を取り付けユニット434に結合する(例えば、可動アーム406の自由端を拘束する)ことによって、可動アーム406のベース端428及びその他の部分におけるトルクを低減することができる。ベース端428におけるトルクを低減すると、ベース端428における応力が減少して可動アーム406の寿命を延ばすことができる。
【0036】
図5は、可動アーム506の一部が乗り物車両502の乗り物車両ベース518の上面580などの表面に結合された乗り物車両502の側面図である。可動アームは、可動アーム位置信号に応答して、可動アーム506の第3のセグメント538cを乗り物車両ベース518の上面580に近接する位置に動かすように構成を変更することができる。第3のセグメント538cが乗り物車両ベース518の上面580に近接する位置に来た後に、結合装置546を使用して可動アーム506を乗り物車両ベース518の上面580に結合する結合信号の実行をトリガすることができる。すなわち、いくつかの実施形態では、結合信号の実行が、可動アーム506に対する結合装置546の係合を可能にするのに適した構成にある可動アーム506の位置付けによってトリガされる。第3のセグメント538cが乗り物車両ベース518の上部580に近接した図示の可動アーム506の構成は、可動アームの重心を(すなわち、図2の可動アーム206の位置と比較した時に)乗り物車両502の重心付近に移動させることによって、乗り物車両502に加わる力、トルク及び/又は応力を低減することができる。さらに、例えば結合装置546を介して可動アームの自由端530に近接する部分を乗り物車両ベース518の上面580に結合すると、可動アーム506のベース端528と自由端530との間で力、トルク及び/又は応力を分散させることによって、可動アーム506のベース端528及びその他の部分における力、トルク及び/又は応力を低減することができる。
【0037】
図6は、可動アーム606の一部が乗り物車両ベース618の前部622に結合された乗り物車両602の側面図である。可動アーム位置信号は、可動アーム602の第2のアームセグメント638bを乗り物車両ベース618の前部622に近接する位置に動かすことができる。第2のアームセグメント638bが乗り物車両ベース618の前部622に近接する位置に来た後に、乗り物車両コントローラは、結合装置646を使用して可動アーム606を乗り物車両ベース618の前部622に結合する結合信号の実行を引き起こすことができる。図示のように可動アーム602を乗り物車両ベース618の前部622に動かすと、可動アームの重心が(すなわち、図2の可動アーム206の位置と比較した時に)乗り物車両602の重心付近に移動することによって、乗り物車両602に加わる力、トルク及び/又は応力を低減することができる。さらに、可動アーム606の自由端630に近接する部分を乗り物車両ベース618の前部に結合すると、可動アーム606のベース端628と自由端630との間で力、トルク及び/又は応力が分散することによって、可動アーム606のベース端628及びその他の部分における力、トルク及び/又は応力を低減することができる。
【0038】
図7は、複数の結合装置746を有する乗り物車両702の側面図である。いくつかの実施形態では、可動アーム706が、可動アーム706の第1の部分を可動アーム706の第2の部分に結合することができる可動アーム結合装置782を含む。例えば、第1の可動アーム位置信号は、可動アーム706の第1のアームセグメント738aを乗り物車両ベース718の後部726に近接する位置に動かすことができる。また、第2の可動アーム位置信号は、可動アーム706の第2のアームセグメント738bを可動アームの第1のアームセグメント738aに近接する位置に動かすことができる。さらに、第3の可動アーム位置信号は、可動アーム706の第3のアームセグメント738cを可動アーム706の第2のアームセグメント738bに近接する位置に動かすことができる。第1のセグメント738a、第2のセグメント738b及び第3のセグメント738cがその対応する位置に移動して所望の構成を取った後に、乗り物車両コントローラは、結合装置746を使用して可動アーム706の第1のアームセグメント738aを乗り物車両ベース718の後部726に結合するための第1の結合信号、及び可動アーム結合装置782を使用して可動アーム706の第3のアームセグメント738cを可動アーム706の第2のアームセグメント738bに結合するための第2の結合信号を出力することができる。可動アーム706の第1のアームセグメント738a、第2のアームセグメント738b及び第3のアームセグメント738cを図示のように動かすと、可動アーム706の重心が(すなわち、図2の可動アーム206の位置と比較した時に)乗り物車両ベース718の重心付近に移動することによって、乗り物車両702に加わる力、トルク及び/又は応力を低減することができる。さらに、可動アーム706の第1のアームセグメント738aを乗り物車両ベース718の後部726に結合し、可動アーム706の第3のアームセグメント738cを可動アーム706の第2のアームセグメント738bに結合すると、可動アーム706のベース端728と自由端730との間で力、トルク及び/又は応力が分散することによって、可動アーム706のベース端728及びその他の部分における力、トルク及び/又は応力を低減することができる。
【0039】
図8は、本明細書に示すような結合装置として機能できる凹部884を有する乗り物車両ベース818の斜視図である。いくつかの実施形態では、乗り物車両が、乗り物車両ベース818の一部に凹部884を有する。凹部884は、上部832に存在することができる。いくつかの実施形態では、凹部884が、乗り物車両ベース818の前部822、後部826又は側部824に存在する。他の実施形態では、乗り物車両ベース818が、乗り物車両ベースの複数の側部に開放された凹部884を有することができる。本実施形態では、凹部884が、乗り物車両の上部832及び前部822の両方に開放される。凹部884は、可動アーム806の一部、乗り物シート808、又はこれらの何らかの組み合わせを着座させることができる。凹部884の幅又は長さは、乗り物シート808の少なくとも底部886が凹部884内に収まることができるように、乗り物シート808の長さの幅よりも大きくすることができる。凹部884の深さは、乗り物シート808が完全に凹部884内に収まることができるように、乗り物シート808の高さよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、凹部884が、可動アーム806の一部又は乗り物シート808に接触することができる。具体的に言えば、凹部884は、可動アーム806の一部、乗り物シート808、又はこれらの何らかの組み合わせを乗り物車両の移動方向に対する横向きの力から少なくとも支持できるように、可動アーム又は乗り物シート808の側部に少なくとも接触することができる。いくつかの実施形態では、凹部884が、可動アーム806の一部、乗り物シート808、又はこれらの何らかの組み合わせを可動アーム806に働く他の力及び/又はトルクから少なくとも支持することができる。すなわち、可動アーム806のベース端828と自由端830との間で力、トルク及び/又は応力を分散させることによって、ベース端828における応力を低減することができる。
【0040】
図9は、乗り物車両902の凹部984内に位置する可動アーム906の断面図である。乗り物車両コントローラは、可動アーム906を固定するために、(例えば、直接又は乗り物システムコントローラを介して)可動アーム906の第2のアームセグメント938b及び第3のアームセグメント938cを凹部984内の位置に動かすための可動アーム位置信号を出力することができる。可動アーム906の一部を凹部984内に動かすと、可動アーム906の重心が(すなわち、図2の可動アーム206の位置と比較した時に)乗り物車両の重心付近に移動することによって、車両に加わる力、トルク及び/又は応力を低減することができる。さらに、凹部984は、少なくとも乗り物車両902の移動方向940に対する横方向への可動アーム906の動きを阻止する。従って、凹部984は、可動アーム906の自由端930に近接する部分を一定の力ベクトルに対して適所に保持する係止機構(anchor)として機能する。可動アーム906の自由端930に近接する部分を乗り物車両ベース918の凹部984内に係止すると、可動アーム906のベース端928と自由端930との間で力、トルク及び/又は応力が分散することによって、可動アーム906のベース端928及びその他の部分における力、トルク及び/又は応力を低減することができる。
【0041】
図10は、凹部1084の一部に結合された可動アーム1006の断面図である。乗り物車両コントローラは、可動アーム1006を固定するために、可動アーム1006の複数の回転関節1036のうちの1つを乗り物軌道1004に向かう方向に動かすための可動アーム位置信号を出力することができる。いくつかの実施形態では、乗り物車両コントローラが、複数の回転関節1036のうちの1つを凹部1084内の位置に動かすための可動アーム位置信号を出力することができる。複数の回転関節1036のうちの1つ及び可動アーム1006の一部を凹部内に動かすと、可動アーム1006の重心が(すなわち、図2の可動アーム206の位置と比較した時に)乗り物車両ベース1018の重心付近に移動することによって、車両に加わる力、トルク及び/又は応力を低減することができる。さらに、凹部1084は、少なくとも乗り物車両1002の移動方向1040に対する横方向への可動アーム1006の動きを阻止する。従って、凹部1084は、複数の回転関節1036のうちの1つ及び可動アーム1006の自由端1030に近接する部分を一定の力ベクトルに対して適所に保持する係止機構として機能する。複数の回転関節1036のうちの1つ及び可動アーム1006の自由端1030に近接する部分を乗り物車両ベース1118の凹部内に係止すると、可動アーム1006のベース端1028と自由端1030との間で力、トルク及び/又は応力が分散することによって、可動アームのベース端1028及びその他の部分における力、トルク及び/又は応力を低減することができる。
【0042】
本明細書に示すように、可動アームは、1又は2以上の関節がロック機構を介してロックされ、及び/又は可動アーム自体又は外部構造に結合されて剛性をもたらすとともに、可動アームの一部が受けるねじり力又はその他の力を結合装置を介して低減することができる。図11図14に、本明細書に示すようなロック機構及び/又は結合装置に組み込むことができる相補的嵌合特徴の様々な実施形態を示す。図示の実施形態はほんの一例であり、他の実装も想定されると理解されたい。図11A図11Bには、ピンベースのロック又は結合特徴を示す。さらに、図示の実施形態の1又は2以上の特徴は、プロセッサベースの制御下で、ロック/アンロック構成又は結合/分離構成間で切り替わるように動作することができると理解されたい。また、図示のいくつかの実施形態は結合機構の文脈で示しているが、図示の特徴は、本明細書に示すような関節ロック機構(joint locking mechanism)として実装することもでき、この逆もまた同様であると理解されたい。
【0043】
図11Aは、スロット1394及び回転ピン1396が非結合位置にある可動アーム1306の断面図である。本実施形態では、可動アーム1306が、乗り物車両ベースの一部に取り付けられた回転ピン1396が通過できるようなサイズのスロット1394を有する。いくつかの実施形態では、図示の結合装置1346(例えば、スロット及び回転ピン)を乗り物車両のいずれかの部分上又は部分内に取り付けることができる。例えば、結合装置1346は、可動アーム1306を乗り物車両ベース1318に結合するように、可動アーム1306を凹部の一部に結合するように、可動アーム1306を第2の凹部に結合するように、可動アーム1306を可動アーム1306の別の部分に結合するように、可動アーム1306を取り付けユニットに結合するように、乗り物シートを乗り物車両ベース1318に結合するように、乗り物シートを凹部に結合するように、乗り物シートを第2の凹部に結合するように、乗り物シートを可動アーム1306の別の部分に結合するように、又は他のいずれかの結合位置に取り付けることができる。
【0044】
図11Bは、スロット1394及び回転ピン1396が結合位置にある可動アーム1306の断面図である。図示の実施形態では、乗り物車両コントローラが、回転ピン1396がスロット1394に入り込むような構成に可動アーム1306を動かすための可動アーム位置信号を出力する。回転ピン1396がスロット1394に入り込むような位置を可動アーム1306が取った後に、乗り物車両コントローラは、回転ピン1396を結合位置に回転させるための結合信号を出力する。結合位置では、ピン1396が可動アーム1306の動きを阻止することができる。
【0045】
図12Aは、結合装置1446の実施形態の相補的嵌合特徴の例の断面図である。図示の実施形態では、結合装置1446が、可動アーム1406の一部に取り付けられたスロット付きフィン(slotted fin)1498と、乗り物車両ベース1418に取り付けられた作動式ピストンベース1450とを含む。非結合位置では、作動式ピストン1452が後退位置に配置されることにより、作動式ピストンベース1450の誘導凹部(guided recess)1454が開く。誘導凹部1454は、スロット付きフィン1498を誘導凹部1454の底部1458に向けて案内する角度付きの側壁1456を有することができる。
【0046】
図12Bは、結合装置1446の断面図である。本実施形態では、乗り物車両コントローラが、可動アーム1406に取り付けられたスロット付きフィン1498を、スロット付きフィン1498が誘導凹部1454内に収まってスロット付きフィン1498の底部1460が誘導凹部1454の底部1458上に載るような位置に動かすための可動アーム位置信号を出力する。角度付きの側壁1456は、外力(例えば、乗り物条件)によって引き起こされるスロット付きフィンの望ましくない動きを阻止することによって、スロット付きフィン1498の位置決めを支援することができる。スロット付きフィン1498が誘導凹部1454内に収まってスロット付きフィン1498の底部1460が誘導凹部1454の底部1458上に載るような位置にスロット付きフィン1498が配置された後に、乗り物車両コントローラは、作動式ピストン1452を結合位置に作動させるための結合信号を出力する。作動式ピストン1452は、スロット付きフィンのスロットを貫通して、結合位置に移動しながら作動式ピストンベース1450の収容部分1462内に延びる。結合位置では、作動式ピストン1452がスロット付きフィン1498の動きを阻止することによって、可動アーム1406の動きを阻止することができる。
【0047】
図13Aは、例えば非結合位置で示す可動アーム1506及びクランプシステム1550を含む結合装置の断面図である。結合装置は、少なくとも1つの作動式クランプを有するクランプシステム1550を含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの作動式クランプが、乗り物車両ベース1518の一部、凹部1584、又は別のクランプに対して可動アーム1506を強制して可動アーム1506の動きを阻止することができる。本実施形態では、結合装置が、凹部1584内に配置された第1のクランプ1552及び第2のクランプ1554を含む。しかしながら、第1のクランプ1552及び第2のクランプ1554は、乗り物車両ベース1518のいずれかの部分に取り付けることもできる。非結合位置では、第1のクランプ1552及び第2のクランプ1554が後退位置に存在することができる。
【0048】
図13Bは、結合位置にある可動アーム1506及びクランプシステム1550の断面図である。乗り物車両コントローラは、可動アームを固定するために、可動アーム1506を1又は2以上の動き制御軸に沿って凹部1584内の第1のクランプ1552と第2のクランプ1554との間に配置されるような位置に動かすための可動アーム位置信号を出力する。可動アーム1506が凹部1584内の第1のクランプ1552と第2のクランプ1554との間に配置されるように位置にした後に、乗り物車両コントローラは、第1のクランプ及び第2のクランプを結合位置に作動させるための結合信号を出力する。結合位置では、第1のクランプ1552及び第2のクランプ1554が可動アーム1506の実質的に反対側を圧迫し合うことによって可動アームの動きを阻止することができる。
【0049】
図14Aは、ロック位置にあるロック機構1644を有する複数の回転関節1636のうちの1つの断面図である。いくつかの実施形態では、ロック機構1644が、作動可能ピン1650と複数の不連続スロット1652とを有する。個々の回転関節1636の第1の部分1654は、個々の回転関節1636の回転軸の周囲に円周方向に配置された複数の不連続スロット1652を有することができる。個々の回転関節の第1の部分1654に対向する個々の回転関節1636の第2の部分1656は、アンロック位置にある間に回転関節の第2の部分の凹部1658内に配置される作動可能ピン1650を有することができる。ロック位置では、作動可能ピン1650が、凹部1658から外向きに作動することにより、作動可能ピン1650の一部が凹部1658内に留まって、作動可能ピン1650の他の部分が複数の不連続スロット1652のうちの1つの中に延びるように構成される。作動可能ピン1650の一部が凹部1658内に存在して作動可能ピン1650の他の部分が複数の不連続スロット1652のうちの1つの中に存在することにより、個々の回転関節1636の回転運動を阻止することができる。複数の不連続スロット1652は、ロック機構1644の係合中に乗り物車両コントローラが可動アーム位置信号を出力するのを防ぐように、ロック機構1644がロック位置にあることを乗り物車両コントローラに示すためのセンサを有することができる。図示の実施形態では、ロック機構1644がロック位置にある。
【0050】
図14Bは、ロック機構1644を有する1つの回転関節1636の断面図である。本実施形態では、ロック機構1644がアンロック位置にある。ロック機構1644がアンロック位置にある場合、1つの回転関節1636は通常通りに機能することができる。
【0051】
図15は、乗り物軌道特徴において乗り物車両に加わる力、トルク及び/又は応力を低減/分散する方法1700のフロー図である。方法の開始時には、可動アームが、例えば可動アームに第1の構成を取らせる第1の可動アーム位置信号に基づいて第1の構成にあることができる。第1の構成は、可動アームの様々な部分の位置、乗客シートに結合された自由端、ロック機構、結合装置などを含むことができると理解されたい。この方法は、乗り物車両に所定の閾値を上回る力及び/又は応力を受けさせることに関連する、又はこのように構成された乗り物軌道の部分に近い、又はこのような部分に接近している乗り物車両の位置を示す又は表すことができる乗り物条件信号を、例えば位置インジケータから受け取るステップ(ブロック1710)を含む。乗り物条件信号は、乗り物コントローラ又は乗り物車両コントローラが受け取ることができる。
【0052】
方法は、乗り物車両の可動アームが乗り物車両に加わる力、トルク及び/又は応力を低減/分散する位置を決定するステップ(ブロック1720)と、可動アームを第2の構成に移行させるための可動アーム位置信号を可動アームに出力するステップ(ブロック1730)とを含むことができる。例えば、乗り物コントローラは、可動アームを第1の構成から第2の構成に移行させるための可動アーム位置信号を(例えば、乗り物車両コントローラ又は可動アームコントローラを介して)可動アームに出力することができる。
【0053】
本実施形態では、方法1700が、可動アームの少なくとも一部を乗り物車両のベースに結合するための結合手順を決定するステップ(ブロック1740)をさらに含み、この結合手順は、可動アームが適所に来た時点で可動アームを乗り物車両のベースに結合するための命令を含む。また、方法1700は、乗り物車両ベースの結合装置、可動アーム、又はこれらの何らかの組み合わせに結合手順を開始するための結合信号を出力するステップ(ブロック1750)も含む。方法1700は、乗り物条件信号に基づいて様々な機構を分離又はアンロックする1又は2以上のステップを含むこともできる。例えば、方法1700は、ロック装置にアンロック信号を送信するステップを含むことができる。
【0054】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲では、全てのこのような修正及び変更が本開示の実際の趣旨に含まれるものとして対象になると理解されたい。
【0055】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
298 制御軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15