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特許7397811自動構成管理およびヒンジシステムを備える超音波イメージングシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】自動構成管理およびヒンジシステムを備える超音波イメージングシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
A61B8/00
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020572884
(86)(22)【出願日】2019-06-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 US2019038575
(87)【国際公開番号】W WO2020005775
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-04-01
(31)【優先権主張番号】62/690,532
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/716,210
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/203,367
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519019791
【氏名又は名称】フジフイルム ソノサイト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】チェンバレン クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ナリー パトリック
(72)【発明者】
【氏名】デコック ベン
(72)【発明者】
【氏名】ケリー ジーナ
(72)【発明者】
【氏名】スウェジー ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】アリアックバリ サイード
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0172757(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0146499(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波イメージングシステムであって、
プローブであって、医療検査、医療処置、またはその両方を実行するための超音波を送信および受信するように構成されたプローブと、
前記プローブに結合された第一のディスプレイデバイスと、
前記第一のディスプレイデバイスに結合された第二のディスプレイデバイスと、
受信した超音波信号に対応する画像を表示するための前記第一のディスプレイデバイス上の第一のインタフェースと、
前記受信した超音波信号、グラフィックユーザインタフェース(GUI)、またはその両方に対応する前記画像を表示するための前記第二のディスプレイデバイス上の第二のインタフェースと、
前記プローブに動作可能に結合された一または二以上のプロセッサであって、
前記第一のディスプレイデバイスの位置に基づいて前記医療検査を実行するために使用される診断モードおよび前記医療処置を実行するために使用される処置モードを含む前記超音波イメージングシステムの複数の動作モードから動作モードを選択し、前記第一のディスプレイデバイスおよび前記第二のディスプレイデバイスは前記第一のディスプレイデバイスが前記第二のディスプレイデバイスに対して第一の位置にある時に前記診断モードにしたがって前記医療検査のために患者の組織を監視するように動作し、前記第一のディスプレイデバイスおよび前記第二のディスプレイデバイスは前記第一のディスプレイデバイスが前記第二のディスプレイデバイスに対して第二の位置にある時に前記処置モードにしたがって前記医療処置のために介入器具を監視するように動作し、前記第一の位置は前記第一のディスプレイデバイスと前記第二のディスプレイデバイスとの間の第一の角度に関連付けられ、前記第二の位置は前記第一のディスプレイデバイスと前記第二のディスプレイデバイスとの間の第二の角度に関連付けられ、
前記動作モードに従って前記超音波イメージングシステムの一または二以上の設定を調整する
ように構成された、一または二以上のプロセッサと、
を備える、超音波イメージングシステム。
【請求項2】
前記一または二以上のプロセッサは、前記超音波イメージングシステムの動作モードに応じて利得、焦点深度、集束範囲、信号周波数のうち前記一または二以上の設定を調整するように構成される、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項3】
前記一または二以上のプロセッサは、
処置モードの場合は、一または二以上のGUI制御項目を拡大すること、一または二以上の他のGUI制御項目を非表示にすること、一組の前記GUI制御項目間の離隔距離を増加させること、および無機材料の検出を有効にすること、
診断モードの場合は、前記一または二以上のGUI制御項目の表示サイズを低減すること、前記一または二以上の他のGUI制御項目を有効にすること、および前記一組の前記GUI制御項目間の前記離隔距離を減少させること、
に基づいて前記一または二以上の設定を調整するように構成される、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項4】
前記一または二以上のプロセッサは、
処置モードの場合は、
スキャンされた画像を含む画像を前記第一のインタフェースおよび前記第二のインタフェースにわたって連続的に表示すること、または
前記第一のインタフェースに第一の画像を、前記第二のインタフェースに第二の画像を表示することであって、前記第一の画像および前記第二の画像は前記受信した超音波信号の異なる特徴を強調する、表示すること、
診断モードの場合は、
前記第一のインタフェースおよび前記第二のインタフェースの一方に前記受信した超音波信号を表す一または二以上の画像を表示することと、
前記第一のインタフェースおよび前記第二のインタフェースの他方にGUI制御、ステータス情報、またはそれらの組合せを表示すること、
に基づいて前記一または二以上の設定を調整するように構成される、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項5】
前記一または二以上のプロセッサに動作可能に結合された向き検出回路をさらに備え、前記向き検出回路は前記第一のインタフェースおよび前記第二のインタフェースの動作方向を検出するように構成される、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項6】
前記向き検出回路は、加速度計、ジャイロスコープ、位置エンコーダ、スイッチ、およびカメラのうち一または二以上を含む、請求項5に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項7】
前記第一の角度は第一の角度範囲を含み、前記第二の角度は第二の角度範囲を含む、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項8】
前記第一の角度範囲は水平面より0°から-15°を含み、前記第二の角度範囲は前記水平面より-55°から-90°を含む、請求項7に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項9】
超音波イメージングシステムの作動方法であって、前記超音波イメージングシステムは一又は二以上のプロセッサを含み、前記超音波イメージングシステムは水平軸を中心に回転するように構成された第二のユーザインタフェースに接続された第一のユーザインタフェースを少なくとも含む前記超音波イメージングシステムを用いて超音波信号を使用するように構成され、
前記一又は二以上のプロセッサが、前記第一のユーザインタフェース、前記第二のユーザインタフェース、またはそれらの組合せの位置を決定することと、
前記一又は二以上のプロセッサが、前記第一のユーザインタフェース、前記第二のユーザインタフェース、またはそれらの組合せの前記位置に基づいて診断モードまたは処置モードを選択することであって、前記診断モードは患者の体/組織を監視することを含み、前記処置モードは介入器具を監視することを含む、選択することと、
前記一又は二以上のプロセッサが、前記選択された診断モードまたは処置モードに従って、前記第一のユーザインタフェース、前記第二のユーザインタフェース、またはその両方に一または二以上の画像を表示することであって、前記一または二以上の画像は前記超音波信号の処理の結果を表す、表示することと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記一又は二以上のプロセッサが、前記選択された診断モードまたは処置モードに従って、前記超音波信号の、信号強度、焦点深度、集束範囲、および信号周波数のうち一または二以上を調整することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記一または二以上の画像を表示することは、前記診断モードよりも大きい前記処置モードの表示サイズを有する前記一または二以上の画像を表示することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記一または二以上の画像を表示することは、前記診断モードと比較した場合、前記処置モードについて、より大きな表示サイズ、より大きな離隔距離、およびより少数の表示される制御項目のうち一または二以上を有する一組のグラフィックユーザインタフェース(GUI)制御項目を表示することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記位置を決定することは、前記第二のユーザインタフェースと水平面との間の角度を推定することを含み、
前記診断モードまたは前記処置モードを選択することは、
前記角度が0°から-15°を含む第一の角度範囲の範囲内である場合に前記診断モードを選択することと、
前記角度が-55°から-90°を含む第二の角度範囲の範囲内である場合に前記処置モードを選択することと、
を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項14】
超音波イメージングシステムであって、
イメージングユニットであって、
プローブであって、医療検査、医療処置、またはその両方を実行する対象に超音波を送信し、受信するように構成されたプローブと、
前記プローブに動作可能に結合された第一のユーザインタフェースおよび第二のユーザインタフェースであって、前記第一のユーザインタフェースおよび前記第二のユーザインタフェースは超音波信号に関連付けられた処理の結果、設定、制御またはそれらの組合せを表示させるように構成される、第一のユーザインタフェースおよび第二のユーザインタフェースと、
を含む、イメージングユニットと、
前記イメージングユニットに接続されたスタンドであって、
前記イメージングユニットに接続するように構成されたドッキングトレイと、
前記ドッキングトレイに結合された調整可能なヒンジであって、水平面よりも下の前記ドッキングトレイの複数の角度方向をサポートするように構成された、調整可能なヒンジと、
を含む、スタンドと、
を備え、
前記イメージングユニットは
向き検出回路であって、前記ドッキングトレイの前記角度方向に関連付けられた前記第一のユーザインタフェース、前記第二のユーザインタフェース、またはそれらの組合せの動作方向を検出するように構成された、向き検出回路と、
前記向き検出回路に動作可能に結合されたプロセッサであって、
前記動作方向に基づいて診断モードまたは処置モードを選択し、
前記選択された診断モードまたは前記選択された処置モードに従ってプローブ設定、表示される画像、制御感度、およびグラフィックユーザインタフェース(GUI)のうち一または二以上を調整する、
ように構成された、プロセッサと、
をさらに備える、超音波イメージングシステム。
【請求項15】
前記プロセッサは、一または二以上のGUI制御項目および/または前記処理の結果を表す一または二以上の画像の表示ステータス、サイズ、位置、およびスクリーン割当てのうち一または二以上を調整するようにプログラムされた命令を実行するように構成される、請求項14に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記処理の結果を表す画像または前記処置モードの前記処理の結果を表す画像のいずれかを用いることなく前記診断モードの前記一または二以上のGUI制御項目を前記第二のユーザインタフェースに表示するようにプログラムされた命令を実行するように構成される、請求項15に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記動作方向が前記水平面に対して-15°を含む第一の範囲の範囲内である場合に前記診断モードを選択し、前記動作方向が前記水平面に対して-55°を含む第二の範囲の範囲内である場合に前記処置モードを選択するようにプログラムされた命令を実行するように構成される、請求項14に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項18】
向き回路は、前記第二のユーザインタフェースに結合された加速度計またはジャイロスコープのうち一または二以上を含む、請求項14に記載の超音波イメージングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年6月27日に出願された米国仮特許出願第62/690,532号、2018年8月8日に出願された米国仮特許出願第62/716,210号および2018年11月28日に出願された米国仮特許出願第16/203,367号に基づく優先権の利益を主張するものであり、これらの出願はいずれもその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
[技術分野]
本開示は超音波イメージングシステムに関し、特には、自動構成管理のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
超音波イメージングにおいて、システムのオペレータは検査または処置の間に患者の超音波画像を取得するためにプローブを使用する。いくつかの超音波イメージングシステムは診断モードおよび処置モードの両方をサポートすることができる。診断モードは体内の組織または流れをイメージングおよび測定し、処置モードは麻酔の輸送等の低侵襲処置を支援する。緊急治療室におけるアプリケーション等の所定の状況では、比較的短時間で複数の異なるタイプの処置を実施するためにこのような兼用超音波イメージングシステムを使用することができる。
【0004】
異なるタイプの検査/処置をサポートするように超音波イメージングシステムを構成することにより、すでに混雑している病院環境において必要とされる特殊な用途の機械の数を低減することができる。しかしながら、このような多目的システムはまた、各タイプの検査および処置に必要とされる複数の異なる設定、コマンド、ユーザインタフェース等にオペレータが精通するための負担を増加させる可能性がある。負担の増加は、特にペースの速い設定ではミスにつながる可能性がある。この問題は超音波イメージングシステムを操作する個人がしばしば容易にその設定を制御または調整することができない処置アプリケーションの間、さらに例示することができる。例えば、針生検等の処置を実行する際、このような個人はしばしば片手を使用して針等の医療機器を操作し、もう一方の手を使用して医療機器を追跡するために超音波プローブを操作することを強いられる。その結果、ケアの提供者は超音波イメージングシステムと容易に相互作用することができず、システム設定の制御を支援するために、システムに精通していない可能性のある第二の人物に頼らなければならないことがしばしばある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】本技術のある実施形態による、ストレージ構成における代表的な超音波イメージングシステムの等角図である。
図1B】本技術のある実施形態による、第一の動作構成における超音波イメージングシステムの等角図である。
図2A】本技術のある実施形態による、第一の動作構成における超音波イメージングシステムの正面図である。
図2B】本技術のある実施形態による、第二の動作構成における超音波イメージングシステムの正面図である。
図3A】本技術のある実施形態による、第一の動作構成における超音波イメージングシステムのプロファイル図である。
図3B】本技術のある実施形態による、第二の動作構成における超音波イメージングシステムのプロファイル図である。
図4A】本技術のある実施形態による、第一の動作構成における超音波イメージングシステムの上部のプロファイル図である。
図4B】本技術のある実施形態による、第二の動作構成における超音波イメージングシステムの上部のプロファイル図である。
図5】本技術のある実施形態による、柱の上部の傾斜機構の断面図である。
図6】本技術のある実施形態による、動作の上限における傾斜機構の断面図である。
図7】本技術のある実施形態による、動作の下限における傾斜機構の断面図である。
図8】本技術のある実施形態による、傾斜機構の等角図である。
図9】本技術のある実施形態による、スタンドヘッド部の部分断面図である。
図10】本技術のある実施形態による、バレルヒンジ内のクラッチアセンブリの等角図である。
図11】本技術のさらなる実施形態による、スタンドヘッドの上部を備える傾斜機構の内部図である。
図12】本技術のある実施形態による、傾斜機構の部分断面図である。
図13】本技術のある実施形態による、スタンドのベースの平面図である。
図14A】本技術のある実施形態による、診断モードの表示例を示している。
図14B】本技術のある実施形態による、処置モードの表示例を示している。
図15】本技術のある実施形態による、イメージングシステムの検出された向きに従って動作設定を調整する方法またはプロセスのフロー図である。
図16】本技術のある実施形態による、図1Aに示される超音波イメージングシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
構成および設定を自動的に管理するための超音波イメージングシステム、ならびに関連するデバイスおよび方法のいくつかの実施形態の固有の詳細は、以下で図1A図16を参照して説明される。例えば、いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステムは一または二以上のユーザインタフェースの検出された位置または向きに少なくとも部分的に基づいて診断モードまたは処置モードで動作するように構成することができる。一実施形態では、超音波イメージングシステムは第一のインタフェース(例えば、ディスプレイスクリーンまたはタッチスクリーン)、第二のインタフェース(例えば、ディスプレイスクリーンまたはタッチスクリーン、触覚インタフェースユニット等)、およびインタフェース間の角度に基づく固有のモードまたは設定に従って動作することができる。本明細書に開示される技術は一または二以上のインタフェースの位置または向きに基づいてモードを設定または選択することに限定されるものではなく、例えば、ドッキングトレイ等の超音波イメージングシステムの他の部分の位置および向きに応用可能であることに留意されたい。
【0007】
診断モードもしくは処置モード、または固有の検査/処置モードの間で動作モードを変更するために超音波イメージングシステムは一または二以上の設定を調整する。例えば、超音波イメージングシステムは互いに関するユーザインタフェースの検出された向きに従って一または二以上のプローブまたは超音波パラメータ設定(例えば、イメージングモード、利得、焦点深度、周波数等)を調整し、ディスプレイ設定、入力/制御感度等を制御する。一実施形態では、超音波イメージングシステムはユーザインタフェースまたは超音波イメージングシステムの他の部分の検出された位置または向きに応答して処置モードまたは診断モードの二つの異なるタイプの間で調整する。
【0008】
例えば、一実施形態では、超音波イメージングシステムはユーザが一または二以上のユーザインタフェースの位置または向きを変更できるように構成されたヒンジ機構を含むことができる。一実施形態では、ヒンジ機構(例えば、ピンジョイント)はスタンドの真上およびユーザインタフェースデバイスの重心の真下ではなく、スタンドの柱の前に設置することができる。ヒンジ機構は操作中のオペレータの手が衝突するあらゆる可能性を低減するためにヒンジカバーで囲まれている。ヒンジ機構はヒンジカバー内に上部傾斜ストップおよび下部傾斜ストップを含む。一実施形態では、ヒンジ機構はユーザインタフェースの位置/向きを決定するように構成された電子回路(例えば、スイッチ、位置検出器、加速度計等)を含むことができる。
【0009】
一実施形態では、ヒンジ機構は異なる移動方向に対して異なる抵抗を提供するように構成されたクラッチを含む。例えば、クラッチ機構は隣接する可動部材間の摩擦力を増加/減少させることができるばねベースの圧縮設計を含むことができる。別の実施形態では、クラッチ機構はばね巻線の向き、サイズ、堅さ等に応じて異なる抵抗/摩擦力を提供することのできるラップスプリング設計を含むことができる。また、クラッチ機構はラップスプリング設計において巻線の向きに対して力を提供する(例えば、巻き戻す)ための解除機構を含むことができる。
【0010】
一実施形態では、ヒンジ機構はスタンドの柱の前に設置されたヒンジ機構を機械的に動作させるか、またはそれと相互作用するように構成されたベース機構を伴う。例えば、ヒンジ機構は逆方向よりも柱から順方向にさらに延在することができる。いくつかの実施形態では、ベース機構の前部はユーザインタフェースデバイスの重心を超えて延在する。
【0011】
さらに、本技術の実施形態は本明細書に示されるかまたは説明されるものとは異なる構成、構成要素、および/または処置を有することができる。さらに、当業者は、本技術の実施形態が本明細書に示されるかまたは説明されるものに加えて構成、構成要素、および/または処置を有することができること、ならびにこれらおよび他の実施形態が本技術から逸脱することなく本明細書に示されるかまたは説明されるいくつかの構成、構成要素、および/または処置がなくてもよいことを理解されたい。「いくつかの実施形態では」、「いくつかの実施形態によると」、「所定の実施形態では」、「示される実施形態では」、「他の実施形態では」等の句は一般に、その句に続く特定の特徴、構造または特性が本技術の少なくとも一つの実施形態に含まれること、および二以上の実施形態に含まれ得ることを意味する。加えて、そのような句は必ずしも同一の実施形態または異なる実施形態を指すとは限らない。
【0012】
以下で使用される用語は本技術の実施形態の所定の例の詳細な説明と併せて使用されている場合であっても、最も広く合理的な方法で解釈されるべきである。確かに、所定の用語は以下で協調されることさえあり得る。しかしながら、任意の制限された方法で解釈されることを意図した任意の用語はこの詳細な説明のセクションにおいてそのように明確かつ具体的に定義される。
【0013】
図1Aおよび図1Bは超音波イメージングシステム100の部品(例えば、ドッキングトレイまたはハウジング容器等であるが、これらに限定されない)の検出された向きまたは位置に応じて医療環境において異なる動作モード間で切り替えるための本技術を実装する代表的な超音波イメージングシステム100を示している。一実施形態では、超音波イメージングシステム100は調整可能なスタンドに取外し可能に接続されたイメージングユニットを含むカートベースのシステムである。イメージングユニットは、超音波信号またはパルスをターゲット(例えば、患者の体)に送信すること、反射されたエコー信号またはパルスを受信すること、および受信した反射を処理することにより、人間または動物の対象をイメージングするように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、イメージングユニットは、二つのインタフェース間の角度または向きを変更することができるように、第二のインタフェースに回転可能に接続された第一のインタフェースを含む。例えば、いくつかの実施形態では、第一および第二のインタフェースは、第一のインタフェースおよび第二のインタフェースがジョイントに対応する軸を中心に回転するようにピンまたはヒンジジョイントを介して接続される。いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100は二つのインタフェースの相対的な位置、角度、または向きに従ってサポートされるモード間で切り替える。別の実施形態では、超音波イメージングシステム100は超音波イメージングシステム100の別の部分もしくは超音波イメージングシステム100に関して定義された平面、またはその一部に関する一つのインタフェースの相対的な位置、角度または向きに従ってサポートされるモード間で切り替える。
【0015】
いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100は医療専門家により実行される一または二以上の診断イメージングモードおよび処置モードをサポートする。診断検査中、医療専門家および/またはオペレータは患者の生理学的領域を受動的に観察するために超音波イメージングシステム100を使用することができる。例えば、超音波検査には、心臓イメージング、腹部イメージング、骨盤イメージング、産科イメージング、外傷時超音波評価(FAST)検査等を含めることができる。
【0016】
対照的に、処置の間、医療専門家および/またはオペレータは固有のタスク(例えば、神経ブロック)を達成するために患者の生理学的領域に医療処置を積極的に実行しながら進行状況をイメージング/追跡するために超音波イメージングシステム100を使用する。一般に、処置では患者の皮膚に穴を開けること、またはデバイスを患者の体に挿入することが必要になる。いくつかの例示的な検査および/または処置には、麻酔学、脈管学、心臓病学、救急医療、様々な外科手術、婦人科学/産科学、耳鼻咽喉学、新生児学、眼科学、呼吸器学、泌尿器学等における用途を含むことができる。例えば、超音波ベースの処置には外傷または緊急処置(例えば、弾丸の除去または縫合)、麻酔処置(例えば、神経ブロックの実行)、PICCライン処置等を含むことができる。
【0017】
超音波イメージングシステム100は様々な目的/状況に対応する異なるモードで動作するように構成される。いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100はそれぞれ一または二以上の診断検査および一または二以上の処置をサポートする診断モードおよび処置モードで動作する。
【0018】
診断検査をサポートする際、超音波イメージングシステム100は患者の体/組織のターゲット監視により診断モードで動作する。例えば、イメージングシステムは患者の体の検査された部分の視覚的描写を提示するために受信した反射を処理する。受信した反射を処理する際、超音波イメージングシステム100は、受信したエコー信号の特性(例えば、それらの振幅、位相、パワー、周波数シフト等)を、量子化され、検査された領域における患者の体の組織、骨、血液等を表す画像としてユーザに表示されるデータに変換する。
【0019】
多くの診断検査の間、医療専門家は超音波信号を送信し、および/または反射を受信するプローブを操作しながら進行状況/画像を見るために超音波イメージングシステム100に向かっている。医療専門家は、超音波イメージングシステム100を制御するために検査中に片手でデバイスインタフェース(例えば、キーボード、マウス、ボタン等)を保持するか、または両手を定期的に使用することができる。そのため、診断モードでは、超音波イメージングシステム100はオペレータがイメージングパラメータを微調整し、キャプチャされた画像から測定を行い、画像をフリーズし、画像をキャプチャし、レポートを作成する、等を可能にするために、より大きな制御の組を提供するように構成することができる。
【0020】
処置をサポートする際、超音波イメージングシステム100は患者の体/組織に関連する医療機器/器具の位置を監視することにより処置モードで動作する。例えば、一実施形態では、処置モードの場合、超音波イメージングシステム100は患者の体のイメージングされる区域に対する処置装置(例えば、針、ステント、カテーテル/チューブ、ロボットデバイス等)および/または注入される材料(例えば、造影剤、麻酔、薬等)の表現を表示する。また、一実施形態では、処置モードの場合、超音波イメージングシステム100は医療処置の間、患者の体内の医療器具の位置、位置、向き等を追跡する。
【0021】
超音波イメージングシステム100を使用する多くの処置の間、医療処置を実行する医療専門家はしばしば超音波イメージングシステム100から、および/または医療専門家とインタフェースとの間に位置する患者と共に(診断検査と比較して)より遠く離れている。さらに、医療処置の間、片方の手が処置装置を保持し、もう片方の手が超音波プローブを保持している状態で、医療専門家の両手はしばしば占有される。そのため、一実施形態では、処置モードの場合、超音波イメージングシステム100は必要であるかまたはしばしばアクセスされるGUIのボタンまたは部分(すなわち、GUI部分)を目立たせ、または強調し、および/またはあまりアクセスされない特徴を低減または排除する。いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100が複数のディスプレイ(例えば、上部スクリーンおよび底部スクリーン)を含む場合、表示された表現は、複数のインタフェース/スクリーンにわたって延在する一つの大きな画像を有すること、各インタフェース/スクリーンに異なるズームレベルを表示すること、異なるスクリーンにフルサイズのカラー画像ならびにフルサイズの黒および白の画像を表示すること等により、複数のディスプレイを利用する。しばしば、処置モードの間に使用されるGUIは、ユーザがイメージングパラメータを最適化することよりも処置を実行することに関心があるため、より少ない制御を有することとなる。
【0022】
複数のモードのシームレスなサポートを提供するために、超音波イメージングシステム100はシステムの一または二以上の部分(例えば、インタフェース、ドッキングトレイ等)の向きまたは位置を検出することに基づいてモード間で切り替えるように構成される。したがって、超音波イメージングシステム100は、ユーザが超音波イメージングシステムの一または二以上の部分の向きまたは位置を変更することにより動作モード間で変更することを可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、オペレータは調整可能なヒンジを中心にドッキングトレイ、底部インタフェース、上部インタフェース等を回転させるためにハンドルを使用する。それに応じて、超音波イメージングシステムは向き/位置の変化を検出し、診断モードと処置モードとの間等の異なる動作モード間で交替するために検出された位置を使用する。
【0023】
いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100のスタンドは複数の向き/位置、したがって異なる動作モードを容易にするように構成された調整可能なヒンジを含む。少なくとも一つの実施形態では、調整可能なヒンジはイメージングユニットおよび/またはドッキングトレイをサポートする柱の前に設置される。一実施形態では、調整可能なヒンジは、オペレータにより加えられる力の方向、オペレータからの制御入力等の様々な要因に基づいて動作に対して異なるレベルの抵抗を提供するようにさらに構成される。一実施形態では、調整可能なヒンジは、ユーザにより操作されるレバー/ボタン、力もしくは動作の方向、またはそれらの組合せのうち一または二以上に従って異なるレベルの抵抗を提供するように構成される。
【0024】
図1Aは、本技術のある実施形態による、ストレージ構成における代表的な超音波イメージングシステム100の等角図である。いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100はディスプレイスクリーン(閉じて図示されている)を含む蓋112および処理電子機器、電源、ファン等(図示されていない)を含むベース部114を備える従来のクラムシェル設計である。超音波イメージングシステム100は以下で説明されるように傾斜調整を備えるスタンド150上に搭載されている。ストレージ構成の場合、蓋112はヒンジ軸を中心に回転し、比較的平行にベース部114上に配置することができる。結果として生じる二つの部分の間の角度は実質的に0°になる可能性がある。ストレージ構成において、一実施形態では、超音波イメージングシステム100はイメージングシステムの位置および向きに基づいてその一または二以上の部分または機能、またはそれらの組合せをオフ、停止、変更等する。例えば、超音波イメージングシステム100は一または二以上のディスプレイ、信号発生器、入力キー/コントローラ、ソフトウェアプロセス等をオフまたは停止する。
【0025】
図1Bは、本技術のある実施形態による、第一の動作構成における超音波イメージングシステム100の等角図である。いくつかの実施形態では、イメージングユニットはある動作構成における図1Aのベース部114に対して開く(例えばディスプレイスクリーン、タッチスクリーン等を含む)図1Aの蓋112を含む。超音波イメージングシステムは、ユーザが超音波信号またはパルスを患者の体に向け、反射されたエコー信号/パルスを受信するために使用することのできる図1Aの一または二以上のプローブ128に接続されている。例えば、受信された反射は、診断検査中等に、患者の体および/または医療機器の検査された部分の視覚的描写を提示するために処理される。
【0026】
いくつかの実施形態では、イメージングユニット(例えば、蓋112、ベース部114等)は図1のスタンド150に取り付けられている。スタンド150はベース162(例えば、車輪付きベース)から上方に延在する柱164を含む。スタンド150は柱164の上部に接続されたドッキングトレイ168をさらに含む。ドッキングトレイ168はベース部114に接続すること、およびそれを受けること等によって、イメージングユニットに取外し可能に接続する/それを受ける。いくつかの実施形態では、ドッキングトレイ168は、超音波イメージングシステム100を動かす/移すため、ならびに/またはドッキングトレイ168および/もしくはベース部114の向きを合わせる/配置するためにオペレータが掴むことのできるハンドル170を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、調整可能なヒンジはドッキングトレイ168を柱164に接続し、ドッキングトレイ168およびイメージングユニットの底部/ドッキング部(例えば、ベース部114および/またはそのインタフェース)が水平面に関して回転することを可能にする。一実施形態では、調整可能なヒンジは水平面に対して複数の角度でドッキングトレイ168を固定または保持する。例えば、一実施形態では、調整可能なヒンジはドッキングトレイ168の動作/角度の範囲(例えば、水平面より0-90°下)を制限する位置止め具を含むバレルタイプのヒンジである。ユーザ/設計仕様に基づいて他の範囲を選択することもできる。例えば、一実施形態では、調整可能なヒンジはユーザが再配置することが可能な一または二以上の調整可能な動作止め具を含む。また、一実施形態では、調整可能なヒンジは動作の特定の/指定された範囲に対応する一または二以上の動作止め具を含む。一実施形態では、ヒンジはヒンジを移動させるために必要な力を増加させるロックモードを有し(例えば、クラッチが嵌合しているとき)、そのためイメージングシステムは重力に起因して向きを変えることはないが、必要に応じて新しい向きに容易に移動させることができる。一実施形態では、ヒンジはドッキングトレイ168の重量により作動されるボタンまたはレバーを含み、それによりロックモードを作動させる。ボタンまたはレバーは、ユーザがハンドル170を掴むかもしくは持ち上げるとき、またはユーザのクラッチ機構の操作に基づいて外れる可能性がある。
【0028】
イメージングシステムの動作モードを変更するために、一実施形態では、二つのインタフェースは二以上の角度範囲で角度を成すように配置される。例えば、一実施形態では、医療専門家は診断モードと処置モードとの間で動作モードを変更するために水平面を中心に底部インタフェースを回転させる。いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100は、蓋112が開いた位置にあり、ベース部114が水平面より0-55°下の角度に向けられている場合は診断モードで動作し、角度が水平面より55°下の角度よりも大きい場合は処置モードで動作する。他の角度もベース部のスタンドに基づいて選択することができ、またユーザが定義することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、調整可能なヒンジは柱164の前に配置される。医療専門家は超音波イメージングシステム100に向かっているため、より多くの構成要素(例えば、一または二以上のインタフェース部、プローブ、回路構成要素等)はアクセス性のためにシステムの前部に向けて設置することができる。さらに、いくつかの実施形態では、医療専門家は前部から回転力を加えることにより、向きを調整するためにシステムの前部を掴むことができる。したがって、使用中にシステムを安定に保つために、柱はイメージングユニットおよび/またはドッキングトレイ168の重心の後ろに(すなわち、イメージングユニットを操作している/向かっているユーザから離れて)配置され、一方、調整可能なヒンジは柱164の重心の下、かつ柱164の前に設置される。柱164と同一直線上かつその真上に調整可能なヒンジを有することと比較して、調整可能なヒンジの上述の位置は移動および向きを変更する間の安定性を増加させる。
【0030】
いくつかの実施形態では、調整可能なヒンジはドッキングトレイ168およびイメージングユニットを移動させるために必要な抵抗/摩擦レベルを制御するように構成されたクラッチ機構を含む。例えば、クラッチ機構は異なる移動方向(例えば、ドッキングトレイ168の向きの変更)に対して複数の抵抗/摩擦レベルを提供するように構成することができる。クラッチ機構はユーザがドッキングトレイ168を上向きに傾斜させる(例えば、調整可能なヒンジの回転軸を中心に回転させる)ときに第一の抵抗レベルを提供し、ユーザがドッキングトレイ168を下向きに傾斜させるときに第二の抵抗レベルを提供する。また、例えば、一実施形態では、クラッチ機構はユーザの操作に従ってクラッチ機構を嵌合および解除するように構成された制御機構(例えば、ハンドル、レバー、フットペダル、ボタン等)に取り付けられている。一実施形態では、クラッチ機構は、それに加えられる力、またはその位置等の制御機構に従って様々な量の抵抗/摩擦レベルを提供するように構成される。いくつかの実施形態では、クラッチ機構は制御機構の位置に基づいてラップスプリングの堅さを緩和することのできるラップスプリングクラッチを含む。さらに巻線方向は向きの変化の異なる方向(例えば、ハンドル170における上向きもしくは下向き動作)または対応する力の方向に従って異なるレベルの抵抗を提供する。いくつかの実施形態では、クラッチ機構は制御機構に従って異なるレベルの力で共に圧縮される一組のプレートを含む。調整可能なヒンジの詳細を以下で説明する。
【0031】
図2A図2B図3A図3B、および図4A図4Bは、本技術のある実施形態による、異なる代表的な動作構成における図1Aおよび図1Bの超音波イメージングシステム100の様々な態様を示している。例えば、図2Aは、本技術のある実施形態による、第一の動作構成202(例えば、診断モード)における超音波イメージングシステム100の正面図である。図2Bは、本技術のある実施形態による、第二の動作構成204(例えば、処置モード)における超音波イメージングシステム100の正面図である。
【0032】
第一の動作構成202および第二の動作構成204は、インタフェースのうち一または二以上の向きまたは位置、第一のインタフェース122と第二のインタフェース124との間の角度、図1の柱164の高さまたは長さ等の、イメージングシステムの異なる向きにそれぞれ対応することができる。いくつかの実施形態では、第一の動作構成202は動作範囲の上部(例えば、水平面と平行に最も近い)における第二のインタフェース124および/もしくはドッキングトレイ168の向きまたは上部の位置を含む位置範囲に対応し、第二の動作構成204は(例えば、水平面から最も離れた、および/または垂直面に対して平行に最も近い)底部の位置における第二のインタフェース124および/もしくはドッキングトレイ168の向きまたは底部の位置を含む位置範囲に対応する。比較すると、第一の動作構成202は第二の動作構成204よりも、水平面からのドッキングトレイ168または第二のインタフェース124のより小さな角度偏差に対応する。
【0033】
一実施形態では、超音波イメージングシステム100は動作構成(例えば、第二のインタフェース124、ドッキングトレイ168等の向き)を検出し、様々な対応するモード(例えば、診断モード、処置モード等)を開始する。例えば、いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100(例えば、イメージングデバイス、ドッキングトレイ168、調整可能なヒンジ等)はイメージングユニットの向き、イメージングシステムの高さ、またはそれらの変化を検出するように構成された加速度計、ジャイロスコープ、位置エンコーダ、スイッチ等を含む。検出に基づいて、超音波イメージングシステム100内のプロセッサは診断モードの実装をトリガするために第一の動作構成202を使用し、処置モードの実装をトリガするために第二の動作構成204を使用するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100は、プローブまたは超音波信号設定(例えば、イメージングモード、Bモード、ドップラー、カラーフロー、利得、集束範囲、信号周波数等)のうち一または二以上を調整すること、ディスプレイ設定(例えば、視覚的描写の位置/サイズ/色、GUIでの超音波イメージングシステム制御の存在または位置の制御、設定/ステータス等)を制御すること、入力制御感度(例えば、タッチ/圧力感度、変化率/大きさ)を調整すること等により異なるモードを実装する。
【0034】
図3Aは、本技術のある実施形態による、第一の動作構成202における超音波イメージングシステム100のプロファイル図である。図3Bは、本技術のある実施形態による、第二の動作構成204における超音波イメージングシステム100のプロファイル図である。図3Aおよび図3Bに示されるように、一実施形態では、第一の動作構成202(例えば、診断モード)は診断処置のために使用される第一の高さ302を有するイメージングシステムの検出された高さ(例えば、ベース部162と調整可能なヒンジ/垂直部分の上部との間の距離)により選択され、第二の動作構成204(例えば、処置モード)はイメージングシステムが第二の高さ304にあるときに選択される。いくつかの実施形態では、第一の高さ302は第二の高さ304よりも小さい。
【0035】
図4Aは、本技術のある実施形態による、第一の動作構成202における超音波イメージングシステム100の上部のプロファイル図である。図4Bは、本技術のある実施形態による、第二の動作構成4における超音波イメージングシステム100の上部のプロファイル図である。
【0036】
上記のように、いくつかの実施形態では、オペレータは超音波イメージングシステム100(例えば、図1のベース部114、図1の第二のインタフェース124、図1のドッキングトレイ168等)の向きを変更/設定する。例えば、一実施形態では、オペレータは、図1のハンドル170を使用して図1のスタンドの柱164の上部近くに設置された傾斜機構406に取り付けられた調整可能なヒンジ400を中心にドッキングトレイ168を回転させ、超音波イメージングシステム100の向きを合わせ/配置してシステムの動作構成を変更する。
【0037】
いくつかの実施形態では、調整可能なヒンジ400により、ドッキングトレイ168が、水平面に対して測定される、0°(水平)またはある正の角度からマイナス90°(垂直)との間で回転することが可能になる。例えば、一実施形態では、調整可能なヒンジ400により、ドッキングトレイ168および/または第二のインタフェース124が、図2の第一の動作構成202の場合のように水平面より15°下から第二の動作構成204の場合のように水平面より55°下まで回転することが可能になる。一実施形態では、第一の動作構成は超音波イメージングシステム100(例えば、その中のベース部114および/または第二のインタフェース124)がラップトップコンピュータまたはクラムシェルデバイス等の第一の向きである場合に選択され、第二の動作構成204は超音波イメージングシステム100の第二のインタフェースがタブレットコンピュータの平坦な表面と同様にインタフェース間の垂直またはほぼ垂直な配置等の第二の向きである場合に選択される。
【0038】
図4Aおよび図4Bに示されるように、一実施形態では、第一の動作構成202(例えば、診断モードに対応する向き/角度)は(処置モードに対応する)第二の動作構成204よりも、水平面からのドッキングトレイ168または第二のインタフェース124のより小さな角度偏差に対応する。例えば、第一の動作構成202はベース部114と水平面との間の0°から-45°の第一の角度(α)に対応する。また、第二の動作構成204はベース部114と水平との間の-46°から-90°の第二の角度(β)に対応する。いくつかの実施形態では、第一の動作構成および第二の動作構成を定義するために使用される角度の範囲は同一である必要はない。例えば、一実施形態では、第一の動作構成を定義するための第一の角度範囲は約0°から-15°を含む角度の範囲であり、第二の動作構成を定義する第二の角度範囲は-16°から-55°である。
【0039】
図5は、本技術のある実施形態による、柱164の上部における傾斜機構406の断面図である。一実施形態では、傾斜機構406は図1の調整可能なスタンド150の上部を含み、調整可能なヒンジ400と接続するか、またはそれと一体である。一実施形態では、傾斜機構406および/または調整可能なヒンジ400は柱164の前に(すなわち、柱164の上部に直接ではなく)、ピボットピン502(例えば、調整可能なヒンジ400の回転軸を提供するピン/ピボット)および水平方向に沿って柱164から離れて延在するヒンジプラットフォーム504を含む。いくつかの実施形態では、ヒンジプラットフォーム504は柱164から離れて延在するアームとして機能し、調整可能なヒンジ400を介して取り付けられているドッキングトレイ168、イメージングユニット等に対するサポート(例えば、重量を支える)を提供する。したがって、ヒンジプラットフォーム504の長さは柱164とピボットピン502(例えば、調整可能なヒンジ400の回転軸)との間の水平離隔距離526を提供する。
【0040】
ヒンジプラットフォーム504は柱164から水平に延在して調整可能なヒンジ400に取り付けられ、それと一体になっており、それにより超音波イメージングシステム100の増加した安定性を提供する。一実施形態では、ヒンジプラットフォーム504および調整可能なヒンジ400は回転軸(例えば、ピボットピン502の位置)を調整可能なスタンド150の柱164の前、かつオペレータの近くに配置する。ヒンジプラットフォーム504を使用して、一実施形態では、回転軸はイメージングユニット、ドッキングトレイ168、および/またはプローブ128の重心の下に配置される。さらに、柱164は、(例えば、超音波イメージングシステム100を後方に押すことに起因して)輸送中に、または(例えば、ドッキングトレイ168の上方への回転またはハンドル170における対応する力に起因して)向きの変更中に超音波イメージングシステム100が後方に傾斜する可能性を低減するために回転軸の後ろに設置されている。
【0041】
一実施形態では、傾斜機構406は第一のヒンジカバー522および第二のヒンジカバー524に囲まれた上部傾斜ストップ512および下部傾斜ストップ514をさらに含む。第一のヒンジカバー522はドッキングトレイ168の底部/表面から下方向に沿って延在し、傾斜機構406の背面を覆う/接触する。一実施形態では、第二のヒンジカバー524はドッキングトレイ168の底部/表面から延在し、傾斜機構406の前面を覆う/接触する。一実施形態では、第一のヒンジカバー522および第二のヒンジカバー524は調整可能なヒンジ400、上部傾斜ストップ512、下部傾斜ストップ514等を囲む。したがって、第一のヒンジカバー522および第二のヒンジカバー524は超音波イメージングシステム100の改善されたユーザビリティおよび安全性を提供する。調整可能なヒンジ400、上部傾斜ストップ512、下部傾斜ストップ514等を覆うことにより、第一のヒンジカバー522および第二のヒンジカバー524は超音波イメージングシステム100の動作中のユーザの手/指の衝突を低減することができる。
【0042】
一実施形態では、上部傾斜ストップ512および下部傾斜ストップ514はドッキングトレイ168の上向き回転および下向き回転それぞれに制限を提供する。例えば、図4に示されるように、一実施形態では、上部傾斜ストップ512はドッキングトレイ168の底部/表面と接触するように構成された傾斜機構406の上部の表面または端部を備える。また、図5に示されるように、一実施形態では、下部傾斜ストップ514は第一のヒンジカバー522と接触するように構成された傾斜機構406の上部に接続された/一体となった切欠きまたは突起を備える。
【0043】
図6は、本技術のある実施形態による、動作の上限における傾斜機構406の断面図である。動作の上限において、一実施形態では、傾斜機構406上の上部傾斜ストップ512はドッキングトレイ168の上部タブ602(例えば、上部傾斜ストップ512に対応する/整列する底面/底部)に直接接触する。ユーザがハンドル170を上向きに引っ張り、それによりドッキングトレイ168を上向き(例えば、図6に示されるような反時計回り方向)に回転させる際、上部傾斜ストップ512は動作の制限を提供する。一実施形態では、上部傾斜ストップ512は上部タブ603に接触するように構成され(例えば、サイズ、位置等)、ドッキングトレイ168および/または第二のインタフェース124の動作の範囲内で水平面と平行、または水平面より15°下、等の上限を提供する。
【0044】
図7は、本技術のある実施形態による、動作の下限における傾斜機構406の断面図である。動作の下限において、一実施形態では、傾斜機構406の下部傾斜ストップ514は第一のヒンジカバー522の下部タブ702(例えば、下部傾斜ストップ514に対応する/整列する底部における上面)に直接接触する。ユーザがハンドル170を下向きに引っ張り、それによりドッキングトレイ168を下向き(例えば、図5に示されるような時計回り方向)に回転させる際、下部傾斜ストップ514は動作の下限を提供する。一実施形態では、下部傾斜ストップ514は下部タブ702に接触するように構成され(例えば、サイズ、位置等)、ドッキングトレイ168および/または第二のインタフェース124の動作の範囲内で水平面より-55°から-90°の間の角度等の下限を提供する。
【0045】
図8は、本技術のある実施形態による、傾斜機構406の等角図である。いくつかの実施形態では、図1の超音波イメージングシステム100は調整可能なヒンジ400用のバレルタイプのヒンジを含む。バレルタイプのヒンジの場合、一実施形態では、調整可能なヒンジ400はピボットスリーブ804を覆う/囲むバレル部802を含む。一実施形態では、バレル部802に隣接する、またはその間の超音波イメージングシステム100はピボットスリーブ804を覆う/囲むドッキングトレイインタフェース806(例えば、図1のドッキングトレイ168の一体となった、または接続された部分)を含む。
【0046】
一実施形態では、バレル部802は傾斜機構406に取り付けられ、それと一体となっている。一実施形態では、バレル部802は回転ベアリング力がピボットスリーブ804に加えられる中空シリンダーセクションを含む。一実施形態では、ピボットスリーブ804(例えば、ピボットピン502)は、バレル部802の長さに平行に延在する多角形または円形の断面形状を有するスリーブ(またはいくつかの実施形態ではピン/ロッド)であり、バレル部802に囲まれ、バレル部802の内部で、バレル部802を中心に回転するように構成される。
【0047】
バレル部802と同様に、一実施形態では、ドッキングトレイインタフェース806はピボットスリーブ804にわたって適合し、そこに固定されるクランプを含む。ドッキングトレイ168が回転すると、ピボットスリーブ804はドッキングトレイインタフェース806と共に、バレル部802の内部で回転することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、ヒンジはドッキングトレイインタフェース806の回転/動作に対して異なるレベル/量の抵抗を提供するように構成された調整可能なクラッチ機構800を含む。調整可能なクラッチ機構800は共にクラッチ機構と嵌合または解除するクラッチ制御812および制御アーム814に動作可能に結合/接続されたコントローラ(図示されていない)を含む。例えば、コントローラはユーザが抵抗の量を制御するために使用することのできるボタン、レバー、ダイヤル等とすることができる。一実施形態では、コントローラの動作/変位によりクラッチ制御812および/または制御アーム814が回転する。一実施形態では、調整可能なクラッチ機構800は、バレル部802内の一または二以上の構造(例えば、プレート、ディスク等、図示されていない)に適用される位置または圧縮力を調整してピボットスリーブ804およびバレル部803の回転に対する抵抗の量を変更するために、クラッチ制御812の回転を直線運動/力に変換する。一実施形態では、位置は、超音波システム、ドッキングトレイ、ヒンジ等に埋め込まれた、本明細書に記載のセンサによりシステム用のデータに変換される。
【0049】
図8に示される設計について、一実施形態では、制御アーム814は、クラッチ制御812に取り付けられ、それと一体となっているシリンダー/ロッドであり、また制御アーム814および/またはピボットスリーブ804に直交して延在している。コントローラは、クラッチ制御812および取り付けられた制御アーム814がコントローラの操作に基づいて回転するように、クラッチ制御812の一または二以上の端部に接続されている。一実施形態では、制御アーム814はピボットスリーブ804を介してスライドするクラッチピンと直線的に整列した、円筒面上の一対のくぼみ等の下限直径嵌合機構816を含む。クラッチピンの位置によりヒンジを動かすために必要な力が決定される。
【0050】
図9は、本技術のある実施形態による、傾斜機構406の部分断面図である。図10は、本技術のある実施形態による、バレルヒンジ内のクラッチアセンブリの等角図である。図10は例示的なクラッチ機構800の詳細を示している。一実施形態では、調整可能なクラッチ機構800はクラッチピンのヘッド904の外側に位置するばね(図示されていない)で内側にバイアスされるクラッチピン902を含む。一実施形態では、ロックプレート906およびワッシャ908はバレルヒンジ内のピボットスリーブを動かすために必要な力の量を調整するために共に機能する。ロックプレート906はヒンジ内で回転しない(例えば、バレル部に対して固定されたままである)ようにヒンジバレルの内側の形状と連係する外側の形状(例えば、六角形)、およびピボットスリーブがロックプレート906内で回転することを可能にする内側の穴を有する。ワッシャ908はピボットスリーブが回転する際にヒンジ内で回転するように連係する形状(例えば、六角形)の効果によりピボットスリーブに固定されている。一実施形態では、ロックプレート906およびワッシャ908の両方はピボットスリーブの長さに沿ってわずかに移動することができるため、それらは共に圧縮するか、または解除することができる。一実施形態では、クラッチピンのヘッド904は、ヒンジの摩擦を増加させるために、ヒンジの内側の端部に固定されたばねによりロッキングプレート/ワッシャに対して押し付けられる。クラッチピン902が制御アーム814内のくぼみのカム作用により外向きに押し付けられると、ばねは圧縮されてワッシャ908に対するロックプレート906の圧力が減少し、それによりヒンジのPICC804がバレル内でより容易に移動することが可能になる。
【0051】
いくつかの実施形態では、調整可能なクラッチ機構800はハンドル170における上向きの動作に対してより低い抵抗を提供するように構成され、それによりハンドル170における下向きの動作よりも低い量のトルク(例えば、半分)が必要になる。一実施形態では、調整可能なクラッチ機構800はIEC60601に準拠する力/トルク量に対応する抵抗を提供するように構成される。例えば、一実施形態では、調整可能なクラッチ機構800は、(例えば、材料、表面形状またはテクスチャ等を介して、プレートとワッシャの間の表面摩擦を制御することに基づいて)ドッキングトレイ168を上向きに傾斜させる/回転させるためにハンドル170において約10ポンドの圧力(例えば、第一の抵抗レベル)を必要とし、ドッキングトレイ168を下向きに傾斜させる/回転させるためにハンドル170において約20ポンドの圧力(例えば、第二の抵抗レベル)を必要とするように構成される。いくつかの実施形態では、ロックプレート906および/またはワッシャ908は力の方向または相対的な動作に基づいて非対称なレベルの抵抗を提供する表面テクスチャまたは形状を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、調整可能なクラッチ機構800は、ロック解除ボタンまたはヒンジのプレートおよびワッシャへの圧力を緩和するために制御アーム814を動かす他の制御を介して、上向きの動作の場合は解除し、下向きの動作の場合は嵌合するように構成される。いくつかの実施形態では、調整可能なクラッチ機構800(例えば、クラッチ制御812)は初期の動作またはハンドル170に加えられる力の方向に基づいてクラッチを直接嵌合および解除するように構成される。一実施形態では、調整可能なクラッチ機構800は別個のコントローラを用いることなく初期の動作または力の方向に反応するように構成される。
【0053】
いくつかの実施形態では、調整可能なクラッチ機構800はクラッチが解除されるといくらかの正の抵抗を提供するように構成される(すなわち、外側のばねからの圧力を緩和すること等により、可動部材の間の摩擦のより低い閾値量に対応する)。したがって、調整可能なクラッチ機構800はユーザがイメージングユニットおよびドッキングトレイ168の最大抵抗を経験/サポートしなければならないことを防ぐことができる。いくつかの実施形態では、調整可能なクラッチ機構800は、クラッチが嵌合されると(例えば、ばねの強度、サイズ、構成等に基づいて)抵抗の上限を提供するように構成される。したがって、調整可能なクラッチ機構800はユーザがドッキングトレイ168を操作するときに(例えば、柱164およびベース部162に対する過度な量の力/てこの力に起因して)超音波イメージングシステム100が転倒することを防ぐことができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、ヒンジ機構400は電気接続/回路を含む。例えば、一実施形態では、ヒンジ機構400の内部にはドッキングトレイ168の角度/回転位置等の位置検知回路を含む。一実施形態では、位置検知回路はロックプレート906とピン902との間の角度を検出するように構成される。一実施形態では、位置検知回路はまた制御アーム814および/またはクラッチ制御812の位置を検出するように構成される。また、例えば、一実施形態では、ヒンジ機構400の内部では、動作モード間(例えば、第一の動作構成または第二の動作構成に対応するような診断モードおよび処置モード)を遷移するために超音波イメージングシステムのプロセッサに信号を送信する。また、例えば、一実施形態では、調整可能なクラッチ機構800は接地回路またはシールド回路(例えば、電磁干渉(EMI)シールド)を含む。シールド回路の接触面積はロックプレート706および/またはワッシャ708を介して増加させることができ、それによりEMIシールド容量の増加を提供する。
【0055】
図11図12は、傾斜機構406内の例示的なクラッチ機構1100を示している。図11は、本技術のさらなる実施形態による、傾斜機構206の内部図である。図12は、本技術のある実施形態による、傾斜機構206の部分断面図である。いくつかの実施形態では、図1の超音波イメージングシステム100は線形-軸方向設計に対応するクラッチ機構1100を含む。例えば、クラッチ機構1100は嵌合機構(図示されていない)により押し込まれ/押し出されるばね式の制御アーム1114を含む。一実施形態では、制御アーム1114の線形の内向き/外向きの動作は、(例えば、制御アーム1114の直径の切込みを傾斜させること等により)バレル部1102の内側に設置された構造(例えば、プレート、ワッシャ等)を嵌合/解除する軸方向の力/動作に変換される。
【0056】
いくつかの実施形態では、傾斜機構はラップスプリング設計(図示されていない)である。例えば、一実施形態では、クラッチ機構はターニングロッド(例えば、ヒンジピン)の周りに巻かれたばねを含む。ばね巻線はターニングロッドの反対方向の回転/動作に対して非対称の抵抗を提供することができる。さらに、ばねはばねの一または二以上の端部を押すように構成されたクラッチ制御、制御アーム等に動作可能に接続することができ、それによりばねを部分的に巻き戻し、張力を解放する。したがって、ユーザはばねまたはその一部を巻き戻し、ばねにより提供される(例えば、ヒンジピンの回転/動作に対する)抵抗を減少させるためにクラッチ制御、制御アーム等を操作することができる。
【0057】
一実施形態では、調整可能なヒンジ400は回転/動作の反対方向に対して異なる/非対称な抵抗を提供するクラッチ機構600/800/900を含む。したがって、クラッチ機構を備える調整可能なヒンジ400は、ユーザが異なる向きでイメージングシステムを再配置することを可能にするためにユーザが選択可能なトルクの状態(例えば、クラッチが作動していないときのより高いトルク、および作動中のより低いトルク)を提供する。
【0058】
いくつかの実施形態では、傾斜機構206はその中にワイヤ/ケーブルを保持または収容するように構成されたキャビティを含む。一実施形態では、クラッチ機構600/800/900を備える調整可能なヒンジ400はキャビティ内のワイヤ/ケーブルに/から電気信号をルーティングするように構成される。したがって、超音波イメージングシステム100の電気配線の少なくとも一部はドッキングトレイ168、調整可能なヒンジ200、柱164等の内部で/を介して作成することができる。
【0059】
図13は、本技術のある実施形態による、スタンド(図1のスタンド150)のベース(例えば、ベース162)の平面図である。いくつかの実施形態では、ベース162はコア部1304から延在する四つの脚部1302を含む。一実施形態では、二つの脚部1302はコア部1304から前方に(すなわち、イメージングデバイスに向かって操作している医療オペレータに向かって)延在し、二つの脚部1302はコア部1304から後方に(すなわち、医療オペレータから離れて)延在する。脚部1302は互いから離れる、中心線から離れる等して、水平に延在する。換言すると、脚部1302の各々はコア部1304の対応する端部に対して90°よりも大きい角度(例えば、第一の角度1332(α1)、第二の角度1334(α2)等)を形成する。図13はベース162の二つの例示的な設計を示しており、一つの設計(例えば、外側に示されている)はより広く離れているより長い脚を含む。
【0060】
遠位端(例えば、コア部1304の反対側)において、脚部1302の各々はホイール(例えば、キャスターピン)に接続するように構成された車輪受け1306を含む。いくつかの実施形態では、前部の車輪受けは15-25インチの範囲の前部離隔幅1312だけ離隔される。一実施形態では、後部の車輪受けは14-24インチの範囲の後部離隔幅1314だけ離隔され、一方、前部および後部の車輪受けは15-25インチの範囲の離隔長さだけ離隔される。コア部1304の中央部分等の図1の柱164に取り付けられるように構成された柱取付け部1308(例えば、コア部1304上の位置)に対して、前輪は前方向に沿って前部長さ1324(例えば、5-15インチの範囲)だけ前方に延在することができる。一実施形態では、後輪は後部長さ1326(例えば、5-15インチの範囲)だけ柱取付け部1308から後方に延在する。
【0061】
いくつかの実施形態では、脚部は中心線に対して(例えば、サイズおよび向きが)対称である。いくつかの実施形態では、前部離隔幅1312は後部離隔幅1314よりも長くすることができる。例えば、一実施形態では、前部離隔幅1312は約20インチとすることができ、後部離隔幅1314は約19インチとすることができる。いくつかの実施形態では、前部長さ1324は後部長さ1326よりも長い。例えば、一実施形態では、前部長さ1324は約11インチであり、後部長さ1326は約9インチとすることができる。いくつかの実施形態では、第一の角度1332は第二の角度1334と同一である。例えば、一実施形態では、第一の角度および第二の角度は約130°とすることができる。他の実施形態では、第一の角度1332は第二の角度1334よりも小さい。より大きな角度に基づいて、より短い後脚はより長い前脚と同様の距離をコア部1304から水平に(例えば、前後方向に対して垂直に)延在させることができる。
【0062】
図1の柱164および傾斜機構406、図1のハンドル170、ならびに図4の調整可能なヒンジ400の形状および構成に基づいて、イメージングユニットの重心および図1のドッキングトレイ168は柱取付け部1308の前に配置されている。ベース162と共に、上記の構成は削減されたスペース要件/システムフットプリントを提供する。より長い前脚(すなわち、柱取付け部1308に対して)はユーザがハンドル170を押し下げたときにシステムが前方に倒れるのを防ぐことができる。調整可能なヒンジ400および重心の後ろに設置された柱164は短い後脚であったとしても、ユーザがハンドル170を引き上げたときにシステムが後方に倒れるのを防ぐ。一実施形態では、システム全体のサイズ/フットプリントは異なる/非対称の抵抗を提供する調整可能なヒンジ400に基づいてさらに減少させることができる。クラッチおよびヒンジ軸の同軸配置ヒンジおよびクラッチ機構を実装するために必要なスペースを減少させることができる。
【0063】
図14Aおよび図14Bは、本技術のある実施形態による、異なる動作モードの例示的なディスプレイを示している。例えば、図14A図2の第一の動作構成202における図1Bのイメージングデバイスの正面図を示している。したがって、図14Aは、診断モード1402に従って構成されるイメージングデバイス(例えば、第一のインタフェース122、第二のインタフェース124等、図1Bの全て)の例示的なディスプレイを示している。また、図14Bは、図2の第二の動作構成204におけるイメージングデバイスの正面図を示している。したがって、図14Bは、処置モード1452に従って構成される例示的なディスプレイを示している。
【0064】
上述のように、一実施形態では、オペレータは超音波イメージングシステム100(例えば、図1のベース部114、第二のインタフェース124、図1のドッキングトレイ168等)の向きを変更/設定する。例えば、一実施形態では、オペレータはドッキングトレイ168を図4の調整可能なヒンジ400を中心に回転させるためにハンドル170を使用する。
【0065】
一実施形態では、超音波イメージングシステム100はドッキングトレイ168および/または第二のインタフェース124の向き(例えば、第一の動作構成202または第二の動作構成204)を検出する。超音波イメージングシステム100は様々な機構を使用して動作構成(例えば、第一の動作構成202または第二の動作構成204)を選択することができる。例えば、一実施形態では、超音波イメージングシステム100(例えば、イメージングデバイス、ドッキングトレイ168、調整可能なヒンジ402等)はイメージングデバイス(例えば、第二のインタフェース)の向きまたはその変化を検出するように構成された加速度計、ジャイロスコープ、位置エンコーダ、スイッチ等を含む。また、例えば、一実施形態では、超音波イメージングシステム100はセンサもしくは回路を含むか、または搭載部分の高さまたは垂直部分の長さを決定するように構成された外部センサまたは回路に接続する。一実施形態では、超音波イメージングシステム100は、診断モードまたは処置モードのいずれかを開始/実装するために検出された向きおよび/または検出された高さを使用する。
【0066】
一実施形態では、第一の動作構成202の検出は診断モード1402の実装をトリガし、第二の動作構成204の検出は処置モード1454の実装をトリガする。超音波イメージングシステム100は、プローブまたは超音波信号設定(例えば、利得、集束範囲、信号周波数等)を調整すること、ディスプレイ設定(例えば、視覚的描写の位置/サイズ/色、グラフィックユーザインタフェース、設定/ステータス等)を制御すること、入力/制御感度(例えば、タッチ/圧力感度、変化率/大きさ等)を調整すること等により異なるモードを実装する。
【0067】
一実施形態では、診断モード1402において、超音波信号設定は無機材料を考慮することなく人間の組織を検出するように選択される。処置モード1452の場合、超音波信号設定は、針、切断器具、プローブ、ステント、カテーテル等の無機材料を検出するように選択される。また、例えば、一実施形態では、超音波イメージングシステム100は診断モード1402用の制御および/または粒度の完全な組ならびに処置モード1452用の制御および/または粒度の限定された/選択された組を提供する。オペレータは典型的に超音波イメージングシステム100の前に座っており、ほとんどの診断検査中に片手が超音波イメージングシステム100上のインタフェース(例えば、第一のインタフェース122、第二のインタフェース124、および/または触覚インタフェース部126)にアクセスするために使用可能な状態であるため、超音波イメージングシステム100はより多くの制御の組を提供することができる。対照的に、医療処置を実行する医療専門家はしばしば超音波イメージングシステム100からさらに離れており、および/または医療専門家とインタフェースとの間にいる患者と共にいる。さらに、医療処置の間、医療専門家の両手がしばしば占有され、一方の手が処置装置を保持し、もう一方の手が超音波プローブを保持する。したがって、一実施形態では、超音波イメージングシステム100は、しばしばアクセスされる機能に必要であるかもしくは対応する、および/またはあまりアクセスされない特徴を低減もしくは排除するボタンまたはGUI(例えば、ボタンまたはGUIの所定の組、所与の期間内でほとんどまたは所定の回数にわたってアクセスされるボタンまたはGUIの組等)を目立たせ、または強調する。
【0068】
いくつかの実施形態では、図14Aに示されるように、イメージングデバイスは診断モード1402の第一の診断画像1412および/または第二の診断画像1414を表示する。第一の診断画像1412および第二の診断画像1414はスキャンされた領域における組織1422を可視化したものを示すことができる。いくつかの実施形態では、第一の診断画像1412および第二の診断画像1414はスキャンされた組織1422の異なる側面を目立たせる。例えば、一実施形態では、第一の診断画像1412はカラー画像または3D画像であり、第二の診断画像1414は白黒画像または2D画像である。一実施形態では、第一の診断画像1412および/または第二の診断画像1414は第一のインタフェース122上に表示される。
【0069】
いくつかの実施形態では、第二のインタフェース124(例えば、タッチスクリーン)は診断モード1402の診断グラフィックユーザインタフェース(GUI)1416を表示する。診断GUI1416はオペレータと設定、制御等を通信するように構成される。一実施形態では、GUI1416は超音波イメージングシステム100を操作するためのユーザ入力/制御を受信するように構成されたグラフィック制御項目1418(例えば、制御の完全な組)を含む。例えば、グラフィック制御項目1418(例えば、ボタン、ダイヤル、ドロップダウンメニュー等)はプローブ設定(例えば、イメージングモード、Bモード、ドップラー、カラーフロー、利得、集束範囲、信号周波数)および/またはディスプレイ設定(例えば、視覚的描写の位置/サイズ/色/コントラスト/明るさ)とすることができる。
【0070】
処置モード1452の場合、一実施形態では、超音波イメージングシステム100はオペレータがシステムからさらに離れていること、システムとオペレータとの間に患者がいること、オペレータが両手を占有されていること(例えば、プローブおよび医療機器を有すること)等を考慮する。処置モード1452において、一実施形態では、超音波イメージングシステム100はスキャンされた結果を表示するため、および/またはGUI制御を低減または簡略化するためにより多くのスクリーンスペースを専用にする。
【0071】
図14Bに示されるように、一実施形態では、イメージングデバイスは処置モード1452の第一の処置画像1462および/または第二の処置画像1464を表示する。いくつかの実施形態では、第一の処置画像1462および/または第二の処置画像1464は第一の診断画像1412および/または第二の診断画像1414よりも大きくすることができる。例えば、一実施形態では、スクリーンを共有する第一の診断画像1412および第二の診断画像1414の代わりに、第一の処置画像1462が第一のインタフェース122を埋め、第二の処置画像1464が第二のインタフェース124を埋める。いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100は診断モード1402の一つの画像を表示し、同時に、処置モード1452における第一の処置画像1462および第二の処置画像1464の両方を表示する。例えば、一実施形態では、第一の処置画像1462および第二の処置画像1464は、異なるズームレベルを有する画像、異なる処理/フィルタリングから生じる画像、異なるフィード/ソースからの画像等を示す。いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100は第一のインタフェース122および第二のインタフェース124の両方にわたって一つの画像を連続的に表示する。
【0072】
超音波イメージングシステム100は簡略化された制御項目1458(例えば、グラフィック制御項目1418の低減された組)を含む処置GUI1466をさらに提示する。超音波イメージングシステム100は診断GUI1416よりも少ない制御の(例えば、システム製造業者、オペレータ、またはその組合せによりあらかじめ決定された)所定の組を含む処置GUI1466を表示する。いくつかの実施形態では、簡略化された制御項目1458がより大きなディスプレイ/入力サイズ、項目間のより大きな分離等を有する。いくつかの実施形態では、第二のインタフェース124は診断モード中に任意の超音波画像を用いることなくソフト制御(例えば、GUI項目)を表示し、処置モード中に一または二以上の超音波画像またはそれらの一部を表示する。
【0073】
いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100は設定をさらに更新するために追加情報を使用するように構成される。例えば、一実施形態では、超音波イメージングシステム100は、オペレータの識別、患者の識別、患者の医療プロファイル/履歴、システムの位置(例えば、検査室の識別)、予約/スケジュールカレンダー等の追加情報を受信または決定する。一実施形態では、超音波イメージングシステム100は、ログオン情報またはオペレータ提供情報を受信すること、デバイスの位置を計算(例えば、ジオフェンスベースの検出、WiFiベースの計算等)すること、別のデバイス(例えば、病院のメインフレーム)から患者情報および/またはスケジュール情報を受信すること等に基づいて追加情報を受信または決定する。追加情報を使用して、一実施形態では、超音波イメージングシステム100は実施されている固有の検査または処置を識別し、それに応じて設定を調整する。例えば、一実施形態では、超音波イメージングシステム100は追加情報に基づいて処置/検査の対象となる患者の体の特定の領域および/または深さを識別し、それに応じて超音波信号設定、ディスプレイ設定、制御設定等を調整する。超音波イメージングシステム100は、超音波イメージングシステム100の向きを検出することに基づいて、特定の検査/処置のための設定を実施することができる。
【0074】
図15は、本技術のある実施形態による、図1Aの超音波イメージングシステム100の検出された位置または向きに従って動作設定を調整する方法またはプロセス1500のフロー図である。本方法は超音波イメージングシステム(例えば、図1Aの超音波イメージングシステム100)を動作させるためのものであり得る。
【0075】
ブロック1052において、超音波イメージングシステム100内のプロセッサはその中の部分(例えば、図1Aの蓋112、図1Aのベース部114、図1Bの第一のインタフェース122、図1Bの第二のインタフェース124、図1Aのドッキングトレイ168、またはそれらの組合せ)の向きを決定するためのプログラムされた命令を実行する。いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100は、超音波イメージングシステム100の部分の向きを決定または推定するように構成された加速度計、ジャイロスコープ、位置エンコーダ、カメラ、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100(例えば、調整可能なスタンド)は、第二のインタフェース124、ドッキングトレイ168、またはそれらの組合せの向きを決定するように構成された一または二以上のスイッチ、位置検出回路等を含む。いくつかの実施形態では、決定された向きは第二のインタフェース124と水平面との間の角度、および/または第一のインタフェース122と第二のインタフェース124との間の角度とすることができる。
【0076】
ブロック1504において、超音波イメージングシステム100のプロセッサは決定された向きに基づいて動作モードを決定する。いくつかの実施形態では、プロセッサは決定された向きに対応する図14の診断モード1402または図14の処置モード1452を選択する。例えば、一実施形態では、処置モード1452および診断モード1402はある範囲の角度に対応する。いくつかの実施形態では、診断モード1402は水平面に平行であることに最も近い第一の閾値範囲に対応し、0°から-15°、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、処置モード1452は垂直面に最も近い第二の閾値範囲に対応し、-55°、またはそれらの組合せを含む。プロセッサは決定された角度を閾値範囲と比較することに基づいて動作モードを選択するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、第一の閾値範囲および第二の閾値範囲の一部は重複することができ、プロセッサはモードを決定するために他の追加のファクタ(例えば、移動方向、以前のモード等)を使用することができる。
【0077】
ブロック1506において、プロセッサは決定された動作モードに従って一または二以上の構成要素設定、信号処理、および/またはディスプレイ設定を調整する。例えば、プロセッサは、プローブおよび/またはトランスデューサを選択する、信号特性(例えば、りとく、集束範囲、周波数等)を選択する、デジタル信号フィルタタップを設定または選択する、GUIを表示/非表示にする、GUIの位置/サイズを調整する、画像特性(例えば、明るさ、色、サイズ/ズーム/焦点、注釈等)を調整する、触覚インタフェース部の一または二以上のボタン/制御の感度を調整する、触覚インタフェース部の一または二以上のボタン/制御を無効化/有効化する、等する。したがって、プロセッサは超音波イメージングシステム100を用いて実施されている検査または処置に対応する画像または制御を提供することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100のプロセッサは、検査モードと比較した場合、処置モードについて、より少ない詳細を表示する、より大きな処理された画像を表示する、明るさおよび/またはコントラストを増加させる、制御を除去/制限させる、等するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、処置モードの場合、インタフェースの一つは超音波エコー処理のリアルタイムの結果を表示することができ、他のインタフェースはワークフロー情報、キャプチャされた画像、マイクロ画像(例えば、画像全体のうちフォーカスした部分)、ビデオデモンストレーションまたは他の参照画像等を同時に表示することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、本方法は検査/処置の間になされるリアルタイムの調整を格納することをさらに含むことができる。プロセッサは、調整を、患者、検査タイプ、オペレータ、システムの位置等に関連付けることができる。対応する動作モードが同一の患者、同一の検査、同一のオペレータ、同一の位置等について開始されると、超音波イメージングシステム100は以前に保存/更新された設定を呼び出し、実装することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、本方法は、向きの変化を決定することに基づいて、実装されたモードを終了すること、一または二以上の画像を自動的に保存すること、ワークシートアプリケーションを開始すること等をさらに含むことができる。例えば、オペレータが(例えば、より大きな角度方向からより小さな角度方向へ)第二のインタフェースを立ち上げると超音波イメージングシステム100は、処置モードを自動的に終了し、永続的に記録/保存するために一時バッファに格納された一または二以上の画像(例えば、注射処置の前/針の位置/後の画像)および/または処置/検査後のレポート(例えば、ワークシート)に対応するアプリケーションを自動的に立ち上げることができる。
【0081】
図16は、本技術のある実施形態により構成されたシステムの単純化されたブロック図である。当業者により理解されるように、超音波イメージングシステム100は図15に示されているものとは異なる構成要素を用いて構築され得る。加えて、超音波イメージングシステム100は論じられておらず(例えば、電源等)、また本技術をどのように作成および使用するかを理解するために必要ではない構成要素を含むことができる。
【0082】
示されている実施形態では、トランスデューサプローブ(例えば、図1のプローブ128)は、トランスデューサプローブ内の個々の、または一群のトランスデューサ素子を選択するために使用される高電圧マルチプレクサ/デマルチプレクサ(HV mux/demux)1602に接続される。フェーズドアレイの場合、トランスデューサプローブにより送信される信号は、音響信号を特定の方向に向けるため、および信号を組織内の特定の深さに集束させるために信号のタイミングを調整する送信(TX)ビームフォーマ1608により生成される。あるいは、集束されていない(平面)音響波をトランスデューサプローブにより送信することができる。TXビームフォーマ1608からの信号は、HV mux/demux1602およびトランスデューサプローブに印加される前に、一または二以上の高電圧増幅器(HVアンプ)1610により増幅される。
【0083】
送信/受信(T/R)スイッチ1604は、より高出力の送信パルスが送信されているとき、超音波イメージングシステム100の受信電子機器をトランスデューサプローブから切断するように動作する。超音波イメージングシステム100が戻りエコー信号を検出すると、T/Rスイッチ1604は閉じられる。T/Rスイッチ1604から受信した信号はエコー信号が発生した深さに応じて典型的に変化する利得関数を実装する低ノイズ受信増幅器(RXアンプ)1606により増幅される。超音波イメージングシステム100が指向性超音波システムである場合、RXアンプの出力は増幅された受信エコー信号を遅延させ合計する受信(RX)ビームフォーマ1612に給電する。いくつかの実施形態では、アナログ受信信号は、RXアンプ1606とRXビームフォーマ1612との間の信号経路に配置されるいくつかのアナログ-デジタル変換器(図示されていない)を用いて増幅後に対応するデジタル信号に変換される。
【0084】
いくつかの実施形態では、一または二以上のプログラムされたプロセッサ(例えば、一または二以上の中央処理ユニット(CPU)、一または二以上のグラフィックプロセッサユニット(GPU)、一または二以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、またはそれらの組合せ)として実装することのできるシステムプロセッサ1614は、超音波イメージングシステム100の動作を制御するために内部または外部のコンピュータ可読メモリ(図示されていない)に格納されたプログラム命令を実行するように構成される。図16にさらに示されるように、RXビームフォーマ1612により生成されたビーム形成された超音波信号画像プロセッサ1616に届けられる。(システムプロセッサ1614を含む)一または二以上の汎用マイクロプロセッサ、一または二以上のDSP、一または二以上のGPU、特定用途集積回路(ASIC)等を含み得る画像プロセッサ1616は、生のビーム形成された信号をメモリに格納し、ディスプレイ上でユーザに表示することのできる画素データの二次元画像フレームに変換する。
【0085】
画像プロセッサにより生成される画像フレームはメモリ1618に格納される。一実施形態では、メモリ1618は30フレーム/秒で2-5分のデータ、または3600-9000画像フレーム以上の超音波データを格納することができる。メモリ1618はアーカイブ目的で画像フレームを格納するために使用することができる。メモリ1618のコンテンツはイメージング処置が完了した後にリモート患者記録保持システムに転送され得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、超音波イメージングシステム100はその中の一または二以上の部分(例えば、蓋112および/またはベース部114、その中のインタフェース、ドッキングトレイ168等)の向きを決定するように構成された位置検出器1620を含む。例えば、位置検出器1620は加速度計、ジャイロスコープ、押しボタン、位置検出回路、角度エンコーダ等を含むことができる。位置検出器1620はシステムプロセッサ1614に向きに関する情報を提供することができる。いくつかの実施形態では、位置検出器1620はイメージングユニットに含むことができる。いくつかの実施形態では、位置検出器1620は調整可能なスタンド150(例えば、ドッキングトレイ168、調整可能なヒンジ400等)に含むことができる。したがって、位置検出器1620は調整可能なスタンド150からイメージングユニットに向きに関する情報を通信することができる。超音波イメージングシステム100の検出された位置/向きに応答して、システムプロセッサ1614は動作モードを選択し、対応する設定を実装するように構成/プログラムされる。
【0087】
示される実施形態では、超音波イメージングシステム100は、キー、ボタン、ノブ、音声コマンドを受信するためのマイクロフォン、ジェスチャをキャプチャするためのカメラ、またはタッチスクリーン制御部等のソフトウェアで構成される制御部(例えば、GUI)等のいくつかのオペレータ入力部1622を含む。オペレータ入力部1622により、オペレータが超音波イメージングシステム100の動作特性を変更し、プロセッサ1614にコマンドを入力することが可能になる。
【0088】
いくつかの実施形態では、オペレータは超音波イメージングシステム100の位置/向きを調整/選択することにより超音波イメージング処置(例えば、検査)を開始する。いくつかの実施形態では、一実施形態では、オペレータはディスプレイに表示されるか、または超音波イメージングシステム100のキーボードまたは他の入力デバイスに専用の制御を有し得るいくつかの予め定義された処置タイプから処置をさらに選択する。
【0089】
例えば、イメージング処置は局所麻酔注射または他の超音波ガイド針注射処置とすることができる。各処置タイプは特定の検査/処置の間にオペレータにより行われるビューおよび/または測定に対応する(例えば、トランスデューサ、信号、ディスプレイ、入力/出力等の)特定の設定に関連付けられ得る。示される実施形態では、様々な検査/処置タイプにより必要とされる設定はシステムプロセッサ1614にアクセス可能なナレッジベース1624(例えば、メモリ、データベース等)に格納することができる。いくつかの実施形態では、ナレッジベース1624は、一人またはグループのユーザのため、診断/処置モードのため、等の(例えば、実行中のウィンドウ、各機能/ボタン/GUI等の最近アクセスされたカウントに基づく)ユーザ固有の設定またはしばしばアクセスされる設定の組を含むことができる。超音波イメージングシステム100はユーザの動作モードを実装するかまたは切り替える際に、ユーザ固有の設定またはしばしばアクセスされる設定を実装することができる。
【0090】
他の実施形態では、システムプロセッサ1614はオペレータの識別、患者の識別、システムの位置、時刻/曜日、患者の状態等に対する異なる設定を分析/比較するために訓練されたニューラルネットワークまたは機械学習アルゴリズムを実装する命令を実行し得る。したがって、超音波イメージングシステム100は様々な異なる検査/処置のための特定のデバイス設定/構成および/またはユーザの好みを学習し実装することができる。機械学習アルゴリズムは設定のパターンおよび他の追加ファクタに対する操作位置を認識するように訓練された人工ニューラルネットワークまたはディープラーニングアルゴリズムとすることができる。
【0091】
本明細書に記載の主題および動作の実施形態は、本明細書に開示される構造およびそれらの構造等価物、またはそれらのうち一または二以上の組合せを含むデジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアで実施することができる。本明細書に記載の主題の実施形態は、一または二以上のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のため、またはデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータストレージ媒体上にエンコードされたコンピュータプログラム命令の一または二以上のモジュールとして実施することができる。
【0092】
コンピュータストレージ媒体は、コンピュータストレージデバイス、コンピュータ可読ストレージ基板、ランダムもしくはシリアルアクセスメモリアレイもしくはデバイス、またはそれらのうち一または二以上の組合せとするか、それらに含むことができる。さらに、コンピュータストレージ媒体は伝搬信号ではないが、コンピュータストレージ媒体は人工的に生成された伝搬信号にエンコードされたコンピュータプログラム命令の送信元または送信先とすることができる。コンピュータストレージ媒体はまた一または二以上の別個の物理的構成要素または媒体(例えば、複数のCD、ディスク、または他のストレージデバイス)とするか、またはそれに含むことができる。本明細書に記載の動作は一または二以上のコンピュータ可読ストレージデバイスに格納されているか、または他の送信元から受信したデータに対してデータ処理装置により実行される動作として実装することができる。
【0093】
「プロセッサ」という用語はデータを処理するためのあらゆる種類の装置、デバイス、および機械を包含し、例としてプログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ、もしくは複数の前述のそれら、または前述のそれらの組合せを含む。装置は特殊用途論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途集積回路)を含むことができる。装置はまた、ハードウェアに加えて問題のコンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン、またはそれらのうち一もしくは二以上の組合せを構成するコードを含むことができる。装置および実行環境はウェブサービス、分散コンピューティングおよびグリッドコンピューティングインフラストラクチャ等の様々な異なるコンピューティングモデルインフラストラクチャを実現することができる。
【0094】
(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても知られる)コンピュータプログラムは、コンパイラ型言語またはインタプリタ型言語、宣言型言語または手続き型言語を含む任意の形態のプログラミング言語で記述することができ、スタンドアロンプログラムまたはモジュール、構成要素、サブルーチン、オブジェクト、またはコンピューティング環境で使用するのに好適な他のユニットを含む任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムはファイルシステム内のファイルに対応し得るが、必須ではない。プログラムは他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語ドキュメントに格納された一または二以上のスクリプト)を保持するファイルの一部、問題のプログラム専用の単一のファイル、または複数の調製されたファイル(例えば、一または二以上のモジュール、サブプログラム、もしくはコードの一部を格納するファイル)に格納することができる。
【0095】
本明細書に記載のプロセスおよび論理フローは入力データを操作して出力を生成することによって動作を実行するために一または二以上のコンピュータプログラムを実行する一または二以上のプログラム可能なプロセッサにより実行することができる。プロセスおよび論理フローは特殊用途集論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途集積回路)により実行することもでき、装置もまたそれらとして実装することができる。
【0096】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサは、例として、汎用および特殊用途マイクロプロセッサ、ならびにあらゆる種類のデジタルコンピュータのうち任意の一または二以上のプロセッサの両方を含む。一般に、プロセッサは読取り専用メモリもしくはランダムアクセスメモリ、またはその両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの本質的な要素は命令に従って動作を実行するためのプロセッサならびに命令およびデータを格納するための一または二以上のメモリデバイスである。一般に、コンピュータはまたデータを格納するための一または二以上のマスストレージデバイス、例えば、磁気ディスク、磁気光学ディスク、もしくは光学ディスクからデータを受信し、そこにデータ転送し、またはその両方のための一または二以上のマスストレージデバイスを含むか、またはそれに動作可能に結合される。コンピュータプログラム命令およびデータを格納するのに好適なデバイスは、例としてEPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス等の半導体メモリデバイス、内部ハードディスクまたはリムーバブルディスク等の磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM等の磁気光学ディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイスを含む。プロセッサおよびメモリは特殊用途論理回路により補われるか、またはそれに組み込むことができる。
【0097】
ユーザとの相互作用を提供するために本明細書に記載の主題の実施形態は、オペレータに情報を表示するためのLCD(液晶ディスプレイ)、LED(発光ダイオード)またはOLED(有機発光ダイオード)モニタ等のディスプレイデバイス、ならびにオペレータがコンピュータに入力を提供することのできるキーボードおよびマウスまたはトラックボール等のポインティングデバイスを有するイメージングシステムに実装することができる。いくつかの実施形態では、情報を表示するため、およびユーザからの入力を受け取るためにタッチスクリーンを使用することができる。ユーザとの相互作用を提供するために他の種類のデバイスを使用することができる。例えば、オペレータに提供されるフィードバックは視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック等の任意の形態の感覚フィードバックとすることができ、またオペレータからの入力は音響、音声または触覚入力を含む任意の形態で受け取ることができる。
【0098】
前述より、技術の特定の実施形態が例示する目的で本明細書に記載されているが、本開示から逸脱することなく様々な修正がなされ得ることを理解されたい。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲による場合を除いて限定されない。さらに、特定の実施形態の文脈において説明される新技術の所定の態様は組み合わせるか、または他の実施形態において排除することができる。その上、新技術の所定の実施形態に関連付けられた利点がこれらの実施形態の文脈において説明されてきたが、他の実施形態もそのような利点を示す場合があり、全ての実施形態が本技術の範囲に入るために必ずしもこのような利点を示す必要はない。したがって、本開示および関連する技術は本明細書に明示的に示されていないか、または記載されない他の実施形態を包含することができる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
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