(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】演出出力玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/26 20060101AFI20231206BHJP
A63H 33/22 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
A63H33/26 A
A63H33/22 Z
(21)【出願番号】P 2021117945
(22)【出願日】2021-07-16
【審査請求日】2022-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】和田 敬造
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-037569(JP,A)
【文献】実開昭59-103292(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出出力部と、
前記演出出力部の演出を外部に露出するための開閉部と、
前記演出出力部の演出制御と前記開閉部の開制御とを実行可能な制御部と、
を備え、
前記開閉部は、複数の遮蔽体と、前記遮蔽体の端面を突き合わせて前記演出出力部からの演出の露出を遮る構造とを有し、
前記開閉部において突き合わされる一方の前記端面は、前記演出出力部の演出出力方向に対して交差する第1斜面を有し、他方の前記端面は、前記演出出力部の演出出力方向に対して交差する第2斜面を有し、前記第1斜面と前記第2斜面は、突き合わせた際に面同士が接する、
演出出力玩具。
【請求項2】
前記遮蔽体は、前面が平面状であり、
前記構造は、前記開閉部の全閉状態において、前記遮蔽体それぞれの前面が1つの平行な平面状になる位置で前記遮蔽体を支持する構造を含む、
請求項
1に記載の演出出力玩具。
【請求項3】
前記構造は、前記遮蔽体の前面の法線同士が成す角度を広げるように前記遮蔽体を移動させることで、全閉状態から全開状態へ遷移する構造を含む、
請求項2に記載の演出出力玩具。
【請求項4】
前記構造は、前記遮蔽体を中間リンクとし、基部を固定リンクとする4節リンク機構である、
請求項1~3の何れか一項に記載の演出出力玩具。
【請求項5】
前記4節リンク機構は、前記遮蔽体と前記基部とを結ぶ2つの連結リンクのうち、前記端面に近い側の内方連結リンクの方が長い、
請求項4に記載の演出出力玩具。
【請求項6】
隣り合う前記遮蔽体は、前記内方連結リンク同士が、全閉状態において所定の線形関係となる部位を有する、
請求項5に記載の演出出力玩具。
【請求項7】
前面中央部から前記開閉部の開方向に向かって徐々に厚みが小さくなる絞り形状の外形を備える請求項1~6の何れか一項に記載の演出出力玩具。
【請求項8】
前記開閉部を全閉状態から全開状態へ変化させる方向に付勢する付勢部と、
前記付勢部の付勢力に抗して前記開閉部を全閉状態で保持する保持部と、
前記保持部による保持を解除させる解除部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記解除部を作動させることで前記開閉部の開制御を実行する、
請求項1~7の何れか一項に記載の演出出力玩具。
【請求項9】
前記演出は、発光部による発光演出または回転部による回転演出である、
請求項1~8に記載の演出出力玩具。
【請求項10】
発光体を回転させる発光体回転部、
を更に備え、
前記制御部は、前記発光体回転部の回転制御を実行可能である、
請求項1~9の何れか一項に記載の演出出力玩具。
【請求項11】
前記発光体回転部は、バーサライタである、
請求項10に記載の演出出力玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出出力機能を有する演出出力玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
玩具には、状態を変化させるための様々な仕掛けが施されている。例えば、特許文献1には、電車の車両を模した走行玩具において、ドア開閉機構をバネ仕掛けのシャッターで再現した技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人気の玩具には、特撮やアニメに登場するアイテムを模した玩具が含まれる。例えば、変身ヒーローや魔法少女が変身や戦闘に使う装備品、などを模した玩具がそれに該当する。作中において、そうした玩具の元になった装備品は、往々にして使用前と使用開始以降とで、どこかの部位の状態が変化或いは変形し発光演出を伴う場合がある。原作を元にした発光演出玩具を作成しようとする場合、状態変化や変形、発光演出などを如何にして実現するかが問題となる。また、原作の無い発光演出玩具であっても、状態変化や変形、発光演出などに新たな興趣性が生まれれば、玩具としての価値が向上する。
【0005】
本発明は、今までに無い演出出力玩具の技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様は例えば、演出出力部と、前記演出出力部の演出を外部に露出するための開閉部と、前記演出出力部の演出制御と前記開閉部の開制御とを実行する制御部と、を備え、前記開閉部は、複数の遮蔽体と、前記遮蔽体の端面を突き合わせて前記演出出力部からの演出の露出を遮る構造とを有する、演出出力玩具である。また本発明の態様は例えば、演出出力部と、前記演出出力部の演出を外部に露出するための開閉部と、前記演出出力部の演出制御と前記開閉部の開制御とを実行可能な制御部と、を備え、前記開閉部は、複数の遮蔽体と、前記遮蔽体の端面を突き合わせて前記演出出力部からの演出の露出を遮る構造とを有し、前記開閉部において突き合わされる一方の前記端面は、前記演出出力部の演出出力方向に対して交差する第1斜面を有し、他方の前記端面は、前記演出出力部の演出出力方向に対して交差する第2斜面を有し、前記第1斜面と前記第2斜面は、突き合わせた際に面同士が接する、演出出力玩具である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、今までに無い演出出力玩具の技術を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】
図2から演出出力部の周りの構成を抜き出した図。
【
図4】演出出力玩具の内部構成例を示す上面図(その1)。
【
図5】演出出力玩具の内部構成例を示す上面図(その2)。
【
図7】全閉状態における開閉部の可動部を選抜して示した斜視図(その1)。
【
図8】全閉状態における開閉部の可動部を選抜して示した斜視図(その2)。
【
図10】保持部の動作について説明するための図(その1)。
【
図11】保持部の動作について説明するための図(その2)。
【
図12】演出出力玩具の動作の流れを説明するためのフローチャート。
【
図13】演出出力玩具の動作の変形例を説明するためのフローチャート。
【
図21】変形例の保持部と長連結リンクとの位置関係及び係合関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。また、各図には右手系の直交三軸を示す。直交三軸のX軸プラス方向を正面又は前、X軸マイナス方向を背面又は後、Y軸プラス方向を左、Y軸マイナス方向を右、Z軸プラス方向を上、Z軸マイナス方向を下、として説明する。
【0010】
図1は、本実施形態の演出出力玩具2の外観図であって、演出出力玩具2から見て左正面斜め上から演出出力玩具2を見た斜視外観図である。演出出力玩具2は、テレビ番組や漫画等の原作の中で、変身する主人公が腰部に装着するベルト型アイテムを模して作成された玩具である。演出出力玩具2は、ユーザの腰部に巻かれるベルト部4と、ベルト部4のバックルに相当する位置に設けられた変身機構部6と、を備える。
【0011】
変身機構部6は、原作において変身のためのエネルギーを発生させる特別な機構が内蔵されている部分に該当する。変身機構部6を上から見ると(Z軸プラス側から見ると)、装着者の腹部に当てられる背面よりも正面の方が、曲がりが大きい弧状になっている。変身機構部6の前後幅は、左右中央部が最も大きく、中央から離れるに従って徐々に小さくなり、絞られている。
【0012】
変身機構部6は、左右中央の正面に開口部8を有し、外殻部10に内蔵されている構造の一部が外部から見えるようになっている。なお、開口部8には、外殻部10への異物の侵入や誤って内部に触れてしまう等を防ぐための透明カバー9が装着されている。
【0013】
ユーザは、演出出力玩具2を腰に装着して、外殻部10に設けられた開始操作スイッチ14を操作して、演出出力玩具2を作動させる。演出出力玩具2は、開始操作スイッチ14が操作されると、原作中の変身過程を模した動作を行う演出出力を開始する。演出出力には、外殻部10に内蔵された発光部による発光演出と、内蔵されたスピーカからのBGMや効果音の放音と、が含まれる。発光演出の光は開口部8を通じて光照射方向に向けて発せられ、BGMや効果音は内蔵されたスピーカで再生され外殻部10の放音孔16から放音される。ユーザは、演出出力玩具2の変身過程を模した動作と、各種演出をもって、あたかも自身が変身ヒーローになったつもりで、「ごっこ遊び」「真似事」をして楽しむことができる。
【0014】
なお、本実施形態では、光照射方向をX軸プラス方向としているが、演出出力玩具2のデザインによってはこれに限らず、別の方向に設定することもできる。また、光照射方向は、1つに限らず複数でもよいのは勿論である。
【0015】
図2は、演出出力玩具2の光照射方向を通るXZ断面図である。なお、ベルト部4の図示は省略している。外殻部10は、主殻部11と、基部12とを有する。外殻部10は、主殻部11の背面開口に、後方から基部12を被せて閉じることで、各種要素を内蔵可能な内部空間を画成する。基部12は、内部空間に立体構造を形成するための第1構造体121と、第2構造体122と、ベルトを装着する主たる背面側構造体であるベルト装着部123と、を有する。なお、内部構造体の数は2つに限らず適宜設定可能である。
【0016】
演出出力玩具2は、外殻部10内に、演出出力部30と、開閉部60と、保持部80と、制御部として機能する制御基板50とを内蔵する。演出出力部30は開閉部60の後方(X軸マイナス方向側)に配置されている。つまり、演出出力玩具2の正面から見て、開閉部60の奥に演出出力部30が位置する。制御基板50は、外殻部10の下部に配置されている。演出出力部30や制御基板50に電力を供給する電池と、スピーカとは、
図2中には見えていない位置に内蔵されている。
【0017】
図3は、
図2から演出出力部30の周りの構成を抜き出した図である。演出出力部30は、モータ31と、スリップリング32と、第1発光部33と、風車様構造部34と、第2発光部35と、を有する。
【0018】
モータ31は、出力軸36を光照射方向に向けて、基部12の第1構造体121に固定されている。出力軸36の前端には、第1発光部33と風車様構造部34(例えば、出力軸36を回転軸とする複数の羽根を有する風車)とが装着されている。モータ31は、制御基板50により動作制御され、第1発光部33及び風車様構造部34を回転させる。
【0019】
スリップリング32は、リングの軸がモータ31の出力軸36と同軸となるように基部12の第2構造体122に固定されており、リング中央の孔にはモータ31の出力軸36が挿通されている。スリップリング32は、モータ31の回転に伴って回転する電気接点の摺動子が摺動接触する部材を有することでモータ31の回転に係わらず第1発光部33と制御基板50との間の電気的接続を維持し続けるとともに、第1発光部33の回転角度を検出して制御基板50へ出力する。或いは、第1発光部33の回転角度を得るための信号を提供する。
【0020】
第1発光部33は、例えば、径方向のスリット331と、当該スリットの後方に径方向に配置された複数の発光体332(例えば、複数のLED)とを有する。制御基板50が、第1発光部33の回転位置に応じて、発光体332を個別に発光制御する。第1発光部33を正面から見るユーザは、光跡の残像効果によって空間中に様々な図形を見ることができる。つまり、モータ31と、スリップリング32と、第1発光部33とは、発光体を回転させる発光体回転部38を構成し、制御基板50によるモータ31の回転制御と第1発光部33の発光制御とによって発光演出を空間に描くバーサライタ39として機能することになる。
【0021】
第2発光部35は、第1発光部33及び風車様構造部34が収まっている内部空間の照明に相当する。第2発光部35は例えばLEDにより実現され、制御基板50により発光制御される。
【0022】
外殻部10の開口部8(
図1、
図2参照)は、第1発光部33や第2発光部35から放たれた光を外部に通す光路部40として機能することになる。なお、開口部8は、光を通すことができれば、必ずしも物理的に空いている必要は無く、導光材などの中実体により実現されてもよい。
【0023】
なお、本実施形態では、回転演出出力部として、風車様構造部34を説明するが、回転する部材による回転演出を行うものであれば特に限定されるものではない。また、必ずしも発光部と回転演出出力部と発光体回転部とを備えるものに限られるものではなく、発光部のみ、あるいは回転演出出力部のみ、発光体回転部のみやそれらの組み合わせを備えるもの等であっても良いし、視覚的演出を含むものであれば特に限定されるものではない。なお、例えば回転演出出力部を備える場合において、発光部の場合の光照射方向を回転演出出力方向と言い換えることができ、また外殻部10の開口部8は、回転演出出力部の演出を外部に露出するための回転演出出力露出部として機能するものである。なお、光照射方向、回転演出出力方向等の視覚的演出を出力する方向をまとめて演出出力方向と呼んでも良いし、光路部、回転演出出力露出部等の視覚的演出の露出部をまとめて演出出力露出部と呼んでも良い。
【0024】
図2に戻って、開閉部60は、演出出力部30と開口部8との間で開閉動作する機構部である。開閉部60は、全開状態となることで演出出力部30が開口部8を通じて外部から見えるようになり、全閉状態となることで演出出力部30が外部から見えないようになる。全閉状態から全開状態へは、制御基板50により制御される。全開状態から全閉状態への復旧は、本実施形態では手動操作によることとするが、電動制御であっても良い。
【0025】
図4及び
図5は、演出出力玩具2の内部構成例を示す上面図であって、外殻部10を外した状態に相当する。
図4は開閉部60が全閉状態を示す。
図5は開閉部60が全開状態を示す。
図6は、
図4から開閉部60を選抜して示した拡大図である。
図7及び
図8は、全閉状態における開閉部60の可動部を選抜して示した斜視図である。
図7は、演出出力玩具2を左正面斜め上から見た図である。
図8は、演出出力玩具2の後方斜め上から見た図である。
【0026】
開閉部60は、2つのリンク部61(右方リンク部61R、左方リンク部61L)を有する。右方リンク部61Rと左方リンク部61Lとは、後述する突き合わせ部分に係る形状以外は、基本的には左右対称形状の関係を成している。リンク部61(61R,61L)は、遮蔽体62と、長連結リンク63と、短連結リンク64と、付勢部65と、を有する。
【0027】
遮蔽体62は、全閉状態において、YZ面に沿って平坦な板部621と、板部621の上端部及び下端部それぞれにてXY面に沿って後方へ延設された延設部622と、を有する。延設部622の左右中央側の端部には、局所的に厚くなった係合段差部623が設けられている(
図7,
図8参照)。
【0028】
図7に示すように、長連結リンク63は、上下方向の軸部631と、軸部631の上端より前方へ延設された上ロッド部632と、軸部631の下端より前方へ延設された下ロッド部633と、上ロッド部632の左右中央側に延設された精度確認部635と、を有する。軸部631は、Z軸に沿った回転軸として、基部12の前方側面に保持されている。上ロッド部632と下ロッド部633とは等長であり、ともにその前端部が、遮蔽体62とZ軸方向の回転軸で回動可能に連結されている。上ロッド部632の後端には、特別にユーザが開閉部60を全開状態から全閉状態に復帰させるための閉操作用の突起部である閉操作部634が設けられている。閉操作部634は、前後貫通孔である基部12の操作孔124(
図6参照)から背面に露出しており、ユーザが指で操作可能である。
【0029】
精度確認部635は、開閉部60が正しく組み付けできているかを、演出出力玩具2を製造する作業員が組み立て工程内で目視やカメラ等で精度確認するための部位である。所定目視範囲(例えば、
図6の一点破線で囲った範囲)において、精度確認部635の左右中央側の端面625が、第2構造体122と平行になっていれば、開閉部60が正しく組み立てられている(合格である)と見なされる。隣り合う2つのリンク部61(2つの遮蔽体62)は、長連結リンク63同士が、全閉状態において所定の線形関係となる部位(精度確認部635)を有している、とも言える。
【0030】
図7に示すように、短連結リンク64は、上下方向の軸部641と、軸部641の上端より前方へ延設された上ロッド部642と、軸部641の下端より前方へ延設された下ロッド部643と、を有する。軸部641は、Z軸に沿った回転軸として、基部12の前方側面に保持されている。上ロッド部642と下ロッド部643とは等長であり、ともにその前端部が、遮蔽体62とZ軸方向の回転軸で回動可能に連結されている。
【0031】
長連結リンク63と短連結リンク64とを比較すると、長連結リンク63の上ロッド部632・下ロッド部633は、短連結リンク64の上ロッド部642・下ロッド部643よりも長く設定されている。また、短連結リンク64と遮蔽体62との連結位置は、長連結リンク63と遮蔽体62との連結位置よりも、演出出力玩具2の中央から離れた位置にある。長連結リンク63は端面(遮蔽体62を突き合わせる面)に近い側の内方連結リンク、短連結リンク64は端面から遠い側の外方連結リンク、に該当する。
【0032】
よって、リンク部61と基部12とをリンク機構と見なして上面視すると(
図4,
図5参照)、2つのリンク部61(右方リンク部61R、左方リンク部61L)は、それぞれが基部12を固定リンク、遮蔽体62を中間リンク、とする4節リンク機構部と捉えることができる。開閉部60は、前面が平面状の左右の遮蔽体62を、全閉状態においてそれぞれの前面が1つの平行な平面状になる位置で、支持する構造である。当該構造は、左右の遮蔽体62の前面の法線同士が成す角度を広げるように遮蔽体62を移動させることで、全閉状態から全開状態へ遷移する構造である、と言うことができる。
【0033】
前述のように、発光演出玩具2の変身機構部6は、前面中央部から開閉部60の開方向に向かって徐々に厚みが小さくなる絞り形状の外形を備えている(
図1参照)。しかし、開閉部60が、全閉状態から全開状態へ遷移する過程で、左右の遮蔽体62の前面の法線同士が成す角度を広げるように遮蔽体62を移動させる。これにより、全閉状態においては遮蔽体62をシャッターとして機能させ、光照射方向に対して正対させつつも、全開状態においては遮蔽体62を演出出力玩具2の特徴的な外形の中に収めることができる。
【0034】
付勢部65は、例えばスプリングにより実現され、開閉部60の構成要素を、開閉部60が全閉状態から全開状態へ遷移するように付勢する。
図6,7に示す構成では、付勢部65の一端は遮蔽体62に接続され、他端は基部12に係止されている。そして、全閉状態において、右方リンク部61Rの付勢部65は、右方リンク部61Rの遮蔽体62を右方へ移動させるように付勢した状態となり、左方リンク部61Lの付勢部65は、右方リンク部61Rの遮蔽体62を左方へ移動させるように付勢した状態となる。
【0035】
そして、開閉部60は、全閉状態において、2つのリンク部61(右方リンク部61Rと左方リンク部61L)の遮蔽体62がYZ面に沿って平面が連なる様に、各遮蔽体62の端面を突き合わせた(対向させた)位置にある。
図6に示すように、突き合わせ部(対向部、
図6の長破線で囲った範囲)は、引き出して拡大した図に示すように、光照射方向(演出出力方向、光路部40の光路方向)に対して交差する斜面を対向させるようにして、光照射方向への光を遮蔽する。具体的には、右方リンク部61Rの遮蔽体62の左向き斜面66は、法線方向が左前方を向くように設定されており、左方リンク部61Lの遮蔽体62の右向き斜面67は、法線が右後方を向き、左向き斜面66と右向き斜面67とを付き合わせて遮蔽(遮光)することができる。なお、ここで左向き斜面66、右向き斜面67の形状は特に限定されるものではなく、遮蔽体62の突き合わせ面(対向面)の端面が光照射方向(演出出力方向)と一直線に平行でなく、遮蔽体62の突き合わせ面(対向面)において遮蔽体62の反対側(上から見た時は下側)の演出が見えないように遮蔽されるような構造であれば良い。
【0036】
図9は、保持部80の構成例を示す斜視図であって、保持部80を左前方斜め上から見た図である。保持部80は、開閉部60と係合してこれを全閉状態に維持し、ユーザによる所定の開操作に応じて係合の保持を解除する。そして、保持部80は、ユーザによる所定の閉操作に応じて係合を再開して全閉状態の維持に復帰する。
【0037】
保持部80は、右方係合部81Rと、左方係合部81Lと、それらを保持基部83に対して上方へ付勢するスプリング84R,84Lと、右方係合部81R及び左方係合部81Lの上限位置を規制する規制部85と、規制部85に係合された可動ロッド86を上下に可動させる電動アクチュエータ87と、を備える。
【0038】
右方係合部81Rと左方係合部81Lは、左右対称形をなしており、それぞれが左右中央側の係合面811と、係合面811と上端で交わる左右外側に向けて下がった斜面812と、前後に貫通した上下の長孔813と、を有する。長孔813には、規制部85の突起部851が挿入される。右方係合部81Rと左方係合部81Lは、上方に付勢されているので、長孔813の下端内面が突起部851に当接して、上限位置が規制されることになる。
【0039】
図10と
図11は、保持部80の動作について説明するための図である。
図10に示すように、開閉部60が全閉状態(ユーザが開始操作をする前の初期状態)では、右方係合部81Rは、係合面811で、右方リンク部61Rの遮蔽体62が有する上方の延設部622の係合段差部623(
図8参照)の右外側面に当接して、当該遮蔽体62が開き方向(Y軸マイナス方向)へ移動することを制限する。左方係合部81Lは、係合面811で、左方リンク部61Lの遮蔽体62が有する上方の延設部622の係合段差部623の左外側面に当接して、当該遮蔽体62が開き方向(Y軸プラス方向)へ移動することを制限する。
【0040】
図11に示すように、電動アクチュエータ87は、制御基板50により作動されると、可動ロッド86を引き寄せて下方へ移動させる。これにより規制部85が下がって、右方係合部81R及び左方係合部81Lの上限位置が下がる。右方係合部81R及び左方係合部81Lは下方へ移動して、それぞれ遮蔽体62との係合が解除される。そして、遮蔽体62は、それぞれに接続されている付勢部65の付勢力により移動され、開閉部60は全閉状態から全開状態へ遷移する。よって、電動アクチュエータ87は、保持部80による保持を解除させる解除部88として機能する。
【0041】
なお、電動アクチュエータ87は、作動開始後、開閉部60が全閉状態から全開状態へ遷移するのに必要な所定時間が経過した後に作動終了する。これにより、可動ロッド86は元の位置に戻され、右方係合部81R及び左方係合部81Lも元の位置に復帰する。
【0042】
制御基板50は、CPUと、ICメモリと、開始操作スイッチ14からの入力回路と、電動アクチュエータ87への作動電流の出力制御をするアクチュエータ制御回路と、第1発光部33の発光制御信号を出力する発光制御回路と、第2発光部35へ発光制御信号を出力する発光制御回路と、内蔵スピーカから原作における変身シーンのBGMや効果音を放音させる音声信号を生成出力する放音制御回路と、を備える。そして、制御基板50は、CPUで、ICメモリに記憶されているプログラムを実行することで発光演出玩具2の動作を統合的に制御する。
【0043】
図12は、発光演出玩具2の動作の流れを説明するためのフローチャートである。制御基板50は、開始操作スイッチ14が操作された事を検出すると(ステップS2)、スピーカから変身シーンのBGMや効果音の放音を開始させ(ステップS4)、第2発光部35を点灯させる(ステップS6)。第2発光部35が発光しても、開閉部60では2つの遮蔽体62の突き合わせ部の構造により、開閉部60からは当該発光による光が漏れ出ることはない。
【0044】
次に、制御基板50は、電動アクチュエータ87を作動させて開閉部60を全閉状態から全開状態へ遷移させる(ステップS8)。すると、開閉部60が開いた開口部8からは、第2発光部35の光により周辺部が照らされた風車様構造部34が浮かび上がる。開閉部60が開く直前まで、突き合わされた2つの遮蔽体62の間からは、光は漏れていないので、光の中に風車様構造部34が浮かび上がるときの高揚感は、光が漏れてしまった場合よりも遥かに優れる。それとともに、BGMや効果音はどんどん盛り上がり、ユーザはこれから起こることへの期待感に溢れる。
【0045】
次に、制御基板50は、モータ31の回転を開始し(ステップS10)、第1発光部33の点灯制御を開始する(ステップS12)。具体的には、モータ31を回転させて風車様構造部34を回転させるとともに、第1発光部33で羽の光跡を描かせ、あたかも風車様構造部34の回転によるダイナモ効果でエネルギーが充満していくかのような演出表示を行う。
【0046】
次に、制御基板50は、変身シーンのBGMや効果音の放音が終了するのに合わせて、モータ31の回転を停止させ(ステップS14)、第1発光部33及び第2発光部35の発光制御を終了し、消灯させる(ステップS16)。
【0047】
ユーザは、変身シーンのBGMや効果音が放音されている間に、原作の変身ヒーローの変身ポーズをして、変身の掛け声を上げ、変身ごっこを楽しむ。変身シーンのBGMや効果音の放音が完了した時点では、ユーザの心の中では自分は変身ヒーローに変身完了しており、以降、自身が変身ヒーローとなって敵と戦うごっこ遊びへと繋がってゆく。
【0048】
開閉部60の高い遮蔽性(遮光性)は、効果的な演出出力を実現するのに寄与している。すなわち、開閉部60の遮蔽性が低いと、2つの遮蔽体62の突き合わせ部から光や回転等の演出が外部に漏れてしまう。ユーザは、開閉部60が開く前から、中で何かが光ったり回転していることを安易に知ってしまうので演出出力のインパクトが低くなる。しかし、開閉部60がしっかり遮蔽(遮光)しているので、開閉部60を開けた時に一気に演出出力が外部から見えるようになるので、演出のインパクトが高くなる。そのインパクトは、演出出力玩具2の元になった原作中の演出表現と近くなる。よって、興趣に溢れる今までに無い演出出力玩具を実現することができる。
【0049】
勿論、演出出力玩具2の使い方はそうしたごっこ遊びに限らず、子供時代に変身ヒーローに憧れた大人の観賞用であってもよく、開閉部60の高い遮蔽性による発光演出の効果を従来よりも高めることも同様である。
【0050】
また、開閉部60を4節リンク構造としてことで、演出出力玩具2は、全閉状態においては遮蔽体62が光照射方向に対して正対(法線が光照射方向を向いた状態)としつつも、全閉状態では左右に絞られた外殻部10内に上手く収納する。演出出力玩具2は、デザイン性に優れる形状を有しつつ、興趣に溢れる演出を実現することができる。
【0051】
なお、開閉部60を全閉状態とする際は、ユーザは、操作孔124から突出している閉操作部634を操作して、開閉部60を全閉状態に戻す(
図6参照)。その際、保持部80の右方係合部81R及び左方係合部81Lは元の上限位置に復帰して、
図10に示す全閉位置に戻っている。
【0052】
閉操作部634への操作によって遮蔽体62が全閉位置に戻る過程において、右方リンク部61Rの遮蔽体62は、係合段差部623で右方係合部81Rの斜面812に当たり、右方係合部81Rを押し下げる格好になる。係合段差部623が斜面812を乗り越えて全閉位置に至ると、右方係合部81Rはスプリング84Rの付勢力で
図10の上限位置に自動的に復帰する。右方リンク部61Rの遮蔽体62は、係合面811と係合した状態となって全閉位置に保持される。
【0053】
左方リンク部61Lについても、同様の事象が起き、左方係合部81Lも
図10の上限位置に自動的に復帰し、その遮蔽体62は係合面811と係合した状態となって全閉位置に保持される。
【0054】
〔変形例〕
本発明を適用可能な実施形態は、上記の例に限らず適宜構成要素の追加・省略・変更が可能である。
【0055】
(変形例その1)
例えば、上記実施形態では第1発光部33の発光及び回転の開始を、開閉部60が開いた後としたが、
図13に示すように、第2発光部35の発光と同じ又は相前後する構成でもよい。具体的には、ステップS8の処理(
図12参照)を、ステップS12の後にステップS13として実行する構成としてもよい。
【0056】
(変形例その2)
また例えば、演出出力玩具2の外観は上記実施形態のような変身ベルトに限らない。例えば、
図14に示すような武器型としてもよい。演出出力玩具2Bは、原作に登場する剣タイプの武器を模した玩具であり、演出出力玩具2の変身機構部6に相当する部位が把持部100のハンドガード102としてデザインされている。演出出力玩具2Bにおける開始操作は、当該武器の能力を一時的に魔法で高めるパワーアップ操作という位置付けである。演出出力玩具2Bは、透光性材料からなる刀身部104の内部にライン状の第3発光部106を内蔵し、制御基板50が第1発光部33の発光制御の後に、第3発光部106を発光させることでパワーアップ演出ができる。また、演出出力玩具2の外観は、女児向け玩具であれば、例えば化粧品ケースであったり、ブレスレットなどの宝飾品などでもよい。
【0057】
(変形例その3)
また例えば、上記実施形態では、開閉部60の付勢部65の一端を遮蔽体62に取り付ける例を示したがこれに限らない。例えば、
図15に示すように、付勢部65Cを、長連結リンク63や短連結リンク64に取り付ける構成でもよい。なお、
図15では視点の位置関係から右方リンク部61Rの付勢部65Cは見えていないが、左方リンク部61Lと同様に付勢部65Cを備えている。
【0058】
(変形例その4)
また、上記実施形態では、保持部80の保持を解除する解除部88として電動アクチュエータ87を備える例、つまり制御基板50の制御による自動解除が可能な構成を例示したが、手動解除する構成でもよい。例えば
図16に示すように、外殻部10に開操作釦15を設け、これで保持部80Dの可動ロッド86Dを押し込み可能にしてもよい。可動ロッド86は、規制部85を介してリターンスプリング89により上方へ付勢されている。ユーザが開操作釦15を押すと、規制部85が下がって保持が解除される。
【0059】
(変形例その5)
また、上記実施形態では、遮蔽体62の突き合わせ部を、左向き斜面66と右向き斜面67とで構成したが(
図6参照)、遮蔽体62を突き合わせた際に、遮蔽体62の突き合わせ面から遮蔽体62の反対側が見えない構造であれば特に限定されるものではない、例えば、
図17に示す開閉部60Eのように、遮蔽体62の端面に段差部のような斜面を備える、前向き段差部66E、後向き段差部67Eに置き換えた構成も可能である。
【0060】
(変形例その6)
また、上記実施形態では、開閉部60を4節リンク機構部として例示したが、これに限らない。例えば、短連結リンク64を省略し、遮蔽体62と短連結リンク64とが連結されていた位置にガイド突起を突設し、基部12にこのガイド突起を遊嵌させて案内するガイドレールを設けた構成も可能である。
【0061】
(変形例その7)
また、上記実施形態の保持部80を、
図18に示すような保持部90に置き換えることも可能である。
【0062】
図18は、保持部90周りの構成例を示す斜視図である。上記実施形態及び上記変形例と同様の構成要素には、同じ符号を付与している。
保持部90は、揺動体91と、揺動体カバー92と、連結ロッド93と、を有する。保持部90は、1つの揺動体91で、左方リンク部61Lの長連結リンク63と右方リンク部61Rの長連結リンク63との2つと係合し、両リンク部を閉状態に維持する。
【0063】
連結ロッド93は、開操作釦15と揺動体91とを連結している。ユーザが、外殻部10(
図1参照)の上面に露出するように設けられている開操作釦15を押し込むと、連結ロッド93に連結している揺動体91が揺動し、保持部90による保持が解除される。
【0064】
図19は、
図18から保持部90を取り外した状態の図である。上記実施形態及び上記変形例と同様の構成要素には、同じ符号を付与している。
【0065】
開閉部60Fは、左方リンク部61Lと右方リンク部61Rとのそれぞれに付勢部65Fを有する。付勢部65Fは、2つのフック部分と、2つのフック部分を連結するコイル部分とを有する捻りコイルばねで構成される。そして、コイル部分に長連結リンク63の上ロッド部632の軸部631が通され、フック部分の一方が上ロッド部632に掛けられ、フック部分の他方が基部12(例えば、上面に設けた貫通孔)に掛けられている。
【0066】
2つの上ロッド部632の間に当たる基部12の上面には、揺動体91のための軸受部125と、揺動体カバー92をネジ止めするためのボス126と、が設けられている。ボス126に揺動体カバー92を取り付けると、揺動体91は、基部12と揺動体カバー92との間に挟まれた状態となって、Y軸方向(左右方向)の軸で揺動可能に保持される。
【0067】
図20は、保持部90の構成例を示す斜視分解図である。
揺動体91は、前後中程の左右側面に、突起状の揺動軸部912を備える。揺動軸部912は、基部12の軸受部125(
図19参照)に嵌まる。
【0068】
揺動体91は、揺動軸部912よりも後方にロッド受けピン913を有する。ロッド受けピン913は、Y軸方向を向いて設けられており、連結ロッド93の下端に設けられたクリップ構造部931により保持され、連結ロッド93の押し/引きにより下方向/上方向へ揺動可能に連結する。
【0069】
揺動体91は、揺動軸部912よりも前側の上面に、凹部915を有する。凹部915は、揺動体カバー92の延設部921と対向し、両者の間にコイルスプリング95をZ軸方向に沿って保持する。コイルスプリング95は、揺動体91と揺動体カバー92との間に圧縮保持される。揺動体カバー92は基部12に固定されるので、コイルスプリング95は、その付勢力によって、揺動体91の揺動軸部912よりも前側部分を、下向き(Z軸マイナス方向;上ロッド部632へ近づく方向)へ付勢する。
【0070】
また、揺動体91は、揺動軸部912よりも前側の左端部に左方係合部94Lを有し、右端部に右方係合部94Rを有する。左方係合部94Lと右方係合部94Rとは、下向き(Z軸マイナス方向;上ロッド部632へ近づく方向)に突設された突起部であって、両者は左右対称形を成している。
【0071】
左方係合部94Lと右方係合部94RとのY軸方向に沿った間隔は、閉状態の開閉部60F(
図18参照)における左方リンク部61Lの長連結リンク63(上ロッド部632)の左側面から、右方リンク部61Rの長連結リンク63(上ロッド部632)の右側面までの距離と同じ(又は僅かに大きい長さ)に設定されている。
【0072】
図21は、保持部90と長連結リンク63との位置関係及び係合関係を示す図であって、斜め上から見た斜視図である。
【0073】
揺動軸部912より前側の揺動体91の部分は、コイルスプリング95の付勢力によって下向きに付勢され、開閉部60Fに押しつけられる。この時、左方係合部94Lと右方係合部94Rとの間に、左方リンク部61Lの長連結リンク63と、右方リンク部61Rの長連結リンク63とが収まる。
【0074】
具体的には、左方係合部94Lの右側面である立面941(法線がY軸マイナス方向を向いた面)が、左方リンク部61Lの長連結リンク63の左側面と対向する。左方リンク部61Lの長連結リンク63は、付勢部65Fの付勢力により左方(Y軸プラス方向;左方リンク部61Lにとっての開方向)へ変位しようとするが、左方係合部94Lの立面941に妨げられて、閉状態の位置(
図18,
図21で示す位置)に留められる。
【0075】
同様に、右方係合部94Rの左側面である立面941(法線がY軸プラス方向を向いた面)が、右方リンク部61Rの長連結リンク63の右側面と対向する。右方リンク部61Rの長連結リンク63は、付勢部65Fの付勢力により右方(Y軸マイナス方向;右方リンク部61Rにとっての開方向)へ変位しようとするが、右方係合部94Rの立面941に妨げられて、閉状態の位置(
図18,
図21で示す位置)に留められる。
つまり、開閉部60Fの2つの遮蔽体62は閉状態のまま保持される。
【0076】
ユーザが開操作釦15を下方(Z軸マイナス方向)へ押し込んで開操作をすると、連結ロッド93が下方へ押されて、揺動体91の揺動軸部912よりも後方部を下方へ揺動させる。揺動軸部912より前側の揺動体91の部分は、シーソーの如く上方へ揺動され、2つの長連結リンク63から離れる。すると、左方リンク部61Lの長連結リンク63と左方係合部94Lとの係合、並びに、右方リンク部61Rの長連結リンク63と右方係合部94Rとの係合がほぼ同時に解除され、開閉部60Fは開く。
【0077】
開閉部60Fが開いたのでユーザが開操作釦15を下方へ押し込むのを止めると、揺動体91はコイルスプリング95の付勢力により
図18及び
図21に示す保持位置に自動的に復帰する。
【0078】
開閉部60Fが開いた後は、ユーザは、開閉部60Fを閉じる閉操作を行うことができる。閉操作は、左方リンク部61Lと右方リンク部61Rとの両方について一緒に行うことができる。
【0079】
閉操作により、左方リンク部61Lの長連結リンク63は閉方向へ変位し、やがてその右側面が左方係合部94Lの左側面に当たる。左方係合部94Lの左側面は、法線が左下方を向く傾斜面942となっている。左方リンク部61Lの長連結リンク63は、左方係合部94Lの傾斜面942に当たると揺動体91を上方へ揺動するように押しやる。やがて、左方リンク部61Lの長連結リンク63が、左方係合部94Lを乗り越え、
図18及び
図21で示す閉状態の位置に復帰するに至る。当然、揺動体91はコイルスプリング95の付勢力により保持位置に自動的に復帰する。
【0080】
同様に、この閉操作により、右方リンク部61Rの長連結リンク63は閉方向へ変位し、やがてその左側面が右方係合部94Rの右側面に当たる。右方係合部94Rの右側面は、法線が右下方を向く傾斜面942となっている。右方リンク部61Rの長連結リンク63は、右方係合部94Rの傾斜面942に当たると揺動体91を上方へ揺動するように押しやる。やがて、右方リンク部61Rの長連結リンク63が、右方係合部94Rを乗り越え、
図18及び
図21で示す閉状態の位置に復帰するに至る。当然、揺動体91はコイルスプリング95の付勢力により保持位置に自動的に復帰する。
【0081】
なお、保持部90を、上記実施形態と同様に電動アクチュエータ87により作動する構成とすることも可能である(
図9参照)。また、本変形例では、保持部90を開閉部60Fの上側に1つ設けた例を示したが、開閉部60Fの下側に2つ目を追加した構成も可能である。
【符号の説明】
【0082】
2…演出出力玩具
8…開口部
10…外殻部
12…基部
14…開始操作スイッチ
30…演出出力部
31…モータ
32…スリップリング
33…第1発光部
34…風車様構造部
35…第2発光部
38…発光体回転部
39…バーサライタ
40…光路部
50…制御基板
60…開閉部
61…リンク部
61L…左方リンク部
61R…右方リンク部
62…遮蔽体
63…長連結リンク
64…短連結リンク
65…付勢部
66…左向き斜面
67…右向き斜面
80…保持部
81L…左方係合部
81R…右方係合部
87…電動アクチュエータ
88…解除部
89…リターンスプリング
634…閉操作部
635…目視確認部