IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイスの特許一覧

特許7397835回転式の可撓性ガイドを備えた共振器機構の停止による耐衝撃保護
<>
  • 特許-回転式の可撓性ガイドを備えた共振器機構の停止による耐衝撃保護 図1
  • 特許-回転式の可撓性ガイドを備えた共振器機構の停止による耐衝撃保護 図2
  • 特許-回転式の可撓性ガイドを備えた共振器機構の停止による耐衝撃保護 図3
  • 特許-回転式の可撓性ガイドを備えた共振器機構の停止による耐衝撃保護 図4
  • 特許-回転式の可撓性ガイドを備えた共振器機構の停止による耐衝撃保護 図5
  • 特許-回転式の可撓性ガイドを備えた共振器機構の停止による耐衝撃保護 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】回転式の可撓性ガイドを備えた共振器機構の停止による耐衝撃保護
(51)【国際特許分類】
   G04B 17/04 20060101AFI20231206BHJP
   G04B 15/08 20060101ALI20231206BHJP
   G04C 3/08 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
G04B17/04
G04B15/08
G04C3/08 A
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021149150
(22)【出願日】2021-09-14
(65)【公開番号】P2022051539
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2021-09-14
(31)【優先権主張番号】20196863.3
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】パスカル・ウィンクレ
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル・クルヴォワジエ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-リュック・エルフェ
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム・ファーヴルー
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・ルショー
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-76770(JP,A)
【文献】特表2019-536034(JP,A)
【文献】特開2018-81087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00 - 99/00
G04C 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体(1)及びアンカーユニット(30)を含み、該アンカーユニット(30)から、第1方向Zに沿って延伸する回転軸(D)の周りに第1回転自由度RZで振動するように配設した少なくとも1つの慣性要素(2)を懸架し、前記慣性要素(2)は、複数の略縦方向の弾性細長材(3)を含む仮想ピボット(200)によって加えられる戻し力を受け、各弾性細長材(3)を、第1端部で前記アンカーユニット(30)に、第2端部で前記慣性要素(2)に固定し、各前記弾性細長材(3)は、本質的に、第1方向Zに垂直な平面XYにおいて変形可能であり、前記アンカーユニット(30)を、可撓性懸架体(300)によって前記構造体(1)から懸架し、該可撓性懸架体(300)を、前記アンカーユニット(30)が、前記平面XYにおける少なくとも2つを含む複数の自由度で、第2方向Xに沿って、及び前記第2方向Xに直交する第3方向Yに沿って運動可能になるように配設し、前記可撓性懸架体(300)は、直接又は前記第1方向Zに沿って可撓性プレート(301)を介して前記構造体(1)に固定された第1中間質量体(303)と前記アンカーユニット(30)との間に、可撓性ガイドを有する横方向の並進運動台(32)を含み、該並進運動台(32)は、前記第2方向Xに沿って延伸する、横方向の細長材又は直線的な横方向の可撓性ロッド(320)を含む、時計共振器機構(100)であって、前記時計共振器機構(100)は、少なくとも1方向における前記可撓性懸架体(300)の回転及び/又は並進運動における移動を限定するように配設される停止手段を含むことを特徴とする時計共振器機構(100)。
【請求項2】
前記停止手段を、前記第1方向Zにおける前記可撓性懸架体(300)の回転及び/又は並進運動における移動を限定するように配設することを特徴とする、請求項1に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項3】
前記停止手段を、前記平面XYの方向における前記可撓性懸架体(300)の回転及び/又は並進運動における移動を限定するように配設することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項4】
前記停止手段は、前記平面XYに垂直に延伸するスタッドを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項5】
前記移動を、前記可撓性懸架体(300)の休止位置に対して、所定の値または100μmまでに限定することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項6】
前記停止手段を、前記所定の値に対応する距離に配設することを特徴とする、請求項5に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項7】
前記停止手段を、前記可撓性懸架体(300)の開口部を通して、配設し、前記開口部は、前記所定の値に対応する寸法を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項8】
前記停止手段は、ポリオキシメチレン系重合体を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項9】
前記停止手段は、金属を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項10】
前記停止手段は、中間部品の振動を制御するために、少なくとも2段を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項11】
前記可撓性懸架体(300)は、第2中間質量体(305)、及び可撓性ガイドを有する縦方向の並進運動台(31)を含み、該縦方向の並進運動台(31)を、前記アンカーユニット(30)と前記第2中間質量体(305)の間に配設し、前記縦方向の並進運動台(31)は、前記第3方向Yに沿って延伸する、直線的な縦方向の可撓性ロッド(310)又は縦方向の細長材を含み、かつ前記可撓性懸架体(300)は、前記第2中間質量体(305)と前記第1中間質量体(303)の間に前記横方向の並進運動台(32)を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項12】
前記可撓性懸架体(300)は、第2中間質量体(305)、及び可撓性ガイドを有する縦方向の並進運動台(31)を含み、前記縦方向の並進運動台(31)は、前記第3方向Yに沿って延伸する、直線的な縦方向の可撓性ロッド(310)又は縦方向の細長材を含み、前記停止手段を、停止の支援において前記横方向(320)又は縦方向(310)の細長材又はロッドを少なくとも方向Zにおける衝撃に対して保護するために、前記第2中間質量体(305)と協働するよう配設するように、前記第2中間質量体(305)の近くに配置することを特徴とする、請求項9に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項13】
前記アンカーユニット(30)の運動は、前記可撓性懸架体の5自由度で可能であり、該5自由度は、前記第1方向Zに沿った第1並進運動自由度、前記第1方向Zに直交する前記第2方向Xに沿った第2並進運動自由度、前記第2方向Xと前記第1方向Zに直交する前記第3方向Yに沿った第3並進運動自由度、前記第2方向Xに沿って延伸する軸の周りの第2回転自由度RX、及び前記第3方向Yに沿って延伸する軸の周りの第3回転自由度RYであることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項14】
前記可撓性懸架体(300)は、第2中間質量体(305)、及び可撓性ガイドを有する縦方向の並進運動台(31)を含み、該縦方向の並進運動台(31)を、前記アンカーユニット(30)と前記第2中間質量体(305)の間に配設し、前記縦方向の並進運動台(31)は、前記第3方向Yに沿って延伸する、直線的な縦方向の可撓性ロッド(310)又は縦方向の細長材を含み、かつ前記可撓性懸架体(300)は、前記第2中間質量体(305)と前記第1中間質量体(303)の間に前記横方向の並進運動台(32)を含むことを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項15】
前記縦方向の可撓性ロッド又は細長材は、互いに平行で同じ長さであり、少なくとも2本あることを特徴とする、請求項14に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項16】
前記横方向の並進運動台(32)は、少なくとも2本の前記横方向の可撓性ロッド又は細長材を含み、前記縦方向の並進運動台(31)および前記横方向の並進運動台(32)の各前記可撓性ロッド又は細長材は、前記細長材又はロッドが前記第3方向Yに沿って延伸する場合に、前記第2方向Xに沿った厚さによって、或いは、前記第2方向Xに沿って延伸する場合には、前記第3方向Yの厚さによって特徴づけられ、前記第1方向Zの高さによって、及び前記細長材又はロッドが延伸する方向の長さによって、特徴づけられ、前記長さは、前記高さの少なくとも5倍超であり、前記高さは、前記厚さ以上であることを特徴とする、請求項15に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項17】
前記横方向の並進運動台(32)は、互いに平行で同じ長さの少なくとも2本の前記横方向の可撓性ロッド又は細長材を含むことを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項18】
前記横方向の並進運動台(32)の前記横方向の細長材又はロッドは、横軸(D2)と平行で、前記回転軸(D)を通る第1対称平面、及び/又は前記横軸(D2)と平行で、前記回転軸(D)に直交する第2対称平面、及び/又は前記横軸(D2)に垂直で、前記回転軸(D)に平行な第3対称平面を有することを特徴とする、請求項17に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項19】
前記可撓性懸架体(300)は、第2中間質量体(305)、及び可撓性ガイドを有する縦方向の並進運動台(31)を含み、前記縦方向の並進運動台(31)は、前記第3方向Yに沿って延伸する、直線的な縦方向の可撓性ロッド(310)又は縦方向の細長材を含み、
前記時計共振器機構(100)は、軸方向の停止手段を含み、該停止手段は、少なくとも前記第1方向Zに沿った前記慣性要素(2)の並進運動における移動を限定するために、少なくとも第1の軸方向停止体(7)と第2の軸方向停止体(8)を含み、前記軸方向の停止手段は、前記縦方向の細長材(3)を前記第1方向Zに沿った軸方向の衝撃から保護するために、停止の支援において前記慣性要素(2)と協働するように配設すること、及び横軸(D2)と平行で、前記回転軸(D)に直交する第2対称平面は、前記第1の軸方向停止体(7)と前記第2の軸方向停止体(8)から実質的に等距離にあることを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項20】
前記第3方向Yに沿って延伸する縦軸(D1)は、前記第2方向Xに沿って延伸する横軸(D2)と交差することを特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項21】
前記可撓性懸架体(300)は、可撓性ガイドを有する縦方向の並進運動台(31)を含み、
前記時計共振器機構(100)は、衝撃を受けた場合、エネルギーを消散するように、前記縦方向または横方向の並進運動台(31、32)の前記細長材又はロッド上に配設する粘質物を含むことを特徴とする、請求項1~20のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)。
【請求項22】
少なくとも1つの請求項1~21のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)、及び/又は互いに協働するよう配設する少なくとも1つの請求項1~21のいずれか一項に記載の時計共振器機構(100)と脱進機構を含む少なくとも1つの時計発振器機構を含む、時計ムーブメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計共振器機構であって、構造体及びアンカーユニットを含み、該アンカーユニットから、少なくとも1つの慣性要素を懸架し、仮想ピボットは、複数の略縦方向の弾性細長材を含み、各弾性細長材を、第1端部で上記アンカーユニットに、第2端部で上記慣性要素に固定する、時計共振器機構に関する。
【0002】
本発明は、更に、少なくとも1つのかかる共振器機構を含む時計ムーブメントに関する。
【0003】
本発明は、時計共振器、特に、発振器の動作のための戻し手段として機能する弾性細長材を含む時計共振器の分野に関する。
【背景技術】
【0004】
懸架体の捩り剛性は、少なくとも1つの渦巻ばね、又は可撓性ガイドを形成する弾性細長材を含む殆どの時計発振器にとって、特に、交差する細長材を備えた共振器にとって、困難な点である。また、耐衝撃性も、この捩り剛性に依存する。実際、衝撃時に、細長材にかかる応力は急激に極めて高い値に達し、その結果、その部品が折れる前に移動できる範囲が減少する。計時器用衝撃吸収装置には、多くの種類がある。しかしながら、それらは、本質的に、従来の渦巻ばね等の弾性要素ではなく、共振器シャフトの脆弱なピボットを保護することを意図している。
【0005】
ETA Manufacture Horlogere Suisseによるスイス国特許出願第15442016号(特許文献1)及びその派生特許による新規な機構構造は、リフト角が極めて小さいパレット脱進機を用いると共に可撓性ガイドを用いることによって、共振器の品質係数を最大化するのに役立つ。これらの特許文献が教示することは、本発明において直接用いることができ、共振器を、ある特定の方向に沿った衝撃に対する故障発生度(susceptibility)に関して、更に改善することができる。そのため、衝撃を受けたときに細長材を破損から保護することが必要となる。可撓性ガイドを備えた共振器用に現在利用可能な衝撃対策システムは、全ての方向ではなく、特定の方向のみの衝撃から細長材を保護することは明らかであり、あるいは、このような衝撃対策システムには、仮想ピボットの取付け点がその振動回転時に僅かに動いてしまうという欠陥があり、これを、出来る限り回避しなければならない。
【0006】
ETA Manufacture Horlogere Suisseによるスイス国特許出願第5182018号(特許文献2)又は欧州特許出願第18168765号(特許文献3)は、時計共振器機構について記載しており、該共振器機構は、可撓性懸架体を介して、構造体軸受を含み、懸架体から懸架されるアンカーユニットには、第1弾性細長材を含む仮想ピボットによって加えられる戻し力の作用の下で第1回転自由度RZに従い振動する慣性要素を懸架しており、該仮想ピボットは、第1弾性細長材を含み、各第1弾性細長材を、上記慣性要素と上記アンカーユニットに固定している。可撓性懸架体を、振動を妨害しないために、慣性要素のみが可動となる第1回転自由度RZを除く、全ての自由度でアンカーユニットがある程度運動できるように配設している。また、第1回転自由度RZでの懸架体の剛性は、この同じ第1回転自由度RZでの仮想ピボットの剛性よりも実質的に極めて高い。
【0007】
ETA Manufacture Horlogere Suisseによるスイス国特許出願第715526号(特許文献4)又は欧州特許出願第3561607号(特許文献5)は、時計共振器機構について記載しており、該共振器機構は、構造体、及びアンカーユニットを含み、該構造体から懸架されるアンカーユニットには、第1方向Zに沿って延伸する回転軸周りに第1回転自由度RZで振動するよう配設された慣性要素が懸架されており、上記慣性要素は、複数の略長尺弾性細長材を含む仮想ピボットによって加えられる戻し力を受け、各弾性細長材は、第1端部で上記アンカーユニットに、また第1端部で上記慣性要素に固定されており、各上記弾性細長材は、上記第1方向Zに垂直な平面XYにおいて基本的に変形可能である。
【0008】
しかしながら、相当な衝撃の後に、可撓性懸架体の1本又は複数の細長材が破損することがある、又は一連の些細な衝撃の後に、破損の可能性がある状態にまで早期に摩耗することがある。実際に、可撓性懸架体は、仮想ピボットの破損を防止するが、その代わりに衝撃を受ける。特に、機構が、可撓性懸架体に垂直な方向Zで衝撃を受けると、懸架体の平面の軸周りに回転させられ、これが原因で、1本又は複数の細長材が破損することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】スイス国特許出願第15442016号
【文献】スイス国特許出願第5182018号
【文献】欧州特許出願第18168765号
【文献】スイス国特許出願第715526号
【文献】欧州特許出願第3561607号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述した欠点から可撓性懸架体を保護するように、ETA Manufacture Horlogere Suisseによる特許文献4又は特許文献5の共振器機構を改善することを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このために、本発明は、時計共振器機構であって、構造体及びアンカーユニットを含み、該アンカーユニットから、第1方向Zに沿って延伸する回転軸の周りに第1回転自由度RZで振動するように配設した少なくとも1つの慣性要素を懸架し、上記慣性要素は、複数の略縦方向の弾性細長材を含む仮想ピボットによって加えられる戻し力を受け、各弾性細長材を、第1端部で上記アンカーユニットに、第2端部で上記慣性要素に固定し、各上記弾性細長材は、本質的に、第1方向Zに垂直な平面XYにおいて変形可能であり、上記アンカーユニットを、可撓性懸架体によって上記構造体から懸架し、該懸架体を、上記アンカーユニットが、平面XYにおける少なくとも2つを含む複数の自由度で、方向Xに沿って、及び上記方向Xに直交する方向Yに沿って運動可能になるように配設し、上記可撓性懸架体は、直接又は上記第1方向Zに沿って可撓性プレートを介して上記構造体に固定された第1中間質量体と上記アンカーユニットとの間に、可撓性ガイドを有する横方向の並進運動台を含み、該並進運動台は、上記第2方向Xに沿って延伸する、横方向の細長材又は直線的な横方向の可撓性ロッドを含む、時計共振器機構に関する。
【0012】
本発明は、上記機構が、少なくとも1方向における上記可撓性懸架体の回転及び/又は並進運動における移動を限定するように配設される停止手段を含む点で注目に値する。
【0013】
従って、停止手段によって、大きな衝撃が、特に方向Zであった場合に、可撓性懸架体を停止させて、懸架体の細長材又はロッドの1本が破損するのを防止する。可撓性懸架体による仮想ピボットの細長材に対する第1の保護と、停止手段による可撓性懸架体に対する第2の保護の二重保護が存在する。その結果、本発明により、破損の危険に対する共振器機構の保護が向上する。
【0014】
本発明の特定の実施形態によると、上記停止手段を、方向Zにおける可撓性懸架体の回転及び/又は並進運動における移動を限定するように配設する。
【0015】
本発明の特定の実施形態によると、上記停止手段を、平面XYの方向における可撓性懸架体の回転及び/又は並進運動における移動を限定するように配設する。
【0016】
本発明の特定の実施形態によると、上記停止手段は、可撓性懸架体の平面に垂直に延伸するスタッドを含む。
【0017】
本発明の特定の実施形態によると、移動を、上記可撓性懸架体の休止位置に対して、所定の値、例えば、100μmまでに限定する。
【0018】
本発明の特定の実施形態によると、上記停止手段を、上記所定の値に対応する距離に配設する。
【0019】
本発明の特定の実施形態によると、上記停止手段を、第1中間質量体の開口部を通して、配設し、該開口部は、所定の値に対応する寸法を有する。
【0020】
本発明の特定の実施形態によると、上記停止手段は、ポリオキシメチレン系重合体等の衝撃吸収材を含む。
【0021】
本発明の特定の実施形態によると、上記停止手段は、金属等の硬質材料を含む。
【0022】
本発明の特定の実施形態によると、上記停止手段は、中間部品の振動を制御するために、少なくとも2段を含む。
【0023】
本発明の特定の実施形態によると、上記可撓性懸架体は、第2中間質量体、及び可撓性ガイドを有する縦方向の並進運動台を含み、該縦方向の並進運動台を、上記アンカーユニットと第2中間質量体の間に配設し、縦方向の並進運動台は、上記第3方向Yに沿って延伸する、縦方向の細長材又は直線的な縦方向の可撓性ロッドを含み、また上記可撓性懸架体は、上記第2中間質量体と上記第1中間質量体の間に上記横方向の並進運動台を含む。
【0024】
本発明の特定の実施形態によると、上記停止手段を、停止を支持する際に、上記横方向又は縦方向の細長材又はロッドを少なくとも方向Zにおける衝撃に対して保護するために、上記第2中間質量体と協働するよう配設するように、上記第2中間質量体の近くに配置する。
【0025】
本発明の特定の実施形態によると、上記アンカーユニットの運動は、可撓性懸架体の5自由度で可能であり、該5自由度は、上記第1方向Zに沿った第1並進運動自由度、上記第1方向Zに直交する第2方向Xに沿った第2並進運動自由度、上記第2方向Xと上記第1方向Zに直交する第3方向Yに沿った第3並進運動自由度、上記第2方向Xに沿って延伸する軸の周りの第2回転自由度RX、及び上記第3方向Yに沿って延伸する軸の周りの第3回転自由度RYである。
【0026】
本発明の特定の実施形態によると、上記可撓性懸架体は、第2中間質量体、及び可撓性ガイドを有する縦方向の並進運動台を含み、該縦方向の並進運動台を、上記アンカーユニットと第2中間質量体の間に配設し、縦方向の並進運動台は、上記第3方向Yに沿って延伸する、縦方向の細長材又は直線的な縦方向の可撓性ロッドを含み、また上記可撓性懸架体は、上記第2中間質量体と上記第1中間質量体の間に上記横方向の並進運動台を含む。
【0027】
本発明の特定の実施形態によると、上記縦方向の並進運動台は、互いに平行で同じ長さの少なくとも2本の上記縦方向の可撓性細長材又はロッドを含む。
【0028】
本発明の特定の実施形態によると、上記縦方向の並進運動台と上記横方向の並進運動台はそれぞれ、少なくとも2本の上記可撓性細長材又はロッドを含み、各上記細長材又はロッドは、上記細長材又はロッドが上記第3方向Yに沿って延伸する場合に、上記第2方向Xに沿った厚さによって、或いは、上記第2方向Xに沿って延伸する場合には、上記第3方向Yの厚さによって特徴づけられ、上記第1方向Zの高さによって、及び上記細長材又はロッドが延伸する方向の長さによって、特徴づけられ、上記長さは、上記高さの少なくとも5倍超であり、上記高さは、上記厚さと少なくとも同じである。
【0029】
本発明の特定の実施形態によると、上記横方向の並進運動台は、互いに平行で同じ長さの少なくとも2本の上記横方向の可撓性細長材又はロッドを含む。
【0030】
本発明の特定の実施形態によると、上記横方向の並進運動台の上記横方向の細長材又はロッドは、上記横軸と平行で、上記回転軸を通る第1対称平面、及び/又は上記横軸と平行で、上記回転軸に直交する第2対称平面、及び上記横軸に垂直で、上記回転軸に平行な第3対称平面を有する。
【0031】
本発明の特定の実施例によると、上記共振器機構は、軸方向の停止手段を含み、該停止手段は、少なくとも上記第1方向Zに沿った上記慣性要素の並進運動における移動を限定するために、少なくとも第1の軸方向停止体と第2の軸方向停止体を含み、上記軸方向の停止手段は、上記縦方向の細長材を上記第1方向Zに沿った軸方向の衝撃から保護するために、停止を支持する際に、上記慣性要素と協働するように配設する、及び上記第2対称平面は、上記第1の軸方向停止体と上記第2の軸方向停止体から実質的に等距離にある。
【0032】
本発明の特定の実施形態によると、上記縦軸は、上記横軸と交差する。
【0033】
本発明の特定の実施形態によると、共振器機構は、衝撃を受けた場合、エネルギーを消散するように、並進運動台の細長材又はロッド上に配設する粘質物を含む。
【0034】
本発明は、更に、本発明による少なくとも1つの共振器機構、及び/又は互いに協働するよう配設する時計共振器機構と脱進機構を含む少なくとも1つの時計発振器機構を含む、時計ムーブメントに関する。
【0035】
添付図を参照しながら下記の詳細な説明を読むことで、本発明の他の特徴や利点を理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】模式的に、斜視図で、弾性細長材を有する共振器機構を表しており、該共振器機構は、仮想ピボットによってアンカーユニットから懸架した慣性質量体、及び本発明による停止手段を含む。
図2】模式的に、斜視図で、図1の共振器機構に含まれる慣性質量体の異なる自由度と共に該機構の第1実施形態を表し、停止手段を、第1中間質量体の近くに配設している。テンプを除去して、突出した状態の2本の交差する弾性細長材を有する可撓性ガイドと共に、2つの並進運動台を見えるようにしている。
図3】模式的に、斜視図で、停止手段を第1中間質量体の開口部に配設する機構の第2実施形態を表している。
図4】模式的に、斜視図で共振器機構の可撓性懸架体を表している。
図5】実質的に長方形の断面図を有する直線的な可撓性細長材の詳細図である。
図6】停止手段の一実施形態を表している。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、参照により本明細書に援用するETA Manufacture Horlogere Suisseによる特許文献2又は特許文献3に記載された共振器の一変形例を表す時計共振器機構に関する。また、当業者は、それらの特徴を、本発明に特有の特徴と組み合わせることができるであろう。図1図3で表すように、この時計共振器機構100は、構造体1及びアンカーユニット30を含み、該アンカーユニット30から、第1方向Zに沿って延伸する回転軸Dの周りに第1回転自由度RZで振動するように配設した少なくとも1つの慣性要素2を懸架する。慣性要素2は、テンプ20を含む。テンプは、骨形をしており、各端部に球状部を備える直線部分を含む。各球状部は、慣性要素2の慣性を設定するために小さな慣性ブロック29を含むことができる。この慣性要素2は、複数の略縦方向の弾性細長材3を含む仮想ピボット200によって加えられる戻し力を受ける。各弾性細長材3を、第1端部でアンカーユニット30に、第2端部で慣性要素2に固定する。各弾性細長材3は、本質的に、第1方向Zに垂直な平面XYにおいて変形可能である。
【0038】
アンカーユニット30を、可撓性懸架体300によって構造体1から懸架し、該懸架体300を、アンカーユニット30が懸架体の以下の5つの可撓性の自由度:
-第1方向Zに沿った第1並進運動自由度、
-第1方向Zに直交する第2方向Xに沿った第2並進運動自由度、
-第2方向Xと第1方向Zに直交する第3方向Yに沿った第3並進運動自由度、
-第2方向Xに沿って延伸する軸の周りの第2回転自由度RX、及び
-第3方向Yに沿って延伸する軸の周りの第3回転自由度RY
で運動可能になるように配設する。
【0039】
原理は、並進運動台の捩り可撓性を用いて懸架体の捩り剛性をより良好に管理することである。このために、台XYの細長材を、捩り可撓性が大きくなる方向が共振器の回転軸と関連するように、指向させる。台の捩り可撓性を、細長材を互いに近づけることによって制御する。
【0040】
従って、可撓性懸架体300は、直接又は第1方向Zに沿って可撓性プレート301を介して構造体1に固定された第1中間質量体303とアンカーユニット30との間に、可撓性ガイドを有する横方向の並進運動台32を含み、該並進運動台32は、第2方向Xに沿って延伸する、横方向の細長材320又は直線的な、横方向の可撓性ロッドを含む。
【0041】
特定の非限定的な実施形態では、図示するように、可撓性懸架体300は、アンカーユニット30と第2中間質量体305の間に、可撓性ガイドを有する縦方向の並進運動台31を更に含み、該並進運動台31は、第3方向Yに沿って延伸する、縦方向の細長材310又は直線的な縦方向の可撓性ロッドを更に含む。また、第2中間質量体305と第1中間質量体303との間に、可撓性ガイドを有する横方向の並進運動台32は、第2方向Xに沿って延伸する、横方向の細長材320又は直線的な横方向の可撓性ロッドを含む。
【0042】
特に、縦軸D1は、横軸D2と交差し、特に、縦軸D1、横軸D2及び回転軸Dは一点で交わる。
【0043】
特に、縦方向の並進運動台31と横方向の並進運動台32はそれぞれ、少なくとも2本の可撓性細長材又はロッドを含み、各細長材又はロッドはそれぞれ、細長材又はロッドが第3方向Yに沿って延伸する場合には、上記第2方向Xの厚さによって、或いは、上記第2方向Xに沿って延伸する場合には、上記第3方向Yの厚さによって特徴づけられ、第1方向Zの高さによって、及び細長材又はロッドが延伸する方向の長さによって、特徴づけられる。長さは、例えば、高さの少なくとも5倍超であり、高さは、厚さと少なくとも同じ、特に、この厚さの少なくとも5倍超であり、更には、この厚さの少なくとも7倍超である。
【0044】
特に、横方向の並進運動台32は、互いに平行で同じ長さの少なくとも2本の横方向の可撓性細長材又はロッドを含む。図1図5では、4本の平行な横方向の細長材を有する非限定的な変形例を示しており、特に、各横方向の細長材は、2つの重なり合ったレベルに配置された2本の半細長材から成り、これらの半細長材は、第1方向Zに沿って相互に延伸している。これらの半細長材は、互いに対して完全に自由であることができる、あるいは接着等によって、又は、ケイ素を用いる実施形態の場合、SiO成長等によって、結合させることができる。当然、縦方向の並進運動台31も、この台は任意であるため、存在させた場合には、同じ設計原理に従うことができる。これらの細長材又はロッドの数、レイアウト及び断面は、本発明から逸脱せずに、変えることができる。
【0045】
本発明によると、共振器機構100は、少なくとも1方向における可撓性懸架体300の回転及び/又は並進運動における移動を限定するように配設した停止手段10を含む。好適には、停止手段により、可撓性懸架体300の方向Zにおける移動を限定する。従って、方向Zにおける共振器機構に対する衝撃があった場合、可撓性懸架体300は、RX又はRYに沿って回転するが、懸架体の細長材を守るように、停止手段によって係止される。このために、停止手段は、方向Zにおいて懸架体を保持するように、可撓性懸架体の上及び/又は下で押圧する。
【0046】
更に、停止手段は、平面XYの方向における可撓性懸架体の回転及び並進運動における移動を限定する。従って、平面XYにおいて共振器機構に対する衝撃があった場合に、可撓性懸架体300は、RZに沿って回転するが、停止手段によって係止される。このために、停止手段は、平面XYにおいて懸架体を保持するように、側方から可撓性懸架体を押圧する。移動を、方向Zにおける上記可撓性懸架体300の休止位置に対して、所定の値、例えば、100μmまでに限定する。このために、上記停止手段10を、上記所定値に対応する距離に配設する。
【0047】
図2で表した第1実施形態では、上記停止手段10を、停止を支持する際に、上記第2中間質量体305と協働するよう配設するように、上記停止手段10を、第2中間質量体305の近くに配置する。上記停止手段10を、上記第2中間質量体305の上方に少なくとも部分的に覆い被さるように配設して、第2中間質量体305が方向Zに移動するのを抑制する。このようにして、少なくとも、軸Zに沿った回転軸RX又はRY周りの衝撃に対して、横方向の細長材若しくはロッド320、又は縦方向の細長材若しくはロッド310の保護を得る。。衝撃を受けた場合、可撓性懸架体300は、方向Zで回転軸RX又はRY周りに動く。
【0048】
また、上記停止手段10を第2中間質量体305の近くに配置することで、第2中間質量体305の平面XYにおける移動を抑制できる。このようにして、平面XYにおける回転軸RZ周りの、少なくとも径方向の衝撃に対して、上記横方向の細長材若しくはロッド320、又は縦方向の細長材若しくはロッド310の更なる保護を得る。衝撃を受けた場合、可撓性懸架体300は、平面XYで動いて、衝撃を吸収する。衝撃が大き過ぎれば、可撓性懸架体300の移動を、第2中間質量体305を停止手段10によって停止しながら、抑制する。
【0049】
図2及び図3では、上記停止手段10は、可撓性懸架体の平面に垂直に延伸するスタッドを含む。図6では、スタッドは、ブリッジやプレート等、ムーブメントの静止要素内に、クリック手段14によって取付ける第1筒状部11を含み、次に第1筒状部11上方により細い第2筒状部12、該第2筒状部12上にねじ頭13が続く。ねじ頭13は、第2筒状部12より幅広である。ねじ頭13は、上記第2中間質量体305上方に覆い被さって、第2中間質量体305の方向Zにおける移動を抑制する。このように、上記停止手段10は、中間部品の方向Zにおける振動を制御するために、少なくとも2段を含む。
【0050】
無段スタッド、正六面体のスタッド、ねじ、又はムーブメントの静止要素の一部等、他の形状の停止も明らかに可能である。図3で表した第2実施形態では、上記停止手段10を、可撓性懸架体300の開口部15を通して、配設している。開口部15は、求めるクリアランスを得るために所定の値に対応する寸法にし、半径を、例えば、円形開口部の場合、所定の値と略等しくする。従って、開口部15の縁部は、平面XYにおいて粗い衝撃があった場合、停止手段10に接触し、それに対して、停止手段は、方向Zに衝撃があった場合、第1実施形態と同様に機能する。停止手段を、可撓性懸架体300の下で、ムーブメントの静止要素と組付ける。
【0051】
各実施形態の様々な変形例によると、停止手段を、平面XYにだけ又は方向Zにだけ、提供することができる。つまり、記載した実施形態は、数方向を言及しているが、適当な寸法を選択することによって、例えば、方向Zにだけ又は平面XYにだけ提供できる。各実施形態の変形例では、上記停止手段10は、例えば、ポリオキシメチレン系の、重合体等の衝撃吸収材を含む。
【0052】
各実施形態の更なる変形例によると、上記停止手段10は、金属等の硬質材料を含む。
【0053】
特に、共振器機構100は、軸方向の停止手段を含み、該停止手段は、少なくとも第1方向Zに沿った慣性要素2の並進運動における移動を限定するために、少なくとも第1の軸方向停止体7と第2の軸方向停止体8を含む。軸方向の停止手段を、縦方向の細長材3を少なくとも第1方向Zに沿った軸方向の衝撃から保護するために、停止を支持する際に、慣性要素2と協働するように配設する。第2対称平面は、第1の軸方向停止体7と第2の軸方向停止体8から実質的に等距離にある。
【0054】
特定の変形例では、共振器機構100は、プレート301を含み、該プレート301は、回転軸Dに垂直な平面において延伸し、構造体1と第1中間質量体303に固定する少なくとも1本の可撓性細長材302を含み、プレート301を、第1方向Zに沿った第1中間質量体303の運動を可能にするように配設する。特に、プレート301は、少なくとも2本の同一平面上にある可撓性細長材302を含む。しかしながら、かかるプレート301は、並進運動台XYの細長材の高さが可撓性細長材3の高さに対して低い場合、特に、可撓性細長材3の高さの1/3未満である場合には、任意である。
【0055】
有利な実施形態では、共振器機構100は、少なくとも、アンカーユニット30、少なくとも1つの慣性要素2の基部、仮想ピボット200、可撓性懸架体300、第1中間質量体303、及び横方向の並進運動台32を有する一体形組立体を含み、該一体形組立体の構成要素を、構造体1上に組付け中に、固着するように配設する少なくとも1つの分割可能要素319を含み、該分割可能要素を割ると、一体形組立体の全ての可動構成要素が外れる。
【0056】
特に、一体形組立体は、更に、少なくとも第2中間質量体305及び縦方向の並進運動台31を含む。
【0057】
以上で開示したように、製造に使用する技術によって、シリコンウエハの高さの2本の別個の細長材を得ることができ、これにより、並進運動のために並進運動台の可撓性を高めずに、並進運動台の捩り可撓性を促進できる。従って、共振器機構100は、有利には、少なくとも2つの重なり合った基本的な一体形組立体を含むことができる。この一体形組立体はそれぞれ、1つのレベルにある、アンカーユニット30、及び/又は少なくとも1つの慣性要素2の基部、及び/又は仮想ピボット200、及び/又は可撓性懸架体300、及び/又は第1中間質量体303、及び/又は横方向の並進運動台32、及び/又は分割可能要素319を有する。基本的な一体形組立体はそれぞれ、少なくとも1つの他の基本的な一体形組立体に、接着結合等によって、機械的組付けによって、又はケイ素の実施形態の場合にはSiO2成長等によって、組付けることができる。
【0058】
特に、かかる基本的な一体形組立体は、少なくとも1つのレベルの第2中間質量体305及び/又は縦方向の並進運動台31を更に含む。
【0059】
本発明は、更に、少なくとも1つのかかる共振器機構100を含む時計ムーブメントに関する。
【0060】
本発明は、更に、かかるムーブメントを含む、及び/又は少なくとも1つのかかる共振器機構100を含む腕時計に関する。
【符号の説明】
【0061】
1 構造体
2 慣性要素
3、302、310、320 細長材
7 第1の軸方向停止体
8 第2の軸方向停止体
10 停止手段
11 第1筒状部
12 第2筒状部
13 ねじ頭
14 クリック手段
15 開口部
20 テンプ
29 慣性ブロック
30 アンカーユニット
31 縦方向の並進運動台
32 横方向の並進運動台
100 共振機構
200 仮想ピボット
300 懸架体
301 プレート
303 第1中間質量体
305 第2中間質量体
319 分割可能要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6