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特許7397843生理学的パラメータに対する動的グルコースプロファイル応答のシステム、デバイス及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】生理学的パラメータに対する動的グルコースプロファイル応答のシステム、デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/30 20180101AFI20231206BHJP
【FI】
G16H20/30
【請求項の数】 42
(21)【出願番号】P 2021191950
(22)【出願日】2021-11-26
(62)【分割の表示】P 2018500612の分割
【原出願日】2016-07-08
(65)【公開番号】P2022028873
(43)【公開日】2022-02-16
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】62/191,218
(32)【優先日】2015-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/307,346
(32)【優先日】2016-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500211047
【氏名又は名称】アボット ダイアベティス ケア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT DIABETES CARE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー アラン ヘイター
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン クリストファー クラザー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ラヴ
(72)【発明者】
【氏名】アーウィン サトリア ブディマン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ミルフレッド バーンシュタイン
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0141770(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0145262(US,A1)
【文献】国際公開第2010/022387(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/090361(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/052849(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
夜間グルコースレベルとアクティビティ・メトリックとの相関を決定するための装置において、該装置が、
複数の日を含む所定の期間にわたり、アクティビティ・メトリック情報およびグルコースデータを受信するためのデータ入力インタフェースであって、前記グルコースデータが、夜間グルコースレベル情報を含む、データ入力インタフェースと、
前記データ入力インタフェースに動作可能に連結されたデータ解析モジュールであって、前記所定の期間内の有意なアクティビティ・メトリックを有する日についての前記夜間グルコースレベル情報を第1のデータセットに分類し、かつ、前記所定の期間内の有意なアクティビティ・メトリックを有しない日についての前記夜間グルコースレベル情報を第2のデータセットに分類し、
前記第1のデータセットに含まれる各々の日について、前記夜間グルコースレベル情報と前記アクティビティ・メトリック情報との間の相関を決定し、かつ
決定された前記相関を利用して、前記第1のデータセットについて、前記夜間グルコースレベル情報に対する、前記アクティビティ・メトリック情報の測定されたレベルによる、影響を決定する
ように構成された、データ解析モジュールと、
前記データ解析モジュールに動作可能に連結されたデータ出力インタフェースであって、前記複数の日における前記夜間グルコースレベル情報に対する前記決定された影響に関連する情報をユーザインタフェースに出力する、データ出力インタフェースと
を備えている、装置。
【請求項2】
前記所定の期間内の有意なアクティビティ・メトリックを有する日が、所定の閾値を超える前記アクティビティ・メトリックを有する日を含み、さらに、前記所定の期間内の有意なアクティビティ・メトリックを有しない日が、前記所定の閾値に達しない前記アクティビティ・メトリックを有する日を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アクティビティ・メトリックが、24時間の期間で消費されたカロリーの量を含む、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記アクティビティ・メトリックが、24時間の期間で記録された歩数を含む、請求項2記載の装置。
【請求項5】
前記アクティビティ・メトリックが、アクティビティの持続時間、アクティビティの強度レベル、高度を含むアクティビティの場所、アクティビティの間の移動距離、及び、アクティビティの種類のうちの1つ以上を含む、請求項2記載の装置。
【請求項6】
前記夜間グルコースレベル情報を前記第1のデータセットに分類するように構成された、前記データ解析モジュールが、前記有意なアクティビティ・メトリックを有する複数の日のうちの対応する1日についての前記夜間グルコースレベル情報に各々が関連する複数の第1のグルコースメトリックを生成し、かつ、
前記夜間グルコースレベル情報を前記第2のデータセットに分類するように構成された、前記データ解析モジュールが、前記有意なアクティビティ・メトリックを有しないすべての日についての前記夜間グルコースレベル情報に関連する第2のグルコースメトリックを生成する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のデータセットについての前記夜間グルコースレベル情報と前記アクティビティ・メトリックとの間の前記相関を決定するように構成された、前記データ解析モジュールが、生成された前記第2のグルコースメトリックを用いて、前記複数の第1のグルコースメトリックの各々を修正して、対応する修正された複数の第1のグルコースメトリックを生成する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記相関を決定するように構成された、前記データ解析モジュールが、前記有意なアクティビティ・メトリックを有する前記対応する1日についての前記アクティビティ・メトリックと前記修正された複数の第1のメトリックの各々との間の関連を特定する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
出力された前記情報が、前記アクティビティ・メトリック情報の測定された前記レベルに対応する夜間グルコースレベルの予測された値を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記夜間グルコースレベル情報が、体液と流体接触して位置づけられたグルコースセンサから受信されて、前記グルコースデータに対応する信号を生成する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記体液が、真皮液を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記データ出力インタフェースが、携帯電話、タブレット型コンピューティングデバイス、サーバ、ラップトップ型コンピュータ、又はスマートウォッチを含むウェアラブルデバイスのうちの1つ以上のユーザインタフェースを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
出力された前記情報が、薬、食物、飲料のうちの1つ以上を消費することの勧告を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
昼間と夜間のグルコースレベルとアクティビティ・メトリックとの相関を決定するための方法において、該方法が昼間と夜間のグルコースレベルとアクティビティ・メトリックとの相関を決定するための装置により実行され、該方法が、
複数の日を含む所定の期間にわたり、アクティビティ・メトリック情報とグルコースレベル情報を受信するステップと、
前記所定の期間内の前記複数の日において、昼間と夜間との間での前記グルコースレベル情報の相対変化を計算するステップと、
前記所定の期間内の有意なアクティビティ・メトリックを有する日についての昼間と夜間との間での前記グルコースレベル情報の相対変化を第1のデータセットに分類するステップ、及び、前記所定の期間内の有意なアクティビティ・メトリックを有しない日についての昼間と夜間との間での前記グルコースレベル情報の相対変化を第2のデータセットに分類するステップと、
前記第1のデータセットに含まれる各々の日について、昼間と夜間との間での前記グルコースレベル情報の相対変化と前記アクティビティ・メトリック情報との間の相関を決定するステップと、
決定された前記相関を利用して、前記第1のデータセットについて、前記グルコースレベル情報に対する、前記アクティビティ・メトリック情報の測定されたレベルによる、影響を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項15】
前記所定の期間内の有意なアクティビティ・メトリックを有する日が、所定の閾値を超える前記アクティビティ・メトリックを有する日を含み、さらに、前記所定の期間内の有意なアクティビティ・メトリックを有しない日が、前記所定の閾値に達しない前記アクティビティ・メトリックを有する日を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記アクティビティ・メトリックが、24時間の期間で消費されたカロリーの量を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記アクティビティ・メトリックが、24時間の期間で記録された歩数を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記アクティビティ・メトリックが、アクティビティの持続期間、アクティビティの強度レベル、高度を含むアクティビティの場所、アクティビティの間の移動距離、及び、アクティビティの種類のうちの1つ以上を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
昼間と夜間との間での前記グルコースレベル情報の相対変化を第1のデータセットに分類するステップが、前記有意なアクティビティを有する日のうちの対応する1日についてのグルコースレベル情報における昼間と夜間との間での相対変化に各々関連する複数の第1のグルコースメトリックを生成するステップを含み、かつ、
昼間と夜間との間での前記グルコースレベル情報の相対変化を第2のデータセットに分類するステップが、前記有意なアクティビティを有しないすべての日についてのグルコースレベル情報における昼間と夜間との間での相対変化に関連する第2のグルコースメトリックを生成するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のデータセットにおける昼間と夜間との間での前記グルコースレベル情報の相対変化と前記アクティビティ・メトリックとの間の相関を決定するステップが、生成された前記第2のグルコースメトリックを用いて、前記複数の第1のグルコースメトリックの各々を修正して、対応する修正された複数の第1のグルコースメトリックを生成するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記相関を決定するステップが、前記有意なアクティビティ・メトリックを有する前記対応する1日についての前記アクティビティ・メトリックと前記修正された複数の第1のグルコースメトリックの各々との間の関連を特定するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ユーザインタフェースに、前記グルコースレベル情報に対する決定された前記影響に関連する情報を出力するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
出力された前記情報が、前記アクティビティ・メトリック情報の測定された前記レベルに対応する前記グルコースレベル情報の予測された値を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記グルコースレベル情報を受信するステップが、グルコースセンサでモニターされたグルコースレベルに対応する信号を生成するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
前記グルコースセンサが、真皮液からモニターされた前記グルコースレベルに対応する前記信号を生成する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
出力された情報が、薬、食物、飲料のうちの1つ以上を消費することの勧告を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項27】
昼間と夜間のグルコースレベルとアクティビティ・メトリックとの相関を決定するための装置において、該装置が、
複数の日を含む所定の期間にわたり、アクティビティ・メトリック情報およびグルコースデータを受信するためのデータ入力インタフェースであって、前記グルコースデータが、昼間と夜間のグルコースレベル情報を含む、データ入力インタフェースと、
前記データ入力インタフェースに動作可能に連結されたデータ解析モジュールであって、
前記所定の期間における前記複数の日において、昼間と夜間との間のグルコースレベル情報の相対変化を計算し、
前記所定の期間内の有意なアクティビティ・メトリックを有する日についての昼間と夜間との間の前記グルコースレベル情報の前記相対変化を第1のデータセットに分類し、かつ、前記所定の期間内の有意なアクティビティ・メトリックを有しない日についての昼間と夜間との間の前記グルコースレベル情報の前記相対変化を第2のデータセットに分類し、
前記第1のデータセットに含まれる各々の日について、昼間と夜間との間の前記グルコースレベル情報の前記相対変化と前記アクティビティ・メトリック情報と間の相関を決定し、かつ
決定された前記相関を利用して、前記第1のデータセットについて、前記グルコースレベル情報に対する、前記アクティビティ・メトリック情報の測定されたレベルによる、影響を決定する、
ように構成された、データ解析モジュールと、
前記データ解析モジュールに動作可能に連結されたデータ出力インタフェースであって、前記グルコースレベル情報に対する前記決定された影響に関連する情報を出力する、データ出力インタフェースと
を備えている、装置。
【請求項28】
前記所定の期間内の有意なアクティビティ・メトリックを有する日が、所定の閾値を超える前記アクティビティ・メトリックを有する日を含み、さらに、前記所定の期間内の有意なアクティビティ・メトリックを有しない日が、前記所定の閾値に達しない前記アクティビティ・メトリックを含む、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記アクティビティ・メトリックが、24時間の期間で消費されたカロリーの量を含む、請求項28記載の装置。
【請求項30】
前記アクティビティ・メトリックが、24時間の期間で記録された歩数を含む、請求項28記載の装置。
【請求項31】
前記アクティビティ・メトリックが、アクティビティの持続時間、アクティビティの強度レベル、高度を含むアクティビティの場所、アクティビティの間の移動距離、及び、アクティビティの種類のうちの1つ以上を含む、請求項28記載の装置。
【請求項32】
前記データ解析モジュールが、前記相対変化を前記第1のデータセットに分類するときに、複数の第1グルコースメトリックであって、その各々が前記有意なアクティビティ・メトリックを有する日のうちの対応する1日についての昼間と夜間との間の前記グルコースレベル情報の相対変化に関連する複数の第1のグルコースメトリックを生成し、かつ、前記相対変化を前記第2のデータセットに分類するときに、前記有意なアクティビティ・メトリックを有しないすべての日についての昼間と夜間との間の前記グルコースレベル情報の相対変化に関連する第2のグルコースメトリックを生成する、請求項27に記載の装置。
【請求項33】
前記第1のデータセットにおいて前記昼間と夜間との間のグルコースレベル情報の前記相対変化と前記アクティビティ・メトリックと間の前記相関を決定する、前記データ解析モジュールが、前記生成された第2のグルコースメトリックを用いて前記複数の第1のグルコースメトリックの各々を修正して、対応する修正された複数の第1のグルコースメトリックを生成する、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記相関を決定する、前記データ解析モジュールが、前記修正された複数の第1のグルコースメトリックの各々と前記有意なアクティビティ・メトリックを有する日に対応する前記アクティビティ・メトリックとの関連を特定する、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
出力された前記情報が、前記アクティビティ・メトリック情報の測定された前記レベルに対応する夜間グルコースレベルの予測された値を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項36】
前記グルコースレベル情報が、体液と流体接触して位置づけられたグルコースセンサから受信されて、前記グルコースレベル情報に対応する信号を生成する、請求項27に記載の装置。
【請求項37】
前記体液が、真皮液を含む、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記データ出力インタフェースが、携帯電話、タブレット型コンピューティングデバイス、サーバ、ラップトップ型コンピュータ、又はスマートウォッチを含むウェアラブルデバイスのうちの1つ以上のユーザインタフェースを含む、請求項27に記載の装置。
【請求項39】
出力された前記情報が、薬、食物、飲料のうちの1つ以上を消費することの勧告を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項40】
前記データ入力インタフェースが、第2の期間におけるアクティビティ・メトリック情報の測定されたレベルを受信し、前記第2の期間が1日の期間を含み、
前記データ解析モジュールが、前記第2の期間における夜間グルコースレベル情報を、前記決定された影響と前記第2の期間における前記アクティビティ・メトリック情報の前記測定されたレベルとを使って、決定し、かつ、
前記データ解析モジュールが、前記第2の期間における前記決定された夜間グルコースレベル情報に基づいて、治療勧告をユーザインタフェースに出力する、請求項1記載の装置。
【請求項41】
ータ入力インタフェースが、第2の期間におけるアクティビティ・メトリック情報の測定されたレベルを受信するステップであって、前記第2の期間が1日の期間を含むステップと、
ータ解析モジュールが、前記決定された影響と前記第2の期間における前記アクティビティ・メトリック情報の前記測定されたレベルとを使って、前記第2の期間におけるグルコースレベル情報の昼夜変化を決定するステップと、
前記データ解析モジュールが、前記第2の期間における前記決定されたグルコースレベル情報の昼夜変化に基づいて、治療勧告をユーザインタフェースに出力するステップと、を含む請求項14記載の方法。
【請求項42】
前記データ入力インタフェースが、第2の期間におけるアクティビティ・メトリック情報の測定されたレベルを受信し、前記第2の期間が1日の期間を含み、
前記データ解析モジュールが、前記決定された影響と前記第2の期間における前記アクティビティ・メトリック情報の前記測定されたレベルとを使って、前記第2の期間におけるグルコースレベル情報の昼夜変化を決定し、かつ、
前記データ解析モジュールが、前記第2の期間における前記決定されたグルコースレベル情報の昼夜変化に基づいて、治療勧告をユーザインタフェースに出力する、請求項27記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その開示の各々が、すべての目的のために、ここに参照することによって本願に援用される、「食事情報の収集、食事評価、及び検体データ相関のためのシステム、デバイス、及び方法(Systems, Devices, and Methods For Meal Information Collection, Meal Assessment, and Analyte Data Correlation)」という発明の名称で、2016年3月11日に出願の米国仮特許出願第62/307,346号、2015年7月10日に出願の米国仮特許出願第62/191,218号、及び2016年3月11日に出願の米国仮特許出願第62/307,344号に関連する。
【0002】
参照による引用
以下の特許、特許出願、及び/又は公開公報を含む、本明細書に記載される特許、特許出願、及び/又は公開公報は、すべての目的のために、ここに参照することによって本願に援用される:米国特許第4,545,382号;同第4,711,245号;同第5,262,035号;同第5,262,305号;同第5,264,104号;同第5,320,715号;同第5,356,786号;同第5,509,410号;同第5,543,326号;同第5,593,852号;同第5,601,435号;同第5,628,890号;同第5,820,551号;同第5,822,715号;同第5,899,855号;同第5,918,603号;同第6,071,391号;同第6,103,033号;同第6,120,676号;同第6,121,009号;同第6,134,461号;同第6,143,164号;同第6,144,837号;同第6,161,095号;同第6,175,752号;同第6,270,455号;同第6,284,478号;同第6,299,757号;同第6,338,790号;同第6,377,894号;同第6,461,496号;同第6,503,381号;同第6,514,460号;同第6,514,718号;同第6,540,891号;同第6,560,471号;同第6,579,690号;同第6,591,125号;同第6,592,745号;同第6,600,997号;同第6,605,200号;同第6,605,201号;同第6,616,819号;同第6,618,934号;同第6,650,471号;同第6,654,625号;同第6,676,816号;同第6,730,200号;同第6,736,957号;同第6,746,582号;同第6,749,740号;同第6,764,581号;同第6,773,671号;同第6,881,551号;同第6,893,545号;同第6,932,892号;同第6,932,894号;同第6,942,518号;同第7,041,468号;同第7,167,818号;及び、同第7,299,082号;米国特許出願公開第2004/0186365号(現在の米国特許第7,811,231号);同第2005/0182306号(現在の米国特許第8,771,183号);同第2006/0025662号(現在の米国特許第7,740,581号);同第2006/0091006号;同第2007/0056858号(現在の米国特許第8,298,389号);同第2007/0068807号(現在の米国特許第7,846,311号);同第2007/0095661号;同第2007/0108048号(現在の米国特許第7,918,975号);同第2007/0199818号(現在の米国特許第7,811,430号);同第2007/0227911号(現在の米国特許第7,887,682号);同第2007/0233013号;同第2008/0066305号(現在の米国特許第7,895,740号);同第2008/0081977号(現在の米国特許第7,618,369号);同第2008/0102441号(現在の米国特許第7,822,557号);同第2008/0148873号(現在の米国特許第7,802,467号);同第2008/0161666号;同第2008/0267823号;及び、同第2009/0054748号(現在の米国特許第7,885,698号);米国特許出願第11/461,725号(現在の米国特許第7,866,026号);同第12/131,012号;同第12/393,921号、12/242,823号(現在の米国特許第8,219,173号);同第12/363,712号(現在の米国特許第8,346,335号);同第12/495,709号;同第12/698,124号;同第12/698,129号;同第12/714,439号;同第12/794,721号(現在の米国特許第8,595,607号);及び同第12/842,013号;並びに、米国仮特許出願第61/238,646号;同第61/246,825号;同第61/247,516号;同第61/249,535号;同第61/317,243号;同第61/345,562号;及び、同第61/361,374号の各明細書。
【背景技術】
【0003】
ある特定の個体におけるグルコースレベル又は、ラクテート、酸素、A1Cなどの他の検体の検出及び/又はモニタリングは、該個体の健康にとって極めて重要である。例えば、グルコースレベルのモニタリングは、糖尿病を有する個体及び糖尿病の発症を示唆する状態を有する個体にとって特に重要である。糖尿病患者は、概して、彼らのグルコースレベルが臨床的に安全な範囲内に維持されるかどうかを決定するためにグルコースレベルをモニタしており、彼らの体内グルコースレベルを低減させるためにインスリンが必要であるかどうか、及び/又はいつインスリンが必要か、若しくは、彼らの体内グルコースレベルを上昇させるために追加のグルコースがいつ必要かを決定するために、この情報を使用することもできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
便利かつ痛みを伴わない方法でリアルタイムのグルコースレベル情報を提供するグルコースモニタリングデバイス及びシステムの開発に伴って、血糖制御を改善するために、このようなモニタリングデバイス及びシステムを日常の生活及び活動に統合することが望まれている。より詳細には、グルコースレベル変動における、運動、投薬管理、食事の摂取などの日常のアクティビティの影響を特定すること、及び、実行可能なパーソナライズされた健康関連情報を提供して血糖の変動を厳密に制御することが強く望まれている。さらには、運動及び食事の摂取を含めた日常活動における薬物療法に影響を与えるパラメータを考慮することにより、投薬量決定に精度をもたらし、それによって、このような決定の誤差の低減とともに、正しい投薬量の決定が正確に評価されることが強く望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、血糖応答を特定の患者又はユーザに関する特定のアクティビティ及び外部パラメータにパーソナライズするための多相グルコース応答パターンの決定及び動的調整又は修正を含む。ある特定の実施形態では、解析モジュールは、任意のプロセッサ制御デバイス、特に、例えば決定されたグルコース応答パターンに基づいた治療勧告を含む、実行可能な情報を受信、解析、転送、送信、表示又は出力するための通信機能を備えたスマートフォンによって、実行可能なソフトウェアアプリケーション(「App」)として提供される。ある特定の実施形態では、特定のアクティビティを考慮して、あるいは、アクティビティ、食事摂取、薬物摂取、若しくは、ユーザ又は患者の日常のアクティビティに特有の他の外部パラメータの組合せを考慮して決定されるグルコース応答パターンは、追加のアクティビティに特有の又は外部パラメータに特有のデータを受信し、Appで解析する際に、進行中のリアルタイムベースで知的かつ動的に調整される。
【0006】
本開示の実施形態は、Appを実行するように構成されたスマートフォンと通信するセンサをベースとしたデバイスを有する全体的なネットワーク、及び、必要に応じて、例えば、センサをベースとしたデバイスと直接データ通信する場合に解析のためにAppの機能を実行し、かつ、スマートフォンに解析結果を提供するように構成された、又は、スマートフォン及び/又はセンサをベースとしたデバイスのためのデータバックアップ機能又はデータリポジトリ機能を行うなど、より受動的な役割で動作するように構成された、ネットワーククラウド構成を提供する、1つ以上のバックエンドサーバ端末を有するデータ通信ネットワークを含む。また、必要に応じて、スマートフォンから、1つ以上のバックエンドサーバ端末から、又は、センサをベースとしたデバイスから直接的に、解析データを受信するように構成された、インスリンポンプ又はインスリン注入ペンなどの1つ以上の投薬デバイスが、ネットワーク全体に含まれる。
【0007】
本開示の実施形態は、データ収集段階を含み、その間に、ユーザ又は患者の特定の情報が、例えば所定の期間に亘って、手動によるユーザの入力によって1つ以上のセンサをベースとしたデバイスから、又は、薬物送達デバイスから、収集される。患者又はユーザについての十分な量(例えば、最低5日間、6日間、1週間、10日間、14日間、若しくは、日の数又は1日の一部の数のいずれか1つ以上の組合せ)の情報が、それがグルコース応答及び血糖の変動に関する場合に、決定されると、ある特定の実施形態においてスマートフォン上で実行されるAppによって、特定の血糖応答パターンが決定又は特定されており、応答解析のためにユーザによる入力の準備が整っていることを、ユーザ又は患者に促すことができる。この点に達するためには、ある特定の実施形態では、Appは、センサをベースとしたデバイスからのデータ又は情報及び他の受信したユーザ又は患者の特定のパラメータを解析し、データ解析の一部として、受信したデータを分類してグルコース応答パターンを決定し、その後、1つ以上のセンサをベースとしたデバイスから受信した追加のリアルタイムの情報又は他のユーザ又は患者の特定のパラメータを用いて、応答パターンを継続的かつ動的に更新する。このように、ある特定の実施形態では、ユーザが携わることを希望するアクティビティ又はパラメータ(例えば、約305m(およそ1,000フィート)の傾斜を含む90分のランニング、又は、12時間、18時間、24時間、又は他の適切な期間など、確立された期間中に歩いた歩数)をユーザが入力すると、Appは、動的グルコース応答パターン認識能力を使用して、このようなアクティビティによって特定のグルコース応答(例えば、アクティビティ後に、およそ25mg/dLのグルコースレベルの低下)が生じることをユーザ又は患者に通知するように構成される。
【0008】
さらには、ある特定の実施形態では、Appは、身体アクティビティ駆動型の解析の実施に加えて、アクティビティ前、アクティビティ中、及びアクティビティ後に及ぶ設定期間にわたって、所定の範囲を超える血糖変動を最小限に抑えるように、例えば、アクティビティに携わる前の特定の時期、及び/又はアクティビティ後の一定期間内に消費される食物の種類及び量のリストを提供するなど、勧告を提供するように構成されうる。ある特定の実施形態では、Appは、実施される身体アクティビティの代わりに、消費される薬、食物、飲料の量、又はそれらの1つ以上の組合せに関する勧告を伴って、上述と同様の解析を行うように構成される。このように、ある特定の実施形態では、ユーザ又は患者は、食物及び/又は飲料を摂取する前又は投薬前に、行動をとることができる。
【0009】
本開示のこれら及び他の特徴、目的、及び利点は、以下にさらに十分に説明される本開示の詳細を読むことにより、当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に従った全体的なグルコース応答データ解析システムを示す図
図2A】本開示の一実施形態に従った図1の解析モジュールのブロック図
図2B】本開示の一実施形態に従ったデータ分類、パターン認識、及び動的更新を行う図1の解析モジュールと組み合わせた情報フロー図
図3】本開示の一実施形態に従ったデータ入力インタフェース111(図2A)の例示的なスクリーンショット
図4】本開示の一実施形態に従った夜間グルコースレベルにおける日中アクティビティの影響を決定するためのルーチンを示すフローチャート
図5】本開示の一実施形態に従った夜間グルコースレベルにおける日中アクティビティの影響を決定する別のルーチンを示すフローチャート
図6】本開示の一実施形態に従った絶対夜間グルコースレベルに基づいた特定のアクティビティについてのグルコース応答パターンの識別及び特徴付けを示すフローチャート
図7】本開示の一実施形態に従ったグルコースレベルの昼夜変化に基づいた特定のアクティビティについてのグルコース応答パターンの識別及び特徴付けを示すフローチャート
図8】本開示の一実施形態に従ったグルコースレベルの昼夜比に基づいた特定のアクティビティについてのグルコース応答パターンの識別及び特徴付けを示すフローチャート
図9】本開示の一実施形態に従ったトレーニング及び通知のためのプロセスフロー図
図10】本開示の別の実施形態に従ったトレーニング及び通知のためのプロセスフロー図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示を詳細に説明する前に、この開示が記載される特定の実施形態に限定されず、そのように、当然ながら変動しうることが理解されるべきである。本明細書で用いられる用語は、単に特定の実施形態を説明する目的のためであって、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることから、限定されることは意図されていないこともまた理解されるべきである。
【0012】
値の範囲が提供されている場合、文脈において別段の指示が明確にない限り、下限値の単位の10分の1まで、その範囲の上限と下限の間の各中間値、及び、その示された範囲の他のいずれかの示された値又は中間値が、本開示内に包含されると理解されたい。これらのより狭い範囲の上限及び下限は、より狭い範囲内に独立して含まれてよく、これらも本開示内に包含され、示された範囲内の明確に除外された限界値に従う。示された範囲が限界値の一方又は両方を含む場合、限界値を含んだものの一方又は両方を除外する範囲もまた本開示内に含まれる。
【0013】
他に定められない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語及び科学用語は、この開示が属する当業者が一般的に理解しているのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は等価の方法及び材料も、本開示の実施又は試験に使用することができるが、好ましい方法及び材料について、これから説明する。本明細書で言及されるすべての刊行物は、刊行物が関連して引用される方法及び/又は材料の開示及び説明のために、参照することによって本明細書に取り込まれる。
【0014】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる場合、名詞は、文脈上、別段の指示が明確にない限り、複数の対象を指すことに留意しなければならない。
【0015】
本明細書で論じられる刊行物は、本出願の出願日以前のそれらの開示についてのみ、提供される。本明細書のいずれも、本開示が先の開示を理由として、そのような刊行物に先行する権利がないという自白であると解釈されるべきではない。さらには、提供される公開日は、実際に公開された日付とは異なる可能性があり、独立して確認する必要がありうる。
【0016】
本開示を読めば当業者に明らかになるように、本明細書に記載され例証される個々の実施形態の各々は、本開示の範囲又は精神から逸脱することなく、他の幾つかの実施形態のいずれかの特徴と容易に分離することができる、又は、それらと組み合わせることができる、個別の構成要素及び特徴を有する。
【0017】
本明細書に示される図は、必ずしも縮尺通りに描かれておらず、幾つかの構成要素及び特徴は、明確にするために誇張されている。
【0018】
図1は、本開示の一実施形態に従った全体的なグルコース応答データ解析システムである。図を参照すると、グルコース応答データ解析システム100は、ある特定の実施形態では、例えば、サーバ150からデータネットワーク140を介して、ダウンロードされた実行可能ファイルとしてインストールされたAppとして携帯電話110内にプログラムされたユーザインタフェース110A及び解析モジュール110Bを含む、携帯電話110を含む。以下にさらに詳細に論じられるように、ある特定の実施形態では、データ調整、解析及び動的グルコース応答パターン認識、及び/又は、該グルコース応答パターン認識の更新は、Appによって実行可能な1つ以上のルーチンとして実現される。
【0019】
図1に戻ると、データネットワーク140を介したサーバ150との各々のデータ通信に代えて又は加えて、携帯電話110と各々データ通信する、アクティビティモニタ130A、心拍モニタ130B、及びグルコースモニタ130Cも示されている。このように、各モニタ130A、130B、130Cは、ある特定の実施形態では、モニタされた情報を、保存及び/又は解析のためにサーバ150に通信するように、あるいは、各モニタ130A、130B、130Cから受信した生データ、及び/又は、各モニタ130A、130B、130Cからの加工データ又は情報のうちの一方又は両方を、保存、解析、及びその後に保存及び/又はさらなる解析のためにデータネットワークを介してサーバ150へと通信するために携帯電話110に通信するように、プログラムされている。
【0020】
図1をさらに参照すると、データネットワーク140を介して携帯電話110、サーバ150、又はモニタ130A、130B、130Cのうちの1つ以上とデータ通信する薬物送達デバイス120が、グルコース応答データ解析システム100に示されている。図示されていないが、ある特定の実施形態では、Appのルーチン及び機能の動作を薬物送達デバイス120内に実現することができ、該薬物送達デバイス120は、モニタ130A、130B、130Cのうちの1つ以上からデータ又は情報を直接受信し、グルコース応答パターンの認識及び解析を行い、かつ、例えば、提案された身体アクティビティ及び/又は食物又は飲料の消費を考慮して、モニタされたデータ(例えば、生理学的にモニタされた状態、及び/又は、食物及び/又は飲料の消費、及び薬物摂取)から、決定されたグルコース応答パターンに基づいて、薬物送達プロファイルを修正する(例えば、基礎インスリン送達速度によってボーラスインスリン投与量が決定される)。
【0021】
ある特定の実施形態では、携帯電話110は、該電話110内に一体化された1つ以上のモニタ130A、130B、130Cを含む。例えば、携帯電話110は、ある特定の実施形態では、歩いた歩数や、携わった身体アクティビティ、例えば、歩いた歩数、ランニング、ジョギング、短距離走などを追跡し続ける又は記録するなど、携帯電話110のユーザの動きをモニタすることができる(アームバンドを使用するなど身体上又はその近くに携帯電話110を有しながら)、加速度計及び/又はジャイロスコープを含む。ある特定の実施形態では、携帯電話110は、腕時計の構成で提供され、その場合、携帯電話110は、加速度計又はジャイロスコープに加えて、心拍モニタも備えている。腕時計として構成された携帯電話110を用いたある特定の実施形態では、携帯電話110は、グルコースレベルのリアルタイム・モニタリング機能が携帯電話110に組み込まれるように、インビボ、真皮、経皮的、又は視覚的に、グルコースセンサを組み込む。
【0022】
グルコース応答データ解析システム100をさらに再び参照すると、ある特定の実施形態では、データ受信、保存、及び、データネットワーク140を介してシステム100内の他のデバイスへのその後の通信のために、モニタ130A、130B、130Cのうちの1つ以上と通信するように構成された、又は、例えば、携帯電話110及び/又は薬物送達デバイス120などのシステム100内の他のデバイスと直接通信するように構成されたハブデバイス(図示せず)が、システム100内に組み込まれていてもよい。ハブデバイスは、ある特定の実施形態では、モニタ130A、130B、130Cのうちの1つ以上からの情報を収集するパススルー中継デバイス又はアダプタとして構成されており、リアルタイム又はデータ収集のある特定の期間の後のいずれかにおいて、収集したデータをサーバ150へ、携帯電話110へ、及び/又は薬物送達デバイス120へと伝達又は送信する。ある特定の実施形態では、ハブデバイスは、ユーザ又は患者の身体の近くで保持され、身に着けたモニタ130A、130B、130Cと直接通信する、小さくて目立たないキーフォブタイプ又はドングルタイプのデバイスとして物理的に実現される。さらには、3つのモニタ130A、130B、130Cがグルコース応答データ解析システム100内に示されているが、本開示の範囲内では、追加のセンサがユーザの他の又は関連するパラメータをモニタするために提供される。例えば、1つ以上のセンサによってモニタ又は測定されるパラメータとしては、発汗レベル、温度レベル、心拍変動(HRV)、神経活動、眼球運動、発話などが挙げられるが、これらに限定されない。グルコース応答データ解析システム100のある特定の実施形態におけるこれらのモニタされたパラメータの各1つ以上は、以下にさらに詳細に論じるように
携帯電話110の解析モジュール110Bへの入力パラメータとして用いられる。
【0023】
図2Aは、本開示の一実施形態に従った図1の解析モジュール110Bのブロック図である。ある特定の実施形態に示されるように、携帯電話110の解析モジュール110Bは、携帯電話110の外部又は内部及び携帯電話110内に130A、130B、130Cのうちの1つ以上のモニタからのデータ入力を連結又は受信するためのデータ入力インタフェース111を含む。データ入力インタフェースを介して受信したデータ及び/又は情報は、グルコース応答トレーニングユニット112に提供される。ある特定の実施形態では、グルコース応答トレーニングユニット112は、受信した入力データを、データのタイプ、及びデータに関連するパラメータの一又は複数のタイプに応じてそれぞれのカテゴリに分類する。例えば、データのタイプが90分のランニングなどの身体アクティビティに関連する場合、そのデータに関連するパラメータとしては、持続時間に加えて、ある特定の実施形態では、モニタされた心拍情報(可能な場合は)又はランニングのペースを使用して決定されうるランニングの強度レベル(ランニング、ジョギング、短距離走)、有酸素又は無酸素のランニング、競合的な又は非競合的な(トレーニング)ランニング、又は身体アクティビティ(例えばランニング)に関連する他のいずれかの適切なカテゴリが挙げられる。ある特定の実施形態では、確立された期間中の歩いた歩数など、身体アクティビティに関連する他のタイプのデータを使用してもよい。
【0024】
1つ以上のモニタ130A、130B、130C(図1)から受信した分類データを用いて、時間対応グルコースレベル情報が回収され(又はグルコースモニタ130C(図1)から受信され)、グルコース応答トレーニングユニット112は、例えば、携帯電話110で実行するためにAppに提供される解析ツールに基づいて、動的グルコース応答パターン認識を行う。さらには、ある特定の実施形態では、グルコース応答トレーニングユニット112は、1つ以上のモニタ(図1)からのリアルタイムの情報に基づいて、決定されたグルコース応答パターンを動的かつ継続的に更新するように構成される。
【0025】
ある特定の実施形態では、グルコース応答パターンの精度は、データセットがより長い期間にわたって増加するにつれて(及び/又は、解像度/モニタ頻度が高くなるにつれて)、増加する。しかしながら、入力データに対する人の血糖応答は、経時によって変化しうる。ある特定の実施形態は、ある程度の所定の期間の経過後にデータセットを「リセット」又は消去することによってこれに対処する。他の実施形態では、Appは、セットデータ収集持続時間を超えると、グルコース応答パターンの精度の誤差を潜在的に招き入れることを認識し、この場合には、この時点に達したときに、Appは、リセットし、データ収集期間を入力するように構成され、モニタされたデータが新しいグルコース応答パターンの解析及び決定に必要とされる、少なくとも最短の日数又は時間の間、グルコース応答フィードバックのユーザ駆動型の解析ができない。以下にさらに詳細に記載されるように、ある特定の実施形態では、Appは、「忘却」ウィンドウを確立するように構成され、その間に、グルコース応答フィードバックのユーザ駆動型の解析が継続的に更新される。「忘却」ウィンドウは、ある特定の実施形態では、Appによって設定された、又はユーザの入力に基づいた、1つ以上の所定の期間を含むか、あるいは、グルコース応答フィードバックに基づいて、動的に修正される。
【0026】
図2Aに戻ると、ある特定の実施形態では、グルコース応答トレーニングユニット112の出力が、表示、出力又は他の通知のために携帯電話110のユーザインタフェース110Aに動作可能に連結されたデータ出力インタフェース113にもたらされるか、あるいは、Appは、初期又は予備的解析を完了し、かつ、ユーザ又は患者が、血糖制御を維持し、望ましくないグルコース変動を最小限に抑えるためにタイムリーな(是正又は積極的な)行動をとるように、対応するグルコース応答を特定したい、歩いた歩数、サイクリング、ランニング、ハイキング、食事などの入力に対するグルコース応答を解析するように動作可能であることを携帯電話110のユーザに指示する。
【0027】
図2Aは、本開示の一実施形態に従ったデータ分類、パターン認識及び動的更新を行う、図1の解析モジュール110Bと組み合わせた情報フローを示している。図2Aを参照すると、ある特定の実施形態において、Appを実行する携帯電話110の解析モジュール110B(図1、2A)は、例えば、アクティビティのタイプ、強度レベル、持続時間、場所、標高情報、グルコースレベル、心拍情報、心拍変動(HRV)情報、酸素飽和レベル、発汗レベル、温度レベル、薬物摂取情報、薬物のタイプ、投薬持続時間、投薬に対応する時刻情報、炭水化物摂取情報、アルコール消費情報、又は受信した入力データに対応する特定のモニタされる状態についての他のいずれかの関連するメトリックなど、受信した入力データ(210)を分類(220)するように構成される。
【0028】
受信した情報を用いて、ある特定の実施形態では、グルコース応答トレーニングユニット112(図2A)は、動的グルコース応答パターン認識を行い、新しい又は追加のデータを受信したときにパターンに対して更新する(220)。以下にさらに詳細に論じるように、ある特定の実施形態では、決定されたパターンに基づいたグルコース応答プロファイルの出力(230)前に、携帯電話110内の解析モジュール110Bのグルコース応答トレーニングユニット112は、十分な入力データが解析されていることを確実にする。ひとたびこの点に達し、少なくとも最短期間にわたりモニタされた情報が受信及び解析されると、Appは、ある特定の実施形態では、ユーザにとって有用でありうる情報が決定されたときに、ユーザに通知(例えば、携帯電話110のユーザインタフェース110A上の出力プロンプトとして)を生成するように構成される。通知は、アラーム通知など、自動的に行われてもよく;あるいは、メニューから情報にアクセスするなど、Appの使用時にユーザによって読み出されてもよく;あるいは、ユーザが次にAppとやりとりするときに表示されてもよい。有用な情報の例としては、ユーザのグルコースレベルが、彼らが前日に運動した後の夜間に典型的には20%低くなることが挙げられる。ユーザは、この情報を使用して、彼らが、例えば、この期間中の彼らのインスリンカバレッジを低減することによって、又は就寝前にスナックを食することによって、夜間低血糖を経験しないことを確実にすることができる。
【0029】
本開示の別の態様では、Appは、ある特定の状態を検出したときにユーザに文脈情報を入力するように促し、より多くの情報が入力されることを保証する。入力される情は、入力データを解析して血糖応答パターンを決定するルーチンに用いられる。Appは、例えば、食事が行われたとき又はアクティビティが行われたときに状態を検出するルーチンを含み、これらの状態が検出されたときにユーザに通知する。ユーザに通知する実施形態は、検出された状態について、より多くの情報を提供するようにユーザに促すように構成された、アイコン表示、聴覚又はテキスト出力による通知、又は振動的通知のうちの1つ以上を含む。1つ以上の状態の例としては、検出された動き、設定閾値を上回る又は設定閾値を超えて加速する、グルコースの増加又は低下の検出された変化率、心拍、発汗又は温度レベルの検出されたスパイク又は変化が挙げられる。あるいは、アラーム型の通知ではなく、Appは、ユーザが次にApp又はスマートフォンとやりとりするときに通知を提供してもよい。
【0030】
さらに再び図を参照すると、解析モジュール110Bのグルコース応答トレーニングユニット112は、ある特定の実施形態では、例えば、アクティビティの間及び後に生じる、特定の時間帯についての特定のアクティビティ又は事象(例えば、食事又は薬物摂取)の影響など、特定のユーザ又は患者についての特定のアクティビティ又は事象の影響を特徴付けするグルコースメトリックに基づいて、動的グルコース応答パターン認識を行うように構成される。平均又はメジアングルコースレベルなどの異なるグルコースメトリックを、グルコースメトリックとして用いることができる。ある特定の実施形態では、メジアングルコース情報の使用は、平均グルコースレベルと比較して外れ値グルコースデータの影響を受けにくい。
【0031】
ある特定の実施形態では、グルコース応答トレーニングユニット112は、例えば、10pm~3am、又は3am~8am、又は10pm~8amなど、特定のアクティビティ後の夜間の間に、継続的にモニタされたグルコースレベルのメジアン値を決定する。ある特定の実施形態では、グルコース応答トレーニングユニット112は、8am~10pm、8am~6pm、9am~5pm、5pm~10pm、又は他のいずれかの適切な日中期間の範囲など、日中の間に決定されたメジアングルコースレベルを使用する。ある特定の実施形態では、メジアングルコース情報は、特定の期間(例えば、12時間)について、アクティビティの開始後一定期間(アクティビティ開始後2時間)後にメジアングルコースレベルが決定されるように、特定のアクティビティに関して決定される。ある特定の実施形態では、メジアングルコースレベルを決定する相対開始時間及び持続時間は、アクティビティのタイプ、及び/又は、アクティビティに関する若しくはユーザ又は患者に関連した他のパラメータに応じて変動する。
【0032】
開示される実施形態は、夜間のグルコースレベルに影響を与える日中期間のアクティビティに焦点を当てているが、本開示の範囲内で、夕食後(例えば、6pm~10pm)のグルコースレベルに影響を与える朝(例えば5am~12pm)のアクティビティなど、1日のうちの一定期間によって定められる任意の期間に、同様の解析が適用される。あるいは、本開示の範囲内の本明細書に開示される解析は、定期的に発生する事象によって定められる期間に適用される。例えば、アクティビティデータセットは、毎日、5amから朝食までと定められた期間から生成され、ここで、朝食は毎日違う時間であり、ユーザが入力又は生成する指示によって、又は食事の開始を決定するようにグルコースデータを処理するアルゴリズムによって、又は記録された迅速に作用するインスリン注入によって、決定される。食事開始をアルゴリズム的に検出する例示的な実施形態は、本出願の譲受人に譲渡され、かつ、すべての目的でその全体が参照することによって本明細書に取り込まれる、国際公開第2015/153482号(2015年3月30日出願の国際出願第PCT/US2015/023380号)に開示されている。
【0033】
さらには、影響を受けた期間は、夕食の開始から真夜中までなど、食事が検出された時点から開始する期間として、同様に定められてもよい。また、本開示の範囲内において、ハイブリッド手法が提供され、ここで、アクティビティ期間は、固定された時間帯として決定されるとともに、影響を受けた期間は、特定の食事開始時間によって決定される。本開示の範囲内において、朝食後、昼食後、夕食後及び夜間などの複数の期間における影響が含まれる。さらには、例えば、1日目の午前中に生じるアクティビティが、その後の1日におけるグルコースレベルにどのような影響を与えるかを決定するなど、解析を、複数の日にわたる期間に拡張することができる。
【0034】
加えて、本開示の範囲内において、2つ以上のアクティビティタイプを解析に用いることができる。非限定的な例は、a)Appのユーザインタフェース(UI)(例えば、解析モジュール110Bのデータ入力インタフェース111(図2A))に、彼らが行うアクティビティに関する文脈情報を入力するユーザ、又はb)異なるタイプのアクティビティ間を区別するための1つ以上のセンサの使用、又はc)異なるタイプのアクティビティ間を区別するための代替となる検出技術を必要とする。ユーザが情報を入力する上記手法(a)については、Appは、ユーザインタフェース(例えば図3に示される)を提示して、ユーザがアクティビティ情報を入力できるように構成される。ある特定の実施形態では、ユーザは、チェックリスト又はフリーテキストエントリから情報を入力することができる。加えて、Appは、測定されたアクティビティが所定の閾値を超えたときに検出し、ユーザにこの情報を入力するように促すように構成される。異なるアクティビティを検出するために1つ以上のセンサを使用する手法(手法(b))については、歩数計、心拍センサ、及び位置センサの組合せを使用することができ、ここで、1つ以上の閾値及び定義された論理は、身体の動き、強度、及び速度、並びに標高の変化を識別するように構成される。最後に、代替的な検出技術を使用する手法(手法(c))については、例えば、位置センサを用いて、ユーザがウェイトリフティングジムにいるときに検出することができ、それによって、測定されたアクティビティを無酸素アクティビティと関連付けることができる。
【0035】
アクティビティタイプの属性が、測定されたアクティビティ・メトリックに関連付けられる場合には、各アクティビティタイプについて、以下に記載される解析を行うことができる。例えば、有酸素と無酸素など、2つのアクティビティタイプが用いられる場合、以下に記載される解析を使用して、今後のグルコースレベルにおける有酸素アクティビティの影響を決定し、かつ、今後のグルコースレベルにおける無酸素アクティビティの影響を個別に決定することができる。本開示の範囲内で、両方のタイプのアクティビティを有する日など、新しいタイプのアクティビティを示す、アクティビティ及び解析期間の1つ以上の組合せを達成することができる。
【0036】
ある特定の実施形態では、グルコース応答トレーニングユニット112は、複数の日中期間について、グルコースメジアンレベル、アクティビティ、及び他の関連するパラメータを決定し、その日中期間に続く関連する夜間について、メジアングルコースレベルが決定される。ある特定の実施形態では、グルコース応答トレーニングユニット112は、アクティビティを有しない日の時間帯についてのグルコースメジアンレベルを決定する。より詳細には、グルコース応答トレーニングユニット112は、ある特定の実施形態では、有意なアクティビティ(例えば、運動事象、1日のある時間帯(12時間、18時間、24時間、又は他の適切な期間)に歩いた歩数、ランニング、サイクリング、ハイキング等)が、これらの有意なアクティビティを有しない日の間には生じなかったことをユーザ又は患者に確認するように構成される。有意なアクティビティを有する日と有意なアクティビティを有しない日との間の隔てられた期間を用いて、グルコース応答トレーニングユニット112は、ある特定の実施形態では、受信した入力データ(図2A参照)を解析し、夜間グルコースレベルにおける特定のアクティビティの影響を特徴付けして、動的グルコース応答パターンを生成する-すなわち、特定のアクティビティに対してユーザ又は患者の身体がどのように反応するかを評価し、かつ、ユーザが、持続時間、強度レベルなど、同一又は同様のパラメータを伴う同一のアクティビティに携わることを決定する場合に、ユーザ又は患者に適切な治療勧告を生成又は提供する。
【0037】
図3は、本開示の一実施形態に従ったデータ入力インタフェース111(図2A)の例示的なスクリーンショットである。図3を参照すると、ある特定の実施形態において、カスタマイズされたデータ入力スクリーンが、Appによる解析のための情報入力用にユーザに提示される。非限定的な例において、(例えばAppを実行する携帯電話の)ユーザインタフェース上のラジオボタンのセットが、歩数、ランニング、ジョギング、ハイキング、サイクリング、水泳、睡眠、及び/又は、コーヒー、加糖アルコール、無糖アルコール、シリアル、ベーコン、トーストなどの食物/飲料に関連するパラメータなど、1つ以上のデフォルトのアクティビティ関連パラメータを伴ってシードされ、かつ、経時によって修正すべきオプションが、新しい習慣の回答/フィードバック又は応答として、ユーザによって加えられる。これにより、他のタイプの習慣データを入力するための柔軟性を失うことなく、ユーザが最も一般的な又は最もよく使用されるタイプのアクティビティを迅速に入力できるようになる。
【0038】
本開示の範囲内で、Appは、食事及びアクティビティについての情報を入力するための複数の手段をユーザ又は患者に提供する。患者は、この情報を積極的に入力することができる。これは、食事の入力に特に有用であり、食事の写真を入力することができる。これは、ユーザ又は患者にとって、食事情報を入力し、見るためにさらに一層便利かつ楽しい方法でありうる。さらなる詳細は、同時出願の発明の名称を「食事情報の収集、食事評価、及び検体データ相関のためのシステム、デバイス、及び方法(Systems, Devices, and Methods For Meal information Collection, Meal Assessment, and Analyte Data Correlation)」とする米国仮特許出願第 号明細書[代理人整理番号A0130.0134.P2]に見出すことができる。上で論じたように、ある特定の実施形態では、Appは、すべての目的でその全体が参照することによって本明細に取り込まれる、国際公開第2015/153482号に開示されるように、食事又はアクティビティのエピソードを検出して、患者により多くの情報を求めることができる。
【0039】
インスリンを使用又は他のグルコース改変薬を摂取するユーザ又は患者については、Appは、これらの薬物の使用に関するユーザ/患者の特定のデータを自動的に回収するように、又は患者による手動でのシステムへの入力ができるように、構成されうる。
【0040】
本開示の範囲内で、Appは、食事/アクティビティの解析の出力を提供することによって、実験及び理解を促進するように構成される。ある特定の実施形態では、出力は、スマートフォン上に、又はサーバから回収されてウェブブラウザ上に、1つ以上のレポートとして提示される。1つ以上のレポートには、グルコースエクスカーションによって定められる食事エピソードがリストアップされる。食事エピソードのリストは、エピソードの日時で、又は、例えばピークグルコースレベルによって、エクスカーションの間のグルコース変化によって、又はグルコースとエクスカーションの持続時間によって定められる領域などによって測定される、グルコースエクスカーションの重症度で、並べ替えることができる。解析出力レポートの各列は、食事エピソードに関連する情報を含む。ある特定の実施形態では、レポートは、食事エピソードに関連する写真又は他のテキスト入力、日時、及び1つ以上の食事の深刻度メトリックのうちの1つ以上を含む。レポートはまた、ある特定の実施形態では、食事のある程度の期間内での関連するアクティビティ情報も含む。このリスト上にあまりに多くの情報があり過ぎると、あまりにも雑然として実用的ではない可能性がある。よって、Appは、ある特定の実施形態では、列の選択及び、より詳細な情報スクリーンを有するポップアップウィンドウの提示など、情報の提示を操作するようにユーザ又は患者に提供する。このような詳細な情報スクリーンはまた、食事エピソードに関連付けられたグルコースのプロットも提供する。このような方式で、ユーザ又は患者が彼らの健康にとって有害な食物を回避又は制限することができるように、彼らのグルコースレベルにおけるある特定の食物の影響のより良い理解を提供するための提示を見易くするように、グルコースレベルに最も大きい影響を与える食事を強調表示することができる。
【0041】
Appはまた、ある特定の実施形態では、食物及びアクティビティが今後のグルコースレベルにどのように影響を与えうるかを学習するようにも構成される。上述のカスタマイズ可能なチェックリストにおいて、食物及びアクティビティが選択されると、グルコースデータは、これらの選択に関連付けられ、複数のグルコースデータセットを単一のエントリタイプに関連付けることができる。また、複数のグルコースデータセットを、1つ以上の食事エントリタイプと1つ以上のアクティビティエントリタイプの組合せに関連付けることもできる。グルコースレベルにおけるエピソードの影響を特徴付けするために、グルコースデータセットを、1つ以上の異なる態様で処理することができる。
【0042】
ある特定の実施形態では、データセットのすべてに由来するメジアングルコースレベルが決定され、捕捉されたグルコースデータのすべての期間のメジアン値と比較される。あるいは、この手法は、朝食前、朝食後、昼食後、夕食後、及び就寝後などの個別の時間帯に適用することができる。経時によって、Appは、所与のエントリタイプ又はエントリタイプの組合せについて、血糖の影響をある程度の信頼度で推定するように構成されている。例えば、1時間以上のアクティビティについての具体的なアクティビティタイプ「上り坂のサイクリング」は、次の24時間についての患者のインスリン感受性の20%増加に関連付けられうる-インスリン抵抗性の変化は、メジアングルコースの変化に容易に関連付けられる。この関連付けは、システムが、信頼性の統計レベルが幾つかのあらかじめ定められた量を超えていることを検出したときに、システムによって行われうる。この情報によって、次の24時間にわたり、ボーラス計算に用いられるパラメータを変更することができる。あるいは、Appは、サイクリングに関連したアクティビティを検出して、例えば、就寝時に患者に彼らがその夜の低血糖を回避するためにスナックを食することができるように、注意を喚起することができる。
【0043】
Appによって提示される別のタイプの出力レポートは、24時間など、アクティビティ後の一定期間にわたるメジアングルコースレベルで並べ替え可能なアクティビティのリストを含む。該リストは、今後のグルコースレベルに最大の影響を与えるアクティビティを例示することができる。さらには、別のタイプのレポートは、上述したものと同じ方法で、食物とアクティビティとの組合せのリストを提示することができる。これらの手法を、他のセンサデータ、及び、病気、アルコール消費、コーヒー消費などの他の文脈上の入力へと容易に拡張することができる。
【0044】
図4は、本開示の一実施形態に従った夜間グルコースレベルにおける日中アクティビティの影響を決定するためのルーチンを示すフローチャートである。図4を参照すると、一実施形態において、夜間グルコースレベルにおける日中アクティビティの影響を決定するステップは、所定の期間(例えば、2週間、1ヵ月、又は他のいずれかの適切な期間)にわたる有意なアクティビティを有しないすべての日についての夜間グルコースレベルを決定するためにメトリックを生成するステップ(410)を含む。その後、メトリックは、所定の期間内における有意なアクティビティを有する各日についての夜間グルコースレベルを規定するように生成される(420)。本開示の範囲内において、有意なアクティビティを有する日又は有しない日の決定は、規定された閾値を超える1つ以上のアクティビティ・メトリック(例えば、24時間の期間内に閾値を超える歩数)に基づいている。図4に戻ると、有意なアクティビティを有しないすべての日についての夜間グルコースレベルを規定するためのメトリック、及び、有意なアクティビティを有する各日についての夜間グルコースレベルを規定するための複数のメトリックを生成した後、有意なアクティビティを有する各日についての夜間グルコースレベルを規定するための複数のメトリックの各々は、有意なアクティビティを有しないすべての日についてのメトリックを用いて修正される(430)。次に、有意なアクティビティを有する日についての各修正されたメトリックと、有意なアクティビティを有しないすべての日についてのメトリックとの間の相関が決定され(440)、その後、アクティビティ・レベルを所与として、決定された相関に基づいて、アクティビティ・レベルの夜間グルコースレベルにおける影響が決定され、かつ、ユーザに提示される(450)。
【0045】
図5は、本開示の一実施形態に従った夜間グルコースレベルにおける日中アクティビティの影響を決定する別のルーチンを示すフローチャートである。図5を参照すると、一実施形態において、夜間グルコースレベルにおける日中アクティビティの影響を決定するステップは、所定の期間(例えば、2週間、1ヵ月、又は他の適切な期間)にわたる有意なアクティビティを有しないすべての日についてのグルコースレベルにおける昼夜変化を規定するためのメトリックを生成するステップ(510)を含む。その後、有意なアクティビティを有する各対応する日についてのグルコースレベルにおける昼夜変化を規定するために、複数のメトリックが生成される(520)。有意なアクティビティを有する各日のグルコースレベルにおける昼夜変化についてのメトリック、及び、有意なアクティビティを有しないすべての日についてのグルコースレベルにおける昼夜変化についてのメトリックを用いて、有意なアクティビティを有する日についてのグルコースレベルにおける昼夜変化を規定する各日のメトリックは、有意なアクティビティを有しない日についてのグルコースレベルにおける昼夜変化についてのメトリックで修正される(530)。次に、有意なアクティビティを有する日についての各修正されたメトリックと、有意なアクティビティを有しないすべての日についてのメトリックとの間の相関関係が決定される(540)。決定された相関を用いて、所与のアクティビティ・レベルについて、決定された相関に基づいた夜間グルコースレベルにおけるアクティビティ・レベルの影響が決定され、ユーザに提示される(550)。
【0046】
図6は、本開示の一実施形態に従った絶対夜間グルコースレベルに基づいた特定のアクティビティについてのグルコース応答パターンの識別及び特徴付けを示すフローチャートである。図6を参照すると、モニタ130A、130B、130Cのうちの1つ以上から受信した入力データに基づいて、解析モジュール110Bのグルコース応答トレーニングユニット112(図2A)は、十分な量のデータがデータ入力インタフェース111(図2A)を介して受信されているかどうかを決定する。ある特定の実施形態では、グルコース応答パターン及び特性解析を実行するのに十分なデータ量は、有意なアクティビティを有する所定の日数及び有意なアクティビティを有しない所定の日数にわたって(集合的に「X」)受信されたデータに基づいている。ある特定の実施形態では、アクティビティの持続期間、該アクティビティ持続期間中に消費したカロリー、アクティビティの強度レベル、アクティビティが有酸素又は無酸素のアクティビティであるかどうか、又はアクティビティのタイプ(例えば、競合的なアクティビティ又は非競合的なトレーニングアクティビティ)のうちの1つ以上に基づいて、特定のアクティビティが有意なアクティビティとしての資格があるかどうかが決定される。例えば、グルコース応答トレーニングユニット112によって、ある特定の実施形態では、有意なアクティビティを有する3日及び有意なアクティビティを有しない3日についてのモニタ130A、130B、130Cのうちの1つ以上に由来する入力データが、解析のための十分な量のデータを提供すると決定される。
【0047】
代替的な実施形態では、データ充足度の決定は、データの所定の日数又はデータの量ではなく、推定される血糖パターンの確実性の度合いに基づいている。
【0048】
図6を参照すると、解析に必要とされる入力データの日数の決定を用いて(610)、グルコース応答トレーニングユニット112(図2A)は、有意なアクティビティを有しない決定された日数についてのすべての夜間グルコースメジアンレベルのメジアングルコースレベル(Gwo)を決定する(620)。ある特定の実施形態では、有意なアクティビティを有しない日数(Gwo)は、アクティビティ測定値が、所定の日中期間(12時間、18時間、又は他の適切な期間)の間に、10,000歩などの所定の閾値に満たない日数として規定される。ある特定の実施形態では、有意なアクティビティを有しない日数についてのすべての夜間グルコースメジアンレベルのメジアングルコースレベル(Gwo)は、アクティビティのタイプに応じて変動する。
【0049】
その後、図6に示されるように、有意なアクティビティを有する各日(X日目)について、デルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))が決定され(630)、ここで、デルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))は、有意なアクティビティを有する特定の日についての夜間グルコースメジアン値G(X日目)と、有意なアクティビティを有しない決定された日数についてのすべての夜間グルコースメジアンレベルのメジアングルコースレベル(Gwo)との間の差である。すなわち:
(Gデルタ(X日目))=G(X日目)-(Gwo) 。
【0050】
ある特定の実施形態では、有意なアクティビティを有しない決定された日数についてのすべての夜間グルコースメジアンレベルのメジアングルコースレベル(Gwo)(620)及び各日についてのデルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))(630)が同様に決定される。言い換えれば、ステップ620及び630は、連続して又は互いに並行して行うことができる。
【0051】
さらに図6を参照すると、有意なアクティビティを有する日(X日目)についてのメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))と、その日についてのアクティビティ・メトリック(Act(X日目))との間の相関関係が決定され(640)、該相関は、所定の関数にフィットする(650)。ある特定の実施形態では、相関関係は一次関数を含み、ここで、有意なアクティビティを有する日についてのデルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))は、アクティビティ・メトリック(Act(X日目))の一次関数である。本開示の範囲内において、相関関係には、有意なアクティビティを有する日についてのデルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))とアクティビティ・メトリック(Act(X日目))との間における、一定のオフセット関係、指数関係、対数関係、又は多項式関係が含まれる。
【0052】
ある特定の実施形態では、アクティビティ・メトリック(Act(X日目))は、ユーザ又は患者が携った特定のアクティビティについてあらかじめ決定されており、例えば、解析モジュール110Bのグルコース応答トレーニングユニット112(図2A)によって行われる入力データ分類220(図2B)に基づいている。ある特定の実施形態では、アクティビティ・メトリック(Act(X日目))は、例えば、とりわけ、アクティビティの持続期間、強度レベル、アクティビティのタイプ、アクティビティに関連する心拍データを含む、アクティビティに関連する1つ以上のパラメータに応じて変動する。ある特定の実施形態では、アクティビティ・メトリック(Act(X日目))は、1時間あたりの歩数、又は、所定の又は一定の期間にわたる歩数など、「歩速」を含む。
【0053】
ある特定の実施形態では、相関関係をデータセットにフィットさせるために、最小二乗法が適用される。例えば、有意なアクティビティを有する日についてのデルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))と、アクティビティ・メトリック(Act(X日目))との間の相関を定める直線関係についての傾き及びオフセットを決定するために、最小二乗の手法をデータセットに適用することができる。ある特定の実施形態では、夜間グルコースレベルにおける有意な運動の影響を予測又は予期するために、その後Appによって、直線関係が適用される。言い換えれば、知られている又は決定されたアクティビティ・メトリック(Act(X日目))を用いて、Appは、アクティビティ・メトリック(Act(X日目))に線形相関の傾きを乗算し、オフセットを加算することによって、有意なアクティビティを有する日についての結果的に得られるデルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))を推定し、ここで、傾き及びオフセットは、例えばベストフィット解析によって決定された、パラメータである。ある特定の実施形態では、ベストフィット解析は、モニタ(図1の130A~130C)から収集または受信されたデータセットの各修正又は追加を伴って更新される。あるいは、ある特定の実施形態では、ベストフィット解析は、所定の期間のデータセット収集の後に更新される。
【0054】
ある特定の実施形態では、有意なアクティビティを有する各日について決定される、比率(R)のセットが決定される。比率は、有意なアクティビティを有する日についてのデルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))をアクティビティ・メトリック(Act(X日目))で除算して、計算される。次に、比率のセットのメジアン値又は平均値が計算される。次いで、比率(R)のセットのメジアン値に現在のアクティビティ・メトリック(Act(X日目))を乗算することによって、アクティビティの影響が決定される。あるいは、本開示の範囲内において、例えば、比率(R)のセットを最小二乗フィットラインにフィットさせるために、最小二乗法を使用するなど、カーブフィッティングの手法が適用される。
【0055】
図6に戻ると、ある特定の実施形態では、解析に必要とされる日数(610)を、相関の質(650)によって決定することができる。例えば、ある特定の実施形態では、線形ラインフィット解析によって、このようなラインフィットを示すメトリックがもたらされる(例えば、有意なアクティビティを有する日についてのデルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))の相関係数(R)又は標準誤差の推定)。データセットは、ある特定の実施形態では、例えば(限定はしないが)R値が0.9を超える場合など、ラインフィットの質のメトリックが特定の値を超える場合、あるいは、ラインフィットに対する有意なアクティビティを有する日についてのデルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))の標準誤差が10%未満である場合に、十分であると決定される(610)。ラインフィットが無効であると決定された場合には、ある特定の実施形態では、Appは、データセットの解析を継続(すなわちトレーニングを継続)するように構成され、各日について、ラインフィットが有効かどうかを決定するために、更新される。ラインフィットが有効と決定された場合、次に、解析結果は、ある特定の実施形態では、例えば、解析モジュール110Bのデータ出力インタフェース113(図2A)においてユーザに提示される。
【0056】
非限定的な例として、以下の表1は、本開示のある特定の実施形態に従ってアクティビティとされる歩数を使用する、グルコース応答パターンの識別及び特徴付けのために収集されたデータセットを示している。
【0057】
【表1】
【0058】
上記表1から、2週間にわたり、アクティビティを有する日(例えば、24時間以内に10000歩、歩いたなど、閾値レベルを超える歩数として決定される)は、1、4、5、6、9、及び13日目を含む、6日、存在したことが分かる。2週間の間に、2、3、7、8、10、11、及び12日目を含む8日は、アクティビティを有しなかった(24時間以内に10000歩の閾値レベル未満の歩数として決定される)ことも分かる。
【0059】
14日間の各々についての日中メジアングルコースレベル、及び、14日間の各々についての対応する夜間メジアングルコースレベルを所与として、有意なアクティビティを有しない日についてのすべての夜間メジアングルコースレベルのメジアングルコースレベル(Gwo)は、表1の2、3、7、8、10、11、及び12日目の夜間メジアングルコースレベルのメジアン値を取ることによって決定され、これは、143.5mg/dLである。さらには、アクティビティを有する各日(例えば、1、4、5、6、9、及び13日目)については、デルタメジアングルコース(Gデルタ(X日目))は、対応する夜間メジアングルコースレベル(G(X日目))から143.5mg/dLと決定された有意なアクティビティを有しない日についてのすべての夜間メジアングルコースレベルのメジアングルコースレベル(Gwo)を減算することによって決定される。例えば、1日目(アクティビティあり)については、デルタメジアングルコース(Gデルタ(1日目))は、117mg/dLから143.5mg/dL(有意なアクティビティを有しない日についてのすべての夜間メジアングルコースレベルのメジアングルコースレベル(Gwo))を減算し、その結果、-26.5のデルタメジアングルコース(Gデルタ(1日目))が得られる。同様に、4日目(アクティビティあり)については、デルタメジアングルコース(Gデルタ(4日目))は、-18.5である(125mg/dLから143.5mg/dLを減算)。5日目(アクティビティあり)については、デルタメジアングルコース(Gデルタ(5日目))は、-32.5である(111mg/dLから143.5mg/dLを減算)。6日目(アクティビティあり)については、デルタメジアングルコース(Gデルタ(6日目))は、-23.5である(120mg/dLから143.5mg/dLを減算)。9日目(アクティビティあり)については、デルタメジアングルコース(Gデルタ(9日目))は、-12.5である(131mg/dLから143.5mg/dLを減算)。最後に、13日目(アクティビティあり)については、デルタメジアングルコース(Gデルタ(13日目))は、-38.5である(105mg/dLから143.5mg/dLを減算)。
【0060】
上述のように決定されたアクティビティを有する各日についてのデルタメジアングルコース(Gデルタ(X日目))を用いて、アクティビティを有する各日についての対応するR値は、決定されたデルタメジアングルコース(Gデルタ(X日目))を、アクティビティを有する対応する日についてのアクティビティ・メトリック(Act(X日目))で除算することによって決定される。例えば、1日目についてのR値は、-0.002である(-26.5を12,503歩(1日目についてのアクティビティ・メトリック)で除算)。このように、アクティビティを有する日についてのR値が決定され、結果として得られた値が(対応するデルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目)とともに)下記表2に示されている。
【0061】
【表2】
【0062】
上記表2に示されるように決定されたデータセットに基づいて、以下のグラフ1に示されるように、対応するR値に対し、アクティビティを有する日について、ラインフィット解析が行われる:
【0063】
あるいは、R値のメジアン値又は平均値を用いて、血糖パターンを表すことができる。さらには、以下のグラフ2に示されるように、アクティビティ・レベル(歩数)に関し、デルタメジアングルコース(Gデルタ(X日目))について、ラインフィット解析を行うこともできる:
【0064】
ここで、相関値(R)は0.9125であることが分かり、許容される相関を実証しており、ラインフィット解析は、-0.0026の傾きとともに10.811のオフセットが与えられている。この線は血糖パターンを表している。
【0065】
グラフ2を使用して、ユーザが、15,000歩を生じる特定のアクティビティを実施することを決定した場合、ラインフィット解析から、このようなアクティビティが、およそ28mg/dLのグルコースレベルの低下をもたらすことが分かる。この情報を用いて、ユーザが、より厳しい血糖制御を維持することを望んでおり、15,000歩の実施によって、グルコースレベルがおよそ28mg/dL低下することが知られている場合、ユーザは、例えば、アクティビティに携わる前又はその間のいずれかに、さらなる食物及び/又は飲料を摂取することによって、アクティビティ(例えば、15,000歩)の影響に対抗する積極的な行動をとることができる。
【0066】
代替的な実施形態では、アクティビティ・メトリックは、2つの値、すなわち、有意なアクティビティ又は有意ではないアクティビティに変換される。この事例において、夜間グルコースメジアンレベルは、有意なアクティビティを有する日又は有しない日のいずれかに関連しており、ここで、有意なアクティビティは、アクティビティ測定値が所定の閾値(例えば、その日について10,000歩を超える歩数)を超えるときと規定されている。より詳細には、表1を参照すると、有意なアクティビティの日(1、4、5、6、9、及び13日目)に関連するすべての夜間についてのメジアングルコースは118.5mg/dLと決定されるとともに、有意ではないアクティビティの日(2、3、7、8、10、11、12、及び14日目)に関連するすべての夜間についてのメジアングルコースレベルは143.5mg/dLと決定される。次に、118.5mg/dL(有意なアクティビティの日に関連するすべての夜間についてのメジアングルコース)から143.5mg/dL(有意ではないアクティビティの日に関連するすべての夜間についてのメジアングルコースレベルとして)を除算することによって、メジアンアクティビティの低下が決定され、その結果、-25mg/dLが得られる。したがって、パーセンテージでのメジアン低下は17.42%である(-25mg/dLを143.5mg/dLで除算)。この手法において、十分な日数のデータセットが収集されているかどうかについては、2つの異なる集団の平均値が異なっているかどうかを決定するための標準的な統計テストを使用して決定することができる。例えば、各メジアン夜間グルコースの決定(アクティビティあり及びなし)の標準偏差が、例えば20mg/dLなどの所定の閾値未満であることを確認することによって。表1を参照すると、有意なアクティビティを有する日(1、4、5、6、9、及び13日目)についての標準偏差は8.864mg/dLであるのに対し、有意なアクティビティを有しない日(2、3、7、8、10、11、12、及び14日目)についての標準偏差は7.08mg/dLである。
【0067】
再び図を参照すると、上述のグルコース応答パターンの識別及び特徴付けを用いて、Appは、ある特定の実施形態では、その後の有意なアクティビティが検出されたときに、ユーザに次のように出力するように構成される:「有意なアクティビティを有する日は、夜間グルコースレベルが、有意なアクティビティを有しない日よりも25mg/dL低い傾向にあります」。あるいは、この結果は、この例では、17%低くなるというパーセンテージで表示されてもよい。本開示の範囲内において、上述の技法は、3つ又は4つのレベルなど、あらゆるレベルの量子化に拡張することができる。
【0068】
ある特定の実施形態では、上述のルーチンを図6と組み合わせて使用して、解析モジュール110Bのグルコース応答トレーニングユニット112(図2A)は、特定のパラメータを用いて特定のアクティビティに対する一貫性のあるグルコース応答を識別する。次に、ユーザ又は患者は、この情報を使用して、治療プロトコル、摂取した食事、又はアクティビティのタイプを修正又は調整し、基礎的生理学的状態を踏まえて、厳密な血糖制御を維持し、かつ、健康状態を改善する。
【0069】
図7は、本開示の一実施形態に従った昼夜グルコースレベル変化に基づいた特定のアクティビティについてのグルコース応答パターンの識別及び特徴付けを示すフローチャートである。図7を参照すると、図5のステップ510と同様に、モニタ130A、130B、130Cのうちの1つ以上から受信した入力データに基づいて、解析モジュール110Bのグルコース応答トレーニングユニット112(図2A)は、十分な量のデータがデータ入力インタフェース111(図2A)を介して受信されているかどうかを決定する(710)。次に、解析モジュール110Bのグルコース応答トレーニングユニット112は、有意なアクティビティを有しない日(十分な量のデータを提供するように決定された日数)についてのグルコースメジアンにおけるすべての昼夜変化(Gd2n(X日目))のメジアン値(Gwo(デルタ))を決定する(720)。
【0070】
より詳細には、第2の所定の期間帯(例えば、10am~6pm)にわたるメジアングルコースレベル(G夜間(X日目))(720)から第1の所定の期間帯(例えば、8am~10pm)にわたるメジアングルコースレベル(G日中(X日目))を減算することによって、有意なアクティビティを有しない各グルコースメジアンにおける昼夜変化(Gd2n(X日目))が決定される。すなわち:
(Gd2n(X日目))=G夜間(X日目)-G日中(X日目) 。
【0071】
本開示の範囲内において、第1及び第2の所定の期間帯についての期間及び範囲は、一方が他方より長くなるように、あるいは、2つの期間が同じ長さになるように、変動させて差し支えない。ある特定の実施形態では、各日についての第1及び第2の所定の期間は、食事事象又は患者に関連する他の指標など、特定の事象に基づいて決定される。
【0072】
図7に戻ると、決定された、有意なアクティビティを有しない日についてのメジアングルコースにおけるすべての昼夜変化のメジアン値(Gwo(デルタ))(720)を用いて、グルコース応答トレーニングユニット112は、ある特定の実施形態では、有意なアクティビティを有しないグルコースメジアンにおける昼夜変化(Gd2n(X日目))から有意なアクティビティを有しない日についてのグルコースメジアンにおけるすべての昼夜変化のメジアン値(Gwo(デルタ))を減算することによって、デルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))を決定する(730)。ある特定の実施形態では、有意なアクティビティを有しない日についてのメジアングルコースにおけるすべての昼夜変化のメジアン値(Gwo(デルタ))(720)と、有意なアクティビティを有する各日についてのデルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目)(730)とが、逐次的ではなく同時に決定される。代替的な実施形態では、有意なアクティビティを有する各日についてのデルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))(730)は、有意なアクティビティを有しない日についてのメジアングルコースにおけるすべての昼夜変化のメジアン値(Gwo(デルタ))(720)より前に決定されてもよい。
【0073】
その後、有意なアクティビティを有する各日(X日目)についてのデルタメジアングルコース(Gデルタ(X日目))とアクティビティ・メトリック(Act(X日目))との間の相関関係が決定される(740)。図6と組み合わせて行われたルーチンと同様に、ある特定の実施形態では、アクティビティ・メトリック(Act(X日目))は、ユーザ又は患者が携わる特定のアクティビティについてあらかじめ決定され、そのようなものとして、解析モジュール110Bのグルコース応答トレーニングユニット112(図2A)によって行われる、入力データ分類(図2B)に基づいていてもよい。同様に、ある特定の実施形態では、アクティビティ・メトリック(Act(X日目))は、例えば、アクティビティの持続期間、強度レベル、アクティビティタイプ、アクティビティに関連する心拍データを含む、アクティビティに関連する1つ以上のパラメータに応じて変動する。
【0074】
この場合もまた、図6と組み合わせて実行されるルーチンと同様に、図7を参照すると、有意なアクティビティを有する日(X日目)についてのデルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))と、その日についてのアクティビティ・メトリック(Act(X日目))との間の相関関係がひとたび決定されると(740)、例えば、有意なアクティビティを有する日についてのデルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))がアクティビティ・メトリック(Act(X日目))の一次関数として表される場合の相関関係は、有意なアクティビティの日についての次の夜間の有意なアクティビティを有する日についてのデルタメジアングルコースレベル(Gデルタ(X日目))の推定値を生成するために用いられ、解析結果がユーザに表示される。すなわち、相関は、所定の関数にフィットし(750)、結果的に得られる関係がユーザに出力される。
【0075】
例えば、表1に示されるデータセットを参照すると、有意なアクティビティを有しない日についてのグルコースメジアンにおけるすべての昼夜変化のメジアン値(Gwo(デルタ))は、-1.5である。これは、有意なアクティビティを有しないグルコースメジアンにおけるすべての昼夜変化のメジアン値(Gd2n(X日目))を決定することによって誘導される。すなわち、表1から、有意なアクティビティを有しない各日(2、3、7、8、10、11、12、及び14日目)について、グルコースメジアンにおけるメジアン昼夜変化(Gd2n(X日目))は、夜間グルコースレベルから日中メジアングルコースレベルを減算することによって決定される。例えば、2日目についてのグルコースメジアンにおける昼夜変化のメジアン値(Gd2n(2日目))は-14mg/dL(142mg/dL-156mg/dL)である。3日目についてのグルコースメジアンにおける昼夜変化のメジアン値(Gd2n(3日目))は8mg/dL(150mg/dL-142mg/dL)である。7日目についてのグルコースメジアンにおける昼夜変化のメジアン値(Gd2n(7日目))は17mg/dL(160mg/dL-143mg/dL)である。8日目についてのグルコースメジアンにおける昼夜変化のメジアン値(Gd2n(8日目))は6mg/dL(151mg/dL-145mg/dL)である。10日目についてのグルコースメジアンにおける昼夜変化のメジアン値(Gd2n(10日目))は1mg/dL(140mg/dL-139mg/dL)である。11日目についてのグルコースメジアンにおける昼夜変化のメジアン値(Gd2n(11日目))は-22mg/dL(139mg/dL-161mg/dL)である。12日目についてのグルコースメジアンにおける昼夜変化のメジアン値(Gd2n(12日目))は-11mg/dL(144mg/dL-155mg/dL)である。最後に、14日目についてのグルコースメジアンにおける昼夜変化のメジアン値(Gd2n(14日目))は-4mg/dL(143mg/dL-147mg/dL)である。これは下記表3に示されている。
【0076】
【表3】
【0077】
-1.5と決定された有意なアクティビティを有しない日についてのグルコースメジアンにおけるすべての昼夜変化のメジアン値(Gwo(デルタ))を用いて、有意なアクティビティを有する各日について、各日についてのグルコースメジアンにおける昼夜変化のメジアン値から、有意なアクティビティを有しない日についてのグルコースメジアンにおけるすべての昼夜変化のメジアン値(Gwo(デルタ))を減算することによって、デルタメジアングルコース(Gデルタ(X日目))を決定することができる。これは、下記表4に示されている。
【0078】
【表4】
【0079】
表4から分かるように、有意なアクティビティを有する各日については、対応するR値は、決定されたデルタメジアングルコース(Gデルタ(X日目))をアクティビティを有する対応する日についてのアクティビティ・メトリック(Act(X日目))で除算することによって決定される。
【0080】
加えて、ある特定の実施形態では、一次関数ではなく、有意なアクティビティを有する各日について決定された比率(R)のセットが生成される。比率Rは、有意なアクティビティを有する各日についてのデルタメジアングルコース(Gデルタ(X日目))を、対応するアクティビティ・メトリック(Act(X日目))で除算することによって、決定される。比率Rのセットのメジアン値又は平均値が、次に、決定される(この事例において、有意なアクティビティを有する日についてのR値のメジアン値は、-0.00199553198802936である)。次に、アクティビティの影響を、メジアン値Rと現在のアクティビティ・メトリック(Act(X日目))とを積算することによって決定することができる。あるいは、カーブフィッティングの手法を、比率(R)のセットを直線にフィットさせるように例えば最小二乗を使用して、適用することができる。
【0081】
下記グラフ3は、アクティビティを有する日に対してプロットしたR値を示している。
【0082】
あるいは、R値のメジアン値又は平均値を用いて、血糖パターンを表すことができる。さらには、デルタメジアングルコース(Gデルタ(X日目))をアクティビティ・メトリック(Act(X日目))に対してプロットして、ラインフィット解析を行うことができ、結果として以下のグラフ4に示されるプロットが得られる。
【0083】
グラフ4に示されるラインフィット解析から、相関係数Rはおよそ0.86であり、オフセットはラインフィットについて2.687であり、傾きは-0.0022である。グラフ4に示される解析を用いて、15,000歩を含むアクティビティに携わることを希望するユーザは、グラフ4から、このようなアクティビティが、およそ30mg/dLのグルコースレベルの低下を生じることを確認することができる。あるいは、Appは、一次方程式に日中のアクティビティを入力することによってその後の夜間Gデルタ(X日目)を評価する、ルーチンを含む。ユーザは、次に、アクティビティの結果として生じる予測されるグルコースレベルの低下をより良好に制御するために、適切な行動をとる(アクティビティ中又はアクティビティ前にさらなる食物/飲料を摂取する)ように決定することができる。
【0084】
別の実施形態では、アクティビティ・メトリック(Act(X日目))を2つの値、すなわち、有意なアクティビティ又は有意ではないアクティビティに分類することができる。このような事例では、夜間グルコースメジアン値は、有意なアクティビティの日、又は有意なアクティビティを有しない日のいずれかに関連し、アクティビティ測定値が所定の閾値を超える(例えば、日中期間に10,000歩を超える)場合に、有意なアクティビティと決定される。有意なアクティビティを有する日に関連するすべての夜間についてのメジアングルコースレベルにおけるメジアン昼夜変化(Gd2n(X日目))が決定され、並びに、有意ではないアクティビティを有する日に関連するすべての夜間についてのメジアングルコースレベルにおけるメジアン昼夜変化(Gd2n(X日目))が決定され、次に、メジアンアクティビティの低下が決定される。データ充足度は、ある特定の実施形態では、例えば、各メジアン値の計算の標準誤差が、20mg/dLなどの所定の閾値未満であることを検証することによって、統計的手法を使用して決定される。
【0085】
例えば、有意なアクティビティを有する日に関連するすべての夜間についてのメジアングルコースレベルにおけるメジアン昼夜変化(Gd2n(X日目))は、-28.5mg/dLと決定される(1、4、5、6、9、及び13日目についての、それぞれ、-26、-25、-35、-31、-18、及び-39である、メジアングルコースレベルにおける昼夜変化のメジアン値をとる)とともに、有意ではないアクティビティを有する日に関連するすべての夜間についてのメジアングルコースレベルにおけるメジアン昼夜変化(Gd2n(X日目))は、-1.5mg/dLと決定される(2、3、7、8、10、11、12、及び14日目についての、それぞれ、-14、8、17、6、1、-22、-11、及び-4である、メジアングルコースレベルにおける昼夜変化のメジアン値をとる)。このことから、グルコースレベルにおけるメジアン値の低下を、-27mg/dLと決定することができる(-28.5mg/dLから-1.5mg/dLを減算する)。
【0086】
この事例において、解析結果は、その後の有意なアクティビティが検出される場合に、Appによってユーザに次のように表示される:「有意なアクティビティを有する日については、グルコースレベルは、有意なアクティビティを有しない日よりも27mg/dL低い傾向にあります」。本開示の範囲内において、解析は、3つまたは4つのレベルなど、あらゆるレベルの量子化に拡張することができる。
【0087】
図8は、本開示の一実施形態に従った昼夜グルコースレベル比率に基づいた特定のアクティビティについてのグルコース応答パターンの識別及び特徴付けを示すフローチャートである。図8を参照すると、図8に示されるルーチンと比較した、図7と組み合わせた解析モジュール110Bのグルコース応答トレーニングユニット112(図2A)によって実行されたルーチンとの差異は、有意なアクティビティを有しない日についてのグルコースメジアンレベルにおけるすべての昼夜変化(Gd2n(X日目))のメジアン値(Gwo(デルタ))(図7のステップ720)を使用する代わりに、図8におけるルーチンは、解析に必要とされるデータの日数が決定された後に(810)、有意なアクティビティを有しない日についてのグルコースメジアンレベルにおけるすべての昼夜比(Gd2nr(X日目))のメジアン値(Gwod2nr)を決定する(820)ことである。ある特定の実施形態では、有意なアクティビティを有しない日についてのグルコースメジアンレベルにおける昼夜比(Gd2nr(X日目))は、第2の所定の期間帯(例えば、10pm~6am)にわたるメジアングルコースレベル(G夜間(X日目))を、第1の所定の期間帯(例えば、8am~10pm)にわたるメジアングルコースレベル(G日中(X日目))で除算することによって、決定される。すなわち:
(Gd2nr(X日目))=G夜間(X日目)/G日中(X日目) 。
【0088】
図8に戻ると、有意なアクティビティを有しない日についてのグルコースメジアンレベルにおけるすべての昼夜比(Gd2nr(X日目))のメジアン値(Gwo(デルタ))が決定される。解析モジュール110Bのグルコース応答トレーニングユニット112は、次に、有意なアクティビティを有する各日について、有意なアクティビティを有する各日についての昼夜比(Gd2nr(X日目))の各々から、有意なアクティビティを有しない日についてのグルコースメジアンレベルにおけるすべての昼夜比のメジアン値(Gwo(デルタ))を減算することによって、デルタメジアングルコース(Gデルタ(X日目))を決定する(830)。ある特定の実施形態では、解析に必要とされるデータの日数の決定後(810)、有意なアクティビティを有しない日についてのグルコースメジアンにおけるすべての昼夜比(Gd2nr(X日目))のメジアン値(Gwo(デルタ))(820)、並びに、有意なアクティビティを有する各日についてのデルタメジアングルコース(Gデルタ(X日目))(830)が、逐次的ではなく同時に決定される。
【0089】
再び図8を参照すると、図7のステップ740と同様に、各日についてのデルタメジアングルコース(Gデルタ(X日目))とアクティビティ・メトリック(Act(X日目))との間の相関関係が決定される(840)。この相関関係は、有意なアクティビティ後の夜間の昼夜グルコースレベルの比率における、比率低下を示唆している。有意なアクティビティを有する日についてのアクティビティ・メトリック(Act(X日目))に対するデルタメジアングルコース(Gデルタ(X日目))の相関は、所定の関数にフィットし(850)、結果的に得られる相関情報がユーザに出力される。
【0090】
上記表1に示されるデータセットを再び参照すると、図8と組み合わせて説明される解析は、以下の表5に示されるように有意なアクティビティを有しない日のグルコースメジアンレベルにおける昼夜比のメジアン値に基づいて、0.989991680125287とする、グルコースメジアンレベルにおけるすべての昼夜比のメジアン値(Gwod2nr)が結果的に得られる:
【0091】
【表5】
【0092】
次に、以下の表6に示されるように、有意なアクティビティを有する各日についてのメジアンレベルグルコースの比率(Gactd2nr(X日目))は、有意なアクティビティを有する各日についてのグルコースメジアン値における昼夜比(Gd2nr(X日目))を、0.989991680125287のグルコースメジアンレベルにおける各昼夜比のメジアン値(Gwod2nr)で除算することによって、決定することができる。
【0093】
【表6】
【0094】
表6から、有意なアクティビティを有する日についてのメジアングルコース比のメジアン値(Gactd2nr(X日目))を、0.814595と決定することができる。あるいは、以下のグラフ5に示されるように、有意なアクティビティを有する日についてのアクティビティ・メトリック(Act)に対してメジアングルコース比(Gactd2nr(X日目))をプロットすることによって、ラインフィット解析を行うことができる。
【0095】
グラフ5に由来する相関係数R2は、約0.89であり、オフセットは約1.03であり、傾きは-0.00002(2E-05)であることが分かる。
【0096】
図9は、本開示の一実施形態に従ったトレーニング及び通知のためのプロセスフローを示している。図9を参照すると、ある特定の実施形態において、例えば、上で図4~8と組み合わせて述べたデータ解析トレーニングが、1日1回などの所定の期間間隔で、受信された入力データセットにおいて行われる(910)。毎回、ルーチンが実行されて、取得された新しいデータセットが、維持されかつデータ解析トレーニングに用いられるデータセットに加えられ、例えばアクティビティと今後のグルコースレベル(例えば、夜間グルコースレベル)との間の相関関係が決定される。
【0097】
図9に戻ると、トレーニングデータセットに新しいデータセットを追加すること(910)に加えて、毎回、データ解析トレーニングルーチンが実行され、90日以上前、又は180日以上前、又は他のいずれかの適切な期間のデータなど、古いデータがトレーニングセットから除去される(920)。これにより、データ解析トレーニングルーチンが、データセットを送達するユーザの変化する生理学に適合可能になる(「忘却」)。ある特定の実施形態では、「忘却」サブルーチンは実行されてもよいし、随意的であってもよい。データ解析トレーニングプロセスが結論付けられると(930)、トレーニング充足性が、例えば、相関関係の「フィット」に関連する不確実性のメトリックが所定の閾値未満になるように、図4~8と組み合わせて上述したようにチェックされる(940)。そのトレーニングが十分であると決定された場合(940)、次に、結果の通知が生成及び出力される(950)。しかしながら、トレーニングが不十分であったと決定された場合には、通知は生成又は出力されない。あるいは、ある特定の実施形態では、Appがトレーニングが不十分であったと決定したときには通知は提供されずに、トレーニングがまだ不十分であることを示す通知が提供されてもよい。
【0098】
図10は、本開示の別の実施形態に従ったトレーニング及び通知のためのプロセスフローを示している。図10に示されるように、データ解析トレーニング及び通知ルーチンは、「忘却」特徴(920)がトレーニングデータセットのリセット又は消去(1010及び1020)に置き換えられた、図9に示され記載されているルーチンに類似している。図10を参照すると、ルーチンのリセットの開始(1010)及びトレーニングデータセットの消去(1020)は、ある特定の実施形態では、トレーニングルーチンをリセットするために、例えば、Appのユーザインタフェース上で、入力ボタンの起動に応答して実行される。ある特定の実施形態では、ユーザは、Appが学習した、アクティビティと今後のグルコースレベルとの間の相関関係を更新するように、ルーチンのリセットを開始し(1010)、トレーニングデータセットを消去する(1020)。
【0099】
図10を参照すると、リセットが開始されると、データトレーニング及び通知ルーチンは、その後定期的に呼び出され、図9に示されるルーチンと同様に、新しいデータセットがトレーニングデータセットに追加され(1030)、トレーニングプロセスが完了(1040)した後、トレーニングが十分であるかどうかが決定される(1050)。トレーニングが十分であると決定された場合、Appは、ある特定の実施形態では、通知を生成し、ユーザに出力する(1060)。トレーニングが不十分であると決定された場合には(1060)、通知はユーザに提示されないか、あるいは、トレーニングが不十分であったことを示す通知がAppによって生成され、ユーザに提示される。
【0100】
本開示の範囲内において、リセット/消去するトレーニングデータセット(図10の1010~1020)の特徴と「忘却」の特徴(図9の920)とを同じ解析ルーチン内に含めた、図9及び10と組み合わせて説明されるデータセットトレーニング及び通知ルーチンに対する修正が予定されている。また、ある特定の実施形態では、リセットは、例えば1年に1回など、定期的に生じる。あるいは、ある特定の実施形態では、リセットは、トレーニングが有効な通知を提供した後(すなわち、トレーニングが十分であったと決定されたとき)に生じる。
【0101】
記載される態様において、本開示の実施形態に従って、1型糖尿病患者、2型糖尿病患者、並びに前糖尿病患者に、毎日のルーチンに携わりつつ、生理学的状態をモニタするためのツールが供給され、経時的に、例えばユーザ又は患者の携帯電話上で実行可能なAppが、ユーザ又は患者のグルコースレベルの変動に影響を与えうるさまざまなタイプのアクティビティ及びパラメータに対し、一貫性のあるグルコース応答を提供する。このようなツールは、ユーザ又は患者が、特定の食物、運動又はアクティビティがグルコースレベルの変動にどのように影響を与えるかを知って、食物、運動ルーチン、又は他の日常アクティビティを修正し、かつ、所望の血糖制御を維持し、有害な血糖上昇を回避するように積極的に行動できるようにする。
【0102】
本開示の実施形態は、特定のアクティビティを検出し、データ収集をより堅固にするために、検出されたアクティビティに関する追加の情報の入力をユーザ又は患者に促すことを含めた、データ収集の態様を含む。例えば、アクティビティモニタ130Aを使用して、携帯電話110上で実行されるAppが所定の期間について継続的な運動を検出した場合、Appは、ある特定の実施形態では、検出されたアクティビティが生じていることを確認すること、及び/又は、検出されたアクティビティに関する追加の情報を加えることのいずれかをユーザ又は患者に指示するために、クエリを生成してユーザインタフェース110Aに出力するように構成される(この指示は、ある特定の実施形態では、アクティビティの終了の検出時に生成されてユーザインタフェース110Aに出力されてもよい)。
【0103】
このように、本開示の実施形態によれば、生理学的又は他のパラメータ及びアクティビティに対する一貫性かつ信頼性のあるグルコース応答を提供するために、堅固な生理学的パラメータモニタリングシステム及び動的グルコース応答パターンが提供される。
【0104】
本開示の構造及び動作方法におけるさまざまな他の修正及び変形は、本開示の実施形態の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者にとって明白であろう。本開示は特定の実施形態に関連して記載されているが、特許請求される本開示は、このような特定の実施形態に過度に制限されるべきではないことが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は、本開示の範囲を定めており、特許請求の範囲及びその等価物の範囲内にある構造及び方法にも及ぶことが意図されている。
【符号の説明】
【0105】
100 グルコース応答データ解析システム
110 携帯電話
110A ユーザインタフェース
110B 解析モジュール
130A アクティビティモニタ
130B 心拍モニタ
130C グルコースモニタ
140 データネットワーク
150 サーバ
111 データ入力インタフェース
112 グルコース応答トレーニングユニット
113 データ出力インタフェース
210 受信した入力データ
220 分類/更新
230 グルコース応答プロファイルの出力
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10