(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】ポリウレタン発泡体のアルデヒド排出量を減少させるための方法
(51)【国際特許分類】
C08G 18/00 20060101AFI20231206BHJP
C08G 18/32 20060101ALI20231206BHJP
C08G 18/38 20060101ALI20231206BHJP
C08G 101/00 20060101ALN20231206BHJP
【FI】
C08G18/00 L
C08G18/32 071
C08G18/38 019
C08G101:00
(21)【出願番号】P 2021504455
(86)(22)【出願日】2018-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2018098383
(87)【国際公開番号】W WO2020024233
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】タン、チョンミン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ホンリアン
(72)【発明者】
【氏名】ツォウ、チャン
(72)【発明者】
【氏名】フォン、シャオカン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、テカン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ピン
【審査官】前田 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-502111(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106947043(CN,A)
【文献】特表2010-533753(JP,A)
【文献】特開平10-067839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G
C08L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタン発泡体を生成するための方法であって、芳香族ポリイソシアネート、少なくとも2の平均官能価および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの触媒を含有する反応混合物を形成することと、前記反応混合物を、(i)少なくとも1つのアセト酢酸エステルまたはアミド、ならびに(ii)少なくとも1つのアミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミンの存在下で硬化させて、前記ポリウレタン発泡体を形成することと、を含み、
前記アセト酢酸エステルまたはアミドは、トリメチロールプロパンモノ-、ジ、またはトリアセト酢酸エステル、トリメチロールエタンモノ-、ジ-、またはトリアセト酢酸エステル、トリメトキシメタンモノ-、ジ-、またはトリアセト酢酸エステル;エチレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル;1,2-プロピレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、1,3-プロピレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、ペンタエリスリトールモノ-、ジ-、トリ-、またはテトラアセト酢酸エステル、グリセリンモノ-、ジ、またはトリアセト酢酸エステル、ジエチレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、ジプロピレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、トリエチレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、エリスリトールモノ-、ジ-、トリ-、またはテトラアセト酢酸エステル、n-ヘキサンモノ-、ジ、トリ、テトラ、ペンタ-、またはヘキサアセト酢酸エステル、ソルビトールモノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、またはヘキサアセト酢酸エステル、1,4-ブタンジオールモノ-またはジアセト酢酸エステル、およびAcacN
HPhのうちの1つ以上であり、
前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンは、2-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-1-メチル-1,3-プロパンジオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、エタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール、モノ-sec-ブタノールアミン、ジ-sec-ブタノールアミン、N-イソプロピルヒドロキシルアミン、エチルヒドロキシルアミン、メチルヒドロキシルアミン、N-ブチルヒドロキシルアミン、およびsec-ブチルヒドロキシルアミンの1つ以上から選択される
方法。
【請求項2】
ポリウレタン発泡体からのアルデヒド排出量を減少させるための方法であって、a)(i)少なくとも1つのアセト酢酸エステルまたはアミドと、(ii)少なくとも1つのアミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミンとを、少なくとも2の平均官能価および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料と組み合わせて、混合物を形成することと、次に、b)工程a)からの前記混合物を、少なくとも1つの有機ポリイソシアネートと組み合わせ、得られる反応混合物を、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの触媒の存在下で硬化させて、ポリウレタン発泡体を形成することと、を含み、
前記アセト酢酸エステルまたはアミドは、トリメチロールプロパンモノ-、ジ、またはトリアセト酢酸エステル、トリメチロールエタンモノ-、ジ-、またはトリアセト酢酸エステル、トリメトキシメタンモノ-、ジ-、またはトリアセト酢酸エステル;エチレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル;1,2-プロピレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、1,3-プロピレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、ペンタエリスリトールモノ-、ジ-、トリ-、またはテトラアセト酢酸エステル、グリセリンモノ-、ジ、またはトリアセト酢酸エステル、ジエチレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、ジプロピレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、トリエチレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、エリスリトールモノ-、ジ-、トリ-、またはテトラアセト酢酸エステル、n-ヘキサンモノ-、ジ、トリ、テトラ、ペンタ-、またはヘキサアセト酢酸エステル、ソルビトールモノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、またはヘキサアセト酢酸エステル、1,4-ブタンジオールモノ-またはジアセト酢酸エステル、およびAcacN
HPhのうちの1つ以上であり、
前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンは、2-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-1-メチル-1,3-プロパンジオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、エタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール、モノ-sec-ブタノールアミン、ジ-sec-ブタノールアミン、N-イソプロピルヒドロキシルアミン、エチルヒドロキシルアミン、メチルヒドロキシルアミン、N-ブチルヒドロキシルアミン、およびsec-ブチルヒドロキシルアミンの1つ以上から選択される
方法。
【請求項3】
前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンが、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンおよびエタノールアミンの1つ以上から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記アセト酢酸エステルまたはアミドが、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物の100重量部あたり、0.02~0.25重量部の量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミン化合物が、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物の100重量部あたり、0.05~0.25重量部の量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記反応混合物が、抗酸化剤の存在下で硬化される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記抗酸化剤が、フェノール化合物である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記抗酸化剤が、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物の100重量部あたり、0.2~1.5重量部の量で存在する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記アセト酢酸エステルまたはアミンが、トリメチロールプロパントリアセト酢酸エステルである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンが、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アセト酢酸エステルまたはアミドが、トリメチロールプロパントリアセト酢酸エステルおよびAcacN
HPhの1つ以上から選択され、
前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンが、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンおよびエタノールアミンの1つ以上から選択される
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低レベルのアルデヒド排出量を示すポリウレタン、およびそのようなポリウレタンを生成するための方法に関する。
【0002】
ポリウレタン発泡体は、様々なオフィス、住居および車両で使用されている。例えば、家電製品ならびに、寝具および家具のクッション材として使用されている。自動車およびトラックでは、ポリウレタンは、シートクッション材として、ヘッドレスト、ダッシュボードおよびインストルメントパネル、アームレスト、ヘッドライナーおよびその他の用途で使用されている。
【0003】
これらのポリウレタンは、多くの場合、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、およびプロピオンアルデヒドなどの様々なレベルのアルデヒドを排出する。これらの発泡体のセル構造のため、発泡体に含有されるアルデヒドは容易に大気中に排出される。これは、特に人または動物が密閉された空間内のその材料に曝露されている場合に、臭気の懸念および曝露の懸念を提示する可能性がある。車両製造元は、車、トラック、列車、および航空機の客室で使用されている材料からの排出量に対して、より厳しい制限を課している。
【0004】
様々なタイプの材料からのアルデヒド放出物を低減するために捕捉剤が使用されることがある。ポリウレタン分野では、例えば、抗酸化剤およびヒンダードアミン光安定剤(HALS)をポリオールに添加してアルデヒドを削減することを国際公開第2006/111492号が記載している。国際公開第2009/114329号は、それぞれポリオールおよびポリイソシアネート、ならびにそれらの材料から製造されたポリウレタン中のアルデヒドを削減するために、ポリオールを特定の種類のアミノアルコールで処理し、そしてポリイソシアネートを特定のニトロアルカンで処理することを記載している。特開2005-154599号は、ポリウレタン製剤にアルカリ金属水素化ホウ素を添加することを、その目的として記載している。米国特許第5,506,329号は、ポリイソシアネート含有配合物からのホルムアルデヒドを捕捉するための特定のアルジミンオキサゾリジン化合物の使用を記載し、織物および合板用途でのホルムアルデヒド捕捉剤としてのニトロアルカンおよびアミノアルコールを記載している。
【0005】
部分的にはポリウレタン発泡体中に存在するアルデヒドが必ずしも発泡体を作製するのに使用される原材料から運び込まれるわけではないため、これらのアプローチは限られた利点を提供する。特に、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドは、硬化中、または発泡体が紫外線、高温または他の条件にさらされた後に、形成される。加えて、ホルムアルデヒドの排出量に対する有効な対策が、アセトアルデヒドまたはプロピオンアルデヒドの排出量に対しても常に有効であるとは限らず、その逆も同じである。場合によっては、アセトアルデヒド排出量の減少に効果的な対策が実際には、ホルムアルデヒド排出量の増加を引き起こす可能性がある。出願人はさらに、HALSの存在が多くの場合、ホルムアルデヒド放散、アセトアルデヒド放散、またはその両方の増加をもたらすことを発見した。
【0006】
国際特許出願第PCT/CN2017/073764号は、ポリウレタン発泡体からのアルデヒド排出量を減少させるために、特定の抗酸化剤と共にアミノアルコールを使用することを記載する。この組み合わせは、ある程度の改善を提供するが、アルデヒド排出量のより大幅な減少が望まれる。
【0007】
したがって、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、およびプロピオンアルデヒドの排出量を効果的かつ経済的に減少させるための方法が求められている。好ましくは、この方法は、ポリウレタンの特性または性能に大きな変化をもたらさないことが望まれる。
【0008】
本発明は、ポリウレタン発泡体を生成するための方法であって、芳香族ポリイソシアネート、少なくとも2の平均官能価および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの触媒を含有する反応混合物を形成することと、反応混合物を、(i)少なくとも1つのアセト酢酸エステルまたはアミド、ならびに(ii)少なくとも1つのアミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミンの存在下で硬化させて、ポリウレタン発泡体を形成することと、を含む方法である。
【0009】
本発明はまた、ポリウレタン発泡体からのアルデヒド排出量を減少させるための方法であって、a)(i)少なくとも1つのアセト酢酸エステルまたはアミドと、(ii)少なくとも1つのアミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミンとを、少なくとも2の平均官能価および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料と組み合わせて、混合物を形成することと、次に、b)工程a)からの混合物を、少なくとも1つの有機ポリイソシアネートと組み合わせ、得られる反応混合物を、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの触媒の存在下で硬化させて、ポリウレタン発泡体を形成することと、を含む方法である。
【0010】
本発明はまた、前述の方法のいずれかで製造されたポリウレタン発泡体である。
【0011】
アセト酢酸エステルまたはアミドと、アミノアルコールおよび/またはヒドロキシルアミンとの組み合わせは、ポリウレタン発泡体によって排出されるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、およびプロピオンアルデヒドの各々のレベルを減少させることがわかった。
【0012】
本発明に従って発泡体を生成するために、少なくとも1つのポリイソシアネートを、少なくとも2の官能価および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物と反応させる。以下に論じるように、他の成分が存在し得る。反応は、アセト酢酸エステルまたはアミド、ならびにアミノアルコールおよび/またはヒドロキシルアミンの存在下で実行される。
【0013】
アセト酢酸エステルまたはアミド、ならびにアミノアルコールおよび/またはヒドロキシルアミンを、発泡体を生成するために使用される配合物の種々の成分のいずれか1つ以上との混合物として提供することができる。あるいは、これらを、他の成分のいずれとも事前に組み合わせることなく、別個の構成成分または流れとして反応に添加し得る。
【0014】
しかし、好ましくは、ポリウレタン発泡体を形成する前に、アセト酢酸エステルまたはアミド、ならびにアミノアルコールおよび/またはヒドロキシルアミンを、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有するイソシアネート反応性化合物(複数可)とブレンドする。得られたブレンドを、発泡体を作製する少なくとも30分の時間にわたり、ほぼ室温またはより高い温度(ただし、アセト酢酸エステルまたはアミド、ならびにアミノアルコールおよび/またはヒドロキシルアミンの沸点未満、かつポリオールが分解する温度未満)に維持する。そのようなブレンドを、そのような条件下で、最大1ヶ月、最大1週間、または最大1日などの任意のより長い時間維持し得る。
【0015】
アセト酢酸エステルまたはアミドは、構造I:
【化1】
[式中、R
1は、置換または非置換のC
1~C
6アルキルまたは置換または非置換のアリール基、好ましくはC
1またはC
2アルキル基であり、Xは、エステルの場合は-O-であり、アミドの場合は-NH-である]を有する1つ以上のアセト酢酸エステルまたはアセト酢酸アミド基を有することを特徴とする。R
1は、最も好ましくはメチルである。アセト酢酸エステルまたはアミドは、2つ以上のそのようなアセト酢酸エステルまたはアミド基を有し得る。好適なアセト酢酸エステルの中には、構造II:
【化2】
によって表されるものがあり、式中、Aは、連結基であり、nは、少なくとも1であり、R
1およびXは、構造IのAに関して記載するようなものである。Aは、例えばC
1~C
30の直鎖または分岐のアルキル、アリール、アリールアルキル、アルカリル基であり得、ここで、置換基は、O、N、S、P、もしくはハロゲンであり得るか、またはそれらを含み得るか、またはそれら以上であり得る。酸素含有置換基は、例えば、カルボニル、ヒドロキシル、エステル、カーボネート、またはエーテル基であり得る。nは、例えば、1~100、1~20、1~10、または1~4であり得る。Xが酸素である場合、nは、好ましくは少なくとも2である。
【0016】
有用なアセト酢酸化合物には、JP2005/06754A、JP2005/179423A、および米国公開第2016/0304686に記載されているものが含まれ、これらの全てが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0017】
いくつかの実施形態では、構造IIのXは、酸素であり、nは、少なくとも2であり、Aは、1つ以上の-OH基の除去後のポリアルコールの残基である。そのような場合のアセト酢酸化合物は、A(OH))xの形態を有するアルコールのアセト酢酸エステルまたはポリエステルであり、式中、xは、n以上である。アセト酢酸エステルの例としては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメトキシメタン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、グルコース、フルクトース、スクロース、1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロキシ-n-ヘキサンなどのようなポリオールのモノ-およびポリアセト酢酸エステルが挙げられる。
【0018】
特定のアセト酢酸エステル化合物としては、例えば、トリメチロールプロパンモノ-、ジ、またはトリアセト酢酸エステル、トリメチロールエタンモノ-、ジ-、またはトリアセト酢酸エステル、トリメトキシメタンモノ-、ジ-、またはトリアセト酢酸エステル;エチレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル;1,2-プロピレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、1,3-プロピレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、ペンタエリスリトールモノ-、ジ-、トリ-、またはテトラアセト酢酸エステル、グリセリンモノ-、ジ、またはトリアセト酢酸エステル、ジエチレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、ジプロピレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、トリエチレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、エリスリトールモノ-、ジ-、トリ-、またはテトラアセト酢酸エステル、n-ヘキサンモノ-、ジ、トリ、テトラ、ペンタ-、またはヘキサアセト酢酸エステル、ソルビトールモノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、またはヘキサアセト酢酸エステル、および1,4-ブタンジオールモノ-またはジアセト酢酸エステルが挙げられる。
【0019】
いくつかの実施形態では、構造IIのXは、-NH-であり、nは、1以上であり、Aは、1つ以上の-NH
2基の除去後のアミンまたはポリアミンの残基である。そのような場合のアセト酢酸化合物は、A(NH
2)
xの形態を有するアミンのアセト酢酸アミドまたはポリアミドであり、式中、xは、n以上である。そのようなアミド化合物の例は、以下である。
【化3】
【0020】
アセト酢酸エステルまたはアミドの好適な量は、0.01~1pph(すなわち、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有するイソシアネート反応性化合物(複数可)の100重量部あたり0.01~1重量部)である。環式1,3-ジケトン化合物の量は、少なくとも0.02、少なくとも0.03pph、または少なくとも0.04pphであり得、最大0.5pph、最大0.35pph、最大0.25pph、または最大0.15pphであり得る。
【0021】
アミノアルコール化合物は、少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基および少なくとも1つのヒドロキシル基を有し、各々が脂肪族炭素原子に結合していることを特徴とする。いくつかの実施形態において、ヒドロキシル基は、一級または二級アミノ基が結合している炭素原子についてアルファ位置の炭素に結合している。アルキルヒドロキシルアミンは、窒素原子が脂肪族炭素原子に結合している-NH-OH基を含む。
【0022】
アミノアルコール化合物は既知であり、例えば、米国公開第2009/0227758および同第2010/0124524号に記載されているものが含まれ、これらの各々は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0023】
いくつかの実施形態では、アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンは、構造III:
【化4】
[式中、
R
6、R
7およびR
8は各々独立して、H、フェニルもしくはNR
9R
10で任意選択的に置換されたアルキル(ここで、R
9およびR
10は独立して、H、C
1-C
6アルキル、フェニル)、または、フェニルもしくはNR
9R
10で任意選択的に独立して置換されたヒドロキシアルキルであり、
R
5は、H、ヒドロキシル、フェニル、フェニルまたはNR
9R
10で任意選択的に独立して置換されたアルキル、または、フェニルもしくはNR
9R
10で任意選択的に独立して置換されたヒドロキシアルキルであり、ただし、R
6、R
7およびR
8のいずれもヒドロキシアルキルではない場合、R
5は、ヒドロキシル、または、フェニルもしくはNR
9R
10で任意に独立して置換されたヒドロキシアルキルであることを条件とする]によって表される化合物またはそのような化合物の塩である。
【0024】
好適なアミノアルコールの具体例は、2-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-1-メチル-1,3-プロパンジオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール、ジイソプロパノールアミン、モノ-sec-ブタノールアミン、ジ-sec-ブタノールアミン、またはそれらの塩である。これらのアミノアルコールは、ANGUS Chemical Company(米国、イリノイ州、バッファローグローブ)、Dow Chemical Company(米国、ミシガン州、ミッドランド)を含む様々な商業的供給源から市販されているか、または本技術分野での周知の技術によって容易に製造することができる。アミノアルコールは、塩の形態で使用することができる。好適な塩としては、塩酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、およびリン酸塩が挙げられる。
【0025】
アルキルヒドロキシルアミンの特定の例には、N-イソプロピルヒドロキシルアミン、N-エチルヒドロキシルアミン、N-メチルヒドロキシルアミン、N-(n-ブチル)ヒドロキシルアミン、N-(sec-ブチル)ヒドロキシルアミンなどが含まれる。
【0026】
アミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミン化合物の好適な量は、0.01~5pphである。アミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミン化合物の量は、少なくとも0.025、少なくとも0.05pphまたは少なくとも0.075pphであり得、最大2pph、最大1pph、最大0.5pph、最大0.25pphまたは最大0.2pphであり得る。
【0027】
発泡体配合物は、少なくとも2の官能価および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物を含む。「官能価」とは、1分子あたりのイソシアネート反応性基の平均数を指す。官能価は、8以上であり得るが、好ましくは2~4である。イソシアネート基は、ヒドロキシル、第一級アミノまたは第二級アミノ基などであってもよいが、ヒドロキシル基が好ましい。当量は、6000以上までであってもよいが、好ましくは500~3000、より好ましくは1000~2000である。このイソシアネート反応性化合物は、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ヒドロキシル末端ブタジエンポリマーまたはコポリマー、ヒドロキシル含有アクリレートポリマーなどであってもよい。好ましいタイプのイソシアネート反応性化合物は、ポリエーテルポリオール、特にプロピレンオキシドのポリマーまたはプロピレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマーである。プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドのコポリマーは、末端ポリ(オキシエチレン)ブロックであって少なくとも50%のヒドロキシル基が第一級であるブロックコポリマーであり得る。プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの別の好適なコポリマーは、ランダムまたは疑似ランダムコポリマーであって、末端ポリ(オキシエチレン)ブロックを含有し得、ヒドロキシル基の少なくとも50%が第一級である。
【0028】
イソシアネート反応性化合物として有用なポリエステルポリオールは、ポリオール、好ましくはジオールと、ポリカルボン酸またはそれらの無水物、好ましくはジカルボン酸またはジカルボン酸無水物との反応生成物を含む。ポリカルボン酸または無水物は、脂肪族、脂環式、芳香族および/または複素環式であってもよく、ハロゲン原子などで置換されてもよい。ポリカルボン酸は、不飽和であってもよい。これらのポリカルボン酸の例としては、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびフマル酸が挙げられる。ポリエステルポリオールの作製に使用されるポリオールは、好ましくは約150以下の当量重量を有し、エチレングリコール、1,2-および1,3-プロピレングリコール、1,4-および1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、キニトール、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコールなどを含む。Dow Chemical Companyによって「Tone」という商品名で市販されているものなどのポリカプロラクトンポリオールも有用である。
【0029】
任意選択により、少なくとも2の官能価および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する2つ以上の前記イソシアネート反応性化合物の混合物を使用することができる。
【0030】
イソシアネート反応性化合物は、分散ポリマー粒子を含んでもよい。これらのいわゆるポリマーポリオールは、スチレン、アクリロニトリル、スチレン-アクリロニトリルなどのビニルポリマーの粒子、およびポリ尿素ポリマー、またはポリウレタン尿素ポリマーのポリマーの粒子などを含む。
【0031】
加えて、そのようなイソシアネート反応性化合物は、1つ以上の架橋剤および/または鎖延長剤との混合物で使用することができる。本明細書の目的における「架橋剤」は、1分子あたり少なくとも3つのイソシアネート反応性基および1イソシアネート反応性基あたり200未満の当量を有する化合物である。本発明の目的における「鎖延長剤」は、1分子あたり正確に2つのイソシアネート反応性基を有し、かつ1イソシアネート反応性基あたり200未満の当量を有する。いずれの場合にも、イソシアネート反応性基は、好ましくはヒドロキシル、第一級アミノまたは第二級アミノ基である。架橋剤および鎖延長剤は、好ましくは最大150、より好ましくは最大約125の当量を有する。
【0032】
架橋剤の例は、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、最大199の当量を有する前述のいずれかのアルコキシレートなどを含む。鎖延長剤の例は、アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールなど)、グリコールエーテル(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなど)、エチレンジアミン、トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミンなど、ならびに最大199の当量を有する前述のいずれかのアルコキシレートなどを含む。
【0033】
架橋剤および/または鎖延長剤は通常、少量で存在する(もしあれば)。好ましい量は、0~5pphの架橋剤および/または鎖延長剤である。より好ましい量は、0.05~2pphであり、さらにより好ましい量は、0.1~1pphの1つ以上の架橋剤である。
【0034】
好適なポリイソシアネートの例は、例えば、m-フェニレンジイソシアネート、2,4-および/または2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の種々の異性体、いわゆる高分子MDI生成物(モノマーMDI中のポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの混合物である)、カルボジイミド変性MDI生成物(135~170の範囲のイソシアネート当量重量を有するいわゆる「液体MDI」生成物など)、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、水素化MDI(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、メトキシフェニル-2,4-ジイソシアネート、4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチルオキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’、4’’-トリフェニルメタンジイソシアネート、水素化ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルエン-2,4,6-トリイソシアネートおよび4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’-テトライソシアネートなどを含む。ウレタン、尿素、ウレトンイミン、ビウレット、アロファネートおよび/またはカルボジイミド基を含むように修飾された前述のいずれかを使用することができる。
【0035】
好ましいイソシアネートは、TDI、MDIおよび/または高分子MDI、ならびにウレタン、尿素、ウレトニミン、ビウレット、アロファネート、および/またはカルボジイミド基を含有する、MDIおよび/または高分子MDIの誘導体を含む。特に好ましいイソシアネートは、TDIおよびMDIの混合物である。
【0036】
発泡体配合物に提供されるポリイソシアネートの量は、「イソシアネート指数」として表され、これは、発泡体配合物中のイソシアネート基の、イソシアネート反応性基に対する比の100倍である。イソシアネート指数は、典型的には約70~150である。好ましいイソシアネート指数は、80~125であり、より好ましいイソシアネート指数は、80~115である。いくつかの実施形態では、イソシアネート指数は、90~115または95~115である。
【0037】
発泡剤は、化学(発熱)タイプ、物理(吸熱)タイプ、または各タイプの少なくとも1つの混合物であり得る。化学タイプは典型的には、発泡反応の条件下で反応または分解して二酸化炭素または窒素ガスを生成する。水および様々なカルバメート化合物は、適切な化学発泡剤の例である。物理タイプは、二酸化炭素、様々な低沸点炭化水素、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロクロロカーボン、エーテルなどを含む。水は、単独、または1つ以上の物理的発泡剤との組み合わせで、最も好ましい発泡剤である。
【0038】
発泡剤は、所望の発泡体密度を提供するのに十分な量で存在する。水が発泡剤である場合、適切な量は、一般に1.5~6pph、好ましくは2~5pphである。
【0039】
適切な界面活性剤は、材料が硬化するまで発泡反応混合物のセルを安定させるのに役立つ材料である。ポリウレタン発泡体を作製するために通常使用されるような多種多様なシリコーン界面活性剤は、本発明のポリマーポリオールまたは分散液を用いて発泡体を作製する際に使用することができる。そのようなシリコーン界面活性剤の例は、Tegostab(商標)(Evonik Corporation)、Niax(商標)(Momentive)およびDabco(商標)(Air Products and Chemicals)の商品名で市販されている。
【0040】
界面活性剤は、典型的には最大5pph、より典型的には0.1~2pph、好ましくは0.25~1.5pphの量で存在する。
【0041】
好適な触媒は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,390,645号に記載されているものを含む。代表的な触媒は、以下を含む:
(a)トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,4-ブタンジアミン、N,N-ジメチルピペラジン、1,4-ジアゾビシクロ-2,2,2-オクタン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、モルホリン、4,4’-(オキシジ-2,1-エタンジイル)ビス、トリ(ジメチルアミノプロピル)アミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、およびトリエチレンジアミンなどのような第三級アミン、ならびにジメチルアミンプロピルアミンなどのような1つ以上のイソシアネート反応性基を含有する、いわゆる「低排出性」第三級アミン触媒、
(b)トリアルキルホスフィンおよびジアルキルベンジルホスフィンなどの第三級ホスフィン、
(c)アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、アセト酢酸エチルなどの、Be、Mg、Zn、Cd、Pd、Ti、Zr、Sn、As、Bi、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、およびNiなどの金属から得ることができる種々の金属のキレート、
(d)塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化第一スズ、三塩化アンチモン、硝酸ビスマス、および塩化ビスマスなどの強酸の酸性金属塩、
(e)アルカリおよびアルカリ土類金属水酸化物、アルコキシド、およびフェノキシドなどの強塩基、
(f)Ti(OR)4、Sn(OR)4、Al(OR)3などの種々の金属のアルコラートおよびフェノラート[式中、Rは、アルキルまたはアリールである]であって、アルコラートの、カルボン酸、ベータ-ジケトン、および2-(N,N-ジアルキルアミノ)アルコールとの反応生成物、
(g)酢酸ナトリウム、オクタン酸第一スズ、オレイン酸第一スズ、オクタン酸鉛、ナフテン酸マンガンおよびコバルトなどの金属ドライヤーを含む、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Sn、Pb、Mn、Co、NiおよびCuなどの多様な金属と有機酸の塩、ならびに、
(h)4価のスズ、3価および5価のAs、SbおよびBiの有機金属誘導体、ならびに鉄およびコバルトの金属カルボニル。
【0042】
触媒は通常、最大2pph、通常は最大1pphなどの少量で存在する。触媒の好ましい量は、0.05~1pphである。
【0043】
少なくとも1つの抗酸化剤の存在下で発泡体を生成することが好ましい。そのような抗酸化剤は、ポリウレタン発泡体を形成する前に、環式1,3-ジケトン、アミノアルコールおよびアルキルヒドロキシルアミン化合物に関して上で説明した様態で、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有するイソシアネート反応性化合物(複数可)とブレンドされ得る。あるいは、それを、1つ以上の他の成分と共に、および/または別個の成分または流れとして反応混合物に添加し得る。
【0044】
適切な抗酸化剤の例は、例えば以下を含む:
1)2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、側鎖が直鎖または分岐であるノニルフェノール、例えば、2,6-ジ-ノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルウンデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルヘプタデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルトリデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジ-ドデシルチオメチル-4-ノニルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペート、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2’-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3-ビス(3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5-テトラ(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトールとのエステル、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニルプロピオン酸の、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトールとのエステル、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンを含む、エステル、3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]-ウンデカン、β-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトールとのエステル、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸の、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトールとのエステル、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、および4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンなどのフェノール化合物、
2)N,N’-ジ-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’-ジメチル-N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、p,p’-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチル-アミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4-メトキシフェニル)アミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラ-メチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド、ビス[4-(1’,3’-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル化N-フェニル-1-ナフチルアミン、モノアルキル化およびジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化tert-ブチルジフェニルアミンの混合物などのようなアミン抗酸化剤、
3)ジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピオネートなどのチオ共力剤、
4)亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニルアルキル、亜リン酸フェニルジアルキル、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)、亜リン酸トリラウリル、亜リン酸トリオクタデシル、二亜リン酸ジステアリルペンタエリスリトール、亜リン酸トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)、亜リン酸ジイソデシルペンタエリスリトール、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリス(tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、6-イソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12-メチル-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、2,2’、2’’-ニトリロ-[トリエチルトリス(3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト]、2-エチルヘキシル(3,3’、5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト、および5-ブチル-5-エチル-2-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノキシ)-1,3,2-ジオキサホスフィランなどの亜リン酸エステルおよび亜ホスホン酸エステル、
5)米国特許第4,325,863号、米国特許第4,338,244号、米国特許第5,175,312号、米国特許第5,216,052号、米国特許第5,252,643号、独国公開第4316611号、独国公開第4316622号、独国公開第4316876号、欧州公開第0589839号または欧州公開第0591102号に開示されている、3-[4-(2-アセトキシエトキシ)フェニル]-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-[4-(2-ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]-ベンゾフラン-2-オン、3,3’-ビス[5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン-2-オン]、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-エトキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-(4-アセトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(3,5-ジメチル-4-ピバロイルオキシフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(3,4-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(2,3-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オンなどを含む、ベンゾフラノンおよびインドリノン、ならびに
6)参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第6,881,774号に例えば記載されている、トコフェノール、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、O-,N-およびS-ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロネート、トリアジン化合物、ベンジルホスホネート、アシルアミノフェノール、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、アスコルビン酸(ビタミンC)、2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシベンゾフェノン、置換および非置換安息香酸のエステル、アクリレート、ニッケル化合物、オキサミド、2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、ヒドロキシルアミン、ニトロン、およびβ-チオジプロピオン酸のエステル。
【0045】
好ましい抗酸化剤は、以下を含む:
a)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記4)に記載の少なくとも1つのホスファイトまたはホスホナイト化合物との混合物、
b)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記5)に記載の少なくとも1つのベンゾフラノンまたはインドリノン化合物との混合物、
c)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記2)に記載の少なくとも1つのアミン抗酸化剤との混合物、
d)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記4)に記載の少なくとも1つのホスファイトまたはホスホナイト化合物および上記5)に記載の少なくとも1つのベンゾフラノンまたはインドリノン化合物との混合物、
e)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記4)に記載の少なくとも1つのホスファイトまたはホスホナイト化合物および上記2)に記載の少なくとも1つのアミン化合物との混合物、
f)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記4)に記載の少なくとも1つのホスファイトまたはホスホナイト化合物、上記5)に記載の少なくとも1つのベンゾフラノン(benzofurnanone)またはインドリノン化合物、および上記2)に記載の少なくとも1つのアミン化合物との混合物、
g)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、3)に記載の少なくとも1つのチオ共力剤との混合物、ならびに
h)上記a)~f)のいずれかと、3)に記載の少なくとも1つのチオ相乗剤の混合物。
【0046】
抗酸化剤(複数可)は、使用される場合、最大約10pphなどの有効量で存在する。好ましい量は、0.1~5pphであり、より好ましい量は、0.2~1.5pphである。
【0047】
いくつかの実施形態では、HALS(ヒンダードアミン光安定剤)化合物が存在する。HALS化合物は、例えば、上記1)~5)のいずれかに記載の抗酸化剤と共に、または上記a)~h)の混合物のいずれかと共に使用することができる。好適なHALS化合物は、ビス(1-オクチルオキシ)-2,2,5,5-テトラメチル-4-ピペリジニル)セバケート(BASFのTinuvin(商標)123)、n-ブチル-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシルベンジル)ビス-(1,2,2,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)マロネート(BASFのTinuvin(商標)144)、4-ヒドロキシ-2-2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールを含むコハク酸ジメチルポリマー(BASFのTinuvin(商標)622)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)(BASFのTinuvin(商標)765)およびセバシン酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)(BASFのTinuvin(商標)770)などを含む。
【0048】
HALS化合物は、使用される場合、最大約10pphなどの有効量で存在する。好ましい量は、0.1~5pphであり、より好ましい量は、0.1~2.5pphである。
【0049】
充填剤、着色剤、防臭マスク、難燃剤、殺生物剤、帯電防止剤、チキソトロープ剤および気泡開放剤などを含む他の成分が、発泡ステップ中に存在してもよい。
【0050】
ポリウレタン発泡体は、本発明に従って、様々な成分を含む反応混合物を形成し、反応混合物を硬化させることによって製造される。連続スラブストックの生成方法などのフリーライズプロセスを使用することができる。あるいは、成形方法を使用することもできる。そのようなプロセスはよく知られている。一般に、本発明に従ってポリウレタン発泡体を生成するために従来の処理操作の変更は必要ない(アセト酢酸エステルおよび/またはアミド、アミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミン、ならびに任意選択的に抗酸化剤(複数可)および/またはHALS化合物を含めること以外)。
【0051】
種々の成分を個別に、または種々のサブコンビネーションで混合ヘッドまたは他の混合装置に導入し、そこで混合し、硬化される領域(トラフまたは他の開いた容器、または閉じた型など)に分注し得る。特に成形発泡体の作製時に、使用され得る架橋剤および/または鎖延長剤、アセト酢酸エステルおよび/またはアミド、アミノアルコール、および/またはアルキルヒドロキシルアミン、アルカリ金属、亜硫酸アンモニウムまたはホスホニウム、抗酸化剤(複数可)、およびHALS化合物(存在する場合)、ならびに任意選択的に、触媒(複数可)、界面活性剤(複数可)、および発泡剤(複数可)を含有する、イソシアネート反応性化合物(複数可)を含有する、配合されたポリオール構成成分を形成することが、多くの場合において好都合である。次に、この定式化されたポリオール構成成分をポリイソシアネート(および定式化されたポリオール構成成分に存在しない任意の他の成分)と接触させて発泡体を製造する。
【0052】
様々な構成成分の一部または全てを混合する前に加熱して、反応混合物を形成してもよい。他の例では、構成成分を、周囲温度(15~40℃など)で混合する。全ての成分を混合した後、反応混合物に熱を加えてもよいが、これは多くの場合において不要である。
【0053】
硬化反応の生成物は、軟質ポリウレタン発泡体である。発泡体密度は、20~200kg/m3であってもよい。ほとんどの座席および寝具の用途において、好ましい密度は、24~80kg/m3である。発泡体は、ASTM3574-Hのボール反発試験で少なくとも50%の弾力性を有してもよい。本発明に従って製造された発泡体は、寝具および家庭用、オフィス用または車両用座席などのクッション用途、ならびにヘッドレスト、ダッシュボード計器盤、アームレストまたはヘッドライナーなどの他の車両用途に有用である。
【0054】
本発明に従って作製されたポリウレタン発泡体は、アセト酢酸エステルおよび/またはアミド、ならびにアミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミンが存在しない場合と比較して、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、およびプロピオンアルデヒドの排出量が減少することを特徴とする。ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、およびプロピオンアルデヒド排出量の好適な測定方法は、以下のとおりである。ポリウレタン発泡体のサンプルを粉砕してセルを開く。破砕した発泡体を30グラムの立方体のサンプルに切断し、すぐにアルミホイルまたはポリエチレンフィルムにしっかりと包装し、この様態で約25℃で5日間保管する。
【0055】
アルデヒド濃度を、Toyota TSM0508G試験法に従って測定する。そのToyota法では、発泡体サンプルをホイルまたはフィルムから取り出し、次に、以前に窒素ガスで3回パージされた個別の10Lテドラーガスバッグ(Delin Co.,Ltd.,China)に入れる。泡サンプルの入ったバッグに7Lの窒素を入れ、密封して65℃で2時間加熱する。泡を含有するビニール袋をオーブンから取り出す。バッグ内のガスを、350mgのジニトロフェニルヒドラジンカートリッジにポンプ圧送し、カルボニル化合物を捕捉する。捕捉されたカルボニル化合物を、液体クロマトグラフィーによってホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、およびプロピオンアルデヒドについて分析し、結果は、ガスバッグ内のガス1立方メートルあたりのそれぞれのアルデヒドの重量で表す。Toyota法を実行する特定の方法の詳細を、以下の実施例で記載する。
【0056】
この方法で測定されるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、およびプロピオンアルデヒドの排出量は全て、典型的には少なくとも20%、通常は少なくとも50%、時に80~98%ほどに多く、アセト酢酸エステルおよび/またはアミド、ならびにアミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミンの非存在下で生成される他の同様の発泡体と比較して減少する。本発明の利点は、これら3つのアルデヒド化合物全ての排出量に有意な減少が見られることである。
【0057】
いくつかの実施形態では、ホルムアルデヒドの排出量は、Toyota法に従って測定される際、10μg/m3以下または5μg/m3以下である。いくつかの実施形態では、アセトアルデヒドの排出量は、Toyota法に従って測定される際、200μg/m3以下である。いくつかの実施形態では、プロピオンアルデヒドの排出量は、Toyota法に従って測定される際、100μg/m3以下または60μg/m3以下である。いくつかの実施形態におけるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、およびプロピオンアルデヒドの排出量の合計は、Toyota法に従って測定される際、250μg/m3以下である。
【0058】
以下の実施例は、本発明を例解するために提供されるが、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。全ての部およびパーセンテージは、特に指示がない限り重量による。
【0059】
実施例1および比較サンプルA~C
配合ポリオールAを、15%のエチレンオキシドでキャップされ、27.5mg KOH/gのヒドロキシル価を有する、45.34部のグリセリン開始ポリ(プロピレンオキシド)と、22mg KOH/gのヒドロキシル価を有し、ポリエーテルポリオールに分散した40重量パーセントの共重合したスチレンおよびアクリロニトリル固体を含有する、50.11部のコポリマーポリオールと、0.48部のジエタノールアミン、0.38部のグリセリン、0.27部のジプロピレングリコール中の33パーセントトリエチレンジアミン、0.17部のMomentive Co.,Ltd.からC225として入手可能な第三級アミン/グリコール混合物と、1.15部の有機シリコーン発泡体安定化界面活性剤と、2.1部の水と、を組み合わせることによって作製する。
【0060】
配合ポリオールBを、100部の配合ポリオールAを0.5部のベンゼンプロパン酸、3,5-ビス(1,1-ジメチル-エチル)-4-ヒドロキシ-C7~C9分岐アルキルエステル(BASF(China)Co.,LtdからIRGANOX(商標)1135抗酸化剤として入手可能)、および0.1部の1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンと高速実験用ミキサー内で組み合わせて作製する。
【0061】
配合ポリオールCを、100部の配合ポリオールAを0.5部のベンゼンプロパン酸、3,5-ビス(1,1-ジメチル-エチル)-4-ヒドロキシ-C7~C9分岐アルキルエステル(BASF(China)Co.,LtdからIRGANOX(商標)1135抗酸化剤として入手可能)、および0.1部のAcAcNHPHと高速実験用ミキサー内で組み合わせて作製する。
【0062】
配合ポリオール1を、100部の配合ポリオールAを0.5部のIRGANOX(商標)1135、0.1部のAcAcNHPh、および0.07部の1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンと高速実験用ミキサー内で組み合わせて作製する。
【0063】
配合されたポリオールA、B、C、および1の各々を、発泡体に処理する前に、室温で12~24時間保管する。
【0064】
比較サンプルAを、100部の配合ポリオールAと、28部の20/80重量ブレンドのトルエンジイソシアネート(TDI)と、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)を組み合わせ、得られた反応混合物をカップに注ぎ、反応混合物が上昇して硬化し、ポリウレタン発泡体を形成することを可能にすることによって作製する。発泡体が十分に硬化して寸法が安定化後、発泡体をカップから取り出し、30グラムのサンプルキューブをカットする。発泡体キューブを各々すぐにアルミホイルで包み、7日間気密パッケージを形成する。
【0065】
比較サンプルBを、100部の配合ポリオールBを28部の同じTDI/MDIブレンドと組み合わせることを除いて、同じように作製する。比較サンプルCを、100部の配合ポリオールCを28部の同じTDI/MDIブレンドと組み合わせることを除いて、同じように作製する。
【0066】
実施例1を、100部の配合ポリオール1を28部の同じTDI/MDIブレンドと組み合わせることを除いて、同じように作製する。
【0067】
発泡体サンプルから排出されるアルデヒドを、Toyotaガスバッグ法を使用して分析する。立方体の泡のサンプルを、各場合にホイルから取り出され、純粋な窒素で3回洗浄し、空にした10Lのテドラーガスバッグに入れる。空のガスバッグは、ブランクとして使用する。発泡体サンプルをガスバッグに入れた後、ガスバッグを約7Lの窒素ガスで充填し、次いでオーブンで2時間65℃で加熱する。次に、ガスバッグ内の窒素ガスをエアポンプによってポンプ圧出し、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、およびプロピオンアルデヒドを分析する。
【0068】
各バッグからのガスを、ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)カートリッジ(CNWBOND DNPH-シリカカートリッジ、350mg,Cat.No.SEEQ-144102,Anple Co.,Ltd.)を通して通過させ、サンプリング速度は、330mL/minである。発泡体からガスに排出されたアルデヒドは、カートリッジに吸収され、DNPH誘導体を形成する。DNPHカートリッジを3gのアセトニトリルで溶出し、得られたアセトニトリル溶液をHPLCで分析して、サンプル中のカルボニルを以下のように定量する。
【0069】
15μg/mLのホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、およびプロピオンアルデヒド(いずれの場合もDNPH誘導体の形態)を各々含有する標準溶液(TO11Aカルボニル-DNPH混合物、Cat.No.48149-U,Supelco Co.,Ltd)をアセトニトリルで希釈する。2mLの希釈溶液(0.794ppmのホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、およびプロピオンアルデヒドを各々含有する)を含有するバイアルを-4℃に冷蔵する。冷蔵溶液をHPLCシステムに注入し、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、およびプロピオンアルデヒド誘導体を分析する。応答係数は、以下の式に従って、各導関数の溶出ピークの面積から計算する。
【数1】
ここで、応答係数i=導関数iの応答係数。ピーク面積i=標準溶液中の誘導体iのピーク面積。0.794=標準溶液中の各誘導体の濃度。
【0070】
次に、比較サンプルAおよびBならびに実施例1の各々によって排出されたホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、およびプロピオンアルデヒドの量を判定する。いずれの場合も、DNPHカラムを溶出して得られたアセトニトリル溶液をHPLCシステムに注入し、各誘導体から溶出ピークの面積を判定する。サンプル溶液中のアルデヒド-DNPH誘導体の濃度を、以下のとおりに計算する。
【数2】
ここで、iの濃度=サンプル溶液中のアルデヒド-DNPH誘導体の濃度、ピーク面積i=サンプル溶液中の誘導体iのピーク面積、および応答係数i=上記の標準溶液から判定された誘導体iの応答係数。
【0071】
【0072】
比較サンプルA~Cおよび実施例1の各々のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、およびプロピオンアルデヒドの濃度は、表1に示されているとおりである。
【表2】
【0073】
抗酸化剤および1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンを発泡体配合物(比較B)に添加すると、排出されたホルムアルデヒドの量はほとんど減少しないか、または減少せず、アセトアルデヒドおよびプロピオンアルデヒドの各々の排出量がわずかに減少する。
【0074】
抗酸化剤およびAcAcNHPhを添加すると、ホルムアルデヒドの排出量が大幅に(約45%)低減するが、アセトアルデヒドの排出量はわずかに低減し、プロピオンアルデヒドの排出量はほんの少しだけ低減する。
【0075】
対照的に、実施例1は、排出されたホルムアルデヒドにおいて約50%の減少、およびアセトアルデヒドおよびプロピオンアルデヒド排出量の各々において有意な減少を示す。排出されるアルデヒドの総排出量は、どの比較サンプルよりも低い。
【0076】
実施例2~3および比較サンプルD~G
配合ポリオールDは、少なくとも2の官能価および少なくとも200の当量重量を有するポリオールの混合物を含有する市販の配合ポリオール、ウレタン触媒、水、および界面活性剤である。
【0077】
配合ポリオールEを、100部の配合ポリオールDを0.5部のIRGANOX(商標)1135抗酸化剤および0.1部の1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンと高速実験用ミキサー内で組み合わせて作製する。
【0078】
配合ポリオールFを、100部の配合ポリオールDを0.5部のIRGANOX(商標)1135抗酸化剤および0.05部の1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンと高速実験用ミキサー内で組み合わせて作製する。
【0079】
配合ポリオールGを、100部の配合ポリオールDを0.5部のIRGANOX(商標)1135抗酸化剤および0.1部のトリメチロールプロパントリアセトアセテート(AATMP)と高速実験用ミキサー内で組み合わせて作製する。
【0080】
配合ポリオール2を、100部の配合ポリオールDを0.5部のIRGANOX(商標)1135抗酸化剤、0.1部の1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、および0.1部のAATMPと高速実験用ミキサー内で組み合わせて作製する。
【0081】
配合ポリオール3を、100部の配合ポリオールDを0.5部のIRGANOX(商標)1135抗酸化剤、0.05部の1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、および0.1部のAATMPと高速実験用ミキサー内で組み合わせて作製する。
【0082】
比較サンプルD~Gおよび実施例2~3の各々を、前の実施例に記載された様態で、ポリウレタンカップ発泡体中に形成し、試験する。結果は、表2に示す通りである。
【表3】
【0083】
表3のデータが示すように、抗酸化剤、アミノアルコール、およびAATMPの組み合わせにより、アルデヒド排出量が最大に減少する。
【0084】
実施例3および比較サンプルD~Fは、発泡体が閉鎖型内で生成される今回を除いて、繰り返される。アルデヒド測定の結果を表3に示しており、この場合、試験サンプルからの総測定排出量をマイクログラムで示す。
【表4】
【0085】
対照と比較して、3つのアルデヒド全ての排出用量の大きな減少が、本発明で再び見られる。特に、ホルムアルデヒドは、他のアルデヒド排出量における減少を犠牲にすることなく、非常に低いレベルまで減少する。
【0086】
実施例4および比較サンプルH~J
配合ポリオールHは、少なくとも2の官能価および少なくとも200の当量重量を有するポリオールの混合物を含有する市販の配合ポリオール、ウレタン触媒、水、および界面活性剤である。
【0087】
配合ポリオールIを、100部の配合ポリオールHを0.5部のIRGANOX(商標)1135抗酸化剤および0.05部の1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンと高速実験用ミキサー内で組み合わせて作製する。
【0088】
配合ポリオールJを、100部の配合ポリオールHを0.5部のIRGANOX(商標)1135抗酸化剤および0.05部のAATMPと高速実験用ミキサー内で組み合わせて作製する。
【0089】
配合ポリオール4を、100部の配合ポリオールJを0.5部のIRGANOX(商標)1135抗酸化剤、0.05部の1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、および0.05部のAATMPと高速実験用ミキサー内で組み合わせて作製する。
【0090】
比較サンプルH、I、およびJ、ならびに実施例4の各々を、前の実施例に記載された様態で、ポリウレタンカップ発泡体中に形成し、試験する。結果を表4に示す。
【表5】
【0091】
表4のデータが示すように、アミノアルコールとAATMPとの組み合わせにより、3つのアルデヒド全ての排出量が最大に減少し、総アルデヒド排出量が最も低いレベルになる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] ポリウレタン発泡体を生成するための方法であって、芳香族ポリイソシアネート、少なくとも2の平均官能価および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの触媒を含有する反応混合物を形成することと、前記反応混合物を、(i)少なくとも1つのアセトアセテートエステルまたはアミド、ならびに(ii)少なくとも1つのアミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミンの存在下で硬化させて、前記ポリウレタン発泡体を形成することと、を含む方法。
[2] ポリウレタン発泡体からのアルデヒド排出量を減少させるための方法であって、a)(i)少なくとも1つのアセト酢酸エステルまたはアミドと、(ii)少なくとも1つのアミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミンとを、少なくとも2の平均官能価および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料と組み合わせて、混合物を形成することと、次に、b)工程a)からの前記混合物を、少なくとも1つの有機ポリイソシアネートと組み合わせ、得られる反応混合物を、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの触媒の存在下で硬化させて、ポリウレタン発泡体を形成することと、を含む方法。
[3] 前記アセト酢酸エステルまたはアミドが、構造II:
【化5】
[式中、Aは連結基であり、nは1以上であり、R
1
は、置換もしくは非置換のC
1
~C
6
アルキルまたは置換もしくは非置換のアリール基であり、Xは、エステルの場合は-O-であり、アミドの場合は-NH-である]によって表される、[1]または[2]に記載の方法。
[4] 前記アセト酢酸エステルまたはアミドが、トリメチロールプロパンモノ-、ジ、またはトリアセト酢酸エステル、トリメチロールエタンモノ-、ジ-、またはトリアセト酢酸エステル、トリメトキシメタンモノ-、ジ-、またはトリアセト酢酸エステル;エチレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル;1,2-プロピレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、1,3-プロピレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、ペンタエリスリトールモノ-、ジ-、トリ-、またはテトラアセト酢酸エステル、グリセリンモノ-、ジ、またはトリアセト酢酸エステル、ジエチレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、ジプロピレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、トリエチレングリコールモノ-またはジアセト酢酸エステル、エリスリトールモノ-、ジ-、トリ-、またはテトラアセト酢酸エステル、n-ヘキサンモノ-、ジ、トリ、テトラ、ペンタ-、またはヘキサアセト酢酸エステル、ソルビトールモノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、またはヘキサアセト酢酸エステル、および1,4-ブタンジオールモノ-またはジアセト酢酸エステルのうちの1つ以上である、[1]または[2]に記載の方法。
[5] 前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンが、構造(I):
【化6】
[式中、R
6
、R
7
およびR
8
は、各々独立して、H、フェニルもしくはNR
9
R
10
で任意選択的に置換されたアルキル(ここで、R
9
およびR
10
は独立して、H、C
1
~C
6
アルキルもしくはフェニル)、または、フェニルもしくはNR
9
R
10
で任意選択的に独立して置換されたヒドロキシアルキルであり、R
5
はH、ヒドロキシル、フェニル、フェニルもしくはNR
9
R
10
で任意選択的に置換されたアルキル、または、フェニルもしくはNR
9
R
10
で任意選択的に独立して置換されたヒドロキシアルキルであり、ただし、R
6
、R
7
およびR
8
のいずれもヒドロキシアルキルでない場合、R
5
は、ヒドロキシルまたは、フェニルもしくはNR
9
R
10
で任意選択的に独立して置換されたヒドロキシアルキルである]によって表される化合物、またはそのような化合物の塩である、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンが、2-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-1-メチル-1,3-プロパンジオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール、ジイソプロパノールアミン、モノ-sec-ブタノールアミン、ジ-sec-ブタノールアミン、N-イソプロピルヒドロキシルアミン、エチルヒドロキシルアミン、メチルヒドロキシルアミン、N-ブチルヒドロキシルアミン、およびsec-ブチルヒドロキシルアミンの1つ以上から選択される、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 前記アセト酢酸エステルまたはアミドが、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物の100重量部あたり、0.02~0.25重量部の量で存在する、[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8] 前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミン化合物が、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物の100重量部あたり、0.05~0.25重量部の量で存在する、[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9] 前記反応混合物が、抗酸化剤の存在下で硬化される、[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10] 前記抗酸化剤が、フェノール化合物である、[9]に記載の方法。
[11] 前記抗酸化剤が、1分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基および1イソシアネート反応性基あたり少なくとも200当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物の100重量部あたり、0.2~1.5重量部の量で存在する、[9]または[10]に記載の方法。
[12] 前記アセト酢酸エステルまたはアミンが、トリメチロールプロパントリアセト酢酸である、[1]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13] 前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンが、1,1,1トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンである、[12]に記載の方法。
[14] [1]~[13]のいずれかに記載の方法に従って作製された、ポリウレタン発泡体。