(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】ビデオゲーム内の空中輸送昇降装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/803 20140101AFI20231206BHJP
A63F 13/57 20140101ALI20231206BHJP
【FI】
A63F13/803
A63F13/57
(21)【出願番号】P 2021510222
(86)(22)【出願日】2018-12-03
(86)【国際出願番号】 GB2018053502
(87)【国際公開番号】W WO2020115452
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-08-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 行為1.ウェブサイトにおける公開公開日:平成30年6月10日公開者:スクウェア エニックス、リミテッド (1)<URL:https://www.youtube.com/watch?v=6WwKpJ7PcRs>(2)<URL:https://www.twitch.tv/videos/271843985>行為2.展示会等における公開公開日:平成30年6月11日公開者:スクウェア エニックス、リミテッド展示会名:2018年エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ(E3 2018) 開催場所:米国カリフォルニア州ロサンゼルス ロサンゼルスコンベンションセンター行為3.ウェブサイトにおける公開公開日:平成30年6月12日 公開者:スクウェア エニックス、リミテッド(1)<URL:https://justcause.square-enix-games.com/en-us> (2)<URL:https://www.twitch.tv/justcause> (3)<URL:https://www.youtube.com/channel/UCFCLm6HxfrIH_NSRgqqbpAg>
(73)【特許権者】
【識別番号】517084612
【氏名又は名称】スクウェア エニックス、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SQUARE ENIX,LTD.,
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】ケリソン ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】アントリーニ フランセスコ
【審査官】佐々木 祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-202695(JP,A)
【文献】特許第3734823(JP,B1)
【文献】特開2019-170613(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109107154(CN,A)
【文献】A Complete Guide to Just Cause 4's Grapple,YouTube [online] [video],2018年11月28日,<URL:https://www.youtube.com/watch?v=3hnR93k3_l0>,特に1:40-2:22, 2:54-3:20を参照, [2022年9月29日検索], インターネット
【文献】[フォートナイト]バルーンの2つの使い方と効果!,総攻略ゲーム フォートナイト(FORTNITE)攻略wiki [online],2018年11月22日,[2023年5月24日検索], インターネット <URL:https://70okugame.com/fortnite/%E3%80%90%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88%E3%80%91%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%B3>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実行される指令を有するコンピュータプログラムであって、前記プログラムはコンピュータに、ビデオゲームを実行させるものであり、該ビデオゲームでは、ユーザが制御するプレイヤキャラクタが、昇降すべきオブジェクトに空中輸送昇降装置を装着することにより、該オブジェクトを昇降させることが出来、
該ビデオゲームでは、ゲームプレイ中にユーザが、該昇降装置の配備のタイミングを調整することが出来、
前記ユーザは、前記昇降装置の配備のタイミングを、(a)即座の配備と、(b)配備の据え置きの内1つ選択する形で設定することが出来、
前記昇降装置は、インフレータブルバルーンであり、
前記ユーザは、バルーンの
膨張開始以降の収縮のタイミングをも制御することが
出来、
前記タイミングは、前記バルーンを収縮させることで該バルーンに支持されたオブジェクトの高度を下げ始める時期であり、また、この下降動作において、前記バルーンの下降速度を(a)低、(b)中及び(c)高の内から1つ選択する形で設定することが出来、
更に、前記ユーザは、前記オブジェクトを支持している間にバルーンを無効にすることで該バルーンを消し、前記オブジェクトを落下させるように制御することが出来る、
ことを特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項2】
ゲームプレイ中に前記ユーザが、(a)前記昇降装置の強度/昇降速度、(b)該昇降装置のガスの中身、(c)該昇降装置の持久力、(d)所定の高さにあるときの該昇降装置の動き、(e)該昇降装置が上昇する最高高度及び、(f)最高高度での該昇降装置の反応のうち、1以上を更に調整することが出来ることを特徴とする、請求項1記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記ユーザは、前記昇降装置の強度/昇降速度を(a)低、(b)中及び(c)高の内から1つ選択する形で設定することが出来ることを特徴とする、請求項2記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記ユーザは、前記昇降装置のガスの中身を、(a)不活性ガスと、(b)爆発性ガスの内1つ選択する形で設定することが出来ることを特徴とする、請求項2又は3記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
ユーザは、前記昇降装置の持久力を、(a)プレイングキャラクタ又は他のキャラクタにより破壊される、(b)プレイヤキャラクタ
からの損害に対して無傷、(c)他のキャラクタからの損害に対して無傷、及び(d)不滅、の内1つ選択する形で設定することが出来ることを特徴とする、請求項2乃至4の内、いずれか1項記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記ユーザは、前記昇降装置が上昇する最高高度を、(a)特定の高度、(b)基本的に無限の高度の内1つ選択する形で設定することが出来ることを特徴とする、請求項2乃至5の内、いずれか1項記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記ユーザは、所定の高度にいる前記昇降装置の動きを、(a)実質的に1カ所にとどまる、(b)ユーザからの入力に応じて移動、(c)自動的にプレイヤキャラクタ又は他のキャラクタに追従する、の内から1つ選択する形で設定することが出来ることを特徴とする、請求項2乃至6の内、いずれか1項記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記ユーザは、最高高度にいる前記昇降装置の反応を(a)そのままとどまる、(b)破裂する、の内から1つ選択する形で設定することが出来ることを特徴とする、請求項2乃至7の内、いずれか1項記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記昇降装置が破壊されると、前記昇降装置が支持しているオブジェクトは地面に落下することを特徴とする、請求項1乃至8の内、いずれか1項記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記プレイヤキャラクタは、持ち上げられたオプジェクトに乗り込むことが出来ることを特徴とする、請求項1乃至9の内、いずれか1項先行請求項記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項1乃至10の内、いずれか1項記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオゲームに関し、特に、ビデオゲーム内で使用することが出来る空中輸送(エアボーン)昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲームをしている際に、ユーザの関心度合いを高めたいという欲求がある。特に、アクションアドベンチャーゲームでは、楽しめて、かつゲームプレイ経験の魅力を引き出す相互作用的なゲーム内特徴を出したいという欲求がある。当業者であれば理解できるように、アクションアドベンチャーゲームでは、ユーザが制御するプレイヤキャラクタは、通常チャンレンジに満ちた、(ゲーム世界では)、危険なミッションを請け負う。例えば、軍事的な性質では、プレイヤキャラクタはミッションをコンプリートしようと奮闘する時、敵キャラクタからの攻撃に晒されている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の観点によると、コンピュータによって実行される指令を有するコンピュータプログラムであって、前記プログラムはコンピュータに、ビデオゲームを実行させるものであり、該ビデオゲームでは、ユーザが制御するプレイヤキャラクタが、昇降すべきオブジェクトに空中輸送昇降装置を装着することにより、該オブジェクトを昇降させることが出来、
該ビデオゲームでは、ゲームプレイ中にユーザが、(a)前記昇降装置の強度/昇降速度、(b)該昇降装置の配備のタイミング、(c)該昇降装置のガスの中身、(d)該昇降装置の持久力、(e)所定の高さにあるときの該昇降装置の動き、(f)該昇降装置が上昇する最高高度及び(g)最高高度での該昇降装置の反応のうち、1以上を調整することが出来ることを特徴とする、コンピュータプログラムが提供される。
【0004】
現在好ましい実施例では、前記昇降装置は、インフレータブルバルーンである。しかしながら、他の実施例では、例えば、ドローンである。
【0005】
好ましくは、前記ユーザは、前記昇降装置の強度/昇降速度を(a)低、(b)中及び(c)高の内から1つ選択することが出来る。
【0006】
好ましくは、前記ユーザは、前記昇降装置の配備のタイミングを、(a)即座の配備と、(b)配備の据え置きのうち1つから選択することが出来る。前記ユーザはまた、バルーンの以降の収縮のタイミングを制御することが出来る。
【0007】
好ましくは、前記ユーザは、前記昇降装置のガスの中身を、(a)不活性ガスと、(b)爆発性ガスのうち1つから選択することが出来る。
【0008】
好ましくは、ユーザは、前記昇降装置の持久力を、(a)簡単に破壊と、(b)プレイヤキャラクタの損害に対して屈強及び、(c)他のキャラクタからの損害に屈強及び(d)不滅のうち1つから選択することが出来る。
【0009】
好ましくは、前記ユーザは、前記昇降装置が上昇する最高高度を、(a)特定の高度、(b)基本的に無限の高度の内から1つ選択することが出来る。
【0010】
好ましくは、前記ユーザは、所定の高度にいる前記昇降装置の動きを、(a)実質的に1カ所にととまる、(b)ユーザからの入力に応じて移動、(c)自動的にプレイヤキャラクタ又は他のキャラクタに追従する、の内から1つ選択することが出来る。
【0011】
好ましくは、前記ユーザは、最高高度にいる前記昇降装置の反応を(a)そのままとどまる、(b)破裂する、の内から1つ選択することが出来る。
【0012】
好ましくは、前記昇降装置が破壊されると、前記昇降装置が支持しているオブジェクトは地面に落下する。
【0013】
好ましくは、ユーザが望むならば、前記プレイヤキャラクタは、持ち上げられたオプジェクトに乗り込むことが出来る。
【0014】
本発明の第2の観点によると、前記コンピュータプログラムを格納したコンピュータ可読媒体が提供される。
【0015】
本発明の実施例を、図を参照しつつ述べるが、これらは一例である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の実施例が含まれるビデオゲームをすることができるビデオゲーム装置(例えば、パーソナルコンピュータ又はビデオゲーム機)を概略的に示している。
【
図2】
図2は、サーバ及び複数のクライアント端末から構成されたネットワークベースのビデオゲームシステムを概略的に示しており、この端末で、本発明の実施例が含まれたビデオゲームをすることが出来る。
【
図3】
図3は、本発明の実施例が含まれたビデオゲームのゲームプレイからのスクリーンショットの概略であり、プレイヤキャラクタは空中輸送昇降装置(バルーン)を装着することが出来るオブジェクト(この場合、石油のドラム缶)につなぎ縄を配置している様を示している。
【
図4】
図4は、
図3に続く、他のスクリーンショットの概略であり、バルーンがオブジェクトに装着され、バルーンが膨らみかけている様を示している。
【
図5】
図5は、
図4に続く、他のスクリーンショットの概略であり、バルーンが十分に膨らんだ様を示している。
【
図6】
図6は、
図5に続く、他のスクリーンショットの概略であり、バルーンがオブジェクトを空中に持ち上げている様を示している。
【
図7】
図7は、
図6に続く、他のスクリーンショットの概略であり、バルーンが最高高度に到達している様を示している。
【
図8】
図8は、
図7に続く、他のスクリーンショットの概略であり、バルーンが爆発している様を示している。
【
図9】
図9は、
図6に続く、他のスクリーンショットの概略であり、バルーンがプレイヤキャラクタの後を追う様を示している。
【
図10】
図10は、
図3~
図9のビデオゲームのゲームプレイからの他のスクリーンショットの概略であり、3つのバルーンが比較的大きなオブジェクト(例えば、この場合、輸送コンテナ)を持ち上げるため配備されている様を示している。図では、全体を通して、類似する要素は類似の参照番号で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施例は、出願人が心得ている本発明を実行する際の最良の方法を示しているが、これに到達する方法はこれに限らない。
【0018】
本発明の実施例は、アクションアドベンチャーゲームで使用する空中輸送昇降装置を提供している。特に、ゲーム世界では、ユーザが制御するプレイヤキャラクタは、ユーザからの指示で空中輸送昇降装置を配備することが出来る。この空中輸送昇降装置は、オブジェクトに装着することが出来、該オブジェクトを空中に持ち上げて使用する。ユーザが調整することが出来る空中輸送昇降装置の特性及び反応に関する属性の範囲も提供される。
【0019】
現在好ましい実施例では、空中輸送昇降装置は(ミリタリーグレードの耐久性材料から作られたものとして視覚的にレンダリングすることが出来る)バルーンの形を有しており、空気より軽いガスを含有していることにより、オブジェクトを昇降させることが出来る。本実施例は、主として該装置をバルーンと言及する。しかしながら、別の実施例では、他の種類の空中輸送昇降装置が可能である。例えば、ドローンなどである。いずれの場合も、空中輸送昇降装置は、例えば、飛行機やヘリコプターや飛行船とは違い、無人である。
【0020】
ビデオゲームは、コンピュータプログラムとして提供される。このコンピュータプログラムは、コンピュータ可読指令を有するコンピュータ可読媒体(例えば、CDやDVD等の非一時的なコンピュータ可読記録媒体)で供給することが出来る。或いは、コンピュータプログラムを、インターネット等のネットワークを介してダウンロード可能なフォーマットで提供することが出来る。
【0021】
図1において、ビデオゲームプログラムを、パーソナルコンピュータやビデオゲーム機等のビデオゲーム装置10で実行することが出来る。ビデオゲーム装置10は、ビデオゲームが表示される表示スクリーン12と、一般的に少なくとも中央処理装置(CPU)、リードオンリーメモリ(ROM)とランダムアクセスメモリ(RAM)を有する制御装置14から構成されている。制御装置14は、グラフィック処理装置(GPU)と音響処理装置も有している。表示スクリーン12と制御装置14は、共通のハウジング内に設けられるか、或いは、装置同士を接続する形で別々に設けられる。また、ビデオゲーム装置10は、1以上のユーザ入力装置を有しており、これによりユーザは、ゲーム上でプレイヤキャラクタの移動や行動を制御することが出来る。このようなユーザ入力装置は、例えば、マウス、キーボード、手持ち式コントローラ或いは、(例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータの場合のように)表示スクリーン12と一体化したタッチスクリーンインターフェースから構成することが出来る。ビデオゲーム装置10は、インターネット等のネットワークに接続することが出来、又は、ネットワークに接続されていないスタンドアロンの装置である。
【0022】
更に、
図2において、ビデオゲームプログラムを、ネットワークベースのビデオゲームシステム20内で実行することが出来る。ビデオゲームシステム20は、サーバ装置22、通信ネットワーク24(例えばインターネット)及び各ユーザが操作する複数のユーザ端末26から構成されている。サーバ装置22は、通信ネットワーク24を介してユーザ端末26と通信する。各ユーザ端末26は、パーソナルコンピュータやビデオゲーム機等の、上述したネットワーク接続可能なビデオゲーム装置10や、スマートフォン、タブレットコンピュータ、或いは他の適宜な部品のユーザ装置から構成される。複数のユーザ端末26のそれぞれに、ユーザにとって特有なゲーム内容(例えば、リアルタイムの映像)を提供することができるサーバ22上でビデオゲームプログラムを実行することが出来る。各ユーザ端末では、各ユーザはゲームと対話し、サーバ22に送信する入力を行うことにより、ユーザはゲームの経過をコントロールすることが出来る。又、所定のユーザが、必要に応じてサーバ24と対話することが出来るそれぞれのユーザ端末26内でビデオゲームプログラムを実行することが出来る。
【0023】
どちらの場合も、ユーザがプレイヤキャラクタの移動や行動をコントロールするために入力すると、ユーザ入力に応じてビデオゲームが進行する。ユーザは、また、ゲーム中にユーザが調整することができる設定を変更するように入力することが出来る。本実施例では、ゲームは、アクションアドベンチャーゲームであり、プレイヤキャラクタは、軍事的な性質の、チャンレンジに満ちた、(ゲーム世界では)、危険なミッションを請け負い、そこではプレイヤキャラクタは、敵キャラクタからの攻撃に晒されている。ユーザの表示スクリーンには、(プレイヤキャラクタ、敵キャラクタ、景色、オブジェクト等を有する)3次元ゲーム世界が、動画のビデオレンダリングを使って表示される。
【0024】
空中輸送昇降装置(例えば、バルーン)の配備及び機能
本開示に従って、ビデオゲームにおけるユーザの興味レベルを引き上げるために、ユーザが制御するプレイヤキャラクタは、ユーザの指示の下、空中輸送昇降装置(イラストのようなバルーン)を配備することが出来る。この装置をゲーム世界でオブジェクトに装着して、オブジェクトを空中に昇降させて使用することが出来る。
【0025】
この昇降装置のコア機能を説明するために、
図3は、ビデオゲームのゲームプレイからのスクリーンショットの概略を示しており、プレイヤキャラクタ30は空中輸送昇降装置(バルーン)を装着することが出来るオブジェクト32(この場合、石油のドラム缶)につなぎ縄33を配置する様を示している。つなぎ縄33は、グラッピングフックの方法で配置することが出来る。
【0026】
そこで、
図4に示すように、バルーン36を、つなぎ縄33がオブジェクト32に接触している箇所で、縄34(例えばロープ又はチェーン)により自動的にオブジェクト32に装着し、バルーン36は膨らみ始める。
図5は、バルーン36が十分に膨らんだ様を示しており、
図6は、バルーン36がオブジェクト32を空中に持ち上げている様を示している。
【0027】
図7に示すように、バルーン36は、地表レベルと比較して測定される最高高度hに向けて上昇する。最高高度は、ゲーム内でユーザが調整することができるパラメータである。最高高度は、例えば、5m、10m、15m、或いは基本的に「無限の」高度であるが、実際には、ゲームビデオの「空部分のボックス」の限界で決められ、或いは、バルーン36と上昇したオブジェクト32が視界から消える時に決められる。ゲーム中にユーザがこの最高高度を設定することが出来ること、及びバルーンの他の属性に関しては以下に詳細に述べる。
【0028】
バルーン36が最高高度に到達すると、これもユーザが調整することができる設定次第でそのままホバリングするか、或いは爆発する。バルーンが爆発すると、持ち上げられたオブジェクト32が地面に落下し、また、該オブジェクトが地面にぶつかることで爆発することがある(例えば、上昇したオブジェクトが爆発性のものであれば)。バルーンがそのままホバリングすると、持ち上げられたオブジェクト32は高さを保って保持される(可能性的には、漠然と、或いはバルーンが壊れてオブジェクト32が地面に落下するまで)。
【0029】
最高高度で、又はその他の時は、バルーン36は、例えばプレイヤキャラクタ30や敵キャラクタによる攻撃により爆発し得る。バルーン36が爆発すると、持ち上げられたオブジェクト32が地面に落下し、また、該オブジェクトが地面にぶつかることで爆発することがある(例えば、上昇したオブジェクトが爆発性のものであれば)。敵キャラクタと戦っている時、又はゲーム中のミッションにおいて他の理由から、プレイヤキャラクタにとって有利な効果としてこれを使うことが出来る。
図8は、バルーンが爆発38により破裂している様を示している。
【0030】
以下に示すように、ゲームの最中に、ユーザは、損害(例えば、銃の発砲や近くの爆発)に抵抗するためのバルーン36の持久力を設定することが出来る。ユーザはまた、バルーンにオブジェクトを持ち上げる力を与えるバルーン36のガスの中身を、不活性ガス(例えば、ヘリウム)か爆発性ガス(例えば、水素)のどちらかに設定することが出来る。
【0031】
バルーンがある高さを保ちながら、オブジェクト32を支持している間は、ユーザは、バルーンの反応を、バルーン36がプレイヤキャラクタ(又は、敵キャラクタ等の、ゲーム内の他のキャラクタ)の後を追うように設定することが出来る。
図9は、方向41に移動しているバルーン36が、方向40に移動しているプレイヤキャラクタ30の後を追う様を示している。このようにしてバルーン36がプレイヤキャラクタ30の後を追う。バルーンがオブジェクトを支持しつつ移動する方向をユーザが案内することができること、或いはバルーンが一旦所定の高さを維持しつつ1つの場所にとどまらせること等、バルーンの移動に関してユーザが設定可能な属性の他の例は、以下に示す。
【0032】
ゲームでは、所定のバルーン(又は他の昇降装置)には、持ち上げるオブジェクトの重量を決定する揚重強度及び、所定の重量のオブジェクトの揚重速度がある。ゲーム中で、ユーザはバルーンの揚重強度を設定することが出来る。重いオブジェクトを持ち上げるために、1以上のバルーンが必要とされることもある。例えば
図10に示す輸送コンテナ42のように、重いオブジェクトを持ち上げるために(それぞれ綱34a、34b、34cを有する)3つのバルーン36a、36b、36cが必要となることがある。プレイヤキャラクタは持ち上げるには十分大きいオブジェクトに乗り込むことが出来、またユーザは、(オブジェクトとプレイヤキャラクタを支持しつつ)バルーンが移動する方向も制御することが出来る。
【0033】
空中輸送昇降装置(例えば、バルーン)のユーザ設定可能属性
現在好ましい実施例に従って、次に示す表1は、(バルーンを配備する前の)ゲーム中にユーザが調整することが出来る昇降装置(例えば、バルーン)の属性と、ユーザが選択できる各属性の例示設定を示している。他の実施例では、これら属性の部分集合だけ、或いは、各設定の部分集合だけ設けられる。更なる他の実施例では、属性又は設定が追加して設けられる。一旦属性が設定されると、ユーザが変更するまでその後配備するバルーン全てに対してその属性を適用することが出来る。各属性は、ユーザが変更しない限り、又は、変更するまで、ゲームが決めるデフォルトの設定を有する。
【0034】
【0035】
ユーザが選択できる上記属性及び対応する設定を以下詳細に説明する。
【0036】
揚重強度
この設定により、バルーン36が持ち上げるオブジェクト32の重量や、所定の重量のオブジェクトを持ち上げる速度が決まる。上記表の実施例では、利用できる質的なオプション設定は、「高」、「中」、「低」であるが、他の実施例では、その代わりに、上昇する量的値が設けられる。従って、揚重強度を調整することにより、ユーザは、揚重する特定のオブジェクトに見合うようにバルーンを調整することが出来、それが揚重するオブジェクトの速度を左右する。
図10に示すように、重いオブジェクトを揚重するためには、多数のバルーン(一般的に、「高」揚重強度を有するバルーン)が必要となる。
【0037】
配備
この設定により、プレイヤが揚重させるオブジェクト32にバルーンを装着させた後、バルーン36を配備するタイミングが決まる。上述の表の実施例では、利用できるオプションは、「自動」と「指令に応じて」である。「自動」設定では、オブジェクトに装着した後、すぐにバルーンが膨らみ、これに続き、(バルーンが十分な強度を有していれば)バルーンがオブジェクトを空中に持ち上げ始める。
【0038】
「指令に応じて」設定では、ユーザが(例えば、専用の制御ボタンを押すなど)更にユーザ入力をすると、ユーザは、必要に応じてバルーンの膨張を開始させることが出来る。同様に、ユーザが更にユーザ入力をすると、これに続くバルーンの収縮のタイミングを制御することが出来る。従って、ユーザは、バルーンがオブジェクトを持ち上げ始める時、及び/又はバルーンがオブジェクトの高度を下げ始める時を制御することが出来る。更なる「指令に応じて」配備オプションは、ユーザが、オブジェクトを支持している間にバルーンを無効にすることであり、これにより、バルーンは消え、支持していたオブジェクトは落下する。
【0039】
ガスの中身
この設定により、バルーン36に充填するガスの種類が決まる。上記表に示す実施例では、使用できるオプションは、「不活性」と「爆発性」である。不活性ガスは、例えばヘリウムであり、これはユーザに与えられるオプションで名付けられる。その場合、バルーンが(例えば、銃の発砲や近くの爆発により)破裂すると、バルーンは爆発しないで破裂し、持ち上げられたオブジェクト32は落下する。
【0040】
他のオプションとして、爆発性ガスは、例えば水素であり、これはユーザに与えられるオプションで名付けられる。その場合、バルーン36が破裂すると、爆発によりバルーンが破裂し、持ち上げられたオブジェクト32は落下する。バルーンの爆発による破裂は、敵キャラクタとの戦いのある状況で有利な効果として使うことが出来る、又は、ミッション内で他の方法で進展させるために使うことが出来る。
【0041】
持久力/防具レベル
この設定では、バルーン36の損害(例えば、銃の発砲や近くの爆発)に対する抵抗力が決められる。上記表の実施例では、使用できるオプションは、「もろい」(即ち、バルーンは簡単に壊れる)、「プレイヤ損害に対して屈強」(即ち、バルーンは、他のキャラクタ、オブジェクト又は爆発により破壊されるだけ)、「敵損害に対して屈強」(即ち、バルーンは、プレイヤキャラクタにより破壊されるだけ)と「不滅」(即ち、バルーンは破壊されない)である。
【0042】
「敵損害に対して屈強」オプションは、ユーザにとって、敵からの発砲を受けながらバルーン36(及び持ち上げられたオブジェクト32)を特定の位置に誘導する必要がある時に使うことが出来る。そこで、ユーザは、バルーンに発砲することが出来る。例えば、バルーンを破裂/爆発させることにより、戦略的に好ましい瞬間にオプジェクト32を落下させることが出来る。
【0043】
「プレイヤ損害に対して屈強」オプションは、ユーザにとって、敵に対して発砲しながら途中で自分自身の発砲によりバルーンが破壊されるリスクがないようにバルーン36(及び持ち上げられたオブジェクト32)を特定の位置に誘導する必要がある時に使うことが出来る。しかしながら、バルーンは、敵からの発砲により、他のオブジェクトにより、又は爆発により破壊しうる。
【0044】
「もろい」オプションは、バルーン36がプレイヤキャラクタや敵キャラクタからの発砲により、又は他のオブジェクトにより、又は爆発により破壊されることにユーザが無関心の時に、使用することが出来る。
【0045】
「不滅」オプションは、ユーザが、バルーン36がいかなる発砲や、オブジェクトや近くの爆発等からの損害に抵抗する必要がある際に使用することが出来る。
【0046】
移動
この設定により、バルーン36がオブジェクト32を所定の高さで支持している際、移動する方法が決まる。上記表の実施例では、「浮遊」、「案内」と「追従」のオプションを使用することが出来る。
【0047】
「浮遊」に設定すると、バルーン36が収縮し又は破壊されない限り、若しくは、収縮し又は破壊されるまで、バルーン36は所定の高さで実質的に(即ち、実質的に静止して)1カ所にとどまる。
【0048】
「案内」に設定すると、ユーザからの更なる入力に従って(即ち、ユーザは、入力装置を操作して、バルーンを移動させたい方向をポインタで指し示す)バルーン36を移動させることが出来る。このようにして、ユーザは持ち上げられたオブジェクト32を所望の位置に移動させるためにバルーン36を案内(実質的に進め)させることが出来る。そこでバルーン36を、(例えば、発砲により)破壊させることが出来、持ち上がったオブジェクト32は落下する。例えば、オブジェクトが爆発性のものであれば、戦略的に有利な場所で爆発をおこすことが出来る。
【0049】
「追従」に設定すると、ユーザがゲーム世界でプレイヤキャラクタを移動させる時、バルーン36は(持ち上げられたオブジェクト32と共に)プレイヤキャラクタ30の後を自動的に追う。他の設定では、バルーン36は、別のキャラクタ(例えば、敵キャラクタ)を自動的に追うように設定することが出来る。
【0050】
最高高度
この設定では、バルーン36が、オブジェクト32を支持している際上昇する最高高度(
図7のh)が決まる。上述した表の実施例では、使用できるオプションは、「5m」、「10m」、「15m」、と「無限」である。
【0051】
5m、10m、15mの設定は、(ゲーム世界で)メートル表記の最大高度hを定義している。この高度で、ゲームプレイの現在の状況に応じて、戦略的に有益な位置でオブジェクト32を保持するためにバルーン36を使用することが出来る。
【0052】
「無限」設定では、実際には、ゲームビデオの「空部分のボックス」の限界で決められ、或いは、バルーン36と持ち上げられたオブジェクト32が視界から消える時に決められる。このように、オブジェクトをゲーム世界から取り除く際に、最高高度の無限設定を使うことが出来る。
【0053】
最高高度の効果
この設定により、オブジェクト32を支持しているバルーン36が最高高度に達した時のバルーン36の反応が決まる。上記表の実施例では、使用できるオプションは、「ホバリング」と「爆発」である。
【0054】
「ホバリング」設定では、バルーン36が最高高度でそのままホバリングすることにより、持ち上げられたオブジェクト32は高さを保って保持される(可能性的には、漠然と、或いはバルーンが移動するまで、或いはバルーンが壊れてオブジェクト32が地面に落下するまで)。
【0055】
「爆発」設定では、バルーン36が最高高度に到達したとき破裂し、持ち上げられたオブジェクト32は地面に落下し、(例えば、持ち上げられたオブジェクトが爆発性のものであれば)地面にぶつかって爆発する可能性がある。
【0056】
概要
このように、上記記述から、現在の課題は、ユーザが制御するプレイヤキャラクタが、昇降すべきオブジェクトに空中輸送昇降装置(例えば、バルーン)を装着することにより、該オブジェクトを昇降させることが出来、ゲームプレイ中にユーザが、(a)前記昇降装置の強度/昇降速度、(b)該昇降装置の配備のタイミング、(c)該昇降装置のガスの中身、(d)該昇降装置の持久力、(e)所定の高さにあるときの該昇降装置の動き、(f)該昇降装置が上昇する最高高度及び(g)最高高度での該昇降装置の反応のうち、1以上を調整することが出来るビデオゲームを提供することであると理解できる。
【0057】
可能な変更及び他の選択肢
詳細な実施例及び他の可能な選択肢をいくつか上述した。本明細書で具体化した発明に利益をもたらす形で、変形及び更なる選択肢があり得ると当業者であれば理解される。それ故、本発明は上記実施例に限定されずに、添付のクレームの範囲内で、かつ当業者に明らかな変更を含むと理解される。