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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】収納装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20231206BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
E05B49/00 J
E05B65/00 D
E05B65/00 N
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021511247
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(86)【国際出願番号】 JP2020008271
(87)【国際公開番号】W WO2020202945
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2019065583
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】酒井 勇希
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2004/086294(WO,A1)
【文献】特開2004-38522(JP,A)
【文献】特開2010-150778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 49/00-49/04
E05B 65/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する箱体と、
前記開口部を開閉する扉と、
前記扉を施解錠する施解錠部と、
端末装置と無線通信を行う通信部と、
前記通信部が前記端末装置から受信した信号の強度が所定の閾値より小さい場合、前記扉を施錠する施解錠制御部と、を備え
前記施解錠制御部は、前記信号の強度が前記所定の閾値より小さく、且つ、前記端末装置から指示を受信した場合、前記指示に基づいて前記扉を施解錠する、収納装置。
【請求項2】
前記施解錠制御部は、前記信号の強度が前記所定の閾値以上の場合、前記扉を解錠する、請求項1に記載の収納装置。
【請求項3】
前記指示は、通信網を介して前記通信部が受信する、請求項1又は2に記載の収納装置。
【請求項4】
前記施解錠制御部は、前記信号の強度、前記指示の少なくともいずれかから設定された施解錠の条件に基づいて、前記扉を施解錠する、請求項1~3のいずれか1項に記載の収納装置。
【請求項5】
前記施解錠制御部は、前記箱体の内部の温度が所定の設定温度範囲から外れると前記扉を解錠する、請求項1~のいずれか1項に記載の収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納装置に関する。本願は、2019年3月29日に、日本に出願された特願2019-065583に優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ID(Identifier)カードを利用して解錠する、電子錠を備える物品収納ボックスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-101307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された物品収納ボックスにおいては、物品収納ボックスの利用者は、IDカードを用いて解錠操作を行う必要がある。そこで、本発明の一態様は、例えば、ユーザが携帯する携帯端末との距離に応じて、電子錠が施錠される収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る収納装置は、開口部を有する箱体と、前記開口部を開閉する扉と、前記扉を施解錠する施解錠部と、端末装置と無線通信を行う通信部と、前記通信部が前記端末装置から受信した信号の強度が所定の閾値より小さい場合、前記扉を施錠する施解錠制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】システムの構成の一例を示す図である。
図2】収納装置の全体構成の一例を示すである。
図3】入力部及び表示部の一例を示す図である。
図4】収納装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5】端末装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】第1の実施形態に係る収納装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図7】第2の実施形態に係る収納装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0009】
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。本実施形態に係るシステムは、例えば、収納装置100と、端末装置200とを含む。なお、以下の説明では、端末装置200のユーザを、説明の便宜上、「ユーザ」と表記する。
【0010】
収納装置100は、内部に物品を収納可能であって、扉11と錠20(以下、施解錠部とも呼ぶ)とを備える装置である。さらに、収納装置100は、端末装置200と通信する手段を備える。なお、以下の説明では、収納装置100として冷蔵庫を例示するが、これは、収納装置100を冷蔵庫に限定する趣旨ではない。
【0011】
端末装置200は、収納装置100と通信する手段を備える情報処理装置である。端末装置200は、例えば、携帯端末(スマートフォン、タブレット端末等)であってもよい。
【0012】
次に、収納装置100について詳細に説明する。
【0013】
図2は、収納装置100の全体構成の一例を示す図である。図2に示す収納装置100は、例えば、箱体10と、扉11(例えば、扉11a、扉11b)と、扉開閉軸12a、12bとを備える。さらに、収納装置100は、例えば、ソレノイドコイル給電部21と、ソレノイドコイル22と、ピン受け鍵穴23と、可動ピン24と、ピン受け穴25とを備える。なお、以下の説明では、扉開閉軸12a、12bを区別する必要がない場合、扉12と表記する。さらに、収納装置100は、例えば、収納装置100の一例であり、収納装置100の構成を図2に限定する趣旨ではない。例えば、図2は、2つの扉11(扉11a、扉11b)、扉開閉軸12a、扉開閉軸12bを示すが、これは、扉11、扉開閉軸12の数を限定する趣旨ではない。
【0014】
箱体10は、開口部を有する。箱体10の内部には物品を収納可能な空間(収納空間)を有する。
【0015】
扉11は、箱体10の開口部を塞ぐように配置される。なお、以下の説明では、手動で扉11の開閉動作を行う者を、操作者と呼ぶ。
【0016】
扉11には扉開閉軸12が貫通する。なお、錠20は、例えば、ソレノイドコイル給電部21と、ソレノイドコイル22と、ピン受け鍵穴23と、可動ピン24と、ピン受け穴25とにより実現されてもよい。
【0017】
ソレノイドコイル給電部21は、電源(不図示)とソレノイドコイル22とに接続し、電力をソレノイドコイル22に供給する。可動ピン24は、ソレノイドコイル22から発生する電磁力に基づいて、可動ピン24の長手方向に沿って動く。例えば、可動ピン24がピン受け鍵穴23を貫通し、ピン受け穴25に挿入した状態では、扉11aと扉11bとが施錠される。一方、例えば、可動ピン24がピン受け鍵穴23を貫通しない状態においては、扉11aと扉11bとが解錠される。
【0018】
以下、図3を参照しながら、入力部102及び表示部103について説明する。図3は、入力部102及び表示部103の一例を示す図である。なお、図3は、入力部102及び表示部103の一例であり、入力部102及び表示部103を、図3に限定する趣旨ではない。
【0019】
入力部102は、操作者の入力操作を受け付け、例えば、ボタン、キー、タッチパネル等により実現される。また、入力部102は、ユーザの生体情報(指紋情報、虹彩情報、静脈情報、顔画像等)を受け付けてもよい。入力部102が生体情報を取得する場合には、入力部102は、取得対象の生体情報に対応するハードウェアを備えるものとする。図3を参照すると、入力部102は、例えば、キーボタン1021を備える。例えば、操作者がキーボタン1021を押して、ユーザ識別情報(暗証番号等)を入力する。
【0020】
表示部103は、操作者に情報を報知する。図3を参照すると、表示部103は、例えば、表示画面1031と、表示ランプ1032とを含む。表示画面1031は、例えば、液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)等により実現される。例えば、表示画面1031に、扉11を解錠するために必要な操作を指示するメッセージ等が表示されてもよい。表示ランプ1032は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等により実現される。表示ランプ1032は、例えば、点灯、点滅等により、施錠(又は解錠)の有無を報知してもよい。
【0021】
次に、収納装置100の機能構成について説明する。
【0022】
図4は、収納装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。収納装置100は、例えば、通信部101と、入力部102と、表示部103と、記憶部110と、制御部120とを含む。
【0023】
通信部101は、端末装置200と無線通信を行う。通信部101は、例えば、NIC(Network Interface Card)等により実現される。本実施形態に係る通信部101は、端末装置200と直接(即ち、通信網を介さずに)通信する。例えば、通信部101は、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy、登録商標)等を利用して、端末装置200と通信してもよい。
【0024】
端末装置200から送信される信号は、例えば、端末装置200を識別する情報を含む。以下の説明では、端末装置200を識別する情報を、端末識別情報と呼ぶ。例えば、端末識別情報は、端末装置200のMAC(Media Access Control)アドレス、端末装置200の製造番号であってもよい。また、端末識別情報は、通信事業者との通信契約時に、端末装置200に割り当てられた番号等であってもよい。また、端末識別情報は、端末装置200で実行するソフトウェアによって生成される、収納装置100との間で認証可能とするための情報であってもよい。
【0025】
通信部101が端末装置200から直接に信号を受信(即ち、通信網を介さずに信号を受信)する場合、収納装置100と端末装置200間の距離が離れるほど、通信部101が端末装置200から受信する信号の強度は小さくなる。なお、以下の説明では、通信網を介さない通信を、説明の便宜上、直接通信とも呼ぶ。
【0026】
表示部103は、ユーザに情報を提示する。表示部103は、例えば、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、LEDランプ等により実現される。
【0027】
扉動作検出部104は、扉11の開閉動作を検出する。例えば、扉動作検出部104は、扉開閉軸12の回転を検出してもよい。そして、扉動作検出部104は、扉開閉軸12の周りの回転角に基づいて、扉11の開閉動作を検出してもよい。なお、扉動作検出部104は、扉11の開閉動作を検出できればよく、検出方法の詳細は問わない。
【0028】
施解錠部105は、扉11を施解錠する。施解錠部105は、例えば、ソレノイドコイル給電部21、ソレノイドコイル22、ピン受け鍵穴23、可動ピン24、ピン受け穴25により実現される。なお、施解錠部105は、扉11を施解錠できれば、その詳細は問わない。
【0029】
記憶部110は、収納装置100を動作させるための情報を記憶する。記憶部110は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)により実現される。
【0030】
記憶部110は、例えば、扉11の解錠権限を有する端末装置200を識別する情報(以下、登録端末識別情報と呼ぶ)と、扉11の解錠権限を有するユーザを識別する情報(以下、登録ユーザ識別情報と呼ぶ)とを記憶する。なお、以下の説明では、登録端末識別情報に対応する端末装置200を、登録された端末装置200と呼ぶ。
【0031】
登録ユーザ識別情報は、扉11の解錠権限を有するユーザを識別する情報であれば、その詳細は問わない。ユーザを識別する情報は、例えば、ユーザにより設定されたパスワード等であってもよい。または、ユーザを識別する情報は、例えば、生体情報(指紋情報、虹彩情報、静脈情報、顔画像情報等)であってもよい。なお、以下の説明では、登録ユーザ識別情報に対応するユーザを、登録されたユーザと呼ぶ。
【0032】
制御部120は、収納装置100の全体を制御する。制御部120は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、プロセッサは、制御部120に格納されたプログラムを読み出し、実行することで、プロセッサは、制御部120として動作する。
【0033】
制御部120は、例えば、認証制御部121と、施解錠制御部122と、通知部123とを含む。
【0034】
認証制御部121は、端末装置200、操作者の少なくともいずれかを認証する。具体的には、入力部102が認証対象のユーザを識別する情報を受け付けると、認証制御部121は、登録ユーザ識別情報に基づいて、認証対象のユーザを認証する。そして、認証制御部121は、登録ユーザ識別情報に基づいて操作者を認証すると、入力部102に対する認証された操作者の操作に基づいて、登録端末識別情報を取得や更新してもよい。そして、認証制御部121は、取得した登録端末識別情報を、記憶部110に記憶させてもよい。それにより、認証制御部121は、登録端末識別情報の取得や更新を、登録されたユーザに制限することができる。
【0035】
また、認証制御部121は、認証対象の端末装置200の端末識別情報を取得すると、登録端末識別情報に基づいて、取得した認証対象の端末装置200を認証する。
【0036】
施解錠制御部122は、扉11の施解錠を制御する。具体的には、施解錠制御部122は、通信部101が直接通信により端末装置200から受信した信号の強度に基づいて、扉11を施解錠する。
【0037】
より具体的には、施解錠制御部122は、通信部101が端末装置200から受信した信号の強度が、所定の閾値より小さい場合、扉11を施錠する。一方、施解錠制御部122は、通信部101が端末装置200から受信した信号の強度が、所定の閾値以上である場合、扉11を解錠する。
【0038】
通信部101が、登録された端末装置200からの信号を、通信網を介さずに(即ち、直接通信により)受信するとともに、当該信号の強度が所定の閾値より小さい場合、施解錠制御部122は扉11を施錠する。一方、通信部101が、登録された端末装置200からの信号を、通信網を介さずに(即ち、直接通信により)受信するとともに、当該信号の強度が所定の閾値以上である場合、施解錠制御部122は扉11を解錠する。または、通信部101が登録された端末装置200から直接通信により受信した信号の強度が、所定の閾値以上であって所定の範囲内である場合には、施解錠制御部122は扉11を解錠してもよい。
【0039】
例えば、収納装置100が、端末装置200のユーザ宅に設置された冷蔵庫であるとする。そして、端末装置200のユーザが在宅しているとする。さらに、収納装置100と直接通信可能(即ち、収納装置100が通信網を介さずに端末装置200から信号を受信可能)であって、当該信号の強度が所定の閾値以上の位置に、端末装置200が存在するとする。その場合、施解錠制御部122は扉11を解錠する。それにより、端末装置200のユーザ等は、収納装置100に収納された物品(例えば、食品)を取り出すことができる。
【0040】
一方、端末装置200のユーザが、端末装置200を携帯して外出しているとする。そして、端末装置200からの信号の強度が所定の閾値未満(例えば、端末装置200と収納装置100と直接通信不可能)の位置に、端末装置200が存在するとする。その場合、施解錠制御部122は扉11を施錠する。それにより、端末装置200のユーザが、端末装置200を携帯して外出している場合、例えば、在宅している家事使用人は、収納装置100に収納された物品(例えば、食品)を取り出すことができない。
【0041】
なお、収納装置100は、箱体10の内部の温度を計測する温度センサ(不図示)を備えてもよい。そして、施解錠制御部122は、箱体10の内部の温度が所定の設定温度範囲から外れると、扉11を解錠してもよい。これは、冷蔵庫など、収納装置100が保温機能を有している場合に、停電や故障などによって収納装置100内の温度が管理できなくなるという緊急時には、扉11を解錠することで、収納装置100内の貯蔵品を素早く移動させることが可能となる。
【0042】
また、施解錠制御部122が扉11を解錠した後、扉11が開閉した場合には、施解錠制御部122は扉11を施錠してもよい。
【0043】
また、施解錠制御部122は、入力部102に対する登録されたユーザの操作に基づいて、扉11を施解錠してもよい。例えば、入力部102が登録ユーザ識別情報を受け付けた場合、施解錠制御部122は扉11を解錠してもよい。つまり、操作者が登録されたユーザである場合、施解錠制御部122は扉11を解錠してもよい。なお、扉11を施解錠する登録ユーザ識別情報は、前述の、登録端末識別情報の取得や更新を可能とする登録ユーザ識別情報とは、異なる識別情報としてもよい。この場合は、登録端末識別情報の取得や更新を可能とする登録ユーザ識別情報の方が、扉11を施解錠する登録ユーザ識別情報よりもセキュリティ強度が高いことが好ましい。また、入力部102が登録端末識別情報の取得や更新を可能とする登録ユーザ識別情報を受け付けた場合、施解錠制御部122は扉11を解錠してもよい。
【0044】
また、例えば、入力部102が登録ユーザ識別情報を受け付けることにより施解錠制御部122が扉11を解錠した後、扉11が閉まった場合、施解錠制御部122は、扉11を施錠してもよい。それにより、登録されたユーザが扉11を解錠できるとともに、当該登録されたユーザが施錠操作を行うことなく、扉11を施錠できる。
【0045】
なお、施解錠制御部122は、施解錠制御部122が非通電のときは扉11を施錠状態としてもよい。また、収納装置100は充電池(不図示)を備えて、収納装置100が電源から電力を供給できなくなった場合、施解錠制御部122は、充電池から電力を供給して扉11を施錠してもよい。それにより、例えば、収納装置100のコンセントが抜かれた場合に、扉11が施錠されるため、箱体10の内部に収納された物品が盗まれることを防止できる。
【0046】
通知部123は、収納装置100の状態を、端末装置200に通知する。例えば、通知部123は、扉11の施錠(又は解錠)の有無を、端末装置200に通知してもよい。
【0047】
次に、端末装置200の機能構成について説明する。
【0048】
図5は、端末装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。端末装置200は、例えば、記憶部201と、通信部202と、入力部203と、制御部204と、報知部205とを含む。
【0049】
記憶部201は、端末装置200を動作させるための情報を記憶する。記憶部201は、例えば、端末識別情報を記憶する。記憶部201は、例えば、ROM、RAMにより実現される。
【0050】
通信部202は、収納装置100と無線通信する。例えば、通信部202は、Bluetooth、BLE等を利用して、端末装置200と直接通信してもよい。通信部202は、例えば、NIC等により実現される。
【0051】
入力部203は、ユーザの入力を受け付け、キーボード、タッチパネル、ボタン等により実現される。
【0052】
制御部204は、端末200の全体を制御する。制御部204は、CPU等のプロセッサにより実現される。例えば、プロセッサが記憶部201に格納されたプログラムを読み出し、実行することで、制御部204として動作する。
【0053】
報知部205は、ユーザに情報を報知する。例えば、収納装置100の状態(例えば、扉11の施錠(又は解錠)の有無等)に関する情報を、通信部202が収納装置100から受信した場合、報知部205は、受信した収納装置100の状態に関する情報を、ユーザに報知する。報知部205は、ユーザに情報を報知できればよく、報知方法の詳細は問わない。例えば、報知部205は、文字、画像、音、光、振動等を用いて、ユーザに情報を報知してもよい。
【0054】
図6は、収納装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0055】
ステップS11において、登録された端末装置200から直接通信により受信した信号の強度が、所定の閾値以上であるか否かを、施解錠制御部122は判断する。
【0056】
登録された端末装置200から直接通信により受信した信号の強度が、所定の閾値以上である場合(ステップS11:Yes)には、施解錠制御部122は、扉11を解錠する(ステップS12)。そして、制御は、ステップS11に戻り、処理を継続する。
【0057】
一方、端末装置200から直接通信により受信した信号の強度が、所定の閾値より小さい場合(ステップS11:No)には、扉11が閉まっているか否かを、施解錠制御部122は判断する(ステップS13)。
【0058】
扉11が閉まっている場合(ステップS13:Yes)には、施解錠制御部122は、扉11を施錠する(ステップS14)。そして、制御は、ステップS11に戻り、処理を継続する。一方、扉11が閉まっていない場合(ステップS13:No)には、施解錠制御部122は、扉11が閉まるまで、待機する。例えば、通信部101が、登録された端末装置200から直接通信により受信した信号の強度が、所定の閾値より小さい場合に、扉11が開いているとする。その場合、扉11が閉まると、施解錠制御部122は、扉11を施錠する。
【0059】
また、例えば、施解錠制御部122が扉11を解錠し、収納装置100の操作者が扉11を開いた後、通信部101が、登録された端末装置200から直接通信により受信した信号の強度が、所定の閾値より小さくなったとする。その場合、収納装置100の操作者が扉を閉めた後で、扉11が施錠される。それにより、通信部101が、登録された端末装置200から直接通信により受信した信号の強度が、所定の閾値より小さい場合には、収納装置100の操作者が、扉11を閉めると、扉11は自動的に施錠される。そのため、通信部101が、登録された端末装置200から直接通信により受信した信号の強度が、所定の閾値より小さい場合には、収納装置100の操作者は、扉11を施錠する動作を行う必要がない。なお、上記フローは一例であって、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば、端末装置200から直接通信により受信した信号の強度が、所定の閾値より小さい場合(ステップS11:No)には、施解錠制御部122は、扉11を施錠(ステップS14)してもよい。
【0060】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態と第1の実施形態との相違点は、更に、端末装置200からの指示に基づいて扉11を解錠する点である。なお、下記において他の実施形態と同様である点については説明を省略する。
【0061】
通信部101は、直接通信及び通信網(WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等)を介する通信により、端末装置200と通信する。
【0062】
記憶部110は、端末装置200との直接通信により受信した信号の強度、端末装置200からの指示の少なくともいずれかから設定された施解錠の条件を記憶する。ここで、端末装置200からの指示は、通信網を介して通信部101が受信するものとする。
【0063】
施解錠制御部122は、端末装置200から直接通信により受信した信号の強度、登録された端末装置200からの指示の少なくともいずれかに基づいて、扉11を施解錠する。具体的には、通信部101が登録された端末装置200から扉11を解錠する指示を受信した場合、施解錠制御部122は扉11を解錠する。以下の説明では、扉11を解錠する指示を、解錠指示と呼ぶ。
【0064】
また、通信部101が、登録された端末装置200から扉11を施錠する指示を受信した場合、施解錠制御部122は扉11を施錠してもよい。以下の説明では、扉11を施錠する指示を、施錠指示と呼ぶ。なお、以下の説明において、説明の便宜上、通信部101が登録された端末装置200からの解錠指示を受信しない場合、扉11は施錠された状態であるものとする。
【0065】
例えば、収納装置100が、端末装置200のユーザ宅に配置された冷蔵庫であるとする。そして、端末装置200のユーザが外出時に、当該ユーザ宅に家事使用人が在宅しているとする。ここで、端末装置200のユーザが、端末装置200を携帯して外出時には、扉11が施錠されているとする。そのため、端末装置200のユーザが外出時に家事使用人は、収納装置100から、収納された物品(例えば、食品)を取り出すことができない。通信部101が、登録された端末装置200から解錠指示を受信すると、施解錠制御部122は扉11を解錠する。それにより、端末装置200のユーザが外出時に、在宅している家事使用人は、収納装置100に収納された物品(例えば、食品)を取り出すことができる。
【0066】
なお、施解錠制御部122は、登録された端末装置200からの指示に基づいて解錠した場合、解錠してから所定の時間経過後に施錠してもよい。
【0067】
また、施解錠制御部122は、端末装置200から直接通信により受信した信号の強度、端末装置200からの指示の少なくともいずれかから設定された施解錠の条件に基づいて、扉11を施解錠する。例えば、施解錠制御部122は、登録された端末装置200から直接通信により受信した信号の強度が所定の閾値を超えるか否かを、施解錠の条件として設定してもよい。
【0068】
また、例えば、施解錠制御部122は、登録された端末装置200からの指示(例えば、解錠指示、又は施錠指示)の有無を、施解錠の条件として設定してもよい。
【0069】
また、例えば、施解錠制御部122は、登録された端末装置200から直接通信により受信した信号の強度、及び登録された端末装置200からの指示の有無を、施解錠の条件として設定してもよい。
【0070】
また、例えば、施解錠制御部122は、入力部102を介した登録されたユーザ識別情報の取得を、施解錠の条件として設定してもよい。その場合、施解錠制御部122は、入力部102を介して登録されたユーザ識別情報を取得した場合、施解錠制御部122は、扉11を解錠(又は施錠)してもよい。
【0071】
施解錠制御部122は、入力部102に対する登録されたユーザの操作に基づいて、施解錠の条件を設定(選択)してもよい。ここで、ユーザは、1又は2以上の施解錠の条件を、入力部102に入力してもよいことは勿論である。なお、例えば、ユーザは、登録された端末装置200を用いて、施解錠の条件を設定(選択)してもよい。そして、登録された端末装置200は、設定された施解錠の条件を、収納装置100に送信してもよい。
【0072】
また、例えば、施解錠制御部122は、通信部101が直接通信により登録された端末装置200から受信した信号の強度が、所定の閾値より小さい場合に、端末装置200からの指示の有無を、施解錠の条件として設定してもよい。
【0073】
さらに、例えば、施解錠制御部122は、通信部101が直接通信により端末装置200から受信した信号の強度が、所定の閾値以上である場合に、端末装置200からの指示の有無を、施解錠の条件として設定してもよい。
【0074】
例えば、施解錠制御部122は、時刻、時間帯に応じて、施解錠の条件を変更してもよい。その場合、所定の時刻又は時間帯になると、施解錠制御部122は、扉11の施解錠の条件を変更してもよい。例えば、登録されたユーザが、施解錠の条件を変更する時刻、時間帯を設定してもよい。
【0075】
例えば、午後9時から午前6時には、登録された端末装置200からの指示の有無を、施解錠の条件として設定する、と施解錠制御部122は設定しているとする。その場合、午後9時から午前6時には、通信部101が直接通信により登録された端末装置200から受信した信号の強度が、所定の閾値以上であっても、施解錠制御部122は、登録された端末装置200からの解錠指示を受信するまで、扉11を施錠した状態を維持する。
【0076】
なお、施解錠制御部122は、解錠した状態(又は施錠した状態)を維持するように、施解錠部105を制御してもよい。例えば、施解錠制御部122は、登録されたユーザの操作、登録された端末装置200からの指示の少なくともいずれかに基づいて、解錠した状態(又は施錠した状態)を維持するように、施解錠部105を制御してもよい。
【0077】
通知部123は、扉11の開閉状態変化(扉11が開いたこと、扉11が閉まったことの少なくともいずれか)を、登録された端末装置200に通知する。また、例えば、通知部123は、扉11の施解錠の成否を、端末装置200に通知してもよい。また、所定の時間を超えて、扉11が開いている場合には、通知部123は、端末装置200に、扉11が開いていることを通知してもよい。なお、上記の施解錠の条件は、一例であり、施解錠の条件を上記に限定する趣旨ではない。
【0078】
図7は、収納装置100の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、説明の便宜上、収納装置100と端末装置200とが直接通信不可能であって、通信部101が登録された端末装置200からの解錠指示を受信しない場合、扉11は施錠された状態であるものとする。また、以下の説明では、一例として、直接通信による信号の強度が所定の閾値を超えるか否かを、施解錠の条件として例示するが、これは、収納装置100に設定される施解錠の条件を限定する趣旨ではない。また、以下の説明では、任意のタイミングで、登録されたユーザの操作等に基づいて、施解錠の条件が変更されてもよいものとして説明する。図7は、収納装置100を、端末装置200を利用して施解錠する動作の一例を示すが、これは、収納装置100を施解錠する方法を限定する趣旨ではない。
【0079】
ステップS101において、直接通信による信号の強度に基づき解錠する施解錠の条件が設定されているか否かを、施解錠制御部122は判断する。直接通信による信号の強度に基づき解錠する施解錠の条件が設定されている場合(ステップS101:Yes)には、ステップS102に遷移する。
【0080】
第1の実施形態と同様に、ステップS102において、登録された端末装置200から直接通信により受信した信号の強度が、所定の閾値以上であるか否かを、施解錠制御部122は判断する。登録された端末装置200から直接通信により受信した信号の強度が、所定の閾値以上である場合(ステップS102:Yes)には、施解錠制御部122は、扉11を解錠する(ステップS103)。そして、制御は、ステップS101に戻り、処理を継続する。
【0081】
一方、登録された端末装置200から直接通信により受信した信号の強度が、所定の閾値より小さい場合(ステップS102:No)には、扉11が閉まっているか否かを、施解錠制御部122は判断する(ステップS104)。
【0082】
扉11が閉まっている場合(ステップS104:Yes)には、施解錠制御部122は、扉11を施錠する(ステップS105)。そして、制御は、ステップS101に戻り、処理を継続する。一方、扉11が閉まっていない場合(ステップS104:No)には、施解錠制御部122は、扉11が閉まるまで、待機する。
【0083】
直接通信による信号の強度に基づき解錠する施解錠の条件が設定されていない場合(ステップS101:No)には、端末装置200からの解錠指示を受信したか否かを、施解錠制御部122は判断する(ステップS106)。端末装置200からの解錠指示を受信しない場合(ステップS106:No)には、制御は、ステップS101に戻り、処理を継続する。一方、端末装置200からの解錠指示を受信した場合(ステップS106:Yes)には、施解錠制御部122は、扉11を解錠する(ステップS107)。そして、制御は、ステップS101に戻り、処理を継続する。なお、施解錠制御部122が、登録された端末装置200からの解錠指示に基づいて、扉11を解錠した場合、通知部123は、解錠したことを、解錠指示の送信元の端末装置200に通知してもよい。
【0084】
なお、施解錠制御部122が端末装置200から解錠指示に基づいて扉11を解錠した場合、扉11が開けられた後、扉11が閉められた場合に施解錠制御部122は扉11を施錠してもよい。その場合、施解錠制御部122が扉11を施錠すると、制御は、ステップS101に戻り、処理を継続する。なお、例えば、施解錠制御部122は、登録された端末装置200からの解錠指示に基づいて、扉11を解錠した後、扉11を施錠した場合、通知部123は、施錠したことを、解錠指示の送信元の端末装置200に通知してもよい。
【0085】
なお、上記フローは一例であって、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば、施解錠制御部122は、登録された端末装置200から直接通信により受信した信号の強度、及び登録された端末装置200からの指示の有無を、施解錠の条件として設定しているとする。その場合、例えば、施解錠制御部122は、登録された端末装置200から直接通信により受信した信号の強度が、所定の閾値より小さい場合に、登録された端末装置200からの指示に基づいて扉11を解錠してもよい。本実施の形態によれば、登録された端末装置200のユーザは、登録された端末装置200を用いて、例えば、遠隔地から、収納装置100の解錠操作をすることができる。さらに、本実施の形態によれば、登録されたユーザは、登録された端末装置200に対する操作又は入力部102に対する操作に基づいて、施解錠の条件を変更できる。
【0086】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7