(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】車両用の操作装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20231206BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20231206BHJP
G06F 3/045 20060101ALI20231206BHJP
G06F 3/042 20060101ALI20231206BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20231206BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20231206BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
G06F3/041 480
G06F3/044
G06F3/045
G06F3/042
G06F3/041 600
G06F3/0488
G06F3/01 560
B60R11/02 C
(21)【出願番号】P 2021521109
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(86)【国際出願番号】 EP2019070595
(87)【国際公開番号】W WO2020078600
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-06-03
(31)【優先権主張番号】102018125769.4
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508066083
【氏名又は名称】ベーア-ヘラー サーモコントロール ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】ケンッピネン,パシ
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-184204(JP,A)
【文献】特開2018-160243(JP,A)
【文献】特表2010-533336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
G06F 3/045
G06F 3/042
G06F 3/0488
G06F 3/01
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の操作装置であって、
開口縁により区切られた受容開口(16)を有する前面(14)と、後壁(22)とを有する筐体(12)と、
上記開口縁と間隔をあけて上記受容開口(16)に配置され、操作面(20)を有する操作素子(18)とを備え、上記操作素子(18)が、上記操作面(20)が設けられた前面と、背面と、区切りエッジ領域(34)とを有し、
底壁(28)及びこの底壁(28)から突出する支持部(30)を有する保持素子(26)をさらに備え、上記支持部(30)が、上記操作素子(18)の上記区切りエッジ領域(34)の下方で途絶えており、かつ上記区切りエッジ領域(34)において上記操作素子(18)に機械的に連結されており、
上記保持素子(26)の上記底壁(28)が、上記支持部(30)から離隔した中央領域
と上記中央領域を囲む周辺領域とを有し、
上記保持素子(26)の上記底壁(28)が上記中央領域において上記筐体(12)の上記後壁により支持され、上記底壁(28)の上記周辺領域が上記筐体(12)の上記後壁に対して間隔を空けて配置され、
上記操作素子(18)の手動作動を検出する複数の作動センサ(60)をさらに備え
、上記作動センサ(60)が、上記保持素子(26)の上記底壁(28)
の上記周辺領域と上記筐体(12)の上記後壁との間に配置されており、かつ上記操作素子(18)の手動作動時に上記中央領域を囲む上記周辺領域において上記保持素子(26)に作用する曲げモーメントを検出し、
評価ユニット(62)をさらに備え、この評価ユニット(62)が、上記作動センサ(60)からの信号を受信し、かつ予め設定可能な最小押圧での上記操作素子(18)の手動作動を検知する目的で上記信号を評価
し、
上記操作素子(18)が、情報を表示する前面を備えるディスプレイ(36)を有し、
上記ディスプレイ(36)が、上記操作面(20)を画定するカバープレート(38)を有し、上記カバープレート(38)が、その裏側に配置された、情報を光学的に表示するための表示ユニット(40)を備え、
上記カバープレート(38)が、四方で上記表示ユニット(40)より突出しており、この突出領域が、上記操作素子(18)の上記区切りエッジ領域(34)を形成し、これにより上記カバープレート(38)の上記突出領域が上記保持素子(26)の上記支持部(30)に機械的に連結し、
上記保持素子(26)が、上記表示ユニット(40)を後方から照らすためのバックライトユニット(46)を受容する車両用の操作装置。
【請求項2】
上記評価ユニット(62)が、上記操作素子(18)の上記操作面(20)における上記操作素子(18)の手動作動が生じる位置を検出する目的で、さらに上記作動センサ(60)の信号を評価す
る請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
上記操作素子(18)の上記操作面(20)における上記操作素子(18)の手動作動が生じる位置を検出するためのタッチセンサシステムが、上記操作素子(18)に設けられてい
る請求項1に記載の操作装置。
【請求項4】
上記タッチセンサシステムが、容量式、抵抗式又は光学式であ
る請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
上記支持部(30)及び上記操作素子(18)の上記区切りエッジ領域(34)が、互いに堅固に接続されてい
る請求項
1に記載の操作装置。
【請求項6】
上記支持部(30)及び上記操作素子(18)の上記区切りエッジ領域(34)が、その間に配置された弾性接続素子(44)により互いに機械的に連結されてい
る請求項
1に記載の操作装置。
【請求項7】
上記接続素子(44)が、上記操作素子(18)の上記操作面(20)に対し垂直に生じる圧縮後に復元可能であり、かつ
このような上記操作面(20)に対して垂直な圧縮に直交して生じる上記操作素子の移動時に弾力的にせん断可能であ
る請求項6に記載の操作装置。
【請求項8】
所定の最小押圧で生じる上記操作素子(18)の作動時に、上記操作素子(18)に機械的に作用することにより触覚応答を生成するための、上記評価ユニット(62)により制御可能なアクチュエータを
さらに備える請求項6
又は請求項7に記載の操作装置。
【請求項9】
上記作動センサ(60)が、位置センサ及び/又は力センサ及び/又は圧力センサを有す
る請求項1から請求項
8のいずれか1項に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願出願は、2018年10月17日の独国特許出願第102018125769.4号の優先権を主張し、その内容を本願出願の対象を構成するものとして援用する。
【0002】
本発明は、車両用、例えば、空調設備、インフォテインメントシステム又はナビゲーションシステム等の車両部品用の操作装置に関し、一般的にはヒューマンマシンインターフェースに関する。
【背景技術】
【0003】
タッチスクリーン型の入力素子でもあるディスプレイを車両に用いることが、ますます普及している。このような軽い接触で起動するタッチディスプレイは、予期せず作動してしまうことがある。これにより安全性に関わる機能が起動したり、車両機能が意図せず調整されたりすると、問題となる恐れがある。そのような場合、操作者が操作パネルの対応する領域を押す力を検出又は測定可能な追加のセンサシステムが必要になる。このようにして、単なる接触による起動が回避される。しばしば操作面は固いことが求められるため、センサシステムとして、ここでは基本的に感力抵抗、ひずみゲージ、光学式又は容量式センサが用いられる。ここで、センサは通例、操作面が部品の固い部分に対してばね素子のたわみを介して移動する経路を測定する。そのため、ディスプレイ表面は通例、筐体内で可動に取り付けられる。
【0004】
独国特許発明第102016002021号明細書、独国特許出願公開第102016108899号明細書及び欧州特許出願公開第2224313号明細書から、弾性的に取り付けられた操作素子を備える操作装置が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国特許発明第102016002021号明細書
【文献】独国特許出願公開第102016108899号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2224313号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の原理では、固い筐体部分に対しディスプレイを可動にする複雑な機構が必要である。また、1つ又は複数のばね素子が必要となり、システム全体の費用が高くなる。
【0007】
本発明は、ディスプレイの手動作動の際のトリガー力を測定するための構成が簡素化された車両用の操作装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明により提案されるのは、
車両用の操作装置であって、
開口縁により区切られた受容開口を有する前面と、後壁とを有する筐体と、
上記開口縁と間隔をあけて上記受容開口に配置され、操作面を有する操作素子とを備え、上記操作素子が、上記操作面が設けられた前面と、背面と、区切りエッジ領域とを有し、
底壁及びこの底壁から突出する支持部を有する保持素子をさらに備え、上記支持部が、上記操作素子の上記区切りエッジ領域の下方で途絶えており、かつ上記区切りエッジ領域において上記操作素子に機械的に連結されており、
上記保持素子の上記底壁が、上記支持部から離隔した中央領域を有し、上記中央領域において、上記保持素子の上記底壁が、上記筐体の上記後壁により支持され、
上記操作素子の手動作動を検出する複数の作動センサをさらに備え、上記保持素子の上記底壁の上記中央領域を囲み、上記筐体の上記後壁に対して間隔を有する周辺領域において、上記作動センサが、上記保持素子の上記底壁と上記筐体の上記後壁との間に配置されており、かつ上記操作素子の手動作動時に上記中央領域を囲む上記周辺領域において上記保持素子に作用する曲げモーメントを検出し、
評価ユニットをさらに備え、この評価ユニットが、上記作動センサからの信号を受信し、かつ予め設定可能な最小押圧での上記操作素子の手動作動を検知する目的で上記信号を評価する車両用の操作装置である。
【0009】
また、本発明により、どの程度の押圧で操作素子の操作面が作動するかを感知する作動センサに押圧を伝達するため、操作素子を支持する保持素子を利用することが提案される。
【0010】
保持素子は、好ましくはすべての縁部で支持部が突出する底壁を有する略槽状もしくは略桶状の素子として構成されている。特に、底壁が、周囲を囲み突出する周壁を有し、周壁が、同様に周囲を囲むフランジと一体となっていると有用である。また、本発明の上記態様において、支持部は、底壁の各縁部に沿って突出する側壁部として構成されている。しかし、好ましくはすべての縁部で、互いに分離かつ離隔した個々の支持部が底壁から突出することも考えられる。
【0011】
支持部は、操作素子の区切りエッジ領域において、操作素子に連結されている。操作素子自体が、操作面を形成する前面と、背面と、上述の周囲を囲む区切りエッジ領域とを有する。
【0012】
保持素子自体は、操作装置の筐体内に設けられており、筐体は、開口縁により区切られた受容開口を有する前面を有し、受容開口に操作素子が配置されている。筐体は、さらに後壁を有する。また、筐体は、側壁も有する。
【0013】
本発明に係る操作装置の特徴は、保持素子が、その底壁の中央領域において、筐体の後壁に堅固に接続されていることにある。つまり、この底壁の中央領域において、後壁が保持素子を支持している。中央領域の外側、すなわち、底壁の中央領域の周辺領域において、保持素子が筐体の後壁に対し離隔しており、保持素子と後壁との間に環状の隙間が形成される。
【0014】
ここで、操作素子の操作面が手動で作動されると、保持素子、特に、その底壁が曲げモーメントを受ける。これは、操作素子の操作面に手動によりかかる力が、操作素子の区切りエッジ領域及びこの区切りエッジ領域に機械的に連結された支持部を介して、底壁に伝達されるからである。底壁が中央に位置し、さらに筐体の後壁との隙間を有するため、底壁が片持ち曲げ梁のように変形し、対応する曲げモーメントを受け取ることができる。この曲げモーメントが、底壁の中央領域を囲む周辺領域と筐体の後壁との間にある作動センサに伝達される。作動センサは、位置センサ及び/又は力センサ及び/又は圧力センサとして実装することができる。特に、MEMS部品(マイクロ電子機械センサ)が好適である。作動センサの測定信号が、特に、対応するハードウェア環境を備えたマイクロプロセッサを有する評価ユニットに伝達される。評価ユニットにおいて、有効な手動作動、すなわち、予め設定可能な最小押圧での操作素子の作動を検知する目的で、作動センサの測定信号が評価される。つまり、これにより操作素子の誤動作をなくすことができる。
【0015】
本発明に係る操作装置は、コンパクトな設計を特徴とする。保持素子を筐体の後壁にせん断接合することで、保持素子と操作素子との間に、操作装置の所望の触覚フィードバックのためのアクチュエータを設けることが可能になる。この場合、操作素子をパルス的かつ機械的に励起させるため、例えば操作素子を横方向にパルス的に動かす目的で、アクチュエータが一方で保持素子により支持されることになる。上記の動きは、手で触覚的に検出可能であり、操作素子の有効な作動に対し触覚応答が行われる。
【0016】
本発明の別の好適な態様において、上記評価ユニットが、上記操作素子の上記操作面における上記操作素子の手動作動が生じる位置を検出する目的で、さらに上記作動センサの信号を評価する。
【0017】
代替又は追加として、上記操作素子の上記操作面における上記操作素子の手動作動が生じる位置を検出するためのタッチセンサシステムが、上記操作素子に設けられていてもよい。上記タッチセンサシステムは、容量式、抵抗式又は光学式とすることができる。MEMSを採用する場合、操作素子の操作面の手動作動の際、保持素子の底壁が受ける曲げモーメントを、曲げ梁、曲げ膜等に伝達することができ、このMEMSの微小機械素子の機械的な屈曲が、トランジスタ測定ブリッジ又は抵抗測定ブリッジもしくはその他の微小機械、微小電気部材により検出される。
【0018】
本発明の別の有用な態様において、上記支持部及び上記操作素子の上記区切りエッジ領域が、互いに堅固に接続されていてもよい。
【0019】
既に上で述べたように、本発明に係る操作装置に、触覚フィードバック機能を付加してもよい。このとき、一般的に、有効な作動が検出されたとき、操作面が機械的に励起される。そのため、操作素子が、保持素子とともに弾性的に接合されている必要がある。つまり、本発明の枠組みにおいて提示される、操作素子の保持素子を筐体の後壁にせん断接合するという概念では、触覚フィードバック機能用の機械的励起のため、操作素子がとどまる。操作素子は、この目的のため、保持素子の支持部に弾性的かつ復元可能に接続されている必要がある。つまり、本発明の一態様は、上記支持部及び上記操作素子の上記区切りエッジ領域が、その間に配置された弾性接続素子により互いに機械的に連結されていることを提案する。
【0020】
上記接続素子が、上記操作素子の上記操作面に対し垂直に生じる圧縮後に復元可能であり、かつこれに直交して生じる上記操作素子の移動時に弾力的にせん断可能であると、特に好適である。接続素子の材料として、ゴムやシリコーン等の弾性材料が好適である。接続素子は、適宜、好ましくは区切りエッジ領域全体に沿って延伸し区切りエッジ領域を保持素子の支持部に機械的に連結するストリップ材料として構成される。ストリップ材料の幾何学形状により、操作面に垂直及び横方向の弾性が、一定限度内で影響を受け得る。また、弾性材料と、弾性材料に埋め込まれ、操作面に対し垂直の収縮性を大幅に減少させるもしくは完全に抑制しつつ、接続素子の横向きのせん断性を確保する剛体との複合材料を用いることも可能である。
【0021】
操作素子を保持素子に弾性的に接合するという上述の概念により、保持素子と操作素子との間に、触覚フィードバック用のアクチュエータを配置することが可能になる。アクチュエータは、保持素子(及び保持素子を介して筐体)により支持され、アクチュエータ素子により操作素子を機械的に励起する。アクチュエータとしては、例えば、タイロッド又は(増幅ギア付又は増幅ギアなしの)ピエゾアクチュエータ等の電気機械アクチュエータが好適である。
【0022】
本発明の別の好適な態様において、上記操作素子が、情報を表示する前面を備えるディスプレイを有し、上記前面が、上記操作素子の上記操作面を形成してもよい。ここで、上記ディスプレイが、上記操作面を画定するカバープレートを有し、上記カバープレートが、その裏側に配置された、情報を光学的に表示するための表示ユニットを備えていてもよい。ディスプレイを備える操作素子のこのような態様において、上記カバープレートが、適宜、四方で上記表示ユニットより突出しており、この突出領域が、上記操作素子の上記区切りエッジ領域を形成する。
【0023】
現在、操作装置に主に用いられるディスプレイは、LCD技術により機能する。表示情報の視認性を向上する目的で、このようなディスプレイにバックライトユニットが設けられている。ここで、本発明に係る操作装置において操作素子を支持する保持素子は、適宜、このようなバックライトユニットを受容するために使用されてもよい。または、個々の画素が情報の表示に必要な時に自動的に点灯するディスプレイが用いられる。つまり、ディスプレイが、LCD技術の場合と異なり、シャッターの一種として構成されておらず、照明のために能動的に制御可能な個々の画素が設けられている。このようなディスプレイの一例として、OLEDディスプレイが挙げられる。個々の画素を点灯する目的で能動的に制御可能なディスプレイは、バックライトユニットを必要としない。そして、保持素子は、このようなディスプレイにおいて、ディスプレイの背面を機械的に保護する機能を果たし、保持素子に受容されるバックライトユニットをディスプレイが有していても、保持素子はこの機能を有する。いずれの場合も、保持素子が、ディスプレイの背面を多かれ少なかれ覆っている。
【0024】
手動作動時に操作素子に作用するモーメントを伝達するために保持素子を利用するという本発明に係る概念は、これらすべての場合において、同じである。
【0025】
以下、図面を参照して実施形態により本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る操作装置の構造の断面図である。
【
図3】
図3は、操作装置の操作素子の操作面を手の指で押す様子を示す図である。
【
図4】
図4は、操作素子の操作面の有効な作動により、操作素子が機械的かつパルス的に横方向に励起される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に、本発明の実施形態に係る操作装置10の基本構造を模式的に示す。操作装置10は、前面14に受容開口16を有する筐体12を有し、受容開口16に、操作面20を備える操作素子18が配置されている。さらに、筐体は、側壁24を介して筐体12の前面14に接続されている後壁22を有する。
【0028】
筐体12内に、本実施形態においては桶状の保持素子26が設けられており、保持素子26は底壁28を有し、底壁28の四方から突出する支持部30が立ち上がっており、支持部30は外を向く組立フランジ32と一体となっている。組立フランジ32は、操作素子18の周囲を囲む区切りエッジ領域34に機械的に連結されている。
【0029】
本実施形態において、操作素子18は、ディスプレイ36として構成されている。ディスプレイ36は、カバープレート38を有し、その前面が、操作素子18の操作面20を形成する。カバープレート38の裏側には、(例えば、LCD技術により実現された)表示ユニット40が設けられている。また、ディスプレイ36は、タッチパネル42の形でタッチセンサシステムをさらに有していてもよい。このようなディスプレイは、背景技術において一般に公知であり、ここではさらなる説明は行わない。
【0030】
カバープレート38の区切りエッジ領域34において、カバープレート38が組立フランジ32に弾力的に接続されている。この接続は、本実施形態においては、組立フランジ32に沿って延伸する弾性バンドとして実装されている接続素子44により行われる。接続素子は、例えば、組立フランジ32及びカバープレート38にせん断接合されている。
【0031】
桶状の保持素子26内に、ディスプレイ36を後方から照らすためのバックライトユニット46が設けられており、バックライトユニット46は、導光素子48と、導光素子48からディスプレイ36の方向に射出される光を均質化するための拡散体50とを有する。本実施形態においては、光源52として支持素子の内側に配置されたLEDを介して、導光素子48に光が供給される。この技術も、一般に公知であり、ここではさらなる説明は行わない。
【0032】
図1に係る操作装置10の特徴は、保持素子26が、筐体12の後壁22に堅固に接続されていることにある。これは、
図1に示されている。ここでは、底壁28の中央領域54が、筐体12の後壁22に接続されている。底壁28の周辺領域56は、中央領域54を四方から囲んで延伸し、筐体12の後壁22に対して間隔をあけて配置されている(隙間空間58を参照)。
図2に示唆されるように、この間隙において、底壁28の角領域に作動センサ60が設けられていることが好ましい。
【0033】
作動センサ60は、その測定信号を評価ユニット62に送り、評価ユニット62は、さらにディスプレイ36のタッチセンサシステム(タッチパネル42)からも情報を受け取る。このとき、操作面20の有効な作動の判定基準として、操作面20の手動作動時に操作面20が最小押圧で押されたかを判断するため、評価ユニット62において作動センサ60の信号の解析が行われる。
【0034】
また、操作装置10は、触覚フィードバック機能を備える。この目的で、操作装置10は、例えば、電磁アクチュエータ素子又はピエゾアクチュエータとして構成されているアクチュエータ64を有する。このアクチュエータ64は、操作素子18の有効な作動を検知する際、操作素子18を横方向にパルス的かつ機械的に励起する役割をもつ。特に、弾性接続素子44がこの目的に寄与し、一方では操作素子18から保持素子26を介して作動センサ60に力又はモーメントを伝達させ、他方では横方向に作用するせん断を可能にする。
【0035】
これは、
図3及び
図4に示されている。
図3は、有効な作動に必要な最小押圧で、操作面20が手で触れられている瞬間の様子を示している。作動センサ60は、押圧を感知する。この押圧が最小押圧より大きいとき、評価ユニット62が制御信号をアクチュエータ64に出力し、
図4において矢印66で示すように、アクチュエータ64が操作素子18をパルス的かつ機械的に横方向に励起させる。
【0036】
図3により、分散的に手動による押圧が操作面20にかかるとき、操作面20の接触点に対向する作動センサ60(すなわち、
図3に右側に示すタッチセンサ60の一方又は両方)が、保持素子26に接触していることが示される。作動センサ60として圧力センサ又は力センサを使用する場合、このことが有用となることがある。作動センサ60として位置センサを用いる場合も、(センサが筐体12の後壁22に配置されている場合は)センサと保持素子26との間に間隔を生じさせることができ、(センサが保持素子26の下面に配置されている場合は)操作素子18の静止状態において、センサと後壁22との間に間隔を有することができる。
【0037】
作動センサ60は、操作面20が予め設定可能な最小押圧で触れられたかを検出する他、手動で操作素子18が作用を受けた箇所の検出にも利用することができる。操作面20に手動によりかかる力は、操作面20が作用を受けた箇所によって、複数の作動センサ60の異なる大きさの測定信号として機能する。そして、先行する適切なキャリブレーションにより、測定信号パターンに従って、操作面20の手動作動の箇所を推測することができる。
【符号の説明】
【0038】
10 操作装置
12 筐体
14 筐体の前面
16 前面の受容開口
18 操作素子
20 筐体の操作面
22 筐体の後壁
24 筐体の側壁
26 保持素子
28 保持素子の底壁
30 保持素子の支持部
32 支持部の組立フランジ
34 操作素子の区切りエッジ領域
36 ディスプレイ
38 ディスプレイのカバープレート
40 ディスプレイの表示ユニット
42 ディスプレイのタッチパネル
44 接続素子
46 ディスプレイのバックライトユニット
48 バックライトユニットの導光素子
50 バックライトユニットの拡散体
52 バックライトユニットの光源
54 底壁の中央領域
56 中央領域の周辺領域
60 作動センサ
62 評価ユニット
64 アクチュエータ
66 矢印