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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】同軸マイクロストリップ線路変換回路
(51)【国際特許分類】
   H01P 5/08 20060101AFI20231206BHJP
   H01P 3/08 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H01P5/08 B
H01P3/08 100
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021529893
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(86)【国際出願番号】 JP2020016086
(87)【国際公開番号】W WO2021002077
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】P 2019124371
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】旭 保彰
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-235613(JP,A)
【文献】特開平01-241201(JP,A)
【文献】特開平05-109452(JP,A)
【文献】特開2003-068905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 5/08
H01P 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が設けられた第1の側面および底面を有する筐体部であって、前記底面は上方に向かう突出部を含む、筐体部と、
前記筐体部の前記底面上に配置されたマイクロストリップ線路基板であって、誘電体と、前記誘電体の上面に設けられたマイクロストリップ線路と、前記誘電体の下面に設けられた接地導電部と、を有し、前記誘電体の前記下面側に、前記筐体部の前記突出部と嵌合した凹部を有し、前記接地導電部は、前記凹部の内面に沿って、前記突出部と前記誘電体との間に延在した、マイクロストリップ線路基板と、
前記第1の側面に隣接して設けられ、一方の端部が前記開口部から前記筐体部の内部に向かって水平方向に延在する中心導体部と、前記中心導体部に対向する内側面を有する接地導体部と、を有する同軸線路であって、前記中心導体部は、前記筐体部の前記突出部の上方に延在し、前記マイクロストリップ線路基板は、前記突出部と前記中心導体部との間に位置する部分を含み、前記マイクロストリップ線路の一方の端部は、前記突出部と前記中心導体部との間に位置する、同軸線路と、
前記筐体部の前記突出部と前記同軸線路の前記中心導体部との間において、前記中心導体部の前記一方の端部と前記マイクロストリップ線路の前記一方の端部とを接合する半田層と、
を備え、
前記同軸線路の前記中心導体部の中心線を含む垂直断面内において、前記同軸線路の前記接地導体部の前記内側面のうちの最低位置と、前記マイクロストリップ線路基板の前記誘電体の前記凹部に設けられた前記接地導電部と、の間の垂直距離は、前記同軸線路の前記接地導体部の前記内側面のうちの前記最低位置と、前記マイクロストリップ線路基板の前記誘電体の前記下面のうちの前記凹部が設けられない領域に設けられた前記接地導電部と、の間の垂直距離よりも小さい、同軸マイクロストリップ線路変換回路。
【請求項2】
前記中心導体部と前記接地導体部との距離は、前記誘電体の前記凹部が設けられない前記領域の厚さよりも小さい、請求項1記載の同軸マイクロストリップ線路変換回路。
【請求項3】
前記凹部とは反対の側の前記マイクロストリップ線路の線路幅は、前記凹部が設けられない前記領域の前記マイクロストリップ線路の線路幅よりも狭い、請求項1または2に記載の同軸マイクロストリップ線路変換回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、同軸マイクロストリップ線路変換回路に関する。
【背景技術】
【0002】
同軸線路とマイクロストリップ線路とを接続する場合、伝搬モードが不連続となるために高周波信号が反射する。
【0003】
伝搬モードは、たとえば、同軸線路の接地外導体部とマイクロストリップ線路基板の裏面接地導電部との垂直面内の高さの差が大きくなるとその不連続性が増す。また、信号周波数が高くなるほどその影響が大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-192987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
数GHz以上において、高周波信号の反射を低減可能な同軸マイクロストリップ線路変換回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の同軸マイクロストリップ線路変換回路は、筐体部と、マイクロストリップ線路基板と、同軸線路と、半田層と、を有する。前記筐体部は、開口部が設けられた第1の側面および底面を有する。前記底面は、上方に向かう突出部を有する。前記マイクロストリップ線路基板は、誘電体と、前記誘電体の上面に設けられたマイクロストリップ線路と、前記誘電体の下面に設けられた接地導電部と、を有する。前記同軸線路は、前記第1の側面に取り付けられ、一方の端部が前記開口部から前記筐体の内部に向かって水平方向に延在する中心導体部と、前記中心導体部に対向する内側面を有する接地導体部と、を有する。前記半田層は、前記中心導体部の前記一方の端部と前記マイクロストリップ線路の一方の端部とを接合する。前記誘電体の前記下面には前記突出部に隣接する側の所定領域が切削された凹部が設けられ、かつ切削面には前記接地導電部が折れ曲がって設けられる。前記接地導電部を挟んで前記凹部と前記突出部とが嵌合するように、前記マイクロストリップ線路基板は前記筐体部の前記底面に取り付けられる。前記中心導体部の中心線を含む垂直断面内において、前記接地導体部の前記内側面のうちの最低位置と前記切削面に隣接する前記接地導電部の接地面との間の垂直距離は、前記誘電体の前記下面のうち前記凹部が設けられない領域に隣接する前記接地導電部の接地面と前記最低位置との間の垂直距離よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態にかかる同軸マイクロストリップ線路変換回路の部分模式斜視図である。
図2】第1の実施形態にかかる同軸マイクロストリップ線路変換回路の筐体部の部分模式図である。
図3】第1の実施形態にかかる同軸マイクロストリップ線路変換回路のマイクロストリップ線路基板の模式図である。
図4】第1の実施形態のA-A線に沿った模式断面図である。
図5】第1の実施形態にかかる同軸マイクロストリップ線路変換回路の電圧定在波比の電磁界シミュレーションによる周波数特性を表すグラフ図である。
図6図6(a)は比較例にかかる同軸マイクロストリップ線路変換回路の部分模式斜視図、図6(b)はその筐体部の部分模式斜視図、図6(c)はそのマイクロストリップ線路基板の模式斜視図、である。
図7】比較例のA-A線に沿った模式断面図である。
図8】比較例にかかる同軸マイクロストリップ線路変換回路の電圧定在波比の電磁界シミュレーションによる周波数特性のグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0009】
図1は、第1の実施形態にかかる同軸マイクロストリップ線路変換回路の部分模式斜視図である。図2(a)および(b)はその筐体部の部分模式斜視図および模式平面図である。図3(a)および(b)はそのマイクロストリップ線路基板の模式斜視図および模式平面図である。
【0010】
図1に表すように、同軸マイクロストリップ線路変換回路5は、筐体部10と、マイクロストリップ線路基板20と、同軸線路30と、半田層40と、を有する。
【0011】
図2(a)に表すように、筐体部10は、底面18と開口部12が設けられた第1の側面14とを有する。底面18は、筐体部10の上方に向かって突出しマイクロストリップ線路基板20の裏面に接触する突出部16を有する。突出部16の厚さをT1とする。筐体部10は、たとえば、アルミ合金などとすることができる。
【0012】
図2(b)は、突出部16の上面を示す模式平面図である。突出部16の上面は、略台形の形状を有し、突出部16は、第1の側面14に平行な側面16tと側面16sとを有する。側面16sは、第1の側面14と側面16tとをつなぐ。側面16sは、例えば、R0.5mmを有する曲面である。第1の側面14から側面16tまでの距離は、例えば、0.6mmである。また、第1の側面14に沿った方向における側面16tの長さは、例えば、0.8mmである。
【0013】
図1および図2(a)に示すように、同軸線路30は、第1の側面14に取り付けられ、円柱状の中心導体部32と、中心導体部32に対向する内側面を有しかつ同心円状に配置された接地導体部34と、を有する。中心導体部32の一方の端部32aは、開口部12から筐体部10の内部に向かって延在する。中心導体部32と接地導体部34との間には、誘電体(比誘電率:ε)が充填される。本図において、誘電体を空気であるものとする(ε=1)が、本発明はこれに限定されない。
【0014】
図3(a)に表すように、マイクロストリップ線路基板20は、誘電体22と、誘電体22の上面に設けられたマイクロストリップ線路24と、誘電体22の下面に設けられた接地導電部26と、を有する。誘電体22の厚さをT2とする。誘電体22の材料は、たとえば、低誘電率ガラスクロスなどとすることができる。また、マイクロストリップ線路24および接地導電部26は、たとえば、それぞれ厚さが20μmのCu箔などとすることができる。
【0015】
半田層40は、中心導体部32の一方の端部32aとマイクロストリップ線路24の一方の端部とを接合する。
【0016】
誘電体22の下面には突出部16に隣接する側の所定領域が切削された凹部28が設けられ、かつ切削面には接地導電部26の一部が折れ曲がって設けられる。薄層化された領域の誘電体22の厚さをT3とする。凹部28と突出部16とが嵌合するように、マイクロストリップ線路基板20は筐体部10の底面18に、たとえば、ねじなどで固定される。
【0017】
なお、凹部28とは反対の側のマイクロストリップ線路24の線路幅W1は、凹部28が設けられない誘電体22の領域のマイクロストリップ線路24の線路幅W2よりも狭くする。線路幅W1、W2は、所定の特性インピーダンス(たとえば、50Ω)となる様に決めることができる。
【0018】
図3(b)は、凹部28を示す模式平面図である。図3(b)は、誘電体22の上面に平行な断面を表している。
【0019】
図3(b)に示すように、凹部28は、側面28sと側面28tとを有する。側面28tは、誘電体22の外側面に平行であり、側面28sは、誘電体22の外側面と側面28tをつなぐ。側面28sは、例えば、R0.5mmを有する曲面である。
【0020】
凹部28は、例えば、誘電体22の外側面に平行な方向において、1.4mmの開口幅を有する。また、凹部28は、例えば、誘電体22の外側面に垂直な方向において、0.6mmの深さを有する。
【0021】
図4は、第1の実施形態のA-A線に沿った模式断面図である。
【0022】
中心導体部32の中心線32cを含む垂直断面内において、中心導体部32に対向する接地導体部34の内側面のうちの最低位置34aと切削面に隣接する接地導電部26の接地面26aとの間の垂直距離TG1は、誘電体22の下面のうち凹部28が設けられない領域に隣接する接地導電導部26の接地面26bと最低位置34aとの間の垂直距離TG2よりも小さくされる。
【0023】
同軸線路30において、中心導体部32の直径をd(mm)、接地導体部34の内側面の直径をD(mm)とする。比誘電率をεとするとき、同軸線路30の特性インピーダンスZは、式(1)で表される。

【数1】

比誘電率ε=1とする中空同軸線路において、その特性インピーダンスZは50Ωとなる。
【0024】
また、光速をc(=3×1011mm/s)、円周率をπとすると、同軸線路30のカットオフ周波数fは、式(2)で表される。

【数2】

D=0.92mm、d=0.4mm、かつ比誘電率ε=1とすると、カットオフ周波数fは約145GHzと十分高くできる。他方、たとえば、D=3mm、d=1.07mm、ε=1.52とするとカットオフ周波数fは約38.1GHzと低下するので高周波伝搬特性が低下する。
【0025】
第1の実施形態では、同軸線路30の接地導体部34の垂直断面内の最低位置34aと、凹部28に設けられたマイクロストリップ線路基板20の接地導電部26の接地面26aと、の垂直距離TG1を近づけることにより伝搬モードの不連続を低減する。
【0026】
カットオフ周波数fを高めるために、たとえば、D=0.92mm、d=0.4mmなどとすると、同軸線路30の中心導体部32と接地導体部34との距離(間隔)は、0.26mmと小さくなる。これに対応するために誘電体20を薄くすると、筐体部10の底面18に固定したときに、マイクロストリップ線路基板20に反りが発生しやすくなる。第1の実施形態では、マイクロストリップ線路基板20の厚さT2を同軸線路30とマイクロストリップ線路基板20との接続位置近傍でのみ薄層化して誘電体22の反りを抑制する。すなわち、中心導体部32と接地導体部34との距離を誘電体22の凹部28が設けられない領域の厚さ(0.4mm)よりも小さくすることが容易となる。
【0027】
また、接地導電部26の厚さ、およびマイクロストリップ線路24の厚さを、それぞれαとする。さらに、中心導体部32の下端とストライプ状導電部24との間の垂直距離をβとする。接地導電部26およびマイクロストリップ線路24は、たとえば、Cu箔を含むことができる。
【0028】
ここで、第1の実施形態の第1具体例について説明する。T3=0.2mm、α=0.02mmとする。垂直距離TG1=0とするには、T1=0.2mm、β=0.04mmとすればよい。また、第2具体例として、T1=0.2mm、β=0.08mmとし、筐体部10の底面18を切削してマイクロストリップ線路基板20を下方に設けると、垂直距離TG1=0.04mmとなる。
【0029】
第2具体例の場合、同軸線路30の端部の接地導体部34の内側面の最低位置34aの端部の接地点PVとマイクロストリップ線路20の接地導電部26の接地面26a端部(接地点PVの側)の接地点PHとの間において、垂直下方にに0.06mm、水平方向に0.2mm、垂直上方に0.02mm合計0.28mmの距離だけ離間していることになる。すなわち、垂直距離TG1がゼロでなく、たとえば、プラスマイナス0.05mmの範囲程度であれば、同軸線路30の接地導体部34の最低位置34aとマイクロストリップ線路基板20の接地導体部26の接地面26aとの垂直距離TG1を低減し、かつ接地点PHと接地点PVの間の距離0.28mmなどと小さくできる。このため、同軸マイクロストリップ線路変換回路における伝搬モードの不連続が抑制できる。
【0030】
図5は、第1の実施形態の第2具体例にかかる同軸マイクロストリップ変換回路の電圧定在波比の電磁界シミュレーションによる周波数特性特性を表すグラフ図である。
【0031】
縦軸は電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)、横軸は周波数(GHz)である。たとえば、マイクロストリップ線路24を50Ω負荷で終端して、同軸回路30からみた負荷インピーダンスを測定する。周波数が40GHzまで、電圧定在波比VSWRが約1.08まで低く保たれている。
【0032】
図6(a)は比較例にかかる同軸マイクロストリップ線路変換回路の模式斜視図、図6(b)はその筐体部の模式斜視図、図6(c)はそのマイクロストリップ線路基板の模式斜視図、である。
【0033】
同軸線路130のサイズおよび構造は、第1の実施形態と同様であるものとする。マイクロストリップ線路120には、裏面側に凹部が設けられず、誘電体112の厚さを0.4mmとする。また、マイクロストリップ線路基板120は平坦な筐体部110の底面118の表面に取り付けられる。
【0034】
図7は、比較例のA-A線に沿った模式断面図である。
【0035】
接地導電部126の厚さおよびマイクロストリップ線路124の厚さをαで表し、その値を0.02mmとする、また、中心導体部132の下端とマイクロストリップ線路124との間の垂直距離をβで表し、その値を0.06mmとする。同軸線路130の接地導体部134の最低位置134aとマイクロストリップ線路基板120の接地導体部126の接地面126cとの垂直距離TTGは0.22mmとなる。
【0036】
この場合、同軸線路130の接地導体部134の内側面の最低位置134aの端部の接地点PVとマイクロストリップ線路基板の接地導電部126の端部(接地点PVの側)の接地点PHとの間において、垂直下方に0.24mm、水平方向に0.2mm、垂直上方に0.02mm、合計0.46mmの距離だけ大きく離間していることになる。すなわち、中心導体部132と接地導体部134との距離は0.26mmであるのに対して、誘電体基板120の厚さが0.4mmと大きいので、垂直距離TTGをゼロに近づけることが困難であり、接地点PVとPHとの間の距離が0.46mmと大きくなる。このため、接続領域の近傍において、伝搬モードの不連続が大きくなり、高周波信号の反射が増加する。
【0037】
図8は、比較例にかかる同軸マイクロストリップ線路変換回路の電圧定在波比の電磁界シミュレーションにうよる周波数特性のグラフ図である。
電圧定在波比VSWRは、24GHzで約1.2となり、40GHzで約1.43と悪化している。
【0038】
これに対して、第1の実施形態では、厚さT1の突出部16を設け、凹部28が設けられたマイクロストリップ線路20と嵌合される。この結果、同軸線路30の接地導体部34の最低位置34aとマイクロストリップ線路20の接地導体部26の接地面26aとの垂直距離TG1をゼロに近づけることができる。
【0039】
次に第1の実施形態の第3具体例について説明する。マイクロストリップ線路基板20のマイクロストリップ線路24および接地導電部26の表面に銅メッキ層やAuフラッシュ層を数十μm設ける場合、接地面26aが同軸線路30の接地導体部34の最低位置34aよりも下方に移動する。この場合、たとえば、誘電体22の厚さT2または薄層化された厚さT3を低減すると、導電層の厚さの増加部をキャンセルして垂直距離TG1を小さく保つことができる。
【0040】
なお、同軸線路30の一部は、筐体部10の第1の側面14に取り付けられたSMP互換コネクタを有しても良い。
【0041】
本実施形態によれば、数GHz以上において、高周波信号の反射を低減可能な同軸マイクロストリップ線路変換回路が提供される。この同軸マイクロストリップ線路変換回路は、マイクロ波帯からミリ波帯の通信機器に広く使用可能である。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
10 筐体部、12 開口部、14 第1の側面、 16 突出部、18 底面、20 マイクロストリップ線路基板、22 誘電体、24 マイクロストリップ線路、26 接地導電部、28 凹部、30 同軸線路、32 中心導体部、32a 一方の端部、32c 中心線、34 接地導体部、34a 接地導体部の最低位置、40 半田層、T1 突出部の厚さ、T2 誘電体の厚さ、T3 切削後の誘電体基板の厚さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8