(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】要求に応じて天気を表示するデバイス
(51)【国際特許分類】
G04B 19/00 20060101AFI20231206BHJP
G04C 3/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
G04B19/00 P
G04C3/00 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022021007
(22)【出願日】2022-02-15
【審査請求日】2022-02-15
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ジーモン・シュプリンガー
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-518491(JP,A)
【文献】特開平9-257954(JP,A)
【文献】特開2020-67449(JP,A)
【文献】実開昭49-128264(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00 - 99/00
G04C 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
要求に応じて表示する、計時器用の表示デバイス(100)であって、
前記表示デバイス(100)は、
時間表示に用いられる少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー(110)、
時間表示に用いられる少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー(120)、少なくとも1つの第1の担持体、及び少なくとも1つの制御ユニットを備え、
前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー(110)は、少なくとも1つの太陽の表現(111)を含み
、
前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー(120)は、前記少なくとも1つの太陽の表現(111)を隠すように構成している少なくとも1つの隠し用要素(121)を含み
、
前記少なくとも1つの第1の担持体は、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー(110)及び/又は前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー(120)を
前記時間表示の動作態様と異なる動作態様で駆動するように構成しており、
前記少なくとも1つの制御ユニットは、データセット(141)にしたがって前記少なくとも1つの第1の担持体を制御して、前記少なくとも1つの太陽の表現(111)が前記少なくとも1つの隠し用要素(121)によって完全に又は部分的に隠されるように、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー(110)及び/又は前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー(120)を駆動し、かつ/又は重ね合わせるように構成している
ことを特徴とする表示デバイス(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの制御ユニットは、ユーザーの要求に応じて前記少なくとも1つの第1の担持体を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス(100)。
【請求項3】
前記データセット(141)は、天気(145)、日付(146)、時間(147)、及び/又は地理的位置(148)のデータを含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示デバイス(100)。
【請求項4】
前記データセット(141)は、無線周波数の電波を介して、地球的測位システムを介して、かつ/又は有線及び/又は光の通信を介して、前記少なくとも1つの制御ユニットによって受信される
ことを特徴とする請求項3に記載の表示デバイス(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー(120)を駆動するように構成している少なくとも1つの第2の担持体を備える
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの隠し用要素(121)には、前記少なくとも1つの太陽の表現(111)を部分的に出現させるように構成している
、少なくとも1つの開口(122)がある
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー(110)は、地平線に対する太陽の位置を示すように構成している
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー(110)は、基本方位に対する太陽の位置を示すように構成している
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の担持体、前記少なくとも1つの第2の担持体及び/又は少なくとも1つの第3の担持体によって駆動されて地平線を示す秒針(130)を備える
ことを特徴とする請求項
5および請求項5を直接的または間接的に引用する請求項6~8のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー(110)は、時針又は分針であり、かつ/又は
前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー(120)は、分針又は時針である
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項11】
前記開口は、稲妻の形であることを特徴とする請求項6および請求項6を引用する請求項7~10のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項12】
データセット(141)を受信した後に、請求項
5および請求項5を直接的または間接的に引用する請求項6~11のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)の少なくとも1つによって行われる少なくとも1つの天気予報を表示する方法(500)であって、
前記表示方法(500)は、
前記少なくとも1つの制御ユニットによって前記少なくとも1つの第1の担持体、前記少なくとも1つの第2の担持体及び/又は少なくとも1つの第3の担持体の制御を少なくとも1回行うステップと、及び
天気予報を表示するように前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー(110)及び/又は前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー(120)の駆動を少なくとも1回行うステップと
を備えることを特徴とする表示方法(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、計時器の分野に関し、より詳細には、天気の表現に関する。好ましくは、本発明は、特定のパラメーター及び/又はユーザーの要求に応じた天気の表現に関する。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの天気の表現は、デジタルディスプレーを備えるスマートウォッチの画面に表示される。しかし、このような天気の表現は、情報の更新頻度が少ない割りにはスマートウォッチのエネルギーを多く消費してしまい、また、画面上で利用可能な空間を多く使ってしまう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、好ましくは要求に応じて表示する、計時器用の表示デバイスによって、前記不利な点の全部又は一部を解決するように意図されている。この表示デバイスは、少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー、少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー、少なくとも1つの第1の担持体、及び少なくとも1つの制御ユニットを備え、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバーは、少なくとも1つの太陽の表現を含み、好ましくは動くように取り付けられ、前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバーは、前記少なくとも1つの太陽の表現を隠すように構成している少なくとも1つの隠し用要素を含み、好ましくは動くように取り付けられ、前記少なくとも1つの第1の担持体は、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー及び/又は前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバーを駆動するように構成しており、前記少なくとも1つの制御ユニットは、データセットにしたがって前記少なくとも1つの第1の担持体を制御して、前記少なくとも1つの太陽の表現が前記少なくとも1つの隠し用要素によって完全に又は部分的に隠されるように、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー及び/又は前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバーを駆動し、かつ/又は重ね合わせるように構成している。
【0004】
この構成によって、表盤における空間を特別に専用に占有せずに天気予報が表示され、さらに、前記表示デバイスを用いると、ユーザーは最も正確に動的な天気の表現を得ることがことができる。
【0005】
一実施形態において、前記少なくとも1つの制御ユニットは、ユーザーの要求に応じて前記少なくとも1つの第1の担持体を制御する。
【0006】
この構成によって、ユーザーが要求した時点に応じて、最も正確にユーザーに天気予報が提示される。
【0007】
一実施形態において、前記データセットは、天気、日付、時間、及び/又は地理的位置のデータを含む。
【0008】
この構成によって、ユーザーの要求に応じて、時点及び/又は場所に応じて最も正確にユーザーに天気予報が提示される。
【0009】
一実施形態において、前記データセットは、無線周波数を介して、地球的測位システムを介して及び/又は有線及び/又は光通信を介して、前記少なくとも1つの制御ユニットによって受信される。
【0010】
この構成によって、天気予報は、ユーザーが要求した時点及び/又は場所に応じて最も正確にユーザーに提示される。
【0011】
一実施形態において、前記データセットは、無線周波数の電波、地球的測位システム、及び/又は有線及び/又は光の通信を介して、前記少なくとも1つの制御ユニットによって受信される。
【0012】
この構成によって、前記少なくとも1つの第1の担持体及び前記少なくとも1つの第2の担持体は、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー及び前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバーを独立して動かすことができる。
【0013】
一実施形態において、前記少なくとも1つの太陽の表現は、前記少なくとも1つの隠し用要素よりも明るく、かつ/又は前記少なくとも1つの隠し用要素及び/又は前記少なくとも1つの太陽の表現は、丸みを帯びた、丸い、楕円形の、ディスク状の、かつ/又は球形の形を有する。
【0014】
一実施形態において、前記少なくとも1つの隠し用要素は、前記少なくとも1つの太陽の表現よりも暗い。
【0015】
これらの構成のいずれかによって、前記少なくとも1つの太陽の表現が現実に近くなる。
【0016】
一実施形態において、前記少なくとも1つの隠し用要素には、前記少なくとも1つの太陽の表現を部分的に出現させるように構成している、好ましくは稲妻の形である、少なくとも1つの開口がある。
【0017】
この構成によって、荒天を表現することができる。
【0018】
一実施形態において、前記少なくとも1つの隠し用要素は、前記少なくとも1つの太陽の表現よりも光吸収性であり、かつ/又は前記少なくとも1つの太陽の表現は、前記少なくとも1つの隠し用要素よりも相当に反射性が高い。
【0019】
この構成によって、前記少なくとも1つの太陽の表現が天気の形態となるように光を反射又は拡散し、かつ/又は前記少なくとも1つの隠し用要素が光を吸収する。
【0020】
一実施形態において、前記少なくとも1つの制御ユニットは、前記少なくとも1つの第1の担持体を、前記少なくとも1つの太陽の表現が前記少なくとも1つの隠し用要素によって完全に又は部分的に隠されるように、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバーを全体的又は部分的に前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバーの下に駆動するように制御し、あるいは前記少なくとも1つの太陽の表現111が前記少なくとも1つの隠し用要素121によって完全に又は部分的に隠されるように、前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー120を完全に又は部分的に前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110の上に駆動するように制御するように構成している。
【0021】
この構成によって、表盤における空間を特別に専用に占有せずに天気予報を表現し、また、前記表示デバイスによって、ユーザーは天気を動的に最も正確に表現することができる。
【0022】
一実施形態において、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバーは、第1の回転軸のまわりを動くことができ、前記第1の回転軸に近い第1の近位端及び/又は前記第1の回転軸から離れた第1の遠位端を有し、かつ/又は前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバーは、第2の回転軸のまわりを動くことができ、前記第2の回転軸に近い第2の近位端、かつ/又は前記第2の回転軸から離れた第2の遠位端を有する。前記少なくとも1つの太陽の表現は、前記第1の遠位端又は前記第1の近位端にあり、かつ/又は前記少なくとも1つの隠し用要素は、前記第2の遠位端又は前記第2の近位端にある。
【0023】
この構成によって、天気予報は、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー及び/又は前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバーの1つ又は複数の端にて表現される。
【0024】
一実施形態において、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバーは、地平線に対する太陽の位置を示すように構成している。
【0025】
この構成によって、ユーザーは、要求が行われた時点における空における太陽の位置を知る。
【0026】
一実施形態において、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバーは、基本方位に対する太陽の位置を示すように構成している。
【0027】
この構成によって、ユーザーは、要求が行われた時点における空における太陽の位置を知る。
【0028】
一実施形態において、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバーは、時針又は分針であり、かつ/又は前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバーは、分針又は時針である。
【0029】
この構成によって、天気予報は、すでに存在する要素を用いて、表盤における空間を特別に専用に占有せずに表現される。
【0030】
一実施形態において、前記表示デバイスは、地平線を示し、前記少なくとも1つの第1の担持体、前記少なくとも1つの第2の担持体及び/又は少なくとも1つの第3の担持体によって駆動される秒針130を備える。
【0031】
この構成によって、天気予報は、すでに存在する要素を用いて、表盤における空間を特別に専用に占有せずに表現される。
【0032】
一実施形態において、前記表示デバイスには、ユーザーが要求したときに、現在の日付及び/又は前記天気の日付を示すように構成している開口がある。
【0033】
一実施形態において、ユーザーが要求したときに前記現在の日付及び/又は前記天気の日付を示す。
【0034】
一実施形態において、前記表示デバイスには、ユーザーが要求したときに曜日及び/又は前記天気の日を示すように構成している開口がある。
【0035】
一実施形態において、ユーザーが要求したときに前記曜日及び/又は前記天気の日が示される。
【0036】
本発明は、データセットを受信した後に、本発明の一実施形態に係る表示デバイスの少なくとも1つによって行われる少なくとも1つの天気予報を表示する方法を介して、前記課題の全部又は一部を克服することを目的とする。前記表示方法は、
前記少なくとも1つの制御ユニットによって前記少なくとも1つの第1の担持体及び/又は前記少なくとも1つの第2の担持体の制御を少なくとも1回行うステップと、及び
天気予報を表示するように前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー及び/又は前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバーの駆動を少なくとも1回行うステップと
を備える。
【0037】
この構成によって、天気予報は、表盤における空間を特別に専用に占有せずに表現され、また、前記表示デバイスによって、ユーザーは天気を動的に最も正確に表現することができる。
【0038】
一実施形態において、前記表示方法は、時間ごと、日ごと及び/又は週ごとの天気予報を表示するように、前記制御及び前記駆動のそれぞれを行った後に、前記日付の増分を少なくとも1回行うステップを備える。
【0039】
以下、例として与えられる添付の図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。なお、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明の実施形態に係る、少なくとも1つの太陽の表現111及び少なくとも1つの隠し用要素121を示している。
【
図2】
図2及び3は、本発明の実施形態に係る、特定のパラメーター及び/又はユーザーの要求に応じた、前記少なくとも1つの太陽の表現111及び少なくとも1つの隠し用要素121の相対的位置を示している。
【
図3】ユーザーが要求したときに、現在の日付146及び/又は天気の日付を示すように構成している開口を表示デバイスに形成することができるようにしたものである。
【
図4】
図4A及び4Bは、本発明の実施形態を開示している。
【
図5】
図5~7は、日ごと又は時ごとの天気予報を示している。
図5は、日ごとの天気予報を示している。
【
図7】その日が曇りである場合に、前記少なくとも1つの太陽の表現111及び前記少なくとも1つの隠し用要素121が12時に配置される様子を示している。
【発明を実施するための形態】
【0041】
市場には様々な携行型時計がある。ほとんどのスマートウォッチは、デジタルディスプレー上にて天気予報を表現する。このような天気予報をユーザーは数回しか見ないのに大部分の時間に表示され、このことによって、不相応に電力消費を大きくしてしまい、また、利用可能な表示領域を小さくしてしまう。
【0042】
このような状況を鑑みて、
図1に示しているように、本発明は、好ましくは要求に応じて、表示する計時器用の表示デバイス100を提案するものである。前記表示デバイス100は、少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110、少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー120、少なくとも1つの第1の担持体、及び少なくとも1つの制御ユニットを備える。
【0043】
図2に示しているように、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110は、好ましくは動くように取り付けられ、例えば、少なくとも1つの太陽の表現111を含み、また、前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー120は、好ましくは動くように取り付けられ、少なくとも1つの太陽の表現111を隠すように構成している。
【0044】
前記少なくとも1つの第1の担持体は、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110及び/又は前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー120を駆動し、ユーザーの要求に応じて前記少なくとも1つの制御ユニットによって制御されるように構成していることができる。一実施形態において、前記表示デバイス100は、前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー120を駆動するように構成している少なくとも1つの第2の担持体を備えて、前記少なくとも1つの第1の担持体及び前記少なくとも1つの第2の担持体が、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110及び前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー120を独立して動かすことができるようにすることができる。
【0045】
また、前記のように、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110、典型的には時針又は分針は、第1の回転軸のまわりに可動であることができ、また、前記第1の回転軸に近い第1の近位端116、及び/又は前記第1の回転軸から遠い第1の遠位端117を有することができ、前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー120はそれぞれ、伝統的な形態では分針又は時針であり、第2の回転軸のまわりを動くことができ、また、前記第2の回転軸に近い第2の近位端126、及び/又は前記第2の回転軸から離れた第2の遠位端127を有することができる。様々な
図1~3において、例えば、前記少なくとも1つの太陽の表現111を前記第1の近位端116に配置し、前記少なくとも1つの隠し用要素121を前記第2の近位端126に配置するが、前記少なくとも1つの太陽の表現111及び前記少なくとも1つの隠し用要素121をそれぞれ、前記第1の遠位端117及び前記第2の遠位端127に配置することも完全に可能であり、これによって、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110及び/又は少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー120の1つ又は複数の端において、表盤199における空間を特別に専用に占有せずに、すでに存在する要素を用いて天気予報を表現することができる。
【0046】
前記少なくとも1つの制御ユニットは、
図5~7に示しているように、データセット141にしたがって、前記少なくとも1つの第1の担持体を制御して、前記少なくとも1つの太陽の表現111が前記少なくとも1つの隠し用要素121によって完全に又は部分的に隠されるように、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110及び/又は前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー120の駆動及び/又は重ね合わせを行うように構成していることができる。このように、表盤199における空間を特別に専用に占有せずに天気予報を表現し、また、表示デバイス100によってユーザーが天気の動的な表現を最も正確に行うことが可能になる。
【0047】
実際に、
図5及び6に示している、前記少なくとも1つの制御ユニットが受信することができる前記データセット141は、少なくとも1つの天気145、少なくとも1つの日付146、少なくとも1つの時間147及び/又は少なくとも1つの地理的位置148のデータを含むことができ、これによって、日ごと及び/又は時ごとに、要求された時点及び/又は場所に応じて、最も正確にユーザーに天気予報を提示することができるようにする。
【0048】
また、前記データセット141を、無線周波数を介して、地球的測位システムを介して、かつ/又は有線及び/又は光通信を介して、前記少なくとも1つの制御ユニットによって受信することができる。
【0049】
また、前記データセット141を、前記少なくとも1つの制御ユニットによって行われる少なくとも1つの天気予報を表示する方法500によって用いることができる。実際に、前記表示方法500は、前記少なくとも1つの制御ユニットによる前記少なくとも1つの第1の担持体及び/又は前記少なくとも1つの第2の担持体の制御、及び前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110及び/又は前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー120の駆動を可能にするために前記データセット141を用いて、
図7に示しているように天気予報を表示することができる。
【0050】
実際に、前記データセット141を受信した後に、前記少なくとも1つの制御ユニットは、前記少なくとも1つの第1の担持体及び/又は前記少なくとも1つの第2の担持体をアクチュエートして、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110及び/又は前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー120が前記データセット141にしたがって動くようにする。このときから、時間を表示していた前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110及び/又は前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー120が、前記少なくとも1つの時間147にしたがって天気を示すように動く。例えば、朝が晴れである場合、前記少なくとも1つの太陽の表現111が、例えば、9時から11時の間に配置され、また、午後が曇りである場合、例えば、前記少なくとも1つの太陽の表現111が3時から9時の間に配置され前記少なくとも1つの隠し用要素121が1時から3時の間に配置される。
図7に示しているように、その日が曇りである場合、前記少なくとも1つの太陽の表現111及び前記少なくとも1つの隠し用要素121が12時に配置される。
【0051】
これを行うために、前記少なくとも1つの第1の担持体は、前記少なくとも1つの太陽の表現111が前記少なくとも1つの隠し用要素121によって完全に又は部分的に隠されるように、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110を全体的又は部分的に前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー120の下に駆動することができ、あるいは前記少なくとも1つの太陽の表現111が前記少なくとも1つの隠し用要素121によって完全に又は部分的に隠されるように、前記少なくとも1つの第2のインジケーターメンバー120を完全に又は部分的に前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110の上に駆動することができる。
【0052】
また、出願人は、
図3に示しているように、ユーザーが要求したときに、現在の日付146及び/又は天気の日付を示すように構成している開口を表示デバイスに形成することができるようにした。同様な実施形態において、前記現在の日付146及び/又は前記天気の日付は、それをユーザーが要求したときに示すことができる。また、前記表示方法500は、時ごと、日ごと及び/又は週ごとの天気予報を表示するように、前記少なくとも1つの制御及び駆動それぞれの後に前記日付146を少なくとも1回増分することができる。
【0053】
例えば、
図1に示しているように、丸みを帯びた、丸い、楕円形の、ディスク状の、かつ/又は球状の形の前記少なくとも1つの太陽の表現111は、例えば雲を表すことができる、前記少なくとも1つの隠し用要素121よりも明るいこと及び/又は反射性が相当に高いことができる。また、他の実施形態において、前記少なくとも1つの隠し用要素121を、前記少なくとも1つの太陽の表現111よりも光吸収性の高い材料によって作ることができる。
【0054】
また、前記少なくとも1つの太陽の表現111は、太陽を表現するために、例えば、金及び/又は銅によって作られている材料を含むことができ、また、前記少なくとも1つの隠し用要素121は、例えば、銀、チタン、アルミニウム、鋼、真鍮及び/又は白金によって作られていることができる。物理的手段、化学的手段、電気的手段、又はラッカーやワニスのような手動の堆積によって堆積された層のような被覆によって、インジケーターの色と外観を調整することができる。
【0055】
また、計時器、好ましくは携行型時計、のための前記表示デバイス100は、さらに、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110及び第2の針130を介して、太陽の高さ及び/又は地平線に対する太陽の位置を示すことができる。この第2の針130は、地平線を示すことができ、ユーザーが空における太陽の位置を知るように、前記少なくとも1つの第1の担持体、前記少なくとも1つの第2の担持体及び/又は少なくとも1つの第3の担持体によって駆動することができる。
【0056】
最後に、空が曇りであるとき、すなわち、空と太陽が見えないときは、前記少なくとも1つの第1のインジケーターメンバー110は、例えば、基本方位に対する太陽の位置を示すように構成していることができる。
【符号の説明】
【0057】
100 表示デバイス
110 第1のインジケーターメンバー
111 太陽の表現
120 第2のインジケーターメンバー
121 隠し用要素
122 開口
130 秒針
141 データセット
145 天気
146 日付
147 時間
148 地理的位置
500 表示方法