(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】複数の電子基板上への複数の供給ポンプを用いた同時供給を可能にする供給ポンプのアレイの回転
(51)【国際特許分類】
B05C 11/10 20060101AFI20231206BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20231206BHJP
B05C 11/00 20060101ALI20231206BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20231206BHJP
H01L 21/52 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B05C11/10
B05C5/00 101
B05C11/00
H05K3/00 P
H01L21/52 G
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022128034
(22)【出願日】2022-08-10
(62)【分割の表示】P 2020516445の分割
【原出願日】2018-08-09
【審査請求日】2022-09-08
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ヒュー アール.リード
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シー.プレンティス
(72)【発明者】
【氏名】スコット エー.リード
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-534148(JP,A)
【文献】特開2006-205005(JP,A)
【文献】特開2010-205626(JP,A)
【文献】特開2010-125369(JP,A)
【文献】特開2008-155175(JP,A)
【文献】特開2010-137145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00-21/00
B05D 1/00-7/26
H05K 3/00
H01L 21/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性材料を電子基板上に供給するための供給システムにおいて、
フレームと、
前記フレームに結合され、少なくとも2つの同一パターンと、少なくとも2つの基準マークとを有した第1の電子基板および少なくとも2つの同一パターンと、少なくとも2つの基準マークとを有した第2の電子基板を受け取るように構成された支持体と、
X軸方向に所定の距離だけ
互いに離隔させて配置され
、粘性材料を供給する
2つの供給ポンプアレイと、
前記
2つの供給ポンプアレイを
前記X軸
方向および
該X軸方向に垂直なY軸方向に移動させ、かつ、
前記2つの供給ポンプアレイを
X-Y平面内で互いに異なる角度に回転させる、前記フレームに結合されたガントリーと、
前記フレームと前記ガントリーの一方に結合され、前記第1の電子基板上に設けられた前記少なくとも2つの基準マークの少なくとも一方の画像、および、前記第2の電子基板上に設けられた前記少なくとも2つの基準マークの少なくとも一方の画像を撮像する視覚システムと、
前記第1の電子基板および第2の電子基板への供給動作を実行するように、前記
2つの供給ポンプアレイ、前記ガントリーおよび前記視覚システムを制御するコントローラーであって、該コントローラーは、前記少なくとも一方の画像を解析して、前記第1の電子基板および第2の電子基板の位置を、X軸方向、Y軸方向および
前記X-Y平面内の回転方向であるθ方向に求め、前記第1の電子基板および第2の電子基板の
前記X-Y平面内における回転角度を演算し、前記
2つの供給ポンプアレイの一方の供給ポンプアレイを
前記X-Y平面内で回転させて前記第1の電子基板の角度に適合させ、前記
2つの供給ポンプアレイの他方の供給ポンプアレイを
前記X-Y平面内で回転させて前記第2の電子基板の角度に適合させるコントローラーとを具備する供給システム。
【請求項2】
前記コントローラーは、前記
2つの供給ポンプアレイによって、前記第1の電子基板の前記少なくとも2つの同一パターン
上および前記第2の電子基板の前記少なくとも2つの同一パターン上
へ同時
に供給動作を実行するように更に構成される請求項1に記載の供給システム。
【請求項3】
前記
2つの供給ポンプアレイの各々は、第1と第2の供給ポンプを備えており、該第2の供給ポンプは該第1の供給ポンプから所定の距離だけ離隔している請求項2に記載の供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包括的には、基板、例えばプリント回路基板上に粘性材料を供給する装置および方法に関し、より詳細には、高められた効率性および精度で1つ以上の基板上に材料を同時に供給する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の用途のために精密な量の液体またはペーストを供給するのに用いられるいくつかのタイプの供給システムがある。1つのそのような用途は、回路基板の基板上への集積回路チップその他の電子コンポーネントの組み付けである。この用途では、プリント回路基板上に液体エポキシ若しくははんだペーストその他の何らかの関連材料のドットを供給するのに自動化供給システムが用いられる。自動化供給システムは、アンダーフィル材料や封入材料のラインを供給するのにも用いられ、このラインは、コンポーネントをプリント回路基板に機械的に固定するのに用いることができる。上記で説明された例示的な供給システムには、マサチューセッツ州ホプキントンに事業所を有するIllinois Tool Works Electronic Assembly Equipment(ITWEAE)社によって製造、市販されている供給システムが含まれる。
【0003】
典型的な供給システムでは、コンピューターシステムまたはコントローラーによって制御されるサーボモーターを用いて3つの相互に直交した軸(X軸、Y軸、Z軸)に沿って供給ポンプを移動させるために、当該供給ポンプが移動アセンブリであるガントリーに取り付けられる。液体のドットをプリント回路基板その他の基板上の所望の位置に供給するために、供給ポンプは、供給ポンプが所望の位置の上方に配置されるまで共平面の水平なX軸およびY軸方向に沿って移動される。その後、供給ポンプは、供給ポンプおよび供給システムのノズル/ニードルが基板の上方で適切な供給高さになるまで垂直に方向付けされた鉛直Z軸方向に沿って下降される。供給ポンプは、液体のドットを供給し、その後Z軸に沿って上昇され、新たな位置にX軸およびY軸に沿って移動され、Z軸に沿って下降されて、次の液体ドットを供給する。上記で説明されたようなアンダーフィルの封入または供給等の用途の場合、供給ポンプは、典型的には、供給ポンプが材料のラインの所望の経路に沿ってX軸およびY軸において移動されるにつれてこのラインを供給するように制御される。噴射ポンプ等のいくつかのタイプの供給ポンプの場合、供給動作の前後のZ軸移動は、必要とされないことがある。
【0004】
このような供給システムの製造速度は、いくつかの事例では、特定の供給ポンプが材料のドットまたはラインを正確かつ制御可能に供給することができる速度によって制限される場合がある。他の事例では、このようなシステムの製造速度は、機械に対する部品の装着、取外しを行うことができる速度によって制限される場合がある。更に他の事例では、このようなシステムの製造速度は、基板を特定の温度まで加熱するのに要する時間、或いは、アンダーフィル用途の場合、供給される材料が流れるのに要する時間等のプロセス要件によって制限される場合がある。
【0005】
時としてプリント回路基板アセンブリと称される電子回路アセンブリの製造中、製造要件は、多くの場合、単一の供給システムのスループット能力を超える。単一の供給システムのスループット限界を克服するために、種々のストラテジーが適用されて、多くの場合、複数の動作が並列に実行されることを可能にすることによって、製造プロセスが改善される。例えば、米国特許第7,833,572号、同第7,923,056号、同8,230,805号および同第9,374,905号は、各々、複数の供給ユニットを有する供給システムを用いて材料を同時に供給するシステムおよび方法に関するものである。これらの米国特許は、あらゆる目的で本願と一体をなすものとして引用する。これらの特許において開示されているシステムおよび方法は、調整可能ブラケットを用いること、或いは、1つの供給ポンプの、供給動作前若しくは供給動作中の別の供給ポンプに対する相対的なX-Y位置を制御することによって、隣接する供給ユニット間の間隔を調整することを教示している。このようなシステムは、多目的であり、種々の供給用途に良好に適合させることができる。しかしながら、このようなシステムの機械的な複雑性および電気的な複雑性は、3つ以上の供給ポンプに適用される場合、非実用的なものになるか或いはコストがかかる場合がある。
【0006】
大型民生用機器等の市場向け電子アセンブリの製造において、電子回路基板は、多くの場合、特定の回路の複数のインスタンスが1つの回路基板上に存在する状態で作製される。例えば、単一のプリント回路パネルが、均一の間隔で変位された4つの同一回路パターンを有する場合がある。複数の回路の繰り返しパターンは、一度での2つ以上の回路上への同時供給に適している。パターン同士の間の距離に応じて、隣接する回路上に供給する、例えば、まず回路♯1、♯2、その後♯3、♯4上に供給するのに2つの供給ポンプを十分近接させて配置するのは非実用的である場合がある。しかしながら、まず回路♯1、♯3、その後♯2、♯4上に供給することによって同じ利点を実現することができる。しかしながら、X-Y平面における基板の任意の回転が、結果として、供給される2つのパターンの相対的なX-Yの位置における変化をもたらすことになることが観測される。従って、2つ(以上の)供給ポンプ間の相対的間隔は、2つ以上のパターンを同時にかつ正確に供給すべき場合、基板の間隔を適合させるために調整されなければならない。代替的に、供給ポンプのアレイに適合させるのに基板を回転させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目標は、拡張可能かつ実用的な方法で複数の供給ポンプの並列供給動作を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の1つの態様は、電子基板を供給位置に移送することであって、電子基板は少なくとも2つの同一パターンと、少なくとも2つの基準マークを有することと、電子基板上に設けられた少なくとも2つの基準マークの少なくとも1つの画像を撮像することと、少なくとも1つの画像を解析して、電子基板の位置を、X軸方向、Y軸方向およびθ方向に求めることと、電子基板の回転角度を演算することと、供給ポンプアレイを回転させて、電子基板の角度に適合させることとを含む、材料を供給する方法に関する。
【0009】
本方法の実施形態は、供給ポンプアレイを用いて、少なくとも2つの同一パターン上に同時の供給動作を実行することを更に含むことができる。供給ポンプアレイは第1と第2の供給ポンプを備えることができ、第2の供給ポンプは、第1の供給ポンプから所定の距離だけ離隔している。本方法は、少なくとも2つの同一パターンの第1と第2のパターンの各々の第1の位置に第1と第2の供給ポンプから材料を供給することを更に含むことができる。本方法は、電子基板の第1のパターンの第2の位置の上方に第1の供給ポンプを、かつ、第2のパターンの第2の位置の上方に第2の供給ポンプを同時に移動させることと、第1と第2のパターンの各々の第2の位置に第1と第2の供給ポンプから材料を供給することとを更に含むことができる。第1の供給ポンプから材料を供給することは、少なくとも2つの同一パターンのうちの第1のパターンに向けて第1の供給ポンプを下降させることを含むことができ、第2の供給ポンプから材料を供給することは、少なくとも2つの同一パターンのうちの第2のパターンに向けて第2の供給ポンプを下降させることを含むことができる。供給ポンプアレイを回転させることは、X-Y調整機構を用いて第2の供給ポンプを調整することを含むことができる。供給ポンプアレイは、単一の回転自由度で電子基板に対して整列することができ、複数の電子基板と、複数の供給ポンプアレイを備える供給システムの場合、各供給ポンプアレイが、その対応する電子基板に対して整列することができる。複数の供給ポンプアレイが用いられる場合、各供給ポンプアレイが、他の供給ポンプアレイと異なる角度で回転することで、目標電子基板に適合することができる。各供給ポンプアレイを、供給動作中に複数の供給ポンプアレイ間の相対的間隔を調整するように動的に移動させることができる。
【0010】
本開示の別の態様は、電子基板上に粘性材料を供給する供給システムに関する。1つの実施形態では、供給システムは、フレームと、このフレームに結合された支持体とを備える。支持体は、電子基板を受け取るように構成される。電子基板は、少なくとも2つの同一パターンと、少なくとも2つの基準マークを有する。供給システムは、粘性材料を供給する供給ポンプアレイと、フレームに結合されたガントリーであって、このガントリーは、X軸およびY軸方向に供給ポンプアレイを移動させるとともに、供給ポンプアレイを回転させる、ガントリーと、電子基板上に設けられた少なくとも2つの基準マークの少なくとも1つの画像を撮像するように、フレームとガントリーの一方に結合された視覚システムとを更に備える。供給システムは、電子基板上の供給動作を実行するように供給ポンプアレイ、ガントリーおよび視覚システムを制御するコントローラーを更に備える。コントローラーは、少なくとも1つの画像を解析して、電子基板の位置を、X軸方向、Y軸方向およびθ方向に求め、電子基板の回転角度を演算し、供給ポンプアレイを回転させて、電子基板の角度に適合させるように更に構成される。
【0011】
供給システムの実施形態は、供給ポンプアレイを用いて、少なくとも2つの同一パターン上に同時の供給動作を実行するようにコントローラーを構成することを更に含むことができる。供給ポンプアレイは第1と第2の供給ポンプを備えることができ、第2の供給ポンプは、第1の供給ポンプから所定の距離だけ離隔している。コントローラーは、少なくとも2つの同一パターンの第1と第2のパターンの各々の第1の位置に第1と第2の供給ポンプから材料を供給するように更に構成することができる。供給システムは、電子基板の第1のパターンの第2の位置の上方に第1の供給ポンプを、かつ、第2のパターンの第2の位置の上方に第2の供給ポンプを同時に移動させることと、第1と第2のパターンの各々の第2の位置に第1と第2の供給ポンプから材料を供給することとを更に含む。第1の供給ポンプから材料を供給することは、少なくとも2つの同一パターンのうちの第1のパターンに向けて第1の供給ポンプを下降させることを含むことができ、第2の供給ポンプから材料を供給することは、少なくとも2つの同一パターンのうちの第2のパターンに向けて第2の供給ポンプを下降させることを含むことができる。供給ポンプアレイを回転させることは、X-Y調整機構を用いて第2の供給ポンプを調整することを含むことができる。供給ポンプアレイは、単一の回転自由度で電子基板に対して整列させることができ、複数の電子基板と、複数の供給ポンプアレイを備える供給システムの場合、各供給ポンプアレイを、その対応する電子基板に対して整列させることができる。複数の供給ポンプアレイが用いられる場合、各供給ポンプアレイが、他の供給ポンプアレイと異なる角度で回転することで、目標電子基板に適合させることができる。各供給ポンプアレイを、供給動作中に複数の供給ポンプアレイ間の相対的間隔を調整するように動的に移動させることができる。
【0012】
本開示の更に別の態様は、電子基板を供給位置に移送することであって、電子基板は、少なくとも2つの同一パターンと、少なくとも2つの基準マークを有することと、電子基板上に設けられた少なくとも2つの基準マークの少なくとも1つの画像を撮像することと、少なくとも1つの画像を解析して、電子基板の位置を、X軸方向、Y軸方向およびθ方向に求めることと、電子基板の回転角度を演算することと、電子基板を回転させて、供給ポンプアレイの角度に適合させることとを含む、材料を供給する方法に関する。
【0013】
本方法の実施形態では、供給ポンプアレイを用いて、少なくとも2つの同一パターン上に同時の供給動作を実行することを更に含むことができる。供給ポンプアレイは第1と第2の供給ポンプを備えることができ、第2の供給ポンプは、第1の供給ポンプから所定の距離だけ離隔している。本方法は、少なくとも2つの同一パターンの第1と第2のパターンの各々の第1の位置に第1と第2の供給ポンプから材料を供給することを更に含むことができる。本方法は、電子基板の第1のパターンの第2の位置の上方に第1の供給ポンプを、かつ、第2のパターンの第2の位置の上方に第2の供給ポンプを同時に移動させることと、第1と第2のパターンの各々の第2の位置に第1と第2の供給ポンプから材料を供給することとを更に含むことができる。第1の供給ポンプから材料を供給することは、少なくとも2つの同一パターンのうちの第1のパターンに向けて第1の供給ポンプを下降させることを含むことができ、第2の供給ポンプから材料を供給することは、少なくとも2つの同一パターンのうちの第2のパターンに向けて第2の供給ポンプを下降させることを含むことができる。電子基板を回転させることは、電子基板を支持するベース部を回転させることを含むことができる。供給ポンプアレイは、単一の回転自由度で電子基板に対して整列され、複数の電子基板と、複数の供給ポンプアレイを備える供給システムの場合、各供給ポンプアレイが、その対応する電子基板に対して整列することができる。
【0014】
以下、添付図面を参照して、少なくとも1つの実施形態の様々な態様を説明する。これらの図は、一律の縮尺で描くことを意図したものではない。図は、様々な態様および実施形態を図解し、更なる理解を提供するためのものであり、本願に組み込まれて本願の一部を構成するが、どの特定の実施形態も限定することを意図していない。図面は、特許請求の範囲に記載され特徴および以下に記載される実施の形態の原理および作用を本明細書の残りの部分とともに説明する。添付図面では、様々な図に示された各同一のまたは略同一の構成要素は、同じ参照符号により指示されている。明瞭にするために、あらゆる構成要素があらゆる図においてラベル付けされているとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】本開示の方法を実行するのに用いられる本開示の一実施形態の供給システムの概略図である。
【
図3】本開示の方法を実行するのに用いられる本開示の一実施形態の供給システムの概略図である。
【
図4】本開示の方法を実行するのに用いられる本開示の別の実施形態の供給システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の種々の実施形態は、粘性材料供給システム、供給システムを含むデバイスに関する。本明細書において開示される実施形態は、複数の電子基板上に同時に供給する複数の供給ポンプを有する供給システムによって電子基板上に材料を供給する技法に関する。
【0017】
例示のためだけであり、普遍性を制限するものではないが、ここで、添付の図面を参照しながら本開示が詳細に記述される。本開示は、その応用形態に関して、以下の説明に記載され、或いは、図面に示される構成の細部および構成要素の配置には限定されない。本開示において記載される原理は、他の実施形態でも使用可能であり、種々の方法において実践または実行することができる。また、本明細書において用いられる言い回しや用語は、説明することを目的としており、制限するものと見なされるべきではない。本明細書において単数のものとして参照されるシステムおよび方法の例、実施形態、構成要素、要素または作用に対する任意の参照は、複数のものを含む実施形態も包含することができ、本明細書における任意の実施形態、構成要素、要素または作用に対する複数のものとしての任意の参照は、単数のもののみを含む実施形態も包含することができる。単数形または複数形における参照は、本明細書において開示されるシステムまたは方法、それらの構成要素、動作または要素を限定することを意図されていない。本明細書において「~を含む」、「~を備える」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を伴う」および、それらの変形の用語を使用することは、その前に記載される物品と、その相当品および追加の物品とを包含することを意味する。「または/若しくは」に対する参照は、「または/若しくは」を用いて記載される任意の用語が、この説明される用語の単一のもの、1つ以上、および、全てのもののうちの任意のものを含むことができるような包括的なものと解釈することができる。加えて、本明細書と、引用することにより本明細書の一部をなす書類との間で用語の使用法が一貫しない場合、本明細書の一部をなす文献における用語の使用法は、本明細書の使用法に対する補足であり、非一貫性が矛盾をきたすものである場合、本明細書における用語の使用法が有効である。
【0018】
図1は、本開示の1つの実施形態による、全体として10で示される供給システムを概略的に示している。供給システム10は、プリント回路基板または半導体ウェハー等の電子基板12上に、粘性材料(例えば、接着剤、封入材料、エポキシ、はんだペースト、アンダーフィル材料等)または半粘性材料(例えば、はんだフラックス等)を供給するのに用いられる。供給システム10は、代替的に、自動車用ガスケット材料を塗布するため、或いは、或る特定の医療分野に適用するためや、導電性インクを塗布するため等、他の応用において用いることができる。本明細書において用いられる場合、粘性材料または半粘性材料に対する参照は例示であり、非限定的なものであることが意図されることを理解されたい。供給システム10は、供給ユニットのアレイ、例えば、それぞれ全体として14、16で示される第1の供給ユニットおよび第2の供給ユニットのアレイと、供給システムの動作を制御するコントローラー18とを備える。供給ユニットは、本明細書において、供給ポンプおよび/または供給ヘッドと称されることもあることを理解されたい。2つの供給ユニットを示すが、供給ユニットのアレイは、本開示全体を通して図示、説明される供給ユニットを3つ以上備えることができることを理解されたい。
【0019】
また、供給システム10は、電子基板12を支持するベース部または支持体22を有するフレーム20と、供給ユニット14、16を支持し、移動させるためにフレーム20に移動可能に結合された供給ユニットガントリー24と、例えば、較正手順の一部として、粘性材料の供給された量を計量し、重量データをコントローラー18に与える重量測定デバイスまたは計量器26とを備えることができる。供給システムに対する電子基板の装着、取外しを制御するために、供給システム10において、コンベヤシステム(図示せず)または移動ビーム等の他の移送機構を使用してもよい。ガントリー24は、コントローラー18の制御下においてモーターを用いて移動し、供給ユニット14、16を電子基板の上方の所定の位置に位置決めすることができる。供給システム10は、作業者に種々の情報を表示するためにコントローラー18に接続されたディスプレイユニット28を備えることができる。供給ユニットを制御する任意選択の第2のコントローラーを設けてもよい。また、各供給ユニット14、16は、Z軸センサーを用いて、電子基板12または電子基板上に実装される部品の上方に供給ユニットが配置される高さを検出するようにできる。Z軸センサーは、コントローラー18に結合され、センサーによって取得された情報をコントローラーに中継する。
【0020】
上記のような、供給動作を実行する前に、基板、例えば、プリント回路基板は、供給システムの供給ユニットに対して整列させたり、或いは、別の方法で位置合わせしなければならない。供給システムは、視覚システム30を更に備え、1つの実施形態において、視覚システム30は、視覚システムガントリー32に結合され、視覚システムガントリー32は、視覚システムを支持するとともに移動させるために移動可能にフレーム20に結合される。別の実施形態では、視覚システム30は、供給ユニットガントリー24上に設けられていてもよい。上記のように、視覚システム30は、電子基板上の、基準として知られるランドマーク、つまり構成要素の位置を照合するために利用される。位置特定されると、コントローラーは、電子基板上に材料を供給するように供給ユニット14、16のうちの1つ以上の動きを操作するようにプログラミングすることができる。
【0021】
本開示のシステムおよび方法は、電子基板、例えば、プリント回路基板上に材料を供給することに関する。本明細書において提供されるシステムおよび方法の説明は、供給システム10の支持体22上に支持される例示的な電子基板12(例えば、プリント回路基板)を参照する。1つの実施形態では、供給動作は、コントローラー18によって制御され、コントローラー18は、材料供給ユニットを制御するコンピューターシステムを含んでいてもよい。別の実施形態では、コントローラー18は作業者が操作するようにしてもよい。コントローラー18は、電子基板12の1つ以上の画像を取得するように視覚システムを移動させるために視覚システムガントリー32の動きを操作するように構成される。コントローラー18は、供給動作を実行するために、供給ユニット14、16を移動させるように供給ユニットガントリー24の動きを操作するように更に構成される。
【0022】
本開示の実施形態は、1つ以上の電子基板上に同時に正確に供給する、或いは、単一の電子基板に関連付けられた2つ以上のパターン上に同時に正確に供給する、代替的かつ優位性のある手段を提供する。本明細書において開示される方法は、以下に限定されるものではないが、オーガー、ピストンおよび噴射ポンプを含む種々のタイプの供給ポンプの使用を更にサポートする。
【0023】
1つの実施形態では、2つ以上の供給ポンプのアレイが共通ブラケットまたは支持アセンブリに取り付けられることで供給ポンプの組み付けられたアレイが形成され、これは、以後、供給ポンプアレイまたはポンプアレイと称される。供給ポンプアレイの個々の供給ポンプ同士の間の相対的間隔が手動または自動で調整されることで、供給が行われることになる基板パターン同士の間の相対的間隔が適合される。供給ポンプアレイは、X-Y平面において、位置決めシステムのX軸-Y軸に対して供給ポンプアレイを回転させることが可能な機構に取り付けられる。供給ポンプアレイは、ガントリー駆動システムによって、1つ以上の電子基板に対してZ軸によって鉛直に位置決めすることもしないこともでき、その後、X軸位置およびY軸位置において位置決めされる。
【0024】
本開示の実施形態に従って構築され或いは配置されるシステムは、共通のガントリー駆動システム上で2つ以上のθ駆動ポンプアレイを用いるように構成することができる。2つのポンプアレイが1つの供給システム上で用いられる場合、2つのポンプアレイ間の相対的間隔を調整するようにX-Y調整機構を用いることができる。3つ以上のポンプアレイが1つのシステム上で利用される場合、ポンプアレイ同士の間の相対的間隔を調整するように複数のX-Y調整機構を用いることができる。
【0025】
供給システムの製造動作の前に、或る特定のセットアップステップを実行するべきである。例えば、
図2を参照すると、全体として40で示される供給ポンプアレイが、42、44で示される2つの供給ポンプを有するように示される。また、全体として46で示される電子基板が、4つの同一パターン48A(「パターン1」)、48B(「パターン2」)、48C(「パターン3」)、48D(「パターン4」)を備え、各パターンが既知のポイントAおよび既知のポイントBを有する。電子基板46は、第1の基準マークF1、第2の基準マークF2および第3の基準マークF3を更に備える。電子基板46上で同時供給を実行する一方法は、4つのパターン48A、48B、48C、48Dの各々の間の空間間隔つまりピッチを求めることを含む。このピッチは、サンプル電子基板から測定することもできるし、このデータは、設計データから既知のものとすることもできる。
【0026】
例えば、図示の実施形態では、ピッチは、電子基板46のパターン48A、48B、48C、48D上の既知のポイントA、Bから測定することができる。具体的には、ピッチは、基板46上の隣接したパターン間、例えば、パターン48Aとパターン48Bとの間の既知のポイントA-A間または既知のポイントB-B間で測定することができる。設計データは、理想的な或いは完璧な電子基板からの自身の特定のばらつきを有する場合がある特定の電子基板からの測定値よりも正確であり得るので、ピッチを求めるこれらの2つの方法のうちの後者が多くの場合に好ましい。パターンピッチが既知となると、これに応じて、供給ポンプアレイ40の供給ポンプ42と供給ポンプ44との間の間隔Sが、所定の距離を確立するように調整される。この例では、供給ポンプ間隔Sは、パターンピッチの2倍に調整されている。
【0027】
この配置構成は、特にパターンピッチが供給ポンプの幅に近いか或いはこの幅未満の場合、1パターンピッチ間隔に供給ポンプ間隔Sを設定するよりも達成するのが実用的であり得る。ポンプ対ポンプ間隔Sを調整するこのプロセスは、手動または自動のいずれでも達成することができ、視覚システム30等の機械視覚システムに対する各供給ポンプ42、44の実際の供給位置の較正を含むことができ、この較正は、時として、「カメラ対ノズルオフセットの教示」と称される。
【0028】
追加のセットアップステップは、電子基板46の各パターン48A、48B、48C、48D上に供給すべき材料の量および位置を指定するプログラムまたはプロセスレシピを作成することを含む。このプロセスレシピを生成するための情報は、設計データから特定することもできるし、この情報は、特定の電子基板から「教示」することもできる。このプロセスレシピは、整列検知および較正(例えば、表面高さの「Z方向(Z-sense)」較正を実行すべき時およびこれを行うべき位置)、重量較正(例えば、供給ポンプの出力をモニタリングおよび較正すべき方法およびこれを行うべき時)、温度制御(例えば、供給を開始する前に電子基板が20秒間加熱ゾーン内に置かれるまで待機する)、供給動作のタイミング(例えば、或る堆積後、次の堆積を行う前に30秒間待機する)等の命令を更に含むことができる。
【0029】
機械(供給システム)およびプログラムのセットアップステップが完了すると、機械の製造動作を以下のように開始することができる。供給システム内の所定の位置に電子基板が装着される。電子基板を装着するための典型的な機構は、限定されないが、1つ以上のコンベヤレーンを用いることができるコンベヤシステムを含む。
【0030】
ここで
図3を参照すると、機械視覚システム、例えば
図1に示される視覚システム30を用いて、電子基板46が位置特定される。これは、典型的には、基準マークF1、F2、F3等の整列特徴の画像を撮像し、次に、これらの画像を解析して、電子基板の位置(X-Yおよびθにおける)を求めることによって達成される。電子基板46の回転角度が演算されると、供給ポンプアレイ40がθにおいて回転されて、電子基板の角度が適合される。換言すれば、供給ポンプアレイ40の第1と第2の供給ポンプ42、44のアラインメントは、電子基板46のパターン48A、48B、48C、48Dのアラインメントに対して整列され、或いは平行である。米国特許第9,374,905号において開示されているシステム等の従来のシステムでは、第1の供給ポンプ42に対する第2の供給ポンプ44の調整は、X-Y調整機構を用いて達成される。この手法は、2つの供給ポンプを有するシステムの場合に良好に機能する。
【0031】
具体的には、1つの実施形態では、供給ユニットガントリー24は、2つの側部レール間に延在するビームを備えるように構成することができる。このビームは、供給ポンプアレイ40のY軸移動を達成するように、側部レールに沿ったY軸方向に移動するように構成される。供給ポンプアレイ40のX軸移動は、ビーム上に取り付けられたキャリッジデバイスによって達成される。具体的には、キャリッジデバイスは、供給ポンプアレイ40を支持するとともに、ディスペンサー10のベース部22上に位置決めされた基板12の所望の位置の上方で供給ユニットを移動させるようにX軸方向にビームの幅に沿って移動するように構成される。或る特定の実施形態では、X-Y平面における供給ユニットガントリー24の移動(すなわち、ビームおよびキャリッジデバイスの移動)は、各々のモーターによって駆動されるボールねじ機構や、或いは、当該技術分野において良く知られているような他の直線運動駆動コンポーネントを利用することによって達成することができる。
【0032】
供給ポンプ42および供給ポンプ44は、キャリッジデバイスに固定されたリニア軸受によってキャリッジデバイスに結合される。1つの実施形態では、供給ポンプ42は、リニア軸受に不動に固定され、供給ポンプ44は、自動調整機構によってリニア軸受に結合される。供給ポンプ44をリニア軸受に固定することもでき、かつ、供給ポンプ42を自動調整機構に結合することもできるし、供給ポンプ42、44の双方を自動調整機構に結合することもでき、これらは、本開示の範囲内に入ることを理解されたい。或る特定の実施形態では、供給ポンプ42および供給ポンプ44は、距離を置いて互いにオフセットさせることができ、自動調整機構が、X軸およびY軸方向に比較的小さい距離だけ第2の供給ユニットを移動させることによって、この距離を調整するように構成される。別の実施形態では、供給ポンプ42、44に関連付けられた取付アセンブリは、各々供給ポンプのZ軸移動を可能にするように構成される。
【0033】
構成済みになると、供給システムのコントローラー(例えば、供給システム10のコントローラー18)は、供給ポンプアレイ40の供給ポンプ42、44を用いて、電子基板46の少なくとも2つの同一パターンに対する同時の供給動作を実行するように構成される。具体的には、
図3に示される配置構成を参照すると、供給ポンプアレイ40は、パターン48Aの第1の位置Aの上方に第1の供給ポンプ42を位置決めするとともに、パターン48Cの第1の位置Aの上方に第2の供給ポンプ44を位置決めするように移動される。供給動作中、供給ポンプアレイ40は、パターン48Aの第2の位置Bの上方に第1の供給ポンプ42を、かつ、パターン48Cの第2の位置Bの上方に第2の供給ポンプ44を同時に位置決めするように移動され、電子基板のパターン48A、48C上に供給ポンプアレイの第1と第2の供給ポンプから材料が供給される。いくつかの実施形態では、供給中、第1の供給ポンプ42がパターン48Aに向かって下降されるとともに、第2の供給ポンプ44がパターン48Cに向かって下降される。供給ポンプアレイ40の第1と第2の供給ポンプ42、44の下降は同時に行うことができる。
【0034】
同様に、電子基板46のパターン48Bおよびパターン48D上に供給するために、供給ポンプアレイ40は、パターン48Bの第1の位置Aの上方に第1の供給ポンプ42を位置決めするとともに、パターン48Dの第1の位置Aの上方に第2の供給ポンプ44を位置決めするように移動される。供給動作中、供給ポンプアレイ40は、パターン48Bの第2の位置Bの上方に第1の供給ポンプ42を、そして、パターン48Dの第2の位置Bの上方に第2の供給ポンプ44を同時に位置決めするように移動され、電子基板のパターン48B、48D上に供給ポンプアレイの第1と第2の供給ポンプから材料が供給される。
【0035】
本開示では、供給ポンプアレイ40の供給ポンプ42、44は、単一の回転自由度で電子基板46に対して整列される。
図4を参照すると、複数の電子基板46および複数のポンプ44が利用される供給システムについて、ポンプアレイの各々を、対応する電子基板の各々に対して整列させるのに同じ整列プロセスが用いられる。複数のポンプアレイ40が用いられる場合、電子基板が電子基板支持システム内に位置決めされるときに異なる角度で方向付けされている可能性があるので、各々のポンプアレイも、目標電子基板46A、46Bに適合するように互いに異なる角度だけ回転させることができる。複数のポンプアレイ40がこのように異なる角度で電子基板に整列される場合、複数の電子基板46の各々の上にある対応する特徴間の相対的間隔は、電子基板内の特徴の位置に依存して変動するので、X-Y調整機構を用いて、種々の供給動作中に供給ポンプアレイ間の相対的間隔を動的に調整することができる。
【0036】
図4に明確に示されるように、第1の電子基板46A上のAからBへの供給経路は、第2の電子基板46B上のAからBへの対応する供給経路に対して平行ではない。これらの2つの経路間の相違により、各供給ポンプアレイが電子基板46A、46B上の所望の経路と適切に整列された状態を保つことを確実にするには、2つの供給ポンプアレイ40A、40B間の距離が供給移動中に調整されなければならないことになる。
【0037】
図示される回転角度は明確性のために大幅に誇張されているものの、ミリラジアン(Mrad)のオーダーまたはそれ未満の非常に小さい回転角度でさえ、横方向のオフセットをもたらす可能性があり、このオフセットは、補正されないままにされると、供給プロセスに弊害をもたらす可能性があることに留意されたい。
【0038】
本開示の1つの実施形態では、基板コンベヤが、2つ以上の電子基板を収容する基板キャリアを装着するように構成される。2つ以上の電子基板は、各々、自身の回転角度をなすことができ、これらの電子基板のために、別個の角度アラインメントが必要とされてもよい。
【0039】
本開示の別の実施形態では、1つの基板コンベヤが、2つ以上の別個の供給位置に対して電子基板の装着、取外しを行う。例えば、第1の電子基板は、第1の供給位置に装着され、第2の電子基板は、第2の供給位置に装着される。その後、機械視覚システムを用いて、後続の供給のために2つの電子基板の各々を位置特定する。
【0040】
本開示の代替的な実施形態では、電子基板は、供給ポンプアレイ40と整列するように回転させることができる。この手法の顕著な利点は、移動可搬重量の一部としてX-Y運動システムによってθ調整機構を保持する必要がないということである。具体的には、供給ポンプアレイ40の供給ポンプ42、44の位置を調整するのではなく、電子基板12を位置決めするようにディスペンサー10のベース部22を操作することができる。供給ポンプ42、44は、互いに対して固定することができ、ディスペンサー10のベース部22は、供給ポンプアレイ40を用いた供給動作を実行する前に、所望の位置にベース部を回転させるとともに、別様に位置決めするのにX軸およびY軸方向に移動させるようにできる。基板支持体を調整する1つのこのような機構を、米国特許第7,861,650号において見出すことができ、この米国特許は、あらゆる目的で本願と一体をなすものとして引用する。
【0041】
具体的には、1つの実施形態では、ベース部22はテーブルを含み、このテーブルは、供給位置において電子基板12を支持する支持体とともに機能する。テーブルは、視覚システム30によって、支持体上に配置された電子基板12を、供給ポンプアレイ40と整列させるように移動されるように構成される。1つの実施形態では、テーブルは、ディスペンサー10のフレーム20の上部に設けられた機械加工済みの表面の上部に載置されるように適合された4つのボール軸受を備える。ディスペンサー10は、電子基板12が整列するように移動されるようにテーブルを移動させる3つの移動機構を備える。移動機構は、構成が同一のものとすることができ、この構成において、第1と第3の移動機構が、Y軸方向にテーブルを移動させるように構成され、第2の移動機構が、Y軸方向にテーブルを移動させるように構成される。第1と第3の移動機構は、互いに離隔して置くことができ、第2の移動機構が、第1と第3の機構の方向に対して横断する方向にこれらの間に配置される。この配置構成は、X軸およびY軸方向にベース部22のテーブルの移動並びにテーブルの回転が、ベース部を所望の位置に回転させるように移動機構を操作することによってコントローラー18の制御下で達成されるようなものである。
【0042】
本開示の別の代替的な実施形態では、2つ以上の電子基板を、供給ポンプアレイと整列するように独立して回転させることができる。
【0043】
別の実施形態は、2つ以上の電子基板間の間隔を調整するX-Y調整機構を更に含む。2つ以上の電子基板を、回転方向およびX-Y方向に互いに対して調整することによって、複数の別個の電子基板を、供給ポンプの単一のアレイに対して整列させるとともにこのアレイによってそれらの電子基板上に供給することができるという点で著しい利点を実現することができる。
【0044】
以上、本開示の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を説明してきたが、当業者には種々の改変、変更や改良が容易に思い想到されることは理解されたい。そのような改変や変更、改良は、本開示の一部であることを意図しており、本発明の趣旨および範囲内にあることを意図している。従って、これまでの説明および図面は一例にすぎない。
【0045】
10 ディスペンサー
12 電子基板
14 供給ユニット
16 供給ユニット
18 コントローラー
20 フレーム
22 支持体
24 ガントリー
26 計量器
28 ディスプレイユニット
30 視覚システム
32 視覚システムガントリー
40 供給ポンプアレイ
40A 供給ポンプアレイ
40B 供給ポンプアレイ
42 第1の供給ポンプ
44 第2の供給ポンプ
46 電子基板
46A 第1の電子基板
46B 第2の電子基板