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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-05
(45)【発行日】2023-12-13
(54)【発明の名称】電力制御方式およびその通信デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/54 20090101AFI20231206BHJP
   H04W 52/08 20090101ALI20231206BHJP
【FI】
H04W52/54
H04W52/08
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022203000
(22)【出願日】2022-12-20
【審査請求日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】111129914
(32)【優先日】2022-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504429600
【氏名又は名称】緯創資通股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WISTRON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 志明
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/213128(WO,A1)
【文献】瓜生 真也 Shinya Uryu,データサイエンティストのための最新知識と実践 初版 ,第1版,株式会社マイナビ出版 滝口 直樹,2017年06月27日,pp.89-95
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信デバイスのための電力制御方法であって、
送信電力制御(TPC)値を決定するために、少なくとも1つのデータにベイズ最適化、原因ベイズ最適化、または動的原因ベイズ最適化を適用することであって、前記少なくとも1つのデータは、少なくとも第2の通信デバイスからの少なくとも1つの信号から抽出される、適用することと、
前記TPC値を出力することであって、前記TPC値は、前記第2の通信デバイスの送信電力をどのように設定するかを前記第2の通信デバイスに指示するように構成される、出力することと、を含み、
前記ベイズ最適化、前記原因ベイズ最適化、または動的原因ベイズ最適化は、複数の独立変数最適値を一緒に決定するために、前記少なくとも1つのデータに適用され、前記複数の独立変数最適値は、前記TPC値、SINR目標値、および少なくとも1つの第1の独立変数最適値を含む
電力制御方法。
【請求項2】
第1の通信デバイスのための電力制御方法であって、
送信電力制御(TPC)値を決定するために、少なくとも1つのデータにベイズ最適化、原因ベイズ最適化、または動的原因ベイズ最適化を適用することであって、前記少なくとも1つのデータは、少なくとも第2の通信デバイスからの少なくとも1つの信号から抽出される、適用することと、
前記TPC値を出力することであって、前記TPC値は、前記第2の通信デバイスの送信電力をどのように設定するかを前記第2の通信デバイスに指示するように構成される、出力することと、を含み、
前記ベイズ最適化、前記原因ベイズ最適化、または動的原因ベイズ最適化は、複数の独立変数最適値を一緒に検索するために、前記少なくとも1つのデータに適用され、前記複数の独立変数最適値は、前記TPC値、前記第2の通信デバイスの電力消費のために構成される原因グラフの原因構造、および少なくとも1つの独立変数を含み、前記原因グラフの複数の原因変数が、一緒に決定される、
力制御方法。
【請求項3】
前記ベイズ最適化、前記原因ベイズ最適化、または動的原因ベイズ最適化は、少なくとも1つの独立変数から少なくとも1つの独立変数最適値を見出すために、前記少なくとも1つのデータに適用され、前記少なくとも1つの独立変数最適値は、前記TPC値を含み、第2の時間瞬間での前記第2の通信デバイスに対応する第2の電力消費は、前記第2の時間瞬間での前記少なくとも1つの独立変数、第1の時間瞬間での前記少なくとも1つの独立変数、または前記第1の時間瞬間での前記第2の通信デバイスに対応する第1の電力消費の関数である、請求項1または2に記載の電力制御方法。
【請求項4】
命令を格納するように構成される記憶回路と、
前記記憶回路に格納される前記命令を実行するように構成される、記憶デバイスに連結される、処理回路と、を含み、
前記命令は、
送信電力制御(TPC)値を決定するために、少なくとも1つのデータにベイズ最適化、原因ベイズ最適化、または動的原因ベイズ最適化を適用するという命令であって、前記少なくとも1つのデータは、少なくとも第2の通信デバイスからの少なくとも1つの信号から抽出される、命令、および
前記TPC値を出力するという命令であって、前記TPC値は、前記第2の通信デバイスの送信電力をどのように設定するかを前記第2の通信デバイスに指示するように構成される、命令であり、
前記ベイズ最適化、前記原因ベイズ最適化、または動的原因ベイズ最適化は、複数の独立変数最適値を一緒に決定するために、前記少なくとも1つのデータに適用され、前記複数の独立変数最適値は、前記TPC値、SINR目標値、および少なくとも1つの第1の独立変数最適値を含む
通信デバイス。
【請求項5】
命令を格納するように構成される記憶回路と、
前記記憶回路に格納される前記命令を実行するように構成される、記憶デバイスに連結される、処理回路と、を含み、
前記命令は、
送信電力制御(TPC)値を決定するために、少なくとも1つのデータにベイズ最適化、原因ベイズ最適化、または動的原因ベイズ最適化を適用するという命令であって、前記少なくとも1つのデータは、少なくとも第2の通信デバイスからの少なくとも1つの信号から抽出される、命令、および
前記TPC値を出力するという命令であって、前記TPC値は、前記第2の通信デバイスの送信電力をどのように設定するかを前記第2の通信デバイスに指示するように構成される、命令であり、
前記ベイズ最適化、前記原因ベイズ最適化、または動的原因ベイズ最適化は、複数の独立変数最適値を一緒に検索するために、前記少なくとも1つのデータに適用され、前記複数の独立変数最適値は、前記TPC値、前記第2の通信デバイスの電力消費のために構成される原因グラフの原因構造、および少なくとも1つの独立変数を含み、前記原因グラフの複数の原因変数が、一緒に決定される、
通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力制御方法およびその通信デバイスに関し、より具体的には、電力消費を効率的かつ正確に節約する電力制御方法およびその通信デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、閉ループ電力制御または開ループ電力制御を使用して、通信デバイス(の送信機)の送信電力を決定/調整して、通信デバイス(例えば、携帯電話)の電力消費を最小化/最適化することがある。閉ループ電力制御では、通信デバイスから受信される信号の信号対干渉+雑音比(SINR)を測定し、次に、SINRをSINR目標値と比較して、通信デバイスの送信電力をどのように調整するかを決定する。閉ループ電力制御の送信電力制御コマンドは、開ループ電力制御を使用して送信電力を計算した後に使用されることがある。
【0003】
既存の閉ループ電力制御装置は、固定されたSINR目標値を有し、既存の閉ループ電力制御装置は、通信デバイスの電力消費を長期的に最小化しようとして、通信デバイスの送信機電力を段階的に(例えば、段階毎に-1、0、+1、または+3dB)増加/減少させる(例えば、毎回-1、0、+1、+3dBだけ送信機電力を漸進的に増加/減少させる)。しかしながら、通信デバイスが高速で動いている(そして、チャネルが急速に変化している)ときに、既存の電力制御装置は、時間内に的に応答し得ず、電力を最適に制御し得ない。送信電力制御選択は、最適から程遠いため、通信デバイスの沢山の(バッテリ)電力が無駄になることがある。従って、電力制御に関しては、依然として改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の主要な目的は、電力消費を効率的かつ正確に節約する電力制御方法およびその通信デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、送信電力制御(TPC)値を決定するために、ベイズ最適化、原因ベイズ最適化、または動的原因ベイズ最適化を少なくとも1つのデータに適用することと、TPC値を出力することとを含む、第1の通信デバイスのための電力制御方法を開示する。少なくとも1つのデータは、少なくとも第2の通信デバイスからの少なくとも1つの信号から抽出される。TPC値は、第2の通信デバイスの送信電力をどのように設定するかを第2の通信デバイスに指示するように構成される。
【0006】
本発明の一実施形態は、命令を格納するように構成される記憶回路と、記憶回路に格納される命令を実行するように構成される、記憶デバイスに連結される、処理回路とを含む、通信デバイスを開示する。命令は、送信電力制御(TPC)値を決定するために少なくとも1つのデータにベイズ最適化、原因ベイズ最適化、または動的原因ベイズ最適化を適用することと、TPC値を出力することとを含む。少なくとも1つのデータは、少なくとも第2の通信デバイスからの少なくとも1つの信号から抽出される。TPC値は、第2の通信デバイスの送信電力をどのように設定するかを第2の通信デバイスに指示するように構成される。
【0007】
本発明のこれらのおよび他の目的は、様々な図および図面に図示される好ましい実施形態の以下の詳細な記述を読んだ後に、当業者に疑義なく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態による通信システムの概略図である。
図2】本発明の一実施形態による送信電力制御コマンドの電力消費、SINR目標値、および送信電力制御値の間の関係の概略図である。
図3】本発明の一実施形態による電力消費とSINR目標値との間の関係の概略図である。
図4】本発明の一実施形態による送信電力制御コマンドの電力消費と送信電力制御値との間の関係の概略図である。
図5】本発明の一実施形態による一次元問題についてのベイズ最適化の概略図である。
図6】本発明の一実施形態による原因グラフ(causal graph)の一部分の概略図である。
図7】本発明の一実施形態による接地データ(grounding data)および原因グラフの一部分の概略図である。
図8】本発明の一実施形態による原因変数cvおよびサブデータwの概略図である。
図9】ベイズ最適化、原因ベイズ最適化、およびダイナミック原因ベイズ最適化の概略図である。
図10】本発明の一実施形態による通信方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態による通信システム10の概略図である。通信システム10は、通信デバイス120~160を含むことがある。通信デバイス120は、信号Srsを送ることがある。信号Srsは、(チャネル140と呼ぶ)空気のような媒体を通じて通信デバイス140に送信される。通信デバイス140は、信号Srsの信号対干渉+雑音比(SINR:signal-to-interference-plus-noise ratio)を推定し、SINRをSINR目標値と比較することある。信号Srsの強度が弱いとき(例えば、信号SrsのSINRがSINR目標値を下回るとき)、通信デバイス140は、通信デバイス120が相応して送信電力(transmission power)を増加させることがあるように、(例えば、送信機の電力の増加を要求するために)送信電力制御(TPC:transmission power control)コマンドStpcを送ることがある。さもなければ、TPCコマンドStpcを使用して、送信電力の減少を要求することがある。
【0010】
通信デバイス120が高速移動しているとしても、通信デバイス120が、通信デバイス120の電力消費を最小化/最適化するように、最小化/最適化されたTPC値に従ってその送信電力を調整することができるように、通信デバイス140または160は、少なくとも、集合的にアルゴリズム(例えば、ベイズ最適化(Bayesian Optimization)、原因(Causal)ベイズ最適化、またはダイナミック(dynamic)(時間的(temporal))原因ベイズ最適化)に基づいて、TPCコマンドStpcのTPC値および/またはSINR目標値を決定するか或いは最適化することがある。
【0011】
ベイズ最適化を例にとる。ベイズ最適化は、その式が未知である関数の極値問題を解くためのブラックボックス最適化アルゴリズムである。例えば、P(tc,s)=uef(tc,s)であり、ここで、P()は、通信デバイス120の電力消費(の関数)を表すことがあり、uef()は、その式が未知の関数を表すことがあり、tcは、TPCコマンドStpcのTPC値を表すことがあり、sは、SINR目標値を表すことがある。換言すれば、電力消費P()、SINRの目標値s、TPC値tcの間の関係関数uef()の式は、未知である。電力消費P()を最小化するためのSINR目標値sおよび/またはTPC値tcは、ベイズ最適化を使用して計算されることがある。このようにして、通信デバイス120は、TPC値tcに従ってその送信電力を調整することがある。
【0012】
図2は、本発明の一実施形態によるTPCコマンドの電力消費、SINR目標値、TPC値の間の関係の概略図である。図3は、本発明の一実施形態による電力消費とSINR目標値との間の関係の概略図である。図4は、本発明の一実施形態によるTPCコマンドの電力消費とTPC値との間の関係の概略図である。図4において、太い点線は、通信デバイス120および140が比較的近い場合を示し/対応し、細い点線は、通信デバイス120および140が遠く離れている場合を示す/対応する。図2に示すように、(デシベルで表される絶対値である)TPC値および/またはSINR目標値が低いときには、通信デバイス120および140の間により多くの再送信(retransmissions)があり、通信デバイス120の電力消費はより大きくなる。しかしながら、図2図4は、電力消費、SINR目標値、およびTPC値の間に関係がある一方で、電力消費、SINR目標値、およびTPC値の間の関係関数uef()の式は、殆どの場合に未知であることを、例示のためにのみ示している。
【0013】
関係関数uef()の式は、不明であるので、ベイズ最適化は、部分/有限サンプリング点(ポイント)を使用して関係関数uef()に概略的に適合させ且つ以前のサンプリング点情報を活用して、極値ポイントを見出すために次のサンプリング点を決定することがある。例えば、図5は、本発明の一実施形態による一次元問題についてのベイズ最適化の概略図であり、太い実線は、目的関数の推定関数値(例えば、電力消費)を表しており、中実な黒色の点P1~P5は、それぞれ、見出されたサンプリング点を表しており、2つの点線で囲まれたエリアは、各点における目的関数の(平均値に中心付けられ且つ標準偏差に比例する)ゆらぎ範囲を表し、細い実線は、取得関数を表している。ベイズ最適化の着想は、第1に、初期的な候補解セット(例えば、電力消費、SINR目標値、または中実な黒色の点P1に対応するTPC値)を生成し、次に、初期的な候補解セットに基づいて極値を有することがある次のサンプリング点(例えば、中実の黒色の点P2)を検索し、反復が終了するまで、極値を有することがある次のサンプリング点(例えば、中実な黒色の点P3-P5)を繰り返し検索し、全ての検索されたサンプリング点(例えば、中実な黒色の点P1-P5)を候補解セットに加えることである。最終的に、(グローバル)極値点が、問題の解として候補解セットのサンプリング点(例えば、電力消費、SINR目標値、または黒色の点P4に対応するTPC値)から見出される。
【0014】
ベイズ最適化は、見出されているサンプリング点の関数値(例えば、中実な黒色の点P1に対応する電力消費)に基づいて、真の目的関数(例えば、電力消費)の平均値と分散を推定し、既に見出されたサンプリング点(例えば、中実な黒色の点P1)に従って次のサンプリング点(例えば、中実な黒色の点P2)を決定する。図5の太い実線で表される推定された目的関数(すなわち、各点での目的関数の平均値)は、サンプリング点(例えば、中実な黒色の点P1-P4)を通じて進み、分散は最小化される。分散は、推定される目的関数がサンプリング点(例えば、中実な黒色の点P1-P4)から遠いときに、より大きい。図5の細い実線で表される取得関数は、平均値および分散に従って構成されてよい。すなわち、取得関数は、平均値および分散の関数であってよい。ある点(例えば、中実な黒色の点P1-P5のうちの1つ)が目的関数の極値点である可能性の推定は、その点が検索する価値がある程度を反映する。取得関数の相対的な極値点は、目的関数の次のサンプリング点に対応してよい。例えば、図5の矩形ボックスによって表される点P5は、取得関数の最大点であり、(SINR目標値またはTPC値に従って)目的関数(例えば、電力消費)の次のサンプリング点(すなわち、中実な黒色の点P5)に対応してよい。
【0015】
1つの実施形態において、電力消費、SINR目標値、および中実な黒色の点P1-P5のうちの1つに対応するTPC値は、図1の信号Srs、電力ヘッドルーム報告書、通信デバイス140、160によって受信される他の信号、または通信デバイス140、160に内部的に格納された他のデータから得られることがあるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、信号Srsは、基準信号であってよい。
【0016】
ベイズ最適化の核心は、2つの部分、すなわち、目的関数をモデル化すること(すなわち、ガウス過程回帰(Gaussian process regression)によって達成されることがある異なる点で目的関数の平均値および分散を計算すること)と、(どの点が特定の反復において処理されるべきかを決定するため)取得関数を構築することとに分けられることがある。要するに、ガウス過程は、構成されていない独立変数に対応する電力消費を推測/推定するために使用されてよい。すなわち、電力消費は、推測された平均値および分散のガウス分布(Gaussian distribution)から推測されてよい。
【0017】
本発明のアルゴリズムは、サンプリング点のセットでの目的関数の関数値に基づいて、任意の点での目的関数の関数値の確率分布を予測するために、ガウス過程回帰を用いることがある。ガウス過程回帰は、既知の分散の独立した正規分布ノイズ(normally distributed noise)を持つ観察に拡張することがある。分散は未知であることがあるので、それはノイズが一般的な分散であることおよびノイズは超パラメータとして分散を含むことを仮定することがある。本発明は、SINRのノイズではなくドリフト値であるノイズを含むガウス過程の事後平均(posterior mean)を使用する。1つの実施形態では、コンポーネントの温度および湿度または経年劣化プロセスのような環境要因が、特定のSINR目標値または特定のTPC値に関して電力消費のドリフト値を引き起こすことがある。
【0018】
ガウス過程回帰の結果によれば、(目的関数の各点が探索に値する程度を測定するために使用される)取得関数は、目的関数の次のサンプリング点を決定するために取得関数の(相対的な)極値を解くために構築されることがある。取得関数は、例えば、知識勾配(KG)、エントロピー検索(ES)、または予測エントロピー検索(PES)であってよい。然る後、(開始から見出されている)サンプリング点のセットの目的関数の極値は、目的関数の極値(例えば、最適なTPC値および最適なSINR目標値に応答する最小電力消費)として返される。通信デバイス140は、通信デバイス120に最適なTPC値および/または最適なSINR目標値を提供することがある。
【0019】
1つの実施形態において、TPC値は、(例えば、毎回-1、0、+1、または+3dBだけ電流送信電力を漸進的に増加/減少させる代わりに電流送信電力を正確な送信電力に変更するように指示する)相対値ではなく絶対値である。TPC値(例えば、20)は、送信電力がどのデシベル(dB)まで調整されるべきか(例えば、20dB)を通信デバイス120に直接的に示すために使用されてよい。換言すれば、従来技術において長期的に最適解に収束するようにTPC値のためにTPC値を微調整することと比較して、本発明は、より良いTPC値を直接的に示すことがある。通信デバイス120の元の送信電力とTPC値との間の差は、3dBよりも大きいことがあり、-1dBよりも小さいことがあり、或いは-1dB~3dBの範囲内にあることがある。
【0020】
1つの実施形態において、本発明のアルゴリズムは、SINR目標値を最適化することがある。換言すれば、SINR目標値は、固定的ではなく動的である。SNR目標値は、データのタイプまたは通信デバイス120の場所に依存して異なることがあるので、SINR目標値は、固定値であることが理想的ではない場合がある。
【0021】
1つの実施形態では、固定レート(すなわち、固定スループット)に基づく制約が、アルゴリズム(例えば、ベイズ最適化)に追加されてよい。すなわち、電力は、固定スループットの方法において制御される。
【0022】
1つの実施形態では、(TPC値およびSINR目標値を除く)本発明のアルゴリズムによって考慮されるべき多くの独立変数が存在することがある。空間次元が成長すると、ベイズ最適化の性能(パフォーマンス)は、指数関数的に劣化することがある。従って、本発明のアルゴリズムは、原因ベイズ最適化(CBO)に拡張することがある。換言すれば、本発明は、電力消費がSINR目標値、TPC値、および他の独立変数に関連するときに、最適/最小電力消費を計算するために、原因ベイズ最適化を使用することがある。
【0023】
具体的には、本発明は、電力消費、SINR目標値、TPC値、および/または他の独立変数の間の原因関係(例えば、電力消費、SINR目標値、TPC値、および/または他の独立変数の原因グラフ)を見出すことがある。従って、電力消費、SINR目標値、TPC値、および他の独立変数は、原因変数と見なされることがある。例えば、図6は、本発明の一実施形態による原因グラフCG1の一部分の概略図である。CV1からCVxまでの原因変数は、原因モデルによって使用される原因グラフCG1を構成し、ここで、xは、正の整数である。原因変数CV1-CV3は、それぞれ、電力消費、SINR目標値、およびTPC値を表す。図6に示されるように、原因ベイズ最適化によって見出される原因二次元性(causal dimentionality)は、x-1であることがあるので、最適化のために原因ベイズ最適化の目的関数(例えば、電力消費)に給送されるx-1独立変数が存在する。従って、原因変数CV1を最小化することができるx-1原因変数CV2-CVxの値が計算される。原因グラフCG1は、最適な意思決定戦略について理論的に考える能力を有意に向上させることがあり、それによって、最適化コストを低下させ、最適未満の解を回避する。
【0024】
一実施形態では、最適化のための原因モデルが、電力消費、SINR目標値、TPC値、および他の独立変数の原因グラフを得るために、最大事後(MAP)および点推定に基づいて選択されることがある。従って、原因モデルの原因関係グラフの原因変数(例えば、原因変数の数、原因変数の属性、原因変数の属性の数)および原因関係グラフの原因構造(例えば、属性同士がどのように結びついているか)は、(一度にまたは一回で)一緒に決定される/見出される/作成される。原因変数および原因構造を同時に/並列的に決定することは、先ず、原因変数を決定し、次に、原因構造を決定することによって生じる問題を回避することがある。
【0025】
例えば、図7は、本発明の一実施形態による接地データ70g(grounding data)および原因グラフCG2の一部分の概略図である。図7において、(a)および(b)は、それぞれ、接地データ70gおよび原因グラフCGの2つの可能性を図示している。原因グラフCG2は、原因関係グラフCG1として役立つことがある。1つの実施形態において、接地データ70gは、全ての観察可能なサンプルの空間から取得または導出されることがあり、よって、観察データと呼ばれることがある。1つの実施形態において、接地データ70gは、収集された全てのデータから取得または導出されてよい。1つの実施形態において、接地データ70gは、通信デバイス140によって受信される全ての信号(例えば、信号Srsまたは電力ヘッドルーム報告書)または通信デバイス140によって送信される全ての信号(例えば、TPCコマンドStpc)含むことがあり或いはそれらに関連することがある。
【0026】
図7では、原因グラフCG2の原因構造が、原因変数(例えば、原因変数cv(i-1)、cv、cv(j-1)、およびcv)の間の関係を提示することがある。観察関数f(i-1)、f、f(j-1)、およびfは、接地データ70gのサブデータw(i-1)、w、wi(j-1)、およびwと、原因変数cv(i-1)、cv、cv(j-1)、およびcvとの間の関係を提供するために、接地データ70gのサブデータw(i-1)、w、w(j-1)、およびwを、原因変数cv(i-1)、cv、cv(j-1)、およびcvにマッピングするために使用されることがある。ここで、i,jは、正の整数である。ここでのマッピングは、(全体の)接地データ70gの代わりに、対応するサブデータ(例えば、サブデータw(i-1)、w、w(j-1)、およびw)(例えば、図7におけるフレーム付きエリア)に基づいている。例えば、原因変数cv(i-1)がTPC値に対応するならば、サブデータw(i-1)は、原因変数cv(i-1)の属性に関連する(例えば、サブデータw(i-1)は、TPC値の絶対値を設定するための全てのデータに関連する)。
【0027】
1つの実施形態では、観察関数fおよび原因グラフCGの原因構造Cへの接地データ70gのサブデータwの割当の事後確率
(外0001)
は、接地データ70gのサブデータwiに基づいて対応する原因構造Cおよび対応する原因変数cvを決定/導出するために最大化されてよい。従って、原因モデルの推論は、(例えば、原因構造についての)ベイズネットワークを観察関数(例えば、観察関数f(i-1)、f、f(j-1)、およびf)と組み合わせることによって記述されてよい。原因変数(例えば、原因変数cv(i-1)、cv、cv(j-1)、cv)および対応する原因グラフ(例えば、原因グラフCG)の対応する原因構造(例えば、原因構造C)は、一緒に取得/決定される(すなわち、原因変数(例えば、cv(i-1)、cv、cv(j-1)、およびcv)は、原因構造(例えば、原因構造C)に沿って/それと共に学習される)ので、原因変数(例えば、原因変数cv(i-1)、cv、cv(j-1)、cv)および原因構造(例えば、原因構造C)が互いに相互作用/影響/制約する場合があることは、注目に値する。
【0028】
1つの実施形態において、事後確率
(外0002)
は、ベイズ規則に従って
(外0003)
を満たすことがあり、ここで、fは、対応する観察関数を表すことがあり、Cは、対応する原因構造を表すことがあり、wは、接地データ70gの部分を示すことがあり、Intは、介入を示すことがある。1つの実施形態において、事後確率
(外0004)
は、
(外0005)
または
(外0006)
に比例することがあり、ここで、st-1は、時間瞬間t-1の状態を示すことがあり、Tは、現在/現時点の時間瞬間を示すことがあり、γは、0.5であることがある、これらに限定されない。1つの実施形態において、
(外0007)
は、
(外0008)
であることがある。1つの実施形態において、
(外0009)
は、
(外0010)
または
(外0011)
であることがあり、ここでsi,tは、時間瞬間tでの原因変数cvの状態を示すことがあり、Ncvは、(例えば、原因変数cv(i-1)、cv、cv(j-1)、およびcvを含む)全ての原因変数の総数を示すことがあり、Ncvは、正の整数であり、
(外0012)
は、接地データ70g内の原因変数cvの状態sと互換性のあるサブデータwのデータ量を示すことがある。1つの実施形態において、本発明は、頻繁に使用される接地データ70g内のサブデータ(例えば、サブデータw)が、希に使用されるものよりも精細な部分に切断されることがあるように、データ量
(外0013)
を最小化する原因変数cviを選択する/見出することがある。
【0029】
上記のように、ベイズ確率機構は、(例えば、原因変数cv(i-1)、cv、cv(j-1)、およびcvを含む)原因変数の数、原因変数の状態、原因変数の原因構造、および(例えば、観察関数f(i-1)、f、f(j-1)、およびfを含む)原因変数についての観察関数を組み合わせ、関連する結合推論を引き出して接地データ70gを説明/解釈し、それによって、原因グラフCG2を作成することがある。原因構造(例えば、C)および原因グラフCG2(または原因変数の数)の例えば、(原因変数cv(i-1)、cv、cv(j-1)、およびcvを含む)原因変数は、同時に決定される。従って、原因計画モジュール120Pは、図7の(b)から(a)を区別することがあり、その逆も同様である。
【0030】
図7に示すように、各原因変数(例えば、原因変数cv)は、観察関数(例えば、観察関数f)に対応してよい。1つの実施形態では、観察関数(例えば、観察関数f)が、高次元の環境変数(例えば、接地データ70g)から低次元の状態属性(例えば、原因変数cvの状態の属性)を予測するために、原因意味発生(CSG:causal semantic generative)モデルを使用して計算/導出されてよい。原因変数(例えば、cv(i-1)、cv、cv(j-1)、およびcv)が(例えば、ドメイン専門家によって)手動で定義されるとき、各原因変数(例えば、原因変数cv)は、対応するサブデータ(例えば、サブデータw)(例えば、図7におけるフレーム付きエリア)に原因変数を接地するために専用の原因意味発生観察関数を有することがある。その上、原因意味発生モデルは、原因変数(例えば、原因変数cv)の変動要因原因であるとみなすことを回避することがあり、意味要因が原因変数の原因であると正しく決定することがある。1つの実施形態において、変動要因および意味要因は、観察データを構成することがあり/観察データに属することがある。1つの実施形態において、原因意味発生モデルは、主として原因不変原理(causal invariance principle)に基づいており、変分ベイズ(variational Bayes)を含む。
【0031】
1つの実施形態において、観察関数fは、
(外0014)
を満たすことがある。1つの実施形態において、観察関数fは、多変量ガウス分布を使用して実装されてよい。例えば、観察関数fは、
(外0015)
を満たすことがある。代替的に、観察関数fは、
(外0016)
に関連してよく、ここで、zは、接地データ70g内の(原因変数cvに寄与しない)サブデータを示すことがあり、
(外0017)
は、ゼロベクトルとして固定された手段を示すことがあり、Σは、例えば、Σ=LLを満たすように、コレスキー分解によってパラメータ化されてよい。行列Lは、正の対角線を持つより低い三角行列(triangular matrix)であってよく、例えば、
(外0018)
を満たすようにパラメータ化されてよい。行列
(外0019)
の各々は、より小さい三角行列であってよい。行列
(外0020)
は、任意の行列であってよい。行列
(外0021)
の各々は、(指数関数的マップによって保証される)正の対角要素と(正の対角要素のない)より低い三角行列の合計によってパラメータ化されてよい。
【0032】
1つの実施形態において、原因変数(例えば、原因変数cv)とサブデータ(例えば、サブデータw)との間の関係は未知であることがあるが、原因変数は、原因意味発生モデルを使用してサブデータから予測/推定されてよい。例えば、図8は、本発明の一実施形態による原因変数cvおよびサブデータwの概略図であり、ここで、(a)、(b)、(c)および(d)は、それぞれ、原因意味発生モデルの構造可能性を図示しており、scは、意味係数(semantic factor)を表すことがあり、vは、変動係数(variation factor)を表すことがあり、実線の矢印は、原因機構
(外0022)
および
(外0023)
を表すことがあり、破線の矢印は、学習のための推論モデル
(外0024)
を表すことがある。図8の(a)において、意味係数scと変動係数vとの間の方向付けられていない実線は、ドメイン固有の事前p(sc,v)を表すことがある。図8の(a)における意味係数scと変動係数vとの間の方向付けられていない実線と比較して、図8の(b)は、分布外の一般化性能を向上させるために独立した事前
(外0025)
を導入して、介入を反映する。図8の(a)における意味係数scと変動係数vとの間の方向付けられていない実線と比較して、図8の(c)は、意味係数scと変動係数vとの間に点線によって表される事前
(外0026)
を導入して、監視されていないデータを利用するために原因不変原理による介入を反映する。1つの実施形態において、本発明は、可能性を最大化することによって、原因意味発生モデル
(外0027)

(外0028)

(外0029)
をサブデータに適合させ、変分推論とエビデンス下限(ELBO)を使用して計算を行い、再パラメータ化トリック(reparameterization tricks)を適用した後にモンテカルロ(Monte Carlo)を使用して期待値を推定する。
【0033】
1つの実施形態において、原因ベイズ最適化は、電力消費に直接関係する原因変数(例えば、電力消費として機能することがある原因変数CV1を直接指し示す或いはそのような原因変数CV1に影響を及ぼす原因グラフCG1内の原因変数CV2-CVx)についてのみ最適化を実行することがある。換言すれば、原因ベイズ最適化の原因固有次元は、原因変数CV2-CVxの原因でなる原因変数の数ではなく、原因変数CV1の原因/親である原因変数CV2-CVxの数によって与えられる。
【0034】
1つの実施形態において、原因変数(例えば、原因変数CV2-CVxまたはcv(i-1)、cv、cv(j-1)、cv)は、(例えば、ドメイン専門家によって)手動で定義される。例えば、原因変数は、ドメイン専門家によって(非自動的かつ個別的に)定義される。代替的に、原因変数は、ドメイン専門家によって記述される規則を持つプログラムを使用して自動的に定義される。1つの実施形態では、サブデータ(例えば、図7のフレーム付きエリアに対応するサブデータw(i-1)、w、w(j-1)、およびw)は、ドメイン専門家による特定の原因変数の定義に従って定義される/決定される。
【0035】
原因ベイズ最適化は、出力される原因変数(例えば、原因変数CV1)および入力される原因変数(例えば、原因変数CV2-CVx)を不変独立変数として扱い、出力される原因変数および入力される原因変数の両方における時間的進展の存在(すなわち、出力される原因変数および入力される原因変数が経時的に変化するかどうか)を無視し、よって、原因変数間に存在する時間依存性構造を破壊する。時間を無視することは、問題を有意に単純化することがあるが、それはあらゆる時間瞬間で最適な介入の特定(identification)を妨げ、(特に非定常シナリオにおいて)現在の最適解を任意の時間瞬間で提供する代わりに準最適解を導くことがある。よって、本発明は、原因グラフにおける全ての原因効果が時間の経過に亘って変化するシナリオにおいて有用である動的原因ベイズ最適化に拡張することがある。
【0036】
例えば、図9は、ベイズ最適化、原因ベイズ最適化、および動的原因ベイズ最適化の概略図である。図9において、X~Xは、3つの異なる時間瞬間での原因変数を表している。Y~Yは、3つの異なる時間瞬間での別の原因変数を表している。Z~Zは、3つの異なる時間瞬間での他の原因変数を表している。しかしながら、本発明は、それらに限定されるものではなく、より異なる時間瞬間またはより多くの原因変数に拡張することがある。動的原因ベイズ最適化は、ベイズ最適化と原因ベイズ最適化を組み合わせて、原因変数間の原因関係を説明し、原因関係は、時間の経過に亘って進化することがある。例えば、動的原因ベイズ最適化では、図9に示されるように、第1の時間瞬間での原因変数Yは、第1の時間瞬間での原因変数Zの関数である。従って、(電力消費を表すか或いは電力消費に対応することがある)原因変数Yの最小値は、原因変数Yに直接関連する原因変数Zのみを使用することによって求められることがあり、原因固有次元は1である。同様に、第2の時間瞬間での原因変数Yは、第2の時間瞬間での原因変数Zおよび第1の時間瞬間での原因変数Yの関数である。従って、(電力消費を表すか或いは電力消費に対応することがある)原因変数Y2の最小値は、原因変数Yに直接関係する原因変数YおよびZのみを使用して求められることがあり、原因固有次元は2である。同様に、第3の時間瞬間での原因変数Yは、第3の時間瞬間での原因変数Zおよび第2の時間瞬間での原因変数Yの関数である。従って、(電力消費を表すか或いは電力消費に対応することがある)原因変数Yの最小値は、原因変数Yに直接関係する原因変数YおよびZのみを使用して求められることがあり、原因固有次元は2である。換言すれば、ある時間瞬間で従属変数として機能する原因変数は、(従属変数または独立変数のいずれかとして機能する)以前の時間瞬間での原因変数の関数であり、従って、前者の最小値(すなわち、特定の時間瞬間で従属変数として機能する原因変数)は、前者に直接関係する後者(すなわち、以前の時間瞬間で従属変数または独立変数のいずれかとして機能する原因変数)のみを使用することによって求められることがある。
【0037】
1つの実施形態において、通信システム10は、ダウンリンクのための通信を実行するために利用されてよい。通信デバイス140は、無線ユニット(RU:radio unit)であってよい。通信デバイス120は、顧客構内機器(CPE:customer-premises equipment)であってよい。通信デバイス160は、分散ユニット(DU:distributed unit)であってよい。しかしながら、本発明は、それらに限定されない。
【0038】
代替的に、通信デバイス140は、ノードB、進化ノードB(eNB)、次世代ノードB(gNB)、セクタ、ベーストランシーバシステム(BTS)、アクセスポイント(AP)、中継ノード、遠隔無線ヘッド(RRH)、小型セル、基地局コントローラ、または、データおよび制御情報をユーザ機器(UE)または別の基地局と交換する固定局のような、基地局であってよい。通信デバイス120は、端末機器、移動局(MS)、または固定もしくはモバイルデバイスのような、UEであってもよい。換言すれば、TPCコマンドStpcは、フォワードリンクに属するユーザ機器の電力を制御するために基地局からユーザ機器に送られてよい。
【0039】
1つの実施形態において、通信システム10は、アップリンクのための通信を実行するために利用されてよい。通信デバイス140は、顧客構内機器であってよく、通信デバイス120は、無線ユニットであってよい。しかしながら、本発明は、それらに限定されない。通信デバイス140は、UEであってよく、通信デバイス120は、基地局であってよい。通信デバイス160は、除去されてよく或いは省略されてよい。換言すれば、TPCコマンドStpcは、逆リンクに属する基地局の電力を制御するためにUEから基地局に送られてよい。
【0040】
図10は、本発明の一実施形態による通信方法100のフローチャートである。通信方法100は、通信デバイス140または160に対して利用可能である。通信方法100は、コードにコンパイルされてよく、コードは、処理回路によって実行され、記憶回路に格納される。通信方法100のステップは、以下のステップを含んでよい
【0041】
ステップS1000:開始する。
【0042】
ステップS1002:TPC値を決定するために、少なくとも1つのデータにベイズ最適化、原因ベイズ最適化、または動的原因ベイズ最適化を適用する。少なくとも1つのデータは、少なくとも通信デバイス120からの少なくとも1つの信号から抽出される(例えば、信号Srsまたは電力ヘッドルーム報告書であるが、それらに限定されない)。
【0043】
ステップS1004:TPC値を出力する。TPC値は、通信デバイス120の送信電力をどのように設定するかを通信デバイス120に指示するように構成される。
【0044】
ステップS1006:終了する。
【0045】
1つの実施形態において、記憶回路は、画像データまたは命令を格納するように構成される。記憶回路は、加入者識別モジュール(SIM)、読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ディスク読出し専用メモリ(CD-ROM/DVD-ROM/BD-ROM)、ハードディスク、光データ記憶装置、不揮発性記憶装置、非一時的コンピュータ読取可能媒体であってよいが、それらに限定されない。
【0046】
1つの実施形態において、処理回路は、(記憶回路に格納される)命令を実行するように構成される。処理回路は、マイクロプロセッサまたは特定用途向け集積回路(ASIC)であってよいが、それらに限定されない。
【0047】
要約すると、本発明は、ベイズ最適化を使用して、独立変数(例えば、TPCコマンドのTPC値および/またはSINR目標値)の最適値を選択して、最小電力消費を達成し、(任意の時間瞬間でサービス品質(QoS)を保証するために)高速移動通信デバイスを処理することがある。
【0048】
当業者は、本発明の教示を保持しながらデバイスおよび方法の多くの修正および変更が行われる場合があることを容易に理解するであろう。従って、上記の開示は、添付の特許請求の範囲の範囲によってのみ限定されると解釈されるべきである。
【要約】
【課題】電力消費を効率的かつ正確に節約する電力制御方法およびその通信デバイスを提供する。
【解決手段】第1の通信デバイスのための電力制御方法が、送信電力制御値を決定するために少なくとも1つのデータにベイズ最適化、原因ベイズ最適化、または動的原因ベイズ最適化を適用することと、送信電力制御値を出力することとを含む。少なくとも1つのデータは、少なくとも第2の通信デバイスからの少なくとも1つの信号から抽出される。送信電力制御値は、第2の通信デバイスの送信電力をどのように設定するかを第2の通信デバイスに指示するように構成される。第2の通信デバイスが速く動くとしても、第2の通信デバイスは、最適化された送信電力制御値に従ってその送信電力を調整することができ、それによって、第2の通信デバイスの電力消費を最小化することができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10